IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ パナソニックIPマネジメント株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-撮像装置 図1
  • 特開-撮像装置 図2
  • 特開-撮像装置 図3
  • 特開-撮像装置 図4
  • 特開-撮像装置 図5
  • 特開-撮像装置 図6
  • 特開-撮像装置 図7
  • 特開-撮像装置 図8
  • 特開-撮像装置 図9
  • 特開-撮像装置 図10
  • 特開-撮像装置 図11
  • 特開-撮像装置 図12
  • 特開-撮像装置 図13
  • 特開-撮像装置 図14
  • 特開-撮像装置 図15
  • 特開-撮像装置 図16
  • 特開-撮像装置 図17
  • 特開-撮像装置 図18
  • 特開-撮像装置 図19
  • 特開-撮像装置 図20
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179101
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】撮像装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/52 20230101AFI20241219BHJP
   G03B 5/00 20210101ALI20241219BHJP
   G03B 17/55 20210101ALI20241219BHJP
   H04N 23/68 20230101ALI20241219BHJP
【FI】
H04N23/52
G03B5/00 J
G03B17/55
H04N23/68
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097647
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100183276
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 裕三
(72)【発明者】
【氏名】黒木 博行
【テーマコード(参考)】
2H104
2K005
5C122
【Fターム(参考)】
2H104CC00
2K005AA20
2K005CA02
2K005CA24
2K005CA44
5C122DA01
5C122EA03
5C122EA41
5C122FC02
5C122GE01
5C122GE05
5C122GE07
5C122GE11
(57)【要約】
【課題】可動部が移動する際の抵抗を安定的に低減することができる撮像装置を提供すること。
【解決手段】撮像装置は、筐体の内部で固定された固定部と、撮像素子を有し、固定部に対して光軸に直交する方向に移動する可動部と、固定部に接続される第1接続部と、可動部に接続される第2接続部とを有する接続部材と、を備え、接続部材は、第1接続部と第2接続部の間で緩やかに湾曲した複数の曲げ部を有し、複数の曲げ部は、第1仮想軸を中心に湾曲する第1曲げ部と、第2仮想軸を中心に湾曲する第2曲げ部とを有し、第1仮想軸および第2仮想軸はそれぞれ、光軸に直交する方向に延びる。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の内部で固定された固定部と、
撮像素子を有し、前記固定部に対して光軸に直交する方向に移動する可動部と、
前記固定部に接続される第1接続部と、前記可動部に接続される第2接続部とを有する接続部材と、を備え、
前記接続部材は、前記第1接続部と前記第2接続部の間で緩やかに湾曲した複数の曲げ部を有し、
前記複数の曲げ部は、第1仮想軸を中心に湾曲する第1曲げ部と、第2仮想軸を中心に湾曲する第2曲げ部とを有し、
前記第1仮想軸および前記第2仮想軸はそれぞれ、前記光軸に直交する方向に延びる、撮像装置。
【請求項2】
前記第1仮想軸と前記第2仮想軸は、互いに平行である、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記第1接続部と前記第2接続部は、前記光軸に直交する方向に沿ってずれた位置にある、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記接続部材は、前記第1曲げ部と前記第2曲げ部の間に延びる延在部と、前記延在部に貼付された補強板と、を備える、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記接続部材は、前記第2接続部から前記第1曲げ部に向かって第1方向に延びて、前記第1曲げ部から前記第2曲げ部に向かって前記第1方向とは逆向きの第2方向に延びて、前記第2曲げ部から前記第1接続部に向かって前記第1方向に延びる、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記接続部材は、前記可動部の熱を前記固定部に伝える伝熱シートである、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記接続部材は、前記第1接続部とは異なる位置で前記固定部に接続される第3接続部と、前記第2接続部と前記第3接続部の間で緩やかに湾曲した複数の曲げ部を有し、
前記複数の曲げ部は、第3仮想軸を中心に湾曲する第3曲げ部と、第4仮想軸を中心に湾曲する第4曲げ部とを有し、
前記第3仮想軸および前記第4仮想軸はそれぞれ、前記光軸に直交する方向に延びる、請求項1に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記接続部材は、前記第2接続部から前記第1曲げ部に向かって第1方向に延びて、前記第2接続部から前記第3曲げ部に向かって第2方向に延びる、請求項7に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記第1方向と前記第2方向は、互いに逆向きである、請求項8に記載の撮像装置。
【請求項10】
