(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017922
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】シフト装置
(51)【国際特許分類】
B60K 20/02 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
B60K20/02 A
B60K20/02 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120885
(22)【出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹田 格成
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 一博
【テーマコード(参考)】
3D040
【Fターム(参考)】
3D040AA03
3D040AA24
3D040AA33
3D040AA40
3D040AB01
3D040AC04
3D040AC36
3D040AD04
3D040AD05
3D040AD15
3D040AF07
(57)【要約】
【課題】部品点数を低減する。
【解決手段】シフト装置10では、レバー14の回動位置を磁気センサ34が検出する。また、レバー14の下ライトガイドがLED28からの光を案内する。ここで、LED28と磁気センサ34とが回路基板26に設けられている。このため、部品点数を低減できる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動されてシフト位置が変更されるシフト体と、
前記シフト体に設けられ、光を案内する案内部材と、
前記案内部材に光を放出する放出部と前記シフト体の移動位置を検出する検出部とが設けられる設置体と、
を備えるシフト装置。
【請求項2】
前記案内部材に設けられ、前記放出部が放出する光が入射されると共に、前記シフト体が移動される際に対向される前記放出部の数が維持される入射面を備える請求項1記載のシフト装置。
【請求項3】
前記案内部材の側方において前記検出部が前記シフト体の移動位置を検出する請求項1記載のシフト装置。
【請求項4】
前記案内部材の側方において前記シフト体をシフト位置側に付勢する付勢機構を備える請求項1記載のシフト装置。
【請求項5】
前記案内部材の曲部の側面が湾曲される請求項1記載のシフト装置。
【請求項6】
前記案内部材に突出されて設けられ、前記案内部材との接続面積を減少させる減少孔が設けられる突出部を備える請求項1記載のシフト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シフト体が移動されてシフト位置が変更されるシフト装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載のシフト装置では、パドルが移動されて、パドルのシフト位置が変更される。また、パドルにライトガイド柱が設けられており、ライトガイド柱にLEDライトが光を放出する。さらに、センサがパドルの移動位置を検出する。
【0003】
ここで、このシフト装置には、LEDライトが回路基板に設けられる一方、センサが回路基板とは別に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】中国実用新案公告第211617432号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、部品点数を低減できるシフト装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様のシフト装置は、移動されてシフト位置が変更されるシフト体と、前記シフト体に設けられ、光を案内する案内部材と、前記案内部材に光を放出する放出部と前記シフト体の移動位置を検出する検出部とが設けられる設置体と、を備える。
【0007】
本発明の第2態様のシフト装置は、本発明の第1態様のシフト装置において、前記案内部材に設けられ、前記放出部が放出する光が入射されると共に、前記シフト体が移動される際に対向される前記放出部の数が維持される入射面を備える。
【0008】
本発明の第3態様のシフト装置は、本発明の第1態様又は第2態様のシフト装置において、前記案内部材の側方において前記検出部が前記シフト体の移動位置を検出する。
【0009】
本発明の第4態様のシフト装置は、本発明の第1態様~第3態様の何れか1つのシフト装置において、前記案内部材の側方において前記シフト体をシフト位置側に付勢する付勢機構を備える。
【0010】
本発明の第5態様のシフト装置は、本発明の第1態様~第4態様の何れか1つのシフト装置において、前記案内部材の曲部の側面が湾曲される。
【0011】
