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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179073
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】表面実装基板及び電動装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/34 20060101AFI20241219BHJP
   H02K 11/215 20160101ALI20241219BHJP
【FI】
H05K3/34 501E
H05K3/34 502E
H02K11/215
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097590
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000177612
【氏名又は名称】株式会社ミクニ
(74)【代理人】
【識別番号】100106312
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 敬敏
(72)【発明者】
【氏名】吉田 塁
(72)【発明者】
【氏名】安ヶ平 圭
【テーマコード(参考)】
5E319
5H611
【Fターム(参考)】
5E319AA03
5E319AB01
5E319AC11
5E319BB05
5E319CC33
5E319CD26
5E319GG20
5H611AA01
5H611BB01
5H611BB08
5H611PP07
5H611QQ03
5H611RR02
5H611UA01
(57)【要約】
【課題】構造の簡素化を図りつつ、部品点数の増加及びコストの増加を招くことなく、ホールIC等の電子部品を高精度に実装することができる表面実装基板及びそれを備えた電動装置を提供する。
【解決手段】二つの側面から延出する複数の端子93,94,95を有する電子部品90と、複数の端子に対応する矩形状の複数のパッド71a,71b,71cを含むプリント基板70とを備え、パッド上に配置された半田ペーストSPのリフローにより端子がパッドに半田付けされた表面実装基板において、パッドの幅寸法をWp、端子の幅寸法をWtとするとき、パッド71a,71b,71cは、Wt<Wp≦1.5×Wtを満たすように形成されている。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二つの側面から延出する複数の端子を有する電子部品と、前記複数の端子に対応する矩形状の複数のパッドを含むプリント基板とを備え、前記パッド上に配置された半田ペーストのリフローにより前記端子が前記パッドに半田付けされた表面実装基板であって、
前記パッドの幅寸法をWp、前記端子の幅寸法をWtとするとき、
前記パッドは、Wt<Wp≦1.5×Wtを満たすように形成されている、
ことを特徴とする表面実装基板。
【請求項2】
前記プリント基板上に設けられたレジストを含み、
前記レジストは、前記パッドの幅寸法を規定する開口部を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の表面実装基板。
【請求項3】
前記レジストの開口部は、前記パッドと協働して前記半田ペーストが配置される凹部領域を画定すると共に前記半田ペーストが溢れ出ない深さ寸法をなす、
ことを特徴とする請求項2に記載の表面実装基板。
【請求項4】
前記レジストの前記開口部の深さ寸法をDr、前記半田ペーストの厚さ寸法をTsとするとき、Ts<Drを満たす、
ことを特徴とする請求項3に記載の表面実装基板。
【請求項5】
前記電子部品は、ホールICを含む、
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一つに記載の表面実装基板。
【請求項6】
前記電子部品は、前記プリント基板に垂直な軸線を中心とする所定直径の円上において周方向に離隔配列されて実装された,第1ホールIC,第2ホールIC,及び第3ホールICを含む、
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか一つに記載の表面実装基板。
【請求項7】
前記第1ホールIC,第2ホールIC,及び第3ホールICの端子は、前記円に接する接線に垂直方向に伸長するように配置されている、
ことを特徴とする請求項6に記載の表面実装基板。
【請求項8】
前記第1ホールICと前記第2ホールICの離隔角度は、前記第2ホールICと前記第3ホールICの離隔角度と同一である、
ことを特徴とする請求項6に記載の表面実装基板。
【請求項9】
ハウジングと、
前記ハウジングに収容されて所定の軸線回りに回転するロータ,前記ロータを保持する回転軸,及びステータを含むモータと、
前記回転軸に固定された円環状の被検出部と、
前記モータを回転制御する制御ユニットが実装された回路基板と、を備え、
前記回路基板は、請求項5に記載の表面実装基板であり、
前記表面実装基板に実装された前記ホールICは、前記軸線方向において、前記被検出部と対向するように配置されている、
ことを特徴とする電動装置。
