(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179256
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】集配管理システムおよび集配管理方法
(51)【国際特許分類】
B65G 61/00 20060101AFI20241219BHJP
G06Q 10/047 20230101ALN20241219BHJP
G06Q 10/083 20240101ALN20241219BHJP
【FI】
B65G61/00 542
G06Q10/047
G06Q10/083
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097965
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】弁理士法人開知
(72)【発明者】
【氏名】金川 信康
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA04
5L010AA16
5L049AA04
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】集配業務のコストダウンを図ることができる集配管理システム及び集配管理方法を提供すること。
【解決手段】集配物の集配を行う集配手段が複数の集配先を巡る集配経路に組み込まれ、集配物の集配の拠点となる集配拠点との間で中継輸送手段により輸送される集配物の中継を行う少なくとも1つの中継地点を有する集配地域について、集配手段の地上経路を探索し、集配手段が中継地点に到着する時刻を算出し、中継輸送手段が中継地点に到着する時刻を算出し、集配手段が中継地点に到着する時刻までに中継輸送手段が中継地点に到着するように、中継輸送手段の運行を計画し、計画された運行に基づいて中継輸送手段の運行を制御する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集配物の集配を行う集配手段が複数の集配先を巡る集配経路に組み込まれ、前記集配物の集配の拠点となる集配拠点との間で中継輸送手段により輸送される前記集配物の中継を行う少なくとも1つの中継地点を有する集配地域における、前記中継輸送手段を制御する集配制御装置を備え、
前記集配制御装置は、
前記集配手段の地上経路を探索する地上経路探索部と、
前記集配手段が前記中継地点に到着する時刻を算出する集配手段到着時刻算出部と、
前記中継輸送手段が前記中継地点に到着する時刻を算出する中継輸送手段到着時刻算出部と、
前記集配手段が前記中継地点に到着する時刻までに前記中継輸送手段が前記中継地点に到着するように、前記中継輸送手段の運行を計画する中継輸送手段運行計画部と、
中継輸送手段運行計画部で計画された運行に基づいて前記中継輸送手段の運行を制御する中継輸送手段制御部とを有することを特徴とする集配管理システム。
【請求項2】
請求項1記載の集配管理システムにおいて、
前記集配制御装置は、
前記地上経路上の前記中継地点を選定する中継地点選定部を備え、
前記集配手段到着時刻算出部は、前記中継地点選定部で選定された前記中継地点に前記集配手段が到着する時刻を算出し、
前記中継輸送手段到着時刻算出部は、前記中継地点選定部で選定された前記中継地点に前記中継輸送手段が到着する時刻を算出し、
前記中継地点選定部は、前記集配手段到着時刻算出部で算出された時刻と、前記中継輸送手段到着時刻算出部で算出された時刻とを用いて、前記中継輸送手段が配達物を届ける中継地点を選定することを特徴とする集配管理システム。
【請求項3】
請求項1記載の集配管理システムにおいて、
前記中継地点の設置間隔は、取り扱い量予測値が前記集配手段の最大積載量を超えないように決定されることを特徴とする集配管理システム。
【請求項4】
請求項3記載の集配管理システムにおいて、
前記取り扱い量予測値は、集配地域の人口密度、集配地域の面積、人口当たりの取り扱い量実績から算出されることを特徴とする集配管理システム。
【請求項5】
請求項1記載の集配管理システムにおいて、
前記中継輸送手段は、自動運転により制御されることを特徴とする集配管理システム。
【請求項6】
請求項1記載の集配管理システムにおいて、
前記中継輸送手段は、飛行体であることを特徴とする集配管理システム。
【請求項7】
集配物の集配を行う集配手段が複数の集配先を巡る集配経路に組み込まれ、前記集配物の集配の拠点となる集配拠点との間で中継輸送手段により輸送される前記集配物の中継を行う少なくとも1つの中継地点を有する集配地域について、
前記集配手段の地上経路を探索する手順と、
前記集配手段が前記中継地点に到着する時刻を算出する手順と、
前記中継輸送手段が前記中継地点に到着する時刻を算出する手順と、
前記集配手段が前記中継地点に到着する時刻までに前記中継輸送手段が前記中継地点に到着するように、前記中継輸送手段の運行を計画する手順と、
計画された運行に基づいて前記中継輸送手段の運行を制御する手順と
を有することを特徴とする集配管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集配管理システムおよび集配管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ドローンなどの飛行体による物流の実用化が進められており、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。
【0003】
特許文献1には、空中を飛行する飛行体が降下可能な地点であって、配達先から外出している荷物の受取人が前記配達先へと向かう経路上の地点を受取地点として設定する受取地点設定部と、前記受取人が前記受取地点に到着する到着予定時刻を取得する到着予定時刻取得部と、前記荷物を保持している前記飛行体が前記到着予定時刻に前記受取地点に到着するように前記飛行体の運行計画を作成する運行計画作成部と、を備える荷物集配システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術においては、スケールメリットによるコスト対効果から都市部を対象とすることが多い。
【0006】
一方、物流に求められるユニバーサルサービスとしての役割を考えると、全国規模での利便性を担保しつつ、スケールメリットによるコスト対効果を見込むことが困難である地方での集配業務のコストダウンを図ることが望ましい。
【0007】
集配業務を必要とする地域には、人口密度が低く、集配拠点から遠隔地にあり、狭隘道路により結ばれているような地域もある。このような場合、人口密度が低いために集配拠点間の距離も長くなり、それに伴って集配拠点と集配地点間の距離も長くなることがとなる。また道路の整備も行き届いていないことも多いため狭隘道路を経由しての長距離にわたる運搬が必要になる。さらには狭隘道路を通過することができる運搬手段として積載量(重量)の小さな小型車両に限られている。すなわち、集配のためには集配拠点と集配地点間を繰り返し往復して運搬を行うことが必要となり、コストダウンの妨げとなっている。
【0008】
ユニバーサルサービスのためのコストは地方に限らず都市部の利用者も含めて利用者があまねく負担する場合が多いため、地方での集配業務のコストダウンは、ひいては都市部の利用者も含めてユニバーサルサービスのためのコスト負担の削減につながる。
【0009】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、集配業務のコストダウンを図ることができる集配管理システム及び集配管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、集配物の集配を行う集配手段が複数の集配先を巡る集配経路に組み込まれ、前記集配物の集配の拠点となる集配拠点との間で中継輸送手段により輸送される前記集配物の中継を行う少なくとも1つの中継地点を有する集配地域における、前記中継輸送手段を制御する集配制御装置を備え、前記集配制御装置は、前記集配手段の地上経路を探索する地上経路探索部と、前記集配手段が前記中継地点に到着する時刻を算出する集配手段到着時刻算出部と、前記中継輸送手段が前記中継地点に到着する時刻を算出する中継輸送手段到着時刻算出部と、前記集配手段が前記中継地点に到着する時刻までに前記中継輸送手段が前記中継地点に到着するように、前記中継輸送手段の運行を計画する中継輸送手段運行計画部と、中継輸送手段運行計画部で計画された運行に基づいて前記中継輸送手段の運行を制御する中継輸送手段制御部とを有するものとする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、集配業務のコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】集配地域の取り扱い総重量と取り扱い手段及び積載量との関係を示す図である。
