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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179090
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】蓄電セル
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/103 20210101AFI20241219BHJP
   H01M 50/119 20210101ALI20241219BHJP
【FI】
H01M50/103
H01M50/119
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097626
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】志村 陽祐
(72)【発明者】
【氏名】大林 叔朗
(72)【発明者】
【氏名】山中 篤
(72)【発明者】
【氏名】千原 真志
(72)【発明者】
【氏名】杉江 和紀
(72)【発明者】
【氏名】米川 紘輔
(72)【発明者】
【氏名】平尾 康裕
【テーマコード(参考)】
5H011
【Fターム(参考)】
5H011AA09
5H011BB03
5H011CC06
5H011DD13
(57)【要約】
【課題】端面の溶接によるケースの歪みが抑制された蓄電セルを提供する。
【解決手段】蓄電セル1において、ケース200は、底部210と、第1側面部221と、第2側面部222と、第1端面部231と、第2端面部232と、溶接部251と、リブ260とを有している。第1側面部221は、底部210から起立している。第2側面部222は、第1側面部221と対向しつつ底部210から起立している。第1端面部231は、第1側面部221が第2側面部222を向く方向に沿って第1側面部221から延びている。第2端面部232は、第2側面部222が第1側面部221を向く方向に沿って第2側面部222から延びている。溶接部251は、第1端面部231および第2端面部232を接続している。リブ260は、第1側面部221および第1端面部231により形成される角部241に設けられている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極体と、
前記電極体を収容するケースとを備え、
前記ケースは、
底部と、
前記底部から起立する第1側面部と、
前記第1側面部と対向しつつ前記底部から起立する第2側面部と、
前記第1側面部が前記第2側面部を向く方向に沿って前記第1側面部から延びる第1端面部と、
前記第2側面部が前記第1側面部を向く方向に沿って前記第2側面部から延びる第2端面部と、
前記第1端面部および前記第2端面部を接続する溶接部と、
前記第1側面部および前記第1端面部により形成される角部に設けられたリブとを有する、蓄電セル。
【請求項2】
前記溶接部は、前記第1側面部が起立する方向である高さ方向に延び、
前記リブは、前記高さ方向に延びている、請求項1に記載の蓄電セル。
【請求項3】
前記リブは、前記角部から前記ケースの内側に突出している、請求項1または請求項2に記載の蓄電セル。
【請求項4】
前記リブは、前記角部から前記ケースの外側に突出している、請求項1または請求項2に記載の蓄電セル。
【請求項5】
前記溶接部は、前記第1側面部が起立する方向である高さ方向に延び、
前記リブは、前記高さ方向に延び、
前記リブは、前記角部から前記ケースの内側および外側の両方に突出している、請求項1に記載の蓄電セル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、蓄電セルに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(特開2013-125737号公報)には、二次電池が開示されている。当該二次電池は、電極体と、該電極体を収容するケースとを備えている。ケースは、横長の矩形板状を呈し、本体部と、蓋部とを備えている。本体部は、一枚の金属板が折り曲げられると共に、折り曲げられた金属板の縁部同士が溶接されることで形成されている。金属板は、底面部と、一対の側面部と、4つの半部端面部とを備えている。各半部端面部は、一対の側面部の短辺にそれぞれ接続されている。互いに対向する半部端面部の縁部同士は、突き合わされて溶接により接合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-125737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されるように半部端面部の縁部同士が互いに溶接されている場合、溶接によりケースが歪む可能性がある。
【0005】
