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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179036
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】入力操作装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/03 20060101AFI20241219BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20241219BHJP
   H01H 13/00 20060101ALI20241219BHJP
   H01H 36/00 20060101ALI20241219BHJP
   H01H 25/00 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
G06F3/03 400Z
G06F3/044
H01H13/00 B
H01H36/00 Y
H01H36/00 J
H01H36/00 K
H01H25/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097526
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】391043974
【氏名又は名称】株式会社ユー・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100133101
【弁理士】
【氏名又は名称】島崎 俊英
(74)【代理人】
【識別番号】100092808
【弁理士】
【氏名又は名称】羽鳥 亘
(74)【代理人】
【識別番号】100140981
【弁理士】
【氏名又は名称】柿原 希望
(72)【発明者】
【氏名】粕谷 智
【テーマコード(参考)】
5G031
5G046
5G206
【Fターム(参考)】
5G031AS19K
5G031AS19Z
5G031AS20K
5G031AS20Z
5G031AS27K
5G031AS27Z
5G031KS03
5G031KS07
5G031KS15
5G046AA02
5G046AB02
5G046AC22
5G046AD02
5G206AS19K
5G206AS19Z
5G206AS20K
5G206AS20Z
5G206AS27K
5G206AS27Z
5G206FS32J
5G206FS32K
5G206HU03
5G206KS03
5G206KS07
(57)【要約】
【課題】操作部と接触する操作者の部位が非導電性の物体で覆われている場合であっても操作部の操作を入力部で検知できるようにする入力操作装置を提供する。
【解決手段】入力操作装置1は、操作者の操作により移動可能な操作部と、第1の導電膜151が形成されたグランドシート15と、第1の導電膜151と電気的に接続された第1の端子部153と、第2の導電膜155aが形成された電極部155と、第2の導電膜155aと電気的に接続された第2の端子部154と、操作部により、第1の端子部153と第2の端子部154との導通または非導通を切り替える導通切替部と、を有し、操作部が移動すると導通切替部により第1の端子部153と第2の端子部154とを導通させ、グランドシート15の第1の導電膜151と第2の導電膜155aとが導通することにより第2の導電膜155aと入力部との間に発生した静電容量を変化させる。
【選択図】 図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置の入力部との間に発生した静電容量を変化させる入力操作装置において、
操作者の操作により移動可能な操作部と、
第1の導電膜が形成されたグランドシートと、
前記第1の導電膜と電気的に接続された第1の端子部と、
第2の導電膜が形成された電極部と、
前記第2の導電膜と電気的に接続された第2の端子部と、
前記操作部により、前記第1の端子部と前記第2の端子部との導通または非導通を切り替える導通切替部と、
を有し、
前記操作部が移動すると前記導通切替部により前記第1の端子部と前記第2の端子部とを導通させ、前記グランドシートの第1の導電膜と前記電極部の第2の導電膜とが導通することにより前記第2の導電膜と前記入力部との間に発生した静電容量を変化させることを特徴とする入力操作装置。
【請求項2】
請求項1に記載の入力操作装置において、
前記グランドシートは、非導電性のフィルムで形成された基部を有し、
前記第1の導電膜は、前記基部に導電性インキで形成されていることを特徴とする入力操作装置。
【請求項3】
請求項2に記載の入力操作装置において、
前記第2の導電膜は、導電性インキで形成され、前記第1の導電膜より前記入力部に近接して配置されていることを特徴とする入力操作装置。
【請求項4】
請求項2に記載の入力操作装置において、
前記第1の導電膜は、前記第2の導電膜より前記入力部から離間して配置され、
前記第1の導電膜と前記入力部との間に、前記操作部を保持する非導電性の保持部材が配置されていることを特徴とする入力操作装置。
【請求項5】
請求項1に記載の入力操作装置において、
前記操作部は、透明な部材で形成され、
前記第2の導電膜は、透明な導電性インキで形成されるとともに、前記操作部と前記入力部との間に配置され、
前記操作部および前記第2の導電膜を介して前記入力部を視認できることを特徴とする入力操作装置。
【請求項6】
請求項1に記載の入力操作装置において、
前記導通切替部は、頂部および底部を有する導電性のドームバネで形成され、
