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特開2024-179262中継要否決定装置および中継要否決定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179262
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】中継要否決定装置および中継要否決定方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/08 20240101AFI20241219BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
G06Q10/08
B65G61/00 544
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097972
(22)【出願日】2023-06-14
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-09-26
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】弁理士法人開知
(72)【発明者】
【氏名】金川 信康
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L049CC51
(57)【要約】
【課題】集配業務のコストダウンを図ることができる中継要否決定装置及び中継要否決定方法を提供すること。
【解決手段】集配物の集配の拠点となる集配拠点と、複数の集配先を巡って集配物の集配を行う既存の集配手段とを有する集配地域における集配物量が、既存の集配手段の最大積載量よりも小さい場合は当該集配地域を中継不要地域に決定し、既存の集配手段の最大積載量よりも大きい場合は当該集配地域を中継要地域に決定し出力する。
【選択図】 図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集配物の集配の拠点となる集配拠点と、複数の集配先を巡って前記集配物の集配を行う既存の集配手段とを有する集配地域における集配物量が、
前記既存の集配手段の最大積載量よりも小さい場合は中継不要地域に決定し、
前記既存の集配手段の最大積載量よりも大きい場合は中継要地域に決定し出力することを特徴とする中継要否決定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の中継要否決定装置において、
前記中継要地域と決定した地域内で、前記既存の集配手段が前記集配先を巡る集配経路に組み込まれ、前記集配拠点との間で輸送される前記集配物の中継を行う少なくとも1つの中継地点を設け、中継輸送手段により前記中継地点と前記集配拠点との間で前記集配物を輸送して、前記既存の集配手段により集配を行う場合のコストである第1のコストを算出し、
前記中継要地域と決定した地域内で、前記既存の集配手段とは異なる大型集配手段のみにより集配を行う場合のコストである第2のコストを算出し、
前記第1のコストと前記第2のコストとを比較して、前記第1のコストが小さい集配地域を中継要地域として決定し、前記第1のコストが大きい集配地域を中継不要地域として決定し、出力することを特徴とする中継要否決定装置。
【請求項3】
請求項2に記載の中継要否決定装置において、
前記大型集配手段の最大積載量は、前記既存の集配手段の最大積載量よりも多いことを特徴とする中継要否決定装置。
【請求項4】
請求項2に記載の中継要否決定装置において、
前記中継要地域と決定した集配地域が複数ある場合、中継要地域と決定した複数の集配地域のそれぞれについて、前記大型集配手段のみにより集配を行う場合のコストである第2のコストを算出することを特徴とする中継要否決定装置。
【請求項5】
請求項2に記載の中継要否決定装置において、
前記中継要地域と決定した集配地域が複数ある場合、中継要地域と決定した複数の集配地域を1つの集配経路で集配が可能か否かを判定し、集配が可能な場合は、中継要地域と決定した前記複数の集配地域を1つの集配地域とし、前記大型集配手段のみにより集配を行う場合のコストである第2のコストを算出することを特徴とする中継要否決定装置。
【請求項6】
請求項2記載の中継要否決定装置において、
前記第1のコストは、前記集配先が含まれる集配地域の人口密度、集配地域の面積、及び人口当たりの取り扱い量実績を用いて算出されることを特徴とする中継要否決定装置。
【請求項7】
請求項2記載の中継要否決定装置において、
前記第2のコストは、前記集配先が含まれる集配地域の人口密度、集配地域の面積、及び人口当たりの取り扱い量実績を用いて算出されることを特徴とする中継要否決定装置。
【請求項8】
集配物の集配の拠点となる集配拠点と、複数の集配先を巡って前記集配物の集配を行う既存の集配手段とを配置した複数の集配地域における集配物量が、
前記既存の集配手段の最大積載量よりも小さい場合は中継不要地域に決定し、
前記既存の集配手段の最大積載量よりも大きい場合は中継要地域に決定し出力する手順を有することを特徴とする中継要否決定方法。
【請求項9】
請求項8に記載の中継要否決定方法において、
前記中継要地域と決定した地域内で、前記集配手段が前記集配先を巡る集配経路に組み込まれ、前記集配拠点との間で輸送される前記集配物の中継を行う少なくとも1つの中継地点を設け、中継輸送手段により前記中継地点と前記集配拠点との間で前記集配物を輸送して、前記集配手段により集配を行う場合のコストである第1のコストを算出する手順と、
前記中継要地域と決定した地域内で、大型集配手段のみにより集配を行う場合のコストである第2のコストを算出する手順と、
