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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024178990
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】配線モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/503 20210101AFI20241219BHJP
   H01M 50/526 20210101ALI20241219BHJP
   H01G 4/228 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
H01M50/503
H01M50/526
H01G4/228 S
H01G4/228 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097456
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】弁理士法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 悠平
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 秀夫
【テーマコード(参考)】
5H043
【Fターム(参考)】
5H043AA05
5H043AA19
5H043JA13F
5H043JA21F
5H043KA01F
5H043LA22F
(57)【要約】
【課題】バスバーと電極端子との接続信頼性、及びバスバーと配線材との接続信頼性に優れた配線モジュールを提供する。
【解決手段】配線モジュール20は、電極端子を有する複数の蓄電素子に取り付けられる配線モジュール20であって、バスバー30と、配線材40と、を備え、バスバー30は、電極端子に接続される電極接続部31と、板状をなす複数の基材が積層されて構成されており且つ隣接する2つの電極接続部31を連結する積層部32と、を備え、積層部32は、配線材40に電気的に接続される配線材接続部37を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極端子を有する複数の蓄電素子に取り付けられる配線モジュールであって、
バスバーと、
配線材と、を備え、
前記バスバーは、前記電極端子に接続される電極接続部と、板状をなす複数の基材が積層されて構成されており且つ隣接する2つの前記電極接続部を連結する積層部と、を備え、
前記積層部は、前記配線材に電気的に接続される配線材接続部を備える、配線モジュール。
【請求項2】
前記積層部は、前記電極接続部と重畳して前記電極接続部に接続される重畳部を備え、
前記重畳部は前記配線材接続部を備える、請求項1に記載の配線モジュール。
【請求項3】
前記電極接続部は第1金属により構成され、
前記複数の基材は、前記第1金属により構成される少なくとも1つの第1基材と、前記第1金属とは異なる第2金属により構成される少なくとも1つの第2基材と、を備え、
前記配線材は、前記第2金属により構成される導体部を備え、
前記電極接続部は前記第1基材に接続され、
前記配線材接続部は第2基材により形成され、前記導体部に接続されている、請求項1または請求項2に記載の配線モジュール。
【請求項4】
前記積層部は、前記電極接続部が並ぶ第1方向、及び前記電極接続部と前記電極端子とが対向する第2方向の双方に直交する第3方向について、前記電極接続部よりも外方に延びる延出部を備え、
前記延出部は前記配線材接続部を備える、請求項1または請求項2に記載の配線モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配線モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特開2023-47446号公報(下記特許文献1)に記載のバスバーが知られている。特許文献1のバスバーは、2つの接続部と、2つの接続部を連結する中間部と、を備えている。接続部は蓄電素子の電極端子に接続される部分である。中間部は接続部から上方に突出する山形状をなしている。中間部により、2つの接続部のずれを吸収することができる。バスバーは、板状の複数の基材が上下方向に積層されることで構成されている。これにより、バスバーを1枚の金属板材から構成する場合と比較して、中間部をより柔軟に形成することができる。
【0003】
