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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178969
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】プリント配線板
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
H05K1/02 C
H05K1/02 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097405
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122622
【弁理士】
【氏名又は名称】森 徳久
(72)【発明者】
【氏名】桑原 雅
(72)【発明者】
【氏名】籠橋 進
(72)【発明者】
【氏名】酒井 純
(72)【発明者】
【氏名】吉川 恭平
(72)【発明者】
【氏名】伊西 拓弥
【テーマコード(参考)】
5E338
【Fターム(参考)】
5E338AA03
5E338BB12
5E338CC01
5E338CD13
5E338CD32
5E338EE11
(57)【要約】
【課題】高い品質を有するプリント配線板の提供。
【解決手段】プリント配線板は、第1電子部品を搭載するための第1電極と第2電子部品を搭載するための第2電極を有する搭載用導体層と、搭載用導体層下に位置し、第1電極と第2電極を電気的に接続する接続配線を有する接続用導体層と、搭載用導体層と接続用導体層の間に配置され、第1開口と第2開口を含む複数の開口を有する樹脂絶縁層と、第1開口内に形成され第1電極と接続配線を電気的に繋ぐ第1接続ビア導体と、第2開口内に形成され第2電極と接続配線を電気的に繋ぐ第2接続ビア導体、とを有する。搭載用導体層と第1接続ビア導体と第2接続ビア導体はシード層とシード層上の電解めっき層で形成されている。シード層は、樹脂絶縁層上の第1部分と開口の内壁面上の第2部分と開口から露出する接続用導体層上の第3部分を有しており、第1部分の厚さは第2部分の厚さと第3部分の厚さより厚い。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電子部品を搭載するための第1電極と第2電子部品を搭載するための第2電極を有する搭載用導体層と、
前記搭載用導体層下に位置し、前記第1電極と前記第2電極を電気的に接続する接続配線を有する接続用導体層と、
前記搭載用導体層と前記接続用導体層の間に配置され、第1開口と第2開口を含む複数の開口を有する樹脂絶縁層と、
前記第1開口内に形成され前記第1電極と前記接続配線を電気的に繋ぐ第1接続ビア導体と、
前記第2開口内に形成され前記第2電極と前記接続配線を電気的に繋ぐ第2接続ビア導体、とを有するプリント配線板であって、
前記搭載用導体層と前記第1接続ビア導体と前記第2接続ビア導体はシード層と前記シード層上の電解めっき層で形成されており、
前記シード層は、前記樹脂絶縁層上の第1部分と前記開口の内壁面上の第2部分と前記開口から露出する前記接続用導体層上の第3部分を有しており、前記第1部分の厚さは前記第2部分の厚さと前記第3部分の厚さより厚い。
【請求項2】
請求項1のプリント配線板であって、前記第3部分の厚さは前記第2部分の厚さより厚い。
【請求項3】
請求項1のプリント配線板であって、前記シード層は、第1層と前記第1層上に形成される第2層を有しており、
前記第1層の前記第1部分の厚さは前記第1層の前記第2部分の厚さおよび前記第1層の前記第3部分の厚さより厚く、前記第1層の前記第3部分の厚さは前記第1層の前記第2部分の厚さより厚い。
【請求項4】
請求項3のプリント配線板であって、前記第2層の前記第1部分の厚さは前記第2層の前記第2部分の厚さおよび前記第2層の前記第3部分の厚さより厚く、前記第2層の前記第3部分の厚さは前記第2層の前記第2部分の厚さより厚い。
【請求項5】
請求項2のプリント配線板であって、前記第2部分の厚さと前記第1部分の厚さとの比(第2部分の厚さ/第1部分の厚さ)は0.2以上、0.6以下であり、前記第3部分の厚さと前記第1部分の厚さとの比(第3部分の厚さ/第1部分の厚さ)は0.5以上0.9以下である。
【請求項6】
請求項1のプリント配線板であって、前記樹脂絶縁層は樹脂と第1無機粒子と第2無機粒子を含み、前記第1無機粒子は平坦部を有し、前記内壁面は前記樹脂と前記平坦部で形成されている。
【請求項7】
請求項6のプリント配線板であって、前記内壁面を形成する前記樹脂の面と前記平坦部との間に段差が形成されている。
【請求項8】
請求項6のプリント配線板であって、前記開口を形成することは、前記開口の前記内壁面を形成する前記樹脂から突出する突出部分を有する無機粒子を形成することを含み、前記第1無機粒子は前記無機粒子の前記突出部分を除去することで形成される。
【請求項9】
請求項6のプリント配線板であって、前記開口を形成することは、前記第2無機粒子から突出部分を有する無機粒子を形成することを含み、前記開口の前記内壁面は前記突出部分を除去することで形成される前記第1無機粒子の露出面を含む。
【請求項10】
請求項1のプリント配線板であって、さらに、前記接続用導体層と前記樹脂絶縁層の間に接着層を有し、前記接着層は前記接続用導体層に接し、前記樹脂絶縁層は前記接着層に接している。
【請求項11】
請求項10のプリント配線板であって、前記接着層はほぼ平滑な平滑膜と前記平滑膜から突出している突出部で形成されている。
【請求項12】
請求項1のプリント配線板であって、前記第1電極の数と前記第2電極の数と前記接続配線の数は複数であって、前記接続配線のそれぞれはほぼ平行に配置され、複数の前記接続配線の内、最小の幅を有する前記接続配線は最小の接続配線であって、前記最小の接続配線の幅は1μm以上、3μm以下であって、隣接する前記接続配線間にスペースが存在し、複数の前記スペースの内、最小の幅を有する前記スペースは最小のスペースであって、前記最小のスペースの幅は1μm以上、3μm以下である。
【請求項13】
請求項1のプリント配線板であって、前記シード層は第1層と前記第1層上に形成される第2層を有しており、前記第1層と前記第2層はスパッタリング製膜であって、前記第1層は銅とアルミニウムと特定金属を含有する合金からなり、前記第2層は銅で形成されている。
【請求項14】
請求項13のプリント配線板であって、前記特定金属はケイ素である。
【請求項15】
請求項6のプリント配線板であって、前記第1無機粒子は酸素元素を含む。
【請求項16】
請求項1のプリント配線板であって、さらに、前記第1電極上に形成されている第1バンプと前記第2電極上に形成されている第2バンプを有し、前記第1バンプと前記第2バンプは半田、または、めっきで形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、プリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、第1導体層と、第1導体層上に形成されている絶縁層と、絶縁層上に形成されている第2導体層とを有するプリント配線板を開示している。絶縁層は第1導体層を露出するビア導体用の貫通孔を有する。貫通孔内に第1導体層と第2導体層を接続するビア導体が形成されている。ビア導体は無電解めっき層および電解めっき層で形成されている。絶縁層は樹脂と無機粒子を含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-126103号公報
【発明の概要】
【0004】
[特許文献1の課題]
特許文献1の図17に示されるように、特許文献1は貫通孔の壁面(内周面)上に中間層を有する。中間層は、無機粒子間に形成されている隙間により、複雑な凹凸面を有する。中間層に含まれる無機粒子は絶縁層に含まれる無機粒子と同じである。特許文献1の図18に示されるように、特許文献1は、貫通孔内に無電解めっき膜を形成する。しかしながら、凹凸が複雑であると、隙間を無電解めっき膜で完全に充填することは難しいと考えられる。無電解めっき膜が析出する時、反応により発生するガスが隙間を充填することを阻害すると考えられる。特許文献1の技術によれば、ビア導体がボイドを含むと考えられる。特許文献1のビア導体の側壁は複雑な凹凸面上に形成されている。そのため、特許文献1のビア導体は高速な信号を伝送することができないと考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のプリント配線板は、第1電子部品を搭載するための第1電極と第2電子部品を搭載するための第2電極を有する搭載用導体層と、前記搭載用導体層下に位置し、前記第1電極と前記第2電極を電気的に接続する接続配線を有する接続用導体層と、前記搭載用導体層と前記接続用導体層の間に配置され、第1開口と第2開口を含む複数の開口を有する樹脂絶縁層と、前記第1開口内に形成され前記第1電極と前記接続配線を電気的に繋ぐ第1接続ビア導体と、前記第2開口内に形成され前記第2電極と前記接続配線を電気的に繋ぐ第2接続ビア導体、とを有する。前記搭載用導体層と前記第1接続ビア導体と前記第2接続ビア導体はシード層と前記シード層上の電解めっき層で形成されている。前記シード層は、前記樹脂絶縁層上の第1部分と前記開口の内壁面上の第2部分と前記開口から露出する前記接続用導体層上の第3部分を有しており、前記第1部分の厚さは前記第2部分の厚さと前記第3部分の厚さより厚い。
【0006】
本発明の実施形態のプリント配線板では、第2部分の厚さが第1部分の厚さより小さい。シード層形成後のビア導体(第1接続ビア導体、第2接続ビア導体等)用の開口の体積を大きくすることができる。ビア導体用の開口の径が小さくても、ビア導体用の開口を電解めっき層で充填することができる。接続用導体層とビア導体(第1接続ビア導体、第2接続ビア導体等)は第3部分を介して接続される。第3部分の厚さが第1部分の厚さより小さい。実施形態は第3部分の影響を小さくすることができる。第3部分を介する接続抵抗が高くなりがたい。高品質のプリント配線板が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施形態のプリント配線板を模式的に示す平面図。
図2図1のII-II間の断面図。
図3図1のIII-III間の断面図。
図4】実施形態のプリント配線板の一部を模式的に示す拡大断面図。
図5】実施形態のプリント配線板の一部を模式的に示す拡大断面図。
図6】シード層の一部を模式的に示す拡大断面図。
