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特開2024-178943血糖測定のための敏感度を校正する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178943
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】血糖測定のための敏感度を校正する方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/1495 20060101AFI20241218BHJP
   A61B 5/1473 20060101ALI20241218BHJP
【FI】
A61B5/1495
A61B5/1473
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024095579
(22)【出願日】2024-06-13
(31)【優先権主張番号】10-2023-0075334
(32)【優先日】2023-06-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】510115030
【氏名又は名称】アイセンス,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000785
【氏名又は名称】SSIP弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】リー、ダビッド
【テーマコード(参考)】
4C038
【Fターム(参考)】
4C038KK10
4C038KL01
4C038KL09
4C038KM03
(57)【要約】
【課題】正確な敏感度を獲得するために敏感度を校正する技術を提供する。
【解決手段】一実施例は敏感度の決定のためのオフセット値を獲得する段階;前記オフセット値に基づいて、センシング値と基準血糖値から第1敏感度を決定する段階;前記第1敏感度およびセンサにより予め設定された敏感度から第2敏感度を決定する段階;前記第1敏感度および以前の敏感度との差に基づいた前記第1敏感度の信頼度を基準として前記第2敏感度を調整して第3敏感度を決定する段階;前記オフセット値および前記第3敏感度から獲得された血糖値が一定の範囲に属するかどうかにより前記第3敏感度から第4敏感度を決定する段階;および前記第4敏感度を前記敏感度として決定する段階を含む血糖測定のための敏感度を校正する方法を提供することができる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
敏感度の決定のためのオフセット値を獲得する段階;
前記オフセット値に基づいて、センシング値と基準血糖値から第1敏感度を決定する段階;
前記第1敏感度およびセンサにより予め設定された敏感度から第2敏感度を決定する段階;
前記第1敏感度および以前の敏感度との差に基づいた前記第1敏感度の信頼度を基準として前記第2敏感度を調整して第3敏感度を決定する段階;
前記オフセット値および前記第3敏感度から獲得された血糖値が一定の範囲に属するかどうかにより前記第3敏感度から第4敏感度を決定する段階;および
前記第4敏感度を前記敏感度として決定する段階を含む、血糖測定のための敏感度を校正する方法。
【請求項2】
前記第2敏感度を決定する段階は、
前記第1敏感度が前記センサにより予め設定された敏感度より大きい場合、前記センサにより予め設定された敏感度を前記第2敏感度として決定する段階を含む、請求項1に記載の血糖測定のための敏感度を校正する方法。
【請求項3】
前記第2敏感度を決定する段階は、
前記第1敏感度が前記センサにより予め設定された敏感度より小さい場合、前記センサにより予め設定された敏感度を加工する段階;および前記加工された敏感度を前記第2敏感度として決定する段階を含む、請求項1に記載の血糖測定のための敏感度を校正する方法。
【請求項4】
前記センサにより予め設定された敏感度は、
一センサまたは一グループのセンサに対して予め設定された理想的敏感度を含む、請求項1に記載の血糖測定のための敏感度を校正する方法。
【請求項5】
前記第1敏感度の信頼度を基準として前記第2敏感度を調整して第3敏感度を決定する段階は、
前記差が連続的に発生すれば前記第1敏感度の信頼度が高いと判定する段階;前記第1敏感度および前記第2敏感度から結合敏感度を獲得する段階;および前記結合敏感度を前記第3敏感度として決定する段階を含む、請求項1に記載の血糖測定のための敏感度を校正する方法。
【請求項6】
前記結合敏感度を獲得する段階は、
前記第1敏感度および前記第2敏感度を平均する、請求項5に記載の血糖測定のための敏感度を校正する方法。
【請求項7】
前記一定の範囲は、
以前に獲得されたオフセット値および前記以前の敏感度から獲得された以前の血糖値と、前記基準血糖値によって特定される、請求項1に記載の血糖測定のための敏感度を校正する方法。
【請求項8】
前記第3敏感度から第4敏感度を決定する段階は、
前記獲得された血糖値が前記一定の範囲以内であれば、前記第3敏感度を前記第4敏感度として決定する、請求項7に記載の血糖測定のための敏感度を校正する方法。
【請求項9】
前記第3敏感度から第4敏感度を決定する段階は、
前記獲得された血糖値が前記一定の範囲外であれば、前記オフセット値が反映されたセンシング値、前記以前の血糖値および前記基準血糖値から調整敏感度を獲得する段階;および
前記調整敏感度を前記第4敏感度として決定する段階を含む、請求項7に記載の血糖測定のための敏感度を校正する方法。
【請求項10】
前記調整敏感度を獲得する段階は、