【請求項10】
ハウジングと、
前記ハウジングに収容されて所定の軸線回りに回転するロータ,前記ロータを保持する回転軸,及びステータを含むモータと、
前記回転軸に固定された円環状の被検出部と、
前記モータを回転制御する制御ユニットが実装された回路基板と、を備え、
前記回路基板は、請求項6に記載の表面実装基板であり、
前記表面実装基板に実装された前記第1ホールIC,第2ホールIC,及び第3ホールICは、前記軸線方向において、前記被検出部と対向するように配置されている、
ことを特徴とする電動装置。
【請求項11】
前記第1ホールIC,第2ホールIC,及び第3ホールICの端子は、前記円に接する接線に垂直方向に伸長するように配置され、
前記第1ホールICと前記第2ホールICの離隔角度は、前記第2ホールICと前記第3ホールICの離隔角度と同一であり、
前記モータは、ブラシレスDCモータである、
ことを特徴とする請求項10に記載の電動装置。
【請求項12】
前記モータにより駆動される被駆動体を含む、
ことを特徴とする請求項10に記載の電動装置。
【請求項13】
前記被駆動体は、流体を流動させるポンプユニットである、
ことを特徴とする請求項12に記載の電動装置。
【請求項14】
前記ポンプユニットは、前記回転軸により回転させられるインナーロータ及び前記インナーロータに連動するアウターロータを含むトロコイドポンプを含む、
ことを特徴とする請求項13に記載の電動装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板(PCB)に種々の電子部品を実装した表面実装基板及びそれを備えた電動装置に関し、特に、二つの側面から延出する複数の端子を有するSOP(Small Outline Package)型の電子部品(特にホールIC)を実装した表面実装基板及び電動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の表面実装基板としては、複数のリード線が設けられた電子部品(コネクタ部材)と、複数のリード線に対応する複数のパッド(フットプリント)を有するプリント基板と、プリント基板上のパッドに電子部品のリード線を位置決めするガイド機構を備え、ガイド機構として、パッドにエッチング加工して形成されたパッド溝等を採用して、電子部品のリード線を位置決めする電子部品の実装構造が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
この実装構造においては、パッドの幅寸法は、リード線の幅寸法の二倍程度の幅となるように図示されており、又、リード線に対するパッドの幅寸法については何ら言及されていない。また、リード線の位置決めとして、専用のガイド機構を設けているため、その加工工数や製造コストが増加する。さらに、ガイド機構の位置決め部(パッド溝)にリード線が収まるように電子部品をマウントするために、チップマウンターには、より高精度な位置決め動作が要求される。
【0004】
他の表面実装基板としては、複数の端子を有する電子部品(システムコネクタ)と、複数の端子に対応する複数のパッドを有するプリント基板を備えた構成において、電子部品に対して、パッドの半田接合面の2倍以上の面積をなす二つの位置決め端子を設け、プリント基板上に二つの位置決めパッドを設け、二つの位置決め端子を対応する位置決めパッド上に載置することにより、リフロー後の位置ずれを防止して、複数の端子を対応するパッドに接合する実装構造が知られている(例えば、特許文献2を参照)。
この実装構造においても、複数の端子を対応するパッドに位置決めするために、二つの位置決め端子と二つの位置決めパッドを採用しているため、部品点数の増加、構造の複雑化、高コスト化を招く。
【0005】
上記のような従来の実装構造においては、電子部品としてコネクタ部材やシステムコネクタを実装するものであるため、リード線(端子)とパッドが電気的に接続されていれば機能上は問題ないが、ホールICのようなICセンサを実装する場合は、検出対象物との位置関係が高精度に要求されるため、プリント基板上において、位置ずれを許容することなく所定位置に高精度に実装する必要がある。
特に、ブラシレスDCモータ等を含む電動装置において、ブラシレスDCモータの回転制御のために、ホールICによりロータの回転位置を検出する場合、ホールICの位置が所定位置から位置ずれした状態で表面実装されると、ロータの実際の回転位置とホールICの出力信号とに位相ずれ等を生じて、回転制御が不可能となる虞がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001-257454号公報
【特許文献2】特開2006-310567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、構造の簡素化を図りつつ、部品点数の増加及びコストの増加を招くことなく、ホールIC等の電子部品を高精度に実装することができる、表面実装基板及びそれを備えた電動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の表面実装基板は、二つの側面から延出する複数の端子を有する電子部品と、複数の端子に対応する矩形状の複数のパッドを含むプリント基板とを備え、パッド上に配置された半田ペーストのリフローにより端子がパッドに半田付けされた表面実装基板であって、パッドの幅寸法をWp、端子の幅寸法をWtとするとき、上記パッドは、Wt<Wp≦1.5×Wtを満たすように形成されている、構成となっている。
