(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179063
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】カーポート用基礎構造、ソーラーカーポート、カーポート用基礎構造の施工方法、及びピンファウンデーション工法用ガイドプレート
(51)【国際特許分類】
E02D 27/32 20060101AFI20241219BHJP
E02D 27/14 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
E02D27/32 Z
E02D27/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097570
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】508324008
【氏名又は名称】株式会社ラスコジャパン
(71)【出願人】
【識別番号】591281862
【氏名又は名称】中井工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000222174
【氏名又は名称】東洋エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000280
【氏名又は名称】弁理士法人サンクレスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】島谷 学
(72)【発明者】
【氏名】田中 周二
(72)【発明者】
【氏名】分部 惠生
(72)【発明者】
【氏名】新井 淳
【テーマコード(参考)】
2D046
【Fターム(参考)】
2D046CA06
2D046DA05
(57)【要約】 (修正有)
【課題】工期短縮、及び根切り領域の縮小が可能で、且つ優れた引抜強度及び支持力を有するカーポート用基礎構造を提供する。
【解決手段】上端部を根切り底EDから突出させて打ち込まれる複数の杭400と、支柱200の端部に設けられた支柱ベースプレート210と、杭400が挿入されるガイド筒部110を有し、根切り底EDに配置されるガイドプレート100と、支柱ベースプレート210、ガイドプレート100を固定するための固定具300、硬化コンクリート500とを備え、ガイド筒部110は固定具300によりガイドプレート100に支柱ベースプレート210を介して固定される支柱200の中心線CLに対し、杭400の打ち込み方向HDが、ねじれの位置関係となり、且つ、遠ざかるように構成され、硬化コンクリート500は、幅HCW、奥行HCD、及び高さHCHが、それぞれ400mm以上740mm以下である、カーポート用基礎構造10。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端部を根切り底から突出させて打ち込まれる複数の杭と、
支柱の端部に設けられた支柱ベースプレートと、
前記杭が挿入されるガイド筒部を有し、前記根切り底に配置されるガイドプレートと、
前記支柱ベースプレート及び前記ガイドプレートを固定するための固定具と、
前記根切り底の上側に硬化コンクリートと、を備え、
前記ガイド筒部は、前記固定具により前記ガイドプレートに前記支柱ベースプレートを介して固定される前記支柱の中心線に対し、前記根切り底へ打ち込まれる前記杭の打ち込み方向が、ねじれの位置関係となり、且つ、遠ざかるように構成される、
カーポート用基礎構造。
【請求項2】
前記ガイドプレートは、
偶数個の前記ガイド筒部を有し、
前記中心線がガイドプレートと交わる点を対象の中心とし、一対の前記ガイド筒部が、点対称に位置するように構成されている、
請求項1に記載のカーポート用基礎構造。
【請求項3】
前記ガイド筒部は、前記打ち込み方向が、前記根切り底に対し50°以上70°以下の角度となるように構成されている、請求項2に記載のカーポート用基礎構造。
【請求項4】
前記ガイド筒部は、全ての前記杭の前記打ち込み方向が、前記根切り底に対し同じ角度となるように構成されている、請求項3に記載のカーポート用基礎構造。
【請求項5】
前記ガイド筒部は、前記一対の前記ガイド筒部のそれぞれに挿入される前記杭の前記打ち込み方向が、前記対象の中心に対し、点対称となるように構成されている、請求項4に記載のカーポート用基礎構造。
【請求項6】
八つの前記杭を備える、請求項1に記載のカーポート用基礎構造。
【請求項7】
前記杭の長さが、1.5m以上4.5m以下である、請求項6に記載のカーポート用基礎構造。
【請求項8】
前記固定具は、前記支柱が設置される地面に対する角度を調整するための調整部を有する、請求項1に記載のカーポート用基礎構造。
【請求項9】
前記硬化コンクリートは、幅、奥行、及び高さが、それぞれ400mm以上740mm以下である、請求項1に記載のカーポート用基礎構造。
【請求項10】
前記硬化コンクリートは、
幅が420mm以上540mm以下、
奥行が420mm以上540mm以下
高さが450mm以上530mm以下
である、請求項9に記載のカーポート用基礎構造。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか1項に記載のカーポート用基礎構造を備える、ソーラーカーポート。
【請求項12】
請求項1に記載のカーポート用基礎構造の施工方法であって、
幅、奥行、及び深さが、それぞれ400mm以上740mm以下の穴を掘削する根切り工程と、
