(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178947
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】照明システム、照明器具、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/105 20200101AFI20241218BHJP
H05B 47/19 20200101ALI20241218BHJP
H05B 47/165 20200101ALI20241218BHJP
【FI】
H05B47/105
H05B47/19
H05B47/165
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024110672
(22)【出願日】2024-07-10
(62)【分割の表示】P 2023096888の分割
【原出願日】2023-06-13
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】田上 直紀
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 毅
(72)【発明者】
【氏名】松崎 宣敏
(72)【発明者】
【氏名】内田 行紀
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273SA11
3K273SA37
3K273SA60
3K273TA15
3K273TA22
3K273TA28
3K273TA52
3K273TA54
3K273TA55
3K273TA57
3K273TA62
3K273UA16
3K273UA17
3K273UA21
3K273UA22
3K273UA23
(57)【要約】
【課題】ユーザの利便性を向上することができる照明システムを提供する。
【解決手段】照明システム10は、施設内に設けられた照明器具20が発信するビーコン信号に関する設定情報であって第1ユーザによって指定された内容を有する設定情報を施設から離れた場所に位置する操作端末30から取得する第1取得部64と、取得された設定情報を、照明器具20へ送信する設定部65とを備え、照明器具20は、受信した設定情報が示す設定でビーコン信号を発信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設内に設けられた照明器具が発信するビーコン信号に関する設定情報であって第1ユーザによって指定された内容を有する設定情報を前記施設から離れた場所に位置する操作端末から取得する第1取得部と、
取得された前記設定情報を、前記照明器具へ送信する設定部とを備え、
前記照明器具は、受信した前記設定情報が示す設定で前記ビーコン信号を発信する
照明システム。
【請求項2】
照明器具が発信するビーコン信号に関する設定情報であって第1ユーザによって指定された内容を有する設定情報を取得する第1取得部と、
取得された前記設定情報を、前記照明器具へ送信する設定部と、
前記照明器具を発光制御するための制御情報であって、前記第1ユーザと同一または異なる第2ユーザによって指定された内容を有する制御情報を取得する第2取得部と、
取得された前記制御情報を、前記照明器具へ送信する制御部とを備え、
前記照明器具は、受信した前記設定情報が示す設定で前記ビーコン信号を発信し、
前記照明器具は、受信した前記制御情報に基づいて発光する
照明システム。
【請求項3】
前記第1ユーザは、第1アクセスキーの入力を要件として、前記設定情報の内容を指定することができ、
前記第2ユーザは、第2アクセスキーの入力を要件として、前記制御情報の内容を指定することができる
請求項2に記載の照明システム。
【請求項4】
前記第1アクセスキーと前記第2アクセスキーとは異なる
請求項3に記載の照明システム。
【請求項5】
前記設定情報は、前記ビーコン信号の発信のオン及びオフ、前記ビーコン信号が発信される時間間隔、前記ビーコン信号が発信される頻度、前記ビーコン信号の発信時刻、前記ビーコン信号の送信電力、前記ビーコン信号のプロトコルタイプ、並びに、前記ビーコン信号に含まれる識別情報の少なくとも1つの設定を行うための情報である
請求項1または2に記載の照明システム。
【請求項6】
前記照明器具は、受信した前記設定情報を不揮発性メモリに記憶する
請求項1または2に記載の照明システム。
【請求項7】
さらに、前記照明器具の識別情報と、前記照明器具が備える前記ビーコン信号を発する発信部の識別情報とを紐づけた情報を記憶する記憶部を備える
請求項1または2に記載の照明システム。
【請求項8】
ビーコン信号を発する発信部と、
前記ビーコン信号に関する設定情報であってユーザによって指定された内容を有する設定情報を、請求項1または2に記載の照明システムから受信する通信部とを備え、
前記発信部は、受信された前記設定情報が示す設定で前記ビーコン信号を発信する
照明器具。
【請求項9】
照明器具にビーコン信号の発信方法を実行させるためのプログラムであって、
前記発信方法は、
前記ビーコン信号に関する設定情報であって第1ユーザによって指定された内容を有する設定情報を、請求項1または2に記載の照明システムから受信する受信ステップと、
受信された前記設定情報が示す設定で前記ビーコン信号を発信する発信ステップとを含む
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明システム、照明器具、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
照明に関する様々な技術が提案されている。特許文献1には、実空間に対応した画像上でのビーコン発信部の設置位置とビーコン識別情報との対応付けを簡略化する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ユーザの利便性を向上することができる照明システム等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る照明システムは、施設内に設けられた照明器具が発信するビーコン信号に関する設定情報であって第1ユーザによって指定された内容を有する設定情報を前記施設から離れた場所に位置する操作端末から取得する第1取得部と、取得された前記設定情報を、前記照明器具へ送信する設定部とを備え、前記照明器具は、受信した前記設定情報が示す設定で前記ビーコン信号を発信する。
