(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178955
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】閉塞装置
(51)【国際特許分類】
B65B 51/08 20060101AFI20241219BHJP
B65B 67/06 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
B65B51/08 A
B65B67/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097358
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】523225829
【氏名又は名称】岡安 学
(74)【代理人】
【識別番号】100145861
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 薫
(72)【発明者】
【氏名】岡安 学
【テーマコード(参考)】
3E057
3E094
【Fターム(参考)】
3E057AA01
3E057AB03
3E094AA12
3E094BA11
3E094CA33
3E094DA05
3E094EA08
3E094FA14
3E094HA06
(57)【要約】
【課題】簡易な構成で軽量小型化が可能であり、手に持って容易に使用ことができる閉塞装置の提供を目的とする。
【解決手段】袋体2の開口側の端部を絞って収束した収束端部3を入口6から出口7に向けて通路5に沿って移動させると、入口6と巻き付け位置との間に引き出された粘着テープ4は、収束端部3に引っ張られて巻き付け位置側へ移動する。巻き付け位置側へ移動する粘着テープ4は、収束端部3が巻き付け位置に到達することにより、巻き付け部8によって収束端部3に巻き付けられて収束端部3の閉塞状態を保持する。ロール体20から延びて収束端部3に巻き付けられた粘着テープ4は、収束端部3が切離位置に到達することにより、巻き付け位置と出口7との間で切離部9によって切断されてロール体20側から切離される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋体の開口側の端部を絞って収束した収束端部の閉塞状態を粘着テープによって保持するための閉塞装置であって、
ケーシングに、通路と、ロール体と、巻き付け部と、切離部とが設けられ、
前記通路は、入口から出口までの前記収束端部の移動経路を規定し、
前記移動経路は、前記入口と前記出口との間の巻き付け位置と、前記巻き付け位置と前記出口との間の切離位置とを含み、
前記収束端部は、前記通路を横断して前記ケーシングを貫通する姿勢で、前記入口から前記出口まで前記移動経路に沿って前記通路を移動可能であり、
前記ロール体は、ロール状に巻き回された前記粘着テープを有し、前記ケーシングに回転自在に支持され、
前記粘着テープは、前記入口と前記巻き付け位置との間の前記通路へ前記ロール体から引き出し可能であり、
前記収束端部を前記入口から前記出口に向けて前記通路に沿って移動させると、前記入口と前記巻き付け位置との間に引き出された前記粘着テープは、前記収束端部に引っ張られて前記巻き付け位置側へ移動し、前記巻き付け位置側へ移動する前記粘着テープは、前記収束端部が前記巻き付け位置に到達することにより、前記巻き付け部によって前記収束端部に巻き付けられて前記収束端部の閉塞状態を保持し、前記ロール体から延びて前記収束端部に巻き付けられた前記粘着テープは、前記収束端部が前記切離位置に到達することにより、前記巻き付け位置と前記出口との間で前記切離部によって切断されて前記ロール体側から切離される
ことを特徴とする閉塞装置。
【請求項2】
前記通路は直線状に延び、前記入口は前記出口の反対側が開口する
ことを特徴とする請求項1に記載の閉塞装置。
【請求項3】
前記粘着テープは、表裏のうち片面のみが粘着面であり、
前記ロール体は、前記粘着テープを前記入口と前記巻き付け位置との間の前記通路に引き出した状態で、前記粘着面が前記入口側を向くように配置され、
前記巻き付け部は、前記通路の一側から前記通路へ突出する第1突出部材と、前記通路の他側から前記通路へ突出して前記第1突出部材と対向する第2突出部材とを有し、
前記第1突出部材と前記第2突出部材とは、第1先端部と第2先端部とをそれぞれの突出先端に有し、
前記巻き付け部は、前記収束端部からの押圧力を受けていない初期状態で、前記第1先端部と前記第2先端部とが最も接近し、前記第1突出部材と前記第2突出部材とによって前記入口から前記巻き付け位置側への前記収束端部の移動を規制する閉状態を維持し、前記入口から前記巻き付け位置側へ移動する前記収束端部から前記出口側への押圧力を受けることにより、前記第1先端部と前記第2先端部とが離間して、前記出口側への前記収束端部の移動を許容する開状態となり、前記収束端部が前記第1先端部と前記第2先端部の間を通り抜けて前記巻き付け位置に到達することにより、前記閉状態に戻り、
前記収束端部を前記入口から前記出口に向けて前記通路に沿って移動させると、前記入口と前記巻き付け位置との間に引き出された前記粘着テープの前記粘着面は、前記収束端部の前記出口側に粘着し、前記収束端部に引っ張られて前記巻き付け位置側へ移動する前記粘着テープは、前記巻き付け部が前記閉状態から前記開状態となり、前記収束端部が前記粘着テープとともに前記第1先端部と前記第2先端部の間を通り抜けて前記巻き付け位置に到達して、前記巻き付け部が前記閉状態に戻ることにより、前記収束端部に巻き付けられて粘着する
