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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179235
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】車両用表示装置
(51)【国際特許分類】
   B60K 35/00 20240101AFI20241219BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20241219BHJP
   G09F 9/40 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
B60K35/00 Z
G09F9/00 302
G09F9/00 351
G09F9/00 362
G09F9/40 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097928
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【氏名又は名称】矢作 和行
(74)【代理人】
【識別番号】100121991
【弁理士】
【氏名又は名称】野々部 泰平
(74)【代理人】
【識別番号】100145595
【弁理士】
【氏名又は名称】久保 貴則
(72)【発明者】
【氏名】ハオ イージャ
【テーマコード(参考)】
3D344
5C094
5G435
【Fターム(参考)】
3D344AA09
3D344AA12
3D344AB01
3D344AC30
3D344AD01
5C094AA36
5C094BA27
5C094BA43
5C094DA01
5C094FA01
5C094FA02
5C094FB01
5C094FB02
5C094HA05
5G435AA07
5G435AA14
5G435BB05
5G435BB12
5G435EE05
5G435EE07
5G435HH18
5G435KK03
5G435LL17
(57)【要約】
【課題】表示部が多画面構成されて、車両に搭載される場合であっても、充分な耐振強度を確保できる車両用表示装置を提供する。
【解決手段】隣接配置される複数の表示パネル111~114を有し、表示面110aに画像を表示する表示部110と、表示部の背面側に設けられて、表示部を固定する固定部120と、を備える車両用表示装置であって、固定部の外周部に設けられたブラケット130に対して、表示部の視認側からの締結によって、表示部の固定された固定部が、車両のフレーム10に装着されるようになっており、視認側から見て、外周部の内側となる内側領域に配置されて、固定部とフレームの一方に設けられた凸状部141と、固定部とフレームの他方に設けられた凹状部142とが、表示面に沿う方向に嵌合する嵌合部140を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接配置される複数の表示パネル(111~114)を有し、表示面(110a)に画像を表示する表示部(110)と、
前記表示部の背面側に設けられて、前記表示部を固定する固定部(120)と、を備える車両用表示装置であって、
前記固定部の外周部に設けられたブラケット(130)に対して、前記表示部の視認側からの締結によって、前記表示部の固定された前記固定部が、車両のフレーム(10)に装着されるようになっており、
前記視認側から見て、前記外周部の内側となる内側領域に配置されて、前記固定部と前記フレームの一方に設けられた凸状部(141)と、前記固定部と前記フレームの他方に設けられた凹状部(142)とが、前記表示面に沿う方向に嵌合する嵌合部(140)を備える車両用表示装置。
【請求項2】
前記凸状部は、前記凹状部に対して先細となる楔形状であり、
前記凹状部は、前記楔形状に対応した傾斜壁(142a)を有する請求項1に記載の車両用表示装置。
【請求項3】
前記凸状部、および前記凹状部は、金属製であり、
前記凸状部と前記凹状部との間に、前記凸状部と前記凹状部よりも剛性の低い弾性部材(150)が設けられた請求項1または請求項2に記載の車両用表示装置。
【請求項4】
前記凸状部は、樹脂製であり、
前記凹状部は、金属製である請求項1または請求項2に記載の車両用表示装置。
【請求項5】
前記嵌合部は、複数、設けられており、
複数の前記嵌合部のうち、1つの嵌合部の嵌合によって、前記視認側から見た場合の上下方向、および左右方向において、前記フレームに対する前記固定部の位置決めが成されており、
複数の前記嵌合部のうち、他の嵌合部においては、前記凸状部と前記凹状部との間に、所定の隙間(143)が形成されて、前記隙間に前記凸状部と前記凹状部よりも剛性の低い弾性部材(150)が設けられた請求項1または請求項2に記載の車両用表示装置。
