(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179195
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】通信システム、通信制御システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20241219BHJP
G06F 21/62 20130101ALI20241219BHJP
【FI】
H04N1/00 K
H04N1/00 838
H04N1/00 127Z
G06F21/62 318
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097848
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(72)【発明者】
【氏名】岡本 啓
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA35
5C062AB02
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB41
5C062AB43
5C062AB44
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC38
5C062AE01
5C062AE14
5C062AF01
5C062AF02
5C062AF14
5C062BD09
(57)【要約】
【課題】親機と子機が設定された複数の装置を含み、子機から外部へのアクセスが親機による代替によって行われる通信システムにおいて、子機に基づくアクセスに用いられるアクセストークンを親機が取得可能とする。
【解決手段】親機と子機の設定がなされた複数の画像処理装置を含む通信システムであり、子機は、外部サーバへデータを送信する処理の実行依頼および送信対象の画像データを親機へ送信する機能を有し、親機は、予め認可サーバに対して行った認証設定に基づき、認可サーバからアクセストークンを取得し、アクセストークンを用いて外部サーバへアクセスする機能と、子機から実行依頼および画像データを受信した場合に、自装置の認証設定に基づいてアクセストークンを認可サーバから取得し、アクセストークンを用いて外部サーバへアクセスし、画像データを電子メールに添付して外部サーバへ送信する機能と、を有する通信システム。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
親機と子機の設定がなされた複数の画像処理装置を含む通信システムであり、
子機として設定された画像処理装置は、
外部サーバへデータを送信する処理の実行依頼および送信対象の画像データを親機として設定された画像処理装置へ送信する機能を有し、
前記親機として設定された画像処理装置は、
予め認可サーバに対して行った認証設定に基づき、当該認可サーバから外部サーバにアクセスするためのアクセストークンを取得し、当該アクセストークンを用いて当該外部サーバへアクセスする機能と、
前記子機として設定された画像処理装置から前記実行依頼および前記画像データを受信した場合に、自装置の前記認証設定に基づいて前記外部サーバにアクセスするためのアクセストークンを前記認可サーバから取得し、当該アクセストークンを用いて当該外部サーバへアクセスし、当該画像データを電子メールに添付して当該外部サーバへ送信する機能と、
を有することを特徴とする、通信システム。
【請求項2】
前記子機として設定された画像処理装置は、
前記認可サーバに対して前記認証設定を行うための情報を前記親機として設定された画像処理装置から取得して保持し、
予め定められた設定実行条件を満足する場合、保持している前記情報を用いて前記認可サーバに対して前記認証設定を行い、当該認可サーバから前記アクセストークンを取得して、前記外部サーバへアクセスし、前記画像データを電子メールに添付して当該外部サーバへ送信すること
を特徴とする、請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記子機として設定された画像処理装置は、
前記親機として設定された画像処理装置が稼働している際に、予め定められた取得条件に基づいて前記認証設定を行うための情報を当該親機として設定された画像処理装置から取得すること
を特徴とする、請求項2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記設定実行条件は、少なくとも、前記親機として設定された画像処理装置が親機として機能していないことと、当該親機として設定された画像処理装置に接続できないこととの何れかを含むこと
を特徴とする、請求項2に記載の通信システム。
【請求項5】
前記子機として設定された画像処理装置は、
前記実行依頼に基づく前記画像データの送信を、前記親機として設定された画像処理装置を介して実行できない場合、
前記認可サーバから前記アクセストークンを取得するための認証設定を当該認可サーバに対して行い、前記アクセストークンを取得して、前記外部サーバへアクセスし、当該画像データを電子メールに添付して当該外部サーバへ送信すること
を特徴とする、請求項1に記載の通信システム。
【請求項6】
前記認可サーバから前記アクセストークンを取得可能となった前記画像処理装置は、他の子機として設定された画像処理装置からの前記実行依頼および前記画像データを受け付けて、親機として動作すること
を特徴とする、請求項5に記載の通信システム。
【請求項7】
前記親機として設定された画像処理装置の親機としての機能が復旧したことにより、親機として動作可能な画像処理装置が複数となった場合、
親機として動作可能な複数の前記画像処理装置のうちの一つのみが親機として動作し、他の画像処理装置は子機として動作するように設定されること
を特徴とする、請求項5に記載の通信システム。
【請求項8】
前記親機として設定された画像処理装置の親機としての機能が復旧したことにより親機として動作可能な画像処理装置が複数となった場合、
前記子機として設定された画像処理装置は、親機として動作可能な複数の前記画像処理装置のうちの一つを選択して前記実行依頼および前記画像データを送信すること
を特徴とする、請求項5に記載の通信システム。
【請求項9】
外部サーバにアクセスするためのアクセストークンを認可サーバから取得可能な画像処理装置におけるデータ通信を制御する通信制御システムであって、
