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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178948
(43)【公開日】2024-12-25
(54)【発明の名称】バンカリング船
(51)【国際特許分類】
   B63B 25/16 20060101AFI20241218BHJP
   F17C 5/02 20060101ALI20241218BHJP
   F17C 13/00 20060101ALI20241218BHJP
   B63B 27/34 20060101ALI20241218BHJP
   B63B 25/08 20060101ALI20241218BHJP
   B63B 27/24 20060101ALI20241218BHJP
   B63H 21/38 20060101ALI20241218BHJP
【FI】
B63B25/16 Z
F17C5/02 Z
F17C13/00 302F
B63B27/34
B63B25/08 B
B63B27/24 A
B63H21/38 B
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024139363
(22)【出願日】2024-08-21
(62)【分割の表示】P 2024543072の分割
【原出願日】2022-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】520387760
【氏名又は名称】エイチディー ヒュンダイ ヘビー インダストリーズ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハン チェ シグ
(72)【発明者】
【氏名】クォン キ ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】イ トン チン
(72)【発明者】
【氏名】ハン ポム ウ
(72)【発明者】
【氏名】パク チェ ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】ハン サン ホ
(72)【発明者】
【氏名】キム ヒョン ソク
【テーマコード(参考)】
3E172
【Fターム(参考)】
3E172AA03
3E172AA06
3E172AB03
3E172AB04
3E172AB05
3E172AB20
3E172BA06
3E172BB12
3E172BB17
3E172BD02
3E172EA03
3E172EA49
3E172EB03
3E172GA17
3E172HA08
(57)【要約】
【課題】対象の液化ガス貯蔵タンクに液化ガスをローディングおよびアンローディングすることができ、また、そのための個別過程での要求する条件を満たすように、当該タンク内部の温度および圧力条件などを制御できる船舶を提供する。
【解決手段】対象の液化ガス貯蔵タンクに液化ガスをローディングおよびアンローディングするためのバンカリング船であって、液化ガスを貯蔵するバンカリングタンクと、バンカリング船のバンカリングステーションに設けられ、バンカリング船から液化ガスを流出入させるマニホールドと、バンカリングタンクとマニホールドとを連結して液相の液化ガスを移送する液相移送ラインと、バンカリングタンクとマニホールドとを連結して気相の液化ガスを移送する気相移送ラインと、を含み、液化ガスをマニホールドを介して対象に設けられる液化ガス貯蔵タンクに供給し、対象から排出ガスの供給を受ける。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象の液化ガス貯蔵タンクに液化ガスをローディング 又はびアンローディングするためのバンカリング船であって、
液化ガスを貯蔵するバンカリングタンクと、
前記バンカリング船のバンカリングステーションに設けられ、前記バンカリング船から液化ガスを流出入させるマニホールドと、
前記バンカリングタンクと前記マニホールドとを連結して液相の液化ガスを移送する液相移送ラインと、
前記バンカリングタンクと前記マニホールドとを連結して気相の液化ガスを移送する気相移送ラインと、を含み、
液化ガスを前記マニホールドを介して前記対象に設けられる前記液化ガス貯蔵タンクに供給し、前記対象から排出ガスの供給を受けることを特徴とするバンカリング船。
【請求項2】
前記バンカリング船は、
液化ガスを気化させる液化ガス気化器を含み、
前記対象に液化ガスをローディングする前に、 前記液化ガス気化器で気化された液化ガス又は前記ローディング時の液化ガスの流量に比べて相対的に少ない流量の液化ガスを前記マニホールドを介して前記対象に設けられる液化ガス貯蔵タンクに供給し、前記対象から排出ガスの供給を受けることを特徴とする請求項1に記載のバンカリング船。
【請求項3】
前記液化ガス気化器は、
前記バンカリングタンクまたは前記液化ガス貯蔵タンクから液化ガスの供給を受けて気化した後、前記気相移送ラインに供給し、
前記排出ガスは、
前記液化ガス気化器で気化された液化ガスが前記液化ガス貯蔵タンクに注入されるに伴って、前記液化ガス貯蔵タンク内部に貯蔵されていたガスが排出されるものである、請求項2に記載のバンカリング船。
【請求項4】
前記バンカリング船は、
前記液相移送ラインまたは前記気相移送ラインを介して前記排出ガスの供給を受けることを特徴とする請求項3に記載のバンカリング船。
【請求項5】
前記液相移送ラインまたは前記気相移送ラインは、
前記排出ガス中に含まれる不活性ガスの濃度が予め定められた値以上であると、前記排出ガスをガス燃焼ユニットおよびベント部のうちの少なくとも1つに供給し、
前記排出ガス中に含まれる不活性ガスの濃度が予め定められた値より小さいと、前記排出ガスをガス燃焼ユニットおよびバッファタンクのうちの少なくとも1つに供給することを特徴とする請求項4に記載のバンカリング船。
【請求項6】
前記バンカリング船は、
前記液化ガス貯蔵タンクから液化ガスをアンローディングした後、液化ガスを前記マニホールドを介して前記液化ガス貯蔵タンクに供給し、前記対象から排出ガスの供給を受けることを特徴とする請求項1に記載のバンカリング船。
【請求項7】
前記排出ガスは、
前記液化ガス貯蔵タンク内に残留する液化ガスであることを特徴とする請求項6に記載のバンカリング船。
【請求項8】
前記バンカリング船は、
前記バンカリングタンクから供給される液化ガスを気化させる液化ガス気化器をさらに含み、
前記液化ガス貯蔵タンクから液化ガスをアンローディングした後、気体状態の液化ガスを前記液化ガス貯蔵タンクに供給することを特徴とする請求項7に記載のバンカリング船。
【請求項9】
前記バンカリング船は、
前記液化ガス貯蔵タンクから液化ガスをアンローディングした直後には液化ガスを前記液相移送ラインを介して前記液化ガス貯蔵タンクに供給し、排出ガスを前記気相移送ラインを介して供給を受け、
前記液化ガス貯蔵タンク内部の温度が予め定められた値より高くなると、液化ガスを前記気相移送ラインを介して前記液化ガス貯蔵タンクに供給し、排出ガスを前記液相移送ラインを介して供給を受けることを特徴とする請求項8に記載のバンカリング船。
【請求項10】
前記液相移送ラインまたは前記気相移送ラインは、
排出ガスをバッファタンクに供給し、
前記バッファタンクは、
液相の液化ガスを前記バンカリングタンクに供給することを特徴とする請求項8に記載のバンカリング船。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バンカリング船に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境規制等の強化に伴い、各種燃料の中で環境にやさしい燃料に近い液化天然ガス(Liquefied Natural Gas)の使用が増大している。液化天然ガスは、一般的にLNG運搬船を通して運搬され、この際、液化天然ガスは、1気圧下で-162℃以下に温度を下げて液体状態でLNG運搬船のタンクに保管されることができる。液化天然ガスは、液体状態になる場合、気体状態に比べて体積が600分の1に縮小されるため、運搬効率を増大させることができる。
【0003】
このような液化天然ガスを運搬したり、燃料として使用したりする船舶に液化天然ガスをローディングまたはアンローディングする場合には、ディーゼルと異なり、極低温状態に維持しなければならない。また、ローディングおよびアンローディングを行いながら液化天然ガスの安定的な貯蔵のために、液化天然ガスが貯蔵される貯蔵タンクの温度および圧力などを制御しなければならない。したがって、近年、液化天然ガスを液体状態に維持して液化天然ガス運搬船または推進船に供給するためのバンカリング技術およびそれを利用する船舶について継続的な研究開発がなされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、前記のような従来技術の問題点を解決するために創出されたものであり、本発明の目的は、対象の液化ガス貯蔵タンクに液化ガスをローディングおよびアンローディングすることができるバンカリング船を提供することである。
【0005】
また、本発明の目的は、バンカリング船において、液化ガスのローディングおよびアンローディングのための個別過程で要求する条件を満たすように、対象の液化ガス貯蔵タンク内部の温度および圧力条件などを制御できる船舶を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面に係るバンカリング船は、対象の液化ガス貯蔵タンクに液化ガスをローディングおよびアンローディングするためのバンカリング船であって、液化ガスを貯蔵するバンカリングタンクと、前記バンカリング船のバンカリングステーションに設けられ、前記バンカリング船から液化ガスを流出入させるマニホールドと、前記バンカリングタンクと前記マニホールドとを連結して液化ガスを流動させる液化ガス移送ラインと、乾燥ガスを生産する乾燥ガス供給部と、を含み、前記乾燥ガス供給部は、前記液化ガス貯蔵タンクに液化ガスをローディングする前に、乾燥ガスを前記マニホールドを介して前記液化ガス貯蔵タンクに供給して前記液化ガス貯蔵タンク内部の水分を除去し、前記液化ガス移送ラインは、液相の液化ガスを移送する液相移送ラインと、気相の液化ガスを移送する気相移送ラインと、を含み、前記バンカリング船は、前記乾燥ガス供給部から供給される乾燥ガスを前記液相移送ラインおよび前記気相移送ラインのうちの少なくとも1つに伝達するガス供給ラインをさらに含み、前記ガス供給ラインは、前記バンカリング船の外部温度が予め定められた温度以上であると、前記液相移送ラインを介して乾燥ガスを供給し、前記バンカリング船の外部温度が予め定められた温度より低いと、前記気相移送ラインを介して乾燥ガスを供給することができる。
【0007】
本発明の他の側面に係るバンカリング船は、対象の液化ガス貯蔵タンクに液化ガスをローディングおよびアンローディングするためのバンカリング船であって、液化ガスを貯蔵するバンカリングタンクと、前記バンカリング船のバンカリングステーションに設けられ、前記バンカリング船から液化ガスを流出入させるマニホールドと、前記バンカリングタンクと前記マニホールドとを連結して液化ガスを流動させる液化ガス移送ラインと、乾燥ガスを生産する乾燥ガス供給部と、を含み、前記乾燥ガス供給部は、前記液化ガス貯蔵タンクに液化ガスをローディングする前に、乾燥ガスを前記マニホールドを介して前記液化ガス貯蔵タンクに供給して前記液化ガス貯蔵タンク内部の水分を除去し、前記液化ガス移送ラインは、液相の液化ガスを移送する液相移送ラインと、気相の液化ガスを移送する気相移送ラインと、を含み、前記バンカリング船は、前記乾燥ガス供給部から供給される乾燥ガスを前記液相移送ラインおよび前記気相移送ラインのうちの少なくとも1つに伝達するガス供給ラインをさらに含み、前記ガス供給ラインは、前記液化ガス貯蔵タンクの内部温度が予め定められた温度以上であると、前記液相移送ラインを介して乾燥ガスを供給し、前記液化ガス貯蔵タンクの内部温度が予め定められた温度より低いと、前記気相移送ラインを介して乾燥ガスを供給することができる。
【0008】
本発明の他の側面に係るバンカリング船は、対象の液化ガス貯蔵タンクに液化ガスをローディングおよびアンローディングするためのバンカリング船であって、液化ガスを貯蔵するバンカリングタンクと、前記バンカリング船のバンカリングステーションに設けられ、前記バンカリング船から液化ガスを流出入させるマニホールドと、前記バンカリングタンクと前記マニホールドとを連結して液化ガスを流動させる液化ガス移送ラインと、不活性ガスを生産する不活性ガス供給部と、を含み、前記不活性ガス供給部は、前記液化ガス貯蔵タンクに液化ガスをローディングする前に、不活性ガスを前記マニホールドを介して前記液化ガス貯蔵タンクに供給して前記液化ガス貯蔵タンク内部の酸素を除去し、前記液化ガス移送ラインは、液相の液化ガスを移送する液相移送ラインと、気相の液化ガスを移送する気相移送ラインと、を含み、前記バンカリング船は、前記不活性ガス供給部から供給される不活性ガスを前記液相移送ラインおよび前記気相移送ラインのうちの少なくとも1つに伝達するガス供給ラインをさらに含み、前記不活性ガスは、窒素ガスまたは重油を燃焼させて発生するガスであり、前記ガス供給ラインは、前記不活性ガスが窒素ガスであると、前記液相移送ラインを介して不活性ガスを供給し、前記不活性ガスが重油を燃焼させて発生するガスであると、前記気相移送ラインを介して不活性ガスを供給することができる。
【0009】
本発明の他の側面に係るバンカリング船は、液化ガス気化器を備える液化ガス運搬船に液化ガスをローディングおよびアンローディングするためのバンカリング船であって、液化ガスを貯蔵するバンカリングタンクと、前記バンカリング船のバンカリングステーションに設けられ、前記バンカリング船から液化ガスを流出入させるマニホールドと、前記バンカリングタンクと前記マニホールドとを連結して液化ガスを流動させる液化ガス移送ラインと、を含み、前記液化ガス運搬船に液化ガスをローディングする前に、前記ローディング時の液化ガスの流量に比べて相対的に少ない流量の液化ガスを前記マニホールドを介して前記液化ガス運搬船に設けられる液化ガス貯蔵タンクに供給し、前記液化ガス運搬船から排出ガスの供給を受け、前記液化ガス移送ラインは、液相の液化ガスを移送する液相移送ラインと、気相の液化ガスを移送する気相移送ラインと、を含み、前記バンカリング船は、前記液相移送ラインを介して液化ガスを前記液化ガス気化器に供給し、前記排出ガスは、前記液化ガス気化器で気化された液化ガスが前記液化ガス貯蔵タンクに注入されるに伴って、前記液化ガス貯蔵タンク内部に貯蔵されていたガスが排出され、前記バンカリング船は、前記気相移送ラインを介して前記排出ガスの供給を受け、前記気相移送ラインは、前記排出ガス中に含まれる不活性ガスの濃度が予め定められた値以上であると、前記排出ガスをガス燃焼ユニットおよびベント部のうちの少なくとも1つに供給し、前記排出ガス中に含まれる不活性ガスの濃度が予め定められた値より小さいと、前記排出ガスをガス燃焼ユニットおよびバッファタンクのうちの少なくとも1つに供給することができる。
【0010】
本発明の他の側面に係るバンカリング船は、対象の液化ガス貯蔵タンクに液化ガスをローディングおよびアンローディングするためのバンカリング船であって、液化ガスを貯蔵するバンカリングタンクと、前記バンカリング船のバンカリングステーションに設けられ、前記バンカリング船から液化ガスを流出入させるマニホールドと、前記バンカリングタンクと前記マニホールドとを連結して液化ガスを流動させる液化ガス移送ラインと、液化ガス気化器と、を含み、前記液化ガス貯蔵タンクに液化ガスをローディングする前に、前記液化ガス気化器で気化された液化ガスを前記マニホールドを介して前記液化ガス貯蔵タンクに供給し、前記対象から排出ガスの供給を受け、前記液化ガス移送ラインは、液相の液化ガスを移送する液相移送ラインと、気相の液化ガスを移送する気相移送ラインと、を含み、前記液化ガス気化器は、前記バンカリングタンクから液化ガスの供給を受けて気化した後、前記気相移送ラインに供給し、前記排出ガスは、前記液化ガス気化器で気化された液化ガスが前記液化ガス貯蔵タンクに注入されるに伴って、前記液化ガス貯蔵タンク内部に貯蔵されていたガスが排出され、前記バンカリング船は、前記液相移送ラインを介して前記排出ガスの供給を受け、前記液相移送ラインは、前記排出ガス中に含まれる不活性ガスの濃度が予め定められた値以上であると、前記排出ガスをガス燃焼ユニットおよびベント部のうちの少なくとも1つに供給し、前記排出ガス中に含まれる不活性ガスの濃度が予め定められた値より小さいと、前記排出ガスをガス燃焼ユニットおよびバッファタンクのうちの少なくとも1つに供給することができる。