本開示は上記の課題に鑑みてなされたものであり、端面の溶接によるケースの歪みが抑制された蓄電セルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に基づく蓄電セルは、電極体と、当該電極体を収容するケースとを備えている。ケースは、底部と、第1側面部と、第2側面部と、第1端面部と、第2端面部と、溶接部と、リブとを有している。第1側面部は、底部から起立している。第2側面部は、第1側面部と対向しつつ底部から起立している。第1端面部は、第1側面部が第2側面部を向く方向に沿って第1側面部から延びている。第2端面部は、第2側面部が第1側面部を向く方向に沿って第2側面部から延びている。溶接部は、第1端面部および第2端面部を接続している。リブは、第1側面部および第1端面部により形成される角部に設けられている。
【0007】
上記の構成によれば、リブによって角部の剛性が高くなる。これにより、溶接部を形成するために第1端面部と第2端面部とを溶接する際に、溶接される第1端面部の変形によって第1側面部が歪むことを抑制できる。したがって、端面の溶接によるケースの歪みが抑制された蓄電セルを提供できる。
【0008】
本開示の蓄電セルにおいて、好ましくは、溶接部が、第1側面部が起立する方向である高さ方向に延びている。リブは、高さ方向に延びている。
【0009】
上記の構成によれば、リブによって角部の剛性をより高くすることができ、第1端面部と第2端面部とを、高さ方向に沿って溶接する場合においても、溶接される第1端面部の変形によって第1側面部が歪むことを効果的に抑制できる。したがって、端面の溶接によるケースの歪みがより抑制された蓄電セルを提供できる。
【0010】
本開示の蓄電セルにおいて、好ましくは、リブが、角部からケースの内側に突出している。
【0011】
上記の構成によれば、ケースが大きくなることを抑制しつつ、角部の剛性を高くすることができる。
【0012】
本開示の蓄電セルにおいて、好ましくは、リブが、角部からケースの外側に突出している。
【0013】
上記の構成によれば、ケースの収容空間が小さくなることを抑制しつつ、角部の剛性を高くすることができる。
【0014】
本開示の蓄電セルにおいて、好ましくは、溶接部が、第1側面部が起立する方向である高さ方向に延びている。リブは、高さ方向に延びている。リブは、角部からケースの内側および外側の両方に突出している。
【0015】
上記の構成によれば、リブによって角部の剛性をより高くすることができ、第1端面部と第2端面部とを、高さ方向に沿って溶接する場合においても、溶接される第1端面部の変形によって第1側面部が歪むことを効果的に抑制できる。したがって、端面の溶接によるケースの歪みがより抑制された蓄電セルを提供できる。さらには、ケースの収容空間が小さくなりすぎることを抑制し、かつ、ケースが大きくなりすぎることを抑制しつつ、角部の剛性を高くすることができる。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、端面の溶接よるケースの歪みが抑制された蓄電セルを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本開示の一実施形態に係る蓄電セルを示す斜視図である。
図2図1の蓄電セルをII-II線矢印方向に見た断面図である。
図3図2の電極体をIII-III線矢印方向から見た断面図である。
図4】本開示の一実施形態におけるケースを一方から示す斜視図である。
図5】本開示の一実施形態におけるケースを他方から示す斜視図である。
図6】ケースを構成する各部材が溶接される前の状態を示す模式的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本開示の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
【0019】
図1は、本開示の一実施形態に係る蓄電セルを示す斜視図である。図2は、図1の蓄電セルをII-II線矢印方向に見た断面図である。
【0020】
図1および図2に示すように、蓄電セル1は、電極体100と、ケース200と、一対の外部端子300と、一対の連結部材400と、絶縁部材500と、を備えている。
【0021】
図3は、図2の電極体をIII-III線矢印方向から見た断面図である。図3に示すように、電極体100は、複数の電極110,120と、セパレータ130とを備えている。
【0022】
図3に示すように、複数の電極110,120は、厚さ方向Tに並ぶように配置されている。本実施系形態において、厚さ方向Tは、高さ方向Hに直交する。複数の電極110,120は、複数の正極電極110と、複数の負極電極120と、を有している。
【0023】
