(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179240
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】入力装置、制御方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0354 20130101AFI20241219BHJP
G06F 3/02 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
G06F3/0354 453
G06F3/02 440
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097936
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000136136
【氏名又は名称】株式会社PFU
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(72)【発明者】
【氏名】大木 裕也
(72)【発明者】
【氏名】庭野 正志
【テーマコード(参考)】
5B020
5B087
【Fターム(参考)】
5B020AA17
5B020BB10
5B020DD02
5B020FF17
5B020FF24
5B020HH22
5B087AA09
5B087AB01
5B087BC02
5B087BC13
5B087BC16
5B087DD03
5B087DD12
(57)【要約】
【課題】複数のタッチパッドに対する操作誤りの発生を抑制することが可能な入力装置、制御方法及び制御プログラムを提供する。
【解決手段】入力装置は、第1タッチパッドに対する単独操作が実施された場合、その単独操作に割り当てられた第1コードを出力し、且つ、第1タッチパッド及び第2タッチパッドの両方に対する組合せ操作が実施された場合、その組合せ操作に割り当てられた第2コードを出力する制御部と、を有し、制御部は、第1タッチパッドに対する単独操作が実施されたことにより第1コードを出力しているときに、さらに第2タッチパッドに対する単独操作が実施された場合、第2コードを出力しない、又は、第1タッチパッド及び第2タッチパッドの両方に対する組合せ操作が実施されたことにより第2コードを出力しているときに、第2タッチパッドから利用者の指が離間した場合、第1コードを出力しない。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1タッチパッドと、
前記第1タッチパッドと異なる第2タッチパッドと、
前記第1タッチパッドに対する単独操作が実施された場合、当該単独操作に割り当てられた第1コードを出力し、且つ、前記第1タッチパッド及び前記第2タッチパッドの両方に対する組合せ操作が実施された場合、当該組合せ操作に割り当てられた第2コードを出力する制御部と、を有し、
前記制御部は、
前記第1タッチパッドに対する単独操作が実施されたことにより前記第1コードを出力しているときに、さらに前記第2タッチパッドに対する単独操作が実施された場合、前記第2コードを出力しない、又は、
前記第1タッチパッド及び前記第2タッチパッドの両方に対する組合せ操作が実施されたことにより前記第2コードを出力しているときに、前記第2タッチパッドから利用者の指が離間した場合、前記第1コードを出力しない、
ことを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1タッチパッド及び前記第2タッチパッドの両方に対する組合せ操作が実施されたことにより前記第2コードを出力しているとき、前記第1タッチパッド及び前記第2タッチパッドの両方から利用者の指が離間したことを条件に、当該組合せ操作が終了したと判定する、請求項1に記載の入力装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第2タッチパッドに対する単独操作が実施された場合、前記第2タッチパッドに対する単独操作に割り当てられた第3コードを出力し、
前記第1タッチパッドに対する単独操作が実施されたことにより前記第1コードを出力しているときに、前記第2タッチパッドに対する単独操作が実施されても、前記第3コードを出力しない、請求項1または2に記載の入力装置。
【請求項4】
複数のキースイッチをさらに有し、
前記制御部は、前記複数のキースイッチのそれぞれに対する操作が実施された場合、前記複数のキースイッチのそれぞれに割り当てられた第4コードを出力し、
前記制御部は、
前記複数のキースイッチのうちの何れかのキースイッチに対する操作が実施されているときに、前記単独操作又は前記組合せ操作が実施された場合、前記第1コード又は前記第2コードを出力しない、又は、
前記単独操作又は前記組合せ操作が実施されたことにより前記第1コード又は前記第2コードを出力しているときに、前記複数のキースイッチのうちの何れかのキースイッチに対する操作が実施された場合、前記第4コードを出力しない、請求項1または2に記載の入力装置。
【請求項5】
前記複数のキースイッチは、特別キーを含み、
前記制御部は、前記特別キーに対する操作が実施されているときに、前記単独操作又は前記組合せ操作が実施された場合、前記特別キーに対する操作と前記単独操作又は前記組合せ操作との組合せに応じた処理を実行する、請求項4に記載の入力装置。
【請求項6】
マウスポインタをさらに有し、
前記制御部は、前記マウスポインタに対する操作が実施された場合、移動情報を出力し、
前記制御部は、
前記マウスポインタに対する操作が実施されているときに、前記単独操作又は前記組合せ操作が実施された場合、前記第1コード又は前記第2コードを出力しない、又は、
前記単独操作又は前記組合せ操作が実施されたことにより前記第1コード又は前記第2コードを出力しているときに、前記マウスポインタに対する操作が実施された場合、前記移動情報を出力しない、請求項1または2に記載の入力装置。
【請求項7】
第1タッチパッドと、前記第1タッチパッドと異なる第2タッチパッドと、を有する入力装置が、
前記第1タッチパッドに対する単独操作が実施された場合、当該単独操作に割り当てられた第1コードを出力し、且つ、前記第1タッチパッド及び前記第2タッチパッドの両方に対する組合せ操作が実施された場合、当該組合せ操作に割り当てられた第2コードを出力することを含み、
前記出力において、
前記第1タッチパッドに対する単独操作が実施されたことにより前記第1コードを出力しているときに、さらに前記第2タッチパッドに対する単独操作が実施された場合、前記第2コードを出力しない、又は、
前記第1タッチパッド及び前記第2タッチパッドの両方に対する組合せ操作が実施されたことにより前記第2コードを出力しているときに、前記第2タッチパッドから利用者の指が離間した場合、前記第1コードを出力しない、
ことを特徴とする制御方法。
【請求項8】
第1タッチパッドと、前記第1タッチパッドと異なる第2タッチパッドと、を有する入力装置の制御プログラムであって、
前記第1タッチパッドに対する単独操作が実施された場合、当該単独操作に割り当てられた第1コードを出力し、且つ、前記第1タッチパッド及び前記第2タッチパッドの両方に対する組合せ操作が実施された場合、当該組合せ操作に割り当てられた第2コードを出力することを前記入力装置に実行させ、
前記出力において、
前記第1タッチパッドに対する単独操作が実施されたことにより前記第1コードを出力しているときに、さらに前記第2タッチパッドに対する単独操作が実施された場合、前記第2コードを出力しない、又は、
前記第1タッチパッド及び前記第2タッチパッドの両方に対する組合せ操作が実施されたことにより前記第2コードを出力しているときに、前記第2タッチパッドから利用者の指が離間した場合、前記第1コードを出力しない、
ことを特徴とする制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入力装置、制御方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数のタッチパッドを有する入力装置が開発されている。このような入力装置において、利用者による操作誤りの発生を抑制することが求められている。
【0003】
複数の入力検出手段を有する情報端末が開示されている(特許文献1を参照)。この情報端末は、1つの入力検出手段に対する接触または近接による入力操作に応じて表示を制御している状態では、他の入力検出手段にて接触または近接が検出された場合でも、その接触または近接による入力操作に応じた表示の制御を行わない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
入力装置において、複数のタッチパッドに対する操作誤りの発生を抑制することが求められている。
【0006】