前記以前の血糖値および前記基準血糖値の平均値を利用して前記調整敏感度を獲得する、請求項9に記載の血糖測定のための敏感度を校正する方法。
【請求項11】
オフセット値を獲得する段階;
前記オフセット値が反映されたセンシング値と基準血糖値から敏感度を決定する段階;および
センサにより予め設定された敏感度に基づいて前記敏感度を調整する第1方法、前記敏感度および以前の敏感度との差に基づいて前記敏感度を調整する第2方法、および前記オフセット値が反映されたセンシング値と前記敏感度から獲得された血糖値が一定の範囲に属するかどうかにより前記敏感度を調整する第3方法のうち少なくとも一つにより前記敏感度を調整する段階を含む、血糖測定のための敏感度を校正する方法。
【請求項12】
前記第1~第3方法のうち少なくとも一つにより前記敏感度を調整する段階は、
前記第1~第3方法を順次適用して前記敏感度を調整する、請求項11に記載の血糖測定のための敏感度を校正する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本実施例は血糖測定のために敏感度を校正するもので、より詳細には、敏感度を調整する多数の段階を含んで敏感度を校正する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
最近医療技術の発展で使用者の身体に付着される多様な医療用デバイスが開発されて販売されている。使用者の身体に付着される医療用デバイスは、慢性疾患患者の皮膚に付着されて生体情報をモニタリングしたり、治療をするのに便利に活用され得る。
【0003】
例えば、糖尿病のような慢性疾患は持続的な管理が必要であり、糖尿病患者の血糖をモニタリングする際に皮膚に付着されて血糖を測定する医療用デバイスが利用され得る。糖尿病は初期には殆ど自覚症状がないのが特徴であるが、病気が進行すると糖尿病特有の多飲、多食、頻尿、体重減少、全身倦怠、皮膚掻痒症、手と足の傷が治らずに長引く場合などの特有の症状が現れる。糖尿病がさらに進行すると、視力障害、高血圧、腎臓病、中風、歯周疾患、筋肉痙攣および神経痛、壊疽等に進展する合併症が現れる。このような糖尿病を診断して合併症に進展しないように管理するためには体系的な血糖測定と治療が並行されなければならない。
【0004】
糖尿病患者および糖尿病に進展してはいないが血液内に正常より多い糖が検出される人々のために、多くの医療機器製造業者では血糖を測定できる多様な種類の血糖測定器を提供している。
【0005】
血糖測定器は使用者が指先から採血して血糖の測定を1回単位で遂行する方式と、使用者の腹と腕等に付着して血糖の測定を連続的に遂行する方式がある。
【0006】
糖尿病患者の場合、一般的に高血糖と低血糖状態を行き来することになるが、応急状況は低血糖状態で発生し、意識を失ったり糖分の供給なしに低血糖状態が長く持続すれば命を失うこともある。したがって、低血糖状態の迅速な発見は糖尿病患者に非常に重要であるが、間欠的に血糖を測定する採血式の血糖測定器ではこれを正確に把握するのに限界がある。
【0007】
最近ではこのような限界を克服するために、人体内に挿入されて数分の間隔で血糖値を測定する連続血糖測定システム(CGMS:Continuous Glucose Monitoring System)が開発されて使われている。連続血糖測定システムは採血に伴う使用者の苦痛と拒否感を最小化するために痛みが相対的に少ない腹と腕等の部位に針状の経皮性センサを挿入した後、連続的に血糖を測定することができる。
【0008】
連続血糖測定システムは使用者の皮膚の中に挿入されて体内で血糖を測定し、測定された血糖値を伝送するためのセンサトランスミッタと、伝送された血糖値を出力する端末などを含んで構成される。
【0009】
ここで、センサトランスミッタが身体に付着され、センサトランスミッタのセンサの一部が人体に挿入された状態で血糖に対する測定がなされるため、人体に挿入されたセンサを異物として認識する可能性がある。すなわちセンサに対する生体反応-例えば水和反応-が起き得る。そのため、センサが挿入される初期に敏感度(sensitivity、傾き)が変化され得る。これによってセンサの正確度が減少し、使用期限の維持が困難であり得る。変化した傾きは測定された生体信号に対して過度または過小の血糖値を獲得(または算出)することによって連続血糖測定システムの正確度を減少させ得る。従来にはこのような敏感度(傾き)の変化を補償するために、使用者が入力した基準血糖値-自己血糖測定システム(blood glucose monitoring system、BGMS)によって測定された血糖値-とセンサの電流値で割った単純敏感度と事前に設定されたオフセット値を使う方式や、基準血糖値とこれに該当する電流値に対して回帰分析を通じて敏感度を決定する方式が開発された。しかし、このような方式は異常な血糖値やセンサの異常動作に敏感に反応することができないため、不正確な敏感度およびオフセット値を提供するという問題があり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
このような背景下で、本実施例の一目的は、正確な敏感度を獲得するために敏感度を校正する技術を提供することである。
【0011】
このような背景下で、本実施例の他の目的は、敏感度の正確性を高めるために複数の段階を経て敏感度を調整することによって校正された敏感度を提供する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述した目的を達成するために、一実施例は、敏感度の決定のためのオフセット値を獲得する段階;前記オフセット値に基づいて、センシング値と基準血糖値から第1敏感度を決定する段階;前記第1敏感度およびセンサにより予め設定された敏感度から第2敏感度を決定する段階;前記第1敏感度および以前の敏感度との差に基づいた前記第1敏感度の信頼度を基準として前記第2敏感度を調整して第3敏感度を決定する段階;前記オフセット値および前記第3敏感度から獲得された血糖値が一定の範囲に属するかどうかにより前記第3敏感度から第4敏感度を決定する段階;および前記第4敏感度を前記敏感度として決定する段階を含む、血糖測定のための敏感度を校正する方法を提供することができる。
