(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178970
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】医療ブースシステム、医療ブース、医療ブースシステムの薬剤管理方法
(51)【国際特許分類】
G16H 40/20 20180101AFI20241219BHJP
G16H 20/10 20180101ALI20241219BHJP
【FI】
G16H40/20
G16H20/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097407
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】523225944
【氏名又は名称】三枝 敬仁
(74)【代理人】
【識別番号】100134072
【弁理士】
【氏名又は名称】白浜 秀二
(72)【発明者】
【氏名】三枝 敬仁
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA01
5L099AA25
(57)【要約】 (修正有)
【課題】薬局機能が具備された医療ブース内に患者が入室してデータ端末操作しながら、オンライン診療システムと連携することで、オンライン診療機能と、薬局機能とがコラボレーションした新たな医療ブースシステムを自在に構築すること。
【解決手段】ネットワーク21を介して、医療従事者が患者の症状に応じて指定する処方薬を備蓄する薬剤庫である複数の医療ブースと、医療従事者が操作する第4のデータ端末2-1~2-Nと、いずれかの医療ブースに入室する患者が操作する第1のデータ端末3-1~3-Nと、診療と薬剤の処方とをオンライン形式で同時に行うためのサーバ装置1と、を含む医療ブースシステムの薬剤管理方法であって、サーバ装置1は、検出する複数の小口薬剤庫に収容された薬剤名と、処方可能な在庫量とを取得し、取得した薬剤名と、処方可能な在庫量とに基づいて、補充すべき薬剤を薬品会社に発注する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の通信媒体を介して、医療従事者が操作する第1のデータ端末と、いずれかの医療ブースに入室する患者が操作する第2のデータ端末と、診療と薬剤の処方とをオンライン形式で同時に行うためのサーバ装置とが通信する医療ブースシステムにおいて、
複数の医療ブースは、
前記医療従事者が前記患者の症状に応じて指定する処方薬を備蓄する薬剤庫であって、診療属性に従って割り当てた複数の小口薬剤庫と、
各小口薬剤庫に収容された薬剤名と、その在庫情報と、前記医療従事者が発行するデジタル処方せんとを確認して処方口より、処方された薬剤を前記患者に引き渡す引渡し手段と、
各小口薬剤庫に収容された薬剤の在庫状態を検出する検出手段と、を備え、
前記サーバ装置は、
前記検出手段が検出する複数の小口薬剤庫に収容された薬剤名と、処方可能な在庫量とを取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した薬剤名と、処方可能な在庫量とに基づいて、補充すべき薬剤を薬品会社に発注する発注手段と、
を備えることを特徴とする医療ブースシステム。
【請求項2】
前記複数の医療ブースは、
前記患者の本人識別情報と、保険証情報とを読み取る本人確認手段と、
本人確認手段が確認した本人識別情報に紐づく経口薬剤の処方履歴をサーバ装置から受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した処方履歴を前記第1のデータ端末に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の医療ブースシステム。
【請求項3】
前記第2のデータ端末は、
症状通知アプリケーションを起動して症状をメニュー選択することに適応して、適正な処方薬を処方可能で、かつ、前記第2のデータ端末の位置情報で特定される近接に設置されたいずれかの医療ブースへの案内情報を前記サーバ装置から受け取る受取手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の医療ブースシステム。
【請求項4】
前記サーバ装置は、
前記第2のデータ端末の位置情報と、処方すべき薬剤履歴とから特定される近接に設置されたいずれかの医療ブースへの第1の案内情報を発信する発信手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の医療ブースシステム。
【請求項5】
前記発信手段は、前記処方すべき薬剤履歴から特定される薬剤名が劇薬指定されている場合、前記医療ブースに代える医療機関を紹介する第2の案内情報を発信することを特徴とする請求項4に記載の医療ブースシステム。
【請求項6】
前記処方口は、前記本人確認手段が確認する前記患者の本人識別情報と、保険証情報とを読み取ることで開閉する処方口扉を備えることを特徴とする請求項2に記載の医療ブースシステム。
【請求項7】