本発明の目的は、複数のタッチパッドに対する操作誤りの発生を抑制することが可能な入力装置、制御方法及び制御プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る入力装置は、第1タッチパッドと、第1タッチパッドと異なる第2タッチパッドと、第1タッチパッドに対する単独操作が実施された場合、その単独操作に割り当てられた第1コードを出力し、且つ、第1タッチパッド及び第2タッチパッドの両方に対する組合せ操作が実施された場合、その組合せ操作に割り当てられた第2コードを出力する制御部と、を有し、制御部は、第1タッチパッドに対する単独操作が実施されたことにより第1コードを出力しているときに、さらに第2タッチパッドに対する単独操作が実施された場合、第2コードを出力しない、又は、第1タッチパッド及び第2タッチパッドの両方に対する組合せ操作が実施されたことにより第2コードを出力しているときに、第2タッチパッドから利用者の指が離間した場合、第1コードを出力しない。
【0008】
本発明の一側面に係る制御方法は、第1タッチパッドと、第1タッチパッドと異なる第2タッチパッドと、を有する入力装置が、第1タッチパッドに対する単独操作が実施された場合、その単独操作に割り当てられた第1コードを出力し、且つ、第1タッチパッド及び第2タッチパッドの両方に対する組合せ操作が実施された場合、その組合せ操作に割り当てられた第2コードを出力することを含み、出力において、第1タッチパッドに対する単独操作が実施されたことにより第1コードを出力しているときに、さらに第2タッチパッドに対する単独操作が実施された場合、第2コードを出力しない、又は、第1タッチパッド及び第2タッチパッドの両方に対する組合せ操作が実施されたことにより第2コードを出力しているときに、第2タッチパッドから利用者の指が離間した場合、第1コードを出力しない。
【0009】
本発明の一側面に係る制御プログラムは、第1タッチパッドと、第1タッチパッドと異なる第2タッチパッドと、を有する入力装置の制御プログラムであって、第1タッチパッドに対する単独操作が実施された場合、その単独操作に割り当てられた第1コードを出力し、且つ、第1タッチパッド及び第2タッチパッドの両方に対する組合せ操作が実施された場合、その組合せ操作に割り当てられた第2コードを出力することを入力装置に実行させ、出力において、第1タッチパッドに対する単独操作が実施されたことにより第1コードを出力しているときに、さらに第2タッチパッドに対する単独操作が実施された場合、第2コードを出力しない、又は、第1タッチパッド及び第2タッチパッドの両方に対する組合せ操作が実施されたことにより第2コードを出力しているときに、第2タッチパッドから利用者の指が離間した場合、第1コードを出力しない。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、入力装置、制御方法及び制御プログラムは、複数のタッチパッドに対する操作誤りを抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本実施形態に係る入力装置100を示す斜視図である。
【
図3】入力装置100の概略構成を示すブロック図である。
【
図4】マップ情報のデータ構造の一例について説明するための模式図である。
【
図5】操作テーブルのデータ構造の一例について説明するための模式図である。
【
図6】記憶装置140及び処理回路150の概略構成を示す図である。
【
図7】制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】他の処理回路250の概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一側面に係るキーボード装置、制御方法及び制御プログラムについて図を参照しつつ説明する。但し、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0013】
図1は、本実施形態に係る入力装置100を示す斜視図である。
図2は入力装置100の上面図である。
【0014】
図1及び
図2において、矢印A1は略鉛直方向(入力装置100の高さ方向)を示し、矢印A2は高さ方向と直交する入力装置100の長手方向(幅方向)を示し、矢印A3は高さ方向及び幅方向と直交する入力装置100の短手方向(奥行き方向)を示す。
【0015】
入力装置100は、キーボード装置の一例である。入力装置100は、利用者による入力操作を受け付け、利用者の入力操作に応じた操作信号を、入力装置100に電気的に接続される不図示の情報処理装置(例えば、パーソナルコンピュータ、携帯情報端末等)へ出力する。
【0016】
入力装置100は、筐体101、複数のキースイッチ102、複数のボタン103、マウスポインタ104及びタッチパッド110を有する。複数のキースイッチ102、複数のボタン103、マウスポインタ104及びタッチパッド110は、いずれも筐体101に設けられる。なお、筐体101には、ディスプレイが設けられていない。
【0017】
複数のキースイッチ102は、筐体101の上面に設けられる。複数のキースイッチ102は、物理的なキートップを含むキーである。複数のキースイッチ102は、記号又は英数字等の文字に対応しており、記号又は英数字等の文字を入力するために用いられる。複数のキースイッチ102は、特殊な操作を実施するための特別キーを含む。特別キーは、Functionキー、Ctrlキー、Shiftキー、Altキー、Windows(登録商標)キー又はCommandキー等である。
【0018】
複数のボタン103は、筐体101の上面から手前側面に亘って設けられる。複数のボタン103は、一般的な3ボタンマウスに設けられた左ボタン、右ボタン及びホイールボタンと同様の機能を割り当て可能である。複数のボタン103には、一般的な入力装置で用いられている他の機能が割り当てられてもよい。
【0019】
マウスポインタ104は、複数のキースイッチ102と同様に、筐体101の上面に設けられる。マウスポインタ104は、ボタン103とともに操作することを考慮して、ボタン103の位置を基準とした位置に設けられる。例えば、マウスポインタ104は、奥行方向A3から見て、即ち幅方向A2においてボタン103と重複する位置に設けられる。また、マウスポインタ104は、幅方向A2から見て、即ち奥行方向A3においてボタン103と重複する位置に設けられる。マウスポインタ104は、入力装置100が接続される情報処理装置(不図示)が有する表示装置(不図示)の画面上で、入力位置又は座標を指定するために用いられる。
【0020】
タッチパッド110は、タッチパッド110a~110dを含む。タッチパッド110aは筐体101の手前側面の左側に設けられ、タッチパッド110bは筐体101の左側面に設けられる。タッチパッド110a及びタッチパッド110bのセットは、複数のタッチパッドの一例であり、第1タッチパッド及び第1タッチパッドと異なる第2タッチパッドのセットの一例である。タッチパッド110cは筐体101の手前側面の右側に設けられ、タッチパッド110dは筐体101の右側面に設けられる。タッチパッド110c及びタッチパッド110dのセットは、複数のタッチパッドの一例であり、第1タッチパッド及び第2タッチパッドのセットの一例である。
【0021】
各タッチパッド110は、各側面の延伸方向に沿って設けられる。各タッチパッド110は、静電容量方式又は感圧式のタッチパッドである。各タッチパッド110は、利用者のタッチを検知する一又は複数のセンサを含む。センサが複数である場合、各センサは、各側面の延伸方向に沿って並べて配置される。各タッチパッド110の各センサは、検知状態が変化した場合、各センサにおける検知状態に応じて変化する検知信号を出力する。各タッチパッド110は、何れかのセンサにおいて検知状態が変化した場合、各センサの配置位置及び検知信号を含む操作信号を出力する。入力装置100は、利用者のタッチを検知したセンサの配置位置及び検知信号の信号値と、その時間変化とにより、各タッチパッド110に対する利用者の操作(ジェスチャ)を検出する。例えば、入力装置100は、何れかのセンサにおける検知信号の信号値が所定閾値以上である場合、そのセンサの配置位置におけるタッチ操作を検出する。入力装置100は、タッチ操作を検出したセンサの検知信号の信号値が所定閾値以下となり且つそのセンサに隣接するセンサの検知信号の信号値が所定閾値以上となった場合、先にタッチ操作を検出したセンサからその隣接するセンサへ向かう方向のスライド操作を検出する。
【0022】
各タッチパッド110は、ジェスチャ機能を割り当て可能であり、スライド(スワイプ)、フリック、タップ、ダブルタップ、プレス又はロングプレス等の操作に応じた信号を出力する。各タッチパッド110は、入力装置100が接続される情報処理装置が有する表示装置に表示される画面内のオブジェクトに対する上下もしくは左右スクロール、拡大もしくは縮小、又は、回転等を行うために用いられる。
【0023】
なお、タッチパッド110a、110bのセット、又は、タッチパッド110c、110dのセットのうちの一方は省略されてもよい。また、タッチパッド110a、110b、110c又は110dのうちの何れかが省略されてもよい。
【0024】
図3は、入力装置100の概略構成を示すブロック図である。入力装置100は、前述した構成に加えて、操作信号受信回路120、通信装置130、記憶装置140及び処理回路150等をさらに有する。
【0025】
