(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179059
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/00 20240101AFI20241219BHJP
【FI】
G06Q50/00 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097564
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】児島 一郁
(72)【発明者】
【氏名】谷 真宏
(72)【発明者】
【氏名】池田 圭佑
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】複数の対象アカウントを利用する人物の同一性を精度良く判定する。
【解決手段】情報処理装置は、特定部と判定部とを備える。特定部は、第1対象アカウントと第2対象アカウントとのそれぞれに関連付けられた第1知人アカウント群と第2知人アカウント群とを特定する。判定部は、第1知人アカウント群と第2知人アカウント群とのそれぞれを利用する第1人物群と第2人物群との類似性に基づいて、第1対象アカウントと第2対象アカウントを利用する人物の同一性を判定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1対象アカウントと第2対象アカウントとのそれぞれに関連付けられた第1知人アカウント群と第2知人アカウント群とを特定する特定手段と、
前記第1知人アカウント群と前記第2知人アカウント群とのそれぞれを利用する第1人物群と第2人物群との類似性に基づいて、前記第1対象アカウントと前記第2対象アカウントを利用する人物の同一性を判定する判定手段とを備える
情報処理装置。
【請求項2】
前記判定手段は、
前記第1知人アカウント群を構成する第1知人アカウントと前記第2知人アカウント群を構成する第2知人アカウントとの各組み合わせについて、前記第1知人アカウントと前記第2知人アカウントとを利用する人物が同一である確からしさを示す第1確度を算出する第1確度算出手段と、
前記算出された第1確度を用いて、前記第1人物群と前記第2人物群との類似性を示す値である知人類似度を算出する類似度算出手段と、
前記知人類似度に基づいて、前記第1対象アカウントと前記第2対象アカウントを利用する人物の同一性を判定する同一性判定手段とを含む
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記類似度算出手段は、
前記第1確度を用いて、同一人物が利用する前記第1知人アカウントと前記第2知人アカウントとの組み合わせである共通知人アカウントを特定する共通知人特定手段と、
前記特定された共通知人アカウントについて算出された前記第1確度を用いて、前記知人類似度を算出する知人類似度算出手段とを含む
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記共通知人アカウントは、他の共通知人アカウントとの間で、前記第1知人アカウントと前記第2知人アカウントとのいずれもが異なるように特定される
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1確度は、前記第1知人アカウントと前記第2知人アカウントとに関連付けられたSNS情報の類似性に基づいて算出される
請求項2から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第1知人アカウントと前記第2知人アカウントとの各々では、同一人物が利用するアカウントが統合されている
請求項2から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第1確度は、前記第1対象アカウントに関連付けられた第1関連アカウントと、前記第2対象アカウントに関連付けられた第2関連アカウントのうち所定の関係を満たす前記第2知人アカウントとの組み合わせと、前記第2関連アカウントと、前記第1関連アカウントのうち前記所定の関係を満たす前記第1知人アカウントとの組み合わせと、の各組み合わせについて算出される
請求項2から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記第1確度は、当該第1知人アカウントと当該第2知人アカウントとが同一人物が利用するアカウントとして関連付けられている場合に、所定値が設定される
請求項2から4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
1つ以上のコンピュータが、
第1対象アカウントと第2対象アカウントとのそれぞれに関連付けられた第1知人アカウント群と第2知人アカウント群とを特定し、
前記第1知人アカウント群と前記第2知人アカウント群とのそれぞれを利用する第1人物群と第2人物群との類似性に基づいて、前記第1対象アカウントと前記第2対象アカウントを利用する人物の同一性を判定する
情報処理方法。
【請求項10】
1つ以上のコンピュータに、
第1対象アカウントと第2対象アカウントとのそれぞれに関連付けられた第1知人アカウント群と第2知人アカウント群とを特定し、
前記第1知人アカウント群と前記第2知人アカウント群とのそれぞれを利用する第1人物群と第2人物群との類似性に基づいて、前記第1対象アカウントと前記第2対象アカウントを利用する人物の同一性を判定することを実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
種々のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)が一般的に広く利用されており、同一人物が複数のアカウントを利用することがある。マーケティング、就職希望者や進学希望者の人材調査等の種々の目的でSNSにおいて提供される情報(SNS情報)を活用する場合等に、複数のアカウントを利用する人物の同一性を判別できることは有用である。
【0003】
例えば、特許文献1では、アカウント由来の類似度と、当該アカウント由来の友人アカウント由来の類似度とをアカウントの信頼度で重み付けして類似度を算出することにより、複数のアカウントが同一人物由来か否かを判定する信頼性分析システムが開示されている。
【0004】
特許文献1に記載の信頼性分析システムおいて、友人アカウント由来の類似度は、アカウントA及びアカウントBそれぞれの友人リストに基づいて、友人アカウントの投稿画像を取得し、当該取得された投稿画像から抽出される被写体画像の類似度である。また、アカウント由来の類似度は、アカウントA及びアカウントBそれぞれの投稿画像から抽出される被写体画像の類似度である。特許文献1に記載の信頼性分析システムでは、アカウントA及びアカウントBの信頼度が低い場合、友人アカウント由来の類似度が重視される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的に、アカウントA及びアカウントBそれぞれの友人リストに含まれる友人アカウントにおいて、当該友人アカウントを利用する人物が同一であっても、当該人物がそれぞれの友人アカウントで異なる投稿画像を投稿することがある。このような場合等に、特許文献1に記載された友人アカウント由来の類似度は、アカウントA及びアカウントBが同一人物由来かどうかを適切に表す値とならないおそれがある。
【0007】
本発明の目的の一例は、上述した課題を鑑み、複数の対象アカウントを利用する人物の同一性を精度良く判定することが可能な情報処理装置、情報処理方法、プログラム等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、第1対象アカウントと第2対象アカウントとのそれぞれに関連付けられた第1知人アカウント群と第2知人アカウント群とを特定する特定手段と、
前記第1知人アカウント群と前記第2知人アカウント群とのそれぞれを利用する第1人物群と第2人物群との類似性に基づいて、前記第1対象アカウントと前記第2対象アカウントを利用する人物の同一性を判定する判定手段とを備える
情報処理装置が提供される。
【0009】
本発明の一態様によれば、1つ以上のコンピュータが、
第1対象アカウントと第2対象アカウントとのそれぞれに関連付けられた第1知人アカウント群と第2知人アカウント群とを特定し、
前記第1知人アカウント群と前記第2知人アカウント群とのそれぞれを利用する第1人物群と第2人物群との類似性に基づいて、前記第1対象アカウントと前記第2対象アカウントを利用する人物の同一性を判定する
情報処理方法が提供される。
【0010】
本発明の一態様によれば、1つ以上のコンピュータに、
第1対象アカウントと第2対象アカウントとのそれぞれに関連付けられた第1知人アカウント群と第2知人アカウント群とを特定し、
前記第1知人アカウント群と前記第2知人アカウント群とのそれぞれを利用する第1人物群と第2人物群との類似性に基づいて、前記第1対象アカウントと前記第2対象アカウントを利用する人物の同一性を判定することを実行させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一態様によれば、複数の対象アカウントを利用する人物の同一性を精度良く判定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】情報処理の概要を示すフローチャートである。
【
図3】情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図4】情報処理装置の機能的な構成の一例を示す図である。
【
図6】情報処理装置の物理的な構成例を示す図である。
【
図7】情報処理の一例を示すフローチャートであり、
【
図8】判定処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】特定処理の他の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0014】
[実施形態の概要]
図1は、情報処理装置102の概要を示す図である。情報処理装置102は、特定部122と判定部123とを備える。
【0015】