前記固定具で、前記支柱ベースプレート及び前記ガイドプレートを固定する固定工程と、
前記根切り底に、前記支柱ベースプレートが固定された前記ガイドプレートを配置する配置工程と、
前記ガイド筒部に、前記杭を挿入する挿入工程と、
前記ガイド筒部に挿入された前記杭を、前記根切り底に打ち込む打ち込み工程と、
前記穴に未硬化コンクリートを打設する打設工程と、
を含む施工方法。
【請求項13】
請求項8に記載のカーポート用基礎構造の施工方法であって、
幅、奥行、及び深さが、それぞれ400mm以上740mm以下の穴を掘削する根切り工程と、
前記固定具で、前記支柱ベースプレート及び前記ガイドプレートを固定する固定工程と、
前記根切り底に、前記支柱ベースプレートが固定された前記ガイドプレートを配置する配置工程と、
前記固定具の前記調整部で、前記支柱の前記地面に対する角度を調整する調整工程と、
前記ガイド筒部に、前記杭を挿入する挿入工程と、
前記ガイド筒部に挿入された前記杭を、前記根切り底に打ち込む打ち込み工程と、
前記穴に未硬化コンクリートを打設する打設工程と、
を含む施工方法。
【請求項14】
支柱の端部に設けられた支柱ベースプレートを固定具で固定するための固定孔と、
上端部を根切り底から突出させて打ち込まれる複数の杭が、それぞれ挿入されるガイド筒部と、
前記根切り底にペグを打ち込むためのペグ孔と、を備え、
前記ガイド筒部は、前記ガイド筒部は、前記固定具により前記ガイドプレートに前記支柱ベースプレートを介して固定される前記支柱の中心線に対し、前記根切り底へ打ち込まれる前記杭の打ち込み方向が、ねじれの位置関係となり、且つ、遠ざかるように構成されている、
未硬化コンクリートが打設されるカーポート用基礎構造に用いられる、ピンファウンデーション工法用ガイドプレート。
【請求項15】
前記ガイド筒部は、前記打ち込み方向が、それぞれねじれの位置関係となるように構成されている、請求項14に記載のピンファウンデーション工法用ガイドプレート。
【請求項16】
前記カーポート用基礎構造が、ソーラーカーポート用基礎構造である、請求項14又は15に記載のピンファウンデーション工法用ガイドプレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカーポート用基礎構造、ソーラーカーポート、カーポート用基礎構造の施工方法、及びピンファウンデーション工法用ガイドプレートに関する。
【背景技術】
【0002】
カーポートは建築物であるので、その基礎構造は建築基準法に定められた仕様規定を満足したものでなくてはならない。一般的には鉄筋コンクリートを用いるカーポート用基礎構造が知られている。鉄筋コンクリートを用いる基礎構造は、鉄筋の加工、型枠の組立、型枠の解体等の煩雑な作業が発生し、工期が長期化する。特許文献1、及び特許文献2には、工期の短縮を図るため、根切り底に打ち込まれた複数の杭を、長尺状のH型鋼に連結したものに、コンクリートを打設したソーラーカーポート用基礎構造が開示されている。
【0003】
杭基礎を用いた基礎工法の一つに、ピンファウンデーション工法がある。ピンファウンデーション工法では、杭である鋼管(ピン)を地面や根切り底に対して斜めに打ち込んでその支持力によって構造物を支える。特許文献3には、施工が容易で工期の短縮化を図ることができる、ピンファウンデーション工法を用いた建物用基礎の施工方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-044495号公報
【特許文献2】特開2019-073876号公報
【特許文献3】特開2019-210708号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
脱炭素経営の広がりにより、コンビニエンスストア等の商業施設において、既存の駐車場へのソーラーカーポートの設置需要が高まっている。ソーラーカーポートを既存の駐車場に設置する場合、駐車場内に、根切りにより基礎構造が配置される対象領域(以下、単に「根切り領域」と称する場合がある)が掘削される。根切り領域が広範囲に及ぶ場合、施工期間中の駐車場の利用制限や、根切りによる区画線の消失等が、生じる場合がある。そのため、さらなる工期短縮、及び根切り領域の縮小が求められている。
【0006】
また、カーポートの屋根が風に煽られると、カーポートの基礎に対し、カーポートの支柱が引き抜かれる方向の力が加わる。そのため、カーポート用基礎は、安全性確保のため、支柱の引き抜きに対する強度(以下、単に「引抜強度」と称する場合がある)が求められる。
【0007】
既存の駐車場にソーラーカーポートを設置する場合、ソーラーカーポートの支柱は、区画線の近傍に配置されることが多い。特許文献1、及び特許文献2のソーラーカーポート用基礎構造は、長尺状のH型鋼を配置するための根切り領域が広範囲となる場合がある。そのため、区画線の再整備費用や、駐車場の利用制限の範囲が、増加する恐れがあった。
【0008】
特許文献3の施工方法は、工期短縮、及び根切り領域の縮小が可能である。また、特許文献3の施工方法で施工された建物用基礎は、構造物に対する高い支持力を有している。しかし、特許文献3の施工方法で施工された建物用基礎は、カーポート用基礎で要求される引抜強度を満たさない恐れがあった。
【0009】
