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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179096
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】円偏波アンテナ
(51)【国際特許分類】
   H01Q 21/24 20060101AFI20241219BHJP
   H01Q 7/00 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
H01Q21/24
H01Q7/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097640
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000166247
【氏名又は名称】古野電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 辰彦
【テーマコード(参考)】
5J021
【Fターム(参考)】
5J021AA02
5J021AA10
5J021AA12
5J021AB04
5J021CA03
5J021JA02
5J021JA06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】広帯域な円偏波アンテナを実現する。
【解決手段】円偏波アンテナは、ループエレメント、第1~第4線状エレメント111~114、第5~第8線状エレメント121~124及び第1~第4接続導体41~44を備える。ループエレメントは、放射電波の周波数帯域における第1周波数に対応する第1波長と略同じ長さである。第1~第4線状エレメント111~114は、それぞれが第1波長の略1/2の長さであり、ループエレメントを周方向に略4等分した位置にそれぞれの一方端が接続し、他方端が給電点PPである。第5~第8線状エレメント121~124は、それぞれが第1周波数よりも高周波数で周波数帯域内の第2周波数に対応する第2波長の略1/2の長さであり、第2波長の円を周方向に略4等分した位置にそれぞれの一方端が接続し、他方端が給電点PPである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射電波の周波数帯域における第1周波数に対応する第1波長と略同じ長さのループエレメントと、
それぞれが前記第1波長の略1/2の長さであり、前記ループエレメントを周方向に略4等分した位置にそれぞれの一方端が接続し、他方端が給電点である第1、第2、第3、第4線状エレメントと、
それぞれが前記第1周波数よりも高周波数で前記周波数帯域内の第2周波数に対応する第2波長の略1/2の長さであり、前記第2波長の円を周方向に略4等分した位置にそれぞれの一方端が接続し、他方端が前記給電点である第5、第6、第7、第8線状エレメントと、
前記ループエレメントの接線に直交する方向に隣り合う第1線状エレメントの一方端と第5線状エレメントの一方端とを接続する第1接続導体と、
前記ループエレメントの接線に直交する方向に隣り合う第2線状エレメントの一方端と第6線状エレメントの一方端とを接続する第2接続導体と、
前記ループエレメントの接線に直交する方向に隣り合う第3線状エレメントの一方端と第7線状エレメントの一方端とを接続する第3接続導体と、
前記ループエレメントの接線に直交する方向に隣り合う第4線状エレメントの一方端と第8線状エレメントの一方端とを接続する第4接続導体と、
を備えた、円偏波アンテナ。
【請求項2】
請求項1に記載の円偏波アンテナであって、
前記第1線状エレメント、前記第2線状エレメント、前記第3線状エレメント、および、前記第4線状エレメントは、前記給電点を基準にして前記ループエレメントと逆方向に延びる部分を有し、
前記延びる部分は、互いに離間する方向に凹む屈曲形状を有する、
円偏波アンテナ。
【請求項3】
請求項1に記載の円偏波アンテナであって、
前記第1、第2、第3、第4線状エレメントは、それぞれに複数の副線状エレメントを備え、
前記第1線状エレメントの複数の線状エレメントは、前記第1接続導体が前記ループエレメントに接続する接続点を挟んだ各位置にそれぞれ接続され、
前記第2線状エレメントの複数の線状エレメントは、前記第2接続導体が前記ループエレメントに接続する接続点を挟んだ各位置にそれぞれ接続され、
前記第3線状エレメントの複数の線状エレメントは、前記第3接続導体が前記ループエレメントに接続する接続点を挟んだ各位置にそれぞれ接続され、
前記第4線状エレメントの複数の線状エレメントは、前記第4接続導体が前記ループエレメントに接続する接続点を挟んだ各位置にそれぞれ接続される、
円偏波アンテナ。
【請求項4】
放射電波の周波数帯域における第1周波数に対応する第1波長と略同じ長さのループエレメントと、
それぞれが前記第1波長の略1/2の長さであり、前記ループエレメントを周方向に略4等分した位置にそれぞれの一方端が接続し、他方端が給電点である第1、第2、第3、第4線状エレメントと、
それぞれが前記第1周波数よりも高周波数で前記周波数帯域内の第2周波数に対応する第2波長の略1/2の長さであり、前記ループエレメントを周方向に略4等分した位置にそれぞれの一方端が接続し、他方端が前記給電点である第5、第6、第7、第8線状エレメントと、
を備え、
前記第1、第2、第3、第4線状エレメントは、それぞれに複数の副線状エレメントを備え、
第1線状エレメントの複数の線状エレメントは、第5線状エレメントが前記ループエレメントに接続する接続点を挟んだ各位置にそれぞれ接続され、
第2線状エレメントの複数の線状エレメントは、第6線状エレメントが前記ループエレメントに接続する接続点を挟んだ各位置にそれぞれ接続され、