また、特開2019-207825号公報(下記特許文献2)には、電極端子と接続される接続バスバーと、電圧検知線と、を備える配線モジュールが記載されている。この接続バスバーは、電極端子から離間する方向(上方)に突出する屈曲部を有している。電圧検知線は電圧検知端子を介して、接続バスバーにおける電極端子に接続される部分(屈曲部と異なる部分)に接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2023-47446号公報
【特許文献2】特開2019-207825号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のバスバーに電圧検知線等の配線材を接続して配線モジュールを構成する場合、特許文献2に記載の構成を適用すると、配線材はバスバーの接続部に接続されることになる。しかし、例えば、バスバーを小型化した場合には、接続部と配線材との接続、及び接続部と電極端子との接続を両立させることが難しいことがありうる。
【0006】
また、接続部は電極端子との接続工程のために所定の強度を有することが好ましいが、特許文献1のバスバーは複数の基材が積層されることで構成されているため、接続部の強度が低下するおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の配線モジュールは、電極端子を有する複数の蓄電素子に取り付けられる配線モジュールであって、バスバーと、配線材と、を備え、前記バスバーは、前記電極端子に接続される電極接続部と、板状をなす複数の基材が積層されて構成されており且つ隣接する2つの前記電極接続部を連結する積層部と、を備え、前記積層部は、前記配線材に電気的に接続される配線材接続部を備える、配線モジュールである。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、バスバーと電極端子との接続信頼性、及びバスバーと配線材との接続信頼性に優れた配線モジュールを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施形態1にかかる蓄電モジュールの平面図である。
図2図2は、実施形態1にかかる配線モジュールの拡大斜視図である。
図3図3は、実施形態1にかかる配線モジュールの拡大底面図である。
図4図4は、第1実施形態にかかるバスバーの平面図である。
図5図5は、第1実施形態にかかるバスバーの側面図である。
図6図6は、図5に示すバスバーが有する積層部の拡大側面図である。
図7図7は、実施形態2にかかる配線モジュールの拡大斜視図である。
図8図8は、実施形態2にかかる配線モジュールの拡大底面図である。
図9図9は、他の実施形態にかかる配線モジュールの拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列挙して説明する。
[1]本開示の配線モジュールは、電極端子を有する複数の蓄電素子に取り付けられる配線モジュールであって、バスバーと、配線材と、を備え、前記バスバーは、前記電極端子に接続される電極接続部と、板状をなす複数の基材が積層されて構成されており且つ隣接する2つの前記電極接続部を連結する積層部と、を備え、前記積層部は、前記配線材に電気的に接続される配線材接続部を備える。
【0011】
このような構成によると、電極接続部を、複数の基材が積層された構成の積層部と別体に形成することができるから、電極接続部の強度を向上させることができる。よって、電極接続部と電極端子との電気的接続を行いやすくなる。
【0012】
また、上記の構成によると、積層部が備える配線材接続部により、バスバーと配線材とを電気的に接続することができる。また、電極接続部に配線材接続部を設けなくてよいから、例えば、バスバーが小型化された場合等でも、電極接続部と電極端子との電気的接続を担保しやすくなる。
【0013】
[2]上記[1]において、前記積層部は、前記電極接続部と重畳して前記電極接続部に接続される重畳部を備え、前記重畳部は前記配線材接続部を備えることが好ましい。
【0014】
このような構成によると、配線材接続部は、積層部のうち電極接続部に接続される重畳部に形成される。重畳部は、電極接続部に重畳されて電極接続部に接続される構成のため、積層部のうち柔軟性が低い部分である。そのため、配線材接続部を重畳部に設けることにより、積層部のうち電極接続部に重畳されない部分の柔軟性が損なわれることや、配線材接続部と配線材との接続部分に応力がかかることを抑制することができる。
【0015】
[3]上記[1]または[2]において、前記電極接続部は第1金属により構成され、前記複数の基材は、前記第1金属により構成される少なくとも1つの第1基材と、前記第1金属とは異なる第2金属により構成される少なくとも1つの第2基材と、を備え、前記配線材は、前記第2金属により構成される導体部を備え、前記電極接続部は前記第1基材に接続され、前記配線材接続部は第2基材により形成され、前記導体部に接続されていることが好ましい。
