(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178975
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】メンコ及びメンコセット
(51)【国際特許分類】
A63H 33/00 20060101AFI20241219BHJP
A63F 9/00 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
A63H33/00 Z
A63F9/00 504Z
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097414
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】320005501
【氏名又は名称】株式会社電通
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100106840
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 耕司
(74)【代理人】
【識別番号】100131451
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 理
(74)【代理人】
【識別番号】100167933
【弁理士】
【氏名又は名称】松野 知紘
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100184181
【弁理士】
【氏名又は名称】野本 裕史
(74)【代理人】
【識別番号】100220423
【弁理士】
【氏名又は名称】榊間 城作
(72)【発明者】
【氏名】小野澤 峻
(72)【発明者】
【氏名】木村 太郎
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150BB04
2C150FB04
2C150FD12
(57)【要約】
【課題】容易に裏返すことが可能なメンコ及び該メンコを含むメンコセットを提供する。
【解決手段】メンコは、少なくとも一部に湾曲部又は屈曲部が形成された板状部材からなり、湾曲部又は屈曲部は、板状部材の少なくとも一方の端部の裏面が非接地となるように形成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部に湾曲部又は屈曲部が形成された板状部材からなり、
前記湾曲部又は屈曲部は、前記板状部材の少なくとも一方の端部の裏面が非接地となるように形成される、メンコ。
【請求項2】
前記板状部材は、前記湾曲部又は屈曲部に隣接する平坦部が形成される、請求項1に記載のメンコ。
【請求項3】
前記板状部材は、前記平坦部の両側に前記湾曲部又は屈曲部が形成される、請求項2に記載のメンコ。
【請求項4】
前記板状部材は、前記平坦部の両側に前記湾曲部が形成される、請求項3に記載のメンコ。
【請求項5】
前記板状部材は、前記平坦部の一方側に前記湾曲部が形成され、他方側に前記屈曲部が形成される、請求項3に記載のメンコ。
【請求項6】
前記板状部材は、前記平坦部の両側に前記屈曲部が形成される、請求項3に記載のメンコ。
【請求項7】
前記板状部材は、前記平坦部の一方側に形成された前記湾曲部又は屈曲部が表面側に湾曲又は屈曲するとともに、前記平坦部の他方側に形成された前記湾曲部又は屈曲部が裏面側に湾曲又は屈曲する、略S字形状に形成される、請求項3に記載のメンコ。
【請求項8】
以下の条件式を満足する、請求項1に記載のメンコ。
0° < θc < 270°
但し、
θc:前記湾曲部の湾曲角度
【請求項9】
以下の条件式を満足する、請求項1に記載のメンコ。
0° < θb < 90°
但し、
θb:前記屈曲部の屈曲角度
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載のメンコである第1メンコと、前記湾曲部又は屈曲部が形成されていない第2メンコと、を含み、
前記第1メンコを受けコマ、前記第2メンコを投げコマとして用いる、メンコセット。
【請求項11】
請求項1から9のいずれかに記載のメンコである第3メンコと、請求項1から9のいずれかに記載のメンコであって前記第3メンコよりも重い第4メンコと、を含み、
