IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ソニー株式会社の特許一覧

特開2024-179266情報処理装置、端末装置、情報処理方法、及び、基地局
<>
  • 特開-情報処理装置、端末装置、情報処理方法、及び、基地局 図1
  • 特開-情報処理装置、端末装置、情報処理方法、及び、基地局 図2
  • 特開-情報処理装置、端末装置、情報処理方法、及び、基地局 図3
  • 特開-情報処理装置、端末装置、情報処理方法、及び、基地局 図4
  • 特開-情報処理装置、端末装置、情報処理方法、及び、基地局 図5
  • 特開-情報処理装置、端末装置、情報処理方法、及び、基地局 図6
  • 特開-情報処理装置、端末装置、情報処理方法、及び、基地局 図7
  • 特開-情報処理装置、端末装置、情報処理方法、及び、基地局 図8
  • 特開-情報処理装置、端末装置、情報処理方法、及び、基地局 図9
  • 特開-情報処理装置、端末装置、情報処理方法、及び、基地局 図10
  • 特開-情報処理装置、端末装置、情報処理方法、及び、基地局 図11
  • 特開-情報処理装置、端末装置、情報処理方法、及び、基地局 図12
  • 特開-情報処理装置、端末装置、情報処理方法、及び、基地局 図13
  • 特開-情報処理装置、端末装置、情報処理方法、及び、基地局 図14
  • 特開-情報処理装置、端末装置、情報処理方法、及び、基地局 図15
  • 特開-情報処理装置、端末装置、情報処理方法、及び、基地局 図16
  • 特開-情報処理装置、端末装置、情報処理方法、及び、基地局 図17
  • 特開-情報処理装置、端末装置、情報処理方法、及び、基地局 図18
  • 特開-情報処理装置、端末装置、情報処理方法、及び、基地局 図19
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179266
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】情報処理装置、端末装置、情報処理方法、及び、基地局
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/18 20090101AFI20241219BHJP
   H04W 92/24 20090101ALI20241219BHJP
   H04W 48/16 20090101ALI20241219BHJP
   H04W 28/084 20230101ALI20241219BHJP
   H04W 48/14 20090101ALI20241219BHJP
   H04W 8/06 20090101ALI20241219BHJP
【FI】
H04W48/18
H04W92/24
H04W48/16 132
H04W28/084
H04W48/14
H04W8/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097979
(22)【出願日】2023-06-14
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】津田 信一郎
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA21
5K067DD11
5K067DD23
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE16
(57)【要約】
【課題】ネットワークスライスのマッピング情報を動的に生成するための仕組みを提供する。
【解決手段】本開示の情報処理装置は、制御部を備える。制御部は、ホームネットワークが提供する第1のネットワークスライスのうち端末装置が使用を要求可能な要求可能スライスがサポートする1以上の第1の通信品質に関する第1の品質情報を、ホームネットワークから取得する。制御部は、ビジターネットワークが提供する第2のネットワークスライスのうち、第1の品質情報に対応する第2の通信品質をサポートするサポートスライスを選択する。制御部は、ビジターネットワークが設定する設定スライスであって、選択したサポートスライスを含む設定スライスと、要求可能スライスと、の対応関係に関するマッピング情報を生成する。制御部は、設定スライスに関する設定スライス情報と、マッピング情報と、を端末装置に通知する。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホームネットワークが提供する第1のネットワークスライスのうち端末装置が使用を要求可能な要求可能スライスがサポートする1以上の第1の通信品質に関する第1の品質情報を、前記ホームネットワークから取得し、
ビジターネットワークが提供する第2のネットワークスライスのうち、前記第1の通信品質に対応する第2の通信品質をサポートするサポートスライスを選択し、
前記ビジターネットワークが設定する設定スライスであって、選択した前記サポートスライスを含む前記設定スライスと、前記要求可能スライスと、の対応関係に関するマッピング情報を生成し、
前記設定スライスに関する設定スライス情報と、前記マッピング情報と、を前記端末装置に通知する、制御部、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記端末装置からの要求に応じて前記設定スライス情報及び前記マッピング情報を通知する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
2以上の前記第1の通信品質をサポートするために、2以上の前記サポートスライスを選択し、
2以上の前記サポートスライスのセットと、前記要求可能スライスと、の対応関係に係る前記マッピング情報を生成する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記設定スライスに関する設定スライス情報に従って、前記ビジターネットワークへの登録処理、又は、再登録処理を実行するよう、前記端末装置に指示する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記端末装置から、前記第2のネットワークスライスのうち、前記端末装置が使用を要求する要求スライスに関する要求スライス情報と、前記要求スライス、及び、前記要求可能スライスの対応関係に関する要求マッピング情報と、を受信し、
前記要求スライスのうち、前記ビジターネットワークに在圏する前記端末装置に対して使用を許可する許可スライスを選択し、
前記許可スライスに関する許可スライス情報を生成する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記ビジターネットワークの前記端末装置に対する登録エリア内で、前記端末装置に対して使用を許可できない前記サポートスライスを拒否スライスに設定する、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記許可スライスに対して、使用するDNN(Data Network Name)を割り当てる、請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記第1のネットワークスライスがTSC(Time Sensitive Communication) QoSフローをサポートするネットワークスライスである場合に、前記要求可能スライスに対応するQoS制御をサポートするためのQoSパラメータに係るパラメータ情報を、前記ホームネットワークから取得し、
前記ビジターネットワークが提供する前記第2のネットワークスライスのうち、前記QoSパラメータをサポートするサポートスライスを選択する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
情報処理装置から、自身が在圏するビジターネットワークが提供する第2のネットワークスライスであって、前記ビジターネットワークが設定する設定スライス情報及びマッピング情報を取得する制御部、
を備え、
前記設定スライス情報は、前記第2のネットワークスライスのうち、第1の品質情報に対応する第2の通信品質をサポートするサポートスライスに関する情報を含み、
前記第1の品質情報は、ホームネットワークが提供する第1のネットワークスライスのうち、前記制御部が前記ホームネットワークでの使用を要求可能な要求可能スライスがサポートする1以上の第1の通信品質に関する情報を含み、
前記マッピング情報は、前記要求可能スライスと、前記サポートスライスと、の対応関係に関する情報を含む、
端末装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記設定スライス情報を有していない場合に、前記ビジターネットワークへの登録要求に先立って、前記ビジターネットワークの基地局を介して、前記設定スライス情報の更新及び取得の少なくとも一方を要求する、請求項9に記載の端末装置。
【請求項11】
前記制御部は、
前記要求可能スライスから、少なくとも1つの要求スライスを選択し、
前記設定スライス情報に含まれる前記サポートスライスのうち、選択した前記要求スライスに対応する前記サポートスライスを特定し、
特定した前記サポートスライスに関する情報を含む要求スライス情報を生成し、
前記要求スライス情報に含まれる前記サポートスライスと、選択した前記要求スライスと、の対応関係に関する要求マッピング情報を生成し、
前記ビジターネットワークへの登録要求であって、前記要求スライス情報及び前記要求マッピング情報を含む前記登録要求を、前記ビジターネットワークの基地局に送信する、
請求項9に記載の端末装置。
【請求項12】
前記制御部は、前記登録要求の応答として、前記サポートスライスのうち、前記端末装置の使用が許可された許可スライスに関する許可スライス情報、及び、前記許可スライスに割り当てられたDNNに関するDNN情報を含む登録許可を受信する、請求項10に記載の端末装置。
【請求項13】
前記制御部は、1以上の前記許可スライスを識別する許可スライス識別情報、及び、1以上の前記許可スライスに割り当てられた前記DNNを含むセッション確立要求を、前記ビジターネットワークの前記基地局に送信する、請求項12に記載の端末装置。
【請求項14】
2以上の前記許可スライスに対して、それぞれ異なる前記DNNが割り当てられている場合、前記制御部は、一方の前記許可スライス、及び、対応する前記DNNを含む第1のセッション確立要求と、他方の前記許可スライス、及び、対応する前記DNNを含む第2のセッション確立要求と、を前記基地局に送信する、請求項13に記載の端末装置。
【請求項15】
2以上の前記許可スライスに対して、1つの前記DNNが割り当てられている場合、前記制御部は、2以上の前記許可スライス、対応する1つの前記DNN、及び、1つの前記DNNで2以上の前記許可スライスを1つのセッション内で処理する指示を含む前記セッション確立要求を前記基地局に送信する、請求項14に記載の端末装置。
【請求項16】
前記制御部は、要求スライス情報、補完マッピング情報、及び、補完要求を含む登録要求をホームネットワーク側情報処理装置に送信し、
前記要求スライス情報は、ホームネットワークが提供する第1のネットワークスライスのうち前記制御部が使用を要求する要求スライスに関し、
前記補完マッピング情報は、前記要求スライス、及び、ビジターネットワークが提供する第2のネットワークスライスのうち、前記要求スライスがサポートしうる1以上の第1の通信品質に対応する第2の通信品質をサポートするサポートスライスの対応関係に関し、
前記補完要求は、前記要求スライスを前記サポートスライスで補完することを要求し、
前記ホームネットワーク側情報処理装置は、
前記登録要求を受信すると、前記第1のネットワークスライスのうち前記端末装置が使用を要求可能な要求可能スライスに関する要求可能スライス情報を、前記ホームネットワークから取得し、
前記要求スライスがサポートしない前記第1の通信品質に対応する第3の通信品質を前記サポートスライスがサポートできる場合に、前記要求スライスを条件付き許可スライスに設定する、
請求項9に記載の端末装置。
【請求項17】
ホームネットワークが提供する第1のネットワークスライスのうち端末装置が使用を要求可能な要求可能スライスがサポートする1以上の第1の通信品質に関する第1の品質情報を、前記ホームネットワークから取得することと、
ビジターネットワークが提供する第2のネットワークスライスのうち、前記第1の品質情報に対応する第2の通信品質をサポートするサポートスライスを選択することと、
前記ビジターネットワークが設定する設定スライスであって、選択した前記サポートスライスを含む前記設定スライスと、前記要求可能スライスと、の対応関係に関するマッピング情報を生成することと、
前記設定スライスに関する設定スライス情報と、前記マッピング情報と、を前記端末装置に通知することと、
を含む情報処理方法。
【請求項18】
マッピング情報、サポートスライス情報、及び、優先度情報を端末装置から受信する制御部を備え、
前記マッピング情報は、ホームネットワークで提供される第1のネットワークスライスのうち、前記端末装置の使用が許可された許可スライスと、ビジターネットワークが提供する第2のネットワークスライスのうち、前記許可スライスがサポートする第1の通信品質に対応する第2の通信品質をサポートするサポートスライスと、の対応関係に関し、
前記サポートスライス情報は、前記サポートスライスに関し、
前記優先度情報は、前記サポートスライスに対する周波数選択のための優先度に関し、
前記制御部は、前記優先度情報に従って、前記サポートスライスを提供するセルにリダイレクトするためのセル再選択に関するパラメータを前記端末装置に設定する、
基地局。
【請求項19】
前記制御部は、
前記マッピング情報と、前記サポートスライスを含む一部許可スライスに関する一部許可スライス情報と、を含む登録許可メッセージを情報処理装置から受信し、
前記登録許可メッセージを前記端末装置に送信する、
請求項18に記載の基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、端末装置、情報処理方法、及び、基地局に関する。
【背景技術】
【0002】
第5世代移動通信システム、いわゆる5Gは、2018年にRel-15として最初の規格が策定され、2020年3月に5Gに対応したサービスが国内でも開始された。また、テレコム事業者以外の主体が5Gサービスを提供するローカル5Gという形態でのサービス提供も始まりつつある。この5Gは、高速大容量(eMBB:enhanced Mobile BroadBand)、低遅延・高信頼性(URLLC:Ultra-Reliable and Low Latency Communications)、多数同時接続(mMTC:massive Machine Type Communication)という特徴を有する。
【0003】
ネットワークスライスを識別するためにネットワークスライス選択支援情報が用いられる。公衆無線通信事業者は、ネットワークスライス選択支援情報として標準化されたネットワークスライス選択支援情報に加えて、各公衆無線通信事業者内で独自に設定した標準化されていないネットワークスライス選択支援情報を用いることができる。
【0004】
例えば、引用文献1には、ローミングに際して、登録先であるビジターの公衆無線通信事業者のネットワークスライス選択支援情報と、対応するホームの公衆無線通信事業者のネットワークスライス選択支援情報と、をマッピングする技術が記載されている。引用文献1では、マッピングされたネットワークスライス選択支援情報を端末装置に記憶することで、端末装置は、標準化されていないネットワークスライス選択支援情報をビジターの公衆無線通信事業者で利用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-166359号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
今後、ローミング候補として、従来のビジターの公衆無線通信事業者に加えて、プライベートネットワークやローカル5Gのような新たなローカル通信事業者が増えていくことが想定される。その際、静的なローミング契約の形態だけでなく、動的なローミング契約のようなものが導入されることも予想される。
【0007】
そして、ホームの公衆無線通信事業者とローミング先のローカル通信事業者との間でも標準化されていないネットワークスライス選択支援情報のマッピングに係る情報を共有することが求められる。そのためには、そのマッピング情報を動的に生成するための仕組みの導入が求められる。
【0008】
そこで、本開示では、ネットワークスライスのマッピング情報を動的に生成するための仕組みを提供する。
