(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179203
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】ピッキングロボットシステムおよびピッキングロボット制御方法
(51)【国際特許分類】
B65G 57/03 20060101AFI20241219BHJP
B25J 13/08 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
B65G57/03 G
B25J13/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097863
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000925
【氏名又は名称】弁理士法人信友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 有真
(72)【発明者】
【氏名】山内 雄太
(72)【発明者】
【氏名】吉村 健太郎
【テーマコード(参考)】
3C707
3F029
【Fターム(参考)】
3C707AS02
3C707BS10
3C707KS08
3C707KS09
3C707KT03
3C707KT06
3C707LT06
3C707NS06
3C707NS19
3F029AA01
3F029BA01
3F029CA21
3F029CA51
3F029CA64
3F029DA21
3F029EA00
(57)【要約】
【課題】ピッキングロボットシステムにおいて、ワークの姿勢が計画した段階から変わる場合においても制約を満たした積み付けを可能にする。
【解決手段】出荷容器にどのワークをいくつ積み付けるかの出荷容器別オーダーと、ワークのサイズ情報と、出荷容器のサイズ情報とから、それぞれのワークをプレースする位置姿勢を事前に計画する事前積み付け計画部21と、ワークの認識を行う認識部22と、積み付けの再計画が必要かを判定する再計画判定部23と、再計画が必要な場合に、出荷容器別オーダーの残りのワークまで含めてプレースする位置姿勢を計画する積み付け再計画部24と、積み付け再計画の結果が制約を満たしているかを判定する制約判定部25と、前積み付け計画結果もしくは積み付け再計画結果に従ってワークを積み付ける積み付け部36と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークをピック元容器からピックし、出荷容器にプレースするピッキングロボットシステムにおいて、
出荷容器にどのワークをいくつ積み付けるかの出荷容器別オーダーと、ワークのサイズ情報と、出荷容器のサイズ情報とから、それぞれのワークをプレースする位置姿勢を事前に計画する事前積み付け計画部と、
ワークの認識を行う認識部と、
ワークの積み付けの再計画が必要かを判定する再計画判定部と、
再計画が必要と判定された場合に、前記出荷容器別オーダーの残りのワークまで含めてプレースする位置姿勢を計画する積み付け再計画部と、
前記積み付け再計画部による積み付け再計画の結果が制約を満たしているかを判定する制約判定部と、
事前積み付け計画結果もしくは積み付け再計画結果に従ってワークを積み付ける積み付け部と、を備える
ピッキングロボットシステム。
【請求項2】
前記再計画判定部は、
ピック姿勢と事前に計画したプレース姿勢が同じかどうかから判定すること、
認識したワークのサイズと計画した際のワークのサイズが同じかどうかから判定すること、
ワークの重量を初めて計測した、もしくは計画した際のワークの重量と同じかどうかから判定すること、
プレース先の積み付け状況が計画した積み付けと同じかどうかから判定すること、
の少なくとも1つ以上から判定される
請求項1に記載のピッキングロボットシステム。
【請求項3】
前記制約は、
ワークが決められた領域内に収まるかの寸法制約、
目標の位置姿勢に積み付けるまでの軌道を含めて計画することで、ロボットや把持するワークがすでに積み付けたワークや容器の壁と衝突しないようにするロボット制約、
各ワークに重ねて積み付けるワークの総重量を制限する許容重量制約、
強度の高いワークを下段に積み付ける強度制約、
オーダーの中で重いワークを下段に積み付ける重量制約、
後段で積み付ける領域を確保する積み付け禁止領域制約、
同じワークを隣接して積み付ける品出し制約、
物品ごとに積み付ける姿勢を制限する姿勢制約、
出荷容器の移動に対して倒れにくい姿勢で積み付ける移動方向に対する姿勢制約、
の少なくとも1つ以上から判定される
請求項1に記載のピッキングロボットシステム。
【請求項4】
前記認識部は、ピック元容器の把持可能なすべてのワークの姿勢を認識し、
前記再計画判定部は、期待する姿勢でピックできるワークが必要な個数あるかによって判定する
請求項1に記載のピッキングロボットシステム。
【請求項5】
前記積み付け再計画部は、期待する姿勢でピックできるワークと期待する姿勢でピック出来ないワークとを、持ち替えが最小となるように個数と順序を含めて再計画する
請求項4に記載のピッキングロボットシステム。
【請求項6】