図7】実施形態の改変例のプリント配線板を模式的に示す断面図。
図8A】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
図8B】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
図8C】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
図8D】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す拡大断面図。
図8E】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
図8F】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
図8G】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
図8H】実施形態のプリント配線板の製造方法を模式的に示す断面図。
図9】3つの接続用内部導体層を有するプリント配線板を模式的に示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[実施形態]
図1は実施形態のプリント配線板2を示す平面図である。図2図1のII-II間の断面図である。図3図1のIII-III間の断面図である。図4図5は実施形態のプリント配線板2の一部を示す拡大断面図である。図1図2に示されるように、プリント配線板2は上面2aと上面2aと反対側の下面2bを有する。プリント配線板2は、第1電子部品E1を搭載するための第1搭載領域A1と第2電子部品E2を搭載するための第2搭載領域A2を有する。第1搭載領域A1は第1電子部品E1直下に位置する。第2搭載領域A2は第2電子部品E2直下に位置する。図1中に実線で示されている丸は電子部品を搭載するためのバンプ(金属ポスト)241、242、243、244を示す。点線で描かれている配線はプリント配線板2内に埋まっている接続配線36を示す。第1電子部品E1と第2電子部品E2の例はロジックIC、メモリ等の電子部品である。
【0009】
図1図3に示されるように、プリント配線板2は、導体層10と樹脂絶縁層(第1樹脂絶縁層)20と接続用導体層30とビア導体41、42、141、142、143、144と樹脂絶縁層(第2樹脂絶縁層)120と搭載用導体層130とバンプ241、242、243、244を有する。図2に示されるように、ビア導体41、141、143は第1搭載領域A1の直下に配置されている。バンプ241、243は第1搭載領域A1の直上に配置されている。ビア導体42、142、144は第2搭載領域A2の直下に配置されている。バンプ242、244は第2搭載領域A2の直上に配置されている。
【0010】
接続用導体層30は接続配線36を含む。接続配線36を介して、第1電子部品E1から第2電子部品E2へデータが伝送される。接続配線36は第1電子部品E1から第2電子部品E2へデータを送るための経路の一部である。搭載用導体層130は電極131、132、133、134を含む。第1電子部品E1と接続配線36間の経路(第1経路)内にバンプ241と電極131とビア導体141が配置されている。第1経路は第1電子部品E1直下に位置する。第2電子部品E2と接続配線36間の経路(第2経路)内にバンプ242と電極132とビア導体142が配置されている。第2経路は第2電子部品E2直下に位置する。バンプ241と電極131、ビア導体141、バンプ242、電極132、ビア導体142も経路の一部である。バンプ241、242を接続バンプ(接続金属ポスト)と呼ぶことができる。第1電子部品E1直下に位置する接続バンプ241は第1接続バンプ(第1接続金属ポスト)であり、第2電子部品E2直下に位置する接続バンプ242は第2接続バンプ(第2接続金属ポスト)である。電極131、132を接続電極と呼ぶことができる。第1電子部品E1直下に位置する接続電極131は第1接続電極であり、第2電子部品E2直下に位置する接続電極132は第2接続電極である。ビア導体141、142を接続ビア導体と呼ぶことができる。第1電子部品E1直下に位置する接続ビア導体141は第1接続ビア導体であり、第2電子部品E2直下に位置する接続ビア導体142は第2接続ビア導体である。第1接続バンプは第1バンプ(第1金属ポスト)と呼ばれても良い。第1接続電極は第1電極と呼ばれても良い。第1接続ビア導体は第1ビア導体と呼ばれても良い。第2接続バンプは第2バンプ(第2金属ポスト)と呼ばれても良い。第2接続電極は第2電極と呼ばれても良い。第2接続ビア導体は第2ビア導体と呼ばれても良い。第1電子部品E1直下に位置し、接続配線36に電気的に繋がっている第1バンプと第1電極と第1ビア導体は第1経路を形成する。第2電子部品E2直下に位置し、接続配線36に電気的に繋がっている第2バンプと第2電極と第2ビア導体は第2経路を形成する。
【0011】
ビア導体41、42、143、144と電極133、134とバンプ243、244は経路を形成しない。これらのビア導体41、42、143、144と電極133、134とバンプ243、244は電子部品内の電源ライン、もしくは、グランドラインと電気的に繋がっている。これらのビア導体41、42、143、144と電極133、134とバンプ243、244は接続配線36と独立している。これらのビア導体41、42、143、144と電極133、134とバンプ243、244は接続配線36に電気的に繋がっていない。
【0012】
図2に示されるように、導体層10はパッド12、14を含む。パッド12、14はプリント配線板2の下面2bから露出する。パッド12、14は別のプリント配線板や電子部品と接続するために用いられる。導体層10は主に銅によって形成される。
【0013】
樹脂絶縁層(第1樹脂絶縁層)20は導体層10上に形成されている。樹脂絶縁層20は第1面20aと第1面20aと反対側の第2面20bを有する。樹脂絶縁層20の第2面20bはプリント配線板2の下面2bを形成する。樹脂絶縁層20の第2面20bは導体層10と対向する。樹脂絶縁層20は導体層10を露出する開口(ビア導体用の開口)21、22を有する。開口21は第1搭載領域A1の直下に位置し、パッド12を露出する。開口21は樹脂絶縁層20の第1面20aからパッド12に至る。開口22は第2搭載領域A2の直下に位置し、パッド14を露出する。開口22は樹脂絶縁層20の第1面20aからパッド14に至る。樹脂絶縁層20は樹脂80と樹脂80内に分散されている多数の無機粒子90で形成されている。樹脂80はエポキシ系樹脂である。樹脂の例は熱硬化性樹脂と光硬化性樹脂である。無機粒子90はガラス粒子である。無機粒子90はアルミナであってもよい。
【0014】
図2図4に示されるように、無機粒子90は第1無機粒子91と第2無機粒子92を含む。第2無機粒子92は樹脂絶縁層(第1樹脂絶縁層20、第2樹脂絶縁層120等)内に埋まっている。第1無機粒子91は開口(ビア導体用の開口)の内壁面を形成する。第2無機粒子92の形は球である。第1無機粒子91の形状は球を平面で切断することで得られる。第1無機粒子91の形状は第2無機粒子92を平面で切断することで得られる。第1無機粒子91の形状と第2無機粒子92の形状は異なる。
【0015】
樹脂絶縁層20の第1面20aは樹脂80のみで形成されている。第1面20aから無機粒子90(第2無機粒子92)は露出しない。第1面20aは第2無機粒子92の表面を含まない。樹脂絶縁層20の第1面20aには凹凸が形成されていない。第1面20aは荒らされていない。第1面20aは平滑に形成されている。
【0016】
図4に示されるように、開口(ビア導体用の開口)の内壁面23は樹脂80と第1無機粒子91で形成されている。図4には開口の代表例として開口21が示されている。第1無機粒子91は平坦部91aを有する。平坦部91aは内壁面23を形成する。内壁面23は樹脂80と平坦部91aで形成されている。平坦部91aと内壁面23を形成する樹脂80の面は、ほぼ共通な面を形成する。内壁面23を形成する樹脂80上に凹凸が形成されない。内壁面23を形成する樹脂80の面は平滑である。平坦部91aの露出面91b(内壁面23を形成する面)上に凹凸が形成されない。平坦部91aの露出面91bは平滑である。内壁面23は平滑に形成される。内壁面23の算術平均粗さ(Ra)は1.0μm以下である。
【0017】
第1無機粒子91の平坦部91aは第1無機粒子91の周りに形成されている樹脂80の面(内壁面23を形成する面)80aを延長することで得られる面とほぼ一致する。図2図4中に実質的な直線で描かれている平坦部91aは平面を意味している。図2図4に示される断面において平坦部91aは平面である。平坦部91aは完全な平面でなくてもよい。平坦部91aは実質的な平面であってほぼ平滑な面である。
【0018】
図4に示されるように、開口21の内壁面23は傾斜している。パッド12の上面と内壁面23との間の角度(傾斜角度)θ1は70°以上85°以下である。パッド12の上面は導体層10の上面に含まれる。樹脂絶縁層20の第1面20aと内壁面23との間の角度(傾斜角度)θ2は95°以上110°以下である。
【0019】
図2図4に示される断面では開口21等のビア導体用の開口の形状は略逆台形に示されている。しかしながら、実際のビア導体用の開口の形状は略逆円錐台形状である。そのため実際のビア導体用の開口の内壁面(側壁)は略曲面である。すなわち、平坦部91aと樹脂80で形成される共通な面は略曲面で形成される内壁面(側壁)を含む。
【0020】
内壁面は、第1無機粒子91の露出面91bとその露出面91bを有する第1無機粒子91を囲んでいる樹脂80の面80aとの間に段差を有することができる。露出面91bは樹脂80の面80aから凹んでいる。あるいは、露出面91bは樹脂80の面80aから出っ張っている。例えば、露出面91bと樹脂80の面80aとの間に段差が存在する。段差の量(露出面91bと樹脂80の面80aとの間の距離)は5μm以下である。段差の量は3μm以下であることが好ましい。段差の量は1.5μm以下であることがより好ましい。段差が形成されていても、段差が小さいので、露出面91bと樹脂80の面80aはほぼ共通な面を形成する。
【0021】
樹脂絶縁層20に形成されている開口21、22のそれぞれは同様である。樹脂絶縁層20に形成されている開口21、22のそれぞれは同様な内壁面23、24を有する。各開口21、22の内壁面23、24は樹脂80の面80aと第1無機粒子91の露出面91bで形成されている。
【0022】