【0013】
他の実施例は、オフセット値を獲得する段階;前記オフセット値に基づいて、センシング値と基準血糖値から敏感度を決定する段階;およびセンサにより予め設定された敏感度に基づいて前記敏感度を調整する第1方法、前記敏感度および以前の敏感度との差に基づいて前記敏感度を調整する第2方法、および前記オフセット値が反映されたセンシング値と前記敏感度から獲得された血糖値が一定の範囲に属するかどうかにより前記敏感度を調整する第3方法のうち少なくとも一つにより前記敏感度を調整する段階を含む、血糖測定のための敏感度を校正する方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0014】
以上で説明した通り、本実施例によると、敏感度を校正することによって正確な敏感度を獲得することができる。
【0015】
そして、本実施例によると、複数の段階を経て敏感度を調整することによって敏感度の正確性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】一実施例に係る血糖測定システムを概略的に説明するための図面である。
図2】一実施例に係るセンサトランスミッタを人体に付着するためのアプリケータを説明するための図面である。
図3】一実施例に係るアプリケータを利用してセンサトランスミッタを人体に付着する過程を説明するための図面である。
図4】一実施例に係るセンサトランスミッタの構成図である。
図5】一実施例に係る端末の構成図である。
図6】一実施例に係る敏感度を校正する方法を示すフローチャートである。
図7】一実施例に係るセンサのコーディング情報に基づいて敏感度を調整する例示図である。
図8】一実施例に係る以前の敏感度との差に基づいて敏感度を調整する例示図である。
図9】一実施例に係る基準血糖値と以前の敏感度から獲得された以前の血糖値によって形成される一定の範囲に基づいて敏感度を調整する例示図である。
図10】一実施例に係る基準血糖値と以前の敏感度から獲得された以前の血糖値によって形成される一定の範囲に基づいて敏感度を調整する例示図である。
図11】一実施例に係る基準血糖値と以前の敏感度から獲得された以前の血糖値によって形成される一定の範囲に基づいて敏感度を調整する例示図である。
図12】他の実施例に係る敏感度を校正する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明を説明するにおいて、関連した公知機能について、この分野の技術者に自明な事項であって本発明の要旨を不要に曖昧にさせ得る恐れがあると判断される場合にはその詳細な説明を省略する。
【0018】
本出願で使った用語は単に特定の実施例を説明するために使われたものであり、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は文脈上明白に異なって意味しない限り、複数の表現を含む。本出願で、「含む」または「有する」等の用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらを組み合わせたものなどの存在または付加の可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0019】
以下、本発明に係る実施例を添付図面を参照して詳細に説明することにし、添付図面を参照して説明するにあたって、同一または対応する構成要素は同じ図面番号を付与し、これに対する重複する説明は省略することにする。
【0020】
図1は、一実施例に係る血糖測定システムを概略的に説明するための図面である。
【0021】
図1を参照すると、一実施例に係る血糖測定システム(10、以下「システム」という)はセンサトランスミッタ100および端末200を含むことができる。
【0022】
センサトランスミッタ100は人体Bに付着されるが、センサトランスミッタ100が人体Bに付着される時、センサトランスミッタ100のセンサの一端は皮膚に挿入されて人体の体液を周期的に抽出して血糖を測定することができる。
【0023】
端末200はセンサトランスミッタ100から血糖情報が含まれた生体信号を受信し、生体信号から血糖情報を生成して使用者に出力することができる。端末200はスマートフォン、携帯電話、タブレットPC、デスクトップ(desktop)、ラップトップ(laptop)などの多様な機器を含むことができ、これに限定されず、センサトランスミッタ100と通信できる通信インターフェースを有しプログラムやアプリケーションが設置され得る装置を含むことができる。
【0024】
センサトランスミッタ100は端末200の要請によって、または設定された時刻ごとに周期的に測定された生体信号を端末200に伝送することができる。センサトランスミッタ100と端末200の間で、データ通信のためにセンサトランスミッタ100と端末200は互いにUSBケーブルなどによって有線で連結されるかまたは赤外線通信、NFC通信、ブルートゥース(登録商標)などの方式で無線で連結され得る。
【0025】
図2は一実施例に係るセンサトランスミッタを人体に付着するためのアプリケータを説明するための図面であり、図3は一実施例に係るアプリケータを利用してセンサトランスミッタを人体に付着する過程を説明するための図面である。