出荷容器の搬送を行う倉庫制御システムの出荷容器別オーダーが実行可能かを当該ピッキングロボットシステムへの問い合わせを受信したとき、出荷容器別オーダーと、ワークのサイズ情報と、出荷容器のサイズ情報から、それぞれのワークをプレースする位置姿勢を事前に計画する事前積み付け計画部と、
積み付け再計画の結果が制約を満たしているかを判定する制約判定部と、
出荷容器別オーダーが積み付け可能かを前記倉庫制御システムに回答する
請求項1に記載のピッキングロボットシステム。
【請求項7】
前記倉庫制御システムは、積み付け可能と回答された場合は、出荷容器別オーダーに従って、計画した通りにピック元容器を搬出し、積み付け不可能と回答された場合は、出荷別オーダーを更新する
請求項6に記載のピッキングロボットシステム。
【請求項8】
前記倉庫制御システムは、積み付け不可能と回答された場合に、出荷容器別オーダーを別のピッキングロボットシステムもしくは作業員に積み付けるように指示する
請求項6に記載のピッキングロボットシステム。
【請求項9】
ワークをピック元容器からピックし、出荷容器にプレースするピッキングロボットを制御するピッキングロボット制御方法であり、
出荷容器にどのワークをいくつ積み付けるかの出荷容器別オーダーと、ワークのサイズ情報と、出荷容器のサイズ情報とから、それぞれのワークをプレースする位置姿勢を事前に計画する事前積み付け計画処理と、
ワークの認識を行う認識処理と、
ワークの積み付けの再計画が必要かを判定する再計画判定処理と、
再計画が必要と判定された場合に、前記出荷容器別オーダーの残りのワークまで含めてプレースする位置姿勢を計画する積み付け再計画処理と、
前記積み付け再計画処理による積み付け再計画の結果が制約を満たしているかを判定する制約判定処理と、
事前積み付け計画結果もしくは積み付け再計画結果に従ってワークを積み付ける積み付け処理と、を含む
ピッキングロボット制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピッキングロボットシステムおよびピッキングロボット制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、物流倉庫での出荷時の搬送作業をロボットで自動化することが行われている。
例えば、出荷対象物であるワーク(物品)を物流倉庫の在庫からピッキングして、出荷用の収納容器に入れるピッキング作業を、ピッキングロボットにより自動化することが進められている。このように、出荷用の収納容器に入れるピッキング作業時には、ワークの積み付け位置姿勢を計画する必要がある。
【0003】
特許文献1には、積み付けるワークの位置姿勢を計画する技術が記載されている。すなわち、特許文献1には、ワークのサイズの情報から、積み付けるワークの位置姿勢を事前に計画し、計画と異なる姿勢でしかピックできない場合には、動的に積み付ける位置姿勢を計画する技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術によれば、事前の計画と異なる位置姿勢のワークを把持する場合にも動的に計画を行うことで積み付けを継続できる。しかしながら、事前の計画の段階では、例えば収納容器内に多数のワークを積み付けるといった制約を満たした積み付けが可能であったが、異なる姿勢で積み付ける場合、その制約を満たした積み付けが可能であるとは言えない。したがって、ワークの姿勢が計画した段階から変わる場合に、正しく所望の数のワークを収納容器に入れるなどの制約を満たさなくなり、適正な出荷ができなくなるという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、かかる点に鑑み、計画した段階からワークの姿勢が変わる場合においても、制約を満たした積み付けが可能なピッキングロボットシステムおよびピッキングロボット制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、例えば請求の範囲に記載の構成を採用する。
本願は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、ピッキングロボットシステムとして、ワークをピック元容器からピックし、出荷容器にプレースするものであり、
出荷容器にどのワークをいくつ積み付けるかの出荷容器別オーダーと、ワークのサイズ情報と、出荷容器のサイズ情報とから、それぞれのワークをプレースする位置姿勢を事前に計画する事前積み付け計画部と、
ワークの認識を行う認識部と、
ワークの積み付けの再計画が必要かを判定する再計画判定部と、
再計画が必要と判定された場合に、出荷容器別オーダーの残りのワークまで含めてプレースする位置姿勢を計画する積み付け再計画部と、
積み付け再計画部による積み付け再計画の結果が制約を満たしているかを判定する制約判定部と、
事前積み付け計画結果もしくは積み付け再計画結果に従ってワークを積み付ける積み付け部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ワークの姿勢が計画した段階から変わる場合においても制約を満たした積み付けが可能であることを保証することができる。
上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1の実施の形態例に係るピッキングロボットシステムの例を示す構成図である。
【