特定部122は、第1対象アカウントと第2対象アカウントとのそれぞれに関連付けられた第1知人アカウント群と第2知人アカウント群とを特定する。判定部123は、第1知人アカウント群と第2知人アカウント群とのそれぞれを利用する第1人物群と第2人物群との類似性に基づいて、第1対象アカウントと第2対象アカウントを利用する人物の同一性を判定する。
【0016】
この情報処理装置102によれば、複数の対象アカウントを利用する人物の同一性を精度良く判定することが可能になる。
【0017】
図2は、情報処理の概要を示すフローチャートである。
【0018】
特定部122は、第1対象アカウントと第2対象アカウントとのそれぞれに関連付けられた第1知人アカウント群と第2知人アカウント群とを特定する(ステップS102)。判定部123は、第1知人アカウント群と第2知人アカウント群とのそれぞれを利用する第1人物群と第2人物群との類似性に基づいて、第1対象アカウントと第2対象アカウントを利用する人物の同一性を判定する(ステップS104)。
【0019】
この情報処理によれば、複数の対象アカウントを利用する人物の同一性を精度良く判定することが可能になる。
【0020】
[実施形態1]
(情報処理システム100の構成例)
情報処理システム100は、複数の対象アカウントを利用する人物の同一性を判定するためのシステムである。情報処理システム100は、1つ又は複数のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)管理装置101と、情報処理装置102とを備える。
【0021】
1つ又は複数のSNS管理装置101の各々は、SNSを提供するための装置であって、例えばSNS情報を管理する。情報処理装置102は、複数の対象アカウントを利用する人物の同一性(以下、これを「対象人物同一性」とも称する。)を判定するための装置である。情報処理装置102は、第1対象アカウントと第2対象アカウントとのそれぞれに関連付けられた関連アカウント群を用いて、対象人物同一性を判定する。情報処理装置102は、例えば、関連アカウント群のSNS情報を用いて、対象人物同一性を判定する。
【0022】
1つ又は複数のSNS管理装置101と情報処理装置102とは、ネットワークNTを介して互いに情報を送受信できるように接続されている。ネットワークNTは、例えば、有線、無線又はこれらを組み合わせて構成される通信回線である。
【0023】
図3は、情報処理システム100の構成の一例を示す図である。同図に示す第1SNS管理装置101a及び第2SNS管理装置101bの各々は、SNS管理装置101の例である。すなわち、同図では、情報処理システム100が2つのSNS管理装置101を備える例を示している。なお、情報処理システム100は上述の通り、1つ又は複数のSNS管理装置101を備えればよく、情報処理システム100が備えるSNS管理装置101は2つに限られない。
【0024】
(SNS情報について)
SNS情報は、SNSを提供するために利用される情報であって、1つ又は複数のSNS管理装置101の各々が管理する。例えば、第1SNS管理装置101aは、第1SNSを提供するためのSNS情報である第1SNS情報を管理する。例えば、第2SNS管理装置101bは、第2SNSを提供するためのSNS情報である第2SNS情報を管理する。第1SNSと第2SNSとは、互いに異なるSNSである。
【0025】
SNS情報は例えば、アカウントごとの、(1)ユーザID(Identification)、(2)プロフィール情報、(3)アカウント関連付け情報、(4)他SNSアカウント情報、(5)投稿情報、(6)授受情報等の1つ以上を含む。SNS情報では例えば、ユーザIDに他の情報が関連付けられる。
【0026】
アカウントは、SNSで登録されたアカウントであり、以下においても同様である。
【0027】
(1)ユーザIDは、SNSにて各アカウントを識別するための情報である。ユーザIDは、例えば、SNSを利用する人物が当該SNSにそのユーザとして登録する際に自動的に付与される。ユーザIDは、例えば、ユーザが変更できなくてもよい。
【0028】
(2)プロフィール情報は、ユーザに関する情報であり、例えばそのユーザによって登録される。プロフィール情報は、例えば、1つ以上の表示名、生年月日、住所、出身校、連絡先(電話番号、電子メールアドレス等)、自己紹介等のために記載する任意のコメント等の1つ以上を含むとよい。
【0029】
表示名は、例えば、ユーザがSNSにて他のユーザ等へ自身を示すために用いる名称である。
【0030】
詳細には例えば、表示名は、ユーザが任意に設定する名称である。表示名は、SNSを利用する複数のユーザ間で互いに重複しない名称(すなわち、当該SNSにてユーザの各々を識別できる名称)であってもよく、複数のユーザ間での重複を許容する名称であってもよい。複数のユーザ間での重複を許容する表示名の例として、ユーザの本名、本名以外の呼称等を挙げることができる。本名は、氏のみ、名のみ、氏及び名のいずれであってもよい。
【0031】
(3)アカウント関連付け情報(以下、単に「関連付け情報」とも称する。)は、当該関連付け情報に関連付けられたユーザIDを用いて識別されるアカウントと同一のSNSにて利用されている他のアカウントを関連付けるための情報である。
【0032】
関連付け情報は、例えば、当該他のアカウントを特定するための情報(他アカウント情報)を含む。これにより、当該関連付け情報に関連付けられたユーザIDを用いて識別されるアカウントと、当該関連付け情報に含まれる他アカウント情報を用いて特定される他のアカウントとを関連付けることができる。なお、他のアカウントを関連付ける方法は、これに限られない。
【0033】
関連付け情報によって関連付けられるアカウントは、SNSにおける管理方針に従って設定されればよく、例えばユーザが関連付けを許可したアカウント等である。このようなアカウントの典型例として、知人、友人、親族(親、兄弟姉妹、子供等)、家族、配偶者、恋人、同僚等が利用するアカウントを挙げることができる。
【0034】
関連付け情報は、さらに、関係性情報を含んでもよい。関係性情報は、上述の知人、友人、親族(親、兄弟姉妹、子供等)、家族、配偶者、恋人、同僚等の、ユーザと他のアカウントを利用する人物との関係性を示す情報である。
【0035】
(4)他SNSアカウント情報は、ユーザが他のSNSで利用するアカウントを特定するための情報である。他SNSアカウント情報は、例えば、他のSNSへのリンク情報と、ユーザが当該他のSNSで利用するアカウントとを含む。
【0036】
(5)投稿情報は、ユーザがSNSにて投稿した情報である。投稿情報は、例えば、文章、画像等の1つ以上を含むとよい。
【0037】
(6)授受情報は、当該授受情報に関連付けられたユーザIDを用いて識別されるアカウントと、他のアカウントとの間で授受された情報である。授受情報は、ユーザIDを用いて識別されるアカウントから他のアカウントへ発信された情報、ユーザIDを用いて識別されるアカウントが他のアカウントから受信した情報等の1つ以上を含む。
【0038】
授受情報は、例えば、コメント、コメントに対する返信、会話等の1つ以上を含む。コメントは、投稿に対して他のアカウントから受信した文章、画像等である。返信は、ユーザIDを用いて識別されるアカウントから当該コメントに対して発信した文章、画像等である。会話は、アカウントが他のアカウントとの間で直接的に(例えば、投稿に関連せずに)発信又は受信した文章、画像等である。
【0039】
なお、SNS情報に含まれる情報は、ここで例示したものに限られない。
【0040】
例えば、投稿情報は、当該投稿情報が発信された場所を示す位置情報をさらに含んでもよい。例えば、授受情報は、当該授受情報が発信された場所を示す位置情報をさらに含んでもよい。これらの位置情報は、例えば情報を発信した端末が備えるGPS(Global Positioning System)機能等を用いて取得されるとよい。授受情報は、例えば、当該授受情報が発信された時期、当該授受情報が受信された時期の少なくとも一方を含んでもよい。時期は、例えば、年月日及び時刻等で表されるとよい。
【0041】
(アカウントに関連する用語について)
本開示においてアカウントに関連して用いる用語である、(1)複数の対象アカウント、(2)関連アカウント群、(3)知人アカウント群について、説明する。
【0042】
(1)複数の対象アカウントは、それらを利用する人物の同一性を判定する対象となるアカウントである。例えば、複数の対象アカウントは、対象人物同一性を判定する対象として適宜選択されるアカウントでよい。
【0043】
複数の対象アカウントは、第1対象アカウントと第2対象アカウントとを含むとよい。第1対象アカウントと第2対象アカウントとは、例えば、複数の対象アカウントから任意に選択された互いに異なる対象アカウントでよい。
【0044】
実施形態では、第1対象アカウントと第2対象アカウントが、それぞれ、第1SNS管理装置101aと第2SNS管理装置01bとが提供するSNSで利用されるアカウントである例を用いて説明する。詳細には例えば、第1対象アカウントと第2対象アカウントとは、第1SNSと第2SNSとのそれぞれで利用されるアカウントの中から、対象人物同一性を判定する対象として選択されたアカウントである。
【0045】
なお、複数の対象アカウントは、1つのSNS管理装置101が提供するSNSで利用されるアカウントから選択された複数のアカウントを含んでもよい。この場合、第1対象アカウントと第2対象アカウントは、当該1つのSNS管理装置101が提供するSNSで利用されるアカウントであってもよい。
【0046】
(2)関連アカウント群は、1つ又は複数の関連アカウントから構成される。関連アカウントは、対象アカウントに関連付けられたアカウントである。例えば、関連アカウントは、対象アカウントの関連付け情報によって関連付けられた1つ又は複数の他のアカウントである。詳細には例えば、対象アカウントに対応するユーザIDを含むSNS情報において、当該ユーザIDに関連付けられた関連付け情報)によって関連付けられた1つ又は複数の他のアカウントである。
【0047】