1または複数のプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
前記外部サーバへデータを送信する処理の実行依頼および送信対象の画像データを他の画像処理装置から受け付け、
前記実行依頼に応じて、自装置の認証設定に基づき、前記外部サーバへのアクセスに用いるアクセストークンを認可サーバから取得し、
取得した前記アクセストークンを用い、前記実行依頼に従って前記外部サーバにアクセスし、前記画像データを電子メールに添付して当該外部サーバへ送信することを特徴とする、通信制御システム。
【請求項10】
外部サーバにアクセスするためのアクセストークンを認可サーバから取得可能な画像処理装置に設けられたコンピュータを制御するプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記外部サーバへデータを送信する処理の実行依頼および送信対象の画像データを他の画像処理装置から受け付ける機能と、
前記実行依頼に応じて、自装置の認証設定に基づき、前記外部サーバへのアクセスに用いるアクセストークンを認可サーバから取得する機能と、
取得した前記アクセストークンを用い、前記実行依頼に従って前記外部サーバにアクセスし、前記画像データを電子メールに添付して当該外部サーバへ送信する機能と、
を実現させることを特徴とする、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、通信制御システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の画像処理装置において、外部との通信が可能な親機と、親機との通信が可能である子機とを設定し、子機としての画像処理装置が外部と通信する場合は親機としての画像処理装置を介在させて行うシステムがある。
先行技術文献1(特開2012-100120号公報)には、互いに接続されたマスター複合機(親機)およびスレーブ複合機(子機)からなるメール取得システムにおいて、マスター複合機は、マスター複合機宛の電子メールをダウンロードすると共にスレーブ複合機からの代替取得要求に応じてスレーブ複合機宛の電子メールをダウンロードし、代替取得したスレーブ複合機宛の電子メールをスレーブ複合機に送信するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
子機から外部へのアクセスにアクセストークンを必要とし、かかるアクセスが親機を介して行われる通信システムにおいて、OAuth認証等の先進認証では、予め定められた認可フローを経て取得したアクセストークンを用いて接続先へのアクセスが行われる。このため、子機から外部へのアクセスが親機による代替によって行われるシステムでは、子機に基づくアクセスに用いられるアクセストークンを親機が取得する仕組みを用意する必要がある。
【0005】
本発明は、親機と子機が設定された複数の装置を含み、子機から外部へのアクセスが親機による代替によって行われる通信システムにおいて、子機に基づくアクセスに用いられるアクセストークンを親機が取得可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載された発明は、親機と子機の設定がなされた複数の画像処理装置を含む通信システムであり、子機として設定された画像処理装置は、外部サーバへデータを送信する処理の実行依頼および送信対象の画像データを親機として設定された画像処理装置へ送信する機能を有し、前記親機として設定された画像処理装置は、予め認可サーバに対して行った認証設定に基づき、当該認可サーバから外部サーバにアクセスするためのアクセストークンを取得し、当該アクセストークンを用いて当該外部サーバへアクセスする機能と、前記子機として設定された画像処理装置から前記実行依頼および前記画像データを受信した場合に、自装置の前記認証設定に基づいて前記外部サーバにアクセスするためのアクセストークンを前記認可サーバから取得し、当該アクセストークンを用いて当該外部サーバへアクセスし、当該画像データを電子メールに添付して当該外部サーバへ送信する機能と、を有することを特徴とする、通信システムである。
請求項2に記載された発明は、前記子機として設定された画像処理装置は、前記認可サーバに対して前記認証設定を行うための情報を前記親機として設定された画像処理装置から取得して保持し、予め定められた設定実行条件を満足する場合、保持している前記情報を用いて前記認可サーバに対して前記認証設定を行い、当該認可サーバから前記アクセストークンを取得して、前記外部サーバへアクセスし、前記画像データを電子メールに添付して当該外部サーバへ送信することを特徴とする、請求項1に記載の通信システムである。
請求項3に記載された発明は、前記子機として設定された画像処理装置は、前記親機として設定された画像処理装置が稼働している際に、予め定められた取得条件に基づいて前記認証設定を行うための情報を当該親機として設定された画像処理装置から取得することを特徴とする、請求項2に記載の通信システムである。
請求項4に記載された発明は、前記設定実行条件は、少なくとも、前記親機として設定された画像処理装置が親機として機能していないことと、当該親機として設定された画像処理装置に接続できないこととの何れかを含むことを特徴とする、請求項2に記載の通信システムである。
請求項5に記載された発明は、前記子機として設定された画像処理装置は、前記実行依頼に基づく前記画像データの送信を、前記親機として設定された画像処理装置を介して実行できない場合、前記認可サーバから前記アクセストークンを取得するための認証設定を当該認可サーバに対して行い、前記アクセストークンを取得して、前記外部サーバへアクセスし、当該画像データを電子メールに添付して当該外部サーバへ送信することを特徴とする、請求項1に記載の通信システムである。
請求項6に記載された発明は、前記認可サーバから前記アクセストークンを取得可能となった前記画像処理装置は、他の子機として設定された画像処理装置からの前記実行依頼および前記画像データを受け付けて、親機として動作することを特徴とする、請求項5に記載の通信システムである。