【0009】
なお、上記課題又は目的は、本明細書に開示される複数の実施形態が解決し得、又は達成し得る複数の課題又は目的の1つに過ぎない。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の情報処理装置は、制御部を備える。制御部は、ホームネットワークが提供する第1のネットワークスライスのうち端末装置が使用を要求可能な要求可能スライスがサポートする1以上の第1の通信品質に関する第1の品質情報を、前記ホームネットワークから取得する。制御部は、ビジターネットワークが提供する第2のネットワークスライスのうち、前記第1の品質情報に対応する第2の通信品質をサポートするサポートスライスを選択する。制御部は、前記ビジターネットワークが設定する設定スライスであって、選択した前記サポートスライスを含む前記設定スライスと、前記要求可能スライスと、の対応関係に関するマッピング情報を生成する。制御部は、前記設定スライスに関する設定スライス情報と、前記マッピング情報と、を前記端末装置に通知する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】5Gシステムのネットワークアーキテクチャの構成を示す図である。
図2】本開示の実施形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
図3】本開示の実施形態に係る基地局の構成例を示す図である。
図4】本開示の実施形態に係る端末装置の構成例を示すブロック図である。
図5】ローミングのための5Gシステムのネットワークアーキテクチャの構成の一例を示す図である。
図6】標準化されたSST値を示す図表である。
図7】5GSのQoSアーキテクチャの一例を示す図である。
図8】第1実施形態に係るビジターネットワークに対する登録処理の一例を示すフローチャートである。
図9】第1実施形態に係るビジターネットワーク向けのConfigured NSSAIの更新を要求する処理の一例を示すシーケンス図である。
図10】V-NSSF304-2におけるビジターネットワーク向けのConfigured NSSAI及び第1のマッピング情報の生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図11】第1実施形態に係る第2のS-NSSAIの選択処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図12】第1実施形態に係る第1のマッピング情報の生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図13】第1実施形態に係る第2のS-NSSAIのマッピング処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図14】第1実施形態に係るビジターネットワーク向けのConfigured NSSAIの更新を要求する処理の他の例を示すシーケンス図である。
図15】第1実施形態に係るConfigured NSSAIの更新に伴うビジターネットワークへの登録/再登録処理の一例を示すシーケンス図である。
図16】ホームネットワークのS-NSSAIをビジターネットワークで補完するための登録処理の一例を示すシーケンス図である。
図17】第2実施形態に係る通信システムのアーキテクチャの一例を示す図である。
図18】第2実施形態に係る通信システムのアーキテクチャの他の例を示す図である。
図19】第2実施形態に係るホームネットワークのS-NSSAIをビジターネットワークで補完するための処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0013】
また、本明細書及び図面において、実施形態の類似する構成要素については、同一の符号の後に異なるアルファベット及び数字の少なくとも一方を付して区別する場合がある。ただし、類似する構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。
【0014】
以下に説明される1又は複数の実施形態(実施例、変形例、適用例を含む)は、各々が独立に実施されることが可能である。一方で、以下に説明される複数の実施形態は少なくとも一部が他の実施形態の少なくとも一部と適宜組み合わせて実施されてもよい。これら複数の実施形態は、互いに異なる新規な特徴を含み得る。したがって、これら複数の実施形態は、互いに異なる目的又は課題を解決することに寄与し得、互いに異なる効果を奏し得る。
【0015】
<<1.提案技術の概要>>
上述したように、ホームの公衆無線通信事業者とローミング先のローカル通信事業者との間でも標準化されていないネットワークスライス選択支援情報のマッピングに係る情報を共有することが求められる。そのためには、そのマッピング情報を動的に生成するための仕組みの導入が求められる。
【0016】
そこで、本開示の提案技術に係る情報処理装置は、ホームネットワークから第1の品質情報を取得する。ホームネットワークは、例えば、端末装置のHPLMN(Home Public Land Mobile Network)であり、端末装置にサービスを提供するネットワークである。
【0017】
第1の品質情報は、ホームネットワークが提供する第1のネットワークスライスのうち端末装置が使用を要求可能な要求可能スライス(例えば、Subscribed S-NSSAI(Single Network Slice Selection Assistance Information)に係る情報に含まれるS-NSSAI)がサポートする1以上の第1の通信品質(例えば、QoS(Quality of Service)識別情報)に関する情報である。
【0018】
情報処理装置は、例えばビジターネットワークの通信システムにおけるNF(Network Function)の機能を実現する装置である。ビジターネットワークは、例えば、VPLMN(Visitor PLMN)であり、端末装置のローミング先である。HPLMNがVPLMNとSLA(Service Level Agreement)を締結することにより、端末装置は、ローミングの形態でVPLMNのサービスを利用することができる。
【0019】
情報処理装置は、ビジターネットワークが提供する第2のネットワークスライスのうち、第1の品質情報に対応する第2の通信品質をサポートするサポートスライスを選択する。
【0020】
情報処理装置は、ビジターネットワークが設定する設定スライス(例えば、Configured NSSAI)であって、選択したサポートスライスを含む設定スライスと、要求可能スライスと、の対応関係に関するマッピング情報を生成する。情報処理装置は、設定スライスに関する設定スライス情報と、マッピング情報と、を端末装置に通知する。
【0021】
このように、本実施形態に係る情報処理装置は、ダイナミックにローミングをサポートするビジターネットワークにおいて、ネットワークスライスがサポートする5QIの種類に係る情報をホームネットワークから取得する。これにより、情報処理装置は、ホームネットワークで使用されている標準化されていないネットワークスライスと、ビジターネットワークで使用されているネットワークスライスと、を動的にマッピングすることができる。これにより、端末装置は、ビジターネットワークでもホームネットワークと同様の通信品質のサービスを享受することができる。
【0022】
<<2.通信システムの構成例>>
<2-1.5Gシステムのネットワークアーキテクチャ>
本開示の実施形態に係る通信システムは、例えば5Gシステムである。ここでは、図1を用いて本実施形態に係る通信システムである5Gシステムのネットワークアーキテクチャの一例について説明する。
【0023】
図1は、5Gシステムのネットワークアーキテクチャの構成を示す図である。以下、5Gシステムを5GS(5G System)と略記する。
【0024】
5GSは、UE(User Equipment)10と、(R)AN20と、5GC(5G Core)30とを備える。なお、5GCは、NGC(NG CORE)、又はコアネットワークとも称される。また、(R)ANとの表記は、RAN(Radio Access Network)及びAN(Access Network)を含む基地局を表したものである。以下では、(R)AN20を基地局20とも記載する。また、UE10は端末装置である。以下では、UE10を端末装置10とも記載する。
【0025】
アプリケーションを処理するアプリケーションサーバ(AS:Application Server)40がインターネットを介して5GSと接続されることによって、UE10は5Gサービスを介するアプリケーションの利用が可能になる。
【0026】
アプリケーションを提供する主体、例えば、サービスプロバイダが、5Gサービスを提供するPLMN(Public Land Mobile Network)オペレータとの間で、SLA(Service Level Agreement)等の契約を有する場合には、アプリケーションサーバ40は、DN340として5GC30内に配置される。若しくは、アプリケーションサーバ40は、DN340と専用線やVPN(Virtual Private Network)で接続されることもできる。
【0027】
なお、アプリケーションサーバ40は、クラウドサーバとも呼ばれる。若しくは、アプリケーションサーバ40は、エッジサーバの形態で提供されてもよい。
【0028】
5GSのコントロールプレーンの機能群は、AMF(Access and Mobility Management Function)301と、NEF(Network Exposure Function)302と、NRF(Network Repository Function)303と、を含む。また、コントロールプレーンの機能群は、NSSF(Network Slice Selection Function)304と、PCF(Policy Control Function)305と、SMF(Session Management Function)306と、UDM(Unified Data Management)307と、を含む。コントロールプレーンの機能群は、AF(Application Function)308と、AUSF(Authentication Server Function)309と、UCMF(UE radio Capability Management Function)310とを含む。コントロールプレーンの機能群は、LMF(Location Management Function)311と、NSACF(Network Slice Access Control Function)312と、を含む。このように、コントロールプレーンの機能群は、複数のNF(Network Function)によって構成される。
【0029】
ここで、AF308は、アプリケーションサーバ40のコントロールプレーンを処理するNFとして動作し得る。AF308は、アプリケーションサーバ40と論理的に異なるエンティティとして物理的に同一の装置、つまり、アプリケーションサーバ40内に実装するようにしてもよい。また、AF308は、5GSのアプリケーションに対するコントロールプレーンを処理するNFとして動作し、5GC30内に配置されてもよい。
【0030】
アプリケーションサーバ40を管理、運営するサービスプロバイダは、PLMNオペレータとのSLAの範囲でNEF302を介して5Gシステムの各NFから情報を取得することができる。NEF302は、サービスプロバイダに対して各NFのケイパビリティとイベントをセキュアに確保して開示することができる。
【0031】
UDM307は、契約者情報を保持及び管理するUDR(Unified Data Repository)と、契約者情報を処理するFE(Front End)部と、を含む。
【0032】
AMF301は、モビリティ管理を行う。本実施形態に関連するAMF301の詳細な動作は後述する。SMF306は、セッション管理を行う。
【0033】
PCF305は、ネットワークの動作を統制するための統一されたポリシーの枠組みを提供し、コントロールプレーンの各ネットワーク機能にポリシールールを提供する。また、PCF305はポリシーの決定のために、UDRの契約者情報にアクセスする。
【0034】
UCMF310は、PLMNにおける全てのUE無線ケイパビリティID(UE RadioCapability ID)に対応するUE無線ケイパビリティ情報(UE Radio Capability Information)を保持する。UCMF310は、それぞれのPLMN-割り当てUE無線ケイパビリティID(PLMN-assigned UE Radio Capability ID)を割り当てる役割を担う。
【0035】
LMF311は、UE-Based modeにおいて、UE10に測位用の補助データ(assistance data)を提供する。UE10は、LMF311から取得した補助データを使って、GNSS(Global Navigation Satellite System)に関する測定と位置の計算を行うことができる。UE10は、例えば、広く知られたAssisted-GNSSと呼ばれる手法を使用することができる。
【0036】
LMF311は、UE-Assisted modeにおいて、GNSS受信機を装備しているUE10からCode Phase、Doppler、Carrier Phase等のGNSSに関する測定値を取得して、UE10の位置を計算する。
【0037】
また、LMF311は、GNSS受信機を装備していてもGNSSからの信号を受信できない、又は、GNSSを装備していないUE10に対して、
-OTDOA(Observed Time Difference Of Arrival)
-Multi-RTT(Round Trip Time)
-DL AoD(Downlink Angle-of-Departure)
-DL TDOA(Downlink Time Difference Of Arrival)
-UL TDOA(Uplink Time Difference Of Arrival)
-UL AoA(Angle of Arrival)
と呼ばれるポジショニング技法でUE10の位置に係る情報を取得する。
【0038】
NSACF312は、ネットワークスライス毎に登録されているUE10の数、確立されているPDUセッションの数、及び1つ以上のPDUセッションを確立しているUE10の数をモニターし、制御する。これにより、NSACF312は、各ネットワークスライスで輻輳を生じさせないためのアドミッション制御を適用する。また、NSACF312は、各NFへのイベントに応じたネットワークスライスの状況の通知と報告をサポートする。
【0039】
ネットワークスライスに求められる要求の1つとして、ネットワークスライス間のアイソレーションの確保がある。特に、有限な無線リソースの中で複数のネットワークスライスをサポートする場合に、他のネットワークスライスに影響を与えないために各ネットワークスライスで輻輳を生じさせないためのアドミッション制御が適用される。
【0040】
なお、NSSF304については後述する。
【0041】
Namfは、AMF301が提供するサービスベースドインターフェース(Service-based interface)である。Nsmfは、SMF306が提供するサービスベースドインターフェースである。Nnefは、NEF302が提供するサービスベースドインターフェースである。
【0042】
Npcfは、PCF305が提供するサービスベースドインターフェースである。Nudmは、UDM307が提供するサービスベースドインターフェースである。Nafは、AF308が提供するサービスベースドインターフェースである。Nnrfは、NRF303が提供するサービスベースドインターフェースである。
【0043】
Nnssfは、NSSF304が提供するサービスベースドインターフェースである。Nausfは、AUSF309が提供するサービスベースドインターフェースである。Nucmfは、UCMF310が提供するサービスベースドインターフェースである。
【0044】
Nlmfは、LMF311が提供するサービスベースドインターフェースである。Nnsacfは、NSACF312が提供するサービスベースドインターフェースである。
【0045】
各NFは、他のネットワーク機能が提供するサービスに対してリクエスト、又はサブスクライブすることで、そのサービスからの応答、又は、通知を受けることができる。つまり、各NFは、それぞれのサービスベースドインターフェースを介したリクエスト/応答、又は、サブスクライブ/通知の手段で、他のNFとの間で情報を交換する。
【0046】