【0016】
このような構成によると、電極接続部と積層部との接続、及び配線材接続部と配線材との接続が、同種金属間での接続となる。したがって、これらの接続が容易になる。
【0017】
[4]上記[1]から[3]のいずれか1つにおいて、前記積層部は、前記電極接続部が並ぶ第1方向、及び前記電極接続部と前記電極端子とが対向する第2方向の双方に直交する第3方向について、前記電極接続部よりも外方に延びる延出部を備え、前記延出部は前記配線材接続部を備えることが好ましい。
【0018】
このような構成によると、配線材を第1方向に延在させた状態でも、配線材と配線材接続部とを接続することができる。
【0019】
[本開示の実施形態の詳細]
以下に、本開示の実施形態について説明する。本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張または簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については各図面で異なる場合がある。本明細書における「直交」は、厳密に直交の場合のみでなく、本実施形態における作用ならびに効果を奏する範囲内で概ね直交の場合も含まれる。
【0020】
また、本明細書における「対向」とは、面同士又は部材同士が互いに正面の位置にあることを指し、互いが完全に正面の位置にある場合だけでなく、互いが部分的に正面の位置にある場合を含む。また、本明細書における「対向」とは、2つの部分の間に、2つの部分とは別の部材が介在している場合と、2つの部分の間に何も介在していない場合の両方を含む。
【0021】
<実施形態1>
本開示の実施形態1について、図1から図6を参照しつつ説明する。本実施形態の配線モジュール20を備えた蓄電モジュール10は、例えば、電気自動車またはハイブリッド自動車などの車両を駆動するための電源として車両に搭載されるものである。以下の説明においては、矢線Zの示す方向を上方、矢線Xの示す方向を前方、矢線Yの示す方向を左方として説明する。なお、複数の同一部材については、一部の部材にのみ符号を付し、他の部材の符号を省略する場合がある。
【0022】
蓄電モジュール10は、図1に示すように、一列に並べられた複数の蓄電素子11と、複数の蓄電素子11の上面に装着される配線モジュール20と、を備える。配線モジュール20は、複数の蓄電素子11の左右方向における両端部に取り付けられている。蓄電素子11は、内部に蓄電要素が収容された扁平な直方体状をなしている。蓄電素子11は、上面の左右方向における両端部に2つの電極端子12を有する。2つの電極端子12のうち一方は正極であり、他方は負極である。電極端子12はバスバー30に電気的に接続されている。
【0023】
(配線モジュール20)
図1から図3に示すように、配線モジュール20は、バスバー30と、バスバー30に接続される配線材40と、を備える。
【0024】
(バスバー30、電極接続部31、第1金属M1)
図4に示すように、バスバー30は平面視方形状をなしている。バスバー30は、2つの電極接続部31と、隣接する2つの電極接続部31を連結する積層部32と、を備える。2つの電極接続部31は、前後方向に並んで配されている。図5に示すように、電極接続部31は、1枚の金属板材を曲げ加工することで形成されている。本実施形態では、電極接続部31は、第1金属M1により構成されている。第1金属M1は、例えばアルミニウムやアルミニウム合金である。電極接続部31は、本体部31Aと、本体部31Aから延設される延設部31Bと、を備える。図4に示すように、電極接続部31は、本体部31Aを上下方向に貫通する貫通孔31Cを有する。
【0025】
本体部31Aは、図1に示すように、上下方向に電極端子12に対向するように配され、例えば溶接により電極端子12に接続される。本実施形態では、電極端子12は、第1金属M1により構成されている。電極端子12と本体部31Aとが同種金属により構成されるため、電極端子12と本体部31Aとの電気的接続が容易になっている。また、電極端子12と本体部31Aとの接続部分における電食が防止される。貫通孔31Cは、電極端子12から突出する突起部(図示せず)に係合する。これにより、バスバー30と電極端子12との位置決めがなされる。
【0026】
(積層部32、基材33、第1基材33A、第2基材33B、第2金属M2)
