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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179221
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】電極体および電極体を生産する方法
(51)【国際特許分類】
   H01B 5/14 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
H01B5/14 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097893
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000219749
【氏名又は名称】株式会社TISM
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】弁理士法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伏見 明彦
【テーマコード(参考)】
5G307
【Fターム(参考)】
5G307GA08
5G307GB02
5G307GC02
(57)【要約】
【課題】導電糸それ自体の電気抵抗に依存することなく、電極体自体の電気抵抗を低減させる。
【解決手段】絶縁性のシート材90の裏面90A(一面)上に縫われた下糸10A(導電糸)によって裏面90A上に設けられる電極体10は、下糸10Aによって構成され、かつ、裏面90A上にて接触端子としての機能を発揮する線状要素11を複数本備える。複数本の線状要素11のうち少なくとも2本は、これら線状要素11が互いに接触して導通する導通部分11Aと、これら線状要素11の間での導通が制限される非導通部分11Bと、を有している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁性のシート材の一面上に縫われた導電糸によって前記一面上に設けられる電極体であって、
前記導電糸によって構成され、かつ、前記一面上にて接触端子としての機能を発揮する線状要素を複数本備え、
複数本の前記線状要素のうち少なくとも2本は、これら前記線状要素が互いに接触して導通する導通部分と、これら前記線状要素の間での導通が制限される非導通部分と、を有している、
電極体。
【請求項2】
請求項1に記載された電極体であって、
複数本の前記線状要素は、互いに並行して延びる前記線状要素である第1線状要素と第2線状要素とを含み、
前記導通部分は、前記第1線状要素と前記第2線状要素とが互いに接触して導通する部分であり、
前記非導通部分は、前記第1線状要素と前記第2線状要素とが互いに離間された部分である、
電極体。
【請求項3】
請求項2に記載された電極体であって、
前記第1線状要素と前記第2線状要素とが、前記導電糸の縫いの方向転換部を挟んでひとつながりとされている、
電極体。
【請求項4】
請求項2に記載された電極体であって、
前記第1線状要素および前記第2線状要素は、パーフェクトの態様の糸目とヒッチの態様の糸目とが混在して形成されている前記導電糸の配線パターンである、電極体。
電極体。
【請求項5】
請求項2に記載された電極体であって、
前記第1線状要素は、パーフェクトの態様の糸目が形成されている前記導電糸の配線パターンであり、
前記第2線状要素は、ヒッチの態様の糸目が形成されている前記導電糸の配線パターンである、
電極体。
【請求項6】
請求項2ないし請求項5のうちのいずれか1項に記載された電極体であって、
前記第1線状要素と前記第2線状要素とが、タタミ縫いの少なくとも一部分を構成している、
電極体。
【請求項7】
請求項3に記載された電極体であって、
前記第1線状要素および前記第2線状要素が、それぞれ前記導電糸の線状の配線パターンにおけるステッチであり、
前記第2線状要素のステッチの長さが、前記第1線状要素のステッチの長さよりも短い、
電極体。
【請求項8】
請求項1または請求項2に記載された電極体であって、
環縫いの配線パターンにおいて折り返し形状をなすステッチの1つ1つから、それぞれ複数本の前記線状要素が構成されている、
電極体。
【請求項9】
絶縁性のシート材の一面上に導電糸を縫い付けることによって前記一面上に電極体を設ける、電極体を生産する方法であって、
前記導電糸を前記一面上に縫い付けて、接触端子としての機能を発揮する線状要素を複数本構成する縫い付けステップを備え、
前記縫い付けステップは、少なくとも2本の前記線状要素が互いに接触して導通する導通部分と、これら前記線状要素の間での導通が制限される非導通部分と、が設けられるように、前記線状要素を複数本構成するステップである、
電極体を生産する方法。
【請求項10】
請求項9に記載された電極体を生産する方法であって、
複数本の前記線状要素は、互いに並行して延びる前記線状要素である第1線状要素と第2線状要素とを含み、
前記縫い付けステップは、
直線状に設定された第1縫い線に沿って前記導電糸を縫い付けることで前記第1線状要素を構成する第1線状要素構成ステップと、
前記第1縫い線と平行な直線状に設定された第2縫い線に沿って前記導電糸を縫い付けることで第2線状要素を構成する第2線状要素構成ステップと、を有し、
前記導通部分は、前記第1線状要素のステッチにおける前記第1縫い線からのずれ、および、前記第2線状要素のステッチにおける前記第2縫い線からのずれの少なくとも一方によって生じる、前記第1線状要素と前記第2線状要素とが互いに接触して導通する部分であり、
前記非導通部分は、前記第1線状要素と前記第2線状要素とが互いに離間している部分である、
電極体を生産する方法。
【請求項11】
請求項10に記載された電極体を生産する方法であって、
前記第1線状要素構成ステップにおいて、前記導電糸を前記一面上の面内方向における一方側から他方側に縫い付けていくことで前記第1線状要素を構成し、
前記第2線状要素構成ステップにおいて、前記導電糸を前記他方側から前記一方側に縫い付けていくことで前記第2線状要素を構成し、
前記縫い付けステップは、前記面内方向にて前記導電糸を縫い付けていく向きを転換する方向転換ステップをさらに有し、
前記第1線状要素構成ステップおよび前記第2線状要素構成ステップは、前記方向転換ステップを挟んで連続して行われる、
電極体を生産する方法。
【請求項12】
請求項10または請求項11に記載された電極体を生産する方法であって、
前記第1線状要素構成ステップおよび前記第2線状要素構成ステップにおいて、パーフェクトの態様の糸目とヒッチの態様の糸目とが混在して形成されるように、前記導電糸を縫い付ける、
電極体を生産する方法。
【請求項13】
請求項10または請求項11に記載された電極体を生産する方法であって、
前記第1線状要素構成ステップにおいて、前記導電糸をパーフェクトの態様の糸目が形成されるように縫い付け、
前記第2線状要素構成ステップにおいて、前記導電糸をヒッチの態様の糸目が形成されるように縫い付ける、
