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  • 特開-精算機、精算方法、及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179074
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】精算機、精算方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07B 15/00 20110101AFI20241219BHJP
【FI】
G07B15/00 M
G07B15/00 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097594
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147304
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 知哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148493
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 浩二
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】永福 徹
【テーマコード(参考)】
3E127
【Fターム(参考)】
3E127AA18
3E127BA09
3E127BA11
3E127CA21
3E127CA35
3E127CA51
3E127CA56
3E127DA45
3E127EA04
3E127EA42
3E127FA11
3E127FA53
3E127FA61
(57)【要約】
【課題】使い勝手の良い精算機を提供することにある。
【解決手段】精算機は、貨幣の入金部と、前記貨幣の出金部と、処理部とを備える。前記処理部は、料金と、前記入金部への入金額とを特定するための特定処理と、前記特定処理の後に返金額を決定するための返金額決定処理と、前記返金額を前記出金部から出金できない場合に、前記返金額を特定する取引情報を出力するための出力処理とを実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨幣の入金部と、
前記貨幣の出金部と、
処理部と
を備え、
前記処理部は、
料金と、前記入金部への入金額とを特定するための特定処理と、
前記特定処理の後に返金額を決定するための返金額決定処理と、
前記返金額を前記出金部から出金できない場合に、前記返金額を特定する取引情報を出力するための出力処理と
を実行する、精算機。
【請求項2】
シートの排出部を更に備え、
前記処理部は、前記取引情報が印刷された前記シートを前記排出部から排出するための前記出力処理を実行する、請求項1に記載の精算機。
【請求項3】
前記取引情報は、模様により前記返金額を特定するための情報である、請求項2に記載の精算機。
【請求項4】
前記処理部は更に、
前記返金額を前記出金部から出金できない場合に、前記貨幣による前記料金の支払い以外の支払い方法を決定するための支払方法決定処理と、
前記支払方法決定処理により決定された支払い方法によって前記料金を決済するための決済処理と
を実行する、請求項1から請求項3のいずれかに記載の精算機。
【請求項5】
操作を受け付ける操作部を更に備え、
前記処理部は更に、
前記入金額を返金するための前記操作を前記操作部が受け付けたことに応じて、前記入金額の全額を前記出金部から返金可能か否かを判定する判定処理と、
前記判定処理により返金不能と判定された場合に、前記取引情報を出力する前記出力処理と
を実行する、請求項1から請求項3のいずれかに記載の精算機。
【請求項6】
前記料金は、駐車場の利用料金である、請求項1から請求項3のいずれかに記載の精算機。
【請求項7】
料金と、貨幣の入金部への入金額とを特定し、
前記料金と前記入金額とが特定された後に返金額を決定し、
前記貨幣の出金部から前記返金額を出金できない場合に、前記返金額を特定する取引情報を出力する、精算方法。
【請求項8】
コンピュータに、
料金と、貨幣の入金部への入金額とを特定する処理と、
前記料金と前記入金額とが特定された後に返金額を決定する処理と、
前記貨幣の出金部から前記返金額を出金できない場合に、前記返金額を特定する取引情報を出力する処理と