【0026】
図2および3を参照すると、一実施例に係るアプリケータ300は、センサトランスミッタ100を内部に具備し、使用者の操作でセンサトランスミッタ100を外部に吐出して使用者の特定身体部位に付着させるように作動する。アプリケータ300は一面が開放された形状で形成されているが、センサトランスミッタ100はアプリケータ300の開放された一面を通じてアプリケータ300に設置される。
【0027】
アプリケータ300を利用してセンサトランスミッタ100を身体の一部に付着する時、センサトランスミッタ100に備えられたセンサの一端を皮膚に挿入するために、アプリケータ300はセンサの一端を内部に囲むように形成されたニードル(図示されず)、ニードルとセンサの一端を共に皮膚に押し出す第1弾性部材(図示されず)、ニードルのみを引き出すための第2弾性部材(図示されず)を含むことができる。このようなアプリケータ300の構成を通じて、アプリケータ300の内部に圧縮された状態で配置された第1弾性部材(図示されず)の圧縮の解除でニードルとセンサの一端が同時に皮膚に挿入され得る。センサの一端が皮膚に挿入されると、圧縮された第2弾性部材(図示されず)の圧縮解除によってニードルのみを引き出す。使用者はアプリケータ300を通じて安全かつ容易にセンサトランスミッタ100を皮膚に付着させることができる。
【0028】
アプリケータ300を人体Bに付着させる過程を詳察すると、保護キャップ(図示されず)を分離した状態でアプリケータ300の開放された一面を人体Bの特定部位の皮膚Sに密着させる。このようにアプリケータ300を人体Bの皮膚Sに密着させた状態でアプリケータ300を作動させると、センサトランスミッタ100はアプリケータ300から吐出されながら皮膚Sに付着され得る。ここでセンサトランスミッタ100の下部には、センサ101の一端がセンサトランスミッタ100から露出されて配置されており、センサ101の一端はアプリケータ300に備えられたニードルを通じて一部が皮膚Sに挿入され得る。したがってセンサ101の一端が皮膚Sに挿入された状態でセンサトランスミッタ100は皮膚Sに付着され得る。
【0029】
ここで、センサトランスミッタ100の人体B接触面にはセンサトランスミッタ100が人体Bの皮膚Sに固定付着され得るように接着テープが備えられ得る。したがって、アプリケータ300を人体Bの皮膚Sから離隔させると、接着テープによってセンサトランスミッタ100は人体Bの皮膚Sに固定付着された状態となり得る。
【0030】
以後、センサトランスミッタ100に電源が印加されるとセンサトランスミッタ100は端末と通信し、センサトランスミッタ100は血糖情報を含む生体信号を端末に伝送することができる。センサトランスミッタ100は血糖情報だけでなく多様な生体情報を生成できるが、以下では、生体情報の一例として血糖情報を測定するものとして説明する。
【0031】
図4は、一実施例に係るセンサトランスミッタの構成図である。
【0032】
図4を参照すると、一実施例に係るセンサトランスミッタ100はセンサモジュール110、センサ通信部120、センサ制御部130およびセンサ保存部140を含むことができる。
【0033】
センサモジュール110は人体に挿入されて生体量をセンシングする少なくとも一つのセンサを含むことができる。少なくとも一つのセンサは生体量を測定して生体信号を生成することができる。生体信号はアナログ信号であり、電流値を含むことができる。
【0034】
センサ通信部120は端末とデータまたは情報をやりとりすることができる。例えば、センサ通信部120はセンサモジュール110から伝達された生体信号やセンサ保存部140に保存されたデータを端末に伝送することができる。
【0035】
センサ制御部130はセンサモジュール110、センサ保存部140、センサ通信部120を含んでセンサトランスミッタ100の全般的な構成を制御することができる。例えば、センサ制御部130は端末から制御信号を受信し、これによってセンサトランスミッタ100の構成を制御することができる。またセンサ制御部130は生体信号を加工することができる。例えば、センサ制御部130は生体信号をアナログまたはデジタルの形態に変換したり必要に応じてノイズを除去するための処理を遂行できる。
【0036】
センサ保存部140にはデータまたは情報が保存され得る。例えば、センサ保存部140にはセンサモジュール110が測定した生体量に対するデータ-例えば生体信号の電流値-や端末から受信したデータ-例えば制御信号の命令値-が保存され得る。
【0037】
図5は、一実施例に係る端末の構成図である。
【0038】
図5を参照すると、一実施例に係る端末200は出力部210、通信部220、制御部230および保存部240を含むことができる。
【0039】
出力部210は生体信号に含まれた生体情報-例えば血糖情報-を使用者が確認できるように出力することができる。例えば、出力部210は血糖情報を数値(値)またはさらには数値から加工されたグラフをディスプレイすることができる。
【0040】
通信部220はセンサトランスミッタのセンサ通信部と通信し、データまたは情報をやりとりすることができる。例えば、通信部220はセンサトランスミッタが測定した生体量に対する情報-生体情報-を含む生体信号を受信することができる。ここで通信部220はセンサトランスミッタで一次的に加工された生体信号を受信することができる。または通信部220はセンサトランスミッタを制御するための制御信号をセンサトランスミッタに伝送することができる。
【0041】