【0011】
本発明の他の側面に係るバンカリング船は、対象の液化ガス貯蔵タンクに液化ガスをローディングおよびアンローディングするためのバンカリング船であって、液化ガスを貯蔵するバンカリングタンクと、前記バンカリング船のバンカリングステーションに設けられ、前記バンカリング船から液化ガスを流出入させるマニホールドと、前記バンカリングタンクと前記マニホールドとを連結して液化ガスを流動させる液化ガス移送ラインと、を含み、前記液化ガス貯蔵タンクから液化ガスをアンローディングした後、液化ガスを前記マニホールドを介して前記液化ガス貯蔵タンクに供給し、前記対象から排出ガスの供給を受け、前記排出ガスは、前記液化ガス貯蔵タンク内に残留する液化ガスであり、前記バンカリング船は、前記バンカリングタンクから供給される液化ガスを気化させる液化ガス気化器をさらに含み、前記液化ガス貯蔵タンクから液化ガスをアンローディングした後、気体状態の液化ガスを前記液化ガス貯蔵タンクに供給し、前記液化ガス移送ラインは、液相の液化ガスを移送する液相移送ラインと、気相の液化ガスを移送する気相移送ラインと、を含み、前記バンカリング船は、前記液化ガス貯蔵タンクから液化ガスをアンローディングした直後には液化ガスを前記液相移送ラインを介して前記液化ガス貯蔵タンクに供給し、排出ガスを前記気相移送ラインを介して供給を受け、前記液化ガス貯蔵タンク内部の温度が予め定められた値より高くなると、液化ガスを前記気相移送ラインを介して前記液化ガス貯蔵タンクに供給し、排出ガスを前記液相移送ラインを介して供給を受けることができる。
【0012】
本発明の他の側面に係るバンカリング船は、対象の液化ガス貯蔵タンクに液化ガスをローディングおよびアンローディングするためのバンカリング船であって、液化ガスを貯蔵するバンカリングタンクと、前記バンカリング船のバンカリングステーションに設けられ、前記バンカリング船から液化ガスを流出入させるマニホールドと、前記バンカリングタンクと前記マニホールドとを連結して液化ガスを流動させる液化ガス移送ラインと、を含み、前記液化ガス貯蔵タンクから液化ガスをアンローディングした後、液化ガスを前記マニホールドを介して前記液化ガス貯蔵タンクに供給し、前記対象から排出ガスの供給を受け、前記排出ガスは、前記液化ガス貯蔵タンク内に残留する液化ガスであり、前記バンカリング船は、前記バンカリングタンクから供給される液化ガスを気化させる液化ガス気化器をさらに含み、前記液化ガス貯蔵タンクから液化ガスをアンローディングした後、気体状態の液化ガスを前記液化ガス貯蔵タンクに供給し、前記液化ガス移送ラインは、液相の液化ガスを移送する液相移送ラインと、気相の液化ガスを移送する気相移送ラインと、を含み、前記液化ガス移送ラインは、排出ガスをバッファタンクに供給し、前記バッファタンクは、液相の液化ガスを前記バンカリングタンクに供給することができる。
【0013】
本発明の他の側面に係るバンカリング船は、対象の液化ガス貯蔵タンクに液化ガスをローディングおよびアンローディングするためのバンカリング船であって、液化ガスを貯蔵するバンカリングタンクと、前記バンカリング船のバンカリングステーションに設けられ、前記バンカリング船から液化ガスを流出入させるマニホールドと、前記バンカリングタンクと前記マニホールドとを連結して液化ガスを流動させる液化ガス移送ラインと、不活性ガスを生産する不活性ガス供給部と、を含み、前記不活性ガス供給部は、前記液化ガス貯蔵タンクから液化ガスをアンローディングした後、不活性ガスを前記マニホールドを介して前記液化ガス貯蔵タンクに供給し、前記対象から排出ガスの供給を受け、前記液化ガス移送ラインは、液相の液化ガスを移送する液相移送ラインと、気相の液化ガスを移送する気相移送ラインと、を含み、前記バンカリング船は、不活性ガスを前記液相移送ラインを介して前記液化ガス貯蔵タンクに供給し、排出ガスを前記気相移送ラインを介して供給を受け、前記気相移送ラインは、排出ガスをガス燃焼ユニット、ベント部およびバッファタンクのうちの少なくとも1つに供給し、前記排出ガスは、液化ガスを含み、前記バッファタンクは、液相の液化ガスを前記バンカリングタンクに供給することができる。
【0014】
本発明の他の側面に係るバンカリング船は、対象の液化ガス貯蔵タンクに液化ガスをローディングおよびアンローディングするためのバンカリング船であって、液化ガスを貯蔵するバンカリングタンクと、前記バンカリング船のバンカリングステーションに設けられ、前記バンカリング船から液化ガスを流出入させるマニホールドと、前記バンカリングタンクと前記マニホールドとを連結して液化ガスを流動させる液化ガス移送ラインと、乾燥ガスを生産する乾燥ガス供給部と、を含み、前記乾燥ガス供給部は、前記液化ガス貯蔵タンクから液化ガスをアンローディングした後、乾燥ガスを前記マニホールドを介して前記液化ガス貯蔵タンクに供給して前記液化ガス貯蔵タンクから不活性ガスを排出させ、前記液化ガス移送ラインは、液相の液化ガスを移送する液相移送ラインと、気相の液化ガスを移送する気相移送ラインと、を含み、前記バンカリング船は、前記乾燥ガス供給部から供給される乾燥ガスを前記液相移送ラインおよび前記気相移送ラインのうちの少なくとも1つに伝達するガス供給ラインをさらに含み、前記不活性ガスが窒素ガスである場合、乾燥ガスを前記液相移送ラインを介して供給し、前記不活性ガスが重油を燃焼させて発生するガスである場合、乾燥ガスを前記気相移送ラインを介して供給することができる。
【0015】
本発明の他の側面に係るバンカリング船は、対象の液化ガス貯蔵タンクに液化ガスをローディングおよびアンローディングするためのバンカリング船であって、液化ガスを貯蔵するバンカリングタンクと、前記バンカリング船のバンカリングステーションに設けられ、前記バンカリング船から液化ガスを流出入させるマニホールドと、前記バンカリングタンクと前記マニホールドとを連結して液化ガスを流動させる液化ガス移送ラインと、液化ガスを燃料として使用して電力を生産する発電エンジンと、前記液化ガス移送ラインから分岐して前記バンカリングタンクから前記発電エンジンに液化ガスを供給する液化ガス供給ラインとを含み、前記液化ガス供給ラインは、前記バンカリングタンク内で発生する蒸発ガスを前記発電エンジンに供給し、前記液化ガス移送ラインは、液相の液化ガスを移送する液相移送ラインと、気相の液化ガスを移送する気相移送ラインと、を含み、前記液相移送ラインは、液相の液化ガスを前記マニホールドを介して前記液化ガス貯蔵タンクに供給し、前記気相移送ラインは、前記液化ガス貯蔵タンクで発生する蒸発ガスの供給を受け、前記バンカリング船は、前記液相移送ラインから分岐して液相の液化ガスを前記液化ガス供給ラインに供給する第2液化ガス供給ラインをさらに含み、前記第2液化ガス供給ラインは、液相の液化ガスを気化させる強制気化器を備えることができる。
【0016】
本発明の他の側面に係るバンカリング船は、対象の液化ガス貯蔵タンクに液化ガスをローディングおよびアンローディングするためのバンカリング船であって、液化ガスを貯蔵するバンカリングタンクと、前記バンカリング船のバンカリングステーションに設けられ、前記バンカリング船から液化ガスを流出入させるマニホールドと、前記バンカリングタンクと前記マニホールドとを連結して液化ガスを流動させる液化ガス移送ラインと、液化ガスを燃料として使用して電力を生産する発電エンジンと、前記液化ガス移送ラインから分岐して前記バンカリングタンクから前記発電エンジンに液化ガスを供給する液化ガス供給ラインと、を含み、前記液化ガス供給ラインは、前記バンカリングタンク内で発生する蒸発ガスを前記発電エンジンに供給し、前記液化ガス供給ラインは、液化ガスを気相および液相に分離して液相の液化ガスを前記バンカリングタンクにリターンする気液分離器と、前記気液分離器から気相の液化ガスの供給を受け、前記発電エンジンで要求する圧力に加圧するLDコンプレッサと、を備え、前記対象に液化ガスをローディングする過程で前記対象から供給を受ける排出ガスを貯蔵するバッファタンクをさらに含み、前記排出ガスは、前記液化ガス貯蔵タンク内部に貯蔵されていたガスが排出されるもので、液化ガスを含むことができる。
【0017】
本発明の他の側面に係るバンカリング船は、対象の液化ガス貯蔵タンクに液化ガスをローディングおよびアンローディングするためのバンカリング船であって、液化ガスを貯蔵するバンカリングタンクと、前記バンカリング船のバンカリングステーションに設けられ、前記バンカリング船から液化ガスを流出入させるマニホールドと、前記バンカリングタンクと前記マニホールドとを連結して液化ガスを流動させる液化ガス移送ラインと、前記液化ガス移送ラインから分岐して前記バンカリングタンクからガス燃焼ユニットに液化ガスを供給する液化ガス供給ラインと、を含み、前記ガス燃焼ユニットは、前記バンカリングタンク内で発生する蒸発ガスを燃焼して処理し、前記液化ガス供給ラインは、液化ガスを前記ガス燃焼ユニットが要求する圧力に加圧して供給するコンプレッサを備え、前記バンカリング船は、加圧された液化ガスの少なくとも一部を貯蔵するバッファタンクをさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係るバンカリング船は、極低温の液化ガスを対象の液化ガス貯蔵タンクにローディングおよびアンローディングすることができ、前記液化ガス貯蔵タンクの内部の温度および圧力等の条件をローディングおよびアンローディングのための個別過程で要求される条件に制御することができる。
【0019】
また、本発明に係るバンカリング船は、液化ガスのローディングおよびアンローディング過程で、望ましくない液化ガスの気化を最小化することができる。
【0020】
なお、本発明に係るバンカリング船は、対象の液化ガス貯蔵タンクのローディングおよびアンローディング過程で発生する排出ガスを処理することができる。
【0021】
また、本発明に係るバンカリング船は、バンカリングタンク内部で発生する蒸発ガスを自体的に処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施例に係るバンカリング船のバンカリングシステムの概念図である。
図2】本発明の一実施例に係るバンカリング船において、バンカリング前のガス処理過程を示す概念図である。
図3】本発明の一実施例に係るバンカリング船において、バンカリング前に対象の液化ガス貯蔵タンクで発生する蒸発ガスの処理過程を示す概念図である。
図4】本発明の一実施例に係るバンカリング船において、乾燥ガスを供給するドライイングまたは不活性ガスを供給するイナーティング過程を示す概念図である。
図5】本発明の一実施例に係るバンカリング船において、乾燥ガスを供給するドライイングまたは不活性ガスを供給するイナーティング過程を示す概念図である。
図6】本発明の一実施例に係るバンカリング船において、液化ガス運搬船に液化ガスを供給する1次ガッシングアップ過程を示す概念図である。
図7】本発明の一実施例に係るバンカリング船において、液化ガス運搬船に液化ガスを供給する2次ガッシングアップ過程を示す概念図である。
図8】本発明の一実施例に係るバンカリング船において、液化ガス推進船に液化ガスを供給する1次ガッシングアップ過程を示す概念図である。
図9】本発明の一実施例に係るバンカリング船において、液化ガス推進船に液化ガスを供給する2次ガッシングアップ過程を示す概念図である。
図10】本発明の一実施例に係るバンカリング船において、液化ガスを供給するクールダウン過程を示す概念図である。
図11】本発明の一実施例に係るバンカリング船において、対象の液化ガス貯蔵タンクに液化ガスをローディングする過程を示す概念図である。
図12】本発明の一実施例に係るバンカリング船において、バンカリング後のガス処理過程を示す概念図である。
図13】本発明の一実施例に係るバンカリング船において、対象の液化ガス貯蔵タンクに高温の液化ガスを供給する1次ウォーミングアップ過程を示す概念図である。
図14】本発明の一実施例に係るバンカリング船において、対象の液化ガス貯蔵タンクに高温の液化ガスを供給する2次ウォーミングアップ過程を示す概念図である。
図15】本発明の一実施例に係るバンカリング船において、対象の液化ガス貯蔵タンクから供給される排出ガスを処理するガスフリーイング過程を示す概念図である。
図16】本発明の一実施例に係るバンカリング船において、乾燥ガスを供給するエアレーション過程を示す概念図である。
図17】本発明の一実施例に係るバンカリング船において、乾燥ガスを供給するエアレーション過程を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の目的、特定の利点及び新規な特徴は、添付の図面と関連する以下の詳細な説明及び好ましい実施例からより明らかになるであろう。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付すにあたり、同一の構成要素に限っては、たとえ異なる図面上に表示されても、できるだけ同一の番号を有するようにしていることに留意すべきである。また、本発明を説明するにあたり、関連する公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にする可能性があると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0024】
以下において、高圧(HP:High pressure)、低圧(LP:Low pressure)、高温および低温は相対的なものであり、絶対的な数値を示すものではなく、本発明の各実施例によって相対的に使用できることを知らせておく。
【0025】
以下において、バンカリング船は、液化ガスを対象の液化ガス貯蔵タンクにローディングおよびアンローディングすることができ、貯蔵される液化ガスを燃料として使用できる船舶を意味する。
【0026】
以下において、対象は、液化ガスを貨物として運ぶ液化ガス運搬船、液化ガスを燃料として使用できる液化ガス推進船の他にも、FSRU、FPSOなどの海洋プラントを全て包括する意味で使用されることを知らせておく。また、対象は、他のバンカリング船、液化ガス貯蔵タンクを有する液化ガス運搬車両を包括して意味することができる。ただし、本発明の特定の一実施例では、対象が前述したもののいずれか1つ以上に限定されるものであってもよい。
【0027】
以下において、対象が液化ガス運搬船である場合、本発明に係るバンカリング船は、液化ガス運搬船の試運転のために以下の過程を行うように提供されるものであることができる。
【0028】
以下において、液化ガスは、LNG、LPG、エチレン、アンモニアなどのように、一般的に低温の液体状態で保管される全てのガス燃料を包括する意味で使用されることができる。ただし、以下の実施例および図面では、液化ガスが液化天然ガスであることを例に説明する。
【0029】
以下において、蒸発ガス(BOG、Boil Off Gas)は、自然気化または強制気化された液化ガスを意味することができる。ただし、蒸発ガスは、気体状態の蒸発ガスだけでなく、液化された蒸発ガスを含む意味で使用されることができる。また、以下において、液化ガスは、液体状態または自然気化あるいは強制気化された気体状態などを全て包括する用語として使用され得ることを知らせておく。
【0030】
以下において、バンカリング(bunkering)は、バンカリング船から液化ガスを対象に供給するローディング(loading)および対象から液化ガスを取り出してバンカリング船が供給を受けるアンローディング(unloading)を包括して意味する。
【0031】
以下において、バンカリング船が対象と連結されたとは、マニホールドと配管とが連結されて液化ガス、蒸発ガス、または他のガスがバンカリング船と対象との間を連通できる状態であることを意味する。
【0032】
以下において、第1、第2などの表現は、本発明において特定の構成が複数個に設けられることを指すためのものであり、それぞれの表現は、複数個の構成のうちのいずれか1つを指すものであることができる。
【0033】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0034】
図1は、本発明の一実施例に係るバンカリング船の内部システムであって、バンカリングシステムを示す概念図である。
【0035】
図1を参照すると、バンカリング船は、バンカリングタンク10、マニホールド20、液化ガス移送ライン、ガス供給部30、バッファタンク40などを含む。以下において、図示していないが、それぞれのラインは該当ラインを介して流動する流体の流量を制御するためのバルブを備えることができる。