各正極電極110は、幅方向Wに長い長方形形状に形成されている。幅方向Wは、厚さ方向Tおよび高さ方向Hの両方に直交する方向である。各正極電極110は、正極集電箔112と、正極集電箔112の両面に設けられた正極活物質層114と、を有している。正極集電箔112は、正極活物質層114が設けられていない正極タブ112p(図2参照)を有している。正極タブ112pは、幅方向Wにおける一方側に向かって突出している。
【0024】
各負極電極120は、幅方向に長い長方形形状に形成されている。各負極電極120は、負極集電箔122と、負極集電箔122の両面に設けられた負極活物質層124と、を有している。図2に示すように、負極集電箔122は、負極活物質層124が設けられていない負極タブ122n(図2参照)を有している。負極タブ122nは、幅方向における他方側に向かって突出している。
【0025】
セパレータ130は、正極電極110および負極電極120間を絶縁している。セパレータ130は、絶縁材料からなり、イオンの透過を許容する微小な空隙を有している。図3に示すように、セパレータ130は、つづら折り状に形成されている。
【0026】
セパレータ130は、つづら折り状に形成される前の状態では長方形形状を呈している。セパレータ130は、各電極110,120間につづら折り状に形成されながら配置される。セパレータ130は、複数の介在部132aと、複数の上折返し部132bと、複数の下折返し部132cと、最外被覆部132dと、を有している。
【0027】
各介在部132aは、一方向に互いに隣接する一対の電極110,120間に介在している。つまり、各介在部132aは、正極電極110および負極電極120間を絶縁する機能を有している。各介在部132aは、矩形状の領域で構成されている。
【0028】
各上折返し部132bは、複数の介在部132aのうちの一の介在部132aの上端部と、複数の介在部132aのうち一方向における一方側に前記一の介在部132aに隣接する介在部132aの上端部と、を互いに連結している。本実施形態では、上折返し部132bは、正極電極110の上方に配置されている。
【0029】
各下折返し部132cは、複数の介在部132aのうちの前記一の介在部の下端部と、複数の介在部132aのうち一方向における他方側に前記一の介在部に隣接する介在部132aの下端部と、を互いに連結している。本実施形態では、下折返し部132cは、負極電極120の下方に配置されている。換言すれば、負極電極120は、下折返し部132c上に配置されている。
【0030】
最外被覆部132dは、各上折返し部132bおよび各下折返し部132cをまとめて被覆している。より詳細には、最外被覆部132dは、全ての電極110,120、全ての介在部132a、全ての上折返し部132bおよび全ての下折返し部132cを、幅方向と平行な中心軸まわりに巻回しながらまとめて被覆している。最外被覆部132dの終端132eは、一方向に正極活物質層114および負極活物質層124と重ならない範囲に設定されている。本実施形態では、最外被覆部132dの終端132eは、各電極110,120の下方に設けられている。なお、複数の電極110,120およびセパレータ130の周面と底面には、絶縁フィルム(不図示)が被覆されている。
【0031】
図1および図2に示すように、ケース200は、電極体100を収容する。ケース200には、図示略の電解液が収容されている。ケース200は、密封されている。ケース200は、たとえばアルミニウムまたはアルミニウム合金などの金属で構成されている。
【0032】
図4は、本開示の一実施形態におけるケースを一方から示す斜視図である。図5は、本開示の一実施形態におけるケースを他方から示す斜視図である。図6は、ケースを構成する各部材が溶接される前の状態を示す模式的な斜視図である。図1図2図4図6に示すように、ケース200は、底部210と、第1側面部221と、第2側面部222と、第1端面部231と、第2端面部232と、第3端面部233と、第4端面部234と、第1溶接部251と、第2溶接部252と、複数のリブ260と、蓋部270とを有している。なお、図4図6において蓋部270は図示していない。
【0033】
底部210は、平板状の外形を有している。底部210は、高さ方向Hに直交する平面方向に拡がっている。高さ方向Hから見て、底部210は略矩形状の外形を有している。底部210は、一対の長辺部211と、一対の短辺部212とを有している。一対の長辺部211の各々の長さは、一対の短辺部212の各々の長さより長い。
【0034】
本実施形態において、底部210は、第1底部分213と、第2底部分214と、底溶接部215とを有している。なお、底部210は、溶接部分を有さず一体的に成形されてもよい。
【0035】
第1底部分213と、第2底部分214とは、蓄電セル1の厚さ方向Tに並んでいる。第1底部分213は、一対の長辺部211の一方と、一対の短辺部212の各々の一部分とを含んでいる。第2底部分214は、一対の長辺部211の他方と、一対の短辺部の各々の他の部分とを含んでいる。