【請求項6】
前記ブラケットは、前記固定部の前記外周部の対向する横辺上、および縦辺上で向かい合うように、複数設けられており、
前記嵌合部は、向かい合う前記ブラケット同士を結ぶ仮想線(L)の交点上に配置された請求項1または請求項2に記載の車両用表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
表示装置として、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1の表示装置(多画面表示装置)では、画像を表示する表示部の外周に枠部が設けられており、複数の表示部の枠部同士を互いに近接させることで多画面(マルチディスプレイ)を形成するようになっている。
【0003】
枠部の外周面には、凹部、および凸部が設けられており、互いに隣接する表示部の凹部と凸部とが互いに嵌合されるようになっている。そして、複数の表示部の背面側には組立て用架台(以下、表示部を固定する固定部)が配置されて、複数の表示部は、固定ネジによって、固定部に組付けされている。
【0004】
これにより、ショールームやイベント会場にて、マルチディスプレイを設営する際に、隣接する表示部の凹部と凸部とを互いに嵌合させることで、表示部同士の相対的な位置決めが簡便に精度よく行えるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-294574号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1の表示装置は、ショールームやイベント会場にて使用されるものであり、車両に搭載されるものではない。表示装置が車両に搭載される場合であると、走行時の車両振動が付加されるので、耐振強度の配慮が重要になる。
【0007】
特許文献1の表示装置を車両用として用いる場合を想定すると、車体フレームへの組付け方向が、表示部側(視認側)から車体フレーム側となり、実際の組付け位置は、固定部において、表示部の外周部(外側領域)に限定される。よって、多画面化によって、相対的に表示面積が大きく設定された表示装置において、外周部の内側となる内側領域での車体フレームとの固定形成ができないので、例えば、前後方向の振動に対して、耐振強度が充分に得られない。
【0008】
本開示の目的は、上記問題に鑑み、表示部が多画面構成されて、車両に搭載される場合であっても、充分な耐振強度を確保できる車両用表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。
【0010】
本開示では、隣接配置される複数の表示パネル(111~114)を有し、表示面(110a)に画像を表示する表示部(110)と、
表示部の背面側に設けられて、表示部を固定する固定部(120)と、を備える車両用表示装置であって、
固定部の外周部に設けられたブラケット(130)に対して、表示部の視認側からの締結によって、表示部の固定された固定部が、車両のフレーム(10)に装着されるようになっており、
視認側から見て、外周部の内側となる内側領域に配置されて、固定部とフレームの一方に設けられた凸状部(141)と、固定部とフレームの他方に設けられた凹状部(142)とが、表示面に沿う方向に嵌合する嵌合部(140)を備える。
【0011】
本開示によれば、固定部の外周部におけるブラケットによるフレームへの締結によって、主に、車両の上下方向の振動に対して、耐振強度を確保することができる。加えて、嵌合部の凸状部と凹状部とを表示面に沿う方向にスライド嵌合させることで、内側領域においても、固定部とフレームとを固定することができる。よって、複数の表示パネルから成る多画面構成とされる場合であっても、車両の前後方向の振動に対しても、充分な耐振強度を確保することが可能となる。
【0012】
嵌合部においては、凸状部と凹状部とを表示面に沿う方向にスライドすることで嵌合が可能であり、ボルトのような締結部材を不要として、組付け性を向上させることができる。
【0013】
尚、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態における車両用表示装置を示す斜視図である。
図2図1のII方向から見た側面図である。
図3】凸状部と凹状部との嵌合要領を示す説明図である。
図4】第2実施形態における凸状部と凹状部との嵌合状態を示す説明図である。
図5】第3実施形態における凸状部と凹状部との嵌合状態を示す説明図である。
図6】第4実施形態の1つの嵌合部における上下方向の位置決め要領を示す説明図である。
図7】第4実施形態の1つの嵌合部における左右方向の位置決め要領を示す説明図である。
図8】第4実施形態のその他の嵌合部における嵌合状態を示す説明図である。
図9】第5実施形態における車両用表示装置を示す正面図である(表示部省略)。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