ことを特徴とする請求項1に記載の閉塞装置。
【請求項4】
前記収束端部が前記粘着テープとともに前記第1先端部と前記第2先端部の間を通り抜けて前記巻き付け位置に到達し、前記巻き付け部が前記開状態から前記閉状態に戻ることにより、前記第1先端部と前記第2先端部とは、前記粘着テープのうち前記収束端部よりも終端側の終端側領域と前記収束端部から前記ロール体側に延びる基端側領域とを前記一側と前記他側とから挟み、前記終端側領域と前記基端側領域とが合掌するようにこれら2つの領域の前記粘着面同士を粘着させる
ことを特徴とする請求項3に記載の閉塞装置。
【請求項5】
前記第1突出部材は、前記通路の前記一側で第1回転軸を中心として回転自在に前記ケーシングに支持される傾動体であり、
前記巻き付け部は、前記傾動体が前記第1回転軸を中心として傾動することにより、前記閉状態と前記開状態とに変更され、
前記傾動体は、前記ケーシングに設けられた傾動体付勢部材によって前記閉状態に付勢され、
前記巻き付け部は、前記入口から前記巻き付け位置側へ移動する前記収束端部が前記傾動体付勢部材の付勢力に抗して前記傾動体を前記出口側へ押圧することにより、前記閉状態から前記開状態に変更されて前記収束端部の通り抜けを許容し、
前記傾動体付勢部材の付勢力は、前記収束端部が前記巻き付け位置に到達し、前記第1先端部と前記第2先端部とが前記粘着テープの前記終端側領域と前記基端側領域とを粘着させる際の挟圧として作用する
ことを特徴とする請求項4に記載の閉塞装置。
【請求項6】
前記収束端部を前記入口から前記出口に向けて移動させる前の移動前状態で、前記入口と前記巻き付け位置との間に引き出された前記粘着テープの前記終端側の端部の前記粘着面は、前記第1先端部に一時的に粘着されており、
前記収束端部に引っ張られて前記巻き付け位置側へ移動する前記粘着テープの前記終端側領域は、前記終端から前記入口側へ延び、前記第1突出部材から離間する方向に曲折して反転する
ことを特徴とする請求項4に記載の閉塞装置。
【請求項7】
前記第2突出部材は、前記通路の前記他側で第2回転軸を中心として回転自在に前記ケーシングに支持される回転体であり、
前記回転体は、前記入口から前記巻き付け位置側へ移動する前記収束端部が前記第2突出部材の前記第2先端部側を前記出口側へ押圧することにより、前記第2回転軸を中心として回転する
ことを特徴とする請求項4に記載の閉塞装置。
【請求項8】
前記回転体は、複数の歯が円周上に等間隔に並び、前記回転体の回転に伴って前記歯が前記通路に順次出没する歯車形状であり、
前記複数の歯の歯先部は、各々が前記第2先端部を構成する
ことを特徴とする請求項7に記載の閉塞装置。
【請求項9】
前記ロール体は、前記通路の前記他側に配置され、
前記回転体の前記第2回転軸は、前記ロール体と前記通路との間に配置され、
前記収束端部に押圧されて回転する前記回転体の前記複数の歯先部のうち、前記回転体が回転を開始してから前記収束端部が前記巻き付け位置に到達するまでの間に前記通路へ進入する歯先部は、前記ロール体から前記通路へ向かう前記粘着テープの移動を補助する
ことを特徴とする請求項8に記載の閉塞装置。
【請求項10】
前記切離部は、第3回転軸を中心として回転自在に前記ケーシングに支持されるカム部材と、前記カム部材に固定される切断刃とを有し、
前記カム部材は、前記巻き付け位置と前記切離位置との間で前記通路へ突出する押圧受部を有し、初期位置と動作完了位置との間で前記第3回転軸を中心として傾動可能であり、
前記初期位置において、前記切断刃は、前記通路の外部に退避し、前記押圧受部は、前記通路を塞いで前記巻き付け位置から前記切離位置側への前記収束端部の移動を規制し、
前記初期位置から前記動作完了位置側へ前記カム部材が傾動すると、前記押圧受部は、前記出口側へ傾動して前記巻き付け位置から前記切離位置への前記収束端部の移動を許容し、前記切断刃は、前記通路へ進入して前記通路を横断し、
前記カム部材は、前記ケーシングに設けられたカム付勢部材によって前記初期位置に付勢され、
前記巻き付け部によって前記粘着テープが巻き付けられた前記収束端部が、前記巻き付け位置から前記切離位置側へ移動し、前記カム付勢部材の付勢力に抗して前記押圧受部を前記出口側へ押圧すると、前記カム部材が前記初期位置から前記動作完了位置に向かって傾動し、前記収束端部が前記切離位置を通過することによって、前記切断刃が前記粘着テープの前記基端側領域を切断し、前記収束端部が前記押圧受部を越えて前記出口側へ移動すると、前記カム付勢部材の付勢力によって前記カム部材が前記初期位置に戻る
ことを特徴とする請求項4に記載の閉塞装置。
【請求項11】
前記カム部材に当接することにより、前記カム部材の前記初期位置側の傾動範囲を前記初期位置に制限するストッパが前記ケーシングに設けられている
ことを特徴とする請求項10に記載の閉塞装置。
【請求項12】
前記出口は、前記ケーシングを円孔状にくり抜くように形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の閉塞装置。
【請求項13】
前記ロール体は、前記ケーシングに対して着脱可能に設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の閉塞装置。
【請求項14】