前記第3メンコを受けコマ、前記第4メンコを投げコマとして用いる、メンコセット。
【請求項12】
請求項1から9のいずれかに記載のメンコを受けコマ又は投げコマとして用いる複数のメンコを含む、メンコセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メンコ及びメンコセットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、可動片と該可動片を動作可能に支持する固定部とを含み、可動片と固定部のうち少なくとも可動片にはゲームに関連する情報が複数表示されたメンコが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
メンコ遊びでは、床、地面、机上等の平らな面に、一方のプレイヤーのメンコを勢いよく落下させ、その際に生じる風圧によって、落下地点周囲に配置された他方のプレイヤーのメンコを裏返す、いわゆる“おこし”が行われる。
【0005】
しかしながら、従来のメンコは、全体として扁平な形状をしており、メンコの落下時に、相手のメンコを裏返すのに十分な風圧を発生させるためには、ある程度の熟練が必要であった。そのため、メンコ遊びに慣れていない初心者は、容易に相手のメンコを裏返すことができなかった。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、容易に裏返すことが可能なメンコ及び該メンコを含むメンコセットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
[1]本発明の一態様のメンコは、
少なくとも一部に湾曲部又は屈曲部が形成された板状部材からなり、
前記湾曲部又は屈曲部は、前記板状部材の少なくとも一方の端部の裏面が非接地となるように形成される。
【0008】
[2]本発明の一態様のメンコは、上記[1]に記載のメンコにおいて、
前記板状部材は、前記湾曲部又は屈曲部に隣接する平坦部が形成される。
【0009】
[3]本発明の一態様のメンコは、上記[2]に記載のメンコにおいて、
前記板状部材は、前記平坦部の両側に前記湾曲部又は屈曲部が形成される。
【0010】
[4]本発明の一態様のメンコは、上記[3]に記載のメンコにおいて、
前記板状部材は、前記平坦部の両側に前記湾曲部が形成される。
【0011】
[5]本発明の一態様のメンコは、上記[3]に記載のメンコにおいて、
前記板状部材は、前記平坦部の一方側に前記湾曲部が形成され、他方側に前記屈曲部が形成される。
【0012】
[6]本発明の一態様のメンコは、上記[3]に記載のメンコにおいて、
前記板状部材は、前記平坦部の両側に前記屈曲部が形成される。
【0013】
[7]本発明の一態様のメンコは、上記[3]に記載のメンコにおいて、
前記板状部材は、前記平坦部の一方側に形成された前記湾曲部又は屈曲部が表面側に湾曲又は屈曲するとともに、前記平坦部の他方側に形成された前記湾曲部又は屈曲部が裏面側に湾曲又は屈曲する、略S字形状に形成される。
【0014】
[8]本発明の一態様のメンコは、上記[1]~[5]のいずれかに記載のメンコにおいて、
以下の条件式を満足する。
0° < θc < 270°
但し、
θc:前記湾曲部の湾曲角度
【0015】
[9]本発明の一態様のメンコは、上記[1]~[6]のいずれかに記載のメンコにおいて、
以下の条件式を満足する。
0° < θb < 90°
但し、
θb:前記屈曲部の屈曲角度
【0016】
[10]本発明の一態様のメンコセットは、上記[1]から[9]のいずれかに記載のメンコである第1メンコと、前記湾曲部又は屈曲部が形成されていない第2メンコと、を含み、前記第1メンコを受けコマ、前記第2メンコを投げコマとして用いる。
【0017】
[11]本発明の一態様のメンコセットは、上記[1]から[9]のいずれかに記載のメンコである第3メンコと、上記[1]から[9]のいずれかに記載のメンコであって前記第3メンコよりも重い第4メンコと、を含み、
前記第3メンコを受けコマ、前記第4メンコを投げコマとして用いる。
【0018】