【0016】
(第1実施形態)
第1実施形態における車両用表示装置100Aについて図1図3を用いて説明する。本実施形態の車両用表示装置100Aは、例えば、MaaSカーやバス等の車両に搭載されており、車両の運転席後ろ側位置、あるいは運転席後ろ側の壁等に配置されている。車両用表示装置100Aは、乗員に対して、目的地情報、関連する公共交通機関情報、あるいは交通以外の他のサービス情報等の各種情報を表示するようになっている。
【0017】
車両用表示装置100Aは、図1に示すように、表示部110に、複数の表示パネル111、112、113、114(以下、表示パネル111~114)が用いられたタイリングディスプレイとなっており、相対的に大型となる画面(多画面)を形成している。各表示パネル111~114は、例えば、表示サイズが32インチ程度であり、全体の表示面110aのサイズが64インチ程度となっている。
【0018】
車両用表示装置100Aは、表示部110、固定部120、ブラケット130、および嵌合部140等を備えており、車両のフレーム10に装着されている。
【0019】
フレーム10は、車両用表示装置100Aを固定するための金属製のボディ部材であり、ここでは、複数の棒状部材から形成されている例を示している。複数の棒状部材は、視認側から見て、それぞれ左右方向に延びて、上下方向に並ぶように配置されている。フレーム10は、車両メーカーにて設定される部材であり、棒状部材に限らず、板状部材等として設定される場合もある。
【0020】
表示部110は、各種情報の画像を表示する部位であり、複数(ここでは4つ)の表示パネル111~114が隣接配置(ここでは縦横2列配置)されて形成されている。各表示パネル111~114は、平面状を成して、横長の長方形となっており、全体の表示面110aも横長の長方形となっている。
【0021】
表示部110は、表示面110aにマトリックス配置される複数の画素の発光によって、各種情報の画像を表示するようになっている。表示部110を構成する各表示パネル111~114は、例えば、自発光式の有機ELパネルが使用されている。有機ELパネルの「EL」は、Electro Luminescenceの略表示である。有機ELパネルは、OLED(Organic Light Emitting Diode)とも表示される。
【0022】
各表示パネル111~114は、自発光式であることから、例えば、液晶式のパネルのようなバックライトを必要としないので、車両用表示装置100Aの厚み寸法としては、極めて薄く設定することが可能となっている(薄型化)。尚、各表示パネル111~114としては、有機ELパネルに代えて、液晶式のパネル等の他の型式のものを使用してもよい。
【0023】
各表示パネル111~114の背面側(固定部側)には、固定部120に対する位置決めを行うための位置決めピン115が設けられている。位置決めピン115は、例えば、棒状を成して、固定部120側に延びている。位置決めピン115は、表示パネル111~114ごとに、複数(ここでは、それぞれ3つ)設けられている。
【0024】
固定部120は、図1図2に示すように、表示部110の背面側(視認側とは反対側)に設けられて、表示部110を固定する金属製の部位となっている。固定部120は、例えば、板状の部材となっており、固定部120の外周ラインは、表示部110の外周ラインよりも多少大きくなるように設定されている。
【0025】
固定部120には、表示部110の位置決めピン115に対応する位置決め孔121が設けられている。位置決めピン115は、位置決め孔121に挿入され、各表示パネル111~114は、固定部120に対して、位置決めされる。そして、固定部120の背面側から裏ビスによって、各表示パネル111~114が固定部120に固定されている。尚、図1では、理解しやすいように、各表示パネル111~114の間に隙間があるように表示しているが、実際には、各表示パネル111~114の間の隙間は、極力ゼロとなるように配置されて、全体が継ぎ目のない1つの表示面110aとなるように形成されている。
【0026】
ブラケット130は、固定部120の外周部に複数、設けられ、フレーム10への取付けを行うための金属製の部位となっている。ブラケット130は、ここでは4つの設定となっており、固定部120の上辺側と下辺側のそれぞれ両端部側に設けられている。また、ブラケット130は、板状の部材であり、固定部120から飛び出した部位に、ボルト締結用のボルト孔が設けられている。
【0027】
固定部120の外周部に設けられたブラケット130に対して、表示部110の視認側からの締結(例えば、ボルト締結)によって、表示部110の固定された固定部120は、フレーム10に装着されるようになっている。
【0028】