前記ケーシングの外面側に磁石が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載の閉塞装置。
【請求項15】
前記ケーシングは、透明または半透明の材料で形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の閉塞装置。
【請求項16】
前記ケーシングと前記ストッパとは、アクリル樹脂で形成されている
ことを特徴とする請求項11に記載の閉塞装置。
【請求項17】
前記第1突出部材と前記第2突出部材と前記カム部材とは、合成樹脂で形成されている
ことを特徴とする請求項10に記載の閉塞装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋体の開口側の端部を閉塞するための閉塞装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内容物が詰まったゴミ袋などの袋体を閉塞する場合、開口側の端部を縛る方法のほか、袋体の開口側の端部を絞り、絞り部分に粘着テープを巻き回して粘着させる方法がある。また、粘着テープを巻き回して袋体を閉塞するための装置としてバッグシーラーが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従前のバッグシーラーは、例えば野菜などの商品を袋詰めする際に使用されるものであり、比較的小さい袋体を対象としている。作業者は、比較的大型で重いバッグシーラーを作業台に載置し、袋体を手で持ち、絞り部分をバッグシーラーに対して移動させることによって粘着テープの巻き付けを行う。
【0005】
このため、内容量が数十リットルのゴミ袋のように比較的大型の袋体を上記従前のバッグシーラーを用いて閉塞する場合、大型で内容物によっては重い袋体を持ち上げて、絞り部分をバッグシーラーに対して移動させるか、或いは大型で重いバッグシーラーを持ち上げ、袋体の絞り部分に対してバッグシーラーを移動させる必要があり、容易に作業を行うことができない。
【0006】
そこで、本発明は、簡易な構成で軽量小型化が可能であり、手に持って容易に使用ことができる閉塞装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく、本発明の第1の態様は、袋体の開口側の端部を絞って収束した収束端部の閉塞状態を粘着テープによって保持するための閉塞装置であり、ケーシングに、通路と、ロール体と、巻き付け部と、切離部とが設けられる。前記通路は、入口から出口までの前記収束端部の移動経路を規定する。前記移動経路は、前記入口と前記出口との間の巻き付け位置と、前記巻き付け位置と前記出口との間の切離位置とを含む。前記収束端部は、前記通路を横断して前記ケーシングを貫通する姿勢で、前記入口から前記出口まで前記移動経路に沿って前記通路を移動可能である。前記ロール体は、ロール状に巻き回された前記粘着テープを有し、前記ケーシングに回転自在に支持される。前記粘着テープは、前記入口と前記巻き付け位置との間の前記通路へ前記ロール体から引き出し可能である。前記収束端部を前記入口から前記出口に向けて前記通路に沿って移動させると、前記入口と前記巻き付け位置との間に引き出された前記粘着テープは、前記収束端部に引っ張られて前記巻き付け位置側へ移動し、前記巻き付け位置側へ移動する前記粘着テープは、前記収束端部が前記巻き付け位置に到達することにより、前記巻き付け部によって前記収束端部に巻き付けられて前記収束端部の閉塞状態を保持し、前記ロール体から延びて前記収束端部に巻き付けられた前記粘着テープは、前記収束端部が前記切離位置に到達することにより、前記巻き付け位置と前記出口との間で前記切離部によって切断されて前記ロール体側から切離される。
【0008】
本発明の第2の態様は、第1の態様の閉塞装置であって、前記通路は直線状に延び、前記入口は前記出口の反対側が開口する。
【0009】
本発明の第3の態様は、第1の態様の閉塞装置であって、前記粘着テープは、表裏のうち片面のみが粘着面であり、前記ロール体は、前記粘着テープを前記入口と前記巻き付け位置との間の前記通路に引き出した状態で、前記粘着面が前記入口側を向くように配置される。前記巻き付け部は、前記通路の一側から前記通路へ突出する第1突出部材と、前記通路の他側から前記通路へ突出して前記第1突出部材と対向する第2突出部材とを有する。前記第1突出部材と前記第2突出部材とは、第1先端部と第2先端部とをそれぞれの突出先端に有する。前記巻き付け部は、前記収束端部からの押圧力を受けていない初期状態で、前記第1先端部と前記第2先端部とが最も接近し、前記第1突出部材と前記第2突出部材とによって前記入口から前記巻き付け位置側への前記収束端部の移動を規制する閉状態を維持し、前記入口から前記巻き付け位置側へ移動する前記収束端部から前記出口側への押圧力を受けることにより、前記第1先端部と前記第2先端部とが離間して、前記出口側への前記収束端部の移動を許容する開状態となり、前記収束端部が前記第1先端部と前記第2先端部の間を通り抜けて前記巻き付け位置に到達することにより、前記閉状態に戻る。前記収束端部を前記入口から前記出口に向けて前記通路に沿って移動させると、前記入口と前記巻き付け位置との間に引き出された前記粘着テープの前記粘着面は、前記収束端部の前記出口側に粘着し、前記収束端部に引っ張られて前記巻き付け位置側へ移動する前記粘着テープは、前記巻き付け部が前記閉状態から前記開状態となり、前記収束端部が前記粘着テープとともに前記第1先端部と前記第2先端部の間を通り抜けて前記巻き付け位置に到達して、前記巻き付け部が前記閉状態に戻ることにより、前記収束端部に巻き付けられて粘着する。