図2】本発明の第1の実施の形態例に係るピッキングロボットシステムの機能構成例を示すブロック図である。
【
図3】本発明の第1の実施の形態例に係るピッキングロボットシステムの事前積み付け計画部の処理例を示すフローチャートである。
【
図4】本発明の第1の実施の形態例に係るピッキングロボットシステムの再計画判定部の処理例を示すフローチャートである。
【
図5】本発明の第1の実施の形態例に係るピッキングロボットシステムの積み付け再計画部の処理例を示すフローチャートである。
【
図6】本発明の第1の実施の形態例に係るピッキングロボットシステムの制約判定部の処理例を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の第1の実施の形態例に係るピッキングロボットシステムの積み付け部の処理例を示すフローチャートである。
【
図8】本発明の第1の実施の形態例に係るピッキングロボットシステムにおいて、再計画した結果が制約を満たさない場合の積み付けの具体例(例1)を示す図である。
【
図9】本発明の第1の実施の形態例に係るピッキングロボットシステムにおいて、再計画した結果が制約を満たさない場合の積み付けの具体例(例2)を示す図である。
【
図10】本発明の第1の実施の形態例に係るピッキングロボットシステムにおいて、再計画した結果が制約を満たさない場合の積み付けの具体例(例3)を示す図である。
【
図11】本発明の第1の実施の形態例に係るピッキングロボットシステム再計画した結果が制約を満たす場合の積み付けの具体例(例1)を示す図である。
【
図12】本発明の第1の実施の形態例に係るピッキングロボットシステムにおいて、再計画した結果が制約を満たす場合の積み付けの具体例(例2)を示す図である。
【
図13】本発明の第1の実施の形態例に係るピッキングロボットシステムにおいて、再計画した結果が制約を満たす場合の積み付けの具体例(例3)を示す図である。
【
図14】本発明の第1の実施の形態例に係るピッキングロボットシステムにおいて、積み付け再計画の前倒しによる持ち替え最小となる積み付けの具体例を示した図である。
【
図15】本発明の第2の実施の形態例に係るピッキングロボットシステムの例を示す構成図である。
【
図16】本発明の第2の実施の形態例に係るピッキングロボットシステムの機能構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<第1の実施の形態例>
以下、本発明の第1の実施の形態例のピッキングロボットシステムおよびピッキングロボット制御方法を、
図1~
図14を参照して説明する。
【0011】
[ピッキングシステムの構成]
図1は、第1の実施の形態例のピッキングシステムの全体構成例を示す図である。
ピッキングロボットシステム1は、ロボット11、カメラ12、ピック元容器13、出荷容器14、コンベア15および持ち替え台16を備える。
ロボット11は、カメラ12の認識結果を踏まえ、ピック元容器13からワーク(物品)をピックし、出荷容器14にプレースして積み付ける。
カメラ12は、ピック元容器13内のワーク、出荷容器14内の積み付け状況、持ち替え台16に仮置きしたワークを撮影し、認識処理を行うことで、ワークの位置や姿勢やサイズを判定する。ピックできる姿勢とプレースしたい姿勢が異なる場合、ロボット11は、ワークを持ち替え台16に仮置きし、プレースしたい姿勢となるようにワークの異なる面を把持する。
【0012】
図1に示すロボット11とコンベア15は、制御装置200により制御される。すなわち、制御装置200は、ロボット11によるワークのピックおよびプレース、コンベア15による出荷容器14の搬送を制御する。ピックやプレースを制御する際には、制御装置200は、カメラ12における認識結果に基づいて、ワークの姿勢を制御する。
【0013】
制御装置200は、例えばコンピュータにより構成される。すなわち、
図1に示すように、制御装置200は、CPU(Central Processing Unit)200a、メモリ200b、入力部200c、およびインターフェース200dで構成される。
CPU200aは、メモリ200bが記憶したプログラムを実行する。
【0014】
メモリ200bは、例えば、RAM(Random Access Memory)として構成され、コンピュータプログラムおよび計算結果データを記憶すると共に、各処理に必要なワークエリアをCPU200aに提供する。
本実施の形態例では、CPU200aがプログラムを実行することにより、メモリ200b内のワークエリアに、次の
図2で説明する各機能処理部が構成される。
【0015】
入力部200cは、カメラ12が撮影した画像(動画像または静止画)の入力処理を行う。
インターフェース200dは、ロボット11やコンベア15とデータのやり取りを行う。また、インターフェース200dは、ワークの出荷を管理する倉庫制御システム(WCS:Warehouse Control System)とデータのやり取りを行う。
【0016】
なお、
図1に示す各機器の配置は一例であり、
図1の例に限定されない。例えば、持ち替え台16をピック元容器13と出荷容器14の間の空間に設置してもよい。あるいは、ピック元容器13と出荷容器14が平行に移動する配置としてもよい。また、各容器を無人搬送車(AGV:Automated Guided Vehicle)等で搬送してもよい。