複数の小口薬剤庫は、前面側または背面側に薬剤を補充するための補充扉を備えることを特徴とする請求項1に記載の医療ブースシステム。
【請求項8】
所定の通信媒体を介して、サーバ装置と、医療従事者が操作する第1のデータ端末と、患者が操作する第2のデータ端末とが通信して、診療と薬剤の処方とをオンライン形式で同時に行うオンライン診療システムと連携する医療ブースであって、
前記第2のデータ端末と、前記第1のデータ端末から受け取るデジタル処方せんにより処方すべき薬剤を保管する薬ロッカーとを収容し、
前記薬ロッカーは、前記デジタル処方せんで指定される薬剤を前記第2のデータ端末を操作する前記患者に受け渡すために区割りされた複数の開閉扉を備えることを特徴とする医療ブース。
【請求項9】
前記第2のデータ端末は、
前記サーバ装置から受信する前記第1のデータ端末から受け取るデジタル処方せんで処方された第1の薬剤名と、前記薬剤名が区割りされた各開閉扉に割り当てた第2の薬剤名とが一致するかどうかを判断して各開閉扉の開閉を制御することで前記患者に処方された薬剤を受け取らせる開閉制御手段を備えることを特徴とする請求項8に記載の医療ブース。
【請求項10】
所定の通信媒体を介して、医療従事者が操作する第1のデータ端末と、いずれかの医療ブースに入室する患者が操作する第2のデータ端末と、診療と薬剤の処方とをオンライン形式で同時に行うためのサーバ装置とを含む医療ブースシステムの薬剤管理方法であって、
複数の医療ブースは、
前記医療従事者が前記患者の症状に応じて指定する処方薬を備蓄する薬剤庫であって、診療属性に従って割り当てた複数の小口薬剤庫と、
各小口薬剤庫に収容された薬剤名と、その在庫情報と、前記医療従事者が発行するデジタル処方せんとを確認して処方口より、処方された薬剤を前記患者に引き渡す引渡し手段と、
各小口薬剤庫に収容された薬剤の在庫状態を検出する検出手段と、を備え、
前記サーバ装置は、
前記検出手段が検出する複数の小口薬剤庫に収容された薬剤名と、処方可能な在庫量とを取得する取得ステップと、
前記取得ステップで取得した薬剤名と、処方可能な在庫量とに基づいて、補充すべき薬剤を薬品会社に発注する発注ステップと、
を備えることを特徴とする医療ブースシステムの薬剤管理方法。
【請求項11】
前記第2のデータ端末は、
症状通知アプリケーションを起動して症状をメニュー選択することに適応して、適正な処方薬を処方可能で、かつ、前記第2のデータ端末の位置情報で特定される近接に設置されたいずれかの医療ブースへの案内情報を前記サーバ装置から受け取る受取ステップを備えることを特徴とする請求項10に記載の医療ブースシステムの薬剤管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の通信媒体を介して、複数の医療ブースと、医療従事者が操作する第1の端末と、いずれかの医療ブースに入室する患者が操作する第2の端末と、診療と薬剤の処方とをオンライン形式で同時に行うためのサーバ装置とが通信する医療ブースシステム、医療ブース、医療ブースシステムの薬剤管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
オンライン診療を行うシステムは、クリニックが指定するURLに患者たるユーザが接続し、テレビ会議システムを利用して、略対面形式で問診を行い、データ端末が備えるカメラに口腔を撮像して得られる患者の喉の腫れ具合を視認し、体温、その他の消化器系の状況等を含めて総合的に医者が診断を下し、処方せんを発行するとともに、薬局システムにデジタル処方せんを添付することで、薬局は、処方薬を調剤して、配送業者に処方薬の配送手配を行うと、最短で、翌日、翌々日には、患者が指定した住所宛に処方薬が配送され、本人確認を行った後、受け取りのサインを配送者が受け取ると、処方薬が患者に手渡された後、開封して必要な経口剤を服用するというのが一連のルーティーンとなる。
【0003】
下記特許文献1には、「医療ブースを用いた医療サービスにおけるなりすまし対策を強化するため、本開示の一態様に係る情報処理システムは、1以上のコンピュータを具備し、1以上のコンピュータが、医療ブースを用いた医療サービスの提供を支援する手段と、医療サービスの提供前、または医療サービスの提供中にユーザの本人認証を行う手段と、本人認証の結果に応じて、医療サービスの提供を開始するか否か、または医療サービスの提供を継続するか否かを決定する手段と、医療サービスの提供を開始しない、または医療サービスの提供を継続しないと決定された場合に、ユーザに提供される医療サービスを制限する手段とを備える。」が記載されており、本特許は、街中にも設置可能な診療ブースを設けて、患者が所定の訪問スケジュールに従い、パスワードを入力することで、診療ブースに入出して、上記同様の問診会議を実行することで処方薬を配送により取得可能なことが記載されている。
【0004】
