(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178954
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】ルアー
(51)【国際特許分類】
A01K 85/16 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
A01K85/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097356
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】522081945
【氏名又は名称】藤嶋 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100187104
【弁理士】
【氏名又は名称】乾 智彦
(72)【発明者】
【氏名】藤嶋 祐輔
【テーマコード(参考)】
2B307
【Fターム(参考)】
2B307BA46
2B307BA47
2B307BB01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】空気抵抗を抑制しつつ飛距離を損なうことのない構成とし、しかもデザイン性を確保しつつ集魚効果を高めた、ルアーを提供する。
【解決手段】本体外部にフィッシングラインを結ぶ連結具を設けたルアーであって、本体は略銃弾形状外壁部を有する。外壁部を光透過性素材で構成する。内蔵する造形物を、様々な素材でデザイン的に新規で独創的な構造とすることができる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
略銃弾形状外壁部を有し、先端側にフィッシングラインを結んでなるルアー本体と、
該ルアー本体の内部にルアーウエイト部、または前記ルアー本体の外壁部にウエイト調整部材と、を備えたことを特徴とするルアー。
【請求項2】
前記ウエイト調整部材は、前記ルアーウエイト部と共にルアーウエイトバランスを調整する金属プレートで構成されたことを特徴とする請求項1に記載のルアー。
【請求項3】
前記金属プレートは前記ルアー本体の後端部側に設けられている、ことを特徴とする請求項2に記載のルアー。
【請求項4】
前記金属プレートにブレードを連結した、ことを特徴とする請求項2または3に記載のルアー。
【請求項5】
前記金属プレートは素材の選択により、ルアーウエイトバランスの調整を行う、ことを特徴とする請求項2または3に記載のルアー。
【請求項6】
前記金属プレートはサイズの変更により、ルアーウエイトバランスの調整を行う、ことを特徴とする請求項2または3に記載のルアー。
【請求項7】
前記ルアーウエイト部は、複数のウエイト単体を含んでいる、ことを特徴とする請求項1または2に記載のルアー。
【請求項8】
前記ルアー本体の外壁部は、光透過性素材で構成した、ことを特徴とする請求項1に記載のルアー。
【請求項9】
前記ルアーウエイト部は、意匠性を付与してなる造形物を含む、ことを特徴とする請求項1または2に記載のルアー。
【請求項10】
前記造形物は形状に応じて、金属プレートと共にルアーウエイトバランスを調整するようにした、ことを特徴とする請求項9に記載のルアー。
【請求項11】
前記造形物は素材構成に応じて、金属プレートと共にルアーウエイトバランスを調整するようにした、ことを特徴とする請求項9に記載のルアー。
【請求項12】
前記造形物は蓄光素材を含んでいる、ことを特徴とする請求項9に記載のルアー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ルアーに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、アウトドアにおけるレジャーの一つとして釣りはますます盛んになっている。その釣りの中で、魚に似せて作成した疑似餌にフックを連結したルアーに釣り糸を連結して行うルアーフィッシングがある。
【0003】
ルアーは、フィッシングロッドに装着したリールに巻いたフィッシングラインに結んで、フィッシングロッドの基端部側を手にもってフィッシングロッド先端を振り下ろすことで、フィッシングロッドのしなりの作用下に、フィッシングラインでルアーのウエイト(重さ)の慣性力に抗してルアーを引っ張り出すことで、ルアーを飛ばすことができるのである。
【0004】
