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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179158
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】フレーム構成家具
(51)【国際特許分類】
   A47B 47/02 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
A47B47/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097768
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】110003823
【氏名又は名称】弁理士法人柳野国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横田 一寿
(72)【発明者】
【氏名】岡本 敏明
【テーマコード(参考)】
3B054
【Fターム(参考)】
3B054AA01
3B054BA06
3B054BA09
3B054BA15
3B054BB03
3B054BB08
3B054BB14
3B054BC04
3B054BC06
3B054BC12
3B054CA03
3B054CA11
3B054EA03
3B054FA01
(57)【要約】
【課題】棚部材を直接的に支柱に組付けることにより、製造時の工数及び部品点数を削減できるため、コストを抑制することができる、フレーム構成家具を提供する。
【解決手段】フレーム構成家具の一実施形態に係る棚1は、奥行方向及び幅方向に並んで配置された四本の支柱3と、四本の支柱3の間に一枚以上架け渡される棚部材5と、を備え、棚部材5は、奥行方向の両辺における幅方向の両端部のそれぞれに金具収容部5bが形成され、金具収容部5bに連結金具7の基端部が固定され、連結金具7の先端部が支柱3に係合することにより、四本の支柱3と棚部材5とが組付けられる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
奥行方向及び幅方向に並んで配置された四本の支柱と、
四本の前記支柱の間に一枚以上架け渡される棚部材と、を備え、
前記棚部材は、奥行方向の両辺における幅方向の両端部のそれぞれに金具収容部が形成され、
前記金具収容部に連結金具の基端部が固定され、前記連結金具の先端部が前記支柱に係合することにより、前記四本の支柱と前記棚部材とが組付けられる、フレーム構成家具。
【請求項2】
奥行方向に並んだ二本の前記支柱における少なくとも上端部と下端部とが互いに連結フレームで連結されることにより、前記四本の支柱が一対のフレーム部材として構成される、請求項1に記載のフレーム構成家具。
【請求項3】
前記棚部材が金属板で構成され、
前記金具収容部は、前記棚部材の奥行方向の両辺が折り曲げられて形成される、請求項2に記載のフレーム構成家具。
【請求項4】
前記棚部材は、一枚の板状部材と、前記板状部材の奥行方向の両辺に沿う縁部を有する金属板部材と、で構成され、
前記金具収容部は、前記金属板部材の前記縁部が折り曲げられて形成される、請求項2に記載のフレーム構成家具。
【請求項5】
前記連結金具は、第一金具と、第二金具と、を備え、
前記基端部と前記先端部とが互いに近接する方向に前記第一金具と前記第二金具とが相対変位することにより、前記棚部材と前記支柱とが互いに近接する、請求項1から請求項4の何れか一項に記載のフレーム構成家具。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、フレーム部材に棚部材を組付けて構成されるフレーム構成家具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、支柱を備えるフレーム部材に棚部材を組付けて家具(シェルフ)を構成する技術が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-62116号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術においては、幅方向に対向する支柱の間に横フレームを架け渡し、この横フレームに棚部材を組付けることによって家具を構成している。この構成によれば、製造時の工数及び部品点数が嵩むことによりコストが高くなっていた。そこで、本開示は、上記に関する課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1観点に係るフレーム構成家具は、奥行方向及び幅方向に並んで配置された四本の支柱と、四本の前記支柱の間に一枚以上架け渡される棚部材と、を備え、前記棚部材は、奥行方向の両辺における幅方向の両端部のそれぞれに金具収容部が形成され、前記金具収容部に連結金具の基端部が固定され、前記連結金具の先端部が前記支柱に係合することにより、前記四本の支柱と前記棚部材とが組付けられる。