電極体を生産する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、絶縁性のシート材に縫われた導電糸によって設けられる電極体、および、この電極体を生産する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載のとおり、銀メッキを施した複数の糸を撚った導電糸を絶縁性のシート材における一面上に刺しゅうすることで作製される電極体が知られている。このような電極体は、例えば特許文献2に記載されているような公知のミシンを用いて作製することが可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-094280号公報
【特許文献2】特開2006-094918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、電極体に対しては、電極体それ自体の電気抵抗を低減させたいというニーズが考えられる。これに対し、一般的な導電糸よりも電気抵抗が小さい種類の導電糸を採用することで、電極体それ自体の電気抵抗を低減させることが可能である。しかしながら、電気抵抗が小さい種類の導電糸は、一般的な導電糸と比較して高価であり、このような導電糸を採用すると、電極体の作製コストの上昇につながる、という課題がある。
【0005】
本開示は、導電糸それ自体の電気抵抗に依存することなく、電極体自体の電気抵抗を低減させることを可能とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示における1つの側面によると、絶縁性のシート材の一面上に縫われた導電糸によって一面上に設けられる電極体が提供される。この電極体は、導電糸によって構成され、かつ、上記一面上にて接触端子としての機能を発揮する線状要素を複数本備える。複数本の線状要素のうち少なくとも2本は、これら線状要素が互いに接触して導通する導通部分と、これら線状要素の間での導通が制限される非導通部分と、を有している。
【0007】
上記のような構成の電極体によれば、線状要素が並列接続された状態を実現することができ、ひいては、導電糸それ自体の電気抵抗に依存することなく、電極体自体の電気抵抗を低減させることができる。
【0008】
ある実施形態において、複数本の線状要素は、互いに並行して延びる線状要素である第1線状要素と第2線状要素とを含む。上記導通部分は、第1線状要素と第2線状要素とが互いに接触して導通する部分である。上記非導通部分は、第1線状要素と第2線状要素とが互いに離間された部分である。
【0009】
この実施形態によれば、互いに並行して延びる線状要素である第1線状要素および第2線状要素に、互いが接触して導通する部分と互いが離間された部分とが設けられている。このような構成によれば、他の導電部材や絶縁部材等を介さなくとも、複数本の線状要素を並列接続された状態とすることができる。
【0010】
ある実施形態においては、第1線状要素と第2線状要素とが、導電糸の縫いの方向転換部を挟んでひとつながりとされている。
【0011】
この実施形態によれば、第1線状要素と第2線状要素とを、導電糸の縫いの方向転換部を挟んで連続して縫い付けることで、電極体の生産効率を向上させることができる。
【0012】
ある実施形態において、第1線状要素および第2線状要素は、パーフェクトの態様の糸目とヒッチの態様の糸目とが混在して形成されている導電糸の配線パターンである。
【0013】
この実施形態において、第1線状要素および第2線状要素は、パーフェクトの態様の糸目とヒッチの態様の糸目とが混在するように形成される。このような構成によれば、糸目がパーフェクトの態様である場合に形成されるステッチ同士が隣り合う部分と、糸目がヒッチの態様である場合に形成されるステッチ同士が隣り合う部分とがそれぞれ生じて、電極体における複数のステッチの配列が不規則な形態になりやすくなる。
【0014】
ここで、糸目がヒッチの態様である場合、ステッチにはたわみやゆるみが生じやすく、第1縫い線または第2縫い線からのずれが生じやすい。このため、糸目がヒッチの態様である場合に形成されるステッチ同士が隣り合う部分においては、ステッチ同士が接触しやすく、第1線状要素と第2線状要素とが互いに接触して導通する部分である導通部分を生じやすい。一方、糸目がパーフェクトの態様である場合、ステッチにはたわみやゆるみが生じにくく、第1縫い線または第2縫い線からのずれが生じにくい。このため、糸目がパーフェクトの態様である場合に形成されるステッチ同士が隣り合う部分においては、ステッチ同士は接触しにくい。なお、ステッチ同士が離間している部分が非導通部分となる。
【0015】
このような特徴があるため、上記の実施形態によれば、電極体における複数のステッチの配列を上記「不規則な形態」にすることで、電極体内に導通部分と非導通部分との双方を容易に設けることができる。
【0016】
ある実施形態において、第1線状要素は、パーフェクトの態様の糸目が形成されている導電糸の配線パターンである。第2線状要素は、ヒッチの態様の糸目が形成されている導電糸の配線パターンである。
【0017】
縫い付けられる配線パターンの糸目には、パーフェクトの態様の糸目とヒッチの態様の糸目とがある。糸目の間をつなぐ糸であるステッチを比較すると、糸目がヒッチの態様である場合のステッチは、糸目がパーフェクトの態様である場合のステッチよりも糸締りが悪く、たわみやゆるみが生じやすい、という特徴がある。ステッチにたわみやゆるみが生じることで、ステッチが縫い線からずれた状態に並列するため、ステッチ同士が接触しやすくなる。したがって、上記の実施形態によれば、導通部分が生じやすくされた電極体を提供することができる。
【0018】
ある実施形態においては、第1線状要素と第2線状要素とが、タタミ縫いの少なくとも一部分を構成している。
【0019】
本開示において、「タタミ縫い」とは、「ランニング」の縫い方による配線パターンが往復配置され、これら配線パターンが所定の面領域を占めるように構成された面状の縫いのことをいう。「ランニング」の縫い方は、糸がシート材に固定される糸目を多数形成しながら配線パターンの縫い進めを行う縫い方である。このため、「タタミ縫い」には、例えば「サテン縫い」などの、別種の面状の縫いと比して、縫い内に形成される糸目の数が多いという特徴がある。なお、「タタミ縫い」それ自体は、従前公知のものである。「タタミ縫い」を施す際には、パーフェクトの態様の糸目が形成される向きでの縫い進めと、ヒッチの態様の糸目が形成される向きでの縫い進めとが、縫い進めの向きの方向転換を挟んで交互に繰り返し実行される。この繰り返しは、上糸および下糸を切断する糸切りを挟むことなく実行される。
【0020】
上記の実施形態では、従前公知の「サテン縫い」よりも、ステッチの数が多く、ステッチ同士がより多数の箇所で接触した電極体が提供される。すなわち、上記の実施形態によれば、線状要素が互いに接触して導通する導通部分の数を多くした電極体を提供することができる。
【0021】
ある実施形態においては、第1線状要素および第2線状要素が、それぞれ導電糸の線状の配線パターンにおけるステッチであり、第2線状要素のステッチの長さが、第1線状要素のステッチの長さよりも短い。
【0022】