(3)知人アカウント群は、1つ又は複数の知人アカウントから構成される。知人アカウントは、関連アカウントのうち、対象アカウントを利用する人物と所定の関係にある人物が利用する1つ又は複数のアカウントである。所定の関係は、関係性の深い関係であり、例えば情報を授受した関係である。この場合の知人アカウント群は、例えば、対象アカウント及びその関連アカウント群の少なくとも一方のSNS情報に含まれる授受情報を用いて特定されるとよい。
【0048】
詳細には例えば、知人アカウント群は、授受情報が対象アカウントと関連アカウントとの間で、少なくとも1つの会話、相互の会話等を含むことを条件として、特定されるとよい。この場合、関連アカウントの授受情報に対象アカウントとの会話が含まれることと、対象アカウントの授受情報に関連アカウントとの会話が含まれることとの少なくとも一方が満たされる場合に、当該関連アカウントは、知人アカウントとして特定されるとよい。
【0049】
なお、所定の関係は、これに限られず、適宜変更されてもよい。例えば、知人アカウントは、会話とともに、或いは会話の代わりに、授受情報に含まれるコメント、コメントに対する返信等の少なくとも1つを用いて、特定されてもよい。
【0050】
(情報処理装置102の機能的な構成の例)
図4は、情報処理装置102の機能的な構成の一例を示す図である。情報処理装置102は、機能的に例えば、SNS情報取得部121と、特定部122と、判定部123とを備える。
【0051】
SNS情報取得部121は、複数の対象アカウントと、それぞれについて特定部122により特定された知人アカウント群とのSNS情報を取得する。
【0052】
例えば、SNS情報取得部121は、第1SNS管理装置101aから、第1対象アカウントと、当該第1対象アカウントについて特定された第1知人アカウント群とのSNS情報を取得する。SNS情報取得部121は、第2SNS管理装置101bから、第2対象アカウントと、当該第2対象アカウントについて特定された第2知人アカウント群とのSNS情報を取得する。
【0053】
特定部122は、複数の対象アカウントのそれぞれに関連付けられた知人アカウント群を特定する。
【0054】
例えば、特定部122は、第1対象アカウントと第2対象アカウントとのそれぞれに関連付けられた第1知人アカウント群と第2知人アカウント群とを特定する。
【0055】
判定部123は、複数の対象アカウントのそれぞれについて特定部122により特定された知人アカウント群を利用する人物群の類似性に基づいて、当該複数の対象アカウントを利用する人物の同一性を判定する。
【0056】
人物群の類似性は、例えば、第1確度に基づいて算出される値である知人類似度を用いて表される。第1確度は、知人アカウントを利用する人物が同一である確からしさを示す値である。第1確度は、例えば、知人アカウントに関連付けられたSNS情報(例えば、知人アカウントのユーザIDに関連付けられたSNS情報)を用いて算出されるとよい。
【0057】
詳細には例えば、判定部123は、第1人物群と第2人物群との類似性に基づいて、第1対象アカウントと第2対象アカウントを利用する人物の同一性を判定する。第1人物群と第2人物群とは、それぞれ、第1知人アカウント群と第2知人アカウント群を利用する人物群である。
【0058】
図5は、判定部123の機能的な構成例を示す図である。判定部123は、機能的に例えば、第1確度算出部124と、類似度算出部125と、同一性判定部126とを含む。
【0059】
第1確度算出部124は、異なる対象アカウントのそれぞれについて特定された知人アカウント群を構成する知人アカウントの組み合わせについて、第1確度を算出する。
【0060】
詳細には例えば、第1確度算出部124は、第1知人アカウント群を構成する第1知人アカウントと第2知人アカウント群を構成する第2知人アカウントとの各組み合わせについて、第1確度を算出する。
【0061】
第1確度は、第1知人アカウントと第2知人アカウントとを利用する人物が同一である確からしさを示す値である。第1確度は、第1知人アカウントと第2知人アカウントとに関連付けられたSNS情報の類似性に基づいて算出される。
【0062】
類似度算出部125は、第1確度算出部124により求められた第1確度を用いて、複数の対象アカウントのそれぞれについて特定された知人アカウント群を利用する人物群の類似性を示す知人類似度を算出する。
【0063】
詳細には例えば、類似度算出部125は、第1確度算出部124により求められた第1確度を用いて、第1人物群と第2人物群との類似性を示す値である知人類似度を算出する。
【0064】
このような類似度算出部125は、機能的に例えば、共通知人特定部125aと、知人類似度算出部125bとを含む。
【0065】
共通知人特定部125aは、第1確度を用いて、同一人物が利用する第1知人アカウントと第2知人アカウントとの組み合わせである共通知人アカウントを特定する。共通知人アカウントは、例えば、他の共通知人アカウントとの間で、第1知人アカウントと第2知人アカウントとのいずれもが異なるように特定されるとよい。
【0066】
知人類似度算出部125bは、共通知人特定部125aにより特定された共通知人アカウントについて算出された第1確度を用いて、知人類似度を算出する。
【0067】
同一性判定部126は、類似度算出部125により算出された知人類似度に基づいて、複数の対象アカウントを利用する人物の同一性を判定する。例えば、同一性判定部126は、類似度算出部125により算出された知人類似度に基づいて、第1対象アカウントと第2対象アカウントを利用する人物の同一性を判定する。
【0068】
(情報処理システム100の物理的な構成例)
情報処理システム100は、物理的に、ネットワークNTを介して接続された1つ又は複数のSNS管理装置101と、情報処理装置102とから構成される。1つ又は複数のSNS管理装置101及び情報処理装置102の各々は、物理的に異なる単一の装置から構成される。
【0069】
1つ又は複数のSNS管理装置101及び情報処理装置102の各々は、物理的には同様に構成されるとよい。ここでは、情報処理装置102を例に、図を参照して物理的な構成例を説明する。
【0070】
図6は、情報処理装置102の物理的な構成例を示す図である。情報処理装置102は、物理的に例えば、バス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、ネットワークインタフェース1050、入力インタフェース1060、出力インタフェース1070を有する。
【0071】
バス1010は、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、ネットワークインタフェース1050、入力インタフェース1060、出力インタフェース1070が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1020などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0072】
プロセッサ1020は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などで実現されるプロセッサである。
【0073】
メモリ1030は、RAM(Random Access Memory)などで実現される主記憶装置である。
【0074】
ストレージデバイス1040は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又はROM(Read Only Memory)などで実現される補助記憶装置である。ストレージデバイス1040は、これを備える装置(
図6の例では、情報処理装置102)の機能を実現するためのプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1020がこれら各プログラムモジュールをメモリ1030に読み込んで実行することで、そのプログラムモジュールに対応する機能が実現される。
【0075】
ネットワークインタフェース1050は、これを備える装置(
図6の例では、情報処理装置102)をネットワークNTに接続するためのインタフェースである。
【0076】
入力インタフェース1060は、ユーザが情報を入力するためのインタフェースである。入力インタフェース1060は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウスなどから構成される。
【0077】
出力インタフェース1070は、ユーザに情報を提示するためのインタフェースである。出力インタフェース1070は、例えば、液晶パネル、有機EL(Electro-Luminescence)パネルなどから構成される。
【0078】
なお、情報処理システム100の物理的な構成は、これに限られない。例えば、複数のSNS管理装置101が単一の装置から構成され、当該単一の装置が、複数のSNS管理装置101の機能を備えてもよい。また、1つ又は複数のSNS管理装置101と情報処理装置102とが単一の装置から構成され、当該単一の装置が、1つ又は複数のSNS管理装置101と情報処理装置102との機能を備えてもよい。ここでの複数のSNS管理装置101は、情報処理システム100が備える複数のSNS管理装置101の一部であってもよく、それら全部であってもよい。また、単一の装置は、物理的には例えば、
図6に例示した情報処理装置102と同様に構成されるとよい。
【0079】
(情報処理システム100の動作例)
ここから、情報処理システム100の動作について、図を参照して説明する。情報処理システム100では、例えば情報処理装置102が情報処理を実行する。情報処理は、複数の対象アカウントを利用する人物の同一性を判定するための処理である。
【0080】
情報処理は、例えば、複数の対象アカウントの指定を受け付けると開始される。なお、情報処理を開始するトリガーは、これに限られない。
【0081】
以下では、指定された複数の対象アカウントに含まれる第1対象アカウント及び第2対象アカウントを利用する人物の同一性を判定する例を用いて、情報処理について説明する。
【0082】
図7は、情報処理の一例を示すフローチャートである。
【0083】
SNS情報取得部121は、第1SNS管理装置101aと第2SNS管理装置101bとのそれぞれから、第1対象アカウントと第2対象アカウントとのSNS情報を取得する(ステップS101)。