UPF(User Plane Function)330は、ユーザープレーン処理の機能を有する。DN(Data Network)340は、MNO(Mobile Network Operator)独自のサービス、インターネット、及びサードパーティーのサービスへの接続を可能にする機能を有する。
【0047】
UPF330は、アプリケーションサーバ40で処理されたユーザープレーンのデータの転送処理部として機能する。UPF330は、(R)AN20と接続されるゲートウェイとしても機能する。
【0048】
ここで、5GSは、5GC30の各NFを仮想化(Virtualization)やコンテナ(Container)で構成し、クラウドサーバに実装することができる。さらに、5GSは、SDN(Software Defined Network)を使って、動的、かつ、リコンフィギャラブル(re-configurable)に各NFを設定することができる。
【0049】
(R)AN20は、RANとの接続、及び、RAN以外のANとの接続を可能にする機能を有する。(R)AN20は、gNB、又はng-eNBと呼ばれる基地局を含む。RANは、NG(Next Generation)-RANと呼ばれる場合もある。
【0050】
また、(R)AN20の機能は、PDCP(Packet Data Convergence Protocol)サブレイヤ以上のL2/L3機能を処理するCU(Central Unit)と、RLC(Radio Link Control)サブレイヤ以下のL2/L1機能を処理するDU(Distributed Unit)に分割される。(R)AN20の機能は、F1インターフェースを介してそれぞれ分散して配置され得る。
【0051】
さらに、DUの機能は、LOW PHYサブレイヤと無線部(Radio)を処理するRU(Radio Unit)と、RLC、MAC(Medium Access Control)、HIGH PHYの各サブレイヤを処理するDUとに分割される。
【0052】
RUの機能は、例えば、eCPRI(evolved Common Public Radio Interface)に準拠したフロントホールを介して分散して配置され得る。
【0053】
ここで、5GSは、CU及び/又はDUの機能を仮想化やコンテナで構成し、クラウドサーバに実装することができる。さらに、5GSは、SDNを使って、動的かつリコンフィギャラブルにCU及び/又はDUの機能を設定することができる。
【0054】
UE10とAMF301との間では、リファレンスポイントN1を介して相互に情報の交換が行われる。(R)AN20とAMF301との間では、リファレンスポイントN2を介して相互に情報の交換が行われる。SMF306とUPF330との間では、リファレンスポイントN4を介して相互に情報の交換が行われる。
【0055】
<2-2.情報処理装置の構成例>
次に、図2を用いて、本開示の実施形態に係る情報処理装置300の構成例について説明する。図2は、本開示の実施形態に係る情報処理装置300の構成例を示すブロック図である。
【0056】
情報処理装置300は、コアネットワーク30のNF、AF308やアプリケーションサーバ40の機能を実現する装置である。情報処理装置300は、例えばサーバ装置である。情報処理装置300は、クラウドサーバ、エッジサーバと総称される装置であってもよい。
【0057】
図2に示すように情報処理装置300は、通信部31と、記憶部32と、制御部33と、を備える。なお、図2に示した構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なっていてもよい。また、情報処理装置300の機能は、複数の物理的に分離された構成に分散して実装されてもよい。例えば、情報処理装置300は、複数のサーバ装置により構成されていてもよい。
【0058】
通信部31は、他の装置と通信するための通信インターフェースである。通信部31は、ネットワークインターフェースであってもよいし、機器接続インターフェースであってもよい。例えば、通信部31は、NIC(Network Interface Card)等のLAN(Local Area Network)インターフェースであってもよいし、USB(Universal Serial Bus)ホストコントローラ、USBポート等により構成されるUSBインターフェースであってもよい。また、通信部31は、有線インターフェースであってもよいし、無線インターフェースであってもよい。通信部31は、情報処理装置300の通信手段として機能する。通信部31は、制御部33の制御に従って基地局20や他のNFノード、ANノードと通信する。
【0059】
記憶部32は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスク等のデータ読み書き可能な記憶装置である。記憶部32は、情報処理装置300の記憶手段として機能する。
【0060】
制御部33は、情報処理装置300の各部を制御するコントローラ(controller)である。制御部33は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサにより実現される。例えば、制御部33は、情報処理装置300内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM(Random Access Memory)等を作業領域として実行することにより実現される。なお、制御部33は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。CPU、MPU、GPU、ASIC、及びFPGAは何れもコントローラとみなすことができる。
【0061】
<2-3.基地局の構成例>
次に、基地局20について説明する。基地局20は、セルを運用し、セルのカバレッジの内部に位置する1つ以上の端末装置10へ無線通信サービスを提供する通信装置である。セルは、例えばLTE又はNR等の任意の無線通信方式に従って運用される。基地局20は、コアネットワーク30に接続される。コアネットワーク30は、ゲートウェイ装置を介してパケットデータネットワークに接続される。また、基地局20は、SSB(Synchronization Signal/PBCH Block)で識別可能なビームを運用し、1つ以上のビームを介して1つ以上の端末装置10との間でデータを送受信する。
【0062】
なお、基地局20は、複数の物理的又は論理的装置の集合で構成されていてもよい。例えば、本開示の実施形態において基地局20は、BBU(Baseband Unit)及びRU(Radio Unit)の複数の装置に区別され、これら複数の装置の集合体として解釈されてもよい。さらに又はこれに代えて、本開示の実施形態において基地局20は、BBU及びRUのうちいずれか又は両方であってもよい。BBUとRUとは所定のインターフェース(例えば、eCPRI)で接続されていてもよい。さらに又はこれに代えて、RUはRemote Radio Unit(RRU)又はRadio DoT(RD)と称されていてもよい。さらに又はこれに代えて、RUは後述するgNB-DUに対応していてもよい。さらに又はこれに代えてBBUは、後述するgNB-CUに対応していてもよい。これに代えて、RUは後述するgNB-DUに接続していてもよい。さらに、BBUは、後述するgNB-CU及びgNB-DUの組合せに対応していてもよい。 さらに又はこれに代えて、RUはアンテナと一体的に形成された装置であってもよい。基地局20が有するアンテナ(例えば、RUと一体的に形成されたアンテナ)はAdvanced Antenna Systemを採用し、MIMO(例えば、FD-MIMO)やビームフォーミングをサポートしていてもよい。Advanced Antenna Systemは、基地局20が有するアンテナ(例えば、RUと一体的に形成されたアンテナ)は、例えば、64個の送信用アンテナポート及び64個の受信用アンテナポートを備えていてもよい。
【0063】
また、基地局20は、複数が互いに接続されていてもよい。1つ又は複数の基地局20は無線アクセスネットワーク(Radio Access Network:RAN)に含まれていてもよい。すなわち、基地局20は単にRAN、RANノード、AN(Access Network)、ANノードと称されてもよい。LTEにおけるRANはEUTRAN(Enhanced Universal Terrestrial RAN)と呼ばれる。NRにおけるRANはNGRANと呼ばれる。W-CDMA(UMTS)におけるRANはUTRANと呼ばれる。LTEの基地局20は、eNodeB(Evolved Node B)又はeNBと称される。すなわち、EUTRANは1又は複数のeNodeB(eNB)を含む。また、NRの基地局20は、gNodeB又はgNBと称される。すなわち、NGRANは1又は複数のgNBを含む。さらに、EUTRANは、LTEの通信システム(EPS)におけるコアネットワーク(EPC)に接続されたgNB(en-gNB)を含んでいてもよい。同様にNGRANは5G通信システム(5GS)におけるコアネットワーク5GCに接続されたng-eNBを含んでいてもよい。さらに又はこれに代えて、基地局20がeNB、gNBなどである場合、3GPP Accessと称されてもよい。さらに又はこれに代えて、基地局20が無線アクセスポイント(Access Point)(e.g., WiFi(登録商標)のアクセスポイント)である場合、Non-3GPP Accessと称されてもよい。さらに又はこれに代えて、基地局20は、RRH(Remote Radio Head)と呼ばれる光張り出し装置であってもよい。さらに又はこれに代えて、基地局20がgNBである場合、基地局20は前述したgNB CU(Central Unit)とgNB DU(Distributed Unit)の組み合わせ又はこれらのうちいずれかと称されてもよい。gNB CU(Central Unit)は、UE10との通信のために、Access Stratumのうち、複数の上位レイヤ(例えば、RRC、SDAP、PDCP)をホストする。一方、gNB-DUは、Access Stratumのうち、複数の下位レイヤ(例えば、RLC、MAC、PHY)をホストする。すなわち、後述されるメッセージ・情報のうち、RRC signalling(例えば、MIB、SIB1を含む各種SIB、RRCSetup message、RRCReconfiguration message)はgNB CUで生成され、一方で後述されるDCIや各種Physical Channel(例えば、PDCCH、PBCH)はgNB-DUは生成されてもよい。又はこれに代えて、RRC signallingのうち、例えばIE:cellGroupConfigなど一部のconfiguration(設定情報)についてはgNB-DUで生成され、残りのconfigurationはgNB-CUで生成されてもよい。これらのconfiguration(設定情報)は、後述されるF1インターフェースで送受信されてもよい。基地局20は、他の基地局20と通信可能に構成されていてもよい。例えば、複数の基地局20がeNB同士又はeNBとen-gNBの組み合わせである場合、当該基地局20間はX2インターフェースで接続されてもよい。さらに又はこれに代えて、複数の基地局20がgNB同士又はng-eNBとgNBの組み合わせである場合、当該装置間はXnインターフェースで接続されてもよい。さらに又はこれに代えて、複数の基地局20がgNB CU(Central Unit)とgNB DU(Distributed Unit)の組み合わせである場合、当該装置間は前述したF1インターフェースで接続されてもよい。後述されるメッセージ・情報(RRC signalling又はDCIの情報、Physical Channel)は複数の基地局20間で(例えばX2、Xn、F1インターフェースを介して)通信されてもよい。
【0064】
さらに、前述の通り、基地局20は、複数のセルを管理するように構成されていてもよい。基地局20により提供されるセルはServing cellと呼ばれる。Serving cellはPCell(Primary Cell)及びSCell(Secondary Cell)を含む。Dual Connectivity (例えば、EUTRA-EUTRA Dual Connectivity、EUTRA-NR Dual Connectivity(ENDC)、EUTRA-NR Dual Connectivity with 5GC、NR-EUTRA Dual Connectivity(NEDC)、NR-NR Dual Connectivity)がUE(例えば、端末装置10)に提供される場合、MN(Master Node)によって提供されるPCell及びゼロ又は1以上のSCell(s)はMaster Cell Groupと呼ばれる。さらに、Serving cellはPSCell(Primary Secondary Cell又はPrimary SCG Cell)を含んでもよい。すなわち、Dual ConnectivityがUE10に提供される場合、SN(Secondary Node)によって提供されるPSCell及びゼロ又は1以上のSCell(s)はSecondary Cell Group(SCG)と呼ばれる。特別な設定(例えば、PUCCH on SCell)がされていない限り、物理上りリンク制御チャネル(PUCCH)はPCell及びPSCellで送信されるが、SCellでは送信されない。また、Radio Link FailureもPCell及びPSCellでは検出されるが、SCellでは検出されない(検出しなくてよい)。このようにPCell及びPSCellは、Serving Cell(s)の中で特別な役割を持つため、Special Cell(SpCell)とも呼ばれる。1つのセルには、1つのDownlink Component Carrierと1つのUplink Component Carrierが対応付けられてもよい。また、1つのセルに対応するシステム帯域幅は、複数の帯域幅部分(Bandwidth Part)に分割されてもよい。この場合、1又は複数のBandwidth Part(BWP)がUE10に設定され、1つのBandwidth PartがActive BWPとして、UE10に使用されてもよい。また、セル毎、コンポーネントキャリア毎又はBWPごとに、端末装置10が使用できる無線資源(例えば、周波数帯域、ヌメロロジー(サブキャリアスペーシング)、スロットフォーマット(Slot configuration))が異なっていてもよい。
【0065】
図3は、本開示の実施形態に係る基地局20の構成例を示す図である。基地局20は、端末装置10と無線通信する通信装置(無線システム)である。基地局20は、情報処理装置の一種である。
【0066】
基地局20は、通信部21と、記憶部22と、ネットワーク通信部23と、制御部24と、を備える。なお、図3に示した構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なっていてもよい。また、基地局20の機能は、複数の物理的に分離された装置に分散して実装されてもよい。例えば、前述のように、基地局20の機能は、CU及びDU、又は、CU、DU及びRUに分散される。
【0067】
通信部21は、他の通信装置(例えば、端末装置10及び他の基地局20)と無線通信する無線通信インターフェース(信号処理部)である。通信部21は、制御部24の制御にしたがって動作する無線トランシーバである。通信部21は複数の無線アクセス方式に対応してもよい。例えば、通信部21は、NR及びLTEの双方に対応してもよい。通信部21は、W-CDMAやcdma2000等の他のセルラー通信方式に対応してもよい。また、通信部21は、セルラー通信方式に加えて、無線LAN通信方式に対応してもよい。勿論、通信部21は、1つの無線アクセス方式に対応するだけであってもよい。
【0068】
通信部21は、受信処理部211と、送信処理部212と、アンテナ213と、を備える。通信部21は、受信処理部211、送信処理部212、及びアンテナ213をそれぞれ複数備えていてもよい。なお、通信部21が複数の無線アクセス方式に対応する場合、通信部21の各部は、無線アクセス方式毎に個別に構成され得る。例えば、基地局20がNRとLTEとに対応しているのであれば、受信処理部211及び送信処理部212は、NRとLTEとで個別に構成されてもよい。
【0069】
受信処理部211は、アンテナ213を介して受信された上りリンク信号の処理を行う。受信処理部211は、無線受信部211aと、多重分離部211bと、復調部211cと、復号部211dと、を備える。
【0070】