また、特許文献2には、「薬剤自販機であって、筐体、制御モジュール、処理モジュール、記憶モジュール、通信モジュール及びカードリーダーを含み、前記制御モジュール、処理モジュール、通信モジュール、記憶モジュール及びカードリーダーはいずれも前記筐体に設けられ、前記筐体は複数のボックスを含み、各ボックスは出口を備え、前記筐体の底部には薬剤受取口が設けられ、前記ボックスの出口と薬剤受取口は連通しており、前記ボックスの出口にはカッターが設けられ、同一サイズの独立した複数の薬剤袋によって同種の薬剤がボックスごとに保管され、独立した各薬剤袋内には1回服用分の最小薬量が包装されており、独立した薬剤袋は前後にそれぞれ連なっており、隣り合う薬剤袋の間に切取線が設けられ、前記通信モジュールは、ネットワーク側から伝送される患者の個人情報と、当該個人情報に対応する薬剤使用情報を受け付け、前記記憶モジュールは、患者の個人情報と、当該個人情報に対応する薬剤使用情報を記憶し、前記カードリーダーは、外部からの精算カード情報を取得して前記処理モジュールに伝送し、前記処理モジュールは、精算カード情報からカード所有者の個人情報を抽出して制御モジュールに伝送し、制御モジュールは、カード所有者の個人情報を記憶モジュールに記憶されている患者の個人情報と照合し、前記精算カード情報におけるカード所有者の個人情報を記憶モジュールから検索可能な場合、前記処理モジュールは当該カード所有者の個人情報に対応する薬剤使用情報を取得し、前記制御モジュールは、薬剤使用情報における薬剤に対応するボックス内の薬剤について搬出する薬剤袋の数を制御するとともに、連なっている薬剤袋をカッターが切取線で切断するよう制御する。」ことが記載されている。
【0005】
したがって、特許文献1と、特許文献2とを組み合わせることで、オンライン診療を行うブースを利用する患者がブース内の自販機から処方薬を受け取ることが可能なシステムを構築できることは推察される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第7030295号公報
【特許文献2】特表2018-520426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、クリニックが外科、内科、消化気管科といった総合的なクリニックもあれば、皮膚科に特化したクリニックも存在し、一蓮托生で処方薬を備蓄するシステムを想定すると、街中に設置するブースのサイズよりも、薬剤庫のサイズが上回ってしまいブース医療システムとしての利用度や、設置コストが膨大となってしまうという指摘もなされている。
【0008】
一方、インフルエンザのような季節により患者数が増加するような場合を想定すると、同一の症状を訴える患者が増えるため、同一の薬効が期待できる医薬、ジェネリック医薬を処方する回数が増えることも想定される。
【0009】
このように街中に設ける医療ブースを利用する患者に対して、医療ブース内に確保される薬剤庫に備蓄すべき薬剤は多種多様な薬効に対してどのように備蓄すべきか、あるいは、処方薬の補充のための巡回システムをどのようにすべきか、また、医者がオンライン上で処方した処方せんと、薬剤の販売にともなう医療保険における点数加算処理や、医療ブース内の薬剤の在庫管理をどうするかなど多くの課題が指摘されている。
【0010】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、薬局機能が具備された医療ブース内に患者が入室してデータ端末操作しながら、オンライン診療システムと連携することで、オンライン診療機能と、薬局機能とがコラボレーションした新たな医療ブースシステムを自在に構築することができる医療ブースシステム、医療ブース、医療ブースシステムの薬剤管理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る医療ブースシステムは、所定の通信媒体を介して、医療従事者が操作する第1のデータ端末と、いずれかの医療ブースに入室する患者が操作する第2のデータ端末と、診療と薬剤の処方とをオンライン形式で同時に行うためのサーバ装置とが通信する医療ブースシステムであって、複数の医療ブースは、前記医療従事者が前記患者の症状に応じて指定する処方薬を備蓄する薬剤庫であって、診療属性に従って割り当てた複数の小口薬剤庫と、各小口薬剤庫に収容された薬剤名と、その在庫情報と前記医療従事者が発行するデジタル処方せんとを確認して処方口より、処方された薬剤を前記患者に引き渡す引渡し手段と、各小口薬剤庫に収容された薬剤の在庫状態を検出する検出手段と、を備え、前記サーバ装置は、前記検出手段が検出する複数の小口薬剤庫に収容された薬剤名と、処方可能な在庫量とを取得する取得手段と、前記取得手段が取得した薬剤名と、処方可能な在庫量とに基づいて、補充すべき薬剤を薬品会社に発注する発注手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、薬局機能が具備された医療ブース内に患者が入室してデータ端末操作しながら、オンライン診療システムと連携することで、オンライン診療機能と、薬局機能とがコラボレーションした新たな医療ブースシステムを自在に構築することができる。また、医療ブース内で患者に対して迅速に処方がなされるため、通常のオンライン診療よりも素早い対応が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図面は、本発明の特定の実施の形態を示し、発明の不可欠な構成ばかりでなく、選択的及び好ましい実施の形態を含む。