図2図3に示されるように、接続用導体層(第1接続用導体層)30は樹脂絶縁層20の第1面20a上に形成されている。図2に示されるように、接続用導体層30はパッド32、34と接続配線36を含む。接続配線36は一端と一端と反対側の他端を有する。パッド32は第1パッド32であって、接続配線36の一端に直接繋がっている。パッド34は第2パッド34であって、接続配線36の他端に直接繋がっている。第1パッド32は第1搭載領域A1の直下に形成されている。第2パッド34は第2搭載領域A2の直下に形成されている。図3に示されるように、一つの接続用導体層30は複数の接続配線36を含む。図示されていないが、一つの接続用導体層30は複数の第1パッド32と複数の第2パッド34を含む。各接続配線36の両端に一つの第1パッド32と一つの第2パッド34が繋がっている。接続用導体層30内の接続配線36は第1パッド32と第2パッド34を含むことができる。第1パッド32は第1経路に含まれる。第2パッド34は第2経路に含まれる。接続配線36に直接繋がっているパッド(第1パッド32、第2パッド34等)は接続パッドと呼ばれても良い。第1パッド32を第1接続パッドと呼ぶことができる。第2パッド34を第2接続パッドと呼ぶことができる。第1電子部品E1直下に位置し、接続配線36に直接繋がっている第1パッド32は第1経路を形成する。第2電子部品E2直下に位置し、接続配線36に直接繋がっている第2パッド34は第2経路を形成する。
【0023】
接続配線36のそれぞれはほぼ平行に配置されている。複数の接続配線36の内、最小の幅W1を有する接続配線36は最小の接続配線36aである。最小の接続配線36aの幅W1は1μm以上、3μm以下である。隣接する接続配線36間にはスペース37が存在する。複数のスペース37の内、最小の幅G1を有するスペース37は最小のスペース37aである。最小のスペース37aの幅G1は1μm以上、3μm以下である。
【0024】
複数の接続配線36の内、最大の幅W2を有する接続配線36は最大の接続配線36bである。最大の接続配線36bの幅W2は5μm以下である。最大の接続配線36bの幅W2は3μm以下であることが好ましい。複数のスペース37の内、最大の幅G2を有するスペースは最大のスペース37bである。最大のスペース37bの幅G2は5μm以下である。最大のスペース37bの幅G2は3μm以下であることが好ましい。
【0025】
各接続配線36の幅は1μm以上、3μm以下であることが好ましい。各スペース37の幅は1μm以上、3μm以下であることが好ましい。
【0026】
接続配線36のそれぞれはアスペクト比(厚み/幅)を有する。アスペクト比は2.0以上、4.0以下である。
【0027】
接続用導体層30は主に銅によって形成される。接続用導体層30は、樹脂絶縁層20の第1面20a上のシード層30aとシード層30a上の電解めっき層30bで形成されている。シード層30aはスパッタリングによって形成されている。シード層30aは樹脂絶縁層20の第1面20a上の第1層31aと第1層31a上の第2層31bで形成されている。第1層31aは樹脂絶縁層20の第1面20aに接している。例えば、シード層30aと第1層31aは銅合金で形成され、第2層31bは銅で形成される。第2層31bは必須ではない。第1層31aと第2層31bはスパッタリングで形成される。両者はスパッタリング製膜である。
【0028】
第1層31aは銅とアルミニウムと特定金属を含有する合金からなる。特定金属の例は、ニッケル、亜鉛、ガリウム、ケイ素、マグネシウムである。合金は1種類の特定金属、または、2種類の特定金属、または、3種類の特定金属を含むことが好ましい。合金中のアルミニウムの含有量は1.0at%以上15.0at%以下である。特定金属の例はケイ素である。合金中の特定金属の含有量は0.5at%以上10.0at%以下である。第1層31aは不純物を含んでも良い。不純物の例は酸素と炭素である。第1層31aは酸素、または、炭素を含むことができる。第1層31aは酸素と炭素を含むことができる。実施形態では、合金はさらに炭素を含有している。合金中の炭素の含有量は50ppm以下である。合金はさらに酸素を含有している。合金中の酸素の含有量は100ppm以下である。上記各元素の含有量の値は一例である。第1層31aを形成する元素の中で銅の量が最も大きい。次いで、アルミニウムの量が大きい。特定金属の量はアルミニウムの量より小さい。従って、銅は主の金属であり、アルミニウムは第1の副の金属であり、特定金属は第2の副の金属である。不純物の量は特定金属の量より小さい。
【0029】
第2層31bは銅で形成されている。第2層31bを形成している銅の含有量は99.9at%以上である。第2層31b中の銅の含有量は99.95at%以上であることが好ましい。電解めっき層30bは銅で形成されている。電解めっき層30bを形成している銅の含有量は99.9at%以上である。電解めっき層30b中の銅の含有量は99.95at%以上であることが好ましい。
【0030】
図4に示されるように、シード層30aは、第1面20a上の第1部分P1と、開口21の内壁面23上の第2部分P2と、開口21から露出するパッド12上の第3部分P3を有している。第3部分P3は開口21により露出される導体層10上に形成されている。第3部分P3を形成するシード層30aは開口21のボトム開口を塞いでいる。第3部分P3を形成する第1層31aは開口21のボトム開口を塞いでいる。ボトム開口はパッド12の上面上に位置する。
【0031】
図6はシード層30aの一部を示す拡大断面図である。図6(a)は図4中の符号VI-1で示される部分(第1部分P1)を示す。図6(b)は図4中の符号VI-2で示される部分(第2部分P2)を示す。図6(c)は図4中の符号VI-3で示される部分(第3部分P3)を示す。図6に示されるように、第1部分P1の厚さT1は、第2部分P2の厚さT2と第3部分P3の厚さT3より厚い。第3部分P3の厚さT3は第2部分P2の厚さT2より厚い。
【0032】
シード層30aが複数の層で形成される場合、厚さT1と厚さT2と厚さT3は各層の厚さの合計である。第1層31aの第1部分P1の厚さT1aは、第1層31aの第2部分P2の厚さT2aと第1層31aの第3部分P3の厚さT3aより厚い。第1層31aの第3部分P3の厚さT3aは第1層31aの第2部分P2の厚さT2aより厚い。他の層の厚さも第1層31aの厚さと同様な関係を有する。従って、シード層30aが2層で形成される場合、第2層31bの第1部分P1の厚さT1bは、第2層31bの第2部分P2の厚さT2bと第2層31bの第3部分P3の厚さT3bより厚い。第2層31bの第3部分P3の厚さT3bは第2層31bの第2部分P2の厚さT2bより厚い。
【0033】
第2部分P2の厚さT2と第1部分P1の厚さT1との比(第2部分P2の厚さT2/第1部分P1の厚さT1)は0.2以上、0.6以下である。第3部分P3の厚さT3と第1部分P1の厚さT1との比(第3部分P3の厚さT3/第1部分P1の厚さT1)は0.5以上0.9以下である。厚さT2aと厚さT1aとの比(厚さT2a/厚さT1a)と厚さT2bと厚さT1bとの比(厚さT2b/厚さT1b)は0.2以上、0.6以下である。厚さT3aと厚さT1aとの比(厚さT3a/厚さT1a)と厚さT3bと厚さT1bとの比(厚さT3b/厚さT1b)は0.5以上0.9以下である。
【0034】
第2層31bの厚さは第1層31aの厚さより厚い。厚さT1bは厚さT1aより厚い。厚さT2bは厚さT2aより厚い。厚さT3bは厚さT3aより厚い。
【0035】
シード層30aが第1層31aのみで形成される場合、第1層31aの第1部分P1の厚さT1aは、第1層31aの第2部分P2の厚さT2aと第1層31aの第3部分P3の厚さT3aより厚い。第1層31aの第3部分P3の厚さT3aは第1層31aの第2部分P2の厚さT2aより厚い。
【0036】
シード層30aの第1部分P1の厚さT1は、0.02μm以上1.0μm以下である。第1層31aの第1部分P1の厚さT1aは、0.01μm以上0.5μm以下である。第2層31bの第1部分P1の厚さT1bは、0.01μm以上0.9μm以下である。シード層30aの第1部分P1の厚さT1が0.02μm未満であると、樹脂絶縁層20とシード層30a間の密着強度が低い。第1部分P1の厚さT1が1.0μmを越えると、シード層30aを除去するためのエッチング量が多い。配線幅の制御が難しい。
【0037】
シード層30aの第2部分P2の厚さT2は、0.004μm以上0.6μm以下である。第1層31aの第2部分P2の厚さT2aは、0.002μm以上0.3μm以下である。第2層31bの第2部分P2の厚さT2bは、0.002μm以上0.54μm以下である。
【0038】
シード層30aの第3部分P3の厚さT3は、0.01μm以上0.9μm以下である。第1層31aの第3部分P3の厚さT3aは、0.005μm以上0.45μm以下である。第2層31bの第3部分P3の厚さT3bは、0.005μm以上0.81μm以下である。
【0039】
実施形態は、接続用導体層30の表面(上面と側面)上に接着層100を形成することができる。接着層100は必須ではない。接続用導体層30の表面は第1表面と第2表面で形成される。表面の内、第1表面はビア導体用の開口により露出される部分である。第2表面は第1表面以外の部分である。第1表面は接着層100で覆われず、第2表面は接着層100で覆われる。接着層100は接続用導体層30に接している。接着層100は接続用導体層30の第2表面に接している。接着層100は樹脂で形成されている。接着層100は有機製の材料(有機製樹脂)で形成されている。有機製の材料の例は窒素系有機化合物である。窒素系有機化合物は例えばテトラゾール化合物である。窒素系有機化合物の例は特開2015-54987号公報に開示されている。接着層100は接続用導体層30から露出する樹脂絶縁層20の第1面20aを覆っていない。接着層100は接続用導体層30と第2樹脂絶縁層120の間に形成されている。接着層100は接続用導体層30と樹脂絶縁層(第2樹脂絶縁層)120で挟まれている。接着層100は接続用導体層30と樹脂絶縁層120を接着している。接続配線36は第2表面のみを有することができる。
【0040】
図5は接続配線36の第2表面上に形成されている接着層100の一部を示す拡大断面図である。図5に示されるように、接着層100は、ほぼ平滑な平滑膜102と平滑膜102から突出している複数の突出部104で形成されている。パッド(パッド32、34等)の第2表面上に形成されている接着層100は、図5と同様な平滑膜102と複数の突出部104で形成されている。形状も同様である。