請求項7に記載された発明は、前記親機として設定された画像処理装置の親機としての機能が復旧したことにより、親機として動作可能な画像処理装置が複数となった場合、親機として動作可能な複数の前記画像処理装置のうちの一つのみが親機として動作し、他の画像処理装置は子機として動作するように設定されることを特徴とする、請求項5に記載の通信システムである。
請求項8に記載された発明は、前記親機として設定された画像処理装置の親機としての機能が復旧したことにより親機として動作可能な画像処理装置が複数となった場合、前記子機として設定された画像処理装置は、親機として動作可能な複数の前記画像処理装置のうちの一つを選択して前記実行依頼および前記画像データを送信することを特徴とする、請求項5に記載の通信システムである。
請求項9に記載された発明は、外部サーバにアクセスするためのアクセストークンを認可サーバから取得可能な画像処理装置におけるデータ通信を制御する通信制御システムであって、1または複数のプロセッサを備え、前記プロセッサは、前記外部サーバへデータを送信する処理の実行依頼および送信対象の画像データを他の画像処理装置から受け付け、前記実行依頼に応じて、自装置の認証設定に基づき、前記外部サーバへのアクセスに用いるアクセストークンを認可サーバから取得し、取得した前記アクセストークンを用い、前記実行依頼に従って前記外部サーバにアクセスし、前記画像データを電子メールに添付して当該外部サーバへ送信することを特徴とする、通信制御システムである。
請求項10に記載された発明は、外部サーバにアクセスするためのアクセストークンを認可サーバから取得可能な画像処理装置に設けられたコンピュータを制御するプログラムであって、前記コンピュータに、前記外部サーバへデータを送信する処理の実行依頼および送信対象の画像データを他の画像処理装置から受け付ける機能と、前記実行依頼に応じて、自装置の認証設定に基づき、前記外部サーバへのアクセスに用いるアクセストークンを認可サーバから取得する機能と、取得した前記アクセストークンを用い、前記実行依頼に従って前記外部サーバにアクセスし、前記画像データを電子メールに添付して当該外部サーバへ送信する機能と、を実現させることを特徴とする、プログラムである。
【発明の効果】
【0007】
請求項1の発明によれば、各画像処理装置が認証設定を行ってアクセストークンを取得する構成と比較して、認証設定に要する手間を削減することができる。
請求項2の発明によれば、親機のみがアクセストークンを取得可能である構成と比較して、システムの頑強性が増す。
請求項3の発明によれば、認証設定のための情報を親機が機能しなくなってから取得する構成と比較して、認証設定に要する時間を短縮することができる。
請求項4の発明によれば、親機が正常動作している際に子機がアクセストークンを取得可能とする構成と比較して、アクセストークンを取得可能な機器の管理が煩雑になることを抑制することができる。
請求項5の発明によれば、親機および子機の設定を固定する構成と比較して、システムの堅牢度を向上させることができる。
請求項6の発明によれば、各子機が自身でアクセストークンを取得する構成と比較して、通信システムの機能を速やかに回復することができる。
請求項7の発明によれば、複数の画像処理装置が親機として動作する構成と比較して、同一アカウントでアクセストークンを取得する親機の管理が煩雑になることを抑制することができる。
請求項8の発明によれば、一つの画像処理装置のみが親機として動作する構成と比較して、システムの利便性および頑強性が増す。
請求項9の発明によれば、認証設定に基づくアクセストークンを取得できない他の画像処理装置からの依頼に応じて、アクセストークンを取得し、データ送信を行うことができる。
請求項10の発明によれば、本発明のプログラムをインストールしたコンピュータにより、認証設定に基づくアクセストークンを取得できない他の画像処理装置からの依頼に応じて、アクセストークンを取得し、データ送信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態が適用される通信システムの構成例を示す図である。
【
図2】本実施形態の通信システムにおける接続関係を示す図である
【
図3】画像処理装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図4】認可サーバおよび外部サーバのハードウェア構成例を示す図である。
【
図5】画像処理装置の機能構成の例を示す図である。
【
図7】親機がサービスの処理の実行要求を受け付けた場合に、親機の動作を表すフローチャートを示す図である
【
図8】子機がサービスの処理の実行要求を受け付けた場合に、子機が親機を介してサービスの処理の実行要求を行う動作を表すフローチャートを示す図である。
【
図9】設定実行条件を満足する場合に、子機が外部サーバへサービスの処理の実行要求を行う動作を表すフローチャートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<通信システムの構成>
図1は、本実施形態が適用される通信システムの構成例を示す図である。通信システム1は、複数の画像処理装置100と、認可サーバ200と、外部サーバ300とを備える。各装置100、200、300は、ネットワークを介して接続されている。
【0010】
画像処理装置100は利用者が利用する装置である。画像処理装置100とは、画像を読み取る機能や、画像を形成する機能等を備えている装置をいう。本実施形態における画像処理装置100は、例えば、コピー機能、プリント機能、スキャン機能、ファクシミリ機能等を備える。また、画像処理装置100は通信機能を備えており、認可サーバ200および外部サーバ300と通信する。
【0011】
画像処理装置100は、利用者からサービスの処理の実行要求を受け付け、受け付けたサービスの処理の実行要求に応じて、認可サーバ200からアクセストークンを取得し、取得したアクセストークンを用いて外部サーバ300へアクセスする。本実施形態では、サービスの処理の一例を、スキャンした画像データを電子メールに添付して宛先に送信する例を用いて説明する。なお、アクセストークンは、画像処理装置100が認可サーバ200へアクセストークンの発行要求を行うことにより認可サーバ200から取得できる。アクセストークンを取得するためには、画像処理装置100は認可サーバ200に対し、予め認証設定を行う必要がある。また、外部サーバ300の例としては、例えば、メール送信の機能を有するSMTPサーバ等が挙げられる。
【0012】
図2は、本実施形態の通信システムにおける接続関係を示す図である。