保存部240にはデータまたは情報が保存され得る。例えば、保存部240にはセンサトランスミッタから受信されたデータ-例えば生体情報-が保存され得る。ここで生体情報は血糖情報を含み、電流値の形式を有し得る。または保存部240には使用者から入力されたデータや端末の動作環境を設定するための環境設定データが保存され得る。
【0042】
制御部230は血糖測定のために敏感度を校正するプログラムを実行する少なくとも一つのプロセッサおよびプログラムが保存された少なくとも一つのメモリを含むことができる。制御部230に含まれるメモリとプロセッサは一つのチップに集積されることも可能であり、物理的に分離することも可能である。
【0043】
メモリは各種プログラム、データおよび/または情報を保存するためにROM(read only memory)、PROM(programmable ROM)、EPROM(erasable programmable ROM)、EEPROM(electrically erasable programmable ROM)およびフラッシュメモリ(flash memory)のような不揮発性メモリ素子またはRAM(random access memory)のような揮発性メモリ素子で具現され得る。
【0044】
一方、制御部230は生体情報から数値化された血糖情報である血糖値を生成することができる。このために制御部230は電流値の形態の生体情報をセンサトランスミッタから獲得し、生体情報の電流値を前処理および/または処理することができる。制御部230は敏感度を先に獲得し、この敏感度に応じて血糖値を生成することができる。
【0045】
制御部230は電流値と外部から入力された基準血糖値によって敏感度を決定することができ、敏感度は次の数学式1によって決定され得る。ここでCは基準血糖値によって敏感度を決定する時点すなわち、敏感度を校正する時点での電流値を意味し、BGrは基準血糖値であって、自己血糖測定システム(blood glucose monitoring system、BGMS)から得られた血糖値であり、必ずしも敏感度を校正する時点で得られる必要はない。
【0046】
【数1】
【0047】
前記のように敏感度が得られた後、制御部230は電流値とこの敏感度を乗算して該当電流値に対応する血糖値を生成することができる。制御部230はこの新しい血糖値を出力部210を通じて使用者に提供することができる。例えば、制御部230は第1時点で獲得された第1電流値と一基準血糖値を通じて数学式1のように敏感度を獲得し、次の敏感度の校正がある時点-第2時点-まではこの敏感度を利用して新しい血糖値を獲得することができる。そして、制御部230は第2時点で敏感度を再び校正することができる。制御部230は第2時点で獲得された第2電流値と他の基準血糖値を通じて数学式1のように敏感度を獲得し、それに対応する血糖値を新しく獲得することができる。
【0048】
一方、このような敏感度は多様な環境変数によって変動され得る。例えば、センサが生体内に挿入された時に発生する水和作用により発生する電流値の変動あるいは、電流値の減少が持続する負の切片現象は敏感度を変化させる要因となり得る。負の切片現象によってセンサトランスミッタが本来より減少した電流値を端末200に送れば、端末200の制御部230は数学式1により本来より小さい電流値から敏感度を獲得することができる。このように獲得された敏感度は非常に大きくなり得る。制御部230が過度に大きな敏感度を有して血糖値を獲得すると、微細な電流値にも血糖値が高くなり、制御部230は不正確な血糖値を生成し得る。
【0049】
このようなエラーを訂正するために制御部230はオフセット値を獲得し、このオフセット値を敏感度獲得に反映することができる。制御部230は制限なくオフセット値を多様な方式で獲得でき、オフセット値は固定的または可変的であり得る。制御部230は次の数学式2によりオフセット値を反映した敏感度を決定することができる。ここで、Voffはオフセット値として使用者によって予め設定された値であるか、保存部240のアルゴリズムによって可変される値であり得る。
【0050】
【数2】
【0051】
前述した例示で負の切片現象による電流値の減少はオフセット値によって相殺され、小さくなっていた分母は大きくなることになって敏感度も過度ではない適正水準に変化することができる。しかし、一実施例に係る端末200の制御部230はオフセット値を反映した敏感度を血糖値の獲得にすぐに活用せず、敏感度を調整した後に調整された敏感度を血糖値の獲得に最終的に活用することができる。以下では、端末200の制御部230が敏感度を調整する多数の段階を通じて敏感度を校正する方法について説明することにする。
【0052】
図6は一実施例に係る敏感度を校正する方法を示すフローチャートであり、図7は一実施例に係るセンサのコーディング情報に基づいて敏感度を調整する例示図であり、図8は一実施例に係る以前の敏感度との差に基づいて敏感度を調整する例示図であり、図9~11は一実施例に係る基準血糖値と以前の敏感度から獲得された以前の血糖値によって形成される一定の範囲に基づいて敏感度を調整する例示図である。
【0053】
図6を参照すると、一実施例に係る血糖測定システムを構成する端末で敏感度を校正する方法が図示され得る。以下では敏感度の校正は端末で遂行されるものとして説明されるが、これに限定されず、構成によってはセンサトランスミッタまたは端末と有線/無線ネットワークに連結されたホスト(host)-例えばサーバー-で遂行されてもよい。端末の制御部は電流値から血糖値を生成するのに必要な敏感度を先に決定し、最終的に決定された敏感度に電流値を適用して血糖値を生成することができる。
【0054】
このために、まず端末の制御部は敏感度の決定のためのオフセット値を獲得することができる(S601段階)。オフセット値は電流値の減少による敏感度の変化を補償する値であり得る。