【0036】
バンカリングタンク10は、バンカリング船の内部に搭載され、対象の液化ガス貯蔵タンクにローディングおよびアンローディングするための液化ガスを貯蔵する貯蔵タンクであることができる。バンカリングタンク10は、極低温の液化ガスを貯蔵するのに適したメンブレン方式の断熱構造を有するメンブレンタンクであることができる。バンカリングタンク10は、バンカリング船の内部に複数個に設けられることができる。例えば、バンカリングタンク10は、船舶の船首部から船尾部に沿って並んで設けられるか、船舶の左舷と右舷に並んでそれぞれ設けられることができる。
【0037】
バンカリングタンク10は、後述するマニホールド20と連結されて、内部に貯蔵される液化ガスをマニホールド20を介して対象に供給するか、または対象から液化ガスの供給を受けることができる。具体的には、一端がバンカリングタンク10に連結され、他端がマニホールド20に連結される液化ガス移送ラインが設けられて、液化ガスが流動することができる。液化ガス移送ラインは、液相移送ラインL10、気相移送ラインL20、およびスプレーラインL11などを含むことができる。
【0038】
以下において、液相移送ラインL10および気相移送ラインL20は、液化ガスをバンカリング船から対象の液化ガス貯蔵タンクに供給するローディング過程を基準に、それぞれ液相の液化ガスと気相の液化ガスを連通するためのラインを意味する。スプレーラインL11は、液相の液化ガスを連通するためのラインを意味することができ、液相移送ラインL10に比べて連通する液化ガスの流量が少ないものであってもよい。以下において、液相移送ラインL10は、液相移送ラインL10とスプレーラインL11を全て包括して指すことができ、液相移送ラインL10とスプレーラインL11のうちの少なくとも1つ以上を意味することができる。ただし、これらの移送ラインが必ずしも液相または気相の液化ガスのみを連通するためのものではなく、後述するように、他の状態の液化ガスや液化ガスではなく乾燥ガスや不活性ガスが連通することもできる。
【0039】
バンカリングタンク10には、第1ポンプ11と第2ポンプ12が設けられることができる。図示していないが、第1ポンプ11は、ポンプタワーの下段に設けられることができ、液化ガスに浸されるように設置されることができる。第1ポンプ11は、バンカリングタンク10内部の底から離隔するように設置されることができる。第1ポンプ11によって取り出される液化ガスは、液化ガス移送ラインを介して後述するマニホールド20に供給されることができる。具体的には、第1ポンプ11によって取り出される液化ガスは、液相移送ラインL10を介してマニホールド20に供給されることができる。液相移送ラインL10は、取り出した液化ガスを再びバンカリングタンク10にリターンできるリターンライン(図示せず)が設けられることができる。
【0040】
第2ポンプ12は、バンカリングタンク10内部に設けられ、第1ポンプ11より相対的に低い位置に配置されることができる。第1ポンプ11は、第2ポンプ12より相対的に多い流量を処理するためのものであり、液化ガスのローディングおよびアンローディングに使用されることができる。第2ポンプ12は、ローディングおよびアンローディング過程の後にバンカリングタンク10内部に微量に残留する液化ガスを追加ポンピングするためのものであり、第1ポンプ11が処理できない高さに位置する液化ガスをポンピングすることができる。また、第2ポンプ12は、バンカリング船が対象の船舶のガッシングアップ過程やクールダウン過程を支援する際に、バンカリングタンク10の液化ガスを移送するのに活用されることができる。
【0041】
例えば、第2ポンプ12は、バンカリングタンク10内部の底に形成されたサンプ(sump、図示せず)の内部に配置されることができる。サンプは、バンカリングタンク10の底に水溜まり状に設けられ、バンカリングタンク10から大部分の液化ガスが取り出された後、少ない量の液化ガスがサンプに溜まるように設けられることができる。第2ポンプ12は、サンプに溜まった液化ガスを取り出すことができる。
【0042】
第2ポンプ12によって取り出される液化ガスは、スプレーラインL11を介してマニホールド20に供給されることができる。また、スプレーラインL11は、液相移送ラインL10に連結され、取り出した液化ガスを液相移送ラインL10に伝達することができる。また、スプレーラインL11には、液相移送ラインL10から分岐するリターンラインに連結される液化ガスリターンラインL12が設けられることができる。液化ガスリターンラインL12に流動する液化ガスの流量を調節して、スプレーラインL11を介して液相移送ラインL10に供給される液化ガスの流量を調節することができるようになる。なお、スプレーラインL11には、スプレーリターンラインL13が設けられることができる。スプレーリターンラインL13は、スプレーラインL11を介して流動する液化ガスの少なくとも一部をバンカリングタンク10内部にリターンし、バンカリングタンク10の内部の上段に設けられ、液化ガスを噴射してリターンすることができる。スプレーリターンラインL13は、液化ガスの少なくとも一部をバンカリングタンク10内部で発生した蒸発ガスに噴射して、バンカリングタンク10内部の温度を下げることができる。
【0043】
バンカリングタンク10の上段には、気相移送ラインL20およびベントラインL21が設けられることができる。バンカリングタンク10内部で発生する液化ガスの蒸発ガスは、気相移送ラインL20を介してマニホールド20に供給されることができる。また、バンカリングタンク10内部で発生する液化ガスの蒸発ガスは、ベントラインL21を介して後述するベント部13に供給されることができる。気相移送ラインL20は、取り出した蒸発ガスの一部をベント部13に供給することができる。ベント部13は、液化ガスまたは後述する乾燥ガスや不活性ガスの供給を受け、バンカリング船の外部に排出することができる。バンカリング船は、バンカリングタンク10内部の圧力が予め定められたレベル以上になる場合、蒸発ガスの少なくとも一部を気相移送ラインL20を介してベント部13に供給して排出させることができる。
【0044】
マニホールド20は、バンカリング船のバンカリングステーションに設けられ、液化ガス移送ラインと連結されて、バンカリング船から液化ガスを流出入させることができる。バンカリングステーションは、ローディングおよびアンローディングの対象と配管(図示せず)を介して連結される箇所を提供する。液化ガス移送ラインは、マニホールド20まで連結されることができる。マニホールド20は、一端が液相移送ラインL10と連結される液相マニホールド21と一端が気相移送ラインL20と連結される気相マニホールド22とを備えることができる。すなわち、スプレーラインL11もまた一端が液相マニホールド21と連結されることができる。各マニホールドの他端は、別途設けられる配管を介して対象と連通できるようになる。前記配管は、ローディングアーム(図示せず)に備えられるものであり、極低温の液化ガスを連通するのに適しており、極低温アダプタ、極低温カプラーなどを備えてマニホールド20に連結されることができる。
【0045】
図示していないが、前記バンカリングステーションには、マニホールド20と連結されるESD(Emergency Shut-Down system)が備えられることができ、マニホールド20を介して連通する液化ガスの温度、圧力、および流量などをモニタリングするためのセンサーと液化ガスの流量を制御するためのバルブが設けられることができる。バンカリングステーションは、バンカリング船内でバンカリングタンク10の上段に設けられることができる。例えば、バンカリングステーションは、上部デッキ(deck)の上または下に配置されることができ、バンカリングタンク10は、バンカリング船の船底とバンカリングステーションとの間に配置されることができる。
【0046】
マニホールド20には、複数個の液相マニホールド21および気相マニホールド22がそれぞれ設けられることができる。複数個の個別のマニホールドは、バンカリングステーションに並んで設けられることができる。例えば、マニホールド20は、2つの液相マニホールド21と1つの気相マニホールド22が設けられてもよく、2つの液相マニホールド21の間に1つの気相マニホールド22が配置されてもよい。
【0047】
マニホールド20は、バンカリング船に複数個に設けられることができる。例えば、バンカリング船は、その左舷または右舷に1つのマニホールド20と、その船尾部に他の1つのマニホールド20’と、を含むことができる。マニホールド20は、バンカリング船の一側舷に設けられ、液化ガス運搬船や推進船、プラットフォームなどと連結されることができ、船尾部に配置される他のマニホールド20’は、他のバンカリング船と連結されるのに適した構造を提供することができる。各マニホールドは、互いに同じ構成を有することができるが、これに限定されるものではない。バンカリング船が複数個のマニホールド20、20’を有する場合、液相移送ラインL10は各マニホールド20、20’の液相移送ライン21と、気相移送ラインL20は各マニホールド20、20’の気相移送ライン22とそれぞれ連結されることができる。スプレーラインL11もまた各マニホールド20、20’の液相移送ライン21と連結され得ることが理解されるべきである。すなわち、液化ガス移送ラインは、一端がバンカリングタンク10に連結され、他端が分岐してそれぞれのマニホールド20、20’に連結されることができる。
【0048】
前述したように、液化ガス移送ラインは、バンカリング船から対象に液化ガスが供給されるローディング過程を基準に、液相移送ラインL10と気相移送ラインL20とを備えることができ、スプレーラインL11をさらに含んでもよい。スプレーラインL11は、一端が液相移送ラインL10に連結されて液相の液化ガスを伝達するか、またはマニホールド20、20’に直接連結されて液化ガスを伝達することができる。このとき、スプレーラインL11は、液相移送ラインL10に比べて少ない流量の液化ガスを移送するものであってもよい。
【0049】
液化ガス移送ラインは、液化ガス供給ラインL14、L22と連結されることができる。具体的には、液化ガス供給ラインL22は、気相移送ラインL20から分岐して、気相の液化ガスをガス燃焼ユニット(GCU; Gas Combustion Unit)、発電エンジン(G/E; Generator Engine)、および後述するバッファタンク40のうちの少なくとも1つに供給することができる。ガス燃焼ユニットGCUは、液化ガスを燃焼させて処理した後、バンカリング船の外部に排出して処理することができる。発電エンジンG/Eは、液化ガスを燃料として使用して電力を生産することができる。好ましくは、発電エンジンG/Eは、気相の液化ガスを燃料として使用することができる。バッファタンク40は、液化ガスを一時的に貯蔵してからそれを必要とするところに供給することができ、気相の液化ガスを一時的に貯蔵するものであることができる。バッファタンク40は、供給を受けた液化ガスを液相および気相に区分して取り出すことができる。
【0050】
また、液化ガス供給ラインL14は、液相移送ラインL10およびスプレーラインL11のうちの少なくとも1つから分岐して、液相の液化ガスを気化させた後に液化ガス供給ラインL22に伝達することができる。液化ガス供給ラインL14は、強制気化器14を備え、液相の液化ガスを気化させて液化ガス供給ラインL22に伝達することができる。
【0051】
液化ガス供給ラインL22は、液化ガス移送ラインから気相の液化ガスの供給を受けた後、これを再び分岐してガス燃焼ユニットGCU、発電エンジンG/E、およびバッファタンク40のうちの少なくとも1つの供給先に供給することができる。具体的には、ガス燃焼ユニットGCU、発電エンジンG/E、およびバッファタンク40は、それぞれが要求するガスの温度および圧力条件が異なり得る。液化ガス供給ラインL22は、複数個が並列に設けられるものであることができ、いずれか1つの液化ガス供給ラインL22は、LD(Low-Duty)コンプレッサ17を、他の1つの液化ガス供給ラインL22は、HD(High-Duty)コンプレッサ18を備えることができる。液化ガス供給ラインL22は、供給先の種類およびそれによる要求条件に応じて、前記コンプレッサのうちのいずれか1つを介して供給先に供給することができる。
【0052】
液化ガス供給ラインL22は、気液分離器16をさらに備えることができる。気液分離器16は、液化ガス移送ラインから供給を受けた液化ガスを気相と液相に分離し、気相の液化ガスのみを液化ガス供給ラインL22を介してガス燃焼ユニットGCU、発電エンジンG/E、およびバッファタンク40のうちの少なくとも1つに供給することができる。気液分離器16で分離される液相は、気相の液化ガスの少なくとも一部が凝縮して形成されるコンデンセート(condensate)であって、コンデンセートリターンラインL23を介してバンカリングタンク10にリターンされることができる。好ましくは、気液分離器16は、LDコンプレッサ17の前段に設けられることができる。
【0053】
液化ガス供給ラインL22は、ヒータ19をさらに備えることができる。ヒータ19は、液化ガス供給ラインL22を供給を受けた液化ガスをさらに加熱して、ガス燃焼ユニット、発電エンジンG/E、およびバッファタンク40のうちの少なくとも1つに供給することができる。液化ガスは、コンプレッサ17、18で加圧されながらその温度が高くなるが、前述した供給先で要求する温度より低いことがある。ヒータ19は、液化ガスをさらに加熱して、供給先で要求する温度レベルに合わせることができる。好ましくは、ヒータ19は、HDコンプレッサ18の後段に設けられることができる。
【0054】
図面を参照して例を挙げると、液化ガス供給ラインL22は、気相移送ラインL20から分岐し、再び複数個の液化ガス供給ラインL22に分岐するように設けられることができる。いずれか1つの液化ガス供給ラインL22には、気液分離器16とLDコンプレッサ17が設けられることができ、気相の液化ガスを移送してガス燃焼ユニットGCU、発電エンジンG/E、およびバッファタンク40のうちの少なくとも1つに供給することができる。このとき、気液分離器16の前段で液化ガス供給ラインL14が合流して、気相の液化ガスの供給を受け、気液分離器16に供給することができる。他の1つの液化ガス供給ラインL22には、HDコンプレッサ18とヒータ19が設けられることができ、加熱された気相の液化ガスを移送して、ガス燃焼ユニットGCUおよび発電エンジンG/Eのうちの少なくとも1つに供給することができる。
【0055】
バンカリング船は、ガス供給部30を含むことができる。ガス供給部30は、ガスを、マニホールド20を介して対象の液化ガス貯蔵タンクに供給することができる。ガス供給部30において、ガスは、乾燥ガスおよび不活性ガスのうちの少なくとも1つであってもよく、ガス供給部30は、乾燥ガスおよび不活性ガスのうちの少なくとも1つを生産して対象に供給するものであってもよい。
【0056】
ガス供給ラインL30は、一端がガス供給部30に連結され、他端が液化ガス移送ラインに連結され、ガスを連通することができる。ガス供給ラインL30は、液相移送ラインL10、気相移送ラインL20、およびスプレーラインL11のうちの少なくとも1つと連結されて、ガス供給部30から供給されるガスを伝達することができる。好ましくは、ガス供給ラインL30は、液相移送ラインL10および気相移送ラインL20のうちの少なくとも1つと連結されることができる。ガス供給部30で生産されたガスは、ガス供給ラインL30および液化ガス移送ラインを介してマニホールド20に伝達されることができ、マニホールド20を介して対象の液化ガス貯蔵タンクに供給されることができる。
【0057】
バンカリング船は、バッファタンク40を含むことができる。バッファタンク40は、バンカリングタンク10とは別個に設けられ、バンカリング船を用いたローディングおよびアンローディング過程で活用されることができる。バッファタンク40は、圧力容器の形態で設けられ、バンカリングタンク10に比べて相対的に高圧の内容物を貯蔵することができる。
【0058】
バッファタンク40には、ポンプ41が設けられることができる。ポンプ41は、バッファタンク40内部に設けられ、液化ガスを取り出すように設置されることができる。ポンプ41によって取り出される液化ガスは、液化ガス移送ラインに供給されることができる。例えば、バッファタンク40から取り出される液相の液化ガスは、液相移送ラインL10を介してバンカリングタンク10およびマニホールド20のうちの少なくとも1つに供給されることができる。このとき、取り出された液化ガスの少なくとも一部は、スプレーリターンラインL13と同様に、バッファタンク40内部に噴射する方式でリターンされてもよい。