嵌合部140は、図2図3に示すように、視認側から見て、固定部120の外周部の内側となる内側領域に配置されて、固定部120とフレーム10の一方に設けられた凸状部141と、固定部120とフレーム10の他方に設けられた凹状部142とが、表示面110aに沿う方向(ここでは上下方向)に嵌合する部位となっている。ここでは、凸状部141は、固定部120の背面側に設けられ、また、凹状部142は、フレーム10(上下方向の真中のフレーム10)に設けられている。嵌合部140の設定数は、任意である。
【0029】
凸状部141は、固定部120の背面から一旦、フレーム10側に突出すると共に、更に下側に向けて(凹状部142に向けて)先細となる楔形状を成している。凸状部141の材質は、金属製あるいは所定の剛性を有する樹脂製とすることができる。凸状部141は、固定部120と一体成形されたもの、あるいは別体成形されたものとすることができる。
【0030】
また、凹状部142は、袋状に形成されており、凹状部142の内壁は、凸状部141の楔形状に対応するように傾斜壁142aとなっている。そして、凸状部141が下方向にスライドして凹状部142(傾斜壁142a)に嵌合されるようになっている。凹状部142は、フレーム10と一体成形されたもの、あるいは別体成形されたものとすることができる。
【0031】
車両用表示装置100Aは、以下のように組付けされている。
【0032】
即ち、各表示パネル111~114の位置決めピン115が固定部120の位置決め孔121に挿入されて、各表示パネル111~114の固定部120に対する位置決めが成される。
【0033】
次に、固定部120の背面側から、裏ビスによって、各表示パネル111~114が固定部120に固定される。
【0034】
次に、図3に示すように、表示部110の固定された固定部120が、フレーム10に対向配置されて、嵌合部140の凸状部141(楔形状)が、下方向にスライドされることで、凹状部142(傾斜壁142a)に嵌合(挿入)される。
【0035】
そして、ブラケット130のボルト孔に対して、表示部110の視認側からの締結(例えば、ボルト締結)によって、表示部110の固定された固定部120が、フレーム10に装着(固定)される。
【0036】
本実施形態によれば、固定部120の外周部におけるブラケット130によるフレーム10への締結によって、主に、車両の上下方向の振動に対して、耐振強度を確保することができる。加えて、嵌合部140の凸状部141と凹状部142とを表示面110aに沿う方向にスライド嵌合させることで、固定部120の内側領域においても、固定部120とフレーム10とを固定することができる。よって、表示部110が複数の表示パネル111~114から成る多画面構成とされる場合であっても、車両の前後方向の振動に対しても、充分な耐振強度を確保することが可能となる。
【0037】
また、嵌合部140においては、凸状部141と凹状部142とを表示面110aに沿う方向にスライドすることで嵌合が可能であり、ボルトのような締結部材を不要として、組付け性を向上させることができる。
【0038】
また、凸状部141を楔形状とし、また、凹状部142に楔形状に対応した傾斜壁142aを設けることで、凸状部141と凹状部142との挿入性を向上させることができる。
【0039】
(第2実施形態)
第2実施形態の車両用表示装置100Bを図4に示す。第2実施形態の車両用表示装置100Bは、上記第1実施形態の車両用表示装置100Aに対して、凸状部141、および凹状部142を金属製とし、更に、凸状部141と凹状部142との間に、凸状部141と凹状部142よりも剛性の低い弾性部材150を設けたものとしている。弾性部材150は、例えば、板状のゴム材や軟質樹脂等とすることができる。
【0040】
これにより、凸状部141と凹状部142とを金属製とすることで、嵌合部140の基本強度を確保することができる。また、凸状部141と凹状部142との間に弾性部材150を設けることで、弾性部材150の圧縮に伴う凸状部141側への反力によって、凸状部141を挟み込む力(保持する力)を持たせて、強固な嵌合状態を維持することができる。
【0041】
(第3実施形態)
第3実施形態の車両用表示装置100Cを図5に示す。第3実施形態の車両用表示装置100Cは、上記第1実施形態の車両用表示装置100Aに対して、凸状部141を、所定の剛性を有する樹脂製とし、また、凹状部142を、金属製にしたものである。
【0042】
これにより、凸状部141を樹脂製とし、凹状部142を金属製とすることで、主に、凸状部141に弾性変形を持たせて、凸状部141の圧縮に伴う反力によって、凹状部142との嵌合状態を強固に維持することができる。尚、凸状部141と凹状部142との間における弾性部材150は、不要とすることが可能である。
【0043】
(第4実施形態)
