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特開2024-179197撮像装置、撮像装置の制御方法、及び、記憶媒体
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  • 特開-撮像装置、撮像装置の制御方法、及び、記憶媒体 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179197
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】撮像装置、撮像装置の制御方法、及び、記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/63 20230101AFI20241219BHJP
   G03B 17/18 20210101ALI20241219BHJP
【FI】
H04N23/63
G03B17/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097850
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【弁理士】
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【弁理士】
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】西本 拓海
【テーマコード(参考)】
2H102
5C122
【Fターム(参考)】
2H102AA71
2H102BB26
2H102CA01
5C122EA42
5C122FK23
5C122FK37
5C122FK41
5C122HA13
5C122HA35
5C122HB01
5C122HB05
(57)【要約】
【課題】 撮影状況に応じた被写体側から認識しやすく、撮影環境の構築が容易なタリーの表示を行うことが可能な撮像装置を提供すること目的とする。
【解決手段】 撮像部により撮像して得られたライブ画像を表示部に表示するように制御する制御手段と、タリー信号を受信する受信手段と、を有し、制御手段は、受信手段によりタリー信号を受信したことに応じて、当該タリー信号に対応するタリー情報を表示部に表示するように制御し、表示部の表示画面の向きに応じて、タリー情報の表示方法を決定するように制御する、ことを特徴とする。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部により撮影して得られたライブ画像を表示部に表示するように制御する制御手段と、
タリー信号を受信する受信手段と、を有し、
前記制御手段は、
前記受信手段によりタリー信号を受信したことに応じて、当該タリー信号に対応するタリー情報を前記表示部に表示するように制御し、
前記表示部の表示画面の向きに応じて、前記タリー情報の表示方法を決定するように制御する、ことを特徴とする撮像装置。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記表示部の表示画面が前記撮像部の撮影方向側を向いている場合は、前記ライブ画像を表示せずに前記タリー情報を表示する第1のタリー表示を行うに制御し、
前記表示部の表示画面が前記撮像部の撮影方向側を向いていない場合は、前記ライブ画像と共に前記タリー情報を表示する第2のタリー表示を行うように制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記第1のタリー表示において、前記タリー情報を前記表示部の全画面に表示するように制御することを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第1のタリー表示において、前記表示部の全画面を前記タリー情報に対応する色で表示するように制御することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記第2のタリー表示において、前記タリー情報に対応するアイコンを前記ライブ画像に重畳して表示するように制御することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記第2のタリー表示において、前記タリー情報に対応する枠を前記ライブ画像と共に表示するように制御することを特徴とする請求項3に記載の撮像装置。
【請求項7】
前記表示部の表示画面が前記撮像部の撮影方向側を向いている場合の前記タリー情報の表示方法を、ユーザ操作に応じて設定するための第1の設定手段を有し、
前記制御手段は、前記第1の設定手段による設定に基づいて、前記表示画面が前記側を向いている場合の前記タリー情報の表示方法を決定し、
前記第1の設定手段では、前記表示画面が前記側を向いていない場合では実行されな第1のタリー表示方法を設定可能である、
ことを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
【請求項8】
前記表示画面が前記撮影方向側を向いていない場合の前記タリー情報の表示方法を、ユーザ操作に応じて設定するための第2の設定手段を有し、
前記第1の設定手段では、前記第1のタリー表示方法及び第2のタリー表示方法を設定可能であり、