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、精算機、精算方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
背景技術に係る精算機では、スマートフォンは、QRコード(登録商標)を読み込み、サービスサイトに送信する。管理サーバは、車番号画像を取り出し駐車料金を求める。サービスサイトは、スマートフォンからのQRコードの受信に伴って駐車料金を決済させる(例えば特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-114363号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
利用者は、駐車場の利用料金を貨幣で精算したい場合がある。しかし、精算機は、釣銭不足等の理由で、釣銭を出金できないことがあり、利用者にとって使い勝手が良いとは言い難い。
【0005】
本開示の目的は、より使い勝手の良い精算機、精算方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様である精算機は、貨幣の入金部と、前記貨幣の出金部と、処理部とを備える。前記処理部は、料金と、前記入金部への入金額とを特定する特定処理と、前記特定処理の後に返金額を決定する返金額決定処理と、前記返金額を前記出金部から出金できない場合に、前記返金額を特定する取引情報を出力する出力処理とを実行する。
【0007】
本開示の他の態様である精算方法は、料金と、貨幣の入金部への入金額とを特定し、前記料金と前記入金額とが特定された後に返金額を決定し、前記貨幣の出金部から前記返金額を出金できない場合に、前記返金額を特定する取引情報を出力する。
【0008】
本開示の更に他の態様であるプログラムは、コンピュータに、料金と、貨幣の入金部への入金額とを特定する処理と、前記料金と前記入金額とが特定された後に返金額を決定する処理と、前記貨幣の出金部から前記返金額を出金できない場合に、前記返金額を特定する取引情報を出力する処理とを実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、利用者にとって使い勝手の良い精算機、精算方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、精算システムの構成を示す図である。
図2A図2Aは、図1に示される精算機の処理部の各種処理の手順の第一部分を示すフロー図である。
図2B図2Bは、図1に示される精算機の処理部の各種処理の手順の第二部分を示すフロー図である。
図3A図3Aは、実施形態でタッチパネルに表示される各種画面を示す第一の図である。
図3B図3Bは、実施形態でタッチパネルに表示される各種画面を示す第二の図である。
図4図4は、変形例においてタッチパネルに表示される各種画面を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態に係る精算機、精算方法、プログラムを説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を附して説明の繰り返しを控える。
【0012】
図1は、精算システム100の構成を示す図である。図1に示されるように、精算システム100は、精算機1と、サーバ2と、端末装置3とを備える。
【0013】
精算機1は、料金を無人で徴収し精算する。実施形態では、精算機1は、有料の駐車場Aに設置される。従って、料金は、駐車場Aの利用料金である。詳細には、精算機1は、貨幣の入金部11と、貨幣の出金部12と、処理部13と、記憶部14とを備える。精算機1は、好ましくは、印刷部15と、シートの排出部16と、通信インタフェース(以下、「通信IF」と記載する。)18と、タッチパネル19とを更に備える。
【0014】
入金部11には、貨幣(硬貨及び/又は紙幣)が、駐車場Aの利用者により投入される。
【0015】
出金部12からは、利用者に返金される貨幣が排出される。
【0016】
処理部13は、典型的には中央処理装置又はマイクロコンピュータである。処理部13は、本開示の「処理部」又は「コンピュータ」の一例である。記憶部14は、リードオンリーメモリ、ランダムアクセスメモリ、又はフラッシュメモリ、若しくはこれらから選ばれた二つ以上を含む。記憶部14は、精算プログラムP01と、各種データとを記憶する。精算プログラムP01は、コンピュータプログラム(以下、単に「プログラム」と記載する。)である。処理部13は、精算プログラムP01を実行し、各種処理を実行する。各種処理は、実施形態では、駐車料金の徴収及び精算、並びにこれらに付随する処理を含む。