導電糸をシート材に縫い付けて線状の配線パターンを形成する縫い方の中には、一方向にステッチを形成した後、長さの違う別のステッチを逆方向に形成する縫い方が存在する。このような縫い方としては、例えば「ダイヤモンド」の縫い方(本縫いの刺しゅうミシンで「クロス縫い」を縫う際の縫い方)や、「ビーン」の縫い方(「三重縫い」の縫い方)などを挙げることができる。上記の実施形態によれば、一方向にステッチを形成した後、長さの違う別のステッチを逆方向に形成する縫い方で導電糸をシート材に縫い付けることで、互いに並行して延びる第1線状要素および第2線状要素を含む配線パターンを、線状に設けることができる。
【0023】
ある実施形態においては、環縫いの配線パターンにおいて折り返し形状をなすステッチの1つ1つから、それぞれ複数本の線状要素が構成されている。
【0024】
環縫いの配線パターンは、少なくともシート材の片面に、縫い糸が折り返された折り返し形状をなすステッチを備える。上記の実施形態によれば、環縫いの縫い方で導電糸をシート材に縫い付けることで、そのステッチの1つ1つから、互いに並行して延びる複数本の線状要素を構成することができる。
【0025】
本開示におけるもう1つの側面によると、絶縁性のシート材の一面上に導電糸を縫い付けることによって一面上に電極体を設ける、電極体を生産する方法が提供される。この電極体を生産する方法は、導電糸を上記一面上に縫い付けて、接触端子としての機能を発揮する線状要素を複数本構成する縫い付けステップを備える。この縫い付けステップは、少なくとも2本の線状要素が互いに接触して導通する導通部分と、これら線状要素の間での導通が制限される非導通部分と、が設けられるように、線状要素を複数本構成するステップである。
【0026】
本開示の電極体を生産する方法により生産される電極体は、導電糸によって構成され、かつ、シート材の一面上にて接触端子としての機能を発揮する線状要素を複数本備える。この電極体において、少なくとも2本の線状要素は、これら線状要素が互いに接触して導通する導通部分と、これら線状要素の間での導通が制限される非導通部分とを有する。したがって、上記の電極体を生産する方法によれば、電極体の線状要素が並列接続された構成を実現することができ、ひいては、導電糸それ自体の電気抵抗に依存することなく、電極体自体の電気抵抗を低減させることができる。
【0027】
ある実施形態では、複数本の線状要素は、互いに並行して延びる線状要素である第1線状要素と第2線状要素とを含む。縫い付けステップは、それぞれ後述する第1線状要素構成ステップと、第2線状要素構成ステップと、を有している。第1線状要素構成ステップは、直線状に設定された第1縫い線に沿って導電糸を縫い付けることで第1線状要素を構成するステップである。第2線状要素構成ステップは、第1縫い線と平行な直線状に設定された第2縫い線に沿って導電糸を縫い付けることで第2線状要素を構成するステップである。導通部分は、第1線状要素のステッチにおける第1縫い線からのずれ、および、第2線状要素のステッチにおける第2縫い線からのずれの少なくとも一方によって生じる、第1線状要素と第2線状要素とが互いに接触して導通する部分である。また、非導通部分は、第1線状要素と第2線状要素とが互いに離間している部分である。
【0028】
この実施形態によれば、縫い付けステップにおいて、互いに平行な第1縫い線および第2縫い線にあわせた導電糸の縫い付けにより、他の導電部材や絶縁部材等を介さなくとも、複数本の線状要素を並列接続された状態とすることができる。
【0029】
ある実施形態においては、第1線状要素構成ステップにおいて、導電糸を上記一面上の面内方向における一方側から他方側に縫い付けていくことで第1線状要素を構成する。また、第2線状要素構成ステップにおいて、導電糸を上記他方側から上記一方側に縫い付けていくことで第2線状要素を構成する。縫い付けステップは、上記面内方向にて導電糸を縫い付けていく向きを転換する方向転換ステップをさらに有する。また、第1線状要素構成ステップおよび第2線状要素構成ステップは、方向転換ステップを挟んで連続して行われる。
【0030】
この実施形態によれば、第1線状要素と第2線状要素とを、導電糸を縫い付ける向きの転換を挟んで連続して縫い付けることで、電極体の生産効率を向上させることができる。
【0031】
ある実施形態においては、第1線状要素構成ステップおよび第2線状要素構成ステップにおいて、パーフェクトの態様の糸目とヒッチの態様の糸目とが混在して形成されるように、導電糸を縫い付ける。
【0032】
この実施形態において、第1線状要素および第2線状要素は、パーフェクトの態様の糸目とヒッチの態様の糸目とが混在するように形成される。このような構成によれば、糸目がパーフェクトの態様である場合に形成されるステッチ同士が隣り合う部分と、糸目がヒッチの態様である場合に形成されるステッチ同士が隣り合う部分とがそれぞれ生じて、電極体における複数のステッチの配列が不規則な形態になりやすくなる。
【0033】
ここで、糸目がヒッチの態様である場合、ステッチにはたわみやゆるみが生じやすく、第1縫い線または第2縫い線からのずれが生じやすい。このため、糸目がヒッチの態様である場合に形成されるステッチ同士が隣り合う部分においては、ステッチ同士が接触しやすく、第1線状要素と第2線状要素とが互いに接触して導通する部分である導通部分を生じやすい。一方、糸目がパーフェクトの態様である場合、ステッチにはたわみやゆるみが生じにくく、第1縫い線または第2縫い線からのずれが生じにくい。このため、糸目がパーフェクトの態様である場合に形成されるステッチ同士が隣り合う部分においては、ステッチ同士は接触しにくい。なお、ステッチ同士が離間している部分が非導通部分となる。
【0034】
このような特徴があるため、上記の実施形態によれば、電極体における複数のステッチの配列を上記「不規則な形態」にすることで、電極体内に導通部分と非導通部分との双方を容易に設けることができる。
【0035】
ある実施形態においては、第1線状要素構成ステップにおいて、導電糸をパーフェクトの態様の糸目が形成されるように縫い付ける。また、第2線状要素構成ステップにおいて、導電糸をヒッチの態様の糸目が形成されるように縫い付ける。
【0036】
縫い付けられる配線パターンの糸目には、パーフェクトの態様の糸目とヒッチの態様の糸目とがある。糸目の間をつなぐ糸であるステッチを比較すると、糸目がヒッチの態様である場合のステッチは、糸目がパーフェクトの態様である場合のステッチよりも糸締りが悪く、たわみやゆるみが生じやすい、という特徴がある。ステッチにたわみやゆるみが生じることで、ステッチが縫い線からずれた状態に並列するため、ステッチ同士が接触しやすくなる。そのため、上記の電極体を生産する方法によれば、電極体に導通部分を生じさせやすくすることができる。
【0037】
ある実施形態においては、シート材にタタミ縫いを施すことが可能な刺しゅうミシンを使用する。そして、縫い付けステップを、刺しゅうミシンによってシート材にタタミ縫いを施すステップとして実行する。
【0038】
この実施形態では、従前公知の「タタミ」の縫い方によって第1線状要素および第2線状要素が縫い付けられる。したがって、線状要素が互いに接触して導通する導通部分の数を多くした電極体を提供することができる。
【0039】
ある実施形態においては、上記導電糸を下糸として使用する刺しゅうミシンを用いる。そして、第1線状要素構成ステップおよび第2線状要素構成ステップにおいて、上記刺しゅうミシンのY方向に沿って導電糸の縫い付けを行う。