図5及び図6に示すように、積層部32は、板状をなす複数の基材33が積層されて構成されている。基材33は例えば薄い金属板材や金属箔である。複数の基材33は、例えば溶接やロウ付け等により互いに接続されている。図6に示すように、本実施形態では、複数の基材33は、複数(詳細には7枚)の第1基材33Aと、1枚の第2基材33Bと、を含む。第1基材33Aは、第1金属M1により構成されている。第2基材33Bは、第1金属M1とは異なる第2金属M2により構成されている。第2金属M2は、例えば銅や銅合金である。
【0027】
(重畳部34)
図5に示すように、積層部32は、延設部31Bと重畳する2つの重畳部34と、2つの重畳部34の間に配される本体部35と、を備える。本実施形態では、重畳部34は、延設部31Bの下に重ねられている。重畳部34の上面は、例えば溶接により、延設部31Bと接続されている。図6に示すように、重畳部34において、第1基材33A及び第2基材33Bは上下方向に積層されており、第2基材33Bは複数の基材33の中で最も下側に配されている。複数の第1基材33Aは、1枚の第2基材33Bの上側に配されている。すなわち、重畳部34の上面は第1基材33Aにより構成され、第1金属M1により構成されている。延設部31Bも第1金属M1により構成されているから、重畳部34の上面と延設部31Bとの電気的接続が容易になっている。また、重畳部34と延設部31Bとの接続部分における電食が防止される。
【0028】
図5に示すように、本実施形態では、本体部35は、重畳部34から上方に突出する山形状に形成されている。本体部35は、重畳部34から立ち上がる2つの側部35Aと、2つの側部35Aの上端を接続する天井部35Bと、を備える。本体部35を山形状に設けることにより、本体部35は弾性変形可能とされ、2つの電極接続部31が互いに前後方向や上下方向にずれて変位することがある程度許容される。したがって、電極接続部31と電極端子12との組み付け公差等を吸収することができる。また、温度変化に伴う蓄電素子11の膨張収縮を許容することができる。
【0029】
図3に示すように、積層部32には、本体部35と、重畳部34における本体部35寄りの部分と、を貫通する複数のスリット36が形成されている。各スリット36は前後方向に延びている。本体部35にスリット36を設けることにより、2つの電極接続部31が互いに左右方向にずれて変位することがある程度許容されるようになる。したがって、温度変化に伴う蓄電素子11の膨張収縮を許容することができる。
【0030】
(配線材接続部37)
図2及び図3に示すように、積層部32が備える2つの重畳部34のうちいずれか一方は、配線材接続部37を備える。配線材接続部37は、バスバー30のうち、後述する配線材40に電気的に接続される部分である。図2及び図3では、配線材接続部37は前側に配される重畳部34に配されている。配線材接続部37は、重畳部34の下面とされている。重畳部34において、最も下側に配されている基材33は第2基材33Bである(図6参照)。よって、配線材接続部37は、第2基材33Bの一部であり、第2金属M2により形成されている。
【0031】
(配線材40)
図3に示すように、配線材40は、導体部41と、導体部41を支持する支持部材42と、を備える。本実施形態では、配線材40はフレキシブルプリント基板とされている。支持部材42は、絶縁性の合成樹脂から構成され、ベースフィルムとカバーレイフィルムとを備える。本実施形態では、導体部41は、第2金属M2により構成されている。導体部41は細線状をなしている。導体部41の端部にはランド部41Aが形成されている。ランド部41Aは、導体部41のその他の部分よりも幅広とされている。導体部41はベースフィルムの上に形成され、上方からカバーレイフィルムにより覆われている。カバーレイフィルムには、ランド部41Aを上方に露出する開口が形成されている。
【0032】
配線材40は、前後方向に延びる本体部43と、本体部43から左右方向に延びる接続片44と、を備える。接続片44には、ランド部41Aが配されている。接続片44は、重畳部34の配線材接続部37の下に重ねられている。ランド部41Aと配線材接続部37とは、例えば半田付け等により接続されている。ランド部41A及び配線材接続部37は、第2金属M2により構成されているから、ランド部41Aと配線材接続部37との電気的接続が容易になっている。
【0033】
導体部41のランド部41Aと反対側の端部は、図示しないコネクタに接続されている。このコネクタは、外部のECU(Electronic Control Unit)等に接続されるようになっている。ECUは、マイクロコンピュータ、素子等が搭載されたものであって、各蓄電素子11の電圧、電流、温度等の検知や、各蓄電素子11の充放電制御コントロール等を行うための機能を備えた周知の構成のものである。導体部41は電圧検知線として機能する。