前記頂部と前記第1の端子部とが離接可能に対向配置され、前記底部が前記第2の端子部と接触配置されていることを特徴とする入力操作装置。
【請求項7】
請求項6に記載の入力操作装置において、
前記頂部は、前記操作部により押圧されると前記第1の端子部と接触することを特徴とする入力操作装置。
【請求項8】
請求項6に記載の入力操作装置において、
前記第2の端子部は、前記第2の導電膜が形成された領域に隣接して配置されていることを特徴とする入力操作装置。
【請求項9】
請求項1に記載の入力操作装置において、
前記操作部は、操作者の押圧操作を受ける上面部と、保持部材に支持される底部と、前記上面部と前記底部との間に設けられた変形可能な脚部とを有し、
前記脚部は、前記導通切替部として機能することを特徴とする入力操作装置。
【請求項10】
請求項9に記載の入力操作装置において、
前記第1の端子部と前記第2の端子部とが対向配置され、
前記上面部が押圧されると前記脚部が屈曲し、前記上面部が前記第1の端子部を押圧して前記第1の端子部と前記第2の端子部とを接触させることを特徴とする入力操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作に応じて情報処理装置の入力部との間に発生した静電容量を変化させる入力操作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の入力操作装置は、導電体で構成され、押し下げ操作される操作部と、絶縁体で構成され、入力部としての静電容量式のタッチパネル上に固定されて操作部を支持する支持部と、タッチパネルへの固定面が非導電性となるように構成され、支持部の内側に収容される弾性部材とを備え、操作者の指で操作部が押し下げられると、弾性部材が弾性変形するとともに、操作部の押し下げ操作による静電容量の変化が入力部としてのタッチパネルで検知されるようにしているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6929352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術においては、操作者の指等の操作部を押し下げる部位が手袋等の非導電性の物体で覆われている場合、入力部との間の静電容量が変化せず操作部の押し下げ操作が入力部で検知されないことがあるという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題を解決することを課題とし、操作部と接触する操作者の部位が非導電性の物体で覆われている場合であっても操作部の操作を入力部で検知できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そのため、本発明は、情報処理装置の入力部との間に発生した静電容量を変化させる入力操作装置において、操作者の操作により移動可能な操作部と、第1の導電膜が形成されたグランドシートと、前記第1の導電膜と電気的に接続された第1の端子部と、第2の導電膜が形成された電極部と、前記第2の導電膜と電気的に接続された第2の端子部と、前記操作部により、前記第1の端子部と前記第2の端子部との導通または非導通を切り替える導通切替部と、を有し、前記操作部が移動すると前記導通切替部により前記第1の端子部と前記第2の端子部とを導通させ、前記グランドシートの第1の導電膜と前記電極部の第2の導電膜とが導通することにより前記第2の導電膜と前記入力部との間に発生した静電容量を変化させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
このようにした本発明は、操作部と接触する操作者の部位が非導電性の物体で覆われている場合であっても操作部の操作を入力部で検知できるようにすることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施例における入力操作装置の分解斜視図
図2】第1の実施例における入力操作装置の平面図
図3】第1の実施例における入力操作装置の断面図
図4】第1の実施例におけるグランドシートの斜視図
図5】第1の実施例における導通・非導通の状態を示す説明図
図6】第2の実施例における入力操作装置の分解斜視図
図7】第2の実施例における入力操作装置の説明図
図8】第2の実施例における入力操作装置の断面図
図9】第2の実施例におけるグランドシートおよび電極部の斜視図
図10】第2の実施例における導通・非導通の状態を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本発明による入力操作装置の実施例を説明する。
【実施例0010】
図1は第1の実施例における入力操作装置の分解斜視図、図2は第1の実施例における入力操作装置の平面図である。
図1および図2において、入力操作装置1は、操作に応じて情報処理装置の入力部(例えば、図1に示すタッチパネル等の静電容量方式の入力部としてのパネルP)との間に発生した静電容量を変化させるものである。なお、本実施例の入力操作装置1は、操作部の押圧操作に応じて情報処理装置の入力部との間に発生した静電容量を変化させるスイッチとして説明する。
入力操作装置1は、化粧シート11、接着部材12、操作部13、導通切替部14、グランドシート15、接着部材16、および保持部材17を備え、その化粧シート11、接着部材12、操作部13、導通切替部14、グランドシート15、接着部材16、および保持部材17が図中矢印Bで示す積層方向に積層される。
【0011】