【0040】
この実施形態では、第1線状要素構成ステップおよび第2線状要素構成ステップのいずれかにおいて、導電糸としての下糸が+Y方向側に縫い付けられる。ここで、刺しゅうミシンを用いて+Y方向側に縫い進めると、過剰に下糸が繰り出されることになるため、ステッチにたわみやゆるみが生じやすくなる。その結果、隣り合う線状要素のステッチ同士を容易に接触させることができる。
【0041】
ある実施形態においては、縫い付けステップにおいて、一方向にステッチを形成した後、長さの違う別のステッチを逆方向に形成する縫い方で導電糸の縫い付けを行う。この場合、第1線状要素構成ステップを上記一方向へのステッチの形成によって実現させ、第2線状要素構成ステップを上記逆方向へのステッチの形成によって実現させる。
【0042】
この実施形態によれば、一方向にステッチを形成した後、長さの違う別のステッチを逆方向に形成する縫い方で導電糸をシート材に縫い付けることで、互いに並行して延びる第1線状要素および第2線状要素を含む配線パターンを、線状に設けることができる。
【0043】
ある実施形態においては、縫い付けステップにおいて、導電糸の縫い付けを環縫いの縫い方で行い、この環縫いの縫い方において折り返し形状に形成されるステッチの1つ1つから、線状要素を少なくとも2本ずつ構成する。
【0044】
上記の実施形態によれば、環縫いの縫い方で導電糸をシート材に縫い付けることで、そのステッチの1つ1つから、互いに並行して延びる複数本の線状要素を構成することができる。
【発明の効果】
【0045】
本開示によれば、導電糸それ自体の電気抵抗に依存することなく、電極体自体の電気抵抗を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】第1実施形態にかかる電極体を生産する方法によって生産された電極体を撮影した写真である。
図2図1の電極体における第1縫い線および第2縫い線を模式的に表した図である。
図3】電極体を生産する方法において使用される刺しゅうミシンにおける垂直がま周辺の構成を模式的に表した図である。
図4図3の刺しゅうミシンを使い、-Y方向、+X方向、+Y方向、-X方向の順にうずまき状の縫い付けを行った場合に、パーフェクトおよびヒッチの態様の糸目がどのように分布されるかの一例を表した図である。
図5】第2実施形態にかかる電極体を生産する方法によって生産された電極体を撮影した写真である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
[1.第1実施形態]
[1-1.第1実施形態の概要]
電極体に対しては、上述のように、電極体それ自体の電気抵抗を低減させたいというニーズが考えられる。ここで、導電線を複数本並列接続した場合、導電線が1本だけの場合よりも電気抵抗が低減することが知られている。
【0048】
特許文献1に記載されているような従来の電極体では、複数本の導電糸の列が平行に配列されている。そして、それぞれの列の一端にて、当該複数本の導電糸の配列方向に対して略直交方向に、他の導電糸が縫い付けられている。これによって当該複数本の導電糸同士は、他の導電糸を介して、互いに導通される。換言すれば、従来の電極体では、複数本の導電糸はその列の一端以外の場所では互いに導通しておらず、並列接続もされていない。
【0049】
そこで、導電糸同士が互いに接触する部分である導通部分を積極的に形成することで、電極体それ自体の電気抵抗を低減させることが考えられる。
【0050】
電極体に導通部分を形成する方法として、例えば「サテン」のような縫い方を用いて導電糸を縫い付け、すべての導電糸同士が接触導通されるようにすることが考えられる。しかしながら、このような方法で作製された電極体は、電極体の全体が1つの長い接触端子としてふるまうことで導電糸同士の並列接続による電気抵抗の低減を享受できないばかりか、電極体の長さが長くなることで、却って電極体それ自体の電気抵抗が大きくなってしまう可能性もある。したがって、電極体において導通部分のみを有するような構成は好ましくなく、導電糸同士が互いに離間され導通が制限される部分である非導通部分も存在するような構成が好ましい。
【0051】
そこで、本実施形態では、電極体への導電糸の縫い付けにあたり、種々に存在する縫い方の中から、「タタミ」の縫い方を採用した。すなわち、本実施形態では、刺しゅうミシンを用いて、「タタミ」の縫い方で糸を縫い付けた。「タタミ」の縫い方によって施される縫い(本開示では「タタミ縫い」とも称する。)は、「ランニング」の縫い方で糸を往復して縫い進めることで糸が列をなすように形成された配線パターンを有し、これら配線パターンが所定の面領域を占めるように構成された面状の縫いである。「ランニング」の縫い方は、糸がシート材に固定される糸目を多数形成しながら配線パターンの縫い進めを行う縫い方である。通常、「タタミ」の縫い方によって縫い付けをした場合、隣同士に配列された糸同士はわずかに離間する。そのため、「タタミ」の縫い方で導電糸を縫い付けた場合、導電糸によって形成される電極体は非導通部分が存在するような構成となる。
【0052】
また、本実施形態では、パーフェクトの態様の糸目とヒッチの態様の糸目の双方が混在して形成されるような縫い付け方法(縫い方)を採用した。ここで、縫い付けられる配線パターンの糸目には、パーフェクトの態様の糸目とヒッチの態様の糸目とがある。糸目の間をつなぐ糸であるステッチを比較すると、糸目がヒッチの態様である場合のステッチは、糸目がパーフェクトの態様である場合のステッチよりも糸締りが悪く、たわみやゆるみが生じやすい、という特徴がある。ステッチにたわみやゆるみが生じることで、ステッチが縫い線からずれた状態に並列するため、ステッチ同士が接触しやすくなる。そのため、当該縫い方で導電糸を縫い付けた場合、電極体には導通部分が生じやすくなる。
【0053】
したがって、本実施形態のように、「タタミ」の縫い方かつパーフェクトの態様の糸目とヒッチの態様の糸目の双方が混在して形成されるような縫い方で導電糸を縫い付けた電極体は、導通部分も非導通部分も存在するような電極体となりうる。
【0054】
なお、「サテン」の縫い方の場合には列の端部以外に糸目が形成されず、「タタミ」の縫い方の場合よりも形成される糸目の数、ひいてはステッチの数が少ない。そのため、「サテン」の縫い方において列間の間隔を開けかつパーフェクトの態様の糸目とヒッチの態様の糸目の双方が混在して形成されるような縫い方を採用するとしても、「タタミ」の縫い方の場合と比較して、ステッチ同士が接触しにくく、導通部分の数も少ないものと考えられる。
【0055】
このような特徴を基に、本実施形態では、電極体を、パーフェクトの態様の糸目とヒッチの態様の糸目の双方が混在して形成されている導電糸の列が複数並列しているような構成とし、当該電極体は、「タタミ」の縫い方で導電糸を絶縁性のシート材に縫い付けて作製される構成とする。
【0056】
[1-2.電極体10の構成]