【0009】
上記表面実装基板において、プリント基板上に設けられたレジストを含み、レジストは、パッドの幅寸法を規定する開口部を有する、構成を採用してもよい。
【0010】
上記表面実装基板において、レジストの開口部は、パッドと協働して半田ペーストが配置される凹部領域を画定すると共に半田ペーストが溢れ出ない深さ寸法をなす、構成を採用してもよい。
【0011】
上記表面実装基板において、レジストの開口部の深さ寸法をDr、半田ペーストの厚さ寸法をTsとするとき、Ts<Drを満たす、構成を採用してもよい。
【0012】
上記表面実装基板において、電子部品は、ホールICを含む、構成を採用してもよい。
【0013】
上記表面実装基板において、電子部品は、プリント基板に垂直な軸線を中心とする所定直径の円上において周方向に離隔配列されて実装された,第1ホールIC,第2ホールIC,及び第3ホールICを含む、構成を採用してもよい。
【0014】
上記表面実装基板において、第1ホールIC,第2ホールIC,及び第3ホールICの端子は、上記円に接する接線に垂直方向に伸長するように配置されている、構成を採用してもよい。
【0015】
上記表面実装基板において、第1ホールICと第2ホールICの離隔角度は、第2ホールICと第3ホールICの離隔角度と同一である、構成を採用してもよい。
【0016】
本発明の電動装置は、ハウジングと、ハウジングに収容されて,所定の軸線回りに回転するロータ,ロータを保持する回転軸,及びステータを含むモータと、回転軸に固定された円環状の被検出部と、モータを回転制御する制御ユニットが実装された回路基板とを備え、回路基板は、電子部品がホールICを含むと共に上記構成をなす表面実装基板のいずれかであり、表面実装基板に実装されたホールICは、軸線方向において、被検出部と対向するように配置されている、構成となっている。
【0017】
また、本発明の電動装置は、ハウジングと、ハウジングに収容されて,所定の軸線回りに回転するロータ,ロータを保持する回転軸,及びステータを含むモータと、回転軸に固定された円環状の被検出部と、モータを回転制御する制御ユニットが実装された回路基板とを備え、回路基板は、電子部品が第1ホールIC,第2ホールIC,及び第3ホールICを含むと共に上記構成をなす表面実装基板のいずれかであり、表面実装基板に実装された第1ホールIC,第2ホールIC,及び第3ホールICは、軸線方向において、被検出部と対向するように配置されている、構成となっている。
【0018】
上記電動装置において、第1ホールIC,第2ホールIC,及び第3ホールICの端子は、上記円に接する接線に垂直方向に伸長するように配置され、第1ホールICと第2ホールICの離隔角度は、第2ホールICと第3ホールICの離隔角度と同一であり、モータは、ブラシレスDCモータである、構成を採用してもよい。
【0019】
上記電動装置において、モータにより駆動される被駆動体を含む、構成を採用してもよい。
【0020】
上記電動装置において、被駆動体は、流体を流動させるポンプユニットである、構成を採用してもよい。
【0021】
上記電動装置において、ポンプユニットは、回転軸により回転させられるインナーロータ及びインナーロータに連動するアウターロータを含むトロコイドポンプを含む、構成を採用してもよい。
【発明の効果】
【0022】
上記構成をなす表面実装基板によれば、構造の簡素化を達成しつつ、部品点数の増加及びコストの増加を招くことなく、ホールIC等の電子部品を高精度に実装することができる。また、上記構成をなす電動装置によれば、構造の簡素化を達成しつつ、部品点数の増加及びコストの増加を招くことなく、ホールICにより被検出部を高精度に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の表面実装基板を備えた一実施形態に係る電動装置を示す外観斜視図である。
図2】一実施形態に係る電動装置において、外側カバーを取り外して表面実装基板(回路基板)を露出させた状態を示す斜視図である。
図3】一実施形態に係る電動装置を分解してハウジング本体側から視た分解斜視図である。
図4】一実施形態に係る電動装置を分解して外側カバー側から視た分解斜視図である。
図5】一実施形態に係る電動装置において、回転軸の軸線を通る面で切断した断面図である。
図6】一実施形態に係る電動装置において、表面実装基板(回路基板)に実装されたホールICとモータの回転軸に固定された被検出部との関係を示す分解斜視図である。
図7】一実施形態に係る電動装置において、プリント基板に実装された第1ホールIC,第2ホールIC,及び第3ホールICの相互の配置関係を示す平面図である。
図8】一実施形態に係る電動装置において、プリント基板に実装された第1ホールIC,第2ホールIC,及び第3ホールICと、回転軸に固定された被検出部との関係を、被検出部を透して軸線方向から視た平面図である。
図9】本発明の表面実装基板において、実装される電子部品としてのホールICを示す外観斜視図である。