操作信号受信回路120は、複数のキースイッチ102、複数のボタン103、マウスポインタ104及びタッチパッド110から利用者の入力操作に応じた操作信号を受信し、処理回路150に送信する。
【0026】
通信装置130は、情報処理装置と通信可能な通信部として機能する。通信装置130は、無線信号を送受信するアンテナと、所定の通信プロトコルに従って、無線通信回線を通じて情報処理装置と信号の送受信を行うための無線通信インタフェース回路とを有している。所定の通信プロトコルは、例えばBluetooth(登録商標)又はIEEE802.15を用いる無線通信プロトコルである。また、入力装置100は、通信装置130の代わりに、例えばUSB等のシリアルバスに準じるインタフェース回路を有し、情報処理装置と有線により接続して、信号を送受信してもよい。
【0027】
記憶装置140は、記憶部の一例である。記憶装置140は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置等を有する。また、記憶装置140には、入力装置100の各種処理に用いられるコンピュータプログラム、データベース、テーブル等が格納される。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な可搬型記録媒体から、公知のセットアッププログラム等を用いて記憶装置140にインストールされてもよい。可搬型記録媒体は、例えばCD-ROM(compact disc read only memory)、DVD-ROM(digital versatile disc read only memory)等である。また、コンピュータプログラムは、サーバ等から配信されて記憶装置140にインストールされてもよい。また、記憶装置140には、データとしてマップ情報及び操作テーブルが記憶される。マップ情報及び操作テーブルの詳細については後述する。
【0028】
処理回路150は、記憶装置140に予め記憶されているプログラムに基づいて動作する。処理回路150は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。処理回路150として、DSP(digital signal processor)、LSI(large scale integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等が用いられてもよい。処理回路150は、操作信号受信回路120、通信装置130及び記憶装置140等と接続され、これらの各部を制御する。処理回路150は、操作信号受信回路120を介して複数のキースイッチ102、複数のボタン103、マウスポインタ104及びタッチパッド110から操作信号を取得する。処理回路150は、取得した操作信号を通信装置130から出力可能且つ情報処理装置で処理可能な電気信号に変換し、通信装置130を介して情報処理装置に送信する。
【0029】
図4は、マップ情報のデータ構造の一例について説明するための模式図である。
【0030】
図4に示すように、マップ情報において、複数のキースイッチ102、複数のボタン103及びタッチパッド110に対する操作毎に出力情報が割り当てられて設定される。
【0031】
キースイッチ102又はボタン103に対する操作は、キースイッチ102又はボタン103を押下する操作である。タッチパッド110に対する操作は、スライド(スワイプ)、フリック、タップ、ダブルタップ、プレス又はロングプレス等を含む。タッチパッド110に対する操作の内容は、操作テーブルで規定される。
【0032】
出力情報は、各操作が実施されたときに情報処理装置に出力される情報である。キースイッチ102、ボタン103又はタッチパッド110に対する操作が実施されたときに出力される出力情報は、その操作に対応するコードである。コードは、情報処理装置との間で予め定められた数値列であり、情報処理装置に、対応するアクションを実行させるためのコマンドとして機能する。アクションには、情報処理装置が有する表示装置に表示される画面内のオブジェクトに対する上下もしくは左右スクロール、拡大もしくは縮小、又は、回転等が含まれる。
【0033】
なお、マウスポインタ104に対する操作は、マウスポインタ104に所定の方向への力を付与する操作である。マウスポインタ104に対する操作が実施されたときに出力される出力情報は、その操作(力が付与された方向及び付与された強さ)に対応する移動情報である。移動情報は、例えばポインタの移動方向及び移動量を示す。移動情報は、情報処理装置が有する表示装置に表示されるカーソル等のオブジェクトを移動させるための情報であり、情報処理装置に、対応するアクションを実行させるためのコマンドとして機能する。
【0034】
マップ情報で出力情報に割り当てられる操作には、複数の操作の組合せが含まれる。出力情報に割り当てられる操作には、タッチパッド110のうちの複数のタッチパッドに対する操作の組合せ、又は、タッチパッド110のうちの複数のタッチパッドに対する操作と複数のキースイッチ102のうちの特別キーに対する操作との組合せが含まれる。
【0035】
以下では、マップ情報で出力情報に割り当てられる、複数のタッチパッドに対する操作の組合せ、即ちタッチパッド110a及びタッチパッド110bの両方、又は、タッチパッド110c及びタッチパッド110dの両方に対する操作の組合せを組合せ操作と称する場合がある。また、マップ情報で出力情報に割り当てられる、複数のタッチパッドに対する操作と特別キーに対する操作との組合せ、即ちタッチパッド110a及びタッチパッド110bの両方、又は、タッチパッド110c及びタッチパッド110dの両方に対する操作と特別キーに対する操作との組合せについても組合せ操作と称する場合がある。組合せ操作は、例えば複数のタッチパッドのそれぞれに対するスライド操作によるピンチ操作又は回転操作である。組合せ操作は、複数のタッチパッドのそれぞれに対するスライド操作、フリック操作、タップ操作、ダブルタップ操作、プレス操作又はロングプレス操作等の任意の操作の組合せでもよい。
【0036】
一方、マップ情報で出力情報に割り当てられる、一つ(単一)のタッチパッドに対する操作、即ちタッチパッド110aのみ、タッチパッド110bのみ、タッチパッド110cのみ又はタッチパッド110dのみに対する操作を単独操作と称する場合がある。また、マップ情報で出力情報に割り当てられる、一つのタッチパッドに対する操作と特別キーに対する操作との組合せ、即ちタッチパッド110aのみ、タッチパッド110bのみ、タッチパッド110cのみ又はタッチパッド110dに対する操作と特別キーに対する操作との組合せについても単独操作と称する場合がある。単独操作は、例えばスライド(スワイプ)操作である。単独操作は、フリック操作、タップ操作、ダブルタップ操作、プレス操作又はロングプレス操作等の任意の操作でもよい。
【0037】
また、以下では、複数のキースイッチ102のそれぞれに対する操作をキー操作と称し、複数のボタン103のそれぞれに対する操作をボタン操作と称し、マウスポインタ104に対する操作をポインタ操作と称する場合がある。
【0038】
複数のタッチパッドの組合せとして、例えば筐体101の手前側面の左側に設けられたタッチパッド110aと筐体101の左側面に設けられたタッチパッド110bの組合せが設定される。また、複数のタッチパッドの組合せとして、筐体101の手前側面の右側に設けられたタッチパッド110cと筐体101の右側面に設けられたタッチパッド110dの組合せが設定される。筐体の左手前角又は右手前角を挟んで配置された二つのタッチパッドの組合せに対してコードが設定されることにより、利用者は左手のみ又は右手のみを用いて情報処理装置における所定のアクションを容易に実行できる。したがって、入力装置100は、利用者の利便性を向上させることができる。
【0039】
また、複数のタッチパッドに対する操作及び特別キーに対する操作の組合せに対してコードが設定されることにより、利用者は入力装置100のみを操作して情報処理装置における様々なアクションを容易に実行できる。したがって、入力装置100は、利用者の利便性を向上させることができる。
【0040】
上記したように、マップ情報で出力情報に割り当てられる操作には、タッチパッド110のうちの一つのタッチパッドに対する操作と複数のキースイッチ102のうちの特別キーに対する操作との組合せが含まれてもよい。一方、マップ情報で出力情報に割り当てられる操作には、特別キーのみに対する操作が含まれない。これにより、入力装置100は、特別キーに対して、他の操作と組み合わせて操作することにより、他の操作に割り当てられていた出力情報と異なる出力情報を出力させる変換機能を割り当てることができる。
【0041】
また、記憶装置140は、種別又はOS(Operating System)等が異なる複数の情報処理装置にそれぞれ対応する複数のマップ情報を記憶してもよい。その場合、複数のマップ情報において、同一の操作に対して異なる出力情報が割り当てられる。記憶装置140には、各マップ情報に切り替えるための切り替え操作の内容(操作されるデバイス及び各デバイスに対して行われる操作)が設定される。
【0042】