図1に示す電極体10は、絶縁性のシート材90における一面(図1では裏面90A)上に縫われた導電糸(本実施形態では下糸10Aおよび上糸10B)によってこの一面上に設けられる電極体である。この電極体10は、例えば、静電容量式スイッチ等における検出用電極として使用することができるほか、機器同士を接続するコネクターや配線としても使用することができる。本実施形態においては、下糸10Aおよび上糸10Bは、例えばナイロン糸に銀メッキを施してなる導電糸であり、特に下糸10Aがシート材90における裏面90Aの側に表出されることで裏面90A上に電極体10を構成する。電極体10は刺しゅうミシン20を用いて作製されるが、後述のように、刺しゅうミシン20は、上糸10Bよりも下糸10Aがゆるみやすいという特徴を有している。糸目14の間をつなぐ糸であるステッチ14A(後述)がゆるみやすい下糸10Aに導電糸を用いることで、ステッチ14Aの導電糸同士が接触しやすくなる。
【0057】
電極体10は、導電糸によって構成される配線パターンである線状要素11を複数本備えている。本実施形態における線状要素11は、下糸10Aによって構成される配線パターンであり、これら線状要素11は、それぞれが、シート材90の裏面90Aにて接触端子としての機能を発揮する。
【0058】
電極体10は、その全体がタタミ縫いとして構成される。したがって、電極体10に備えられる複数本の線状要素11は、第1線状要素12と第2線状要素13とが各線状要素11の幅方向に交互に並ぶ構成となる。第1線状要素12および第2線状要素13は、下糸10Aおよび上糸10Bが絡み合う糸目14が複数形成される下糸10Aの配線パターンである。それぞれの糸目14の態様は、パーフェクトの態様であってもヒッチの態様であってもよく、また、それぞれの糸目14の場所によって異なる態様であってもよい。ただし、1つの電極体10においては、パーフェクトの態様の糸目とヒッチの態様の糸目とが混在しており、ヒッチの態様となっている糸目が複数存在する。また、第1線状要素12と第2線状要素13とは、下糸10Aの縫いの方向転換部11Cを挟んでひとつながりとされている。なお、本実施形態においては、第1線状要素12と第2線状要素13とが、タタミ縫いの一部分を構成している。ただし、第1線状要素12と第2線状要素13とがタタミ縫いの全体を構成するものとしてもよい。
【0059】
第1線状要素12および第2線状要素13は、図1に示すように、互いに並行して延びる線状要素11であり、これらが互いに接触して導通する導通部分11Aと、これらの間での導通が制限される非導通部分11Bとを有しているものである。導通部分11Aは、第1線状要素12と第2線状要素13とが互いに接触して導通する部分である。非導通部分11Bは、第1線状要素12と第2線状要素13とが互いに離間された部分である。なお、図1においては、導通部分11Aは、1つの電極体10において計22か所(図1で丸囲みした部分)に見られる。
【0060】
[1-3.刺しゅうミシン20の構成]
電極体10は、シート材90にタタミ縫いを施すことが可能な刺しゅうミシン20(図3参照)を使用して生産することができる。刺しゅうミシン20は、以下の特徴を備える刺しゅう用途のミシンであり、例えば、従来公知のミシンであってもよい。
【0061】
刺しゅうミシン20は、本縫いが可能なミシン、すなわち、間隔を開けて糸目14を形成しながら縫い進め可能なミシンである。また、刺しゅうミシン20は、従来公知のミシンと同様に、X方向およびY方向に縫い進めることが可能である。刺しゅうミシン20においては、その機構上、シート材90に縫い進めると、下糸10Aがシート材90の内部に入り込むことがなく、かつこの下糸10Aの側に糸目14の交絡点(図1では上糸10Bが見えている部分)が露出された状態に形成される。
【0062】
刺しゅうミシン20は、図3に示すように、垂直がま20Aに収納されたボビン(図示省略)から下糸10Aを繰り出して供給するミシンである。垂直がま20Aの外がま20Dは、Y方向に沿って延びる仮想的な回転軸20Cのまわりに回転可能に配設されている。外がま20Dには回転方向に対して傾斜した形状のヒレ20Bが形成され、ボビンから繰り出された下糸10Aを、当該ヒレ20Bが傾斜した方向、すなわち-Y方向側(図3における右側)に押し出している。
【0063】
下糸10Aが-Y方向側に押し出されているため、下糸10Aが-Y方向側に向かって縫い進められる場合と、+Y方向側に向かって縫い進められる場合とで、下糸10Aの繰り出される長さが異なる。具体的には、下糸10Aが+Y方向側に向かって縫い進められる場合の下糸10A(図3の想像線を参照)は、下糸10Aが-Y方向側に向かって縫い進められる場合の下糸10A(図3の実線を参照)よりも長さが長い。このように、下糸10Aを+Y方向側に向かって縫い進める場合、過剰に下糸10Aが繰り出されることになるため、下糸10Aにたわみが生じやすい。なお、下糸10Aが+Y方向側に向かって縫い進められる場合とは、シート材90が-Y方向から+Y方向に向かって動く場合であり、すなわち、裏面90Aにおいては+Y方向から-Y方向に向かって下糸10Aを縫い付ける場合である。
【0064】
このように、刺しゅうミシン20を用いてY方向に沿って縫い付けると、ステッチ14Aにたわみやゆるみが生じやすく、ステッチ14Aの導電糸同士が接触しやすくなる。一方で、X方向に沿って縫い付ける場合には、このようなたわみやゆるみは生じにくい。
【0065】
また、刺しゅうミシン20を用いて下糸10Aを縫い進めた場合、縫い進める方向によって形成される糸目の態様が異なる。図4は、刺しゅうミシン20を用いて、-Y方向、+X方向、+Y方向、-X方向の順にうずまき状の縫い付けを行った場合に、パーフェクトおよびヒッチの態様の糸目がどのように分布されるかの一例を表した図である。図4において、黒のグリッドは、その場所に形成された糸目がパーフェクトの態様であることを示す。また、グレーのグリッドは、その場所に形成された糸目がヒッチの態様であることを示す。図4より、刺しゅうミシン20を用いて+X方向に縫い進めた場合には、形成される糸目の態様のほとんどがパーフェクトであり、-X方向に縫い進めた場合には、形成される糸目の態様のほとんどがヒッチであることがわかる。一方、+Y方向または-Y方向に縫い進めた場合、パーフェクトの態様の糸目とヒッチの態様の糸目との両方が混在して形成されることがわかる。
【0066】
このように、刺しゅうミシン20を用いて下糸10Aを縫い進めた場合、+X方向に縫い進められた下糸10Aの糸目は、そのほとんどがパーフェクトの態様の糸目であり、-X方向に縫い進められた下糸10Aの糸目は、そのほとんどがヒッチの態様の糸目である。一方、+Y方向または-Y方向に縫い進められた下糸10Aの糸目は、パーフェクトの態様の糸目とヒッチの態様の糸目とが混在しやすくなる。
【0067】
[1-4.電極体10を生産する方法]
続いて、電極体10を生産する方法(以下、単に「第1方法」とも記載する。)について説明する。電極体10は、絶縁性のシート材90の裏面90A上に下糸10Aを縫い付けることによって、裏面90A上に設けられる。第1方法では、まずは、針落ち点を結ぶ直線状の線である縫い線を複数本、シート材90の裏面90A上に設定する。その後、設定された縫い線に沿って下糸10Aをシート材90の裏面90A上に縫い付けて、接触端子としての機能を発揮する線状要素11を複数本構成する縫い付けステップを実行する。
【0068】