【0006】
上記第1観点に係るフレーム構成家具によれば、棚部材を直接的に支柱に組付けることにより、製造時の工数及び部品点数を削減できるため、コストを抑制することができる。
【0007】
また、本発明の第2観点に係るフレーム構成家具は、上記第1観点に係るフレーム構成家具であって、奥行方向に並んだ二本の前記支柱における少なくとも上端部と下端部とが互いに連結フレームで連結されることにより、前記四本の支柱が一対のフレーム部材として構成される。
【0008】
上記第2観点に係るフレーム構成家具によれば、一対のフレーム部材に棚部材を架け渡すことにより、フレーム構成家具の剛性を高めることができる。
【0009】
また、本発明の第3観点に係るフレーム構成家具は、上記第2観点に係るフレーム構成家具であって、前記棚部材が金属板で構成され、前記金具収容部は、前記棚部材の奥行方向の両辺が折り曲げられて形成される。
【0010】
上記第3観点に係るフレーム構成家具によれば、安価且つ高強度な構成で金具収容部を形成することができる。
【0011】
また、本発明の第4観点に係るフレーム構成家具は、上記第2観点に係るフレーム構成家具であって、前記棚部材は、一枚の板状部材と、前記板状部材の奥行方向の両辺に沿う縁部を有する金属板部材と、で構成され、前記金具収容部は、前記金属板部材の前記縁部が折り曲げられて形成される。
【0012】
上記第4観点に係るフレーム構成家具によれば、安価且つ高強度な構成で金具収容部を形成することができる。
【0013】
上記第4観点に係るフレーム構成家具においては、板状部材として、木板、樹脂製板、ガラス板、石膏ボード等を採用することが可能である。
【0014】
また、本発明の第5観点に係るフレーム構成家具は、上記第1観点から第4観点の何れか一に係るフレーム構成家具であって、前記連結金具は、第一金具と、第二金具と、を備え、前記基端部と前記先端部とが互いに近接する方向に前記第一金具と前記第二金具とが相対変位することにより、前記棚部材と前記支柱とが互いに近接する。
【0015】
上記第5観点に係るフレーム構成家具によれば、フレーム部材に対して棚部材を強固に組付けることができる。
【発明の効果】
【0016】
以上における本発明に係るフレーム構成家具によれば、棚部材を直接的に支柱に組付けることにより、製造時の工数及び部品点数を削減できるため、コストを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第一実施形態に係る棚を示した斜視図。
図2】第一実施形態に係る棚を示した分解斜視図。
図3】(a)は第一実施例に係る棚部材を示した平面図、(b)は図3(a)におけるA部分の拡大平面図。
図4】(a)及び(b)は、第一実施例に係る棚部材を示した一部切り欠き斜視図、及び、分解図。
図5】(a)及び(b)は、連結金具の分解状態及び組付状態の斜視図。
図6】連結金具を用いて棚部材を支柱に組付ける状態を示した斜視図。
図7】(a)及び(b)は、図3(b)におけるX-X線断面図であり、連結金具を用いて棚部材を支柱に組付ける状態を示した断面図。
図8】(a)は第二実施例に係る棚部材を示した平面図、(b)は図8(a)におけるB部分の拡大平面図。
図9】(a)及び(b)は、第二実施例に係る棚部材を示した一部切り欠き斜視図、及び、分解図。
図10】(a)は第三実施例に係る棚部材を示した平面図、(b)は図10(a)におけるC部分の拡大平面図。
図11】(a)及び(b)は、第三実施例に係る棚部材を示した一部切り欠き斜視図、及び、分解図。
図12】第二実施形態に係る棚を示した斜視図。
図13】パネル部材の組付構成を示した下方斜視図。
図14】第三実施形態に係る棚を示した斜視図。
図15】(a)は第四実施例に係る棚部材を示した平面図、(b)は図15(a)におけるD部分の拡大平面図。
図16】(a)及び(b)は、第四実施例に係る棚部材を示した一部切り欠き斜視図、及び、分解図。
図17】第四実施形態に係る棚を示した斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[棚1(第一実形態)]
まず、図1から図7を用いて、本発明であるフレーム構成家具の第一実施形態に係る棚1について説明する。以下で説明する棚1については、主にスチール製の部材を組み合わせて構成されている。本明細書において、棚1は平面視における長手方向を「左右方向」又は「幅方向」、短手方向を「前後方向」又は「奥行方向」として記載する(他の実施形態についても同様)。