【0084】
例えば、SNS情報取得部121は、第1対象アカウントの第1SNS情報(すなわち、第1対象アカウントのユーザIDに関連付けられた第1SNS情報)を、第1SNS管理装置101aから取得する。また例えば、SNS情報取得部121は、第2対象アカウントの第2SNS情報(すなわち、第2対象アカウントのユーザIDに関連付けられた第2SNS情報)を、第2SNS管理装置101bから取得する。
【0085】
ここでは、SNS情報取得部121は、第1対象アカウント及び第2対象アカウントの各々のユーザIDに関連付けられた関連付け情報及び授受情報を、少なくとも取得するとよい。
【0086】
特定部122は、ステップS101にて取得したSNS情報を用いて、第1知人アカウント群と第2知人アカウント群とを特定する(ステップS102)。
【0087】
例えば、特定部122は、第1SNS情報に含まれる関連付け情報で関連付けられた第1関連カウント群の中から、所定の関係を満たす第1知人アカウント群を特定する。
【0088】
詳細には例えば、特定部122は例えば、第1関連カウント群を構成する1つ又は複数の第1関連アカウントの授受情報を参照し、会話を含む授受情報に関連付けられた1つ又は複数のユーザIDのアカウントを第1知人アカウントとして特定する。これにより、特定部122は、1つ又は複数の第1知人アカウントから構成される第1知人アカウント群を特定する。
【0089】
また例えば、特定部122は、第2SNS情報に含まれる関連付け情報で関連付けられた第2関連カウント群の中から、所定の関係を満たす第2知人アカウント群を特定する。
【0090】
詳細には例えば、特定部122は例えば、第2関連カウント群を構成する1つ又は複数の第2関連アカウントの授受情報を参照し、会話を含む授受情報に関連付けられた1つ又は複数のユーザIDのアカウントを第2知人アカウントとして特定する。これにより、特定部122は、1つ又は複数の第2知人アカウントから構成される第2知人アカウント群を特定する。
【0091】
SNS情報取得部121は、第1SNS管理装置101aと第2SNS管理装置101bとのそれぞれから、ステップS102で特定された第1知人アカウント群と第2知人アカウント群とのSNS情報を取得する(ステップS103)。
【0092】
例えば、SNS情報取得部121は、第1知人アカウント群の第1SNS情報(すなわち、1つ又は複数の第1知人アカウントの各ユーザIDに関連付けられた第1SNS情報)を、第1SNS管理装置101aから取得する。また例えば、SNS情報取得部121は、第2知人アカウント群の第2SNS情報(すなわち、1つ又は複数の第2知人アカウントの各ユーザIDに関連付けられた第2SNS情報)を、第2SNS管理装置101bから取得する。
【0093】
判定部123は、第1人物群と第2人物群との類似性に基づいて、第1対象アカウントと第2対象アカウントとを利用する人物の同一性を判定する(ステップS104)。ここでの第1人物群と第2人物群とは、それぞれ、ステップS102にて特定された第1知人アカウント群と第2知人アカウント群とを利用する人物群である。
【0094】
例えば、判定部123は、ステップS103にて取得されたSNS情報を用いて、第1知人アカウント群と第2知人アカウント群とのそれぞれに含まれる第1知人アカウントと第2知人アカウントとの各組み合せについての第1確度を求める。そして、判定部123は、当該第1確度を用いて知人類似度を算出する。判定部123は、知人類似度を用いて、第1対象アカウントと第2対象アカウントとの対象人物同一性を判定する。
【0095】
図8は、判定処理(ステップS104)の一例を示すフローチャートである。
【0096】
第1確度算出部124は、ステップS102にて特定された第1知人アカウント群と第2知人アカウント群のそれぞれに含まれる第1知人アカウントと第2知人アカウントの各組み合わせについて、第1確度を算出する(ステップS104a)。
【0097】
例えば、第1確度算出部124は、ステップS103にて取得されたSNS情報を用いて第1確度を算出する。一般的に、同一人物が利用するアカウントのSNS情報は類似する程度が高い。そのため、第1確度算出部124は、第1知人アカウントと第2知人アカウントの各組み合わせについて、第1知人アカウントと第2知人アカウントとのSNS情報が類似する程度(類似度)を、第1確度として算出する。
【0098】
図9は、第1知人アカウントA-1~A-3と第2知人アカウントB-1~B-3との各組み合わせについて算出された第1確度の一例を示す図である。同図に例示する第1確度の各々は、第1知人アカウントA-1~A-3と第2知人アカウントB-1~B-3との各組み合わせについてのSNS情報の類似度に対応する。
【0099】
SNS情報の類似度を算出する方法には、一般的な手法が用いられてよい。例えば、SNS情報の類似度は、SNS情報に含まれる文章の類似度と画像の類似度との少なくとも一方又はこれらの類似度を統合した値(例えば、単純な平均値や、文章及び画像のデータ量で重み付けした平均値)である。
【0100】
なお、第1確度の算出方法は、これに限られない。
【0101】
類似度算出部125は、ステップS104aにて求められた第1確度を用いて、知人類似度を算出する(ステップS104b)。
【0102】
詳細には例えば、共通知人特定部125aは、第1確度を用いて、同一人物が利用する第1知人アカウント及び第2知人アカウントの組み合わせである共通知人アカウントを特定する(ステップS104b1)。
【0103】
例えば、共通知人特定部125aは、予め定められた確度閾値を用いて、第1知人アカウント及び第2知人アカウント組み合わせを絞り込む。例えば、
図9に例示する第1確度が算出され、確度閾値が0.5である場合、共通知人特定部125aは、確度閾値が0.5以上の第1知人アカウント及び第2知人アカウントの組み合わせを特定する。
図9の例では、共通知人特定部125aは、下線を付した第1確度に対応する組み合わせ(すなわち、A-1及びB-1の組み合わせ、A-3及びB-1の組み合わせ、A-2及びB-2の組み合わせ)を特定する。
【0104】
共通知人特定部125aは、絞り込んだ第1知人アカウント及び第2知人アカウント組み合わせの中から、共通知人アカウントを特定する。このとき、共通知人特定部125aは、例えば、共通知人アカウント間で第1知人アカウントと第2知人アカウントとのいずれもが異なるように、共通知人アカウントを特定するとよい。
【0105】
詳細には例えば、共通知人特定部125aは、第1確度が高い順に、既に共通知人アカウントとして特定した第1知人アカウント及び第2知人アカウントを除外して、第1知人アカウント及び第2知人アカウントの組み合わせを共通知人アカウントとして特定する。
【0106】
図9の例では、共通知人特定部125aは、第1確度が0.9であるA-1及びB-1の組み合わせを共通知人アカウントとして特定する。次に、共通知人特定部125aは、第1確度が0.8であるA-2及びB-2の組み合わせを共通知人アカウントとして特定する。この次に、第1確度が高い組み合わせは、第1確度が0.7であるA-3及びB-1の組み合わせである。しかし、B-1は、A-1との組み合わせで既に共通知人アカウントとして特定されている。そのため、共通知人特定部125aは、A-3及びB-1の組み合わせを共通知人アカウントとして特定しない。
【0107】
このような処理の結果、
図9の例では、共通知人特定部125aは、A-1及びB-1、A-2及びB-2の各組み合わせを、共通知人アカウントとして特定する。
【0108】
知人類似度算出部125bは、ステップS104b1にて特定された共通知人アカウントについて算出された第1確度を用いて、知人類似度を算出する(ステップS104b2)。
【0109】
例えば、知人類似度算出部125bは、共通知人アカウントについて算出された第1確度の合計を、第1知人アカウントの人数と第2知人アカウントの人数との小さい方の値で除した値を、知人類似度として算出する。
【0110】
図9の例では、知人類似度は、共通知人アカウントとして特定されたA-1及びB-1の組み合わせ、A-2及びB-2の組み合わせそれぞれに対応する第1確度0.9と0.8の合計を、3で割った0.57である。ここでの「3」は、第1知人アカウントの人数と第2知人アカウントの人数との小さい方の値に対応する。
図9の例ではいずれ人数も3であるため、当該小さい方の値には3が用いられる。
【0111】
なお、知人類似度の算出方法はこれに限られない。例えば、知人類似度は、共通知人アカウントの数、すなわち共通知人アカウントとして特定された第1知人アカウント及び第2知人アカウントの組み合わせの数であってもよい。
【0112】
同一性判定部126は、ステップS104b2にて算出された知人類似度に基づいて、第1対象アカウントと第2対象アカウントとを利用する人物の同一性を判定し(ステップS104c)、情報処理を終了する。
【0113】
例えば、同一性判定部126は、類似度算出部125により算出された知人類似度と予め定められた類似度閾値との比較結果に基づいて、対象人物同一性を判定する。
【0114】
詳細には例えば、知人類似度が0.57であり、類似度閾値が0.5である場合、同一性判定部126は、知人類似度が類似度閾値以上であるため、第1対象アカウントと第2対象アカウントとを利用する人物が同一であると判定する。これとは異なり、例えば知人類似度が類似度閾値未満である場合、同一性判定部126は、第1対象アカウントと第2対象アカウントとを利用する人物が同一ではないと判定する。
【0115】
同一性判定部126は、判定結果を出力するとよい。例えば、同一性判定部126は、図示しない表示部に判定結果を表示させるとよい。判定結果は、第1対象アカウントと第2対象アカウントとが同一であるか否かを含むとよい。判定結果は、知人類似度をさらに含んでもよい。
【0116】
なお、出力方法は、これに限られない。
【0117】
以上、本実施形態によれば、情報処理装置102は、特定部122と判定部123とを備える。
【0118】
特定部122は、第1対象アカウントと第2対象アカウントとのそれぞれに関連付けられた第1知人アカウント群と第2知人アカウント群とを特定する。判定部123は、第1知人アカウント群と第2知人アカウント群とのそれぞれを利用する第1人物群と第2人物群との類似性に基づいて、第1対象アカウントと第2対象アカウントを利用する人物の同一性を判定する。
