(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179171
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】遊技場用システム
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
A63F7/02 350
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097802
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】小島 紹広
(72)【発明者】
【氏名】代田 喜之
(72)【発明者】
【氏名】藤田 寛仁
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BC25
2C088CA23
2C088CA26
2C088EB68
(57)【要約】
【課題】側方のイルミネーション部を設けたまま遊技情報の表示領域を大きく確保可能とする。
【解決手段】情報表示装置3において、左側及び右側の少なくとも一方に側方イルミネーション部42A,42Bを設けた構成としながらも、その側方イルミネーション部42A,42Bの一部が遮られる分、情報表示部41における表示画面39を大きく確保することが可能となる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技場内に設置された遊技機の上方に遊技機単位で設置され、当該遊技機の遊技に関する各種の遊技情報を表示可能な情報表示装置において、
矩形状をなす表示装置本体と、
前記表示装置本体の前面側に設けられ、前記遊技情報を表示するための情報表示部と、
前記表示装置本体の正面に対して、右側、及び左側の少なくとも一方に設けられた側方イルミネーション部と、を備え、
前記情報表示部を前方から見て、前記側方イルミネーション部における少なくとも一部が、当該情報表示部で遮られる配置構成とした情報表示装置。
【請求項2】
前記表示装置本体には、前記情報表示部と、前記側方イルミネーション部を保持する保持体と、が前後方向に重なるようにして組付けられている請求項1に記載の情報表示装置。
【請求項3】
前記表示装置本体の正面に対して、上側、及び下側の少なくとも一方に設けられた上下イルミネーション部を備え、
前記保持体は、前記上下イルミネーション部を保持可能であり、前記情報表示部に対する左右方向の突出長が上下方向の突出長を超えない寸法に設定されることにより、前記上下イルミネーション部は当該情報表示部から覗く一方、前記側方イルミネーションにおける少なくとも一部は当該情報表示部で遮られる請求項2に記載の情報表示装置。
【請求項4】
前記表示装置本体の正面に対して、上側、及び下側の少なくとも一方に設けられた上下イルミネーション部を備え、
前記表示装置本体を側方から見て、前記側方イルミネーションよりも前記上下イルミネーション部が前方に位置するように配設されている請求項1から3の何れか一項記載の情報表示装置。
【請求項5】
前記表示装置本体の正面に対して、上側、及び下側の少なくとも一方に設けられた上下イルミネーション部と、
前記上下イルミネーション部について当該遊技機にて遊技を行う遊技者向けの第1点灯制御を行い、前記側方イルミネーションについて当該遊技者以外の遊技者或いは遊技場従業員向けの第2点灯制御を行う制御部と、を備える請求項1から3の何れか一項記載の情報表示装置。
【請求項6】
前記表示装置本体において、前記情報表示部と前記保持体との間を接続する接続部を設け、
前記接続部は、前記情報表示部の外周囲よりも内側へ窪ませた窪み部として形成されている請求項2または3記載の情報表示装置。
【請求項7】
前記情報表示部の外周囲と前記窪み部とは、相互に視認性の異なる表面加工が施され、前記窪み部に施される表面加工の方が視認性の低い請求項6記載の情報表示装置。
【請求項8】
前記情報表示部には、その外周囲に沿ってライン状の縁取り部が形成されている請求項1から3の何れか一項記載の情報表示装置。
【請求項9】
前記表示装置本体の正面に対して、上側、及び下側の少なくとも一方に設けられた上下イルミネーション部を備え、
前記保持体は、前記上下イルミネーション部を保持可能である一方、前記情報表示部の背面側に設けられ、
前記表示装置本体は、前記情報表示部と、前記保持体との間を接続する接続部を設けることで、前記保持体により前記側方イルミネーション部、及び前記上下イルミネーション部の少なくとも一方を、前記情報表示部から離間させて保持する構成とした請求項2または3記載の情報表示装置。
【請求項10】
前記保持体は、ベース部と後側パネルとを含み、
前記情報表示部は、その前側表示部分と表示用の制御基板とを含み、
前記前側表示部分と前記制御基板とが、前記ベース部を挟む位置に配置される請求項2または3記載の情報表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場では場内を華やかに演出するため、各種イルミネーションの実行や各種情報を表示する情報表示装置が遊技機単位で配置されている。
例えば、特許文献1の
図1に示される情報表示装置は、主たる表示領域20を前面に有するとともに、同図の表示領域20の上側や左右両側に並ぶ第一照明部3や第二照明部4といったイルミネーション部3,4を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記の情報表示装置は、その外形寸法につき遊技島における配置や遊技機の並びとの関係で制約を受ける。即ち、遊技島において複数の遊技機が隣接して連なっており、各遊技機の上側に情報表示装置を配置するにしても、遊技機の横幅を考慮した上で情報表示装置の横幅を規定する必要がある。
また、情報表示装置では、主たる表示領域20を拡げる為に、イルミネーション部3,4を除外することも考えられるが、特に左右のイルミネーション部4は例えば遊技島の端から遊技を観戦する遊技者へのアピールや、遊技場従業員に対して異常であることを報知するといった役割があり、除外することは難しい。つまり、表示領域20を拡げる場合には、左右のイルミネーション部4との関係で相反する一長一短があり、両者の要請を同時に満たすことは困難である。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、側方のイルミネーション部を設けたまま遊技情報の表示領域を大きく確保可能な情報表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、遊技場内に設置された遊技機の上方に遊技機単位で設置され、当該遊技機の遊技に関する各種の遊技情報を表示可能な情報表示装置(例えば
図1示す遊技情報表示装置3)において、
矩形状をなす表示装置本体(例えば
図5に示す矩形状の装置本体40)と、
前記表示装置本体の前面側に設けられ、前記遊技情報を表示するための情報表示部(例えば表示画面39のある前側表示部分41F)と、
前記表示装置本体の正面に対して、右側、及び左側の少なくとも一方に設けられた側方イルミネーション部(例えば
図3の左右両側のイルミネーション部42A,42B)と、を備え、
