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特開2024-179214外縁部被覆装置および外縁部被覆方法
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  • 特開-外縁部被覆装置および外縁部被覆方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179214
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】外縁部被覆装置および外縁部被覆方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 48/15 20190101AFI20241219BHJP
   B29C 63/00 20060101ALI20241219BHJP
   B29C 48/30 20190101ALI20241219BHJP
   B29C 48/86 20190101ALI20241219BHJP
   B29C 48/25 20190101ALI20241219BHJP
   B05D 7/00 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
B29C48/15
B29C63/00
B29C48/30
B29C48/86
B29C48/25
B05D7/00 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097880
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120592
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 崇裕
(74)【代理人】
【識別番号】100184712
【弁理士】
【氏名又は名称】扇原 梢伸
(74)【代理人】
【識別番号】100192223
【弁理士】
【氏名又は名称】加久田 典子
(72)【発明者】
【氏名】杉下 芳昭
【テーマコード(参考)】
4D075
4F207
4F211
【Fターム(参考)】
4D075AC64
4D075AC76
4D075AC88
4D075AC91
4D075BB18Z
4D075BB41Z
4D075BB42Z
4D075BB46Z
4D075BB57Z
4D075BB91Z
4D075BB93Z
4D075CA47
4D075CA48
4D075DA34
4D075DA35
4D075EA05
4D075EA15
4D075EA21
4D075EA35
4D075EB01
4D075EB12
4D075EB13
4D075EB19
4D075EB35
4D075EB38
4D075EB39
4D075EB43
4D075EC37
4F207AG03
4F207AG23
4F207AJ08
4F207KA01
4F207KA17
4F207KB11
4F207KK45
4F207KL57
4F211AG23
4F211SA09
4F211SC09
4F211SD02
4F211SG01
4F211SJ15
4F211SN13
4F211SP41
(57)【要約】
【課題】被覆材と被着体との間に隙間が形成されることを防止することができる外縁部被覆装置および外縁部被覆方法を提供すること。
【解決手段】被着体WKの外縁部WKEを被覆材CMで被覆する外縁部被覆装置EAにおいて、液体状態の被覆材CMを外縁部WKEに装着する装着手段10と、外縁部WKEに装着された液体状態の被覆材CMを固体状態にする固体化手段30を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被着体の外縁部を被覆材で被覆する外縁部被覆装置において、
液体状態の前記被覆材を前記外縁部に装着する装着手段と、
前記外縁部に装着された液体状態の前記被覆材を固体状態にする固体化手段とを備えていることを特徴とする外縁部被覆装置。
【請求項2】
前記被覆材は、当該外縁部被覆装置が設置されている雰囲気温度において固体状態で存在し、当該雰囲気温度からの加熱によって液体状態となる性質を有し、
前記被覆材を加熱して液体状態にする加熱手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の外縁部被覆装置。
【請求項3】