【0036】
底溶接部215は、第1底部分213と、第2底部分214とを接続している。底溶接部215は、第1底部分213の縁部と第2底部分214の縁部とを互いに溶接することにより形成されている(図6参照)。底溶接部215は、蓄電セル1の幅方向Wに沿って延びている。
【0037】
第1側面部221は、底部210から起立している。第1側面部221が起立する方向は、高さ方向Hである。具体的には、第1側面部221は、一対の長辺部211の一方から起立している。本実施形態において、第1側面部221と底部210とは、溶接されることなく一体的に成形されている。第1側面部221と底部210とは、溶接により互いに接続されてもよい。
【0038】
第2側面部222は、第1側面部221と対向しつつ底部210から起立している。このため、第2側面部222が起立する方向も、高さ方向Hである。具体的には、第2側面部222は、一対の長辺部211の他方から起立している。本実施形態において、第2側面部222と底部210とは、溶接されることなく一体的に成形されている。第2側面部222と底部210とは、溶接により互いに接続されてもよい。
【0039】
第1端面部231は、第1側面部221が第2側面部222を向く方向に沿って第1側面部221から延びている。この方向は、厚さ方向Tのうちの一方の方向である。
【0040】
本実施形態において、第1端面部231は、底部210から起立している。具体的には、第1端面部231は、一対の短辺部212の一方から起立している。第1端面部231は、第1底部分213から起立している。第1端面部231と第1底部分213とは、溶接されることなく一体的に成形されている。第1端面部231と第1底部分213とは、溶接により互いに接続されてもよい。
【0041】
第2端面部232は、第2側面部222が第1側面部221を向く方向に沿って第2側面部222から延びている。この方向は、厚さ方向Tのうちの他方の方向である。
【0042】
本実施形態において、第2端面部232は、底部210から起立している。具体的には、第2端面部232は、一対の短辺部212の一方から起立している。第2端面部232は、第2底部分214から起立している。第2端面部232と第2底部分214とは、溶接されることなく一体的に成形されている。第2端面部232と第2底部分214とは、溶接により互いに接続されてもよい。
【0043】
第3端面部233は、第1側面部221が第2側面部222を向く方向に沿って第1側面部221から延びている。この方向は、厚さ方向Tのうちの一方の方向である。第3端面部233は、幅方向Wにおいて第1端面部231と対向している。
【0044】
本実施形態において、第3端面部233は、底部210から起立している。具体的には、第3端面部233は、一対の短辺部212の他方から起立している。第3端面部233は、第1底部分213から起立している。第3端面部233と第1底部分213とは、溶接されることなく一体的に成形されている。第3端面部233と第1底部分213とは、溶接により互いに接続されてもよい。
【0045】
第4端面部234は、第2側面部222が第1側面部221を向く方向に沿って第2側面部222から延びている。この方向は、厚さ方向Tのうちの他方の方向である。第4端面部234は、幅方向Wにおいて第2端面部232と対向している。
【0046】
本実施形態において、第4端面部234は、底部210から起立している。具体的には、第4端面部234は、一対の短辺部212の他方から起立している。第4端面部234は、第2底部分214から起立している。第4端面部234と第2底部分214とは、溶接されることなく一体的に成形されている。第4端面部234と第2底部分214とは、溶接により互いに接続されてもよい。
【0047】
ケース200においては、第1側面部221および第1端面部231により、第1角部241が形成されている。第2側面部222および第2端面部232により、第2角部242が形成されている。第1側面部221および第3端面部233により、第3角部243が形成されている。第2側面部222および第4端面部234により、第4角部244が形成されている。これらの角部はいずれも、丸みを帯びている。
【0048】
第1溶接部251は、第1端面部231および第2端面部232を接続している。第1溶接部251は、第1端面部231の縁部と第2端面部232の縁部とを互いに溶接することにより形成されている(図6参照)。第1溶接部251は、高さ方向Hに延びている。第1溶接部251は、底溶接部215と連なっている。
【0049】
第2溶接部252は、第3端面部233および第4端面部234を接続している。第2溶接部252は、第3端面部233の縁部と第2第4端面部234の縁部とを互いに溶接することにより形成されている(図6参照)。第2溶接部252は、高さ方向Hに延びている。第2溶接部252は、底溶接部215と連なっている。