第3線状エレメントの複数の線状エレメントは、第7線状エレメントが前記ループエレメントに接続する接続点を挟んだ各位置にそれぞれ接続され、
第4線状エレメントの複数の線状エレメントは、第8線状エレメントが前記ループエレメントに接続する接続点を挟んだ各位置にそれぞれ接続される、
円偏波アンテナ。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の円偏波アンテナであって、
前記ループエレメントを基準として前記第1、第2、第3、第4線状エレメントおよび前記第5、第6、第7、第8線状エレメントが延びる方向と反対側に配置された反射部材を備える、
円偏波アンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円偏波を送受波する円偏波アンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、円偏波アンテナが記載されている。特許文献1に記載の円偏波アンテナは、放射(送受波)する電波の略1波長の長さを有する1本のループエレメントと、4本の線状エレメントとを備える。4本の線状エレメントは、ループエレメントを略4等分した位置に、それぞれの一端が接続される。
【0003】
4本の線状エレメントは、ループエレメントが形成する面に直交する方向に延び、他方端付近は、ループエレメントを覆うようなドーム形状に形成される。そして、4本の線状エレメントの他方端には、90度位相差で給電が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開2000/69022号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に示すような従来の円偏波アンテナでは、更なる広帯域化が容易ではなかった。
【0006】
したがって、本発明の目的は、広帯域な円偏波アンテナを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の円偏波アンテナは、ループエレメント、第1、第2、第3、第4線状エレメント、第5、第6、第7、第8線状エレメント、および、第1、第2、第3、第4接続導体を備える。ループエレメントは、放射電波の周波数帯域における第1周波数に対応する第1波長と略同じ長さである。第1、第2、第3、第4線状エレメントは、それぞれが第1波長の略1/2の長さであり、ループエレメントを周方向に略4等分した位置にそれぞれの一方端が接続し、他方端が給電点である。第5、第6、第7、第8線状エレメントは、それぞれが第1周波数よりも高周波数で周波数帯域内の第2周波数に対応する第2波長の略1/2の長さであり、第2波長の円を周方向に略4等分した位置にそれぞれの一方端が接続し、他方端が給電点である。第1接続導体は、ループエレメントの接線に直交する方向に隣り合う第1線状エレメントの一方端と第5線状エレメントの一方端とを接続する。第2接続導体は、ループエレメントの接線に直交する方向に隣り合う第2線状エレメントの一方端と第6線状エレメントの一方端とを接続する。第3接続導体は、ループエレメントの接線に直交する方向に隣り合う第3線状エレメントの一方端と第7線状エレメントの一方端とを接続する。第4接続導体は、ループエレメントの接線に直交する方向に隣り合う第4線状エレメントの一方端と第8線状エレメントの一方端とを接続する。
【0008】
この構成では、ループエレメントおよび第1、第2、第3、第4線状エレメントが、第1周波数の電波に対する第1アンテナとして機能し、第5、第6、第7、第8線状エレメントが、第2周波数の電波に対する第2アンテナとして機能する。そして、上述の構成によって、第1アンテナと第2アンテナとがスタガー同調方式のように結合することで、第1周波数と第2周波数とを含む周波数帯域の電波を放射可能になる。
【0009】
さらに、第2アンテナがループエレメントを備えない構成であることによって、放射特性に対する第2アンテナの影響を抑制でき、これにより、第1周波数と第2周波数との間の周波数帯のSWRをより平坦化でき、広帯域化が実現される。
【0010】
この発明の円偏波アンテナでは、第1線状エレメント、第2線状エレメント、第3線状エレメント、および、第4線状エレメントは、給電点を基準にしてループエレメントと逆方向に延びる部分を有する。延びる部分は、互いに離間する方向に凹む屈曲形状を有する。これにより、広帯域化には不所望な結合が抑制され、更なる広帯域化が実現される。
【0011】
この発明の円偏波アンテナでは、第1、第2、第3、第4線状エレメントは、それぞれに複数の副線状エレメントを備える。第1線状エレメントの複数の線状エレメントは、第1接続導体がループエレメントに接続する接続点を挟んだ各位置にそれぞれ接続される。第2線状エレメントの複数の線状エレメントは、第2接続導体がループエレメントに接続する接続点を挟んだ各位置にそれぞれ接続される。第3線状エレメントの複数の線状エレメントは、第3接続導体がループエレメントに接続する接続点を挟んだ各位置にそれぞれ接続される。第4線状エレメントの複数の線状エレメントは、第4接続導体がループエレメントに接続する接続点を挟んだ各位置にそれぞれ接続される。
【0012】
この構成では、第1、第2、第3、第4線状エレメントをそれぞれに複数の副線状エレメントで構成することで、帯域の調整がさらに可能になり、広帯域が実現される。
【0013】
この発明の円偏波アンテナは、ループエレメント、第1、第2、第3、第4線状エレメント、および、第5、第6、第7、第8線状エレメントを備える。ループエレメントは、放射電波の周波数帯域における第1周波数に対応する第1波長と略同じ長さである。第1、第2、第3、第4線状エレメントは、それぞれが第1波長の略1/2の長さであり、ループエレメントを周方向に略4等分した位置にそれぞれの一方端が接続し、他方端が給電点である。第5、第6、第7、第8線状エレメントは、それぞれが第1周波数よりも高周波数で周波数帯域内の第2周波数に対応する第2波長の略1/2の長さであり、ループエレメントを周方向に略4等分した位置にそれぞれの一方端が接続し、他方端が給電点である。