【0059】
また、バッファタンク40には、バッファタンク供給ラインL40が設けられることができる。バッファタンク供給ラインL40は、一端が液化ガス供給ラインL22に連結され、他端がバッファタンク40の内部に連結されて、液化ガス供給ラインL22から供給される液化ガスをバッファタンク40に伝達することができる。バッファタンク供給ラインL40は、バッファタンク40の下段で液化ガスを供給するように設置されることができる。バッファタンク40内部に液相の液化ガスが存在する場合、バッファタンク供給ラインL40を介して伝達される液化ガスは、前記液相の液化ガス中で供給されて、液相の液化ガスの冷熱によって凝縮または液化されることができる。
【0060】
また、バッファタンク40には、バッファタンク取り出しラインL41が設けられることができる。バッファタンク取り出しラインL41は、一端がバッファタンク40の上段に設けられ、バッファタンク40内部の液化ガスを取り出すことができる。バッファタンク取り出しラインL41の他端は、気相移送ラインL20に連結されることができる。このような場合、バッファタンク40内部で発生する蒸発ガスは、バッファタンク取り出しラインL41を介して取り出され、気相移送ラインL20を介して流動できるようになる。あるいは、バッファタンク取り出しラインL41は、他端が液化ガス供給ラインL22に連結されるように設けられてもよい。バッファタンク40内部で発生する蒸発ガスは、バッファタンク取り出しラインL41を介して取り出され、液化ガス供給ラインL22を介してガス燃焼ユニットGCU、発電エンジンG/E、およびバッファタンク40のうちの少なくとも1つに供給されることができるようになる。
【0061】
図示していないが、バッファタンク40内部には、攪拌機が設けられることができる。バッファタンク40に供給される液化ガスは、バッファタンク40内部で凝縮または液化され得る。経時によりバッファタンク40内部の上段と下段との間の温度差が発生し得る。攪拌機は、バッファタンク40内部の流体の均一な混合を保障して、バッファタンク40内部での凝縮または液化効率の低下を防止することができる。
【0062】
図示していないが、バンカリング船は、バッファタンク40の代わりに、液化ガスの再液化システムおよび補助ボイラーのうちの少なくとも1つ以上を備えることができる。または、バンカリング船は、バッファタンク40、再液化システム、および補助ボイラーのうちの少なくとも1つ以上を備えることができる。再液化システムは、バンカリング過程で発生する気相の液化ガスの供給を受けて液化させた後、バンカリングタンク10に供給することができる。補助ボイラーは、バンカリング過程で発生する気相の液化ガスの供給を受けて燃焼させ、スチームを生成することができ、生成されるスチームをバンカリング船のスチーム需要先に供給することができる。
【0063】
以上のような本実施例に係るバンカリング船は、バンカリングタンク10、マニホールド20、液化ガス移送ライン、ガス供給部30、バッファタンク40などを備え、対象の液化ガスに対するローディングおよびアンローディング過程を行うことができる。
【0064】
以下では、本発明の実施例に係るバンカリング船を用いたローディングおよびアンローディングする過程をより詳細に説明する。これに先立ち、バンカリング船を用いた対象への液化ガスのローディングおよびアンローディング過程全般について説明する。
【0065】
バンカリング船は、バンカリングタンク10中に、対象の液化ガス貯蔵タンクにローディングするための液化ガスを貯蔵することができる。バンカリング船もまた、最初に陸上あるいは海上のプラットフォームや他のバンカリング船などから液化ガスの供給を受けることができる。
【0066】
バンカリング船は、バンカリングタンク10に液化ガスを貯蔵した状態で運航したり、船内の他の設備を駆動したりすることができる。すなわち、バンカリング船は、バンカリング前にも液化ガスを燃料として使用することができ、発電エンジンG/Eなどを駆動することができる。また、バンカリングタンク10の内部では、液化ガスが蒸発して蒸発ガスが生成されることができ、バンカリングタンク10の耐圧管理のために蒸発ガスの処理を必要とし得る。したがって、バンカリング船は、バンカリング前にも液化ガスを燃料として使用することができる。好ましくは、バンカリング船は、気相の液化ガスを燃料として使用することができる。このようなガス処理過程は、ガス燃焼(gas firing)過程である。
【0067】
ガス燃焼過程は、バンカリングタンク10内で発生する蒸発ガスを取り出し、発電エンジンG/Eなどに供給することを含むことができる。このとき、バンカリングタンク10内で発生する蒸発ガスは、バンカリング船が位置する環境やバンカリング船の運航の有無などによって変わり得る。バンカリングタンク10内で発生する蒸発ガスの流量が、発電エンジンG/Eなどで要求する液化ガスの流量より少ない場合、バンカリングタンク10から液相の液化ガスをさらに取り出して供給することができる。ガス燃焼過程は、バンカリング前だけでなく、バンカリングタンク10内部に液化ガスが存在する他の全ての過程でも行われることができる。ガス燃焼過程についての具体的な内容は、図2を参照して後述する。
【0068】
バンカリング船は、対象と連結されてバンカリング過程を行うことができ、ローディングまたはアンローディング前には、対象から蒸発ガスの供給を受けて処理することができる。バンカリング船は、マニホールド20を介して対象の液化ガス貯蔵タンク内で発生する蒸発ガスの供給を受け、ガス燃焼ユニットGCUおよびバッファタンク40のうちの少なくとも1つに供給して処理することができる。このような処理過程は、蒸発ガス処理(BOG treatment)過程である。蒸発ガス処理過程についての具体的な内容は、図3を参照して後述する。
【0069】
バンカリング船は、液化ガスを対象の液化ガス貯蔵タンクにローディングする前に、乾燥ガス(dry gas)および不活性ガス(inert gas or nitrogen gas)のうちの少なくとも1つ以上を液化ガス貯蔵タンクに供給することができる。バンカリング船は、ガス供給部30で生成されたガスを液化ガス貯蔵タンクに供給して、液化ガス貯蔵タンクの内部環境がローディングをするために必要な環境条件に合致するようにすることができる。乾燥ガスを供給する過程はドライイング(Drying)であり、不活性ガスを供給する過程はイナーティング(Inerting)である。
【0070】
ドライイング過程は、液化ガス貯蔵タンク内部に水分が含まれていない空気である乾燥ガスを注入して、液化ガス貯蔵タンク内部の水分を除去することである。ドライイング過程は、該当過程が行われる温度条件によって大きく2つに区分されることもできる。例えば、ドライイング過程は、冬のように相対的に低温条件で行われるのと、夏のように相対的に高温条件で行われるのと、に区分されることができる。
【0071】
イナーティング過程は、ドライイング過程の後に行われることができ、液化ガス貯蔵タンク内部に不活性ガスを注入して、液化ガス貯蔵タンク内部に満たされた乾燥ガスを除去することである。イナーティング過程は、該当過程が使用する不活性ガスの種類によって大きく2つに区分されることもできる。以下において、不活性ガスは、重油を燃焼させて発生するガス(inert gas)と窒素ガス(nitrogen gas)を全て包括して指す。例えば、イナーティング過程は、重油を燃焼させて発生するガスを利用して行われるのと、窒素ガスを利用して行われるのと、に区分されることができる。ドライイングおよびイナーティング過程についての具体的な内容は、図4及び図5を参照して後述する。
【0072】
バンカリング船は、液化ガスを対象の液化ガス貯蔵タンクにローディングする前に、相対的に少ない流量の液化ガスを液化ガス貯蔵タンクに供給することができる。バンカリング船は、バンカリングタンク10内に貯蔵された液相の液化ガスの一部を取り出し、液化ガス貯蔵タンクに供給することができる。このような液化ガス供給過程は、ガッシングアップ(Gassing up)である。
【0073】
ガッシングアップ過程は、液化ガス貯蔵タンク内部の環境条件によって複数の段階に区分して行われることができる。また、ガッシングアップ過程は、液化ガスの供給を受ける対象の条件によって、液化ガスを液相に供給するか、またはバンカリング船で液化ガスを気化させた後に供給する過程に区分されることができる。ガッシングアップ過程は、ドライイングまたはイナーティングの後に行われることができ、ガッシングアップ過程は、液化ガス貯蔵タンクに液化ガスを注入して、液化ガス貯蔵タンク内部に満たされた乾燥ガスおよび不活性ガスを除去することである。ガッシングアップ過程についての具体的な内容は、図6乃至図9を参照して後述する。
【0074】
バンカリング船は、液化ガスを対象の液化ガス貯蔵タンクにローディングする前に、相対的に少ない流量の液化ガスを液化ガス貯蔵タンクに追加供給することができる。このような液化ガス供給過程は、クールダウン(Cooling down)である。
【0075】
クールダウン過程は、液化ガス貯蔵タンク内部を低温の状態にして、液化ガスをローディングする際に、蒸発ガスが形成されるのを防止したり、蒸発ガス生成量を低減したりすることができる。クールダウン過程は、ガッシングアップ後に行われることができ、低温の液化ガスを液化ガス貯蔵タンクに注入する方式で液化ガス貯蔵タンク内部の温度を下げることができる。クールダウン過程についての具体的な内容は、図10を参照して後述する。
【0076】
バンカリング船は、クールダウン過程後に、液化ガスを対象の液化ガス貯蔵タンクにローディングすることができる。バンカリング船は、液相の液化ガスを対象の液化ガス貯蔵タンクに供給すると同時に、液化ガス貯蔵タンク内部に満たされていた低温の液化ガスの供給を受けることができる。ローディング過程についての具体的な内容は、図11を参照して後述する。
【0077】
バンカリング船は、ローディング、アンローディング、およびクールダウン過程で発生するガスを追加処理することができる。前記ガスは蒸発ガスであることができ、前述のガス燃焼過程と同様に、発電エンジンG/Eなどに供給し、燃焼して処理することができる。このようなガス処理過程もガス燃焼過程である。バンカリング後のガス燃焼過程についての具体的な内容は、図12を参照して後述する。
【0078】
バンカリング船は、ローディングとは逆の方法で対象の液化ガス貯蔵タンクから液化ガスをアンローディングすることができる。バンカリング船は、アンローディング後に液化ガスを液化ガス貯蔵タンクに供給して、液化ガス貯蔵タンク内部の温度を上げることができる。このような液化ガスの供給過程は、ウォーミングアップ(Warming up)である。
【0079】
ウォーミングアップ過程は、液化ガス貯蔵タンク内部に相対的に高温の液化ガスを注入して、液化ガス貯蔵タンク内部に残留する液化ガスを排出させることができる。ウォーミングアップ過程は、アンローディング後に行われることができ、気化された液化ガスを対象の液化ガス貯蔵タンクに供給して、液化ガス貯蔵タンクでアンローディングされずに残った液化ガスを気化させ、排出させることができる。このとき、排出される排出ガスは、バンカリング船が供給を受けて処理することができる。また、ウォーミングアップ過程は、対象の液化ガス貯蔵タンクから供給される排出ガスの条件によって、バンカリング船が相対的に低温の液化ガスの供給を受ける過程と相対的に高温の液化ガスの供給を受ける過程とに区分されることができる。ウォーミングアップ過程についての具体的な内容は、図13及び図14を参照して後述する。
【0080】
バンカリング船は、ウォーミングアップ後に不活性ガスを対象の液化ガス貯蔵タンクに供給することができる。アンローディング後に不活性ガスを供給する過程は、ガスフリーイング(Gas freeing)である。
【0081】
ガスフリーイング過程は、不活性ガスを対象の液化ガス貯蔵タンクに注入して、液化ガス貯蔵タンク内の液化ガスを排出させることができる。このとき、排出される排出ガスは、バンカリング船が供給を受けて処理することができる。ガスフリーイング過程についての具体的な内容は、図15を参照して後述する。
【0082】
バンカリング船は、ガスフリーイング後に乾燥ガスを対象の液化ガス貯蔵タンクに供給することができる。ガスフリーイング後に乾燥ガスを供給する過程は、エアレイティング(Airating)である。
【0083】
エアレイティング過程は、乾燥ガスを対象の液化ガス貯蔵タンクに注入して、液化ガス貯蔵タンク内の不活性ガスを排出させることができる。エアレイティング過程についての具体的な内容は、図16及び図17を参照して後述する。
【0084】
以下では、図2乃至図17を参照して、本発明の一実施例に係るバンカリング船を用いたローディングおよびアンローディングの個別過程をより具体的に説明する。図2乃至図17は、液化ガスが液化天然ガスである場合を例示して示したもので、液化ガスを特定の種類に限定するわけではないことが理解されるであろう。
【0085】
図2は、本発明の一実施例に係るバンカリング船において、バンカリング前のガス燃焼過程を示す概念図である。バンカリング船は、バンカリングタンク10、マニホールド20、液化ガス移送ライン、バッファタンク40などを含むことができ、図1を参照して説明したのと同じ内容は、その説明を先の実施例の内容に代替することにする。
【0086】
本実施例に係るバンカリング船は、液化ガスを燃料として使用して電力を生産する発電エンジンG/Eをさらに含むことができる。バンカリング船は、液化ガス移送ラインを介して取り出された液化ガスを液化ガス供給ラインL14、L22を介して発電エンジンG/Eに供給し、燃焼させることで電力を生産することができる。
【0087】
バンカリング船は、バンカリング前、すなわち、対象への液化ガスローディング前に、ローディングをするための液化ガスを外部から供給を受け、バンカリングタンク10に貯蔵することができる。バンカリング船は、マニホールド20を介して外部から液化ガスの供給を受けることができる。バンカリング船は、液相マニホールド21を介して液相の液化ガスの供給を受け、気相マニホールド22を介して、これと同時に気相の液化ガスをリターンすることができる。液相マニホールド21は、液相移送ラインL10およびスプレーラインL11のうちの少なくとも1つを介して液相の液化ガスをバンカリングタンク10に供給することができ、気相マニホールド22は、気相移送ラインL20を介して気相の液化ガスをバンカリングタンク10に供給することができる。
【0088】
バンカリングタンク10に貯蔵された液化ガスは、再び液相移送ラインL10、スプレーラインL11、および気相移送ラインL20のうちの少なくとも1つを介して取り出されることができる。図示していないが、バンカリング船は、バンカリングタンク10に貯蔵された液相の液化ガスは、液相移送ラインL10およびスプレーラインL11のうちの少なくとも1つを介して取り出し、液化ガス供給ラインL14に伝達し、バンカリングタンク10内部で発生する液化ガスの蒸発ガスを、気相移送ラインL20を介して取り出し、液化ガス供給ラインL22に伝達することができる。
【0089】
バンカリング船は、バンカリングタンク10内部で発生する蒸発ガスを優先的に取り出し、液化ガス供給ラインL22に供給することができる。これにより、バンカリングタンク10内部の圧力が一定に又は安全範囲内で維持されることができる。発電エンジンG/Eは、バンカリング船で使用される電力を生産することができる。バンカリングタンク10内部で発生する蒸発ガスの流量は、バンカリング船が位置するところの温度、バンカリング船の運航速度、バンカリングタンク10内部の温度および圧力条件によって変わり得る。バンカリングタンク10内部で発生する蒸発ガスの流量は、発電エンジンG/Eで必要とする流量に比べて相対的に少ないことがある。バンカリング船は、バンカリングタンク10に貯蔵された液相の液化ガスの一部を追加的に取り出し、液化ガス供給ラインL14を介して供給して発電エンジンG/Eの要求量を満たすことができる。
【0090】
例えば、バンカリング船は、気相移送ラインL20を介して蒸発ガスを取り出し、気相移送ラインL20から分岐する液化ガス供給ラインL22を介して発電エンジンG/Eに供給することができる。また、バンカリング船は、液相移送ラインL10およびスプレーラインL11のうちの少なくとも1つを介して液相の液化ガスを取り出し、液相移送ラインL10またはスプレーラインL11から分岐する液化ガス供給ラインL14を介して発電エンジンG/Eに供給することができる。より具体的には、液化ガス供給ラインL14上には、強制気化器14が備えられることができ、強制気化器14は、液相の液化ガスを気化させ、気化した液化ガスを液化ガス供給ラインL22に供給することができる。