本実施形態が適用される通信システム1では、画像処理装置100(
図1参照)は親機10と子機20とに区別される。親機10とは、認可サーバ200および外部サーバ300に通信する画像処理装置100をいう。また、子機20とは、認可サーバ200および外部サーバ300に通信しない画像処理装置100をいう。子機20は、親機10と通信し親機10を介して外部サーバ300へサービスの処理の実行要求を行う。各画像処理装置100は、設定により、親機10としても子機20としても動作する。以下、親機10として動作する画像処理装置100を「親機10」、子機20として動作する画像処理装置100を「子機20」と記載するが、両者を区別する必要がない場合、「画像処理装置100」と記載する場合がある。
【0013】
画像処理装置100は、親機10としても子機20としても動作する機能を有するが、通信システム1においては、設定により、いずれか一方として動作する。なお、各画像処理装置100において、親機10、子機20の設定は切り替え可能とする。以下、親機10および子機20についてさらに説明する。
【0014】
親機10は上述したように、認可サーバ200および外部サーバ300に通信する画像処理装置100である。親機10として設定された画像処理装置100は、予め認可サーバ200に対して行った認証設定に基づき、認可サーバ200から外部サーバ300にアクセスするためのアクセストークンを取得し、取得したアクセストークンを用いて外部サーバ300へアクセスする。
【0015】
また、親機10は、子機20として設定された画像処理装置100から、外部サーバ300へデータを送信する処理の実行依頼や送信対象の画像データ(以下、送信対象の画像データを「画像データ」とする)を受信した場合に、自装置の認証設定に基づいて、外部サーバ300にアクセスするためのアクセストークンを認可サーバ200から取得し、取得したアクセストークンを用いて外部サーバ300へアクセスし、画像データを電子メールに添付して外部サーバ300へ送信する。
【0016】
子機20は上述したように、認可サーバ200および外部サーバ300に通信しない画像処理装置100である。子機20は親機10と通信する。子機20として設定された画像処理装置100は、外部サーバ300へデータを送信する処理の実行依頼や画像データを親機10として設定された画像処理装置100へ送信する。
【0017】
認可サーバ200は、アクセストークンを発行するサーバである。認可サーバ200は親機10による認証設定の実行要求に応じて親機10の認証設定を行う。認可サーバ200は親機10からアクセストークンの発行要求を受け付ける。認可サーバ200は予め行った認証設定に従いアクセストークンを発行し、親機10へ送信する。
【0018】
外部サーバ300は、サービスを提供するサーバである。外部サーバ300は、親機10からサービスの処理の実行要求を受け付ける。外部サーバ300は、親機10が用いるアクセストークンが有効か否かを確認する。外部サーバ300はアクセストークンが有効であることを確認すると、親機10が外部サーバ300へアクセスすることを許可する。一方、外部サーバ300はアクセストークンが有効でないことを確認すると、以後の動作は行われない。
【0019】
<画像処理装置のハードウェア構成>
図3は、画像処理装置100のハードウェア構成例を示す図である。
図3に示す画像処理装置100は、演算手段である1または複数のプロセッサ101と、記憶手段である主記憶装置(メイン・メモリ)102および補助記憶装置103と、表示情報を視認させるための表示機構104と、利用者からの操作を受け付けるための入力デバイス105と、情報通信に用いられるネットワーク・インターフェイス106とを備える。プロセッサ101は、補助記憶装置103に格納されたプログラムを主記憶装置102に読み込んで実行することにより、情報処理装置100の各機能を実現する。プロセッサ101としては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等が用いられる。主記憶装置102としては、例えばRAM(Random Access Memory)が用いられる。補助記憶装置103としては、例えば磁気ディスク装置やSSD(Solid State Drive)等が用いられる。表示機構104としては、例えばディスプレイ等が用いられる。入力デバイス105としては、例えばキーボードやマウス、タッチパネル等が用いられる。なお、
図3に示す画像処理装置100の構成は一例に過ぎず、本実施形態で用いられる画像処理装置100は
図3の構成例に限定されるものではない。例えば、記憶装置として、フラッシュ・メモリ等の不揮発性のメモリやROM(Read Only Memory)を備える構成としてもよい。
【0020】
<認可サーバおよび外部サーバのハードウェア構成>
図4は、認可サーバ200および外部サーバ300のハードウェア構成例を示す図である。
図4に示す認可サーバ200、外部サーバ300は、演算手段である1または複数のプロセッサ201、301と、記憶手段である主記憶装置(メイン・メモリ)202、302および補助記憶装置203、303と、情報通信に用いられるネットワーク・インターフェイス204、304とを備える。プロセッサ201、301は、補助記憶装置203、303に格納されたプログラムを主記憶装置202、302に読み込んで実行することにより、認可サーバ200、外部サーバ300の各機能を実現する。プロセッサ201、301としては、例えば、CPU、MPU、GPU、DSP等が用いられる。主記憶装置202、302としては、例えばRAMが用いられる。補助記憶装置203、303としては例えば磁気ディスク装置やSSD等が用いられる。なお、
図4に示すサーバの構成は一例に過ぎず、本実施形態で用いられるサーバは
図4の構成例に限定されるものではない。例えば、記憶装置としてフラッシュ・メモリ等の不揮発性メモリやROMを備える構成としてもよい。
【0021】
<画像処理装置の機能構成>
図5は、画像処理装置100の機能構成の例を示す図である。画像処理装置100は、画像形成部110と、画像読み取り部120と、情報入出力部130と、通信部140と、制御部150とを備える。画像処理装置100の各機能は、プロセッサ101が、補助記憶装置103に格納されたプログラムを主記憶装置102に読み込んで実行することにより実現される。画像処理装置100は表示機構104を介して各種の画面を表示し、入力デバイス105を介して利用者から入力を受け付ける。