前記第2の設定手段では、前記第2のタリー表示方法は設定可能であるが、前記第1のタリー表示方法は設定できない、
ことを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。
【請求項9】
前記撮像部を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の撮像装置。
【請求項10】
撮像部により撮影して得られたライブ画像を表示部に表示するように制御する制御工程と、
タリー信号を受信する受信工程と、を有し、
前記制御工程では、
前記受信工程でタリー信号を受信したことに応じて、当該タリー信号に対応するタリー情報を前記表示部に表示するように制御し、
前記表示部の表示画面の向きに応じて、前記タリー情報の表示方法を決定するように制御する、
ことを特徴とする撮像装置の制御方法。
【請求項11】
コンピュータを、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の撮像装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タリー信号に基づくタリー情報を表示するための制御を行う撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
被写体に撮影状態を伝える方法として、カメラなどの撮像装置に備え付けられたタリーランプがある。タリーランプの点灯や色の変化によって、被写体は、どの撮像装置で現在撮影されているのか、撮影中または配信中なのか等の撮影状態などの情報を知ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-350061号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、タリーランプを用いて撮影状態を被写体に通知する方法では、被写体とタリーランプによるタリー表示との距離が離れている場合や晴天などの環境で撮影現場の輝度が高い場合などは、タリ―ランプの表示が見えにくくなる。このように、撮影環境によっては被写体からタリーランプによるタリー表示が見え難くなるという課題があった。
【0005】
そこで、本発明では、撮影状況に応じたタリー表示を行うことが可能な撮像装置を提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の撮像装置は、
撮像部により撮像して得られたライブ画像を表示部に表示するように制御する制御手段と、タリー信号を受信する受信手段と、を有し、制御手段は、受信手段によりタリー信号を受信したことに応じて、当該タリー信号に対応するタリー情報を表示部に表示するように制御し、表示部の表示画面の向きに応じて、タリー情報の表示方法を決定するように制御する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、撮影状況に応じたタリー表示を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】デジタルビデオカメラの構成を示すブロック図
図2】第1の実施形態におけるタリー表示の動作を示すフローチャート
図3】タリー表示の表示例
図4】第2の実施形態におけるタリー表示の動作を示すフローチャート
図5】タリー表示設定の設定画面
【発明を実施するための形態】
【0009】
<デジタルビデオカメラの構成>
図1は、撮像装置であるデジタルビデオカメラの構成を示すブロック図である。
【0010】
100は、デジタルビデオカメラであり、106はデジタルビデオカメラ本体100に対して位置を変更な状態で設置された表示部である。表示部106は、ヒンジ部などを介してデジタルビデオカメラ本体に連結されており、デジタルビデオカメラ本体100に対して回動可能である。そのため、表示部106の表示面が撮影者側を向く位置や、表示部106の表示面が撮影者側と反対側の被写体側(撮影方向側)を向く位置に、表示部106の位置を変更可能である。
【0011】
デジタルビデオカメラ本体100は、以下の構成要素を内包している。
【0012】
101は鏡筒であり、フォーカスレンズや防振レンズを含む撮像レンズと絞りで構成される。鏡筒101は筺体100と一体であっても分離可能であっても構わない。
【0013】
102は撮像部であり、鏡筒101のレンズで集光された光学像を電気信号に変換する撮像センサー、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器を含む。
【0014】
103は映像処理部であり、撮像部102からの映像データまたはメモリ制御部107からの映像データに対し、所定のリサイズ処理やトリミング処理、色変換処理、歪曲補正処理等を行い、メモリ制御部107を介してメモリ108へ格納する。映像処理部103では、これらの処理により、表示部106に表示するための表示用データとしてライブ画像用の映像データを生成してメモリ108に格納したり、記録媒体120に記録するための記録用の映像データを作成してメモリ108に格納したりする。また、映像処理部103では、撮像した映像データを用いて所定の演算処理が行われ、得られた演算結果に基づいてシステム制御部109が露光制御、測距制御、防振制御を行う。所定の演算処理には、顔などの被写体を検出する機能も含まれる。これにより、AF(オートフォーカス)処理、AE(自動露出)処理、AWB(オートホワイトバランス)処理、防振処理が行われる。映像処理部103は、再生モード時には記録媒体120から読み出したエンコード済み映像データをCODEC104がデコードして得られた映像データを入力し、リサイズ処理や色変換処理を行って表示用データを生成してメモリ108に格納する処理も行っている。