そこで、本発明は、工期短縮、及び根切り領域の縮小が可能で、且つ優れた引抜強度及び支持力を有するカーポート用基礎構造、及びその施工方法を提供することを目的とする。また、本発明は、上記カーポート用基礎構造を備える、ソーラーカーポートを提供することを目的とする。さらに、本発明は、未硬化コンクリートが打設されるカーポート用基礎構造に用いられる、ピンファウンデーション工法用ガイドプレートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本発明のカーポート用基礎構造は、
上端部を根切り底から突出させて打ち込まれる複数の杭と、
支柱の端部に設けられた支柱ベースプレートと、
上記杭が挿入されるガイド筒部を有し、上記根切り底に配置されるガイドプレートと、
上記支柱ベースプレート及び上記ガイドプレートを固定するための固定具と、
上記根切り底の上側に硬化コンクリートと、を備え、
上記ガイド筒部は、上記固定具により上記ガイドプレートに上記支柱ベースプレートを介して固定される上記支柱の中心線に対し、上記根切り底へ打ち込まれる上記杭の打ち込み方向が、ねじれの位置関係となり、且つ、遠ざかるように構成される。
【0011】
本発明のカーポート用基礎構造は、工期短縮、根切り領域の縮小が可能で、且つ優れた引抜強度及び支持力を有する。
【0012】
(2)好ましくは、上記ガイドプレートは、
偶数個の上記ガイド筒部を有し、
上記中心線がガイドプレートと交わる点を対象の中心とし、一対の上記ガイド筒部が、点対称に位置するように構成されている。
【0013】
これにより、上記杭を、上記支柱の上記中心線を基準として、上記ガイドプレートを介し、上記根切り底へバランスよく打ち込むことができる。その結果、上記カーポート用基礎構造の、引抜強度及び支持力が向上する。
【0014】
(3)好ましくは、上記ガイド筒部は、上記打ち込み方向が、上記根切り底に対し50°以上70°以下の角度となるように構成されている。
【0015】
これにより、上記カーポート用基礎構造の、引抜強度及び支持力が向上する。
【0016】
(4)好ましくは、上記ガイド筒部は、全ての上記杭の上記打ち込み方向が、上記根切り底に対し同じ角度となるように構成されている。
【0017】
これにより、上記根切り底の面に打ち込まれた上記杭による引抜強度及び支持力が、上記支柱の上記中心線を基準として、バランスよく発揮される。その結果、上記カーポート用基礎構造の、引抜強度及び支持力が向上する。
【0018】
(5)好ましくは、上記ガイド筒部は、上記一対の上記ガイド筒部のそれぞれに挿入される上記杭の上記打ち込み方向が、上記対象の中心に対し、点対称となるように構成されている。
【0019】
これにより、上記根切り底の面に打ち込まれた上記杭による引抜強度及び支持力が、上記支柱の上記中心線を基準として、バランスよく発揮される。その結果、上記カーポート用基礎構造の、引抜強度及び支持力が向上する。
【0020】
(6)好ましくは、上記カーポート用基礎構造は、八つの上記杭を備える。
【0021】
これにより、上記カーポート用基礎構造の、引抜強度及び支持力が向上する。
【0022】
(7)好ましくは、上記杭の長さは、1.5m以上4.5m以下である。
【0023】
これにより、上記カーポート用基礎構造の、引抜強度及び支持力を維持しつつ、上記杭の打ち込み作業の負荷が軽減される。
【0024】
(8)好ましくは、上記固定具は、上記支柱が設置される地面に対する角度を調整するための調整部を有する。
【0025】
これにより、上記支柱が設置される地面に対する、上記支柱の垂直出し作業の負荷が軽減される。
【0026】
(9)好ましくは、上記硬化コンクリートは、幅、奥行、及び高さが、それぞれ400mm以上740mm以下である。
【0027】
これにより、上記カーポート用基礎構造の優れた引抜強度及び支持力を維持しつつ、根切り領域がより縮小される。
【0028】
(10)好ましくは、上記硬化コンクリートは、
幅が420mm以上540mm以下、
奥行が420mm以上540mm以下
高さが450mm以上530mm以下
である。
【0029】
これにより、上記カーポート用基礎構造の根切り領域が、さらに縮小される。
【0030】
(11)好ましくは、上記カーポート用基礎構造は、ソーラーカーポートに適用される。
【0031】
上記カーポート用基礎構造は、優れた引抜強度及び支持力を有している。そのため、上記カーポート用基礎構造は、ソーラーカーポートの基礎として好適である。
【0032】
(12)上記(1)のカーポート用基礎構造の施工方法は、
幅、奥行、及び深さが、それぞれ400mm以上740mm以下の穴を掘削する根切り工程と、
上記固定具で、上記支柱ベースプレート及び上記ガイドプレートを固定する固定工程と、
上記根切り底に、上記支柱ベースプレートが固定された上記ガイドプレートを配置する配置工程と、
上記ガイド筒部に、上記杭を挿入する挿入工程と、
上記ガイド筒部に挿入された上記杭を、上記根切り底に打ち込む打ち込み工程と、
上記穴に未硬化コンクリートを打設する打設工程と、
を含む。
【0033】
これにより、工期短縮、根切り領域の縮小が可能で、且つ優れた引抜強度及び支持力を有するカーポート用基礎構造が施工できる。
【0034】
(13)上記(8)のカーポート用基礎構造の施工方法は、
幅、奥行、及び深さが、それぞれ400mm以上740mm以下の穴を掘削する根切り工程と、
上記固定具で、上記支柱ベースプレート及び上記ガイドプレートを固定する固定工程と、
上記根切り底に、上記支柱ベースプレートが固定された上記ガイドプレートを配置する配置工程と、
上記固定具の上記調整部で、上記支柱の上記地面に対する角度を調整する調整工程と、
上記ガイド筒部に、上記杭を挿入する挿入工程と、