前記情報表示部を前方から見て、前記側方イルミネーション部における少なくとも一部(例えば
図3の正面図における左右方向内側の部位)が、当該情報表示部で遮られる配置構成とした。
【0007】
本発明によれば、右側及び左側の少なくとも一方に側方イルミネーション部を設けた構成としながらも、その側方イルミネーション部の一部が遮られる分、情報表示部における表示領域を大きく確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】情報表示装置を含む遊技場用システム全体の概略図
【
図3】情報表示装置(情報表示部とイルミネーション部を含む全体)の正面図
【
図4】情報表示装置における情報表示部のみを示す正面図
【
図5】情報表示装置における取付部を分解して示す全体の斜視図
【
図7】情報表示装置を拡大して示す上部の側面図(a)、右下隅部の前方からの斜視図(b)、前面パネルを拡大して示す左下隅部の後方からの斜視図(c)
【
図8】表示装置本体の角度変位を示す直立位置の側面図(a)、傾斜位置の側面図(b)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の遊技情報表示装置を遊技場用システムに適用した一実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、遊技情報表示装置(以下「情報表示装置3」と称す)と共に示す遊技場用システム全体の概略図である。
【0010】
遊技場内には多数の遊技機1が設置されており、それら遊技機1と1対1で対応して、その側方の遊技装置2と上方の情報表示装置3とが夫々付設されている。遊技機1は対応する遊技装置2に接続され、遊技装置2及び情報表示装置3は2台ずつ中継装置4に接続され、中継装置4はLAN5を介して管理装置6と接続されている。
管理装置6は、遊技機1における遊技状況を示す遊技情報を受信することにより、遊技機1毎に遊技情報を管理する。この場合、遊技機1における遊技情報は、当該遊技機1側から遊技装置2、中継装置4を順次経由して管理装置6にて受信される。一方、管理装置6において設定される遊技装置2の各種設定情報は、当該管理装置6側から中継装置4を経由して遊技装置2や情報表示装置3にて受信される。
【0011】
遊技場内には、景品交換端末(以下、POSと称する)7や、精算機(図示略)等も設置されており、POS7や精算機も、LAN5を介して管理装置6と接続されている。
POS7は、遊技装置2で発行された図示しないICカード(会員カードや一般カードといった周知の記録媒体)がカード挿入口に挿入されると、挿入されたICカードを受付けて当該ICカードにより特定される持玉や貯玉等の遊技価値に基づいて景品交換処理を行う。前記精算機は、ICカードがカード挿入口から挿入されると、挿入されたICカードを受付けて当該ICカードに記録されている入金残高(貨幣価値、以下、残高と称する場合がある)をカードRWにより読取り、その読取った残高に対応する紙幣や硬貨を返却口から返却する。
【0012】
管理装置6は、例えば遊技場内の事務室等に設置された管理手段であり、遊技場の管理者が操作するキーボード9、モニタ10、プリンタ(図示せず)等を備える。詳しい図示は省略するが、管理装置6の制御部は、CPU、ROMやRAMといった記憶部を有するマイクロコンピュータを主体に構成されている。管理装置6の制御部には、上記したキーボード9、モニタ10、プリンタ等が接続されると共に、遊技機1側(遊技装置2を含む)や情報表示装置3等との間で各種信号を送受信する送受信部等が接続される。
【0013】
なお、
図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機1が管理装置6の管理対象となっている。また、同図では説明の便宜上、遊技機1の左右に間隔を設けているが、実際には遊技島(図示略)において複数の遊技機1が遊技装置2を挟んで隣接する周知の設置形態となっている。
【0014】
遊技機1は、予め機内に封入された循環遊技媒体(例えば循環パチンコ玉)を使用する封入式のパチンコ機である。遊技機1で用いられる遊技価値(遊技媒体)は仮想上のパチンコ玉であるが、機内の記憶部に記憶される遊技価値であり、従来の払出式の遊技機とは異なり、盤面に打ち出された玉は循環し、入賞した場合であっても遊技機外に払出されず、遊技に応じて記憶部の遊技価値である遊技玉が増減される。
【0015】
遊技機1は、遊技者が所有する残高、持玉や貯玉といった獲得価値を換算した遊技玉を記憶及び管理し、その機内の記憶部に記憶している遊技玉(遊技価値)が残っていることを条件として内部の循環パチンコ玉(単に「玉」とも称する)を発射装置に供給して盤面に発射し、入賞して遊技者が遊技玉を獲得すると、遊技玉を払出すことなくデータ上の遊技玉として加算する(入賞付与処理)等して遊技状態を管理する。
【0016】
図2に示すように、遊技機1は、パチンコ玉が発射される盤面11、発射装置を構成する操作ハンドル12、残高を遊技玉に換算するための貸出釦13、ICカードを発行するための返却釦14、残高を表示する残高表示部15、遊技玉を持玉に換算するための計数釦16、遊技玉の玉数を表示する遊技玉表示部17を有する。盤面11には、普図表示部18、普図保留表示部19、特図表示部20、普図入賞口21、一般入賞口22,23、第1保留数表示部24、第2保留数表示部25、第1始動口26、第2始動口27、大入賞口28が設けられている。また、計数釦16及び遊技玉表示部17の下方には、装飾用パネル29が設けられている。
【0017】
遊技機1は以下のように動作する。
(1)第1始動口26は入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ入賞口)であり、第2始動口27は入賞率が変動する入賞口(所謂電チュー)である。各始動口26,27への入賞(始動入賞)に応じて大当り抽選を行い、抽選結果を特図表示部20にて行う図柄変動(単位遊技)にて報知し、その変動結果に応じて大当りとなる。
【0018】
(2)図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。なお、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されない。
(3)大当り抽選の当選確率(大当り確率)は通常遊技状態(通常状態、通常)が1/320であり、確率変動状態(確変状態、確変)では1/70に向上するように設定されており、大当り後に確変となる大当り(確変大当り)となる割合である確変率は66%である。
【0019】
(4)大当りが発生すると対応するラウンド(R)分だけ大入賞口28を開放する。入賞することで遊技玉が加算され(入賞付与処理)、1Rの上限入賞数は10個、上限開放期間は30秒であり、上限入賞数、又は上限開放期間の何れか満たされた場合に1Rを終了する。対応するラウンドも大当り抽選と同様に抽選され、その振分率は、第1始動口26に入賞した場合は、2Rが60%、16Rが40%であるが、第2始動口27に入賞した場合は、2Rが10%、16Rが90%であり、入賞に応じた図柄変動の保留消化優先順位は第1始動口26よりも第2始動口27の方が高く設定される。
【0020】