【0010】
本発明の第4の態様は、第3の態様の閉塞装置であって、前記収束端部が前記粘着テープとともに前記第1先端部と前記第2先端部の間を通り抜けて前記巻き付け位置に到達し、前記巻き付け部が前記開状態から前記閉状態に戻ることにより、前記第1先端部と前記第2先端部とは、前記粘着テープのうち前記収束端部よりも終端側の終端側領域と前記収束端部から前記ロール体側に延びる基端側領域とを前記一側と前記他側とから挟み、前記終端側領域と前記基端側領域とが合掌するようにこれら2つの領域の前記粘着面同士を粘着させる。
【0011】
本発明の第5の態様は、第4の態様の閉塞装置であって、前記第1突出部材は、前記通路の前記一側で第1回転軸を中心として回転自在に前記ケーシングに支持される傾動体であり、前記巻き付け部は、前記傾動体が前記第1回転軸を中心として傾動することにより、前記閉状態と前記開状態とに変更され、前記傾動体は、前記ケーシングに設けられた傾動体付勢部材によって前記閉状態に付勢され、前記巻き付け部は、前記入口から前記巻き付け位置側へ移動する前記収束端部が前記傾動体付勢部材の付勢力に抗して前記傾動体を前記出口側へ押圧することにより、前記閉状態から前記開状態に変更されて前記収束端部の通り抜けを許容し、前記傾動体付勢部材の付勢力は、前記収束端部が前記巻き付け位置に到達し、前記第1先端部と前記第2先端部とが前記粘着テープの前記終端側領域と前記基端側領域とを粘着させる際の挟圧として作用する。
【0012】
本発明の第6の態様は、第4の態様の閉塞装置であって、前記収束端部を前記入口から前記出口に向けて移動させる前の移動前状態で、前記入口と前記巻き付け位置との間に引き出された前記粘着テープの前記終端側の端部の前記粘着面は、前記第1先端部に一時的に粘着されており、前記収束端部に引っ張られて前記巻き付け位置側へ移動する前記粘着テープの前記終端側領域は、前記終端から前記入口側へ延び、前記第1突出部材から離間する方向に曲折して反転する。
【0013】
本発明の第7の態様は、第4の態様の閉塞装置であって、前記第2突出部材は、前記通路の前記他側で第2回転軸を中心として回転自在に前記ケーシングに支持される回転体であり、前記回転体は、前記入口から前記巻き付け位置側へ移動する前記収束端部が前記第2突出部材の前記第2先端部側を前記出口側へ押圧することにより、前記第2回転軸を中心として回転する。
【0014】
本発明の第8の態様は、第7の態様の閉塞装置であって、前記回転体は、複数の歯が円周上に等間隔に並び、前記回転体の回転に伴って前記歯が前記通路に順次出没する歯車形状であり、前記複数の歯の歯先部は、各々が前記第2先端部を構成する。
【0015】
本発明の第9の態様は、第8の態様の閉塞装置であって、前記ロール体は、前記通路の前記他側に配置され、前記回転体の前記第2回転軸は、前記ロール体と前記通路との間に配置され、前記収束端部に押圧されて回転する前記回転体の前記複数の歯先部のうち、前記回転体が回転を開始してから前記収束端部が前記巻き付け位置に到達するまでの間に前記通路へ進入する歯先部は、前記ロール体から前記通路へ向かう前記粘着テープの移動を補助する。
【0016】
本発明の第10の態様は、第4の態様の閉塞装置であって、前記切離部は、第3回転軸を中心として回転自在に前記ケーシングに支持されるカム部材と、前記カム部材に固定される切断刃とを有し、前記カム部材は、前記巻き付け位置と前記切離位置との間で前記通路へ突出する押圧受部を有し、初期位置と動作完了位置との間で前記第3回転軸を中心として傾動可能であり、前記初期位置において、前記切断刃は、前記通路の外部に退避し、前記押圧受部は、前記通路を塞いで前記巻き付け位置から前記切離位置側への前記収束端部の移動を規制し、前記初期位置から前記動作完了位置側へ前記カム部材が傾動すると、前記押圧受部は、前記出口側へ傾動して前記巻き付け位置から前記切離位置への前記収束端部の移動を許容し、前記切断刃は、前記通路へ進入して前記通路を横断し、前記カム部材は、前記ケーシングに設けられたカム付勢部材によって前記初期位置に付勢され、前記巻き付け部によって前記粘着テープが巻き付けられた前記収束端部が、前記巻き付け位置から前記切離位置側へ移動し、前記カム付勢部材の付勢力に抗して前記押圧受部を前記出口側へ押圧すると、前記カム部材が前記初期位置から前記動作完了位置に向かって傾動し、前記収束端部が前記切離位置を通過することによって、前記切断刃が前記粘着テープの前記基端側領域を切断し、前記収束端部が前記押圧受部を越えて前記出口側へ移動すると、前記カム付勢部材の付勢力によって前記カム部材が前記初期位置に戻る。
【0017】
本発明の第11の態様は、第10の態様の閉塞装置であって、前記カム部材に当接することにより、前記カム部材の前記初期位置側の傾動範囲を前記初期位置に制限するストッパが前記ケーシングに設けられている。
【0018】
本発明の第12の態様は、第1の態様の閉塞装置であって、前記出口は、前記ケーシングを円孔状にくり抜くように形成されている。
【0019】
本発明の第13の態様は、第1の態様の閉塞装置であって、前記ロール体は、前記ケーシングに対して着脱可能に設けられている。
【0020】
本発明の第14の態様は、第1の態様の閉塞装置であって、前記ケーシングの外面側に磁石が設けられている。
【0021】
本発明の第15の態様は、第1の態様の閉塞装置であって、前記ケーシングは、透明または半透明の材料で形成されている。