【0041】
平滑膜102はほぼ均一な厚みTを有する。平滑膜102の厚みTは、10nm以上、120nm以下である。突出部104から露出する平滑膜102の面積(S1)と接着層100の面積(S2)との比(S1/S2)は0.1以上、0.5以下である。接続用導体層30の第2表面上の平滑膜102は接続用導体層30の第2表面の形状にほぼ沿って形成されている。接続用導体層30の上面と側面にうねりが形成されている場合、平滑膜102はそのうねりに追随している。
【0042】
突出部104は複数の突起106で形成されている。複数の突起106により、突出部104の上面に凹凸が形成される。1mmあたりの突起106の数は5以上、15以下である。突出部104は、平滑膜102の上面と突出部104の頂部間に高さH1、H2を有する。高さH1、H2の最大値は、平滑膜102の厚みTの10倍以上30倍以下である。高さH1、H2は、200nm以上、450nm以下である。
【0043】
図2に示されるように、開口(ビア導体用の開口21、22)内にビア導体41、42が形成されている。ビア導体41、42は導体層10と接続用導体層30を電気的に接続する。ビア導体41、42と接続用導体層30は同時に形成される。ビア導体41、42はシード層30aとシード層30a上の電解めっき層30bで形成されている。ビア導体41、42を形成するシード層30aと接続用導体層30を形成するシード層30aは共通である。ビア導体41、42を形成する電解めっき層30bと接続用導体層30を形成する電解めっき層30bは共通である。ビア導体41、42を形成するシード層30aは、ビア導体用の開口21、22の内壁面23、24上とビア導体用の開口21、22から露出するパッド12、14上に形成されている第1層31aと第1層31a上の第2層31bで形成されている。第1層31aはパッド12、14と内壁面23、24に接している。樹脂絶縁層(第1樹脂絶縁層)20は接続用導体層(第1接続用導体層)30を支えている。樹脂絶縁層(第1樹脂絶縁層)20の第1面20aと接している接続用導体層(第1接続用導体層)30と樹脂絶縁層(第1樹脂絶縁層)20を貫通するビア導体41、42は同時に形成される。実施形態は、ビア導体41、42を形成するシード層30aの厚みを薄くすることができる。実施形態は、ビア導体41、42を形成する第1層31aの厚みを薄くすることができる。実施形態は、ビア導体41、42を形成する第2層31bの厚みを薄くすることができる。従って、実施形態は微細な接続配線36を有する接続用導体層30を形成することができる。
【0044】
図2に示されるように、第1面120aと第1面120aと反対側の第2面120bを有する樹脂絶縁層(第2樹脂絶縁層)120は、接着層100を介して接続用導体層30と樹脂絶縁層20上に形成されている。樹脂絶縁層120は接着層100によって接続用導体層30と接着している。樹脂絶縁層120は接着層100に接している。樹脂絶縁層120の第2面120bは接続用導体層30と対向する。樹脂絶縁層120は樹脂絶縁層20と同様に樹脂80と無機粒子90(第1無機粒子91、第2無機粒子92)で形成されている。従って、樹脂絶縁層(第2樹脂絶縁層)120の材質と樹脂絶縁層(第1樹脂絶縁層)20の材質は同様である。樹脂絶縁層120の第1面120aと樹脂絶縁層20の第1面20aは同様である。
【0045】
樹脂絶縁層120は開口(ビア導体用の開口)121、122、123、124を有する。開口121は第1パッド32を露出する第1開口121である。開口122は第2パッド34を露出する第2開口122である。第1開口121と開口123は第1搭載領域A1の直下に形成されている。第2開口122と開口124は第2搭載領域A2の直下に形成されている。第1開口121と第2開口122は接続配線36に直接繋がっているパッド32、34に至る。このような開口(第1開口121、第2開口122等)は接続ビア導体用の開口と呼ばれてもよい。第1電子部品E1直下に位置する第1開口121は第1接続ビア導体用開口であり、第2電子部品E2直下に位置する第2開口122は第2接続ビア導体用開口である。第1開口121と第2開口122、開口123、124は図4に示されている開口21と同様である。従って、第1開口121の内壁面125と第2開口122の内壁面126と開口123、124の内壁面は図4に示されている開口21の内壁面23と同様である。樹脂絶縁層(第2樹脂絶縁層)120を貫通するビア導体用の開口の内壁面と樹脂絶縁層(第1樹脂絶縁層)20を貫通するビア導体用の開口の内壁面は同様である。各樹脂絶縁層を貫通するビア導体用の開口のそれぞれは、実質的に同様な内壁面を有する。
【0046】
搭載用導体層130は樹脂絶縁層120の第1面120a上に形成されている。搭載用導体層130を支える樹脂絶縁層120は最上の樹脂絶縁層である。搭載用導体層130は最上の樹脂絶縁層の第1面に接している。搭載用導体層130は複数の第1電極131と複数の第2電極132を含む。搭載用導体層130は第1電極131と第2電極132以外の電極133、134を含む。第1電極131と電極133は第1搭載領域A1に形成されている。第1電極131と電極133を介してプリント配線板2上に第1電子部品E1が実装される。第2電極132と電極134は第2搭載領域A2に形成されている。第2電極132と電極134を介してプリント配線板2に第2電子部品E2が実装される。搭載用導体層130は、さらに、複数の接続配線(第2接続配線)を有しても良い。その場合、第2接続配線は一端と一端と反対側の他端を有する。第2接続配線の一端は一つの第1電極131に直接繋がっている。第2接続配線の他端は一つの第2電極132に直接繋がっている。第2接続配線は第1電極131と第2電極132を電気的に接続している。第2接続配線を介して第1電子部品E1から第2電子部品E2へデータが伝送される。搭載用導体層130内の接続配線は必須ではない。搭載用導体層130内の接続配線は第1電極131と第2電極132を含むことができる。
【0047】
搭載用導体層130と接続用導体層30は同様である。従って、搭載用導体層130は、シード層130aとシード層130a上の電解めっき層130bで形成されている。シード層130aは第1層131aと第1層131a上の第2層131bで形成されている。搭載用導体層130を形成するシード層130aと接続用導体層30を形成するシード層30aは同様である。搭載用導体層130を形成する第1層131aと接続用導体層30を形成する第1層31aは同様である。搭載用導体層130を形成する第2層131bと接続用導体層30を形成する第2層31bは同様である。搭載用導体層130を形成する電解めっき層130bと接続用導体層30を形成する電解めっき層30bは同様である。
【0048】
搭載用導体層130が接続配線を含む場合、搭載用導体層130内の接続配線と接続用導体層30内の接続配線36は同様である。従って、搭載用導体層130内の接続配線に関する幅W1、G1、W2、G2のそれぞれは接続用導体層30内の接続配線36に関する幅W1、G1、W2、G2のそれぞれと同様である。搭載用導体層130内の接続配線のアスペクト比(厚み/幅)は2.0以上、4.0以下である。
【0049】
実施形態は搭載用導体層130の表面(上面と側面)上に接着層150を形成することができる。接着層150は必須ではない。搭載用導体層130の表面は第3表面と第4表面で形成される。表面の内、第3表面は開口により露出される部分である。開口の例はバンプ形成用の開口である。第4表面は第3表面以外の部分である。第3表面は接着層150で覆われず、第4表面は接着層150で覆われる。搭載用導体層130の第4表面を覆う接着層150は接続用導体層30の第2表面を覆う接着層100と同様である。従って、接着層150は、ほぼ平滑な平滑膜102と平滑膜102から突出している突出部104で形成されている(図5参照)。接着層150は搭載用導体層130から露出する樹脂絶縁層120の第1面120aを覆っていない。接着層150は搭載用導体層130と絶縁層220を接着している。搭載用導体層130が接続配線を含む場合、接続配線は第4表面のみを有することができる。
【0050】
樹脂絶縁層120を貫通する各開口(ビア導体用の開口)121、122、123、124にビア導体141、142、143、144が形成されている。第1開口121内に形成されているビア導体141は第1接続ビア導体141である。第1接続ビア導体141は接続配線36の一端から延びている第1パッド32に繋がる。第2開口122内に形成されているビア導体142は第2接続ビア導体142である。第2接続ビア導体142は接続配線36の他端から延びている第2パッド34に繋がる。第1接続ビア導体141と第2接続ビア導体142は接続用導体層30と搭載用導体層130を電気的に接続する。第1接続ビア導体141は第1パッド32と第1電極131を電気的に接続する。第2接続ビア導体142は第2パッド34と第2電極132を電気的に接続する。第1接続ビア導体141は第1電極131と接続配線36を電気的に接続する。第2接続ビア導体142は第2電極132と接続配線36を電気的に接続する。接続ビア導体141、142用の開口121、122の内壁面125、126は第1無機粒子91の露出面91bと樹脂80の面80aで形成される。第1無機粒子91の露出面91bと樹脂80の面80aはほぼ共通な面を形成する。接続ビア導体用の開口の内壁面はほぼ平坦である。そのため、第1電極131から第2電極132に至るデータが接続ビア導体141、142を通過する時、データが劣化しがたい。実施形態の接続ビア導体は高速なデータを伝送するためのビア導体に適する。実施形態のプリント配線板2は、接続ビア導体を介して大容量のデータを伝送することができる。
【0051】
接続ビア導体はシード層130aとシード層130a上の電解めっき層130bで形成されている。第1接続ビア導体141と第2接続ビア導体142は接続ビア導体の例である。接続ビア導体141、142を形成するシード層130aと搭載用導体層130を形成するシード層130aは共通である。接続ビア導体141、142を形成する第1層131aと搭載用導体層130を形成する第1層131aは共通である。接続ビア導体141、142を形成する第2層131bと搭載用導体層130を形成する第2層131bは共通である。接続ビア導体141、142を形成する電解めっき層130bと搭載用導体層130を形成する電解めっき層130bは共通である。接続ビア導体141、142を形成するシード層130aは、接続ビア導体用の開口121、122の内壁面125、126と接続ビア導体用の開口121、122から露出するパッド32、34上に形成されている第1層131aと第1層131a上の第2層131bで形成されている。第1層131aは内壁面125、126とパッド32、34に接している。接続ビア導体用の開口121、122以外の開口123、124内にビア導体143、144が形成されている。