(5)確変中は大当り確率が向上すると共に、第2始動口27の入賞率が高くなる時短状態(時短)になり、次の大当りが発生するまで継続する。又、確変大当りでない大当り(通常大当り)が発生した場合は大当り後に確変でない時短(単独時短)となり、所定の時短回数(例えば100回)分の図柄変動を行うか大当りが発生するまで時短を継続し、大当りが発生せずに時短回数分の図柄変動を行うと通常状態に戻る。
【0021】
(6)第2始動口27は普図入賞口21への入賞に応じて変動する普通図柄(普図)が当りとなった場合に通常の状態よりも入賞率の高い開放状態となる。この場合、普
図1回の変動期間は通常状態では30秒であり、時短状態では3秒である。また、開放期間は通常状態では0.3秒であり、時短では5秒である。即ち、時短では通常状態と比較して普図変動期間が短くなる一方、開放期間が長くなることで開放状態になり易くなり、第2始動口27の入賞率が高くなる。
【0022】
(7)また、上記以外に、大当り確率が複数設けられ、設定により変更可能な遊技機や、設定回数以上の図柄変動を行っても大当りが発生していない場合に時短を発生する所謂天井時短機能を備えるといった例示した遊技機以外の遊技機を管理対象としてもよい。
【0023】
遊技機1は、遊技者による玉の打ち込みや各始動口26,27への始動入賞等の遊技の進行に伴って、以下に示すデータ項目を出力する。
アウト=前回データ送信時からの消費(使用、打込)価値(アウト)を1玉単位で示すデータ項目である。
セーフ=前回データ送信時からの入賞に応じて付与された入賞付与価値(セーフ)を1玉単位で示すデータ項目である。
【0024】
S入賞(回数)=前回データ送信時からの始動入賞(S入賞)を1回単位で示すデータ項目である。
スタート(回数)=前回データ送信時からのS入賞により作動(変動)する役物(特図表示部20)のスタート(図柄変動数、役物作動数、単位遊技数)を示すデータ項目である。確定した時点で計数されるが、開始した時点で計数してもよい。
大当り(回数)=前回データ送信時から発生した大当り数を1回単位で示すデータ項目である。発生した時点で計数されるが、終了した時点で計数してもよい。
【0025】
大当り(状態)=データ送信時に大当り状態の発生中であればオン、大当り状態の発生中でなければオフを示すデータ項目である。オンとなってからオフとなるまでの期間が大当り中として特定される。
甘中(状態)=データ送信時に、特別状態中(甘中)、或いは大当り状態の発生中であればオン、それ以外であればオフを示すデータ項目である。オンとなってからオフとなるまでの期間が甘中、或いは大当り中として特定される。例えば甘中(状態)がオンの場合、大当り(状態)がオンであれば大当り中、オフであれば甘中と特定される。又、甘中は上記した時短や確変といった特別状態が対応する。大当り中には必ずしもオンにならないともよい。なお、大当り(状態)と甘中(状態)の何れもオフであれば通常状態と特定する。大当り、或いは甘中である状態を特賞中とする。なお、微時短中にはオンとならない。
【0026】
上記のデータ項目を特定可能な電文のようなデータ信号が遊技機1から遊技装置へ所定期間(300ms)単位で送信される。上記は本実施形態に関係する情報のみを例示しているが、他に遊技玉数や不正情報等も出力対象となる。
【0027】
遊技装置2は、遊技機1の遊技状態や遊技装置2の状態(エラー状態等)を示す状態表示灯30、貨幣(例えば紙幣)が投入される貨幣投入口31、遊技者からの操作入力を受付けると共に後述する各種の遊技データを表示するタッチパネル式の液晶表示部32、持玉(会員であれば貯玉も含む)を払出すための遊技釦33、ICカードが挿入されるカード挿入口34、遊技場従業員が携帯して操作するリモコン35(
図1参照)からの信号を受信するリモコン受光部36を有する。
【0028】
遊技装置2は、以下のように動作する。
(1)貨幣を受付けると(貨幣受付処理)、遊技機1と遊技装置2との双方に入金額を残高に加算して表示し、残高がある状態で遊技機1の貸出釦13の押下(貸出操作、付与操作)が行われると、貸出1単位(例えば125玉)分を貸出玉として遊技玉(対価付与価値)に変換し(貸出処理、対価付与処理)、遊技レート(以下、レートと称する)に応じた対価分を残高から引落とす。なお、貨幣は複数回の対価付与処理の対応分を受付可能である(例えば1万円まで)。
【0029】
(2)持玉を管理しており、持玉は直接的には遊技に使用できないが、遊技釦33の押下(再プレイ操作、付与操作)に応じて払出1単位分の持玉を遊技玉に変換する変換処理(対価付与処理)を行う。この場合、変換率を別途設けてもよいが、本実施形態では1:1としている(以下の計数処理についても同様)。
【0030】
(3)遊技に応じて遊技機1の遊技玉が増加した場合、遊技機1の計数釦16の押下(計数操作)に応じて遊技玉を持玉へ変換する計数処理を行う。この場合、1回の押下に応じて1玉を換算対象とするが、押下した状態を継続させると連続的、且つ加速的に換算可能となる。このようにして遊技玉と持玉とを更新し、遊技装置2では残高や持玉が残存する状態で遊技機1の返却釦14を押下する等の発行操作を行うと、その残高や持玉を特定可能な一般カードを発行する(発行処理)。なお、持玉の一部や残高のみを発行対象とする分割発行も可能とする。
【0031】
(4)発行処理は遊技機1における遊技玉に応じた発行条件が設けられ、本実施形態では遊技玉が所定数「0」以下となることで発行条件が成立して発行処理が可能となる。よって、遊技機1と一定間隔(例えば300ms毎に)で通信(アウトやセーフ等の情報も含む)を行っており、遊技への使用や計数処理等により遊技玉が「0」になると、その旨が遊技装置2へ通知され、発行条件が成立すると発行処理が許容される。遊技機1から遊技玉数を特定可能な遊技玉信号を受信することで遊技玉を更新して発行条件が成立した旨を特定すればよいが、遊技玉が「0」になった旨を示す信号を別途受信するような他の特定方法を採用してもよい。
【0032】
(5)発行された一般カードにより特定可能な持玉はPOS7にて景品との交換が許容され、残高は精算機にて貨幣に精算可能とする。なお、遊技装置2が受付ける貨幣を含め、貨幣価値としては現金を例示することできるが、例えば電子マネーやクレジット決済といったように現金以外の貨幣価値を受付対象や精算対象としてもよい。又、持玉や残高を一般カードに対応付けて発行処理を行うことを例示したが、例えば会員カードや遊技者の携帯電話機等の他の記録媒体に対応付けた発行処理を行っても勿論よい。
【0033】
(6)中継装置4とのシリアル通信により管理装置6にて貨幣受付処理や対価付与処理、残高や持玉、貸出玉数、換算(変換)玉数、入金額、計数玉数や貸出玉数や貸出玉の対価となる売上額、及び持玉券(ICカード)の受付や発行処理等の各種情報を特定可能とするが、これらをパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)にて特定可能としてもよい。なお、遊技機1との通信は、中継装置4を介さずに遊技機1と直接通信してもよいし、中継装置4を介して遊技機1と通信してもよい。
【0034】
次に、情報表示装置3について、
図3以降の図面も参照しながら説明する。
図3に示す情報表示装置3は、対応する遊技機1の上方の位置に遊技機単位で設置され、当該遊技機1の遊技に関する各種の遊技情報を表示可能な表示画面39を有する。また、同