また、制御装置200の構成についても一例を示したものであり、例えば処理の一部または全部を、FPGA(Field-Programmable Gate Array)またはASIC(Application Specific Integrated Circuit)などのハードウェアで構成してもよい。
また、制御装置200におけるデータの記憶や一部の処理は、ネットワークを経由して制御装置200と接続された別の装置(サーバなど)で行うようにしてもよい。
【0017】
[制御装置の構成]
図2は、ピッキングロボットシステム1の制御装置200の機能と構成を示すブロック図である。
図1で説明したように、制御装置200のCPU200aがプログラムを実行することで、メモリ200b内のワークエリアに、以下の機能処理部が構成される。
すなわち、制御装置200は、事前積み付け計画部21、認識部22、再計画判定部23、積み付け再計画部24、制約判定部25、および積み付け部26を有する。
【0018】
事前積み付け計画部21は、出荷容器別オーダー201とワークサイズ202と出荷容器サイズ203を基に、それぞれのワークの積み付ける位置姿勢を計画し、事前積み付け計画結果204を出力する。出荷容器別オーダー201とワークサイズ202と出荷容器サイズ203は、例えば、不図示の倉庫制御システムから取得する。
認識部22は、カメラ12で撮影した結果を基に、認識結果205を出力する。
再計画判定部23は、事前積み付け計画204と認識結果205を基に、再度積み付け計画が必要かを判定し、再計画要否206を出力する。
【0019】
積み付け再計画部24は、再計画要否206を基に、再計画が必要と判定されている場合は、出荷容器別オーダー201の残りのワークも含めて積み付ける位置姿勢を再度計画し、積み付け再計画結果207を出力する。
制約判定部25は、積み付け再計画結果207を基に、積み付け再計画結果207が制約を満たしているかを判定し、積み付け指示情報208を出力する。
積み付け部26は、事前積み付け計画結果204と再計画要否206と積み付け指示情報208を基に、再計画されていない場合は事前積み付け計画結果に従い、再計画されている場合は積み付け指示情報に従ってワークの積み付けを行う。
【0020】
[出荷容器別オーダー]
事前積み付け計画部21が取得する出荷容器別オーダー201には、積み付ける出荷容器と出荷容器14に積み付けるワークと個数の情報が含まれる。
例えば、一例として、ある一つの出荷容器(出荷容器I)に、
ワークA:5個
ワークB:1個
ワークD:4個
を積み付ける情報が出荷容器別オーダー201で示される。
【0021】
[ワークサイズ情報]
事前積み付け計画部21が取得するワークサイズ202には、各ワークのサイズ情報が含まれる。直方体以外の形状のワークの場合は、直方体に近似して管理してもよいし、その形状もデータとして保有してよい。
例えば、一例として、ワークである箱(ここでは3種類)の横幅・奥行き・高さとして、
ワークA:10cm・15cm・10cm
ワークB:5cm・5cm・5cm
ワークC:10cm・20cm・20cm
ワークD:30cm・15cm・20cm
がワークサイズ202の情報として示される。
【0022】
[出荷容器サイズ情報]
事前積み付け計画部21が取得する出荷容器サイズ203の情報には、出荷容器14のサイズ情報が含まれる。
例えば、一例として、出荷容器である箱(ここでは3種類)の横幅・奥行き・高さとして、
出荷容器I・60cm・40cm・20cm
出荷容器II・60cm・40cm・30cm
出荷容器III・60cm・40cm・45cm
が出荷容器サイズ203の情報として示される。
【0023】
[事前積み付け計画部が行う処理]
図3は、事前積み付け計画部21が行う処理例を示すフローチャートである。
まず、事前積み付け計画部21は、出荷容器別オーダー201を取得し(ステップS11)、ワークサイズ202を取得し(ステップS12)、出荷容器サイズ203を取得する(ステップS13)。
そして、事前積み付け計画部21は、取得した出荷容器別オーダー201とワークサイズ202と出荷容器サイズ203から、各ワークの積み付ける位置姿勢を計画する(ステップS14)。
ステップS14で位置姿勢を計画すると、事前積み付け計画部21は、計画した各ワークの積み付ける位置姿勢を事前積み付け計画結果として出力する(ステップS15)。
このようなステップS11~S15の手順で、事前積み付け計画部21は、出荷容器別オーダーに必要なワークの積み付ける位置姿勢を計画する事前積み付け計画処理を実行する。
【0024】
[事前積み付け計画結果の例]
事前積み付け計画結果204には、下記に示すように、1つの出荷容器に積み付ける全てのワークの位置姿勢の情報が含まれる。位置姿勢は、例えば、上面の情報とZ軸周りの回転(下記に示すθ1などの数値)で表現することができる。ここで、WDHは、W(Width:横幅)、D(Depth:奥行き)、H(Height:高さ)である。WD面はWとDで構成される面、WH面はWとHで構成される面、DH面はDとHで構成される面をそれぞれ意味する。
ワークA:位置(x1,y1,z1) 姿勢WD面,θ1
ワークB:位置(x2,y2,z2) 姿勢WD面,θ2