【0052】
接続ビア導体141、142とビア導体143、144を形成するシード層130aとビア導体41、42を形成するシード層30aは同様である。接続ビア導体141、142とビア導体143、144を形成する第1層131aとビア導体41、42を形成する第1層31aは同様である。接続ビア導体141、142とビア導体143、144を形成する第2層131bとビア導体41、42を形成する第2層31bは同様である。接続ビア導体141、142とビア導体143、144を形成する電解めっき層130bとビア導体41、42を形成する電解めっき層30bは同様である。
【0053】
第1面120a上の第1部分P1と開口121、122の内壁面125、126上の第2部分P2と開口121、122から露出するパッド32、34上の第3部分P3を有しているシード層130aとシード層30aは同様である。そのため、シード層130aとシード層30aは第1部分P1と第2部分P2と第3部分P3に関して同様な厚みの関係を有する。第1層131aと第1層31aは第1部分P1と第2部分P2と第3部分P3に関して同様な厚みの関係を有する。第2層131bと第2層31bは第1部分P1と第2部分P2と第3部分P3に関して同様な厚みの関係を有する。従って、シード層130aと第1層131a、第2層131bは第1部分P1と第2部分P2、第3部分P3に関して次の関係を有する。第1部分P1の厚さは第2部分P2の厚さと第3部分P3の厚さより厚い。第3部分P3の厚さは第2部分P2の厚さより厚い。第2層131bの厚さは第1層131aの厚さより厚い。第2層131bを形成する各部分(第1部分P1、第2部分P2、第3部分P3)の厚さは第1層131aを形成する各部分(第1部分P1、第2部分P2、第3部分P3)の厚さより厚い。同様な厚みの関係は各部分(第1部分P1、第2部分P2、第3部分P3)の厚みの範囲や厚みの比(第2部分P2の厚さ/第1部分P1の厚さ、第3部分P3の厚さ/第1部分P1の厚さ等)を含む。
【0054】
搭載用導体層は搭載用導体層を支える樹脂絶縁層(搭載用樹脂絶縁層)の直上に形成される。搭載用導体層は搭載用樹脂絶縁層に接する。搭載用導体層を形成するシード層と搭載用樹脂絶縁層を貫通しているビア導体を形成するシード層は共通である。両者は同時に形成される。搭載用導体層を形成する第1層と搭載用樹脂絶縁層を貫通しているビア導体を形成する第1層は共通である。両者は同時に形成される。搭載用導体層を形成する第2層と搭載用樹脂絶縁層を貫通しているビア導体を形成する第2層は共通である。両者は同時に形成される。第1層と第2層はシード層を形成する。搭載用導体層を形成する電解めっき層と搭載用樹脂絶縁層を貫通するビア導体を形成している電解めっき層は共通である。両者は同時に形成される。搭載用樹脂絶縁層を貫通しているビア導体用の開口の内壁面と図4に示される開口21の内壁面23は同様である。そのため、実施形態は搭載用導体層を形成するシード層の厚みを薄くすることができる。搭載用導体層は微細な接続配線を有することができる。
【0055】
第1面220aと第1面220aと反対側の第2面220bを有する絶縁層220が搭載用導体層130と樹脂絶縁層120の第1面120a上に形成されている。実施形態は搭載用導体層130上に接着層150を形成することができる。その場合、絶縁層220は、接着層150を介して搭載用導体層130上に形成される。搭載用導体層130上に形成される接着層150と接続用導体層30上の接着層100は同様である。絶縁層220は接着層150によって搭載用導体層130と接着している。絶縁層220の第2面220bは搭載用導体層130と対向する。絶縁層220はソルダーレジスト層として機能する。絶縁層220の材質と樹脂絶縁層20、120の材質は異なることが好ましい。絶縁層220は例えば感光剤を含むエポキシ樹脂又はポリイミド樹脂を用いて形成されている。
【0056】
絶縁層220は電極131、132、133、134を露出する開口(バンプ用開口)221、222、223、224を有する。開口221は第1電極131を露出する第1開口(バンプ用第1開口)221である。開口222は第2電極132を露出する第2開口(バンプ用第2開口)222である。第1開口221と開口223は第1搭載領域A1の直上に形成されている。第2開口222と開口224は第2搭載領域A2の直上に形成されている。
【0057】
バンプ241、242、243、244が開口(バンプ用開口)221、222、223、224から露出する電極131、132、133、134上に形成されている。第1開口(バンプ用第1開口)221から露出する第1電極131上に形成されているバンプ241は第1バンプ241である。第2開口(バンプ用第2開口)222から露出する第2電極132上に形成されているバンプ242は第2バンプ242である。バンプ241、242、243、244は電子部品(第1電子部品E1、第2電子部品E2等)をプリント配線板2上に実装するためのバンプの例である。第1バンプ241とバンプ243は第1搭載領域A1上に位置し、それらのバンプ241、243を介してプリント配線板2上に第1電子部品E1が実装される。第2バンプ242とバンプ244は第2搭載領域A2上に位置し、それらのバンプ242、244を介してプリント配線板2上に第2電子部品E2が実装される。
【0058】
各バンプ241、242、243、244は開口221、222、223、224を充填する部分(第1部分)と第1部分上の第2部分(ランド)で形成される。第2部分は第1部分の直上と開口221、222、223、224の周りの絶縁層220の第1面220a上に形成されている。第2部分は絶縁層220の第1面220aから突出している。第1部分と第2部分は連続している。両者は一体的に形成されている。第1バンプ241によって第1電子部品E1と第1電極131が電気的に接続される。第2バンプ242によって第2電子部品E2と第2電極132が電気的に接続される。第1電子部品E1と第2電子部品E2は第1バンプ241と第1接続ビア導体141と接続配線36と第2接続ビア導体142と第2バンプ242を介して接続される。第1電子部品E1から第2電子部品E2にデータが送られる時、データは接続ビア導体と接続配線を含む経路を介して伝送される。接続ビア導体と接続配線はほぼ平坦な面上に形成されているスパッタリング製シード層を含むため、実施形態のプリント配線板2は第1電子部品E1から第2電子部品E2に大容量のデータを高速に送ることができる。データが伝送される時、データの劣化が発生しがたい。
【0059】
バンプ241、242、243、244はシード層230aとシード層230a上の電解めっき層230bで形成されている。シード層230aは第1層231aと第1層231a上の第2層231bで形成されている。バンプ(第1バンプ241、第2バンプ242等)を形成するシード層230aと接続用導体層30を形成するシード層30aは同様である。バンプを形成する第1層231aと接続用導体層30を形成する第1層31aは同様である。バンプを形成する第2層231bと接続用導体層30を形成する第2層31bは同様である。バンプを形成する電解めっき層230bと接続用導体層30を形成する電解めっき層30bは同様である。改変例ではバンプ241、242、243、244は半田で形成されていてもよい。
【0060】
バンプ241、242、243、244の頂部上に機能層260が形成されている。機能層260は例えばニッケル、スズ、パラジウム、又は、金などのめっき膜である。機能層260は必須ではない。
【0061】
[実施形態の改変例]
図7は、実施形態の改変例のプリント配線板3を示す断面図である。図7に示されるように、プリント配線板3は、実施形態のプリント配線板2と支持体4を有する。支持体4は実施形態のプリント配線板2の下面2bに付着している。支持体4は、基材5と、基材5の両面に積層されている第1金属層6と、第1金属層6上に形成されている剥離層7と、剥離層7上に積層されている第2金属層8を含む。第2金属層8上に実施形態のプリント配線板2が積層されている。
【0062】
基材5の例はガラス、シリコン、ガラス繊維などの補強材を含む基板である。基材5の剛性はプリント配線板2の剛性より高い。そのため、改変例のプリント配線板3では、プリント配線板と電子部品(第1電子部品E1、第2電子部品E2等)間の接続信頼性を高くすることができる。
【0063】
[実施形態のプリント配線板2の製造方法]
図8A図8Hは実施形態のプリント配線板2の製造方法を示す。図8A図8C図8E図8Hは断面図である。図8Dは拡大断面図である。図8Aは支持体4と支持体4上に形成されている導体層10を示す。支持体4は図7の支持体4と同様である。第2金属層8上にめっきレジストが形成される。めっきレジストから露出する第2金属層8上にパッド12、14を含む導体層10が形成される。第2金属層8は導体層10を形成するためのシード層として働く。その後めっきレジストが除去される。実施形態はめっきレジストの除去前に導体層10の上面を例えばCMP(Chemical Mechanical Polishing)によって研磨することができる。
【0064】
図8Bに示されるように第2金属層8と導体層10上に樹脂絶縁層(第1樹脂絶縁層)20と保護膜50が形成される。樹脂絶縁層20の第2面20bが第2金属層8と対向している。樹脂絶縁層20の第1面20a上に保護膜50が形成されている。樹脂絶縁層20は樹脂80と無機粒子90(第2無機粒子92)を有する。無機粒子90は樹脂80内に埋まっている。樹脂絶縁層20の第1面20aは樹脂80のみで形成されている。樹脂絶縁層20の第1面20aから無機粒子90は露出しない。樹脂絶縁層20の第1面20aは無機粒子90の表面を含まない。樹脂絶縁層20の第1面20aには凹凸が形成されていない。
【0065】
図8Cに示されるように保護膜50の上からレーザ光Lが照射される。レーザ光Lは保護膜50と樹脂絶縁層20を同時に貫通する。導体層10のパッド12、14に至るビア導体用の開口21、22が形成される。レーザ光Lは例えばUVレーザ光、CO2レーザ光である。開口21、22によりパッド12、14が露出する。ビア導体用の開口21、22が形成される時、樹脂絶縁層20の第1面20aは保護膜50で覆われている。そのため、ビア導体用の開口21、22が形成される時に樹脂が飛散しても樹脂絶縁層20の第1面20aに樹脂が付着することが抑制される。