【0014】
第1、第2、第3、第4線状エレメントは、それぞれに複数の副線状エレメントを備える。第1線状エレメントの複数の線状エレメントは、第5線状エレメントがループエレメントに接続する接続点を挟んだ各位置にそれぞれ接続される。第2線状エレメントの複数の線状エレメントは、第6線状エレメントがループエレメントに接続する接続点を挟んだ各位置にそれぞれ接続される。第3線状エレメントの複数の線状エレメントは、第7線状エレメントがループエレメントに接続する接続点を挟んだ各位置にそれぞれ接続される。第4線状エレメントの複数の線状エレメントは、第8線状エレメントがループエレメントに接続する接続点を挟んだ各位置にそれぞれ接続される。
【0015】
この構成では、ループエレメントおよび第1、第2、第3、第4線状エレメントが、第1周波数の電波に対する第1アンテナとして機能し、第5、第6、第7、第8線状エレメントが、第2周波数の電波に対する第2アンテナとして機能する。そして、上述の構成によって、第1アンテナと第2アンテナとがスタガー同調方式のように結合することで、第1周波数と第2周波数とを含む周波数帯域の電波を放射可能になる。
【0016】
さらに、第2アンテナがループエレメントを備えない構成であることによって、放射特性に対する第2アンテナの影響を抑制でき、これにより、第1周波数と第2周波数との間の周波数帯のSWRをより平坦化でき、広帯域化が実現される。
【0017】
この発明の円偏波アンテナは、ループエレメントを基準として第1、第2、第3、第4線状エレメントおよび第5、第6、第7、第8線状エレメントが延びる方向と反対側に配置された反射部材を備える。
【0018】
この構成では、より高感度な円偏波アンテナを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、第1の実施形態に係る円偏波アンテナの斜視図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る円偏波アンテナの三面図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る円偏波アンテナと比較例の円偏波アンテナのSWRをシミュレーションした結果である。
図4図4は、第2の実施形態に係る円偏波アンテナの斜視図である。
図5図5は、第2の実施形態に係る円偏波アンテナのSWRをシミュレーションした結果である。
図6図6は、第3の実施形態に係る円偏波アンテナの斜視図である。
図7図7(A)、図7(B)は、第3の実施形態に係る円偏波アンテナの一部を示す斜視図である。
図8図8は、第3の実施形態に係る円偏波アンテナのSWRをシミュレーションした結果である。
図9図9は、第4の実施形態に係る円偏波アンテナの斜視図である。
図10図10(A)、図10(B)は、第4の実施形態に係る円偏波アンテナの一部を示す斜視図である。
図11図11は、第4の実施形態に係る円偏波アンテナのSWRをシミュレーションした結果である。
図12図12は、第5の実施形態に係る円偏波アンテナの斜視図である。
図13図13は、第6の実施形態に係る円偏波アンテナの斜視図である。
図14図14は、第6の実施形態に係る円偏波アンテナの三面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る円偏波アンテナについて、図を参照して説明する。図1は、第1の実施形態に係る円偏波アンテナの斜視図である。図2は、第1の実施形態に係る円偏波アンテナの三面図である。図2は、上面図、第1側面図、第2側面図である。なお、本発明の各実施形態での上面、側面等は、説明の便宜上用いるものであり、利用時の方向を限定するものではない。また、以下では、放射(送波)の場合を例に説明するが、円偏波アンテナ1は、送波するだけでなく、受波もできる。
【0021】
図1図2に示すように、円偏波アンテナ1は、複数の線状エレメント111-114(線状エレメント111、線状エレメント112、線状エレメント113、線状エレメント114)、複数の線状エレメント121-124(線状エレメント121、線状エレメント122、線状エレメント123、線状エレメント124)、ループエレメント12、複数の給電導体31-34(給電導体31、給電導体32、給電導体33、給電導体34)、および、複数の接続導体41-44(接続導体41、接続導体42、接続導体43、接続導体44)を備える。
【0022】
複数の線状エレメント111-114が、それぞれ第1、第2、第3、第4線状エレメントに対応する。複数の線状エレメント121-124が、それぞれ第5、第6、第7、第8線状エレメントに対応する。複数の接続導体41-44が、それぞれ第1、第2、第3、第4接続導体に対応する。
【0023】
ループエレメント12は、円環状の線状導体である。ループエレメント12の長さは、円偏波アンテナ1が放射する電波(放射電波)の周波数帯域における第1周波数に対応する第1波長と略同じ長さである。ここでの第1波長と略同じ長さとは、第1波長と同じ長さを含み、円偏波アンテナ1の放射特性において誤差範囲内を含む長さである。なお、ループエレメント12は、円環状に限らず、正多角形(例えば、正八角形以上)の環状であってもよい。
【0024】
複数の線状エレメント111-114は、それぞれに線状導体である。複数の線状エレメント111-114は、それぞれに第1波長の略1/2の長さである。ここでの第1波長の略1/2の長さとは、第1波長の1/2を含み、円偏波アンテナ1の放射特性において誤差範囲内を含む長さである。
【0025】