図3、
図5に示すように、情報表示装置3は、その表示装置本体40の前面側に表示画面39を有する情報表示部41を備えるとともに、表示装置本体40の外周側にイルミネーション部42を備える。
ここで、
図4では説明の便宜上、情報表示装置3におけるイルミネーション部42の図示を省略した、情報表示部41のみの正面図を示しており、その表示画面39の表示内容について説明しておく。
【0035】
図4に示すように、情報表示部41には、その表示画面39の外面にタッチパネル43が設けられるとともに、その左下隅に位置させて呼出釦44が設けられている。なお、呼出釦44は、遊技者が従業員を呼出すための押圧式の釦であり、情報表示部41の左下隅の切欠き部41a(後述する
図6参照)に配置される。また、情報表示部41には、前記リモコン35(
図1参照)からの信号を受信するリモコン受光部(図示略)が設けられている。
【0036】
表示画面39は、
図4に示すように正面から見て左方側のサブ表示領域45と、右方側のメイン表示領域46とに区分されている。
サブ表示領域45は、例えばLEDにより「0」~「9」の数字を表示する7セグメントディスプレイにより、大当り回数やボーナス回数等を表示する第1サブ表示領域45aと、初期化条件成立後(営業開始や特別状態の終了などにより成立)からのスタートを表示する第2サブ表示領域45bとで構成される。また、第2サブ表示領域45bの下方には、対応する遊技機1の台番を示す台番表示領域45cがシールとして貼付されている。
【0037】
メイン表示領域46は、例えばフルカラー表示可能なLCD(Liquid Cristal Display)で構成され、「LCD46」とも称する(
図6参照)。また、メイン表示領域46では、
図4に例示するように複数の表示領域46a~46cに区分して表示したり、そのような区分をすることなく例えば特別状態発生演出を行う際に拡大して当該表示領域46全体で情報表示することも可能である。
【0038】
具体的には、メイン表示領域46は、同
図4の上側から順に第1メイン表示領域46aと第2メイン表示領域46bと第3メイン表示領域46cとに区分されるものとする。第1メイン表示領域46aは、対応する機種に応じた画像や大当り確率のようなスペック等を表示する。第2メイン表示領域46bは、該当期間(営業日)単位にて発生した「大当り」回数や「初当り」回数(通常状態にて発生した大当り回数)、開店時からの累計の出玉(セーフ-アウト)の推移を示す所謂出玉グラフ、大当り単位のスタートをグラフ化した所謂スタート履歴グラフを表示する。第3メイン表示領域46cは、同
図4の左側から順に「離席」、「メニュー」、…「かんたん→←くわしい」の文字で特定される各種の釦43a~43gを表示する。係る釦43a~43gのタッチ操作により、メイン表示領域46における表示内容が切替えられる。なお、タッチパネル43は、例えば第3メイン表示領域46cに対応する箇所に設けられている(
図3の二点鎖線の箇所参照)。
【0039】
詳しい図示は省略するが、情報表示装置3の制御部は、CPU、ROMやRAMといった記憶部を有するマイクロコンピュータにより構成されており、その記憶部に記憶されているコンピュータプログラムに基づいて当該装置3全体の動作を制御する。制御部は、信号を入出力するI/F(図示しない送受信部)を介して中継装置4に接続されており、遊技装置2からの遊技信号や管理装置6からの遊技情報を中継装置4を介して入力する。例えば、情報表示装置3の制御部は、対応する遊技機1から(遊技装置2を介して)入力されるデータ項目に係る信号(遊技信号)に基づき、当該対応する遊技機1での大当り回数等を特定する。
【0040】
情報表示装置3の制御部には、タッチパネル43、呼出釦44、前記リモコン受光部が接続されるとともに、後述する
図6のイルミネーション部42のLED群42a~42d、サブ表示領域45のセグメント表示器450、メイン表示領域46たるLCD46が接続されている。そして、制御部は、タッチパネル43等での操作や前記遊技信号等に基づき、イルミネーション部42について当該遊技機1にて遊技を行う遊技者向けの第1点灯制御や当該遊技者以外の遊技者或いは遊技場従業員向けの第2点灯制御によりイルミネーション機能を発揮させるとともに、サブ表示領域45やメイン表示領域46についての表示制御によりディスプレイ機能を発揮させる。
また、情報表示装置3の制御部は、後述するスピーカ部3S(
図5にのみ図示)が接続される音声制御部を有し、各種演出時等にイルミネーション機能やディスプレイ機能と併せて効果音を出力する音声出力機能を発揮させるようになっている。なお、情報表示装置3の制御部は、例えば
図6の基板452,462(制御基板)に搭載されるのであるが、詳しくは後述する。
【0041】
さて、「発明が解決しようとする課題」で述べたように、情報表示装置3における情報表示部41の表示領域45,46を大きく確保するために、イルミネーション部42を除外することも考えられる(
図4参照)。しかしながら、イルミネーション部42は、上記のように当該遊技機1にて遊技を行う遊技者のみならず、遊技島の端から遊技を観戦する他の遊技者へのアピールや、遊技場従業員に対して異常であることを報知する等の機能を備えることから、これを単純に無くすことができないのが実情である。
【0042】
そこで、本実施形態の情報表示装置3は、その情報表示部41を前方から見て、イルミネーション部42の側方部分(以下「側方イルミネーション部42A,42B」とも称す)における少なくとも一部が、当該情報表示部41で遮られる配置構成としている。係る構成について、
図5~
図8も参照しながら詳述する。
【0043】
ここで、
図5は、情報表示装置3の表示装置本体40(以下「装置本体40」と略す)から基台部47を分解した状態で示す前方からの斜視図、
図6は、装置本体40の分解斜視図を示している。なお、
図3の正面図において紙面と直交する方向を前後方向とし、その紙面手前側を装置本体40の前面側とする。また
図3において、装置本体40の長手方向を左右方向とし、装置本体40を前方から見たときの右側を右方として説明する。
【0044】
図5に示すように、情報表示装置3は、横長で比較的薄型の矩形箱状(全体として矩形状)をなす装置本体40と、当該装置本体40の後側下部にて前記遊技機島に取り付け固定される基台部47と、を備えるとともに、当該装置本体40の上端縁側にてケース体48(同図の二点鎖線参照)の着脱が可能な構成とされている。
【0045】
図6の分解斜視図で示すように、装置本体40の下端部(後述する同図の後側パネル60の下端部)には、
図5に示す左右一対のヒンジ部49,49用の被枢支部60a,60aが形成されている。一方、
図5に示す基台部47には、ヒンジ部49,49用の被取付部47a,47a、及び前記スピーカ部3S用の被取付部47bが形成されている。
ヒンジ部49,49は、その被枢支部60a,60aにて装置本体40を枢支する枢支軸49a,49aと、基台部47の被取付部47a,47aに取付けられる取付片49b,49bと、を一体に有し、枢支軸49a,49aには、ねじりコイルばね49c、49cが設けられている。これにより、装置本体40は、ヒンジ部49,49の取付片49b,49bが、基台部47の被取付部47a,47aに取付けられることにより、その基台部47に対して、枢支軸49a,49a周りの回動が可能に取付けられている(