本発明の一態様に係る照明システムは、照明器具が発信するビーコン信号に関する設定情報であって第1ユーザによって指定された内容を有する設定情報を取得する第1取得部と、取得された前記設定情報を、前記照明器具へ送信する設定部と、前記照明器具を発光制御するための制御情報であって、前記第1ユーザと同一または異なる第2ユーザによって指定された内容を有する制御情報を取得する第2取得部と、取得された前記制御情報を、前記照明器具へ送信する制御部とを備え、前記照明器具は、受信した前記設定情報が示す設定で前記ビーコン信号を発信し、前記照明器具は、受信した前記制御情報に基づいて発光する。
【0006】
本発明の一態様に係る照明器具は、ビーコン信号を発する発信部と、前記ビーコン信号に関する設定情報であってユーザによって指定された内容を有する設定情報を、前記照明システムから受信する通信部とを備え、前記発信部は、受信された前記設定情報が示す設定で前記ビーコン信号を発信する。
【0007】
本発明の一態様に係るプログラムは、照明器具にビーコン信号の発信方法を実行させるためのプログラムであって、前記発信方法は、前記ビーコン信号に関する設定情報であって第1ユーザによって指定された内容を有する設定情報を、請求項1または2に記載の照明システムから受信する受信ステップと、受信された前記設定情報が示す設定で前記ビーコン信号を発信する発信ステップとを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザの利便性を向上することができる照明システム等を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る照明システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る照明システムが適用される空間を示す図である。
【
図3】
図3は、ビーコン設定管理情報の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、制御状態管理情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、ビーコン信号に関する設定動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図6】
図6は、照明器具の遠隔制御動作の一例を示すシーケンス図である。
【
図7】
図7は、変形例に係る照明システムの機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0011】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0012】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る照明システムの構成について説明する。
図1は、実施の形態に係る照明システムの機能構成を示すブロック図である。
図2は、実施の形態に係る照明システムが適用される空間を示す図である。
【0013】
図1及び
図2に示されるように、照明システム10は、商業施設などの施設内の空間に適用される。照明システム10は、照明器具20が発信するビーコン信号により、当該ビーコン信号を受信した携帯端末40の一般ユーザに、広告及びクーポンの配信などのサービスを提供することができる。照明システム10は、複数の照明器具20と、操作端末30と、携帯端末40と、ゲートウェイ装置50と、ビーコン設定サーバ60と、照明制御サーバ70とを備える。照明システム10は、少なくとも1つの照明器具20を備えていればよい。
【0014】
まず、照明器具20について説明する。照明器具20は、室内空間の天井に設置されて、当該室内空間を照らすベースライトなどである。照明器具20の態様は、特に限定されるものではなく、シーリングライト、ダウンライト、または、スポットライト等であってもよい。照明器具20は、具体的には、照明部21と、通信部22と、発信部23と、情報処理部24と、記憶部25とを備える。
【0015】
照明部21は、系統電源から供給される電力を用いて発光する。照明部21が発する光は、例えば、白色光である。照明部21は、例えば、LED(Light Emitting Diode)素子によって実現されるが、半導体レーザ、有機EL(Electro-Luminescence)、または、無機EL等の他の発光素子によって実現されてもよい。
【0016】
通信部22は、照明器具20が、ゲートウェイ装置50を介して、インターネットなどの広域通信ネットワーク90に接続するための通信回路である。通信部22は、無線通信を行う無線通信回路であってもよいし、有線通信を行う有線通信回路であってもよい。
【0017】
発信部23は、ビーコン信号(アドバタイズ信号などと呼ばれることもある)を定期的に発信する。発信部23は、具体的には、BLEなどの通信プロトコル(通信規格)にしたがってビーコン信号を発信する無線通信回路である。なお、通信部22が無線通信回路である場合、通信部22及び発信部23は、共通の無線通信回路(通信モジュールまたは通信チップなど)によって実現可能である。
【0018】
情報処理部24は、照明部21及び通信部22の制御、並びに、発信部23(ビーコン信号)の制御に関する情報処理を行う。情報処理部24は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサまたは専用回路によって実現されてもよい。情報処理部24の機能は、情報処理部24を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサなどのハードウェアが記憶部25に記憶されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することによって実現される。
【0019】