【0019】
本実施形態に係る棚1は、左右一対のフレーム部材2・2に五枚の棚部材5が架け渡されて構成されている。それぞれのフレーム部材2は図2に示す如く、奥行方向に並んだ二本の支柱3・3における上端部が上連結フレーム4Uで連結され、支柱3・3における下端部が下連結フレーム4Dで連結されることにより構成されている。また、支柱3・3の上下方向中途部は四本の中連結フレーム4Mで連結される。支柱3・3と上中下の連結フレーム4U・4M・4Dとは溶接により結合されている。それぞれの支柱3の左右方向内側面には、各連結フレーム4が設けられている高さ位置に、後述する連結金具7を係合させるための係合孔3aが開口されている(図6を参照)。
【0020】
本実施形態において、第一実施例に係る棚部材5はスチール製の金属板で構成されてフレーム部材2・2に架け渡される。より詳細には図2及び図3(a)に示す如く、フレーム部材2・2が連結金具7を介して棚部材5で強固に連結されることにより、剛性の高い棚1が構成されている。
【0021】
本実施形態に係る棚1において、フレーム部材2・2の最上部は連結金具7を介して横フレーム8・8で連結されている。なお、支柱3に対する横フレーム8の連結方法は、支柱3に対する棚部材5の連結方法と同様であるため、詳細な説明を省略する。また、棚1の最上部に横フレーム8を設けず、棚部材5でフレーム部材2・2の上端部を連結する構成とすることも可能である。
【0022】
上記の如く、本実施形態に係る棚1において、奥行方向及び幅方向に並んで配置された四本の支柱3と、支柱3の上端部及び下端部を前後方向に連結する上中下の連結フレーム4U・4M・4Dと、でフレーム部材2が形成される。そして、棚1は、左右一対のフレーム部材2・2と、フレーム部材2・2の間(四本の支柱3の間)に架け渡される五枚の棚部材5と、二本の横フレーム8・8と、を備えて構成されている。
【0023】
図3(a)及び(b)に示す如く、棚部材5は、奥行方向の両辺(前辺及び後辺)における幅方向の両端部のそれぞれに、合計四箇所の金具収容部5bが形成されている。本実施形態においては、棚部材5の前辺及び後辺が折り曲げられることにより金具収容部5bが形成される。図6及び図7に示す如く、金具収容部5bの下面には連結金具7を固定するための固定孔5aが開口されている。
【0024】
図3及び図4に示す如く、金具収容部5bの近傍には、棚部材5の幅方向に沿って板金を折り曲げて構成した補強部材6が固定される。補強部材6により、棚部材5の強度を向上させることが可能となる。なお、棚部材5を充分に剛性の高い素材で形成することにより、補強部材6を設けない構成とすることも可能である。
【0025】
図7に示す如く、金具収容部5bには連結金具7の基端部が固定される。そして、連結金具7の先端部(後述する第二金具72の係合部72a)が支柱3の係合孔3aに係合することにより、支柱3と棚部材5とが組付けられる(図6を参照)。
【0026】
図5から図7に示す如く、連結金具7は、第一金具71と第二金具72とで構成される。第一金具71の側面にはスライド部71aが突出して形成されている。第一金具71の底面には雌ねじ孔71bが開口されている。第一金具71は棚部材5に開口された固定孔5aから挿入されたねじSが雌ねじ孔71bに螺入されることにより、金具収容部5bに固定される。
【0027】
第二金具72は先端部に係合部72aが形成され、係合部72aが支柱3の係合孔3aに係合する。また、第二金具72の側面には第一金具71のスライド部71aを挿入可能な傾斜溝部72bが形成されている。第二金具72の底面には小判型の挿通孔72cが開口されている。
【0028】
連結金具7で支柱3と棚部材5とを連結する際は、スライド部71aを傾斜溝部72bに挿入して第一金具71と第二金具72とを組み合わせた状態で、係合部72aを係合孔3aに係合させる。そして、棚部材5の金具収容部5bに連結金具7を挿入し、図7(a)に示す如く、ねじSを固定孔5a、挿通孔72cを介して挿入し、雌ねじ孔71bに螺入させる。
【0029】
ねじSを締め付けることにより第一金具71と第二金具72とが近接するため、スライド部71aが傾斜溝部72bに沿って下方にスライドする。これにより、連結金具7の基端部と先端部とが互いに近接する方向に第一金具71と第二金具72とが相対変位するため、図7(b)に示す如く棚部材5と支柱3とが互いに引き寄せられて強固に連結される。
【0030】