図5は、操作テーブルのデータ構造の一例について説明するための模式図である。
【0043】
図5に示すように、操作テーブルには、各タッチパッド110に対する操作の内容が規定される。操作テーブルには、各タッチパッド110に対する操作毎に、各タッチパッド110に対する操作方向、各タッチパッド110との接触時間、接触回数、接触面積及び/又は接触領域数等が相互に関連付けて記憶される。即ち、各タッチパッド110に対する操作は、各タッチパッド110に対する操作方向、又は、各タッチパッド110との接触時間、接触回数、接触面積もしくは接触領域数に応じて区別される。各タッチパッド110に対する操作は、操作方向、接触時間、接触回数、接触面積及び接触領域数の全てに基づくのではなく、少なくとも一つに応じて区別されればよい。
【0044】
入力装置100は、タッチパッド110に対する操作を様々なパラメータを用いて規定することにより、多数の種類の操作をサポートすることができる。
【0045】
図6は、記憶装置140及び処理回路150の概略構成を示す図である。
【0046】
図6に示すように 、記憶装置140には、制御プログラム141等が記憶される。プログラムは、プロセッサ上で動作するソフトウェアにより実装される機能モジュールである。処理回路150は、記憶装置140に記憶されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従って動作することにより、制御部151として機能する。
【0047】
図7、
図8及び
図9は、入力装置100により実行される制御処理の一例を示すフローチャートである。制御処理は、予め記憶装置140に記憶されているプログラムに基づき主に処理回路150によって入力装置100の各要素と協働して実行される。
【0048】
まず、制御部151は、操作信号を取得するまで待機する(ステップS101)。利用者により各デバイス(キースイッチ102、ボタン103、マウスポインタ104又はタッチパッド110)に対して操作が行われた場合、各デバイスは、その操作に対応する操作信号を操作信号受信回路120に出力する。操作信号受信回路120は、各デバイスから操作信号を受信した場合、受信した操作信号を所定の形式に変換して処理回路150に出力する。操作信号には、操作されたデバイス及びそのデバイスに対して行われた操作を示す情報が含まれる。
【0049】
操作信号受信回路120は、十分に短い時間内に、複数のデバイスから操作信号を受信した場合、受信した複数の操作信号を一つにまとめて処理回路150に出力してもよい。なお、制御部151が、十分に短い時間内に操作信号受信回路120から複数の操作信号を受信した場合に、受信した複数の操作信号をまとめて処理してもよい。
【0050】
次に、制御部151は、取得した操作信号で示される操作が切り替え操作であるか否かを判定する(ステップS102)。
【0051】
操作信号で示される操作が切り替え操作であった場合、制御部151は、記憶装置140から、その切り替え操作に対応するマップ情報を特定し、使用中のマップ情報を、特定したマップ情報に切り替え(ステップS103)、ステップS101へ処理を戻す。このように、制御部151は、利用者からの要求に従って、マップ情報を切り替える。これにより、入力装置100は、接続される情報処理装置の種別又はOS等に応じてマップ情報を切り替えることができ、様々な種類の情報処理装置をサポートすることができる。
【0052】
ステップS102において操作信号で示される操作が切り替え操作でなかった場合、制御部151は、操作信号で示される操作が、一つのタッチパッドに対する単独操作であるか否かを判定する(ステップS104)。制御部151は、記憶装置140に記憶されたマップ情報及び操作テーブルを参照し、操作信号で示される操作が、マップ情報で出力情報に割り当てられている単独操作であるか否かを判定する。
【0053】
操作信号で示される操作が単独操作であった場合、制御部151は、入力装置100の現在の操作状態が組合せ操作状態であるか否かを判定する(ステップS105)。組合せ操作状態は、利用者により組合せ操作が実施されたことにより、入力装置100がその組合せ操作に割り当てられたコードを出力している状態である。操作状態は、組合せ操作が実施されてから、組合せ操作の終了条件が満たされるまで組合せ操作状態に設定される。操作状態が組合せ操作状態である場合、制御部151は、先の組合せ操作が継続していると判定し、操作信号で示される単独操作に割り当てられたコードを出力することなく、操作信号を破棄する(ステップS106)。そして、制御部151は、ステップS101へ処理を戻す。
【0054】
一方、操作状態が組合せ操作状態でない場合、制御部151は、操作状態が、操作信号で示される操作を受け付けたタッチパッドと異なる他のタッチパッドによる単独操作状態であるか否かを判定する(ステップS107)。例えば、操作を受け付けたタッチパッドがタッチパッド110aである場合、他の複数のタッチパッドはタッチパッド110b、110c又は110dである。単独操作状態は、利用者により単独操作が実施されたことにより、入力装置100がその単独操作に割り当てられたコードを出力している状態である。他のタッチパッドによる単独操作状態は、利用者により他のタッチパッドに対する単独操作が実施されたことにより、入力装置100がその単独操作に割り当てられたコードを出力している状態である。操作状態は、単独操作が実施されてから、単独操作の終了条件が満たされるまで単独操作状態に設定される。操作状態が他のタッチパッドによる単独操作状態である場合、制御部151は、先の単独操作が継続していると判定し、操作信号で示される単独操作に割り当てられたコードを出力することなく、操作信号を破棄する(ステップS106)。そして、制御部151は、ステップS101へ処理を戻す。
【0055】
一方、操作状態が他のタッチパッドによる単独操作状態でない場合、制御部151は、操作状態がキー操作状態であるか否かを判定する(ステップS108)。キー操作状態は、利用者によりキー操作が実施されたことにより、入力装置100がそのキー操作に割り当てられたコードを出力している状態である。操作状態は、キー操作が実施されてから、キー操作の終了条件が満たされるまでキー操作状態に設定される。操作状態がキー操作状態である場合、制御部151は、先のキー操作が継続していると判定し、操作信号で示される単独操作に割り当てられたコードを出力することなく、操作信号を破棄する(ステップS106)。そして、制御部151は、ステップS101へ処理を戻す。
【0056】
一方、操作状態がキー操作状態でない場合、制御部151は、操作状態がボタン操作状態であるか否かを判定する(ステップS109)。ボタン操作状態は、利用者によりボタン操作が実施されたことにより、入力装置100がそのボタン操作に割り当てられたコードを出力している状態である。操作状態は、ボタン操作が実施されてから、ボタン操作の終了条件が満たされるまでボタン操作状態に設定される。操作状態がボタン操作状態である場合、制御部151は、先のボタン操作が継続していると判定し、操作信号で示される単独操作に割り当てられたコードを出力することなく、操作信号を破棄する(ステップS106)。そして、制御部151は、ステップS101へ処理を戻す。
【0057】
一方、操作状態がボタン操作状態でない場合、制御部151は、操作状態がポインタ操作状態であるか否かを判定する(ステップS110)。ポインタ操作状態は、利用者によりポインタ操作が実施されたことにより、入力装置100がそのポインタ操作に割り当てられた移動情報を出力している状態である。操作状態は、ポインタ操作が実施されてから、ポインタ操作の終了条件が満たされるまでポインタ操作状態に設定される。操作状態がポインタ操作状態である場合、制御部151は、先のポインタ操作が継続していると判定し、操作信号で示される単独操作に割り当てられたコードを出力することなく、操作信号を破棄する(ステップS106)。そして、制御部151は、ステップS101へ処理を戻す。
【0058】
一方、操作状態がポインタ操作状態でない場合、制御部151は、操作状態を、操作信号で示される操作を受け付けたタッチパッドによる単独操作状態に設定する(ステップS111)。
【0059】
次に、制御部151は、記憶装置140に記憶されたマップ情報及び操作テーブルを参照し、操作信号で示される操作(単独操作)に割り当てられた出力情報(コード)を特定する。制御部151は、特定した出力情報(コード)を、通信装置130を介して情報処理装置に出力し(ステップS112)、ステップS101へ処理を戻す。出力されるコードは、第1コード又は第3コードの一例である。
【0060】