記憶部25は、上記の情報処理に必要な情報が記憶される記憶装置である。記憶部25に記憶される情報には、情報処理部24が実行するコンピュータプログラムが含まれる。記憶部25は、例えば、半導体メモリなどによって実現される。
【0020】
次に、操作端末30について説明する。操作端末30は、照明器具20のビーコン信号に関する設定の変更、及び、照明器具20の遠隔制御を行うために、ユーザが操作するユーザインターフェースである。操作端末30は、例えば、照明システム10の専用リモートコントローラであるが、汎用の情報端末に所定のアプリケーションプログラムがインストールされることによって実現されてもよい。汎用の情報端末とは、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、または、タブレット端末などである。操作端末30は、具体的には、操作受付部31と、表示部32と、通信部33と、情報処理部34と、記憶部35とを備える。
【0021】
操作受付部31は、ユーザの操作を受け付ける。操作受付部31は、具体的には、マウス、キーボード、または、タッチパネルなどによって実現される。
【0022】
表示部32は、ユーザが視認する画像が表示されるディスプレイである。表示部32は、例えば、液晶パネルまたは有機ELパネルなどの表示パネルによって実現される。
【0023】
通信部33は、操作端末30が、ビーコン設定サーバ60及び照明制御サーバ70のそれぞれと、広域通信ネットワーク90を通じた通信を行うための通信回路である。通信部33は、無線通信を行う無線通信回路であってもよいし、有線通信を行う有線通信回路であってもよい。
【0024】
情報処理部34は、照明器具20のビーコン信号に関する設定の変更、及び、照明器具20の遠隔制御に際して、操作端末30をユーザインターフェースとして機能させるための情報処理を行う。情報処理部34は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサまたは専用回路によって実現されてもよい。情報処理部34の機能は、情報処理部34を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサなどのハードウェアが記憶部35に記憶されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することによって実現される。
【0025】
記憶部35は、上記の情報処理に必要な情報が記憶される記憶装置である。記憶部35に記憶される情報には、情報処理部34が実行するコンピュータプログラムが含まれる。記憶部35は、例えば、半導体メモリなどによって実現される。
【0026】
次に、携帯端末40について説明する。携帯端末40は、照明器具20が設置された施設(
図2の商業施設など)を訪問する一般ユーザが所持する携帯型の情報端末である。携帯端末40は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、または、PDA(Personal Digital Assistant)などである。携帯端末40は、具体的には、操作受付部41と、表示部42と、受信部43と、情報処理部44と、記憶部45とを備える。
【0027】
操作受付部41は、一般ユーザの操作を受け付ける。操作受付部41は、具体的には、タッチパネルなどによって実現される。
【0028】
表示部42は、一般ユーザが視認する画像が表示されるディスプレイである。表示部42は、例えば、液晶パネルまたは有機ELパネルなどの表示パネルによって実現される。
【0029】
受信部43は、照明器具20が発するビーコン信号を受信する。受信部43は、具体的には、BLEなどの通信プロトコル(通信規格)にしたがってビーコン信号を受信する無線通信回路である。
【0030】
情報処理部44は、受信部43によって受信されたビーコン信号に基づいて一般ユーザに通知等(例えば、広告及びクーポンの配信)を行うための情報処理を行う。情報処理部44は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサまたは専用回路によって実現されてもよい。情報処理部44の機能は、情報処理部44を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサなどのハードウェアが記憶部35に記憶されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することによって実現される。
【0031】
記憶部45は、上記の情報処理に必要な情報が記憶される記憶装置である。記憶部45に記憶される情報には、情報処理部44が実行するコンピュータプログラムが含まれる。コンピュータプログラムは、例えば、一般ユーザによってあらかじめ記憶部45にインストールされる、いわゆるアプリケーションプログラム(以下、単にアプリとも記載される)である。記憶部45は、例えば、半導体メモリなどによって実現される。
【0032】
次に、ゲートウェイ装置50、ビーコン設定サーバ60、及び、照明制御サーバ70について説明する。ゲートウェイ装置50は、複数の照明器具20のそれぞれが広域通信ネットワーク90に接続するための通信装置である。なお、複数の照明器具20のそれぞれが、ゲートウェイ装置50の機能を備えているような場合、照明システム10は、ゲートウェイ装置50を備えていなくてもよい。
【0033】
ビーコン設定サーバ60は、操作端末30を操作するユーザが遠隔から照明器具20のビーコン信号に関する設定を変更するための情報処理を行うクラウドサーバである。ビーコン設定サーバ60は、具体的には、通信部61と、情報処理部62と、記憶部63とを備える。
【0034】
通信部61は、ビーコン設定サーバ60が、操作端末30及び複数の照明器具20のそれぞれと、広域通信ネットワーク90を通じた通信を行うための通信回路である。通信部61は、無線通信を行う無線通信回路であってもよいし、有線通信を行う有線通信回路であってもよい。
【0035】