前記被覆材は、当該外縁部被覆装置が設置されている雰囲気において液体状態で存在し、乾燥によって固体状態となる性質を有し、
前記固体化手段は、前記外縁部に装着された前記被覆材を乾燥させることを特徴とする請求項1に記載の外縁部被覆装置。
【請求項4】
前記被覆材は、当該外縁部被覆装置が設置されている雰囲気において液体状態で存在し、所定のエネルギー線が付与されることによって固体状態となる性質を有し、
前記固体化手段は、前記外縁部に装着された前記被覆材に前記エネルギー線を付与することを特徴とする請求項1に記載の外縁部被覆装置。
【請求項5】
被着体の外縁部を被覆材で被覆する外縁部被覆方法において、
液体状態の前記被覆材を前記外縁部に装着する装着工程と、
前記外縁部に装着された液体状態の前記被覆材を固体状態にする固体化工程とを実施することを特徴とする外縁部被覆方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外縁部被覆装置および外縁部被覆方法に関する。
【背景技術】
【0002】
被着体の外縁部を被覆材で被覆する外縁部被覆装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-30877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたテープ貼り付けシステム(外縁部被覆装置)では、ウェハW(被着体)の外縁部のような三次元形状部に、平らな保護テープ27(被覆材)を無理矢理変形させて装着するため、被覆材と被着体との間に隙間ができてしまうという不都合を発生する。このような不都合は、平らな保護テープ27(被覆材)の平面形状を別の平面形状に無理矢理変形させて装着する際にも発生する。
【0005】
本発明の目的は、被覆材と被着体との間に隙間が形成されることを防止することができる外縁部被覆装置および外縁部被覆方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項に記載した構成を採用した。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、液体状態で被着体の外縁部に装着した被覆材を固体状態にするので、被覆材と被着体との間に隙間が形成されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】(A)~(E)は、本発明の一実施形態に係る外縁部被覆装置の説明図および同装置の動作説明図。(F)~(I)は、本発明の変形例に係る外縁部被覆装置の説明図および同装置の動作説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、本実施形態におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、Y軸と平行な矢印DR方向から観た場合を基準とし、図を指定することなく方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸の矢印方向で「後」がその逆方向とする。なお、図1(D)、(H)は、図1(A)のAA矢視図。
【0010】
本発明の外縁部被覆方法を実施する外縁部被覆装置EAは、被着体WKの外縁部WKEを被覆材CMで被覆する装置であり、液体状態の被覆材CMを外縁部WKEに装着する装着工程を実施する装着手段10と、被覆材CMを加熱して液体状態にする加熱工程を実施する加熱手段20と、外縁部WKEに装着された液体状態の被覆材CMを固体状態にする固体化工程を実施する固体化手段30とを備え、装着手段10、加熱手段20および固体化手段30に対して被着体WKを相対移動させる移動工程を実施する移動手段40の近傍に配置されている。
なお、本実施形態の被覆材CMは、当該外縁部被覆装置EAが設置されている雰囲気温度において固体状態で存在し、当該雰囲気温度からの加熱によって液体状態となる性質を有し、液体状態から温度が低下すると固体化が始まり、雰囲気温度となった時点では再度固体状態になっている性質を有している。このような被覆材CMとしては、例えば、EVA(エチレン酢酸ビニル)、オレフィン、ゴム、ポリアミド(ナイロン)、ポリウレタン、ポリエステル等をベースとして構成された冷却硬化型の材料である所謂ホットメルト剤が例示できる。
被着体WKは、図1(A)に示すように、平面視形状(上方から見下ろした形状)が被着体中心WKCを中心とする円形形状のものが採用されている。