以上のように、ルアーを飛ばす際、ルアーに内蔵するウエイトが、所定の飛距離を生み出す要素のうちの一つといえる。そのために、設計の際にウエイトの位置や重さが考慮される。しかしながら、ウエイト要素だけでは、限界がある。
一方、これまでにない形状を取り入れてデザイン性を追求すると、空気抵抗を考慮しない形状となるおそれがあり、飛距離が伸びないという問題が出てくる。
【0005】
例えば特許文献1参照。
この特許文献1では、ルアー本体に動きを与え、高い集魚効果を得ることを目的とし、ルアー本体と、ルアー本体に対して捻じれることは可能であるが、回転が制限されるようにルアー本体に取り付けられた板状のブレードと、を備え、ブレードが水流を受けたときにルアー本体に対してブレードが回転を制限されつつ捻じれることにより、ルアー本体にヨーイングが発生するように構成されているルアーが提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
かかるルアーによれば、ブレードが水流を受けたときにルアー本体に対してブレードが回転を制限されつつ捻じれることにより、ルアー本体にヨーイングが発生し、これが小魚の動きに似ているため、この動きに対象魚が反応し、集魚効果が得られる。
また、ブレードが揺動するため、ブレードの表面によって光が反射する際、不規則な反射光となり、この反射光に対象魚が反応し、集魚効果が得られるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように、このルアーでは、ルアー本体に動きを与えることで集魚効果が得られるとしているが、飛距離を考慮したルアー本体の外観形状とはいえず、またルアー全体の重さの配分から、ルアー本体の動きを変えるというものではなく従来の外観形状にすぎず、デザイン性も考慮しているという程のものではない。
すなわち、前述のルアーでは、1.ルアーの飛距離を損なうことのない構成とすること、2.空気抵抗を抑制しつつデザイン性を確保することというコンセプトの下で作成されたものとはいい難い。
本発明はかかる課題を改善するために提案されたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を改善するために請求項1にかかる本発明では、略銃弾形状外壁部を有し、先端側にフィッシングラインを結んでなるルアー本体と、本体内部にルアーウエイト部、または本体外壁部にウエイト調整部材と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
上記の構成によれば、ルアー外形が略銃弾形状であるため、空気抵抗による、飛距離への影響を抑制することができる。また、本体外壁部に設けたウエイト調整部材と本体内部のルアーウエイト部とにより、ルアーウエイトバランスを調整することができる。
【0011】
請求項2にかかる本発明では、ウエイト調整部材は、ルアーウエイト部と共にルアーウエイトバランスを調整する金属プレートで構成したことを特徴とする。
【0012】
上記の構成によれば、ルアーウエイト部と金属プレートとにより、ルアーウエイトバランスを調整することができる。
【0013】
請求項3にかかる本発明では、金属プレートは本体後端部側に設けられている、ことを特徴とする。
【0014】
上記の構成によれば、キャスト操作(フィッシングロッドの基端部側を手にもってフィッシングロッド先端部側を振り下ろすこと)で、ルアーを飛ばす際、キャストミスでルアーが目標のポイントから外れて障害物に当たった場合に、ルアー本体破損防止としてのプロテクターとして作用する。
【0015】
請求項4にかかる本発明では、金属プレートにブレードを連結した、ことを特徴とする。
【0016】
上記の構成によれば、ルアーを水中で引き回すときにブレードが揺動し、これにより、ルアー本体に独特の挙動が与えられる。ブレードが揺動すると、太陽光などの反射により、フラッシング効果を奏することができ、効果的な集魚効果がもたらされる。
【0017】
請求項5にかかる本発明では、金属プレートは素材の選択により、ルアーウエイトバランスの調整を行う、ことを特徴とする。
【0018】
上記の構成によれば、金属プレートは素材の選択により、ルアーウエイト部と金属プレートとで、ルアーウエイトバランスを調整することができる。
【0019】
請求項6にかかる本発明では、金属プレートはサイズの変更により、ルアーウエイトバランスの調整を行う、ことを特徴とする。
【0020】