このように、制御部151は、二つのタッチパッドのうちの一つのタッチパッドに対する単独操作が実施された場合、そのタッチパッドに対する単独操作に割り当てられたコードを出力する。そして、ステップS105で説明したように、制御部151は、二つのタッチパッドの両方に対する組合せ操作が実施されているときに、一方のタッチパッドに対する単独操作が実施された場合、その単独操作に割り当てられたコードを出力しない。即ち、制御部151は、二つのタッチパッドの両方に対する組合せ操作が実施されたことによりその組合せ操作に割り当てられたコードを出力しているときに、一方のタッチパッドから利用者の指が離間した場合、単独操作に割り当てられたコードを出力しない。これにより、利用者がピンチ操作又は回転操作等を実施している最中に、利用者の指が誤って一方のタッチパッドから離れてしまっても、制御部151は、情報処理装置に、他方のタッチパッドに対するスライド操作に対応するアクションを実行させない。また、制御部151は、二つのタッチパッドの両方に対する組合せ操作が実施されたことによりその組合せ操作に割り当てられたコードを出力しているときに、他のタッチパッドに対する操作が実施された場合も、その操作に割り当てられたコードを出力しない。したがって、入力装置100は、複数のタッチパッドに対する操作誤りの発生を抑制でき、利用者の利便性を向上させることができる。
【0061】
また、ステップS107で説明したように、制御部151は、二つのタッチパッドのうちの一方のタッチパッドに対する単独操作が実施されたことによりその単独操作に割り当てられたコードを出力しているときに、他方のタッチパッドに対する単独操作が実施されても、その単独操作に割り当てられたコードを出力しない。これにより、利用者が何れかのタッチパッドに対してスライド操作等を実施している最中に誤って他のタッチパッドに触れてしまっても、制御部151は、情報処理装置に、他のタッチパッドに対するスライド操作に対応するアクションを実行させない。したがって、入力装置100は、複数のタッチパッドに対する操作誤りの発生を抑制でき、利用者の利便性を向上させることができる。
【0062】
また、ステップS108で説明したように、制御部151は、何れかのキースイッチに対するキー操作が実施されているときに、一つのタッチパッドに対する単独操作が実施された場合、その単独操作に割り当てられたコードを出力しない。これにより、利用者が何れかのキースイッチに対して操作を実施している最中に誤ってタッチパッドに触れてしまっても、制御部151は、情報処理装置に、タッチパッドに対する操作に対応するアクションを実行させない。したがって、入力装置100は、操作誤りの発生を抑制でき、利用者の利便性を向上させることができる。
【0063】
また、上記したように、マップ情報で出力情報に割り当てられる操作には、一つのタッチパッドに対する操作と特別キーに対する操作との組合せが含まれ、且つ、特別キーのみに対する操作が含まれない。したがって、制御部151は、特別キーに対するキー操作が実施されているときに、一つのタッチパッドに対する単独操作が実施された場合、特別キーに対するキー操作と一つのタッチパッドに対する単独操作との組合せに対応するコードを出力する。即ち、その場合、制御部151は、特別キーに対するキー操作と一つのタッチパッドに対する単独操作との組合せに応じたコードを出力する。即ち、制御部151は、特別キーに対するキー操作と一つのタッチパッドに対する単独操作との組合せに応じた処理を実行する。これにより、入力装置100は、特別キーを用いて、出力するコードのバリエーションを増大させることができる。
【0064】
また、ステップS109で説明したように、制御部151は、何れかのボタンに対するボタン操作が実施されているときに、一つのタッチパッドに対する単独操作が実施された場合、その単独操作に割り当てられたコードを出力しない。これにより、利用者が何れかのボタンに対して操作を実施している最中に誤ってタッチパッドに触れてしまっても、制御部151は、情報処理装置に、タッチパッドに対する操作に対応するアクションを実行させない。したがって、入力装置100は、操作誤りの発生を抑制でき、利用者の利便性を向上させることができる。
【0065】
また、ステップS110で説明したように、制御部151は、マウスポインタ104に対するポインタ操作が実施されているときに、一つのタッチパッドに対する単独操作が実施された場合、その単独操作に割り当てられたコードを出力しない。これにより、利用者がマウスポインタ104に対して操作を実施している最中に誤ってタッチパッドに触れてしまっても、制御部151は、情報処理装置に、タッチパッドに対する操作に対応するアクションを実行させない。したがって、入力装置100は、操作誤りの発生を抑制でき、利用者の利便性を向上させることができる。
【0066】
ステップS104において操作信号で示される操作が単独操作でなかった場合、制御部151は、操作信号で示される操作が、単独操作の終了に対応する操作であるか否かを判定する(ステップS113)。例えば、操作状態が単独操作状態であり且つ実施中の単独操作がスライド操作、プレス操作又はロングプレス操作である場合、制御部151は、操作信号で示される操作が対象のタッチパッドから利用者の指が離間していることを示すか否かを判定する。操作状態が単独操作状態であり且つ操作信号で示される操作が対象のタッチパッドから利用者の指が離間していることを示す場合、制御部151は、操作信号で示される操作が、単独操作の終了に対応する操作であると判定する。
【0067】
操作信号で示される操作が、単独操作の終了に対応する操作である場合、制御部151は、単独操作状態を解除し(ステップS114)、ステップS101へ処理を戻す。即ち、制御部151は、何れかのタッチパッドに対する単独操作が実施されたことにより単独操作に割り当てられたコードを出力しているとき、そのタッチパッドから利用者の指が離間したことを条件に、その単独操作が終了したと判定する。これにより、利用者は、スライド操作、プレス操作又はロングプレス操作において、操作中のタッチパッドに触れ続けている間は、他のデバイスに触れてしまっても操作を継続することができる。利用者は、操作中のタッチパッドに触れ続けているか否かにより操作が継続しているか否かを判別でき、現在の操作状態を正しく認識できる。したがって、入力装置100は、利用者の利便性を向上させることができる。
【0068】
実施中の単独操作がフリック操作、タップ操作又はダブルタップ操作である場合、制御部151は、ステップS111で操作状態を単独操作状態に設定してから所定時間が経過した場合に、単独操作状態を解除する。この場合、制御部151は、制御処理とは非同期に、所定時間が経過したことを監視する。
【0069】
ステップS113において操作信号で示される操作が、単独操作の終了に対応する操作でなかった場合、制御部151は、操作信号で示される操作が、複数のタッチパッドに対する組合せ操作であるか否かを判定する(ステップS115)。制御部151は、記憶装置140に記憶されたマップ情報及び操作テーブルを参照し、操作信号で示される操作が、マップ情報で出力情報に割り当てられている組合せ操作であるか否かを判定する。
【0070】
操作信号で示される操作が組合せ操作であった場合、制御部151は、操作状態が、操作信号で示される操作を受け付けた複数のタッチパッドと異なる他の複数のタッチパッドによる組合せ操作状態であるか否かを判定する(ステップS116)。例えば、操作を受け付けた複数のタッチパッドがタッチパッド110a及び110bである場合、他の複数のタッチパッドはタッチパッド110c及び110dである。他の複数のタッチパッドによる組合せ操作状態は、利用者により他の複数のタッチパッドに対する組合せ操作が実施されたことにより、入力装置100がその組合せ操作に割り当てられたコードを出力している状態である。操作状態が他の複数のタッチパッドによる組合せ操作状態である場合、制御部151は、先の組合せ操作が継続していると判定し、操作信号で示される組合せ操作に割り当てられたコードを出力することなく、操作信号を破棄する(ステップS117)。そして、制御部151は、ステップS101へ処理を戻す。
【0071】
一方、操作状態が他の複数のタッチパッドによる組合せ操作状態でない場合、制御部151は、操作状態が単独操作状態であるか否かを判定する(ステップS118)。操作状態が単独操作状態である場合、制御部151は、先の単独操作が継続していると判定し、操作信号で示される組合せ操作に割り当てられたコードを出力することなく、操作信号を破棄する(ステップS117)。そして、制御部151は、ステップS101へ処理を戻す。
【0072】
一方、操作状態が単独操作状態でない場合、制御部151は、操作状態がキー操作状態であるか否かを判定する(ステップS119)。操作状態がキー操作状態である場合、制御部151は、先のキー操作が継続していると判定し、操作信号で示される組合せ操作に割り当てられたコードを出力することなく、操作信号を破棄する(ステップS117)。そして、制御部151は、ステップS101へ処理を戻す。
【0073】
一方、操作状態がキー操作状態でない場合、制御部151は、操作状態がボタン操作状態であるか否かを判定する(ステップS120)。操作状態がボタン操作状態である場合、制御部151は、先のボタン操作が継続していると判定し、操作信号で示される組合せ操作に割り当てられたコードを出力することなく、操作信号を破棄する(ステップS117)。そして、制御部151は、ステップS101へ処理を戻す。
【0074】