図10図9に示すホールIC及びパッドを示す平面図である。
図11図9に示すホールICの端子と、パッド及びレジストの関係を示す部分断面図である。
図12図9に示すホールICと、プリント基板上のパッド及びレジストの関係を示す部分平面図である。
図13】本発明の表面実装基板において、パッド、ホールICの端子、レジストの関係を示す部分斜視図である。
図14】本発明の表面実装基板の実装工程を示す部分断面図である。
図15】従来の実装構造において、プリント基板上のパッドと電子部品との関係を示す部分平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
本発明の一実施形態に係る表面実装基板を備えた電動装置Mは、例えば、流体としての作動油を送出するビルトイン式の電動ポンプ装置であり、図1ないし図5に示すように、ハウジング本体10、ホルダカバー20、外側カバー30、ポンプカバー40、モータ50、被駆動体としてのポンプユニット60、表面実装基板としての回路基板CB、六つの締結ネジb1、四つの締結ボルトb2、三つの締結ボルトb3を備えている。
ここでは、ハウジング本体10、ホルダカバー20、外側カバー30、ポンプカバー40より、電動装置Mの全体としてのハウジングHが構成されている。
【0025】
ハウジング本体10は、例えば、鋼、鋳鉄、焼結鋼、アルミニウム合金等の金属材料を用いて形成されており、図3図4図5に示すように、ポンプ収容凹部11、接合面12、モータ収容凹部13、仕切り壁部14、嵌合凹部15、フランジ部16、四つのボス部18を備えている。
【0026】
ポンプ収容凹部11は、ポンプユニット60を回転可能に収容する領域であり、内周面11a、底面11bを備えている。
内周面11aは、軸線Sから平行に偏倚した軸線を中心とする円筒面をなし、ポンプユニット60の一部をなすアウターロータ62の外周面を摺動自在に支持する。
底面11bは、軸線S方向において、ポンプユニット60(インナーロータ61及びアウターロータ62)の内側の端面を摺動自在に受ける。
接合面12は、ポンプ収容凹部11を覆うポンプカバー40を接合するべく、軸線Sに垂直な環状の平面として形成され、ポンプカバー40を締結する締結ボルトb3をねじ込む三つのネジ穴12aを備えている。
【0027】
モータ収容凹部13は、モータ50を収容する領域であり、図4及び図5に示すように、内周面13a、内周面13b、内周面13cを備えている。
内周面13aは、モータ50のステータ51を嵌合して固定するべく、軸線Sを中心とする円筒面をなす。
内周面13bは、モータ50の回転軸53を回動自在に支持する軸受Bを嵌合して固定するべく、軸線Sを中心とする円筒面をなす。
内周面13cは、回転軸53の周りをシールするリップ型シール部材Srを嵌合して固定するべく、軸線Sを中心とする円筒面をなす。
【0028】
仕切り壁部14は、ポンプ収容凹部11とモータ収容凹部13とを仕切るように形成され、軸線Sを中心とする挿通孔14aを備えている。
挿通孔14aは、モータ50の回転軸53を回動自在に挿通させるべく、軸線Sを中心とする円筒面をなす。
【0029】
嵌合凹部15は、モータ収容凹部13の外端領域において、軸線Sを中心とする円筒面として形成されている。そして、嵌合凹部15には、ホルダカバー20の嵌合凸部22が嵌合される。すなわち、ハウジング本体10の嵌合凹部15に、ホルダカバー20の嵌合凸部22が嵌合されることにより、ホルダカバー20に形成された軸受円筒部23の中心が、ハウジング本体10の軸線Sと同軸上に位置決めされる。
【0030】
フランジ部16は、モータ収容凹部13を画定する壁部13dから軸線Sに垂直な方向に平板状に張り出して形成され、接合面16a、接合面16b、四つのネジ穴16cを備えている。
接合面16aは、適用対象物に接合されるべく、軸線Sに垂直な平面として形成されている。また、接合面16aには、ゴム材料により形成されたOリング等のシール部材SRが嵌め込まれる環状溝16aが形成されている。
接合面16bは、シール部材SRを挟んで、ホルダカバー20が接合されるべく、軸線Sに垂直な平面として形成されている。
ネジ穴16cは、ハウジング本体10に対して、ホルダカバー20を挟み込んだ状態で外側カバー30を締結する締結ボルトb2を捩じ込むものである。
ボス部18は、ハウジング本体10を適用対象物に取り付ける取付けボルト(不図示)を通すべく円孔を備えている。
【0031】
ホルダカバー20は、樹脂材料を用いて形成され、図3及び図4に示すように、接合面21、嵌合凸部22、軸受円筒部23、開口部24、接合面25、六つのボス部27、四つの円孔28、コネクタ部29を備えている。そして、ホルダカバー20は、ハウジング本体10のモータ収容凹部13に収容されたモータ50を覆うと共にその一部(軸受Bを介して回転軸53)を保持するべくハウジング本体10に接合される。
【0032】
接合面21は、シール部材SRを挟んでハウジング本体10の接合面16bに接合されるべく、軸線Sに垂直な平面として形成されている。また、接合面21には、ゴム材料により形成された環状の成型ゴム又は接合時に注入される液体シール剤としてのシール部材SRが収容される環状溝が形成されている。