図8(a)(b)参照)。
【0046】
また、
図8(b)に示すように、装置本体40には、後側パネル60における中央下寄りの位置から後方へ突出する位置決めアーム61が固定して設けられている。位置決めアーム61は、装置本体40の回動軌跡に沿って湾曲した形状をなすと共にその側面に小さく凹んだ複数(例えば4箇所)の凹部61a,61b,61c,61d(
図8(b)の61a~61d参照)が配列されている。位置決めアーム61の凹部61a~61dは、
図5に示す基台部47の係止機構47cにより係脱可能に係止される。
【0047】
これにより、装置本体40は、枢支軸49a,49a周りの回動範囲について、位置決めアーム61の凹部61aで係止されたときに情報表示部41が略垂直となる垂直位置(
図8(a)参照)を基準(0度)として、位置決めアーム61の凹部61dで係止されたときに情報表示部41が例えば30度前方へ倒れるように傾斜した傾斜位置(
図8(b)参照)まで、段階的な角度調整が可能である。
【0048】
図5の二点鎖線で示すケース体48は、装置本体40に比して左右方向の横幅寸法が略同じで上下方向の縦寸法が小さい、横長な矩形状をなしている。ケース体48は、その下側の取付片(図示略)を、装置本体40の上端縁(
図6の後側パネル60の上端部)の被取付部60b、60bに差し込むことにより、当該上端縁に沿って起立するように取り付けられる。なお、ケース体48は、POP媒体の如く予め所定の遊技情報(例えば前記スペック等)が表示された表示媒体を収納可能で、少なくとも前面が透明のPOPカバーで構成されている。
【0049】
そして、装置本体40は、その外郭をなす前側プレート50と後側パネル60とを有し、その前側プレート50を含む情報表示部41と、後側パネル60及びベース部52を含む、イルミネーション部42を保持する保持体と、が前後方向に重なるようにして組付けられている。
具体的には
図5、
図6に示すように、装置本体40は前側から順に、前側プレート50、前面パネル51、リフレクタ451並びにLCD46、ベース部52、セグメント表示器450用の基板452及びLCD46用のメイン基板462並びにプリズム部421、LED群42a~42d用の基板422、後側パネル60を有して構成されている。
【0050】
前側プレート50或いは前面パネル51は、
図6に示すようにリフレクタ451とLCD46の並びに合わせた矩形板状或いは矩形枠状をなしており、前記第3メイン表示領域46cに対応する箇所に前記タッチパネル43が形成されている(
図3の二点鎖線の箇所、
図4参照)。また、前側プレート50及び前面パネル51には、板厚方向に貫通する前記切欠き部41aが夫々形成されており(
図6参照)、その切欠き部41aの裏側から呼出釦44が嵌め込まれている。
なお、呼出釦44は、切欠き部41aに嵌め込まれる前側の押圧部44aと、前面パネル51裏側の被取付部51c(
図7(c)参照)に取付けられる後側の取付部44bと、を含む釦組立体で構成されている。
【0051】
基板452は、7セグメント用のLEDを含むLED群が実装された表示用の回路基板(制御基板452とも称する)であり、その前面側のシート(光拡散シート)451aを有するリフレクタ451とともに、セグメント表示器450を構成する。
リフレクタ451は、前記サブ表示領域45a、45bの形態に対応するセグメント形状の孔でLEDの光を反射させて、その前面側のシート451a、前面パネル51及び前側プレート50を窓部として各セグメントを表示させる。制御基板452は、ベース部52の背面側に配置され、そのベース部52に形成された多数の連通孔(
図6に示す多数の小孔群)から、リフレクタ451側へ前記LED群を覗かせる。
このように、情報表示部41におけるセグメント表示器450は、その前側表示部分となる前側プレート50、前面パネル51、シート451a及びリフレクタ451と、その制御基板452と、がベース部52を挟む位置に配置される。
【0052】
メイン基板462は、LCD46の画像制御を行う表示用の回路基板(制御基板462とも称する)であり、バックライト(図示略)を含むLCD46とともに、LCDモジュールを構成する。
LCD46は、前面パネル51及び前側プレート50を窓部とする前記メイン表示領域46である。制御基板462は、ベース部52の背面側に配置され、そのベース部52に形成された連通孔(接続用或いは通信用の開口)を介して、LCD46と電気的に接続される。
このように、情報表示部41におけるLCDモジュールは、その前側表示部分となる前側プレート50、前面パネル51及びLCD46と、その制御基板462と、がベース部52を挟む位置に配置される。
【0053】
上記のように、情報表示部41において、ベース部52の手前側に位置する上記の前側プレート50、前面パネル51、前面シート451a及びリフレクタ451並びにLCD46を前側表示部分とする。
このうち、前側プレート50と前面パネル51の主面部分(
図7(a)の符号t1部分)、つまり同図(a)のベース部52からt2の分だけ離間した、表示画面39の窓部となる部分を「前側表示部分41F」と称する。
ここで、
図7(a)は、装置本体40上部を右方から見た拡大図、(b)は装置本体40右下隅部の前方からの拡大斜視図、(c)は前面パネル51左下隅部の後方からの拡大斜視図を示している。
【0054】
図7(a)(b)に示すように、装置本体40において、情報表示部41の前側表示部分41Fとベース部52(保持体)との間を接続する接続部51bは、前側表示部分41Fのエッジ部51aよりも内側へ窪んでいる。
これは、
図6、
図7(c)に示すように矩形枠状をなす前面パネル51において、その前端から外側へ張出すエッジ部51a(情報表示部41の外周囲)と、その内側に位置させて後方へ延出する接続部51bと、が一体的に成形されることにより、接続部51bを、当該情報表示部41のエッジ部51aよりも内側へ窪ませた窪み部とするものである(
図7(a)参照)。
【0055】
また、前面パネル51において、後方へ延出してベース部52(保持体)との間を接続する接続部51bを設けることで、保持体によりイルミネーション部42を情報表示部41の前側表示部分41Fからt2の分だけ離間させて保持する構成とするものである。
前面パネル51は、上記のようにエッジ部51aと接続部51bとで段付き形状をなしている。このため、接続部51bは、前方からは視認し難いものの(
図7(b)参照)、側方からは視認し易く(同図(a)参照)、当該接続部51bを意識させると、情報表示部41全体の厚さが目立つことになる。
【0056】
そこで、例えば前面パネル51の成形或いはプレス加工の際、接続部51b表面のシボ加工と併せてエッジ部51a表面(他の部分の表面を含む)加工が行われることにより、接続部51b表面のシボ仕上げと、エッジ部51a表面の鏡面仕上げが施されている。これにより、前面パネル51は、その接続部51bに施される表面加工の方がエッジ部51aに施される表面加工よりも視認性が低いものとされている。また、保持体を構成するベース部52や後側パネル60の表面にも、接続部51bと同様のシボ仕上げを施すようにしてもよい。
【0057】