前記第1曲げ部は、前記第2曲げ部に向かうように前記第1方向から前記第2方向へ湾曲し、前記第2曲げ部は、前記第2方向から前記第1方向へ湾曲し、
前記第3曲げ部は、前記第4曲げ部に向かうように前記第2方向から前記第1方向へ湾曲し、前記第4曲げ部は、前記第1方向から前記第2方向へ湾曲する、請求項8に記載の撮像装置。
【請求項11】
筐体の内部で固定された固定部と、
撮像素子を有し、前記固定部に対して光軸に直交する方向に移動する可動部と、
前記固定部に接続される第1接続部と、前記可動部に接続される第2接続部とを有する接続部材と、を備え、
前記接続部材は、前記第1接続部と前記第2接続部の間で緩やかに湾曲した第1曲げ部を有し、
前記第1曲げ部は、螺旋状に湾曲する、撮像装置。
【請求項12】
前記第1曲げ部は、前記光軸に直交する方向に延びる第1仮想軸を中心に螺旋状に湾曲する、請求項11に記載の撮像装置。
【請求項13】
前記接続部材は、前記第1接続部とは異なる位置で前記固定部に接続される第3接続部と、前記第2接続部と前記第3接続部の間で緩やかに湾曲した第2曲げ部を有し、
前記第2曲げ部は、螺旋状に湾曲する、請求項11に記載の撮像装置。
【請求項14】
前記接続部材は、前記第2接続部から前記第1曲げ部に向かって延びて、前記第2接続部から前記第2曲げ部に向かって延びることで、2股に分かれた形状を有する、請求項13に記載の撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、被写体を撮像する撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、撮像素子を有する可動体が固定体に対して光軸方向に直交する方向へ移動されることにより像ぶれを補正する像ぶれ補正装置およびこれを備える撮像装置を開示する。
【0003】
特許文献1の撮像装置では、可動体において発生する熱を固定体に伝熱する屈曲可能な伝熱シート(グラファイトシート)を備え、伝熱シートの厚み方向を光軸方向に直交する方向としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2020-202811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の撮像装置では、可動体の移動量が大きいほど伝熱シートの変形抵抗も大きくなる。可動体の移動量や移動方向にかかわらず伝熱シートの変形抵抗を安定的に低減することが求められる。
【0006】
本開示は、可動部が移動する際の抵抗を安定的に低減することができる撮像装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る撮像装置は、筐体の内部で固定された固定部と、撮像素子を有し、前記固定部に対して光軸に直交する方向に移動する可動部と、前記固定部に接続される第1接続部と、前記可動部に接続される第2接続部とを有する接続部材と、を備え、前記接続部材は、前記第1接続部と前記第2接続部の間で緩やかに湾曲した複数の曲げ部を有し、前記複数の曲げ部は、第1仮想軸を中心に湾曲する第1曲げ部と、第2仮想軸を中心に湾曲する第2曲げ部とを有し、前記第1仮想軸および前記第2仮想軸はそれぞれ、前記光軸に直交する方向に延びる。
【0008】
また、本開示の別の態様に係る撮像装置は、筐体の内部で固定された固定部と、撮像素子を有し、前記固定部に対して光軸に直交する方向に移動する可動部と、前記固定部に接続される第1接続部と、前記可動部に接続される第2接続部とを有する接続部材と、を備え、前記接続部材は、前記第1接続部と前記第2接続部の間で緩やかに湾曲した第1曲げ部を有し、前記第1曲げ部は、螺旋状に湾曲する。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る撮像装置によれば、可動部が移動する際の抵抗を安定的に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施形態1に係る撮像装置の概略斜視図
図2】実施形態1に係る撮像装置の概略斜視図
図3】実施形態1に係る手振れ補正機構の周辺構造を示す斜視図
図4】実施形態1に係る手振れ補正機構の周辺構造を示す斜視図
図5】実施形態1に係る手振れ補正機構の周辺構造を示す側面図
図6】実施形態1に係る固定部、可動部および伝熱シートの分解斜視図
図7】実施形態1に係る固定部、可動部および伝熱シートの分解斜視図
図8】実施形態1に係る伝熱シートが可動フレームに取り付けられた状態を示す概略平面図
図9】実施形態1に係る伝熱シートの斜視図
図10】実施形態1に係る伝熱シートの斜視図
図11】実施形態1に係る伝熱シートの平面図
図12】実施形態1に係る伝熱シートの接続部が紙面左方向に移動するときの伝熱シートの変形状態を示す概略図
図13】実施形態1に係る伝熱シートの接続部が紙面右方向に移動するときの伝熱シートの変形状態を示す概略図
図14】実施形態1に係る伝熱シートの接続部が紙面上方向に移動するときの伝熱シートの変形状態を示す概略図
図15】実施形態1に係る伝熱シートの接続部が紙面下方向に移動するときの伝熱シートの変形状態を示す概略図
図16】実施形態1に係る伝熱シートの接続部が斜め上方に移動するときの伝熱シートの変形状態を示す概略図
図17】実施形態1に係る伝熱シートの接続部が斜め下方に移動するときの伝熱シートの変形状態を示す概略図
図18】実施形態2に係る手振れ補正機構の周辺構造を示す斜視図
図19図18に示す構造から固定部を省略した状態の斜視図
図20】実施形態2に係る伝熱シートの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の第1態様によれば、筐体の内部で固定された固定部と、撮像素子を有し、前記固定部に対して光軸に直交する方向に移動する可動部と、前記固定部に接続される第1接続部と、前記可動部に接続される第2接続部とを有する接続部材と、を備え、前記接続部材は、前記第1接続部と前記第2接続部の間で緩やかに湾曲した複数の曲げ部を有し、前記複数の曲げ部は、第1仮想軸を中心に湾曲する第1曲げ部と、第2仮想軸を中心に湾曲する第2曲げ部とを有し、前記第1仮想軸および前記第2仮想軸はそれぞれ、前記光軸に直交する方向に延びる、撮像装置を提供する。