嵌合凸部22は、ハウジング本体10の嵌合凹部15に嵌合されて軸受円筒部23の中心を軸線S上に位置決めするべく、軸線Sを中心に周方向に等間隔で配列された八つの突出片として形成されている。
【0033】
軸受円筒部23は、モータ50の回転軸53を支持する軸受Bを嵌合して固定するべく、軸線Sを中心とする円筒面を画定する金属製の成型品を圧入して形成されている。
開口部24は、回転軸53の端部に設けられた被検出部Dを回路基板CBに設けられたホールIC90(第1ホールIC90a,第2ホールIC90b,及び第3ホールIC90c)と対向させるべく、軸受円筒部23と同軸上において開口する円孔として形成されている。
【0034】
接合面25は、シール部材SRを挟んで外側カバー30の接合面31が接合されるべく、軸線Sに垂直な平面として形成されている。そして、接合面25には、ゴム材料により形成された環状の成型ゴム又は接合時に注入される液体シール剤としてのシール部材SRが配置されて、外側カバー30がホルダカバー20に接合される。
【0035】
六つのボス部27は、回路基板CBを保持すると共に回路基板CBを締結する締結ネジb1を捩じ込むべく形成されている。また、二つのボス部27の近傍には、回路基板CBを位置決めする二つの位置決めピン27bが形成されている。
四つの円孔28は、外側カバー30をハウジング本体10に締結する締結ボルトb2を通すものである。
コネクタ部29は、外部と接続されるものであり、回路基板CBのプリント配線74に接続された三つの駆動用端子29a,29b,29c及び一つのアース端子29dを収容すると共にそれらの中間領域を埋設して保持する。
【0036】
外側カバー30は、ホルダカバー20の外側に配置された回路基板CBを覆うものであり、例えばアルミニウム材料を用いて形成され、図3及び図4に示すように、ホルダカバー20の接合面25に接合される接合面31、回路基板CBを収容する収容部32、締結ボルトb2を通す四つの円孔33を備えている。
そして、外側カバー30は、回路基板CBがホルダカバー20に取り付けられた状態で、シール部材SRを挟んで接合面31をホルダカバー20の接合面25に接合し、締結ボルトb2によりハウジング本体10に締結して固定される。
【0037】
ポンプカバー40は、ハウジング本体10のポンプ収容凹部11を覆うべくハウジング本体10に接合されるものであり、例えば、鋼、鋳鉄、焼結鋼、アルミニウム合金等の材料を用いて平板状に形成され、図3ないし図5に示すように、吸入通路41、吐出通路42、内壁面43、回転軸53の先端を受け入れる中央凹部44、締結ボルトb3を通す三つの円孔45を備えている。
【0038】
モータ50は、図3ないし図5に示すように、ステータ51、ロータ52、回転軸53を備えた、三相(U相、V相、W相)のブラシレスDCモータである。
ステータ51は、磁性材料からなる鋼板を用いて形成されたステータコア、電気的絶縁性を有する樹脂材料を用いて形成されたボビン、ボビンの周りに巻回された三つのコイル(U相コイル、V相コイル、W相コイル)を備えている。
ロータ52は、磁性材料からなる鋼板を用いて形成されたロータコア、ロータコアに嵌め込まれた永久磁石を備えている。
【0039】
回転軸53は、鋼材料等を用いて軸線S方向に伸長する円柱状に形成され、ロータ52と一体的に回転するようにロータ52に嵌合されている。そして、回転軸53は、ロータ52を挟んだ両側において、一方側がハウジング本体10に固定された軸受B及び他方側がホルダカバー20に固定された軸受Bによって軸線S回りに回動自在に支持され、軸受Bよりも先端側の領域がインナーロータ61の嵌合孔61aに嵌合されて、回転駆動力をポンプユニット60に伝達する。
【0040】
また、回転軸53には、回路基板CBに対向する奥側の端部領域において、被検出部Dが固定されている。
被検出部Dは、図4及び図5に示すように、軸線Sを中心とする円環状に形成され、軸線S周りの周方向においてN極及びS極が交互に配列されている。
そして、被検出部Dは、軸線S方向において、回路基板CBに実装されたホールIC90(第1ホールIC90a,第2ホールIC90b,及び第3ホールIC90c)に対して所定の隙間をおいて対向するようになっている。
【0041】
さらに、回転軸53には、軸受Bと挿通孔14aの間の外周領域において、リップ型シール部材Srが配置され、ポンプ収容凹部11側からモータ収容凹部13に向けて作動油が流れ込まないように、又、モータ収容凹部13側からポンプ収容凹部11側に向けて空気等が吸い込まれないようにシールされている。
【0042】
上記構成をなすモータ50においては、回路基板CBに実装されたホールIC90(第1ホールIC90a,第2ホールIC90b,第3ホールIC90c)により被検出部Dの磁界の変化を検出して、ロータ52の回転位置が検出される。
そして、この検出情報に基づいて、制御ユニット80に含まれる駆動回路により、ステータ51の各相(U,V,W)のコイルに流れる電流が切り替えられてS極/N極が発生させられ、ロータ52とステータ51に発生した磁気の吸引力及び反発力により、ロータ52が回転する。
したがって、ロータ52の回転位置が正確に検出されないと、ステータ51とロータ52が適正な磁束関係となる正確なタイミングで位相通電ができないため、所望されるトルクが得られず、ロータ52が適切なトルクを発生しない。