情報処理部62は、ビーコン信号に関する設定を変更するための情報処理を行う。情報処理部62は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサまたは専用回路によって実現されてもよい。情報処理部62は、機能的な構成要素として、第1取得部64及び設定部65を備える。第1取得部64及び設定部65の機能は、情報処理部62を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサなどのハードウェアが記憶部63に記憶されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することによって実現される。
【0036】
記憶部63は、上記の情報処理に必要な情報が記憶される記憶装置である。記憶部63に記憶される情報には、情報処理部62が実行するコンピュータプログラムが含まれる。記憶部63は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)によって実現されるが、半導体メモリによって実現されてもよい。
【0037】
なお、記憶部63には、複数の照明器具20のビーコン信号に関する現在の設定を示すビーコン設定管理情報が記憶される。
図3は、ビーコン設定管理情報の一例を示す図である。
図3に示されるように、ビーコン設定管理情報には、照明器具20の識別情報と、照明器具20の設置場所と、発信部23(ビーコン発信器)の識別情報と、ビーコン信号に関する現在の設定とが含まれる。つまり、ビーコン設定管理情報は、照明器具20の識別情報と、照明器具20が備えるビーコン信号を発する発信部23の識別情報とを紐づけた情報である。
【0038】
ビーコン信号に関する現在の設定には、設定項目として、ビーコン信号の発信のオン及びオフ、ビーコン信号が発信される時間間隔、ビーコン信号が発信される頻度、ビーコン信号の発信時刻、ビーコン信号の送信電力、ビーコン信号のプロトコルタイプ、並びに、ビーコン信号に含まれる識別情報が含まれる。なお、ビーコン信号のプロトコルタイプとは、具体的には、iBeacon(登録商標)などであり、ビーコン信号に含まれる識別情報は、iBeacon(登録商標)においては、UUID(Universally Unique IDentifier)、Major、及び、Minorなどである。
【0039】
照明制御サーバ70は、操作端末30を操作するユーザが照明器具20を遠隔制御するための情報処理を行うクラウドサーバである。照明制御サーバ70は、具体的には、通信部71と、情報処理部72と、記憶部73とを備える。
【0040】
通信部71は、照明制御サーバ70が、操作端末30及び複数の照明器具20のそれぞれと、広域通信ネットワーク90を通じた通信を行うための通信回路である。通信部71は、無線通信を行う無線通信回路であってもよいし、有線通信を行う有線通信回路であってもよい。
【0041】
情報処理部72は、照明器具20の遠隔制御に関する情報処理を行う。情報処理部72は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサまたは専用回路によって実現されてもよい。情報処理部72は、機能的な構成要素として、第2取得部74及び制御部75を備える。第2取得部74及び制御部75の機能は、情報処理部72を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサなどのハードウェアが記憶部73に記憶されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することによって実現される。
【0042】
記憶部73は、上記の情報処理に必要な情報が記憶される記憶装置である。記憶部73に記憶される情報には、情報処理部72が実行するコンピュータプログラムが含まれる。記憶部73は、例えば、HDDによって実現されるが、半導体メモリによって実現されてもよい。
【0043】
なお、記憶部73には、複数の照明器具20の現在の制御状態(動作状態)を示す制御状態管理情報が記憶される。
図4は、制御状態管理情報の一例を示す図である。
図4に示されるように、制御状態管理情報には、照明器具20の識別情報と、照明器具20の設置場所と、照明器具20の現在の制御状態とが含まれる。
【0044】
[ビーコン信号の設定動作]
照明システム10においては、照明器具20をビーコン発信器として使用している。照明器具20は、天井におおむね等間隔で網羅的に設置されることから、照明器具20がビーコン発信器として使用されれば、ビーコン発信器が自ずと網羅的に配置される、という利点がある。また、照明器具20は、障害物等が少ない天井に設置されることから、照明器具20がビーコン発信器として使用される場合には、ビーコン信号(電波)に対しても障害物が少ないという利点がある。また、照明器具20と別体の専用のビーコン発信器を設置する場合には、ビーコン発信器への給電(電源線の配線)が課題となるが、照明器具20がビーコン発信器として使用される場合には、給電については考慮しなくてよい利点がある。
【0045】
ところで、上述のように、照明器具20が商業施設などに設置される場合、ビーコン信号は、例えば、携帯端末40の一般ユーザへの広告及びクーポンの配信に利用される。広告及びクーポンの内容、及び、広告及びクーポンを提供する期間などを変更するためには、ビーコン信号に関する設定を変更する必要があるが、商業施設(照明器具20の設置場所)へ赴かなければビーコン信号に関する設定を変更できないとすると不便である。
【0046】
そこで、照明システム10においては、ユーザは、操作端末30への操作により、遠隔からビーコン信号に関する設定の変更を行うことができる。以下、このようなビーコン信号に関する設定動作について説明する。
図5は、ビーコン信号に関する設定動作の一例を示すシーケンス図である。
【0047】
まず、ユーザは、操作端末30がビーコン設定サーバ60にアクセスするための第1アクセスキーの入力操作を行い、操作受付部31はこのような入力操作を受け付ける(S11)。例えば、ステップS12以降の処理は、正しい第1アクセスキーが入力されることを要件として実行される。
【0048】
正しい第1アクセスキーが入力されると、情報処理部34は、通信部33を用いてビーコン設定サーバ60のビーコン設定管理情報(
図3)にアクセスし(S12)、複数の照明器具20のビーコン信号に関する現在の設定を表示部32に表示する(S13)。ステップS13においては、例えば、ビーコン設定管理情報(