【0012】
本開示の第2態様によれば、前記第1仮想軸と前記第2仮想軸は、互いに平行である、第1態様に記載の撮像装置を提供する。
【0013】
本開示の第3態様によれば、前記第1接続部と前記第2接続部は、前記光軸に直交する方向に沿ってずれた位置にある、第1態様又は第2態様に記載の撮像装置を提供する。
【0014】
本開示の第4態様によれば、前記接続部材は、前記第1曲げ部と前記第2曲げ部の間に延びる延在部と、前記延在部に貼付された補強板と、を備える、第1態様から第3態様のいずれか1つに記載の撮像装置を提供する。
【0015】
本開示の第5態様によれば、前記接続部材は、前記第2接続部から前記第1曲げ部に向かって第1方向に延びて、前記第1曲げ部から前記第2曲げ部に向かって前記第1方向とは逆向きの第2方向に延びて、前記第2曲げ部から前記第1接続部に向かって前記第1方向に延びる、第1態様から第4態様のいずれか1つに記載の撮像装置を提供する。
【0016】
本開示の第6態様によれば、前記接続部材は、前記可動部の熱を前記固定部に伝える伝熱シートである、第1態様から第5態様のいずれか1つに記載の撮像装置を提供する。
【0017】
本開示の第7態様によれば、前記接続部材は、前記第1接続部とは異なる位置で前記固定部に接続される第3接続部と、前記第2接続部と前記第3接続部の間で緩やかに湾曲した複数の曲げ部を有し、前記複数の曲げ部は、第3仮想軸を中心に湾曲する第3曲げ部と、第4仮想軸を中心に湾曲する第4曲げ部とを有し、前記第3仮想軸および前記第4仮想軸はそれぞれ、前記光軸に直交する方向に延びる、第1態様から第6態様のいずれか1つに記載の撮像装置を提供する。
【0018】
本開示の第8態様によれば、前記接続部材は、前記第2接続部から前記第1曲げ部に向かって第1方向に延びて、前記第2接続部から前記第3曲げ部に向かって第2方向に延びる、第7態様に記載の撮像装置を提供する。
【0019】
本開示の第9態様によれば、前記第1方向と前記第2方向は、互いに逆向きである、第8態様に記載の撮像装置を提供する。
【0020】
本開示の第10態様によれば、前記第1曲げ部は、前記第2曲げ部に向かうように前記第1方向から前記第2方向へ湾曲し、前記第2曲げ部は、前記第2方向から前記第1方向へ湾曲し、前記第3曲げ部は、前記第4曲げ部に向かうように前記第2方向から前記第1方向へ湾曲し、前記第4曲げ部は、前記第1方向から前記第2方向へ湾曲する、第8態様又は第9態様に記載の撮像装置を提供する。
【0021】
本開示の第11態様によれば、筐体の内部で固定された固定部と、撮像素子を有し、前記固定部に対して光軸に直交する方向に移動する可動部と、前記固定部に接続される第1接続部と、前記可動部に接続される第2接続部とを有する接続部材と、を備え、前記接続部材は、前記第1接続部と前記第2接続部の間で緩やかに湾曲した第1曲げ部を有し、前記第1曲げ部は、螺旋状に湾曲する、撮像装置を提供する。
【0022】
本開示の第12態様によれば、前記第1曲げ部は、前記光軸に直交する方向に延びる第1仮想軸を中心に螺旋状に湾曲する、第11態様に記載の撮像装置を提供する。
【0023】
本開示の第13態様によれば、前記接続部材は、前記第1接続部とは異なる位置で前記固定部に接続される第3接続部と、前記第2接続部と前記第3接続部の間で緩やかに湾曲した第2曲げ部を有し、前記第2曲げ部は、螺旋状に湾曲する、第11態様又は第12態様に記載の撮像装置を提供する。
【0024】
本開示の第14態様によれば、前記接続部材は、前記第2接続部から前記第1曲げ部に向かって延びて、前記第2接続部から前記第2曲げ部に向かって延びることで、2股に分かれた形状を有する、第13態様に記載の撮像装置を提供する。
【0025】
以下、適宜図面を参照しながら、実施形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、発明者(ら)は、当業者が本開示を十分に理解するために添付図面および以下の説明を提供するのであって、これらによって特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図するものではない。
【0026】
(実施形態1)
実施形態1では、本開示に係る撮像装置の一例として、デジタルカメラについて説明する。
【0027】
実施形態1に係る撮像装置2の構成について、図1図2を用いて説明する。以降、撮像装置2を使用しているユーザから見た前後方向をX軸方向とし、左右方向をY軸方向とし、上下方向をZ軸方向とする。「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」等の方向を示す用語を用いるが、本開示の撮像装置の使用状態等を限定するものではない。
【0028】
図1図2は、実施形態1に係る撮像装置2を概略的に示す斜視図である。図1図2に示す撮像装置2は、筐体12を備える。筐体12の前面12aにはレンズ14が設けられている。レンズ14は、X軸方向に延びる光軸Lに沿って、前方側の撮像方向X1に向けられている。筐体12の内部には、レンズ14を透過した被写体の像が結像する撮像素子16が設けられている。
【0029】
撮像素子16は、レンズ14を介して結像した被写体の像を画像データに変換する。その画像データは、電子式ビューファインダ18に表示されるとともに、モニタユニット20(図2)に表示される。
【0030】
モニタユニット20は、筐体12の後面12b上であって、電子式ビューファインダ18の下方に設けられる。モニタユニット20は、ヒンジ機構によって折り畳み可能に構成されており、図1図2では、モニタユニット20が内側に折り畳まれた状態が例示される。
【0031】
上記構成を有する撮像装置2は、手振れを補正するための手振れ補正機構(像ブレ補正装置)を内蔵する。実施形態1の手振れ補正機構の周辺構造について、図3以降の図面を用いて説明する。
【0032】