縫い線は、縫い付けステップで下糸10Aを縫い付ける際の針落ち点同士を結ぶ直線状の線である。縫い線は、第1縫い線12Cと、第1縫い線12Cに平行な第2縫い線13Cとを含む。図2に記載のとおり、本実施形態では、第1縫い線12Cおよび第2縫い線13Cは交互に配列されるように設定される。また、本実施形態では、下糸10AをY方向に沿って縫い付けるため、第1縫い線12Cおよび第2縫い線13Cも刺しゅうミシン20のY方向に沿って設定される。
【0069】
続いて、縫い付けステップについて説明する。縫い付けステップは、刺しゅうミシン20によってシート材90にタタミ縫いを施すステップである。本実施形態では、縫い付けステップは、第1線状要素構成ステップと、第2線状要素構成ステップと、方向転換ステップと、を含む。
【0070】
第1線状要素構成ステップは、第1縫い線12Cに沿って下糸10Aを裏面90A上の面内方向における一方側から他方側に縫い付けていくことで第1線状要素12を構成するステップである。第2線状要素構成ステップは、第2縫い線13Cに沿って下糸10Aを上記他方側から上記一方側に縫い付けていくことで第2線状要素13を構成するステップである。方向転換ステップは、上記面内方向にて下糸10Aを縫い付けていく向きを転換し、方向転換部11Cを構成するステップである。すなわち、第1線状要素12および第2線状要素13は、Y方向に沿って縫い付けられ、方向転換部11Cは、第1線状要素12および第2線状要素13を接続するように、縫い付けられる。
【0071】
また、第1方法の縫い付けステップでは、第1線状要素構成ステップおよび第2線状要素構成ステップは、方向転換ステップを挟んで連続して実行される。すなわち、縫い付けステップでは、例えば第1線状要素構成ステップ、方向転換ステップ、第2線状要素構成ステップ、方向転換ステップ、第1線状要素構成ステップ……という順で各ステップが連続して実行される。これにより、第1線状要素12と第2線状要素13とが方向転換部11Cを挟んでひとつながりの形状に構成される。このようにして、縫い付けステップにおいては、互いに並行して延びる線状要素11である第1線状要素12と第2線状要素13とを含む複数本の線状要素11が構成される。
【0072】
刺しゅうミシン20を用いて下糸10Aを縫い進めた場合、上述もしたように、+Y方向または-Y方向に縫い進められた下糸10Aの糸目は、パーフェクトの態様の糸目とヒッチの態様の糸目とが混在しやすくなる。したがって、第1線状要素構成ステップおよび第2線状要素構成ステップは、パーフェクトの態様の糸目とヒッチの態様の糸目とが混在して形成されるように、下糸10Aを縫い付けていくステップであるということができる。
【0073】
ここで、下糸10Aの縫い付けを直線状の縫い線にあわせて行ったとしても、下糸10Aが完全な直線に縫い付けられるとは限らない。このため、第1線状要素構成ステップにおいては、ステッチ14Aの第1縫い線12C(図1では図示せず)からのずれが生じる。また、第2線状要素構成ステップにおいては、ステッチ14Aの第2縫い線13C(図1では図示せず)からのずれが生じる。これらのずれの一方または両方は、第1線状要素12と第2線状要素13とが互いに接触して導通する部分を生じさせ、これを導通部分11Aとして構成する。また、上記導通部分11Aとして構成されなかった部分は、第1線状要素12と第2線状要素13とが互いに離間されて絶縁された部分であり、これが電極体10においては非導通部分11Bとなる。これにより、第1線状要素12および第2線状要素13には、これらが互いに接触して導通する導通部分11Aと、これらの間での導通が制限される非導通部分11Bとが設けられる。
【0074】
なお、本実施形態においては、図2に示すように、「一方側」が-Y方向の側とされ、「他方側」が+Y方向の側とされている。しかしながら、第1線状要素構成ステップおよび第2線状要素構成ステップにおいては、「一方側」を+Y方向の側とし、「他方側」を-Y方向の側としてもよい。
【0075】
[1-5.第1実施形態の効果]
上述した電極体10は、導電糸である下糸10Aによって構成され、かつ、シート材90の一面上にて接触端子としての機能を発揮する線状要素11を複数本備える。また、電極体10において、少なくとも2本の線状要素11は、これら線状要素11が互いに接触して導通する導通部分11Aと、これら線状要素11の間での導通が制限される非導通部分11Bとを有する。
【0076】
上記のような構成の電極体10によれば、線状要素11が並列接続された状態を実現することができ、ひいては、下糸10Aそれ自体の電気抵抗に依存することなく、電極体10自体の電気抵抗を低減させることができる。
【0077】
さらに、電極体10によれば、互いに並行して延びる線状要素11である第1線状要素12および第2線状要素13に、互いが接触して導通する部分と互いが離間された部分とが設けられている。このような構成によれば、他の導電部材や絶縁部材等を介さなくとも、複数本の線状要素11を並列接続された状態とすることができる。
【0078】
さらに、電極体10において、第1線状要素12および第2線状要素13は、パーフェクトの態様の糸目とヒッチの態様の糸目とが混在するように構成される。このような構成によれば、糸目14がパーフェクトの態様である場合に形成されるステッチ14A同士が隣り合う部分と、糸目14がヒッチの態様である場合に形成されるステッチ14A同士が隣り合う部分とがそれぞれ生じて、電極体10における複数のステッチ14Aの配列が不規則な形態になりやすくなる。
【0079】
ここで、糸目14がヒッチの態様である場合、ステッチ14Aにはたわみやゆるみが生じやすく、第1縫い線12Cまたは第2縫い線13Cからのずれが生じやすい。このため、糸目14がヒッチの態様である場合に形成されるステッチ14A同士が隣り合う部分においては、ステッチ14A同士が接触しやすく、第1線状要素12と第2線状要素13とが互いに接触して導通する部分である導通部分11Aを生じやすい。一方、糸目14がパーフェクトの態様である場合、ステッチ14Aにはたわみやゆるみが生じにくく、第1縫い線12Cまたは第2縫い線13Cからのずれが生じにくい。このため、糸目14がパーフェクトの態様である場合に形成されるステッチ14A同士が隣り合う部分においては、ステッチ14A同士は接触しにくい。なお、ステッチ14A同士が離間している部分が非導通部分11Bとなる。
【0080】
このような特徴があるため、上記第1実施形態によれば、電極体10における複数のステッチ14Aの配列を上記「不規則な形態」にすることで、電極体10内に導通部分11Aと非導通部分11Bとの双方を容易に設けることができる。
【0081】
さらに、上記第1実施形態では、従前公知の「タタミ」の縫い方によって第1線状要素12および第2線状要素13が縫い付けられる。ここで、「サテン」のような縫い方で導電糸を縫い付けた電極体(図示せず)においては、縫い付けられた導電糸も略平行の列をなすため、導電糸同士を接触させることが比較的困難である。一方で、「タタミ」の縫い方で導電糸を縫い付けたタタミ縫いであれば、縫い付けられた導電糸が縫い線からずれうるため、導電糸同士を接触させることが比較的容易である。また、タタミ縫いは、「サテン」の縫い方で導電糸を縫い付けたサテン縫いよりも、形成される糸目の数が多い。すなわち、タタミ縫いはサテン縫いよりも、ステッチの数が多く、ステッチ同士の接触も容易となる。したがって、上記第1実施形態によれば、線状要素11が互いに接触して導通する導通部分11Aの数を多くした電極体10を提供することができる。