[12]本発明の一態様のメンコセットは、上記[1]から[9]のいずれかに記載のメンコを受けコマ又は投げコマとして用いる複数のメンコを含む。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、容易に裏返すことが可能なメンコ及び該メンコを含むメンコセットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】第1実施形態に係るメンコの外観の斜視図である。
【
図2A】第1実施形態に係るメンコの上面図である。
【
図2B】第1実施形態に係るメンコの側面図である。
【
図2C】第1実施形態に係るメンコの正面図である。
【
図3】第1実施形態に係るメンコの湾曲角度を示す図である。
【
図4】第2実施形態に係るメンコの外観の斜視図である。
【
図5A】第2実施形態に係るメンコの上面図である。
【
図5B】第2実施形態に係るメンコの側面図である。
【
図5C】第2実施形態に係るメンコの正面図である。
【
図6】第2実施形態に係るメンコの屈曲角度を示す図である。
【
図7】第1変形例に係るメンコの正面図を示す図である。
【
図8】第2変形例に係るメンコの正面図を示す図である。
【
図9】第3変形例に係るメンコの正面図を示す図である。
【
図10】第4変形例に係るメンコの正面図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、各図において同等の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、同一符号の構成要素の詳しい説明は繰り返さない。
【0022】
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係るメンコ1の外観の斜視図である。
図1に示すように、メンコ1は、板状部材であるメンコ本体10で構成されており、全体が湾曲した立体的な形状となっている。なお、本実施形態では、一例として、メンコ本体10の全体が湾曲した例を説明するが、湾曲した部分(湾曲部)は、メンコ本体10の少なくとも一部に形成されていればよい。
【0023】
図2Aは、メンコ1を
図1のA方向に見た上面図であり、
図2Bは、メンコ1を
図1のB方向に見た側面図であり、
図2Cは、メンコ1を
図1のC方向に見た正面図である。
【0024】
図2A~
図2Cに示すように、メンコ1は、板状部材であるメンコ本体10の全体が湾曲するように形成されている。そのため、
図2Cに示すように、メンコ本体10の表面S1および裏面S2が一体的に湾曲した形状の湾曲部10Cとして機能する。この湾曲部10Cは、メンコ本体10(板状部材)の少なくとも一方の端部(
図2Cに示す例では、メンコ本体10の両方の端部)の裏面(S2)が非接地となるように形成されている。言い換えると、湾曲部10Cは、メンコ本体10(板状部材)の少なくとも一方の端部の裏面(S2)が、メンコ1が配置された配置面(床、机上、地面等)から離間する方向に湾曲するように形成されている。これにより、メンコ本体10の下面と、メンコ1が配置された面(床、地面、机上等の平らな面。以下、配置面という。)との間に隙間が形成される。その結果、メンコ1(受けコマ)付近の配置面に他のメンコ(投げコマ)を投げ落とした際に発生する気流が当該隙間に流れ込み、容易にメンコ1を裏返すことが可能となる。 また、メンコ1は、その裏面S2を下面として配置した場合、湾曲部10Cの一部(
図2Cの点Pを含む領域)で接地するため、メンコ本体10と配置面との隙間に気流が流れ込んだ際に、メンコ1の全体がロッキングチェアのように揺動する。これにより、他のメンコをメンコ1の配置面に投げ落とした際に発生する風圧が弱いものであったとしても、容易にメンコ1を裏返すことが可能となる。すなわち、メンコ1を投げ落とす力が弱い子供や高齢者であっても容易に相手のメンコを裏返すことができる。
【0025】
また、メンコ1(受けコマ)の湾曲部10Cにおける表面(S1)の端部に他のメンコ(投げコマ)を当てることにより、メンコ1が転がるように勢いよく回転し、その勢いでメンコ1を容易に裏返すことが可能となる。
【0026】
図3は、メンコ1(メンコ本体10)に形成された湾曲部10Cの湾曲角度について説明する図である。