無線受信部211aは、上りリンク信号に対して、ダウンコンバート、不要な周波数成分の除去、増幅レベルの制御、直交復調、デジタル信号への変換、ガードインターバルの除去、高速フーリエ変換による周波数領域信号の抽出等を行う。例えば、基地局20の無線アクセス方式が、LTE等のセルラー通信方式であるとする。このとき、多重分離部211bは、無線受信部211aから出力された信号から、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel)、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)等の上りリンクチャネル及び上りリンク参照信号を分離する。復調部211cは、上りリンクチャネルの変調シンボルに対して、BPSK(Binary Phase Shift Keying)、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)等の変調方式を使って受信信号の復調を行う。復調部211cが使用する変調方式は、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)、64QAM、又は256QAM等の多値QAMであってもよい。復号部211dは、復調された上りリンクチャネルの符号化ビットに対して、復号処理を行う。復号された上りリンクデータ及び上りリンク制御情報は制御部24へ出力される。
【0071】
送信処理部212は、下りリンク制御情報及び下りリンクデータの送信処理を行う。送信処理部212は、符号化部212aと、変調部212bと、多重部212cと、無線送信部212dと、を備える。
【0072】
符号化部212aは、制御部24から入力された下りリンク制御情報及び下りリンクデータを、ブロック符号化、畳み込み符号化、ターボ符号化等の符号化方式を用いて符号化を行う。ここで、符号化は、ポーラ符号(Polar code)による符号化、LDPC符号(Low Density Parity Check Code)による符号化を行ってもよい。変調部212bは、符号化部212aから出力された符号化ビットをBPSK、QPSK、16QAM、64QAM、256QAM等の所定の変調方式で変調する。多重部212cは、各チャネルの変調シンボルと下りリンク参照信号とを多重化し、所定のリソースエレメントに配置する。無線送信部212dは、多重部212cからの信号に対して、各種信号処理を行う。例えば、無線送信部212dは、高速フーリエ変換による時間領域への変換、ガードインターバルの付加、ベースバンドのデジタル信号の生成、アナログ信号への変換、直交変調、アップコンバート、余分な周波数成分の除去、電力の増幅等の処理を行う。送信処理部212で生成された信号は、アンテナ213から送信される。
【0073】
記憶部22は、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスク等のデータ読み書き可能な記憶装置である。記憶部22は、基地局20の記憶手段として機能する。
【0074】
ネットワーク通信部23は、他の装置(例えば、他の基地局20)と通信するための通信インターフェースである。例えば、ネットワーク通信部23は、NIC等のLANインターフェースである。ネットワーク通信部23は、USBホストコントローラ、USBポート等により構成されるUSBインターフェースであってもよい。また、ネットワーク通信部23は、有線インターフェースであってもよいし、無線インターフェースであってもよい。ネットワーク通信部23は、基地局20のネットワーク通信手段として機能する。ネットワーク通信部23は、制御部24の制御にしたがって、他の装置と通信する。
【0075】
制御部24は、基地局20の各部を制御するコントローラ(Controller)である。制御部24は、例えば、CPU、MPU、GPU等のプロセッサにより実現される。例えば、制御部24は、基地局20内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM等を作業領域として実行することにより実現される。なお、制御部24は、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。CPU、MPU、GPU、ASIC、及びFPGAは何れもコントローラとみなすことができる。
【0076】
<2-4.端末装置の構成例>
図4を用いて、本開示の実施形態に係る端末装置10の構成例について説明する。図4は、本開示の実施形態に係る端末装置10の構成例を示すブロック図である。
【0077】
端末装置10は、基地局20と例えば無線通信する無線通信装置である。端末装置10は、例えば、携帯電話、スマートデバイス(スマートフォン、又はタブレット)、PDA(Personal Digital Assistant)、パーソナルコンピュータである。端末装置10は、無線を介してデータを送受信する機能を有するヘッドマウントディスプレイ(Head Mounted Display)やVRゴーグル、スマートグラス等のウェアラブル機器等であってもよい。
【0078】
また、端末装置10は、他の端末装置10とサイドリンク通信が可能であってもよい。端末装置10は、サイドリンク通信を行う際、HARQ(Hybrid Automatic Repeat reQuest)等の自動再送技術を使用可能であってもよい。端末装置10は、基地局20とNOMA(Non Orthogonal Multiple Access)通信が可能であってもよい。なお、端末装置10は、他の端末装置10との通信(サイドリンク)においてもNOMA通信が可能であってもよい。また、端末装置10は、他の通信装置(例えば、基地局20、及び他の端末装置10)とLPWA(Low Power Wide Area)通信が可能であってもよい。その他、端末装置10が使用する無線通信は、ミリ波を使った無線通信であってもよい。なお、端末装置10が使用する無線通信(サイドリンク通信を含む)は、電波を使った無線通信であってもよいし、赤外線や可視光を使った無線通信(光無線)であってもよい。
【0079】
端末装置10は、同時に複数の基地局20又は複数のセルと接続して通信を実施してもよい。例えば、1つの基地局20が複数のセルを提供できる場合、端末装置10は、あるセルをpCellとして使用し、他のセルをsCellとして使用することでキャリアアグリゲーションを実行することができる。また、複数の基地局20がそれぞれ1又は複数のセルを提供できる場合、端末装置10は、一方の基地局20(MN(例えば、MeNB又はMgNB))が管理する1又は複数のセルをpCell、又はpCellとsCell(s)として使用し、他方の基地局20(SN(例えば、SeNB又はSgNB))が管理する1又は複数のセルをpCell(PSCell)、又はpCell(PSCell)とsCell(s)として使用することでDC(Dual Connectivity)を実現することができる。DCはMC(Multi Connectivity)と称されてもよい。
【0080】
なお、異なる基地局20のセル(異なるセル識別子又は同一セル識別子を持つ複数セル)を介して通信エリアをサポートしている場合に、キャリアアグリゲーション(CA:Carrier Aggregation)技術やデュアルコネクティビティ(DC:Dual Connectivity)技術、マルチコネクティビティ(MC:Multi-Connectivity)技術によって、それら複数のセルを束ねて基地局20と端末装置10とで通信することが可能である。或いは、異なる基地局20のセルを介して、協調送受信(CoMP:Coordinated Multi-Point Transmission and Reception)技術によって、端末装置10とそれら複数の基地局20が通信することも可能である。
【0081】
端末装置10は、通信部11と、記憶部12と、ネットワーク通信部13と、入出力部14と、制御部15とを備える。なお、図4に示した構成は機能的な構成であり、ハードウェア構成はこれとは異なっていてもよい。また、端末装置10の機能は、複数の物理的に分離された構成に分散して実装されてもよい。
【0082】
通信部11は、他の無線通信装置(例えば、基地局20及び他の端末装置10)と無線通信するための信号処理部である。通信部11は、制御部15の制御に従って動作する。通信部11は1又は複数の無線アクセス方式に対応する無線トランシーバであってもよい。例えば、通信部11は、NR及びLTEの双方に対応する。通信部11は、NRやLTEに加えて、W-CDMAやcdma2000に対応していてもよい。また、通信部11は、NOMAを使った通信に対応していてもよい。
【0083】
通信部11は、受信処理部111と、送信処理部112と、アンテナ113と、を備える。通信部11は、受信処理部111、送信処理部112、及びアンテナ113をそれぞれ複数備えていてもよい。通信部11、受信処理部111、送信処理部112、及びアンテナ113の構成は、基地局20の通信部21、受信処理部211、送信処理部212、及びアンテナ214と同様である。
【0084】
記憶部12は、DRAM、SRAM、フラッシュメモリ、ハードディスク等のデータ読み書き可能な記憶装置である。記憶部12は、端末装置10の記憶手段として機能する。
【0085】
ネットワーク通信部13は、ネットワークを介して接続する他の装置と通信するための通信インターフェースである。例えば、ネットワーク通信部13は、NIC等のLANインターフェースである。ネットワーク通信部13は、有線インターフェースであってもよいし、無線インターフェースであってもよい。ネットワーク通信部13は、端末装置10のネットワーク通信手段として機能する。ネットワーク通信部13は、制御部15の制御に従って、他の装置と通信する。
【0086】
入出力部14は、ユーザーと情報をやりとりするためのユーザーインタフェースである。例えば、入出力部14は、キーボード、マウス、操作キー、タッチパネル等、ユーザーが各種操作を行うための操作装置である。又は、入出力部14は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(Organic Electroluminescence Display)等の表示装置である。入出力部14は、マイク、スピーカー、ブザー等の音響装置であってもよい。また、入出力部14は、LED(Light Emitting Diode)ランプ等の点灯装置であってもよい。入出力部14は、端末装置10の入出力手段(入力手段、出力手段、操作手段又は通知手段)として機能する。例えば、端末装置10がセンサなどである場合、入出力部14が省略されてもよい。
【0087】
制御部15は、端末装置10の各部を制御するコントローラである。制御部15は、例えば、CPU、MPU、GPU等のプロセッサにより実現される。例えば、制御部15は、端末装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムを、プロセッサがRAM等を作業領域として実行することにより実現される。なお、制御部15は、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。CPU、MPU、GPU、ASIC、及びFPGAは何れもコントローラとみなすことができる。
【0088】
<2-5.ローミングのための5Gシステム>
図5は、ローミングのための5Gシステムのネットワークアーキテクチャの構成の一例を示す図である。
【0089】
HPLMN(Home PLMN)とのSLAを有するVPLMN(Visitor PLMN)は、ローミングによってUE10に5Gサービスを提供する。HPLMNの5GSは、(R)AN20-1と5GC30-1と、を含む。VPLMNの5GSは、(R)AN20-2と5GC30-2を含む。なお、図5では、ローミングによる5Gサービスの提供を点線で示している。
【0090】
UE10は、(R)AN20-1及び5GC30-1によるHPLMNの5Gサービスを介して、アプリケーションサーバ40が提供するサービスにアクセスする。
【0091】
また、UE10は、ローミングを利用して、(R)AN20-2と5GC30-2によるVPLMNの5Gサービスを介して、アプリケーションサーバ40が提供するサービスにアクセスする。
【0092】
HPLMNの5GC30-1のコントロールプレーンとVPLMNの5GC30-2のコントロールプレーンは、SEPP(Security Edge Protection Proxy)を介して接続される。5GC30-1のコントロールプレーンのhSEPP(home SEPP)31-1と5GC30-2のコントロールプレーンのvSEPP(visitor SEPP)31-2はリファレンスポイントN32を介して接続される。
【0093】
HPLMNの5GC30-1のコントロールプレーンの各NFと、VPLMNの5GC30-2のコントロールプレーンの各NFと、を区別する場合、各NFの符号の末尾に「-1」又は「-2」を付けて区別する。HPLMNの5GC30-1のコントロールプレーンの各NFには、末尾に「-1」を付けて示す。5GC30-2のコントロールプレーンの各NFには、符号の末尾に「-2」を付けて示す。
【0094】
5GC30-1のコントロールプレーンのNFは、VPLMNとのSLAに応じて、5GC30-2のNEF302-2を介して5GC30-2のコントロールプレーンのNFに対して、当該NFが提供するサービスを要求し得る。なお、VPLMNは、SLAの条件によって、5GC30-1のコントロールプレーンのNFが直接5GC30-2のコントロールプレーンのNFにアクセスして、サービスを要求することを許可するようにしてもよい。
【0095】
5GC30-2のコントロールプレーンのNFは、HPLMNとのSLAに応じて、5GC30-1のNEF302-1を介して5GC30-1のコントロールプレーンのNFに対して、当該NFが提供するサービスを要求し得る。なお、HPLMNは、SLAの条件によって、5GC30-2のコントロールプレーンのNFが直接5GC30-1のコントロールプレーンのNFにアクセスして、サービスを要求することを許可するようにしてもよい。
【0096】
ローミングの際、5GC30-2のユーザープレーンは、ローカルブレイクアウトの形態、又は、ホームを経由する(home routed)形態でアプリケーションサーバ40に接続される。
【0097】
ローカルブレイクアウトの形態では、5GC30-2のUPF330-2は、直接、アプリケーションサーバ40に接続される。ホームを経由する形態では、5GC30-2のUPF330-2は、リファレンスポイントN9を介して5GC30-1のUPF330-1と接続され、5GC30-1のUPF330-1を介してアプリケーションサーバ40に接続される。
【0098】
<<3.関連技術>>
<3-1.ネットワークスライス選択支援情報(NSSAI:Network Slice Selection Assistance Information)>
ネットワークスライスは、5Gが提供する通信サービスをサービス毎に求められる通信の特質(例えば、データレート、遅延等)に応じて分割したサービスの単位である。
【0099】
各ネットワークスライスには、ネットワークスライスの選択をアシストするための情報(ネットワークスライス選択支援情報)としてS-NSSAI(Single Network Slice Selection Assistance Information)が割り当てられる。
【0100】
このS-NSSAIは、必須(mandatory)のSST(Slice/Service Type)と、任意(optional)のSD(Slice Differentiator)と、の組で構成される。必須のSSTは、スライスの型(slice type)を識別する8ビットのデータで構成される。任意のSDは、同一のSSTの中で異なるスライスを区別するための24ビットのデータで構成される。
【0101】
S-NSSAIとして、標準化されたSST、又は、標準化されていない独自のSSTが使用され得る。標準化されたS-NSSAI値を使用する場合、S-NSSAIは、SDを含まずに標準化されたSSTのみを含む。
【0102】
一方、標準化されていないS-NSSAI値を使用する場合、S-NSSAIは、標準化されたSST及びSD、標準化されていないSST及びSD、又は、標準化されていないSSTのみを含む。標準化されていないS-NSSAI値は、それを独自に使用しているPLMN、つまりテレコムオペレータ内のみで使用することができる。
【0103】