【0015】
CODEC104は、映像処理部103で生成した映像データをMPEG2やH.264等の動画圧縮方式でエンコードしたり、エンコード済み映像データをデコードしたりする。
【0016】
105は映像出力部であり、メモリ108に記憶された表示用データをメモリ制御部107を介して読み出し、表示用データに後述するOSD描画部118により描画されたODSデータを重畳して映像信号化して表示部106に出力する。表示用データがライブ画像の場合は、ライブ画像にOSDが重畳された映像信号が表示部に出力され、表示用データが記録媒体120から再生された映像データの場合は、記録済み映像にOSDが重畳された映像信号が表示部に出力される。
【0017】
106は表示部であり、映像出力部105から受信した映像信号を表示する。
【0018】
107はメモリ制御部であり、各ブロックからメモリ108へのアクセス要求を調停する機能を備える。
【0019】
108はメモリであり、映像処理部103、CODEC104、映像出力部105、OSD描画部118等からの映像データ、表示用データなどを格納する。また、CODEC104から出力されたエンコード済み映像データや、記録媒体120から読み出されたエンコード済み映像データを一時的に記憶する機能も果たす。メモリ108は、所定時間の動画像データおよび音声データを格納するのに十分な記録容量を備えている。
【0020】
109はシステム制御部であり、本デジタルビデオカメラ全体を制御する。不揮発性メモリ113に記録されたプログラムを読みだして実行することで各部の制御や各種演算処理を実行することで各動作を実現する。システム制御部109は複数のCPUコアを備えていても構わない。その場合は、プログラムに記述されたタスクを複数のCPUコアで分担して処理することができる。
【0021】
110は本ビデオカメラの動作モードを選択するためのモードスイッチである。スイッチの位置によって、カメラモード、再生モード等のいずれかのモードを決定し、システム制御部109へ通知する。
【0022】
操作部111は、システム制御部109に各種の動作指示を入力するための操作手段である。操作部111は、メニューボタン、キャンセルボタン、十字キー(上方向キー、下方向キー、左方向キー、右方向キー)、SETボタン、AF/MF、といった各種機切替えボタン、記録の開始と停止の指示を行うRECボタンや、メニュー設定で機能を割り当て可能なアサインボタンを含む。例えば、メニューボタンが押下されるとメニュー画面が表示部106に表示される。ユーザは表示部106に表示されたメニュー画面を見ながら、十字キーやSETボタンを用いて、メニュー画面での設定項目の選択や、選択された設定項目の設定値を変更することにより各種設定を行うことができる。
【0023】
電源スイッチ112は、電源オン、電源オフを切替えるための押しボタンである。
【0024】
113は、電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリである。例えばEEPROM等が用いられる。不揮発性メモリ113には、システム制御部109の動作用の定数、プログラム等が記録されている。ここでいう、プログラムとは、本実施形態にて後述する各種フローチャートの動作を実行するためのプログラムである。
【0025】
114は電源制御部であり、電池検出回路、DC-DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また、電源制御部114は、その検出結果及びシステム制御部109の指示に基づいてDC-DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体120を含む各部へ供給する。
【0026】
115は電源部であり、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等からなる。
【0027】
116はシステムメモリであり、RAMが用いられる。システムメモリ116には、システム制御部109の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ113から読み出したプログラム等を展開する。また、システム制御部はメモリ108、OSD描画部118、映像出力部105を制御することにより表示制御も行う。システムメモリ116はメモリ108と共通であってもよい。その場合はメモリ制御部107によってアクセスが調停されるので、高速にアクセス可能な小容量のメモリを別途システム制御部109に直結して備えることがある。
【0028】
システムタイマー117は各種制御に用いる時間や、内蔵された時計の時間を計測する計時部である。
【0029】