上記ガイド筒部に挿入された上記杭を、上記根切り底に打ち込む打ち込み工程と、
上記穴に未硬化コンクリートを打設する打設工程と、
を含む。
【0035】
これにより、工期短縮、根切り領域の縮小が可能で、且つ優れた引抜強度及び支持力を有するカーポート用基礎構造が施工できる。また、上記支柱が設置される地面に対する、上記支柱の垂直出し作業の負荷が軽減される。
【0036】
(14)本発明の未硬化コンクリートが打設されるカーポート用基礎構造に用いられる、ピンファウンデーション工法用ガイドプレートは、
支柱の端部に設けられた支柱ベースプレートを固定具で固定するための固定孔と、
上端部を根切り底から突出させて打ち込まれる複数の杭が、それぞれ挿入されるガイド筒部と、
上記根切り底にペグを打ち込むためのペグ孔と、を備え、
上記ガイド筒部は、上記ガイド筒部は、上記固定具により上記ガイドプレートに上記支柱ベースプレートを介して固定される上記支柱の中心線に対し、上記根切り底へ打ち込まれる上記杭の打ち込み方向が、ねじれの位置関係となり、且つ、遠ざかるように構成されている。
【0037】
これにより、上記根切り底における位置決めが容易で、優れた引抜強度及び支持力を有するカーポート用基礎構造の施工が可能となる。
【0038】
(15)好ましくは、上記ガイド筒部は、上記打ち込み方向が、それぞれねじれの位置関係となるように構成されている。
【0039】
これにより、上記ガイド筒部に杭が挿入される際、杭同士が接触することを防ぐことができる。
【0040】
(16)好ましくは、上記ピンファウンデーション工法用ガイドプレートは、ソーラーカーポートに適用される。
【0041】
上記ピンファウンデーション工法用ガイドプレートは、優れた引抜強度及び支持力を有するカーポート用基礎構造の施工を可能とする。そのため、上記ピンファウンデーション工法用ガイドプレートは、ソーラーカーポート用基礎構造に好適である。
【発明の効果】
【0042】
本発明によれば、工期短縮、及び根切り領域の縮小が可能で、且つ優れた引抜強度及び支持力を有するカーポート用基礎構造、及びその施工方法を提供することができる。また、本発明によれば、上記カーポート用基礎構造を備える、ソーラーカーポートを提供することができる。さらに、本発明によれば、未硬化コンクリートが打設されるカーポート用基礎構造に用いられる、ピンファウンデーション工法用ガイドプレートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】第1実施形態に係る基礎構造を示す側面図である。
【
図3】固定具により固定された支柱ベースプレート及びガイドプレートの側面図である。
【
図7】ガイド筒部に杭が挿入された状態を示すガイドプレートの側面図である。
【
図8】ガイド筒部に杭が挿入された状態を示すガイドプレートの平面図である。
【
図9】第2実施形態に係る基礎構造を示す側面図である。
【
図10】調整部を有する固定具により固定された支柱ベースプレート及びガイドプレートの側面図である。
【
図11】第2実施形態に係る基礎構造の施工方法のフロー図である。
【
図12】根切り工程、固定工程、配置工程、及び調整工程の各工程の様子を示す図である。
【
図13】挿入工程、打ち込み工程、及び未挿入確認工程の各工程の様子を示す図である。
【
図14】打設工程、及び舗装工程の各工程の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
[実施形態]
以下、本発明の第1実施形態に係る基礎構造10、第二実施形態に係る基礎構造20、及び基礎構造20の施工方法が説明される。
【0045】
[基礎構造10の構成]
基礎構造10は、ソーラーカーポート用基礎構造である。ソーラーカーポート用基礎構造は、高い支持力が要求される。従って、ソーラーカーポート用基礎構造は、カーポート用基礎構造としても適用可能である。
図1は、基礎構造10を示す側面図である。
図1に示される2つの両矢印は、基礎構造10の高さ方向、及び幅方向を示す。
図2は、
図1の基礎構造10を上側から見た、平面図である。
図2に示される2つの両矢印は、それぞれ基礎構造10の奥行方向、及び幅方向を示す。
【0046】
基礎構造10は、ガイドプレート100、支柱200、固定具300、杭400、及び硬化コンクリート500を備える。ガイドプレート100は、根切り底EBの上に配置されている。支柱200は、端部に支柱ベースプレート210が設けられている。支柱ベースプレート210と、ガイドプレート100とは、固定具300により固定されている。これにより、支柱200は、支柱ベースプレート210を介して、ガイドプレート100に固定される。ガイドプレート100は、杭400が挿入されるガイド筒部110を有している。杭400は、ガイド筒部110を通って、根切り底EBに対して斜めに打ち込まれる。これにより、ガイドプレート100は、根切り底EBに固定される。また、杭400は、根切り底EBの上側に、杭400の一部が突出するように、根切り底EBに打ち込まれる。硬化コンクリート500は、根切り底EBの上側に位置している。硬化コンクリート500は、根切り底EBの上側に存在する、ガイドプレート100、地面GDから支柱ベースプレート210までの支柱200の一部、固定具300、及び杭400を包含している。
【0047】
[杭400の構成]