【
図3】第1の実施の形態に係る集配管理システムにおける集配制御装置を関連構成とともに抜き出して示す図である。
【
図4】中継輸送手段出発時刻を変更する処理の処理内容を示すフローチャートである。
【
図5】集配手段と中継輸送手段のダイヤフラムの一例を示す図である。
【
図6】第2の実施の形態に係る集配管理システムにおける集配制御装置を関連構成とともに抜き出して示す図である。
【
図7】集配地域の区間ごとの集配需要と集配計画との関係の一例を示す図である。
【
図8】第3の実施の形態に係る集配管理システムにおける集配制御装置を関連構成とともに抜き出して示す図である。
【
図9】中継地点を変更する処理の処理内容を示すフローチャートである。
【
図10】集配手段と中継輸送手段のダイヤフラムの一例を示す図である。
【
図11】中継地点及び中継輸送手段出発時刻を変更する処理の処理内容の一例を示すフローチャートである。
【
図12】中継地点及び中継輸送手段出発時刻を変更する処理の処理内容の他の例を示すフローチャートである。
【
図13】集配手段と中継輸送手段のダイヤフラムの一例を示す図である。
【
図14】第5の実施の形態に係る集配管理システムにおける集配制御装置を関連構成とともに抜き出して示す図である。
【
図15】中継輸送手段出発時刻及び中継輸送手段を変更する処理の処理内容の一例を示すフローチャートである。
【
図16】集配手段と中継輸送手段のダイヤフラムの一例を示す図である。
【
図17】集配手段と中継輸送手段のダイヤフラムの一例を示す図である。
【
図18】配達時における集配手段の積載量の経過時間に対する変化を示す図であり、通常需要時の様子を示す図である。
【
図19】配達時における集配手段の積載量の経過時間に対する変化を示す図であり、高需要時の様子を示す図である。
【
図20】集荷時における集配手段の積載量の経過時間に対する変化を示す図であり、通常需要時の様子を示す図である。
【
図21】集荷時における集配手段の積載量の経過時間に対する変化を示す図であり、高需要時の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0014】
<第1の実施の形態>
本発明の第1の実施の形態と
図1~
図5を参照しつつ説明する。
【0015】
図1は、本実施の形態に係る基本的な集配の様子を示す図である。
【0016】
図1に示すように、本実施の形態に係る集配管理システムを適用した集配の対象となる集配地域30には、集配物の集配の拠点となる集配拠点20(物流拠点)と、複数(m箇所)の集配先22-1~22-m(mは正の整数)を巡って集配物の集配を行う集配手段10と、集配手段10が複数の集配先22-1~22-mを巡る集配経路に組み込まれ、集配拠点20との間で輸送される集配物の中継を行う少なくとも1つ(n箇所)の中継地点21-1~21-n(nは正の整数)と、中継地点21-1~21-nのそれぞれと集配拠点20との間で集配物を輸送する中継輸送手段11-1~11-n(nは正の整数)とが配置される。
【0017】
ここで、「集配」とは、集配先(ここでは、集荷先)から集配物(ここでは、集荷物)を回収して預かる「集荷」と、集配先(ここでは、配達先)に集配物(ここでは、配達物)を届ける「配達」の両者を含むものであり、集荷と配達の何れか一方、或いは、両方を示している。なお、本実施の形態においては、説明の簡単のために、配達の場合に限定して説明する場合もあるが、集荷の場合や集荷と配達と両方の場合においても本願発明を適用することが可能である。
【0018】
集配地域30において、集配手段10は集配拠点20を出庫後、集配地域30内の中継地点21-1~21-n、集配先22-1~22-mを巡回して集配拠点20に帰庫する。この間、中継輸送手段11-1~11-nは集配拠点20と中継地点21-1~21-nのそれぞれ間で集配物を運搬し、中継地点21-1~21-nにおいて集配手段10との間で集配物の積替えを行う。
【0019】
中継地点の設置間隔は、中継地点間の集配手段の集配先を巡る経路での区間取り扱い量予測値が該集配手段の最大積載量を超えないように決定する。区間記取り扱い量予測値は、集配地域の人口密度、集配地域の面積、1日当たり人口当たりの取り扱い量実績から算出する。具体的には、[取り扱い量予測値]=[集配地域の人口密度]×[集配区間の面積]×[1日当たり人口当たりの取り扱い量実績]により算出される。なお、集配手段としては、バイクや軽トラックなどの軽車両、中継輸送手段としては山間部での運搬を可能とするドローンなどの飛行体であることが望ましい。また、中継輸送手段としては、人件費削減のために自動運転の手段を用いることが好ましい。
【0020】
図2は、集配地域の取り扱い総重量と取り扱い手段及び積載量との関係を示す図であり、横軸には取り扱い総重量Xを、縦軸に取り扱い手段とその積載量をそれぞれ示している。
【0021】
図2に示すように、例えば、集配手段10が最大積載量30kgのバイクであるとすると、集配地域30の取り扱い総重量Xが集配手段10(バイク)の最大積載量である30kg未満の時には、1台の集配手段10(バイク)だけで集配地域30の集配を行うことができる。なお、「積載量」は「積載重量」と言い換えることもできる。
【0022】
また、例えば、集配手段10が最大積載量30kgのバイク、中継輸送手段11がドローンであるとすると、集配地域30の取り扱い総重量Xが集配手段10(バイク)の最大積載量である30kgを超える場合には、中継輸送手段11(ドローン)により集配拠点20と中継地点21-1~21-nの間で集配物を運搬し、集配手段10(バイク)と中継輸送手段11(ドローン)との間で集配物の積替えを行う。以上のように、本実施の形態に係る集配管理システムよれば、集配拠点20と集配地域30の間を集配手段10(バイク)で何度も往復したり、複数台の集配手段10(バイク)を用意したりする必要がなくなり、集配の効率化を図ることができる。
【0023】
図2において示す、集配地域の取り扱い総重量予測値X[kg]は、下記の(式1)により算出される。
X=ρ・S・α ・・・(式1)
【0024】
ここで、ρは集配地域人口密度[人/km2]、Sは集配地域面積[km2]、αは取り扱い発生率[kg/人/日]である。
【0025】
なお、
図2においては、集配手段10として最大積載量30kgのバイクを、中継輸送手段11として最大積載量5kgのドローンを使用する場合を例示して説明しているが、これに限られず、集配手段10として最大積載量350kgの軽トラックを使用したり、中継輸送手段11として最大積載量30kg以上の大型ドローンを使用したりすることも考えられる。
【0026】
図3は、本実施の形態に係る集配管理システムにおける集配制御装置を関連構成とともに抜き出して示す図である。
【0027】
図3に示すように、集配制御装置230は、地上経路探索部231、集配手段制御部232、集配手段到着時刻算出部233、中継輸送手段運行計画部234、中継輸送手段制御部235、中継輸送手段到着時刻算出部236、及び、時刻判定部237から概略構成されている。
【0028】
地上経路探索部231は、集配地区地図情報110に基づいて地上経路を探索し、探索した地上経路を集配手段制御部232に出力する。
【0029】
集配手段制御部232は、地上経路探索部231によって探索された地上経路に基づいて集配手段10の制御情報を生成し、生成した制御情報を集配手段10に出力することで集配手段10を制御する。
【0030】