それ故に、ホールIC90(第1ホールIC90a,第2ホールIC90b,第3ホールIC90c)は、回路基板CB上の所定位置に高精度に実装される必要がある。
【0043】
ポンプユニット60は、作動油に対して、吸入、加圧、吐出のポンプ作用を及ぼすべくポンプ収容凹部11に配置されるものであり、図3及び図4に示すように、インナーロータ61及びアウターロータ62を含むトロコイドポンプである。
【0044】
インナーロータ61は、鋼又は焼結鋼等の金属材料を用いて、トロコイド曲線による歯形をもつ外歯車として形成され、ハウジング本体10の底面11b及びポンプカバー40の内壁面43と摺動自在に接触すると共に回転軸53が嵌合孔61aに嵌合され、軸線Sを中心として回転軸53と一体的に回転する。
【0045】
アウターロータ62は、鋼又は焼結鋼等の金属材料を用いて、インナーロータ61に噛合し得る歯形をもつ内歯車として形成され、ハウジング本体10の底面11b及びポンプカバー40の内壁面43と摺動自在に接触すると共にインナーロータ61と部分的に噛合する。そして、アウターロータ62は、軸線Sを中心として回転するインナーロータ61の回転に連動しつつ、インナーロータ61よりも遅い速度で、軸線Sから偏倚した軸線を中心として、インナーロータ61と同一方向に回転する。また、インナーロータ61とアウターロータ62とが部分的に噛合うことにより、両者の間において、吸入、加圧、及び吐出のポンプ作用が連続的に生じる。
【0046】
回路基板CBは、プリント基板70と、電子部品としての制御ユニット80、電子部品としてのホールIC90(第1ホールIC90a、第2ホールIC90b、第3ホールIC90c)、レジスト100と、半田ペーストSPがリフロー後に固化した半田SP、その他の電子部品(不図示)を備えている。
【0047】
プリント基板70は、平板状に形成され、図7図9ないし図11に示すように、モータ50と対向する一方側の表面において、銅箔のエッチング処理により形成されたプリント配線(不図示)の一部をなす略矩形状の複数のパッド71(71a,71b,71c),72(72a,72b,72c),73(73a,73b,73c)と、図2に示すように、他方側の表面において、同様に銅箔のエッチング処理により形成されたプリント配線74と、図6に示すように、プリント配線74に接続された四つのスルーホール75a,75b,75c,75d及び三つのスルーホール76a,76b,76c、締結ネジb1を通す五つの円孔77、位置決めピン27bが挿入される二つの位置決め孔78等を備えている。
【0048】
パッド71は、第1ホールIC90aに対応するものであり、同一の幅寸法Wp(図10を参照)をなす三つのパッド71a,71b,71cを含む。
そして、パッド71a,71b,71cは、それぞれ、第1ホールIC90aの端子93,94,95に対して半田SPにより接合される。
【0049】
パッド72は、第2ホールIC90bに対応するものであり、同一の幅寸法Wp(図10を参照)をなす三つのパッド72a,72b,72cを含む。
そして、パッド72a,72b,72cは、それぞれ、第2ホールIC90bの端子93,94,95に対して半田SPにより接合される。
【0050】
パッド73は、第3ホールIC90cに対応するものであり、同一の幅寸法Wp(図10を参照)をなす三つのパッド73a,73b,73cを含む。
そして、パッド73a,73b,73cは、それぞれ、第3ホールIC90cの端子93,94,95に対して半田SPにより接合される。
【0051】
ここで、パッド71,72,73の幅寸法Wpは、ホールIC90の端子93,94,95の幅寸法Wtとの関係において、Wt<Wp≦1.5×Wtを満たすように形成されている。
例えば、一例として、端子93,94,95の幅寸法Wtが0.4mmの場合、パッド71,72,73の幅寸法Wpは0.6mmに設定される。
このように、パッド71,72,83の幅寸法Wpを端子93,94,95の幅寸法Wtに近づけることにより、半田ペーストSPのリフロー処理時におけるセルフアライメント作用による端子93,94,95の移動範囲を小さくすることができる。その結果、端子93,94,95がパッド71,72,73に対して所定位置に高精度に位置決めされて固定される。
【0052】
四つのスルーホール75a,75b,75c,75dは、駆動用端子29a,29b,29c及びアース端子29dがそれぞれ挿入されて電気的に接続されるものである。
三つのスルーホール76a,76b,76cは、ステータ51に含まれる三つのコイル端子51a,51b,51cがそれぞれ挿入されて電気的に接続されるものである。
【0053】
制御ユニット80は、種々の電子部品(ICチップ)の集合体であり、プリント基板70の外側の表面に実装されており、ホールIC90(第1ホールIC90a,第2ホールIC90b,第3ホールIC90c)の検出信号に基づいて、駆動回路から三相のコイルに向けて通電制御を行うことにより、ロータ52の回転を制御する。
【0054】