ワークB:位置(x3,y3,z3) 姿勢WH面,θ3
ワークD:位置(x4,y4,z4) 姿勢DH面,θ4
【0025】
[再計画判定部が行う処理]
図4は、再計画判定部23が行う処理を示すフローチャートである。
まず、再計画判定部23は、事前積み付け計画部21から事前積み付け計画結果204を取得し(ステップS21)、認識部22から認識結果205を取得する(ステップS22)。ここでの認識結果205は、ピック元容器の把持可能なすべてのワークの姿勢を認識した結果である。
【0026】
そして、再計画判定部23は、期待する姿勢でピックできるワークが必要な個数あるかによって、再計画判定を行う(ステップS23)。具体的には、以下に示す判定1~判定4の1つまたはこれらの組合せから、必要な個数のワークが積み付け可能か否かの再計画判定が行われる。
判定1:ピック姿勢と事前に計画したプレース姿勢が同じかどうかを判定する処理
判定2:認識したワークのサイズと計画した際のワークのサイズが同じかどうかを判定する処理
判定3:ワークの重量を初めて計測した、もしくは計画した際のワークの重量と同じかどうかを判定する処理
判定4:プレース先の積み付け状況が計画した積み付けと同じかどうかを判定する処理
【0027】
ここで、ピック姿勢と事前に計画したプレース姿勢が同じかどうかを判定する処理を行う判定1の場合、例えば、同じ面を把持していればZ軸周りの回転で対応することができる。しかし、ロボット11が異なる面を把持した場合、ロボット11の構成によってはプレースしたい姿勢で積み付けることができない。
【0028】
また、認識したワークのサイズと計画した際のワークのサイズが同じかどうかを判定する処理を行う判定2の場合、例えば、認識したワークのサイズが計画した際のサイズよりも大きい場合、もとの計画通りに積み付けようとすると、実際には十分な領域がないため、すでに積み付けたワークや、壁に衝突するリスクが生じる。
また、認識したワークのサイズが計画した際のワークよりも小さい場合、そのワークの上に積み付けるワークの安定性が下がり、荷崩れのリスクが生じる。
【0029】
また、ワークの重量を初めて計測した、もしくは計画した際のワークの重量と同じかどうかを判定する処理を行う判定3の場合、例えば、重いワークを別のワークの上に積み付ける場合、下段にあたるワークがつぶれるといった破損のリスクが生じる。
また、プレース先の積み付け状況が計画した積み付けと同じかどうかを判定する処理を行う判定4の場合、例えば、プレース先で荷崩れが発生し、計画した際と異なる積み付け状況となっている場合が考えられる。つまり、もとの計画した積み付け位置に、すでに積み付けたワークが存在し、計画通りに積み付けようとすると衝突し破損するリスクが生じる。
【0030】
そして、ステップS23の再計画判定が終了すると、再計画判定部23は、再計画要否を出力する(ステップS24)。
このようなステップS21~S24の手順で、再計画判定部23は、持ち替えなしで事前積み付け計画に従った積み付けができるため再計画が不要なのか、もしくは持ち替えなしで事前積み付け計画に従った積み付けができないため再計画が必要なのかを判定する、再計画判定処理を実行する。
【0031】
[積み付け再計画部が行う処理]
図5は積み付け再計画部24が行う処理例を示すフローチャートである。
まず、積み付け再計画部24は、再計画判定部23の出力である再計画要否206を取得する(ステップS31)。そして、積み付け再計画部24は、再計画が必要か否かを判定する(ステップS32)。
ステップS32で再計画が必要ない場合(ステップS32のNo)、積み付け再計画部24は処理を終了する。
そして、ステップS32で再計画が必要な場合(ステップS32のYes)、積み付け再計画部24は、出荷容器別オーダー201を取得し(ステップS33)、ワークサイズ情報202を取得し(ステップS34)、出荷容器サイズ203を取得する(ステップS35)。
【0032】
そして、積み付け再計画部24は、ロボット11が現在ピックできる姿勢で、オーダーの残りのワークまで含めて出荷容器に積み付ける位置姿勢を計画し、積み付け再計画結果207を得る(ステップS36)。
ステップS36で積み付け再計画結果207を得ると、積み付け再計画部24は、積み付け再計画結果207を出力する(ステップS37)。
このように、ステップS31~S37の手順で、積み付け再計画部24は、ロボット11が現在ピックできる姿勢で、オーダーの残りのワークまで含めて積み付ける位置姿勢を計画する積み付け再計画処理を実行する。
【0033】
[制約判定部が行う処理]
図6は、制約判定部25が行う処理例を示すフローチャートである。
まず、制約判定部25は、積み付け再計画部24から積み付け再計画結果207を取得する(ステップS41)。
そして、制約判定部25は、積み付け再計画結果207が制約を満たしているかを判定する(ステップS42)。ここでの制約は、具体的には、寸法制約、ロボット制約、許容重量制約、強度制約、重量制約、積み付け禁止領域制約、品出し制約、姿勢制約、移動方向に対する姿勢制約である。
【0034】