図3に示すように、湾曲部10Cの湾曲角度は、湾曲部を構成する円弧に係る円の中心Oを基準とした中心角θcとして定義される。ここで、湾曲角度θcは、0°<θc<270°に設定するのが好ましく、より好ましくは、120°<θc<180°である。この湾曲部10Cの湾曲角度θcを適宜調整することにより、メンコ本体10の端部と配置面との隙間の大きさを調整することができる。当該隙間が大きいほどメンコ1を裏返しやすくなるため、湾曲角度θcを調整することにより、メンコ1の裏返し易さを調整することができる。なお、湾曲角度θcを単純に小さくすると、湾曲部10C(円弧)の長さが小さくなってしまうが、その場合は、円弧の曲率半径を大きくすることにより、湾曲部10Cの長さを確保してもよい。
【0027】
以上説明したとおり、本実施形態によれば、メンコ1は、少なくとも一部に湾曲部10Cが形成された板状部材(メンコ本体10)からなり、湾曲部10Cは、板状部材(メンコ本体10)の少なくとも一方の端部の裏面S2が非接地となるように形成されるので、メンコ遊びに慣れていない初心者や、メンコ1を投げ落とす力の弱い子供や高齢者等であっても容易にメンコ1を裏返すことができる。
【0028】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係るメンコ2について説明する。
図4は、本実施形態に係るメンコ2の外観の斜視図である。
図4に示すように、メンコ2は、板状部材であるメンコ本体20で構成されており、メンコ本体20の略中央で屈曲した立体的な形状となっている。なお、本実施形態では、一例として、メンコ本体20の略中央で屈曲した例を説明するが、屈曲した部分(屈曲部)は、メンコ本体20の少なくとも一部に形成されていればよく、屈曲部の位置もメンコ本体20の略中央に限定されず、任意の位置であってよい。
【0029】
図5Aは、メンコ2を
図4のA方向に見た上面図であり、
図5Bは、メンコ2を
図4のB方向に見た側面図であり、
図5Cは、メンコ2を
図4のC方向に見た正面図である。
【0030】
図5A~
図5Cに示すように、メンコ2は、板状部材であるメンコ本体20の略中央で屈曲するように屈曲部20Bが形成されている。そして、この屈曲部20Bに隣接して、屈曲部20Bの両側に平坦部20F1及び平坦部20F2が形成されている。平坦部20F1は、メンコ2の配置面に接地している。
【0031】
屈曲部20Bは、メンコ本体20(板状部材)の少なくとも一方の端部(
図5Cに示す例では、平坦部20F2が形成された側の端部)の裏面(S2)が非接地となるように形成されている。言い換えると、屈曲部20Bは、メンコ本体20(板状部材)の少なくとも一方の端部の裏面(S2)が、メンコ2が配置された配置面(床、机上、地面等)から離間する方向に屈曲するように形成されている。これにより、メンコ本体10の下面と、メンコ1の配置面との間に隙間が形成され、他のメンコを配置面に投げ落とした際に発生する気流が当該隙間に流れ込み、容易にメンコ1を裏返すことが可能となる。
【0032】
また、メンコ2(受けコマ)の屈曲部20Bにおける表面(S1)の端部に他のメンコ(投げコマ)を当てることにより、メンコ2が転がるように勢いよく回転し、その勢いでメンコ2を容易に裏返すことが可能となる。
【0033】
図6は、メンコ2(メンコ本体20)に形成された屈曲部20Bの屈曲角度について説明する図である。
図6に示すように、屈曲部20Bの屈曲角度は、平坦部20F1をメンコ2の配置面に接地させた状態において、平坦部20F2が当該配置面から離間する角度θbとして定義される。ここで、角度θbは、0°<θb<90°である。より好ましくは、30°<θb<45°である。この角度θbを調整することにより、平坦部20F2(メンコ2の裏面S2)と配置面との隙間の大きさを調整することができる。当該隙間が大きいほどメンコ2を裏返しやすくなるため、角度θbを調整することにより、メンコ2の裏返し易さを調整することができる。
【0034】
以上説明したとおり、本実施形態によれば、メンコ2は、少なくとも一部に屈曲部20Bが形成された板状部材(メンコ本体20)からなり、屈曲部20Bは、板状部材(メンコ本体20)の少なくとも一方の端部の裏面S2が非接地となるように形成されるので、メンコ遊びに慣れていない初心者であっても容易にメンコ1を裏返すことができる。
【0035】
次に上記各実施形態のメンコの変形例について説明する。
【0036】
(第1変形例)
図7は、第1変形例に係るメンコ3の正面図を示す図である。