中継輸送手段運行計画部234は、中継輸送手段11の運行計画を生成し、中継輸送手段制御部235に出力する。
【0031】
中継輸送手段制御部235は、中継輸送手段運行計画部234によって生成された運行計画(中継輸送手段出発時刻)に基づいて中継輸送手段11の制御情報を生成し、生成した制御情報を中継輸送手段11に出力することで中継輸送手段の運行を制御する。
【0032】
集配手段到着時刻算出部233は、地上経路探索部231によって探索された地上経路に基づいて、集配手段10が中継地点に到着する時刻を算出する。なお、集配手段到着時刻は、集配経路の混雑度や天候などの気象条件より左右される場合もあるので、これらの情報を加味して集配手段到着時刻を算出してもよい。
【0033】
中継輸送手段到着時刻算出部236は、中継輸送手段運行計画部234によって生成された運行計画に基づいて、中継輸送手段11が中継地点に到着する時刻を算出する。なお、中継輸送手段到着時刻は、風速、風向、気温、視程、天候などの気象条件より左右される場合もあるので、これらの情報を加味して中継輸送手段到着時刻を算出してもよい。
【0034】
時刻判定部237は、集配手段到着時刻と中継輸送手段到着時刻とを比較し、中継輸送手段到着時刻が集配手段到着時刻よりも遅い場合には、中継輸送手段11が出発する時刻を早める変更要求を中継輸送手段運行計画部234に出力し、中継輸送手段運行計画部234は時刻判定部237からの変更要求に基づいて、中継輸送手段11が集配拠点20を出発する時刻(中継輸送手段出発時刻)を早める。
【0035】
図4は、中継輸送手段出発時刻を変更する処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0036】
図4に示すように、まず、中継輸送手段運行計画部234は、中継輸送手段出発時刻、すなわち、中継輸送手段11が集配拠点20を出発する時刻を初期化する(ステップS110)。
【0037】
続いて、時刻判定部237は、中継輸送手段到着時刻が集配手段到着時刻よりも前か否かを判定する(ステップS120)。
【0038】
ステップS120での判定結果がNOの場合、すなわち、中継輸送手段到着時刻が集配手段到着時刻よりも後の場合には、中継輸送手段運行計画部234は時刻判定部237からの変更要求に応じて中継輸送手段出発時刻を早め(ステップS130)、ステップS120の判定処理に戻る。そして、ステップS120での判定結果がYESになるまで、すなわち、中継輸送手段到着時刻が集配手段到着時刻よりも前となるまでステップS120,S130の処理を繰り返す。
【0039】
また、ステップS120での判定結果がYESの場合には、処理を終了する。
【0040】
図5は、集配手段と中継輸送手段のダイヤフラム(時刻と位置(集配拠点20からの距離)の関係を示すグラフ)の一例を示す図であり、横軸に時刻を、縦軸に集配拠点からの距離をそれぞれ示している。
【0041】
図5に示すように、例えば、中継輸送手段出発時刻が初期値である中継輸送手段出発時刻(0)であると、中継輸送手段11(
図5中に破線で示す)が中継地点21に到着する中継輸送手段到着時刻が、集配手段10(
図5中に実線で示す)が中継地点21に到着する集配手段到着時刻よりも遅い場合を考える。
【0042】
この場合には、中継輸送手段運行計画部234は、まず、時刻判定部237からの変更要求に基づいて中継輸送手段到着時刻を中継輸送手段出発時刻(1)に早め、それでも中継輸送手段到着時刻が集配手段到着時刻よりも遅い場合には、さらに、中継輸送手段出発時刻(2)と早めることにより、中継輸送手段到着時刻を集配手段到着時刻よりも早くする。
【0043】
以上のように構成した本実施の形態における作用効果を説明する。
【0044】
物流のユニバーサルサービスのためのコストは地方に限らず都市部の利用者も含めて利用者があまねく負担する場合が多いため、地方での集配業務のコストダウンは、ひいては都市部の利用者も含めてユニバーサルサービスのためのコスト負担の削減につながる。
【0045】
本実施の形態においては、集配物の集配を行う集配手段が複数の集配先を巡る集配経路に組み込まれ、集配物の集配の拠点となる集配拠点との間で中継輸送手段により輸送される集配物の中継を行う少なくとも1つの中継地点を有する集配地域における、中継輸送手段を制御する集配制御装置とを備え、集配制御装置は、集配手段の地上経路を探索する地上経路探索部と、集配手段が中継地点に到着する時刻を算出する集配手段到着時刻算出部と、中継輸送手段が中継地点に到着する時刻を算出する中継輸送手段到着時刻算出部と、集配手段が中継地点に到着する時刻までに中継輸送手段が中継地点に到着するように、中継輸送手段の運行を計画する中継輸送手段運行計画部と、中継輸送手段運行計画部で計画された運行に基づいて中継輸送手段の運行を制御する中継輸送手段制御部とを有するように構成したので、集配業務のコストダウンを図ることができる。
【0046】
すなわち、集配手段と中継輸送手段を連携させる、すなわち、集配手段の中継地点への到着予定時間に合わせて中継輸送手段の到着予定時間を調整することにより、集配業務の効率化を図ることができる。
【0047】
例えば、軽車両1台分以上の取扱量の集配地域において、1台の軽車両及び集配作業員に中継輸送手段を加えることにより、集配拠点と集配地点間を繰り返し往復して運搬する必要なくなり集配業務の効率化を図ることができる。また、中継地点の設置間隔を中継地点間の集配手段の集配先を巡る経路での区間取り扱い量予測値が集配手段の最大積載量を超えないように決定することにより、集配物の重量が最大積載量を超えないようにしながら中継輸送手段による中継輸送を活用しながら集配手段による集配を続けることが可能となる。
【0048】
<第2の実施の形態>
本発明の第2の実施の形態を
図6及び
図7を参照しつつ説明する。
【0049】
本実施の形態は、中継地点選定部が集配地区地図情報及び集配需要に基づいて中継地点を選定するものである。本実施の形態においては、第1の実施の形態と同様の構成には同じ符号を付し、説明を適宜省略する。
【0050】
図6は、本実施の形態に係る集配管理システムにおける集配制御装置を関連構成とともに抜き出して示す図である。
【0051】
図6に示すように、集配制御装置230Aは、地上経路探索部231、集配手段制御部232、集配手段到着時刻算出部233A、中継輸送手段運行計画部234、中継輸送手段制御部235、中継輸送手段到着時刻算出部236A、時刻判定部237、及び、中継地点選定部238から概略構成されている。
【0052】
地上経路探索部231は、集配地区地図情報110に基づいて地上経路を探索し、探索した地上経路を集配手段制御部232に出力する。
【0053】
集配手段制御部232は、地上経路探索部231によって探索された地上経路に基づいて集配手段10の制御情報を生成し、生成した制御情報を集配手段10に出力することで集配手段10を制御する。
【0054】
中継輸送手段運行計画部234は、中継輸送手段11の運行計画を生成し、中継輸送手段制御部235に出力する。
【0055】
中継輸送手段制御部235は、中継輸送手段運行計画部234によって生成された運行計画(中継輸送手段出発時刻)に基づいて中継輸送手段11の制御情報を生成し、生成した制御情報を中継輸送手段11に出力することで中継輸送手段の運行を制御する。
【0056】
集配手段到着時刻算出部233Aは、地上経路探索部231によって探索された地上経路と中継地点選定部238によって選定された中継地点とに基づいて、集配手段10が中継地点に到着する時刻を算出する。なお、集配手段到着時刻は、集配経路の混雑度や天候などの気象条件より左右される場合もあるので、これらの情報を加味して集配手段到着時刻を算出してもよい。
【0057】
中継輸送手段到着時刻算出部236Aは、中継輸送手段運行計画部234によって生成された運行計画と中継地点選定部238によって選定された中継地点とに基づいて、中継輸送手段11が中継地点に到着する時刻を算出する。なお、中継輸送手段到着時刻は、風速、風向、気温、視程、天候などの気象条件より左右される場合もあるので、これらの情報を加味して中継輸送手段到着時刻を算出してもよい。
【0058】