前記第1のコストと前記第2のコストとを比較して、前記第1のコストが小さい集配地域を中継要地域として決定し、前記第1のコストが大きい集配地域を中継不要地域として決定し、出力する手順と
を有することを特徴とする中継要否決定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中継要否決定装置および中継要否決定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ドローンなどの飛行体による物流の実用化が進められており、例えば、特許文献1に記載のものが知られている。
【0003】
特許文献1には、空中を飛行する飛行体が降下可能な地点であって、配達先から外出している荷物の受取人が前記配達先へと向かう経路上の地点を受取地点として設定する受取地点設定部と、前記受取人が前記受取地点に到着する到着予定時刻を取得する到着予定時刻取得部と、前記荷物を保持している前記飛行体が前記到着予定時刻に前記受取地点に到着するように前記飛行体の運行計画を作成する運行計画作成部と、を備える荷物配達システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-097444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術においては、スケールメリットによるコスト対効果から都市部を対象とすることが多い。
【0006】
一方、物流に求められるユニバーサルサービスとしての役割を考えると、全国規模での利便性を担保しつつ、スケールメリットによるコスト対効果を見込むことが困難である地方での集配業務のコストダウンを図ることが望ましい。
【0007】
集配業務を必要とする地域には、人口密度が低く、集配拠点から遠隔地にあり、狭隘道路により結ばれているような地域もある。このような場合、人口密度が低いために集配拠点間の距離も長くなり、それに伴って集配拠点と集配地点間の距離も長くなることがとなる。また道路の整備も行き届いていないことも多いため狭隘道路を経由しての長距離にわたる運搬が必要になる。さらには狭隘道路を通過することができる運搬手段として積載量(重量)の小さな小型車両に限られている。すなわち、集配のためには集配拠点と集配地点間を繰り返し往復して運搬を行うことが必要となり、コストダウンの妨げとなっている。
【0008】
ユニバーサルサービスのためのコストは地方に限らず都市部の利用者も含めて利用者があまねく負担する場合が多いため、地方での集配業務のコストダウンは、ひいては都市部の利用者も含めてユニバーサルサービスのためのコスト負担の削減につながる。
【0009】
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、集配業務のコストダウンを図ることができる中継要否決定装置及び中継要否決定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、集配物の集配の拠点となる集配拠点と、複数の集配先を巡って前記集配物の集配を行う既存の集配手段とを有する集配地域における集配物量が、前記既存の集配手段の最大積載量よりも小さい場合は中継不要地域に決定し、前記既存の集配手段の最大積載量よりも大きい場合は中継要地域に決定し出力するものとする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、集配業務のコストダウンを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】基本的な集配の様子を示す図である。
図2】集配地域の取り扱い総重量と取り扱い手段及び積載量との関係を示す図である。
図3】集配量(重量)とコストの関係を示す図であり、小型の集配手段と中継輸送手段とを組み合わせた運用で集配を行う場合を示す図である。
図4】集配量(重量)とコストの関係を示す図であり、大型の集配手段を加えた運用で集配を行う場合を示す図である。
図5】配達システムにおける中継要否決定装置を関連構成とともに抜き出して示す図である。
図6】中継要否決定装置により集配地域を決定する集配決定処理の一例を示すフローチャートである。
図7】中継要否決定装置により集配地域を決定する集配決定処理の他の例を示すフローチャートである。
図8】集配地域と配送手段との対応の一例を示す図である。
図9】取り扱い発生率の算出方法の一例を示す図である。
図10】配達地域の選択決定方法の一例を示す図である。
図11】配達時における集配手段の積載量の経過時間に対する変化を示す図であり、通常需要時の様子を示す図である。
図12】配達時における集配手段の積載量の経過時間に対する変化を示す図であり、高需要時の様子を示す図である。
図13】集荷時における集配手段の積載量の経過時間に対する変化を示す図であり、通常需要時の様子を示す図である。
図14】集荷時における集配手段の積載量の経過時間に対する変化を示す図であり、高需要時の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0014】
図1は、本実施の形態に係る基本的な集配の様子を示す図である。
【0015】
図1に示すように、本実施の形態に係る配達システムを適用した集配の対象となる集配地域30には、集配物の集配の拠点となる集配拠点20(物流拠点)と、複数(m箇所)の集配先22-1~22-m(mは正の整数)を巡って集配物の集配を行う集配手段10と、集配手段10が複数の集配先22-1~22-mを巡る集配経路に組み込まれ、集配拠点20との間で輸送される集配物の中継を行う少なくとも1つ(n箇所)の中継地点21-1~21-n(nは正の整数)と、中継地点21-1~21-nのそれぞれと集配拠点20との間で集配物を輸送する中継輸送手段11-1~11-n(nは正の整数)とが配置される。