【0022】
画像形成部110は、記録材の一例である用紙に対して、画像形成材を用いて画像データに基づく画像を形成する。記録材に画像を形成する方式としては、例えば、感光体に付着させたトナーを記録材に転写して像を形成する電子写真方式や、インクを記録材上に吐出して像を形成するインクジェット方式等が用いられる。
【0023】
画像読み取り部120は、いわゆるスキャナー装置により構成され、セットされた原稿上の画像を光学的に読み取り、読み取った画像のデータを生成する。画像の読み取り方式としては、例えば、光源から原稿に照射した光に対する反射光をレンズで縮小してCCD(Charge Coupled Devices)で受光するCCD方式や、LED(Light Emitting Diode)光源から原稿に順に照射した光に対する反射光をCIS(Contact Image Sensor)で受光するCIS方式が用いられる。
【0024】
情報入出力部130は、読み取りや出力等の処理対象となる画像のプレビュー画像や利用者が操作を行うための操作画像等を表示し、また、利用者から利用するサービスの選択等を受け付けるユーザインターフェイスである。
【0025】
通信部140は、外部装置との間で通信やデータの送受信を行う。具体的に、画像処理装置100間の通信、画像処理装置100と認可サーバ200および外部サーバ300との間の通信は通信部140を介して行われる。また、画像処理装置100がスキャンした画像データの送信等は通信部140を介して行われる。
【0026】
図6は、制御部150の機能構成の例を示す図である。制御部150は、画像処理装置100の各機能部の動作を制御する。具体的に、各機能部へ指示を送信する動作や各機能部から応答を受信する動作は、制御部150を介して行われる。例えば、利用者から、情報入出力部130を介して画像のスキャン指示を受信した場合、制御部150は画像読み取り部120へ画像を読み取る指示を送信する。また、本実施形態において、制御部150は、画像処理装置100が親機10として動作する場合と子機20として動作する場合において一部の機能において異なる制御を行う。制御部150は画像処理装置100を親機10として動作させる場合に機能する親機機能部160と、子機20として動作させる場合に機能する子機機能部170とを備え、画像処理装置100を親機10または子機20として動作させる。さらに、画像処理装置100が親機10として動作する場合、制御部150は、子機20、認可サーバ200、および外部サーバ300と通信する制御を行う。一方、画像処理装置100が子機20として動作する場合、制御部150は、親機10と通信する制御を行う。
【0027】
親機機能部160は、画像処理装置100が親機10として動作する場合に機能する。親機機能部160は認証設定実行部161と、認証トークン保持部162と、検索応答部163と、送信依頼受付部164とを備える。
【0028】
認証設定実行部161は、親機10と認可サーバ200との間で認証設定を行う。認証設定を行うための情報としては、例えば利用者IDやパスワード等が用いられる。また、認可サーバ200へ接続するための情報として、認可サーバ200のURL等も認証設定を行うための情報に含まれる。また、認証設定実行部161は、利用者によるサービスの処理の実行要求に応じて、認可サーバ200へアクセストークンの発行要求を行う。認証トークン保持部162は、認可サーバ200が認証設定に従い発行したアクセストークンを取得し、自装置内に保持する。
【0029】
検索応答部163は、子機機能部170が備える親機検索部171により親機10の検索が行われることに応じて、自装置が親機10であることを子機20に応答する。なお、応答とは、例えば、親機10が認可サーバ200において認証設定済であることを子機20へ通知することなどが挙げられる。また、送信依頼受付部164は、子機機能部170が備えるデータ送信依頼部172から、画像データの送信依頼を受け付ける。
【0030】
子機機能部170は親機検索部171とデータ送信依頼部172とを備える。親機検索部171は、周辺に認可サーバ200との間で認証設定が済んでいる親機10が存在するか否かを検索する。なお、周辺とは、例えば、同一ネットワーク上やサブネットワーク上等を指す。また、予め子機20に、親機10のIPアドレスを手動設定しておいてもよい。また、データ送信依頼部172は、親機検索部171により特定された親機10に、画像データを外部サーバ300へ送信することを依頼する。
【0031】
<通信システムの動作概要の説明>
通信システム1の動作概要について説明する。なお、本実施の形態について、サービスの処理の一例として、画像データを電子メールに添付して宛先へ送信する例を挙げて説明する。またメール送信のサービスを提供する外部サーバ300の例としてSMTPサーバを用いる。
【0032】
図7は、親機10がサービスの処理の実行要求を受け付けた場合に、親機10の動作を表すフローチャートを示す図である。なお、認証設定実行部161は、予め認可サーバ200との間で認証設定を行っているものとする。これにより、利用者からサービスの処理の実行要求を受け付けた場合に、認可サーバ200からアクセストークンを取得することができる。利用者からスキャン指示を受け付けると、画像読み取り部120は、画像をスキャンする(S101)。さらに、利用者からスキャンした画像データを電子メールに添付して宛先へ送信する指示を受け付けると、認証設定実行部161は認可サーバ200にアクセストークンの発行要求を行う(S102)。認可サーバ200によりアクセストークンの発行が行われると、認証トークン保持部162は認可サーバ200からアクセストークンを取得する(S103)。通信部140は取得したアクセストークンを用いてSMTPサーバへアクセスする(S104)。この一連の動作により、親機10がスキャンした画像データは、電子メールに添付してSMTPサーバへ送信される。
【0033】