一方、操作状態がボタン操作状態でない場合、制御部151は、操作状態がポインタ操作状態であるか否かを判定する(ステップS121)。操作状態がポインタ操作状態である場合、制御部151は、先のポインタ操作が継続していると判定し、操作信号で示される組合せ操作に割り当てられたコードを出力することなく、操作信号を破棄する(ステップS117)。そして、制御部151は、ステップS101へ処理を戻す。
【0075】
一方、操作状態がポインタ操作状態でない場合、制御部151は、操作状態を、操作信号で示される操作を受け付けた複数のタッチパッドによる組合せ操作状態に設定する(ステップS122)。
【0076】
次に、制御部151は、記憶装置140に記憶されたマップ情報及び操作テーブルを参照し、操作信号で示される操作(組合せ操作)に割り当てられた出力情報(コード)を特定する。制御部151は、特定した出力情報(コード)を、通信装置130を介して情報処理装置に出力し(ステップS123)、ステップS101へ処理を戻す。出力されるコードは、第2コードの一例である。
【0077】
このように、制御部151は、複数のタッチパッドに対する操作を受け付けた場合に、マップ情報に基づいて、その操作の組合せに対応するコードを出力する。これにより、利用者は、入力装置100を用いて、上下もしくは左右スクロール、拡大もしくは縮小、又は、回転等の細かな操作を簡易に行うことができ、入力装置100は、利用者の利便性をより向上させることができる。
【0078】
また、上記したように、組合せ操作には、複数のタッチパッドに対する操作と特別キーに対する操作との組合せが含まれる。即ち、制御部151は、複数のタッチパッド及び特別キーに対する操作を受け付けた場合に、マップ情報に基づいて、その操作に係る複数のタッチパッドに対する操作及び特別キーに対する操作の組合せに対応するコードを出力する。これにより、入力装置100は、特別キーを用いて、出力するコードのバリエーションを増大させることができる。
【0079】
また、制御部151は、複数のタッチパッドに対する操作方向、又は、複数のタッチパッドとの接触時間、接触回数、接触面積もしくは接触領域数に応じたコードを出力する。これにより、入力装置100は、タッチパッドに対する操作のバリエーションを増大させることができる。
【0080】
また、制御部151は、タッチパッド110a及びタッチパッド110bの両方、又は、タッチパッド110c及びタッチパッド110dの両方に対する組合せ操作が実施された場合、その組合せ操作に割り当てられたコードを出力する。そして、ステップS118で説明したように、制御部151は、その二つのタッチパッドのうちの一方のタッチパッドに対する単独操作が実施されているときに、その二つのタッチパッドの両方に対する組合せ操作が実施された場合、その組合せ操作に割り当てられたコードを出力しない。即ち、制御部151は、二つのタッチパッドのうちの一方のタッチパッドに対する単独操作が実施されたことによりその単独操作に割り当てられたコードを出力しているときに、さらに他方のタッチパッドに対する単独操作が実施された場合、組合せ操作に割り当てられたコードを出力しない。これにより、利用者が一つのタッチパッドに対してスライド操作等を実施している最中に誤って他のタッチパッドに触れてしまっても、制御部151は、情報処理装置に、二つのタッチパッドに対するピンチ操作又は回転操作等に対応するアクションを実行させない。したがって、入力装置100は、複数のタッチパッドに対する操作誤りの発生を抑制でき、利用者の利便性を向上させることができる。
【0081】
また、ステップS119で説明したように、制御部151は、何れかのキースイッチに対するキー操作が実施されているときに、二つのタッチパッドに対する組合せ操作が実施された場合、その組合せ操作に割り当てられたコードを出力しない。これにより、利用者が何れかのキースイッチに対して操作を実施している最中に誤ってタッチパッドに触れてしまっても、制御部151は、情報処理装置に、タッチパッドに対する操作に対応するアクションを実行させない。したがって、入力装置100は、操作誤りの発生を抑制でき、利用者の利便性を向上させることができる。
【0082】
また、上記したように、マップ情報で出力情報に割り当てられる操作には、二つのタッチパッドに対する操作と特別キーに対する操作との組合せが含まれ、且つ、特別キーのみに対する操作が含まれない。したがって、制御部151は、特別キーに対するキー操作が実施されているときに、二つのタッチパッドに対する組合せ操作が実施された場合、特別キーに対するキー操作と二つのタッチパッドに対する組合せ操作との組合せに対応するコードを出力する。即ち、その場合、制御部151は、特別キーに対するキー操作と二つのタッチパッドに対する組合せ操作との組合せに応じたコードを出力する。即ち、制御部151は、特別キーに対するキー操作と二つのタッチパッドに対する組合せ操作との組合せに応じた処理を実行する。これにより、入力装置100は、特別キーを用いて、出力するコードのバリエーションを増大させることができる。
【0083】
また、ステップS120で説明したように、制御部151は、何れかのボタンに対するボタン操作が実施されているときに、二つのタッチパッドに対する組合せ操作が実施された場合、その組合せ操作に割り当てられたコードを出力しない。これにより、利用者が何れかのボタンに対して操作を実施している最中に誤ってタッチパッドに触れてしまっても、制御部151は、情報処理装置に、タッチパッドに対する操作に対応するアクションを実行させない。したがって、入力装置100は、操作誤りの発生を抑制でき、利用者の利便性を向上させることができる。
【0084】
また、ステップS121で説明したように、制御部151は、マウスポインタ104に対するポインタ操作が実施されているときに、二つのタッチパッドに対する組合せ操作が実施された場合、その組合せ操作に割り当てられたコードを出力しない。これにより、利用者がマウスポインタ104に対して操作を実施している最中に誤ってタッチパッドに触れてしまっても、制御部151は、情報処理装置に、タッチパッドに対する操作に対応するアクションを実行させない。したがって、入力装置100は、操作誤りの発生を抑制でき、利用者の利便性を向上させることができる。
【0085】
上記したように、何れか一つのタッチパッドに対する単独操作が実施されている場合、二つのタッチパッドに対する組合せ操作は無効化される。入力装置100は、最初に二つのタッチパッドに対する同時操作が行われた場合に、組合せ操作を受け付ける。利用者は、例えばピンチ操作又は回転操作を行う場合、最初に二つのタッチパッドに同時にタッチしてから各タッチパッドに対するスライドを行う。これにより、二つのタッチパッドを操作しようとする利用者の意図が明確化され、入力装置100は、操作誤りの発生を抑制できる。
【0086】
ステップS115において操作信号で示される操作が組合せ操作でなかった場合、制御部151は、操作信号で示される操作が、組合せ操作の終了に対応する操作であるか否かを判定する(ステップS124)。例えば、操作状態が組合せ操作状態であり且つ実施中の組合せ操作がピンチ操作又は回転操作のようにスライド操作、プレス操作又はロングプレス操作を含む場合、制御部151は、操作信号で示される操作が対象の二つのタッチパッドの両方から利用者の指が離間していることを示すか否かを判定する。操作状態が組合せ操作状態であり且つ操作信号で示される操作が対象の二つのタッチパッドの両方から利用者の指が離間していることを示す場合、制御部151は、操作信号で示される操作が、組合せ操作の終了に対応する操作であると判定する。
【0087】
操作信号で示される操作が、組合せ操作の終了に対応する操作である場合、制御部151は、組合せ操作状態を解除し(ステップS125)、ステップS101へ処理を戻す。即ち、制御部151は、二つのタッチパッドの両方に対する組合せ操作が実施されたことにより組合せ操作に割り当てられたコードを出力しているとき、その二つのタッチパッドの両方から利用者の指が離間したことを条件に、その組合せ操作が終了したと判定する。これにより、利用者は、ピンチ操作又は回転操作において、操作中のタッチパッドに触れ続けている間は、他のデバイスに触れてしまっても操作を継続することができる。利用者は、操作中のタッチパッドに触れ続けているか否かにより操作が継続しているか否かを判別でき、現在の操作状態を正しく認識できる。したがって、入力装置100は、利用者の利便性を向上させることができる。
【0088】
実施中の単独操作がフリック操作、タップ操作又はダブルタップ操作の組合せである場合、制御部151は、ステップS122で操作状態を組合せ操作状態に設定してから所定時間が経過した場合に、組合せ操作状態を解除する。この場合、制御部151は、制御処理とは非同期に、所定時間が経過したことを監視する。
【0089】
ステップS124において操作信号で示される操作が、組合せ操作の終了に対応する操作でなかった場合、制御部151は、操作信号で示される操作が、何れかのキースイッチ102に対するキー操作であるか否かを判定する(ステップS126)。制御部151は、記憶装置140に記憶されたマップ情報及び操作テーブルを参照し、操作信号で示される操作が、マップ情報で出力情報に割り当てられているキー操作であるか否かを判定する。
【0090】