時刻判定部237は、集配手段到着時刻と中継輸送手段到着時刻とを比較し、中継輸送手段到着時刻が集配手段到着時刻よりも遅い場合には、中継輸送手段11が出発する時刻を早める変更要求を中継輸送手段運行計画部234に出力し、中継輸送手段運行計画部234は時刻判定部237からの変更要求に基づいて、中継輸送手段11が集配拠点20を出発する時刻(中継輸送手段出発時刻)を早める。
【0059】
図7は、集配地域の区間ごとの集配需要(配送需要)と集配計画との関係の一例を示す図であり、横軸に区間を、縦軸に集配物重量をそれぞれ示している。
【0060】
図7において、横軸に示す区間は、集配地域の内どの中継地点と中継地点の間であるかを示している。なお、Xmax1は、集配手段10の最大積載量であり、例えばバイクの場合は30kgである。また、集配物の重量は、個々の集配物A~Nにより異なる場合が多いが、ここでは簡単のために個々の重量は同じであるとする。
【0061】
集配物A~Cは、集配拠点20から中継地点21-1までの区間で配達される集配物である。同様に、集配物D~Hは中継地点21-1から中継地点21-2までの区間で配達される集配物、集配物I,Jは中継地点21-2から中継地点21-3までの区間で配達される集配物、集配物Kは中継地点21-3から中継地点21-4までの区間で配達される集配物、集配物L~Nは中継地点21-4から中継地点21-5までの区間で配達される集配物である。
【0062】
まず、集配物A~Cは集配手段10が集配拠点20を出庫する時に積み込まれて、中継地点21-1までの区間で配達される。中継地点21-1には集配物D~Hが中継輸送手段11により運ばれ、集配手段10に積み込まれて、中継地点21-1から中継地点21-2までの区間で配達される。この時、集配物D~Hは集配手段10の最大積載量Xmax1を超えるために、集配物D~Fが第1便として中継地点21-1に中継輸送手段11により運ばれ、中継地点21-1から中継地点21-2までの区間で配達されたのちに集配物G,Hが2便として中継地点21-1に中継輸送手段11により運ばれ、中継地点21-1から中継地点21-2までの区間で配達される。
【0063】
続いて、中継地点21-2には集配物I,Jが中継輸送手段11により運ばれ、集配手段10に積み込まれて、中継地点21-2から中継地点21-3までの区間で配達される。中継地点21-3には集配物Kが中継輸送手段11により運ばれ、集配手段10に積み込まれて、中継地点21-3から中継地点21-4までの区間で配達される。なお、この時、集配手段10の最大積載量Xmax1には余裕があるため、中継地点21-2には集配物I~Kを中継輸送手段11により運び、集配手段10に積み込んで、中継地点21-2から中継地点21-4までの区間で配達しても良い。この場合、中継輸送手段11から集配手段10に集配物を積替える回数を減らせることが可能となる上、中継輸送手段11の集配拠点20と中継地点との往復回数を減らせることができる。なお、集配手段10と中継輸送手段11の最大積載量は等しいとは限らず、集配手段10の最大積載量の方が中継輸送手段11の最大積載量よりも大きい場合には、中継地点には集配物を複数の中継輸送手段11で運搬するか、あらかじめ複数回往復して運搬することも考えられる。
【0064】
なお、本実施の形態においては、集配物の配達を例示して説明したが、これに限られず、集配物の集荷についても同様に集荷需要(集配需要)に基づく集荷計画作成が可能であり、集配手段10と中継輸送手段11が集荷と配達を同時に実施することも可能である。また、集荷需要は予定外に発生することも考えられ、その場合には集荷物の重量の計測のために集配手段10に重量を計測する秤(はかり)を備えることが望ましい。
【0065】
その他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0066】
以上のように構成した本実施の形態においても第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0067】
<第3の実施の形態>
本発明の第3の実施の形態を
図8~
図10を参照しつつ説明する。
【0068】
本実施の形態は、変更要求に基づいて中継地点を変更するものである。本実施の形態においては、第1及び第2の実施の形態と同様の構成には同じ符号を付し、説明を適宜省略する。
【0069】
図8は、本実施の形態に係る集配管理システムにおける集配制御装置を関連構成とともに抜き出して示す図である。
【0070】
図8に示すように、集配制御装置230Bは、地上経路探索部231、集配手段制御部232、集配手段到着時刻算出部233A、中継輸送手段運行計画部234、中継輸送手段制御部235、中継輸送手段到着時刻算出部236A、時刻判定部237B、及び、中継地点選定部238Bから概略構成されている。
【0071】
地上経路探索部231は、集配地区地図情報110に基づいて地上経路を探索し、探索した地上経路を集配手段制御部232に出力する。
【0072】
集配手段制御部232は、地上経路探索部231によって探索された地上経路に基づいて集配手段10の制御情報を生成し、生成した制御情報を集配手段10に出力することで集配手段10を制御する。
【0073】
中継輸送手段運行計画部234は、中継輸送手段11の運行計画を生成し、中継輸送手段制御部235に出力する。
【0074】
中継輸送手段制御部235は、中継輸送手段運行計画部234によって生成された運行計画(中継輸送手段出発時刻)に基づいて中継輸送手段11の制御情報を生成し、生成した制御情報を中継輸送手段11に出力することで中継輸送手段の運行を制御する。
【0075】
集配手段到着時刻算出部233Aは、地上経路探索部231によって探索された地上経路と中継地点選定部238Bによって選定された中継地点とに基づいて、集配手段10が中継地点に到着する時刻を算出する。なお、集配手段到着時刻は、集配経路の混雑度や天候などの気象条件より左右される場合もあるので、これらの情報を加味して集配手段到着時刻を算出してもよい。
【0076】
中継輸送手段到着時刻算出部236Aは、中継輸送手段運行計画部234によって生成された運行計画と中継地点選定部238Bによって選定された中継地点とに基づいて、中継輸送手段11が中継地点に到着する時刻を算出する。なお、中継輸送手段到着時刻は、風速、風向、気温、視程、天候などの気象条件より左右される場合もあるので、これらの情報を加味して中継輸送手段到着時刻を算出してもよい。
【0077】
時刻判定部237Bは、集配手段到着時刻と中継輸送手段到着時刻とを比較し、中継輸送手段到着時刻が集配手段到着時刻よりも遅い場合には、中継輸送手段運行計画部234又は中継地点選定部238Bに変更要求を出力する。本実施の形態においては、時刻判定部237Bが中継地点21を変更する変更要求を中継地点選定部238Bに出力する場合には、中継地点選定部238Bは時刻判定部237Bからの変更要求に基づいて、中継地点21を変更する。なお、時刻判定部237Bが中継輸送手段11が出発する時刻を早める変更要求を中継輸送手段運行計画部234に出力する処理を組み込む場合には、中継輸送手段運行計画部234は時刻判定部237Bからの変更要求に基づいて、中継輸送手段11が集配拠点20を出発する時刻(中継輸送手段出発時刻)を早める。
【0078】
図9は、中継地点を変更する処理の処理内容を示すフローチャートである。
【0079】
図9に示すように、まず、中継地点選定部238Bは、中継地点を初期化する(ステップS210)。
【0080】
続いて、時刻判定部237Bは、中継輸送手段到着時刻が集配手段到着時刻よりも前か否かを判定する(ステップS220)。
【0081】
ステップS220での判定結果がNOの場合、すなわち、中継輸送手段到着時刻が集配手段到着時刻よりも後の場合には、中継地点選定部238Bは時刻判定部237Bからの変更要求に応じて中継地点を変更し(ステップS230)、ステップS120の判定処理に戻る。そして、ステップS220での判定結果がYESになるまで、すなわち、中継輸送手段到着時刻が集配手段到着時刻よりも前となるまでステップS220,S230の処理を繰り返す。
【0082】
また、ステップS220での判定結果がYESの場合には、処理を終了する。