図8は、子機20がサービスの処理の実行要求を受け付けた場合に、子機20が親機10を介してサービスの処理の実行要求を行う動作を表すフローチャートを示す図である。なお、親機10における認証設定実行部161は、予め認可サーバ200との間で認証設定を行っているものとする。子機20は利用者からスキャン指示を受け付けると、画像読み取り部120が画像をスキャンする(S201)。さらに、子機20は利用者からスキャンした画像データを電子メールに添付して宛先に送信する指示を受け付けると、親機検索部171が周辺の親機10を検索する(S202)。親機10から応答が得られた場合、親機検索部171は、応答が得られた親機10を特定する(S203)。親機10から応答が得られなかった場合については後述する。子機20は、特定した親機10へ通信部140を介して、スキャンした画像データを送信し、画像データを電子メールに添付して宛先へ送信することを依頼する(S204)。
【0034】
親機10は、子機20から、画像データとともに、画像データの送信依頼を受け付ける。以降の動作として、
図7におけるS102からS104と同様の動作が行われる。この一連の動作により、子機20がスキャンした画像データは、親機10を介して、電子メールに添付してSMTPサーバへ送信される。
【0035】
上述した例では、子機20は、親機10から応答が得られた場合に親機10を介して外部サーバ300へサービスの処理の実行要求を行った。しかしながら、親機10から応答が得られなかった場合、子機20は、親機10を介して外部サーバ300へサービスの処理の実行要求を行うことができない。親機10から応答が得られない原因としては、例えば、親機10として設定された画像処理装置100が、電源OFF等により稼働していない場合や故障等により親機10として機能していない場合等が考えられる。そこで、子機20が親機10に代替する態様も考えられる。
【0036】
<変形例>
本変形例では、予め、子機20が認可サーバ200に対し認証設定を行う条件(以下、「設定実行条件」とする)を定める。設定実行条件を満足する場合、子機20は新たな親機10となり、認可サーバ200に対し認証設定を行い、認可サーバ200から外部サーバ300にアクセスするためのアクセストークンを取得し、取得したアクセストークンを用いて外部サーバ300へアクセスする。なお、設定実行条件としては例えば、子機20が、親機10として設定された画像処理装置100が親機10として機能していないと判断したこと等が挙げられる。
【0037】
図9は、設定実行条件を満足する場合に、子機20が外部サーバ300へサービスの処理の実行要求を行う動作を表すフローチャートを示す図である。なお、親機10における認証設定実行部161は、予め認可サーバ200との間で認証設定を行っているものとする。また、子機20は、認可サーバ200に対し認証設定を行うための情報を親機10から取得して保持しておく。なお、子機20は、親機10が稼働している際に、予め定められた取得条件に基づいて、認可サーバ200に対し認証設定を行うための情報を親機10から取得する。予め定められた取得条件としては、例えば、子機20の電源がONされたこと等が挙げられる。また、週に1回、月に1回等、取得のタイミングを定め、取得のタイミングを取得条件としてもよい。さらに、親機10の電源OFFが予定される場合には、電源OFFとなる前の特定の時期に親機10から子機20へ通知を行うように設定し、子機20が親機10からの通知を受けたことを取得条件としてもよい。
【0038】
子機20は利用者からスキャン指示を受け付けると、画像読み取り部120が画像をスキャンする(S301)。さらに、子機20は利用者からスキャンした画像データを電子メールに添付して宛先に送信する指示を受け付けると、親機検索部171が周辺の親機10を検索する(S302)。親機検索部171は、親機10から応答が得られたか否かを確認する(S303)。親機10から応答が得られた場合、
図8におけるS203へ進み、以降の動作として、S203からS204と同様の動作が行われる。
【0039】
親機10から応答が得られなかった場合、子機20における制御部150は親機10として設定された画像処理装置100が親機10として機能していないと判断する(S304)。次に、制御部150は設定実行条件を満足するとして、通信部140を介して認可サーバ200および外部サーバ300と通信可能とする(S305)。子機20における制御部150は自装置を、新たな親機10として動作させる(S306)。以下、親機10として機能していない画像処理装置100を「親機10A」とし、新たな親機10として機能する画像処理装置100を「親機10B」とする。親機10Bにおける認証設定実行部161は、予め取得した、認可サーバ200に対し認証設定を行うための情報を用いて認可サーバ200に対して認証設定を行う(S307)。親機10Bにおける認証設定実行部161は認可サーバ200にアクセストークンの発行要求を行う(S308)。認可サーバ200によりアクセストークンの発行が行われると親機10Bにおける認証トークン保持部162は認可サーバ200からアクセストークンを取得する(S309)。親機10Bにおける通信部140は取得したアクセストークンを用いてSMTPサーバへアクセスする(S310)。この一連の動作により、画像データの送信を親機10を介して実行できない場合であっても、子機20がスキャンした画像データは、電子メールに添付してSMTPサーバへ送信される。
【0040】
上述した例では、設定実行条件の例として、子機20が、親機10として設定された画像処理装置100が親機10として機能していないと判断した場合を挙げた。ただし、設定実行条件は上述した例に限られない。例えば、子機20が、何らかの理由、例えば通信トラブル等により親機10として設定された画像処理装置100に接続できない場合を設定実行条件と定めてもよい。子機20は予め定められた設定実行条件の何れかを満足する場合、認可サーバ200に対して認証設定を行う。
【0041】
また、認可サーバ200に対して認証設定を行い認可サーバ200からアクセストークンを取得可能となった親機10Bは、他の子機20に自装置が親機10Bとなったことを通知する態様をとることができる。親機10Bは、他の子機20として設定された画像処理装置100からサービスの処理の実行依頼や画像データを受け付ける。以降の動作として、
図7におけるS102からS104と同様の動作が行われる。この一連の動作により、他の子機20がスキャンした画像データは、親機10Bを介して電子メールに添付してSMTPサーバへ送信される。
【0042】