化粧シート11は、フィルム等で構成された矩形状のものであり、入力操作装置1の上面を構成するものである。化粧シート11の中央部には操作者の操作により押圧される矩形状の操作領域111が形成されている。この操作領域111は、操作者の操作を受け付ける操作ボタンとして機能し、また透明な領域として形成されている。
さらに、操作領域111は、平坦(化粧シート11の表面と面一)であっても良く、他の部位(化粧シート11の表面)より突出させるようにしても良い。突出させた場合、操作者は操作領域111を視認することなく、触手して突出した感触を得ることで操作領域111を認識することができるようになる。
接着部材12は、化粧シート11とグランドシート15とを接着するものであり、例えば両面テープである。なお、接着部材12には貫通孔12aが形成され、化粧シート11の操作領域111と、操作部13とが直接接触できるようになっている。
【0012】
操作部13は、非導電性の透明な樹脂等の部材で形成され、化粧シート11の操作領域111に対応して接触するように、化粧シート11と導通切替部14およびグランドシート15の電極部155(図3および図4参照)との間に配置されるものである。この操作部13は、操作者の操作により図中矢印Bが示す積層方向およびその反対方向の反積層方向に移動可能なものであり、操作者の押圧操作により化粧シート11の操作領域111が押圧されると図中矢印Bが示す積層方向に移動し、またその押圧が解放されると反積層方向に移動する。
また、操作部13は、化粧シート11の操作領域111に対応する矩形領域からその外側に突出するように突出部131が形成されている。
【0013】
グランドシート15は、導電性の部材で形成された導電膜を有するものであり、電気的にグランドとして機能するものである。本実施例では、入力操作装置1をスイッチとして機能させるため、パネルPにおいて静電容量の変化を検出しやすいようにする必要がある。従って、グランドシート15の導電範囲を適切な形状(例えば、所定の面積より大きい導電範囲)とするため、本実施例では、グランドシート15は、非導電性の透明なポリエステルフィルムに、シルクスクリーン印刷の導電性インキを用いて導電膜をグランドとして形成する例で説明する。なお、導電膜はシルクスクリーン印刷で形成することに限られることなく、蒸着等によって形成するようにしても良い。
【0014】
ここで、グランドシート15の詳細を図4の第1の実施例におけるグランドシートの斜視図を用いて説明する。
図4において、グランドシート15は、基部150、第1の導電膜151、導線部152、第1の端子部153、第2の端子部154、および電極部155が形成されている。
基部150は、非導電性の透明なポリエステルフィルムで形成されたものである。この基部150にはコ字状の切込み部150aが設けられており、その切込み部150aは図1に示す保持部材17の貫通孔172に挿入される。このとき、第1の導電膜151と第1の端子部153とを結ぶ導線部152が形成された折り曲げ(湾曲)可能な接続部150bが貫通孔172に挿入された状態となる(図4参照)。この接続部150bにより、第1の導電膜151を図1に示すパネルPから電極部155(第2の導電膜155a)より離間させ、かつ電極部155をパネルPに接近させるとともに、図1に示す操作部13および導通切替部14を収容する空間を形成している。
【0015】
第1の導電膜151は、カーボンや銀等を含んだ導電性インキで所定以上の表面積を有するように基部150に形成されたものである。ここで、所定以上の表面積とは、図1に示すパネルPとの間の静電容量を変化させるに十分な静電容量を有する面積である。
一方、この第1の導電膜151は、所定以上の表面積を有していることから、図1に示すパネルPに接近しているとパネルPとの間の静電容量を常時変化させてしまう虞がある。そこで、本実施例では、図1に示すパネルPとの間の静電容量を変化させないようにするため、パネルPから所定の距離以上、接続部150bおよび図1に示す保持部材17によって離間させるようにしている。
【0016】
導線部152は、接続部150bを経由して第1の導電膜151と第1の端子部153とを電気的に接続するものであり、導電性インキで形成されたものである。
第1の端子部153は、導線部152を介して第1の導電膜151と電気的に接続され、また導通切替部14の頂部と接触可能な端子であり、導電性インキで形成されたものである。
第2の端子部154は、導通切替部14の底部の外周部と接触可能な端子であり、導電性インキで形成されたものである。第2の端子部154は、円形状の一部に切り欠き部が形成されており、その切り欠き部に導線部152が配置されている。また、略円形状の第2の端子部154の中心部に第1の端子部153が配置され、第2の端子部154と第1の端子部153および導線部152とは、電気的に切断されて配置されている。
第1の端子部153と第2の端子部154とは、導通切替部14を介して接続と切断とが切り替えられる。
【0017】
電極部155は、透明な導電性インキで所定以上の表面積を有するように第2の導電膜155aが形成されたものであり、その第2の端子部154は、第2の導電膜155aが形成された領域に隣接して配置されたものである。即ち、第2の導電膜155aが第2の端子部154に電気的に接続されている。
電極部155の第2の導電膜155aは、図1に示すパネルPに第1の導電膜151より近接して配置され、第1の端子部153と第2の端子部154とが接続した場合、パネルPとの間の静電容量を変化させる所定の面積を有している。
また、第2の導電膜155aは、第1の端子部153と第2の端子部154とが非接続の場合は、第1の導電膜151とは切り離され、グランドとしては第1の導電膜151と比較して表面積が小さいため、パネルPとの間の静電容量の変化量を小さく抑えることができ、パネルPにおいて静電容量の変化を誤検知させることがないようになっている。