操作信号で示される操作がキー操作であった場合、制御部151は、操作状態が組合せ操作状態であるか否かを判定する(ステップS127)。操作状態が組合せ操作状態である場合、制御部151は、先の組合せ操作が継続していると判定し、操作信号で示されるキー操作に割り当てられたコードを出力することなく、操作信号を破棄する(ステップS128)。そして、制御部151は、ステップS101へ処理を戻す。
【0091】
一方、操作状態が組合せ操作状態でない場合、制御部151は、操作状態が単独操作状態であるか否かを判定する(ステップS129)。操作状態が単独操作状態である場合、制御部151は、先の単独操作が継続していると判定し、操作信号で示されるキー操作に割り当てられたコードを出力することなく、操作信号を破棄する(ステップS128)。そして、制御部151は、ステップS101へ処理を戻す。
【0092】
一方、操作状態が単独操作状態でない場合、制御部151は、操作状態をキー操作状態に設定する(ステップS130)。
【0093】
次に、制御部151は、記憶装置140に記憶されたマップ情報及び操作テーブルを参照し、操作信号で示される操作(キー操作)に割り当てられた出力情報(コード)を特定する。制御部151は、特定した出力情報(コード)を、通信装置130を介して情報処理装置に出力し(ステップS131)、ステップS101へ処理を戻す。出力されるコードは、第4コードの一例である。
【0094】
このように、制御部151は、複数のキースイッチ102のそれぞれに対するキー操作が実施された場合、そのキー操作に割り当てられたコードを出力する。そして、ステップS127で説明したように、制御部151は、組合せ操作が実施されたことにより組合せ操作に割り当てられたコードを出力しているときに、複数のキースイッチ102のうちの何れかのキースイッチに対するキー操作が実施された場合、そのキー操作に割り当てられたコードを出力しない。これにより、利用者が二つのタッチパッドに対してピンチ操作、回転操作等を実施している最中に誤ってキースイッチに触れてしまっても、制御部151は、情報処理装置に、そのキースイッチに対応するアクションを実行させない。したがって、入力装置100は、操作誤りの発生を抑制でき、利用者の利便性を向上させることができる。
【0095】
また、ステップS129で説明したように、制御部151は、単独操作が実施されたことにより単独操作に割り当てられたコードを出力しているときに、複数のキースイッチ102のうちの何れかのキースイッチに対するキー操作が実施された場合、そのキー操作に割り当てられたコードを出力しない。これにより、利用者が一つのタッチパッドに対してスライド操作等を実施している最中に誤ってキースイッチに触れてしまっても、制御部151は、情報処理装置に、そのキースイッチに対応するアクションを実行させない。したがって、入力装置100は、操作誤りの発生を抑制でき、利用者の利便性を向上させることができる。
【0096】
一方、ステップS126において、操作信号で示される操作がキー操作でなかった場合、制御部151は、操作信号で示される操作が、キー操作の終了に対応する操作であるか否かを判定する(ステップS132)。例えば、操作状態がキー操作状態である場合、制御部151は、操作信号で示される操作が対象のキースイッチから利用者の指が離間していることを示すか否かを判定する。操作状態がキー操作状態であり且つ操作信号で示される操作が対象のキースイッチから利用者の指が離間していることを示す場合、制御部151は、操作信号で示される操作が、キー操作の終了に対応する操作であると判定する。
【0097】
操作信号で示される操作が、キー操作の終了に対応する操作である場合、制御部151は、キー操作状態を解除し(ステップS133)、ステップS101へ処理を戻す。制御部151は、操作状態がキー操作状態である場合、対象のキースイッチから利用者の指が離間してから所定時間が経過したときに、キー操作状態を解除してもよい。この場合、制御部151は、制御処理とは非同期に、所定時間が経過したことを監視する。
【0098】
ステップS134において操作信号で示される操作が、キー操作の終了に対応する操作でなかった場合、制御部151は、操作信号で示される操作が、何れかのボタン103に対するボタン操作であるか否かを判定する(ステップS134)。制御部151は、記憶装置140に記憶されたマップ情報及び操作テーブルを参照し、操作信号で示される操作が、マップ情報で出力情報に割り当てられているボタン操作であるか否かを判定する。
【0099】
操作信号で示される操作がボタン操作であった場合、制御部151は、操作状態が組合せ操作状態であるか否かを判定する(ステップS135)。操作状態が組合せ操作状態である場合、制御部151は、先の組合せ操作が継続していると判定し、操作信号で示されるボタン操作に割り当てられたコードを出力することなく、操作信号を破棄する(ステップS136)。そして、制御部151は、ステップS101へ処理を戻す。
【0100】
一方、操作状態が組合せ操作状態でない場合、制御部151は、操作状態が単独操作状態であるか否かを判定する(ステップS137)。操作状態が単独操作状態である場合、制御部151は、先の単独操作が継続していると判定し、操作信号で示されるボタン操作に割り当てられたコードを出力することなく、操作信号を破棄する(ステップS136)。そして、制御部151は、ステップS101へ処理を戻す。
【0101】
一方、操作状態が単独操作状態でない場合、制御部151は、操作状態をボタン操作状態に設定する(ステップS138)。
【0102】
次に、制御部151は、記憶装置140に記憶されたマップ情報及び操作テーブルを参照し、操作信号で示される操作(ボタン操作)に割り当てられた出力情報(コード)を特定する。制御部151は、特定した出力情報(コード)を、通信装置130を介して情報処理装置に出力し(ステップS139)、ステップS101へ処理を戻す。
【0103】
このように、制御部151は、複数のボタン103のそれぞれに対するボタン操作が実施された場合、そのボタン操作に割り当てられたコードを出力する。そして、ステップS135で説明したように、制御部151は、組合せ操作が実施されたことにより組合せ操作に割り当てられたコードを出力しているときに、複数のボタン103のうちの何れかのボタンに対するボタン操作が実施された場合、そのボタン操作に割り当てられたコードを出力しない。これにより、利用者が二つのタッチパッドに対してピンチ操作、回転操作等を実施している最中に誤ってボタンに触れてしまっても、制御部151は、情報処理装置に、そのボタンに対応するアクションを実行させない。したがって、入力装置100は、操作誤りの発生を抑制でき、利用者の利便性を向上させることができる。
【0104】
また、ステップS137で説明したように、制御部151は、単独操作が実施されたことにより単独操作に割り当てられたコードを出力しているときに、複数のボタン103のうちの何れかのボタンに対するボタン操作が実施された場合、そのボタン操作に割り当てられたコードを出力しない。これにより、利用者が一つのタッチパッドに対してスライド操作等を実施している最中に誤ってボタンに触れてしまっても、制御部151は、情報処理装置に、そのボタンに対応するアクションを実行させない。したがって、入力装置100は、操作誤りの発生を抑制でき、利用者の利便性を向上させることができる。
【0105】
一方、ステップS134において、操作信号で示される操作がボタン操作でなかった場合、制御部151は、操作信号で示される操作が、ボタン操作の終了に対応する操作であるか否かを判定する(ステップS140)。例えば、操作状態がボタン操作状態である場合、制御部151は、操作信号で示される操作が対象のボタンから利用者の指が離間していることを示すか否かを判定する。操作状態がボタン操作状態であり且つ操作信号で示される操作が対象のボタンから利用者の指が離間していることを示す場合、制御部151は、操作信号で示される操作が、ボタン操作の終了に対応する操作であると判定する。
【0106】
操作信号で示される操作が、ボタン操作の終了に対応する操作である場合、制御部151は、ボタン操作状態を解除し(ステップS141)、ステップS101へ処理を戻す。制御部151は、操作状態がボタン操作状態である場合、対象のボタンから利用者の指が離間してから所定時間が経過した場合に、ボタン操作状態を解除してもよい。この場合、制御部151は、制御処理とは非同期に、所定時間が経過したことを監視する。
【0107】
ステップS140において操作信号で示される操作が、ボタン操作の終了に対応する操作でなかった場合、制御部151は、操作信号で示される操作が、マウスポインタ104に対するポインタ操作であるか否かを判定する(ステップS142)。
【0108】
操作信号で示される操作がポインタ操作であった場合、制御部151は、操作状態が組合せ操作状態であるか否かを判定する(ステップS143)。操作状態が組合せ操作状態である場合、制御部151は、先の組合せ操作が継続していると判定し、操作信号で示されるポインタ操作に対応する移動情報を出力することなく、操作信号を破棄する(ステップS144)。そして、制御部151は、ステップS101へ処理を戻す。