【0034】
積層部32のうち重畳部34は電極接続部31と接続されており、変形しにくい。一方で、積層部32のうち本体部35は弾性変形可能とされ、柔軟性を有する。本実施形態とは異なり、本体部に配線材接続部を設けた場合には、配線材と接続されることで本体部の柔軟性が損なわれることがありうる。また、本体部が変形する際に配線材接続部と配線材との接続部分に応力がかかるおそれがある。しかし、本実施形態では、配線材接続部37を本体部35ではなく、重畳部34に設けている。これにより、本体部35の柔軟性を損なわず、バスバー30と配線材40との接続信頼性を維持することができる。
【0035】
(実施形態1の作用効果)
(1-1)実施形態1にかかる配線モジュール20は、電極端子12を有する複数の蓄電素子11に取り付けられる配線モジュール20であって、バスバー30と、配線材40と、を備え、バスバー30は、電極端子12に接続される電極接続部31と、板状をなす複数の基材33が積層されて構成されており且つ隣接する2つの電極接続部31を連結する積層部32と、を備え、積層部32は、配線材40に電気的に接続される配線材接続部37を備える。
【0036】
このような構成によると、電極接続部31を、複数の基材33が積層された構成の積層部32と別体に形成することができるから、電極接続部31の強度を向上させることができる。よって、電極接続部31と電極端子12との電気的接続を行いやすくなる。
【0037】
また、上記の構成によると、積層部32が備える配線材接続部37により、バスバー30と配線材40とを電気的に接続することができる。また、電極接続部31に配線材接続部37を設けなくてよいから、例えば、バスバー30が小型化された場合等でも、電極接続部31と電極端子12との電気的接続を担保しやすくなる。
【0038】
(1-2)実施形態1では、積層部32は、電極接続部31と重畳して電極接続部31に接続される重畳部34を備え、重畳部34は配線材接続部37を備える。
【0039】
このような構成によると、配線材接続部37は、積層部32のうち電極接続部31に接続される重畳部34に形成される。重畳部34は、電極接続部31に重畳されて電極接続部31に接続される構成のため、積層部32のうち柔軟性が低い部分である。そのため、配線材接続部37を重畳部34に設けることにより、積層部32のうち電極接続部31に重畳されない部分の柔軟性が損なわれることや、配線材接続部37と配線材40との接続部分に応力がかかることを抑制することができる。
【0040】
(1-3)実施形態1では、電極接続部31は第1金属M1により構成され、複数の基材33は、第1金属M1により構成される少なくとも1つの第1基材33Aと、第1金属M1とは異なる第2金属M2により構成される少なくとも1つの第2基材33Bと、を備え、配線材40は、第2金属M2により構成される導体部41を備え、電極接続部31は第1基材33Aに接続され、配線材接続部37は第2基材33Bにより形成され、導体部41に接続されている。
【0041】
このような構成によると、例えば電極端子12が第1金属M1により構成され、導体部41が第2金属M2により構成されている場合に、電極端子12と電極接続部31との接続、電極接続部31と積層部32との接続、及び配線材接続部37と配線材40との接続が、同種金属間での接続となる。したがって、これらの接続が容易になる。
【0042】
<実施形態2>
本開示の実施形態2について、図7及び図8を参照しつつ説明する。実施形態2にかかる配線モジュール120は、バスバー130と、配線材140と、を備える。本実施形態では、前後方向は第1方向の一例である。上下方向は第2方向の一例である。左右方向は第3方向の一例である。以下、実施形態1と同一の部材には、実施形態1と同一の符号を付して、説明を省略する場合がある。また、作用効果について、実施形態1と重複する説明を省略する。
【0043】
バスバー130は、2つの電極接続部31と、積層部132と、を備える。積層部132は、実施形態1と同様に、複数の第1基材33Aと、複数の第1基材33Aの下側に重ねられる1枚の第2基材33Bと、を備える(図6参照)。積層部132は、バスバー30の幅方向(左右方向)について、電極接続部31よりも左方に延びる延出部138を有する。延出部138は、第2基材33Bのみにより構成されている。延出部138は、その下面に配線材接続部137を備える。
【0044】
配線材140は、実施形態1の接続片44を備えず、前後方向に延びる本体部43のみを備える。すなわち、配線材140は、配線モジュール120において、前後方向に延在した状態とされている。図8に示すように、本体部43には、ランド部41Aが形成されている。ランド部41Aの上に延出部138が配されており、ランド部41Aと配線材接続部137とが半田付け等により接続されている。