【0016】
ここで、「集配」とは、集配先(ここでは、集荷先)から集配物(ここでは、集荷物)を回収して預かる「集荷」と、集配先(ここでは、配達先)に集配物(ここでは、配達物)を届ける「配達」の両者を含むものであり、集荷と配達の何れか一方、或いは、両方を示している。なお、本実施の形態においては、説明の簡単のために、配達の場合に限定して説明する場合もあるが、集荷の場合や集荷と配達と両方の場合においても本願発明を適用することが可能である。
【0017】
集配地域30において、集配手段10は集配拠点20を出庫後、集配地域30内の中継地点21-1~21-n、集配先22-1~22-mを巡回して集配拠点20に帰庫する。この間、中継輸送手段11-1~11-nは集配拠点20と中継地点21-1~21-nのそれぞれ間で集配物を運搬し、中継地点21-1~21-nにおいて集配手段10との間で集配物の積替えを行う。
【0018】
中継地点の設置間隔は、中継地点間の集配手段の集配先を巡る経路での区間取り扱い量予測値が該集配手段の最大積載量を超えないように決定する。区間記取り扱い量予測値は、集配地域の人口密度、集配地域の面積、1日当たり人口当たりの取り扱い量実績から算出する。具体的には、[取り扱い量予測値]=[集配地域の人口密度]×[集配区間の面積]×[1日当たり人口当たりの取り扱い量実績]により算出される。なお、集配手段としては、バイクや軽トラックなどの軽車両、中継輸送手段としては山間部での運搬を可能とするドローンなどの飛行体であることが望ましい。また、中継輸送手段としては、人件費削減のために自動運転の手段を用いることが好ましい。
【0019】
図2は、集配地域の取り扱い総重量と取り扱い手段及び積載量との関係を示す図であり、横軸には取り扱い総重量Xを、縦軸に取り扱い手段とその積載量をそれぞれ示している。
【0020】
図2に示すように、例えば、集配手段10が最大積載量30kgのバイクであるとすると、集配地域30の取り扱い総重量Xが集配手段10(バイク)の最大積載量である30kg未満の時には、1台の集配手段10(バイク)だけで集配地域30の集配を行うことができる。なお、「積載量」は「積載重量」と言い換えることもできる。
【0021】
また、例えば、集配手段10が最大積載量30kgのバイク、中継輸送手段11がドローンなどの飛行体であるとすると、集配地域30の取り扱い総重量Xが集配手段10(バイク)の最大積載量である30kgを超える場合には、中継輸送手段11(ドローン)により集配拠点20と中継地点21-1~21-nの間で集配物を運搬し、集配手段10(バイク)と中継輸送手段11(ドローン)との間で集配物の積替えを行う。以上のように、本実施の形態に係る集配システムよれば、集配拠点20と集配地域30の間を集配手段10(バイク)で何度も往復したり、複数台の集配手段10(バイク)を用意したりする必要がなくなり、集配の効率化を図ることができる。
【0022】
図2において示す、集配地域の取り扱い総重量予測値X[kg]は、下記の(式1)により算出される。
X=ρ・S・α ・・・(式1)
【0023】
ここで、ρは集配地域人口密度[人/km]、Sは集配地域面積[km]、αは取り扱い発生率[kg/人/日]である。
【0024】
なお、図2においては、集配手段10として最大積載量30kgのバイクを、中継輸送手段11として最大積載量5kgのドローンを使用する場合を例示して説明しているが、これに限られず、集配手段10として最大積載量350kgの軽トラックを使用したり、中継輸送手段11として最大積載量30kg以上の大型ドローンを使用したりすることも考えられる。
【0025】
図3及び図4は、集配量(重量)とコストの関係を示す図であり、図3は小型の集配手段と中継輸送手段とを組み合わせた運用で集配を行う場合を、図4図3の場合に対して大型の集配手段を加えた運用で集配を行う場合をそれぞれ示している。なお、図3及び図4においては、縦軸にコストを、横軸に集配量(重量)をそれぞれ示している。
【0026】
図3において、線分C0は、比較的小型の集配手段10(以降、集配手段10(小)と称する)の運用コストを示しており、集配量(重量)にほぼ比例して繰り返し発生するRC(Recurring Cost)と集配量(重量)に依存しないNRC(Non-recurring Cost)0との総和で表される。ここで、RCは、集配手段10(小)を稼働させるためのエネルギーコストと時間当たりの人件費、NRC0は、集配手段10(小)の購入コストや整備費用を運用期間で割ったものである。なお、集配手段10(小)は、例えば、最大積載重量が30kg程度のバイクなどである。
【0027】
また、線分C0’は、集配手段10(小)の最大積載量Xmax1を上回る集配物を、集配手段10(小)を集配拠点20との間で往復させることで配達を行う場合の運用コストを示している。この場合には、線分C0と同様に、集配量(重量)にほぼ比例して繰り返し発生するRCと集配量(重量)に依存しないNRC0’との総和で表される。ここで、RCは、集配手段10(小)を稼働させるためのエネルギーコストと時間当たりの人件費であり、線分C0の場合と同様である。また、NRC0’は、集配手段10(小)が集配拠点20との間で往復するためのエネルギーコストと時間当たりの人件費である。
【0028】
C1は、中継輸送手段11の運用コストを示しており、集配量(重量)にほぼ比例して繰り返し発生するRCと集配量(重量)に依存しないNRC1との総和で表される。ここで、RCは、中継輸送手段11を稼働させるためのエネルギーコストと時間当たりの人件費、NRC01は、中継輸送手段11の購入コストや整備費用を運用期間で割ったものである。
【0029】