図7に示すように、メンコ3は、下面(裏面S2)がメンコ3の配置面に接地する平坦部30Fと、この平坦部30Fの一方の側に、平坦部30Fに隣接して湾曲部30Cが形成されたメンコ本体30からなる。なお、湾曲部30Cの湾曲角度θcの設定範囲は、上記第1実施形態のメンコ1と同様である。
【0037】
メンコ3は、上記メンコ1と同様に、湾曲部30Cによって、メンコ本体30の下面(裏面S2)と配置面との間に隙間が形成されるため、他のメンコを配置面に投げ落とした際に発生する気流が当該隙間に流れ込み、メンコ3を容易に裏返すことが可能となる。さらに、メンコ3は、メンコ本体30に平坦部30Fが形成されていることにより、適度な安定性も備えることができる。
【0038】
また、メンコ3(受けコマ)の湾曲部30Cにおける表面(S1)の端部に他のメンコ(投げコマ)を当てることにより、メンコ3が転がるように勢いよく回転し、その勢いでメンコ3を容易に裏返すことが可能となる。
【0039】
(第2変形例)
図8は、第2変形例に係るメンコ4の正面図を示す図である。
図8に示すように、メンコ4は、下面(裏面S2)がメンコ4の配置面に接地する平坦部40Fと、この平坦部40Fの両側に、平坦部40Fに隣接して湾曲部40C1及び湾曲部40C2が形成されたメンコ本体40からなる。なお、湾曲部40C1の湾曲角度θc1及び湾曲部40C2の湾曲角度θc2の設定範囲は、上記第1実施形態のメンコ1の湾曲角度θcと同様である。
【0040】
メンコ4は、上記メンコ1と同様に、湾曲部40C1及び湾曲部40C2によって、メンコ本体40の下面(裏面S2)と配置面との間に隙間が形成されるため、他のメンコを配置面に投げ落とした際に発生する気流が当該隙間に流れ込み、メンコ4を容易に裏返すことが可能となる。さらに、メンコ4は、メンコ本体40に平坦部40Fが形成されていることにより、適度な安定性も備えることができる。
【0041】
また、メンコ4(受けコマ)の湾曲部40C1又は40C2における表面(S1)の端部に他のメンコ(投げコマ)を当てることにより、メンコ4が転がるように勢いよく回転し、その勢いでメンコ4を容易に裏返すことが可能となる。
【0042】
なお、
図8に示すメンコ4の例では、湾曲部40C1及び湾曲部40C2がともにメンコ4の表面S1側に湾曲しているが、向かい合う湾曲部同士が互いに反対側に湾曲する略S字形状にメンコ4を形成してもよい。すなわち、メンコ本体40において、平坦部40Fの一方側に形成された湾曲部40C1を表面(S1)側に湾曲させるとともに、平坦部40Fの他方側に形成された湾曲部40C2を裏面(S2)側に湾曲させてもよい。このようにメンコ4を形成することにより、メンコ4が立体的な形状となり、メンコ4をより容易に裏返すことが可能となる。
【0043】
(第3変形例)
図9は、第3変形例に係るメンコ5の正面図を示す図である。
図9に示すように、メンコ5は、下面(裏面S2)がメンコ5の配置面に接地する平坦部50F1と、この平坦部50F1に隣接して、一方側に湾曲部50Cが、他方側に屈曲部50Bが、それぞれ形成されたメンコ本体50からなる。屈曲部50Bには、平坦部50F1及び平坦部50F2が隣接して形成される。なお、湾曲部50Cの湾曲角度θcは、上記第1実施形態のメンコ1の湾曲角度θcと同様であり、屈曲部50Bの屈曲角度θbは、上記第2実施形態のメンコ2の屈曲角度θbと同様である。
【0044】
メンコ5は、湾曲部50C及び屈曲部50Bによって、メンコ本体50の下面(裏面S2。平坦部50F2。)と配置面との間に隙間が形成されるため、他のメンコを配置面に投げ落とした際に発生する気流が当該隙間に流れ込み、メンコ5を容易に裏返すことが可能となる。さらに、メンコ5は、メンコ本体50に平坦部50F1が形成されていることにより、適度な安定性も備えることができる。
【0045】
また、メンコ5(受けコマ)の湾曲部50C又は屈曲部50Bにおける表面(S1)の端部に他のメンコ(投げコマ)を当てることにより、メンコ5が転がるように勢いよく回転し、その勢いでメンコ5を容易に裏返すことが可能となる。
【0046】
なお、