【0082】
さらに、上記第1実施形態では、第1線状要素12および第2線状要素13はY方向に沿って縫い付けられる。ここで、刺しゅうミシン20を用いて+Y方向側に縫い進めると、過剰に下糸10Aが繰り出されることになるため、ステッチ14Aにたわみやゆるみが生じやすくなる。その結果、隣り合う線状要素11のステッチ14A同士を容易に接触させることができる。
【0083】
上述した第1方法によれば、電極体10の線状要素11が並列接続された状態を実現することができ、ひいては、下糸10Aそれ自体の電気抵抗に依存することなく、電極体10自体の電気抵抗を低減させることができる。
【0084】
さらに、第1方法によれば、縫い付けステップにおいて、互いに平行な第1縫い線12Cおよび第2縫い線13Cにあわせた下糸10Aの縫い付けにより、他の導電部材や絶縁部材等を介さなくとも、複数本の線状要素11を並列接続された状態とすることができる。
【0085】
さらに、第1方法によれば、第1線状要素12と第2線状要素13とを、下糸10Aを縫い付ける向きの転換を挟んで連続して縫い付けることで、電極体10の生産効率を向上させることができる。
【0086】
さらに、第1方法によれば、従前公知の「タタミ」の縫い方によって第1線状要素12および第2線状要素13が縫い付けられる。したがって、線状要素11が互いに接触して導通する導通部分11Aの数を多くした電極体10を提供することができる。
【0087】
さらに、第1方法によれば、第1線状要素構成ステップおよび第2線状要素構成ステップにおいて、ヒッチの態様の糸目とパーフェクトの態様の糸目とが混在するように構成される。したがって、第1方法によれば、電極体10における複数のステッチ14Aの配列を上述した「不規則な形態」にすることで、電極体10内に導通部分11Aと非導通部分11Bとの双方を容易に設けることができる。
【0088】
さらに、第1方法によれば、第1線状要素構成ステップにおいては、下糸10Aは-Y方向側(一方側)に向かって縫い進められ、第2線状要素ステップにおいては、下糸10Aは+Y方向側(他方側)に向かって縫い進められる。また、第1方法によれば、下糸10Aはヒレ20Bによって-Y方向側(一方側)に押し出される。つまり、第1線状要素構成ステップにおいては、下糸10Aが縫い進められる向きと押し出される向きとが同じ方向であるのに対し、第2線状要素ステップにおいては、下糸10Aが縫い進められる向きと押し出される向きとが反対方向である。このことは、第1線状要素構成ステップと第2線状要素構成ステップとの間における下糸10Aの繰り出し長さに差を生じさせる。この差は、第1線状要素構成ステップにおいて下糸10Aのたわみやゆるみを生じさせやすくする。したがって、第1方法によれば、隣り合う線状要素11のステッチ14A同士を容易に接触させることができる。
【0089】
[2.第2実施形態]
続いて、本開示の第2実施形態にかかる電極体を生産する方法(以下、単に「第2方法」とも記載する。)について説明する。第2方法は、第1方法において、第1線状要素構成ステップおよび第2線状要素構成ステップにおける縫い付けの向きを変更した実施形態である。具体的には、第2方法の第1線状要素構成ステップにおいては、導電糸(図5の下糸30A)を、シート材90の裏面90A上の面内方向における-X方向の側(一方側)から+X方向の側(他方側)に縫い付けていくことで第1線状要素32を構成する。また、第2方法の第2線状要素構成ステップにおいては、導電糸(図5の下糸30A)を、シート材90の裏面90A上の面内方向における+X方向の側(他方側)から-X方向の側(一方側)に縫い付けていくことで第2線状要素33を構成する。
【0090】
第2方法により生産される電極体30を図5に示す。電極体30は、以下に説明する各点を除いて、電極体10と同じ構成を有している。したがって、第1実施形態の説明に登場した構成と共通する構成のうち、シート材90に関する構成については同じ符号をつけることで対応させ、その他の構成についてはその構成に付した符号に「20」を加算した符号をつけることで対応させる。そして、これらの構成については、その詳細な説明を省略する。
【0091】
電極体30において、第1線状要素32に形成される糸目34は、そのほとんどがパーフェクトの態様である。また、第2線状要素33に形成される糸目34は、そのほとんどがヒッチの態様である。すなわち、電極体30は、「パーフェクトの態様の糸目34が形成される線状要素31(第1線状要素32)と、ヒッチの態様の糸目34が形成される線状要素31(第2線状要素33)とが幅方向に交互に並ぶ」という形態をとる。これは、電極体10(図1参照)が「パーフェクトの態様の糸目14とヒッチの態様の糸目14とが混在する線状要素11が幅方向に並ぶ」という形態をとっているのと対照的である。基本的には、電極体30の線状要素31は、電極体10の線状要素11と比較して、規則的に延びている。
【0092】
一般に、本縫いの縫い方で縫い付けられる配線パターンの糸目には、パーフェクトの態様の糸目とヒッチの態様の糸目とがある。糸目の間をつなぐ糸であるステッチを比較すると、糸目がヒッチの態様である場合のステッチは、糸目がパーフェクトの態様である場合のステッチよりも糸締りが悪く、たわみやゆるみが生じやすい、という特徴がある。
【0093】
ここで、電極体30においては、そのステッチ34Aにたわみやゆるみが生じることで、ステッチ34Aが縫い線(図示せず)からずれた状態に並列するため、ステッチ34A同士が接触しやすくなる。したがって、上記第2実施形態によれば、導通部分31Aが生じやすくされた電極体30を提供することができる。
【0094】
また、第2方法によれば、生産される電極体30のステッチ34Aにたわみやゆるみが生じることで、ステッチ34Aが縫い線(図示せず)からずれた状態に並列するため、ステッチ34A同士が接触しやすくなる。したがって、第2方法によれば、電極体30に導通部分31Aを生じさせやすくすることができる。
【0095】
[3.その他の実施形態]
以上、本開示を実施するための形態について、上述した第1実施形態によって説明した。しかしながら、当業者であれば、本開示の目的を逸脱することなく種々の代用、手直し、変更が可能であることは明らかである。すなわち、本開示を実施するための形態は、本明細書に添付した特許請求の範囲の精神および目的を逸脱しない全ての代用、手直し、変更を含みうるものである。例えば、本開示を実施するための形態として、以下のような各種の形態を実施することができる。
【0096】
(1)本開示の電極体を生産する方法において、導電糸の縫い付けを行う向きは、X方向およびY方向のいずれの方向に対しても角度を持った向きとしてもよい。
【0097】
(2)本開示において、縫い付けステップは、刺しゅうミシンによってシート材にタタミ縫いを施すステップとして実行するものに限定されない。すなわち、本開示においては、以下に例示する種々の手法を採用することができる。