【0055】
そして、制御部は数学式2によりオフセット値が反映された電流値と基準血糖値から敏感度を決定することができる(S603段階)。ここで決定される敏感度は最終敏感度ではなく、調整段階を経る以前に単純にオフセット値のみ反映された敏感度であり得る。以下では、説明の便宜上このような敏感度を「第1敏感度」と命名することにする。また、電流値はセンサモジュールに含まれたセンサによって測定された値の一種であって、センシング値とも命名され得る。
【0056】
まず、第1敏感度に対する調整が遂行され得る。端末の制御部は第1敏感度およびセンサにより予め設定された敏感度から第2敏感度を決定することができる(S605段階)。センサにより予め設定された敏感度はいずれか一つのセンサに対して予め設定された敏感度であるか、または複数のセンサの集合体であるいずれか一つのグループ-ロット(lot)-に対して予め設定された敏感度であり得る。一グループのセンサに対する敏感度は一センサではなく一グループ全体を代表する特定の敏感度と理解され得る。以下では、説明の便宜のためにセンサにより予め設定された敏感度は「センサ敏感度」と命名され得る。
【0057】
ここでセンサ敏感度は、理想的な条件で一センサまたは一グループのセンサから期待される理想的な敏感度を含むことができる。例えば、センサ敏感度は実験室環境のように理想的な条件下で一センサまたは一グループのセンサが有さなければならない敏感度と理解され得る。またはセンサ敏感度は、一センサまたは一グループのセンサが製造される時に工場で予め設定された敏感度と理解され得る。端末が使われる時に初期化のためにコーディングされる必要があるが、センサ敏感度はコーディング過程でコーディング情報に含まれて端末に入力および/または保存され得る。
【0058】
図7を参照すると、第1敏感度およびセンサ敏感度から第2敏感度を決定する例示が図示され得る。端末の制御部は第1敏感度を調整するためにセンサ敏感度を反映し、その結果でもって第2敏感度を決定することができる。ただし端末の制御部はいくつかの場合によりセンサ敏感度を異なるように反映することができる。
【0059】
まず、制御部は第1敏感度とセンサ敏感度を比較することができる。第1敏感度がセンサ敏感度より大きければ、制御部はセンサ敏感度を第2敏感度として決定することができる。例えば、本図面で第1校正時点P1で第1敏感度S1が25であり、コーディング情報による敏感度であるセンサ敏感度Ssが20であれば、制御部は第2敏感度S2を20に決定することができる。以下では、説明の便宜のために単位は省略することにする。制御部はセンサ敏感度Ssをより信頼してセンサ敏感度Ssを第2敏感度S2に決定することができる。
【0060】
そうでなければ、すなわち、第1敏感度がセンサ敏感度より小さければ、制御部はセンサ敏感度を加工し、前記加工されたセンサ敏感度を第2敏感度として決定することができる。例えば、本図面で第2校正時点P2で第1敏感度S1が5であり、センサのコーディング情報による敏感度であるセンサ敏感度Ssが20であれば、制御部はセンサ敏感度Ssを加工してセンサ敏感度Ssの1/3に該当する値を獲得し、センサ敏感度Ssの1/3に該当する値である20/3(≒6.7)を第2敏感度S2に決定することができる。制御部はセンサ敏感度Ssをより信頼してセンサ敏感度Ssを加工した値を第2敏感度S2に決定することができる。
【0061】
もし第1敏感度がセンサ敏感度と同じであれば、制御部は第1敏感度をそのまま第2敏感度として決定することができる。
【0062】
再び図6に戻り、第2敏感度に対する調整が遂行され得る。端末の制御部は第1敏感度および以前に決定された敏感度との差に基づいた第1敏感度の信頼度を基準として第2敏感度を調整して第3敏感度を決定することができる(S607段階)。ここで以前に決定された敏感度は以前の時点での最終的な敏感度を意味し、以前の時点は敏感度を校正しようとする現在時点以前の過去の特定時点を意味し得る。端末の制御部は以前の時点においても、以前に決定された敏感度によって血糖値を獲得した可能性もある。以下では、説明の便宜のために「以前の敏感度」と命名され得る。
【0063】
具体的には、端末の制御部は第1敏感度が以前の敏感度より連続的に-少なくとも二回以上-高いか低い場合、第1敏感度を信頼することができ、第1敏感度の信頼度が高いと判定することができる。そうすると、制御部は第1敏感度と第2敏感度を反映した結合敏感度を獲得し、この結合敏感度を第3敏感度として決定することができる。制御部は第1敏感度と第2敏感度を平均して結合敏感度を獲得することができる。
【0064】
図8を参照すると、第2敏感度を調整して第3敏感度を決定する例示が図示され得る。例えば、本図面で第1校正時点P1で第1敏感度S1が30で以前の敏感度Spが25であり、第2校正時点P2で第1敏感度S1が32で以前の敏感度Spが27であれば、連続的に2回の校正時点で第1敏感度S1が以前の敏感度Spより高い値を有するので、制御部は第3校正時点P3で29を有する第1敏感度S1の信頼度が高いと判定することができる。そうすると第3校正時点P3で制御部は第1敏感度S1 29と第2敏感度S2 25から結合敏感度を獲得することができる。制御部は第1敏感度S1 29と第2敏感度S2 25の平均値である27(=(29+25)/2)を結合敏感度として獲得することができる。制御部は結合敏感度27を第3敏感度S3に決定することができる。
【0065】
このように連続的に第1敏感度が高いか低い場合、第1敏感度が妥当なものと見なされ得、S605段階とは異なって、第1敏感度が第2敏感度よりさらに反映されることが好ましい。
【0066】