118はOSD描画部であり、本デジタルビデオカメラの状態や設定を表す文字列やアイコン、およびタリー枠やマーカー等の、映像データに重畳して表示するためのOSDデータを生成し、メモリ108に格納する。文字やアイコンにそれぞれ対応するデータは不揮発性メモリ113に格納されており、それをOSD描画部118が読みだして表示位置に配置したものをOSDデータとしてメモリ108に格納する。
【0030】
119はメモリカードやハードディスク等の記録媒体120とのインターフェースである。
【0031】
120はメモリ108に格納されたエンコード済み映像データを、I/F119によって記録したり、自身に記録されているエンコード済み映像データおよび付随するデータを、I/F119によって読み出したりしてメモリ108に転送するための記録媒体である。記録媒体120は本デジタルビデオカメラに装着されるメモリーカードやハードディスクドライブやディスクであってもよいし、本デジタルビデオカメラ内に組み込まれたフラッシュメモリやハードディスクドライブであってもよい。
【0032】
121は外部装置(タリー信号入力装置122)からのタリー信号を受信するタリー信号受信部である。ここで受信した信号はシステム制御部109に通知される。システム制御部109は受信したタリー信号の内容に応じて、OSD描画部118にタリー信号を受信した状態であることを示すOSDデータを生成させることにより、ライブ画像にタリー状態を示すOSDが重畳して表示される。
【0033】
表示部位置検知部123は、表示部106の位置状態が、表示部106の表示面が撮影者側を向く位置であるか、表示部106の表示面が撮影者側と反対側の被写体側(撮影方向側)を向く位置であるかを検知するためのセンサーである。表示部位置検知部123は表示部106の位置状態を検知し、表示部106の表示画面が向いている方向が撮影者側であるか被写体側であるかを判定する。表示部位置検知部123での検知結果はとシステム制御部109に通知される。なお、表示部位置検知部123の検知結果に基づいて、システム制御部109が表示部の位置状態を判定するようにしてもよい。システム制御部109は表示部の位置状態をシステムメモリ116に確保することができる。
【0034】
<デジタルビデオカメラの動作>(第1の実施形態)
以下、図2、3を参照して本実施形態のデジタルビデオカメラにおけるタリー表示の動作を説明する。
【0035】
本実施形態のデジタルビデオカメラでは、表示部106の表示画面が被写体側(撮影方向側)を向いている場合には、表示部106を全画面タリーランプ(全画面タリー表示)として使用することができる。
【0036】
図2は、デジタルビデオカメラのタリー表示の動作を示すフローチャートである。
【0037】
このフローチャートにおける各処理は、システム制御部109が、不揮発性メモリ113に格納されたプログラムを読み出してシステムメモリ116に展開し、プログラムを実行することにより実現される。
【0038】
S201では、システム制御部109は、タリー信号受信部121により、外部装置からタリー信号を受信したか否かを判定する。タリー信号を受信したと判定した場合はS203に進み、タリー信号を受信していないと判定した場合はS202に進む。
【0039】
S202では、システム制御部109は、タリー信号に基づくタリー情報(タリー枠)を表示せずに、ライブ画像を表示部106に表示するように表示制御する。図3(a)は、この場合の表示例である。ライブ画像に、撮影設定や記録媒体の残量等の情報をOSDで重畳して表示するが、タリー信号に基づくタリー情報は表示しない。
【0040】
S203では、システム制御部109は、タリー表示設定がON(有効)であるかOFF(無効)であるかを判定する。本実施形態のデジタルビデオカメラでは、メニュー画面によりタリー表示設定(ON/OFF)が可能であり、システム制御部109は、このタリー表示の設定をシステムメモリ116から読み出す。タリー表示設定がONの場合はS204に進む。タリー表示設定がOFFの場合は、S202に進む。つまり、タリー表示設定がOFFの場合は、タリー信号を受信していても、タリー情報の表示は行わない。
【0041】
S204では、システム制御部109は、表示部位置検知部123から通知されシステムメモリ116に確保されている表示部の位置状態を読み出し、表示部106が撮影者側(撮影方向側と逆側)、被写体側(撮影方向側)のどちらを向いているかを判定する。撮影者側を向いていると判定した場合はS205に移行する。被写体側を向いていると判定した場合はS206に移行する。
【0042】
S205では、システム制御部109は、ライブ画像と共に、タリー信号に基づくタリー枠を表示部106に表示するように制御する。図3(b)は、この場合の表示例である。ライブ画像に、撮影設定や記録媒体の残量等の情報をOSDで重畳して表示すると共に、ライブ画像にタリー信号に基づいて、通常のタリー表示であるタリー枠を表示する。タリー枠表示においては、図3(b)のように、ライブ画像を囲むようにタリー枠をライブ画像に重畳して表示する。表示部106の表示画面全体ではなく、一部領域に表示されている場合は、ライブ画像を囲む枠でなく表示画面に合わせた枠を表示するようにしてもよい。また、システム制御部109は、タリー信号に応じて、タリー枠の表示色を変更する。例えば、赤タリー信号を受信した場合は赤色、緑タリーを受信した場合は緑色のタリー枠を表示するようにする。
【0043】