【0083】
図10は、集配手段と中継輸送手段のダイヤフラム(時刻と位置(集配拠点20からの距離)の関係を示すグラフ)の一例を示す図であり、横軸に時刻を、縦軸に集配拠点からの距離をそれぞれ示している。
【0084】
図10に示すように、例えば、中継地点が初期値である中継地点21-1であり、中継輸送手段出発時刻が初期値である中継輸送手段出発時刻(0)であると、中継輸送手段11(
図10中に破線で示す)が中継地点21-1に到着する中継輸送手段到着時刻が、集配手段10(
図10中に実線で示す)が中継地点21-1に到着する集配手段到着時刻よりも遅い場合を考える。
【0085】
この場合には、中継地点選定部238Bは、時刻判定部237Bからの変更要求に基づいて中継地点を中継地点21-2に変更することにより、中継輸送手段到着時刻を集配手段到着時刻よりも早くする。
【0086】
その他の構成は第1及び第2の実施の形態と同様である。
【0087】
以上のように構成した本実施の形態においても第1及び第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0088】
<第4の実施の形態>
本発明の第4の実施の形態を
図11~
図13を参照しつつ説明する。
【0089】
本実施の形態は、変更要求に基づいて中継地点や中継輸送手段出発時刻を変更するものである。本実施の形態においては、第1~第3の実施の形態と同様の構成には同じ符号を付し、説明を適宜省略する。
【0090】
図11は、中継地点及び中継輸送手段出発時刻を変更する処理の処理内容の一例を示すフローチャートである。この処理は、まず、中継地点選定部238Bによる中継地点の変更を行い、中継地点の変更だけでは中継輸送手段到着時刻を集配手段到着時刻よりも早くできない場合に、中継輸送手段運行計画部234により中継輸送手段出発時刻を早める処理を行う。
【0091】
図11に示すように、まず、中継地点選定部238Bは中継地点を初期化するとともに、中継輸送手段運行計画部234は中継輸送手段出発時刻を初期化する(ステップS310)。
【0092】
続いて、時刻判定部237Bは、中継輸送手段到着時刻が集配手段到着時刻よりも前か否かを判定する(ステップS320)。
【0093】
ステップS320での判定結果がNOの場合、すなわち、中継輸送手段到着時刻が集配手段到着時刻よりも後の場合には、中継地点選定部238Bは時刻判定部237Bからの変更要求に応じて中継地点を変更し(ステップS330)、続いて、全ての中継地点についてステップS320の判定を試行したか否かを判定する(ステップS340)。
【0094】
ステップS340での判定結果がNOの場合には、ステップS320の判定処理に戻る。そして、ステップS320又はS340での判定結果がYESになるまで、すなわち、中継地点の変更によって中継輸送手段到着時刻が集配手段到着時刻よりも前となるまでステップS320~S340の処理を繰り返す。
【0095】
また、ステップS340での判定結果がYESの場合には、中継輸送手段運行計画部234は時刻判定部237Bからの変更要求に応じて中継輸送手段出発時刻を早め(ステップS350)、ステップS320の判定処理に戻る。そして、ステップS320での判定結果がYESになるまで、すなわち、中継輸送手段出発時刻を早めることによって中継輸送手段到着時刻が集配手段到着時刻よりも前となるまでステップS320~S350の処理を繰り返す。
【0096】
また、ステップS320での判定結果がYESの場合には、処理を終了する。
【0097】
図12は、中継地点及び中継輸送手段出発時刻を変更する処理の処理内容の他の例を示すフローチャートである。この処理は、まず、中継輸送手段運行計画部234により中継輸送手段出発時刻を早める処理を行い、この処理だけでは中継輸送手段到着時刻を集配手段到着時刻よりも早くできない場合に、中継地点選定部238Bによる中継地点の変更を行う。
【0098】
図12に示すように、まず、中継地点選定部238Bは中継地点を初期化するとともに、中継輸送手段運行計画部234は中継輸送手段出発時刻を初期化する(ステップS410)。
【0099】
続いて、時刻判定部237Bは、中継輸送手段到着時刻が集配手段到着時刻よりも前か否かを判定する(ステップS420)。
【0100】
ステップS420での判定結果がNOの場合、すなわち、中継輸送手段到着時刻が集配手段到着時刻よりも後の場合には、中継輸送手段運行計画部234は時刻判定部237Bからの変更要求に応じて中継輸送手段出発時刻を早め(ステップS430)、続いて、中継輸送手段出発時刻をさらに早められるか否かを判定する(ステップS440)。
【0101】
ステップS440での判定結果がYESの場合には、ステップS420の判定処理に戻る。そして、ステップS420での判定結果がYESになるか、又はステップS440での判定結果がNOになるまで、すなわち、中継輸送手段出発時刻を早めることによって中継輸送手段到着時刻が集配手段到着時刻よりも前となるまでステップS420~S440の処理を繰り返す。
【0102】
また、ステップS440での判定結果がNOの場合には、中継地点選定部238Bは時刻判定部237Bからの変更要求に応じて中継地点を変更し(ステップS440)、ステップS420の判定処理に戻る。そして、ステップS420での判定結果がYESになるまで、すなわち、中継地点を変更することによって中継輸送手段到着時刻が集配手段到着時刻よりも前となるまでステップS420~S450の処理を繰り返す。
【0103】
また、ステップS420での判定結果がYESの場合には、処理を終了する。
【0104】
図13は、集配手段と中継輸送手段のダイヤフラム(時刻と位置(集配拠点20からの距離)の関係を示すグラフ)の一例を示す図であり、横軸に時刻を、縦軸に集配拠点からの距離をそれぞれ示している。
【0105】
図13に示すように、例えば、中継地点が初期値である中継地点21-1であり、中継輸送手段出発時刻が初期値である中継輸送手段出発時刻(0)であると、中継輸送手段11(
図13中に破線で示す)が中継地点21-1に到着する中継輸送手段到着時刻が、集配手段10(
図13中に実線で示す)が中継地点21-1に到着する集配手段到着時刻よりも遅い場合を考える。この場合、
図12に示したように、まず、中継輸送手段運行計画部234により中継輸送手段出発時刻を早める処理を行い、この処理だけでは中継輸送手段到着時刻を集配手段到着時刻よりも早くできない場合に、中継地点選定部238Bによる中継地点の変更を行う。
【0106】
まず、中継輸送手段運行計画部234は、時刻判定部237Bからの変更要求に基づいて中継輸送手段出発時刻を中継輸送手段出発時刻(1)、中継輸送手段出発時刻(2)のように早める。ここで、中継輸送手段11の運用可能時間(出発可能時間)の最も早い中継輸送手段出発時刻(2)まで中継輸送手段出発時刻を早めても中継地点21-1において中継輸送手段到着時刻が集配手段到着時刻よりも遅い場合には、続けて、中継地点選定部238Bは、時刻判定部237からの変更要求に基づいて中継地点を中継地点21-2に変更する。これにより、中継輸送手段到着時刻を集配手段到着時刻よりも早くすることができる。
【0107】
なお、中継輸送手段11の運用可能時間(出発可能時間)は、中継輸送手段11運用の始業時刻及び終業時刻で制限されたり、また他の集配手段10のために用いられている時間帯によって制限されたりする。
【0108】
その他の構成は第1~第3の実施の形態と同様である。
【0109】
以上のように構成した本実施の形態においても第1~第3の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0110】
<第5の実施の形態>
本発明の第5の実施の形態を
図14~
図16を参照しつつ説明する。
【0111】
本実施の形態は、変更要求に基づいて中継輸送手段出発時刻や中継輸送手段を変更するものである。具体的には、まず、中継輸送手段運行計画部234Cにより中継輸送手段出発時刻を早める処理を行い、この処理だけでは中継輸送手段到着時刻を集配手段到着時刻よりも早くできない場合に、中継輸送手段の変更を行う。本実施の形態においては、第1~第4の実施の形態と同様の構成には同じ符号を付し、説明を適宜省略する。