さらに、第2の導電膜155aは、図1に示す操作部13とパネルPとの間に配置される。
【0018】
図1の説明に戻る。
導通切替部14は、頂部および底部を有する導電性の金属等で構成された上面視円形状のドームバネで形成されている。この導通切替部14は、ドームの外面の頂部が操作部13の突出部131と接触するように配置され、ドームの内面である底部の外周部がグランドシート15に接続された配線に接触するように配置されたものである。
導通切替部14は、頂部が図4に示すグランドシート15の第1の端子部153と接離可能に対向配置され、また底部(図5に示す底部142)の外周部がグランドシート15の第2の端子部154と電気的に接続するように接触配置される。
従って、操作者の操作により操作部13が押圧された場合、導通切替部14の頂部が操作部13の突出部131で押圧され、図4に示すグランドシート15の第1の端子部153と接触して第1の端子部153と第2の端子部154とが電気的に接続される。また、操作部13の押圧が解除された場合、導通切替部14の弾性力により第1の端子部153と第2の端子部154とが電気的に切断される。
このように、導通切替部14は、操作部13により、図4に示すグランドシート15の第1の端子部153と第2の端子部154との電気的な接続と切断とを切り替え、導通または非導通を切り替える。
なお、導通切替部14は、樹脂等で覆われたものであっても良い。
【0019】
接着部材16は、グランドシート15と保持部材17とを接着するものであり、例えば両面テープである。
保持部材17は、非導電性の樹脂等で形成され、操作部13およびグランドシート15を保持するものである。この保持部材17は、グランドシート15の第1の導電膜151とパネルPとの間に配置され、第1の導電膜151とパネルPとを所定の距離を保持して離間させる。また、この保持部材17には、操作部保持領域171および貫通孔172が形成されている。
操作部保持領域171は、図中矢印Bが示す積層方向と直交する方向の操作部13の移動を規制する貫通孔であり、操作部13を積層方向および反積層方向に移動可能に保持するものである。積層方向と直交する方向の移動が規制された操作部13は、操作者の操作により押圧された場合、積層方向に移動し、その押圧が解除された場合、導通切替部14の復元力によって反積層方向へ移動する。
貫通孔172は、図4に示すグランドシート15の接続部150b、導線部152、第1の端子部153、第2の端子部154、および電極部155が挿入されるものである。これにより、グランドシート15の導線部152、第1の端子部153、第2の端子部154、および電極部155は、操作部13とパネルPとの間に配置される。
なお、接着部材16は、保持部材17の操作部保持領域171および貫通孔172を覆わないように、貫通孔16aが形成されている。
【0020】
次に、操作部13、導通切替部14、およびグランドシート15の配置を図3の第1の実施例における入力操作装置の断面図に基づいて説明する。なお、図3(a)は図2におけるA-A断面図であり、図3(b)は図3(a)における操作部13および導通切替部14を拡大した断面図である。
図3に示すように、操作部13とパネルPとの間には、電極部155および導通切替部14等が配置されている。操作部13のパネルP側の底面と導通切替部14の頂部は、所定の間隙を保持するように配置されている。なお、この間隙を保持することなく操作部13のパネルP側の底面と導通切替部14の頂部が接触するように配置しても良い。
【0021】
操作部13は、パネルPと接近または離間する方向(図3中矢印Cが示す方向)に移動自在に保持部材17で保持されている。
従って、操作者の操作により操作部13がパネルP側に押圧されると操作部13(図1に示す突出部131)が導通切替部14の頂部を押圧する。また、操作者の操作による操作部13の押圧が解除されると操作部13(図1に示す突出部131)の導通切替部14の頂部への押圧が解除される。
操作部13(図1に示す突出部131)が導通切替部14の頂部を押圧すると、導通切替部14の頂部のパネルP側の面が、図4に示す第1の端子部153と接触する。即ち、図4に示す第1の端子部153と第2の端子部154とが導通切替部14を介して接続され、電気的に第1の導電膜151と電極部155の第2の導電膜155aとが接続される。
また、操作部13(図1に示す突出部131)の導通切替部14の頂部への押圧が解除されると、導通切替部14の頂部のパネルP側の面が、図4に示す第1の端子部153と離間する。即ち、図4に示す第1の端子部153と第2の端子部154とが導通切替部14を介して接続が解除され、電気的に第1の導電膜151と電極部155の第2の導電膜155aとの接続が解除される。
【0022】
上述した構成の作用について図5に基づき図3および図4を参照しながら説明する。
図5は第1の実施例における導通・非導通の状態を示す説明図であり、図5(a)は導通切替部14の非導通状態を表し、図5(b)は導通切替部14の導通状態を表している。
図5(a)に示すように、操作部13が操作者により押圧されていない場合、導通切替部14の頂部141と第1の端子部153とは離間している。従って、第1の端子部153と第2の端子部154とは非接続の状態であり、図4に示す第1の導電膜151と電極部155の第2の導電膜155aとは電気的に非接続の状態となっている。
このとき、図4に示す第1の導電膜151は保持部材17を介してパネルPから離間しているため、第1の導電膜151とパネルPとの間の静電容量が変化することはない。従って、パネルPは静電容量の変化を検知することがなく、操作部13が押下されたことを検知することはない。