こうして、情報表示部41の外周囲となるエッジ部51aは目立つ一方、接続部51b及び保持体は意識され難くなり、その前側表示部分41Fにおけるエッジ部51aの厚さ(
図7の符号t1参照)が、情報表示部41の厚さと捉えられるような印象を与え、情報表示部41の印象をスマートにでき、外観意匠性を高め得る。
【0058】
また、
図4、
図7(b)に示すように、情報表示部41には、その外周囲のエッジ部51aに沿ってライン状の縁取り部53が形成されている。より詳細には、エッジ部51aは、当該情報表示部41の外周囲において僅かに前方へ凸となる山形状をなしており(
図7(b)参照)、縁取り部53は、その山形状の内周側に沿う幅狭なラインとしてブロンズ色で着色したものである。縁取り部53も情報表示部41の輪郭を印象付けるために形成され、鏡面仕上げと同様の効果を奏することから、エッジ部51aの表面加工として、縁取り部53の着色加工と、鏡面仕上げの加工との少なくとも一方を施すようにしてもよい。
【0059】
上記した情報表示部41の背面側において、保持体は、
図6に示すプリズム部421を介してLED群42a~42d用の基板422を保持する。
同図に示す矩形枠状の基板422には、その左側辺部に沿うLED群42aと、右側辺部に沿うLED群42bと、上側辺部に沿うLED群42cと、下側辺部に沿うLED群42dとが実装されている。
【0060】
プリズム部421は、それらLED群42a~42dの光を分散、反射させるプリズムを有し、当該基板422の各辺部に対応する矩形枠状に形成されている。これにより、プリズム部421は、LED群42a~42dが実装された基板422とともに、イルミネーション部42を構成する。
なお、以下のイルミネーション部42C,42Dとして説明するように、プリズム部421における、上側辺部と下側辺部(後述するベース部52の上縁部52cと下縁部52dに対応する辺部)は、前側へ傾斜するように屈曲した形態をなすものとする。
【0061】
本実施形態のイルミネーション部42は、例えば
図3に示す装置本体40の正面に対して、左側に位置するLED群42aと右側に位置するLED群42bを有する側方イルミネーション部42A,42B、及び、上側に位置するLED群42cと下側に位置するLED群42dを有する上下イルミネーション部42C,42Dから構成されている。
【0062】
側方イルミネーション部42A,42Bは、その左側及び右側の少なくとも一方のイルミネーション部で構成し、上下イルミネーション部42C,42Dも、その上側及び下側の少なくとも一方のイルミネーション部で構成してもよい。また、側方イルミネーション部と上下イルミネーション部とのいずれか一方のみを設ける構成としてもよい。
本実施形態のイルミネーション部42は、側方イルミネーション部42A,42B、及び上下イルミネーション部42C,42Dの全部を備えていることから、「イルミネーション部42A~42D」とも称する。また、イルミネーション部42A~42Dは、その全周にわたって同じ幅寸法W(
図7(b)参照)を有するとともに、左右の対称性と上下対称性を有する形態で、ベース部52の背面側で保持される。
【0063】
図6に示すように、ベース部52は、全体として略矩形プレート状をなしており、その板厚方向に貫通する上記の連通孔が多数形成されている。また、
図5、
図6に示すように、ベース部52の外周囲52a~52dには、背面側から組合わされるイルミネーション部42A~42Dが幅寸法Wの分、張出すようにして保持される。
【0064】
保持体(ベース部52)の外周囲52a~52dのうち、上下の縁部52c,52dは、上下イルミネーション部42C,42Dとともに若干前方へ倒れるように屈曲している。
詳細には、
図7(a)と(b)に示すように、保持体52の上縁部52cと下縁部52d、並びに上側イルミネーション部42Cと下側イルミネーション部42は、夫々前方に折り曲げられた「へ」字状に形成されることにより、同図(a)の如く側方から見て、側方イルミネーション42Bよりも前方に位置するように配設される。
【0065】
そして、保持体は、情報表示部41に対する左右方向の突出長が上下方向の突出長を超えない寸法に設定されている。
例えば
図7(b)に示すように、保持体(ベース部52)における前記接続部51bに対する右縁部52bの突出長xbは、接続部51bに対する下縁部52dの突出長xdよりも小さく、「xb<xd」の関係にある。また、図示は省略するが、保持体における接続部51bに対する左縁部52aの突出長をxa、接続部51bに対する上縁部52cの突出長をxcとしたときも、「xa<xc」の関係にある。
【0066】
さらに、保持体は、左右方向の突出長xa,xbが同じで、上下方向の突出長xc,xdも同じくする対称性を有する(xa=xb、xc=xd)。従って、保持体は、情報表示部41(例えば接続部51b)に対する左右方向の突出長(例えばxa,xb)が、上下方向の突出長(例えばxc,xd)を超えない寸法形状となっている。
係る保持体に保持される、イルミネーション部42A~42Dについても、情報表示部41(例えば前側表示部分41F)に対する左右方向の突出長が、上下方向の突出長を超えない寸法形状となっている。
【0067】
具体的には、
図3に示すように、側方イルミネーション部42A,42Bは、情報表示部41の前側表示部分41Fに対する左右方向の突出長Xa,Xbが同じで(Xa=Xb)、上下イルミネーション部42C,42Dも、前側表示部分41Fに対する上下方向の突出長Xc,Xdを同じくする(Xc=Xd)、上記の対称性を有する。
また、同図に示すように、側方イルミネーション部42A,42Bにおける左右方向の突出長Xa,Xbは、上下イルミネーション部42C,42Dにおける上下方向の突出長Xc,Xdよりも小さく、「Xa=Xb<Xc=Xd」の関係にある。
【0068】
これにより、側方イルミネーション部42A,42Bにおける少なくとも一部(左右方向内側の部位)は当該情報表示部41の前側表示部分41Fで遮られる一方、上下イルミネーション部42C,42Dは、その全部が当該情報表示部41の前側表示部分41Fから覗くこととなる。換言すれば、側方イルミネーション42A,42Bは、前方から視認し難くなっているが、上下イルミネーション部42C,42Dは視認性し難くなっていない(視認性が確保されている)。
また、本実施形態では
図3のように前方から視認した場合、側方イルミネーション部42A、42Bはその全体が情報表示部41により遮られるように、上下イルミネーション部42C、42Dはその全体が覗くような構成を例示したが、突出長を調整することで、側方イルミネーション部42A、42Bの一部を遮られるようにしても、上下イルミネーション部42C,42Dの一部が覗くような構成としてもよい。
更に、情報表示部41に対する左右方向の突出長が上下方向の突出長を超えない寸法に設定されていれば、上下方向の突出長はプラスである必要はあるものの、左右方向の突出長はマイナスであってもよい。
【0069】
後側パネル60は、装置本体40において上記のイルミネーション部42A~42Dを後方から覆うように組付けられている。
図6、
図7(a)(b)に示すように、後側パネル60における、上下の縁部60c,60dは、上下イルミネーション部42C,42Dの前方への傾斜に合わせて屈曲した形態をなしている。