図6は、標準化されたSST値を示す図表である。同表は、文献「3GPP TS23.501」に示された表に基づいている。上述した「標準化されたS-NSSAI値を使用する場合」は、これらのSST値(eMBB(enhanced Mobile BroadBand):1、URLLC(Ultra-Reliable and Low Latency Communications):2、MIoT(Massive Internet of Things):3、V2X(Vehicle-to-Everything):4、HMTC:5、HDLLC(High Data rate and Low Latency Communications):6)のみを含むS-NSSAI値を使用する場合に相当する。
【0104】
つまり、これ以外のネットワークスライス、例えば、SDによって細分化されたネットワークスライスに対しては、標準化されていないS-NSSAI値を使用することとなる。
【0105】
ネットワークスライス設定情報は、1つ以上のConfigured NSSAI(s)を含む。サービングPLMN(Serving PLMN)は、PLMN毎に適用されるConfigured NSSAIをUE10に設定することができる。もしくは、HPLMN(Home PLMN)は、Default Configured NSSAIをUE10に設定することができる。UE10にサービングPLMN向けのConfigured NSSAIが設定されていない場合にのみ、サービングPLMN下のUE10は、Default Configured NSSAIを使用することができる。
【0106】
なお、UE10には、あらかじめDefault Configured NSSAIが設定されていてもよい。また、UDM Control Plane処理を介したUE Parameters Updateを使って、HPLMNのUDM307は、Default Configured NSSAIを提供、あるいは更新するようにしてもよい。
【0107】
Configured NSSAIは、1つ以上のS-NSSAI(s)から構成される。
【0108】
Requested NSSAIは、登録処理の際にUE10からサービングPLMNに提供されるNSSAIである。Requested NSSAIは、以下のいずれかでなければならない。
-Default Configured NSSAI
-Configured NSSAI
-Allowed NSSAIあるいはその一部
-Allowed NSSAIあるいはその一部に、Configured NSSAIに含まれる1つ以上のS-NSSAIを加えたNSSAI
【0109】
Allowed NSSAIは、例えば、登録処理の際にサービングPLMNがUE10に提供するNSSAIである。Allowed NSSAIは、現サービングPLMNの現在の登録エリア内で利用することができる1つ以上のS-NSSAI(s)の値を示すものである。
【0110】
Rejected S-NSSAIは、Requested NSSAIに含まれる1つ以上のS-NSSAIのうち、現サービングPLMNの現在の登録エリア内の少なくとも1つのトラッキングエリア内で利用を許可されていないS-NSSAIの値を示すものである。
【0111】
ここで、トラッキングエリアとは、モビリティ管理に用いられるエリアのことであり、TAI(Tracking Area Identity)によって識別される。ネットワーク(PLMN)は、RRC_IDLE状態のUE10にメッセージ、或いはデータを送信できるように、UE10がキャンプオンしているトラッキングエリアのセットの範囲内でUE10の位置を管理する。
【0112】
UE10がネットワークに登録される際に、AMF301は、UE10を登録するエリア(登録エリア)として、TAIリストに含まれるトラッキングエリアのセットを割り当てる。つまり、ネットワークは、登録されたUE10がTAIリスト内のいずれかのトラッキングエリア内に在圏していることを管理する。
【0113】
UE10は、セル再選択のクライテリアに従ってより最適なセルを検出したならば、そのセルを再選択し、そのセルにキャンプオンする。その際、選択されたセルが、UE10が登録しているTAIリスト内のいずれのトラッキングエリアにも属していない場合には、位置登録処理、つまり、TAIリストを更新する処理が実行される。
【0114】
Subscribed S-NSSAIは、契約情報(Subscription Information)に従って、UE10がPLMN内で使用することができるS-NSSAIである。契約情報は、1つ以上のSubscribed S-NSSAIを含まなければならず、少なくとも1つのdefault S-NSSAIを含まなければならない。
【0115】
UDM307は、最大16のSubscribed S-NSSAIをAMF301に送信する。よって、Configured NSSAIに含めることができるS-NSSAIの数は16となる。UDM307がAMF301に送信する契約情報は、少なくとも1つのdefault S-NSSAIを含まなければならない。
【0116】
NSSF304は、Allowed NSSAI、Configured NSSAIを決定し、AMF301の候補のリストであるAMFセット(AMF Set)を決定する。例えばUE10が使用するネットワークスライスやその他の基準に応じて、当該候補のリストからAMF301が選択されて、選択されたAMF301にUE10が割り当てられてもよい。
【0117】
UE10に提供されるAllowed NSSAIに含まれる1つ以上のS-NSSAI(s)は、サービングPLMNに対するUE10の現在のネットワークスライス設定情報の一部でない値を含むことができる。この場合、ネットワークは、Allowed NSSAIに合わせて、Allowed NSSAIのそれぞれのS-NSSAIとHPLMNの対応するS-NSSAIとのマッピングを提供する。
【0118】
このマッピングに係る情報によって、UE10は、URSP(UE Route Selection Policy)ルールのNSSP(Network Slice Selection Policy)毎に、アプリケーションを、HPLMNのS-NSSAI及びAllowed NSSAIの対応するS-NSSAIに関連付けることができる。又は、UE10は、UE10のローカル設定毎に、アプリケーションを、HPLMNのS-NSSAI及びAllowed NSSAIの対応するS-NSSAIに関連付けることができる。
【0119】
例えば、HPLMN、及び/又は、VPLMN(Visitor PLMN)が標準化されていないS-NSSAI値を使用していれば、ローミングの際、UE10は、マッピングに係る情報を提供する必要がある。このマッピングに係る情報は、Requested NSSAIに含まれているS-NSSAIの値と、HPLMNで使用されているS-NSSAIの対応する値と、のマッピングを含む。
【0120】
ここで、このマッピングに係る情報は、サービングPLMNに対するConfigured NSSAIに含まれているS-NSSAIの値と、HPLMNで使用されているS-NSSAIの対応する値と、のマッピングとして、サービングPLMNから事前にUE10が取得していてもよい。
【0121】
又は、このマッピングに係る情報は、サービングPLMNとアクセスタイプに対するAllowed NSSAIに含まれているS-NSSAIの値と、HPLMNで使用されているS-NSSAIの対応する値と、のマッピングとして、サービングPLMNから事前にUE10が取得していてもよい。
【0122】
また、UE10は、同時に登録できるネットワークスライスに関する契約ベースの制約機能をサポートすることができる。この機能をサポートする場合、UE10は、UE 5GMM Core Network Capabilityの一部として、初期登録(Initial Registration)、及びモビリティ登録更新(Mobility Registration Update)時の登録要求メッセージにその機能をサポートしていることを示す情報を含める。
【0123】
同時に登録できるネットワークスライスに関する契約ベースの制約機能をサポートすることを通知したUE10に対して、AMF301は、UE10にConfigured NSSAIを提供する際、HPLMNのネットワークスライス(S-NSSAI(s))に関連するNSSRG(Network Slice Simultaneous Registration Group)に係る情報を提供する。
【0124】
NSRRG情報を含む契約情報は、少なくとも1つのdefault S-NSSAIを含まなければならない。複数のdefault S-NSSAIが設定される場合、default S-NSSAIは同じNSRRGに関連付けられる。つまり、UE10は、全てのdefault S-NSSAIを同時に登録することを許される。
【0125】
HPLMNは、契約情報としてのNSRRG情報をVPLMNに送信しないようにできる。HPLMNは、default S-NSSAIに加えて、少なくともdefault S-NSSAIに対して定義されている全てのNSSRGを共有している他のSubscribed S-NSSAIをVPLMNに送信することができる。
【0126】
NSSRGを受信したUE10は、共通する1つのNSSRGに割り当てられているネットワークスライス(S-NSSAIs)のみをRequested NSSAIに含めなくてはならない。
【0127】
また、ネットワークスライスのサービスエリアの境界がトラッキングエリア(Tracking Area)の境界と一致しない場合には、ネットワークスライス利用可能位置情報(S-NSSAI location availability information)を使ってトラッキングエリア内のネットワークスライスの利用に対する付加的な制約を定義することができる。
【0128】
例えば、Configured NSSAIのS-NSSAIが、登録エリア(Registration Area)のトラッキングエリア内の全てのセルで利用可能な状態ではない場合、ネットワークスライス利用可能位置情報がUE10に提供される。ネットワークスライス利用可能位置情報は、トラッキングエリア内でそのS-NSSAIが利用可能なセルを示す位置情報(例えば、セルID)を含む。
【0129】
AMF301は、自身、又は、NSSF304と協調して、Target NSSAIを決定するようにしてもよい。Target NSSAIは、Target NSSAIのS-NSSAIをサポートする他の周波数帯のセルやトラッキングエリア、及び、他のトラッキングエリアにUE10を誘導(redirect)するために利用される。Target NSSAIは、AMF301が受信するAllowed NSSAIやAllowed NSSAIに対するRFSP(RAT/Frequency Selection Priority)のような情報に加えて、NG-RAN20によって利用される情報である。
【0130】
Target NSSAIは、Requested NSSAIの中から、現在のトラッキングエリアでは利用可能ではないが、他の周波数帯の他のトラッキングエリア、或いは、他の周波数帯の現在のトラッキングエリアと重複するエリアで利用可能である少なくとも1つのS-NSSAIを含む。
【0131】
さらに、AMF301は、Requested NSSAIの中から、現在のトラッキングエリアでは利用可能ではないが、所定のトラッキングエリア内で利用可能なS-NSSAIをオプションとしてTarget NSSAIに付加することができる。この所定のトラッキングエリアは、上記のTarget NSSAIに含められたS-NSSAIが利用可能なトラッキングエリアと同じである。
【0132】
AMF301は、PCF305からTarget NSSAIに適したRFSPインデックス(RAT/Frequency Selection Priority Index)を取得する。AMF301は、NG-RAN20に送信する情報にRFSPインデックスを含める。PCF305が設置されていない場合には、AMF301は、局所的に設定されたルールに従ってRFSPインデックスを決定する。
【0133】
NG-RAN20は、利用可能な情報を考慮した個別の無線リソース管理方針を適用するために、RFSPインデックスを局所的に定義されている設定にマッピングする。つまり、NG-RAN20は、RFSPインデックスに対応するTarget NSSAIに適した無線リソース管理方針のための設定を選択することができる。
【0134】
NG-RAN20がTarget NSSAI、又はTarget NSSAIのいずれかのS-NSSAIをサポートする新たなトラッキングエリアにUE10を誘導(redirect)することができるならば、Target NSSAIに関連するRFSPインデックスが考慮される。そうでなければAllowed NSSAIのRFSPインデックスが考慮される。
【0135】
また、NG-RAN20は、Partially Allowed NSSAI、及び/又は、登録エリア内で部分的に拒否されるS-NSSAI(S-NSSAIs rejected partially in the RA)を設定する。これにより、NG-RAN20は、登録エリア内で部分的なネットワークスライス(Partial Network Slice)を提供することができる。
【0136】
Allowed NSSAIのS-NSSAIが登録エリア内の全てのトラッキングエリアで利用可能であるのに対し、Partially Allowed NSSAIのS-NSSAIは、そのS-NSSAIに関連するトラッキングエリアのリストに対応するトラッキングエリアでのみ利用可能である。
【0137】
UE10が登録エリア内での部分的なネットワークスライスに対応している場合、AMF301は、現在のトラッキングエリアと周辺のトラッキングエリアでのRequested NSSAIのS-NSSAIのサポート状況を考慮してUE10に対する登録エリアを設定する。AMF301は、登録許可(Registration Accept)メッセージ、又は、UE設定更新コマンド(UE Configuration Update Command)メッセージを使って、Partially Allowed NSSAI、又は登録エリア内で部分的に拒否されるS-NSSAIをUE10に提供する。
【0138】
AMF301は、Partially Allowed NSSAIのそれぞれのS-NSSAIに対して、そのS-NSSAIがサポートされるトラッキングエリアのリストを提供する。又は、AMF301は、”partially in the RA”を示す拒否理由と合わせてS-NSSAIを拒否するようにしてもよい。
【0139】
AMF301は、登録エリア内で部分的に拒否されるS-NSSAIのそれぞれのS-NSSAIに対して、そのS-NSSAIがサポートされる、又は、サポートされないトラッキングエリアのリストを提供する。
【0140】
AMF301は、S-NSSAIが利用可能でない、或いは高負荷である場合に、そのS-NSSAIをAlternative S-NSSAIに交換するためにネットワークスライス代替(Network Slice Replacement)機能を利用することができる。
【0141】
AMF301は、NSSF304、PCF305、又は、OAM(Operations, Administration and Maintenance)からの通知に基づいて、S-NSSAIをAlternative S-NSSAIに交換することを決定することができる。
【0142】
ローミングの場合、HPLMNのS-NSSAIのネットワークスライス代替を起動するために、V-AMF301-2は、HPLMNのH-NSSF304-1からHPLMNのS-NSSAIのネットワークスライス可用性の通知を受信することができる。この場合、V-AMF301-2は、VPLMNのV-NSSF304-2を介してH-NSSF304-1から通知を受信する。
【0143】
NSSF304又はPCF305からの通知がない、又は、NSSF304又はPCF305がAlternative S-NSSAIを提供しない場合、AMF301は、局所的な設定に基づき、S-NSSAIを登録しているUE10に対するAlternative S-NSSAIを決定する。
【0144】
Alternative S-NSSAIは、UE10の登録エリア内でサポートされなければならない。例えば、NSSF304又はPCF305がAlternative S-NSSAIを提供しないと、AMF301はS-NSSAIに対するAlternative S-NSSAIを決定することができない。この場合に、AMF301は、Alternative S-NSSAIを決定するためにPCF305とさらに交渉し得る。
【0145】
UE10は、登録処理の間にネットワークスライス代替機能のサポートをネットワークに通知する。AMF301は、Allowed NSSAI、及びConfigured NSSAIに含まれるこのS-NSSAIに対するAlternative S-NSSAIをUE10に提供する。