基礎構造10は、8つの杭400を有する。杭400は金属管である。本実施形態の杭400は鋼管である。杭400の直径は、40mm以上65mm以下である。本実施形態の杭400の直径は、48.6mmである。杭400の直径が、40mm以上であれば、基礎構造10の、引抜強度及び支持力が確保される。後述するガイド筒部110の杭400が挿入される挿入孔119の直径は、杭400の直径と略同じである。杭400の直径が、65mm以下であれば、ガイドプレート100に占めるガイド筒部110の領域を小さくできる。そのため、ガイドプレート100が小型化できる。これにより、ガイドプレート100を配置するための、根切り底EBの面積が縮小できる。結果として、根切り領域の縮小が可能となる。
【0048】
杭400の長さは、1.5m以上4.5m以下である。本実施形態の杭400の長さは、2mである。杭400の長さが、長いほど、基礎構造10の、引抜強度及び支持力が向上する。一方、杭400の長さが、長いほど、打ち込み作業の負荷が増加する。8つの杭400を有する基礎構造10の場合、杭400の長さが、1.5m以上であれば、基礎構造10の、引抜強度及び支持力が確保される。杭400の長さが、4.5m以下であれば、打ち込み作業の負荷が軽減される。なお、杭400の長さは、基礎構造が有する杭400の数に応じ、適宜設定される。
【0049】
杭400は、上端部を根切り底EBから突出させて打ち込まれる。杭400の上端部からガイド筒部110の上側までの部分(以下、単に「突出部分」と称する場合がある)410は、硬化コンクリート500に内包されている。突出部分410は、100mm以上250mm以下である。これにより、基礎構造10の、引抜強度及び支持力が確保される。
【0050】
[支柱200の構成]
支柱200は、端部に支柱ベースプレート210が設けられている。支柱200の他端部には、ソーラーカーポートの屋根が設けられる(図示せず)。支柱200、及び支柱ベースプレート210は、金属で構成されている。本実施形態では、支柱200が、支柱ベースプレート210の中央に溶接されている。支柱200、及び支柱ベースプレート210は、平面視において略正方形の形状を有している。支柱ベースプレート210の大きさは、支柱ベースプレート210がガイドプレート100に固定具300により固定された際、ガイド筒部110及び突出部分410と接触しないよう、適宜設定される。
【0051】
支柱ベースプレート210は、固定具300によりガイドプレート100と固定するための固定孔220を有している。本実施形態では、支柱ベースプレート210に、4つの固定孔220が設けられている。固定孔220は、基礎構造10における支柱200の中心線CLが、支柱ベースプレート210と交わる対象の中心PS1を基準として、一対の固定孔220が点対称に位置するように構成されている。これにより、固定具300により、支柱ベースプレート210とガイドプレート100とがバランスよく固定される。
【0052】
[固定具300の構成]
図3は、固定具300により固定された支柱ベースプレート210及びガイドプレート100の側面図である。固定具300は、ボルト301とナット302で構成されている。支柱ベースプレート210及びガイドプレート100は、ボルト301のネジ部を、支柱ベースプレート210の固定孔220と、後述するガイドプレート100の固定孔120とに挿入し、ボルト301とナット302を締め付けることで固定される。本実施形態では、M16の六角ボルト及び六角ナットが、固定具300として用いられている。
【0053】
[硬化コンクリート500の構成]
硬化コンクリート500は、根切り領域に打設された後述の未硬化コンクリート510が硬化したものである。硬化コンクリート500は、根切り底EBの上側に存在する、ガイドプレート100、地面GDから支柱ベースプレート210までの支柱200の一部、固定具300、及び突出部分410を包含している。これにより、基礎構造10の、引抜強度及び支持力が確保される。
【0054】
硬化コンクリート500は、幅HCW、奥行HCD、及び高さHCHが、それぞれ400mm以上740mm以下である。幅HCW、奥行HCD、及び高さHCHが、それぞれ400mm以上であれば、引抜強度が確保される。幅HCW、奥行HCD、及び高さHCHが、それぞれ740mm以下であれば、施工期間中の駐車場の利用制限や、根切りによる区画線の消失等が低減される。
【0055】
幅HCW及び奥行HCDは、420mm以上540mm以下が好ましい。幅HCW及び奥行HCDが420mm以上であれば、基礎構造10の、引抜強度及び支持力が向上する。幅HCW及び奥行HCDが540mm以下であれば、根切り領域がより縮小される。また、一般的なコンビニエンスストア等の商業施設における、U字タイプの区画線DLの内縁幅IWは540mm程度に設定されることが多い。そのため、幅HCWが540mm以下であれば、根切りによる区画線DLの消失を、防ぐことができる。高さHCHは、450mm以上530mm以下が好ましい。高さHCHが450mm以上であれば、引抜強度及び支持力が向上する。高さHCHが530mm以下であれば、根切り作業の負担が軽減される。
【0056】
基礎構造10では、硬化コンクリート500の高さHCHが、地面GDよりも下側の位置となっている。硬化コンクリート500の上側から地面GDまで、アスファルトAPの層が設けられている。アスファルトAPの層の厚さAPTは、例えば、40mm以上60mm以下である。なお、アスファルトAPは、基礎構造10の必須の構成ではない。アスファルトAPの層を設けず、地面GDと同じ位置まで、硬化コンクリート500とすることもできる。
【0057】
[ガイドプレート100の構成]
図4は、ガイドプレート100の側面図である。
