(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179052
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
B65H 3/48 20060101AFI20241219BHJP
B65H 11/00 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
B65H3/48 320A
B65H11/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097553
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000718
【氏名又は名称】弁理士法人中川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】森下 裕輔
【テーマコード(参考)】
3F063
3F343
【Fターム(参考)】
3F063BC02
3F343FA02
3F343FB02
3F343FC03
3F343GA02
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD01
3F343HA39
3F343JD28
3F343KB03
3F343KB17
3F343LC04
3F343LD07
3F343MA23
(57)【要約】 (修正有)
【課題】手差し給送部に載置されるシートにエアーを吹き付ける、サイド規制板と共に移動可能なファンに対し、適正な束線長で束線を配置する。
【解決手段】手差し給送部235のシート幅方向の一方及び他方の位置をそれぞれ規制する第1、第2規制部と、シートにエアーを吹き付けるための、第1サイド規制部と共に移動可能でシート幅方向の一方の側に可動領域を有する第1ファンモータと、シートにエアーを吹き付けるための、第2サイド規制部と共に移動可能で第1ファンモータよりシート給送方向下流側で前記シート幅方向の他方の側に可動領域を有する第2ファンモータと、第1、第2ファンモータよりシート給送方向下流側でシート幅方向の一方の側に配置される制御部100に、第1ファンモータからシート幅方向の他方の側とは逆方向に引き出され、第2ファンモータの可動領域の外を通って接続される束線部とを有する画像形成装置。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部に向けて手差しシートを給送可能な手差し給送部と、
前記手差し給送部のシート給送方向と直交するシート幅方向に移動可能で前記シート幅方向の一方の位置を規制するための第1サイド規制部と、
前記手差し給送部の前記シート幅方向に移動可能で前記シート幅方向の他方の位置を規制するための第2サイド規制部と、
前記手差し給送部に載置されるシートにエアーを吹き付けるための、前記第1サイド規制部と共に移動可能で前記シート幅方向の一方の側に可動領域を有する第1ファンモータと、
前記手差し給送部に載置されるシートにエアーを吹き付けるための、前記第2サイド規制部と共に移動可能で前記第1ファンモータより前記手差し給送部のシート給送方向下流側で前記シート幅方向の他方の側に可動領域を有する第2ファンモータと、
前記第1ファンモータ及び前記第2ファンモータを制御するための、前記第1ファンモータ及び前記第2ファンモータより前記手差し給送部のシート給送方向下流側で前記シート幅方向の一方の側に配置される制御部と、
前記第1ファンモータから前記シート幅方向の他方の側とは逆方向に引き出され、前記第2ファンモータの可動領域の外を通って前記制御部に接続されるように配線される第1ファンモータ用束線部と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記手差し給送部に配置されるシート検知センサと、
前記シート検知センサから前記シート幅方向の他方の側とは逆方向に引き出されて前記第2ファンモータの可動領域の外を通って前記制御部に接続されるように配線されるシート検知センサ用束線部と、
を有することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積載されたシート束に、シート束を捌くためのエアーを吹き付け可能な手差し給送装置を備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、電子写真方式を用いた複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置は、カラー化、高画質化が普及してきた。オフィスで使用する画像形成装置においてもユーザは、より高画質、高精細なプリント成果物を求めるようになってきている。