【0050】
複数のリブ260は、第1角部241、第2角部242、第3角部243、および、第4角部244にそれぞれ設けられている。複数のリブ260の各々は、高さ方向Hに延びている。複数のリブ260の各々は、内側リブ261を含む。複数の内側リブ261が、それぞれ、第1角部241、第2角部242、第3角部243、および、第4角部244からケース200の内側に突出している。複数のリブ260の各々は、外側リブ262を含む。複数の外側リブ262は、それぞれ、第1角部241、第2角部242、第3角部243、および、第4角部244からケース200の外側に突出している。
【0051】
リブ260は、その他の形状を有し得る。たとえば、リブ260は、底部210側に向かうにしたがって、厚み(リブ260の突出方向における長さ)が徐々に小さくなるように設けられてもよい。リブ260は、高さ方向Hに沿う軸方向を有する筒状の外形を有してもよい。
【0052】
ケース200は、複数の底側リブ265をさらに備えている。複数の底側リブ265は、それぞれ一対の長辺部211に設けられている。複数の底側リブ265の各々は、幅方向Wの両端の各々において、リブ260と接続されていてもよい。
【0053】
蓋部270は、開口端280を閉塞する(図1および図2参照)。ケース200において、開口端280は、底部210側とは反対側に位置している。開口端280は、第1側面部221、第2側面部222、第1端面部231、第2端面部232、第3端面部233および第4端面部234の各々の、端縁によって形成される。蓋部270は、溶接等によって開口部に接続されている。蓋部270は、平板状に形成されている。
【0054】
蓋部270は、複数のリブ260(内側リブ261)によって支持されている。具体的には、蓋部270は、後述の下絶縁部520を介して、複数のリブ260(内側リブ261)に支持されている。蓋部270は、複数のリブ260(内側リブ261)によって直接、支持されてもよい。
【0055】
蓋部270は、圧力解放弁272と、封止部材274と、を有している。圧力解放弁272は、蓋部270の中央部に形成されている。圧力解放弁272は、ケース200の内圧が所定圧以上となると破断するように形成されている。圧力解放弁272が破断することで、ケース200内のガスが当該圧力解放弁272を通じてケース200外に放出されるため、ケース200の内圧が低下する。
【0056】
封止部材274は、蓋部270に形成された注液口hを封止している。注液口hは、蓄電セル1の製造過程において、ケース200内に電解液を注入するための貫通孔である。注液口hは、当該注液口hを通じて、ケース200に電解液が注入された後、封止部材274によって封止される。
【0057】
一対の外部端子300は、ケース200に固定されている。一対の外部端子300の一方は、正極の外部端子であり、他方は、負極の外部端子である。各外部端子300は、後述の上絶縁部510を介して蓋部270の上面に固定されている。各外部端子300は、アルミニウム等の金属からなる。
【0058】
一対の連結部材400は、複数の電極タブ112p,122nと外部端子300とを連結している。一方の連結部材400は、複数の正極タブ112pと正極の外部端子300とを連結しており、他方の連結部材400は、複数の負極タブ122nと負極の外部端子300とを連結している。一対の連結部材400の各々は、実質的に互いに同じ構造を有しているため、以下では一方の連結部材400について説明する。
【0059】
連結部材400は、集電タブ410と、サブタブ420と、連結ピン430と、を有している。
【0060】
集電タブ410は、側方部412と、上方部414と、を有している。側方部412は、幅方向における電極体100の側方に位置している。上方部414は、電極体100の上方に位置している。上方部414は、側方部412の上端から幅方向における内側に向かって延びている。
【0061】
サブタブ420は、複数の正極タブ112pを集電タブ410に接続している。サブタブ420の一端部422は、溶接等によって複数の正極タブ112pに接続されており、サブタブ420の他端部424は、溶接等によって集電タブ410の側方部412に接続されている。
【0062】
連結ピン430は、集電タブ410と外部端子300とを連結している。連結ピン430は、上方部414と外部端子300とを連結している。具体的に、連結ピン430の下端部は、上方部414設けられた貫通孔に挿入された状態で上方部414に溶接等によって接続されており、連結ピン430の上端部は、外部端子300に設けられた貫通孔に挿入された状態で溶接やカシメ等によって外部端子300に接続されている。
【0063】