上記の構成によれば、金属プレートのサイズの変更により、ルアーウエイト部と金属プレートとで、ルアーウエイトバランスを調整することができる。
【0021】
請求項7にかかる本発明では、ルアーウエイト部は、複数のウエイト単体を含んでいる、ことを特徴とする。
【0022】
上記の構成によれば、よりきめ細かなルアーウエイトバランスを調整することができる。
【0023】
請求項8にかかる本発明では、本体外壁部は、光透過性素材で構成した、ことを特徴とする。
【0024】
上記の構成によれば、本体外壁部を光透過性素材で構成したことで、内部のルアーウエイト部が、光透過性素材で構成した外壁を通して視認することができ、魚に対して視覚的な刺激を与えることができる。
【0025】
請求項9にかかる本発明では、ルアーウエイト部は、意匠性を付与してなる造形物を含む、ことを特徴とする。
【0026】
上記の構成によれば、本体内部に、意匠性を付与してなる造形物を配置したことにより、デザイン性の向上だけでなく、ルアーウエイトの要素としても機能することから、新しい動きをもたらす設計を追求する事が可能となる。
【0027】
請求項10にかかる本発明では、造形物は形状に応じて、金属プレートと共にルアーウエイトバランスを調整するようにした、ことを特徴とする。
【0028】
上記の構成によれば、造形物は、その形状に応じて造形物の重心位置は変動し、金属プレートと共にルアーウエイトバランスを調整することができる。
【0029】
請求項11にかかる本発明では、造形物は素材構成に応じて、金属プレートと共にルアーウエイトバランスを調整するようにした、ことを特徴とする。
【0030】
上記の構成によれば、素材構成に応じて、重量を加減することになり、造形物の重心位置は変動し、金属プレートと共にルアーウエイトバランスを調整することができる。
【0031】
さらに請求項12にかかる本発明では、造形物は蓄光素材を含んでいる、ことを特徴とする。
【0032】
上記の構成によれば、魚に対し、夜間においても光による刺激を与えることができ、集魚効果を一層、高めることができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、ルアーの飛距離を損なうことがなく、銃弾形状の外形で.空気抵抗を抑制しつつしかも重量配分も考慮し、また本体を光透過性素材で形成し、内部に意匠性に富んだ造形物を配置することで独特のデザイン性を発揮し、さらには、造形物に蓄光素材を用いることで、魚に視覚的刺激を与えることができ、集魚効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】本発明に係るルアーの第1実施例を示す、外観斜視図である。
【
図3】
図1に示すルアーの、(a)本体先端側から見た図、(b)本体後端側から見た図である。
【
図4】本発明に係るルアーの第2実施例を示す、外観斜視図である。
【
図6】
図4に示すルアーの本体内部に配置された、意匠性を付与してなる造形物の一例を示す、外観斜視説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【0036】
(第1実施例)
図1に、本発明に係るルアーの第1実施例を示す。
図1に示すルアー1は略銃弾形状の本体2を有する。本体2は、例えば周知の樹脂素材(ex.ポリプロピレン、ABS樹脂)を、射出成型加工によって作成される。この本体2は、先鋭形状の先端部2tと筒状部2ctとを有する。
この先鋭形状の先端部2t側には、フィッシングラインを結ぶ連結具3を設けている。
また、筒状部2ctは外観が筒状で後端側には、ウエイト調整部材として金属プレート4を装着している。かかる金属プレート4には、表面金属光沢を有する金属板を用いたブレード5を、連結具6を介して連結している。
さらに、筒状部2ctには、長手方向に沿って先端部2t近傍と、底部の金属プレート4近傍に連結具7、7を介してフックH、Hを連結している。
そして以上のようなルアー1の本体2内には、ウエイト要素を担うルアーウエイト部と造形物(後述)とを内蔵している。
【0037】
次に本体2の筒状部2ct底部に装着の金属プレート4について説明する。
金属プレート4には、真鍮他、様々な金属を用いることができる(例えば鉄、鉛、タングステン、ステンレス)。
また、金属プレート4のサイズを変えることにより、ルアーウエイト部と金属プレート4とで、ルアーウエイトバランスを調整することができる。
【0038】