寸法制約は、ワークが決められた領域内に収まるかの制約であり、収まらない場合、例えば出荷容器14の上に出荷容器14を重ねることができないため、出荷容器14の配送効率が悪化する。ただし、出荷容器14を重ねるにあたり、最上段は出荷容器14の内寸に収まっていなくても問題ない場合が考えられる。このため、制約判定部25は、内寸を参考にしつつも、領域は出荷容器別オーダー個別に設定することができる。
ロボット制約は目標の位置姿勢に積み付けるまでの軌道を含めて計画することで、ロボット11や把持するワークがすでに積み付けたワークや容器の壁と衝突しないようにする制約である。このロボット制約により、制約判定部25は、ワークやロボット11が破損するリスクを低減することができる。
許容重量制約は、各ワークに対して上に置くワークの総重量の上限を設定することで、ワークが破損するリスクを低減するための制約である。
強度制約は、強度が高いワークを下段に積み付けることで、ワークが破損するリスクを低減するための制約である。
【0035】
重量制約は、オーダーの中で重いワークを下段に積み付けることで、ワークの破損するリスクを低減することや、重心を低くすることによる出荷容器14の移動中の荷崩れの発生リスクを低減するための制約である。
積み付け禁止領域制約は、後段で積み付ける領域を確保することで、後段の積み付け作業を効率化するための制約である。
【0036】
品出し制約は、品出し作業は例えば同じワークは同じ場所に陳列させるため、同じワークを隣接して積み付けることで、品出し作業を効率化するための制約である。
姿勢制約は、ワーク毎に積み付ける姿勢を設定することで、例えば出荷容器14を開けた際にワークのロゴを見せるための制約である。例えば、移動方向に対する姿勢制約により、出荷容器14の移動に対して倒れにくい姿勢で積み付けることにより、出荷容器14の移動によるワークの荷崩れの発生リスクを低減することができる。
【0037】
そして、ステップS42で再計画した結果が制約を満たしているかの判定結果から、制約判定部25は、積み付け再計画結果207が制約を満たしているか否かを判断する(ステップS43)。ステップS43で積み付け再計画結果が制約を満たしている場合(ステップS43のYes)、制約判定部25は、積み付け再計画した通りに積み付けを指示するために、積み付け再計画結果207を積み付け指示情報208として出力する(ステップS44)。
【0038】
また、ステップS43で積み付け再計画結果が制約を満たしていない場合(ステップS43のNo)、事前積み付け計画結果207の位置姿勢となるような積み付けが必要になる。そして、そのためにはロボット11によるワークを持ち替える必要があるため、制約判定部25は、持ち替え指示を積み付け指示情報208として出力する(ステップS45)。
このように、制約判定部25は、ステップS41~S45の手順で積み付け再計画の結果が制約を満たしているかを判定し、満たしている場合は積み付け再計画に従い、満たしていない場合は、ロボット11によるワークの持ち替えにより事前積み付け計画結果204に従って積み付けるための積み付け指示情報208を決定する制約判定処理を行う。
【0039】
[積み付け部が行う処理]
図7は、積み付け部26が行う処理例を示すフローチャートである。
まず、積み付け部26は、事前重み付け計画部21から事前積み付け計画結果204を取得する(ステップS51)。また、積み付け部26は、再計画判定部23から再計画要否を取得する(ステップS52)。
そして、積み付け部26は、再計画を実施したか否かを判定する(ステップS53)。
ステップS53で再計画を実施している場合(ステップS53のYes)、積み付け部26は、積み付け指示情報208を取得する(ステップS54)。
【0040】
積み付け指示情報208を取得した後、積み付け部26は、積み付け指示情報208に従ってワークの積み付けを行う(ステップS55)。
また、ステップS53で再計画を実施していない場合(ステップS53のNo)、積み付け部26は、事前積み付け計画204に従い、ワークの積み付けを行う(ステップS55)。
このように、積み付け部26は、ステップS51~S55の手順で事前積み付け計画結果204に従って積み付けることが可能な場合は、事前積み付け計画結果206に従って積み付けし、不可能な場合は積み付け指示情報208に従って積み付ける積み付け処理を実行する。
【0041】
[再計画した結果が制約を満たさない場合の積み付けの具体例]
図8、
図9、および
図10は、本実施の形態例における再計画した結果が制約を満たさない場合の積み付けの具体例を示した図である。
まず、
図8に示すように、事前積み付け計画部21は、出荷容器別オーダー91を基に、コンテナタイプIの出荷容器14に、ワークAを4個、ワークBを4個積み付けるための事前積み付け計画を行う。
図8の例は、出荷容器14xに、ワーク151a(ワークA)を4個並べた上に、3個のワーク151b(ワークB)を配置し、さらに1個のワーク151bをワーク151aの横に配置した例を示す。
【0042】
図9及び
図10は、この事前積み付け計画に従ってロボット11が出荷容器にプレースして行く状況を示す。
すなわち、
図9に示すように、認識部22は、搬入されたワークAが入ったピック元容器13aの認識を行う。この
図9の例は、ロボット11が期待する姿勢でワークAをピックできる例である。ピック元容器13b,13c,13d,13eに順に示すように、ロボット11は、ワークAを1個ずつ順にピックして、出荷容器14b,14c,14d,14eに、ピックした順にワークAを積み付ける。