【0098】
採用可能な手法には、縫い付けステップにおいて、一方向にステッチを形成した後、長さの違う別のステッチを逆方向に形成する、線状の配線パターンを形成する縫い方で導電糸の縫い付けを行う手法が含まれる。この手法では、第1線状要素構成ステップを上記一方向へのステッチの形成によって実現させ、第2線状要素構成ステップを上記逆方向へのステッチの形成によって実現させることができる。この場合、第1線状要素および第2線状要素が、それぞれ導電糸の線状の配線パターンにおけるステッチとなる。このとき、第2線状要素のステッチの長さを、第1線状要素のステッチの長さよりも短くしてもよい。あるいは、第1線状要素のステッチの長さを、第2線状要素のステッチの長さよりも短くしてもよい。上記の手法によれば、順方向にステッチをわたす順段階と、逆方向にステッチをわたす逆段階と、の往復を行う縫い方で導電糸をシート材に縫い付けることで、互いに並行して延びる第1線状要素および第2線状要素を含む配線パターンを、線状に設けることができる。
【0099】
なお、一方向にステッチを形成した後、長さの違う別のステッチを逆方向に形成する、線状の配線パターンを形成する縫い方としては、例えば「ダイヤモンド」の縫い方(本縫いの刺しゅうミシンで「クロス縫い」を縫う際の縫い方)や、「ビーン」の縫い方(「三重縫い」の縫い方)などを挙げることができる。
【0100】
上記とは別の、採用可能な手法には、縫い付けステップにおいて、導電糸の縫い付けを環縫いの縫い方で行う手法が含まれる。環縫いの配線パターンは、少なくともシート材の片面において、縫い糸が折り返された折り返し形状をなすステッチを備えるため、このステッチの1つ1つから、それぞれ複数本(少なくとも2本)の線状要素を構成することができる。この手法によれば、環縫いの縫い方で導電糸をシート材に縫い付けることで、そのステッチの1つ1つから、互いに並行して延びる複数本の線状要素を構成することができる。したがって、上記の手法によれば、タタミ縫いとは異なる構成であっても、「「タタミ」の縫い方によって第1線状要素および第2線状要素を縫い付ける」ことにより得られる効果と同様の効果を得ることができる。
【0101】
上記の手法において、ステッチの1つ1つから構成することができる線状要素の本数は、導電糸の縫い付けを行う環縫いの縫い方の選択により、適宜に変更することができる。例えば、上記の手法において、環縫いの縫い方のうち「単環縫い」に分類される縫い方を選択した場合には、ステッチの折り返し形状における折り返し部分の数が1つである。このため、ステッチの1つ1つから線状要素を2本ずつ構成することができる。また、上記の手法において、環縫いの縫い方のうち「2重環縫い」に分類される縫い方(具体的には例えば環縫いのミシンによる「チェーン」の縫い方)を選択した場合には、ステッチの折り返し形状における折り返し部分の数が2つである。このため、ステッチの1つ1つから線状要素を3本ずつ構成することができる。
【0102】
上記とは別の、採用可能な手法には、縫い付けステップにあたり刺しゅうミシンを使用しない手法が含まれる。例えば、上述した「三重縫い」の縫い方などを採用することで、刺しゅうミシンではない本縫いのミシンで縫い付けステップを実行することができる。また、上述した「単環縫い」または「2重環縫い」に分類される縫い方などを採用した場合には、刺しゅうミシンではない環縫いのミシンで縫い付けステップを実行することができる。また、縫い付けステップにおいては、ミシンによらず、手縫いの縫い方で糸が縫い付けられてもよい。ここで、採用可能な手縫いの縫い方の例としては、「アウトライン」の縫い方(「半返し縫い」の縫い方)、「バック」の縫い方(「本返し縫い」の縫い方)、「ロングアンドショート」の縫い方、および、手縫いによる「チェーン」の縫い方などを挙げることができる。
【0103】
その他、縫い付けステップにおいては、例えば「サテン」などの縫い方で糸が縫い付けられてもよい。
【0104】
(3)本開示において、電極体に導通部分を設ける手法は、上述した手法に限定されない。すなわち、本開示においては、以下に例示する種々の手法を採用することで、電極体により多くの導通部分を構成できるようにしてもよい。採用可能な手法には、例えば、線状要素における糸目間の距離(すなわちステッチの長さ)を短くすることで、線状要素においてその幅方向に位置ずれするステッチの数を増やし、より多くの導通部分を構成できるようにする手法が含まれる。また、採用可能な手法には、例えば、上述したタタミ縫いにおける第1線状要素と第2線状要素との幅方向の間隔を狭くすることで、より多くの導通部分を構成できるようにする手法が含まれる。ただし、第1線状要素と第2線状要素との幅方向の間隔を狭くしすぎると、これらが互いに離間された非導通部分がなくなり、電極体としての電気抵抗が高くなってしまうことに留意する必要がある。また、採用可能な手法には、例えば、刺しゅうミシンにおいて下糸の繰り出し量を過剰にすることによって、線状要素のステッチにおけるゆるみの度合いを大きくし、より多くの導通部分を構成できるようにする手法が含まれる。下糸の繰り出し量を過剰にする手法としては、縫い針の動きに対するシート材の送り移動を送らせる手法を選択可能である。また、下糸の繰り出し量を過剰にする手法としては、縫い針を引き抜く際にシート材および下糸がつられて引き出されないようシート材を押さえつける部材である布押さえと、シート材と、の間にあそびを設定する手法を選択可能である。また、採用可能な手法には、例えば、部分的に細い部分と太い部分(糸節)とがある導電糸を使用し、この糸節によって、構成される導通部分の数を増やす手法が含まれる。この手法において、糸節は、導電糸の繊維素材や紡績むらなどにより意図せず混入されるものであっても、意図的に設けられるものであってもよい。
【0105】
(4)本開示において、電極体は、銀メッキを施してなる導電糸を上糸および下糸の両方に使用し、この下糸によってシート材の裏面上に設けられるものに限定されない。例えば、電極体をシート材に設けるにあたっては、上糸および下糸のいずれかを絶縁糸としてもよい。すなわち、上糸を絶縁糸とする場合には下糸に導電糸を使用し、下糸を絶縁糸とする場合には上糸に導電糸を使用してもよい。ここで、下糸を絶縁糸とする場合には、導電糸である上糸によってシート材の表面上に電極体を設けてもよい。また、電極体の生産に用いられる導電糸としては、例えば導電剤の添加などにより糸そのものが導体とされた導電糸など、適宜選択した種類の導電糸を使用することができる。
【符号の説明】
【0106】
10 電極体(タタミ縫い)
10A 下糸(導電糸)
10B 上糸(導電糸)
11 線状要素
11A 導通部分
11B 非導通部分
11C 方向転換部
12 第1線状要素
12C 第1縫い線
13 第2線状要素
13C 第2縫い線
14 糸目
14A ステッチ
20 刺しゅうミシン
20A 垂直がま
20B ヒレ
20C 回転軸
20D 外がま
30 電極体(タタミ縫い)
30A 下糸(導電糸)
30B 上糸(導電糸)
31 線状要素
31A 導通部分
31B 非導通部分
31C 方向転換部
32 第1線状要素
33 第2線状要素
34 糸目
34A ステッチ
90 シート材
90A 裏面(一面)
図1
図2
図3
図4
図5