詳しい図示は省略するが、後側パネル60には、装置本体40における取付けネジ用孔が複数形成されるとともに、前記ヒンジ部49の被枢支部60aや前記ケース体48の被取付部60b(
図6参照)等が形成されている。
【0070】
これは、仮に装置本体40内の部品(例えば制御基板452,462)に異常が生じて、これを交換する必要がある場合、後側パネル60から外して交換作業を行うのであるが、その取付けネジ等は、情報表示装置3の前側に設けると見た目が悪くなるため、後側(パネル60側)に配設されることによる。
また、この場合、仮に制御基板452,462がLCD46と同じ並び(ベース部52の前側)に配設されていれば、ベース部52まで取外して交換作業を行う必要が生ずるが、
図6のような配置構成であればベース部52を取外す必要性を低減したまま各制御基板452,462を交換できる。
【0071】
なお、イルミネーション部42A~42Dの基板422もベース部52の背面側に設けられており、上記と同様の効果、つまりは外観意匠性を損なわず、メンテナンス性に優れたものとすることができる。
また、本実施形態の装置本体40は、イルミネーション部42A~42Dを後側パネル60と前側表示部分41Fとの間に位置するベース部52で保持する、言わば三層構造(後側パネル60と前側表示部分41Fとベース部52との三重構造)により、当該本体40の剛性も高めている。
【0072】
次に、上記構成の作用について説明する。
例えば遊技機1にて大当りや特別状態が発生した場合、対応する情報表示装置3でも演出する。このとき、情報表示装置3は、上下イルミネーション部42C,42Dだけでなく側方イルミネーション42A,42Bも、その光や表示色での演出を実行させる。
よって、対応する当該遊技機1にて遊技を行う遊技者(以下、対応遊技者)には、主として上下イルミネーション部42C,42Dによる演出効果を期待でき(
図3の正面図参照)、遊技島の端から観戦する遊技者(以下、観戦遊技者)には、上下イルミネーション部42C,42Dだけでなく側方イルミネーション42A,42Bによる演出効果を期待でき(
図8の側面図参照)、情報表示装置3を見る方向で異なる(区分される)演出効果を有する。
【0073】
この場合、情報表示装置3は、上下イルミネーション部42C,42Dについて主として対応遊技者向けの演出(点灯)によって報知する第1点灯制御の実行が可能である。側方イルミネーション42A,42Bは前方から、即ち対応遊技者にとっては視認し難いことから、対応遊技者に対して過度な演出を低減させられるだけでなく、側方イルミネーション42A,42Bによって情報表示部41における表示を妨げる虞を低減できる。
一方で、例えば不正のような異常を検出した場合や、情報表示装置3のプログラムをダウンロードする場合のように、当該情報表示装置3において、対応遊技者向けに報知する必要性は低いが遊技場従業員向けに報知する必要性の高い報知は、上下イルミネーション部42C,42Dではなく側方イルミネーション42A,42Bの点灯によって報知する第2点灯制御を行う。
【0074】
また、例えば大当りや特別状態等が発生した場合、同一遊技島の情報表示装置3にて一斉に演出を行う場合もあるが、上下イルミネーション部42C,42Dでも演出を行うと対応遊技者が鬱陶しいと感じる虞があるので、側方イルミネーション42A,42Bだけの点灯によって報知する第2点灯制御を行い、対応遊技者以外の遊技者(前記観戦遊技者等)にアピールするといった運用も可能となる。
なお、上下イルミネーション部42C,42D或いは側方イルミネーション42A,42Bの点灯による報知を抑制する場合、その点灯による報知を行わないことを例示したが、それらイルミネーション部42C,42Dと42A,42Bとの双方で報知するが、このうち一方について、例えば輝度を抑えたり、表示色の切替速度を抑える等して抑制してもよい。
【0075】
このように側方イルミネーション42A,42Bを前方から視認し難くすることで、情報表示装置3自体の横幅に遊技機1の横幅を目安とした制限(遊技島における情報表示装置3や遊技機1の配列上の寸法的制約)がある中でも、情報表示部41の外形(特には表示画面39の横幅)を極力大きく構成することが可能となるが、それだけでなく上記した個別の報知による効果や演出効果等も期待できる。
また、
図3に示すように情報表示部41を前方から視認した場合、そのエッジ部51aと保持体との間の接続部51bを窪み部とし(
図5、
図7(a)参照)、情報表示部41の背面側に離間してイルミネーション部42A~42Dを配置することにより、その情報表示部41が浮き上がっているような印象を与えることができる。
【0076】
以上に説明した本実施形態によれば、次の効果を得ることができる。
情報表示装置3において、矩形状をなす装置本体40の前面側に設けられ、遊技情報を表示するための情報表示部41と、装置本体40の正面に対して、左側及び右側の少なくとも一方に設けられた側方イルミネーション部42A,42Bと、を備え、情報表示部41を前方から見て(例えば
図3の正面図にて)、側方イルミネーション部42A,42Bにおける少なくとも一部(同図の左右方向内側の部位)が、当該情報表示部41で遮られる配置構成とした。
これによれば、左側及び右側の少なくとも一方に側方イルミネーション部42A,42Bを設けた構成としながらも、その側方イルミネーション部42A,42Bの一部が遮られる分、情報表示部41における表示画面39を大きく確保することが可能となる。
【0077】
前記装置本体40には、情報表示部41と、側方イルミネーション部42A,42Bを保持する保持体(例えばベース部52と後側パネル60とで保持する組立体)と、が前後方向に重なるようにして組付けられている。
これによれば、情報表示部41とは別体の保持体に側方イルミネーション部42A,42Bを設けることにより、装置本体40における情報表示部41と保持体との二重構造として、当該本体40全体としての強度を高めることができる。
【0078】
前記保持体は、上下イルミネーション部42C,42Dをも保持可能であり、情報表示部41に対する左右方向の突出長(例えば
図7(b)の突出長xb)が上下方向の突出長(例えば同図(b)の突出長xd)を超えない寸法に設定されることにより、例えば
図3の如く上下イルミネーション部42C,42Dは夫々当該情報表示部41から覗く一方、側方イルミネーション42A,42Bにおける少なくとも一部(例えば左右方向内側の部位)は当該情報表示部41で遮られる。
これによれば、例えば側方イルミネーション42A,42B及び上下イルミネーション部42C,42Dを保持する保持体と、情報表示部41との間の相対的な寸法関係により、情報表示部41における表示画面39(特には左右方向の表示領域)を大きく確保できる。
【0079】
前記装置本体40を側方から見て、例えば
図7(a)(b)に示すように側方イルミネーション42A,42Bよりも上下イルミネーション部42C,42Dが前方に位置するように配設されている。
これによれば、側方イルミネーション42A,42Bが、その前方にいる者(前記対応遊技者等)にとって視認し難いものであっても、前方に位置する上下イルミネーション部42C,42Dにより演出不足となる虞を軽減することができるばかりか、側方イルミネーション42A,42Bによる演出過多により、情報表示部41における表示が視認し難くなる、或いは対応遊技者が鬱陶しいと感じる虞を軽減することができる。