【0146】
これにより、AMF301は、コネクテッドモード(CM-CONNECTED mode)のUE10をサポートすることができる。コネクテッドモードにおいて、交換する必要があるS-NSSAIに関連するPDUセッションがUEコンテキスト内に存在する。
【0147】
また、AMF301は、UE設定更新(UE Configuration Update)メッセージを使って、S-NSSAIとAlternative S-NSSAIとのマッピング情報をUE10に提供することもできる。
【0148】
AMF301は、Alternative S-NSSAIに交換されるS-NSSAI、及び、関連する現在のPDUセッションに対して、UE設定更新を使って、S-NSSAIとAlternative S-NSSAIとのマッピング情報をUE10に送信する。その後、AMF301は、例えば、セッション管理コンテキスト更新(Nsmf_PDUSession_UpdateSMContext)サービスを起動して、PDUセッションをAlternative S-NSSAIに移行するために必要なPDUセッションの更新をSMF306に指示する。
【0149】
アイドル状態(CM-IDLE state)のUE10をサポートするために、UE10は、サービス要求処理(Service Request procedure)、又は、UE登録処理(UE registration procedure)を介してNAS(Non-Access Stratum)シグナリングの接続を確立する。その際、AMF301は、S-NSSAIを交換することを決定する。
【0150】
そのS-NSSAIに関連するPDUセッションがUEコンテキスト内に存在するなら、AMF301は、UE設定更新メッセージ、又は、登録許可(Registration Accept)メッセージを使ってS-NSSAIとAlternative S-NSSAIとのマッピング情報をUE10に提供する。
【0151】
<3-2.5GシステムのQoS制御>
図7は、5GSのQoSアーキテクチャの一例を示す図である。同図は、文献「3GPP TS38.300」に示された図に基づいている。
【0152】
NAS(Non-Access Stratum)レベルにおいて、QoSフローは、PDU(Protocol Data Unit)セッション内で異なるQoSを区別する際の最も細かい粒度である。PDUセッション内において、QoSフローはQFI(QoS Flow ID)によって識別される。
【0153】
また、XR(Extended Reality)やメディアサービスでは、パケットの一群(グループ)はPDUセット(PDU Set)のペイロードを使って伝送される。PDUセットは、アプリケーションレベルで生成される情報単位のペイロードを伝送する1つ以上のPDUで構成される。
【0154】
この情報単位として、例えば、画像フレーム、XRやメディアサービスのビデオスライス(Video Slice)、GOP(Group of Picture)の形式の動画データのIフレーム、Pフレーム、及び、Bフレーム等が挙げられる。
【0155】
さらに、XRのように複数の種類のデータを扱うマルチモーダルアプリケーション(multimodal application)において、複数の種類のデータ(例えば、ポーズ情報、音声情報、映像情報、ハプティクス等)のそれぞれが情報単位とされてもよい。
【0156】
すなわち、PDUセット内のパケットは、ある期間内に受信されてデコードされるべきデータの単位として扱われる。例えば、画像フレームやビデオスライスを伝送する全てのパケット、又は、ある程度の量のパケットの受信に成功した場合にのみ、デコードするようにしてもよい。例えば、GOP内の画像フレームは、依存関係のある全ての画像フレームの受信に成功した場合にのみ、デコードされ得る。
【0157】
5GSは、QoS制御の観点で最も細かい粒度となるQoSフローの中で、PDUセットによってより細かい粒度でデータを識別することができる。5GSは、QoSフローレベルのQoS制御に加えて、PDUセットレベルのQoS制御を適用することができる。
【0158】
PCF305は、AFセッションの情報をPDUセッションに関連付けることができる。AF308は、PCF305とのAFセッションを介して、UE10に対するデータセッション(例えば、PDUセッション)を特定のQoS(例えば、低遅延、又は低ジッタ)のセッションとして確立することを要求することができる。
【0159】
SMF306は、QoSとサービス要求に基づいてQoSフローへのPCC(Policy and Charging Control)ルールの関連付けを行う。SMF306は、新たなQoSフローに対してQFIを割り当て、PCF305からQoSフローに関連付けされたPCCルールとその他情報を取得する。
【0160】
SMF306は、このPCCルールからそのQoSフローのQoSプロファイル、対応するUPF330に関する指示(例えば、N4ルール)、及び、QoSルール(QoS Rule)を取得する。
【0161】
(R)AN20の基地局(gNB)は、各UE10との間で、PDUセッションと共に少なくとも1つのDRB(Data Radio Bearer)を確立することができる。DRBは、データを伝送するための論理的なパスである。
【0162】
5GのQoSモデルでは、帯域保証されるGBR(Guaranteed flow Bit Rate)と、帯域保証されないNon-GBR(Non-Guaranteed flow Bit Rate)とがサポートされている。さらに、TSC QoSフローに対しては、Delay-critical GBRがサポートされている。
【0163】
(R)AN20及び5GC30は、各パケットを適切なQoSフロー及びDRBにマッピングすることにより、サービス品質を保証する。すなわち、NASにおけるIPフローとQoSフローとのマッピング、及び、NASにおけるQoSフローとDRBとのマッピングという、2段階のマッピングが行われる。
【0164】
NASレベルにおいて、QoSフローは、5GC30から(R)AN20に提供されるQoSプロファイル(QoS Profile)と、5GC30からUE10に提供されるQoSルール(QoS Rule)と、によって特徴付けられる。
【0165】
QoSプロファイルは、(R)AN20が無線インターフェース上の処理方法を決定するために用いられる。QoSルールは、アップリンクにおけるユーザープレーンのトラフィックと、QoSフローと、のマッピングをUE10に指示するために用いられる。
【0166】
よって、マルチキャストMBS(Multicast/Broadcast Service)セッションに対して、MBS QoSフローのQoSルール、及び、QoSフローレベルのQoSパラメータ はUE10には提供されない。
【0167】
QoSプロファイルは、SMF306からAMF301及びリファレンスポイントN2を介して、(R)AN20に提供される。あるいは、QoSプロファイルは、予め(R)AN20に設定される。
【0168】
また、SMF306は、1つ以上のQoSルールと、必要に応じて当該QoSルールに関連するQoSフローレベルのQoSパラメータと、をAMF301及びリファレンスポイントN1を介して、UE10に提供し得る。
【0169】
これに加えて、あるいは、これに代えて、UE10に対して、リフレクティブQoS(Reflective QoS)制御が適用され得る。リフレクティブQoS制御は、ダウンリンクのパケットのQFIをモニターして、アップリンクのパケットに対して同じマッピングを適用するQoS制御である。
【0170】
QoSフローは、QoSプロファイルに依存して、GBR QoSフロー、又は、Non-GBR QoSフローとなる。QoSフローのQoSプロファイルは、例えば、5QI(5G QoS Identifier)及びARP(Allocation and Retention Priority)等のQoSパラメータを含む。
【0171】
ARPは、優先度(Priority Level)、プリエンプション能力(Pre-emption Capability)、及び、プリエンプション脆弱性(Pre-emption Vulnerability)に関する情報を含む。
【0172】
優先度は、QoSフローの相対的な重要度を定義するものである。優先度(Priority Level)の値が小さいほど優先度が高いことを示す。
【0173】
プリエンプション能力は、あるQoSフローが他のより優先度の低いQoSフローに既に割り当てられているリソースを奪い取ることができるか否かを定義する指標である。
【0174】
プリエンプション脆弱性は、あるQoSフローが自身に割り当てられているリソースを他のより優先度の高いQoSフローに明け渡すことができるか否かを定義する指標である。
【0175】
プリエンプション能力及びプリエンプション脆弱性として、「enabled」又は「disabled」のいずれかが設定される。
【0176】
GBR QoSフローにおいて、QoSプロファイルは、
-アップリンク及びダウンリンクのGFBR
-アップリンク及びダウンリンクのMFBR(Maximum Flow Bit Rate)
-アップリンク及びダウンリンクの最大パケット損失率(Maximum Packet Loss Rate)
-遅延クリティカルリソースタイプ(Delay Critical Resource Type)、及び、
-通知コントロール(Notification Control)
等を含む。
【0177】
Non-GBR QoSフローにおいて、QoSプロファイルは、RQA(Reflective QoS Attribute)、及び、追加のQoSフロー情報(Additional QoS Flow Information)等を含む。
【0178】
QoSパラメータの通知コントロールは、あるQoSフローがGFBRを満たせない時に、(R)AN20からの通知が要求されるか否かを示すものである。あるGBR QoSフローについて、通知コントロールが「enabled」であり、かつ、GFBRを満たせないと判断された場合には、(R)AN20は、その旨の通知をSMF306に送信する。
【0179】
その際、(R)AN20が当該GBR QoSフローのRANリソースの解放を要求する特別な状態でない限り、(R)AN20は、当該QoSフローを維持しなければならない。特別な状態として、例えば、無線リンク障害(Radio Link Failure)又は(R)AN20内部での輻輳(RAN Internal Congestion)が挙げられる。
【0180】
そして、当該QoSフローについて、再びGFBRが満たされると判断された場合には、(R)AN20は、その旨の新たな通知をSMF306に送信する。
【0181】
AMBR(Aggregate Maximum Bit Rate)は、各PDUセッションのSession-AMBR及びそれぞれのUE10のUE-AMBRに関係している。Session-AMBRは、特定のPDUセッションに対する全てのNon-GBR QoSフローにわたって提供されると期待される総ビットレート(Aggregate Bit Rate)を制限する。Session-AMBRは、UPF330によって管理される。
【0182】
UE-AMBRは、あるUE10に対する全てのNon-GBRのQoSフローにわたって提供されると期待される総ビットレート(Aggregate Bit Rate)を制限する。UE-AMBRは、(R)AN20によって管理される。
【0183】
また、各UE10には、ネットワークスライス(S-NSSAI)に関するS-MBR(Slice Maximum Bit Rate)を設定するようにしてもよい。S-MBRは、Subscribed UE-Slice-MBRとして契約者情報に含めるようにしてもよい。
【0184】
UE-Slice-MBRは、同一のネットワークスライス(S-NSSAI)のためにUE10が確立する全てのPDUセッションに属する全てのGBR、及び、Non-GBRのQoSフローにわたって提供されると期待される総ビットレート(Aggregate BitRate)を制限する。
【0185】
(R)AN20は、AMF301からネットワークスライス(S-NSSAI)に対応するUE-Slice-MBRを受信する。(R)AN20は、このネットワークスライス(S-NSSAI)に属する全てのPDUセッションのSession-AMBRとGBR QoSフローのMFBRの総計がUE-Slice-MBRとなるようにUE10に対するSession-AMBRとMFBRを設定する。
【0186】
5QIは、QoSの特徴に関するものである。5QIは、各QoSフローに対して、ノード固有のパラメータを設定するための指針(ポリシー)を提供する。標準化された、又は、予め設定された5GのQoSの特徴は、5QIから知ることができる。この特徴の明示的なシグナリングは行われない。シグナリングされるQoSの特徴は、QoSプロファイルの一部として含めることができる。
【0187】
QoSの特徴は、リソースタイプ(Resource Type)、優先度(Priority)、パケット遅延許容時間(Packet Delay Budget)、パケットエラーレート(Packet Error Rate)、平均ウィンドウ(Averaging Window)、及び、最大データバースト量(Maximum Data Burst Volume)等に関する情報を含む。
【0188】
リソースタイプは、GBR QoSフロー、Non-GBR QoSフロー、又は、Delay-critical GBR QoSフローである。パケット遅延許容時間は、5GC30におけるパケット遅延許容時間を含んでもよい。
【0189】
NASレベルにおいて、DRBは、無線インターフェース(Uuインターフェース)におけるパケット処理方法を定義する。DRBは、任意のパケットに対して同一のパケット転送処理を提供する。
【0190】
(R)AN20は、QFIと当該QFIに設定されるQoSプロファイルとに基づいて、QoSフローをDRBにマッピングする。(R)AN20は、異なるパケット転送処理を要求するパケットに対して、異なるDRBを確立し得る(図7参照)。
【0191】
また、(R)AN20は、同一のPDUセッションに属する複数のQoSフローを同一のDRBに多重化することもできる(図7参照)。
【0192】
アップリンクにおいて、QoSフローのDRBへのマッピングは、2つの異なる方法でシグナリングされるマッピングルールによって制御される。
【0193】
1つの方法は、リフレクティブマッピング(Reflective Mapping)と呼ばれる方法である。リフレクティブマッピングでは、UE10は、各DRBに対して、ダウンリンクのパケットのQFIをモニターして、アップリンクのパケットに対して同じマッピングを適用する。
【0194】
もう1つの方法は、明示的設定(Explicit Configuration)と呼ばれる方法である。明示的設定では、QoSフローのDRBへのマッピングルールは、RRC(Radio Resource Control)によって明示的にシグナリングされる。
【0195】
ダウンリンクにおいて、QFIは、RQoS(Reflective Quality of Service)のために、(R)AN20によってUuインターフェース上でシグナリングされる。しかしながら、(R)AN20もNASも、あるDRBで運ばれるQoSフローのためにリフレクティブマッピングを使用するのでなければ、Uuインターフェース上で当該DRBのためのQFIをシグナリングしない。
【0196】
アップリンクにおいて、(R)AN20は、Uuインターフェース上でUE10に向けてQFIをシグナリングすることを設定することができる。また、(R)AN20は、各PDUセッションについて、デフォルトDRBを設定することができる。
【0197】
アップリンクパケットが、明示的設定にもリフレクティブマッピングにも適応しない場合には、UE10は、当該パケットをPDUセッションのデフォルトDRBにマッピングする。
【0198】
Non-GBR QoSフローについて、5GC30は、任意のQoSフローに関連する追加のQoSフロー情報パラメータを(R)AN20に送信してもよい。これは、同じPDUセッション内の他のNon-GBR QoSフローに比べて、あるトラフィックの頻度を増やすことを指示するために行われる。
【0199】
PDUセッション内の複数のQoSフローを1つのDRBにどのようにマッピングするかは、(R)AN20次第である。例えば、(R)AN20は、GBR QoSフローとNon-GBR QoSフローとを、同じDRBにマッピングしてもよいし、別々のDRBにマッピングしてもよい。また、(R)AN20は、複数のGBR QoSフローを同じDRBにマッピングしてもよいし、別々のDRBにマッピングしてもよい。