図3図4はそれぞれ、実施形態1の手振れ補正機構の周辺構造を示す斜視図であり、図5は、実施形態1の同周辺構造の側面図である。
【0033】
図3図5に示すように、実施形態1の撮像装置2は、固定部24と、可動部26と、伝熱シート28A、28B(図4図5)とを備える。
【0034】
固定部24は、図1図2に示した筐体12の内部で固定される部分である。固定部24は、図示しない別の部材を介して筐体12に対して間接的に固定される。可動部26は、筐体12には固定されずに移動可能な部分であり、手振れ補正機能を実現するためにYZ平面内で移動する。可動部26は、磁力で引き寄せられながら、剛性の高い部材である鋼球でYZ平面内で一体的に移動可能に支持されている。
【0035】
伝熱シート28A、28Bはそれぞれ、固定部24と可動部26の間に接続された接続部材であり、可動部26の熱を固定部24へ伝える機能を有する。伝熱シート28A、28Bはそれぞれ、可動部26の移動に追従できるように柔軟性を有する部材(例えば、可撓性シート)で構成される。
【0036】
図3図5に示す固定部24は、2つの固定フレーム30、32を備える。固定フレーム30は、可動部26に対して前側(+X方向)に配置されるフレームであり、固定フレーム32は、可動部26に対して後側(-X方向)に配置されるフレームである。
【0037】
図3図5に示す可動部26は、撮像素子16と、センサ基板36(図5)と、可動フレーム38とを備える。図5に示すように、撮像装置2の前側から、撮像素子16、センサ基板36、可動フレーム38の順に配置される。
【0038】
撮像素子16は、レンズ14を介して入射される被写体像を撮像して画像データを生成する素子であり、例えばCMOSイメージセンサ等のイメージセンサである。撮像素子16は板状の形状を有し、主面16Aを有する。主面16Aに対して光軸Lが直交するようにX軸方向に沿って延びる。撮像素子16は、センサ基板36に実装される。
【0039】
センサ基板36は、撮像素子16を取り付けて支持するための基板であり、板状の形状を有する。センサ基板36は、図示しないメイン基板に電気的に接続されるとともに、可動フレーム38に取り付けて支持される。可動フレーム38は、センサ基板36と撮像素子16を一体的に支持するフレームである。
【0040】
図6図7はそれぞれ、固定部24、可動部26および伝熱シート28A、28Bをそれぞれ分解した状態を示す斜視図である。図8は、伝熱シート28A、28Bが可動部26の可動フレーム38に取り付けられた状態を概略的に示す平面図である。
【0041】
図6図7に示すように、実施形態1では、2つの伝熱シート28A、28Bが設けられる。伝熱シート28A、28Bの数は2つに限らず、1つ又は複数の任意の数であってもよい。伝熱シート28A、28B、および伝熱シート28A、28Bが取り付けられる箇所はそれぞれ同様の構造であるため、以下では、伝熱シート28A、28Bをまとめて「伝熱シート28」と称し、他の部材についても同様の表記をする場合がある。
【0042】
図6に示すように、可動部26の可動フレーム38は、伝熱シート28A、28Bを取り付けるための取付部40A、40Bを有する。取付部40A、40Bは、撮像装置2の後方側(-X方向)を向いた面を有する。
【0043】
固定部24の固定フレーム32は、伝熱シート28A、28Bを取り付けるための取付部42A、42Bを有する。取付部42A、42Bは、撮像装置2の後方側(-X方向)を向いた面を有する。
【0044】
固定フレーム32には、2つの貫通孔44A、44Bが設けられる。貫通孔44Aを左右方向に挟むように一対の取付部42Aが設けられ、貫通孔44Bを左右方向に挟むように一対の取付部42Bが設けられる。貫通孔44A、44Bはそれぞれ、伝熱シート28A、28Bを固定フレーム32の後方側に通過させるための孔である。
【0045】
図7に示すように、伝熱シート28Aは、固定フレーム32の取付部42Aに接続するための接続部46A、47Aと、可動フレーム38の取付部40Aに接続するための接続部48Aとを備える。
【0046】
図8に示すように、接続部46A、47Aはそれぞれ、両面テープ等の接着部材を介して取付部42Aに接着して取り付けられる。接続部48Aは、両面テープ等の接着部材を介して取付部40Aに接着して取り付けられる。
【0047】
伝熱シート28Bも同様に、固定部24の取付部42Bに接続するための接続部46B、47Bと、可動フレーム38の取付部40Bに接続するための接続部48Bとを備える。
【0048】
次に、伝熱シート28(28A、28B)の詳細な構成について、図9図11を用いて説明する。
【0049】
図9図10はそれぞれ、伝熱シート28の斜視図であり、図11は、伝熱シート28の平面図である。
【0050】
図9図11に示す伝熱シート28は、厚みが均一な板状の一体的な部材であり、例えば、熱伝導性の高いグラファイトシートが用いられる。伝熱シート28は、接続部46、47、48とは異なる位置に、複数の曲げ部50、52、60、62を有する。
【0051】
曲げ部50、52、60、62はそれぞれ、仮想軸A1、A2、A3、A4を中心として緩やかに湾曲する部分である。曲げ部50は仮想軸A1を中心として湾曲し、曲げ部52は仮想軸A2を中心として湾曲し、曲げ部60は仮想軸A3を中心として湾曲し、曲げ部62は仮想軸A4を中心として湾曲する。
【0052】
実施形態1では、仮想軸A1、A2、A3、A4はそれぞれ平行な方向に延びる。仮想軸A1、A2、A3、A4はそれぞれ、伝熱シート28が固定部24と可動部26の間に接続された接続状態で、上下方向(Z軸方向)、すなわち光軸Lに対して直交する方向に延びる。
【0053】
伝熱シート28はさらに、延在部54、56、58と、延在部64、66、68とを備える。
【0054】
延在部54は、接続部48と曲げ部50の間で概ね直線的に延びる部分であり、延在部56は、曲げ部50と曲げ部52の間で概ね直線的に延びる部分であり、延在部58は、曲げ部52と接続部46の間で概ね直線的に延びる部分である。
【0055】