【0080】
情報表示装置3の制御部は、上下イルミネーション部42C,42Dについて対応遊技者向けの第1点灯制御を行い、側方イルミネーション42A,42Bについて当該対応遊技者以外の遊技者或いは遊技場従業員向けの第2点灯制御を行う。
これによれば、第1点灯制御により対応遊技者に対する演出用のイルミネーションとして機能させ、第2点灯制御により観戦遊技者に対する演出用或いは遊技場従業員に対する異常報知用のイルミネーションとして機能させることができ、対応遊技者や観戦遊技者、遊技場従業員の夫々の者に対応して、視認性をも考慮した報知を上下イルミネーション部42C,42Dと側方イルミネーション42A,42Bとで区別して行うことができる。
【0081】
前記装置本体40において、情報表示部41と保持体との間を接続する接続部51bを、情報表示部41の外周囲(例えば
図7(a)のエッジ部51a)よりも内側へ窪ませた窪み部として形成した。
これによれば、装置本体40の全体の厚みはあるものの、情報表示部41と保持体と間の窪みの分、当該情報表示部41と保持体との両者を隔てるようにして薄く構成でき、見た目の印象をスマートにできる。
【0082】
前記情報表示部41の外周囲(例えばエッジ部51a)と接続部51bにおける窪み部とは、相互に視認性の異なる表面加工が施され、当該窪み部に施される表面加工(例えばシボ仕上げ)の方が当該外周囲に施される表面加工(例えば鏡面仕上げ)よりも視認性の低い構成とした。
これによれば、情報表示部41の外周囲を窪み部よりも目立たせるように加飾することができるとともに、窪み部の存在感を軽減することができ、その窪みの分、薄くした情報表示部41の外周囲を強調して、よりスマートな印象を与えることができる。
【0083】
前記情報表示部41には、その外周囲に沿ってライン状の縁取り部53が形成されていることから、当該外周囲を際立たせることができ、これにより強調される情報表示部41の見た目の印象をスマートにできる。
【0084】
前記装置本体40は、情報表示部41と、保持体との間を接続する接続部51bを設けることで、保持体により側方イルミネーション部42A,42B、及び上下イルミネーション部42C,42Dの少なくとも一方を、情報表示部41から離間させて保持する構成とした。
これによれば、情報表示部41の背面側の接続部51bは視認し難い一方、側方イルミネーション部42A,42B或いは上下イルミネーション部42C,42Dを情報表示部41から離間させて、あたかも情報表示部41が空中に浮いているような印象を与えることが可能となる。
【0085】
情報表示部41は、その前側表示部分41F(
図7(a)参照)と表示用の制御基板452,462(
図6参照)とを含み、前側表示部分41Fと制御基板452,462とが、ベース部52を挟む位置に配置される。
これによれば、前側表示部分41Fと制御基板452,462とがベース部52を挟んで分割された配置形態にあることから、仮に制御基板452,462に異常が生じて交換すべき必要が生じても、ベース部52を取り外す必要性を低減し、メンテナンス性を向上できる。
【0086】
本発明は、上記した実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形または拡張することができる。
イルミネーション部42として、側方イルミネーション部42A,42B及び上下イルミネーション部42C,42Dを含む構成を主として説明したが、例えば、上側及び右側のイルミネーション部42C及び42Bだけを設け、或いは下側及び左側のイルミネーション部42D及び42Aだけを設けるといったように、上側と下側との一方だけ、或いは右側と左側との一方だけのイルミネーション部42としてもよい。また、例えば下側のイルミネーション部42Dだけを設けないといったように、矩形枠の四辺のうち何れか一辺側を設けない構成とする等、適宜変更して実施しうるものである。
【0087】
情報表示部41とは別途、保持体を設ける構成を例示したが従来と同様に情報表示部41にイルミネーション部を設けて、上下のイルミネーション部は前面にも設ける一方、左右のイルミネーション部は前面に設けず側面に設けることで、前方からの視認が上下のイルミネーションは容易である一方、左右のイルミネーションは困難であるように構成してもよい。
【0088】
装置本体40における部品の表面加工として鏡面仕上げやシボ仕上げ等を例示したが、ブラスト加工や研磨加工、或いは荒化工等どのような加工を採用してもよい。
関連する設定情報は予め設定されていれば遊技場管理者が任意に設定しても、管理装置6の製造メーカにて設定しても、外部(例えばチェーン店本部や遊技機メーカ等)の管理サーバからダウンロードして設定してもよい。
【0089】
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定してもよい。また、機種としては、メーカ単位やスペック単位等、遊技機の種類を示せばどの様な区分としてもよい。
数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用してもよい。また、演算式については単なる例示であり例示した演算式と同様の値を示す、又は同様の意義を持つ演算値を演算するのであれば、どの様な演算式を採用してもよい。
【0090】
以下と未満についてはどちらを採用してもよく、「達していない」等の表現は以下或いは未満となった場合のいずれにも対応する表現となる。以上と超過についても同様で、「達している」等の表現は双方に対応する表現となる。
情報表示部41におけるメイン表示領域46にLCD46を用いたが、サブ表示領域45も含めて、有機EL等の他の表示方法を採用してもよい。
【0091】
対象となる遊技機1はパチンコ遊技機やスロットマシン等が例示でき、単位遊技は所謂図柄変動やゲーム等とすればよいが、その他に遊技媒体を排出せずデータ上のポイントを遊技に応じて更新する上記封入式の遊技機等も想定できるため、玉やメダル等の遊技媒体や上記ポイントを包含する遊技価値という表現を適宜使用している。また、確変となった場合に大当りが発生するまで確変が継続する遊技機1を例示したが、時短回数のように所定数の図柄変動を行った場合に確変が終了する所謂ST機のような遊技機や、特別状態中に小当りの発生確率が高まる所謂小当りRUSH機能を備えた遊技機を対象としてもよい。
【0092】
情報表示装置3が行う処理の一部を管理装置6、遊技装置2、或いは中継装置4等にて行ってもよいし、情報表示装置3のみで全てを構成してもよい。
また、上記の例示した構成を適宜設定に応じて採用するか否かを変更してもよいし、変形例を含む例示した構成をどのように組合わせてもよいし、適宜構成を除外してもよい。
【符号の説明】
【0093】
図面中、1は遊技機、3は情報表示装置、40は装置本体(表示装置本体)、41は情報表示部、41Fは前側表示部分、42A,42Bは側方イルミネーション部、42C,42Dは上下イルミネーション部、51aはエッジ部(情報表示部の外周囲)、51bは接続部(窪み部)、52はベース部(保持体)、53は縁取り部、60は後側パネル(保持体)、452,462は制御基板、である。