図3に示すように、集配量(重量)が0(ゼロ)[kg]~Xmax1の間の場合には、線分A1-B1で表される集配手段10(小)の運用コストC0が最少である。集配量(重量)がXmax1を超える場合には、線分B2-Cで表される運用コスト、すなわち、集配手段10(小)と中継輸送手段11とを組み合わせた運用コストC1’(=C0+C1)が最少となる。なお、この時、線分B3-B4,B5-B6,・・・で表される運用コスト、すなわち、集配手段10(小)を集配拠点20との間で往復さることで配達を行う場合の運用コストC0’は、集配手段10(小)と中継輸送手段11とを組み合わせたコストC1’(=C0+C1)よりも大きくなる。
【0030】
図4において、線分C2は、より大型の集配手段12(以降、集配手段12(大)と称する)の運用コストを示しており、集配量(重量)にほぼ比例して繰り返し発生するRCと集配量(重量)に依存しないNRC2との総和で表される。ここで、RCは、集配手段12(大)を稼働させるためのエネルギーコストと時間当たりの人件費、NRC0は、集配手段12(大)の購入コストや整備費用などを運用期間で割ったものである。なお、集配手段12(大)は、例えば、最大積載量が350kg程度の軽トラックや、さらに最大積載量が大きい大型の集配用トラックなどである。すなわち、大型の集配手段(集配手段12(大))の最大積載量は、既存の集配手段(集配手段10(小))の最大積載量よりも多いものであるといえる。
【0031】
図4に示すように、集配量(重量)が0(ゼロ)[kg]~Xmax1の間の場合には、線分A1-B1で表される運用コスト、すなわち、集配手段10(小)の運用コストC0が最少である。集配量(重量)がXmax1~Xmax2の間の場合には、線分B2-C’で表される配送コスト、すなわち、集配手段10(小)と中継輸送手段11とを組み合わせた運用コストC1’(=C0+C1)が最少となる。なお、この時、線分B3-B4,B5-B6,・・・で表される運用コスト、すなわち、集配手段10(小)を集配拠点20との間で往復させることで配達を行う場合の運用コストC0’、及び、線分A2-C’で表される集配手段12(大)の運用コストC2は、集配手段10(小)と中継輸送手段11とを組み合わせた運用コストC1’(=C0+C1)よりも大きくなる。集配量(重量)がXmax2を超える場合には、線分C’-D1で表される運用コスト、すなわち、集配手段12(大)の運用コストC2が最少となる。なお、この時、線分B3-B4,B5-B6,・・・で表される集配手段10(小)を集配拠点20との間で往復させることで配達を行う場合の運用コストC0’、及び、線分C’-Cで表される運用コスト、すなわち、集配手段10(小)と中継輸送手段11とを組み合わせた運用コストC1’(=C0+C1)は、集配手段12(大)の運用コストC2よりも大きくなる。
【0032】
図5は、本実施の形態に係る集配システムにおける中継要否決定装置を関連構成とともに抜き出して示す図である。
【0033】
中継要否決定装置210(集配物中継地域決定装置)は、複数の集配地域30について、中継地点21-1~21-nを設置することで集配の効率化を図ることができる集配地域を中継輸送要地域として特定し、集配地域として出力するものである。
【0034】
図5に示すように、集配システムの中継要否決定装置210に係る構成は、中継地点候補のデータ、地形データ、集配地域面積Sなどの情報を有する集配地図情報110と、人口密度ρのデータを有する人口密度データベース120と、取り扱い発生率αのデータを有する取り扱い実績情報130とを備えている。中継要否決定装置210は、集配地図情報110からの中継地点候補および集配区間面積sの情報と、人口密度データベース120からの人口密度ρのデータと、取り扱い実績情報130からの取り扱い発生率αの情報とを用いて取り扱い総重量予測値を算出し、算出結果を用いてスイートスポットの領域(図2参照)にある地域を集配地域データ410として出力する。
【0035】
なお、集配地域30の区分決定及び面積の算出方法は人口密度ρを算出する際の分母となる面積の算出方法に合わせるのが良い。通常の場合、人口密度は都道府県(prefecture)、州(state, province)、郡(district, county)、市町村(municipalitycity, town, village)等の行政区画ごとの人口と面積を用いて算出しているため、集配地域30の面積もこれに合わせて集配地域の範囲となる町名または街区符号単位で地図上の面積によるのが良い。通常、行政区画ごとの面積は家の有無を考慮して算出していないため、集配地域30の面積も家の有無を考慮せずに算出したほうが良い。もし家の有無を考慮して集配地域30の面積を算出すると、人口密度ρの算出時よりも面積が小さくなり、人口及び取扱量の予測値はより小さな値となる。住所の表示に道路標示(street address)を用いている場合も街区標示(block address)に従って集配地域30を区分決定したほうが面積の算出が容易である。
【0036】
図6は、中継要否決定装置により集配地域を決定する集配決定処理の一例を示すフローチャートである。本フローチャートに示す集配決定処理は、集配物の集配の拠点となる集配拠点20と、複数の集配先22-1~22-mを巡って集配物の集配を行う既存の集配手段とを有する集配地域における集配物量が、既存の集配手段の最大積載量よりも小さい場合は中継不要地域に決定し、既存の集配手段の最大積載量よりも大きい場合は中継要地域に決定し出力する処理である。
【0037】
図6において、中継要否決定装置210は、まず、対象となる複数の集配地域のうち、最初に判定を行う集配地域を選択する(ステップS110)。
【0038】
続いて、ステップS110で選択した集配地域について、集配地図情報110からの集配地域面積S、人口密度データベース120からの集配地域人口密度ρのデータ、及び、取り扱い実績情報130からの取り扱い発生率αを読み込む(ステップS120)。