【0119】
これにより、第1対象アカウントと第2対象アカウントを利用する人物の同一性を判定するために、第1知人アカウント群と第2知人アカウント群とのそれぞれを利用する第1人物群と第2人物群との類似性を用いることができる。一般的に、第1人物群と第2人物群との類似性が高い程、第1対象アカウントと第2対象アカウントを利用する人物が同一である可能性が高い。従って、複数の対象アカウントを利用する人物の同一性を精度良く判定することが可能になる。
【0120】
本実施形態によれば、特定部122は、第1確度算出部124と、類似度算出部125と、同一性判定部126とを含む。
【0121】
第1確度算出部124は、第1知人アカウント群を構成する第1知人アカウントと第2知人アカウント群を構成する第2知人アカウントとの各組み合わせについて、第1確度を算出する。第1確度は、第1知人アカウントと第2知人アカウントとを利用する人物が同一である確からしさを示す。
【0122】
類似度算出部125は、求められた第1確度を用いて、第1人物群と第2人物群との類似性を示す値である知人類似度を算出する。
【0123】
同一性判定部126は、知人類似度に基づいて、第1対象アカウントと第2対象アカウントを利用する人物の同一性を判定する。
【0124】
これにより、第1知人アカウント群と第2知人アカウント群とのそれぞれを利用する第1人物群と第2人物群との類似性を用いて、第1対象アカウントと第2対象アカウントを利用する人物の同一性を判定することができる。従って、複数の対象アカウントを利用する人物の同一性を精度良く判定することが可能になる。
【0125】
本実施形態によれば、類似度算出部125は、共通知人特定部125aと、知人類似度算出部125bとを含む。
【0126】
共通知人特定部125aは、第1確度を用いて、同一人物が利用する第1知人アカウントと第2知人アカウントとの組み合わせである共通知人アカウントを特定する。知人類似度算出部125bは、特定された共通知人アカウントについて算出された第1確度を用いて、知人類似度を算出する。
【0127】
これにより、第1知人アカウント群と第2知人アカウント群とのそれぞれを利用する第1人物群と第2人物群との類似性を用いて、第1対象アカウントと第2対象アカウントを利用する人物の同一性を判定することができる。従って、複数の対象アカウントを利用する人物の同一性を精度良く判定することが可能になる。
【0128】
本実施形態によれば、共通知人アカウントは、他の共通知人アカウントとの間で、第1知人アカウントと第2知人アカウントとのいずれもが異なるように特定される。
【0129】
このような共通知人アカウントを特定することで、第1知人アカウント群と第2知人アカウント群とのそれぞれを利用する第1人物群と第2人物群との全体的な類似性を判定することができる。従って、複数の対象アカウントを利用する人物の同一性を精度良く判定することが可能になる。
【0130】
本実施形態によれば、第1確度は、第1知人アカウントと第2知人アカウントとに関連付けられたSNS情報の類似性に基づいて算出される。
【0131】
一般的に、第1知人アカウントと第2知人アカウントとを同一人物が利用する場合、これらのSNS情報は類似する可能性が高い。そのため、SNS情報の類似性に基づいて、第1知人アカウントと第2知人アカウントとを利用する人物が同一である確からしさを適切に算出することができる。従って、複数の対象アカウントを利用する人物の同一性を精度良く判定することが可能になる。
【0132】
[実施形態2]
本実施形態では、同じSNS内で同一の人物が利用する複数の知人アカウントがある場合に、当該複数の知人アカウントを1つの知人アカウントに統合する例を説明する。
【0133】
本実施形態では、説明を簡明にするため、実施形態1と異なる点について主に説明し、実施形態1と共通する点についての説明は適宜省略する。
【0134】
本実施形態に係る情報処理装置は、機能的に例えば、実施形態1に係る特定部222に代わる特定部222を備える。この点を除いて、本実施形態に係る情報処理装置は、機能的に例えば、実施形態1に係る情報処理装置100と同様の構成要素を備えるとよい。
【0135】
特定部222は、実施形態1に係る特定部122と同様に、第1対象アカウントと第2対象アカウントとのそれぞれに関連付けられた第1知人アカウント群と第2知人アカウント群とを特定する。特定部222は、第1知人アカウントと第2知人アカウントとの各々について、同一人物が利用するアカウントを統合した統合アカウントを用いる。
【0136】
図10は、特定部222の機能的な構成例を示す図である。特定部222は、第1知人アカウント特定部222aと、第2確度算出部222bと、第2知人アカウント特定部222cとを含む。
【0137】
第1知人アカウント特定部222aは、実施形態1に係る特定部122と同様に、対象アカウントに関連付けられた知人アカウント群を特定する。
【0138】
例えば、第1知人アカウント特定部222aは、実施形態1に係る特定部122と同様に、第1対象アカウント及び第2対象アカウントのそれぞれに関連付けられた第1知人アカウント群及び第2知人アカウント群を特定する。
【0139】
第2確度算出部222bは、第1知人アカウント特定部222aにより特定された知人アカウント群の各々について、アカウントを利用する人物が同一である確からしさを示す第2確度を算出する。
【0140】
例えば、第2確度算出部222bは、第1知人アカウント特定部222aにより特定された第1知人アカウント群を利用する人物が同一である確からしさを示す第2確度を算出する。また例えば、第2確度算出部222bは、第1知人アカウント特定部222aにより特定された第2知人アカウント群を利用する人物が同一である確からしさを示す第2確度を算出する。
【0141】
第2知人アカウント特定部222cは、第1知人アカウント特定部222aにより特定された知人アカウント群のうち、第2確度を用いて同一人物が利用する関連アカウントを統合した統合アカウントを生成して、知人アカウント群を特定する。
【0142】
例えば、第2知人アカウント特定部222cは、第1知人アカウント群について算出された第2確度が所定の条件を満たす第1知人アカウントの組み合わせを特定し、当該第1知人アカウントの組み合わせを統合した統合アカウントを生成する。そして、第2知人アカウント特定部222cは、当該生成された統合アカウントと統合アカウントとして特定されていない第1知人アカウントとから構成される第1知人アカウント群を特定する。
【0143】
例えば、第2知人アカウント特定部222cは、第2知人アカウント群について算出された第2確度が所定の条件を満たす第2知人アカウントの組み合わせを特定し、当該第2知人アカウントの組み合わせを統合した統合アカウントを生成する。そして、第2知人アカウント特定部222cは、当該生成された統合アカウントと統合アカウントとして特定されていない第2知人アカウントとから構成される第2知人アカウント群を特定する。
【0144】
(情報処理システムの動作例)
本実施形態に係る情報処理について、
図7を参照して説明する。
【0145】
実施形態1と同様のステップS101が実行される。
【0146】
続けて、実施形態1に係る特定処理(ステップS102)に代わる本実施形態に係る特定処理(ステップS202)が実行される。ステップS202において、特定部122が、ステップS101にて取得したSNS情報を用いて、第1知人アカウント群と第2知人アカウント群とを特定する点は、実施形態1に係るステップS102と同様である。
【0147】
ステップS202では、第1知人アカウント群と第2知人アカウント群との各々について、同一人物が利用するアカウントがある場合に、それらのアカウントを統合した統合アカウントが用いられる点で、実施形態1に係るステップS102と異なる。
【0148】
図11は、特定処理(ステップS202)の他の例を示すフローチャートである。
【0149】
第1知人アカウント特定部222aは、実施形態1に係る特定処理(ステップS102)と同様に、ステップS101にて取得したSNS情報を用いて、第1知人アカウント群と第2知人アカウント群とを特定する(ステップS202a)。
【0150】
第2確度算出部222bは、ステップS202aにて特定された第1知人アカウント群と第2知人アカウント群との各々について、第2確度を算出する(ステップS202b)。
【0151】
例えば、第2確度算出部222bは、ステップS101にて取得したSNS情報を用いて、第1知人アカウント群を構成する第1知人アカウントの各組み合わせについて第2確度を算出する。また例えば、第2確度算出部222bは、ステップS101にて取得したSNS情報を用いて、第2知人アカウント群を構成する第2知人アカウントの各組み合わせについて第2確度を算出する。
【0152】
図12は、第2確度の一例を示す図である。
図12(a)は、第1知人アカウント群(すなわち、第1知人アカウントの各組み合わせ)についての第2確度の一例を示す図である。
図12(b)は、第2知人アカウント群(すなわち、第2知人アカウントの各組み合わせ)について第2確度の一例を示す図である。
【0153】
SNS情報から第2確度を算出する方法は、実施形態1においてSNS情報から第1確度を算出する方法と同様でよい。
【0154】
第2知人アカウント特定部222cは、第2確度を用いて統合アカウントを生成した場合に、当該統合アカウントと当該統合アカウントとして特定されていない知人アカウントとから構成される知人アカウント群を特定する(ステップS202c)。
【0155】
例えば、第2知人アカウント特定部222cは、第1知人アカウント群について算出された第2確度が予め定められた基準値以上である組み合わせを含む場合に、当該第1知人アカウントの組み合わせを統合した統合アカウントを生成する。そして、第2知人アカウント特定部222cは、当該統合アカウント及び当該統合アカウントとして特定されていない第1知人アカウントを、第1知人アカウント群として特定する。
【0156】