【0091】
強制気化器14は、バンカリング船の内部に存在する熱源を利用して液化ガスを気化させることができる。前記熱源は、海水、バンカリング船の内部で使用される清水、スチーム、またはバンカリング船の内部で発生するエンジン排気ガスなどであり得るが、その種類は限定されず、極低温の液化ガスを気化させられるものであれば構わない。
【0092】
強制気化された液化ガスと蒸発ガスは、液化ガス供給ラインL22で合流し、液化ガス供給ラインL22上に設けられる気液分離器16に供給されることができる。気液分離器16は、供給された液化ガスを一時的に貯蔵することができ、ミストセパレータまたはバッファタンクの形態で設けられることができる。気液分離器16は、供給された液化ガスを気相と液相に分離し、気相の液化ガスのみを液化ガス供給ラインL22を介して供給することができる。液化ガスが液化天然ガスである場合を例に挙げると、液化ガスは、メタンだけでなく、エタン、プロパンのように相対的に重いヘビーカーボンをさらに含むことができる。気液分離器16は、液化ガス中に含まれたヘビーカーボンと液化ガスの一部を凝縮させてコンデンセートを形成することができ、形成されたコンデンセートは、コンデンセートリターンラインL23を介してバンカリングタンク10に伝達されることができる。
【0093】
気液分離器16から供給される気相の液化ガスは、LDコンプレッサ17で、発電エンジンG/Eで要求する圧力に加圧され、供給されることができる。LDコンプレッサ17で加圧された液化ガスは、発電エンジンG/Eで要求する温度に昇温されることができるが、要求温度に比べて相対的に高温状態になることもある。例えば、液化ガスが液化天然ガスである場合、LDコンプレッサ17の前段で流動する液化ガスは、蒸発ガスとして相対的に低温状態の天然ガスであることができ、LDコンプレッサ17の後段の液化ガスは、相対的に高温状態の天然ガスであることができる。
【0094】
図示していないが、LDコンプレッサ17は、複数個が直列または並列に設けられることができる。LDコンプレッサ17は、その後段に加圧された液化ガスを冷却するためのクーラーが備えられてもよい。クーラーは、液化ガスを発電エンジンG/Eで要求する温度に冷却し、発電エンジンG/Eに供給することができる。液化ガス供給ラインL22上には、1つ以上のLDコンプレッサ17に対するリサーキュレーションライン(図示せず)が設けられることができる。あるいは、リサーキュレーションラインは、LDコンプレッサ17の内部に設けられるものであってもよい。リサーキュレーションラインは、LDコンプレッサ17の後段から吐出される液化ガスの圧力と流量を発電エンジンG/Eで要求に合わせることができる。
【0095】
以上のようなガス燃焼過程は、バンカリング船において、バンカリング前に行われるものとして例を挙げて説明したが、これに限定されるものではない。バンカリング船のバンカリングタンク10内部に液化ガスが存在する場合、以下の他の過程でも本実施例に係るガス燃焼過程が並行して行われることができる。すなわち、図3乃至図17では、本実施例に係るガス燃焼過程を図示していないが、該当図面ごとに行われる過程と同時に、前記ガス燃焼過程が行われ得ることが理解されるであろう。
【0096】
図3は、本発明の一実施例に係るバンカリング船において、バンカリング前の蒸発ガス処理過程を示す概念図である。バンカリング船は、バンカリングタンク10、マニホールド20、液化ガス移送ライン、バッファタンク40などを含むことができ、図1を参照して説明したのと同じ内容は、その説明を先の実施例の内容に代替することにする。
【0097】
本実施例に係るバンカリング船は、バンカリング船が対象と連結された状態で、対象の液化ガス貯蔵タンク内で発生する蒸発ガスの供給を受けて処理することができる。好ましくは、バンカリング船は、アンローディング前に対象の液化ガス貯蔵タンク内で発生する蒸発ガスの供給を受けて処理することができる。例えば、液化ガスが液化天然ガスである場合、バンカリング船は、気相マニホールド22を介して、液化天然ガスの蒸発ガスとして相対的に低温状態の天然ガスの供給を受けることができる。
【0098】
バンカリング船は、マニホールド20、20’の気相マニホールド22を介して蒸発ガスの供給を受けることができる。バンカリング船は、気相マニホールド22を介して供給された蒸発ガスを、気相移送ラインL20を介して液化ガス供給ラインL22に伝達することができる。
【0099】
本実施例において、液化ガス供給ラインL22は、複数個が並列に設けられるものであることができる。例えば、ある1つの液化ガス供給ラインL22は、気液分離器16およびLDコンプレッサ17を備え、他の1つの液化ガス供給ラインは、HDコンプレッサ18およびヒータ19を備えることができる。バンカリング船は、気相マニホールド22を介して供給された蒸発ガスを複数個の液化ガス供給ラインL22にそれぞれ供給して処理することができる。
【0100】
本実施例において、バンカリング船は、ガス燃焼ユニットGCUおよびバッファタンク40のうちの少なくとも1つを利用して、供給された蒸発ガスを処理することができる。
【0101】
例えば、蒸発ガスは、HDコンプレッサ18およびヒータ19を備える液化ガス供給ラインL22に伝達され、液化ガス供給ラインL22は、蒸発ガスの供給を受け、ガス燃焼ユニットGCUに供給することができる。蒸発ガスは、HDコンプレッサ18で加圧され、ヒータ19で追加加熱されて、ガス燃焼ユニットGCUで要求する温度および圧力を有することができ、ガス燃焼ユニットGCUは、蒸発ガスを燃焼させ、外部に排出して処理することができる。
【0102】
例えば、蒸発ガスは、気相移送ラインL20を介して気液分離器16およびLDコンプレッサ17を備える液化ガス供給ラインL22に伝達され、液化ガス供給ラインL22は、蒸発ガスの供給を受けてバッファタンク40に供給することができる。気液分離器16を通じた気相の液化ガスとコンデンセートの分離は、前述の実施例に代替する。気液分離器16で分離された気相の液化ガスは、LDコンプレッサ17を経て相対的に高温状態になり、バッファタンク40に供給されることができる。
【0103】
バッファタンク40は、加圧された液化ガスの少なくとも一部を一時的に貯蔵することができる。バッファタンク40は、バッファタンク供給ラインL40を介して気相の液化ガスの供給を受けることができる。気相の液化ガスは、相対的に嵩高いバッファタンク40に流入されるに伴って膨張し、少なくとも一部が液化されることができる。あるいは、気相の液化ガスは、バッファタンク40に予め貯蔵された低温の液化ガスによって冷却され、少なくとも一部が凝縮または液化されることができる。バッファタンク40は、ポンプ41を利用して液相の液化ガスをバンカリングタンク10に供給することができる。
【0104】
本実施例に係る蒸発ガス処理過程において、対象は、液化ガス運搬船や液化ガス推進船であることができ、液化ガス貯蔵タンクは、圧力容器であることができるが、これに限定されるものではない。また、気相移送ラインL20は、気相マニホールド22を介して蒸発ガスの供給を受けて処理する以外にも、バンカリング船のバンカリングタンク10内部で発生する蒸発ガスも供給を受けて同じ方式で処理することができる。
【0105】
以上のような蒸発ガス処理過程は、バンカリング船でアンローディング前に行われるものとして例を挙げて説明したが、これに限定されるものではない。本実施例に係るバンカリング船は、バンカリング船に設けられるガス燃焼ユニットGCUとバッファタンク40を利用して対象の液化ガス貯蔵タンクで発生する蒸発ガスを処理できるようにして、対象における蒸発ガス処理のための設備を簡素化するとともに、バンカリング前に対象の液化ガス貯蔵タンク内部の圧力を調節できるようにして、バンカリング過程を円滑かつ安全に行うことができる。
【0106】
図4及び図5は、本発明の一実施例に係るバンカリング船において、バンカリング前のドライイングおよびイナーティング過程を示す概念図である。バンカリング船は、バンカリングタンク10、マニホールド20、液化ガス移送ライン、ガス供給部30などを含むことができ、図1を参照して説明したのと同じ内容は、その説明を先の実施例の内容に代替することにする。
【0107】
本実施例に係るバンカリング船は、バンカリング船が対象と連結された状態で、対象の液化ガス貯蔵タンクに乾燥ガスおよび不活性ガスのうちの少なくとも1つ以上を供給することができる。
【0108】
まず、乾燥ガスを供給するドライイング過程に関する実施例を説明する。ドライイング過程は、対象の液化ガス貯蔵タンクに液化ガスをローディングする前に、乾燥ガスをマニホールド20、20’を介して対象の液化ガス貯蔵タンクに供給して、液化ガス貯蔵タンク内部の水分を除去することであり得る。
【0109】
液化ガスローディング前の液化ガス貯蔵タンクには空気が満たされた状態であり得る。前記空気は、酸素濃度が約20%(v/v)であり、微量の水蒸気を含む一般的な大気と同じ組成を有することができる。前記空気中に含有された水は、酸素や窒素に比べて極少量であり、小さな水滴や水蒸気の形態であることができるが、極低温の液化ガスのローディング時に液化ガス貯蔵タンク内部で凝固して、液化ガス貯蔵タンクまたは液化ガス貯蔵タンク内部に設けられるポンプのような構成を損なう可能性がある。ドライイング過程を通じて液化ガス貯蔵タンク内部の水分を除去して、液化ガス貯蔵タンクおよび他の設備を保護することができる。
【0110】
ガス供給部30は、乾燥ガス供給部であることができ、乾燥ガスは、窒素ガスまたは水分を含まない乾燥空気であることができる。乾燥ガス供給部は、バンカリング船の発電エンジンG/Eで生産した電力を利用して乾燥ガスを生産するものであり得る。
【0111】
乾燥ガス供給部は、乾燥ガスを生産し、ガス供給ラインL30を介して対象の液化ガス貯蔵タンクに乾燥ガスを供給することができる。乾燥過程がローディング前に行われるため、乾燥ガス供給部は、液化ガス移送ラインとマニホールド20、20’を介して乾燥ガスを供給することができる。ガス供給ラインL30は、液相移送ラインL10、気相移送ラインL20、およびスプレーラインL11のうちの少なくとも1つを介して乾燥ガスをマニホールド20、20’に供給することができる。
【0112】
このとき、ガス供給ラインL30は、バンカリング船の外部温度や対象の液化ガス貯蔵タンクの内部温度に応じて、液相移送ラインL10または気相移送ラインL20を介して乾燥ガスを供給することができる。あるいは、ガス供給ラインL30は、バンカリング船に供給されるガスおよびバンカリング船の内部ガスの比重差に応じて、液相移送ラインL10または気相移送ラインL20を介して乾燥ガスを供給することができる。バンカリング船は、バンカリングステーションでマニホールド20,20’が、断熱材を含む配管を介して対象の液化ガス貯蔵タンクと連結されることができるが、バンカリング船の外部温度に影響される。したがって、配管に断熱材を設ける場合にも、配管を介して移動するガスは外部環境から熱の供給を受けて加熱され得る。
【0113】
バンカリング船は、このような温度条件あるいは比重条件を考慮して、乾燥ガスを液相マニホールド21または気相マニホールド22を介して供給することができる。それぞれのマニホールドは、液化ガスのローディングおよびアンローディング過程を基準に命名されていることに留意すべきである。液相マニホールド21は、バンカリング船に設けられる液相移送ラインL10だけでなく、対象の液化ガス貯蔵タンクに連結される液相移送ライン(図示せず)と配管を介してまたは介さずに連結されることができる。対象における液相移送ラインは、バンカリング船に設けられる液相移送ラインL10と同様に、その一端が液化ガス貯蔵タンクの下段に設けられることができる。気相マニホールド22は、バンカリング船に設けられる気相移送ラインL20だけでなく、対象の液化ガス貯蔵タンクに連結される気相移送ライン(図示せず)と配管を介してまたは介さずに連結されることができる。対象における気相移送ラインもまたバンカリング船に設けられる気相移送ラインL20と同様に、その一端が液化ガス貯蔵タンクの上段に設けられることができる。
【0114】
本発明に係る一実施例として図4を参照すると、ガス供給ラインL30は、バンカリング船の外部温度が予め定められた温度以上であると、液相移送ラインL10を介して乾燥ガスを供給することができる。前記予め定められた温度は、対象の液化ガス貯蔵タンク内部の温度が、マニホールド20、20’を介して液化ガス貯蔵タンクに注入される乾燥ガスの温度より高くなるようにすることができる外部温度であり得る。ここで、予め定められた温度は、約20乃至40℃であり得るが、これに限定されず、季節や地域によって変わり得る。例えば、夏には、対象の液化ガス貯蔵タンク内部の温度が相対的に高温になることができ、バンカリング船は、液相移送ラインL10を介して乾燥ガスを供給することができる。ガス供給ラインL30は、液相移送ラインL10を介して液相マニホールド21を経て、液化ガス貯蔵タンクの下段に乾燥ガスを供給することができる。液化ガス貯蔵タンク内部の温度より相対的に低い温度を有する乾燥ガスは、液化ガス貯蔵タンク内部の空気より重い重さを有することができ、液化ガス貯蔵タンクの下段に供給され、対象の液化ガス貯蔵タンク内部にあった空気を液化ガス貯蔵タンクの上段に押し出すことができるようになる。同様に、ガス供給ラインL30は、対象の液化ガス貯蔵タンクの内部温度が予め定められた温度より高いと、液相移送ラインL10を介して乾燥ガスを供給することができる。
【0115】
図5を参照すると、ガス供給ラインL30は、バンカリング船の外部温度が予め定められた温度より低いと、気相移送ラインL20を介して乾燥ガスを供給することができる。例えば、冬には、対象の液化ガス貯蔵タンク内部の温度が相対的に低温になることができ、バンカリング船は、気相移送ラインL20を介して乾燥ガスを供給することができる。ガス供給ラインL30は、気相移送ラインL20を介して気相マニホールド22を経て、液化ガス貯蔵タンクの上段に乾燥ガスを供給することができる。液化ガス貯蔵タンク内部の温度より相対的に高い温度を有する乾燥ガスは、液化ガス貯蔵タンク内部の空気より軽い重さを有することができ、液化ガス貯蔵タンクの上段に供給され、液化ガス貯蔵タンクの下段に降りながら液化ガス貯蔵タンク内部にあった空気を液化ガス貯蔵タンクの下段に押し出すことができるようになる。
【0116】
乾燥ガス供給方法に関係なく、乾燥ガス供給部は、液化ガス貯蔵タンク内部の露点が-20℃より低くなるまで乾燥ガスを供給することができる。液化ガス貯蔵タンク内部の露点が-20℃より低い場合、液化ガス貯蔵タンク内には1m当たり1g未満の水分が含有されていることができ、該当水分含量の範囲で液化ガスのローディングへの影響を最小化することができる。
【0117】
本実施例に係る蒸発ガス処理過程において、対象は、液化ガス運搬船や液化ガス推進船であることができる。対象の液化ガス貯蔵タンクは、圧力容器であることができるが、これに限定されるものではない。
【0118】
本実施例に係るバンカリング船は、バンカリング船から供給される乾燥ガスと対象の液化ガス貯蔵タンク内部の温度条件または比重条件を考慮して、乾燥ガスの液化ガス貯蔵タンクでの供給位置を調節することができる。乾燥ガスが相対的に高温である場合、液化ガス貯蔵タンクの上段から注入して内部空気を下段に押し出し、相対的に低温である場合、液化ガス貯蔵タンクの下段から注入して内部空気を上段に押し出すピストン効果を利用して、液化ガス貯蔵タンク内部の水分をより効果的に除去することができる。
【0119】
続いて、図4及び図5を参照して、不活性ガスを供給するイナーティング過程についての実施例を説明する。イナーティング過程は、対象の液化ガス貯蔵タンクに液化ガスをローディングする前に、不活性ガスをマニホールド20、20’を介して液化ガス貯蔵タンクに供給して、液化ガス貯蔵タンク内部の爆発性ガスを除去することであり得る。好ましくは、イナーティング過程は、ドライイング過程後に液化ガス貯蔵タンクに注入されている乾燥ガスを除去することであり得る。以下において、爆発性ガスは、酸素を含んで、液化ガスのローディング時に液化ガスを可燃物とする燃焼反応を引き起こせるガスを意味する。
【0120】