【0017】
精算機1内には、シートが収容される。シートは、実施形態では、ロール紙である。印刷部15は、処理部13の制御下で、精算機1内に収容されるシートSに各種情報を示す画像を、所定の画像記録方式により印刷する。画像記録方式としては、感熱記録方式、インクジェット記録方式又は電子写真方式が例示される。各種情報は、例えば、駐車場Aを使用した年月日及び時刻、駐車場Aの連絡先、及び駐車場Aの利用料金を含む。印刷部15は、画像記録により、各種情報が文字及び記号で印刷されたシートをレシートR(図3Bを参照)として生成する。排出部16は、生成されたレシートRを排出する。
【0018】
通信IF18は、ネットワーク4を介してサーバ2と双方向のデータ通信を行う。
【0019】
タッチパネル19は、処理部13の制御下で各種画面を表示するとともに、人の操作を受け付ける。
【0020】
サーバ2は、少なくとも返金額を管理する。具体的には、サーバ2は、処理部と、記憶部と、通信IFとを備える。処理部、記憶部及び通信IFは、後述する点を除き、処理部13、記憶部14及び通信IF18と同様である。
【0021】
端末装置3は、例えばコンビニエンスストアBに設置されるPOS端末であり、取引情報D01に基づいて少なくとも返金額を特定する。具体的には、端末装置3は、本体31と、リーダ32と、ディスプレイ33とを備える。本体31は、処理部34と、記憶部35と、通信IF36とを含む。処理部34、記憶部35及び通信IF36は、後述の点を除き、処理部13、記憶部14及び通信IF18と同様である。
【0022】
記憶部35は、返金額特定のための処理を規定するプログラムと、各種データとを記憶する。処理部34は、プログラムを実行し、返金額管理のための処理を実行する。
【0023】
通信IF36は、ネットワーク4を介して精算機1と双方向のデータ通信を行う。
【0024】
リーダ32は、本体31にデータ通信可能に接続される。リーダ32は、店員による操作に応じて、利用者が持参した取引情報D01を光学的に読み取る。リーダ32は、読み取り結果としての取引情報D01を示す画像データを本体31に送信する。
【0025】
本体31において、処理部34は、記憶部35内のプログラムを実行し、受け取った画像データを処理対象として返金額特定のための処理を実行する。
【0026】
ディスプレイ33は、処理部34の制御下で画面に返金額を表示する。
【0027】
ところで、精算機1には、準備金が収容されている。準備金は、駐車場Aの利用者への返金のために予め準備される貨幣である。準備金は、典型的には釣銭となる。しかし、駐車場Aには、精算機1の管理者が常駐していない場合があるため、準備金が足りなくなることもある。即ち、精算機1では、返金額を出金部12から出金できない場合がある。返金額の第一例は、入金部11への入金額と、駐車料金との差額(即ち、釣銭)である。
【0028】
他にも、精算機1は、精算機1の仕様として、紙幣を複数枚、返金額として出金部12から出金できない場合がある。例えば、精算機1の中には、1枚の紙幣しか出金部12から出金できない仕様のものがある。返金額の第二例は、入金額の少なくとも一部(但し、釣銭を除く)である。以下、返金額の第二例を、単に「返金額」と記載する。
【0029】
精算機1が利用者への返金ができないと、利用者は、駐車場Aから出庫できない。そこで、実施形態では、精算機1の処理部13は、図1図2A及び図2Bに示される各種処理を実行する。図2A及び図2Bは、図1に示される精算機1の処理部13の各種処理の手順の第一部分及び第二部分を示すフロー図である。図3A及び図3Bは、実施形態においてタッチパネル19に表示される各種画面を示す模式図である。
【0030】
図2A及び図2Bに示されるように、処理部13は、精算プログラムP01を実行しており、ステップS101~S120を実行する。
【0031】
ステップS101において、処理部13は、車室番号を入力するように促すための画面G01(図3A参照)をタッチパネル19に表示させる。利用者が画面G01を通じて車室番号を入力したことに応じて、処理部13は、ステップS102を実行する。
【0032】
ステップS102で、処理部13は、料金を特定する第一特定処理を実行する。詳細には、ステップS102において、処理部13は、利用者に料金を示すための画面G02(図3A参照)をタッチパネル19に表示させる。
【0033】