複数の線状エレメント111-114の一方端は、ループエレメント12を周方向に略4等分した位置に接続する。具体的には、線状エレメント112の一方端とループエレメント12との接続点132は、線状エレメント111の一方端とループエレメント12との接続点131からループエレメント12の周方向の略1/4の位置にある。線状エレメント113の一方端とループエレメント12との接続点133は、線状エレメント112の一方端とループエレメント12との接続点132からループエレメント12の周方向の略1/4の位置にある。線状エレメント114の一方端とループエレメント12との接続点134は、線状エレメント113の一方端とループエレメント12との接続点133からループエレメント12の周方向の略1/4の位置にある。線状エレメント111の一方端とループエレメント12との接続点131は、線状エレメント114の一方端とループエレメント12との接続点134からループエレメント12の周方向の略1/4の位置にある。
【0026】
複数の線状エレメント111-114は、ループエレメント12が形成される平面(図1図2のXY平面)に対して直交する方向に延びる。複数の線状エレメント111-114は、ループエレメント12が形成される面に対して同じ側に延びる。
【0027】
複数の線状エレメント111-114の他方端側の一部は、ループエレメント12が形成される平面(図1図2のXY平面)に対して直交する方向(Z軸方向)に見て、ループエレメント12の中心Oaに向かうように湾曲する。この湾曲によって、複数の線状エレメント111-114の他方端の部分は、互いに近接する。
【0028】
線状エレメント111の他方端は、給電導体31を通じて給電点PP(PP1)に接続する。なお、給電導体31は線状エレメント111の一部としても機能する。
【0029】
線状エレメント112の他方端は、給電導体32を通じて給電点PP(PP2)に接続する。なお、給電導体32は線状エレメント112の一部としても機能する。
【0030】
線状エレメント113の他方端は、給電導体33を通じて給電点PP(PP3)に接続する。なお、給電導体33は線状エレメント113の一部としても機能する。
【0031】
線状エレメント114の他方端は、給電導体34を通じて給電点PP(PP4)に接続する。なお、給電導体34は線状エレメント114の一部としても機能する。
【0032】
複数の線状エレメント121-124は、それぞれに線状導体である。複数の線状エレメント121-124は、それぞれに第2波長の略1/2の長さである。第2波長とは、円偏波アンテナ1が放射する周波数帯域内における第1周波数よりも高周波数となる第2周波数に対応する波長である。また、ここでの第2波長の略1/2の長さとは、第2波長の1/2を含み、円偏波アンテナ1の放射特性において誤差範囲内を含む長さである。
【0033】
複数の線状エレメント121-124の一方端は、仮想円22Xを周方向に略4等分した位置に配置される。図1の二点鎖線に示すように、仮想円22Xは、ループエレメント12よりも内側に配置され、第2波長の長さを有する円である。
【0034】
具体的には、線状エレメント122の一方端の仮想円22Xへの配置位置は、線状エレメント121の一方端の仮想円22Xへの配置位置から仮想円22Xの周方向の略1/4の位置にある。線状エレメント123の一方端の仮想円22Xへの配置位置は、線状エレメント122の一方端の仮想円22Xへの配置位置から仮想円22Xの周方向の略1/4の位置にある。線状エレメント124の一方端の仮想円22Xへの配置位置は、線状エレメント123の一方端の仮想円22Xへの配置位置から仮想円22Xの周方向の略1/4の位置にある。線状エレメント121の一方端の仮想円22Xへの配置位置は、線状エレメント124の一方端の仮想円22Xへの配置位置から仮想円22Xの周方向の略1/4の位置にある。
【0035】
線状エレメント121の一方端の仮想円22Xへの配置位置は、線状エレメント111の一方端のループエレメント12への接続点131を基準にして、接続点131でのループエレメント12の接線に対して直交する方向で、ループエレメント12の内側の位置にある。
【0036】
線状エレメント122の一方端の仮想円22Xへの配置位置は、線状エレメント112の一方端のループエレメント12への接続点132を基準にして、接続点132でのループエレメント12の接線に対して直交する方向で、ループエレメント12の内側の位置にある。
【0037】
線状エレメント123の一方端の仮想円22Xへの配置位置は、線状エレメント113の一方端のループエレメント12への接続点133を基準にして、接続点133でのループエレメント12の接線に対して直交する方向で、ループエレメント12の内側の位置にある。
【0038】
線状エレメント124の一方端の仮想円22Xへの配置位置は、線状エレメント114の一方端のループエレメント12への接続点134を基準にして、接続点134でのループエレメント12の接線に対して直交する方向で、ループエレメント12の内側の位置にある。
【0039】
複数の線状エレメント121-124は、ループエレメント12が形成される平面(図1図2のXY平面)に対して直交する方向に延びる。複数の線状エレメント121-124は、ループエレメント12が形成される面に対して同じ側、さらに具体的には、複数の線状エレメント111-114と同じ側に延びる。
【0040】
複数の線状エレメント121-124の他方端側の部分は、ループエレメント12が形成される平面(図1図2のXY平面)に対して直交する方向(Z軸方向)に見て、ループエレメント12の中心に向かうように湾曲する。この湾曲によって、複数の線状エレメント121-124の他方端の部分は、互いに近接する。
【0041】
線状エレメント121の他方端は、給電導体31を通じて給電点PP(PP1)に接続する。なお、給電導体31は線状エレメント121の一部としても機能する。
【0042】
線状エレメント122の他方端は、給電導体32を通じて給電点PP(PP2)に接続する。なお、給電導体32は線状エレメント122の一部としても機能する。
【0043】