【
図1】本実施形態を示す医療ブースシステムの構成を説明するブロック図。
【
図2】
図1に示したサーバ装置の構成を説明するブロック図。
【
図3】
図1に示した医療ブース内に設けるデータ端末の構成を説明するブロック図。
【
図4】
図1に示した医療ブース内の構成を説明する図。
【
図5】本実施形態を示す医療ブースシステムにおけるオンライン診療処理と処方薬の受領処理の一例を示すフローチャート。
【
図6】本実施形態を示す医療ブースシステムにおけるオンライン診療処理と処方薬の受領処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
【0015】
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
図1は、本実施形態を示す医療ブースシステムの構成を説明するブロック図である。以下、処方薬プラットフォーム1Aを利用して街中に設置される医療ブース210内にデータ端末と、処方薬を備蓄する薬庫(薬ロッカー107)とを備えたブースステーションと、医者が操作するデータ端末を通信接続して、オンライン診療と処方薬の受け取りを可能とする医療ブースシステムについて詳述する。
【0016】
ここで、医療ブースシステムは、サーバ装置1が提供する処方薬プラットフォーム1Aを介して、患者(後述する患者202)が医療ブース(後述する医療ブース210)内で操作する第1のデータ端末3-1~3-N、第3のデータ端末5-1~5-N、製薬会社の担当者が操作する第2のデータ端末4-1~4-Nとの間で、オンライン診療を行う医者が操作する第4のデータ端末2-1~2-Nと医療情報交換を行うことでオンライン診療を可能としている。なお、患者202が医療ブース210内で操作する第1のデータ端末3-1~3-N、第3のデータ端末5-1~5-Nは、それぞれ街中に設定される医療ブース210内に設置されるものとする。また、医療ブース210が特定の診療内容に合わせて内科、皮膚科、婦人科、消化器科等に専門化した医療ブース210として構成してもよい。
【0017】
図2は、
図1に示したサーバ装置1の構成を説明するブロック図である。
図2において、サーバ装置1は、処方薬プラットフォーム1Aをメモリ資源(例えば外部メモリ18からRAM16に読み出される)上に構築し、診療を待ち受ける患者202が操作するデータ端末として、第1のデータ端末3-1~3-N、第3のデータ端末5-1~5-Nと、がブラウザを介して通信可能に接続されている。ここで、第2のデータ端末4-1~4Nは、指定された薬剤を医療ブース210に補充する製薬会社の納品担当者が操作するものとする。
【0018】
なお、第1のデータ端末3-1~3-Nは、症状通知アプリケーションを起動して症状をメニュー選択することに適応して、適正な処方薬を処方可能で、かつ、第3のデータ端末5-1~5-Nの位置情報で特定される近接に設置されたいずれかの医療ブース210への案内情報をサーバ装置1から受け取る受取機能を備える構成としてもよい。
【0019】
11は通信部で、ネットワーク21に接続された第4のデータ端末2-1~2-Nと、第1のデータ端末3-1~3-N、第2のデータ端末4-1~4-N、第3のデータ端末5-1~5-Nを接続して通信を制御する。
【0020】
13はCPUで、外部メモリ18に記憶されたオペレーティングシステム(OS)を起動し、APIを通じてインストールされた各種アプリケーションを起動する。14は処方薬管理データベースで、医者の処方せんが発行されることで処方可能な薬剤の薬名、各医療ブース210の薬ロッカー107(
図4参照)に常備された薬剤毎の在庫量、メンテナンススケジュール、オンライン診療日(医療ブース毎)、問い合わせ先等を記憶している。なお、管理すべき項目は、これに限定されるものではない。また、CPU13は、内部バス12に接続されるハードウエアを記憶する制御プログラムに基づいて総括的に制御する。
【0021】
15はキーボードで、起動しているアプリケーションに対する数値入力、テキスト入力、アイコン指示などを行う。16は容量を拡張可能なRAMで、外部メモリ18にインストールされたプラットフォームの基本プログラムを展開して記憶する。
【0022】
16-1は登録部で、処方薬プラットフォーム1Aを介してオンライン診療を行う医者の医療属性(内科、婦人科等)、医者名、免許情報、医療実績、医療経験従事年数、ホームページURL(緊急連絡先を含む)、発行したデジタル処方せんの履歴等を記憶している。
【0023】
16-2は確認部で、処方薬管理データベース14に登録された各医療ブース210に設けられる薬ロッカー107に常備された薬剤名と、デジタル処方せんに記録された薬剤名とが一致するかどうかを確認する。なお、薬剤名は、共通する薬剤検索テーブルを用いて特定の薬コードが付与されている場合、薬コードが一致するかどうかを確認する。
【0024】