上記の如く、本発明であるフレーム構成家具の第一実施形態に係る棚1においては、棚部材5の奥行方向の両辺における幅方向の両端部のそれぞれに金具収容部5bが形成されている。そして、金具収容部5bに連結金具7の基端部が固定され、連結金具7の先端部が支柱3に係合することにより、フレーム部材2・2(四本の支柱3)と棚部材5とが組付けられる。
【0031】
このように、本実施形態に係る棚1は、棚部材5を直接的にフレーム部材2(支柱3)に組付ける構成であり、棚部材5を組付けるために支柱3・3の間に横フレームを架け渡す必要がない。即ち、棚1の製造時の工数及び部品点数を削減できるため、棚1の製造コストを抑制することができる。また、本実施形態においては、一対のフレーム部材2・2に棚部材5を架け渡すことにより、棚1の剛性を高めることを可能としている。
【0032】
また、本実施形態に係る棚1によれば、所定の高さの平面視における形状を棚部材5の形状に安定させることができる。即ち、棚部材5が設けられている高さ位置において、棚1の前部と後部との水平方向の位置を一致させることができ、棚1が平面視で平行四辺形状に変形することを抑制できるため、棚1の強度を向上させることができる。
【0033】
また、本実施形態に係る棚1において、棚部材5は金属板で構成され、金具収容部5bは棚部材5の奥行方向の両辺が折り曲げられて形成される。これにより、安価且つ高強度な構成で金具収容部5bを形成することを可能としている。
【0034】
[棚部材の他の実施例]
次に、図8及び図9を用いて、本実施形態に係る棚1において、第一実施例に係る棚部材5に代えて採用することのできる、第二実施例に係る棚部材15について説明する。図8及び図9に示す如く、棚部材15は、一枚の板状部材である木板15wと、木板15wの下面に組付けられる一枚の金属板部材15sと、がねじにより結合されて構成される。
【0035】
図8(a)及び(b)に示す如く、棚部材15は、奥行方向の両辺(前辺及び後辺)における幅方向の両端部のそれぞれに、合計四箇所の金具収容部15bが形成されている。金具収容部15bには、棚部材5と同様に連結金具7が挿入され、棚部材15は連結金具7を介して支柱3に連結される。
【0036】
本実施形態においては、棚部材15を構成する金属板部材15sの前辺及び後辺が折り曲げられることにより金具収容部15bが形成される。より詳細には、金属板部材15sは、木板15wの奥行方向の両辺に沿う縁部を有して構成されており、金具収容部15bは金属板部材15sの縁部が折り曲げられて形成される。
【0037】
次に、図10及び図11を用いて、本実施形態に係る棚1において、第一実施例に係る棚部材5に代えて採用することのできる、第三実施例に係る棚部材25について説明する。図10及び図11に示す如く、棚部材25は、一枚の板状部材である木板25wと、木板25wの奥行方向の両辺(前辺及び後辺)における下面に組付けられる二枚の金属板部材25s・25sと、がねじにより結合されて構成される。
【0038】
図10(a)及び(b)に示す如く、棚部材25は、奥行方向の両辺(前辺及び後辺)における幅方向の両端部のそれぞれに、合計四箇所の金具収容部25bが形成されている。金具収容部25bには、棚部材5と同様に連結金具7が挿入され、棚部材25は連結金具7を介して支柱3に連結される。
【0039】
本実施形態においては、棚部材25を構成する前側の金属板部材25sの前辺、及び、後側の金属板部材25sの後辺が折り曲げられることにより金具収容部25bが形成される。より詳細には、それぞれの金属板部材25s・25sは、木板25wの奥行方向の両辺に沿う縁部を有して構成されており、金具収容部25bは金属板部材25sの縁部が折り曲げられて形成される。
【0040】
上記の第二・第三実施例に係る棚部材15・25のように、木板と金属板部材とを組み合わせることにより、安価且つ高強度な構成で金具収容部を形成することが可能である。また、上記実施例の棚部材は上面に木板の表面が露出しているため、棚1の意匠性を向上させることが可能である。なお、上記実施例に係る板状部材としては、木板の他に、樹脂製板、ガラス板、石膏ボード、補強材を設けた鋼板等を採用することが可能である。この場合、棚部材の上下面を逆にして、板状部材が下側に位置するように構成することも可能である。
【0041】
[棚101(第二実形態)]
次に、図12及び図13を用いて、本発明であるフレーム構成家具の第二実施形態に係る棚101について説明する。以下に説明する実施形態において、第一実施形態に係る棚1と同じ構成については詳細な説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。
【0042】