ドライイング過程を経た液化ガス貯蔵タンクには、乾燥ガスが満たした状態であり得る。乾燥ガスが乾燥空気である場合、乾燥空気は、酸素濃度が約20%(v/v)であり得る。また、乾燥空気には、極少量の水分が含まれている可能性がある。イナーティング過程を通じて、液化ガス貯蔵タンク内の酸素濃度を安全レベルに下げ、水分をさらに除去して、バンカリング過程における安全性を確保することができる。
【0121】
ガス供給部30は、不活性ガス供給部であることができ、不活性ガスは、窒素ガスまたは重油(heavy oil)を燃焼させて発生するガスであることができる。不活性ガス供給部は、窒素ガスを生成する窒素ガス生成装置(nitrogen generator)および重油を燃焼させられる不活性ガス生成装置(IGG;Inert Gas Generator)のうちの少なくとも1つであることができる。
【0122】
不活性ガス供給部が窒素ガス生成装置である場合、不活性ガス供給部は、分離膜(membrane)を利用して、空気中の各成分の分圧差を利用して窒素ガスを分離するか、または吸着タワーを利用する圧力変動吸着(PSA;Pressure Swing Absortion)を通じて窒素ガスを分離するものであることができる。窒素ガスの分離過程において、窒素ガスは、約-30℃の低温状態に分離され、供給されることができる。
【0123】
不活性ガス供給部が重油を燃焼させられる不活性ガス生成装置である場合、不活性ガス供給部は、重油を燃料として使用するエンジンから排出される排気ガスをさらに燃焼させるか、重油を直ちに燃焼させて不活性ガスを生成するものであり得る。本発明において、前記エンジンは、重油を使用する推進エンジンであることができ、重油は、HFO(Heavy Fuel Oil)、MDO(Marine Diesel Oil)、およびMGO(Marine Gas Oil)のうちの少なくとも1つであることができるが、これに限定されるものではない。
【0124】
不活性ガス供給部から供給される不活性ガスは、酸素濃度が5%(v/v)以下であることができ、好ましくは酸素濃度が2%(v/v)以下であることができ、最も好ましくは酸素濃度が1%(v/v)以下であることができる。
【0125】
不活性ガス供給部は、バンカリング船の発電エンジンG/Eで生産した電力を利用して不活性ガスを生産するものであることができる。
【0126】
不活性ガス供給部は、不活性ガスを生産し、ガス供給ラインL30を介して液化ガス貯蔵タンクに不活性ガスを供給することができる。イナーティング過程がローディング前に行われるので、不活性ガス供給部は、液化ガス移送ラインとマニホールド20、20’を介して不活性ガスを供給することができる。ガス供給ラインL30は、液相移送ラインL10、気相移送ラインL20、およびスプレーラインL11のうちの少なくとも1つを介して不活性ガスをマニホールド20、20’に供給することができる。
【0127】
このとき、ガス供給ラインL30は、不活性ガスの種類に応じて、液相移送ラインL10または気相移送ラインL20を介して乾燥ガスを供給することができる。
【0128】
図4を参照すると、ガス供給ラインL30は、不活性ガス供給部から供給される不活性ガスが重油を燃焼して発生するガスであると、液相移送ラインL10を介して不活性ガスを供給することができる。不活性ガスが重油を燃焼して発生するガスである場合、不活性ガスは、対象の液化ガス貯蔵タンク内部のガスより重いものであり得る。ガス供給ラインL30は、液相移送ラインL10を介して液相マニホールド21を経て、対象の液化ガス貯蔵タンクの下段に不活性ガスを供給することができる。相対的に重い不活性ガスは、液化ガス貯蔵タンクの下段に供給され、液化ガス貯蔵タンク内部にあった乾燥ガスを液化ガス貯蔵タンクの上段に押し出すことができるようになる。
【0129】
図5を参照すると、ガス供給ラインL30は、不活性ガス供給部から供給される不活性ガスが窒素ガスであると、気相移送ラインL20を介して不活性ガスを供給することができる。不活性ガスが窒素ガスである場合、不活性ガスは、対象の液化ガス貯蔵タンク内部のガスより軽いものであり得る。ガス供給ラインL30は、気相移送ラインL20を介して気相マニホールド22を経て、対象の液化ガス貯蔵タンクの上段に不活性ガスを供給することができる。相対的を軽い不活性ガスは、液化ガス貯蔵タンクの上段に供給され、液化ガス貯蔵タンクの下段に降りながら液化ガス貯蔵タンク内部にあった乾燥ガスを液化ガス貯蔵タンクの下段に押し出すことができるようになる。
【0130】
不活性ガスの種類に関係なく、不活性ガス供給部は、対象の液化ガス貯蔵タンク内部の露点が-20℃より低い状態で不活性ガスを供給し、液化ガス貯蔵タンク内部の露点が-40℃より低くなるまで不活性ガスを供給することができる。液化ガス貯蔵タンク内部の露点が-40℃より低くなる場合、液化ガス貯蔵タンク内には1m当たり0.1g未満の水分が含有されていることができる。
【0131】
また、不活性ガス供給部は、液化ガス貯蔵タンク内部の酸素濃度が2%(v/v)より低くなるまで不活性ガスを供給することができる。液化ガス貯蔵タンク内部の酸素濃度が2%(v/v)より低くなる場合、液化ガス貯蔵タンク内の爆発の危険が著しく低くなる。
【0132】
本実施例に係る蒸発ガス処理過程において、対象は、液化ガス運搬船であることができる。対象の液化ガス貯蔵タンクは、圧力容器であることができるが、これに限定されるものではない。
【0133】
本実施例に係るバンカリング船は、バンカリング船の内部で生成した不活性ガスを利用して液化ガス貯蔵タンク内部の水分と酸素を除去することができ、不活性ガスの特性に応じて液化ガス貯蔵タンクでの供給位置を調節して、ピストン効果を利用して液化ガス貯蔵タンク内部の水分と酸素をより効果的に除去することができる。
【0134】
図6及び図7は、本発明の一実施例に係るバンカリング船において、液化ガス気化器を備える液化ガス運搬船にバンカリングする前のガッシングアップ過程を示す概念図である。バンカリング船は、バンカリングタンク10、マニホールド20、液化ガス移送ライン、バッファタンク40などを含むことができ、図1を参照して説明したのと同じ内容は、その説明を先の実施例の内容に代替することにする。
【0135】
本実施例に係るバンカリング船は、バンカリング船が対象と連結された状態で液化ガス運搬船の液化ガス貯蔵タンクに液化ガスを供給し、液化ガス運搬船から排出される排出ガスの供給を受けることができる。
【0136】
ガッシングアップ過程は、液化ガス運搬船の液化ガス貯蔵タンク内部の組成によって、第1段階および第2段階に区分することができる。例えば、ガッシングアップ過程は、液化ガス貯蔵タンク内部の気相の液化ガス濃度が5%(v/v)になるまで液化ガスを供給する第1段階、および液化ガス貯蔵タンク内部の気相の液化ガス濃度が99%(v/v)を超えるまで液化ガスを供給する第2段階に区分することができる。
【0137】
ガッシングアップ過程は、液化ガス運搬船の液化ガス貯蔵タンクに液化ガスをローディングする前に、液化ガスの少なくとも一部をマニホールド20、20’を介して液化ガス貯蔵タンクに供給して、液化ガス貯蔵タンク内部に貯蔵されていたガスを除去することであり得る。好ましくは、ガッシングアップ過程は、イナーティング過程後に液化ガス貯蔵タンクに注入されている不活性ガスを除去することであり得る。これは、液化ガスの本格的なローディング時の流量に比べて相対的に少ない流量の液化ガスを供給することであり得る。
【0138】
液化ガスローディング前の液化ガス貯蔵タンクには、不活性ガスが満たされた状態であり得る。不活性ガスは、二酸化炭素を含有することができる。不活性ガス中に含まれた二酸化炭素は、その後、液化ガスをローディングするに伴って極低温の液化ガスによって昇華され、液化ガス貯蔵タンクまたは液化ガス貯蔵タンク内部に設けられるポンプのような構成を損なう可能性がある。ガッシングアップ過程を通じて液化ガス貯蔵タンク内部の二酸化炭素を除去して、液化ガス貯蔵タンクおよび他の設備を保護することができる。
【0139】
バンカリング船は、液化ガス移送ラインを利用して液化ガスを液化ガス運搬船の液化ガス貯蔵タンクに供給することができる。ガッシングアップ過程がローディング前に行われるので、バンカリング船は、液化ガス移送ラインとマニホールド20、20’を介して液相の液化ガスを供給することができる。バンカリング船は、液相移送ラインL10およびスプレーラインL11のうちの少なくとも1つを介して液相の液化ガスを液相マニホールド21に供給することができる。
【0140】
より具体的には、バンカリング船は、液相マニホールド21を介して液相の液化ガスを液化ガス運搬船の液化ガス気化器に供給することができる。液化ガス気化器で気化された液化ガスは、気相で液化ガス運搬船の液化ガス貯蔵タンクに注入されることができる。液化ガス貯蔵タンクに気相の液化ガスが注入されるに伴って、液化ガス貯蔵タンク内部に貯蔵されていたガスが排出されることができる。このような排出ガスは、不活性ガスであることができ、バンカリング船の気相マニホールド22を介してバンカリング船に供給されることができる。
【0141】
バンカリング船は、気相移送ラインL20を介して液化ガス運搬船から排出される排出ガスの供給を受けて処理することができる。
【0142】
図6を参照すると、ガッシングアップ初期、すなわち、液化ガスを気化させて液化ガス貯蔵タンクに注入するに伴って液化ガス貯蔵タンクから排出される排出ガスの大部分が不活性ガスであることで第1段階を示すことができる。気相移送ラインL20は、前述のように、液化ガス貯蔵タンク内部の気相の液化ガス濃度が5%(v/v)になるまで、排出ガスをガス燃焼ユニットGCUおよびベント部13のうちの少なくとも1つに供給することができる。例えば、気相移送ラインL20は、排出ガス中に含まれる不活性ガスの濃度が予め定められた値以下であると、排出ガスをガス燃焼ユニットGCUに、不活性ガスの濃度が予め定められた値以上であると、ベント部13に供給することができる。予め定められた値は約95%であり得る。
【0143】
気相移送ラインL20は、排出ガスを液化ガス供給ラインL22を介してガス燃焼ユニットGCUに供給し、処理することができる。液化ガス供給ラインL22は、HDコンプレッサ18を備え、ガス燃焼ユニットGCUで要求する圧力に合わせて不活性ガスを加圧した後、ガス燃焼ユニットGCUに供給することができる。あるいは、気相移送ラインL20は、排出ガスをベント部13に供給し、外部に排出させて処理することができる。
【0144】
図7を参照すると、気相移送ラインL20は、排出ガス中に含まれる不活性ガスの濃度が予め定められた値より小さいと、排出ガスをガス燃焼ユニットGCUおよびバッファタンク40のうちの少なくとも1つに供給することができる。図7は、初期ガッシングアップ後、すなわち、液化ガスを気化させて液化ガスを注入するに伴って液化ガス貯蔵タンクから排出される排出ガスの大部分が気相の液化ガスまたは蒸発ガスであることで第2段階を示すことができる。気相移送ラインL20は、液化ガス貯蔵タンク内部の気相の液化ガス濃度が5%(v/v)を超えると、排出ガスをガス燃焼ユニットGCUに、液化ガス濃度が約90%(v/v)であると、バッファタンク40に供給することができる。
【0145】
気相移送ラインL20は、排出ガスをHDコンプレッサ18を備える液化ガス供給ラインL22を介してガス燃焼ユニットGCUに供給し、処理することができる。あるいは、気相移送ラインL20は、排出ガスをLDコンプレッサ17を備える液化ガス供給ラインL22を介してバッファタンク40に供給し、処理することができる。排出ガスをバッファタンク40に供給する場合、排出ガスは、LDコンプレッサ17の前段の気液分離器16を経ながらコンデンセート成分が分離されることができる。バッファタンク40の容量が満杯になると、排出ガスは、ガス燃焼ユニットGCUに供給され、処理されることもできる。
【0146】
LDコンプレッサ17で加圧された排出ガスがバッファタンク40に供給されて膨張するに伴って、排出ガスの少なくとも一部が凝縮または液化して液相の液化ガスを形成することができる。バッファタンク40は、ポンプ41を利用して液相の液化ガスを液相移送ラインL10に供給することができ、液相の液化ガスは、バンカリングタンク10にリターンされるか、または再び液相マニホールド21に供給されることができる。
【0147】
本実施例に係るバンカリング船は、液化ガス気化器を備える液化ガス運搬船に液化ガスを供給し、液化ガス気化器で気化された液化ガスを液化ガス貯蔵タンクに注入して液化ガス貯蔵タンク内部の不活性ガスを除去することができる。このとき、不活性ガスの除去の程度によって、液化ガス貯蔵タンクから排出される排出ガスの処理方法を異ならせて行うことができ、液化ガスの含量が高い第2段階のガッシングアップ過程では、排出ガスをバッファタンクに供給して排出ガス中の液化ガスを再使用することができる。
【0148】
図8及び図9は、本発明の一実施例に係るバンカリング船において、液化ガス気化器を備えていない液化ガス推進船にバンカリングする前のガッシングアップ過程を示す概念図である。バンカリング船は、バンカリングタンク10、液化ガス気化器15、マニホールド20、液化ガス移送ライン、バッファタンク40などを含むことができ、図1を参照して説明したのと同じ内容は、その説明を先の実施例の内容に代替することにする。
【0149】
本実施例に係るバンカリング船は、バンカリング船が対象と連結された状態で、液化ガス推進船の液化ガス貯蔵タンクに液化ガスを供給し、液化ガス運搬船から排出される排出ガスの供給を受けることができる。
【0150】
ガッシングアップ過程は、液化ガス運搬船の液化ガス貯蔵タンク内部の組成によって、第1段階および第2段階に区分することができ、各段階の区分基準は前述の実施例と同じである。
【0151】
ガッシングアップ過程は、液化ガス運搬船の液化ガス貯蔵タンクに液化ガスをローディングする前に、液化ガスの少なくとも一部をマニホールド20、20’を介して液化ガス貯蔵タンクに供給して、液化ガス貯蔵タンク内部に貯蔵されていたガスを除去することであり得る。
【0152】
バンカリング船は、液化ガス移送ラインを利用して、液化ガスを液化ガス運搬船の液化ガス貯蔵タンクに供給することができる。ガッシングアップ過程がローディング前に行われるので、バンカリング船は、液化ガス移送ラインとマニホールド20、20’を介して液化ガスを供給することができる。このとき、バンカリング船は、液相移送ラインL10およびスプレーラインL11のうちの少なくとも1つを介して液相の液化ガスを取り出し、液相移送ラインL10から分岐する液化ガス気化ラインL15に供給することができる。より具体的には、液化ガス気化ラインL15は、液化ガス供給ラインL14から分岐するものであり、液相移送ラインL10に供給された液相の液化ガスが液化ガス供給ラインL14を介して液化ガス気化ラインL15に供給されることができる。
【0153】
液化ガス気化ラインL15は、液相の液化ガスを気化させる液化ガス気化器15を備えることができる。液化ガス気化ラインL15は、一端が液化ガス供給ラインL14に、他端が気相マニホールド22に連結され、液化ガスを気化させて液化ガス推進船に供給することができる。液化ガス気化器15は、前述の強制気化器14と同じ方法で液化ガスを気化させることができる。
【0154】
バンカリング船は、バンカリング船内に設けられた液化ガス気化器15で液化ガスを予め気化させた後、気相の液化ガスを気相マニホールド22を介して液化ガス推進船の液化ガス貯蔵タンクに供給することができる。液化ガス推進船は、気相マニホールド22を介して気相の液化ガスの供給を受け、そのまま液化ガス貯蔵タンクに供給してガッシングアップ過程を行うことができる。
【0155】
液化ガス推進船の液化ガス貯蔵タンクに気相の液化ガスが注入されるに伴って、液化ガス貯蔵タンク内部に貯蔵されていたガスが排出されることができる。このような排出ガスは不活性ガスであることができ、バンカリング船の液相マニホールド21を介してバンカリング船に供給されることができる。気相の液化ガスは、排出ガスに比べて相対的に比重が低いことができ、相対的に軽いものであることができる。相対的に軽い気相の液化ガスを液化ガス推進船の液化ガス貯蔵タンクの上段に注入して、相対的に重い不活性ガスを下段に押し出すことができる。
【0156】
バンカリング船は、気相移送ラインL20を介して液化ガス推進船から排出される排出ガスの供給を受けて処理することができる。
【0157】