ホールIC90は、図9ないし図11に示すように、SOP型のICチップであり、略直方体をなすパッケージ91、パッケージ91内に収容されたホール素子92,チョッパアンプ(不図示),スリープ/アウェイク回路(不図示),コンパレータ(不図示),出力インバータ(不図示)、パッケージ91の一側面から延出する二つの端子93,94、パッケージ91の他側面から延出する一つの端子95を備えている。
【0055】
パッケージ91は、エポキシ樹脂やセラミックス等により形成されており、被検出部Dの円環状端面Dと対向する上面91aを画定する。
ホール素子92は、通電された状態で、電流の向きと直角に磁界(磁石)が近づけられると、ローレンツ力により、電流と磁界の向きに対して直角方向に電圧、すなわち、ホール電圧が発生する。ホール電圧は、磁束密度に応じて増加すると共に、フレミング左手の法則により磁界の向きによって電圧の向きが変化する。
ここでは、ホールIC90は、パッケージ91の中心を通る長手方向の中心線Cが、被検出部Dの磁極が変化する方向に沿うように、すなわち、被検出部Dの回転方向に沿うように配置される。
【0056】
端子93は、電源電圧(VDD)の端子であり、ガルウィングタイプで所定の幅寸法Wtに形成されている。
端子94は、出力電圧(VOUT)の端子であり、ガルウィングタイプで所定の幅寸法Wtに形成されている。
端子95は、グランド(GND)の端子であり、ガルウィングタイプで所定の幅寸法Wtに形成されている。
すなわち、三つの端子93,94,95は、同一形態で同一の幅寸法Wtに形成され、パッケージ91の中心を通る長手方向の中心線Cに垂直な方向Vに平行に延出している。
【0057】
ここでは、ホールIC90は、図6及び図7に示すように、プリント基板70に垂直な軸線Sを中心とする所定直径の円CL上において周方向に離隔配列されて実装された、第1ホールIC90a,第2ホールIC90b,及び第3ホールIC90cを含む。
第1ホールIC90a,第2ホールIC90b,及び第3ホールIC90cは、全てが前述のホールIC90と同一の構成をなすものである。
そして、第1ホールIC90a,第2ホールIC90b,及び第3ホールIC90cの端子93,94,95は、円CLに接する接線TLに垂直方向に伸長するように配置されている。また、第1ホールIC90aと第2ホールIC90bの離隔角度θは、第2ホールIC90bと第3ホールIC90cの離隔角度θと同一である。離隔角度θは、例えば、40度に設定される。
すなわち、第1ホールIC90a,第2ホールIC90b,及び第3ホールIC90cは、互いに等間隔で離れた位置において、パッケージ91の上面91aが軸線S方向において被検出部Dの円環状端面Dと所定隙間をおいて対向するように配置されている。
【0058】
レジスト100は、プリント基板70の両側の表面において、パッド71,72,73、スルーホール75a,75b,75c,75d,76a,76b,76c、及びその他のパッド(不図示)を露出させると共に、プリント配線のその他の領域を覆って不要な部分に固化した半田SPが付着するのを防止するように設けられた保護薄膜であり、図12及び図13に示すように、パッド71,72,73の領域において、矩形状の開口部101を有する。
【0059】
開口部101は、図12及び図13に示すように、パッド71,72,73の幅寸法Wpを規定する開口幅(=Wp)を有し、又、パッド71,72,73の表面と協働して半田ペーストSPが配置される凹部領域Aを画定する。
また、開口部101(凹部領域A)は、塗布される半田ペーストSPが漏れ出ない深さ寸法に形成されている。
ここで、図11に示すように、開口部101の深さ寸法をDrとし、塗布される半田ペーストSPの厚さ寸法をTsとするとき、Ts<Drを満たすように設定されている。
例えば、一例として、レジスト101の開口部101の深さ寸法Drが30μmの場合、半田ペーストSPは、その厚さ寸法Tが7μm程度となるように塗布される。
【0060】
このように、開口部101の深さ寸法Drが塗布される半田ペーストSPの厚さ寸法Tsよりも大きく設定されることにより、半田ペーストSPのリフロー処理時におけるセルフアライメント作用で端子93,94,95が移動しても、端子93,94,95の移動範囲は開口部101の内側面により規制される。
その結果、開口部101(パッド71,72,73)の幅寸法Wpを超える端子93,94,95の移動を防止することができ、端子93,94,95はパッド71,72,73に対して所定位置に高精度に位置決めされて固定される。
【0061】
次に、上記構成をなす表面実装基板(回路基板CB)の製造及び実装工程について説明する。
先ず、絶縁性の基材の表面に銅箔が接着され、所望される導電パターンを得るべくエッチング処理が施されて、複数のパッド71,72,73、その他のパッドを含むプリント配線が形成される。また、適宜、スルーホール75a-75d,76a-76cの加工処理、円孔77及び位置決め孔78の穿孔処理が施される。これにより、プリント基板70が形成される。
【0062】
続いて、図14中の(1)に示すように、プリント基板70の表面に対して、レジスト100が印刷される。この印刷工程において、開口部101が形成される。
続いて、図14中の(2)に示すように、レジスト100の上にスクリーン(不図示)が配置され、その上からクリーム状の半田ペーストSPが塗布される。これにより、パッド71,72,73に対応する開口部101及びその他のパッド(不図示)に対応する開口部(不図示)に、所定の厚さ寸法Tsをなす半田ペーストSPが配置される。