次に、ステップS103において、処理部13は、利用者に決済方法を選択させるための画面G03(図3A参照)をタッチパネル19に表示させる。画面G03は、ソフトウェアボタン(以下、単に「ボタン」と記載する。)B01~B03を少なくとも含む。ボタンB01は、決済方法が現金である場合に操作される。ボタンB02、B03は、決済方法がクレジットカード及び電子マネーである場合にそれぞれ操作される。
【0034】
ステップS104において、処理部13は、ボタンB01が操作されたか否かを判定する。ボタンB01が操作されたと判定された場合(ステップS104でYes)、処理部13は、ステップS106を実行する。一方、ボタンB01が操作されていないと判定された場合(ステップS104でNo)、処理部13は、ステップS105を実行した後、図2の処理を終了する。
【0035】
ステップS105において、処理部13は、クレジットカード又は電子マネーによる決済処理を実行する。ステップS105は、公知技術で良いため、その詳説を控える。
【0036】
ステップS106において、処理部13は、入金部11への料金投入を促すための画面G04(図3A参照)をタッチパネル19に表示させる。画面G04は、返金ボタンB11を含む。返金ボタンB11は、ソフトウェアボタンであって、本開示における「操作を受け付ける操作部」の一例である。返金ボタンB11は、入金額の返金を利用者が希望する場合に操作される。
【0037】
ステップS107において、処理部13は、入金部11への入金額を特定する第二特定処理を実行する。第一特定処理及び第二特定処理は、本開示の「特定処理」の一例である。
【0038】
次に、ステップS108において、処理部13は、入金額を返金するための操作(以下、「返金操作」と記載する。)を返金ボタンB11が受け付けたか否かを判定する。ステップS108でNoと判定した場合(即ち、返金操作がなされていない場合)、ステップS109が実行される。一方、ステップS108でYesと判定した場合(即ち、操作を返金ボタンB11が受け付けたことに応じて)、ステップS114(図2B参照)が実行される。
【0039】
ステップS109において、処理部13は、第一返金額決定処理を実行する。第一返金額決定処理は、本開示の「返金額決定処理」の第一例である。第一返金額決定処理で、処理部13は、返金額の第一例である釣銭を決定する。釣銭は、入金額から料金を減算することで決定される。
【0040】
次に、ステップS110において、処理部13は、準備金(前述)により釣銭を出金部12から出金可能か否かを判定する。出金可能であると判定された場合(ステップS110でYesの場合)、処理部13は、ステップS111を実行した後、図2の処理を終了する。
【0041】
ステップS111において、処理部13は、釣銭を出金部12から出金するための精算処理を実行する。ステップS111は、公知技術で良いため、その詳説を控える。出金不能であると判定された場合(ステップS110でNoの場合)、処理部13は、ステップS112を実行する。
【0042】
ステップS112において、処理部13は、出力処理を実行する。出力処理は、釣銭を出金部12から出金できない場合に、返金額を特定する取引情報D01を精算機1から出力するための処理である。実施形態では、処理部13は、釣銭が取引情報D01による返金になることを示す画面G05(図3A参照)をタッチパネル19に表示させる。また、画面G05は、承認ボタンB21及び中止ボタンB22を含む。承認ボタンB21及び中止ボタンB22は、ソフトウェアボタンである。承認ボタンB21は、取引情報D01による返金を利用者が受け入れる場合に操作される。中止ボタンB22は、取引情報D01による返金を利用者が受け入れない場合に操作される。
【0043】
承認ボタンB21が操作されたことに応じて、処理部13は、レシートRに取引情報D01を印刷するための印刷処理を実行し、取引情報D01の第一例が印刷されたレシートR(図3B参照)を排出部16から出力する出力処理を実行する。なお、レシートRには更に、釣銭の情報が文字及び記号により印刷される。
【0044】
実施形態では、取引情報D01は、駐車場Aを使用した年月日及び時刻と、駐車場Aの連絡先と、返金額そのものとを示す情報を含む。取引情報D01は、実施形態では、模様により返金額を特定するための情報である。従って、取引情報D01に多くの情報を含めることができる。この種の情報としては、一次元コード、又はマトリックス型の二次元コードが典型的である。一次元コードは、縞模様状の線の太さによって数値及び文字を表す。この種の一次元コードとしては、バーコードが典型的である。二次元コードは、セル状の模様によって数値及び文字を表す。この種の二次元コードとしては、例えばQRコード(登録商標)が典型的である。