本発明の第6態様のシフト装置は、本発明の第1態様~第5態様の何れか1つのシフト装置において、前記案内部材に突出されて設けられ、前記案内部材との接続面積を減少させる減少孔が設けられる突出部を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明の第1態様のシフト装置では、シフト体が移動されて、シフト位置が変更される。また、シフト体に案内部材が設けられており、放出部が案内部材に光を放出すると共に、案内部材が光を案内する。さらに、検出部がシフト体の移動位置を検出する。
【0013】
ここで、放出部と検出部とが設置体に設けられる。このため、放出部と検出部とが別々に設けられる場合とは異なり、部品点数を低減できる。
【0014】
本発明の第2態様のシフト装置では、放出部が放出する光が案内部材の入射面に入射される。さらに、シフト体が移動される際に、入射面に対向される放出部の数が維持される。このため、入射面に入射される光の量が変動することを抑制でき、案内部材が案内する光の量が変動することを抑制できる。
【0015】
本発明の第3態様のシフト装置では、案内部材の側方において、検出部がシフト体の移動位置を検出する。このため、シフト体の光を案内する部分と移動位置を検出する部分とを分けることができる。
【0016】
本発明の第4態様のシフト装置では、案内部材の側方において、付勢機構がシフト体をシフト位置側に付勢する。このため、シフト体の光を案内する部分とシフト位置側に付勢する部分とを分けることができる。
【0017】
本発明の第5態様のシフト装置では、案内部材の曲部の側面が湾曲される。このため、案内部材が案内する光が案内部材の曲部において漏洩することを抑制できる。
【0018】
本発明の第6態様のシフト装置では、案内部材に突出部が突出されて設けられており、突出部の減少孔が突出部の案内部材との接続面積を減少させる。このため、案内部材が案内する光が突出部に侵入することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態に係るシフト装置を示す左斜め後方から見た斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るシフト装置の主要部を示す前斜め左方から見た斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るシフト装置の主要部を拡大して示す前斜め左方から見た斜視図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るシフト装置のレバー本体を示す下側から見た斜視図である。
【
図5】(A)及び(B)は、本発明の実施形態に係るシフト装置の上ライトガイドを示す図であり、(A)は、前斜め左方から見た斜視図であり、(B)は、前方から見た前面図である。
【
図6】(A)~(C)は、本発明の実施形態に係るシフト装置の下ライトガイドを示す図であり、(A)は、右斜め前方から見た斜視図であり、(B)は、左方から見た側面図であり、(C)は、後方から見た後面図である。
【
図7】(A)~(C)は、本発明の実施形態に係るシフト装置を示す左方から見た断面図であり、(A)は、レバーがH位置に配置される際を示し、(B)は、レバーがR位置に配置される際を示し、(C)は、レバーがD位置に配置される際を示している。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1には、本発明の実施形態に係るシフト装置10が左斜め後方から見た斜視図にて示されている。なお、図面では、シフト装置10の前方を矢印FRで示し、シフト装置10の右方を矢印RHで示し、シフト装置10の上方を矢印UPで示している。
【0021】
本実施形態に係るシフト装置10は、車両(自動車)のコンソール(図示省略)に設置されており、シフト装置10の前方、右方及び上方は、それぞれ車両の前側、右方及び上側に向けられている。
【0022】
図1に示す如く、シフト装置10には、支持体としての略直方体形箱状のプレート12が設けられており、プレート12は、コンソール(図示省略)内に固定されると共に、上壁がコンソールから車室内に露出されている。
【0023】
プレート12内の左右方向中間部には、シフト体としてのレバー14(
図7(A)参照)が設けられており、レバー14は、上下方向及び左右方向に長尺にされている。
【0024】
レバー14の上側部分は、把持部としてのノブ16にされている。ノブ16の上側部分は、略直方体形箱状にされており、ノブ16の上側部分内は、下側に開放されている。ノブ16の上壁には、前後方向及び左右方向の中央部分において、矩形状の露出孔16Aが貫通形成されており、露出孔16Aは、ノブ16の上側部分内を上側に開放すると共に、左右方向に長尺にされている。ノブ16の下側部分は、略半円柱形箱状にされており、ノブ16の下側部分内は、ノブ16の上側部分内に連通されると共に、下側に開放されている。
【0025】
レバー14の下側部分は、本体部としてのレバー本体18(