【0112】
図14は、本実施の形態に係る集配管理システムにおける集配制御装置を関連構成とともに抜き出して示す図である。
【0113】
図14に示すように、集配制御装置230Cは、地上経路探索部231、集配手段制御部232、集配手段到着時刻算出部233A、中継輸送手段運行計画部234C、中継輸送手段制御部235、中継輸送手段到着時刻算出部236A、時刻判定部237、及び、中継地点選定部238から概略構成されている。
【0114】
地上経路探索部231は、集配地区地図情報110に基づいて地上経路を探索し、探索した地上経路を集配手段制御部232に出力する。
【0115】
集配手段制御部232は、地上経路探索部231によって探索された地上経路に基づいて集配手段10の制御情報を生成し、生成した制御情報を集配手段10に出力することで集配手段10を制御する。
【0116】
中継輸送手段運行計画部234は、中継輸送手段11の運行計画を生成し、中継輸送手段制御部235に出力する。
【0117】
中継輸送手段制御部235は、中継輸送手段運行計画部234によって生成された運行計画(中継輸送手段出発時刻)に基づいて中継輸送手段11の制御情報を生成し、生成した制御情報を中継輸送手段11に出力することで中継輸送手段の運行を制御する。
【0118】
集配手段到着時刻算出部233Aは、地上経路探索部231によって探索された地上経路と中継地点選定部238によって選定された中継地点とに基づいて、集配手段10が中継地点に到着する時刻を算出する。なお、集配手段到着時刻は、集配経路の混雑度や天候などの気象条件より左右される場合もあるので、これらの情報を加味して集配手段到着時刻を算出してもよい。
【0119】
中継輸送手段到着時刻算出部236Aは、中継輸送手段運行計画部234によって生成された運行計画と中継地点選定部238によって選定された中継地点とに基づいて、中継輸送手段11が中継地点に到着する時刻を算出する。なお、中継輸送手段到着時刻は、風速、風向、気温、視程、天候などの気象条件より左右される場合もあるので、これらの情報を加味して中継輸送手段到着時刻を算出してもよい。
【0120】
時刻判定部237は、集配手段到着時刻と中継輸送手段到着時刻とを比較し、中継輸送手段到着時刻が集配手段到着時刻よりも遅い場合には、中継輸送手段運行計画部234Cに変更要求を出力する。中継輸送手段運行計画部234Cは、まず、時刻判定部237からの変更要求に基づいて、中継輸送手段11が集配拠点20を出発する時刻(中継輸送手段出発時刻)を早める処理を行い、この処理だけでは中継輸送手段到着時刻を集配手段到着時刻よりも早くできない場合に、中継輸送手段11の変更を行う。
【0121】
図15は、中継輸送手段出発時刻及び中継輸送手段を変更する処理の処理内容の一例を示すフローチャートである。
【0122】
図15に示すように、まず、中継地点選定部238は中継地点を初期化するとともに、中継輸送手段運行計画部234Cは中継輸送手段出発時刻を初期化する(ステップS510)。
【0123】
続いて、時刻判定部237は、中継輸送手段到着時刻が集配手段到着時刻よりも前か否かを判定する(ステップS520)。
【0124】
ステップS520での判定結果がNOの場合、すなわち、中継輸送手段到着時刻が集配手段到着時刻よりも後の場合には、中継輸送手段運行計画部234Cは時刻判定部237からの変更要求に応じて中継輸送手段出発時刻を早め(ステップS530)、続いて、中継輸送手段出発時刻をさらに早められるか否かを判定する(ステップS540)。
【0125】
ステップS540での判定結果がYESの場合には、ステップS520の判定処理に戻る。そして、ステップS520での判定結果がYESになるか、又はステップS540での判定結果がNOになるまで、すなわち、中継輸送手段出発時刻を早めることによって中継輸送手段到着時刻が集配手段到着時刻よりも前となるまでステップS520~S540の処理を繰り返す。
【0126】
また、ステップS540での判定結果がNOの場合には、中継地点選定部238Bは時刻判定部237Bからの変更要求に応じて中継地点を変更し(ステップS540)、ステップS520の判定処理に戻る。そして、ステップS520での判定結果がYESになるまで、すなわち、中継地点を変更することによって中継輸送手段到着時刻が集配手段到着時刻よりも前となるまでステップS520~S550の処理を繰り返す。
【0127】
また、ステップS520での判定結果がYESの場合には、処理を終了する。
【0128】
図16は、集配手段と中継輸送手段のダイヤフラム(時刻と位置(集配拠点20からの距離)の関係を示すグラフ)の一例を示す図であり、横軸に時刻を、縦軸に集配拠点からの距離をそれぞれ示している。
【0129】
図16に示すように、例えば、中継輸送手段出発時刻が初期値である中継輸送手段出発時刻(0)であると、中継輸送手段11-1(
図16中に破線で示す)が中継地点21に到着する中継輸送手段到着時刻が、集配手段10(
図5中に実線で示す)が中継地点21に到着する集配手段到着時刻よりも遅い場合を考える。
【0130】
この場合には、中継輸送手段運行計画部234Cは、まず、時刻判定部237からの変更要求に基づいて中継輸送手段到着時刻を中継輸送手段出発時刻(1)に早める。ここで、中継輸送手段到着時刻を中継輸送手段出発時刻(1)に早めても中継輸送手段到着時刻が集配手段到着時刻よりも遅い場合には、さらに中継輸送手段到着時刻を早める必要がある。しかしながら、中継輸送手段11-1の運用可能時間(出発可能時間)の制約により、中継輸送手段出発時刻をこれ以上早めることができない。そこで、運用可能時間(出発可能時間)が中継輸送手段11-1よりも早い時刻からとなる中継輸送手段11-2に変更したうえで、さらに中継輸送手段出発時刻を中継輸送手段出発時刻(2)に早めることにより、中継輸送手段到着時刻を集配手段到着時刻よりも早くする。
【0131】
その他の構成は第1~第4の実施の形態と同様である。
【0132】
以上のように構成した本実施の形態においても第1~第4の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0133】
<第6の実施の形態>
本発明の第5の実施の形態を
図17を参照しつつ説明する。
【0134】
本実施の形態は、集配手段10が複数の中継地点21-1,21-2に寄りながら集配を行う場合を示すものである。本実施の形態においては、第1~第5の実施の形態と同様の構成には同じ符号を付し、説明を適宜省略する。
【0135】
図17は、集配手段と中継輸送手段のダイヤフラム(時刻と位置(集配拠点20からの距離)の関係を示すグラフ)の一例を示す図であり、横軸に時刻を、縦軸に集配拠点からの距離をそれぞれ示している。
【0136】
図17に示すように、集配手段10が複数の中継地点21-1,21-2に寄りながら集配を行う場合には、中継地点21-1,21-2には集配手段10が到着する前に中継輸送手段11が到着しており、集配手段10が到着した後に集配手段10と中継輸送手段11の間で集配物が積替えられ、積替えが終了すると集配手段10が集配先に向かう。また、中継輸送手段11が中継地点21-1,21-2に到着してから出発するまでの間に充電することにより集配手段10が到着するまでの待ち時間を有効に活用することができる。
【0137】
その他の構成は第1~第5の実施の形態と同様である。
【0138】
以上のように構成した本実施の形態においても第1~第5の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0139】
<第7の実施の形態>
本発明の第7の実施の形態を
図18~
図21を参照しつつ説明する。
【0140】
本実施の形態は、集配の需要に応じて中継地点の増減を行う場合を示すものである。本実施の形態においては、第1~第6の実施の形態と同様の構成には同じ符号を付し、説明を適宜省略する。
【0141】
図18及び
図19は、配達時における集配手段の積載量の経過時間に対する変化を示す図であり、
図18は通常需要時を、
図19は高需要時をそれぞれ示している。
図18及び