16-3は小口開閉部で、確認部16-2で確認がとれた場合、当該処方すべき薬剤が常備されたロッカー部の扉のLEDを発光させ、施錠された扉のロックを解除させ、処方量に合わせた錠数の処方薬のみを取り出し可能とする。
【0025】
具体的には、ロッカーシステム内に複数のブロック収容部を設け、いずれかのブロック収容部にあらかじめ設定された錠数分の薬剤のみを取り出し可能とする機構を設け、小口開閉部16-3が1つのブロック収容部を解放すると、錠剤が落下することで、処方量以上の薬剤が処方されてしまうことを防止する構成を備えるものとする。
【0026】
16-4は取得部で、処方薬プラットフォーム1Aを介して、医者が操作する第4のデータ端末2-1~2-Nから発行されるデジタル処方せんを取得する。なお、デジタル処方せんのフォーマットは、各医者に採用するフォーマットと、共有可能なフォーマットとを備えて運用可能に構成している。
【0027】
16-5は発注部で、処方薬プラットフォーム1Aを介して後述する薬庫管理部106(
図3参照)から通知される各ブロック収容部に常備される薬剤の在庫データを取得して、製薬会社の発注を処理する担当者が操作する第2のデータ端末4-1~4-Nに薬剤名、発注量、納期、支払情報とともに薬剤の補充を依頼する。
【0028】
なお、サーバ装置1は、第1のデータ端末3-1~3-Nまたは第3のデータ端末5-1~5-Nの位置情報と、処方すべき薬剤履歴とから特定される近接に設置されたいずれかの医療ブース210への第1の案内情報を発信する発信機能を備える構成としてもよい。その際、処方すべき薬剤履歴から特定される薬剤名が劇薬指定されている場合、医療ブース210に代える医療機関を紹介する第2の案内情報を発信することで、患者202の利便性を高める通知を行えるように構成してもよい。
【0029】
図3は、
図1に示した医療ブース210内に設けるデータ端末の構成を説明するブロック図である。
【0030】
図3において、100は通信部で、ネットワーク21を介してサーバ装置1、オンライン診療を行う医者が操作する第4のデータ端末2-1~2-Nと通信する。
【0031】
101はCPUで、内部バス12に接続される各デバイスをROM102に記憶された制御プログラムを実行し、RAM103に展開される各種のアプリケーションの実行、停止等を総括的に制御する。104は入出力インタフェース(I/O)で、薬庫管理部106と通信して、薬ロッカー107が備えるブロック収容部の扉の施解錠を制御する。なお、薬ロッカー107が備えるブロック収容部の扉の施解錠については、暗証番号で開閉可能な構成としてもよい。また、収容する薬剤は、例えば1週間分、2週間分など薬剤の特性に応じて、通常の病院でも処方するような量を1単位として、1つのブロック収容部内に保管しておくものとする。
【0032】
図4は、
図1に示した医療ブース210内の構成を説明する図であり、いわゆるワーキングブースと同様のハードウエアを備えるが、本医療ブース210は、患者202がサーバ装置1からの施錠解除信号に基づいてLEDが点滅する扉の開閉のみが可能となるように制御されている。なお、説明上不要なテーブル、外枠、空調設備、通信設備は省略している。
【0033】
図4において、210は医療ブースで、第1のデータ端末3-1~3-Nと、薬ロッカー107と、カメラ203と、椅子201と、空調システム、照明システムを備える構成となっている。これにより、インフルエンザの症状を訴える患者202が医療ブース210の椅子201に着席してから、医療ブース210を解放するまでの呼吸による影響を解除できるように構成している。また、医療ブース210内では、エアシャワーや消毒設備を備えてもよい。タッチパネル105は、医療ブース210に患者202が入室することを検知すると、メニュー画面がポップアップで表示されるように制御されている。
【0034】
メニュー画面は、オンライン診療のため、カメラ203が撮像する患者202の顔画像と、診療医の顔画像とが対比可能に表示されるものとする。なお、カメラ203の他に、患者202の咽喉状態を観察する第2のカメラを備えたり、患者202の発熱状態を観察するサーモグラフィーを備えたりしてもよい。
【0035】
メニュー画面の中央部から右側には、オンライン診療を進行させるための複数のボタンが配置されている。本システムでは、診断用の開始ボタン、終了ボタン、処方用の受け取りボタンと、開閉ボタンが配置されている。
【0036】
なお、オンライン診療に伴う医療費の支払いについては、各種のクレジットカードや、仮想通貨や、交通カードや各種のキャッシュレスサービスを適用可能にシステムが構築されているものとする。
【0037】
なお、複数の医療ブース210は、患者202の本人識別情報と、保険証情報とを読み取る本人確認機能と、本人確認機能が確認した本人識別情報に紐づく経口薬剤の処方履歴をサーバ装置1から受信する受信機能と、受信機能で受信した処方履歴を第1のデータ端末3-1~3-Nに送信する送信機能とを備える構成としてもよい。
【0038】