図3)を可視化した画面が表示される。なお、複数の照明器具20のビーコン信号に関する現在の設定は、インジケータで表示されてもよい。
【0049】
なお、ステップS12において情報処理部34がビーコン設定サーバ60へアクセスしたときに、情報処理部62は、通信部61を用いて複数の照明器具20に最新の設定状況(動作状況)を問い合わせることでビーコン設定管理情報をアップデートしてもよい。これにより、情報処理部34は、ステップS12において最新のビーコン設定管理情報にアクセスすることができる。また、情報処理部34は、ステップS13において最新の設定を表示部32に表示することができ、具体的には、直近で照明器具20にエラーが発生している場合などにこれを表示部32に表示することができる。
【0050】
次に、ユーザは、ビーコン信号に関する設定を変更したい照明器具20を選択するための選択操作を行い、操作受付部31はこのような選択操作を受け付ける(S14)。ステップS14においては複数台の照明器具20を選択することも可能である。ステップS14においては、1台以上の照明器具20が選択されればよい。
【0051】
次に、ユーザは、ステップS14において選択した照明器具20のビーコン信号に関する設定をどのように変更するか(設定情報の内容)を指定する指定操作を行い、操作受付部31はこのような指定操作を受け付ける(S15)。指定操作が行われているときには、ビーコン信号に関する設定をどのように変更するか(設定情報の内容)が表示部32に表示される。
【0052】
指定操作が受け付けられると、情報処理部34は、指定操作によって指定された内容を有する設定情報を生成する(S16)。設定情報は、ビーコン信号の発信のオン及びオフ、ビーコン信号が発信される時間間隔、ビーコン信号が発信される頻度、ビーコン信号の発信時刻、ビーコン信号の送信電力、ビーコン信号のプロトコルタイプ、並びに、ビーコン信号に含まれる識別情報の少なくとも1つの設定を行うための情報である。
【0053】
また、設定情報には、ステップS14において選択された照明器具20の識別情報が含まれる。設定情報には、ステップS14において選択された照明器具20が備える発信部23の識別情報が含まれてもよい。
【0054】
次に、情報処理部34は、通信部33を用いて、ステップS16において生成した設定情報をビーコン設定サーバ60へ送信する(S17)。
【0055】
ビーコン設定サーバ60の通信部61は、設定情報を受信する。第1取得部64は、受信された設定情報を取得し(S18)、設定部65は、取得された設定情報を、当該設定情報に含まれる識別情報を有する照明器具20へ送信する(S19)。設定情報は、より具体的には、通信部61により、広域通信ネットワーク90を介して照明器具20へ送信される。
【0056】
照明器具20の通信部22は設定情報を受信する。情報処理部24は、受信された設定情報を記憶部25に記憶し(S20)、以降は、記憶された設定情報にしたがって発信部23を制御する。言い換えれば、発信部23は、記憶された設定情報が示す設定でビーコン信号を発信する。なお、設定情報が記憶部25の不揮発性の領域(不揮発性メモリ)に記憶されれば、照明器具20への電力供給がオフされても、設定情報を維持することができる。
【0057】
一方、ビーコン設定サーバ60の設定部65は、ステップS18において取得された設定情報に基づいて、ビーコン設定管理情報を更新する(S21)。
【0058】
以上説明したように、照明システム10は、照明器具20が発信するビーコン信号に関する設定情報であってユーザによって指定された内容を有する設定情報を取得する第1取得部64と、取得された設定情報を、広域通信ネットワーク90を介して照明器具20へ送信する設定部65とを備える。照明器具20は、ビーコン信号を発する発信部23と、ビーコン信号に関する設定情報であってユーザによって指定された内容を有する設定情報を、ビーコン設定サーバ60(情報処理装置)から広域通信ネットワーク90を介して受信する通信部22とを備える。発信部23(照明器具20)は、受信された設定情報が示す設定でビーコン信号を発信する。
【0059】
このような照明システム10においては、ユーザは、照明器具20の設置場所(例えば、
図2の商業施設)へ赴かなくても、ビーコン信号に関する設定を遠隔から(広域通信ネットワーク90を介して)変更することができる。つまり、照明システム10は、ユーザの利便性を向上することができる。
【0060】
なお、照明器具20のビーコン信号に関する設定の遠隔からの変更を可能にするために、照明器具20にはプログラムがインストールされてもよい。このプログラムは、照明器具20にビーコン信号の発信方法を実行させるためのプログラムであって、発信方法は、ビーコン信号に関する設定情報であってユーザによって指定された内容を有する設定情報を、情報処理装置から広域通信ネットワーク90を介して受信する受信ステップと、受信された設定情報が示す設定でビーコン信号を発信する発信ステップとを含む。このプログラムは、主たるプログラムであってもよいし、既存の主たるプログラムをバージョンアップするプログラムであってもよいし、アドオンプログラムであってもよい。
【0061】
[照明器具の遠隔制御動作]
また、ユーザは、操作端末30への操作により、遠隔から照明器具20を制御することができる。以下、このような照明器具20の遠隔制御動作について説明する。
図6は、照明器具20の遠隔制御動作の一例を示すシーケンス図である。
【0062】
まず、ユーザは、操作端末30が照明制御サーバ70にアクセスするための第2アクセスキーの入力操作を行い、操作受付部31はこのような入力操作を受け付ける(S31)。例えば、ステップS32以降の処理は、正しい第2アクセスキーが入力されることを要件として実行される。
【0063】
正しい第2アクセスキーが入力されると、情報処理部34は、通信部33を用いて照明制御サーバ70の制御状態管理情報(
図4)にアクセスし(S32)、複数の照明器具20の現在の制御状態を表示部32に表示する(S33)。ステップS33においては、例えば、制御状態管理情報(