【0022】
本発明の第16の態様は、第11の態様の閉塞装置であって、前記ケーシングと前記ストッパとは、アクリル樹脂で形成されている。
【0023】
本発明の第17の態様は、第10の態様の閉塞装置であって、前記第1突出部材と前記第2突出部材と前記カム部材とは、合成樹脂で形成されている。
【発明の効果】
【0024】
本発明の閉塞装置によれば、簡易な構成で軽量小型化が可能であるので、作業者は、閉塞装置を手に持って容易に使用ことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の一実施形態に係る閉塞装置が使用される袋体の模式図である。
【
図3】
図2の閉塞装置を矢印B方向から視た平面図である。
【
図4】
図3の閉塞装置を矢印C方向から視た正面図である。
【
図5】
図3のカム部材及び切断刃を矢印D方向から視た拡大図である。
【
図6】収束端部が巻き付け位置へ移動している途中の閉塞装置の平面図である。
【
図7】収束端部が巻き付け位置へ移動している途中の閉塞装置の平面図である。
【
図8】収束端部が巻き付け位置へ移動している途中の閉塞装置の平面図である。
【
図9】収束端部が巻き付け位置へ移動している途中の閉塞装置の平面図である。
【
図10】収束端部が巻き付け位置へ到達したときの閉塞装置の平面図である。
【
図11】収束端部が切離位置へ移動している途中の閉塞装置の平面図である。
【
図12】収束端部が切離位置を通過した直後の閉塞装置の平面図である。
【
図13】収束端部が出口まで移動した状態の閉塞装置の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に、本発明の一実施形態に係る閉塞装置1を図面に基づいて説明する。
図1及び
図2に示すように、閉塞装置1は、内容物が詰まった袋体2を閉塞する際に使用される。袋体2は、内容量が数十リットルのゴミ袋のような比較的大型のものであり、樹脂や紙等によって形成される。
【0027】
作業者は、内容物(例えばゴミなど)が詰まった袋体2の開口側の端部を絞り、捻じって収束した後、収束した端部(収束端部3)に閉塞装置1を用いて粘着テープ4を巻き付けて、収束端部3の閉塞状態を保持する。粘着テープ4は、例えば床面等に載置した袋体2の収束端部3を一方の手で摘まみ上げ、他方の手で閉塞装置1を把持し、上下方向に線状に延びる収束端部3が閉塞装置1の通路5の入口6から出口7(
図3参照)まで移動するように、閉塞装置1を略水平方向に移動することによって収束端部3に巻き付けられて切離される。出口7まで移動した収束端部3は、閉塞装置1を上方へ移動することにより出口7から抜けて閉塞装置1から離脱する。
【0028】
なお、粘着テープ4を巻き付けるために閉塞装置1を移動する方向は略水平方向に限定されず、収束端部3と交叉する方向であればよい。例えば収束端部3を略水平方向に引っ張って延ばす場合には、閉塞装置1を略鉛直方向に移動すればよい。
【0029】
次に、閉塞装置1の構成について、
図3~
図5を参照して説明する。
図3に示すように、閉塞装置1は、ケーシング10と、ロール体20と、巻き付け部8を構成する傾動体(第1突出部材)30及び回転体(第2突出部材)40と、切離部9を構成するカム部材50及び切断刃51と、傾動体付勢バネ(傾動体付勢部材)31と、カム付勢バネ(カム付勢部材)52と、ストッパ53とを備える。
【0030】
図2~
図4に示すように、ケーシング10は、矩形平板状の第1ケース板11及び第2ケース板12を有する。第1ケース板11と第2ケース板12とは、略同形状であり、両者の間にケーシング内空間13を区画するように互いに離間して相対向する。以下の説明では、ケーシング10の厚さ方向(第1ケース板11及び第2ケース板12の板厚方向)をケース厚さ方向と称し、ケース厚さ方向と直交する方向をケース面方向と称する。
【0031】
第1ケース板11及び第2ケース板12の一方(本実施形態では第2ケース板12)は、平面視L状のメインケース板12Aと、矩形状のサブケース板12Bとに分離可能に構成されている。巻き付け部8、切離部9、傾動体付勢バネ31、カム付勢バネ52、及びストッパ53は、第1ケース板11とメインケース板12Aとの間のケーシング内空間13に配置され、ロール体20は、第1ケース板11とサブケース板12Bとの間のケーシング内空間13に配置される。
【0032】
第1ケース板11と第2ケース板12とは、各々がケース厚さ方向に延びる複数の柱状連結部14を介して互いに固定される。柱状連結部14は、内周面に雌ネジが形成された円筒状のスペーサ15と、スペーサ15の一端及び他端から挿入されて雌ネジと螺合する第1ビス16及び第2ビス17とを有する。スペーサ15を第1ケース板11と第2ケース板12との間に配置し、第1ケース板11を挿通する第1ビス16をスペーサ15の一端から雌ネジに螺合して締め付け、第2ケース板12を挿通する第2ビス17をスペーサ15の他端から雌ネジに螺合して締め付けることにより、第1ケース板11と第2ケース板12とは、スペーサ15の高さ分だけ離間した状態で、スペーサ15にそれぞれ固定される。
【0033】
ケーシング10の外面(本実施形態では第1ケース板11の外面)には、磁石18が固定されている。ケーシング10の外面側に磁石18が設けられているので、非使用時の閉塞装置1を、鉄製部分(例えば冷蔵庫の扉など)に磁力によって貼り付けておくことができる。
【0034】