本実施形態に係る棚101は、左右一対のフレーム部材102・102に五枚の棚部材105が架け渡されて構成されている。それぞれのフレーム部材102は、奥行方向に並んだ二本の支柱103・103が、上連結フレーム104U、下連結フレーム104D、及び、四本の中連結フレーム104Mで連結される。
【0043】
本実施形態に係る棚101において、棚部材105はスチール製の金属板で構成され、第一実施形態と同様に連結金具を介してフレーム部材102・102の支柱103に連結される。また、フレーム部材102・102の最上部には横フレーム108・108が設けられる。
【0044】
本実施形態に係る棚101においては、それぞれの棚部材105の上部空間の後側を閉塞する背パネルPb、及び、棚部材105の上部空間の左右両側を閉塞する側パネルPs・Psが設けられる。以下、背パネルPbの組付方法について説明する。なお、側パネルPsの組付方法については背パネルPbと略同様である。
【0045】
図13に示す如く、本実施形態に係る棚101において、背パネルPbは下部固定具111及び上部固定具112を介して組付けられる。下部固定具111は平面視でクランク状に折り曲げられた板金であり、上部固定具112は矩形の板金である。上部固定具112は背パネルPbの上面に形成された溝Gに挿入される。
【0046】
図13に示す如く、本実施形態における支柱103には、下部固定具111の基端部を挿入可能な支柱スリット103aが開口されている。また、棚部材105の下面には、上部固定具112を挿入可能な棚スリット105aが開口されている。
【0047】
背パネルPbを棚101に組付ける際は、背パネルPbの溝Gに挿入された上部固定具112の上側を、棚部材105の棚スリット105aに挿入する。そして、背パネルPbの下部を、支柱スリット103aに挿入された下部固定具111に当接させて、ねじにより下部固定具111と背パネルPbとを結合するのである。
【0048】
また、図13に示す如く、本実施形態における中連結フレーム104M(上連結フレーム104Uも同様)の下面には、上部固定具112を挿入可能なフレームスリット104aが開口されている。
【0049】
側パネルPsを棚101に組付ける際は、側パネルPsの溝Gに挿入された上部固定具112の上側を、中連結フレーム104Mのフレームスリット104aに挿入する。そして、側パネルPsの下部を、支柱スリット103aに挿入された下部固定具111に当接させて、ねじにより下部固定具111と側パネルPsとを結合するのである。
【0050】
上記の如く、本発明であるフレーム構成家具の第二実施形態に係る棚101においては、支柱103、連結フレーム104、及び、棚部材105にスリットを形成することにより、背パネルPb及び側パネルPs・Psを組付けることを可能としている。
【0051】
[棚201(第三実形態)]
次に、図14から図16を用いて、本発明であるフレーム構成家具の第三実施形態に係る棚201について説明する。本実施形態に係る棚201は、左右一対のフレーム部材202・202に五枚の棚部材205が架け渡されて構成されている。それぞれのフレーム部材202は、奥行方向に並んだ二本の支柱203・203が、上連結フレーム204U及び下連結フレーム204Dで連結される。即ち、本実施形態に係る棚201は、第一実施形態に係る棚1から中連結フレーム4Mを排した構成である。
【0052】
本実施形態に係る棚201において、棚部材205はスチール製の金属板で構成され、第一実施形態と同様に連結金具を介してフレーム部材202・202の支柱203に連結される。また、フレーム部材202・202の最上部には横フレーム208・208が設けられる。
【0053】
図15(a)及び(b)に示す如く、棚部材205は、奥行方向の両辺(前辺及び後辺)における幅方向の両端部のそれぞれに、合計四箇所の金具収容部205bが形成されている。本実施形態においては、棚部材205の前辺及び後辺が折り曲げられることにより金具収容部205bが形成される。図15及び図16に示す如く、金具収容部205bの近傍には、棚部材205の幅方向に沿って板金を折り曲げて構成した補強部材206が固定される。
【0054】
図15(a)及び(b)に示す如く、本実施形態に係る棚201において、棚部材205の左右両側面は、支柱203の左右方向外側の面と同一面となる(面一になる)ように突出して形成されている。これにより、棚部材205の左右両端部が支柱203・203の間に挿入されるため、棚201の側面において支柱203と棚部材205とが同じ平面に位置し、棚201の意匠性を向上させることができる。また、複数の棚201を並べて配置した場合でも、隣接する棚部材205・205の間に隙間が形成されないため、意匠性が低下することを防ぐことができる。なお、本実施形態に係る棚201の最下段には、下連結フレーム204Dとの干渉を防ぐために、第一実施形態における棚部材5が設けられている。