図4)を可視化した画面が表示される。なお、複数の照明器具20の現在の制御状態は、インジケータで表示されてもよい。
【0064】
なお、ステップS32において情報処理部34がビーコン設定サーバ60へアクセスしたときに、情報処理部62は、通信部61を用いて複数の照明器具20に最新の設定状況(動作状況)を問い合わせることでビーコン設定管理情報をアップデートしてもよい。これにより、情報処理部34は、ステップS32において最新のビーコン設定管理情報にアクセスすることができる。また、情報処理部34は、ステップS33において最新の設定を表示部32に表示することができ、具体的には、直近で照明器具20にエラーが発生している場合などにこれを表示部32に表示することができる。
【0065】
次に、ユーザは、制御したい照明器具20を選択するための選択操作を行い、操作受付部31はこのような選択操作を受け付ける(S34)。ステップS34においては複数台の照明器具20を選択することも可能である。ステップS34においては、1台以上の照明器具20が選択されればよい。
【0066】
次に、ユーザは、ステップS34において選択した照明器具20をどのように制御するか(制御内容)を指定する指定操作を行い、操作受付部31はこのような指定操作を受け付ける(S35)。指定操作が行われているときには、照明器具20をどのように変更するか(制御情報の内容)が表示部32に表示される。
【0067】
指定操作が受け付けられると、情報処理部34は、指定操作によって指定された内容を有する制御情報を生成する(S36)。制御情報は、照明器具20を発光制御するための情報である。制御情報には、ステップS34において選択された照明器具20の識別情報が含まれる。
【0068】
次に、情報処理部34は、通信部33を用いて、ステップS36において生成した制御情報を照明制御サーバ70へ送信する(S37)。
【0069】
照明制御サーバ70の通信部71は、制御情報を受信する。第2取得部74は、受信された制御情報を取得し(S38)、制御部75は、取得された制御情報を、当該制御情報に含まれる識別情報を有する照明器具20へ送信する(S39)。制御情報は、より具体的には、通信部71により、広域通信ネットワーク90を介して照明器具20へ送信される。
【0070】
照明器具20の通信部22は制御情報を受信する。情報処理部24は、受信された制御情報を記憶部25に記憶し(S40)、以降は、記憶された制御情報にしたがって照明部21を制御する。言い換えれば、照明部21は、記憶された制御情報にしたがって発光(または消灯)する。なお、制御情報が記憶部25の不揮発性の領域(不揮発性メモリ)に記憶されれば、照明器具20への電力供給がオフされても、制御情報を維持することができる。
【0071】
一方、照明制御サーバ70の制御部75は、ステップS38において取得された制御情報に基づいて、制御状態管理情報を更新する(S41)。
【0072】
以上説明したように、照明システム10は、照明器具20を発光制御するための制御情報であって、ユーザによって指定された内容を有する制御情報を取得する第2取得部74と、取得された制御情報を、広域通信ネットワーク90を介して照明器具へ送信する制御部75とを備える。照明器具20は、制御情報を、照明制御サーバ70(情報処理装置)から広域通信ネットワーク90を介して受信する通信部22と、受信された制御情報に基づいて発光する照明部21とを備える。
【0073】
このような照明システム10においては、ユーザは、照明器具20の設置場所(例えば、
図2の商業施設)へ赴かなくても、照明器具20を遠隔から(広域通信ネットワーク90を介して)制御することができる。つまり、照明システム10は、ユーザの利便性を向上することができる。
【0074】
[第1アクセスキー、及び、第2アクセスキー]
なお、操作端末30がビーコン設定サーバ60にアクセスするための第1アクセスキーは、操作端末30が照明制御サーバ70にアクセスするための第2アクセスキーと同じであってもよいし、異なってもよい。
【0075】
図2に示されるように、照明器具20が商業施設に設置されるような場合、照明器具20の制御は、商業施設内に位置する販売員等(操作端末30のユーザの一例)が行うことが想定される。一方、ビーコン信号は、携帯端末40の一般ユーザへの広告及びクーポンの配信に利用されることから、ビーコン信号に関する設定の変更は、販売促進を企画する、商業施設から離れた本社オフィスに位置する営業担当者等(操作端末30のユーザの別の一例)が行うことが想定される。
【0076】
このような場合、第1アクセスキー及び第2アクセスキーを互いに異なるアクセスキーに設定し、販売員等には第2アクセスキーを通知しておき、営業担当者等には、第1アクセスキーを通知しておく。これにより、営業担当者等が販売員等の意に反して照明器具20を制御してしまうこと、及び、販売員等が営業担当者等の意に反してビーコン信号に関する設定の変更を行ってしまう事が抑制される。
【0077】
なお、
図1では、操作端末30を1つだけ図示しているが、実際には、複数の操作端末30が、アクセスキーの入力を要件として、ビーコン設定サーバ60、及び、照明制御サーバ70のそれぞれにアクセスすることができる。つまり、実際には、営業担当者等は、第1の操作端末30を使用してビーコン設定サーバ60にアクセスし、販売員等は、第1の操作端末30と異なる第2の操作端末30を使用して照明制御サーバ70にアクセスすることができる。
【0078】
なお、操作端末30を用いてビーコン設定サーバ60にアクセスするために第1アクセスキーの入力が要求されたが、ビーコン信号に関する設定を変更するために、さらに、第1パスワードの入力が要求されてもよい。これにより、ビーコン信号に関する設定が意に反して変更されてしまうことが抑制される。
【0079】
同様に、操作端末30を用いて照明制御サーバ70にアクセスするために第2アクセスキーの入力が要求されたが、照明器具20へ制御情報を送信するために、さらに、第2パスワードの入力が要求されてもよい。これにより、照明器具20が意に反して遠隔制御されてしまうことが抑制される。言い換えれば、セキュリティが強化される。
【0080】
[システム構成の変形例1]