図9に示すメンコ4の例では、湾曲部50C及び屈曲部50Bがともにメンコ5の表面S1側に湾曲又は屈曲しているが、向かい合う湾曲部50C及び屈曲部50Bが互いに反対側に湾曲又は屈曲する略S字形状にメンコ5を形成してもよい。すなわち、メンコ本体50において、平坦部50F1の一方側に形成された湾曲部50Cを表面(S1)側に湾曲させるとともに、平坦部50F1の他方側に形成された屈曲部50Bを裏面(S2)側に屈曲させてもよい。このようにメンコ5を形成することにより、メンコ5が立体的な形状となり、メンコ5をより容易に裏返すことが可能となる。(第4変形例)
図10は、第4変形例に係るメンコ6の正面図を示す図である。
図10に示すように、メンコ6は、下面(裏面S2)がメンコ6の配置面に接地する平坦部60F1と、この平坦部60F1の両側に、平坦部60F1に隣接して屈曲部60B1及び屈曲部60B2が形成されたメンコ本体60からなる。屈曲部60B1には平坦部60F1及び平坦部60F2が、屈曲部60B2には、平坦部60F1及び平坦部60F3が、それぞれ隣接して形成される。なお、屈曲部60B1の屈曲角度θb1及び屈曲部60B2の屈曲角度θb2の設定範囲は、上記第2実施形態のメンコ2の屈曲角度θbと同様である。
【0047】
メンコ6は、上記メンコ2と同様に、屈曲部60B1及び屈曲部60B2によって、メンコ本体60の下面(裏面S2。平坦部60F2及び平坦部60F3。)と配置面との間に隙間が形成されるため、他のメンコを配置面に投げ落とした際に発生する気流が当該隙間に流れ込み、メンコ6を容易に裏返すことが可能となる。さらに、メンコ6は、メンコ本体40に平坦部60F1が形成されていることにより、適度な安定性も備えることができる。
【0048】
また、メンコ6(受けコマ)の屈曲部60B1又は屈曲部60B2における表面(S1)の端部に他のメンコ(投げコマ)を当てることにより、メンコ6が転がるように勢いよく回転し、その勢いでメンコ6を容易に裏返すことが可能となる。
【0049】
なお、
図10に示すメンコ6の例では、屈曲部60B1及び屈曲部60B2がともにメンコ6の表面S1側に屈曲しているが、向かい合う屈曲部同士が互いに反対側に屈曲する略S字形状にメンコ6を形成してもよい。すなわち、メンコ本体60において、平坦部60F1の一方側に形成された屈曲部60B1を表面(S1)側に屈曲させるとともに、平坦部60F1の他方側に形成された屈曲部60B2を裏面(S2)側に屈曲させてもよい。このようにメンコ6を形成することにより、メンコ6が立体的な形状となり、メンコ6をより容易に裏返すことが可能となる。 次に、上記各実施形態及び変形例のメンコ(メンコ1~6)を含むメンコセットについて説明する。
【0050】
(第1メンコセット)
第1メンコセットは、上記各実施形態及び各変形例のいずれかのメンコ(第1メンコ)と、湾曲部又は屈曲部が形成されていないメンコ(第2メンコ)とを含む。この場合において、第1メンコを受けコマ(配置面に配置するメンコ)とし、第2メンコを投げコマ(配置面に投げ落とすメンコ)とすることにより、受けコマ(第1メンコ)を投げコマ(第2メンコ)によって容易に裏返すことが可能なメンコセットを構成することができる。
【0051】
(第2メンコセット)
第2メンコセットは、上記各実施形態及び各変形例のいずれかのメンコ(第3メンコ)と、上記各実施形態及び各変形例のいずれかのメンコであって第3メンコよりも重いメンコ(第4メンコ)とを含む。この場合において、第3メンコを受けコマとし、第4メンコを投げコマとすることにより、受けコマ(第1メンコ)を投げコマ(第2メンコ)によって容易に裏返すことが可能なメンコセットを構成することができる。軽いメンコを受けコマにした方がより容易に裏返すことが可能であり、また、重いメンコを投げコマにした方が、配置面に投げ落とした際に発生する風圧がより大きくなって受けコマを裏返し易いからである。
【0052】
(第3メンコセット)
第3メンコセットは、上記各実施形態及び各変形例のいずれかのメンコを受けコマ(第1メンコ)又は投げコマ(第2メンコ)として用いる複数のメンコを含む。このように上記各実施形態及び各変形例のいずれかのメンコでメンコセットを構成することにより、プレイヤーの互いのメンコを裏返しやすいメンコセットを提供することができる。
【0053】
上記各実施形態において、上面図における外形が略楕円形状のメンコの例を説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明は、上面図における外形に任意の形状のメンコに適用可能であり、その外形の形状は、多角形、円形、ドーナツ型、動物、植物(葉、花、野菜、果物等)、昆虫、人、魚類、貝、水しぶき、数字、文字、ロゴ、シンボルマーク、国旗、硬貨、紙幣等のシルエットであってもよい。