また、図4に示す第1の導電膜151から第1の端子部153に伸びている導線部152は、パネルPに接近する部位もあるが、パネルPが静電容量の変化を効率よく検知できる所定の面積よりも小さい面積の細い導電パターンで形成されているため、パネルPに静電容量の変化を誤検知させるようなことはない。ここで、パネルPが静電容量の変化を検知できる所定の面積とは、操作者の手指でパネルPに触れた場合の面積(例えば、直径約4~7mm程度の円の面積)をいう。
さらに、図4に示す電極部155の第2の導電膜155aは、パネルPに接近してパネルPが静電容量の変化を検知できる所定の面積を有しているが、第1の導電膜151とは電気的に切り離されており、グランドとして表面積が小さく、静電容量が小さいため、パネルPに静電容量の変化を誤検知させるようなことはない。
【0023】
次に、図5(b)に示すように、操作部13が操作者により押圧されると、導通切替部14の底部142と第1の端子部153とが接触し、第1の端子部153と第2の端子部154とが接続された状態となる。従って、図4に示す第1の導電膜151と電極部155の第2の導電膜155aとが電気的に接続した状態となる。
操作部13が操作者により押圧されたとき、導通切替部14はドームバネを採用しているため、第1の端子部153と第2の端子部154とが接続された状態になったと同時に、シャープで切れのあるクリック感を操作者に付与することができる。このクリック感に伴って操作者は確かな操作感が得られるとともに、図4に示す第1の導電膜151と電極部155の第2の導電膜155aとが電気的に接続した状態になったことを確実に認識することができ、正確な操作が可能となる。
【0024】
図4に示す第1の導電膜151と電極部155の第2の導電膜155aとが電気的に接続した状態となると、図3に示す電極部155とパネルPとの間の静電容量が変化し、その静電容量の変化をパネルPが検知することにより、操作部13が押下されたことを検知することができるようになる。
図4に示す電極部155の第2の導電膜155aは、パネルPが静電容量の変化を検知できる所定の面積より大きい面積を有しており、パネルPは静電容量の変化を効率よく検知できる。
このように、本実施例では、第1の導電膜151と電極部155との境界である接点部にドーム状のバネを採用した導通切替部14を設けたことにより、操作部13を押圧操作することによる良好なクリック感と同時に、第1の導電膜151と電極部155の第2の導電膜155aとが接続され、電極部155の第2の導電膜155aの中心部において大きな静電容量の変化を発生させることができる。
また、操作部13の操作者による押圧が解除されると、図5(a)に示すように、導通切替部14の底部142と第1の端子部153とが離間し、第1の端子部153と第2の端子部154とは非接続の状態となる。従って、図4に示す第1の導電膜151と電極部155の第2の導電膜155aとが電気的に非接続の状態となる。
図4に示す第1の導電膜151と電極部155の第2の導電膜155aとが電気的に非接続の状態となると、電極部155の第2の導電膜155aとパネルPとの間の静電容量の変化はなくなり、パネルPは操作部13の押下が解除されたことを検知することができるようになる。
【0025】
このように、操作部13が押圧されて移動すると、導通切替部14により第1の端子部153と第2の端子部154とを導通させ、グランドシート15の第1の導電膜151と電極部155の第2の導電膜155aとが導通することにより第2の導電膜155aとパネルPとの間に発生した静電容量を変化させるようにしているため、操作者が手袋等の非導電性の部材を介して操作部13を操作した場合であっても、パネルPは確実に操作部13が押下されたことを検知することができるようになる。従って、作業者の操作環境に左右されないスイッチ操作が可能になる。
また、図1に示す化粧シート11の操作領域111、操作部13、および電極部155(第2の導電膜155a)は透明な部材で形成されているため、操作者は操作する領域に対応するパネルPの表示を化粧シート11の操作領域111、操作部13、および電極部155(第2の導電膜155a)を介して視認することができる。
さらに、フィルム状のグランドシート15にグランドしての第1の導電膜151を形成するようにしたことにより、入力操作装置1を小型化することができる。
また、ドーム状のバネを採用した導通切替部14を設けたことにより、操作部13を押圧操作することによる良好なクリック感と同時に、電極部155の第2の導電膜155aの中心部において大きな静電容量の変化を発生させることができる。
【0026】
以上説明したように、第1の実施例では、操作部13と接触する操作者の部位が非導電性の物体で覆われている場合であっても操作部13の操作を入力部としてのパネルPで検知できるようにすることができるという効果が得られる。
また、操作者は、操作部13の操作する領域に対応するパネルPの表示を視認することができるという効果が得られる。
さらに、入力操作装置1を小型化することができるという効果が得られる。
また、良好なクリック感と同時に、電極部155において大きな静電容量の変化を発生させることができるという効果が得られる。
【実施例0027】
図6は第2の実施例における入力操作装置の分解斜視図、図7は第2の実施例における入力操作装置の斜視図および平面図である。