例えば、第2知人アカウント特定部222cは、第2知人アカウント群について算出された第2確度が予め定められた基準値以上である組み合わせを含む場合に、当該第2知人アカウントの組み合わせを統合した統合アカウントを生成する。そして、第2知人アカウント特定部222cは、当該統合アカウント及び当該統合アカウントとして特定されていない第2知人アカウントを、第2知人アカウント群として特定する。
【0157】
詳細には例えば、
図12に例示する第2確度がステップS202bにて算出され、基準値が0.6である場合、第2知人アカウント特定部222cは、A-1及びA-3の組み合わせを統合した統合アカウントSA-1を生成する。この場合、第2知人アカウント特定部222cは、A-1及びA-3を統合したSA-1と、A-2とを、第1知人アカウント群として特定する。また、第2知人アカウント群については統合アカウントが生成されないため、第2知人アカウント特定部222cは、B-1、B-2及びB-3を第2知人アカウント群として特定する。
【0158】
続けて、SNS情報取得部121は、第1SNS管理装置101aと第2SNS管理装置101bとのそれぞれから、ステップS202aで特定された第1知人アカウント群と第2知人アカウント群とのSNS情報を取得する(ステップS103)。
【0159】
すなわち、統合アカウントSA-1について、当該統合アカウントSA-1の各々を構成する知人アカウントA-1,A-3の各々のSNS情報が取得される。
【0160】
判定部123は、統合アカウントが生成された場合、当該統合アカウントを含む知人アカウント群を利用する人物群の類似性に基づいて、当該複数の対象アカウントを利用する人物の同一性を判定する(ステップS104)。
【0161】
統合アカウントが生成されなかった場合、判定部123は、実施形態1と同様のステップS104を実行するとよい。そのため、以下では、統合アカウントが生成された場合のステップS104の例について説明する。なお、統合アカウントが特定された第1知人アカウント群に含まれる例を用いて説明するが、統合アカウントは、特定された第1知人アカウント群と第2知人アカウント群との少なくとも一方に含まれるとよい。
【0162】
第1確度算出部124は、実施形態1と同様に、ステップS102にて特定された第1知人アカウント群と第2知人アカウント群のそれぞれに含まれる第1知人アカウントと第2知人アカウントの各組み合わせについて、第1確度を算出する(ステップS104a)。
【0163】
図13は、第1知人アカウントSA-1,A-3と第2知人アカウントB-1~B-3との各組み合わせについて算出された第1確度の他の例を示す図である。
【0164】
例えば、統合アカウントSA-1を含む組み合わせについての第1確度は、統合アカウントSA-1を構成する知人アカウントA-1,A-3の各々と他のアカウントB-1~B-3の各々との第1確度に基づいて算出されるとよい。なお、統合アカウントSA-1を含まない組み合わせについての第1確度は、実施形態1と同様でよい。
【0165】
詳細には例えば、統合アカウントSA-1と他のアカウントB-1との第1確度は、統合アカウントを構成する知人アカウントA-1,A-3の各々と、他のアカウントB-1との第1確度の最大値、平均値等であってもよい。
【0166】
また例えば、統合アカウントSA-1と他のアカウントB-1~B-3の各々とを含む組み合わせについての第1確度は、知人アカウントA-1,A-3のSNS情報を統合した統合SNS情報と、他のアカウントB-1~B-3の各々とのSNS情報の類似する程度であってもよい。
【0167】
詳細には例えば、第1確度算出部124は、統合アカウントを構成する知人アカウントA-1,A-3の各々のSNS情報を統合した統合SNS情報を生成する。統合SNS情報は、例えば、統合アカウントを構成する知人アカウントA-1,A-3のいずれか1つで欠損している情報を、統合アカウントを構成する他の知人アカウントA-1,A-3で補充することで生成されるとよい。
【0168】
そして、第1確度算出部124は、生成した統合SNS情報と、他のアカウントB-1~B-3の各々とのSNS情報の類似する程度を求める。これにより求められた値が、統合アカウントSA-1と他のアカウントB-1の各々との第1確度として用いられるとよい。
【0169】
類似度算出部125は、実施形態1と同様に、ステップS104aにて求められた第1確度を用いて、知人類似度を算出する(ステップS104b)。
【0170】
例えば、類似度算出部125は、第1確度が確度閾値以上である第1知人アカウント及び第2知人アカウントの組み合わせについて、第1確度が高い順に、共通知人アカウントを特定する(ステップS104b1)。
【0171】
この共通知人アカウントの特定において、類似度算出部125は、既に共通知人アカウントとして特定した第1知人アカウント及び第2知人アカウントを除外するとよい。これにより、既に共通知人アカウントとして特定された第1知人アカウント又は第2知人アカウントが、他の第2知人アカウント又は第1知人アカウントのそれぞれとの組み合わせで、再び共通知人アカウントとして特定されることを防ぐことができる。
【0172】
詳細には例えば、
図15に例示する第1確度が算出され、確度閾値が0.5である場合、共通知人特定部125aは、確度閾値が0.5以上の第1知人アカウント及び第2知人アカウントの組み合わせを特定する。
図15の例では、共通知人特定部125aは、下線を付した第1確度に対応する組み合わせ(すなわち、SA-1及びB-1の組み合わせ、A-2及びB-2の組み合わせ)を特定する。
【0173】
そして、共通知人特定部125aは、第1確度が高い順に、既に共通知人アカウントとして特定した第1知人アカウント及び第2知人アカウントを除外して、第1知人アカウント及び第2知人アカウントの組み合わせを共通知人アカウントとして特定する。
【0174】
ステップS104b1の処理を行うことで、
図13の例では、共通知人特定部125aは、SA-1及びB-1、A-2及びB-2の各組み合わせ、共通知人アカウントとして特定する。
【0175】
知人類似度算出部125bは、ステップS104b1にて特定された共通知人アカウントについて算出された第1確度を用いて、知人類似度を算出する(ステップS104b2)。
【0176】
図13の例では、知人類似度は、共通知人アカウントとして特定されたSA-1及びB-1の組み合わせ、A-2及びB-2の組み合わせそれぞれに対応する第1確度0.8と0.8の合計を、2で割った0.8である。ここでの「2」は、第1知人アカウントの人数と第2知人アカウントの人数との小さい方の値に対応する。
図13の例では、第1知人アカウントの人数が2であり、第2知人アカウントの人数が3であるため、前者の2が用いられる。すなわち、統合アカウントは、1つのアカウントとして扱われる。
【0177】
同一性判定部126は、実施形態1と同様に、ステップS104b2にて算出された知人類似度に基づいて、第1対象アカウントと第2対象アカウントとを利用する人物の同一性を判定し(ステップS104c)、情報処理を終了する。
【0178】
以上、本実施形態によれば、第1知人アカウントと前記第2知人アカウントとの各々では、同一人物が利用するアカウントが統合されている。
【0179】
これにより、第1対象アカウントと第2対象アカウントを利用する人物の同一性を判定するために、第1知人アカウント群と第2知人アカウント群とのそれぞれを利用する第1人物群と第2人物群との、より適切な類似性を用いることができる。従って、複数の対象アカウントを利用する人物の同一性を精度良く判定することが可能になる。
【0180】
[実施形態3]
本実施形態では、第1確度を算出する際に、関係性情報を用いる例を説明する。関係性情報により示される関係性が、例えば親、恋人、家族等の極めて親しい或いは親密な所定の関係性である知人アカウントが共通である対象アカウントは、同一の人物によって利用されている可能性が高い。
【0181】
そのため、本実施形態では、第1確度が、第1関係性及び第2関係性情報が所定の関係性を示す第1知人アカウント群及び第2知人アカウント群とのそれぞれと、第2関連アカウント群及び第1関連アカウント群との各組み合わせについて算出される例を説明する。
【0182】
本実施形態では、説明を簡明にするため、上述の実施形態と異なる点について主に説明し、上述の実施形態と共通する点についての説明は適宜省略する。
【0183】
本実施形態に係る情報処理装置は、機能的に例えば、実施形態2に係る情報処理装置と同様の構成要素を備えるとよい。
【0184】
(情報処理システムの動作例)
本実施形態に係る情報処理について、
図7を参照して説明する。
【0185】
実施形態1と同様のステップS101が実行される。
【0186】
本実施形態に係る特定処理(ステップS202)では、実施形態1に係るステップS102と同様に、第1対象アカウントと第2対象アカウントとのそれぞれに関連付けられた第1知人アカウント群と第2知人アカウント群とが特定される。
【0187】
本実施形態に係るS202では、第1知人アカウント群と第2関連アカウント群とについて、同一人物が利用するアカウントがある場合に、それらのアカウントを統合した統合アカウントが用いられる。また、第2知人アカウント群と第1関連アカウント群とについて、同一人物が利用するアカウントがある場合に、それらのアカウントを統合した統合アカウントが用いられる。
【0188】
このような本実施形態に係る特定処理(ステップS202)の詳細について、
図7を参照して説明する。
【0189】
第1知人アカウント特定部222aは、実施形態1に係る特定処理(ステップS102)と同様に、ステップS101にて取得したSNS情報を用いて、第1知人アカウント群と第2知人アカウント群とを特定する(ステップS202a)。
【0190】
例えば、第1知人アカウント特定部222aは、関係性情報が所定の関係を満たす関連アカウントを知人アカウントとして特定する。本実施形態における所定の関係は、適宜定められてよく、例えば、親、恋人、家族等の極めて親しい関係が好適である。
【0191】
第2確度算出部222bは、ステップS202aにて特定された第1知人アカウント群と第2知人アカウント群とのそれぞれと、第1関連アカウント群と第2関連カウント群との第2確度を算出する(ステップS202b)。
【0192】