再び図6に戻り、第3敏感度に対する調整が遂行され得る。端末の制御部はオフセット値と第3敏感度から血糖値を獲得し、前記獲得された血糖値が一定の範囲に属するかどうかにより第3敏感度から第4敏感度を決定することができる(S609段階)。前記獲得された血糖値が前記一定の範囲に属すると、制御部は第3敏感度を適正なものと見なして第3敏感度をそのまま第4敏感度として決定することができる。そうでなければ、制御部は第3敏感度を不適正なものと見なして第3敏感度の代わりに調整敏感度を獲得し、調整敏感度を第4敏感度として決定することができる。
【0067】
ここで一定の範囲は以前の血糖値と基準血糖値によって特定され得る。制御部は現在時点の電流値、以前の敏感度、以前に獲得されたオフセット値-以前のオフセット値-から以前の血糖値を獲得することができる。そして、制御部は基準血糖値-S601段階で第1敏感度を決定するのに利用した基準血糖値-を外部から獲得することができる。制御部は以前の血糖値と基準血糖値が規定する領域に現在時点の電流値、現在時点のオフセット値および第3敏感度から獲得された血糖値が前記領域にあるかを判断することができる。
【0068】
図9を参照すると、第3敏感度から獲得された血糖値が一定の範囲に属するかどうかにより第3敏感度から第4敏感度を決定する一例示が図示され得る。一例示で制御部は第1校正時点P1で第4敏感度を決定すると仮定することができる。まず、制御部は一定の範囲を特定し、第3敏感度の有効性を判断することができる。
【0069】
第1校正時点P1の電流値Cは7、以前の敏感度Spは20、以前のオフセット値Voff_pが0であれば、以前の血糖値BGpは140(=(7-0)×20)となり得る。ここで以前の敏感度Spおよび以前のオフセット値Voff_pは第1校正時点P1で敏感度の校正が遂行される以前の敏感度とオフセット値であり得る。第1校正時点P1で基準血糖値BGrが200であれば、第3敏感度による血糖値が有効であるための血糖値の領域すなわち、以前の血糖値と基準血糖値によって特定される一定の範囲は140~200に該当し得る。
【0070】
そして第1校正時点P1の電流値Cは7、第1校正時点P1のオフセット値Voffは0、第3敏感度S3は30であるので、制御部はこれらから血糖値(BG)210(=(7-0)×30)を獲得することができる。血糖値(BG)が210であって140~200の一定範囲から外れるので制御部は第3敏感度S3を有効でないと見なし、第4敏感度を決定するために調整敏感度を獲得することができる。
【0071】
制御部は(現在時点の)電流値、(現在時点の)オフセット値、以前の血糖値および基準血糖値を次の数学式3を通じて調整敏感度を獲得することができる。
【0072】
【数3】
【0073】
本例示によると、第1校正時点P1の電流値Cは7、第1校正時点P1のオフセット値Voffは0、以前の血糖値BGpは140および基準血糖値BGrは200であるので、調整敏感度Saは24.29となり得る。制御部は調整敏感度Saを第4敏感度として決定することができる。制御部は24.29を第4敏感度として決定することができる。
【0074】
図10を参照すると、第3敏感度から獲得された血糖値が一定の範囲に属するかどうかにより第3敏感度から第4敏感度を決定する他の例示が図示され得る。他の例示で制御部は第2校正時点P2で第4敏感度を決定すると仮定することができる。まず制御部は一定の範囲を特定し、第3敏感度の有効性を判断することができる。
【0075】
第2校正時点P2の電流値Cは5、以前の敏感度Spは30、以前のオフセット値Voff_pが1であれば、以前の血糖値BGpは120(=(5-1)×30)となり得る。ここで以前の敏感度Spおよび以前のオフセット値Voff_pは第2校正時点P2で敏感度の校正が遂行される以前の敏感度とオフセット値であり得る。第2校正時点P2で基準血糖値BGrが140であれば、第3敏感度による血糖値が有効であるための血糖値の領域すなわち、以前の血糖値と基準血糖値によって特定される一定の範囲は120~140に該当し得る。
【0076】
そして第2校正時点P2の電流値Cは5、第2校正時点P2のオフセット値Voffは0.5、第3敏感度S3は28であるので、制御部はこれらから血糖値(BG)126(=(5-0.5)×28)を獲得することができる。血糖値(BG)が126であって120~140の一定の範囲に属するので、制御部は第3敏感度S3を有効なものと見て第4敏感度として決定することができる。したがって、本例示で第4敏感度は28となり得る。
【0077】
図11を参照すると、第3敏感度から獲得された血糖値が一定の範囲に属するかどうかにより第3敏感度から第4敏感度を決定するさらに他の例示が図示され得る。さらに他の例示で制御部は第3校正時点P3で第4敏感度を決定すると仮定することができる。まず制御部は一定の範囲を特定し、第3敏感度の有効性を判断することができる。
【0078】
第3校正時点P3の電流値Cは12、以前の敏感度Spは25、以前のオフセット値Voff_pが0.5であれば、以前の血糖値BGpは287.5(=(12-0.5)×25)となり得る。ここで以前の敏感度Spおよび以前のオフセット値Voff_pは第3校正時点P3で敏感度の校正が遂行される以前の敏感度とオフセット値であり得る。第3校正時点P3で基準血糖値BGrが200であれば、第3敏感度による血糖値が有効であるための血糖値の領域すなわち、以前の血糖値と基準血糖値によって特定される一定の範囲は200~287.5に該当し得る。
【0079】
そして第3校正時点P3の電流値Cは12、第3校正時点P3のオフセット値Voffは0.3、第3敏感度S3は15であるので、制御部はこれらから血糖値(BG)175.5(=(12-0.3)×15)を獲得することができる。血糖値(BG)が175.5であって200~287.5の一定の範囲から外れるので制御部は第3敏感度S3を有効でないと見なして第4敏感度を決定するために調整敏感度を獲得することができる。