このように構成された処方薬プラットフォーム1Aを利用する医療ブースシステムは、ネットワーク21を介して、医療従事者(主として医者)が操作する第4のデータ端末2-1~2-Nと、いずれかの医療ブース210に入室する患者202が操作する第1のデータ端末3-1~3-Nと、診療と薬剤の処方とをオンライン形式で同時に行うためのサーバ装置1とを含む医療ブースシステムにおいて、複数の医療ブース210は、医療従事者が患者202の症状に応じて指定する処方薬を備蓄する薬剤庫として機能する薬ロッカー107であって、診療属性に従って割り当てた複数の小口薬剤庫として機能するブロック収容部(薬ロッカー107に区割りされた薬窓口)と、薬ロッカー107に区割りされた各薬窓口に収容された薬剤名と、その在庫情報と、医療従事者が発行するデジタル処方せんとを確認して処方口として機能する各ブロック収容部の扉を電磁鍵施錠制御部(図示しない)が開閉制御することより、医者からデジタル処方せんで処方された薬剤を医療ブース210内に入室した患者202に直接引き渡す引渡し機能を備え、各ブロック収容部に収容された薬剤の在庫状態を検出する検出部16-6と、を備え、サーバ装置1は、検出部16-6が検出する複数の各ブロック収容部に収容された薬剤名と、処方可能な在庫量とを取得する取得部16-4と、取得部16-4が取得した薬剤名と、処方可能な在庫量とに基づいて、補充すべき薬剤を薬品会社に発注する発注部16-5と、を備えることを特徴としている。
【0039】
図5、
図6は、本実施形態を示す医療ブースシステムにおけるオンライン診療処理と処方薬の受領処理の一例を示すフローチャートである。なお、(1)~(19)は各ステップを示し、サーバ装置1のCPU13が医療ブースシステムに適用するシステムプログラムを実行することが実現される。また、各ステップは、適宜順序を変更可能とし、システムプログラムのバージョンアップにより、更新や拡張がなされてさらなるステップが加わる構成となる場合がある。また、各ステップは、処方薬プラットフォーム1Aが提供するGUIを利用して、WEBページ上でのオンライン診療が実行されるものとする。
【0040】
まず、医療ブース210内に設備される、例えば第1のデータ端末3-1~3-Nを患者202が操作するために、医療ブース210に入室すると、医者が操作する第4のデータ端末2-1~2-Nに接続されたディスプレイ200が自動的にメニュー画面に切り替わり、ログインボタンを患者202がタッチすると(1)、図示しない画面表示、例えば診療科を選択する画面の中から、患者202が診療を受けたい診療科が選択されると(2)、ディスプレイ200上に、選択した診療科の医者であって現在オンライン診療可能な医者の一覧が表示される(3)。
【0041】
ここで、患者202がディスプレイ200に表示された医者の一覧から担当してもらう医者を選択するタッチパネル操作を行うと(4)、例えば第4のデータ端末2-1~2-Nを操作する医者がログインするのを待ち(5)、医者と患者202がビデオチャット形式、あるいはテレビ会議形式で問診が開始される(6)。この後、医者があらかじめ決めた問診ルーティーンに従い複数の問診会話が継続されて、問診が終了となることを医者が指示すると(7)、医者は、経験値、専門医としての処方呪術をもって、患者202にベストな薬剤を処方するためのデジタル処方せんを作成して、サーバ装置1にアップロードする。
【0042】
これを受けて、患者202が操作する第1のデータ端末3-1~3-Nでは、デジタル処方せんを受領する(8)。次に、サーバ装置1は、医療ブース210内の薬ロッカー107を管理する薬庫管理部106から薬ロッカー107に常備される薬剤の情報を取得し、処方薬Box番号を検索する(9)。
【0043】
そして、サーバ装置1は、医者が発行したデジタル処方せんで指定された薬剤コードと、薬庫管理部106から取得する各収容ブロック内に常備された薬剤コードが一致するかどうかを順次照合し(10)、一致しないとサーバ装置1が判断した場合、処方薬欠品を第4のデータ端末2-1~2-Nに通知する(14)。次に、第4のデータ端末2-1~2-Nを操作する医者に再処方依頼を行い(15)、ステップ(8)へ戻る。
【0044】
一方、ステップ(10)で、医者が発行したデジタル処方せんで指定された薬剤コードと、薬庫管理部106から取得する各収容ブロック内に常備された薬剤コードが一致すると判断した場合、対応するブロック収容部の扉の施錠を解除する(11)。
【0045】
次に、医療ブース210に入室した患者202は、LEDが点灯するブロック収容部の扉を開放して、処方薬を取り出す(12)。なお、取り出された薬剤の飲み方、服薬する薬剤の詳細については、患者202が操作するスマートフォンへ服用説明ファイルを転送することで、処方薬の服用が正常になされるように注意喚起することができる。
【0046】
次に、患者202は、医療ブース210内で開放されたブロック収容部の扉を閉じると、小口開閉部16-3が薬庫管理部106を制御してブロック収容部の扉の電気錠を施錠する(13)。次に、上述したようにオンライン診療に要する医療費を決済処理する(16)。
【0047】