【0200】
5G NRでは、QoSフローを介したQoS制御のために、SDAP(Service Data Adaptation Protocol)サブレイヤが新たに導入されている。SDAPサブレイヤによって、QoSフローのトラフィックが適切なDRBにマッピングされる。
【0201】
SDAPサブレイヤは複数のSDAPエンティティを有することができる。SDAPサブレイヤは、Uuインターフェース上のPDUセッション毎にSDAPエンティティを有する。SDAPエンティティの確立又は解放は、RRCによって行われる。
【0202】
QoSフローは、GTP(GPRS Tunneling Protocol)-Uヘッダーに含まれるPDUセッションコンテナ中のQFIによって識別される。PDUセッションは、GTP-UTEID(Tunnel Endpoint ID)によって識別される。SDAPサブレイヤは、各QoSフローを特定のDRBにマッピングする。
【0203】
PCF305は、AF308からQoSモニタリングの要求を受信すると、オーソライズされたQoSモニタリングポリシーを生成する。PCF305は、生成したQoSモニタリングポリシーをPCCルールに含めることによって、QoSモニタリングポリシーをSMF306に提供し得る。
【0204】
SMF306は、QoSフローについて、UE10とPSA-UPF330との間におけるエンド・ツー・エンドのUL(UpLink)/DLパケット(DownLink)の遅延測定をアクティベートし得る。このアクティベートは、PDUセッションの確立手順の間、あるいは、PDUセッションの変更手順の間に行われる。
【0205】
SMF306は、リファレンスポイントN4を介して、QoSモニタリング要求をUPF330に送信する。SMF306は、UPF330と(R)AN20との間のQoSモニタリングを要求するために、UPF330にN2シグナリングを送信する。
【0206】
SMF306は、PCF305から受信されるQoSモニタリングポリシー、あるいは、予めローカルに設定されているオーソライズされたQoSモニタリングポリシーに基づき、QoSモニタリングを要求する。QoSモニタリングの要求には、SMF306によって決定されたモニタリング変数が含まれる。
【0207】
(R)AN20は、当該(R)AN20部分におけるUL/DLパケットの遅延を測定し、リファレンスポイントN3を介して、測定値をUPF330に提供する。
【0208】
UPF330は、リファレンスポイントN3又はN9におけるUL/DLパケットの遅延を計算する。UPF330は、QoSモニタリング結果を、所定の条件に基づいてSMF306に送信する。ここで、所定の条件は、例えば、1度のみ、周期的、あるいは、イベントトリガである。
【0209】
また、UPF330は、ローカルに配置されたNEF302を介して、AF308へのQoSモニタリング結果の送信をサポートし得る。ここで、QoSモニタリング結果は、例えば、
-対象のPDUセッションの各GBR QoSフローのビットレート(例えば、平均ビットレート、最大ビットレート)の測定結果
-対象のPDUセッションの全てのNon-GBR QoSフローの総ビットレートの測定結果
-対象のPDUセッションのパケットエラーレートの測定結果
-対象のUE10の全てのNon-GBRのQoSフロー総ビットレートの測定結果
-対象のUE10のパケットエラーレートの測定結果
-UL/DLパケットの遅延の測定結果
等である。
【0210】
また、AF308は、パケット遅延の測定の要求と共に、パケット遅延変動(Packet Delay Variation)のモニタリングと報告の要求をPCF305に送信することができる。ここで、パケット遅延変動は、パケットの伝送時のジッタを評価するための1つの定義であり、UE10とPSA-UPF330間で測定されるパケット遅延の変動である。
【0211】
パケット遅延変動の要求には、以下を含めることができる。
-測定されるパケット遅延変動のパラメータ(UL、DL、又はRT(Round Trip)パケット遅延変動)
-報告の頻度(エベントトリガ(event triggered)、又は周期的(periodic))
【0212】
AF308からのパケット遅延変動のモニタリングの要求に応じて、PCF305はQoSモニタリング処理を起動して、SMF306からUL、DL、又はRT(Round Trip)のQoSモニタリングの結果を取得する。PCF305は、QoSモニタリングの結果に基づいて5GSのパケット遅延変動(5GS Packet Delay Variation)を導出し、AF308に報告する。
【0213】
UL/DLパケットの遅延は、(R)AN20から取得された当該(R)AN20部分におけるUL/DLパケットの遅延と、リファレンスポイントN3又はN9におけるUL/DLパケットの遅延と、を含めた遅延である。
【0214】
また、PDUセッションがTSNブリッジを介したセッションである場合、TSC QoSフローに対するパケット遅延許容時間は、5G-AN PDB(Packet Delay Budget)とCN(Core Network)PDBとの総和となる。
【0215】
TSC QoSフローに対しても、UE10とPSA-UPF330との間におけるビットレート(例えば、平均ビットレート、最大ビットレート)の測定、及び、エンド・ツー・エンドのUL/DLパケットの遅延測定のために、上述のQoSモニタリングの仕組みが適用され得る。
【0216】
TSC QoSフローは、Delay-critical GBRのリソースタイプ及びTSC支援情報を使用する。TSC QoSフローは、標準化された5QI、あらかじめ設定されている5QI、又は、動的に割り当てられた5QIの値を使用し得る。
【0217】
TSC QoSフローに対しては、5G-AN PDB内で最大データバースト量を有する1つのデータバーストを送信することが要求される。最大データバースト量を設定するためにTSCバーストサイズ(TSC Burst Size)が用いられる。
【0218】
最大TSCバーストサイズは、5QIの5G-AN PDBの値に等しい期間内のデータの最大量として扱われる。TSCバーストサイズの最大値は、それと等しい、又は、それ以上の最大データバースト量を有する5QIにマッピングされる。
【0219】
PDUセットに対するQoS制御をサポートするためにPDUセットQoSパラメータ(PDU Set QoS Parameters)が用いられる。PDUセット固有のQoS特性は、
-PDUセット遅延許容時間(PSDB:PDU Set Delay Budget)
-PDUセットエラーレート(PSER:PDU Set Error Rate)
-PDUセット統合処理情報(PSIHI:PDU Set Integrated Handling Information)
である。
【0220】
PCF305は、AF308から提供される情報、及び/又は局所的な設定に従って、PDUセットQoSパラメータを決定する。PDUセットQoSパラメータは、PCCルールの一部としてSMF306に送信され、SMF306は、QoSプロファイルの一部としてPDUセットQoSパラメータを(R)AN20に送信する。
【0221】
PDUセット遅延許容時間は、UE10とUPF330のN6インターフェースの終端点との間でのPDUセットの伝送時に生じる遅延の上限を定義するものである。つまり、PDUセット遅延許容時間は、PDUセットの最初のPDUを受信してから最後に到着するPDUの伝送に成功するまでの時間である。PDUセット遅延許容時間は、N6インタフェースを介してPSA-UPF330で受信されるDLのPDUセットと、UE10が送信するULのPDUセットに適用される。
【0222】
PDUセットエラーレートは、リンクレイヤ(例えば、RAN20のRLCサブレイヤ)で処理されたPDUセットに対して上位レイヤ(例えば、RAN20のPDCPサブレイヤ)での受信に成功しなかったPDUセットの割合の上限を定義するものである。
【0223】
1つのQoSフローは、1つのPDUセットエラーレートのみと関連付けられ、パケットエラーレートの値は、ULとDLで同じ値となる。PDUセットエラーレートが利用可能であるならば、パケットエラーレートよりPDUセットエラーレートの使用が優先される。
【0224】
Delay-critical GBRのリソースタイプを持つGBR QoSフローに対して、PDUセット遅延許容時間を超えて遅延したPDUセットは、消失したものとしてカウントされ、QoSフローがGFBRを超えていない限り、PDUセットエラーレートに含められる。
【0225】
PDUセット統合処理情報は、PDUセットを使用する受信側のアプリケーションレイヤに対して、PDUセットの全てのPDUが必要であるか、否かを通知する。
【0226】
<<4.第1実施形態>>
ここでは、UE10が、在圏するビジターネットワークにおいて、ビジターネットワークで使用するConfigured NSSAIを取得する処理例について説明する。
【0227】
(ビジターネットワークに対する登録処理)
図8は、第1実施形態に係るビジターネットワークに対する登録処理の一例を示すフローチャートである。
【0228】
ここで、ビジターネットワークは、例えば、ローミング契約を有するVPLMNとしてPLMN IDによって識別される他の通信事業者、ローカル5Gを運用/運営するローカル5G事業者、プライベートネットワークを運用/運営するプライベートネットワーク事業者等である。
【0229】
ローカル5G、或いはプライベートネットワークは、スタンドアローンの非公衆ネットワーク(SNPN:Standalone Non-Public Network)とも呼ばれる。ローカル5G、或いはプライベートネットワークは、PLMN IDとNID(Network Identifier)とのセットで識別される。
【0230】
また、プライベートネットワークは、PNI(Public Network Integrated)-NPN(Non-Public Network)という形態で提供されてもよい。プライベートネットワークはPLMN IDによって識別される。プライベートネットワークでは、CAG(Closed Access Group)を使ってそのネットワークへのアクセスが制限される。
【0231】
図8に示すように、UE10は、ビジターネットワークであるVPLMNのサービス圏内に在圏する(ステップS101)。なお、UE10は、ホームネットワークであるHPLMNとのサブスクリプション(契約)を有する端末装置である。
【0232】
ビジターネットワークに在圏するUE10は、サービングセルとなるV-RAN20-2を介してビジターネットワークへの登録を行うに際し、HPLMN向けのConfigured NSSAIに基づいて登録するネットワークスライスを選択する(ステップS102)。
【0233】
UE10は、選択したネットワークスライスのS-NSSAIが標準化された値であるか否かを確認する(ステップS103)。
【0234】
選択したネットワークスライスのS-NSSAIが標準化された値である場合(ステップS103;Yes)、所有するDefault Configured NSSAIに基づいて登録処理を実行し(ステップS104)、処理を終了する。
【0235】
ここで、UE10は、ステップS104におけるDefault Configured NSSAIに基づいた登録処理として、登録要求をビジターネットワークに送信する。このとき、選択されたネットワークスライスのS-NSSAIがDefault Configured NSSAIに含まれている場合、UE10は、選択されたネットワークスライスのS-NSSAIをRequested NSSAI(要求スライスを識別する識別情報の一例)に含めて登録要求を送信する。
【0236】
一方、選択されたネットワークスライスのS-NSSAIがDefault Configured NSSAIに含まれていない場合、UE10は、Default Configured NSSAIに含まれている他のS-NSSAIを選択する。そして、UE10は、新たに選択したS-NSSAIをRequested NSSAIに含めて登録要求を送信する。
【0237】
選択されたネットワークスライスのS-NSSAIが標準化された値でない場合(ステップS103;No)、UE10は、ビジターネットワーク向けのConfigured NSSAIの所有の有無を確認する(ステップS105)。
【0238】
ビジターネットワーク向けのConfigured NSSAIを所有している場合(ステップS105;Yes)、UE10は、ビジターネットワーク向けのConfigured NSSAIに基づいて登録処理を実行し(ステップS106)、処理を終了する。
【0239】
ここで、UE10は、ステップS106におけるビジターネットワーク向けのConfigured NSSAIに基づいた登録処理として、ビジターネットワークに登録要求を送信する。
【0240】
このとき、UE10は、選択したネットワークスライスのホームネットワークのS-NSSAI(以下、選択ホームS-NSSAIとも記載する)に対応するビジターネットワークのS-NSSAI(以下、対応ビジターS-NSSAIとも記載する)がConfigured NSSAIに含まれているか否かを確認する。
【0241】
対応ビジターS-NSSAIがConfigured NSSAIに含まれている場合、UE10は、対応ビジターS-NSSAIを含むRequested NSSAI、及び、対応ビジターS-NSSAIと選択ホームS-NSSAIとのマッピングに関するマッピング情報を含めて登録要求を送信する。
【0242】
一方、対応ビジターS-NSSAIがConfigured NSSAIに含まれていない場合、UE10は、Configured NSSAIに含まれている他のS-NSSAIを選択する。UE10は、新たに選択したS-NSSAIを含むRequested NSSAI、及び、ビジターネットワークのS-NSSAI(新たに選択したS-NSSAI)と、このS-NSSAIに対応するホームネットワークのS-NSSAIとのマッピングに関するマッピング情報を含めて登録要求を送信する。
【0243】
ビジターネットワーク向けのConfigured NSSAIを所有していない場合(ステップS105;No)、UE10は、ビジターネットワーク向けのConfigured NSSAIの更新、又は取得を要求し(ステップS107)、処理を終了する。
【0244】
(Configured NSSAIの更新要求処理)
図9は、第1実施形態に係るビジターネットワーク向けのConfigured NSSAIの更新を要求する処理の一例を示すシーケンス図である。図9に示す処理は、図8の登録処理においてステップS107が実行された場合に開始される。
【0245】
端末装置であるUE10は、ステップS107(図8参照)の処理に従い、V-RAN20-2を介してV-AMF301-2にオンデマンドのConfigured NSSAI更新要求メッセージを送信する(ステップS201)。なお、V-RAN20-2は、UE10のサービングセルとなる基地局装置である。
【0246】
Configured NSSAI更新要求メッセージを受信したV-AMF301-2は、サービスベースドインターフェースのNnssfを介して、V-NSSF304-2にNnssf_NSSelection_Get requestメッセージを送信する(ステップS202)。Nnssf_NSSelection_Get requestメッセージは、NSSelection_Getサービスを要求するためのメッセージである。
【0247】
V-NSSF304-2は、ローミングにおけるConfigured NSSAIの更新の要求を受けると、サービスベースドインターフェースのNudmを介してUE10のホームネットワークのH-UDM307-1にNudm_SDM_Get requestメッセージを送信する(ステップS203)。Nudm_SDM_Get requestメッセージは、ホームネットワークのSubscribed S-NSSAIに係る情報を取得するためのメッセージである。
【0248】
V-NSSF304-2は、Nudm_SDM_Get requestメッセージの応答としてUE10のホームネットワークにおけるSubscribed S-NSSAIに係る情報を含むNudm_SDM_Get responseメッセージをH-UDM307-1から受信する(ステップS204)。ここで、V-NSSF304-2が取得したSubscribed S-NSSAIに係る情報には、ホームネットワークにおいてのみ有効な標準化されていないS-NSSAI値が含まれている。