【0063】
続いて、チップマウンターを用いて、図14中の(3)に示すように、ホールIC90(第1ホールIC90a,第2ホールIC90b,第3ホールIC90c)がプリント基板70上に配置され、端子93,94,95が対応するパッド71,72,73の半田ペーストSP上に載置される。
【0064】
続いて、種々の電子部品が配置されたプリント基板70が、リフロー炉に通されて、リフロー半田付けが施される。
このリフロー工程において、ホールIC90(第1ホールIC90a,第2ホールIC90b,第3ホールIC90c)は、セルフアライメントにより、開口部101の領域内において、固化した半田SPを介してパッド71,72,73に接合される。
【0065】
このリフロー工程において、従来の実装構造では、図15に示すように、パッド1a,1b,1c,1dの幅寸法が電子部品2の端子2a,2b,2c,2dの幅寸法の2倍程度の幅をなすように形成されていた関係上、セルフアライメントにより、電子部品2の移動範囲が大きく、電子部品2が所定位置(実線で示す位置)にから偏倚した二点鎖線で示す位置に固定され、又は、電子部品2が所定位置から回転した二点鎖線で示す位置に固定される虞があった。
【0066】
これに対して、本発明によれば、パッド71,72,83の幅寸法Wpが端子93,94,95の幅寸法Wtに近づけられているため、セルフアライメントによる端子93,94,95の移動範囲が小さくなり、端子93,94,95は、パッド71,72,73に対して所定位置に高精度に位置決めされて固定される。
特に、レジスト100の開口部101の深さ寸法Drが塗布される半田ペーストSPの厚さ寸法Tsよりも大きく設定されているため、セルフアライメントにより端子93,94,95が移動しても、その移動範囲が開口部101の内側面により規制され、端子93,94,95は、パッド71,72,73に対して所定位置に高精度に位置決めされて固定される。
【0067】
以上述べたように、上記構成をなす表面実装基板(回路基板CB)によれば、構造の簡素化を達成しつつ、部品点数の増加及びコストの増加を招くことなく、ホールIC90等の電子部品を高精度に実装することができる。また、上記構成をなす電動装置Mによれば、構造の簡素化を達成しつつ、部品点数の増加及びコストの増加を招くことなく、ホールIC90により被検出部Dを高精度に検出することができ、電動装置Mに含まれるモータ50を高精度に回転制御することができる。
【0068】
上記実施形態においては、電子部品としてホールICを示したが、これに限定されるものではなく、その他の電子部品の実装にも適用することができる。
上記実施形態においては、ホールICとして、三つのホールIC(第1ホールIC90a、第2ホールIC90b、第3ホールIC90c)を実装した表面実装基板(回路基板CB)を示したが、これに限定されるものではなく、一つ又はそれ以外の個数のホールICを実装する構成においても本発明を採用することができる。
上記実施形態においては、モータ50により駆動される被駆動体として、ハウジング本体10のポンプ収容凹部11に収容されるポンプユニット60を示したが、これに限定されるものではなく、減速装置、その他の機構を採用してもよい。
【0069】
以上述べたように、本発明の表面実装基板は、構造の簡素化を達成しつつ、部品点数の増加及びコストの増加を招くことなく、ホールIC等の電子部品を高精度に実装することができ、又、上記表面実装基板を備えた電動装置によれば、構造の簡素化を達成しつつ、部品点数の増加及びコストの増加を招くことなく、ホールICにより被検出部を高精度に検出してモータ等を高精度に制御することができため、電動ポンプ装置等に好適であるのは勿論のこと、ポンプ以外の機能を備えた電動減速装置、電動アクチュエータ装置、その他の電動機器としても有用である。
【符号の説明】
【0070】
M 電動装置
S 軸線
H ハウジング
10 ハウジング本体(ハウジング)
20 ホルダカバー(ハウジング)
30 外側カバー(ハウジング)
40 ポンプカバー(ハウジング)
50 モータ(ブラシレスDCモータ)
51 ステータ
52 ロータ
53 回転軸
D 被検出部
円環状端面
60 ポンプユニット(被駆動体)
61 インナーロータ(トロコイドポンプ)
62 アウターロータ(トロコイドポンプ)
CB 回路基板(表面実装基板)
70 プリント基板
71,71a,71b,71c パッド
72,72a,72b,72c パッド
73,73a,73b,73c パッド
Wp パッドの幅寸法
74 プリント配線
80 制御ユニット
C 所定直径の円
Ts 接線
θ 離隔角度
90 ホールIC(電子部品)
90a 第1ホールIC
90b 第2ホールIC
90c 第3ホールIC
91 パッケージ
91a 上面
92 ホール素子
93,94,95 端子
Wt 端子の幅寸法
100 レジスト
A 凹部領域
101 開口部
Dr 開口部の深さ寸法
SP 半田ペースト
Hs 半田ペーストの厚さ寸法
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15