【0043】
その後、
図10に示すように、ワークBが入ったピック元容器13fが搬入されると、認識部22は、ピック元容器13fの認識を行う。この
図10の例においても、期待する姿勢でロボット11がピックできるワークが存在するため、ピック元容器13g,13h,13iと順に示すように、ロボット11は、ワークBを1個ずつ順にピックして、出荷容器14f,14g,14hに順に積み付ける。
図10の例では、ワークAが既に積み付けられた出荷容器14eにワークBが積み付けられる。
【0044】
しかしながら、ピック元容器13iには、期待する姿勢でロボット11がピックできるワークBが存在しない。このような場合、積み付け再計画部24では、ピック元容器13iにあるワークBをその姿勢のまま出荷容器に積み付けた場合の積み付け位置姿勢を再計画し(出荷容器14iにおける151cや151d)、制約を満たしているかを判定する。出荷容器14iの例では、積み付け再計画結果207が制約(容器内に収まるという寸法制約)を満たさないと判定したため、ピック元容器13kおよび出荷容器14jに示すように、ロボット11はワークBの持ち替えを行うことで、
図8下部に示した事前積み付け計画結果204となるような位置姿勢で積み付けを行う。
【0045】
[再計画した結果が制約を満たす場合の積み付けの具体例]
図11、
図12、および
図13は、本実施の形態例で再計画した結果が制約を満たす場合の積み付けの具体例を示した図である。
まず、
図11に示した出荷容器別オーダー92を基に、コンテナタイプIIの出荷容器14yに、ワークBを6個、ワークCを4個積み付けるための事前積み付け計画を行う。
この事前積み付け計画に基づいて、
図12に示すように、ピック元容器131a,131b,131c,131d,131e,131fとして順に示すように、ロボット11はワークBを1個ずつ順にピックして、出荷容器141a,141b,141c,141d,141e,141fに順に5個積み付ける。
【0046】
ピック元容器131fには、期待する姿勢でロボット11がピックできるワークBが存在しないため、積み付け再計画部24は、出荷容器141gに示すように、積み付け再計画を行い、制約を満たしているかを判定する。この出荷容器141gの例では、積み付け再計画結果で示される積み付け位置151e、151fが制約を満たすため、ロボット11は、ピック元容器131gからワークBをピックして、出荷容器141hに示すように積み付ける。
さらに、
図13に示すように、ワークCが入ったピック元容器131hが搬入されると、認識部22は、ワークCの認識を行う。
図12の出荷容器141gに示すように、積み付け再計画は制約を満たしているため、ピック元容器131i,131j,131k,131mとして順に示すように、ロボット11は、ワークCを1個ずつ順にピックして、出荷容器141i,141j,141k,141mに、積み付け再計画結果に従ってワークCを順に4個積み付ける。
【0047】
[積み付け再計画の前倒しによる持ち替え最小となる積み付けの具体例]
ここでは、
図8に示した出荷容器別オーダー91と事前積み付け計画結果204により、
図9に示すように、4個のワークAの積み付けが完了している場合を想定する。
このとき、
図14に示すように、ワークBが入ったピック元容器132aが搬入され、認識部22は、ピック元容器132a内のワークBの認識を行う。
【0048】
この例では、さらにワークBを4個積み付ける必要があるが、期待する姿勢でロボット11がピックできるワークBは3つしかないため、積み付け再計画部24が積み付け再計画を行い、積み付け再計画された出荷容器142bを得る。このとき、ロボット11による持ち替えの回数を最小化するように、積み付け再計画部24は、ロボット11が期待する姿勢でピックできるワークと期待する姿勢でピックできないワークのそれぞれの個数と順序を含めて再計画する。
【0049】
すなわち、
図9の例の処理を実行した場合、
図10で説明したように、ロボット11が期待する姿勢でピックできるワークBは3個存在するが、ロボット11がこの3個をピックした場合、
図10に示すように持ち替えが1回発生する。
一方、ロボット11が期待する姿勢でピックできるワークBを2個とした場合について検討すると、
図14に示す積み付け再計画された出荷容器142bでは、制約を満たした積み付けが可能になる。
したがって、ピック元容器132c,132d,132e,132fとして順に示すように、ロボット11は、ワークBを1個ずつ順にピックして、出荷容器142c,142d,142e,142fに、4個のワークBを順に積み付ける。
【0050】
ここでロボット11が持ち替えを行うには、通常のピッキング動作に必要な時間に加えて、持ち替え台16へのプレースに要する時間と、持ち替え台16に仮置きしたワークの認識に要する時間と、持ち替え台16からのピックに要する時間がかかる。そのため、制約を満たした上で、ロボット11は、持ち替えが最小となる積み付けを行うことで、効率化を図ることが可能となる。
このようにして、積み付け再計画部24は、ロボット11が期待する姿勢でピックできるワークと期待する姿勢でピックできないワークのそれぞれの個数と順序を含めて再計画することで、持ち替えが最小となる積み付けを実現することができる。