【0039】
続いて、ステップS120で読み込んだデータを用いて、取り扱い総重量予測値Xを下記の(式1)により算出する(ステップS130)。
【0040】
X=ρ・S・α ・・・(式1)
続いて、ステップS130で算出した取り扱い総重量予測値Xが集配手段10の最大積載量xmaxよりも大きいか否かを判定し(ステップS140)、判定結果がYESの場合には、当該集配地域を中継配送の該当地域、すなわち、中継地点21-1~21-nを設置することで集配の効率化を図ることができる集配地域である中継要地域(最適集配地域)とする(ステップS150)。また、ステップS140での判定結果がNOの場合には、当該集配地域を中継配送の非該当地域(中継不要地域)とする(ステップS151)。
【0041】
ステップS150,S151の処理が終了すると、続いて、現在の判定対象の地域が最後の集配地域であるか否か、すなわち、全ての集配地域について判定を行ったか否かを判定し(ステップS160)、判定結果がNOの場合には、次の判定対象なる集配地域を選択し(ステップS161)、選択した集配地域に対してステップS120~S150,S151の処理を行う。また、ステップS160の判定結果がNOの場合には、処理を終了する。
【0042】
図7は、中継要否決定装置により最適集配地域を決定する集配決定処理の他の例を示すフローチャートである。図7においては、集配手段10(小)に加えてより大型の集配手段12(大)を加えた場合も比較対象として考慮し、取り扱い総重量予測値XがXmax~Xmax2の条件を満たす集配地域を中継要地域(最適集配地域)と判定する場合を例示している。
図4に示したように、集配手段12(大)を加えた場合を考慮すると、Xmax2を超える場合には、中継輸送手段を用いる場合よりも大型の集配手段12(大)を用いる場合の運用コストの方が小さくなるため、このような条件を考慮した判定を行う。具体的には、中継要地域と決定した地域内で、集配手段が集配先を巡る集配経路に組み込まれ、集配拠点との間で輸送される集配物の中継を行う少なくとも1つの中継地点を設け、中継輸送手段により中継地点と集配拠点との間で集配物を輸送して、集配手段により集配を行う場合のコストである第1のコストを算出し、また、中継要地域と決定した地域内で、大型集配手段のみにより集配を行う場合のコストである第2のコストを算出し、第1のコストと第2のコストとを比較して、第1のコストが小さい集配地域を中継要地域として決定し、第1のコストが大きい集配地域を中継不要地域として決定し、出力する。
【0043】
図7において、中継要否決定装置210は、まず、対象となる複数の集配地域のうち、最初に判定を行う集配地域を選択する(ステップS110)。
【0044】
続いて、ステップS110で選択した集配地域について、集配地図情報110からの集配地域面積S、人口密度データベース120からの集配地域人口密度ρのデータ、及び、取り扱い実績情報130からの取り扱い発生率αを読み込む(ステップS120)。
【0045】
続いて、ステップS120で読み込んだデータを用いて、取り扱い総重量予測値Xを上記の(式1)により算出する(ステップS130)。
【0046】
続いて、ステップS130で算出した取り扱い総重量予測値Xが集配手段10の最大積載量xmaxよりも大きく、かつ、Xmax2よりも小さいか否かを判定し(ステップS240)、判定結果がYESの場合には、当該集配地域を中継配送の該当地域、すなわち、中継地点21-1~21-nを設置することで集配の効率化を図ることができる集配地域である中継要地域(最適集配地域)とするとする(ステップS150)。また、ステップS140での判定結果がNOの場合には、当該集配地域を中継配送の非該当地域(中継不要地域)とする(ステップS151)。
【0047】
ステップS150,S151の処理が終了すると、続いて、現在の判定対象の地域が最後の集配地域であるか否か、すなわち、全ての集配地域について判定を行ったか否かを判定し(ステップS160)、判定結果がNOの場合には、次の判定対象なる集配地域を選択し(ステップS161)、選択した集配地域に対してステップS120~S150,S151の処理を行う。また、ステップS160の判定結果がNOの場合には、処理を終了する。
【0048】
なお、図7に示すフローチャートにおいて、中継要地域と決定された集配地域が複数ある場合には、中継用地域と決定された複数の集配地域のそれぞれについて、大型の集配手段(集配手段12(大))のみにより集配を行う場合のコストである第2のコストを算出する。また、中継要地域と決定した集配地域が複数ある場合には、中継要地域と決定した複数の集配地域を1つの集配経路で集配が可能か否かを判定し、集配が可能であると判定した場合には、中継要地域と決定した複数の集配地域を1つの集配地域とし、大型の集配手段(集配手段12(大))のみにより集配を行う場合のコストである第2のコストを算出するように構成しても良い。
【0049】
図8は、集配地域と配送手段との対応の一例を示す図である。
【0050】
図8においては、集配地域として全国、都道府県、市区町村を仮定し、各集配地域の人口、人口を面積で割った人口密度ρ、面積当たりの取り扱い重量予測、及び、集配地域の面積ごとの適した集配手段を示している。なお、面積当たりの取り扱い重量は人口密度ρに取り扱い発生率αをかけて予測される。また、取り扱い発生率αは0.3[kg/人/日]としている。
【0051】