同様に、延在部64は、接続部48と曲げ部60の間で概ね直線的に延びる部分であり、延在部66は、曲げ部60と曲げ部62の間で概ね直線的に延びる部分であり、延在部68は、曲げ部62と接続部47の間で概ね直線的に延びる部分である。
【0056】
実施形態1の伝熱シート28は、中央の接続部48を起点として2股に分かれた形状を有する。具体的には、接続部48に対して一方側に、延在部54、曲げ部50、延在部56、曲げ部52、延在部58、接続部46の順に連続的に延びる。接続部48に対して他方側に、延在部64、曲げ部60、延在部66、曲げ部62、延在部68、接続部47の順に連続的に延びる。
【0057】
伝熱シート28を2股に分かれた形状とすることで、固定部24に対してバランス良く接続することができるとともに、伝熱経路を2系統形成できるので放熱性能を向上させることができる。伝熱シート28が2股に分かれながらも一体に構成することで、2本の伝熱シートを用いる場合よりも伝熱シート28を可動部26に添付する作業を少なくすることができ、貼付する場所の節約になる。
【0058】
図11に示すように、接続部48に対して一方側に、延在部54が第1方向Y1に延びて、延在部54に接続される曲げ部50は、第1方向Y1から第2方向Y2に向かって反転するように略180度湾曲する。曲げ部50に接続される延在部56は第2方向Y2に延びて、曲げ部52は第2方向Y2から第1方向Y1に向かって反転するように略180度湾曲する。伝熱シート28は、接続部48に対して一方側において、平面視でS字に湾曲した形状を有する。
【0059】
同様に、接続部48に対して他方側に、延在部64が第2方向Y2に延びて、延在部64に接続される曲げ部60は、第2方向Y2から第1方向Y1に向かって反転するように略180度湾曲する。曲げ部60に接続される延在部66は第1方向Y1に延びて、曲げ部62は第1方向Y1から第2方向Y2に向かって反転するように略180度湾曲する。伝熱シート28は、接続部48に対して他方側において、平面視でS字に湾曲した形状を有する。
【0060】
図11に示すように、接続部46、47は、接続部48に対して左右方向にずれた位置に設けられる。伝熱シート28がS字形状であるため、伝熱シート28に複数の曲げ部を設けながら、左右方向に離れた位置にある接続部46、47まで伝熱シート28を容易に延ばして繋げることができる。
【0061】
図11に示す例では、接続部48は、延在部54、64に向かって前方側(+X方向)に傾斜して延びており、延在部54、64も同方向に傾斜して延びている。
【0062】
伝熱シート28はさらに、2つの補強板70、72を有する。補強板70、72はそれぞれ、伝熱シート28の板状の本体部(例えばグラファイトシート)よりも剛性の高い材料(例えばPETシート)で形成された板状の部材である。補強板70、72が設けられる位置では、伝熱シート28の変形が抑制される。補強板70、72は伝熱シート28の変形箇所を制限・特定するために設けられる。
【0063】
図10図11に示す例では、補強板70は延在部56に貼付され、補強板72は延在部66に貼付される。補強板70、72が貼付された延在部56、66では変形が生じにくくなり、変形を想定している曲げ部50、52、60、62での変形が生じやすくなる。
【0064】
なお、伝熱シート28における接続部48から接続部46、47までの変形可能な長さ(変形長)に関する好ましい範囲は、伝熱シート28の幅(Z軸方向の長さ)等の各種要因に応じて変化する。伝熱シート28の変形長は、過度に短い場合に変形抵抗が大きくなりやすく、過度に長い場合に放熱性が低くなりやすいため、変形抵抗と放熱性を考慮して、変形長の好ましい範囲を設定してもよい。
【0065】
上記構成を有する伝熱シート28は、接続部46、48の間で緩やかに湾曲する曲げ部50、52を2つ有し、接続部47、48の間で緩やかに湾曲する曲げ部60、62を有し、曲げ部50、52、60、62を構成する仮想軸A1、A2、A3、A4はいずれも光軸Lに対して直交する方向(実施形態1ではZ軸方向)に延びる。これにより、可動部26の移動に伴って接続部48がYZ平面内を移動する際に、伝熱シート28の変形抵抗を安定的に低減することができる。詳細については、図12図17を用いて説明する。
【0066】
図12は、伝熱シート28の接続部48が紙面左方向(矢印F1、-Y方向)に移動するときの伝熱シート28の変形状態を示す概略図である。
【0067】
図12に示すように、接続部48が-Y方向に移動すると、接続部48に隣接する延在部54、64および曲げ部50、60が同方向に一体的に移動する。接続部48の移動方向は、仮想軸A1、A2、A3、A4に直交する方向であるため、仮想軸A1、A2、A3、A4の向きは維持されたまま、曲げ部50、52、60、62を含む、接続部48と接続部46、47の間の部分が全体的に-Y方向に移動する。
【0068】
曲げ部50、52、60、62はいずれも緩やかに湾曲した湾曲部であるため、鋭利に屈曲した屈曲部に比べて形状と位置が容易に変化する。接続部48の移動量に応じて、曲げ部50、52、60、62の位置も抵抗が少なく容易に変化することができる。
【0069】
図13は、伝熱シート28の接続部48が紙面右方向(矢印F2、+Y方向)に移動するときの伝熱シート28の変形状態を示す概略図である。
【0070】
図13に示すように、接続部48が+Y方向に移動すると、仮想軸A1、A2、A3、A4の向きは維持されたまま、曲げ部50、52、60、62を含む、接続部48と接続部46、47の間の部分が全体的に+Y方向に移動する。接続部48の移動量に応じて、曲げ部50、52、60、62の位置も抵抗が少なく容易に変化することができる。
【0071】
図12図13を用いて説明したように、仮想軸A1、A2、A3、A4を中心として緩やかに湾曲する曲げ部50、52、60、62を有する伝熱シート28は、接続部48が紙面左方向又は右方向(矢印F1、F2)に移動する際に高い柔軟性を発揮して、抵抗が少なく変形することができる。
【0072】
図14は、伝熱シート28の接続部48が紙面上方向(矢印F3、+Z方向)に移動するときの伝熱シート28の変形状態を示す概略図である。