【0055】
なお、本実施形態において採用されたフレーム部材202・202に、第一実施形態の第二・第三実施例に係る棚部材15・25のような、板状部材と金属板部材とを組み合わせた棚部材を設けることも可能である。この場合でも、棚部材の左右両側面を、支柱203の左右方向外側の面と同一面となるように突出して形成することにより、棚の意匠性を向上させることができる。
【0056】
[棚301(第四実形態)]
次に、図17を用いて、本発明であるフレーム構成家具の第四実施形態に係る棚301について説明する。本実施形態に係る棚301は、左右方向に並べられた三個のフレーム部材302の間に五枚ずつ、合計十枚の棚部材305が架け渡されて構成されている。それぞれのフレーム部材302は、奥行方向に並んだ二本の支柱303・303が、上連結フレーム304U及び下連結フレーム304Dで連結される。即ち、本実施形態に係る棚301は、第三実施形態に係る棚201を二個、中央のフレーム部材302を共有した状態で並べ、棚部材305で連結した構成である。
【0057】
図17に示す如く、本実施形態に係る棚301において、棚部材305の左右両側面は、支柱303の左右幅の半分の長さが突出して形成されている。これにより、棚部材305の左右両端部が支柱303の左右幅の半分まで挿入される。このため、図17に示す如く、隣接する棚部材305・305の間に隙間が形成されないため、棚301の意匠性が低下することを防ぐことができる。なお、本実施形態に係る棚301の最下段には、下連結フレーム304Dとの干渉を防ぐために、第一実施形態における棚部材5が設けられている。
【0058】
[他の変形例]
上記の実施形態は、以下に示す他の変形例に示すように適宜変形が可能である。なお、本明細書に記載する各変形例は、矛盾が生じない範囲で他の変形例と組み合わせて適用されてもよい。
【0059】
上記の各実施形態に係る棚においては、支柱を連結フレームで連結してフレーム部材を形成し、複数のフレーム部材を棚部材で連結する構成としたが、支柱を連結フレームで連結せずに(フレーム部材を構成せずに)、各支柱を棚部材で連結する構成とすることも可能である。
【0060】
また、支柱を連結フレームで連結してフレーム部材を形成する場合でも、連結フレームの配置形状及び本数は限定されるものではなく、支柱の上端、下端、及び中途部の何れを連結してフレーム部材を形成することも可能である。
【0061】
また、上記の各実施形態において、フレーム構成家具として棚を記載したが、フレーム構成家具の用途は棚に限定されるものでなく、例えば机、椅子(ベンチ)、寝台等、他の家具を構成することも可能である。また、棚における棚部材の一部をシート状部材に置き換えることにより、使用者が腰かけることのできる棚を構成することも可能である。
【0062】
本発明に係るフレーム構成家具において、棚部材を支柱に連結するための連結金具は本実施形態に限定されるものではなく、一部材により連結金具を構成するものであっても良い。
【符号の説明】
【0063】
1 棚(フレーム構成家具・第一実施形態)
2 フレーム部材 3 支柱
3a 係合孔 4U 上連結フレーム
4D 下連結フレーム 4M 中連結フレーム
5 棚部材(第一実施例)
5a 固定孔 5b 金具収容部
6 補強部材 7 連結金具
8 横フレーム
15 棚部材(第二実施例)
15w 木板(板状部材) 15s 金属板部材
15b 金具収容部
25 棚部材(第三実施例)
25w 木板(板状部材) 25s 金属板部材
25b 金具収容部
71 第一金具 71a スライド部
71b 雌ねじ孔 72 第二金具
72a 係合部 72b 傾斜溝部
72c 挿通孔 S ねじ
101 棚(フレーム構成家具・第二実施形態)
102 フレーム部材 103 支柱
103a 支柱スリット 104U 上連結フレーム
104D 下連結フレーム 104M 中連結フレーム
104a フレームスリット 105 棚部材
105a 棚スリット 107 連結金具
108 横フレーム 111 下部固定具
112 上部固定具
Ps 側パネル Pb 背パネル
G 溝
201 棚(フレーム構成家具・第三実施形態)
202 フレーム部材 203 支柱
204U 上連結フレーム 204M 中連結フレーム
205 棚部材(第四実施例)
205b 金具収容部 206 補強部材
208 横フレーム
301 棚(フレーム構成家具・第四実施形態)
302 フレーム部材 303 支柱
304U 上連結フレーム 304M 中連結フレーム
305 棚部材


図1
図2
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図17