次に、機能していない親機10が復旧した場合の通信システム1の接続関係について説明する。何らかの原因により機能していない親機10が復旧した場合、親機10として動作可能な画像処理装置100は複数存在することとなる。そのような場合、親機10として動作可能な複数の画像処理装置100のうちの一つのみが親機10として動作し、他の画像処理装置100は子機20として動作するように設定してもよい。上述した例を用いると、機能していない親機10Aが復旧したことにより、親機10として動作可能な画像処理装置100は親機10Aおよび親機10Bとなる。そのような場合、例えば、親機10Aが親機10として動作し、親機10Bが子機20として動作するように設定することにより、動作可能な複数の画像処理装置100のうちの一つのみが親機10として動作する。
【0043】
一方、機能していない親機10が復旧したことにより、親機10として動作可能な画像処理装置100が複数存在することとなった場合に、複数の画像処理装置100を親機10として併存するように設定してもよい。上述した例を用いると、機能していない親機10Aが復旧したことにより、親機10として動作可能な画像処理装置100は親機10Aおよび親機10Bとなる。そのような場合、例えば、親機10Aおよび親機10Bを親機10として動作するように設定することにより、親機10として動作可能な画像処理装置100が併存する。
【0044】
ここで、複数の画像処理装置100を親機10として併存するように設定した場合、子機20として設定された画像処理装置100はサービスの処理の実行依頼および画像データを複数の親機10に送信し得る。そのような場合、子機20は親機10として動作可能な複数の画像処理装置100のうちの一つを選択して、サービスの処理の実行依頼および画像データを送信するように設定してもよい。上述した例を用いると、子機20は親機10へサービスの処理の実行依頼を行う。子機20の親機検索部171が、親機10Aおよび親機10Bの存在を確認する。利用者が子機20を操作することにより、いずれの親機10を利用するか選択する。例えば、子機20により親機10Aが選択されると、子機20から選択された親機10Aと利用者が利用する子機20とが通信する。ただし、一の親機10と対応する子機20を紐づける方法はこれに限られない。例えば、システム管理者が、予め一の親機10とそれに対応する子機20とを、IPアドレス等を用いて紐づけておくことで、一の親機10と対応する子機20とを関連付けるよう設定してもよい。
【0045】
なお、動作可能な画像処理装置100が複数存在することとなった場合に、複数の画像処理装置100を親機10として併存させるか、または単一の画像処理装置100のみを親機10として動作させるか、についてはシステムの管理者が定めておけばよい。
【0046】
本実施形態では、子機20が利用者からサービスの処理の実行要求を受け付けた場合に、子機20が親機10を介してサービスの処理の実行要求を行った。したがって、外部サーバ300は、いずれの子機20からサービスの処理の実行要求がなされたか、判別できない場合が生じ得る。このような場合、外部サーバ300は、処理の実行要求の送信元である子機20に対して、処理の実行結果等を返送することができない。そこで、本実施形態では、いずれの子機20からサービスの処理の実行要求がなされたか識別できるよう、親機10が、子機20を識別可能な情報を追加する態様をとることができる。例えば、メールヘッダ、メール件名等に子機20の識別情報を追加することが考えられる。より具体的に、例えばメール件名に「MFP-27F 123号機」のように識別子を追加してもよい。また、メールヘッダの、FromやSenderフィールドに「MFP27F123@example.com」のような記術を追加してもよい。また、メールヘッダのCommentsフィールドに「MFP Floor #123」のように記述してもよい。このようにして、親機10が子機20の識別情報を追加することで、外部サーバ300は、いずれの子機20から送信されたものであるか判別可能となる。
【0047】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態には限定されない。上述した例では、子機20は親機10が機能していないと判断した場合、予め親機10から取得した認証設定を行うための情報を用いて認可サーバ200へ認証設定を行った。一方で、子機20は予め親機10からアクセストークンを取得しておく態様をとることもできる。これにより、子機20は認可サーバ200へ認証設定を行うことなく、直ちに外部サーバ300へアクセスすることができる。
【0048】
また認証設定を行うための情報の一例として利用者IDとパスワードを挙げたが、画像処理装置100ごとに装置IDを設定しておき、この装置IDを認証設定を行うための情報として用いてもよい。この場合、親機10の装置IDにより認証を行いアクセストークンを取得することとなる。このようにすれば、親機10である特定の画像処理装置100を経由する場合にのみアクセストークンを取得し、外部サーバ300へアクセスすることができる。
【0049】
さらに、本実施形態では、子機20が周辺の親機10を検索することで、親機10を特定した。一方、予め、特定の親機10に対応する子機20を設定してもよい。また、特定の子機20に対応する親機10を設定してもよい。これにより、子機20は親機10の検索を行うことなく、直ちに親機10と通信することができる。その他、本発明の技術思想の範囲から逸脱しない様々な変更や構成の代替は、本発明に含まれる。
【0050】
<付記>
(((1)))
親機と子機の設定がなされた複数の画像処理装置を含む通信システムであり、子機として設定された画像処理装置は、外部サーバへデータを送信する処理の実行依頼および送信対象の画像データを親機として設定された画像処理装置へ送信する機能を有し、前記親機として設定された画像処理装置は、予め認可サーバに対して行った認証設定に基づき、当該認可サーバから外部サーバにアクセスするためのアクセストークンを取得し、当該アクセストークンを用いて当該外部サーバへアクセスする機能と、前記子機として設定された画像処理装置から前記実行依頼および前記画像データを受信した場合に、自装置の前記認証設定に基づいて前記外部サーバにアクセスするためのアクセストークンを前記認可サーバから取得し、当該アクセストークンを用いて当該外部サーバへアクセスし、当該画像データを電子メールに添付して当該外部サーバへ送信する機能と、を有することを特徴とする、通信システム。
(((2)))