各集配地域における適した集配手段は、集配地域の面積が1km、5km、10km、20kmの場合のそれぞれについて、集配地域の取り扱い重量、すなわち、面積当たりの取り扱い重量に集配地域の面積をかけた値が、Xmax1(例えば、オートバイの最大積載量であり、30kgとする)未満の場合には「オートバイ1台」と判断し、Xmax1(30kg)以上、Xmax2(例えば、軽トラックの最大積載量の1/2であり、175kgとする)未満の場合には「オートバイ1台+ドローン」と判断し、Xmax2(175kg)以上、Xmax3(例えば、軽トラックの最大積載量であり、350kgとする)未満の場合には「軽トラック1台」と判断し、Xmax3(350kg)以上の場合には「軽トラックn台」と判断している。なお、「軽トラックn台」の場合には、大型ドローンの導入が可能であれば、「軽トラック1台+大型ドローン」とすることができる。すなわち、集配手段に「ドローン」(大型ドローン)が含まれる場合には、中継配送に該当すると判断している。
【0052】
なお、取り扱い発生率αは、年間の取扱総重量がわかれば、それを人口及び日数(365日)で割ることにより算出することができる。また、年間の取扱総重量の情報がない場合には、種別ごとの取り扱い件数、種別ごとの平均重量から算出することも可能である。例えば、図9に示すように、年間引き受け件数が封書は150億件、小包(中-大)が10億件、小包(小:A4x3cm)が33億件とし、人口を1憶2千万人、平均重量がそれぞれ0.1kg、10kg、0.5kgとすると、取り扱い発生率αは約0.3kg/人/日と算出することができる。
【0053】
図10は、集配地域の選択決定方法の一例を示す図である。
【0054】
図10においては、地図上において集配地域をマウスなどのポインティングデバイスで選択決定する。例えば、地図上でK市M町1丁目、M町4丁目、L町2丁目(ハッチング部分)を集配地域として選択した場合、集配地域の面積がyyy[km]と算出され、K市の人口密度データxxx[人/km]に基づいて、集配地域の総人口がzzzz[人]と算出される。また、取り扱い発生率αに基づいて、取扱総重量がwwww[kg]と算出され、取扱総重量がwwww[kg]に基づいて集配方法が判定されて表示される。例えば、地図上で集配地域として選択したK市M町1丁目、M町4丁目、L町2丁目(ハッチング部分)の取扱総重量wwww[kg]が30kg以上、175kg未満の範囲にある場合には、集配方法として「オートバイ1台+ドローン」と判定された結果が表示される。
【0055】
図11及び図12は、配達時における集配手段の積載量の経過時間に対する変化を示す図であり、図11は通常需要時を、図12は高需要時をそれぞれ示している。図11及び図12においては、横軸に時刻(言い換えると、走行距離)を、縦軸に積載量をそれぞれ示している。
【0056】
図11に示すように、例えば、通常需要(例えば、平日)においては、中継地点21-1,21-3はスキップし、中継地点21-2,21-4のみを経由する。この場合には、集配拠点20の出庫時には集配手段10は最大積載量に近い量を積載し、配達するにしたがって積載量が減少していく。集配地点と中継地点の順番、経路の自由度(最適化のための余地)を確保するため中継地点21-2,21-4へは積載量を残したまま到着する。これは、常に積載量が0(ゼロ)になってから中継地点21-2,21-4に寄るようにすると、集配手段10により集配地点と中継地点の順番を選択できる余地がなくなるためである。また、図12に示すように、例えば、高需要(例えば、休日の翌日)においては、全ての中継地点21-1~21-4を経由する。なお、日ごとの需要に応じてスキップする中継地点を変えても良い。
【0057】
図13及び図14は、集荷時における集配手段の積載量の経過時間に対する変化を示す図であり、図13は通常需要時を、図14は高需要時をそれぞれ示している。図13及び図14においては、横軸に時刻(言い換えると、走行距離)を、縦軸に積載量をそれぞれ示している。
【0058】
図13に示すように、例えば、通常需要(例えば、平日)においては、中継地点21-1,21-3はスキップし、中継地点21-2,21-4のみを経由する。この場合には、集配拠点20の出庫時には集配手段10の積載量はほとんど0(ゼロ)であり、集荷が進むにしたがって積載量が増加していく。集配地点と中継地点の順番、経路の自由度(最適化のための余地)を確保するため中継地点21-2,21-4へは最大積載量までの余裕を残したまま到着する。これは、常に積載量が最大積載量になってから中継地点21-2,21-4に到着するようにすると、集配手段10により集配地点と中継地点の順番を選択できる余地がなくなるためである。また、図14に示すように、例えば、高需要(例えば、休日の翌日)においては、全ての中継地点21-1~21-4を経由する。なお、日ごとの需要に応じてスキップする中継地点を変えても良い。また、集荷と配達を同時に実施しても良い。
【0059】
以上のように構成した本実施の形態における作用効果を説明する。
【0060】
物流のユニバーサルサービスのためのコストは地方に限らず都市部の利用者も含めて利用者があまねく負担する場合が多いため、地方での集配業務のコストダウンは、ひいては都市部の利用者も含めてユニバーサルサービスのためのコスト負担の削減につながる。
【0061】
本実施の形態においては、集配物の集配の拠点となる集配拠点20と、複数の集配先22-1~22-mを巡って集配物の集配を行う既存の集配手段10(小)とを有する集配地域における集配物量が、既存の集配手段10(小)の最大積載量よりも小さい場合は中継不要地域に決定し、既存の集配手段10(小)の最大積載量よりも大きい場合は中継要地域に決定し出力するように構成したので、集配業務のコストダウンを図ることができる。
【0062】
すなわち、中継輸送手段を活用した集配物の輸送方法が適した地域を特定することが可能となり、地域の特性に合わせた集配物の輸送方法を選択することができるので、集配業務の効率化を図ることができる。
【0063】