【0066】
図8Dは、レーザ光照射後の開口(ビア導体用の開口)の内壁面23bを示す。ビア導体用の開口の代表例として、開口21が描かれている。開口22と開口21は同様である。開口22の内壁面24bと開口21の内壁面23bは同様である。内壁面23bは樹脂80と樹脂80から突出している無機粒子90で形成されている。内壁面の形状を制御するため、レーザ光照射後の内壁面23bは処理される。樹脂80から突出している無機粒子90を選択的に除去することが好ましい。これにより、無機粒子90から第1無機粒子91が形成される。例えば、レーザ光照射後の内壁面23bを薬品で処理することで、樹脂80から突出している無機粒子90が選択的に除去される。あるいは、レーザ光照射後の内壁面23bをプラズマで処理することで、樹脂80から突出している無機粒子90が選択的に除去される。選択的に除去することは、無機粒子90のエッチング速度が樹脂80のエッチング速度より大きいことを含む。例えば、両者のエッチング速度差は10倍以上である。あるいは、両者のエッチング速度差は50倍以上である。あるいは、両者のエッチング速度差は100倍以上である。レーザ光照射後の内壁面23bを処理することで、平坦部91aを有する第1無機粒子91が得られる。レーザ光照射後の内壁面23bを処理するための条件を制御することで、実施形態は内壁面23の形状を制御することができる。条件の例は、温度、濃度、時間、ガスの種類や圧力である。無機粒子90のエッチング速度と樹脂のエッチング速度が制御される。
【0067】
樹脂絶縁層20にレーザ光Lを照射することで、樹脂80に埋まっている第2無機粒子92の一部がレーザ光照射後の内壁面23bを形成する。レーザ光照射後の内壁面23bを形成する第2無機粒子92は、樹脂80から突出している突出部分Pと樹脂80に埋まっている部分Eで形成される。レーザ光照射後の内壁面23bが処理される。例えば、四フッ化メタンを含むガスのプラズマで内壁面23bが処理される。突出部分Pが選択的に除去され、実施形態の内壁面23が形成される。第2無機粒子92から第1無機粒子91が形成される。突出部分Pを選択的に除去することで、平坦部91aを有する第1無機粒子91が形成される。平坦部91aは平面である。球の形を持つ第2無機粒子92が平面で切断されると、第1無機粒子91の形状が得られる。内壁面23は平坦部91aと樹脂80の面80aで形成され、平坦部91aの露出面91bと樹脂80の面80aはほぼ同一平面上に位置する。例えば、スパッタリングで内壁面23b上にシード層30aが形成されると、突出部分Pはスパッタ膜(スパッタリング製膜)の成長を阻害する。例えば、内壁面23b上に連続しているシード層30aが形成されない。あるいは、シード層30aの厚みを厚くすることが必要である。微細な導体回路を形成することができない。実施形態では、突出部分Pが除去される。実施形態はスパッタリングで形成されるシード層30aの厚みを薄くすることができる。スパッタリングで形成されるシード層30aの厚みが薄くても、連続しているシード層30aが得られる。接続配線36の幅が目標値を満足する。隣接する接続配線36間のスペース37の幅が目標値を満足する。突出部分Pを有する内壁面23b上に形成されるビア導体は参考例のビア導体である。もし、参考例のビア導体が経路内に存在すると、第1電子部品E1から第2電子部品E2へ移動するデータは参考例のビア導体を通らなければならない。その場合、突出部分Pの影響によりデータが劣化すると考えられる。実施形態では、突出部分Pが除去される。実施形態はデータの劣化を抑えることができる。
【0068】
開口(ビア導体用の開口)を形成することは、突出部分Pを有する無機粒子(第2無機粒子92)90を形成することを含む。開口21は開口(ビア導体用の開口)の代表例である。突出部分Pは開口21の内壁面23bを形成する樹脂80から突出している。第1無機粒子91は無機粒子(第2無機粒子92)90の突出部分Pを除去することで形成される。開口21の内壁面23は第1無機粒子91の露出面91bを含む。第1無機粒子91の露出面91bは突出部分Pを除去することで形成される。
【0069】
球の形を持つ第2無機粒子92を平面で切断することで第1無機粒子91の形状を得ることは、無機粒子90の突出部分Pを除去することを含む。実際の開口21の内壁面23は略曲面である。突出部分Pを除去することで平坦部91aが形成されるので、平坦部91aの露出面91bは曲面を含む。すなわち、平坦部91aと樹脂80で共通な面を形成することは実質的な曲面で形成される内壁面23を形成することを含む。
【0070】
内壁面23上に凹凸が形成されない。内壁面23は平滑に形成される。レーザ光照射後の内壁面23bを処理するための条件を制御することで、凹凸の大きさが制御される。
【0071】
開口21内が洗浄される。開口21内を洗浄することにより、開口21形成時に発生する樹脂残渣が除去される。開口21内の洗浄はプラズマによって行われる。即ち洗浄はドライプロセスで行われる。洗浄はデスミア処理を含む。
【0072】
開口21内が洗浄される時、樹脂絶縁層20の第1面20aは保護膜50で覆われている。第1面20aはプラズマの影響を受けない。第1面20aは樹脂80のみで形成されている。第1面20aから無機粒子90は露出しない。第1面20aは無機粒子90の表面を含まない。第1面20aは凹凸を有さない。第1面20aは平滑に形成されている。
【0073】
レーザ光照射後の内壁面23bを処理することが開口21内を洗浄することを含む場合、実施形態は開口21内を洗浄することを削除することができる。
【0074】
図8Eに示されるように、ビア導体用の開口21、22内を洗浄することの後に、樹脂絶縁層20から保護膜50が除去される。レーザ光照射後の内壁面23b、24bを処理することがビア導体用の開口内を洗浄することを含む場合、レーザ光照射後の内壁面23b、24bを処理することの後に、樹脂絶縁層20から保護膜50が除去される。レーザ光照射後の内壁面23b、24bが処理される時、保護膜50は樹脂絶縁層20の第1面20aを覆っている。保護膜50除去後、第1面20aを荒らすことは行われない。
【0075】
図8Fに示されるように、第1面20a上にシード層30aが形成される。シード層30aはスパッタリングによって形成される。シード層30aの形成はドライプロセスで行われる。シード層30aはビア導体用の開口の内壁面23、24とビア導体用の開口21、22から露出するパッド12、14上にも形成される。
【0076】
例えば、スパッタリングはマスクを介して行われる。まず、各ビア導体用の開口21、22を覆う第1マスクが樹脂絶縁層20上に配置される。第1マスクは樹脂絶縁層20の第1面20aのみを露出する。第1マスクを介して樹脂絶縁層20の第1面20a上に厚さT1aを有する第1部分P1が形成される。第1マスクが除去される。ビア導体41、42用の開口21、22の内壁面23、24のみを露出する第2マスクが樹脂絶縁層20上に配置される。第2マスクを介して内壁面23、24上に厚さT2aを有する第2部分P2が形成される。内壁面23、24は樹脂の面と前記平坦部との間に段差を有する。第2マスクが除去される。開口21、22から露出されるパッド12、14のみを露出する第3マスクが樹脂絶縁層20上に配置される。第3マスクを介してパッド12、14上に厚さT3aを有する第3部分P3が形成される。第3マスクが除去される。これにより、第1層31aが第1面20a上に形成される。開口21、22から露出する内壁面23、24とパッド12、14上に第1層31aが形成される。その後、第1層31a上に第2層31bが形成される。第1層31aの形成方法と第2層31bの形成方法は同様である。第1層31aは銅とアルミニウムと特定金属(例えば、ケイ素)を含有する合金で形成される。第2層31bは銅で形成される。
【0077】
スパッタリングで第1層31aと第2層31bが形成される。スパッタリングの条件の例が次に示される。ターゲットと樹脂絶縁層20の第1面20a間の距離が50mm以上250mm以下である。電圧が15eV以上50eV以下である。ガス濃度が0.1Pa以上1.0Pa以下である。例えば、処理時間を変えることで、シード層30aの第1部分P1の厚さT1と第2部分P2の厚さT2と第3部分P3の厚さT3が調整される。第1層31aの第1部分P1の厚さT1aは、第1層31aの第2部分P2の厚さT2aおよび第1層31aの第3部分P3の厚さT3aより厚い。第1層31aの第3部分P3の厚さT3aは第1層31aの第2部分P2の厚さT2aより厚い。第2層31bの第1部分P1の厚さT1bは、第2層31bの第2部分P2の厚さT2bおよび第2層31bの第3部分P3の厚さT3bより厚い。第2層31bの第3部分P3の厚さT3bは第2層31bの第2部分P2の厚さT2bより厚い。この結果、シード層30aの第1部分P1の厚さT1は第2部分P2の厚さT2および第3部分P3の厚さT3より厚い。シード層30aの第3部分P3の厚さT3は第2部分P2の厚さT2より厚い。
【0078】
第2層31bの厚さと第1層31aの厚さとの比(第2層31bの厚さ/第1層31aの厚さ)は1.2以上2以下である。比(厚さT1b/厚さT1a)と比(厚さT2b/厚さT2a)、比(厚さT3b/厚さT3a)は1.2以上2以下である。
【0079】
第1部分P1は樹脂絶縁層20の第1面20a上に形成され、第2部分P2は樹脂絶縁層20の内壁面23、24上に形成されている。第1部分P1と第2部分P2は共に樹脂絶縁層20上に形成されている。第1部分P1はパッド32、34と接続配線36のシード層30aを形成する。第2部分P2はビア導体41、42のシード層30aを形成する。樹脂絶縁層20の熱膨張係数とシード層30aの熱膨張係数は異なる。そのため、プリント配線板2が熱衝撃を受けると、シード層30aにストレスが働くと考えられる。普通、接続配線36はビア導体41、42よりかなり長く曲がっている部分を含む。そのため、大きなストレスが接続配線36内の曲がっている部分に集中するはずである。それに対し、ビア導体41、42は短く、ほぼ真っすぐに形成されている。そのため、ビア導体41、42に関しては、ストレスの集中は起こりがたい。従って、樹脂絶縁層20の第1面20a上のシード層30aの破断を避けるために、接続配線36を形成するシード層30aの厚さは大きいことが好ましい。それに対し、ビア導体41、42を形成する内壁面23、24上のシード層30aの厚みは小さくてもよい。そのため、実施形態は、厚さT1を厚さT2より大きくしている。