S206では、システム制御部109は、表示部106に、ライブ画像は表示せずに全画面タリー表示を行う。図3(c)は全画面タリー表示の表示例である。ライブ画像及び撮影情報等は表示せずに、タリー情報が表示部106全面に表示する。本実施形態では、タリー信号に対応する色(赤タリー信号の場合は赤、緑タリー信号の場合は緑)を、表示部106全画面に表示する。表示部106の表示画面が被写体側を向いている場合は、撮影者はライブ画像を確認しない。そのため、表示部106の表示画面全面にタリー情報を表示して、表示部106をタリー情報表示専用として使用する。そのため、を表示部106から遠い位置にいる被写体でも、タリー情報を確認しやすくなる。また、全画面表示するため、撮影現場の輝度が高い場合などでも、タリー情報を確認しやすくなる。上記の説明では、全画面タリー表示において、撮影情報を表示しないとしたが、表示画面全面にタリー信号に応じた色の背景を表示し、その上に撮影情報を表示するようにしてもよい。
【0044】
このように、表示部106の表示画面が向いている方向(撮影者側または被写体側)に応じてタリー情報の表示方法を自動的に変更することで、撮影状況に適したタリー情報を表示を行うことができるようになる。
【0045】
なお、上記の説明では、通常のタリー情報の表示方法として、タリー枠を表示するものとしたが、タリー信号に対応するタリーアイコンをライブ画像に重畳して表示するようにしてもよい。
【0046】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、表示画面が被写体側を向いている場合は、タリー情報を全画面表示していたが、第2の実施形態では、ユーザ設定に応じて、全画面表示するか、通常のタリー枠表示にするかを変更可能とする。
【0047】
図4は、第2の実施形態におけるデジタルビデオカメラのタリー表示の動作を示すフローチャートである。第1の実施形態と同じ処理については、同じ番号を付しているため、異なる部分について説明する。なお、このフローチャートにおける各処理は、システム制御部109が、不揮発性メモリ113に格納されたプログラムをシステムメモリ116に展開して実行することにより実現される。
【0048】
S201~S202の処理は第1の実施形態と同じである。第2の実施形態では、S204で、システム制御部109が、システムメモリ116から読み出した表示部の位置状態が、表示部106の表示画面が被写体側(撮影方向側)を向いていると判定した場合、S206ではなく、S401に進む。
【0049】
S401では、システム制御部は、被写体用タリー表示設定をシステムメモリ116から読み出し、全画面タリー表示と、タリー枠表示のどちらが設定されているかを判定する。本実施形態では、図5(a)のような被写体用タリー表示設定の設定画面により、表示画面が被写体側を向いている際のタリー表示の表示方法を、操作部111を操作することでユーザが選択可能である。被写体用タリー表示設定の設定画面でユーザに選択された設定は、システムメモリ116に保持される。S401において、全画面タリー表示が設定されていると判定された場合は、S206の処理を実行し、タリー枠表示が設定されていると判定された場合は、S205の処理を実行する。
【0050】
このように、第2の実施形態では、表示画面が被写体側を向いている場合のタリー表示方法を、全画面タリー表示にするか、タリー枠表示にするかをユーザが設定可能な構成にしている。全画面タリー表示、タリー枠表示だけでなく、図5(b)のように、タリーアイコンを選択可能な構成にしてもよい。タリーアイコン表示が設定されている場合は、タリー信号の受信に応じて、ライブ画像に重畳してタリーを示すアイコンを表示する。
【0051】
また、第2の実施形態では、被写体用タリー表示設定をユーザが設定可能な構成とした。しかし、表示画面が撮影者側を向いている際のタリー表示についても、図5(c)のような撮影者用タリー表示設定で、被写体用タリー表示設定とは別に、ユーザ操作で設定可能なように構成してもよい。撮影者用タリー表示設定では、撮影者は通常はライブ画像を確認するために表示部106を使用するため、被写体用タリー表示設定と異なり、全画面タリー表示は選択できないようにする。
【0052】
また、図5のように、タリー表示の表示形態だけでなく、タリー表示(全画面、枠、アイコン等)のライブ画像に対する透過度を、ユーザが設定可能とし、ユーザ設定に応じた透過度でタリー表示を行うように構成してもよい。
【0053】
上述の実施形態では、表示画面が被写体側を向いている場合は、被写体用タリー表示として。全画面表示するか、通常のタリー枠表示にするかを変更可能としたが、タリー枠を通常の表示よりも太い枠で表示するように設定可能としてもよい。タリー枠を太く表示することで、タリー情報を確認しやするすることができる。
【0054】
<その他の実施形態>
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。上述の実施形態の一部を適宜組み合わせてもよい。
【0055】
また、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータに供給、インストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も本発明に含まれる。
図1
図2
図3
図4
図5