図6および図7において、入力操作装置1は、第1の実施例と同様に、操作に応じて情報処理装置の入力部(例えば、図6に示すタッチパネル等の静電容量方式の入力部としてのパネルP)との間に発生した静電容量を変化させるものである。なお、本実施例の入力操作装置1も操作部の押圧操作に応じて情報処理装置の入力部との間に発生した静電容量を変化させるスイッチとして説明する。
【0028】
入力操作装置1は、化粧シート21、接着部材22、操作部23、グランドシート24、接着部材25、電極部26、接着部材27、および保持部材28を備え、その化粧シート21、接着部材22、グランドシート24、接着部材25、電極部26、接着部材27、保持部材28、および操作部23が図中矢印Bで示す積層方向に積層される。なお、図6では、操作部23が接着部材22とグランドシート24との間に位置しているが、図8に示すように保持部材28に取り付けられる。
化粧シート21は、フィルム等で構成された矩形状のものであり、入力操作装置1の上面を構成するものである。化粧シート21の中央部には操作部23が貫通する貫通孔211が形成されている。
接着部材22は、化粧シート21とグランドシート24とを接着するものであり、例えば両面テープである。なお、接着部材22には貫通孔22aが形成され、操作部23が貫通できるようになっている。
【0029】
操作部23は、非導電性の透明な樹脂等の部材で形成され、化粧シート21の貫通孔211に対応するように、保持部材28に保持され、配置されるものである。この操作部23は、保持部材28で保持され基台となる底部(基部)230と、薄い樹脂等でキートップラバーとして形成された上面部232と、底部230と上面部232との間に上面部232を支持する変形可能な脚部231を有している。
操作部23の底部230が保持部材28で支持固定され、屈伸可能な脚部231で支持された上面部232が操作者の操作により図中矢印Bで示す積層方向およびその反対方向の反積層方向に移動可能に構成されている。
従って、操作者の押圧操作により操作部23の上面部232が押圧されるとその上面部232を支持する脚部231が屈曲して上面部232が図中矢印Bで示す積層方向に移動し、またその押圧が解放されると脚部231の弾性により上面部232が反積層方向に移動する。
【0030】
グランドシート24は、導電性の部材で形成された導電膜を有するものであり、電気的にグランドとして機能するものである。本実施例では、入力操作装置1をスイッチとして機能させるため、パネルPにおいて静電容量の変化を検出しやすいようにする必要がある。従って、グランドシート24の導電範囲を適切な形状(例えば、所定の面積より大きい導電範囲)とするため、本実施例では、グランドシート24は、非導電性の透明なポリエステルフィルムに、シルクスクリーン印刷の導電性インキを用いて導電膜をグランドとして形成する例で説明する。なお、導電膜はシルクスクリーン印刷で形成することに限られることなく、蒸着等によって形成するようにしても良い。
接着部材25は、グランドシート24と電極部26とを接着するものであり、例えば両面テープである。この接着部材25には電極部26より大きな貫通孔が形成されている。
このように、接着部材25によりグランドシート24と電極部26とが一体となっている。
【0031】
ここで、グランドシート24および電極部26の詳細を図9の第2の実施例におけるグランドシートおよび電極部の斜視図を用いて説明する。
図9において、グランドシート24は、基部240、第1の導電膜241、導線部242、第1の端子部243が形成されている。また、第1の端子部243に対応して接着部材25を介して第2の端子部261を有する電極部26が取り付けられる。
基部240は、非導電性の透明なポリエステルフィルムで形成されたものである。この基部240にはコ字状の切込み部240aが設けられており、その切込み部240aは図6に示す保持部材28の貫通孔282に挿入される。このとき、第1の導電膜241と第1の端子部243とを結ぶ導線部242が形成された折り曲げ(湾曲)可能な接続部240bが貫通孔282に挿入された状態となる(図8参照)。この接続部240bにより、第1の導電膜241を図6に示すパネルPから電極部26(第2の導電膜26a)より離間させ、かつ電極部26をパネルPに接近させるとともに、図6に示す操作部23を収容する空間を形成している。
【0032】
第1の導電膜241は、カーボンや銀等を含んだ導電性インキで所定以上の表面積を有するように基部240に形成されたものである。ここで、所定以上の表面積とは、図6に示すパネルPとの間の静電容量を変化させるに十分な静電容量を有する面積である。
一方、この第1の導電膜241は、所定以上の表面積を有していることから、図6に示すパネルPに接近しているとパネルPとの間の静電容量を常時変化させてしまう虞がある。そこで、本実施例では、図6に示すパネルPとの間の静電容量を変化させないようにするため、パネルPから所定の距離以上、接続部240bおよび図6に示す保持部材28によって離間させるようにしている。
導線部242は、接続部240bを経由して第1の導電膜241と第1の端子部243とを電気的に接続するものであり、導電性インキで形成されたものである。
第1の端子部243は、導線部242を介して第1の導電膜241と電気的に接続され、また電極部26の第2の端子部261と接触可能な端子であり、導電性インキで形成されたものである。第1の端子部243は、第2の端子部261と対応する形状で形成されており、本実施例では、略矩形状となるように形成されている。なお、第1の端子部243の内側は、透明フィルムでもよく、また図6に示すパネルPの視認性をさらに高めるため貫通孔としても良い。
【0033】