図14は、第2確度の他の例を示す図である。
図14(a)は、第1知人アカウントの各々と第1関連アカウントについての第2確度の一例を示す図である。
図14(b)は、第2知人アカウント群のうち所定の関係を示す第2関係性情報が関連付けられた第2知人アカウントの各々と第1関連アカウントについての第2確度の一例を示す図である。
【0193】
ここで、第1関係性情報は、第1対象アカウントに含まれる関係性情報であって、第1知人アカウントとの関係性を示す。第2関係性情報は、第2対象アカウントに含まれる関係性情報であって、第2知人アカウントとの関係性を示す。
【0194】
図14の例において、第1関連アカウントA-1~A-5の中で所定の関係性を満たす第1関連アカウントは、A-1及びA-2であるとする。また、第2関連アカウントB-1~B-4の中で所定の関係性を満たす第2関連アカウントは、B-3であるとする。
【0195】
第2知人アカウント特定部222cは、第2確度を用いて統合アカウントを生成した場合に、当該統合アカウントと当該統合アカウントとして特定されていない知人アカウントとから構成される知人アカウント群を特定する(ステップS202c)。
【0196】
図14に例示する第2確度がステップS202bにて算出され、基準値が0.6である場合、第2知人アカウント特定部222cは、A-1及びA-3の組み合わせを統合した統合アカウントSA-1を生成する。この場合、第2知人アカウント特定部222cは、A-1及びA-3を統合したSA-1と、A-2とを、第1知人アカウント群として特定する。また、第2知人アカウント群については統合アカウントが生成されないため、第2知人アカウント特定部222cは、B-3を第2知人アカウント群として特定する。
【0197】
続けて、SNS情報取得部121は、実施形態2と同様に、ステップS202aで特定された第1知人アカウント群と第2知人アカウント群とのSNS情報を取得する(ステップS103)。
【0198】
判定部123は、統合アカウントが生成された場合、知人アカウント群を利用する人物群の類似性に基づいて、当該複数の対象アカウントを利用する人物の同一性を判定する(ステップS104)。ここで、統合アカウントが生成された場合、知人アカウント群は、当該統合アカウントを含むとよい。この場合の統合アカウントは、特定された第1知人アカウント群と第2知人アカウント群との少なくとも一方に含まれるとよい。
【0199】
以下、統合アカウントが生成された場合のステップS104の詳細例について、
図8を参照して説明する。
【0200】
第1確度算出部124は、ステップS102にて特定された一方の知人アカウントと、他方の第2関連アカウントの各組み合わせについて、第1確度を算出する(ステップS104a)。
【0201】
例えば、第1確度算出部124は、ステップS102にて特定された第1知人アカウント群に含まれる第1知人アカウントと、第2関連アカウント群に含まれる第2関連アカウントとの各組み合わせについて、第1確度を算出する。また例えば、第1確度算出部124は、ステップS102にて特定された第2知人アカウント群に含まれる第2知人アカウントと、第1関連アカウント群に含まれる第1関連アカウントの各組み合わせについて、第1確度を算出する。
【0202】
図15は、第1確度の別の例を示す図である。
図15(a)は、第1知人アカウントSA-1,A-2と第2知人アカウントB-1~B-4との各組み合わせについて算出された第1確度の一例を示す図である。
図15(b)は、第2知人アカウントB-3と第1知人アカウントA-1~A-4との各組み合わせについて算出された第1確度の一例を示す図である。
【0203】
ここで、対象アカウントとの関係性が異なる知人アカウントと関連アカウントとの組み合わせは、同一の人物が利用する可能性が低いため、第1確度を算出する場合に除外されもてよい。そのため、
図15において、第1知人アカウントSA-1,A-2の各々と第2知人アカウントB-3との組み合わせの第1確度と、第1知人アカウントA-1~A-2の各々と第2知人アカウントB-3との組み合わせの第1確度は、算出されていない。
【0204】
このような第1確度は、第1人物群と第2人物群とのそれぞれが第2関連アカウント群と第1関連アカウント群とを利用する人物群と同一である確からしさとも言える。第1人物群と第2人物群とのそれぞれは、上述の通り、第1知人アカウントと第2知人アカウントとのそれぞれを利用する人物群である。
【0205】
類似度算出部125は、ステップS104aにて求められた第1確度を用いて、知人類似度を算出する(ステップS104b)。
【0206】
例えば、類似度算出部125は、実施形態1と同様に、共通知人アカウントを特定する(ステップS104b1)。
【0207】
ステップS104b1の処理を行うことで、
図13の例では、共通知人特定部125aは、SA-1及びB-1、A-2及びB-2の各組み合わせ、共通知人アカウントとして特定する。
【0208】
知人類似度算出部125bは、ステップS104b1にて特定された共通知人アカウントについて算出された第1確度を用いて、知人類似度を算出する(ステップS104b2)。
【0209】
図13の例では、知人類似度は、共通知人アカウントとして特定されたSA-1及びB-1の組み合わせ、A-2及びB-2の組み合わせそれぞれに対応する第1確度0.8と0.8の合計を、3で割った5.3である。ここでの「3」は、所定の関係を満たす知人アカウントの数である。
【0210】
例えば、所定の関係を満たす知人アカウントの中に同じ関係性の複数の知人アカウントが含まれる場合、当該複数の知人アカウントは、1つとして扱われてもよい。例えば
図15の例において、仮に知人アカウントB-3の関係性が父親ではなく、恋人である場合、知人アカウントB-3と知人アカウントA-1との関係性は同じである。このように変形した
図15の例では、所定の関係を満たす知人アカウントの数は、2になる。
【0211】
同一性判定部126は、実施形態1と同様に、ステップS104b2にて算出された知人類似度に基づいて、第1対象アカウントと第2対象アカウントとを利用する人物の同一性を判定し(ステップS104c)、情報処理を終了する。
【0212】
以上、本実施形態によれば、第1確度は、第1関連アカウントと第2知人アカウントとの組み合わせと、第2関連アカウントと第1知人アカウントとの組み合わせと、の各組み合わせについて算出される。
【0213】
第1関連アカウントは、第1対象アカウントに関連付けられたアカウントである。第1知人アカウントは、第1関連アカウントのうち所定の関係を満たすアカウントである。第2関連アカウントは、第2対象アカウントに関連付けられたアカウントである。第2知人アカウントは、第2関連アカウントのうち所定の関係を満たすアカウントである。
【0214】
これにより、第1対象アカウントと第2対象アカウントとで共通して、所定の関係を満たす人物が利用する知人アカウントが関連付けられている程度を示す知人類似度を求めることができる。一般的に、所定の関係を満たす人物が利用する知人アカウントが第1対象アカウントと第2対象アカウントとで共通に関連付けられる程度が高い程、第1対象アカウントと第2対象アカウントを利用する人物が同一である可能性が高い。従って、複数の対象アカウントを利用する人物の同一性を精度良く判定することが可能になる。
【0215】
[実施形態4]
実施形態1-2では、知人アカウント群を構成する知人アカウントの組み合わせについて、第1確度が算出される例を説明した。
【0216】
しかし、知人アカウントの組み合わせの他SNSアカウント情報において、一方の知人アカウントが他方の知人アカウントが関連付けられている場合、第1確度算出部124は、所定値を設定してもよい。そして、知人アカウントの組み合わせの他SNSアカウント情報において知人アカウントが関連付けられていない場合に、第1確度が算出されるとよい。
【0217】
この場合の所定値は、例えば、第1確度が知人アカウントを利用する人物が同一である確からしさが高い程大きな値である場合、第1確度がとり得る値の最大値でよい。なお、所定値はこれに限られない。
【0218】
なお、このように他SNSアカウント情報を参照して所定値又は算出値のいずれかを第1確度として用いる方法は、実施形態1-3のいずれにも適用することができる。実施形態3では、他SNSアカウント情報において知人アカウントと関連アカウントが関連付けられている場合に、当該知人アカウントと関連アカウントの組み合わせについての第1確度に所定値が設定されるとよい。
【0219】
以上、本実施形態によれば、第1確度は、第1知人アカウントと第2知人アカウントとが同一人物が利用するアカウントとして関連付けられている場合に、所定値が設定される。
【0220】
これにより、SNS情報を利用してより精度良く第1確度を設定することができる。従って、複数の対象アカウントを利用する人物の同一性を精度良く判定することが可能になる。
【0221】
以上、図面を参照して本発明の実施形態及び変形例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【0222】
また、上述の説明で用いた複数のフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、実施の形態の各々で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。実施形態の各々では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の実施形態及び変形例は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0223】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
【0224】
1.
第1対象アカウントと第2対象アカウントとのそれぞれに関連付けられた第1知人アカウント群と第2知人アカウント群とを特定する特定手段と、
前記第1知人アカウント群と前記第2知人アカウント群とのそれぞれを利用する第1人物群と第2人物群との類似性に基づいて、前記第1対象アカウントと前記第2対象アカウントを利用する人物の同一性を判定する判定手段とを備える
情報処理装置。
2.