【0011】
装着手段10は、固体状態の被覆材CMを貯蔵する貯蔵手段としてのタンク11と、加熱手段20によって液体状態とされた被覆材CMを誘導手段としての配管12A内に供給する供給手段としての加圧ポンプ12と、配管12A内の被覆材CMを吐出手段としてのノズル13Aから吐出させる吐出制御手段としての電磁弁13とを備えている。
ノズル13Aは、図1(A)中二点鎖線で示すように、被着体WKの被着体中心WKCが基準位置RPに配置された際、液体状態とされた被覆材CMを被着体WKの外縁部WKEに装着可能な位置に配置されている(図1(C)参照)。
なお、本実施形態の装着手段10は、図1(B)に示すように、被着体WKの上面WK1における外周面WK3寄りの領域と、当該被着体WKの下面WK2における外周面WK3寄りの領域と、外周面WK3とからなる領域を外縁部WKEとし、当該外縁部に被覆材CMを装着するようになっている。
【0012】
加熱手段20は、タンク11内に挿入された固体状態の被覆材CMを加熱して当該被覆材CMを液体状態にする加熱機器としてのコイルヒータ21を備えている。
なお、本実施形態のコイルヒータ21は、加圧ポンプ12、配管12A、電磁弁13およびノズル13Aも加熱するようになっている。
【0013】
固体化手段30は、被覆材CMを固体状態にするために当該被覆材CMを冷却するものであり、空気を冷却して冷却媒体としての冷気CA(図1(D)参照)を生成する冷却手段としてのチラー31と、チラー31で生成した冷気CAを、被着体WKの外縁部WKEに装着された被覆材CMに吹き付ける吹付手段としての送風ファン32とを備えている。
【0014】
移動手段40は、駆動機器としてのリニアモータ41と、そのスライダ41Aに支持された駆動機器としての回動モータ42と、回動モータ42の出力軸42Aに支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段(保持手段)によって吸着保持が可能な支持面43Aを有する支持テーブル43とを備えている。
なお、本実施形態の支持テーブル43は、回動モータ42によってテーブル中心43Cを中心に回転する構成となっている。
【0015】
以上の外縁部被覆装置EAの動作を説明する。
先ず、図1(A)中実線で示す初期位置に各部材が配置された外縁部被覆装置EAに対し、当該外縁部被覆装置EAの使用者(以下、単に「使用者」という)が、図1(A)に示すように、固体状態の被覆材CMをタンク11内に投入した後、操作パネルやパーソナルコンピュータ等の図示しない操作手段を介して自動運転開始の信号を入力する。すると、加熱手段20がコイルヒータ21を駆動し、タンク11内に投入された固体状態の被覆材CMの加熱を開始し、当該被覆材CMを液体状態にする(図1(C)参照)。次いで、被覆材CMが液体状態になると、装着手段10が加圧ポンプ12を駆動し、液体状態となった被覆材CMを配管12A内へ送り、当該配管12A内での被覆材CMの加圧を開始するとともに、固体化手段30がチラー31を駆動し、空気を冷却して冷気CAの生成を開始する。その後、使用者または多関節ロボットやベルトコンベア等の図示しない搬送手段が、図1(A)に示すように、被着体中心WKCがテーブル中心43Cと重なるようにして被着体WKを支持面43A上に載置すると、移動手段40が図示しない減圧手段を駆動し、支持面43Aでの吸着保持を開始する。
【0016】
次に、移動手段40がリニアモータ41を駆動し、図1(A)中二点鎖線で示すように、テーブル中心43C(被着体中心WKC)が基準位置RPと一致するように支持テーブル43を移動させた後、リニアモータ41の駆動を停止する。そして、移動手段40が回動モータ42を駆動し、被着体WKを矢印RD方向に回転させるとともに、装着手段10が電磁弁13を駆動し、液体状態の被覆材CMをノズル13Aから吐出させる。これにより、ノズル13Aから吐出された液体状態の被覆材CMは、図1(C)に示すように、装着手段10が被覆材CMを装着する装着位置で、被着体WKの外縁部WKEに装着されていく。
【0017】
次いで、外縁部WKEに装着された被覆材CMの供給方向先端縁(以下、単に「先端縁」ともいう)が、固体化手段30が冷却を行う固体化位置手前に到達すると、当該固体化手段30が送風ファン32を駆動し、被着体WKに向けた冷気CAの吹き付けを開始する。その後、外縁部WKEに装着された被覆材CMが固体化位置を通過すると、図1(D)に示すように、当該被覆材CMに冷気CAが当たって冷却される。なお、被覆材CMは、固体化位置を通過した時点で完全に固体状態になっていてもよいが、固体化位置を通過した後に、経時によって温度が低下して固体状態になってもよいので、固体化位置を通過した時点で完全に固体状態になっていなくてもよい。