図8を参照すると、液相移送ラインL10は、排出ガス中に含まれる不活性ガスの濃度が予め定められた値以上であると、排出ガスをガス燃焼ユニットGCUおよびベント部13のうちの少なくとも1つに供給することができる。図8は、ガッシングアップ初期、すなわち、液化ガス貯蔵タンクから排出される排出ガスの大部分が不活性ガスであることで第1段階を示すことができる。液相移送ラインL10は、前述のように、液化ガス貯蔵タンク内部の気相の液化ガス濃度が5%(v/v)になるまで、排出ガスをガス燃焼ユニットGCUおよびベント部13のうちの少なくとも1つに供給することができる。
【0158】
液相移送ラインL10は、排出ガスを液化ガス供給ラインL22を介してガス燃焼ユニットGCUに供給して処理することができる。例えば、液化ガス供給ラインは、HDコンプレッサ18を備え、ガス燃焼ユニットGCUで要求する圧力に合わせて不活性ガスを加圧した後、ガス燃焼ユニットGCUに供給することができる。あるいは、液相移送ラインL10は、排出ガスをベント部13に供給し、外部に排出させて処理することができる。
【0159】
図9を参照すると、液相移送ラインL10は、排出ガス中に含まれる不活性ガスの濃度が予め定められた値より小さいと、排出ガスをガス燃焼ユニットGCUおよびバッファタンク40のうちの少なくとも1つに供給することができる。図9は、初期ガッシングアップ後、すなわち、液化ガスを気化させて液化ガスを注入するに伴って液化ガス貯蔵タンクから排出される排出ガスの大部分が気相の液化ガスまたは蒸発ガスであることで第2段階を示すことができる。液相移送ラインL10は、前述のように、液化ガス貯蔵タンク内部の気相の液化ガス濃度が5%(v/v)を超えると、排出ガスをガス燃焼ユニットGCUに、液化ガス濃度が約90%(v/v)であると、バッファタンク40に供給することができる。気相移送ラインL20は、排出ガスをHDコンプレッサ18を備える液化ガス供給ラインL22を介してガス燃焼ユニットGCUに供給し、処理することができる。あるいは、気相移送ラインL20は、排出ガスをLDコンプレッサ17を備える液化ガス供給ラインL22を介してバッファタンク40に供給し、処理することができる。排出ガスをバッファタンク40に供給する場合、排出ガスは、LDコンプレッサ17の前段の気液分離器16を経ながらコンデンセート成分が分離されることができる。
【0160】
LDコンプレッサ17で加圧された排出ガスがバッファタンク40に供給されて膨張するに伴って、排出ガスの少なくとも一部が凝縮または液化されて液相の液化ガスを形成することができる。バッファタンク40は、ポンプ41を利用して液相の液化ガスを液相移送ラインL10に供給することができ、液相の液化ガスは、バンカリングタンク10にリターンされるか、または再び液化ガス気化器15を経て気相マニホールド22に供給されることができる。
【0161】
本実施例に係るバンカリング船は、バンカリング船内に設けられる液化ガス気化器を利用して、液化ガス気化器を備えていない液化ガス運搬船に気相の液化ガスを注入して、液化ガス貯蔵タンク内部の不活性ガスを除去することができる。このとき、不活性ガスの除去の程度によって、液化ガス貯蔵タンクから排出される排出ガスの処理方法を異ならせて行うことができ、液化ガスの含量が高い第2段階のガッシングアップ過程では、排出ガスをバッファタンクに供給して排出ガス中の液化ガスを再使用することができる。
【0162】
図10は、本発明の一実施例に係るバンカリング船において、バンカリング前のクールダウン過程を示す概念図である。バンカリング船は、バンカリングタンク10、マニホールド20、液化ガス移送ライン、バッファタンク40などを含むことができ、図1を参照して説明したのと同じ内容は、その説明を先の実施例の内容に代替することにする。
【0163】
本実施例に係るバンカリング船は、バンカリング船が対象と連結された状態で、対象の液化ガス貯蔵タンクに少量の液化ガスを供給して液化ガス貯蔵タンクの内部温度を下げることができる。
【0164】
クールダウン過程は、対象の液化ガス貯蔵タンクに液化ガスをローディングする前に、少量の極低温の液化ガスを液相で液化ガス貯蔵タンクに供給して、液化ガス貯蔵タンク内部に貯蔵されていたガスを除去することであり得る。好ましくは、バンカリング船は、ガッシングアップ過程後に、液化ガスを対象の液化ガス貯蔵タンクに供給し、液化ガス貯蔵タンクから排出される相対的に高温の気相の液化ガスの供給を受けることができる。
【0165】
より詳細には、バンカリング船は、クールダウン初期には液化ガス貯蔵タンクから相対的に高温の液化ガスの供給を受け、その後には、相対的に低温の液化ガスの供給を受けることができる。
【0166】
液化ガスのローディング前の液化ガス貯蔵タンクには、液相の液化ガスに比べて相対的に高温の気相の液化ガスが満たされた状態であり得る。クールダウン過程は、液化ガスのローディング時に、前記高温の気相の液化ガスによって蒸発する液化ガスの量を減らすためのことである。さらに、液化ガスのローディング時に、極低温の液相の液化ガスが液化ガス貯蔵タンク内部に突然注入されると、液化ガス貯蔵タンク内部の防壁構造やポンプのような構成を損なう可能性がある。クールダウン過程を通じて液化ガス貯蔵タンク内部の温度を液相の液化ガスと類似な温度に下げて、液化ガス貯蔵タンクおよび他の設備を保護することができる。
【0167】
バンカリング船は、液化ガス移送ラインを利用して、液化ガスを対象の液化ガス貯蔵タンクに供給することができる。クールダウン過程がローディング前に行われるので、バンカリング船は、液化ガス移送ラインとマニホールド20、20’を介して液化ガスを供給することができる。このとき、バンカリング船は、液相移送ラインL10およびスプレーラインL11のうちの少なくとも1つを介して液相の液化ガスを取り出し、液相マニホールド21を介して液化ガスを液化ガス貯蔵タンクに供給することができる。
【0168】
液相の液化ガスを液相のマニホールド21を介して対象の液化ガス貯蔵タンクに注入するに伴って、液相の液化ガスが液化ガス貯蔵タンク内部の気相の液化ガスを液化ガス貯蔵タンクの上段に押し出すことができるようになる。具体的には、液相の液化ガスは、液相のマニホールド21を介して対象の液化ガス貯蔵タンクに注入され、液化ガス貯蔵タンクの上段に設けられるスプレーを介して噴射してもよい。
【0169】
バンカリング船は、液化ガス貯蔵タンクから排出される気相の液化ガスを気相マニホールド22を介して供給を受けることができる。バンカリング船は、気相移送ラインL20を介して液化ガス貯蔵タンクから供給された気相の液化ガスをガス燃焼ユニットGCUおよびバッファタンク40のうちの少なくとも1つに供給し、処理することができる。液化ガス供給ラインL22を介して気相の液化ガスをガス燃焼ユニットGCUおよびバッファタンク40のうちの少なくとも1つに供給する過程と、それぞれでの処理過程は、前述の実施例に代替する。
【0170】
バンカリング船は、液化ガス貯蔵タンク内部の温度が-130℃より低くなるまで液相の液化ガスを供給することができる。
【0171】
本実施例に係る蒸発ガス処理過程において、対象は、液化ガス運搬船や液化ガス推進船であることができ、液化ガス貯蔵タンクは、圧力容器であることができるが、これに限定されるものではない。
【0172】
本実施例に係るバンカリング船は、液相の液化ガスを液化ガス貯蔵タンクの上段にスプレーを介して供給して、液化ガス貯蔵タンク内部の温度をローディングに適合するように調節することができる。このとき、排出される排出ガスは、液化ガスの含量が高く、バッファタンクに供給して排出ガス中の液化ガスを再使用することができる。
【0173】
図11は、本発明の一実施例に係るバンカリング船において、ローディング過程を示す概念図である。バンカリング船は、バンカリングタンク10、マニホールド20、液化ガス移送ライン、バッファタンク40などを含むことができ、図1を参照して説明したのと同じ内容は、その説明を先の実施例の内容に代替することにする。
【0174】
本実施例に係るバンカリング船は、バンカリング船が対象と連結された状態で、対象の液化ガス貯蔵タンクに液化ガスを供給することができる。前述の過程により、対象の液化ガス貯蔵タンク内部は、極低温の液化ガスをローディングするのに適した条件であることができる。
【0175】
バンカリング船は、液化ガス供給ラインおよびマニホールド20、20’を利用して、液相の液化ガスを対象の液化ガス貯蔵タンクに供給することができる。具体的には、バンカリング船は、液相移送ラインL10を介してバンカリングタンク10の液化ガスを取り出し、液相マニホールド21を介して液化ガス貯蔵タンクに供給することができる。
【0176】
対象の液化ガス貯蔵タンク内部には、クールダウン過程で供給された相対的に低温の気相の液化ガスが満たされた状態であり得る。バンカリング船は、液化ガス貯蔵タンクから排出される気相の液化ガスを気相マニホールド22を介して供給を受けることができる。バンカリング船は、気相移送ラインL20を介して、液化ガス貯蔵タンクから供給された気相の液化ガスをガス燃焼ユニットGCUおよびバッファタンク40のうちの少なくとも1つに供給して処理することができる。液化ガス供給ラインL22を介して気相の液化ガスをガス燃焼ユニットGCUおよびバッファタンク40のうちの少なくとも1つに供給する過程と、それぞれでの処理過程は、前述の実施例に代替する。
【0177】
本実施例に係る蒸発ガス処理過程において、対象は、液化ガス運搬船や液化ガス推進船であることができ、液化ガス貯蔵タンクは、圧力容器であることができるが、これに限定されるものではない。
【0178】
バンカリング船におけるアンローディング過程は、ローディング過程を逆に行ってなされることができる。バンカリング船は、液相マニホールド21を介して、液化ガス貯蔵タンクに貯蔵された液化ガスを取り出すことができる。液化ガス運搬船に対するローディング過程を行う場合、排出される気相の液化ガスは、液化ガス運搬船で処理してもよく、バンカリング船に供給して処理してもよい。
【0179】
本実施例に係るバンカリング船は、対象船舶に液相の液化ガスをローディングすると同時に、液化ガス貯蔵タンクから排出される気相の液化ガスをバッファタンクに供給して液化ガスを再使用することができる。
【0180】
液化ガス移送ラインは、液化ガス供給ラインL14、L22と連結されることができる。具体的には、液化ガス供給ラインL22は、気相移送ラインL20から分岐して気相の液化ガスをガス燃焼ユニット(GCU; Gas Combustion Unit)、発電エンジン(G/E; Generator Engine)、およびバッファタンク40のうちの少なくとも1つに供給することができる。ガス燃焼ユニットGCUは、液化ガスを燃焼させて処理した後、バンカリング船の外部に排出して処理することができる。発電エンジンG/Eは、液化ガスを燃料として使用して電力を生産することができる。好ましくは、発電エンジンG/Eは、気相の液化ガスを燃料として使用することができる。バッファタンク40は、液化ガスを一時的に貯蔵してからそれを必要とするところに供給することができ、気相の液化ガスを一時的に貯蔵するものであることができる。バッファタンク40は、供給された液化ガスを液相および気相に区分して取り出すことができる。
【0181】
また、液化ガス供給ラインL14は、液相移送ラインL10およびスプレーラインL11のうちの少なくとも1つから分岐して液相の液化ガスを気化させた後、液化ガス供給ラインL22に伝達することができる。液化ガス供給ラインL14は、強制気化器14を備え、液相の液化ガスを気化させて液化ガス供給ラインL22に伝達することができる。
【0182】
液化ガス供給ラインL22は、液化ガス移送ラインから気相の液化ガスの供給を受けた後、これを再び分岐してガス燃焼ユニットGCU、発電エンジンG/E、およびバッファタンク40のうちの少なくとも1つの供給先に供給することができる。具体的には、ガス燃焼ユニットGCU、発電エンジンG/E、およびバッファタンク40は、それぞれが要求するガスの温度および圧力条件が異なり得る。液化ガス供給ラインL22は、複数個が並列に設けられるものであることができ、いずれか1つの液化ガス供給ラインL22はLD(Low-Duty)コンプレッサ17を、他の1つの液化ガス供給ラインL22はHD(High-Duty)コンプレッサ18を備えることができる。液化ガス供給ラインL22は、供給先の種類およびそれによる要求条件に応じて、前記コンプレッサのうちのいずれか1つを介して供給先に供給することができる。
【0183】
液化ガス供給ラインL22は、気液分離器16をさらに備えることができる。気液分離器16は、液化ガス移送ラインから供給された液化ガスを気相と液相に分離し、気相の液化ガスのみを液化ガス供給ラインL22を介してガス燃焼ユニットGCU、発電エンジンG/E、およびバッファタンク40のうちの少なくとも1つに供給することができる。気液分離器16で分離される液相は、気相の液化ガスの少なくとも一部が凝縮して形成されるコンデンセート(condensate)であり、コンデンセートリターンラインL23を介してバンカリングタンク10にリターンされることができる。好ましくは、気液分離器16は、LDコンプレッサ17の前段に設けられることができる。
【0184】
液化ガス供給ラインL22は、ヒータ19をさらに備えることができる。ヒータ19は、液化ガス供給ラインL22を供給を受けた液化ガスを追加加熱し、ガス燃焼ユニット、発電エンジンG/E、およびバッファタンク40のうちの少なくとも1つに供給することができる。液化ガスは、コンプレッサ17、18で加圧されながらその温度が高くなるが、前述した供給先で要求する温度より低いことがある。ヒータ19は、液化ガスを追加加熱して供給先で要求する温度レベルに合わせることができる。好ましくは、ヒータ19は、HDコンプレッサ18の後段に設けられることができる。
【0185】
図面を参照して例を挙げると、液化ガス供給ラインL22は、気相移送ラインL20から分岐し、再び複数個の液化ガス供給ラインL22に分岐するように設けられることができる。いずれか1つの液化ガス供給ラインL22には、気液分離器16とLDコンプレッサ17が設けられることができ、気相の液化ガスを移送してガス燃焼ユニットGCU、発電エンジンG/E、およびバッファタンク40のうちの少なくとも1つに供給することができる。このとき、気液分離器16の前段で液化ガス供給ラインL14が合流し、気相の液化ガスの供給を受けて気液分離器16に供給することができる。他の1つの液化ガス供給ラインL22には、HDコンプレッサ18とヒータ19が設けられることができ、加熱された気相の液化ガスを移送してガス燃焼ユニットGCUおよび発電エンジンG/Eのうちの少なくとも1つに供給することができる。
【0186】
図12は、本発明の一実施例に係るバンカリング船において、バンカリング後のガス燃焼過程を示す概念図である。バンカリング船は、バンカリングタンク10、マニホールド20、液化ガス移送ライン、バッファタンク40などを含むことができ、図1を参照して説明したのと同じ内容は、その説明を先の実施例の内容に代替することにする。
【0187】
バンカリング船は、対象に対するバンカリング過程で、バッファタンク40に貯蔵された液化ガスを処理することができる。具体的には、バッファタンク40内部でも、液化ガスが蒸発して蒸発ガスが形成されることができる。
【0188】
本実施例に係るバンカリング船は、液化ガスを燃料として使用して電力を生産する発電エンジンG/Eをさらに含むことができる。
【0189】
バッファタンク40内部で発生する蒸発ガスは、バッファタンク取り出しラインL41を介して取り出され、液化ガス供給ラインL22に供給されることができる。バッファタンク取り出しラインL41は、一端がバッファタンク40の上段に連結され、他端が液化ガス供給ラインL22における気液分離器16の前段に連結されることができる。
【0190】
気液分離器16に供給された液化ガスは、気相と液相に分離されることができ、気相の液化ガスは、液化ガス供給ラインL22を介してLDコンプレッサ17で加圧され、発電エンジンG/Eに供給されることができる。液相は、コンデンセートとしてコンデンセートリターンラインL23を介してバンカリングタンク10にリターンされることができる。
【0191】
以上のようなガス燃焼過程は、バンカリング船において、バンカリング後に行われるものとして例を挙げて説明したが、これに限定されるものではない。バンカリング船のバッファタンク40内部に液化ガスが存在する場合、以下の他の過程でも本実施例に係るガス燃焼過程が並行して行われることができる。
【0192】
図13及び図14は、本発明の一実施例に係るバンカリング船において、対象の液化ガス貯蔵タンクのウォーミングアップ過程を示す概念図である。バンカリング船は、バンカリングタンク10、マニホールド20、液化ガス移送ライン、バッファタンク40などを含むことができ、図1を参照して説明したのと同じ内容は、その説明を先の実施例の内容に代替することにする。