【0045】
次に、ステップS113において、処理部13は、登録処理を実行する。登録処理は、取引情報D01の内容を精算機1がサーバ2に登録するための処理である。具体的には、処理部13は、取引情報D01を通信IF18からネットワーク4に送信させる。サーバ2は、精算機1から送信されてくる取引情報D01を記憶部(図示せず)に登録する(図1の矢印A01参照)。
【0046】
ステップS113の終了後、処理部13は、図2の処理を終了する。図2の処理によれば、取引情報D01が出力されることで、ユーザにとって使い勝手の良い精算機1を提供できる。詳細には、利用者は、駐車場Aから出庫不能になることがなくなる。即ち、利用者は、精算機1の都合で返金を受けられない場合であっても、後日又は別の場所(コンビニエンスストアB(図1参照)など)で返金を受けることができる。また、駐車場A及びサーバ2の少なくとも一方を管理者や運営者にとっては、準備金を補充する手間及びコストを低減できる。
【0047】
また、精算機1からは、取引情報D01を印刷されたレシートRが排出されるため、利用者にとって使い勝手が良い。詳細には、利用者は、取引情報D01を取得するために何も準備しなくともよい。
【0048】
また、利用者は、取引情報D01が印刷されたレシートRを、端末装置3が設置されているコンビニエンスストアBに持参する(図1の矢印A02参照)。コンビニエンスストアBの店員は、利用者から取引情報D01の提示を受けた後に、端末装置3を操作する。端末装置3において、処理部34は、記憶部35に記憶されたプログラムを実行している。リーダ32は、店員の操作に応じて、レシートRから取引情報D01を光学的に読み取る。処理部34は、リーダ32による読み取り結果により特定される返金額をサーバ2に問い合わせる(図1の矢印A03参照)。端末装置3において、通信IF36は、サーバ2からの応答を受信し(矢印A03参照)、受信応答に含まれる返金額をディスプレイ33に表示する。店員は、端末装置3により特定された返金額を利用者に渡す。なお、コンビニエンスストアBは、駐車場Aの運営者に返金額を請求する。
【0049】
ステップS114(図2B参照)において、処理部13は、第二返金額決定処理を実行する。第二返金額決定処理は、本開示の「返金額決定処理」の第二例である。第二返金額決定処理で、処理部13は、返金額を決定する。返金額は、前述の通り、入金額の少なくとも一部である。
【0050】
次に、ステップS115において、処理部13は、判定処理を実行する。判定処理では、処理部13は、入金額の全額を出金部12から返金可能か否かを判定する。返金可能であると判定された場合(ステップS115でYesの場合)、処理部13は、ステップS116を実行した後、図2の処理を終了する。出金不能であると判定された場合(ステップS115でNoの場合)、処理部13は、ステップS117を実行する。
【0051】
ステップS116において、処理部13は、返金額を出金部12から出金するための返金処理を実行する。ステップS116は、公知技術で良いため、その詳説を控える。
【0052】
ステップS117において、処理部13は、精算機1の仕様により入金額の全額を返金できないことと、入金額の少なくとも一部が取引情報D01による返金になることとを示す画面G06(図3A参照)をタッチパネル19に表示させる。入金額の少なくとも一部(但し、釣銭を除く)は、本開示の「返金額」の第二例である。以下、返金額の第二例を、単に「返金額」と記載する。また、画面G06は、確認ボタンB31を含む。確認ボタンB31は、ソフトウェアボタンであって、取引情報D01による返金を利用者が確認した場合に操作される。なお、画面G06は、画面G05の中止ボタンB22が操作されたことに応じて表示されてもよい。確認ボタンB31が操作されたことに応じて、処理部13は、ステップS119、S120を順に実行する。
【0053】
ステップS119において、ステップS112と同様の出力処理を実行する。これにより、取引情報D01が印刷されたレシートR(図3B参照)が排出部16から排出される。また、レシートRには、返金額が文字及び記号により印刷されている。ステップS120において、処理部13は、ステップS113と同様の登録処理を実行する。ステップS119の終了後、処理部13は、図2の処理を終了する。この場合も、取引情報D01が出力されることで、ユーザにとって使い勝手の良い精算機1を提供できる。詳細には、利用者は、駐車場Aから出庫不能になることがなくなる。