上記実施の形態では、ビーコン設定サーバ60、及び、照明制御サーバ70は、別体のサーバであると説明されたが、照明システム10は、ビーコン設定サーバ60、及び、照明制御サーバ70の両方の機能を備える1つのサーバを備えてもよい。
図7は、このような変形例に係る照明システム10の機能構成を示すブロック図である。
【0081】
図7に示されるように、照明システム10は、ビーコン設定サーバ60、及び、照明制御サーバ70に代えて、サーバ80を備えてもよい。サーバ80は、操作端末30を操作するユーザが遠隔から照明器具20のビーコン信号に関する設定を変更するための情報処理、及び、操作端末30を操作するユーザが照明器具20を遠隔制御するための情報処理を行うクラウドサーバである。サーバ80は、具体的には、通信部81と、情報処理部82と、記憶部83とを備える。
【0082】
通信部81は、サーバ80が、操作端末30及び複数の照明器具20のそれぞれと、広域通信ネットワーク90を通じた通信を行うための通信回路である。通信部81は、無線通信を行う無線通信回路であってもよいし、有線通信を行う有線通信回路であってもよい。
【0083】
情報処理部82は、ビーコン信号に関する設定を変更するための情報処理、及び、照明器具20の遠隔制御に関する情報処理を行う。情報処理部72は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサまたは専用回路によって実現されてもよい。情報処理部72は、機能的な構成要素として、第1取得部84、第2取得部85、設定部86、及び、制御部87を備える。第1取得部84、第2取得部85、設定部86、及び、制御部87の機能は、第1取得部64、第2取得部74、設定部65、及び、制御部75と同様であり、上記実施の形態の第1取得部64、第2取得部74、設定部65、及び、制御部75は、第1取得部84、第2取得部85、設定部86、及び、制御部87に読み替えられてもよい。第1取得部84、第2取得部85、設定部86、及び、制御部87の機能は、情報処理部82を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサなどのハードウェアが記憶部83に記憶されたコンピュータプログラム(ソフトウェア)を実行することによって実現される。
【0084】
記憶部83は、上記の情報処理に必要な情報が記憶される記憶装置である。記憶部83に記憶される情報には、情報処理部82が実行するコンピュータプログラムが含まれる。記憶部83は、例えば、HDDによって実現されるが、半導体メモリによって実現されてもよい。
【0085】
なお、記憶部83には、ビーコン設定管理情報(
図3)、及び、制御状態管理情報(
図4)が記憶される。つまり、記憶部83には、照明器具20の識別情報と、照明器具20が備えるビーコン信号を発する発信部23の識別情報とを紐づけた情報が記憶される。
【0086】
[システム構成の変形例2]
上記実施の形態では、ビーコン設定サーバ60は、照明器具20が設置される施設外に位置するクラウドサーバであると説明されたが、照明器具20が設置される施設内に位置するオンプレミスのサーバであってもよい。また、ビーコン設定サーバ60の機能をパーソナルコンピュータなどで実現することも可能である。つまり、遠隔からのビーコン信号に関する設定の変更は、クラウドサーバ、オンプレミスのサーバ、または、パーソナルコンピュータなどの各種の第1情報処理装置によって実現可能である。照明システム10は、クラウドサーバ、オンプレミスのサーバ、または、パーソナルコンピュータなどの各種の第1情報処理装置の少なくとも1つを備えていればよい。
【0087】
また、照明制御サーバ70は、照明器具20が設置される施設外に位置するクラウドサーバであると説明されたが、照明器具20が設置される施設内に位置するオンプレミスのサーバであってもよい。また、照明制御サーバ70の機能をパーソナルコンピュータなどで実現することも可能である。つまり、照明器具20の遠隔制御は、クラウドサーバ、オンプレミスのサーバ、または、パーソナルコンピュータなどの各種の第2情報処理装置によって実現可能である。照明システム10は、クラウドサーバ、オンプレミスのサーバ、または、パーソナルコンピュータなどの各種の第2情報処理装置の少なくとも1つを備えていればよい。
【0088】
また、サーバ80は、照明器具20が設置される施設外に位置するクラウドサーバであると説明されたが、照明器具20が設置される施設内に位置するオンプレミスのサーバであってもよい。また、サーバ80の機能をパーソナルコンピュータなどで実現することも可能である。つまり、遠隔からのビーコン信号に関する設定の変更、及び、照明器具20の遠隔制御は、クラウドサーバ、オンプレミスのサーバ、または、パーソナルコンピュータなどの各種の情報処理装置によって実現可能である。照明システム10は、クラウドサーバ、オンプレミスのサーバ、または、パーソナルコンピュータなどの各種の情報処理装置の少なくとも1つを備えていればよい。
【0089】
[その他の変形例]
上記実施の形態では、ビーコン信号は、広告またはクーポンの提供に使用されたが、他の用途で使用されてもよい。例えば、ビーコン信号は、携帯端末40の位置を計測する用途に用いられてもよい。この場合、携帯端末40は、ビーコン信号の受信信号強度に基づいて携帯端末40の現在位置を計測することができる。
【0090】
[効果等]
以下、本明細書の開示内容から得られる発明を例示し、当該発明から得られる効果等について説明する。
【0091】
発明1は、照明器具20が発信するビーコン信号に関する設定情報であって第1ユーザによって指定された内容を有する設定情報を取得する第1取得部64と、取得された設定情報を、広域通信ネットワーク90を介して照明器具20へ送信する設定部65とを備え、照明器具20は、受信した設定情報が示す設定でビーコン信号を発信する、照明システム10である。
【0092】
このような照明システム10によれば、第1ユーザは、照明器具20の設置場所へ赴かなくても、ビーコン信号に関する設定を遠隔から変更することができる。つまり、照明システム10は、第1ユーザの利便性を向上することができる。
【0093】