絶縁部材500は、ケース200と連結部材400との間を絶縁している。絶縁部材500は、上絶縁部510と、下絶縁部520と、絶縁筒530と、絶縁板540と、を有している。
【0064】
上絶縁部510は、蓋部270の上面に固定されている。上絶縁部510は、蓋部270と外部端子300との間に配置されている。上絶縁部510には、連結ピン430を挿通させる挿通孔が設けられている。
【0065】
下絶縁部520は、蓋部270の下面に固定されている。下絶縁部520は、蓋部270と、上方部414および連結ピン430の下部と、の間に配置されている。下絶縁部520には、連結ピン430を挿通させる挿通孔が設けられている。
【0066】
絶縁筒530は、連結ピン430と蓋部270との間に配置されている。絶縁筒530は、筒状に形成されており、連結ピン430を包囲している。
【0067】
絶縁板540は、上方部414の下面に固定されている。絶縁板540は、電極体100の上方に配置されている。絶縁板540のうち圧力解放弁272の下方に位置する部位、および、注液口hの下方に位置する部位には、貫通孔が設けられている。
【0068】
なお、一対の連結部材400のうちの一方の連結部材400(たとえば、正極タブ112pと電気的に接続されている連結部材400)と、ケース200との間を絶縁している絶縁部材500は、上絶縁部510を有していなくてもよい。この場合、外部端子300が、ケース200と直接接していてもよいし、外部端子300とケース200との間に、上絶縁部510に代えて他の導電部材が配置されてもよい。
【0069】
上述のように、本開示の一実施形態に係る蓄電セル1においては、リブ260が、第1側面部221および第1端面部231により形成される第1角部241に設けられている。
【0070】
上記の構成によれば、リブ260によって第1角部241の剛性が高くなる。これにより、溶接部を形成するために第1端面部231と第2端面部232とを溶接する際に、溶接される第1端面部231の変形によって第1側面部221が歪むことを抑制できる。したがって、端面の溶接によるケース200の歪みが抑制された蓄電セル1を提供できる。なお、ケース200が大型化する、または、ケース200が幅方向Wにさらに長くなると、第1溶接部251を形成する際の溶接歪みが大きくなるが、上記リブ260によってこの溶接歪みを効果的に抑制できる。
【0071】
本開示の一実施形態に係る蓄電セル1において、第1溶接部251は、第1側面部221が起立する方向である高さ方向Hに延びている。リブ260は、高さ方向Hに延びている。
【0072】
上記の構成によれば、リブ260によって第1角部241の剛性をより高くすることができ、第1端面部231と第2端面部232とを、高さ方向Hに沿って溶接する場合においても、溶接される第1端面部231の変形によって第1側面部221が歪むことを効果的に抑制できる。したがって、端面の溶接によるケース200の歪みがより抑制された蓄電セル1を提供できる。
【0073】
本開示の一実施形態に係る蓄電セル1において、リブ260は、第1角部241からケース200の内側に突出している。
【0074】
上記の構成によれば、ケース200が大きくなることを抑制しつつ、第1角部241の剛性を高くすることができる。
【0075】
本開示の一実施形態に係る蓄電セル1において、リブ260は、第1角部241からケース200の外側に突出している。
【0076】
上記の構成によれば、ケース200の収容空間が小さくなることを抑制しつつ、第1角部241の剛性を高くすることができる。
【0077】
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0078】
1 蓄電セル、100 電極体、110 正極電極、112 正極集電箔、112p 正極タブ、114 正極活物質層、120 負極電極、122 負極集電箔、122n 負極タブ、124 負極活物質層、130 セパレータ、132a 介在部、132b 上折返し部、132c 下折返し部、132d 最外被覆部、132e 終端、200 ケース、210 底部、211 長辺部、212 短辺部、213 第1底部分、214 第2底部分、215 底溶接部、221 第1側面部、222 第2側面部、231 第1端面部、232 第2端面部、233 第3端面部、234 第4端面部、241 第1角部、242 第2角部、243 第3角部、244 第4角部、250 溶接部、251 第1溶接部、252 第2溶接部、260 リブ、261 内側リブ、262 外側リブ、265 底側リブ、270 蓋部、272 圧力解放弁、274 封止部材、280 開口端、300 外部端子、400 連結部材、410 集電タブ、412 側方部、414 上方部、420 サブタブ、422 一端部、424 他端部、430 連結ピン、500 絶縁部材、510 上絶縁部、520 絶縁部、530 絶縁筒、540 絶縁板。
図1
図2
図3
図4
図5
図6