そして、サーバ装置1は、ディスプレイ200上に表示されるログアウトボタンが指示されたことを確認したら、サーバ装置1は、第1のデータ端末3-1~3-Nと、第4のデータ端末2-1~2-Nとの接続を切断してログアウトする(17)。
【0048】
次に、患者202が医療ブース210から退出したことを図示しないセンサ情報で確認したら、医療ブース210を開放して(18)、図示しない案内インジケータに、医療ブース210が診療待ちであることを示す情報を表示して(19)、処理を終了する。
【0049】
なお、専門医が扱う薬剤は、何万種類存在するため、医療ブース210で常備すべき薬剤の種類、備蓄量もごく限られたものとなるが、流行性に対処するような医療ブース210を想定した場合は、同じ症状を示す患者202が医療ブース210を利用する可能性が高い。
【0050】
そこで、医療ブースシステムで処方可能な薬剤のバリエーションを増やす代わりに、複数の薬剤を小分けしたパッケージにした組み合わせ薬剤パックを医療ブース210内で開放されたブロック収容部に常備させる手法を取り入れる構成としてもよい。
【0051】
また、医療ブース210では、既に発行された薬手帳(デジタル薬手帳を含む)の情報を処方薬管理データベース14で処方薬の情報を集約して解析して、一定の処方ルールをAIが学習して、医療ブース210内でより的確な組合せ薬を患者202に処方できるように構成してもよい。
【0052】
〔第1実施形態の効果〕
本実施形態によれば、薬局機能が具備された医療ブース210内に患者202が入室してデータ端末操作しながら、オンライン診療システムと連携することで、オンライン診療機能と、薬局機能とがコラボレーションした新たな医療ブースシステムを自在に構築することができる。
【0053】
〔第2実施形態〕
第1実施形態では、処方薬管理データベース14に登録された各医療ブース210に設けられる薬ロッカー107に常備された薬剤名と、デジタル処方せんに記録された薬剤名とが一致するかどうかを確認してロッカーシステム内を複数のブロック収容部の扉の開閉制御を行う場合について説明したが、本人確認機能が確認する患者202の本人識別情報と、保険証情報とを読み取ることで開閉する処方口扉を備える構成として、より厳重に薬剤の受け取り状態を管理できるように構成してもよい。
【0054】
なお、複数の小口薬剤庫として機能する薬ロッカー107は、前面側または背面側に薬剤を補充するための補充扉を備えることで、医療ブース210が使用中であっても、薬剤の補充を納品者が行えるように構成してもよい。
【0055】
〔第2実施形態の効果〕
本実施形態によれば、処方される薬剤の薬効に従い、劇薬指定されるような薬剤が本人以外の患者202に処方されてしまう事態を有効に回避することが可能となる。
【0056】
〔第3実施形態〕
第1実施形態では、第1のデータ端末3-1~3-N、医療ブース210内に設ける第2のデータ端末4-1~4-N、第3のデータ端末5-1~5-N、第4のデータ端末2-1~2-Nはサーバ装置1が提供する処方薬プラットフォーム1Aを介して行う医療ブースシステム例としたが、所定の通信媒体を介して、サーバ装置1と、医療従事者が操作する第4のデータ端末2-1~2-Nと、患者202が操作する第1のデータ端末3-1~3-Nとが通信して、診療と薬剤の処方とをオンライン形式で同時に行うオンライン診療システムと連携する医療ブース210として以下の構成を備えることを特徴としてもよい。
【0057】
具体的には、第4のデータ端末2-1~2-Nと、第1のデータ端末3-1~3-Nから受け取るデジタル処方せんにより処方すべき薬剤を保管する薬ロッカー107を医療ブース210内に収容し、薬ロッカー107は、サーバ装置1から取得するデジタル処方せんで指定される薬剤を第1のデータ端末3-1~3-Nを操作する各患者202に受け渡すために区割りされた複数の開閉扉を備え、薬庫管理部106がサーバ装置1から受信する第4のデータ端末2-1~2-Nから受け取るデジタル処方せんで処方された第1の薬剤名と、薬剤名が区割りされた各開閉扉に割り当てた第2の薬剤名と一致するかどうかを判断して各開閉扉の開閉を制御することで各患者202に処方された薬剤を受け取らせる構成としてもよい。
【0058】
〔第3実施形態の効果〕
本実施形態によれば、首都圏ばかりでなく、その周辺や、無医村の公民館やその地域に近接した場所に本実施形態に示す医療ブース210をネット環境下に敷設することで医療難民を救済するとともに、処方薬を受け取るまでに要する薬局までの移動負担を大幅に短縮することができ、患者202は処方された薬剤を即座に飲用することができ肉体的回復に要する時間も短縮できる。
【0059】
以上の記載した本発明に関する開示は、少なくとも下記事項に要約することができる。