複数の柱状連結部14には、傾動体30を回転自在に支持する第1回転軸61と、回転体40を回転自在に支持する第2回転軸62と、カム部材50を回転自在に支持する第3回転軸63と、ロール体20を回転自在に支持する第4回転軸64と、傾動体付勢バネ31の一端部を支持する傾動体バネ支持部65と、カム付勢バネ52の一端部を支持するカムバネ支持部66と、ストッパ53を支持するストッパ支持部67が含まれる。
【0035】
第4回転軸64の第2ビス17の頭部は、指先で摘んで締め付け可能な円柱状であり、第1ビス16及び他の第2ビス17の各頭部は、ドライバーでの締め付けを要する円板状である。サブケース板12Bは、第4回転軸64のみを介して第1ケース板11に固定され、第4回転軸64の第2ビス17を取り外すことにより、メインケース板12Aを残したままサブケース板12Bを第1ケース板11から取り外すことができる。
【0036】
ケーシング10(第1ケース板11及び第2ケース板12)には、ケース面方向に沿って直線状に延びる切欠き溝状の通路5が形成されている。通路5には、ケーシング内空間13の一部が含まれ、通路5のケース厚さ方向両側は、ケーシング10の外部へ開口する。通路5は、入口6から出口7までの収束端部3の移動経路を規定し、移動経路には、入口6と出口7との間の巻き付け位置と、巻き付け位置と出口7との間の切離位置とが含まれる。収束端部3は、通路5を横断してケーシング10を貫通する姿勢(ケース厚さ方向に沿って延びる姿勢)で、入口6から出口7まで移動経路に沿って通路5を移動可能である。
【0037】
入口6は、出口7の反対側(ケーシング10の側面)でケーシング10の外部に向かって開口する部分であり、収束端部3は、ケーシング10の側方から入口6へ進入可能である。出口7は、ケーシング10(第1ケース板11及び第2ケース板12)を円孔状にくり抜くように形成された部分であり、収束端部3は、出口7からケース面方向へ離脱可能である。
【0038】
ケーシング10は、通路5の一側の領域(
図3において通路5よりも上方の領域)と他側の領域(
図3において通路5よりも下方の領域)とに分かれる。第1回転軸61と傾動体バネ支持部65とストッパ支持部67とは、通路5の一側に配置され、第2回転軸62と第3回転軸63と第4回転軸64とカムバネ支持部66とは、通路5の他側に配置される。
【0039】
ロール体20は、粘着テープ4がロール状に巻き回されることによって構成された円筒形状であり、ケーシング10の第1回転軸61に回転自在に支持されたロール体支持部材21の外周に、ロール体支持部材21と同軸状に着脱可能に取り付けられる。すなわち、ロール体20は、第1回転軸61を中心としてケーシング10に回転自在に支持され、ケーシング10に対して着脱可能である。ロール体20が回転することによって、粘着テープ4の引き出しが許容される。粘着テープ4は、表裏のうち片面が粘着面であり、ロール体20に巻き回された状態での外周面が非粘着面、内周面が貼着面となる。
【0040】
粘着テープ4は、入口6と巻き付け位置との間の通路5へロール体20から引き出される。ロール体20は、粘着テープ4を入口6と巻き付け位置との間の通路5に引き出した状態で、粘着面が入口6側を向くように配置される。
【0041】
傾動体30は、通路5の一側で第1回転軸61を中心として回転自在にケーシング10に支持され、通路5の一側から通路5へ突出する。傾動体30は、突出先端である傾動体先端部(第1先端部)32を一体的に有する。傾動体先端部32は、第1回転軸61よりも出口7側に配置され、傾動体30が第1回転軸61を中心として傾動することによって通路5へ出没する。
【0042】
傾動体付勢バネ31はコイルバネによって構成され、その一端部は傾動体バネ支持部65に接続されて支持され、他端部は傾動体30に接続されて支持される。傾動体先端部32が通路5から退避する方向(通路5への傾動体先端部32の突出量が減少する方向)へ傾動体30が傾動すると、傾動体付勢バネ31が伸長する。すなわち、傾動体付勢バネ31は、通路5への傾動体先端部32の突出量が増大する方向に傾動体30を付勢する。
【0043】
第1ケース板11及び第2ケース板12の一方又は双方(本実施形態では第2ケース板12のメインケース板12A)には、第1回転軸61を中心とした円弧状のガイド溝33が形成され、傾動体30には、ケース厚さ方向に突出してガイド溝33に挿入されるガイド突起34が一体的に設けられている。ガイド突起34は、傾動体30の傾動に従ってガイド溝33を移動する。ガイド溝33とガイド突起34とは、傾動体30の傾動をガイドするとともに、傾動体30の傾動可能範囲を規定する。
【0044】
回転体40は、通路5の他側で第2回転軸62を中心として回転自在にケーシング10に支持され、通路5の他側から通路5へ突出して傾動体30と対向する。第2回転軸62は、ロール体20と通路5との間に配置される。回転体40は、複数の歯41が円周上に等間隔に並び、回転体40の回転に伴って歯41が通路5に順次出没する歯車形状であり、各歯41の歯先部42は、回転体40の突出先端である第2先端部を構成する。本実施形態の回転体40の歯41の数は8本であり、通路5に同時に突出する歯41の数は2~3本である。なお、歯41の数は8本以外であってもよく、通路5に同時に突出する歯41の数は2~3本以外であってもよい。
【0045】