【0080】
制御部は(現在時点の)電流値、(現在時点の)オフセット値、以前の血糖値および基準血糖値を前述した数学式3を通じて調整敏感度を獲得することができる。本例示によると、第3校正時点P3の電流値Cは12、第3校正時点P3のオフセット値Voffは0.3、以前の血糖値BGpは287.5および基準血糖値BGrは200であるので、調整敏感度Saは20.33となり得る。制御部は20.33を第4敏感度として決定することができる。
【0081】
図12は、他の実施例に係る敏感度を校正する方法を示すフローチャートである。
【0082】
図12を参照すると、他の実施例に係る血糖測定システムを構成する端末で敏感度を校正する方法が図示され得る。まず、端末の制御部は敏感度を決定するためのオフセット値を獲得することができる(S1201段階)。
【0083】
また、制御部は前記獲得されたオフセット値が反映されたセンシング値(または電流値)と基準血糖値から第1敏感度を決定することができる(S1203段階)。
【0084】
そして制御部はセンサ敏感度-センサにより予め設定された敏感度-に基づいて第1敏感度を調整する第1方法、第1敏感度と以前の敏感度との差に基づいて第1敏感度を調整する第2方法、および第1敏感度から獲得された血糖値が以前の血糖値および基準血糖値で特定される一定の範囲に属するかどうかにより第1敏感度を調整する第3方法のうち少なくとも一つの方法により敏感度を調整することができる(S1205段階)。また、制御部は第1~3方法を順次一つずつ遂行して敏感度を調整でき、いずれか一つの方法のみを選択的に遂行して敏感度を調整することができる。
【0085】
ここで第1~3方法は一実施例と同一であり、いくつかの相違点があり得る。制御部が第1方法を単独で利用して敏感度を校正することができる。そうすると、一実施例と同じ方式で、制御部は第1敏感度をセンサ敏感度により調整して最終敏感度を決定することができる。
【0086】
また、制御部が第2方法を単独で利用して敏感度を校正することができる。第2方法が第1方法と続いて使われないと、第2方法ではセンサ敏感度によって調整された敏感度が存在しないことがある。そうすると、制御部は第1敏感度が以前の敏感度より連続的に高いか低い場合、第1敏感度をそのまま最終敏感度として決定することができる。
【0087】
また、制御部が第3方法を単独で利用して敏感度を校正することができる。そうすると、一実施例と同じ方式で、制御部は第1敏感度から獲得された血糖値が以前の血糖値および基準血糖値で特定される一定の範囲に属するかどうかにより第1敏感度を最終敏感度として決定するか、数学式3による調整敏感度を獲得して最終敏感度として決定することができる。
【0088】
制御部は第1~3方法のうち少なくとも一つ以上の方法により調整された第1敏感度を最終敏感度として決定すると、敏感度校正手続きを終了することができる。制御部は最終敏感度、オフセット値、およびセンシング値(電流値)により血糖値を生成することができる。
【0089】
本明細書に説明された対象の様相はコンピュータに実行される、プログラムモジュールのようなコンピュータ実行可能命令語の文脈で説明され得る。一般的に、プログラムモジュールはルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含み、これは特定のタスクまたは特定の抽象データタイプを遂行する。
【0090】
代案的にまたは付加的に、本明細書に説明された機能は少なくとも部分的に、一つ以上のハードウェアロジックコンポーネントによって遂行され得る。制限的でない例として、使われ得る例示的なタイプのハードウェアロジックコンポーネントは、フィールドプログラム可能ゲートアレイ(FPGA、field-programmable gate array)、プログラム特定集積回路(ASIC、application-specific integrated circuit)、アプリケーション特定標準製品(ASSP、application-specific standard product)、システムオンチップシステム(SOC、system-on-a-chip system)、複合プログラム可能ロジックデバイス(CPLD、complex programmable logic device)、などを含む。
【0091】
一方、開示された実施例はコンピュータによって実行可能なプログラムおよび/または命令語を保存する記録媒体の形態で具現され得る。命令語はプログラムコードの形態で保存され得、プロセッサによって実行された時、プログラムモジュールを生成して開示された実施例の動作を遂行できる。記録媒体はコンピュータで読み取り可能な記録媒体で具現され得る。
【0092】
コンピュータが読み取り可能な記録媒体としては、コンピュータによって解読され得る命令語が保存されたすべての種類の記録媒体を含む。例えば、ROM(read only memory)、RAM(random access memory)、磁気テープ、磁気ディスク、フラッシュメモリ、光データ保存装置などがあり得る。
【0093】
以上、本発明の一実施例について説明したが、該当技術分野で通常の知識を有する者であれば特許請求の範囲に記載された本発明の思想から逸脱しない範囲内で、構成要素の付加、変更または削除などによって本発明を多様に修正および変更させることができ、これもまた本発明の権利範囲内に含まれると言える。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12