【0003】
一般的にオフィスの画像形成装置で使用される用紙は、普通紙や再生紙が多く用いられている。一方、普通紙では、要求される綺麗で見栄えのする成果物を得るには限界があった。そのため、より綺麗で見栄えのする成果物とするために、コート紙、厚紙などの特殊紙が望まれるようになってきている。
【0004】
従来から、画像形成装置では特殊紙を給送するために、画像形成装置側壁に取付けられて手差し給送装置が用いられている。これは、画像形成装置内のカセット給送装置ではセットできないサイズの用紙(長尺紙、不定形サイズ、小サイズ紙)や、ストレート搬送路でないと搬送抵抗が大きく搬送できない高剛度の厚紙などに対してこの手差し給送装置で対応するためである。
【0005】
このような手差し給送装置は、画像形成装置の側壁に取付けられていることからユーザが目視で用紙を観察することができるメリットがある。つまり、用紙をユーザが手で捌いて給送トレイにセットして、給送状態を見ながら給紙できる。例えば、捌きムラがあるときは、再度、用紙を手で捌き直してセットすることで紙詰まりの発生を軽減させるこができる。但し、捌いてから時間が経過すると再び用紙同士が吸着状態になり、紙詰まりなどが発生する恐れがあった。
【0006】
そこで、このような問題を改善させる方法として、手差し給送装置である手差し給送トレイに積載された用紙にエアー吹き付けるエアー吹き付け部を設け、エアーで積載された用紙を捌き、連続で給紙できるようにする技術が特許文献1で提案されている。
【0007】
特許文献1は、エアー吹き付け部が手差し給送トレイの外部に配置されて固定されているが、装置の小型化を図ろうとする場合、手差し給送トレイの内部にエアー吹き付け部を配置することが望ましい。この場合、積載された用紙にエアーを吹き付けるための手段の一つとして、手差し給送トレイの紙サイズの幅方向の設定を行うサイド規制板からエアーを吹き付ける方法が挙げられる。サイド規制板をエアーの風路として利用するには、紙サイズの設定を行うために移動するサイド規制板に対し、エアーを吹き付けるためのファンもサイド規制板と共に移動する必要がある。この場合、ファンの可動領域は、1つのファンは一方のサイド規制板と共にシート幅方向の一方側を移動し、もう1つのファンは他方のサイド規制板と共に他方側を移動するような構成となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のような構成では、手差し給送トレイ内部に配置する束線は、ファンの可動領域にかかってしまうとファンや周辺部品との接触により断線等が発生する恐れがあるため、ファンの可動領域を避けて配置する必要がある。このため、可動するファンの配置に対する束線の経路によって束線が冗長となり、余計なコストがかかってしまうといった問題があった。
【0010】
本発明は以上の事情に鑑みなされたもので、手差し給送部に積載されるシートにエアーを吹き付けるための、サイド規制板と共に移動可能なファン対し、適正な束線長で束線を配置可能な画像形成装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために本発明は、シートに画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部に向けて手差しシートを給送可能な手差し給送部と、前記手差し給送部のシート給送方向と直交するシート幅方向に移動可能で前記シート幅方向の一方の位置を規制するための第1サイド規制部と、前記手差し給送部の前記シート幅方向に移動可能で前記シート幅方向の他方の位置を規制するための第2サイド規制部と、前記手差し給送部に載置されるシートにエアーを吹き付けるための、前記第1サイド規制部と共に移動可能で前記シート幅方向の一方の側に可動領域を有する第1ファンモータと、 前記手差し給送部に載置されるシートにエアーを吹き付けるための、前記第2サイド規制部と共に移動可能で前記第1ファンモータより前記手差し給送部のシート給送方向下流側で前記シート幅方向の他方の側に可動領域を有する第2ファンモータと、前記第1ファンモータ及び前記第2ファンモータを制御するための、前記第1ファンモータ及び前記第2ファンモータより前記手差し給送部のシート給送方向下流側で前記シート幅方向の一方の側に配置される制御部と、前記第1ファンモータから前記シート幅方向の他方の側とは逆方向に引き出され、前記第2ファンモータの可動領域の外を通って前記制御部に接続されるように配線される第1ファンモータ用束線部とを有する画像形成装置とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、手差し給送部に積載されるシートにエアーを吹き付けるための、サイド規制板と共に移動可能なファン対し、適正な束線長で束線を配置可能な画像形成装置を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略正面断面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る回路ブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る手差し給送部の上面図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る手差し給送部の断面図である。