線状エレメント123の他方端は、給電導体33を通じて給電点PP(PP3)に接続する。なお、給電導体33は線状エレメント123の一部としても機能する。
【0044】
線状エレメント124の他方端は、給電導体34を通じて給電点PP(PP4)に接続する。なお、給電導体34は線状エレメント124の一部としても機能する。
【0045】
このような形状において、線状エレメント111と線状エレメント121とは、近接して略並走する。線状エレメント112と線状エレメント122とは、近接して略並走する。線状エレメント113と線状エレメント123とは、近接して略並走する。線状エレメント114と線状エレメント124とは、近接して略並走する。
【0046】
接続導体41は、線状エレメント111の一方端と線状エレメント121の一方端とを直線的に接続する。接続導体42は、線状エレメント112の一方端と線状エレメント122の一方端とを直線的に接続する。接続導体43は、線状エレメント113の一方端と線状エレメント123の一方端とを直線的に接続する。接続導体44は、線状エレメント114の一方端と線状エレメント124の一方端とを直線的に接続する。
【0047】
このような構成において、給電点PP1、給電点PP2、給電点PP3、給電点PP4には、順に90度位相差の電力が給電される。これにより、複数の線状エレメント111-114とループエレメント12によって、第1周波数の電波を主とする第1円偏波アンテナが形成される。複数の線状エレメント121-124によって、第2周波数の電波を取得する第2円偏波アンテナが形成される。
【0048】
さらに、同じ位相の電力が給電されるエレメントが近接して略並走しているので、第1円偏波アンテナと第2円偏波アンテナとがスタガー同調方式のように結合する。これにより、第1高周波と第2高周波とを含む周波数帯域の電波を放射可能になる。
【0049】
さらに、円偏波アンテナ1では、第2アンテナがループエレメントを備えない。具体的に、仮想円22Xの位置にループエレメントが存在しない。このため、放射特性に対する第2アンテナの影響を抑制できる。これにより、第1周波数と第2周波数との間の周波数帯のSWRをより平坦化でき、広帯域化が実現される。
【0050】
さらに、複数の接続導体41-44によって第1円偏波アンテナと第2円偏波アンテナが接続されている。これにより、第1円偏波アンテナと第2円偏波アンテナの結合度を調整でき、さらに広帯域化が実現される。
【0051】
図3は、第1の実施形態に係る円偏波アンテナと比較例の円偏波アンテナのSWRをシミュレーションした結果である。なお、比較例は、仮想円22Xにループエレメントを配置し、複数の接続導体41-44を備えていない構成の円偏波アンテナである。
【0052】
図3に示すように、円偏波アンテナ1は、比較例の円偏波アンテナに対して、SWRが2.0未満の周波数帯域が広く、1.5未満の周波数帯域も広い。このように、円偏波アンテナ1は、広帯域な放射特性を実現できる。
【0053】
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係る円偏波アンテナについて、図を参照して説明する。図4は、第2の実施形態に係る円偏波アンテナの斜視図である。
【0054】
図4に示すように、第2の実施形態に係る円偏波アンテナ1Aは、第1の実施形態に係る円偏波アンテナ1に対して、複数の線状エレメント111A-114Aを備える点で異なる。円偏波アンテナ1Aの他の構成は、円偏波アンテナ1と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0055】
円偏波アンテナ1Aは、線状エレメント111A、線状エレメント112A、線状エレメント113A、および、線状エレメント114Aを備える。
【0056】
線状エレメント111Aは、他方端(給電点PP1側の端)の近傍に、給電点PP1を基準にしてループエレメント12と逆方向に延びる部分を有する。線状エレメント111Aは、ループエレメント12と逆方向に延びる部分において屈曲形状BT1を有する。
【0057】
線状エレメント112Aは、他方端(給電点PP2側の端)の近傍に、給電点PP2を基準にしてループエレメント12と逆方向に延びる部分を有する。線状エレメント112Aは、ループエレメント12と逆方向に延びる部分において屈曲形状BT2を有する。
【0058】
線状エレメント113Aは、他方端(給電点PP3側の端)の近傍に、給電点PP3を基準にしてループエレメント12と逆方向に延びる部分を有する。線状エレメント113Aは、ループエレメント12と逆方向に延びる部分において屈曲形状BT3を有する。
【0059】
線状エレメント114Aは、他方端(給電点PP4側の端)の近傍に、給電点PP4を基準にしてループエレメント12と逆方向に延びる部分を有する。線状エレメント114Aは、ループエレメント12と逆方向に延びる部分において屈曲形状BT4を有する。
【0060】
屈曲形状BT1、屈曲形状BT2、屈曲形状BT3、および、屈曲形状BT4は、それぞれに給電点に接続する側の端部を基準にして、給電点から遠ざかる方向に凹む形状である。すなわち、屈曲形状BT1、屈曲形状BT2、屈曲形状BT3、および、屈曲形状BT4は、互いに遠ざかる方向に凹む形状である。
【0061】
このような構成によって、円偏波アンテナ1Aは、スタガー同調方式の結合を維持しながら、さらに低周波数側の特性を向上するように放射特性とSWR特性を調整できる。
【0062】
図5は、第2の実施形態に係る円偏波アンテナのSWRをシミュレーションした結果である。図5に示すように、円偏波アンテナ1Aは、第1の実施形態の円偏波アンテナ1(図3参照)に対して、SWRが2.0未満の周波数帯域および1.5未満の周波数帯域が、より低周波数側に広くなる特性を実現できる。
【0063】