回転体40は、入口6から巻き付け位置側(出口7側)へ移動する収束端部3が、通路5に最後に進入した最も入口6側の歯41の歯先部42に入口6側から当接して出口7側へ押圧することにより、第2回転軸62を中心として回転する。係る回転により、各歯41は入口6側から通路5へ順次進入し、出口7側へ移動して、通路5から順次退出する。なお、本実施形態の説明において、回転体40の回転とは、各歯41が入口6側から通路5へ進入して出口7側から退出する方向の回転を意味する。
【0046】
傾動体30の傾動体先端部32には、回転体40の歯先部42と対向する凹状曲面35が形成されている。凹状曲面35のうち出口7側の領域は、歯先部42の先端の移動軌跡を越えて第2回転軸62側へ侵入している。
【0047】
巻き付け部8が収束端部3からの押圧力を受けていない初期状態(
図3参照)から回転体40が回転すると、凹状曲面35の入口6側に対向する歯先部42は、入口6側から凹状曲面35に当接し、傾動体付勢バネ31の付勢力に抗して傾動体30を傾動させる(
図6及び
図7参照)。傾動体30の傾動により、通路5への傾動体先端部32の突出量が減少し、歯先部42の先端が傾動体先端部32の先端を乗り越えると、傾動体付勢バネ31の付勢力により傾動体30が初期状態に戻る。
【0048】
巻き付け部8は、初期状態において、傾動体先端部32と歯先部42(通路5内で最も出口7側の歯先部42)とが最も接近し、出口7側への収束端部3の移動を規制する閉状態となる(
図8参照)。閉状態は、傾動体30に作用する傾動体付勢バネ31の付勢力によって維持される。
【0049】
傾動体先端部32と通路5内で最も出口7側の歯先部42とが収束端部3から出口7側への押圧力を受けると、傾動体付勢バネ31の付勢力に抗して傾動体30が傾動し、傾動体先端部32と歯先部42とが離間して、出口7側への収束端部3の移動を許容する開状態となる(
図9参照)。収束端部3が傾動体先端部32と歯先部42の間を通り抜けて巻き付け位置に到達すると、傾動体30は、傾動体付勢バネ31の付勢力によって閉状態に戻る。このように、巻き付け部8は、入口6から巻き付け位置側へ移動する収束端部3が傾動体付勢バネ31の付勢力に抗して傾動体30を出口7側へ押圧することにより、閉状態から開状態に変更されて収束端部3の通り抜けを許容する。
【0050】
カム部材50は、第3回転軸63を中心として回転自在にケーシング10に支持され、切断刃51は、ビス54によってカム部材50に固定される(
図5参照)。
【0051】
カム部材50は、巻き付け位置と切離位置との間で通路5へ突出する押圧受部55を有し、初期位置と動作完了位置との間で第3回転軸63を中心として傾動可能である。初期位置において、切断刃51は、通路5の他側の外部に退避し、押圧受部55は、通路5を塞いで巻き付け位置から切離位置側への収束端部3の移動を規制する。初期位置から動作完了位置側へカム部材50が傾動すると、押圧受部55は、出口7側へ傾動して巻き付け位置から切離位置への収束端部3の移動を許容し、切断刃51は、通路5へ他側から進入して通路5を横断する。
【0052】
カム付勢バネ52はコイルバネによって構成され、その一端部はカムバネ支持部66に接続されて支持され、他端部はカム部材50に接続されて支持される。初期位置から動作完了位置側へカム部材50が傾動すると、カム付勢バネ52が伸長する。すなわち、カム付勢バネ52は、カム部材50を初期位置に向けて付勢する。
【0053】
ストッパ53は、ストッパ支持部67の外周に装着される円筒形状であり、カム部材50に当接することにより、カム部材50の初期位置側の傾動範囲を初期位置に制限する。
【0054】
ケーシング10(第1ケース板11及び第2ケース板12)とストッパ53とは、透明または半透明のアクリル樹脂によって形成されている。ロール体支持部部材と傾動体30と回転体40とカム部材50とは、合成樹脂で形成されている。ケーシング10を透明または半透明の材料で形成しているので、ケーシング10の内部(ケーシング内空間13)を外部から視認することができる。また、ケーシング10、ロール体支持部材21、傾動体30、回転体40、カム部材50、及びストッパ53を金属よりも軽量な樹脂によって形成しているので、閉塞装置1の軽量化を図ることができる。
【0055】
次に、袋体2の収束端部3を閉塞する作業における閉塞装置1の動作について、
図3及び
図6~
図13を参照して説明する。
【0056】
作業者は、内容物が詰まった袋体2を床面等に載置し、袋体2の収束端部3を一方の手で摘まみ上げ、他方の手で閉塞装置1を把持し、上下方向に線状に延びる収束端部3が閉塞装置1の通路5の入口6から出口7(
図3参照)まで移動するように、閉塞装置1を略水平方向に移動する。
【0057】
収束端部3を入口6から出口7に向けて移動させる前の移動前状態で、傾動体30及び回転体40は初期状態であり、入口6と巻き付け位置との間の通路5に引き出された粘着テープ4の終端側(切断端側)の端部の粘着面は、傾動体先端部32に一時的に粘着され、粘着テープ4の終端は、傾動体先端部32の先端よりも出口7側に位置する。
【0058】
収束端部3を入口6から出口7に向けて通路5に沿って移動させると、入口6と巻き付け位置との間に引き出されて入口6側を向く粘着テープ4の粘着面は、収束端部3の出口7側に粘着し、粘着テープ4は、収束端部3に引っ張られて出口7側へ移動する。
【0059】
収束端部3は、最も入口6側に位置する押圧対象の歯先部42を出口7側へ押圧して、回転体40を初期状態から回転させる(
図6及び