図19においては、横軸に時刻(言い換えると、走行距離)を、縦軸に積載量をそれぞれ示している。
【0142】
図18に示すように、例えば、通常需要(例えば、平日)においては、中継地点21-1,21-3はスキップし、中継地点21-2,21-4のみを経由する。この場合には、集配拠点20の出庫時には集配手段10は最大積載量に近い量を積載し、配達するにしたがって積載量が減少していく。集配地点と中継地点の順番、経路の自由度(最適化のための余地)を確保するため中継地点21-2,21-4へは積載量を残したまま到着する。これは、常に積載量が0(ゼロ)になってから中継地点21-2,21-4に寄るようにすると、集配手段10により集配地点と中継地点の順番を選択できる余地がなくなるためである。また、
図19に示すように、例えば、高需要(例えば、休日の翌日)においては、全ての中継地点21-1~21-4を経由する。なお、日ごとの需要に応じてスキップする中継地点を変えても良い。
【0143】
各中継地点に属する集配区間における区間取り扱い重量予測値xは、下記の(式2)により算出される。
x=ρ・s・α ・・・(式2)
【0144】
ここで、xは区間取り扱い重量予測値[kg]、ρは集配地域人口密度[人/km2]、sは集配区間面積[km2]、αは取り扱い発生率[kg/人/日]である。
【0145】
なお、
図2において挙げた取り扱い総重量予測値X[kg]及び集配地域面積S[km
2]は、それぞれ、区間取り扱い重量予測値x[kg]及び集配区間面積s[km
2]に対して、X=Σx、S=Σsという関係にある。
【0146】
ここで、集配手段10に中継輸送手段11を併用した集配管理方法が成立するためには、各中継地点における集配手段10の積載量(区間取り扱い重量予測値x)が集配手段10の最大積載量を超えないことが必要、すなわち、下記の(式3)で表される条件を満たすことが必要である。
x=ρ・s・α<xmax ・・・(式3)
【0147】
また、区間取り扱い重量の予測誤差や日々の変動を考えた場合には、上記の(式3)で表される条件に余裕を持たせて、下記の(式4)で表される条件を用いる。
x=ρ・s・α=β・xmax ・・・(式4)
【0148】
ここで、βは余裕係数(β=0.5~0.8)である。
【0149】
図20及び
図21は、集荷時における集配手段の積載量の経過時間に対する変化を示す図であり、
図20は通常需要時を、
図21は高需要時をそれぞれ示している。
図20及び
図21においては、横軸に時刻(言い換えると、走行距離)を、縦軸に積載量をそれぞれ示している。
【0150】
図20に示すように、例えば、通常需要(例えば、平日)においては、中継地点21-1,21-3はスキップし、中継地点21-2,21-4のみを経由する。この場合には、集配拠点20の出庫時には集配手段10の積載量はほとんど0(ゼロ)であり、集荷が進むにしたがって積載量が増加していく。集配地点と中継地点の順番、経路の自由度(最適化のための余地)を確保するため中継地点21-2,21-4へは最大積載量までの余裕を残したまま到着する。これは、常に積載量が最大積載量になってから中継地点21-2,21-4に到着するようにすると、集配手段10により集配地点と中継地点の順番を選択できる余地がなくなるためである。また、
図21に示すように、例えば、高需要(例えば、休日の翌日)においては、全ての中継地点21-1~21-4を経由する。なお、日ごとの需要に応じてスキップする中継地点を変えても良い。また、集荷と配達を同時に実施しても良い。
【0151】
その他の構成は第1~第6の実施の形態と同様である。
【0152】
以上のように構成した本実施の形態においても第1~第6の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0153】
<付記>
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内の様々な変形例や組み合わせが含まれる。また、本発明は、上記の実施の形態で説明した全ての構成を備えるものに限定されず、その構成の一部を削除したものも含まれる。また、本実施の形態で説明した各構成、機能等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等により実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。
【符号の説明】
【0154】
10…集配手段、11…中継輸送手段、20…集配拠点、21…中継地点、22…集配先、30…集配地域、110…集配地区地図情報、230,230A,230B,230C…集配制御装置、231…地上経路探索部、232…集配手段制御部、233,233A…集配手段到着時刻算出部、234,234C…中継輸送手段運行計画部、235…中継輸送手段制御部、236,36A…中継輸送手段到着時刻算出部、237,237B…時刻判定部、238,238B…中継地点選定部
【手続補正書】
【提出日】2024-03-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中継地点を有する集配地域における中継輸送手段を制御する集配制御装置であって、
集配物の集配を行う集配手段の地上経路を探索する地上経路探索部と、
前記集配手段が前記中継地点に到着する時刻である集配手段到着時刻を算出する集配手段到着時刻算出部と、
前記集配手段到着時刻までに前記中継輸送手段が前記中継地点に到着するように、前記中継輸送手段の運行を計画する中継輸送手段運行計画部と、
中継輸送手段運行計画部で計画された運行計画に基づいて前記中継輸送手段の制御情報を生成する中継輸送手段制御部とを有することを特徴とする集配制御装置。
【請求項2】
請求項1記載の集配制御装置において、
前記中継地点とは、集配拠点と前記中継地点との間で集配物を運搬する中継輸送手段と前記集配手段との間で集配物の積替えを行う地点であることを特徴とする集配制御装置。
【請求項3】
請求項1記載の集配制御装置において、
前記中継輸送手段が前記中継地点に到着する時刻である中継輸送手段到着時刻を算出する中継輸送手段到着時刻算出部と、
前記地上経路上の前記中継地点を選定する中継地点選定部とをさらに備え、
前記集配手段到着時刻算出部は、前記中継地点選定部で選定された前記中継地点に前記集配手段が到着する時刻を算出し、
前記中継輸送手段到着時刻算出部は、前記中継地点選定部で選定された前記中継地点に前記中継輸送手段が到着する時刻を算出し、
前記中継地点選定部は、前記集配手段到着時刻算出部で算出された時刻と、前記中継輸送手段到着時刻算出部で算出された時刻とを用いて、前記中継輸送手段が配達物を届ける中継地点を選定することを特徴とする集配制御装置。
【請求項4】
請求項1記載の集配制御装置において、
前記中継輸送手段が前記中継地点に到着する時刻である中継輸送手段到着時刻を算出する中継輸送手段到着時刻算出部と、
前記集配手段到着時刻と前記中継輸送手段到着時刻とを比較し、中継輸送手段到着時刻が集配手段到着時刻よりも遅い場合には、前記中継輸送手段が出発する時刻を早める変更要求を前記中継輸送手段運行計画部に出力する時刻判定部とを備え、
前記中継輸送手段運行計画部は、前記時刻判定部が出力した前記変更要求に基づいて、前記中継輸送手段が集配拠点を出発する時刻を早める運行を計画することを特徴とする集配制御装置。
【請求項5】
請求項1記載の集配制御装置において、
前記中継地点の設置間隔は、取り扱い量予測値が前記集配手段の最大積載量を超えないように決定されることを特徴とする集配制御装置。
【請求項6】
請求項5記載の集配制御装置において、
前記取り扱い量予測値は、集配地域の人口密度、集配地域の面積、人口当たりの取り扱い量実績から算出されることを特徴とする集配制御装置。
【請求項7】
請求項1記載の集配制御装置において、
前記中継輸送手段は、自動運転により制御されることを特徴とする集配制御装置。
【請求項8】
請求項1記載の集配制御装置において、
前記中継輸送手段は、飛行体であることを特徴とする集配制御装置。
【請求項9】
請求項7記載の集配制御装置において、
前記集配手段は、バイク及びトラックのいずれかであることを特徴とする集配制御装置。
【請求項10】