図5は、ガイドプレート100の平面図である。
図6は、ガイドプレート100の底面図である。
図5及び
図6のPS2は、ガイドプレート100が、ガイドプレート100に支柱ベースプレート210が固定された際の支柱200の中心線CLが、ガイドプレート100と交わる対象の中心を示す。ガイドプレート100は、対象の中心PS2を基準として、各構成が点対称となる位置に配置されている。そのため、ガイドプレート100の正面図、背面図、左側面図、及び右側面図は、
図4のガイドプレート100の側面図と同じである。
【0058】
ガイドプレート100は、平面視において略正方形の形状を有している。ガイドプレート100は、根切り底EBに配置可能な大きさに設定される。本実施形態のガイドプレート100の基礎部分は、幅420mm、及び奥行420mmである。本実施形態のガイドプレート100は、金属で形成された鋳物である。
【0059】
ガイドプレート100は、固定具300により支柱ベースプレート210を固定するための固定孔120を有している。本実施形態では、ガイドプレート100に、4つの固定孔120が設けられている。固定孔120は、支柱ベースプレート210の固定孔220と対応するように形成されている。固定孔120は、対象の中心PS2を基準として、一対の固定孔120が点対称となる位置に配置されている。これにより、固定具300により、支柱ベースプレート210とガイドプレート100とがバランスよく固定される。
【0060】
ガイドプレート100は、その外縁近傍に、ガイドプレート100を根切り底EBにペグにより仮止めするための、ペグ孔130を有している。これにより、ガイドプレート100の、根切り底EBにおける位置決めが容易になる。本実施形態では、ガイドプレート100に、4つのペグ孔130が設けられている。ペグ孔130は、中心PS2を基準として、一対のペグ孔130が点対称となる位置に配置されている。これにより、仮止めされたガイドプレート100のズレが、抑制される。なお、本実施形態のペグ孔130の直径は、15mmである。
【0061】
ガイドプレート100は、5つの貫通孔140を有している。貫通孔140は、1つの十字孔141と、4つの小判孔142とを含む。十字孔141は、ガイドプレート100の中央に設けられている。小判孔142は、ガイドプレート100の外縁側の、ガイド筒部110に隣接する位置に設けられている。貫通孔140を設けることで、ガイドプレート100の重さが軽減され、ガイドプレート100の取り扱いが容易になる。
【0062】
[ガイド筒部110の構成]
ガイドプレート100は、杭400が挿入されるガイド筒部110を有している。
図7は、ガイド筒部110に杭400が挿入された状態を示す側面図である。
図7に示される2つの両矢印は、それぞれガイドプレート100の高さ方向、及び幅方向を示す。
図8は、ガイド筒部110に杭400が挿入された状態を示す平面図である。
図8に示される2つの両矢印は、それぞれガイドプレート100の幅方向、及び奥行方向を示す。
【0063】
ガイド筒部110は、杭400が挿入される挿入孔119を有している。ガイド筒部110は、挿入孔119に挿入された杭400が、根切り底EBに打ち込まれる際、打ち込み方向HDが規定されるように構成されている。本実施形態のガイドプレート100は、ガイド筒部110として、8つのガイド筒部111~118を有している。ガイド筒部111~118は、それぞれ打ち込み方向HDが、打ち込み方向HD1~HD8となるように構成されている。
【0064】
打ち込み方向HD1~HD8は、杭400と支柱200とが接触しないよう、中心線CLに対し、ねじれの位置関係となっている。また、HD1~HD8は、杭400同士が接触しないよう、それぞれ他の打ち込み方向HDに対し、ねじれの位置関係となっている。これにより、杭400の根切り底EBへの打ち込み作業の負担が軽減される。また、打ち込み方向HD1~HD8は、いずれも中心線CLから遠ざかる方向となっている。そのため、8つの杭400は、いずれもガイドプレート100の外縁より外側の領域に向かうように打ち込まれる。これにより、基礎構造10の、引抜強度及び支持力が向上する。
【0065】
打ち込み方向HDの、根切り底EB対する角度θは、50°以上70°以下が好ましい。角度θが50°以上70°以下であれば、基礎構造10の、引抜強度及び支持力が向上する。本実施形態の角度θは、60°である。また、HD1~HD8の、根切り底EB対する角度θは、同じであることが好ましい。これにより、根切り底EBに打ち込まれた杭400による引抜強度及び支持力が、中心線CLを基準として、バランスよく発揮される。そのため、基礎構造10の、引抜強度及び支持力がより向上する。
【0066】
ガイド筒部110は、打ち込み方向HDは、対象の中心PS2を基準として、一対の打ち込み方向HDが、点対称となるように構成されている。本実施形態では、打ち込み方向HD1と打ち込み方向HD8からなる一対の打ち込み方向HDが、対象の中心PS2を基準として点対称となっている。打ち込み方向HD2と打ち込み方向HD7からなる一対の打ち込み方向HDが、対象の中心PS2を基準として点対称となっている。打ち込み方向HD3と打ち込み方向HD6からなる一対の打ち込み方向HDが、対象の中心PS2を基準として点対称となっている。打ち込み方向HD4と打ち込み方向HD5からなる一対の打ち込み方向HDが、対象の中心PS2を基準として点対称となっている。これにより、根切り底EBに打ち込まれた杭400による引抜強度及び支持力が、中心線CLを基準として、バランスよく発揮される。そのため、基礎構造10の、引抜強度及び支持力がより向上する。