【0054】
また、上記各実施形態及び各変形例のメンコの素材としては、紙、木材、ポリプロピレン、ナイロン、段ボール、バイオプラスチック、ABS樹脂やPLA樹脂等の3Dプリンター材料を用いることができる。
【0055】
また、上記各実施形態及び各変形例のメンコにおいて、裏面S2の表面粗さを表面S1より小さくしてもよい。裏面S2の表面粗さを小さくすることにより、メンコが滑りやすくなり、より容易にメンコを裏返すことが可能となる。また、上記各実施形態及び各変形例のメンコを含むメンコセットにおいて、裏面S2の表面粗さが異なる複数のメンコをメンコセットに含んでもよい。
【0056】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形例を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態には限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【0057】
また、本明細書に記載された事項の全てが必須の要件というわけではない。特に、本明細書に記載され、特許請求の範囲に記載されていない事項は任意の付加的事項ということができる。
【0058】
なお、本出願人は本明細書の「先行技術文献」欄の文献に記載された文献公知発明を知っているにすぎず、本発明は必ずしも同文献公知発明における課題を解決することを目的とするものではないことにも留意されたい。本発明が解決しようとする課題は本明細書全体を考慮して認定されるべきものである。例えば、本明細書において、特定の構成によって所定の効果を奏する旨の記載がある場合、当該所定の効果の裏返しとなる課題が解決されるということもできる。ただし、必ずしもそのような特定の構成を必須の要件とする趣旨ではない。
【符号の説明】
【0059】
1、2、3、4、5、6 メンコ
10、20、30、40、50、60 メンコ本体
10C、30C、40C1、40C2、50C 湾曲部
20B、50B、60B1、60B2 屈曲部
20F1、20F2、30F、40F、50F1、50F2、60F1、60F2、60F3 平坦部
S1 表面
S2 裏面
【手続補正書】
【提出日】2024-11-01
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一部に湾曲部又は屈曲部が形成された板状部材であって、湾曲した外形の板状部材からなり、
前記湾曲部又は屈曲部は、前記板状部材の少なくとも一方の端部の裏面が非接地となるように形成される、メンコ。
【請求項2】
前記板状部材は、前記湾曲部又は屈曲部に隣接する平坦部が形成される、請求項1に記載のメンコ。
【請求項3】
前記外形は、互いに曲率の異なる複数の湾曲した部分を含む、
請求項1に記載のメンコ。
【請求項4】
前記板状部材は、前記湾曲部又は屈曲部の中心線に対して非対称な形状である、
請求項1~3のいずれかに記載のメンコ。
【請求項5】
前記板状部材は、前記平坦部の両側に前記湾曲部又は屈曲部が形成される、請求項2に記載のメンコ。
【請求項6】
前記板状部材は、前記平坦部の両側に前記湾曲部が形成される、請求項5に記載のメンコ。
【請求項7】
前記板状部材は、前記平坦部の一方側に前記湾曲部が形成され、他方側に前記屈曲部が形成される、請求項5に記載のメンコ。
【請求項8】
前記板状部材は、前記平坦部の両側に前記屈曲部が形成される、請求項5に記載のメンコ。
【請求項9】
前記板状部材は、前記平坦部の一方側に形成された前記湾曲部又は屈曲部が表面側に湾曲又は屈曲するとともに、前記平坦部の他方側に形成された前記湾曲部又は屈曲部が裏面側に湾曲又は屈曲する、略S字形状に形成される、請求項5に記載のメンコ。
【請求項10】
以下の条件式を満足する、請求項1に記載のメンコ。
0° < θc < 270°
但し、
θc:前記湾曲部の湾曲角度
【請求項11】
以下の条件式を満足する、請求項1に記載のメンコ。
0° < θb < 90°
但し、
θb:前記屈曲部の屈曲角度
【請求項12】
請求項1に記載のメンコを受けコマ又は投げコマとして用いる複数のメンコを含む、メンコセット。