中継地点を有する集配地域における中継輸送手段を制御する集配制御装置と、
前記中継輸送手段と、を備える集配管理システムであって、
前記集配制御装置は、
集配物の集配を行う集配手段の地上経路を探索する地上経路探索部と、
前記集配手段が前記中継地点に到着する時刻である集配手段到着時刻を算出する集配手段到着時刻算出部と、
前記集配手段到着時刻までに前記中継輸送手段が前記中継地点に到着するように、前記中継輸送手段の運行を計画する中継輸送手段運行計画部と、
中継輸送手段運行計画部で計画された運行計画に基づいて前記中継輸送手段の制御情報を生成する中継輸送手段制御部とを有し、
前記中継輸送手段は、前記中継輸送手段制御部が生成した前記制御情報に基づいて、運行を制御することを特徴とする集配管理システム。
【請求項11】
集配物の集配を行う集配手段が複数の集配先を巡る集配経路に組み込まれ、前記集配物の集配の拠点となる集配拠点との間で中継輸送手段により輸送される前記集配物の中継を行う少なくとも1つの中継地点を有する集配地域について、
前記集配手段の地上経路を探索する手順と、
前記集配手段が前記中継地点に到着する時刻を算出する手順と、
前記中継輸送手段が前記中継地点に到着する時刻を算出する手順と、
前記集配手段が前記中継地点に到着する時刻までに前記中継輸送手段が前記中継地点に到着するように、前記中継輸送手段の運行を計画する手順と、
計画された運行に基づいて前記中継輸送手段の運行を制御する手順と
を有することを特徴とする集配管理方法。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中継地点を有する集配地域における中継輸送手段を制御する集配制御装置であって、
集配物の集配を行う集配手段の地上経路を探索する地上経路探索部と、
前記集配手段が前記中継地点に到着する時刻である集配手段到着時刻を算出する集配手段到着時刻算出部と、
前記中継輸送手段が前記中継地点に到着する時刻である中継輸送手段到着時刻を算出する中継輸送手段到着時刻算出部と、
前記集配手段到着時刻と前記中継輸送手段到着時刻とを比較し、前記中継輸送手段到着時刻が前記集配手段到着時刻よりも遅い場合、前記中継地点を変更する変更要求を出力する時刻判定部と、
前記時刻判定部が出力した前記変更要求に基づいて、前記中継地点を変更する中継地点選定部と、
前記集配手段到着時刻までに前記中継輸送手段が変更した前記中継地点に到着するように、前記中継輸送手段の運行を計画する中継輸送手段運行計画部と、
中継輸送手段運行計画部で計画された運行計画に基づいて前記中継輸送手段の制御情報を生成する中継輸送手段制御部とを有することを特徴とする集配制御装置。
【請求項2】
請求項1記載の集配制御装置において、
前記中継地点とは、集配拠点と前記中継地点との間で集配物を運搬する中継輸送手段と前記集配手段との間で集配物の積替えを行う地点であることを特徴とする集配制御装置。
【請求項3】
請求項1記載の集配制御装置において、
前記中継輸送手段が前記中継地点に到着する時刻である中継輸送手段到着時刻を算出する中継輸送手段到着時刻算出部と、
前記地上経路上の前記中継地点を選定する中継地点選定部とをさらに備え、
前記集配手段到着時刻算出部は、前記中継地点選定部で選定された前記中継地点に前記集配手段が到着する時刻を算出し、
前記中継輸送手段到着時刻算出部は、前記中継地点選定部で選定された前記中継地点に前記中継輸送手段が到着する時刻を算出し、
前記中継地点選定部は、前記集配手段到着時刻算出部で算出された時刻と、前記中継輸送手段到着時刻算出部で算出された時刻とを用いて、前記中継輸送手段が配達物を届ける中継地点を選定することを特徴とする集配制御装置。
【請求項4】
請求項1記載の集配制御装置において、
前記中継輸送手段が前記中継地点に到着する時刻である中継輸送手段到着時刻を算出する中継輸送手段到着時刻算出部と、
前記集配手段到着時刻と前記中継輸送手段到着時刻とを比較し、中継輸送手段到着時刻が集配手段到着時刻よりも遅い場合には、前記中継輸送手段が出発する時刻を早める変更要求を前記中継輸送手段運行計画部に出力する時刻判定部とを備え、
前記中継輸送手段運行計画部は、前記時刻判定部が出力した前記変更要求に基づいて、前記中継輸送手段が集配拠点を出発する時刻を早める運行を計画することを特徴とする集配制御装置。
【請求項5】
請求項1記載の集配制御装置において、
前記中継地点の設置間隔は、取り扱い量予測値が前記集配手段の最大積載量を超えないように決定されることを特徴とする集配制御装置。
【請求項6】
請求項5記載の集配制御装置において、
前記取り扱い量予測値は、集配地域の人口密度、集配地域の面積、人口当たりの取り扱い量実績から算出されることを特徴とする集配制御装置。
【請求項7】
請求項1記載の集配制御装置において、
前記中継輸送手段は、自動運転により制御されることを特徴とする集配制御装置。
【請求項8】
請求項1記載の集配制御装置において、
前記中継輸送手段は、飛行体であることを特徴とする集配制御装置。
【請求項9】
請求項7記載の集配制御装置において、
前記集配手段は、バイク及びトラックのいずれかであることを特徴とする集配制御装置。
【請求項10】
中継地点を有する集配地域における中継輸送手段を制御する集配制御装置であって、
前記中継地点の設置間隔は、取扱量予測値が集配手段の最大積載量を超えないように決定されており、
集配物の集配を行う集配手段の地上経路を探索する地上経路探索部と、
前記集配手段が前記中継地点に到着する時刻である集配手段到着時刻を算出する集配手段到着時刻算出部と、
前記集配手段到着時刻までに前記中継輸送手段が前記中継地点に到着するように、前記中継輸送手段の運行を計画する中継輸送手段運行計画部と、
前記中継輸送手段運行計画部で計画された運行計画に基づいて前記中継輸送手段の制御情報を生成する中継輸送手段制御部とを有することを特徴とする集配制御装置。
【請求項11】
中継地点を有する集配地域における中継輸送手段を制御する集配制御装置と、
前記中継輸送手段と、を備える集配管理システムであって、
前記集配制御装置は、
集配物の集配を行う集配手段の地上経路を探索する地上経路探索部と、
前記集配手段が前記中継地点に到着する時刻である集配手段到着時刻を算出する集配手段到着時刻算出部と、
前記中継輸送手段が前記中継地点に到着する時刻である中継輸送手段到着時刻を算出する中継輸送手段到着時刻算出部と、
前記集配手段到着時刻と前記中継輸送手段到着時刻とを比較し、前記中継輸送手段到着時刻が前記集配手段到着時刻よりも遅い場合、前記中継地点を変更する変更要求を出力する時刻判定部と、
前記時刻判定部が出力した前記変更要求に基づいて、前記中継地点を変更する中継地点選定部と、
前記集配手段到着時刻までに前記中継輸送手段が変更した前記中継地点に到着するように、前記中継輸送手段の運行を計画する中継輸送手段運行計画部と、
中継輸送手段運行計画部で計画された運行計画に基づいて前記中継輸送手段の制御情報を生成する中継輸送手段制御部とを有し、
前記中継輸送手段は、前記中継輸送手段制御部が生成した前記制御情報に基づいて、運行を制御することを特徴とする集配管理システム。
【請求項12】
集配物の集配を行う集配手段が複数の集配先を巡る集配経路に組み込まれ、前記集配物の集配の拠点となる集配拠点との間で中継輸送手段により輸送される前記集配物の中継を行う少なくとも1つの中継地点を有する集配地域について、
前記集配手段の地上経路を探索する手順と、
前記集配手段が前記中継地点に到着する時刻を算出する手順と、
前記中継輸送手段が前記中継地点に到着する時刻を算出する手順と、
前記集配手段が前記中継地点に到着する時刻と前記中継輸送手段が前記中継地点に到着する時刻とを比較し、前記中継輸送手段が前記中継地点に到着する時刻が前記集配手段が前記中継地点に到着する時刻よりも遅い場合、前記中継地点を変更する変更要求を出力する手順と、
出力された前記変更要求に基づいて、前記中継地点を変更する手順と、
前記集配手段が前記中継地点に到着する時刻までに前記中継輸送手段が変更した前記中継地点に到着するように、前記中継輸送手段の運行を計画する手順と、
計画された運行に基づいて前記中継輸送手段の運行を制御する手順と
を有することを特徴とする集配管理方法。