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態に係る円偏波アンテナについて、図を参照して説明する。図6は、第3の実施形態に係る円偏波アンテナの斜視図である。図7(A)、図7(B)は、第3の実施形態に係る円偏波アンテナの一部を示す斜視図である。
【0064】
図6図7(A)、図7(B)に示すように、第3の実施形態に係る円偏波アンテナ1Bは、第1の実施形態に係る円偏波アンテナ1に対して、複数の線状エレメント111B-114Bを備える点で異なる。円偏波アンテナ1Bの他の構成は、円偏波アンテナ1と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0065】
円偏波アンテナ1Bは、線状エレメント111B、線状エレメント112B、線状エレメント113B、および、線状エレメント114Bを備える。
【0066】
線状エレメント111Bは、副線状エレメント1111および副線状エレメント1112を備える。副線状エレメント1111および副線状エレメント1112は、上述の実施形態の線状エレメント111と略同じ形状である。
【0067】
副線状エレメント1111の一方端と副線状エレメント1112の一方端は、ループエレメント12の接続点131の近傍に接続する。副線状エレメント1111の一方端の接続点と副線状エレメント1112の一方端の接続点とは、ループエレメント12の周方向に接続点131を挟んで配置される。副線状エレメント1111の一方端の接続点と接続点131との距離と、副線状エレメント1112の一方端の接続点と接続点131との距離とは、略同じである。
【0068】
副線状エレメント1111の他方端と副線状エレメント1112の他方端とは接続し、給電導体31に接続する。
【0069】
副線状エレメント1121の一方端と副線状エレメント1122の一方端は、ループエレメント12の接続点132の近傍に接続する。副線状エレメント1121の一方端の接続点と副線状エレメント1122の一方端の接続点とは、ループエレメント12の周方向に接続点132を挟んで配置される。副線状エレメント1121の一方端の接続点と接続点132との距離と、副線状エレメント1122の一方端の接続点と接続点132との距離とは、略同じである。
【0070】
副線状エレメント1121の他方端と副線状エレメント1122の他方端とは接続し、給電導体32に接続する。
【0071】
副線状エレメント1131の一方端と副線状エレメント1132の一方端は、ループエレメント12の接続点133の近傍に接続する。副線状エレメント1131の一方端の接続点と副線状エレメント1132の一方端の接続点とは、ループエレメント12の周方向に接続点133を挟んで配置される。副線状エレメント1131の一方端の接続点と接続点133との距離と、副線状エレメント1132の一方端の接続点と接続点133との距離とは、略同じである。
【0072】
副線状エレメント1131の他方端と副線状エレメント1132の他方端とは接続し、給電導体33に接続する。
【0073】
副線状エレメント1141の一方端と副線状エレメント1142の一方端は、ループエレメント12の接続点134の近傍に接続する。副線状エレメント1141の一方端の接続点と副線状エレメント1142の一方端の接続点とは、ループエレメント12の周方向に接続点134を挟んで配置される。副線状エレメント1141の一方端の接続点と接続点134との距離と、副線状エレメント1142の一方端の接続点と接続点134との距離とは、略同じである。
【0074】
副線状エレメント1141の他方端と副線状エレメント1142の他方端とは接続し、給電導体34に接続する。
【0075】
このような構成によって、円偏波アンテナ1Bは、スタガー同調方式の結合を維持しながら、さらに低周波数側の特性を向上し、特性の平坦化を実現するように放射特性とSWR特性を調整できる。
【0076】
図8は、第3の実施形態に係る円偏波アンテナのSWRをシミュレーションした結果である。図8に示すように、円偏波アンテナ1Bは、第1の実施形態の円偏波アンテナ1(図3参照)に対して、SWRが2.0未満の周波数帯域および1.5未満の周波数帯域が、より低周波数側に広くなり、さらに、SWRが2.0未満で略同じになる帯域がさらに広くなる特性を実現できる。
【0077】
[第4の実施形態]
本発明の第4の実施形態に係る円偏波アンテナについて、図を参照して説明する。図9は、第4の実施形態に係る円偏波アンテナの斜視図である。図10(A)、図10(B)は、第4の実施形態に係る円偏波アンテナの一部を示す斜視図である。
【0078】
図9図10(A)、図10(B)に示すように、第4の実施形態に係る円偏波アンテナ1Cは、第3の実施形態に係る円偏波アンテナ1Bに対して、複数の線状エレメント111C-114Cを備える点で異なる。円偏波アンテナ1Cの他の構成は、円偏波アンテナ1Bと同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0079】
円偏波アンテナ1Cは、線状エレメント111C、線状エレメント112C、線状エレメント113C、および、線状エレメント114Cを備える。円偏波アンテナ1Cは、円偏波アンテナ1Bに備えられた複数の線状エレメント121-124、および、複数の接続導体41-44を備えない。
【0080】
線状エレメント111Cは、副線状エレメント1110、副線状エレメント1111および副線状エレメント1112を備える。副線状エレメント1111および副線状エレメント1112は、上述の実施形態の線状エレメント111と略同じ形状である。副線状エレメント1110は、副線状エレメント1111および副線状エレメント1112よりも短く、第2波長の略1/2の長さである。
【0081】
副線状エレメント1110の一方端、副線状エレメント1111の一方端、および、副線状エレメント1112の一方端は、ループエレメント12に接続する。
【0082】