【0080】
第2部分P2の厚さT2を薄くすることで、実施形態はシード層30aを形成するために必要な時間を短縮することができる。
【0081】
第1面20aは平坦性に優れる。スパッタリングを用いて第1面20a上にシード層30aが形成されるとき、ターゲットと第1面20a間の距離がほぼ一定である。実施形態はほぼ均一な厚みを有するシード層30aを形成することができる。実施形態は樹脂絶縁層20の第1面20a上の第1層31aの厚みのバラツキと第2層31bの厚みのバラツキを小さくすることができる。樹脂絶縁層20の第1面20a上の接続配線36の幅が目標値を満足する。隣接する接続配線36間のスペース37の幅が目標値を満足する。実施形態は接続配線36の幅のバラツキを小さくすることができる。実施形態はスペース37の幅のバラツキを小さくすることができる。樹脂絶縁層20の第1面20a上に複数の接続配線36が形成されても、それぞれの接続配線36を介して伝送されるデータがほぼ遅延なく電子部品に至る。
【0082】
例えば、第1層31aは銅合金で形成される。シード層30aの第1層31aは銅とアルミニウムとケイ素を含有する合金によって形成されている。アルミニウムは高い延性と高い展性を有する。そのため、樹脂絶縁層20と第1層31a間の密着力が高い。ヒートサイクルにより樹脂絶縁層20が伸縮したとしても、アルミニウムを含むシード層30aがその伸縮に追従することができると考えられる。樹脂絶縁層20の第1面20aが平滑であっても、シード層30aは樹脂絶縁層20から剥がれ難い。アルミニウムは酸化しやすいと考えられる。第1無機粒子91が酸素(酸素元素)を含む無機粒子90であると、内壁面23、24上に形成される第1層31aは内壁面23、24を形成する無機粒子90内の酸素を介して第1無機粒子91に密着すると考えられる。第1層31aと内壁面23、24が強く接合される。実施形態は内壁面23、24と第1層31a間の密着力を高くすることができる。シード層30aは内壁面23、24から剥がれ難い。内壁面23、24を形成する無機粒子90は酸素元素を含むことが好ましい。
【0083】
シード層30a上にめっきレジストが形成される。めっきレジストは、ビア導体41、42と接続配線36と接続配線36から延びるパッド32、34を形成するための開口を有する。
【0084】
めっきレジストから露出するシード層30a上に電解めっき層30bが形成される。電解めっき層30bはめっきレジストの開口を充填する。電解めっき層30bは開口21、22を充填する。電解めっき層30bの一部はめっきレジストの上面より上方に突出する。その場合、電解めっき層30bはめっきレジストの上面を部分的に覆う。あるいは、電解めっき層30bはめっきレジストの上面を完全に覆う。
【0085】
電解めっき層30bが研磨される。研磨によって電解めっき層30bの厚みが薄くなる。電解めっき層30bの厚みとシード層30aの厚みの合計が所定値に達する。電解めっき層30bとともにめっきレジストも研磨される。研磨手法の例はCMPである。研磨後の電解めっき層30bの上面の算術平均粗さ(Ra)は0.3μm以下である。
【0086】
電解めっき層30bの研磨後にめっきレジストが除去される。電解めっき層30bから露出するシード層30aが除去される。図8Gに示されるように、樹脂絶縁層20上のシード層30aと電解めっき層30bによって、パッド32、34と接続配線36が形成される。接続用導体層30が形成される。ビア導体用の開口21、22内のシード層30aと電解めっき層30bによって、ビア導体41、42が形成される。接続用導体層30とビア導体41、42は同時に形成される。
【0087】
シード層形成後の開口210、211の例が図8Fに示されている。厚さT2が薄いと、シード層30a形成後のビア導体用の開口210、211の体積を大きくすることができる。そのため、電解めっき液が開口210、211内に入りやすい。ビア導体41、42を形成する電解めっき層30b内にボイドが形成され難い。実施形態は低い抵抗を有するビア導体41、42を形成することができる。開口21、22の開口径(パッド12、14上の径)D(図8E参照)が30μm以下でも、実施形態はボイドを含まないビア導体41、42を形成することができる。開口径Dが10μm以上、25μm以下であっても、ビア導体41、42を介する接続信頼性が長期間安定である。このように、第2部分P2の厚さT2を小さくすることで、実施形態はコストや生産性、信頼性を改善することができる。従って、厚さT2は厚さT1より小さいことが好ましい。
【0088】
図8Hに示されるように、接続用導体層30の上面と側面上に接着層100が形成される。接着層100は、図8Gに示される途中基板を窒素系有機化合物を含む薬液に浸漬することによって形成される。薬液のphは7以下である。途中基板を薬液に浸漬することで接続用導体層30の上面と側面上に平滑膜102と突出部104を有する接着層100が形成される。途中基板が薬液に浸漬される前に接続用導体層30の上面と側面を覆っている酸化膜が除去される。改変例では接着層100は、接続用導体層30上に薬液を塗布することによって形成される。接着層100が形成されると、途中基板が薬液から取り出される。接着層100が乾燥される。乾燥前の接着層100の上面は平滑でもよい。その場合、乾燥により、接着層の一部が凝集する。凝集することで、平滑膜102と突出部104を含む接着層100が形成される。
【0089】
接続用導体層30と樹脂絶縁層20上に、樹脂絶縁層(第2樹脂絶縁層)120と搭載用導体層130とビア導体141、142、143、144が形成される。ビア導体は接続ビア導体を含む。接続ビア導体の例は第1接続ビア導体141と第2接続ビア導体142である。樹脂絶縁層120と樹脂絶縁層20は同様な方法で形成される。搭載用導体層130と接続用導体層30は同様な方法で形成される。ビア導体141、142、143、144とビア導体41、42は同様な方法で形成される。樹脂絶縁層120にレーザ光Lでビア導体用の開口121、122、123、124が形成される時、レーザ光Lは接続用導体層30を覆う接着層100を除去する。あるいは、レーザ光Lによって接着層100が完全に除去されない。その場合ビア導体用の開口121、122、123、124内を洗浄することによりビア導体用の開口121、122、123、124の底の接着層100が除去される。ビア導体用の開口121、122、123、124によって接続用導体層30が露出される。ビア導体用の開口は接続ビア導体用の開口を含む。接続ビア導体用の開口の例は第1開口(第1接続ビア導体用開口)121と第2開口(第2接続ビア導体用開口)122である。
【0090】
実施形態は接続ビア導体を形成する第1層の厚みを薄くすることができる。実施形態は接続ビア導体を形成する第2層の厚みを薄くすることができる。第1層と第2層はシード層を形成する。実施形態はシード層形成後の接続ビア導体用の開口の体積を大きくすることができる。シード層形成後の接続ビア導体用の開口をシード層形成後の開口と呼ぶことができる。シード層形成後の開口内に電解めっき層を形成することでシード層と電解めっき層からなる接続ビア導体が形成される。接続ビア導体用の開口の径が小さくても、シード層形成後の接続ビア導体用の開口内に電解めっき液が入り込みやすい。接続ビア導体を形成する電解めっき層がボイドを含みがたい。低抵抗な接続ビア導体が形成される。経路が接続ビア導体を含んでも、実施形態のプリント配線板2は高速なデータを伝送することができる。シード層形成後の開口210、211の例が図8Fに示されている。シード層形成後の開口210、211はシード層で囲まれている。開口210、211の底と側面はシード層に接している。
【0091】
搭載用導体層130の上面と側面上に接着層150が形成される。接着層150と接着層100は同様である。搭載用導体層130と樹脂絶縁層120上に絶縁層220が形成される。絶縁層220は電極(第1電極131、第2電極132等)を露出する開口221、222、223、224を有する。開口221、222、223、224により露出される電極131、132、133、134上にバンプ(第1バンプ241、第2バンプ242等)が形成される。バンプ241、242、243、244上に機能層260が形成される。改変例のプリント配線板3が得られる。
【0092】
支持体4が除去される。例えば加熱や紫外線照射によって、支持体4の剥離層7が軟化又は脆弱化する。第1金属層6と第2金属層8の間で両者が分離される。その後第2金属層8がエッチングで除去される。プリント配線板2の下面2bが露出する。実施形態のプリント配線板2が得られる。
【0093】
実施形態のプリント配線板2では、ビア導体用の開口の内壁面は第1無機粒子91の平坦部91aと樹脂80によって形成される。平坦部91aと内壁面を形成する樹脂80の面80aはほぼ共通な面を形成する。内壁面は平滑に形成される。そのため、開口の内壁面上に均一な厚みのシード層30aが形成される。シード層30aは薄く形成される。シード層30aが除去される時、エッチング量が少ない。そのため、電解めっき層30bのエッチング量が少ない。接続用導体層30と搭載用導体層130内の各導体回路が設計値通りの幅を有する。高い品質を有するプリント配線板2が提供される。
【0094】
接続配線36を介して第1電子部品E1から第2電子部品E2へデータが伝送される。データが伝送される時、低損失が好ましい。接続用導体層が内層の導体層であるとき、第1電子部品E1と第2電子部品E2間のデータ伝送用の経路は接続配線に繋がっているビア導体を含む。経路を形成するビア導体は接続ビア導体である。経路がビア導体(接続ビア導体)を含んだとしても、実施形態のプリント配線板2の接続ビア導体用の開口の内壁面は第1無機粒子91の露出面91bと樹脂80の面80aで形成される。内壁面はほぼ平坦である。実施形態によれば、データがビア導体を通過するとき、実施形態のプリント配線板2は損失を抑えることができる。内層の導体層は隣接する樹脂絶縁層で挟まれる。内層の導体層で形成される接続用導体層(接続用内部導体層)が複数であるとき、接続用内部導体層CIの数は3以上であることが好ましい。接続用内部導体層CIの数は7以下であることが好ましい。さらに、接続用内部導体層CIの数は5以下であることが好ましい。3つの接続用内部導体層CIを有するプリント配線板200の例が図9に示される。図9に示されるように、第1接続パッドPa1と第1接続電極D1を繋ぐ経路が複数のビア導体V1、V2、V3を有する時、経路内の全ビア導体V1、V2、V3は図4に示される開口21と同様なビア導体用の開口内に形成される。ビア導体V1とビア導体V2とビア導体V3は第1接続ビア導体であり、第1経路を形成する。ビア導体V1とビア導体V2とビア導体V3は異なる樹脂絶縁層に形成される。第2接続パッドPa2と第2接続電極D2を繋ぐ経路が複数のビア導体V4、V5、V6を有する時、経路内の全ビア導体V4、V5、V6は図4に示される開口21と同様なビア導体用の開口内に形成される。ビア導体V4とビア導体V5とビア導体V6は第2接続ビア導体であり、第2経路を形成する。ビア導体V4とビア導体V5とビア導体V6は異なる樹脂絶縁層に形成される。