【0045】
本実施形態では、実施形態1の接続片44の代わりに延出部138によって、バスバー130と配線材140との接続部分を形成している。これにより、配線材140を前後方向に延在させた状態で、配線材140と配線材接続部137との接続が可能になる。すなわち、配線材140を単純な帯状とすることができるから、配線材140の形成が容易になる。また、延出部138は基材33により構成されており、接続片44と比較して強度を高めやすい。よって、バスバー130と配線材140との接続信頼性を向上させることができる。
【0046】
(実施形態2の作用効果)
(2-1)実施形態2にかかる配線モジュール120において、積層部132は、電極接続部31が並ぶ第1方向(前後方向)、及び電極接続部31と電極端子12とが対向する第2方向(上下方向)の双方に直交する第3方向(左右方向)について、電極接続部31よりも外方に延びる延出部138を備え、延出部138は配線材接続部137を備える。
【0047】
このような構成によると、配線材140を第1方向に延在させた状態でも、配線材140と配線材接続部137とを接続することができる。
【0048】
(他の実施形態)
上記実施形態1,2は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態1,2及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0049】
・上記実施形態1,2では、バスバー30,130は第1金属M1と第2金属M2とにより構成されていたが、バスバーは1種類の金属から構成されていてもよい。
【0050】
・上記実施形態1,2では、複数の基材33は複数の第1基材33Aと1枚の第2基材33Bとを備えていたが、複数の基材に含まれる第1基材及び第2基材の数は適宜変更することができる。また、複数の基材は全て1種類の金属から構成されていてもよい。
【0051】
・上記実施形態1,2では、積層部32,132と電極接続部31とは溶接により接続されていたが、積層部と電極接続部とは機械的に圧縮、固定されることで電気的に接続されていてもよい。
【0052】
・上記実施形態1,2では、積層部32,132は重畳部34から突出する本体部35を有していたが、本体部35は重畳部34と略面一とされる平板状であってもよい。
【0053】
・上記実施形態1,2では、積層部32,132にはスリット36が形成されていたが、スリットは設けられなくてもよい。
【0054】
・上記実施形態1では、重畳部34に配線材接続部37が設けられていたが、配線材接続部は本体部に設けられてもよい。
・上記実施形態2において、延出部138は、第3方向について電極接続部31よりも外方に延びているのであれば、重畳部34に限らず、本体部35から延びるものであってもよい。また、延出部138は、積層部33を構成するどの基材33により構成されてもよい。
【0055】
・上記実施形態1,2では、配線材40,140はフレキシブルプリント基板であったが、配線材は例えば電線やFFC(Flexible Flat Cable)でもよい。また、配線材は端子や金属小片等を介してバスバーと電気的に接続されていてもよい。例えば、本開示の配線モジュールには、図9に示す配線モジュール220が含まれる。配線モジュール220は、バスバー30と、配線材240と、端子250と、を備える。配線材240は電線である。端子250は、バスバー30に溶接される端子本体251と、電線の芯線に圧着される芯線圧着部252と、電線の絶縁被覆に圧着される絶縁被覆圧着部253と、を備える。
【符号の説明】
【0056】
10: 蓄電モジュール
11: 蓄電素子
12: 電極端子
20: 配線モジュール
30: バスバー
31: 電極接続部
31A: 本体部
31B: 延設部
31C: 貫通孔
32: 積層部
33: 基材
33A: 第1基材
33B: 第2基材
34: 重畳部
35: 本体部
35A: 側部
35B: 天井部
36: スリット
37: 配線材接続部
40: 配線材
41: 導体部
41A: ランド部
42: 支持部材
43: 本体部
44: 接続片
120: 配線モジュール
130: バスバー
132: 積層部
137: 配線材接続部
138: 延出部
140: 配線材
220: 配線モジュール
240: 配線材
250: 端子
251: 端子本体
252: 芯線圧着部
253: 絶縁被覆圧着部
M1: 第1金属
M2: 第2金属
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9