【0109】
一方、操作状態が組合せ操作状態でない場合、制御部151は、操作状態が単独操作状態であるか否かを判定する(ステップS145)。操作状態が単独操作状態である場合、制御部151は、先の単独操作が継続していると判定し、操作信号で示されるポインタ操作に対応する移動情報を出力することなく、操作信号を破棄する(ステップS144)。そして、制御部151は、ステップS101へ処理を戻す。
【0110】
一方、操作状態が単独操作状態でない場合、制御部151は、操作状態をポインタ操作状態に設定する(ステップS146)。
【0111】
次に、制御部151は、操作信号で示される操作(ポインタ操作)に対応する出力情報(移動情報)を特定する。制御部151は、特定した出力情報(移動情報)を、通信装置130を介して情報処理装置に出力し(ステップS147)、ステップS101へ処理を戻す。
【0112】
このように、制御部151は、マウスポインタ104に対するポインタ操作が実施された場合、そのポインタ操作に対応する移動情報を出力する。そして、ステップS143で説明したように、制御部151は、組合せ操作が実施されたことにより組合せ操作に割り当てられたコードを出力しているときに、マウスポインタ104に対するポインタ操作が実施された場合、そのポインタ操作に対応する移動情報を出力しない。これにより、利用者が二つのタッチパッドに対してピンチ操作、回転操作等を実施している最中に誤ってマウスポインタ104に触れてしまっても、制御部151は、情報処理装置に、マウスポインタ104に対する操作に対応するアクションを実行させない。したがって、入力装置100は、操作誤りの発生を抑制でき、利用者の利便性を向上させることができる。
【0113】
また、ステップS145で説明したように、制御部151は、単独操作が実施されたことにより単独操作に割り当てられたコードを出力しているときに、マウスポインタ104に対するポインタ操作が実施された場合、そのポインタ操作に対応する移動情報を出力しない。これにより、利用者が一つのタッチパッドに対してスライド操作等を実施している最中に誤ってマウスポインタ104に触れてしまっても、制御部151は、情報処理装置に、マウスポインタ104に対する操作に対応するアクションを実行させない。したがって、入力装置100は、操作誤りの発生を抑制でき、利用者の利便性を向上させることができる。
【0114】
一方、ステップS142において、操作信号で示される操作がポインタ操作でなかった場合、制御部151は、操作信号で示される操作が、ポインタ操作の終了に対応する操作であるか否かを判定する(ステップS148)。例えば、操作状態がポインタ操作状態である場合、制御部151は、操作信号で示される操作が、マウスポインタ104が停止したことを示すか否かを判定する。操作状態がポインタ操作状態であり且つ操作信号で示される操作が、マウスポインタ104が停止したことを示す場合、制御部151は、操作信号で示される操作が、ポインタ操作の終了に対応する操作であると判定する。
【0115】
操作信号で示される操作が、ポインタ操作の終了に対応する操作である場合、制御部151は、ポインタ操作状態を解除し(ステップS149)、ステップS101へ処理を戻す。制御部151は、ステップS146で操作状態をポインタ操作状態に設定してから所定時間が経過した場合、又は、マウスポインタ104が停止してから所定時間が経過した場合に、ポインタ操作状態を解除してもよい。この場合、制御部151は、制御処理とは非同期に、所定時間が経過したことを監視する。
【0116】
なお、ステップS105、S107、S108、S109、S110、S116、S118、S119、S120、S121、S127、S129、S135、S137、S143又はS145の処理は省略されてもよい。また、ステップS102~S103の処理、ステップS104~S114の処理、ステップS115~S125の処理、ステップS126~S133の処理、ステップS134~S141の処理、又は、ステップS142~S149の処理は省略されてもよい。
【0117】
以上詳述したように、入力装置100は、複数のタッチパッド110に対する操作を受け付けた場合に、複数のタッチパッド110に対する操作の組合せに割り当てられたコードを情報処理装置に送信する。これにより、利用者は、入力装置100を用いて様々な操作を簡易に行うことができ、入力装置100は、利用者の利便性をより向上させることが可能となった。
【0118】
また、入力装置100は、一つのタッチパッドに対する単独操作の受け付け中には二つのタッチパッドに対する組合せ操作を受け付けず、二つのタッチパッドに対する組合せ操作の受け付け中には一つのタッチパッドに対する単独操作を受け付けない。これにより、入力装置100は、複数のタッチパッドに対する操作誤りの発生を抑制することが可能となった。
【0119】
入力装置100には、ディスプレイが設けられておらず、他の情報処理装置の入力装置として利用される。利用者は、入力装置100を用いて、入力装置100に接続される情報処理装置に表示される画面内のオブジェクトを良好に操作することができる。
【0120】
また、入力装置100は、複数のキースイッチ102に加えて、タッチパッド110を有するため、利用者は、入力装置100のみを用いて多様な操作を実施できる。利用者は、入力装置100以外のデバイスに手を移動させることなく、情報処理装置にスライド、ピンチ又は回転等のアクションを実行させることができる。したがって、入力装置100は、利用者の操作の手間を低減させることができる。
【0121】
また、入力装置100は、情報処理装置において、一般にショートカットキーによって実現していた機能を、利用者によるタッチパッド110に対する操作によって実現できる。これにより、利用者は、ショートカットキーを覚える等の学習コストの高い作業をなくすとともに、ショートカットキーによって実現していた機能を直感的な操作によって実施できる。
【0122】
また、入力装置100は、タッチパッド110へのアクセスを適切に無効化する。これにより、入力装置100は、利用者が入力装置100を持ち歩く際にタッチパッド110に無意識に触れた場合、又は、利用者が操作中にタッチパッド110に誤って触れた場合等に、利用者が意図しない設定又は状態遷移を実行してしまうことを防止できる。また、入力装置100は、特定の操作を受け付けているときに、他の操作を受け付けた場合、先に受け付けていた操作を優先して継続させる。利用者は、特定の操作を行った後に他の操作を行う場合、特定の操作を明示的に終了させる可能性が高く、特定の操作を行いながら他の操作を行う可能性は低い。入力装置100は、先に受け付けていた操作を優先して継続させることにより、動作誤りの発生を抑制できる。
【0123】
図10は、他の実施形態に係る入力装置の処理回路250の概略構成を示す図である。
【0124】
図10に示すように、処理回路250は、入力装置100の処理回路150の代わりに使用され、制御処理等を実行する。処理回路250は、制御回路251等を有する。制御回路251は、集積回路等で構成されてもよい。
【0125】
制御回路251は、制御部の一例であり、制御部151と同様の機能を有する。制御回路251は、操作信号受信回路120から操作信号を受信するともに、記憶装置140から各情報を読み出し、操作信号に応じた出力情報を、通信装置130を介して情報処理装置に送信する。また、制御回路251は、受信した操作信号で示される各操作に対して排他制御を実行する。
【0126】
以上詳述したように、入力装置は、処理回路250を用いる場合も、利用者の利便性をより向上させることが可能となるとともに、複数のタッチパッドに対する操作誤りの発生を抑制することが可能となった。
【0127】
以上、好適な実施形態について説明してきたが、実施形態はこれらに限定されない。例えば、タッチパッド110は、筐体101の奥側面に設けられてもよい。例えば、タッチパッド110aは筐体101の奥側面の左側に設けられ、タッチパッド110bは筐体101の左側面に設けられ、タッチパッド110cは筐体101の奥側面の右側に設けられ、タッチパッド110dは筐体101の右側面に設けられる。この場合、筐体の左奥角又は右奥角を挟んで配置された二つのタッチパッドの組合せに対してコマンドが設定され、利用者は左手のみ又は右手のみを用いて情報処理装置における所定のアクションを容易に実行できる。また、各タッチパッド110は、筐体101の任意の位置に配置されてもよい。また、タッチパッド110a、110b、110c又は110dのうちの何れかは省略されてもよい。
【0128】
また、入力装置100は、筐体101に、マップ情報の切り替え操作を行うための切り替えスイッチ(物理スイッチ)を有してもよい。また、入力装置100は、マップ情報の切り替えを行うためのコマンドをマップ情報に記憶してもよい。
【0129】
また、入力装置100は、キーボード装置に限定されず、タブレット端末、スピーカ装置等、複数のタッチパッドを有する任意の装置であればよく、キースイッチを含まない装置でもよい。
【符号の説明】
【0130】
100 入力装置、102 キースイッチ、104 マウスポインタ、110 タッチパッド、151 制御部