前記判定手段は、
前記第1知人アカウント群を構成する第1知人アカウントと前記第2知人アカウント群を構成する第2知人アカウントとの各組み合わせについて、前記第1知人アカウントと前記第2知人アカウントとを利用する人物が同一である確からしさを示す第1確度を算出する第1確度算出手段と、
前記算出された第1確度を用いて、前記第1人物群と前記第2人物群との類似性を示す値である知人類似度を算出する類似度算出手段と、
前記知人類似度に基づいて、前記第1対象アカウントと前記第2対象アカウントを利用する人物の同一性を判定する同一性判定手段とを含む
1.に記載の情報処理装置。
3.
前記類似度算出手段は、
前記第1確度を用いて、同一人物が利用する前記第1知人アカウントと前記第2知人アカウントとの組み合わせである共通知人アカウントを特定する共通知人特定手段と、
前記特定された共通知人アカウントについて算出された前記第1確度を用いて、前記知人類似度を算出する知人類似度算出手段とを含む
2.に記載の情報処理装置。
4.
前記共通知人アカウントは、他の共通知人アカウントとの間で、前記第1知人アカウントと前記第2知人アカウントとのいずれもが異なるように特定される
3.に記載の情報処理装置。
5.
前記第1確度は、前記第1知人アカウントと前記第2知人アカウントとに関連付けられたSNS情報の類似性に基づいて算出される
2.から4.のいずれか1つに記載の情報処理装置。
6.
前記第1知人アカウントと前記第2知人アカウントとの各々では、同一人物が利用するアカウントが統合されている
2.から5.のいずれか1つに記載の情報処理装置。
7.
前記第1確度は、前記第1対象アカウントに関連付けられた第1関連アカウントと、前記第2対象アカウントに関連付けられた第2関連アカウントのうち所定の関係を満たす前記第2知人アカウントとの組み合わせと、前記第2関連アカウントと、前記第1関連アカウントのうち前記所定の関係を満たす前記第1知人アカウントとの組み合わせと、の各組み合わせについて算出される
2.から6.のいずれか1つに記載の情報処理装置。
8.
前記第1確度は、当該第1知人アカウントと当該第2知人アカウントとが同一人物が利用するアカウントとして関連付けられている場合に、所定値が設定される
2.から7.のいずれか1つに記載の情報処理装置。
9.
前記第1知人アカウントと前記第2知人アカウントとは、前記第1対象アカウントと前記第2対象アカウントとのそれぞれとの間で情報を授受したアカウントである
1.から8.のいずれか1つに記載の情報処理装置。
10.
各々がSNS情報を管理する1つ又は複数のSNS管理装置と、
請求項第1から9のいずれか1つに記載の情報処理装置とを備え、
前記第1対象アカウント及び前記第2対象アカウントは、前記1つ又は複数のSNS管理装置にて管理されるアカウントである
情報処理システム。
11.
1つ以上のコンピュータが、
第1対象アカウントと第2対象アカウントとのそれぞれに関連付けられた第1知人アカウント群と第2知人アカウント群とを特定し、
前記第1知人アカウント群と前記第2知人アカウント群とのそれぞれを利用する第1人物群と第2人物群との類似性に基づいて、前記第1対象アカウントと前記第2対象アカウントを利用する人物の同一性を判定する
情報処理方法。
12.
前記人物の同一性を判定することは、
前記第1知人アカウント群を構成する第1知人アカウントと前記第2知人アカウント群を構成する第2知人アカウントとの各組み合わせについて、前記第1知人アカウントと前記第2知人アカウントとを利用する人物が同一である確からしさを示す第1確度を算出し、
前記算出された第1確度を用いて、前記第1人物群と前記第2人物群との類似性を示す値である知人類似度を算出し、
前記知人類似度に基づいて、前記第1対象アカウントと前記第2対象アカウントを利用する人物の同一性を判定することを含む
11.に記載の情報処理方法。
13.
前記知人類似度を算出することは、
前記第1確度を用いて、同一人物が利用する前記第1知人アカウントと前記第2知人アカウントとの組み合わせである共通知人アカウントを特定し、
前記特定された共通知人アカウントについて算出された前記第1確度を用いて、前記知人類似度を算出することを含む
12.に記載の情報処理方法。
14.
前記共通知人アカウントは、他の共通知人アカウントとの間で、前記第1知人アカウントと前記第2知人アカウントとのいずれもが異なるように特定される
13.に記載の情報処理方法。
15.
前記第1確度は、前記第1知人アカウントと前記第2知人アカウントとに関連付けられたSNS情報の類似性に基づいて算出される
12.から14.のいずれか1つに記載の情報処理方法。
16.
前記第1知人アカウントと前記第2知人アカウントとの各々では、同一人物が利用するアカウントが統合されている
12.から15.のいずれか1つに記載の情報処理方法。
17.
前記第1確度は、前記第1対象アカウントに関連付けられた第1関連アカウントと、前記第2対象アカウントに関連付けられた第2関連アカウントのうち所定の関係を満たす前記第2知人アカウントとの組み合わせと、前記第2関連アカウントと、前記第1関連アカウントのうち前記所定の関係を満たす前記第1知人アカウントとの組み合わせと、の各組み合わせについて算出される
12.から16.のいずれか1つに記載の情報処理方法。
18.
前記第1確度は、当該第1知人アカウントと当該第2知人アカウントとが同一人物が利用するアカウントとして関連付けられている場合に、所定値が設定される
12.から17.のいずれか1つに記載の情報処理方法。
19.
前記第1知人アカウントと前記第2知人アカウントとは、前記第1対象アカウントと前記第2対象アカウントとのそれぞれとの間で情報を授受したアカウントである
11.から18.のいずれか1つに記載の情報処理方法。
20.
1つ以上のコンピュータに、
第1対象アカウントと第2対象アカウントとのそれぞれに関連付けられた第1知人アカウント群と第2知人アカウント群とを特定し、
前記第1知人アカウント群と前記第2知人アカウント群とのそれぞれを利用する第1人物群と第2人物群との類似性に基づいて、前記第1対象アカウントと前記第2対象アカウントを利用する人物の同一性を判定することを実行させるためのプログラム。
21.
前記人物の同一性を判定することは、
前記第1知人アカウント群を構成する第1知人アカウントと前記第2知人アカウント群を構成する第2知人アカウントとの各組み合わせについて、前記第1知人アカウントと前記第2知人アカウントとを利用する人物が同一である確からしさを示す第1確度を算出し、
前記算出された第1確度を用いて、前記第1人物群と前記第2人物群との類似性を示す値である知人類似度を算出し、
前記知人類似度に基づいて、前記第1対象アカウントと前記第2対象アカウントを利用する人物の同一性を判定することを含む
20.に記載のプログラム。
22.
前記知人類似度を算出することは、
前記第1確度を用いて、同一人物が利用する前記第1知人アカウントと前記第2知人アカウントとの組み合わせである共通知人アカウントを特定し、
前記特定された共通知人アカウントについて算出された前記第1確度を用いて、前記知人類似度を算出することを含む
21.に記載のプログラム。
23.
前記共通知人アカウントは、他の共通知人アカウントとの間で、前記第1知人アカウントと前記第2知人アカウントとのいずれもが異なるように特定される
22.に記載のプログラム。
24.
前記第1確度は、前記第1知人アカウントと前記第2知人アカウントとに関連付けられたSNS情報の類似性に基づいて算出される
21.から23.のいずれか1つに記載のプログラム。
25.
前記第1知人アカウントと前記第2知人アカウントとの各々では、同一人物が利用するアカウントが統合されている
21.から24.のいずれか1つに記載のプログラム。
26.
前記第1確度は、前記第1対象アカウントに関連付けられた第1関連アカウントと、前記第2対象アカウントに関連付けられた第2関連アカウントのうち所定の関係を満たす前記第2知人アカウントとの組み合わせと、前記第2関連アカウントと、前記第1関連アカウントのうち前記所定の関係を満たす前記第1知人アカウントとの組み合わせと、の各組み合わせについて算出される
21.から25.のいずれか1つに記載のプログラム。
27.
前記第1確度は、当該第1知人アカウントと当該第2知人アカウントとが同一人物が利用するアカウントとして関連付けられている場合に、所定値が設定される
21.から26.のいずれか1つに記載のプログラム。
28.
前記第1知人アカウントと前記第2知人アカウントとは、前記第1対象アカウントと前記第2対象アカウントとのそれぞれとの間で情報を授受したアカウントである
20.から27.のいずれか1つに記載のプログラム。
【符号の説明】
【0225】
100 情報処理システム
100 情報処理装置
101 SNS管理装置
101a 第1SNS管理装置
101b 第2SNS管理装置
102 情報処理装置
121 SNS情報取得部
122,222 特定部
123 判定部
124 第1確度算出部
125 類似度算出部
125a 共通知人特定部
125b 知人類似度算出部
126 同一性判定部
222a 第1知人アカウント特定部
222b 第2確度算出部
222c 第2知人アカウント特定部