【0193】
本実施例に係るバンカリング船は、対象の液化ガス貯蔵タンクから液化ガスをアンローディングした後、バンカリング船が対象と連結された状態で液化ガス貯蔵タンクに液化ガスを供給し、液化ガス貯蔵タンクから排出される排出ガスの供給を受けることができる。
【0194】
液化ガスのアンローディング過程において、液化ガス貯蔵タンク内部には、液化ガスの取り出しに伴う液化ガスの流動によって、液相の液化ガスが揺動するスロッシング(sloshing)が発生する可能性があり、この過程で液化ガスの少なくとも一部が蒸発し得る。また、液化ガスを取り出すに伴って、液化ガス貯蔵タンク内に残留する液化ガスがさらに蒸発して、蒸発ガスを形成することができるようになる。液化ガスのローディング後の液化ガス貯蔵タンクには、蒸発ガス、すなわち、低温状態の気相の液化ガスが満たされた状態であり得る。ウォーミングアップ過程は、液化ガス貯蔵タンク内部を空にするために、相対的に高温の液化ガスをマニホールド20、20’を介して液化ガス貯蔵タンクに供給して、液化ガス貯蔵タンク内部の温度を上げることができる。
【0195】
バンカリング船は、液化ガス供給ラインL22上に設けられるヒータ19および液化ガス気化器15のうちの少なくとも1つを利用して液化ガスを気化させ、液化ガス貯蔵タンクに供給することができる。
【0196】
バンカリング船は、気相移送ラインL20を介して供給される蒸発ガスをヒータ19で追加加熱し、液相マニホールド21を介して再び液化ガス貯蔵タンクに注入することができる。また、バンカリング船は、液相移送ラインL10を介して供給される液化ガスをヒータ19で加熱し、気相マニホールド22を介して再び液化ガス貯蔵タンクに注入することができる。
【0197】
また、バンカリング船は、液相マニホールド21等を介して供給される液化ガスを液化ガス気化器15で気化させ、液化ガス貯蔵タンクに供給することができる。
【0198】
ウォーミングアップ過程は、対象の液化ガス貯蔵タンク内部の温度に応じて、液相移送ラインL10または気相移送ラインL20を介して気相の液化ガスを対象の液化ガス貯蔵タンクに供給することができる。バンカリング船は、液化ガス貯蔵タンク内部の温度を考慮して、気相の液化ガスを液相マニホールド21または気相マニホールド22を介して供給することができる。
【0199】
図13を参照すると、バンカリング船は、液化ガス貯蔵タンクから液化ガスをアンローディングした直後には、液化ガスを液相移送ラインL10を介して対象の液化ガス貯蔵タンクに供給することができる。アンローディングした直後には、液化ガス貯蔵タンク内部に低温の液化ガスが満たしているので、相対的に高温の気相の液化ガスを液相マニホールド21を介して液化ガス貯蔵タンクの下段に供給し、低温の液化ガスを液化ガス貯蔵タンクの上段に押し出すことができる。液化ガス貯蔵タンクから排出される排出ガスは、気相マニホールド22を介して気相移送ラインL20に供給されることができる。
【0200】
気相移送ラインL20は、液化ガス貯蔵タンクから排出される排出ガスである液化ガスの供給を受け、液化ガス供給ラインL22に伝達することができる。液化ガスは、液化ガス供給ラインL22上に設けられる気液分離器16およびLDコンプレッサ17を経てバッファタンク40に供給されるか、またはHDコンプレッサ18を経てヒータ19に供給されて再び加熱された後、液相マニホールド21を介して再び液化ガス貯蔵タンクに注入されることができる。
【0201】
図14を参照すると、バンカリング船は、液化ガス貯蔵タンクに気相の液化ガスを注入し、液化ガス貯蔵タンクの内部温度が予め定められた値より高くなると、気相の液化ガスを気相移送ラインL20を介して液化ガス貯蔵タンクに供給することができる。相対的に高温の気相の液化ガスが液化ガス貯蔵タンク内に貯蔵されるに伴って、気相の液化ガスを気相マニホールド22を介して液化ガスの上段に供給し、残っている低温の液化ガスを液化ガス下段に押し出すことができる。液化ガス貯蔵タンクから排出される排出ガスは、液相マニホールド21を介して液相移送ラインL10に供給されることができる。
【0202】
液相移送ラインL10は、液化ガス貯蔵タンクから排出される排出ガスである液化ガスの供給を受け、液化ガス供給ラインL22に伝達することができる。液化ガスは、液化ガス供給ライン上に設けられるHDコンプレッサ18を経てヒータ19に供給されて再び加熱された後、気相マニホールド22を介して再び液化ガス貯蔵タンクに注入されることができる。このとき、バンカリングタンク10から液化ガスの供給を受け、これを一緒にHDコンプレッサ18を経てヒータ19に供給してから使用してもよい。
【0203】
バンカリング船は、液化ガス内部の温度が-10℃より高くなるまで液化ガスを供給することができる。
【0204】
本実施例に係るウォーミングアップ過程において、対象は、液化ガス運搬船や液化ガス推進船であることができ、液化ガス貯蔵タンクは、圧力容器であることができるが、これに限定されるものではない。
【0205】
本実施例に係るバンカリング船は、アンローディング後に液化ガス貯蔵タンク内部の温度を上げ、その後に不活性ガスなどを注入する場合にも、液化ガス貯蔵タンクと内部に設けられる設備を保護することができる。このとき、液化ガス貯蔵タンクから排出される液化ガスを再び加熱して液化ガスに注入することによって、液化ガス貯蔵タンク内部の液化ガス流量を最大限に活用してウォーミングアップ過程を行うことができる。
【0206】
図15は、本発明の一実施例に係るバンカリング船において、対象の液化ガス貯蔵タンクのガスフリーイング過程を示す概念図である。バンカリング船は、バンカリングタンク10、マニホールド20、液化ガス移送ライン、ガス供給部30、バッファタンク40などを含むことができ、図1を参照して説明したのと同じ内容は、その説明を先の実施例の内容に代替することにする。
【0207】
ガスフリーイング過程は、液化ガス貯蔵タンクに不活性ガスを供給するという点で、イナーティング過程と類似である。ただし、ガスフリーイング過程は、対象の液化ガス貯蔵タンクから液化ガスをアンローディングし、ウォーミングアップ過程を通じて液化ガス貯蔵タンクの内部温度を上げた後に行われるものである。ガスフリーイング過程は、ウォーミングアップ過程後に、不活性ガスをマニホールド20、20’を介して液化ガス貯蔵タンクに供給し、液化ガス貯蔵タンク内部の液化ガスを除去するものであり得る。
【0208】
ウォーミングアップ過程を経た液化ガス貯蔵タンクには、相対的に高温の気相の液化ガスが満たされた状態であり得る。ガスフリーイング過程を通じて液化ガス貯蔵タンク内の液化ガスを取り出し、回収して使用または処理することができ、液化ガス貯蔵タンク内には不活性ガスを供給して液化ガス貯蔵タンク内の爆発性ガスを除去することができる。以下において、爆発性ガスは液化ガスであり得る。
【0209】
ガス供給部30は、不活性ガス供給部であることができ、不活性ガスは、窒素ガスまたは重油を燃焼させて発生するガスであることができる。不活性ガス供給部は、窒素ガスを生成する不活性ガス生成装置および重油を燃焼させることができる燃焼装置のうちの少なくとも1つであることができる。不活性ガスは、前述のイナーティング過程で使用するものと同じであってもよい。すなわち、不活性ガスは、酸素濃度が5%(v/v)以下であってもよく、好ましくは、酸素濃度が2%(v/v)以下であってもよく、最も好ましくは、酸素濃度が1%(v/v)以下であってもよい。
【0210】
不活性ガス供給部は、不活性ガスを生産し、ガス供給ラインL30を介して液化ガス貯蔵タンクに不活性ガスを供給することができる。ガス供給ラインL30は、液相移送ラインL10を介して不活性ガスをマニホールド20、20’に供給することができる。不活性ガスは、液相マニホールド21を経て液化ガス貯蔵タンクの下段に不活性ガスを供給することができる。不活性ガスは、液化ガスより相対的に重いものであることができ、液化ガス貯蔵タンクの下段に供給され、液化ガス貯蔵タンク内部にあった液化ガスを液化ガス貯蔵タンクの上段に押し出すことができるようになる。
【0211】
バンカリング船は、液化ガス貯蔵タンクに不活性ガスを注入するに伴って排出される排出ガスの供給を受けて処理することができる。排出ガスは、気相の液化ガスであることができ、気相マニホールド22を介して気相移送ラインL20に供給されることができる。
【0212】
バンカリング船は、液化ガス貯蔵タンクから供給された液化ガスをガス燃焼ユニットGCU、ベント部13、およびバッファタンク40のうちの少なくとも1つに供給して処理することができる。液化ガスは、気相移送ラインL20を介して液化ガス供給ラインL22を経て、ガス燃焼ユニットGCUとバッファタンク40のうちの少なくとも1つに供給されることができ、気相移送ラインL20を介してベント部13に供給されることができる。例えば、ガスフリーイング過程の初期には、対象の液化ガス貯蔵タンクから供給される排出ガスに液化ガスが約90%(v/v)で含まれていることができ、このような場合、液化ガスは、LDコンプレッサ17を経てバッファタンク40に供給されることができる。排出ガス中の液化ガス含量が減少する場合、HDコンプレッサ18を経て、ガス燃焼ユニットGCUに供給することができる。最終的に排出ガスの大部分が窒素ガスなどの不活性ガスである場合、ベント部13に供給して排出させることができる。
【0213】
不活性ガス供給部は、液化ガス貯蔵タンク内部の液化ガス濃度が2%(v/v)より低くなるまで不活性ガスを供給することができる。液化ガス貯蔵タンク内部の液化ガス濃度が2%(v/v)より低くなる場合、液化ガス貯蔵タンク内の爆発の危険が著しく低くなる。
【0214】
本実施例に係る蒸発ガス処理過程において、対象は、液化ガス運搬船や液化ガス推進船であることができ、液化ガス貯蔵タンクは、圧力容器であることができるが、これに限定されるものではない。液化ガス運搬船に対するガスフリーイング過程を行う場合、排出ガスは液化ガス運搬船で処理してもよく、バンカリング船に供給して処理してもよい。
【0215】
本実施例に係るバンカリング船は、バンカリング船内部で生成した不活性ガスを利用して、対象の液化ガス貯蔵タンク内部の液化ガスを除去することができ、液化ガスはバンカリング船に回収して処理または再使用することができる。
【0216】
図16及び図17は、本発明の一実施例に係るバンカリング船において、対象の液化ガス貯蔵タンクのエアレイティング過程を示す概念図である。バンカリング船は、バンカリングタンク10、マニホールド20、液化ガス移送ライン、ガス供給部30、バッファタンク40などを含むことができ、図1を参照して説明したのと同じ内容は、その説明を先の実施例の内容に代替することにする。
【0217】
エアレイティング過程は、液化ガス貯蔵タンクに乾燥ガスを供給するという点で、ドライイング過程と類似である。ただし、エアレイティング過程は、対象の液化ガス貯蔵タンクから液化ガスをアンローディングし、ガスフリーイングを通じて液化ガス貯蔵タンクに不活性ガスを満たした後に行われるものである。エアレイティング過程は、ガスフリーイング過程後に、乾燥ガスをマニホールド20、20’を介して液化ガス貯蔵タンクに供給して、液化ガス貯蔵タンク内部の不活性ガスを除去するものであり得る。
【0218】
ガスフリーイング過程を終えた液化ガス貯蔵タンクには、不活性ガスが満たされた状態であり得る。液化ガス貯蔵タンクは、不活性ガスが満たされた状態で維持してから再び液化ガスのローディングのためにガッシングアップ過程から順に行ってもよい。エアレイティング過程は、液化ガス貯蔵タンク内部の維持および保守のために液化ガス貯蔵タンクの内部に人が入る必要がある場合、すなわち、人が呼吸可能な環境を作るために行われるものであり得る。したがって、エアレイティングは、液化ガス貯蔵タンクの内部の酸素濃度を約20%(v/v)に合わせる過程であり得る。
【0219】
ガス供給部30は、乾燥ガス供給部であってもよく、乾燥ガスは、酸素を含む空気で、水分を含まない乾燥空気であり得る。乾燥ガス供給部は、バンカリング船の発電エンジンG/Eで生産した電力を利用して乾燥ガスを生産するものであってもよい。
【0220】
乾燥ガス供給部は、乾燥ガスを生産し、ガス供給ラインL30を介して液化ガス貯蔵タンクに乾燥ガスを供給することができる。ガス供給ラインL30は、液相移送ラインL10および気相移送ラインL20のうちの少なくとも1つを介して乾燥ガスをマニホールド20、20’に供給することができる。
【0221】
このとき、ガス供給ラインL30は、ガスフリーイング過程で使用されて液化ガス貯蔵タンク内部を満たす不活性ガスの種類に応じて、液相移送ラインL10または気相移送ラインL20を介して乾燥ガスを供給することができる。
【0222】
図16を参照すると、ガス供給ラインL30は、液化ガス貯蔵タンク内部に重油を燃焼させて生成した不活性ガスが満たされた場合、気相移送ラインL20を介して乾燥ガスを供給することができる。ガス供給ラインL30は、気相移送ラインL20を介して気相マニホールド22を経て、液化ガス貯蔵タンクの上段に乾燥ガスを供給することができる。乾燥ガスは、燃焼して形成された不活性ガスより軽い重さを有することができ、液化ガス貯蔵タンクの上段に供給され、液化ガス貯蔵タンクの下段に降りながら液化ガス貯蔵タンク内部にあった不活性ガスを液化ガス貯蔵タンクの下段に押し出すことができるようになる。
【0223】
図17を参照すると、ガス供給ラインL30は、液化ガス貯蔵タンク内部に窒素ガスである不活性ガスが満たされた場合、液相移送ラインL10を介して乾燥ガスを供給することができる。ガス供給ラインL30は、液相移送ラインL10を介して液相マニホールド21を経て、液化ガス貯蔵タンクの下段に乾燥ガスを供給することができる。乾燥ガスは、相対的に低温の窒素ガスより重い重さを有することができ、不活性ガスを液化ガス貯蔵タンクの上段に押し出すことができるようになる。
【0224】
乾燥ガス供給方法に関係なく、乾燥ガス供給部は、液化ガス貯蔵タンク内部の酸素濃度が20%(v/v)以上になるまで乾燥ガスを供給することができる。
【0225】
液化ガス貯蔵タンクに乾燥ガスを注入するに伴って排出される排出ガスは、大部分が不活性ガスであり、液化ガスの含量が非常に低いか、またはほとんど含まれていないため、対象からそのまま排出して処理しても構わない。
【0226】
本実施例に係るエアレイティング過程において、対象は、液化ガス運搬船や液化ガス推進船であることができ、液化ガス貯蔵タンクは、圧力容器であることができるが、これに限定されるものではない。
【0227】
本実施例に係るバンカリング船は、液化ガス貯蔵タンクのアンローディング後、液化ガス貯蔵タンク内部の維持および補修が必要な場合、乾燥ガスの供給を通じて、人が液化ガス貯蔵タンク内部で作業可能な環境を提供することができる。
【0228】
本発明は、前記で説明した実施例に限定されなく、前記実施例の組み合わせまたは前記実施例のうちの少なくともいずれか1つと公知技術の組み合わせをさらに他の実施例として含めることは勿論である。
【0229】
以上、本発明の実施例を中心に本発明を説明したが、これは単なる例示に過ぎず、本発明を限定するものではなく、本発明が属する分野の通常の知識を持つ者であれば、本実施例の本質的な技術内容を逸脱しない範囲で、実施例に例示されていない様々な組み合わせまたは変形と応用が可能であることが分かるであろう。したがって、本発明の実施例から容易に導出可能な変形と応用に関連する技術内容は、本発明に含まれると解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0230】
10 バンカリングタンク
11 第1ポンプ
12 第2ポンプ
13 ベント部
14 強制気化器
15 液化ガス気化器
16 気液分離器
17 LDコンプレッサ
18 HDコンプレッサ
19 ヒータ
20、20’ マニホールド
21 液相マニホールド
22 気相マニホールド
30 ガス供給部
40 バッファタンク
41 ポンプ
L10 液相移送ライン
L11 スプレーライン
L12 液化ガスリターンライン
L13 スプレーリターンライン
L14 液化ガス供給ライン
L15 液化ガス気化ライン
L20 気相移送ライン
L21 ベントライン
L22 液化ガス供給ライン
L23 コンデンセートリターンライン
L30 ガス供給ライン
L40 バッファタンク供給ライン
L41 バッファタンク取り出しライン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図17