【
図5】本発明の実施形態の特徴を説明するための比較例を示す手差し給送部を下面から見た時の模式図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る手差し給送部を下面から見た時の模式図である。
【
図7】本発明の他の実施形態に係る手差し給送部を下面から見た時の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、以下の実施形態に記載の構成要素はあくまで例示であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において本発明が適用される装置の構成や機能、寸法、材質、形状、相対配置等の各種条件は適宜修正又は変更可能で、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0015】
図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略正面断面図である。
【0016】
図1において、200は、画像形成装置で、電子写真プロセスを利用したタンデム方式-中間転写式のレーザービームプリンタである。画像形成装置200は、後述する
図2に示す制御部100に接続されたホスト装置900から出力される印刷画像データに対応したフルカラー、または単色の画像を記録媒体であるシートSに形成して出力することができる。
【0017】
201は画像形成装置本体、202は画像形成装置本体201の上方に略水平に設置された画像読取装置であり、この画像読取装置202と画像形成装置本体201との間に、シート排出用の排出空間Vが形成されている。
【0018】
230は、シートSを収納するシート収納手段である給送カセット1からシートSを給送するカセット給送部である。カセット給送部230は、シート給送手段であるピックアップローラ2と、ピックアップローラ2から送り出されたシートSを分離するためのフィードローラ3とリタードローラ4とからなる分離部とを備えている。
【0019】
また、235は、シートSを載置する手段である手差し給送トレイ5から手差しシートSを給送可能な手差し給送部である。手差し給送部235は、カセット給送部230と同様に、シート給送手段であるピックアップローラ502と、ピックアップローラ502から送り出されたシートSを分離するためのフィードローラ503とリタードローラ504とからなる分離部とを備えている。
【0020】
201Aは、シートに画像を形成するための画像形成手段である画像形成部で、4ドラムフルカラー方式のものである。画像形成部201Aは、レーザースキャナ210と、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナー画像を形成する4個のプロセスカートリッジ211Y、211M、211C、211Kを備えている。ここで、各プロセスカートリッジ211Y、211M、211C、211Kは、感光体ドラム212Y、212M、212C、212K、帯電手段である帯電器213Y、213M、213C、213K、現像手段である現像器214Y、214M、214C、214Kを備えている。また、画像形成部201Aは、プロセスカートリッジ211Y、211M、211C、211Kの上方に配された2次転写部201Dと、定着部201Eを備えている。なお、215は、現像器214Y、214M、214C、214Kにそれぞれトナーを供給するためのトナーカートリッジである。
【0021】
感光体ドラム212Y、212M、212C、212Kの上部には、駆動ローラ216a及びテンションローラ216bに巻き掛けられた転写ベルト216が配置されている。そして、転写ベルト216の内側には感光体ドラム212Y、212M、212C、212Kにそれぞれ対向した位置で転写ベルト216に当接する1次転写ローラ219Y、219M、219C、219Kが設けられ、それぞれ1次転写部を形成している。ここで、転写ベルト216は、不図示の駆動部により駆動される駆動ローラ216aにより矢印H方向に回転する。駆動ローラ216aと対向する位置には、転写ベルト216上に形成されたカラー画像をシートSに転写する2次転写ローラ217が設けられ2次転写部201Dを形成している。