図2参照)にされている。レバー本体18の上側部分は、略円柱状にされており、レバー本体18の下側部分は、略直方体状にされている。レバー本体18の上側部分は、ノブ16の下側部分内に嵌合されており、レバー本体18の上側部分及びノブ16の下側部分には、中心軸線部分において、円柱状の支持軸20が貫通されており、支持軸20は、プレート12内に支持されている。レバー本体18は、支持軸20によってノブ16と一体にされており、レバー14(ノブ16及びレバー本体18)は、支持軸20を中心として、前後方向に所定範囲で回動可能にされている。
【0026】
ノブ16は、プレート12の上壁に回動可能に貫通されており、レバー14は、ノブ16において、車両の乗員(特に運転者)によって回動操作可能にされている。レバー14は、シフト位置としてのH位置(ホーム位置)に配置されており、レバー14がH位置から前側に回動操作されて、レバー14がシフト位置としてのR位置(リバース位置)に配置される(
図7(B)参照)と共に、レバー14がH位置から後側に回動操作されて、レバー14がシフト位置としてのD位置(ドライブ位置)に配置される(
図7(C)参照)。また、レバー14のH位置とR位置との間の回動角度とレバー14のH位置とR位置との間の回動角度とは、同一にされている。
【0027】
レバー本体18には、略矩形柱状の挿入孔18A(
図2、
図4及び
図7(A)参照)が形成されており、挿入孔18Aは、レバー本体18を上下方向に貫通すると共に、上部近傍の前部に支持軸20が配置されている。挿入孔18Aの左面及び右面の下部には、断面矩形状の圧入溝18Bが形成されており、圧入溝18Bは、上下方向に延伸されると共に、下方に開放されている。
【0028】
挿入孔18A内には、案内部材(第1案内部材)としての略矩形柱状の下ライトガイド22(
図6の(A)~(C)及び
図7(A)参照)が設けられており、下ライトガイド22は、透明にされて、内部において光を案内可能にされている。下ライトガイド22の下端部は、矩形柱状にされると共に、下ライトガイド22の下端部より上側部分に比し前後方向及び左右方向において拡大されており、下ライトガイド22の下端部は、挿入孔18Aの下端部内に圧入されている。下ライトガイド22の下面は、矩形状の入射面22Aにされており、入射面22Aは、上下方向に垂直に配置されている。
【0029】
下ライトガイド22の中間部(上下方向中間部)の前面は、上方へ向かうに従い後方へ向かう方向に傾斜されると共に、下ライトガイド22の上部の前面は、上方へ向かうに従い前方へ向かう方向に傾斜されており、これにより、下ライトガイド22が挿入孔18A内の支持軸20に干渉することが制限されている。下ライトガイド22の上部の後面は、上方へ向かうに従い前方へ向かう方向に傾斜されており、下ライトガイド22の上部は、下ライトガイド22の中間部に対し上方へ向かうに従い前方へ向かう方向に曲がると共に、下ライトガイド22の上部と中間部との間の前面及び後面は、湾曲面22Bにされている。下ライトガイド22上部の前面の上方に対する傾斜角度は、下ライトガイド22上部の後面の上方に対する傾斜角度に比し大きくされており、下ライトガイド22の上部の幅寸法(略前後方向の寸法)は、上方へ向かうに従い大きくされている。下ライトガイド22の上面は、上方へ向かうに従い前方へ向かう方向に向けられており、下ライトガイド22の上面は、挿入孔18Aの上側に露出されている。
【0030】
下ライトガイド22の中間部の上端部における左面及び右面には、矩形板状の上圧入板22Cが一体に設けられており、上圧入板22Cは、下ライトガイド22の左右方向外方に突出されている。一対の上圧入板22Cは、下ライトガイド22を挟んで互いに左右方向において対向されており、下ライトガイド22は、一対の上圧入板22Cの部分において、挿入孔18A内に左右方向において圧入されて、左右方向において位置決めされている。
【0031】
下ライトガイド22の中間部の上下方向中間部分における前面及び後面には、それぞれ略直方体状の中圧入柱22D及び矩形板状の中圧入板22Eが一体に設けられており、中圧入柱22D及び中圧入板22Eは、下ライトガイド22の前後方向外方に突出されている。中圧入柱22D及び中圧入板22Eは、下ライトガイド22を挟んで互いに前後方向において対向されており、下ライトガイド22は、中圧入柱22D及び中圧入板22Eの部分において、挿入孔18A内に前後方向において圧入されて、前後方向において位置決めされている。
【0032】
下ライトガイド22の中間部の下部における左面及び右面には、突出部としての略矩形柱状の下圧入柱22Fが一体に設けられており、一対の下圧入柱22Fは、それぞれ下ライトガイド22の左右方向外方に突出されると共に、下ライトガイド22を挟んで互いに左右方向において対向されている。下圧入柱22Fは、上下方向に延伸されており、下圧入柱22Fは、挿入孔18Aの圧入溝18Bに挿入されて前後方向において圧入されている。このため、下ライトガイド22が一対の下圧入柱22Fの部分において前後方向において位置決めされている。下圧入柱22Fの下ライトガイド22側端部には、上部を除く部分において、減少部としての矩形状のスリット22Gが貫通形成されており、スリット22Gは、下圧入柱22Fの下ライトガイド22との接続面積を減少させると共に、下ライトガイド22側の面が下ライトガイド22の左面又は右面にされている。