【0054】
中止ボタンB22と判定された場合にステップS103(図2Aを参照)が実行される。従って、ステップS103では、返金額を出金部12から出金できない場合に、貨幣(即ち、現金)による料金の支払い以外の支払い方法が決定される。従って、ステップS103は、本開示の「支払方法決定処理」の一例である。ステップS103により、貨幣以外の支払い方法で料金を精算できるため、ユーザにとって使い勝手がよい。
【0055】
図4は、変形例においてタッチパネル19に表示される各種画面を示す模式図である。
【0056】
変形例では、図2A及び図2Bの処理と比較すると、ステップS106の内容が相違する点において実施形態と相違する。変形例では、ステップS106において、処理部13は、準備金(前述)により釣銭を出金部12から出金不能な場合、取引情報D01を通じて釣銭が返金されることを示す画面G07(図4参照)をタッチパネル19に表示させる。処理部13は、画面G07に含まれる了解ボタンB41が操作されたことに応じて、前述同様の画面G04(図3A参照)をタッチパネル19に表示させる。従って、変形例では、ボタンB01の操作後すぐに、取引情報D01を通じて釣銭が返金されることを利用者は知ることができる。
【0057】
なお、画面G07は、複数枚の紙幣が入金部11に投入される可能性が高い場合に限り、タッチパネル19に表示されてもよい。詳細には、実施形態では、精算機1の仕様として1枚の紙幣しか出金部12から出金できない。従って、ステップS102において、精算のために、2枚以上の紙幣が入金部11に入金される可能性がある場合に、画面G07が表示されればよい。
【0058】
以上、図面を参照しながら本開示の実施形態を説明した。ただし、本開示は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上述の実施形態に開示される複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の開示の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上述の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本開示の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0059】
(1)実施形態及び変形例では、精算機1は、駐車場に設置されていた。しかし、これに限らず、精算機1は、駐車場以外の用途、例えば医療費の精算機や自動販売機に適用されてもよい。
【0060】
(2)実施形態及び変形例では、取引情報D01は、レシートRに印刷されていた。即ち、取引情報D01は、紙媒体により利用者に提供されていた。しかし、これに限らず、精算機1は、取引情報D01をタッチパネル19に表示してもよい。この場合、利用者は、自身が携帯するスマートフォンに内蔵のカメラに、タッチパネル19に表示された取引情報D01を撮影する。利用者は、コンビニエンスストアBでスマートフォンにより取引情報D01を表示させることで、取引情報D01を店員に提示する。
【0061】
(3)実施形態及び変形例では、取引情報D01は、返金額そのものを示す情報を含んでいた。しかし、これに限らず、取引情報D01は、返金額そのものを示す情報を含まなくともよい。この場合、サーバ2は、返金額そのものを示す情報を含まない取引情報D01を端末装置3から受信する。サーバ2は、取引情報D01に含まれる駐車場Aを使用した年月日及び時刻と、駐車場Aの連絡先とから返金額を特定する。
【0062】
(4)ステップS111(図2A参照)において、釣銭を出金部12から出金する過程で、不具合(機械的な故障や貨幣の詰まり)が発生した場合に、ステップS112(出力処理)が実行されてもよい。同様に、ステップS116(図2B参照)において、返金額を出金部12から出金する過程で、不具合が発生した場合に、ステップS119(出力処理)が実行されてもよい。
【符号の説明】
【0063】
100 :精算システム
1 :精算機
11 :入金部
12 :出金部
13 :処理部
14 :記憶部
P01 :精算プログラム
15 :印刷部
16 :排出部
19 :タッチパネル
2 :サーバ
3 :端末装置
31 :本体
32 :リーダ
33 :ディスプレイ
34 :処理部
35 :記憶部
4 :ネットワーク
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4