【0022】
さらに、この2次転写ローラ217の上部には定着部201Eが配置され、この定着部201Eの左上部には第1排出ローラ対225a、第2排出ローラ対225b及び両面反転部201Fが配置されている。この両面反転部201Fは、正逆転可能な反転ローラ対222及び一面に画像が形成されたシートSを再度、画像形成部201Aに搬送する再搬送路Rが設けられている。
【0023】
また、画像形成装置本体201の上部には、ユーザからの操作を受け付ける入力表示装置730が設けられている。入力表示装置730は表示だけでなく、入力も兼ね備えたタッチパネル方式となっている。
【0024】
図2は、
図1の画像形成装置を制御するための回路ブロック図である。
【0025】
図2において、制御部100は、画像形成装置200の動作を統括して制御する制御回路であり、ホスト装置900や入力表示装置730との情報の授受を行う。また、制御部100は、各種プロセス機器への信号処理、シーケンス制御等を行う。ここで、ホスト装置900は、パソコンやイメージスキャナー、ファクシミリなどである。
【0026】
また、制御部100は、RAMやROMで構成される記憶部101との情報の授受を行う。記憶部101には各種制御プログラムなどが記憶されている。
【0027】
また、制御部100は、手差し給送部235に積載されるシートをエアーで捌くための後述するファンモータ15a、15bに接続され、ファンモータ15a、15bの制御を行う。
【0028】
さらに、制御部100は、手差し給送部235に載置されるシートを検知するための後述するシート検知センサ505a、505bに接続されている。
【0029】
次に、画像形成装置200の画像形成動作について説明する。
【0030】
図1、
図2において、まず、画像形成装置200は、制御部100がホスト装置900から印刷する原稿の画像データを受け取ると、その画像情報を画像処理した後、画像形成部201Aのレーザースキャナ210に伝送される。画像形成部201Aでは、帯電器213Y、213M、213C、213Kによって表面が所定の極性・電位に一様に帯電されている感光体ドラム212Y、212M、212C、212Kの表面がレーザースキャナ210により順次露光される。これにより、各プロセスカートリッジ211Y、211M、211C、211Kの感光体ドラムY、212M、212C、212K上に、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの静電潜像が順次形成される。
【0031】
その後、この静電潜像を現像器214Y、214M、214C、214Kにより各色トナーで現像して可視化すると共に、1次転写ローラ219Y、219M、219C、2129に印加した1次転写バイアスにより、各感光体ドラム212Y、212M、212C、212K上の各色トナー像を転写ベルト216に順次重ね合わせて転写する。これにより、転写ベルト216上にトナー画像が形成される。
【0032】
また、このトナー画像形成動作に並行して、シートSがカセット給送部230または手差し給送部235によって1枚ずつレジローラ対240に搬送され、レジローラ対240により斜行が補正される。シートSは、斜行が補正された後、レジローラ対240により2次転写部201Dまで搬送され、2次転写部201Dにおいて、2次転写ローラ217に印加した2次転写バイアスにより、転写ベルト216上のトナー像がシートS上に一括して転写される。
【0033】
そして、トナー像が転写されたシートSは、定着部201Eに搬送され、加圧ローラ220aと加熱ローラ220bにより形成されたローラニップ部において、熱及び圧力を受けて各色のトナーが溶融混色し、シートSにカラーの画像として定着される。
【0034】
画像が定着されたシートSは、定着部201Eの下流に設けられた第1排出ローラ対225a及び第2排出ローラ対225bによって排出空間Vに排出され、排出空間Vの底面に突出された排出トレイ223に積載される。
【0035】
なお、シートSの両面に画像を形成する際は、定着部201Eで画像が定着された後、シートSは反転ローラ対222により再搬送路Rに搬送され、再度、画像形成部201Aに搬送される。
【0036】
次に、エアー吹き付け部を有する手差し給送部235について説明する。
【0037】
図3は、手差し給送部235の上面図を示すもので、
図3(A)はサイド規制板が開いた状態、
図3(B)はサイド規制板が閉じた状態である。
【0038】