副線状エレメント1111の一方端とループエレメント12との接続点と、副線状エレメント1112の一方端とループエレメント12との接続点とは、ループエレメント12の周方向において、副線状エレメント1110の一方端とループエレメント12との接続点を挟んで配置される。
【0083】
副線状エレメント1110の他方端、副線状エレメント1111の他方端および副線状エレメント1112の他方端は接続し、給電導体31に接続する。
【0084】
線状エレメント112Cは、副線状エレメント1120、副線状エレメント1121および副線状エレメント1122を備える。副線状エレメント1121および副線状エレメント1122は、上述の実施形態の線状エレメント112と略同じ形状である。副線状エレメント1120は、副線状エレメント1121および副線状エレメント1122よりも短く、第2波長の略1/2の長さである。
【0085】
副線状エレメント1120の一方端、副線状エレメント1121の一方端、および、副線状エレメント1122の一方端は、ループエレメント12に接続する。
【0086】
副線状エレメント1121の一方端とループエレメント12との接続点と、副線状エレメント1122の一方端とループエレメント12との接続点とは、ループエレメント12の周方向において、副線状エレメント1120の一方端とループエレメント12との接続点を挟んで配置される。
【0087】
副線状エレメント1120の他方端、副線状エレメント1121の他方端および副線状エレメント1122の他方端は接続し、給電導体32に接続する。
【0088】
線状エレメント113Cは、副線状エレメント1130、副線状エレメント1131および副線状エレメント1132を備える。副線状エレメント1131および副線状エレメント1132は、上述の実施形態の線状エレメント113と略同じ形状である。副線状エレメント1130は、副線状エレメント1131および副線状エレメント1132よりも短く、第2波長の略1/2の長さである。
【0089】
副線状エレメント1130の一方端、副線状エレメント1131の一方端、および、副線状エレメント1132の一方端は、ループエレメント12に接続する。
【0090】
副線状エレメント1131の一方端とループエレメント12との接続点と、副線状エレメント1132の一方端とループエレメント12との接続点とは、ループエレメント12の周方向において、副線状エレメント1130の一方端とループエレメント12との接続点を挟んで配置される。
【0091】
副線状エレメント1130の他方端、副線状エレメント1131の他方端および副線状エレメント1132の他方端は接続し、給電導体33に接続する。
【0092】
線状エレメント114Cは、副線状エレメント1140、副線状エレメント1141および副線状エレメント1142を備える。副線状エレメント1141および副線状エレメント1142は、上述の実施形態の線状エレメント114と略同じ形状である。副線状エレメント1140は、副線状エレメント1141および副線状エレメント1142よりも短く、第2波長の略1/2の長さである。
【0093】
副線状エレメント1140の一方端、副線状エレメント1141の一方端、および、副線状エレメント1142の一方端は、ループエレメント12に接続する。
【0094】
副線状エレメント1141の一方端とループエレメント12との接続点と、副線状エレメント1142の一方端とループエレメント12との接続点とは、ループエレメント12の周方向において、副線状エレメント1140の一方端とループエレメント12との接続点を挟んで配置される。
【0095】
副線状エレメント1140の他方端、副線状エレメント1141の他方端および副線状エレメント1142の他方端は接続し、給電導体34に接続する。
【0096】
このような構成によって、円偏波アンテナ1Bは、円偏波アンテナ1Cと同様に、スタガー同調方式の結合を維持し、広帯域化を実現できる。
【0097】
図11は、第4の実施形態に係る円偏波アンテナのSWRをシミュレーションした結果である。図11に示すように、円偏波アンテナ1Cは、SWRが2.0未満の周波数帯域および1.5未満の周波数帯域が広くなる。
【0098】
[第5の実施形態]
本発明の第5の実施形態に係る円偏波アンテナについて、図を参照して説明する。図12は、第5の実施形態に係る円偏波アンテナの斜視図である。
【0099】
図12に示すように、第5の実施形態に係る円偏波アンテナ1Dは、第1の実施形態に係る円偏波アンテナ1に対して、反射部材50を備える点で異なる。円偏波アンテナ1Dの他の構成は、円偏波アンテナ1と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0100】
円偏波アンテナ1Dは、反射部材50を備える。反射部材50は、放物曲面をした反射器である。反射部材50は、ループエレメント12を基準にして、複数の線状エレメント111-114、121-124と反対側に配置される。
【0101】
このような構成によって、円偏波アンテナ1Dは、円偏波アンテナ1よりも高感度なアンテナを実現できる。なお、この反射部材50の構成は、上述の円偏波アンテナ1A、1B、1Cにも適用できる。
【0102】
[第6の実施形態]
本発明の第6の実施形態に係る円偏波アンテナについて、図を参照して説明する。図13は、第6の実施形態に係る円偏波アンテナの斜視図である。図14は、第6の実施形態に係る円偏波アンテナの三面図である。
【0103】
図13図14に示すように、第6の実施形態に係る円偏波アンテナ1Eは、第1の実施形態に係る円偏波アンテナ1で用いた複数の線状エレメントに代えて、複数の導体板を用いる点で異なる。円偏波アンテナ1Eの他の構成は、円偏波アンテナ1と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0104】
円偏波アンテナ1Eは、導体板61、導体板62、導体板63、および導体板64を備える。複数の導体板61、62、63、64は、平板の導体である。