例えば、軽車両1台分以上の取扱量の集配地域において、1台の軽車両及び集配作業員に中継輸送手段を加えることにより、集配拠点と集配地点間を繰り返し往復して運搬する必要長くなり集配業務の効率化を図ることができる。また、中継地点の設置間隔を中継地点間の集配手段の集配先を巡る経路での区間取り扱い量予測値が集配手段の最大積載量を超えないように決定することにより、集配物の重量が最大積載量を超えないようにしながら中継輸送手段による中継輸送を活用しながら集配手段による集配を続けることが可能となる。
【0064】
<付記>
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内の様々な変形例や組み合わせが含まれる。また、本発明は、上記の実施の形態で説明した全ての構成を備えるものに限定されず、その構成の一部を削除したものも含まれる。また、本実施の形態で説明した各構成、機能等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等により実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。
【符号の説明】
【0065】
1…軽車両、10…集配手段、11…中継輸送手段、20…集配拠点、21…中継地点、22…集配先、30…集配地域、31…集配区間、110…集配地図情報、120…人口密度データベース、130…取り扱い実績情報、210…中継要否決定装置、410…集配地域データ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2024-03-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集配物の集配の拠点となる集配拠点と、複数の集配先を巡って前記集配物の集配を行う既存の集配手段とを有する集配地域における集配物量が、
前記既存の集配手段の最大積載量よりも小さい場合は中継不要地域に決定し、又は前記既存の集配手段の最大積載量よりも大きい場合は中継要地域に決定し出力することを特徴とする中継要否決定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の中継要否決定装置において、
中継不要地域であること又は中継用地域であることを出力することを特徴とする中継要否決定装置。
【請求項3】
請求項1に記載の中継要否決定装置において、
前記中継要地域と決定した地域内で、前記既存の集配手段が前記集配先を巡る集配経路に組み込まれ、前記集配拠点との間で輸送される前記集配物の中継を行う少なくとも1つの中継地点を設け、中継輸送手段により前記中継地点と前記集配拠点との間で前記集配物を輸送して、前記既存の集配手段により集配を行う場合のコストである第1のコストを算出し、
前記中継要地域と決定した地域内で、前記既存の集配手段とは異なる大型集配手段のみにより集配を行う場合のコストである第2のコストを算出し、
前記第1のコストと前記第2のコストとを比較して、前記第1のコストが小さい集配地域を中継要地域として決定し、前記第1のコストが大きい集配地域を中継不要地域として決定し、出力することを特徴とする中継要否決定装置。
【請求項4】
請求項3に記載の中継要否決定装置において、
前記既存の集配手段は、バイク又は軽トラックであり、
前記中継輸送手段はドローンであることを特徴とする中継要否決定装置。
【請求項5】
請求項に記載の中継要否決定装置において、
前記大型集配手段の最大積載量は、前記既存の集配手段の最大積載量よりも多いことを特徴とする中継要否決定装置。
【請求項6】
請求項に記載の中継要否決定装置において、
前記中継要地域と決定した集配地域が複数ある場合、中継要地域と決定した複数の集配地域のそれぞれについて、前記大型集配手段のみにより集配を行う場合のコストである第2のコストを算出することを特徴とする中継要否決定装置。
【請求項7】
請求項に記載の中継要否決定装置において、
前記中継要地域と決定した集配地域が複数ある場合、中継要地域と決定した複数の集配地域を1つの集配経路で集配が可能か否かを判定し、集配が可能な場合は、中継要地域と決定した前記複数の集配地域を1つの集配地域とし、前記大型集配手段のみにより集配を行う場合のコストである第2のコストを算出することを特徴とする中継要否決定装置。
【請求項8】
請求項記載の中継要否決定装置において、
前記第1のコストは、前記集配先が含まれる集配地域の人口密度、集配地域の面積、及び人口当たりの取り扱い量実績を用いて算出されることを特徴とする中継要否決定装置。
【請求項9】
請求項1に記載の中継要否決定装置において、
全ての集配地域の中継要否を決定したか否かを判定し、判定が否の場合、中継要否を決定する集配地域を選択し、選択した集配地域の中継要否を決定することを特徴とする中継要否決定装置。
【請求項10】
請求項記載の中継要否決定装置において、
前記第2のコストは、前記集配先が含まれる集配地域の人口密度、集配地域の面積、及び人口当たりの取り扱い量実績を用いて算出されることを特徴とする中継要否決定装置。
【請求項11】
集配物の集配の拠点となる集配拠点と、複数の集配先を巡って前記集配物の集配を行う既存の集配手段とを配置した複数の集配地域における集配物量が、
前記既存の集配手段の最大積載量よりも小さい場合は中継不要地域に決定し、又は前記既存の集配手段の最大積載量よりも大きい場合は中継要地域に決定し出力する手順を有することを特徴とする中継要否決定方法。
【請求項12】
請求項11に記載の中継要否決定方法において、
前記中継要地域と決定した地域内で、前記集配手段が前記集配先を巡る集配経路に組み込まれ、前記集配拠点との間で輸送される前記集配物の中継を行う少なくとも1つの中継地点を設け、中継輸送手段により前記中継地点と前記集配拠点との間で前記集配物を輸送して、前記集配手段により集配を行う場合のコストである第1のコストを算出する手順と、