図3において、手差し給送部235は、前述したようにシートを載置する手段である手差し給送トレイ5、およびシート給送手段であるピックアップローラ502と、ピックアップローラ502から送り出されたシートSを分離するためのフィードローラ503とリタードローラ504とからなる分離部とを備えている。
【0039】
手差し給送トレイ5には、シート載置面に対しシート給送方向を示す矢印Xと直交する方向(シート幅方向)に、
図3(A)に示す幅広シートを規制する位置と
図3(B)に示す幅狭シートと規制する位置に移動自在なサイド規制部としてのサイド規制板14a、14bが設けられている。
【0040】
サイド規制板14a、14bには、ファンモータ15a、15bがそれぞれサイド規制板14a、14bと共に移動可能に取り付けられ、吹き付けノズル16a及び17a、並びに16b及び17bを介して積載されたシートSの側面に捌きエアー1A及び2A,並びに1B及び2Bを吹き付け可能となっている。ファンモータ15a、15bからのエアーを捌きエアーとして流線1A及び2A、並びに1B及び2Bのようにシートの端部に向かって吹き付けることで、シート間の隙間にエアーが入り込み、上方のシートが浮上してシート間の密着力が低減される。
【0041】
入力表示装置730上のスタートボタンが押され、シート検知センサ505a、505bにより手差し給送トレイ5にシートが載置されていることが検知されると、シートの給送が開始される。給送されるシートがコート紙である場合、シートの給送が開始され前にサイド規制板14a、14bのファンモータ15a、15bが稼働して吹き付けノズル116a及び17a、並びに16b及び17bを介してシート幅方向の端部にエアーが吹き付けられる。そして、それから所定時間後にピックアップローラ502が回転して、コート紙同士の吸着力が低減された状態の最上のコート紙であるシートSがフィードローラ503とリタードローラ504からなる分離部に送られ、1枚に分離されて搬送ローラ対506により前述したレジローラ対240へ送られる。
【0042】
その後の動作は前述したように、シートSはタイミングが計られて2次転写部201Dでシートにトナー画像が転写される。そして、定着部201EでシートSにトナー像が定着され、第1排出ローラ対225aによって排出トレイ223に排出される。
【0043】
一方、両面画像を形成するときは、両面反転部201Fでシートが反転されて、再搬送路Rを経由して、再びレジローラ対240まで搬送される。その後は1面目と同様にトナー画像が転写、定着されて排出トレイ223に排出され、一連の画像形成が終了する。
【0044】
【0045】
図4において、ファンモータ15bは、手差し給送トレイ5のシート積載面5aよりも下方で手差し給送トレイ5の筐体内部に実装されている。なお、本実施形態ではファンモータ15a、15bとして、比較的低コストである軸流ファンを搭載している。
【0046】
手差し給送部235にコート紙などがセットされて給送動作が指示されると、ファンモータ15bが駆動を開始する。これにより手差し給送トレイ5の外装部5bに設けられた不図示の吸気口から流線Eのように外部空気が取り込まれる。サイド規制板14bの内側はエアーダクト141bが形成されている。したがって、ファンモータ15bの送風方向側にあるエアーダクト141bへ流線Dのように空気が送り込まれる。さらに、サイド規制板14bのシート規制面には、2ヶ所に吹き付けノズル16b、17bが配置されている。ファンモータ15bから吐き出された空気は流線C、Bのようにエアーダクト141bの内部を進んでいき、2ヶ所の吹き付けノズル16b17bより積載されたシートSの端部に流線1B、2Bのような捌きエアーとして吹き付けられる。
【0047】
一方、
図3に示す吹き付けノズル16A,17Aについても同様にファンモータ15aにより積載されたシートSの端部にエアーを吹き付ける。
【0048】
図4において、手差し給送部235下方にはカセット給送部230のジャム処理を行うため、右下扉601が設けられている。右下扉601はヒンジ602で回動し、上端部が回動軌跡603を描くように回動する。この回動軌跡603を避けるために手差し給送トレイ5の一部には切り欠き部5cが設けられている。
【0049】
次に、上記構成におけるファンモータ15a、15bの移動と、ファンモータ15a、15bと制御部100を接続する束線の配置について
図5~
図7を用いて説明する。
【0050】
図5~
図7は、手差し給送部235を下面から見た時の模式図である。
【0051】
図5は、本実施形態の特徴を説明するための比較例として示すもので、
図5(A)はサイド規制板が開いた状態のファンモータ15a、15bの位置、
図5(B)はサイド規制板が閉じた状態のファンモータ15a、15bの位置である。
【0052】
図5において、手差し給送部235に載置されたシートは