例えば、このルアー1に用いられる金属プレート4として、真鍮:直径20mm、厚さ1mm、重量約2.55gを基準として、金属プレート4の金属を、真鍮他、例えば鉄、鉛、タングステン、ステンレスに変更したり、金属プレート4の厚さ、直径を変えることで、ルアーウエイトバランスを調整することができる。例えば真鍮プレートの厚さを1mm変えることにより、ルアー1の本体2後端側に約5.1gのウエイトを配分することができる。
【0039】
以上のように構成されるルアー1において、フィッシングロッドに装着したリールに巻いたフィッシングラインを、先鋭形状の先端部2tの連結具3に結び、フィッシングロッドの基端部側を手にもってフィッシングロッド先端部側を振り下ろすことで、フィッシングロッドのしなりの作用下に、フィッシングラインでルアー1のルアーウエイト部の慣性力に抗してルアーを引っ張り出すことで、ルアー1を飛ばすことができる。
【0040】
ルアー1は当初、フィッシングラインを連結した本体2の先鋭形状の先端部2tから先にキャスト方向に引っ張られて飛翔する。キャスト方向へ飛翔していくと、やがて、キャスト方向への飛翔力は減衰してルアー1が失速し、ルアー本体2は、金属プレート4が設けられる後端部側(
図3(b))にウエイトがかかる設定となっていることから、ルアー本体2は、後端部側を下にして重力加速度により下降し、やがて後端部側から水面に着水することになる。
【0041】
また、フィッシングロッドの基端部側を手にもってフィッシングロッド先端部側を振り下ろす操作が正しくなされないと、ルアー1を所望のポイントに飛ばすことができないばかりか、何か岩場とかコンクリートブロック等の障害物に落下することがある。このような場合であっても、ルアー本体2は、後端部側の金属プレート4から岩場に当たるので、ルアー本体2を保護することができる。
【0042】
ルアー1をフィッシングロッドの操作で水中を引き回すと、本体2の先鋭形状の先端部2tから筒状部2ctを介して流れる水流は、後端部後方において乱流となる。この乱流により、後端部後方につながるブレード5が揺動し、これにより、ルアー本体2に独特の挙動が与えられる。
ブレード5が揺動すると、太陽光などからの照射光が、不規則な光の反射光となって周囲に及ぼされ、フラッシング効果を奏することができ、効果的な集魚効果がもたらされる。
【0043】
(第2実施例)
次に、
図4、
図5に第2実施例にかかるルアー10を示す。
図4に示すルアー10は、第1実施例にかかるルアー1と同様、略銃弾形状の本体11を有する。
この本体11の外壁部では、光透過性素材で構成している。光透過性素材には例えばABS樹脂が可能である。かかる光透過性素材により、本体11の先鋭形状の先端部11tから筒状部11ctを形成している。
筒状部11ctの後端部側には、底部に金属プレート4、さらに金属プレート4には、薄い金属板を用いたブレード5を連結している。
【0044】
そして以上のようなルアー10の本体11の先端部11tから筒状部11ctにかけての内部空間には、ウエイト要素を担うルアーウエイト部20と、デザイン的に独創的な構造として構築した意匠性を付与してなる造形物30を配設している。
【0045】
ルアーウエイト部20は、複数のウエイト単体W1、W2、W3、W4で構成される。ウエイト単体W1~W4は、例えば金属製球状体で、素材として鉄、鉛製を選定することが可能である。素材を選択することにより、ウエイトバランス調整に寄与することができる。
【0046】
次に
図6に造形物30の一例を示し、以下、説明する。
造形物30は、例えば魚の骨格(頭部30h、胴部30b)を模したような構造としている。素材としては、樹脂素材、金属素材(鉄、鉛、タングステン、ステンレス)を用いて作成されている。この場合、素材を単独で用いるだけでなく、場合によっては、異種の素材の組み合わせも可能である。また、かかる造形物30は、例えば射出成型によって作成される。素材を選択することにより、様々な重さのものを得ることができる。
【0047】
また、造形物30は、光透過性素材で構成された、先鋭形状の先端部11tおよび筒状部11ctを有する本体11内部に視認可能な状態で配設可能なので、造形物30は、自由な発想でデザインされたものとすることができる。したがって、このようなルアーの本体11によれば、空気抵抗によるキャスティング時の飛距離に対する悪影響を抑制することができる。
【0048】
このように、光透過性素材で構成された本体11内に配置した、魚の骨格を模した造形物30は、視認可能な状態であるので、造形物30は小さな餌かと誤認し、集魚効果がある。