【0073】
図14に示すように、接続部48が+Z方向に移動すると、接続部48に隣接する延在部54、64および曲げ部50、60が同方向に一体的に移動する。伝熱シート28は、接続部46、47の高さ位置と接続部48の高さ位置が異なるように変形し、仮想軸A1、A2、A3、A4はZ方向に対して傾斜するように移動する。紙面左側の仮想軸A1、A2は、上方部分が紙面右側に近付くように傾斜し、紙面右側の仮想軸A3、A4は、上方部分が紙面左側に近付くように傾斜する。
【0074】
接続部46と接続部48の間の領域では、曲げ部50と曲げ部52が変形する。曲げ部50では延在部54に接続する側と延在部56に接続する側で延びる方向が異なるため、ねじれが生じるところ、曲げ部52でも延在部56に接続する側と延在部58に接続する側で延びる方向が異なるため、ねじれが生じる。曲げ部50の変形量・変形方向に応じて曲げ部52も変形量・変形方向も変わり、それぞれのねじれによる抵抗が相殺されるように変形する。このため、伝熱シート28全体として変形抵抗を小さくすることができる。
【0075】
接続部47と接続部48の間の領域においても同様に、2つの曲げ部60、62において、それぞれのねじれによる抵抗が相殺するように変形することで、伝熱シート28全体としての変形抵抗を小さくすることができる。
【0076】
図15は、伝熱シート28の接続部48が紙面下方向(矢印F4、-Z方向)に移動するときの伝熱シート28の変形状態を示す概略図である。
【0077】
図15に示すように、接続部48が-Z方向に移動すると、接続部48に隣接する延在部54、64および曲げ部50、60が同方向に一体的に移動する。伝熱シート28は、接続部46、47の高さ位置と接続部48の高さ位置が異なるように変形し、仮想軸A1、A2、A3、A4はZ方向に対して傾斜するように移動する。
【0078】
図14に示す場合と同様に、接続部46と接続部48の間の領域では、2つの曲げ部50、52が互いのねじれによる抵抗を相殺するように変形し、接続部47と接続部48の間の領域では、2つの曲げ部60、62が互いのねじれによる抵抗を相殺するように変形する。これにより、伝熱シート28全体としての変形抵抗を小さくすることができる。
【0079】
上記の通り、仮想軸A1、A2、A3、A4を中心として緩やかに湾曲する曲げ部50、52、60、62を有する伝熱シート28は、接続部48が紙面上方向又は下方向(矢印F3、F4)に移動する際に高い柔軟性を発揮して、抵抗が少なく変形することができる。
【0080】
図16は、伝熱シート28の接続部48が可動部26の移動に伴って斜め上方(矢印F5)に移動する際の伝熱シート28の変形状態を示す概略図である。
【0081】
図16に示すように、接続部48が斜め上方に移動すると、接続部48に隣接する延在部54、64および曲げ部50、60が同方向に一体的に移動する。伝熱シート28は、接続部46、47の高さ位置と接続部48の高さ位置が異なるように変形し、仮想軸A1、A2、A3、A4はZ方向に対して傾斜するように移動する。
【0082】
図16に示す接続部48の移動は、紙面上方に向かう移動成分と紙面右側に向かう移動成分を含む。伝熱シート28の変形は、紙面上方への移動に伴う図13に示す変形パターンと、紙面右側への移動に伴う図14に示す変形パターンが組み合わさった形となる。
【0083】
接続部46と接続部48の間の領域では、2つの曲げ部50、52が互いのねじれによる抵抗を相殺するように変形し、接続部47と接続部48の間の領域では2つの曲げ部60、62が互いのねじれによる抵抗を相殺するように変形する。これにより、伝熱シート28全体としての変形抵抗を小さくすることができる。
【0084】
図17は、伝熱シート28の接続部48が可動部26の移動に伴って斜め下方(矢印F6)に移動する際の伝熱シート28の変形状態を示す概略図である。
【0085】
図17に示す接続部48の移動は、紙面下方に向かう移動成分と紙面左側に向かう移動成分を含むため、伝熱シート28の変形は、紙面下方への移動に伴う図12に示す変形パターンと、紙面左側への移動に伴う図15に示す変形パターンが組み合わさった形となる。
【0086】
接続部46と接続部48の間の領域では2つの曲げ部50、52が互いのねじれによる抵抗を相殺するように変形し、接続部47と接続部48の間の領域では2つの曲げ部60、62が互いのねじれによる抵抗を相殺するように変形し、伝熱シート28全体としての変形抵抗を小さくすることができる。
【0087】
上記の通り、光軸方向Lに直交する仮想軸A1、A2、A3、A4を中心に湾曲する曲げ部50、52、60、62を有する伝熱シート28によれば、接続部48の移動方向や移動量に関わらず変形抵抗を安定的に低減することができる。これにより、可動部26を駆動させる電力消費を低減できるとともに、手振れ補正機能を精度良く実行することができる。
【0088】
上述したように、実施形態1の撮像装置2は、筐体12の内部で固定された固定部24と、撮像素子16を有し、固定部24に対して光軸Lに直交する方向に移動する可動部26と、固定部24に接続される接続部46(第1接続部)と、可動部26に接続される接続部48(第2接続部)とを有する伝熱シート28(接続部材)と、を備え、伝熱シート28は、接続部46と接続部48の間で緩やかに湾曲した複数の曲げ部50、52を有し、複数の曲げ部50、52は、第1仮想軸A1を中心に湾曲する曲げ部50(第1曲げ部)と、第2仮想軸A2を中心に湾曲する曲げ部52(第2曲げ部)とを有し、第1仮想軸A1および第2仮想軸A2はそれぞれ、光軸Lに直交する方向に延びる。
【0089】
このような構成によれば、緩やかに湾曲する曲げ部50、52を複数設けることで、可動部26が光軸Lに直交する方向に移動するときに、伝熱シート28の変形抵抗を安定的に低減することができる。
【0090】
また、実施形態1の撮像装置2では、第1仮想軸A1と第2仮想軸A2は、互いに平行である。これにより、伝熱シート28の形状を簡素化することができる。
【0091】