【0105】
導体板61の外形形状は、第1の実施形態に係る線状エレメント111、線状エレメント121、および接続導体41によって形作る形状と同様である。
【0106】
導体板62の外形形状は、第1の実施形態に係る線状エレメント112、線状エレメント122、および接続導体42によって形作る形状と同様である。
【0107】
導体板63の外形形状は、第1の実施形態に係る線状エレメント113、線状エレメント123、および接続導体43によって形作る形状と同様である。
【0108】
導体板64の外形形状は、第1の実施形態に係る線状エレメント114、線状エレメント124、および接続導体44によって形作る形状と同様である。
【0109】
このような構成によって、円偏波アンテナ1Eは、円偏波アンテナ1と類似の特性を実現できる。
【0110】
なお、円偏波アンテナ1Eのような導体板を用いる構成は、第2の実施形態の円偏波アンテナ1A、第5の実施形態に係る円偏波アンテナ1Dにも適用できる。
【0111】
<1> 放射電波の周波数帯域における第1周波数に対応する第1波長と略同じ長さのループエレメントと、
それぞれが前記第1波長の略1/2の長さであり、前記ループエレメントを周方向に略4等分した位置にそれぞれの一方端が接続し、他方端が給電点である第1、第2、第3、第4線状エレメントと、
それぞれが前記第1周波数よりも高周波数で前記周波数帯域内の第2周波数に対応する第2波長の略1/2の長さであり、前記第2波長の円を周方向に略4等分した位置にそれぞれの一方端が接続し、他方端が前記給電点である第5、第6、第7、第8線状エレメントと、
前記ループエレメントの接線に直交する方向に隣り合う第1線状エレメントの一方端と第5線状エレメントの一方端とを接続する第1接続導体と、
前記ループエレメントの接線に直交する方向に隣り合う第2線状エレメントの一方端と第6線状エレメントの一方端とを接続する第2接続導体と、
前記ループエレメントの接線に直交する方向に隣り合う第3線状エレメントの一方端と第7線状エレメントの一方端とを接続する第3接続導体と、
前記ループエレメントの接線に直交する方向に隣り合う第4線状エレメントの一方端と第8線状エレメントの一方端とを接続する第4接続導体と、を備えた、円偏波アンテナ。
【0112】
<2><1>の円偏波アンテナであって、
前記第1線状エレメント、前記第2線状エレメント、前記第3線状エレメント、および、前記第4線状エレメントは、前記給電点を基準にして前記ループエレメントと逆方向に延びる部分を有し、
前記延びる部分は、互いに離間する方向に凹む屈曲形状を有する、円偏波アンテナ。
【0113】
<3> <1>または<2>の円偏波アンテナであって、
前記第1、第2、第3、第4線状エレメントは、それぞれに複数の副線状エレメントを備え、
前記第1線状エレメントの複数の線状エレメントは、前記第1接続導体が前記ループエレメントに接続する接続点を挟んだ各位置にそれぞれ接続され、
前記第2線状エレメントの複数の線状エレメントは、前記第2接続導体が前記ループエレメントに接続する接続点を挟んだ各位置にそれぞれ接続され、
前記第3線状エレメントの複数の線状エレメントは、前記第3接続導体が前記ループエレメントに接続する接続点を挟んだ各位置にそれぞれ接続され、
前記第4線状エレメントの複数の線状エレメントは、前記第4接続導体が前記ループエレメントに接続する接続点を挟んだ各位置にそれぞれ接続される、円偏波アンテナ。
【0114】
<4> 放射電波の周波数帯域における第1周波数に対応する第1波長と略同じ長さのループエレメントと、
それぞれが前記第1波長の略1/2の長さであり、前記ループエレメントを周方向に略4等分した位置にそれぞれの一方端が接続し、他方端が給電点である第1、第2、第3、第4線状エレメントと、
それぞれが前記第1周波数よりも高周波数で前記周波数帯域内の第2周波数に対応する第2波長の略1/2の長さであり、前記ループエレメントを周方向に略4等分した位置にそれぞれの一方端が接続し、他方端が前記給電点である第5、第6、第7、第8線状エレメントと、
を備え、
前記第1、第2、第3、第4線状エレメントは、それぞれに複数の副線状エレメントを備え、
第1線状エレメントの複数の線状エレメントは、第5線状エレメントが前記ループエレメントに接続する接続点を挟んだ各位置にそれぞれ接続され、
第2線状エレメントの複数の線状エレメントは、第6線状エレメントが前記ループエレメントに接続する接続点を挟んだ各位置にそれぞれ接続され、
第3線状エレメントの複数の線状エレメントは、第7線状エレメントが前記ループエレメントに接続する接続点を挟んだ各位置にそれぞれ接続され、
第4線状エレメントの複数の線状エレメントは、第8線状エレメントが前記ループエレメントに接続する接続点を挟んだ各位置にそれぞれ接続される、円偏波アンテナ。
【0115】
<5> <1>乃至<4>のいずれかの円偏波アンテナであって、
前記ループエレメントを基準として前記第1、第2、第3、第4線状エレメントおよび前記第5、第6、第7、第8線状エレメントが延びる方向と反対側に配置された反射部材を備える、円偏波アンテナ。
【符号の説明】
【0116】
1、1A、1B、1C、1D:円偏波アンテナ
12:ループエレメント
22X:仮想円
31-34:給電導体
41-44:接続導体
50:反射部材
61-64:導体板
111-114、111A-114A、111B-114B、111C-114C:線状エレメント
121-124:線状エレメント
131、132、133、134:接続点
1110、1111、1112、1120、1121、1122、1130、1131、1132、1140、1141、1142:副線状エレメント
BT1、BT2、BT3、BT4:屈曲形状
Oa:中心
PP、PP1、PP2、PP3、PP4:給電点
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14