【0018】
次に、被覆材CMの先端縁が再び装着位置に到達すると、装着手段10が電磁弁13を駆動し、ノズル13Aからの被覆材CMの吐出を停止する。これにより、外縁部WKEに装着された被覆材CMは、供給方向後端縁(以下、単に「後端縁」ともいう)と先端縁とが繋がった状態となる。そして、外縁部WKEに装着された被覆材CMの後端縁が固体化位置を通過すると、固体化手段30が送風ファン32の駆動を停止する。これにより、図1(E)に示すように、被着体WKの外縁部WKE全周が被覆材CMで被覆された一体物UPが形成される。
【0019】
次いで、被覆材CMの後端縁が所定の位置に到達すると、移動手段40が回動モータ42の駆動を停止した後、リニアモータ41を駆動し、支持テーブル43を初期位置に復帰させる。その後、移動手段40が図示しない減圧手段の駆動を停止し、支持面43Aでの吸着保持を解除すると、使用者または図示しない搬送手段が一体物UPを支持面43A上から取り去り、当該一体物UPを次工程に搬送し、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0020】
以上のような実施形態によれば、液体状態で被着体WKの外縁部WKEに装着した被覆材CMを固体状態にするので、被覆材CMと被着体WKとの間に隙間が形成されることを防止することができる。
【0021】
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、装着手段は、液体状態の被覆材を外縁部に装着可能なものであればどんなものでもよく、出願当初の技術常識に照らし合わせてその技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(その他の手段および工程も同じ)。
【0022】
外縁部被覆装置EAは、図1(F)に示すように、当該外縁部被覆装置EAが設置されている雰囲気において液体状態で存在し、乾燥によって固体状態となる性質を有する被覆材CMが採用された場合、外縁WKEに装着された被覆材CMを乾燥させる固体化工程を実施する固体化手段30が採用されてもよい。このような被覆材CMとしては、乾燥硬化型の材料であるペンキが例示できる。
この場合の固体化手段30としては、図1(H)に示すように、空気を加熱して除湿媒体としての乾燥空気DAを生成する除湿手段としてのコイルヒータ33と、コイルヒータ33で生成した乾燥空気DAを、被着体WKの外縁部WKEに装着された被覆材CMに吹き付ける吹付手段としての送風ファン34とを備えたものが例示できる。
このような外縁部被覆装置EAは、図1(G)に示すように、ノズル13から吐出させて被着体WKの外縁部WKEに装着した液体状態の被覆材CMを、図1(H)に示すように、固体化手段30が乾燥を行う固体化位置を通過させる。この場合においても、被覆材CMは、固体化位置を通過した時点で完全に固体状態になっていてもよいが、固体化位置を通過した後に、経時によって乾燥して固体状態になってもよいので、固体化位置を通過した時点で完全に固体状態になっていなくてもよい。
なお、この場合の外縁部被覆装置EAは、被覆材CMの特性、特質、性質、材質、組成、構成や、雰囲気の条件、その他の要因等の諸条件を考慮して加熱手段20が備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
【0023】
また、外縁部被覆装置EAは、図1(F)に示すように、当該外縁部被覆装置EAが設置されている雰囲気において液体状態で存在し、所定のエネルギー線としての紫外線UVが付与されることによって固体状態となる性質を有する被覆材CMが採用された場合、外縁WKEに装着された被覆材CMに紫外線UVを付与する固体化工程を実施する固体化手段30が採用されてもよい。このような被覆材CMとしては、エネルギー線硬化型の材料である紫外線硬化型の樹脂が例示できる。
この場合の固体化手段30としては、図1(H)に示すように、紫外線UVを生成する発光手段としてのLEDランプ35と、LEDランプ35で生成した紫外線UVを、被着体WKの外縁部WKEに装着された被覆材CMに集光する集光手段としてのレンズ36とを備えたものが例示できる。