電極部26は、透明な導電性インキで所定以上の表面積を有するように形成された第2の導電膜26aと、その第2の導電膜26aの外縁部に導電性インキで形成された第2の端子部261とを有し、その第2の導電膜26aと第2の端子部261は電気的に接続されている。
この電極部26は、第2の端子部261がグランドシート24の第1の端子部243と対向配置するように、両面テープ等の接着部材25を介して所定の間隙を保持してグランドシート24の底面に接着される。
接着部材25は、電極部26の第2の端子部261の外側において電極部26および第2の端子部261が形成されたとシートとグランドシート24の底面とを接着する。
本実施例では、操作者の操作により操作部23が押圧されると、その押圧に伴ってグランドシート24の第1の端子部243が移動して電極部26の第2の端子部261と接触する。また、その押圧が解除されるとグランドシート24の第1の端子部243が移動して電極部26の第2の端子部261との間に間隙が形成されて離間する。
このように、第1の端子部243と第2の端子部261とは、操作部23を介して接触と非接触が切り替えられる。
【0034】
電極部26の第2の導電膜26aは、図6に示すパネルPに第1の導電膜241より近接して配置され、第1の端子部243と第2の端子部261とが接続した場合、パネルPとの間の静電容量を変化させる所定の面積を有している。
また、第2の導電膜26aは、第1の端子部243と第2の端子部261とが非接触の場合は、第1の導電膜241とは切り離され、またグランドとしては第1の導電膜241と比較して表面積が小さいため、パネルPとの間の静電容量の変化量を小さく抑えることができ、パネルPにおいて静電容量の変化を誤検知させることがないようになっている。
さらに、第2の導電膜26aは、図6に示す操作部23とパネルPとの間に配置される。
【0035】
図6の説明に戻る。
接着部材27は、グランドシート24と保持部材28とを接着するものであり、例えば両面テープである。
保持部材28は、非導電性の樹脂等で形成され、操作部23およびグランドシート24を保持するものである。この保持部材28は、グランドシート24の第1の導電膜241とパネルPとの間に配置され、第1の導電膜241とパネルPとを所定の距離を保持して離間させる。また、この保持部材28には、操作部保持領域281および貫通孔282が形成されている。
操作部保持領域281は、図中矢印Bが示す積層方向と直交する方向の操作部23の移動を規制する貫通孔である。積層方向と直交する方向の移動が規制された操作部23は、操作者の操作により押圧された場合、脚部231が屈折して積層方向に移動し、その押圧が解除された場合、脚部231の弾性によって反積層方向へ移動する。
貫通孔282は、図9に示すグランドシート24の接続部240b、導線部242、第1の端子部243、および電極部26が挿入されるものである。これにより、グランドシート24の導線部242、第1の端子部243、および第2の端子部261を有する電極部26は、操作部23とパネルPとの間に配置される。
なお、接着部材27は、保持部材28の操作部保持領域281および貫通孔282を覆わないように、貫通孔27aが形成されている。
【0036】
次に、操作部23、グランドシート24、および電極部26の配置を図8の第2の実施例における入力操作装置の断面図に基づいて説明する。なお、図8(a)は図7におけるA-A断面図であり、図8(b)は図8(a)における操作部23および電極部26を拡大した断面図である。
図8に示すように、グランドシート24の接続部240bが貫通孔282に挿入され、保持部材28で保持された操作部23とパネルPとの間には、グランドシート24の基部および電極部26等が配置される。
操作部23は、導通切替部としての脚部231を有しているため、操作者の操作により操作部23がパネルP側に押圧されると脚部231が屈曲して図9に示すグランドシート24の第1の端子部243に当接してその第1の端子部243を電極部26の第2の端子部261に接触させる。即ち、図9に示す第1の端子部243と第2の端子部261とが接続され、電気的に第1の導電膜241と電極部26の第2の導電膜26aとが接続される。
また、その押圧が解除されると脚部231の弾性により、第2の端子部261に接触していたグランドシート24の第1の端子部243が第2の端子部261から離間する。即ち、図9に示す第1の端子部243と第2の端子部261との接続が解除され、電気的に第1の導電膜241と電極部26の第2の導電膜26aとの接続が解除される。
このように、本実施例では、操作部23の脚部231が第1の実施例の導通切替部としての機能を果たし、操作部23の脚部231は、図9に示すグランドシート24の第1の端子部243と電極部26の第2の端子部261との電気的な接続と切断とを切り替え、導通または非導通を切り替える。
【0037】
上述した構成の作用について図10に基づき図8および図9を参照しながら説明する。
図10は第2の実施例における導通・非導通の状態を示す説明図であり、図10(a)はグランドシート24の第1の端子部243と電極部26の第2の端子部261の非導通状態を表し、図10(b)はグランドシート24の第1の端子部243と電極部26の第2の端子部261の導通状態を表している。
図10(a)に示すように、操作部23が操作者により押圧されていない場合、グランドシート24の第1の端子部243と電極部26の第2の端子部261とは離間している。従って、第1の端子部243と第2の端子部261とは非接続の状態であり、図9に示す第1の導電膜241と電極部26の第2の導電膜26aとは電気的に非接続の状態となっている。
【0038】