図7参照)。回転体40の回転により、押圧対象の歯先部42の出口7側に隣接する回転方向前方の歯先部42は、傾動体30の凹状曲面35に当接し、傾動体付勢バネ31の付勢力に抗して傾動体30を傾動させる。回転体40が回転し、回転方向前方の歯先部42が傾動体先端部32を乗り越えると、傾動体30は初期状態に戻る。収束端部3を出口7側へさらに移動させて回転体40を回転させると、回転方向前方の歯先部42の場合と同様に、押圧対象の歯先部42は、傾動体30の凹状曲面35に当接し、傾動体付勢バネ31の付勢力に抗して傾動体30を傾動させる。押圧対象の歯先部42が傾動体先端部32を乗り越えると、傾動体30は初期状態に戻る(
図8参照)。この初期状態は、巻き付け動作の直前状態であり、収束端部3は、押圧対象の歯先部42と、その回転方向後方に隣接する歯先部42との間に位置する。
【0060】
巻き付け動作の直前状態から収束端部3を出口7側へ移動させると、傾動体先端部32が収束端部3に押圧され、傾動体30が傾動体付勢バネ31の付勢力に抗して傾動し、巻き付け部8が閉状態から開状態に変更されて、収束端部3が傾動体先端部32と押圧対象の歯先部42との間を通り抜けて巻き付け位置に到達し、傾動体30が傾動体付勢バネ31の付勢力によって傾動し、巻き付け部8が開状態から閉状態に戻る(
図10参照)。
【0061】
収束端部3に引っ張られて巻き付け位置側へ移動する粘着テープ4は、巻き付け部8が閉状態から開状態となり、収束端部3が粘着テープ4とともに傾動体先端部32と歯先部42の間を通り抜けて巻き付け位置に到達して、巻き付け部8が閉状態に戻ることにより、収束端部3に巻き付けられて粘着し、収束端部3の閉塞状態を保持する。
【0062】
また、収束端部3が粘着テープ4とともに傾動体先端部32と歯先部42の間を通り抜けて巻き付け位置に到達し、巻き付け部8が開状態から閉状態に戻ることにより、傾動体先端部32と歯先部42とは、粘着テープ4のうち収束端部3よりも終端側の終端側領域4Aと収束端部3からロール体20側に延びる基端側領域4Bとを一側と他側とから挟み、終端側領域4Aと基端側領域4Bとが合掌するようにこれら2つの領域4A,4Bの粘着面同士を粘着させて、収束端部3の閉塞状態をさらに確実に保持する(
図14参照)。傾動体付勢バネ31の付勢力は、収束端部3が巻き付け位置に到達し、傾動体先端部32と歯先部42とが粘着テープ4の終端側領域4Aと基端側領域4Bとを粘着させる際の挟圧として作用する。
【0063】
収束端部3に引っ張られて巻き付け位置側へ移動する粘着テープ4の終端側領域4A、及び収束端部3が巻き付け位置に到達したときの粘着テープ4の終端側領域4Aは、終端から傾動体先端部32の先端を越えて入口6側へ延び、傾動体30の凹状曲面35から離間する方向に曲折して反転して、収束端部3に粘着される。
【0064】
また、収束端部3に押圧されて回転する回転体40の複数の歯先部42のうち、回転体40が回転を開始してから収束端部3が巻き付け位置に到達するまでの間に通路5へ進入する歯先部42は、ロール体20から通路5へ向かう粘着テープ4を案内するとともに粘着テープ4の移動を補助する。
【0065】
粘着テープ4が巻き付けられた後、収束端部3を、巻き付け位置からさらに出口7側へ移動させる。ロール体20から延びて収束端部3に巻き付けられた粘着テープ4は、収束端部3が切離位置に到達することにより、巻き付け位置と出口7との間で切離部9によって切断されてロール体20側から切離される。
【0066】
具体的には、巻き付け部8によって粘着テープ4が巻き付けられた収束端部3が、巻き付け位置から切離位置側へ移動し、カム付勢バネ52の付勢力に抗して押圧受部55を出口7側へ押圧すると、カム部材50が初期位置から動作完了位置に向かって傾動し、収束端部3が切離位置を通過することによって、切断刃51が粘着テープ4の基端側領域4Bを切断し(
図11及び
図12参照)、収束端部3が押圧受部55を越えて出口7側へ移動すると、カム付勢バネ52の付勢力によってカム部材50が初期位置に戻る(
図13参照)。
図13は、収束端部3を出口7まで移動させた状態であり、出口7から収束端部3を離脱させることにより、収束端部3の閉塞作業が終了する。
【0067】
本実施形態によれば、通路5を直線状とし、通路5の一側と他側とに部材を配置し、ケーシング10を含む主要な部材を樹脂によって形成したので、簡易な構成で軽量小型化が可能な閉塞装置1とすることができ、作業者は、閉塞装置1を手に持って容易に使用ことができる。
【0068】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、この実施形態による本発明の開示の一部をなす論述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、この実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれることは勿論であることを付け加えておく。
【符号の説明】
【0069】
1:閉塞装置、2:袋体、3:収束端部、4:粘着テープ、4A:終端側領域、4B:基端側領域、5:通路、6:入口、7:出口、8:巻き付け部、9:切離部、10:ケーシング、18:磁石、20:ロール体、30:傾動体(第1突出部材)、31:傾動体付勢バネ(傾動体付勢部材)、32:傾動体先端部(第1先端部)、40:回転体(第2突出部材)、41:歯、42:歯先部(第2先端部)、50:カム部材、51:切断刃、52:カム付勢バネ(カム付勢部材)、53:ストッパ、55:押圧受部、61:第1回転軸、62:第2回転軸、63:第3回転軸