【0067】
ガイド筒部110は、対象の中心PS2を基準として、一対のガイド筒部110が点対称となる位置に配置されている。本実施形態では、ガイド筒部111とガイド筒部118からなる一対のガイド筒部110が、対象の中心PS2を基準として点対称の位置に配置されている。ガイド筒部112とガイド筒部117からなる一対のガイド筒部110が、対象の中心PS2を基準として点対称の位置に配置されている。ガイド筒部113とガイド筒部116からなる一対のガイド筒部110が、対象の中心PS2を基準として点対称の位置に配置されている。ガイド筒部114とガイド筒部115からなる一対のガイド筒部110が、対象の中心PS2を基準として点対称の位置に配置されている。これにより、杭400が、支柱200の中心線CLを基準として、ガイドプレート100を介し、根切り底EBへバランスよく打ち込まれる。そのため、根切り底EBに打ち込まれた杭400による引抜強度及び支持力が、中心線CLを基準として、バランスよく発揮される。その結果、基礎構造10の、引抜強度及び支持力が向上する。
【0068】
[基礎構造20の構成]
基礎構造20は、建築物であるソーラーカーポート等に適用され、建築基準法構造規定を満足させる場合の基礎構造である。基礎構造10の固定具300が、調整部313を有する固定具310に変更された以外、上述の基礎構造10と同様の構成を有する、ソーラーカーポート用基礎構造である。よって、基礎構造20の固定具310以外の構成の詳細な説明は、省略する。
図9は、基礎構造20を示す側面図である。
図9に示される2つの両矢印は、基礎構造20の高さ方向、及び幅方向を示す。
図10は、調整部313を有する固定具310により固定された支柱ベースプレート210及びガイドプレート100の側面図である。
【0069】
[固定具310の構成]
固定具310は、ボルト311、ナット312、及び調整部313で構成されている。ボルト311の首下長さNLは、ボルト301の首下長さより長く構成されている。本実施形態のボルト311の首下長さNLは、100mm以上150mm以下である。ボルト311は、ガイドプレート100の下側から、固定孔120及び固定孔220に挿入される。ボルト311の頭部座面が、ガイドプレート100の下側の面に当接した状態において、ガイドプレート100の上側に突き出た、ボルト311のねじ部が、調整部313となる。
【0070】
固定具310では、一つのボルト311に対し、3つのナット312a、ナット312b、及びナット312cが使用される。ガイドプレート100は、ボルト311の頭部とナット312cとを締め付けることで、固定具310に固定される。支柱ベースプレート210は、ナット312aとナット312bを締め付けることで、固定具310に固定される。支柱ベースプレート210からガイドプレート100までの間隔PGSは、調整部313における、ナット312bの位置により調整できる。
【0071】
本実施形態では、支柱ベースプレート210及びガイドプレート100は、4つの固定具310により固定されている。各固定具310において、調整部313におけるナット312bの位置を調整することで、ガイドプレート100に対する、支柱ベースプレート210の角度の調整できる。上記角度の調整により、支柱200の中心線CLの地面GDに対する傾きが調整できる。そのため、基礎構造20では、支柱200の垂直出し作業の負荷が軽減される。
【0072】
[基礎構造20の施工方法]
図11は、基礎構造20の施工方法のフロー図である。
図12、
図13、及び
図14は、
図11の施工方法についての各工程の様子を示す図である。
図12は、根切り工程S1、固定工程S2、配置工程S3、及び調整工程S4の各工程の様子を示す図である。
図13は、挿入工程S5、打ち込み工程S6、及び未挿入確認工程S7の各工程の様子を示す図である。
図14は、打設工程S8、及び舗装工程S9の各工程の様子を示す図である。
【0073】
基礎構造20の施工方法は、根切り工程S1、固定工程S2、配置工程S3、調整工程S4、挿入工程S5、打ち込み工程S6、未挿入確認工程S7、打設工程S8、及び舗装工程S9を有する。なお、基礎構造10の施工方法は、調整工程S4が無いこと以外、基礎構造20の施工方法と同じである。よって、基礎構造10の施工方法の説明は省略する。
【0074】
[根切り工程S1]
根切り工程S1では、地面GDを掘削し、幅、奥行、及び深さが、それぞれ400mm以上740mm以下の根切り領域を形成する。根切り領域の幅は、硬化コンクリート500の幅HCWと同じである。根切り領域の奥行は、硬化コンクリート500の奥行HCDと同じである。根切り領域の深さは、硬化コンクリート500の奥行HCHとアスファルトAPの層の厚さAPTとを合わせた長さと同じである。本実施形態における、根切り領域の幅、奥行、及び深さは、それぞれ500mm、500mm、及び530mmである。
【0075】
[固定工程S2]
固定工程S2では、支柱ベースプレート210とガイドプレート100が、4つの固定具310により固定される。固定工程S2では、支柱ベースプレート210とガイドプレート100が、略水平となるように、ナット312bの位置が調整される。なお、基礎構造10の施工方法では、支柱ベースプレート210とガイドプレート100が、ボルト301とナット302の締め付けにより固定される。固定工程S2は、根切り工程S1と並行して行うことができる。また、固定工程S2は、根切り工程S1の前後に行うこともできる。