また、実施形態1の撮像装置2では、接続部46(第1接続部)と接続部48(第2接続部)は、光軸Lに直交する方向に沿ってずれた位置にある。これにより、接続部46と接続部48が離れる位置にあっても、2つの曲げ部50、52を有することで、伝熱シート28が延びる方向を容易にアレンジして接続を行うことができる。
【0092】
また、実施形態1の撮像装置2では、伝熱シート28(接続部材)は、曲げ部50(第1曲げ部)と曲げ部52(第2曲げ部)の間に延びる延在部56と、延在部56に貼付された補強板70と、を備える。これにより、延在部56以外の箇所(例えば、曲げ部50、52)を曲げやすくして、伝熱シート28の変形動作を安定化させることができる。
【0093】
また、実施形態1の撮像装置2では、伝熱シート28(接続部材)は、接続部48(第2接続部)から曲げ部50(第1曲げ部)に向かって第1方向(矢印Y1)に延びて、曲げ部50から曲げ部52(第2曲げ部)に向かって第1方向とは逆向きの第2方向(矢印Y2)に延びて、曲げ部52から接続部46(第1接続部)に向かって第1方向に延びる。これにより、伝熱シート28をS字に湾曲させることで、接続部48と接続部46が離れる位置にあっても容易に接続することができ、接続作業も容易に行うことができる。
【0094】
また、実施形態1の撮像装置2では、固定部24と可動部26を接続する接続部材は、可動部26の熱を固定部24に伝える伝熱シート28である。これにより、伝熱シート28を用いて可動部26の熱を放熱することができる。
【0095】
また、実施形態1の撮像装置2では、伝熱シート28(接続部材)は、接続部46(第1接続部)とは異なる位置で固定部24に接続される接続部47(第3接続部)と、接続部48(第2接続部)と接続部47の間で緩やかに湾曲した複数の曲げ部60、62を有し、複数の曲げ部60、62は、第3仮想軸A3を中心に湾曲する曲げ部60(第3曲げ部)と、第4仮想軸A4を中心に湾曲する曲げ部62(第4曲げ部)とを有し、第3仮想軸A3および第4仮想軸A4はそれぞれ、光軸Lに直交する方向に延びる。これにより、伝熱シート28を固定部24に対してバランス良く接続することができ、伝熱シート28の放熱性を向上させることができる。
【0096】
また、実施形態1の撮像装置2では、伝熱シート28(接続部材)は、接続部48(第2接続部)から曲げ部50(第1曲げ部)に向かって第1方向(矢印Y1)に延びて、接続部48から曲げ部60(第3曲げ部)に向かって第2方向(矢印Y2)に延びる。これにより、伝熱シート28を固定部24に対してバランス良く接続することができる。
【0097】
また、実施形態1の撮像装置2では、第1方向(矢印Y1)と第2方向(矢印Y2)は、互いに逆向きである。これにより、伝熱シート28を固定部24に対してバランス良く接続することができる。
【0098】
また、実施形態1の撮像装置2では、曲げ部50(第1曲げ部)は、曲げ部52(第2曲げ部)に向かうように第1方向(矢印Y1)から第2方向(矢印Y2)へ湾曲し、曲げ部52は、第2方向から第1方向へ湾曲し、曲げ部60(第3曲げ部)は、曲げ部62(第4曲げ部)に向かうように第2方向から第1方向へ湾曲し、曲げ部62は、第1方向から第2方向へ湾曲する。これにより、伝熱シート28をS字に湾曲させることで、接続部48と接続部46、47が離れる位置にあっても容易に接続することができ、接続作業も容易に行うことができる。
【0099】
(実施形態2)
本発明に係る実施形態2の手振れ補正機構の周辺構造について、図18図20を用いて説明する。なお、実施形態2では、主に実施形態1と異なる点について説明する。また、同一又は同等の構成については同じ符号を付して説明を省略する。
【0100】
実施形態1では、伝熱シート28が平面視でS字形状を有するものであったのに対して、実施形態2では、伝熱シートが螺旋形状を有する点が、実施形態1と異なる。
【0101】
図18は、実施形態2に係る手振れ補正機構の周辺構造を示す斜視図であり、図19は、図18に示す構造から固定部を省略した状態の斜視図である。
【0102】
図18に示すように、実施形態2の撮像装置は、固定部124と、可動部126と、伝熱シート128A、128Bとを備える。
【0103】
固定部124は、2つの固定フレーム130、132を有する。可動部126は、YZ平面内を移動可能な撮像素子16(図3)、センサ基板136(図19)および可動フレーム138を有する。伝熱シート128A、128Bは、固定部124と可動部126の間に接続される接続部材であり、実施形態2では固定フレーム132とセンサ基板136にそれぞれ取り付けられる。
【0104】
図20は、伝熱シート128A、128Bをそれぞれ示す斜視図である。
【0105】
図20に示すように、伝熱シート128Aは、3つの接続部146A、147A、148Aと、2つの曲げ部150A、160Aとを有する。
【0106】
接続部146A、147Aはそれぞれ、両面テープ等の接着部材を介して固定フレーム132に取り付けられ、接続部148Aは、両面テープ等の接着部材を介してセンサ基板136に取り付けられる。
【0107】
曲げ部150A、160Aはそれぞれ、接続部146A、147Aと接続部148Aの間で螺旋状に湾曲する部分である。曲げ部150Aは、接続部147Aと接続部148Aの間で中心軸B1を中心として螺旋状に湾曲し、曲げ部160Aは、接続部146Aと接続部148Aの間で中心軸B1を中心として螺旋状に湾曲する。実施形態2では、2つの曲げ部150A、160Aの中心軸B1は一致する。
【0108】
曲げ部150A、160Aは、接続部148Aから2股に分かれて延びている。実施形態2の曲げ部150A、160Aはそれぞれ、接続部148Aの下端部における左右方向の異なる位置から-Z方向(矢印Z1)に延びる。
【0109】
伝熱シート128Bも同様に、3つの接続部146B、147B、148Bと、2つの曲げ部150B、160Bとを有する。
【0110】
曲げ部150Bは、接続部147Bと接続部148Bの間で中心軸B2を中心として螺旋状に湾曲し、曲げ部160Bは、接続部146Bと接続部148Bの間で中心軸B2を中心として螺旋状に湾曲する。