このような外縁部被覆装置EAもまた、図1(G)に示すように、ノズル13から吐出させて被着体WKの外縁部WKEに装着した液体状態の被覆材CMを、図1(H)に示すように、固体化手段30が紫外線UVを照射する固体化位置を通過させる。この場合においても、被覆材CMは、固体化位置を通過した時点で完全に固体状態になっていてもよいが、固体化位置を通過した後に、連鎖反応が進むことで遅れて固体状態になったり、雰囲気の紫外線によって固体状態になってもよいので、固体化位置を通過した時点で完全に固体状態になっていなくてもよい。
なお、この場合の外縁部被覆装置EAもまた、被覆材CMの特性、特質、性質、材質、組成、構成や、雰囲気の条件、その他の要因等の諸条件を考慮して加熱手段20および乾燥手段50の少なくとも一方が備わっていてもよいし、それら両方が備わっていなくてもよい。
【0024】
装着手段10は、貯蔵手段として、カセット容器や漏斗等、どのようなものが採用されてもよいし、タンク11や漏斗等の上部に開口部を塞ぐ開閉式や着脱式等の蓋が備わっていてもよいし、供給手段として、タービンやシリンジ等、どのようなものが採用されてもよいし、誘導手段として、ホースや凹溝通路等、どのようなものが採用されてもよいし、吐出制御手段として、モータやバタフライバルブ等、どのようなものが採用されてもよいし、吐出手段として、ホースやパイプ等、どのようなものが採用されてもよいし、吐出制御手段を採用することなく、供給手段の駆動によって誘導手段や吐出手段から被覆材CMを吐出させてもよいし、供給手段を採用することなく、例えば、貯蔵手段、供給手段、誘導手段または吐出手段から被覆材CMを滴下させ、液体状態の被覆材CMを外縁部WKEに装着してもよいし、貯蔵手段、供給手段、誘導手段または吐出手段の何れかに刷毛やブラシ等の毛束状部材を取り付け、液体状態の被覆材CMを外縁部WKEに塗り付けるようにして装着してもよいし、貯蔵手段、供給手段、誘導手段または吐出手段の何れかにスポンジやローラ等の転写部材を取り付け、液体状態の被覆材CMを外縁部WKEに転写して装着してもよいし、貯蔵手段、供給手段、誘導手段または吐出手段の何れかにエアブラシを取り付け、液体状態の被覆材CMを噴霧して当該被覆材CMを外縁部WKEに装着してもよい。
装着手段10は、被着体WKの外縁部WKEの一部に被覆材CM装着してもよいし、貯蔵手段、供給手段、誘導手段、吐出手段等、当該装着手段10を構成するもの形状や数が実施形態で例示したものと異なっていてもよいし、外縁部WKEに装着した被覆材CMの厚みを所定の厚みにするスクレーパ、ヘラ、ローラ等の厚み調整手段を採用してもよいし、周方向の複数箇所に設けられていてもよいし、外縁部WKEに被覆材CMを複数回重ねて装着してもよいし、外縁部WKEの上半分と下半分との複数回に分けて被覆材CMを装着してもよいし、外縁部WKEに対するノズル13Aの吐出角度が可変となるものでもよい。
装着手段10は、例えば、平面視形状が円形、楕円形、多角形等の被着体WKに対し、図1(I)に示すように、上面WK1の外周面WK3寄りの領域と、外周面WK3の上方部とからなる領域を外縁部WKEとし、当該外縁部WKEに被覆材CMを装着してもよいし、下面WK2の外周面WK3寄りの領域と、外周面WK3の下方部とからなる領域を外縁部とし、当該外縁部に被覆材CMを装着してもよいし(不図示)、上面WK1の外周面WK3寄りの領域を外縁部とし、当該外縁部に被覆材CMを装着してもよいし(不図示)、図1(I)中二点鎖線で示すように、下面WK2の外周面WK3寄りの領域を外縁部WKEとし、当該外縁部WKEに被覆材CMを装着してもよい。
【0025】
加熱手段20は、加熱機器として、ヒートパイプの加熱側、ガスヒータ、石油ヒータ、電気ヒータ、IHヒータ、マイクロウェーブヒータ等、どのようなものが採用されてもよいし、タンク11、加圧ポンプ12、配管12A、電磁弁13およびノズル13Aのうち少なくとも1つを加熱してもよいし、タンク11、加圧ポンプ12、配管12A、電磁弁13およびノズル13Aのうち少なくとも1つの内部に配置されて被覆材CMを加熱して、当該被覆材CMを固体状態から液体状態にしてもよいし、大気や人工のガス等の気体を加熱機器で加熱して加熱媒体としての熱気を生成し、当該熱気によって固体状態の被覆材CMを液体状態にしてもよいし、天然水や人工の溶液等の液体を加熱機器で加熱して加熱媒体としての熱水を生成し、当該熱水によって固体状態の被覆