第4実施形態の車両用表示装置100Dを図6図8に示す。第4実施形態の車両用表示装置100Dは、上記第1実施形態の車両用表示装置100Aに対して、フレーム10に対する固定部120の位置決め機能を持たせたものとしている。
【0044】
嵌合部140は、複数、設けられている。嵌合部140は、例えば、3つのフレーム10のうち、真ん中のフレーム10の長手方向に沿うように、複数、設けられている。凸状部141と凹状部142は金属製である。
【0045】
そして、複数の嵌合部140のうち、1つの嵌合部140の嵌合によって、視認側から見た場合の上下方向、および左右方向において、フレーム10に対して、固定部120が位置決めされている。
【0046】
即ち、図6に示すように、1つの嵌合部140において、凸状部141と凹状部142とが嵌合した後、水平方向に沿うように形成された凸状部141側の位置決め面141aと、凹状部142の位置決め面142bとが当接することで、フレーム10に対して、固定部120が上下方向に位置決めされるようになっている(図6の二点鎖線領域)。
【0047】
更に、図7に示すように、1つの嵌合部140において、凸状部141が挿入される際に、凹状部142が弾性変形を伴い、視認側から見たときの凸状部141と凹状部142の壁部が当接し合って、左右方向に位置決めされるようになっている(図7の二点鎖線領域)。
【0048】
そして、図8に示すように、複数の嵌合部140のうち、他の嵌合部140においては、凸状部141と凹状部142との間に、所定の隙間143が形成されるようにしており、隙間143に凸状部141と凹状部142よりも剛性の低い弾性部材150が設けられている。
【0049】
これにより、1つの嵌合部140によって、フレーム10に対する固定部120の上下方向、および左右方向の位置決めが可能となる。また、他の嵌合部140においては、凸状部141と凹状部142と間の所定の隙間143によって、1つの嵌合部140による位置決め機能を阻害することが回避される。加えて、所定の隙間143に設けられた弾性部材150によって、他の嵌合部140においては、凸状部141と凹状部142とのガタをなくすことができる。
【0050】
尚、嵌合部140を複数、設定することで、前後方向の耐振強度を向上させることができる。
【0051】
(第5実施形態)
第5実施形態の車両用表示装置100Eを図9に示す。第5実施形態の車両用表示装置100Eは、上記第1実施形態の車両用表示装置100Aに対して、嵌合部140の設定位置を変更したものである。
【0052】
ブラケット130は、固定部120の外周部において、対向する横辺上、および縦辺上で向かい合うように、複数、設けられている(ここでは、8個)。そして、嵌合部140は、向かい合うブラケット130同士を結ぶ仮想線Lの交点上に対応するように配置されている。
【0053】
これにより、固定部120を仮想線Lによって複数の領域に分割想定して(太線枠の単位として)、分割したそれぞれの領域の角部が、ブラケット130あるいは嵌合部140によってフレーム10に固定される構造とすることができ、耐振強度を効果的に向上させることができる。
【0054】
(その他の実施形態)
この明細書および図面等における開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品および/または要素の組み合わせに限定されない。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品および/または要素が省略されたものを包含する。開示は、1つの実施形態と他の実施形態との間における部品および/または要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示されるいくつかの技術的範囲は、請求の範囲の記載によって示され、更に請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
【0055】
上記各実施形態では、嵌合部140の形成にあたって、凸状部141を固定部120に、凹状部142をフレーム10に設けるようにしたが、凹状部142を固定部120に、凸状部141をフレーム10に設けるようにしてもよい。この場合、凹状部142の開口を下側に向け、また、凸状部141の先端を上側に向けるとよい。
【0056】
また、凸状部141と凹状部142の嵌合方向は、上下方向に限らず左右方向としてもよい。
【0057】
また、凸状部141は、楔形状に限らず、板形状としてもよい。
【符号の説明】
【0058】
10 フレーム
100A~100E 車両用表示装置
110 表示部
110a 表示面
111~114 表示パネル
120 固定部
130 ブラケット
140 嵌合部
141 凸状部
142 凹状部
142a 傾斜壁
143 隙間(所定の隙間)
150 弾性部材
L 仮想線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9