【0051】
以上説明した第1の実施の形態例によると、事前に計画した位置姿勢に積み付けることができない場合において、積み付けの再計画を行い、再計画した結果が制約を満たさない場合は持ち替えて事前の積み付け計画となるように積み付けることで、制約を満たした積み付けが可能となる。
また、再計画した結果が制約を満たす場合は再計画した結果に従って積み付けることで、制約を満たしつつ、持ち替えの回数を最小とする積み付けが可能になる。
【0052】
<第2の実施の形態例>
次に、本発明の第2の実施の形態例のピッキングロボットシステムおよびピッキングロボット制御方法を、
図15~
図16を参照して説明する。第2の実施の形態例を説明する
図15~
図16において、第1の実施の形態例で説明した
図1~
図14に対応する箇所には同一符号を付し、重複説明を省略する。
【0053】
[ピッキングロボットシステムの構成]
図15は、第2の実施の形態例によるピッキングロボットシステムの構成例を示す図である。
図15の例では、
図1に示す構成に加えて、倉庫制御システム(WCS:Warehouse Control System)17を追加したものである。
そして、倉庫制御システム17では、事前に出荷容器別オーダーに従った積み付けをピッキングロボットシステム1が実施できるかを判断することにより、ピッキングロボットシステム1における制約を満たした積み付けができないことで、ピッキングロボットシステム1の停止を防ぐことようにした。
【0054】
図15に示す構成について説明すると、倉庫制御システム17は、ピッキングロボットシステム1の制御装置200とデータのやり取りを行う。そして、倉庫制御システム17は、コンベア15の制御を行うことで、例えばピック元容器13をピッキングロボットシステム1側のコンベア15に搬送するか、作業者のコンベア15に搬送するかを切り替えることができる。
また、
図15の例では、倉庫制御システム17の制御で作業員に通知を行う表示装置18を備える。
【0055】
[ピッキングロボットシステムの機能ブロック構成]
図16は、本実施の形態例のピッキングロボットシステム1の制御装置200の機能ブロック構成を示す図である。制御装置200は、
図2に示す構成に加えて、さらに
図16に示す構成を持つ。
ピッキングロボットシステム1は、事前に出荷容器別オーダーに従った積み付けの可否を判定するために、事前積み付け計画部21に加えて、積み付け可否問合せ部27と積み付け可否回答部28を持つ。
【0056】
積み付け可否問合せ部27は、出荷容器別オーダー201とワークサイズ202と出荷容器サイズ203を送り、その出荷容器別オーダーに従った積み付けが可能かを問い合わせる。
積み付け可否回答部28は、事前積み付け計画が可能であったか否かを判定し、その可否を示す積み付け可否209を積み付け可否問合せ部27に回答する。
【0057】
そして、倉庫制御システム17は、出荷容器別オーダーに従った積み付けができると判定された場合は、その出荷容器別オーダーに従って、ピック元容器13と出荷容器14を搬送し、ピッキングロボットシステム1が出荷容器別オーダーに従って積み付けを行う。
また、出荷容器別オーダーに従った積み付けができないと判定された場合は、倉庫制御システム17は、出荷容器別オーダー201を更新し、再度ピッキングロボットシステム1に対して積み付け可否を問い合わせる。
【0058】
また、例えば
図15に示すように、倉庫制御システム17は、作業員に対して、表示装置18で出荷容器別オーダーに従った積み付けを手作業で行うように指示する。あるいは、別のロボットシステムがある場合には、倉庫制御システム17は、そのロボットシステムに対して出荷容器別オーダーに従った積み付けを行うように指示する。
このように構成したことで、制約を満たした積み付け計画ができなかった場合においても、ピッキングロボットシステム1が停止することを防ぐことが可能となる。
【0059】
<変形例>
なお、ここまで説明した実施の形態例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
【0060】
例えば、
図2や
図16に示す制御装置の構成図では、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものだけを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
また、制御装置200は、プログラムの実行でコンピュータ上に各処理部が構成される例としたが、この場合のプログラムは、外部のメモリ、ICカード、SDカード、光ディスク等の記録媒体に置いて、コンピュータに転送してもよい。
【符号の説明】
【0061】
1…ピッキングロボットシステム、11…ロボット、12…カメラ、13…ピック元容器、14…出荷容器、15…コンベア、16…台、17…倉庫制御システム、18…表示装置、21…事前積み付け計画部、22…認識部、23…再計画判定部、24…積み付け再計画部、25…制約判定部、26…積み付け部、27…積み付け可否問合せ部、28…可否回答部、200…制御装置、200a…CPU、200b…メモリ、200c…入力部、200d…インターフェース