(1)所定の通信媒体を介して、医療従事者が操作する第1のデータ端末と、いずれかの医療ブースに入室する患者が操作する第2のデータ端末と、診療と薬剤の処方とをオンライン形式で同時に行うためのサーバ装置とを含む医療ブースシステムにおいて、複数の医療ブースは、前記医療従事者が前記患者の症状に応じて指定する処方薬を備蓄する薬剤庫であって、診療属性に従って割り当てた複数の小口薬剤庫と、各小口薬剤庫に収容された薬剤名と、その在庫情報と、前記医療従事者が発行するデジタル処方せんとを確認して処方口より、処方された薬剤を前記患者に引き渡す引渡し手段と、各小口薬剤庫に収容された薬剤の在庫状態を検出する検出手段と、を備え、前記サーバ装置は、前記検出手段が検出する複数の小口薬剤庫に収容された薬剤名と、処方可能な在庫量とを取得する取得手段と、前記取得手段が取得した薬剤名と、処方可能な在庫量とに基づいて、補充すべき薬剤を薬品会社に発注する発注手段と、を備えることを特徴とする。
【0060】
(2)前記複数の医療ブースは、前記患者の本人識別情報と、保険証情報とを読み取る本人確認手段と、本人確認手段が確認した本人識別情報に紐づく経口薬剤の処方履歴をサーバ装置から受信する受信手段と、前記受信手段が受信した処方履歴を前記第1のデータ端末に送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0061】
(3)前記第2のデータ端末は、症状通知アプリケーションを起動して症状をメニュー選択することに適応して、適正な処方薬を処方可能で、かつ、前記第2のデータ端末の位置情報で特定される近接に設置されたいずれかの医療ブースへの案内情報を前記サーバ装置から受け取る受取手段を備えることを特徴とする。
【0062】
(4)前記サーバ装置は、前記第2のデータ端末の位置情報と、処方すべき薬剤履歴とから特定される近接に設置されたいずれかの医療ブースへの第1の案内情報を発信する発信手段を備えることを特徴とする。
【0063】
(5)前記発信手段は、前記処方すべき薬剤履歴から特定される薬剤名が劇薬指定されている場合、前記医療ブースに代える医療機関を紹介する第2の案内情報を発信することを特徴とする。
【0064】
(6)前記処方口は、前記本人確認手段が確認する前記患者の本人識別情報と、保険証情報とを読み取ることで開閉する処方口扉を備えることを特徴とする。
【0065】
(7)複数の小口薬剤庫は、前面側または背面側に薬剤を補充するための補充扉を備えることを特徴とする。
【0066】
(8)所定の通信媒体を介して、サーバ装置と、医療従事者が操作する第1のデータ端末と、患者が操作する第2のデータ端末とが通信して、診療と薬剤の処方とをオンライン形式で同時に行うオンライン診療システムと連携する医療ブースであって、前記第2のデータ端末と、前記第1のデータ端末から受け取るデジタル処方せんにより処方すべき薬剤を保管する薬ロッカーとを収容し、前記薬ロッカーは、前記デジタル処方せんで指定される薬剤を前記第2のデータ端末を操作する前記患者に受け渡すために区割りされた複数の開閉扉を備えることを特徴とする。
【0067】
(9)前記第2のデータ端末は、前記サーバ装置から受信する前記第1のデータ端末から受け取るデジタル処方せんで処方された第1の薬剤名と、前記薬剤名が区割りされた各開閉扉に割り当てた第2の薬剤名とが一致するかどうかを判断して各開閉扉の開閉を制御することで前記患者に処方された薬剤を受け取らせる開閉制御手段を備えることを特徴とする。
【0068】
(10)所定の通信媒体を介して、医療従事者が操作する第1のデータ端末と、いずれかの医療ブースに入室する患者が操作する第2のデータ端末と、診療と薬剤の処方とをオンライン形式で同時に行うためのサーバ装置とを含む医療ブースシステムの薬剤管理方法であって、複数の医療ブースは、前記医療従事者が前記患者の症状に応じて指定する処方薬を備蓄する薬剤庫であって、診療属性に従って割り当てた複数の小口薬剤庫と、各小口薬剤庫に収容された薬剤名と、その在庫情報と、前記医療従事者が発行するデジタル処方せんとを確認して処方口より、処方された薬剤を前記患者に引き渡す引渡し手段と、各小口薬剤庫に収容された薬剤の在庫状態を検出する検出手段と、を備え、前記サーバ装置は、前記検出手段が検出する複数の小口薬剤庫に収容された薬剤名と、処方可能な在庫量とを取得する取得ステップと、前記取得ステップで取得した薬剤名と、処方可能な在庫量とに基づいて、補充すべき薬剤を薬品会社に発注する発注ステップと、を備えることを特徴とする。
【0069】
(11)前記第2のデータ端末は、症状通知アプリケーションを起動して症状をメニュー選択することに適応して、適正な処方薬を処方可能で、かつ、前記第2のデータ端末の位置情報で特定される近接に設置されたいずれかの医療ブースへの案内情報を前記サーバ装置から受け取る受取ステップを備えることを特徴とする。
【産業上の利用可能性】
【0070】
なお、患者202が操作するスマートフォン上に薬庫の扉を開閉するQRコード(登録商標)をサーバ装置1が送信して、そのQRコード(登録商標)をカメラ203で読み取らせることで薬庫の扉を開閉する構成とすることで、薬庫の扉を複数回開くような薬剤が処方さされた場合、複数の薬庫のLEDを点灯または点滅させ、複数の薬剤が処方されたことを医療ブース210上で視覚的に確認できるように構成してもよい。
【符号の説明】
【0071】
1 サーバ装置
2-1~2-N 第4のデータ端末
3-1~3-N 第1のデータ端末
4-1~4-N 第2のデータ端末
5-1~5-N 第3のデータ端末