材CMを液体状態にしてもよいし、金属や樹脂等の固形物を加熱機器で加熱して加熱媒体としての加熱固形物を生成し、当該加熱固形物によって固体状態の被覆材CMを液体状態にしてもよいし、加熱媒体としての熱気や熱水をタンク11、加圧ポンプ12、配管12A、電磁弁13、ノズル13Aまたは被覆材CMに吹き付けるポンプやシリンダ等の加熱媒体吹付手段を採用してもよいし、本発明の外縁部被覆装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよく、本発明の外縁部被覆装置EAに加熱手段20が備わっていない場合、例えば、他の装置によって被覆材CMを加熱して液体状態にしたり、図1(F)、(G)、(H)を用いて示したように、当該外縁部被覆装置EAが設置されている雰囲気において液体状態で存在する被覆材CMを採用したりすればよい。
【0026】
固体化手段30は、冷却手段として、ペルチェ素子、ヒートパイプの冷却側、エバポレータ等、どのようなものが採用されてもよいし、吹付手段として、タービン、送風機、扇風機、ふいご等、どのようなものが採用されてもよいし、大気や人工のガス等の気体を冷却手段で冷却して冷却媒体としての冷気を生成し、当該冷気を吹付手段で被着体WKの外縁部WKEに装着された被覆材CMに吹き付けてもよいし、天然水や人工の溶液等の液体を冷却手段で冷却して冷却媒体としての冷水を生成し、当該冷水をポンプやシリンジ等の吹付手段で被着体WKの外縁部WKEに装着された被覆材CMに吹き付けてもよいし、金属や樹脂等の固形物を冷却手段で冷却して冷却媒体としての冷却固形物を生成し、当該冷却固形物を被着体WKの外縁部WKEに装着された被覆材CMに押し当ててもよいし、冷却手段を採用することなく、外縁WKEに装着された被覆材CMに吹付手段で大気を吹き付けて冷却してもよいし、吹付手段を採用することなく、外縁WKEに装着された被覆材CMに冷却手段で生成した冷気や冷水で、被着体WKの外縁部WKEに装着された被覆材CMを冷却してもよいし、冷却手段および吹付手段を採用することなく、自然冷却によって外縁WKEに装着された被覆材CMを冷却してもよいし、上記の実施形態で例示した回動モータ42を冷却手段として採用し、被着体WKを高速で回転させたり、長時間回転させたりして外縁WKEに装着された被覆材CMを冷却してもよい。
【0027】
固体化手段30は、除湿手段として、ヒートパイプの加熱側、ガスヒータ、石油ヒータ、電気ヒータ、IHヒータ、マイクロウェーブヒータ等、どのようなものが採用されてもよいし、除湿手段として、冷却方式、圧縮方式、吸着方式、吸収方式等、どのような方式のものが採用されてもよいし、大気や人工のガス等の気体を除湿手段で除湿して除湿媒体としての乾燥空気DAを生成し、当該乾燥空気DAを吹付手段で被着体WKの外縁部WKEに装着された被覆材CMに吹き付けてもよいし、除湿手段を採用することなく、外縁WKEに装着された被覆材CMに吹付手段で大気を吹き付けて除湿してもよいし、吹付手段を採用することなく、外縁WKEに装着された被覆材CMに除湿手段で生成した乾燥空気DAで、被着体WKの外縁部WKEに装着された被覆材CMを乾燥させてもよいし、除湿手段および吹付手段を採用することなく、自然乾燥によって外縁WKEに装着された被覆材CMを乾燥させてもよいし、上記の実施形態で例示した回動モータ42を除湿手段として採用し、被着体WKを高速で回転させたり、長時間回転させたりして外縁WKEに装着された被覆材CMを乾燥させてもよい。
【0028】
固体化手段30は、発光手段として、紫外線、赤外線、可視光線、音波、X線またはガンマ線等のエネルギー線を付与するもの等、どのようなものが採用されてもよいし、集光手段として、凹面鏡、平面鏡、凸面鏡、プリズム等、どのようなものが採用されてもよいし、集光手段を採用することなく、外縁WKEに装着された被覆材CMに発光手段で発光したエネルギー線を直接付与する構成としてもよいし、外縁部WKEに装着された被覆材CMに一括でエネルギー線を付与する構成としてもよい。
【0029】
移動手段40は、支持面43Aでの吸着保持ができない支持テーブル43が採用されてもよいし、リニアモータ41、回動モータ42および支持テーブル43に代えてまたは併用して、例えば、多関節ロボット等の駆動機器や他の装置等によって、装着手段10、加熱手段20、固体化手段30等に対して被着体WKを相対移動させてもよいし、本発明の外縁部被覆装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