【0111】
曲げ部150B、160Bは、接続部148Bから2股に分かれて延びており、接続部148Bの上端部における左右方向の異なる位置から+Z方向(矢印Z2)に延びる。
【0112】
図20に示す2つの伝熱シート128A、128Bは、上下に対称な形状を有する。以下では、伝熱シート128A、128Bをまとめて「伝熱シート128」と称し、各構成要素についても同様の表記をする場合がある。
【0113】
伝熱シート128の曲げ部150、160はともに、光軸方向Lに直交する仮想軸B1、B2を中心として緩やかに湾曲した湾曲部であり、螺旋状に湾曲している。可動部126の移動に伴って接続部148がYZ平面内を移動すると、接続部148の移動方向・移動量に応じて、曲げ部150、160が3次元的に変形する。接続部148がどの方向に移動する場合でも、曲げ部150、160全体としてねじれによる変形抵抗を吸収するように変形するため、伝熱シート128全体としての変形抵抗を小さくすることができる。
【0114】
実施形態2では、仮想軸B1、B2がともに左右方向(Y軸方向)に延びており、伝熱シート128を左右に長く形成している。筐体12が左右に長い横長形状を有する構成において、筐体12の内部スペースを有効活用することができる。
【0115】
上述したように、実施形態2の撮像装置102は、筐体12の内部で固定された固定部124と、撮像素子16を有し、固定部124に対して光軸Lに直交する方向に移動する可動部126と、固定部124に接続される接続部146(第1接続部)と、可動部126に接続される接続部148(第2接続部)とを有する伝熱シート128(接続部材)と、を備え、伝熱シート128は、接続部146と接続部148の間で緩やかに湾曲した曲げ部150(第1曲げ部)を有し、曲げ部150は、螺旋状に湾曲する。
【0116】
このような構成によれば、螺旋状に湾曲する曲げ部150を設けることで、可動部126が光軸Lに直交する方向に移動するときに、伝熱シート128の変形抵抗を安定的に低減することができる。
【0117】
また、実施形態2の撮像装置102では、曲げ部150(第1曲げ部)は、光軸Lに直交する方向に延びる第1仮想軸B1を中心に螺旋状に湾曲する。このような構成によれば、例えば伝熱シート128を左右方向に長く形成して、筐体12の内部スペースを有効活用することができる。
【0118】
また、実施形態2の撮像装置102では、伝熱シート128(接続部材)は、接続部146(第1接続部)とは異なる位置で固定部124に接続される接続部147(第3接続部)と、接続部148(第2接続部)と接続部147の間で緩やかに湾曲した曲げ部160(第2曲げ部)を有し、曲げ部160は、螺旋状に湾曲する。このような構成によれば、伝熱シート128を固定部124に対してバランス良く接続することができ、伝熱シート128の放熱性を向上させることができる。
【0119】
また、実施形態2の撮像装置102では、伝熱シート128(接続部材)は、接続部148(第2接続部)から曲げ部150(第1曲げ部)に向かって延びて、接続部148から曲げ部160(第2曲げ部)に向かって延びることで、2股に分かれた形状を有する。このような構成によれば、伝熱シート128を固定部124に対してバランス良く接続することができ、伝熱シート128の放熱性を向上させることができる。
【0120】
以上、上述の実施形態1、2を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態1、2に限定されない。例えば、実施形態1、2では、固定部24、124と可動部26、126とを接続する接続部材として伝熱シート28、128を例示したが、このような場合に限らず、伝熱シートとは異なる部材(例えばフレキシブルケーブル)であってもよい。
【0121】
また実施形態1、2では、伝熱シート28、128がそれぞれ、接続部48、148から一方側と他方側の2股に分かれる場合について説明したが、このような場合に限らず、一方側と他方側のうちのいずれか一方にのみ延びる場合であってもよい。その場合、緩やかに湾曲する曲げ部の数は2つに限らず、3つ以上設けてもよい。
【0122】
また実施形態1では、仮想軸A1、A2、A3、A4がZ軸方向に延びる場合について説明したが、このような場合に限らず、光軸Lに直交する方向であれば任意の方向に延びてもよい(例えば、Y軸方向に延びる場合や、YZ平面内で斜めに延びる場合)。実施形態2では、仮想軸B1、B2がY軸方向に延びる場合について説明したが、このような場合に限らず、光軸Lに直交する方向であれば任意の方向に延びてもよい(例えば、Z軸方向に延びる場合や、YZ平面内で斜めに延びる場合)。
【0123】
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した特許請求の範囲による本開示の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。また、各実施形態における要素の組合せや順序の変化は、本開示の範囲および思想を逸脱することなく実現し得るものである。
【0124】
なお、前記実施形態および様々な変形例のうち、任意の実施形態および変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる
【産業上の利用可能性】
【0125】
本開示は、デジタルカメラ等の被写体を撮像する撮像装置に適用可能である。
【符号の説明】
【0126】
2 撮像装置
12 筐体
16 撮像素子
24 固定部
26 可動部
28 伝熱シート(接続部材)
46 接続部(第1接続部)
47 接続部(第3接続部)
48 接続部(第2接続部)
50 曲げ部(第1曲げ部)
52 曲げ部(第2曲げ部)
60 曲げ部(第3曲げ部)
62 曲げ部(第4曲げ部)
A1 第1仮想軸
A2 第2仮想軸
A3 第3仮想軸
A4 第4仮想軸
L 光軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20