【0049】
光透過可能な本体11を介して外光が造形物30に入射すると、作成された造形物30の金属的光沢を有する表面から、周囲に不規則な反射光が出され、魚に対して視覚的刺激を与え、集魚効果を奏することができる。
【0050】
以上のように、本体11内部に、意匠性を付与してなる造形物30を配置したルアー10によれば、デザイン性の向上だけでなく、造形物30はルアーウエイトの要素としても機能することから、新しいルアーの特性をもたらす設計を追求することが可能となる。
【0051】
例えば、造形物30は、その形状に応じて造形物30の重心位置は変動する。また、素材の違いにより造形物30の重心位置は変動する。これらのことから、以下の試みを試行することが考えられる。
【0052】
試行1
a.造形物30の形状(断面積)として前方部位が大きく、後方部位に向かって絞り込む形状とする。あるいは、
b.素材として、前方部位のみを金属を用いて造形物30を作成する。
このように作成された造形物30を本体に組み込むことにより、ルアーの重心が前方に移行し、飛距離が低下するが、着水後水中に沈みこみやすくルアー航走動作の立ち上がりが比較的良好なルアーとなる。
【0053】
試行2
a. 造形物30の形状(断面積)として後方部位が大きく、前方部位に向かって絞り込む形状とする。あるいは、
b.素材として、後方部位のみを金属を用いて造形物30を作成する。
これにより、ルアーの重心位置はルアー後方部位に移行し、キャスト時の飛行姿勢が安定し、飛距離が伸びる。また、着水後には浮き上がりやすいルアーとすることができる。
【0054】
試行3
a. 造形物30の形状(断面積)として前方部位を大きく中間部位を小さく、後方部位を前方部位に比較して大きくする。
これにより、後方部位だけにウエイトをかけるよりも、ルアーを動かし水中に沈みこませた後水中にルアーが残る距離が長くなる傾向となる。
【0055】
以上のような試行から、ウエイトバランスがとれた新たな特性のルアーが期待できる。
例えば、季節的や時間的に魚の活性が低い時、ベイトフィッシュが多い環境にある時、魚がスレる(仕掛け慣れして警戒心が強くなる)ようなときには、比較的小さなルアーは有効である。
半面、小さなルアーは重量が小さく、キャスティングの際に風の影響は受けやすく、飛距離を出すには不利であるが、素材や形状から重心位置を考慮したルアーによれば風の影響や飛距離低下の問題を抑制することができる。
【0056】
以上、本発明に係るルアーについて、第1実施例にかかるルアー1、第2実施例にかかるルアー10を挙げて説明した。これら実施例では、ルアーウエイト部20と、本体2の筒状部2ct底部に装着した金属プレート4とによりウエイトバランスを調整しているが、金属プレート4は、本体2の先端部2tまたは筒状部2ctいずれの位置に配置してもよい。このようにすることで、さらにウエイトバランスを変更することができ、飛距離に影響を与え、また水中内での引き回しの際にルアーに独特の挙動を与えることができる。
【0057】
また、第2実施例にかかるルアー10において、ルアーウエイト部20は、複数のウエイト単体W1、W2、W3、W4で構成され、ウエイト単体W1~W4は、素材として鉄、鉛製を選定することが可能であることから、よりきめ細かなルアーウエイトバランス調整に寄与することができる。
また、造形物30は、デザイン的に新規で独創的な構造とすることができることから、例えば、フラッシング効果の高いとされるダイヤカット等の構造物も可能である。
さらに、造形物30に、例えば蓄光素材を用いると、太陽光、照明光などの光エネルギーを吸収して、一定時間自発光するという機能を、朝マズメ、夕マズメ時に周囲の魚の集魚効果を発揮することができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
ルアーとして、空気抵抗によって飛翔距離が阻害されるのを抑制することが可能な銃弾等の流線形状としたことに加え、本体外周部に、水流抵抗を与えるようなウイング部材を設けると、水中の引き回しの際に、ルアーの航走領域を変えたり、ルアーにさらなる独特の挙動を与えることもできる。
【符号の説明】
【0059】
1、10 ルアー
2、11 本体
2t、11t 先端部
2ct、11ct 筒状部
3、6、7 連結具
4 金属プレート
5 ブレード
20 ルアーウエイト部
30 造形物
30h 頭部
30b 胴部
H フック
W1~W4 ウエイト単体