図11は、固定工程S2を、根切り工程S1と並行して行った際のフローが示されている。
【0076】
[配置工程S3]
配置工程S3では、根切り底EBに、支柱ベースプレート210が固定されたガイドプレート100が配置される。また、本実施形態の配置工程S3では、根切り底EBに配置されたガイドプレート100のペグ孔130に、ペグ600が打ち込まれる。なお、
図12の支柱200の中心線CLは、鉛直線PLに対し、若干傾斜する状態となっている。なお、本実施形態において、鉛直線PLは、地面GBに対し垂直となっている。
【0077】
[調整工程S4]
調整工程S4では、根切り底EBに配置された支柱200の、地面GBに対する垂直出しが行われる。具体的には、支柱200の中心線CLが、地面GBに対し垂直となるように、ナット312bの位置が調整される。根切り工程S1において根切り底EBが均され、固定工程S2において支柱ベースプレート210及びガイドプレート100が略水平に固定される。そのため、配置工程S3後の支柱200は、地面GBに対して略垂直になる。しかし、施工現場では、地面GBの傾斜や、根切り底EBの地盤等の影響で、配置工程S3後に支柱200の垂直出しが、必要となる場合がある。上述のように、基礎構造20の固定具310は、調整部313を有する。そのため、基礎構造20では、配置工程S3後の支柱200の地面GBに対する角度を、調整工程S4において調整することができる。これにより、支柱200の垂直出し作業の負荷が軽減される。
【0078】
[挿入工程S5]
挿入工程S5では、杭400が打ち込まれていないガイド筒部110の挿入孔119に、杭400が挿入される。また、挿入工程S5では、既に杭400が打ち込まれているガイド筒部110がある場合、そのガイド筒部110と、対象の中心PS2を基準として、点対称の位置にあるガイド筒部110が確認される。確認されたガイド筒部110に杭400が打ち込まれていない場合、確認されたガイド筒部110の挿入孔119に、杭400が挿入される。これにより、打ち込み工程S6において、杭400が、ガイドプレート100を介し、根切り底EBにバランス良く打ち込まれる。そのため、打ち込み工程S6における、根切り底EBに配置されたガイドプレート100のズレが抑制される。
【0079】
[打ち込み工程S6]
打ち込み工程S6では、挿入工程S5で挿入孔119に挿入された杭400が、根切り底EBに打ち込まれる。杭400の打ち込みには、ハンディータイプの電動ハンマーなどの電動工具を用いることができる。打ち込み工程S6では、上述の突出部分410が、400mm以下となるように、杭400が打ち込まれる。
【0080】
[未挿入確認工程S7]
未挿入確認工程S7では、杭400が挿入されていない挿入孔119の有無が確認される。杭400が未挿入の挿入孔119が確認された場合、挿入工程S5に戻る。杭400が未挿入の挿入孔119が無い場合、打設工程S8の作業に移る。本実施形態のガイドプレート100は、8つの挿入孔119を有している。よって、挿入工程S5及び打ち込み工程S6が、8回行われる。
【0081】
[打設工程S8]
打設工程S8では、根切り領域に未硬化コンクリート510が打設される。打設工程S8により、根切り底EBの上側に位置する、ガイドプレート100、支柱200の一部、固定具300、及び突出部分410が、未硬化コンクリート510に埋没する。これにより、未硬化コンクリート510の硬化後、根切り底EBの上側に位置する、ガイドプレート100、支柱200の一部、固定具300、及び突出部分410が、硬化コンクリート500に包含される。本実施形態では、未硬化コンクリートの表面が、地面GDから深さ40mm以上60mm以下の位置になるまで、未硬化コンクリートが打設される。
【0082】
[舗装工程S9]
舗装工程S9では、打設工程S8で打設された未硬化コンクリート510が硬化コンクリート500となった後、硬化コンクリート500の上側が、アスファルトAPで舗装される。また、舗装工程S9では、必要に応じ、アスファルトAP上に区画線DLが付される。なお、舗装工程S9は、必須の工程ではない。打設工程S8において、未硬化コンクリートを、地面GDの位置まで打設することで、舗装工程S9を省略することもできる。
【0083】
[変形例]
基礎構造10、及び基礎構造20は、ソーラーカーポートやカーポート以外の構造物の基礎構造として適用することもできる。構造物としては、例えば、ソーラーパネル用架台、街灯、道路標識、交通信号機、看板、トレーラーハウス、コンテナハウス、ユニットハウス、階段、又は通路等が挙げられる。
【0084】
[その他]
なお、上述の実施形態及び各種の変形例については、その少なくとも一部を、相互に任意に組み合わせてもよい。また、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0085】
10、20 基礎構造
100 ガイドプレート
110 ガイド筒部
119 挿入孔
120、220 固定孔
130 ペグ孔
140 貫通孔
200 支柱
210 支柱ベースプレート
300、310 固定具
301、311 ボルト
302、312 ナット
313 調整部
400 杭
410 突出部分
500 硬化コンクリート
510 未硬化コンクリート
600 ペグ
CL 中心線
ED 根切り底
HD 打ち込み方向
HCW 硬化コンクリートの幅
HCD 硬化コンクリートの奥行
HCH 硬化コンクリートの高さ