このとき、図9に示す第1の導電膜241はパネルPから離間しているため、第1の導電膜241とパネルPとの間の静電容量が変化することはない。従って、パネルPは静電容量の変化を検知することがなく、操作部23が押下されたことを検知することはない。
また、図9に示す第1の導電膜241から第1の端子部243に伸びている導線部242は、パネルPに接近する部位もあるが、パネルPが静電容量の変化を効率よく検知できる所定の面積よりも小さい面積の細い導電パターンで形成されているため、パネルPに静電容量の変化を誤検知させるようなことはない。ここで、パネルPが静電容量の変化を検知できる所定の面積とは、操作者の手指でパネルPに触れた場合の面積(例えば、直径約4~7mm程度の円の面積)をいう。
さらに、図9に示す電極部26の第2の導電膜26aは、パネルPに接近してパネルPが静電容量の変化を検知できる所定の面積を有しているが、第1の導電膜241とは電気的に切り離されており、グランドとして表面積が小さく、静電容量が小さいため、パネルPに静電容量の変化を誤検知させるようなことはない。
【0039】
次に、図10(b)に示すように、操作部23が操作者により押圧されると、操作部23の脚部231が屈曲し、操作部23の上面部232の突出部が第1の端子部243と接触して押圧し、さらに押圧されると第1の端子部243と第2の端子部261とが接触して接続された状態となる。従って、図9に示す第1の導電膜241と電極部26の第2の導電膜26aとが電気的に接続した状態となる。
操作部23が操作者により押圧されたとき、操作部23はキートップラバーを採用しているため、押し間違いのないロングストロークのクリック感を操作者に付与することができる。このクリック感に伴って確かな操作感が得られ、正確な操作が可能となる。
【0040】
図9に示す第1の導電膜241と電極部26の第2の導電膜26aとが電気的に接続した状態となると、図8に示す電極部26とパネルPとの間の静電容量が変化し、その静電容量の変化をパネルPが検知することにより、操作部23が押下されたことを検知することができるようになる。
図9に示す電極部26は、パネルPが静電容量の変化を検知できる所定の面積より大きい面積を有しており、パネルPは静電容量の変化を効率よく検知できる。
このように、本実施例では、第1の導電膜241に接続された第1の端子部243と電極部26に接続された第2の端子部261とを接着部材25で離間させておき、屈伸可能な導通切替部としての機能を有する脚部231を操作部23を設けたことにより、操作部23を押圧操作することにより良好なクリック感と同時に、第1の導電膜241と電極部26の第2の導電膜26aとが接続され、電極部26の中心部において大きな静電容量の変化を発生させることができる。
また、操作部23の操作者による押圧が解除されると、図10(a)に示すように、操作部23の脚部231が伸び、脚部231の弾性によりグランドシート24の第1の端子部243と電極部26の第2の端子部261とが離間し、第1の端子部243と第2の端子部261とは非接続の状態となる。従って、図9に示す第1の導電膜241と電極部26の第2の導電膜26aとが電気的に非接続の状態となる。
図9に示す第1の導電膜241と電極部26とが電気的に非接続の状態となると、電極部26の第2の導電膜26aとパネルPとの間の静電容量の変化はなくなり、パネルPは操作部23の押下が解除されたことを検知することができるようになる。
【0041】
このように、操作部23が押圧されて移動すると、操作部23の脚部231により第1の端子部243と第2の端子部261とを導通させ、グランドシート24の第1の導電膜241と電極部26の第2の導電膜26aとが導通することにより第2の導電膜26aとパネルPとの間に発生した静電容量を変化させるようにしているため、操作者が手袋等の非導電性の部材を介して操作部23を操作した場合であっても、パネルPは確実に操作部23が押下されたことを検知することができるようになる。従って、作業者の操作環境に左右されないスイッチ操作が可能になる。
また、図6に示す操作部23、および電極部26(第2の導電膜26a)は透明な部材で形成されているため、操作者は操作する領域に対応するパネルPの表示を操作部23、および電極部26(第2の導電膜26a)を介して視認することができる。
さらに、フィルム状のグランドシート24にグランドしての第1の導電膜241を形成するようにしたことにより、入力操作装置1を小型化することができる。
【0042】
以上説明したように、第2の実施例でも、第1の実施例と同様に、操作部23と接触する操作者の部位が非導電性の物体で覆われている場合であっても操作部23の操作を入力部としてのパネルPで検知できるようにすることができるという効果が得られる。
また、操作者は、操作部23の操作する領域に対応するパネルPの表示を視認することができるという効果が得られる。
さらに、入力操作装置1を小型化することができるという効果が得られる。
【0043】
なお、第1の実施例および第2の実施例では、入力操作装置を情報処理装置の入力部との間の静電容量を変化させる例で説明したが、それに限られることなく、静電容量方式の入力部であれば工作機械等の様々な装置の入力部の静電容量を変化させるものとしても良い。
【符号の説明】
【0044】
1 入力操作装置
11、21 化粧シート
12、16、22、25、27 接着部材
13、23 操作部
15、24 グランドシート
17、28 保持部材
151、241 第1の導電膜
153、243 第1の端子部
154、261 第2の端子部
155、26 電極部
155a、26a 第2の導電膜
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10