【0030】
外縁部被覆装置EAは、複数重ねられた被着体WKの外縁部WKEを1または複数の被覆材CMで被覆し、それら被着体WKを一体化してもよいし、被着体WKの一方の面側および他方の面側の少なくとも一方に、金属、硝子、樹脂、他の接着シート等の付属部材を重ね合わせ、それらの外縁部を1または複数の被覆材CMで被覆し、それらを一体化してもよい。
次工程は、めっき工程、エッチング工程、浸漬工程、切断工程、研削工程、研磨工程、塗装工程、積層工程、シート接着工程、表面処理工程、穴あけ工程、曲げ工程、検査工程、検証工程、照射工程等、どのような工程でもよい。
【0031】
被覆材CMは、被着体WKの外縁部WKEに装着される前の状態が液体状態であり、外縁部WKEに装着された後に固体状態になるものであればどのようなものでもよい。
被覆材CMとしての冷却硬化型の材料は、例えば、半田やアルミニウム等の金属、糠蝋や蜜蝋等の蝋の他、樹脂、接着剤等どのような材料が採用されてもよい。
被覆材CMとしての乾燥硬化型の材料は、接着剤、糊、ワニス、漆、粘土等どのような材料が採用されてもよい。
被覆材CMとしてのエネルギー線硬化型の材料は、紫外線、赤外線、可視光線、音波、X線またはガンマ線等のエネルギー線によって硬化する樹脂、接着剤、塗料、粘土、ゴム等どのような材料が採用されてもよい。
被覆材CMは、硬化剤や大気中の成分等の硬化開始剤によって、液体状から固体状態となる例えば、シリコン樹脂や接着剤等の合成樹脂が採用されてもよい。
【0032】
本発明における接着シート、被着体WKおよび付属部材の材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、接着シート、被着体WKおよび付属部材は、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、その他の形状であってもよいし、被着体WKおよび付属部材は、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂等の単体物であってもよいし、それら2つ以上で形成された複合物であってもよく、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。
【0033】
前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、2軸または3軸以上の関節を備えた所謂多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等が単体で採用されてもよいし、それら電動機器やアクチュエータ等が直接的又は間接的に組み合わされたものが採用されてもよいし、それら電動機器やアクチュエータ等の出力部に対するトルク制御や速度制御等が可能なものや不能なものが採用されてもよい。
【0034】
前記実施形態において、何らかの物体(以下「物体A」という)および当該物体Aに対して移動する物体(以下「物体B」という)すなわち、相対移動する物体Aおよび物体Bは、移動することのない物体Aに対して物体Bが移動してもよいし、移動することのない物体Bに対して物体Aが移動してもよいし、物体Aおよび物体Bの両方が移動してもよいく、移動によって達成される結果が同じであれば、物体Aおよび物体Bの何れが移動してもよいし、ローラ等の回転部材が採用されている場合、当該回転部材を回転駆動させる駆動機器を備えてもよいし、回転部材の表面や回転部材自体をゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、回転部材の表面や回転部材自体を変形しない部材で構成してもよいし、ローラの代わりに回転するまたは回転しないシャフトやブレード等の他の部材を採用してもよいし、支持(保持)手段や支持(保持)部材等の被支持部材(被保持部材)を支持(保持)するものが採用されている場合、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤(接着シート、接着テープ)、粘着剤(粘着シート、粘着テープ)、磁力、ベルヌーイ吸着、吸引吸着、駆動機器等で被支持部材を支持(保持)する構成を採用してもよい。
【符号の説明】
【0035】
EA…外縁部被覆装置
10…装着手段
20…加熱手段
30…固体化手段
CM…被覆材
UV…紫外線(エネルギー線)
WK…被着体
WKE…外縁部
図1