前記中継要地域と決定した地域内で、大型集配手段のみにより集配を行う場合のコストである第2のコストを算出する手順と、
前記第1のコストと前記第2のコストとを比較して、前記第1のコストが小さい集配地域を中継要地域として決定し、前記第1のコストが大きい集配地域を中継不要地域として決定し、出力する手順と
を有することを特徴とする中継要否決定方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0048】
なお、図7に示すフローチャートにおいて、中継要地域と決定された集配地域が複数ある場合には、中継地域と決定された複数の集配地域のそれぞれについて、大型の集配手段(集配手段12(大))のみにより集配を行う場合のコストである第2のコストを算出する。また、中継要地域と決定した集配地域が複数ある場合には、中継要地域と決定した複数の集配地域を1つの集配経路で集配が可能か否かを判定し、集配が可能であると判定した場合には、中継要地域と決定した複数の集配地域を1つの集配地域とし、大型の集配手段(集配手段12(大))のみにより集配を行う場合のコストである第2のコストを算出するように構成しても良い。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集配物の集配の拠点となる集配拠点から複数の集配先を巡って前記集配物の集配を行う集配手段を有する集配地域を選択し、
前記集配地域における集配物量が、
記集配手段の最大積載量よりも小さい場合は、前記集配地域内に中継地点を設置する必要のない中継不要地域に決定し
前記集配手段の最大積載量よりも大きい場合は、前記集配地域内に中継地点を設置する必要のある中継要地域に決定し
前記集配地域が前記中継不要地域か前記中継要地域かを出力することを特徴とする中継要否決定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の中継要否決定装置において、
前記中継要地域と決定した地域内で、前記集配手段が前記集配先を巡る集配経路に組み込まれ、前記集配拠点との間で輸送される前記集配物の中継を行う少なくとも1つの中継地点を設け、中継輸送手段により前記中継地点と前記集配拠点との間で前記集配物を輸送して、前記集配手段により集配を行う場合のコストである第1のコストを算出し、
前記中継要地域と決定した地域内で、前記集配手段とは異なる大型集配手段のみにより集配を行う場合のコストである第2のコストを算出し、
前記第1のコストと前記第2のコストとを比較して、前記第1のコストが小さい集配地域を中継要地域として決定し、前記第1のコストが大きい集配地域を中継不要地域として決定し、出力することを特徴とする中継要否決定装置。
【請求項3】
請求項に記載の中継要否決定装置において、
記集配手段は、バイク又は軽トラックであり、
前記中継輸送手段はドローンであることを特徴とする中継要否決定装置。
【請求項4】
請求項に記載の中継要否決定装置において、
前記大型集配手段の最大積載量は、前記集配手段の最大積載量よりも多いことを特徴とする中継要否決定装置。
【請求項5】
請求項に記載の中継要否決定装置において、
前記中継要地域と決定した集配地域が複数ある場合、中継要地域と決定した複数の集配地域のそれぞれについて、前記大型集配手段のみにより集配を行う場合のコストである第2のコストを算出することを特徴とする中継要否決定装置。
【請求項6】
請求項記載の中継要否決定装置において、
前記第1のコストは、前記集配先が含まれる集配地域の人口密度、集配地域の面積、及び人口当たりの取り扱い量実績を用いて算出されることを特徴とする中継要否決定装置。
【請求項7】
請求項1に記載の中継要否決定装置において、
全ての集配地域の中継要否を決定したか否かを判定し、判定が否の場合、中継要否を決定する集配地域を選択し、選択した集配地域の中継要否を決定することを特徴とする中継要否決定装置。
【請求項8】
請求項記載の中継要否決定装置において、
前記第2のコストは、前記集配先が含まれる集配地域の人口密度、集配地域の面積、及び人口当たりの取り扱い量実績を用いて算出されることを特徴とする中継要否決定装置。
【請求項9】
集配物の集配の拠点となる集配拠点から複数の集配先を巡って前記集配物の集配を行う集配手段を配置した複数の集配地域を中継要否決定装置により選択する手順と、
前記中継要否決定装置により、前記複数の集配地域のそれぞれにおける集配物量が、
記集配手段の最大積載量よりも小さい場合は、前記集配地域内に中継地点を設置する必要のない中継不要地域に決定し
前記集配手段の最大積載量よりも大きい場合は、前記中継要否決定装置により前記集配地域内に中継地点を設置する必要のある中継要地域に決定し、
前記複数の集配地域のそれぞれが前記中継不要地域か前記中継要地域かを出力する手順を有することを特徴とする中継要否決定方法。
【請求項10】
請求項に記載の中継要否決定方法において、
前記中継要地域と決定した地域内で、前記集配手段が前記集配先を巡る集配経路に組み込まれ、前記集配拠点との間で輸送される前記集配物の中継を行う少なくとも1つの中継地点を設け、中継輸送手段により前記中継地点と前記集配拠点との間で前記集配物を輸送して、前記集配手段により集配を行う場合のコストである第1のコストを前記中継要否決定装置により算出する手順と、
前記中継要地域と決定した地域内で、大型集配手段のみにより集配を行う場合のコストである第2のコストを前記中継要否決定装置により算出する手順と、
前記中継要否決定装置により前記第1のコストと前記第2のコストとを比較して、前記第1のコストが小さい集配地域を中継要地域として決定し、前記第1のコストが大きい集配地域を中継不要地域として決定し、出力する手順と
を有することを特徴とする中継要否決定方法。