【0033】
ノブ16の上側部分内には、第2案内部材としての略矩形板状の上ライトガイド24(
図5の(A)及び(B)、
図7(A)参照)が固定されており、上ライトガイド24は、透明にされて、内部において光を案内可能にされている。上ライトガイド24の下面は、ノブ16の下側部分内に露出されており、上ライトガイド24の下面には、下ライトガイド22の上面が向けられている。上ライトガイド24の上面には、照射部としての略矩形板状の照射板24Aが一体に設けられており、照射板24Aは、上方に突出されると共に、左右方向に長尺にされている。照射板24Aは、ノブ16の露出孔16Aに嵌合されており、照射板24Aは、ノブ16の上側に露出されると共に、上面がノブ16の上面と面一にされている。
【0034】
レバー本体18の下側には、設置体としての回路基板26(
図3及び
図7(A)参照)が設けられており、回路基板26は、上下方向に垂直に配置されると共に、プレート12内の下部に固定されている。
【0035】
回路基板26の上面には、下ライトガイド22の下側において、放出部としてのLED28が複数設けられており、複数のLED28は、前後方向に間隔をあけて配置されている。LED28は、回路基板26を介して、車両の制御装置30に電気的に接続されており、LED28は、制御装置30の制御により、光を上方へ向けて出射(放出)する。
【0036】
本実施形態では、4個のLED28(前側から後側へ向けて順に第1LED28A、第2LED28B、第3LED28C、第4LED28Dとする)が設けられている。第1LED28Aと第2LED28Bとの前後方向の間隔と第3LED28Cと第4LED28Dとの前後方向の間隔とは、同一にされており、第1LED28Aと第2LED28Bとの前後方向の間隔及び第3LED28Cと第4LED28Dとの前後方向の間隔は、第2LED28Bと第3LED28Cとの前後方向の間隔に比し小さくされている。第2LED28B及び第3LED28Cは、下ライトガイド22の入射面22Aと上下方向において対向されており、レバー14がH位置から回動される際には、入射面22Aの第1LED28A又は第4LED28Dとの上下方向における部分的な対向が開始されると同時に、入射面22Aの第3LED28C又は第2LED28Bとの上下方向における対向の部分的な終了が開始される。このため、レバー14が回動されても、入射面22Aが上下方向において対向されるLED28の数(面積)が維持される。
【0037】
レバー本体18の下端部には、下ライトガイド22の左側において、被検出部としての直方体状のマグネット32(
図3及び
図4参照)が設けられており。マグネット32は、レバー本体18内に固定されて、レバー14と一体に回動される。回路基板26の上面には、マグネット32の下方において、検出部としての磁気センサ34が設けられており、磁気センサ34は、マグネット32が発生する磁界の方向を検出して、マグネット32の回動位置を検出する。磁気センサ34は、回路基板26を介して、制御装置30に電気的に接続されており、制御装置30には、車両の変速機36(自動変速機)が電気的に接続されている。
【0038】
レバー14の右側には、付勢機構としての節度機構38(
図2及び
図4参照)が設けられている。
【0039】
レバー本体18の下端部には、下ライトガイド22の右側において、略有底円筒状の付勢筒38Aが一体に設けられており、付勢筒38Aは、軸方向が上下方向にされると共に、内部が下方に開放されている。付勢筒38Aは、レバー本体18から下方に突出されており、付勢筒38Aは、回路基板26を回動可能に貫通している。付勢筒38A内には、付勢部としての略円柱状の付勢ピン40が同軸上に嵌合されており、付勢ピン40の先端面(下面)は、凸状に湾曲されている。付勢ピン40の基端面(上面)と付勢筒38Aの底壁(上壁)との間には、付勢部材としてのコイルスプリング(図示省略)が同軸上に配置されており、コイルスプリングは、圧縮されて、付勢ピン40を下側に付勢している。付勢ピン40の下側には、ブロック状の付勢体42が設けられており、付勢体42は、プレート12内の下端部(回路基板26より下側)に固定されている。付勢体42には、被付勢部としての断面略V字状の付勢面42A(
図7(A)参照)が形成されており、付勢面42Aは、中央部(前後方向中央部)から両端部(前後方向両端部)へ向かうに従い上側へ向かう方向に傾斜されている。
【0040】
付勢ピン40の先端面は、コイルスプリングの付勢力により付勢面42Aに当接されて付勢面42Aの中央部側に付勢されており、これにより、レバー14が、H位置側に付勢されて、H位置に保持されている。レバー14がH位置から回動される際には、付勢ピン40の先端面がコイルスプリングの付勢力に抗して付勢面42Aの中央部から端部側に移動されて、レバー14に回動抗力が作用される。レバー14がH位置から回動された際に、レバー14への回動力の作用が解除された場合には、付勢ピン40の先端面がコイルスプリングの付勢力により付勢面42Aの端部側から中央部に移動されて、レバー14がH位置に回動(復帰)される。