図5の矢印Z方向に、上方向から、手差し給送部235と画像形成装置200が接続されている下方向に給送される。またここでは、制御部100は手差し給送部235の右方向に位置する構成となっている。四角の破線15A、15Bは、それぞれサイド規制板14a、14bと共に移動するファンモータ15a、15bの可動領域を示すものである。
【0053】
図5は、手差し給送部235のシート給送方向上流側(
図5の上側)をサイド規制板14bと共に移動するファンモータ15bとしてその可動領域15Bを中央から左(制御部100の配置と逆方向)に、手差し給送部235のシート給送方向下流側(
図5の下側)をサイド規制板14aと共に移動するファンモータ15aとしてその可動領域15Aを中央から右(制御部100の配置方向)に配置した場合である。
【0054】
このような構成においては、制御部100と、ファンモータ15a及び15b、並びにシート検知センサ505a及び505bとを接続する束線51を配置する場合、ファンモータ15b及びシート検知センサ505aからの束線51のファンモータ用束線部及びシート検知センサ用束線部は、ファンモータ15aの可動領域15Aにかかると接触する可能性があり断線するリスクが大きくなる。そのため、ファンモータ15b及びシート検知センサ505aと制御部100とを接続する束線51のファンモータ用束線部及びシート検知センサ用束線部は、
図5に示すようにファンモータ15aの可動領域15Aの外を通すことが必要となる。その場合、ファンモータ15b及びシート検知センサ505aから右側に配置する制御部100までの束線は、制御部100の逆側を迂回することになり束線長が冗長なものとなって余計なコストアップにつながってしまう。
【0055】
そこで本実施形態では、
図6に示すような構成とする。
図6は、
図5と同様に給送部235を下面から見た時の模式図で、
図6(A)はサイド規制板が開いた状態のファンモータ15a、15bの位置、
図6(B)はサイド規制板が閉じた状態のファンモータ15a、15bの位置である。
【0056】
図6において、手差し給送部235に載置されたシートは
図5と同様に矢印Z方向に、上方向から、手差し給送部235と画像形成装置200が接続されている下方向に給送される。また、制御部100は
図5と同様に手差し給送部235の右方向に位置する構成となっている。
【0057】
一方、手差し給送部235のシート給送方向上流側(
図6の上側)をサイド規制板14aと共に移動するファンモータ15aとしてその可動領域15Aを中央から右(制御部100の配置方向)に、手差し給送部235のシート給送方向下流側(
図6の下側)をサイド規制板14bと共に移動するファンモータ15bとしてその可動領域15Bを中央から左(制御部100の配置と逆方向)になるように配置する。そして、ファンモータ15a及びシート検知センサ505aと制御部100とを接続する束線51のファンモータ用束線部及びシート検知センサ用束線部は、
図6に示すように右方向(制御部100側)に引き出し、ファンモータ15bの可動領域15Bの外を通り制御部100に向かう配線の配置とする。
【0058】
これにより、ファンモータ15a及びシート検知センサ505aから右側に位置する制御部100までの束線長は、
図5の比較例のように制御部100の逆側を迂回するようなことなく最適なものとすることができる。
【0059】
図7は、制御部100が手差し給送部235に対し左側に位置する場合の他の実施形態の構成である。
図7は、
図5と同様に手差し給送部235を下面から見た時の模式図で、
図7(A)はサイド規制板が開いた状態のファンモータ15a、15bの位置、
図7(B)はサイド規制板が閉じた状態のファンモータ15a、15bの位置である。
【0060】
図7において、手差し給送部235の左側に位置する制御部100に対し、手差し給送部235のシート給送方向上流側(
図7の上側)をサイド規制板14bと共に移動するファンモータ15bとしてその可動領域15Bに、手差し給送部235のシート給送方向下流側(
図7の下側)をサイド規制板14bと共に移動するファンモータ15aとしてその可動領域15Aになるように配置し、束線の引き出し方向、配線位置もすべて
図6の構成と逆になるようにする。
【0061】
図7の構成においても、ファンモータ15a及びシート検知センサ505aから左側に位置する制御部100までの束線長は、
図5の比較例のように断線するリスクを避けるために制御部100の逆側を迂回するようなことなく最適なものとすることができる。
【符号の説明】
【0062】
14a、14b…サイド規制板
15a、15b…ファンモータ
505a、505b…シート検知センサ
51…束線
100…制御部
200…画像形成装置
235…手差し給送部