発明2は、設定情報は、ビーコン信号の発信のオン及びオフ、ビーコン信号が発信される時間間隔、ビーコン信号が発信される頻度、ビーコン信号の発信時刻、ビーコン信号の送信電力、ビーコン信号のプロトコルタイプ、並びに、ビーコン信号に含まれる識別情報の少なくとも1つの設定を行うための情報である、発明1の照明システム10である。
【0094】
このような照明システム10によれば、第1ユーザは、ビーコン信号の発信のオン及びオフ、ビーコン信号が発信される時間間隔、ビーコン信号が発信される頻度、ビーコン信号の発信時刻、ビーコン信号の送信電力、ビーコン信号のプロトコルタイプ、並びに、ビーコン信号に含まれる識別情報の少なくとも1つを遠隔から変更することができる。
【0095】
発明3は、照明器具20は、受信した設定情報を不揮発性メモリに記憶する、発明1または2の照明システム10である。
【0096】
このような照明システム10によれば、照明器具20は、照明器具20への電力供給がオフされても、設定情報を維持することができる。
【0097】
発明4は、照明システム10は、さらに、照明器具20を発光制御するための制御情報であって、第1ユーザと同一または異なる第2ユーザによって指定された内容を有する制御情報を取得する第2取得部74と、取得された制御情報を、広域通信ネットワーク90を介して照明器具20へ送信する制御部75とを備え、照明器具20は、受信した制御情報に基づいて発光する、発明1~3のいずれかの照明システム10である。
【0098】
このような照明システム10によれば、第2ユーザは、照明器具20の設置場所へ赴かなくても、照明器具20を遠隔制御することができる。つまり、照明システム10は、第2ユーザの利便性を向上することができる。
【0099】
発明5は、第1ユーザは、第1アクセスキーの入力を要件として、設定情報の内容を指定することができ、第2ユーザは、第2アクセスキーの入力を要件として、制御情報の内容を指定することができる、発明4の照明システム10である。
【0100】
このような照明システム10は、ビーコン信号に関する設定情報の内容の指定、及び、制御情報の内容の指定に関するセキュリティを強化することができる。
【0101】
発明6は、第1アクセスキーと第2アクセスキーとは異なる、発明5の照明システム10である。
【0102】
このような照明システム10は、ビーコン信号に関する設定情報の内容の指定を許容するユーザと、制御情報の内容の指定を許容するユーザとを区別することができる。
【0103】
発明7は、さらに、照明器具20の識別情報と、照明器具20が備えるビーコン信号を発する発信部23の識別情報とを紐づけた情報を記憶する記憶部63を備える、発明1~6のいずれかの照明システム10である。
【0104】
このような照明システム10は、記憶部63に記憶された情報に基づいて、ビーコン信号に関する設定の変更と、照明器具20の遠隔制御とを両方実行することができる。
【0105】
発明8は、ビーコン信号を発する発信部23と、ビーコン信号に関する設定情報であってユーザによって指定された内容を有する設定情報を、情報処理装置から広域通信ネットワーク90を介して受信する通信部22とを備え、発信部23は、受信された設定情報が示す設定でビーコン信号を発信する、照明器具20である。
【0106】
このような照明器具20によれば、ユーザは、照明器具20の設置場所へ赴かなくても、ビーコン信号に関する設定を遠隔から変更することができる。つまり、照明器具20は、ユーザの利便性を向上することができる。
【0107】
発明9は、照明器具20にビーコン信号の発信方法を実行させるためのプログラムであって、発信方法は、ビーコン信号に関する設定情報であってユーザによって指定された内容を有する設定情報を、情報処理装置から広域通信ネットワーク90を介して受信する受信ステップと、受信された設定情報が示す設定でビーコン信号を発信する発信ステップとを含む、プログラムである。
【0108】
このようなプログラムによれば、照明器具20のビーコン信号に関する設定が、遠隔から変更可能になる。つまり、ユーザの利便性が向上される。
【0109】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0110】
例えば、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。また、装置間の通信においては、図示されない中継装置が介在してもよい。
【0111】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0112】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0113】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0114】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0115】
例えば、本発明は、上記実施の形態の照明システム、操作端末、または、携帯端末として実現されてもよい。本発明は、コンピュータが実行する方法として実現されてもよい。本発明は、このような方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現されてもよいし、このようなプログラムが記録された非一時的な記録媒体として実現されてもよい。このようなプログラムには、汎用の情報端末(コンピュータ)を、上記実施の形態の操作端末として機能させるためのアプリケーションプログラム、及び、携帯端末にインストールされるアプリケーションプログラムなどが含まれる。
【0116】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0117】
10 照明システム
20 照明器具
21 照明部
22、33、61、71、81 通信部
23 発信部
24、34、44、62、72、82 情報処理部
25、35、45、63、73、83 記憶部
30 操作端末
31、41 操作受付部
32、42 表示部
40 携帯端末
43 受信部
50 ゲートウェイ装置
60 ビーコン設定サーバ
64、84 第1取得部
65、86 設定部
70 照明制御サーバ
74、85 第2取得部
75、87 制御部
80 サーバ
90 広域通信ネットワーク