【0041】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0042】
以上の構成のシフト装置10では、レバー14がH位置から前側及び後側に回動操作されて、それぞれレバー14がR位置及びD位置に配置される。そして、磁気センサ34がレバー14におけるマグネット32の回動位置を検出して、レバー14の回動位置ひいてはシフト位置が検出される。このため、レバー14がR位置及びD位置に配置された際には、それぞれ、制御装置30の制御により、変速機36のシフトレンジがRレンジ(リバースレンジ)及びDレンジ(ドライブレンジ)に変更される。また、節度機構38において、付勢ピン40の先端面がコイルスプリングの付勢力により付勢体42の付勢面42Aに当接されて、レバー14がH位置側に付勢されている。
【0043】
ところで、レバー14に下ライトガイド22及び上ライトガイド24が設けられており、LED28が光を上方へ向けて出射すると共に、下ライトガイド22の入射面22Aに当該光が入射する。このため、下ライトガイド22が、当該光を、側面において反射しつつ上側に案内して、上面から出射する。さらに、上ライトガイド24の下面に下ライトガイド22の上面からの光が入射することで、上ライトガイド24が、当該光を、側面において反射しつつ上側に案内して、照射板24Aの上面からレバー14の上側(ノブ16の上側)に照射する。これにより、レバー14の上面(ノブ16の上面)が照明される。
【0044】
ここで、LED28と磁気センサ34とが同一の回路基板26に設けられている。このため、LED28と磁気センサ34とが別々の回路基板に設けられる場合とは異なり、部品点数を低減できる。しかも、レバー14の上面を照明するためにレバー14にLED28を設ける必要がなく、レバー14にハーネスを配線する必要性を低くできて、組付性を向上できる。
【0045】
さらに、レバー14が回動される際には、下ライトガイド22の入射面22Aに上下方向において対向されるLED28の数が維持される。このため、入射面22Aに入射される光の量が変動することを抑制でき、下ライトガイド22及び上ライトガイド24が案内する光の量が変動することを抑制できて、レバー14の上側に照射される光の量が変動することを抑制できる。
【0046】
また、下ライトガイド22の中間部と上部との間が前後方向における曲部にされており、下ライトガイド22の中間部と上部との間の部分の前面及び後面が湾曲面22Bにされている。このため、下ライトガイド22が案内する光の湾曲面22Bへの入射角を大きくできて、下ライトガイド22が案内する光が下ライトガイド22の曲部において漏洩することを抑制でき、レバー14の上側に照射される光の量が減少することを抑制できる。
【0047】
さらに、下ライトガイド22の下圧入柱22Fのスリット22Gが下圧入柱22Fの下ライトガイド22との接続面積を減少させている。このため、下ライトガイド22が案内する光が下圧入柱22Fに侵入して漏洩することを抑制でき、レバー14の上側に照射される光の量が減少することを抑制できる。
【0048】
また、下ライトガイド22の左側にマグネット32及び磁気センサ34が配置されており、下ライトガイド22の左側において、磁気センサ34がマグネット32の回動位置を検出して、レバー14の回動位置が検出される。このため、レバー14の光を案内する部分と回動位置を検出する部分とを分けることができ、レバー14の光を案内する部分と回動位置を検出する部分とを適切に配置できる。
【0049】
さらに、下ライトガイド22の右側に節度機構38が配置されており、下ライトガイド22の右側において、節度機構38がレバー14をH位置側に付勢する。このため、レバー14の光を案内する部分とH位置側に付勢する部分とを分けることができ、レバー14の光を案内する部分とH位置側に付勢する部分とを適切に配置できる。
【0050】
なお、本実施形態では、下ライトガイド22の下圧入柱22F(突出部)がレバー14に圧入されて位置決めされる。しかしながら、下ライトガイド22の突出部が、例えば係止爪にされることで、レバー14に係止されて取付けられてもよい。
【0051】
また、本実施形態では、レバー14が回動される。しかしながら、レバー14がスライド(移動)されてもよい。
【0052】
さらに、本実施形態では、シフト装置10が車両のコンソールに設置される。しかしながら、シフト装置10が車両の他の部分(インストルメントパネル又はステアリングコラム等)に設置されてもよい。
【符号の説明】
【0053】
10・・・シフト装置、14・・・レバー(シフト体)、22・・・下ライトガイド(案内部材)、22A・・・入射面、22F・・・下圧入柱(突出部)、22G・・・スリット(検出部)、26・・・回路基板(設置体)、28・・・LED(放出部)、34・・・磁気センサ(検出部)、38・・・節度機構(付勢機構)