前記子機として設定された画像処理装置は、前記認可サーバに対して前記認証設定を行うための情報を前記親機として設定された画像処理装置から取得して保持し、予め定められた設定実行条件を満足する場合、保持している前記情報を用いて前記認可サーバに対して前記認証設定を行い、当該認可サーバから前記アクセストークンを取得して、前記外部サーバへアクセスし、前記画像データを電子メールに添付して当該外部サーバへ送信することを特徴とする、(((1)))に記載の通信システム。
(((3)))
前記子機として設定された画像処理装置は、前記親機として設定された画像処理装置が稼働している際に、予め定められた取得条件に基づいて前記認証設定を行うための情報を当該親機として設定された画像処理装置から取得することを特徴とする、(((1)))または(((2)))に記載の通信システム。
(((4)))
前記設定実行条件は、少なくとも、前記親機として設定された画像処理装置が親機として機能していないことと、当該親機として設定された画像処理装置に接続できないこととの何れかを含むことを特徴とする、(((2)))または(((3)))に記載の通信システム。
(((5)))
前記子機として設定された画像処理装置は、前記実行依頼に基づく前記画像データの送信を、前記親機として設定された画像処理装置を介して実行できない場合、前記認可サーバから前記アクセストークンを取得するための認証設定を当該認可サーバに対して行い、前記アクセストークンを取得して、前記外部サーバへアクセスし、当該画像データを電子メールに添付して当該外部サーバへ送信することを特徴とする、(((1)))から(((4)))のいずれかに記載の通信システム。
(((6)))
前記認可サーバから前記アクセストークンを取得可能となった前記画像処理装置は、他の子機として設定された画像処理装置からの前記実行依頼および前記画像データを受け付けて、親機として動作することを特徴とする、(((1)))から(((5)))のいずれかに記載の通信システム。
(((7)))
前記親機として設定された画像処理装置の親機としての機能が復旧したことにより、親機として動作可能な画像処理装置が複数となった場合、親機として動作可能な複数の前記画像処理装置のうちの一つのみが親機として動作し、他の画像処理装置は子機として動作するように設定されることを特徴とする、(((1)))から(((6)))のいずれかに記載の通信システム。
(((8)))
前記親機として設定された画像処理装置の親機としての機能が復旧したことにより親機として動作可能な画像処理装置が複数となった場合、前記子機として設定された画像処理装置は、親機として動作可能な複数の前記画像処理装置のうちの一つを選択して前記実行依頼および前記画像データを送信することを特徴とする、(((1)))から(((7)))のいずれかに記載の通信システム。
(((9)))
外部サーバにアクセスするためのアクセストークンを認可サーバから取得可能な画像処理装置におけるデータ通信を制御する通信制御システムであって、1または複数のプロセッサを備え、前記プロセッサは、前記外部サーバへデータを送信する処理の実行依頼および送信対象の画像データを他の画像処理装置から受け付け、前記実行依頼に応じて、自装置の認証設定に基づき、前記外部サーバへのアクセスに用いるアクセストークンを認可サーバから取得し、取得した前記アクセストークンを用い、前記実行依頼に従って前記外部サーバにアクセスし、前記画像データを電子メールに添付して当該外部サーバへ送信することを特徴とする、通信制御システム。
(((10)))
外部サーバにアクセスするためのアクセストークンを認可サーバから取得可能な画像処理装置に設けられたコンピュータを制御するプログラムであって、前記コンピュータに、前記外部サーバへデータを送信する処理の実行依頼および送信対象の画像データを他の画像処理装置から受け付ける機能と、前記実行依頼に応じて、自装置の認証設定に基づき、前記外部サーバへのアクセスに用いるアクセストークンを認可サーバから取得する機能と、取得した前記アクセストークンを用い、前記実行依頼に従って前記外部サーバにアクセスし、前記画像データを電子メールに添付して当該外部サーバへ送信する機能と、を実現させることを特徴とする、プログラム。
【0051】
(((1)))の発明によれば、各画像処理装置が認証設定を行ってアクセストークンを取得する構成と比較して、認証設定に要する手間を削減することができる。
(((2)))の発明によれば、親機のみがアクセストークンを取得可能である構成と比較して、システムの頑強性が増す。
(((3)))の発明によれば、認証設定のための情報を親機が機能しなくなってから取得する構成と比較して、認証設定に要する時間を短縮することができる。
(((4)))の発明によれば、親機が正常動作している際に子機がアクセストークンを取得可能とする構成と比較して、アクセストークンを取得可能な機器の管理が煩雑になることを抑制することができる。
(((5)))の発明によれば、親機および子機の設定を固定する構成と比較して、システムの堅牢度を向上させることができる。
(((6)))の発明によれば、各子機が自身でアクセストークンを取得する構成と比較して、通信システムの機能を速やかに回復することができる。
(((7)))の発明によれば、複数の画像処理装置が親機として動作する構成と比較して、同一アカウントでアクセストークンを取得する親機の管理が煩雑になることを抑制することができる。
(((8)))の発明によれば、一つの画像処理装置のみが親機として動作する構成と比較して、システムの利便性および頑強性が増す。
(((9)))の発明によれば、認証設定に基づくアクセストークンを取得できない他の画像処理装置からの依頼に応じて、アクセストークンを取得し、データ送信を行うことができる。
(((10)))の発明によれば、本発明のプログラムをインストールしたコンピュータにより、認証設定に基づくアクセストークンを取得できない他の画像処理装置からの依頼に応じて、アクセストークンを取得し、データ送信を行うことができる。
【符号の説明】
【0052】
10…親機、20…子機、100…画像処理装置、200…認可サーバ、300…外部サーバ、110…画像形成部、120…画像読み取り部、130…情報入出力部、140…通信部、150…制御部、160…親機機能部、161…認証設定実行部、162…認証トークン保持部、163…検索応答部、164…送信依頼受付部、子機機能部…170、親機検索部…171、データ送信依頼部172