【0095】
接続用内部導体層は第1無機粒子91と第2無機粒子92を含む樹脂絶縁層で挟まれることが好ましい。接続用内部導体層を挟む樹脂絶縁層は共にビア導体用の開口を有する。そして、ビア導体用の開口の内壁面は第1無機粒子91の露出面91bと樹脂80の面80aで形成される。接続用内部導体層を形成する各接続配線は設計値に近い幅を有する。実施形態は高密度な接続配線群を形成することができる。
【0096】
各ビア導体用の開口の内壁面が第1無機粒子91の露出面91bと樹脂80の面80aで形成されるので、各ビア導体の内壁面の形状がほぼ同じである。接続ビア導体を含む経路が複数であっても、実施形態は径路間の伝送速度の差を小さくすることができる。
【0097】
実施形態のプリント配線板2ではパッド12、14、32、34を形成する電解めっき層とビア導体41、42、141、142を形成する電解めっき層は第3部分P3を形成するシード層30a、130aを挟んでいる。パッドはビア導体用の開口により露出される導体回路の一例である。シード層30a、130aはスパッタリングを用いて形成される。電解めっきとスパッタリングは異なる手法なので、プリント配線板2が熱衝撃を受けると、両者の収縮量や膨張量は異なると考えられる。そのため、ビア導体41、42、141、142を介する接続信頼性はシード層30a、130aとパッド12、14、32、34を形成する電解めっき層間で低下しやすい。あるいは、接続信頼性は、シード層30a、130aとビア導体41、42、141、142を形成する電解めっき層間で低下しやすい。電解めっき製膜(電解めっき層30b、130b等)とスパッタリング製シード層間で接続信頼性が低下しやすい。接続信頼性に対するスパッタリング製シード層30a、130aの影響度を小さくするため、パッド12、14、32、34上のスパッタリング製シード層30a、130aの厚さは薄いことが好ましい。そのため、実施形態は、第3部分P3の厚さT3を薄くする。具体的には、実施形態は厚さT3を厚さT1より小さくする。これにより、ビア導体41、42、141、142がスパッタリング製シード層30a、130aと電解めっき層30b、130bを有しても、実施形態は高い接続信頼性を有するプリント配線板2を提供することができる。
【0098】
シード層30a、130aの第1部分P1の厚さT1は第2部分P2の厚さT2と第3部分P3の厚さT3より厚い。そのため、第1面20a、120a上のシード層30a、130aが破断しがたい。第1部分P1が破断しがたい。接続配線36が破断し難い。接続配線36が微小なクラックを含みがたい。実施形態が複数の接続配線を有しても、各接続配線の抵抗がほぼ等しい。実施形態は複数の接続配線36を介して同時に高速なデータを伝送することができる。大容量なデータが接続配線36を介して伝送される。高品質のプリント配線板2が提供される。
【0099】
信号や電源がパッド12、14、32、34からビア導体41、42、141、142に移動する時、信号や電源はシード層30a、130aの第1層31a、131aを通る。第1層31a、131aを形成する合金に含まれるアルミニウムの比抵抗は銅の比抵抗より大きい。そのため、信号や電源が第1層31a、131a内を流れる時、第1層31a、131aを移動する距離は短いことが好ましい。実施形態では第1層31a、131aの第1部分P1の厚さT1aが第2部分P2の厚さT2aと第3部分P3の厚さT3aより厚い。そのため信号や電源がパッド12、14、32、34からビア導体41、42、141、142に移動する時、第1層31a、131aの第3部分P3を通過する距離が短い。信号や電源はシード層30a、130aの第3部分P3から電解めっき層30b、130bに直接移動しやすい。信号や電源が第3部分P3から第2部分P2に移動することなく、第3部分P3からビア導体41、42、141、142を形成する電解めっき層30b、130bに移動することが好ましい。実施形態では、第2部分P2の厚さT2は第1部分P1の厚さT1および第3部分P3の厚さT3より小さい。そのため、実施形態は第2部分P2の抵抗を大きくすることができる。電流は低い抵抗を有する部分を流れるので、信号や電源は第3部分P3からビア導体41、42、141、142を形成する電解めっき層30b、130bに直接移動しやすい。シード層30a、130aがビア導体41、42、141、142を介する信号の伝送速度や電源供給に悪影響を与え難い。プリント配線板2にロジックICが実装されても、ロジックICが誤動作しがたい。
【0100】
実施形態のプリント配線板2では樹脂絶縁層20の第1面20aは樹脂80で形成されている。第1面20aには無機粒子90が露出しない。第1面20aには凹凸が形成されない。樹脂絶縁層20の第1面20a近傍部分の比誘電率の標準偏差が大きくなることが抑制される。樹脂絶縁層20の第1面20aの比誘電率は場所によって大きく変わらない。複数の接続配線36が樹脂絶縁層20の第1面20aに接していても、実施形態は接続配線36間の電気信号の伝搬速度の差を小さくすることができる。そのため、実施形態のプリント配線板2ではノイズが抑制される。実施形態のプリント配線板2にロジックICが実装されても、各接続配線36で伝達されるデータがロジックICにほぼ同時に到達する。実施形態はロジックICの誤動作を抑制することができる。各接続配線36の長さが5mm以上であっても、伝搬速度の差を小さくすることができる。各接続配線36の長さが10mm以上、20mm以下であっても、実施形態はロジックICの誤動作を抑制することができる。樹脂絶縁層120の第1面120aも樹脂絶縁層20の第1面20aと同様である。そのため搭載用導体層130内の接続配線も接続用導体層30内の接続配線36と同様の効果を有する。高い品質を有するプリント配線板2が提供される。
【0101】
実施形態のプリント配線板2は、接続用導体層30と樹脂絶縁層120との間に接着層100を有する。接着層100は接続用導体層30と樹脂絶縁層120を接着している。そのため、接続配線36の上面と側面が平滑であっても樹脂絶縁層120が接続配線36から剥がれ難い。接続配線36の上面と側面を荒らすことは行われないことが好ましい。接着層100はほぼ平滑な平滑膜102と平滑膜102から突出している突出部104で形成されている。接着層100が突出部104と平滑膜102によって形成される凹凸を有する。接着層100は複数の突起106によって形成される凹凸を有する。そのため、接続用導体層30と樹脂絶縁層120が接着層100を介して十分に密着する。高い品質を有するプリント配線板2が提供される。例えば、プリント配線板2の各辺の長さが50mm以上であっても、樹脂絶縁層120が接続用導体層30から剥がれがたい。プリント配線板2の各辺の長さが100mm以上であっても、接着層100起因のクラックが樹脂絶縁層120内に発生しがたい。接続用導体層30が5μm以下の幅を有する導体回路を含んでも、樹脂絶縁層120が接続用導体層30から剥がれがたい。接続用導体層30が3μm以下の幅を有する導体回路を含んでも、接着層100起因のクラックが樹脂絶縁層120内に発生しがたい。搭載用導体層130と絶縁層220との間に形成されている接着層150も接着層100と同様の効果を有する。高い品質を有するプリント配線板2が提供される。
【0102】
第1層が特定金属としてケイ素を含み、無機粒子がガラス粒子であると、内壁面上の第1層と第1無機粒子はケイ素を含む。両者はケイ素を介して強く接着されると考えられる。シード層が内壁面から剥がれ難い。
【0103】
第1層がアルミニウムを含み、無機粒子が酸素を含むと、第1層と第1無機粒子(ガラス粒子等の酸素を含む無機粒子)が強く接着されると考えられる。第1層がアルミニウムを含み、無機粒子が酸素を含む場合、第1層は特定金属を含まなくても良い。この場合、第1層は銅とアルミニウムと不純物で形成される。
【0104】
[実施形態の別例1]
実施形態の別例1では、第1層を形成する合金に含まれる特定金属は、ニッケル、亜鉛、ガリウム、ケイ素、マグネシウムのうちの少なくとも1つである。
【0105】
[実施形態の別例2]
実施形態の別例2では、第1層を形成する合金は炭素を含有していない。
【0106】
[実施形態の別例3]
実施形態の別例3では、第1層を形成する合金は酸素を含有していない。
【0107】
本明細書内では、平面は内壁面の形状と平坦部91aの形状、第1無機粒子91の形状に対し用いられている。これらに対し用いられている平面の意味は図2図4に示されている。すなわち、図2図4では、内壁面はほぼまっすぐに描かれている。図2図4中の内壁面の形状はほぼ直線である。本明細書内の平面は、断面中に示されている実質的な直線を含む。図2図4の第1無機粒子91の断面に示されるように、断面では、平面で切断することは直線で切断することを含む。本明細書内の平面は完全な平面を意味せず実質的な平面を含む。実質的な平面は小さな凹凸を含んでもよい。
【符号の説明】
【0108】
2 :プリント配線板
30 :接続用導体層
30a :シード層
30b :電解めっき層
31a :第1層
31b :第2層
36 :接続配線
37 :スペース
90 :無機粒子
91 :第1無機粒子
91a :平坦部
91b :露出面
92 :第2無機粒子
100 :接着層
102 :平滑膜
104 :突出部
120 :樹脂絶縁層
121 :第1開口
122 :第2開口
125 :内壁面
126 :内壁面
130 :搭載用導体層
130a:シード層
130b:電解めっき層
131a:第1層
131b:第2層
131 :第1電極
132 :第2電極
141 :第1接続ビア導体
142 :第2接続ビア導体
150 :接着層
241 :第1バンプ
242 :第2バンプ
E1 :第1電子部品
E2 :第2電子部品
P1 :第1部分
P2 :第2部分
P3 :第3部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図8F
図8G
図8H
図9