【0249】
V-NSSF304-2は、さらに、サービスベースドインターフェースのNudrを介してUE10のホームネットワーク(図9ではH-UDR)にNudr_DM_Query requestメッセージを送信する(ステップS205)。Nudr_DM_Query requestメッセージは、Subscribed S-NSSAIに含まれるホームネットワークの第1の各S-NSSAIがサポートする5QIに係る情報を取得するためのメッセージである。
【0250】
V-NSSF304-2は、Nudr_DM_Query requestメッセージの応答として第1の各S-NSSAIがサポートする5QIに係る情報を含むNudr_DM_Query responseメッセージをH-UDRから受信する(ステップS206)。
【0251】
ここで、HーPCF305ー1がホームネットワークの第1の各S-NSSAIがサポートする5QIに係る情報を管理している場合には、V-NSSF304-2は、HーPCF305ー1にホームネットワークの第1の各S-NSSAIがサポートする5QIに係る情報を要求するようにしてもよい。V-NSSF304-2は、例えば、Npcf_SMPolicyControlサービスを使ってHーPCF305ー1に要求する。
【0252】
V-NSSF304-2は、ビジターネットワーク向けのConfigured NSSAI(Updated Configured NSSAI)及び第1のマッピング情報を生成する(ステップS207)。Updated Configured NSSAI及び第1のマッピング情報は、取得したSubscribed S-NSSAIに係る情報、及び、Subscribed S-NSSAI(s)に含まれるホームネットワークの第1の各S-NSSAIがサポートする5QIに係る情報に基づいて生成される。なお、Configured NSSAIと第1のマッピング情報の生成の詳細は後述する。
【0253】
V-NSSF304-2は、NSSelection_Getサービスの要求への応答として、Nnssf_NSSelection_Get responseメッセージをV-AMF301-2に返信する(ステップS208)。Nnssf_NSSelection_Get responseメッセージは、ビジターネットワーク向けのConfigured NSSAI(Updated Configured NSSAI)及び第1のマッピング情報を含む。
【0254】
V-AMF301-2は、UE10に対して更新するConfigured NSSAI及び第1のマッピング情報を取得すると、Configured NSSAI更新応答メッセージ(on-demand Configured NSSAI update respons)をV-RAN20-2を介してUE10に返信する(ステップS209)。Configured NSSAI更新応答メッセージは、ビジターネットワーク向けのConfigured NSSAI及び第1のマッピング情報を含む。
【0255】
ここで、Configured NSSAI更新応答メッセージには、ビジターネットワーク向けのConfigured NSSAIの更新に合わせてビジターネットワークに登録/再登録処理を実行する指示が含まれている。
【0256】
UE10は、Configured NSSAI更新応答メッセージを介してビジターネットワーク向けのConfigured NSSAI及び第1のマッピング情報を取得すると、ビジターネットワーク向けのConfigured NSSAI及び第1のマッピング情報を設定する(ステップS210)。
【0257】
(ビジターネットワーク向けのConfigured NSSAI及び第1のマッピング情報の生成処理)
図10は、V-NSSF304-2におけるビジターネットワーク向けのConfigured NSSAI及び第1のマッピング情報の生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。Configured NSSAIは、ビジターネットワークが設定する設定スライスを識別する識別情報の一例である。
【0258】
V-NSSF304-2は、第1のS-NSSAI(s)を含むSubscribed S-NSSAIに係る情報、及び、第1の各S-NSSAIがサポートする5QIに係る情報をホームネットワークから取得する(ステップS301)。なお、Subscribed S-NSSAIは、ホームネットワークが提供する第1のネットワークスライスのうち端末装置が使用を要求可能な要求可能スライスを識別する識別情報(ネットワークスライス選択支援情報)の一例である。また、5QIに係る情報は、要求可能スライスがサポートする第1の通信品質に関する第1の品質情報の一例である。
【0259】
V-NSSF304-2は、Subscribed S-NSSAIに係る情報に含まれる第1のS-NSSAIが標準化された値であるか否かを判定する(ステップS302)。
【0260】
第1のS-NSSAIが標準化された値である場合(ステップS302;Yes)、第1のS-NSSAIをビジターネットワーク向けのConfigured NSSAIに追加する(ステップS303)。
【0261】
一方、Subscribed S-NSSAIに係る情報に含まれる第1のS-NSSAIが標準化されていない値である場合(ステップS302;No)、V-NSSF304-2は、ホームネットワーク(HPLMN)の第1のS-NSSAIがサポートする5QIに基づいてビジターネットワーク(VPLMN)の第2のS-NSSAIを選択する(ステップS304)。
【0262】
例えば、V-NSSF304-2は、ビジターネットワークが提供する第2のS-NSSAIのうち、第1のS-NSSAIがサポートする5QIに対応する5QI(第2の通信品質の一例)をサポートする第2のS-NSSAI(サポートスライスを識別する識別情報の一例)を選択する。
【0263】
V-NSSF304-2は、選択した第2のS-NSSAIをビジターネットワーク向けのConfigured NSSAIに追加する(ステップS305)。続いて、V-NSSF304-2は、第1のS-NSSAIに対する第2のS-NSSAIの第1のマッピング情報を生成する(ステップS306)。
【0264】
V-NSSF304-2は、Subscribed S-NSSAIに係る情報に含まれる全ての第1のS-NSSAIが処理されたか否かを判定する(ステップS307)。
【0265】
全ての第1のS-NSSAI(s)が処理されていない場合(ステップS307;No)、V-NSSF304-2は、ステップS302以下の処理を実行する。一方、全ての第1のS-NSSAI(s)が処理されている場合(ステップS307;Yes)、V-NSSF304-2は、処理を終了する。
【0266】
なお、ステップS301において、第1のS-NSSAI(s)がTSC QoSフローをサポートするネットワークスライスである場合、V-NSSF304-2は、第1の各S-NSSAIがサポートする5QIに係る情報に加えて、又は代えて、PDUセットQoSパラメータに係る情報をホームネットワークから取得するようにしてもよい。
【0267】
さらに、ステップS304において、V-NSSF304-2は、ホームネットワーク(HPLMN)の第1のS-NSSAIがサポートする5QIに加えて、又は代えて、PDUセットQoSパラメータに基づいてビジターネットワーク(VPLMN)の第2のS-NSSAIを選択するようにしてもよい。
【0268】
(第2のS-NSSAIの選択処理)
図11は、第1実施形態に係る第2のS-NSSAIの選択処理の流れの一例を示すフローチャートである。この選択処理では、ホームネットワークの第1のS-NSSAIにマッピングされるビジターネットワークの第2のS-NSSAIの選択が行われる。V-NSSF304-2は、図10のステップS304で、図11の選択処理を実行する。
【0269】
V-NSSF304-2は、第1のS-NSSAIがサポートする5QIが1つであるか否かを判定する(ステップS401)。
【0270】
ホームネットワークの第1のS-NSSAIがサポートする5QIが1つである場合(ステップS401;Yes)、V-NSSF304-2は、1つの5QIをサポートするビジターネットワークの第2のS-NSSAIを選択し(ステップS402)、処理を終了する。
【0271】
一方、ホームネットワークの第1のS-NSSAIがサポートする5QIが1つでない、すなわち2つ以上である場合(ステップS401;No)、V-NSSF304-2は、第1のS-NSSAIがサポートする複数の5QIを1つの第2のS-NSSAIでサポートできるか否かを判定する(ステップS403)。
【0272】
1つの第2のS-NSSAIで複数の5QIをサポートできる場合(ステップS402;Yes)、V-NSSF304-2は、複数の5QIをサポートするビジターネットワークの1つの第2のS-NSSAIを選択し(ステップS404)、処理を終了する。
【0273】
一方、1つの第2のS-NSSAIでは複数の5QIをサポートできない場合(ステップS403;No)、V-NSSF304-2は、各5QIをサポートするビジターネットワークの複数の第2のS-NSSAIsを選択し(ステップS405)、処理を終了する。
【0274】
つまり、ホームネットワークの第1のS-NSSAIとビジターネットワークの第2のS-NSSAIとの対応関係は、1対1の場合に加え、1対N(Nは2以上の整数)の場合がある。すなわち、2以上の第2のS-NSSAIsのセットと、第1のS-NSSAと、のマッピングに関するマッピング情報が生成され得る。
【0275】
ステップS405において、第1のS-NSSAIと対応する複数の第2のS-NSSAIsとで構成されるセットが複数存在する場合、同一のNSSRG(Network Slice Simultaneous Registration Group)に属するセットが選択される。
【0276】
(第1のマッピング情報の生成処理)
図12は、第1実施形態に係る第1のマッピング情報の生成処理の流れの一例を示すフローチャートである。V-NSSF304-2は、図10のステップS306で、図12の生成処理を実行する。
【0277】
V-NSSF304-2は、選択されたビジターネットワークの第2のS-NSSAIが1つであるか否かを判定する(ステップS501)。
【0278】
選択されたビジターネットワークの第2のS-NSSAIが1つである場合(ステップS501;Yes)、V-NSSF304-2は、ホームネットワークの第1のS-NSSAIと、選択された1つの第2のS-NSSAIとの第1のマッピング情報を生成する(ステップS502)。
【0279】
一方、選択されたビジターネットワークの第2のS-NSSAIが1つでない、すなわち、2つ以上で場合(ステップS501;No)、V-NSSF304-2は、ホームネットワークの第1のS-NSSAIと選択された複数の第2のS-NSSAIsとの第1のマッピング情報を生成する(ステップS503)。
【0280】
(第2のS-NSSAIのマッピング処理)
図13は、第1実施形態に係る第2のS-NSSAIのマッピング処理の流れの一例を示すフローチャートである。このマッピング処理では、ホームネットワークの第1のS-NSSAIに対するビジターネットワークの第2のS-NSSAIのマッピングが行われる。このマッピング処理は、例えば、上述した図11図12の処理に代わり、V-NSSF304-2によって実行される。V-NSSF304-2は、図10のステップS304で、図13のマッピング処理を実行する。なお、図11図12と同じ処理には同一符号を付す。
【0281】
V-NSSF304-2は、第1のS-NSSAIがサポートする5QIが1つであるか否かを判定する(ステップS401)。
【0282】
ホームネットワークの第1のS-NSSAIがサポートする5QIが1つの場合(ステップS401;Yes)、V-NSSF304-2は、1つの5QIをサポートするビジターネットワークの第2のS-NSSAIを選択する(ステップS402)。その後、V-NSSF304-2は、ホームネットワークの第1のS-NSSAIと選択された1つの第2のS-NSSAIとの第1のマッピング情報を生成し(ステップS502)、処理を終了する。
【0283】
一方、第1のS-NSSAIがサポートする5QIが1つでない、すなわち、2つ以上である場合(ステップS401;No)、V-NSSF304-2は、その2つ以上の5QIをサポートする1つの第2のS-NSSAIが存在するか否かを判定する(ステップS601)。
【0284】
2つ以上の5QIをサポートする1つの第2のS-NSSAIが存在する場合(ステップS601;Yes)、V-NSSF304-2は、2つ以上の5QIをサポートする1つの第2のS-NSSAIを選択し(ステップS602)、ステップS502の処理を実行する。
【0285】
一方、2つ以上の5QIをサポートする1つの第2のS-NSSAIが存在しない場合(ステップS601;No)、V-NSSF304-2は、複数の5QIをサポートするビジターネットワークの新たな第2のS-NSSAIを1つ設定する(ステップS603)。
【0286】
V-NSSF304-2は、ホームネットワークの第1のS-NSSAIと新たに設定された1つの第2のS-NSSAIとの第1のマッピング情報を生成し(ステップS604)、処理を終了する。
【0287】
つまり、図13の例では、ホームネットワークの第1のS-NSSAIとビジターネットワークの第2のS-NSSAIとの対応関係は、1対1となる。
【0288】
(Configured NSSAIの更新要求処理の他の例)
図14は、第1実施形態に係るビジターネットワーク向けのConfigured NSSAIの更新を要求する処理の他の例を示すシーケンス図である。図14に示す処理のうち、図9に示す処理と同じ処理には同一符号を付し、説明を省略する。
【0289】
ステップS203において、Nudm_SDM_Get requestメッセージを受信すると、UE10のホームネットワークのH-UDM307-1は、サービスベースドインターフェースのNudrを介してH-UDRにNudr_DM_Query requestメッセージを送信する(ステップS701)。Nudr_DM_Query requestメッセージは、Subscribed S-NSSAIに係る情報に含まれるホームネットワークの第1の各S-NSSAIがサポートする5QIに係る情報を取得するためのメッセージである。
【0290】
H-UDM307-1は、Nudr_DM_Query requestメッセージの応答として各S-NSSAIがサポートする5QIに係る情報を含むNudr_DM_Query responseメッセージをH-UDRから受信する(ステップS702)。
【0291】
ここで、HーPCF305ー1がホームネットワークの第1の各S-NSSAIがサポートする5QIに係る情報を管理している場合には、H-UDM307-1は、HーPCF305ー1にホームネットワークの第1の各S-NSSAIがサポートする5QIに係る情報を要求するようにしてもよい。H-UDM307-1は、例えば、Npcf_SMPolicyControlサービスを使ってHーPCF305ー1に要求する。
【0292】
V-NSSF304-2は、Nudm_SDM_Get requestメッセージに対する応答として、Nudm_SDM_Get responseメッセージをH-UDM307-1から受信する(ステップS703)。Nudm_SDM_Get responseメッセージは、ホームネットワークにおけるSubscribed S-NSSAIに係る情報と、Subscribed S-NSSAIに係る情報に含まれる第1の各S-NSSAIがサポートする5QIに係る情報と、を含む。
【0293】
(ビジターネットワークへの登録/再登録処理)
図15は、第1実施形態に係るConfigured NSSAIの更新に伴うビジターネットワークへの登録/再登録処理の一例を示すシーケンス図である。UE10は、ビジターネットワーク向けのConfigured NSSAIの更新に合わせてビジターネットワークに登録/再登録処理を実行する指示をV-AMF301-2から受信する。UE10は、この指示に従って、図15の処理を実行する。
【0294】
UE10は、登録/再登録処理の実行に先立って、第1のマッピング情報に含まれるホームネットワークの第1のS-NSSAIの中から登録する1つ以上の第3のS-NSSAI(s)を選択する。
【0295】
図15に示すように、UE10は、ビジターネットワーク向けのConfigured NSSAIに含まれる第2のS-NSSAIの中から、選択された第3の各S-NSSAIに対応、つまり、ビジターネットワークに登録する1つ以上の第4のS-NSSAI(s)(要求スライスに関する要求スライス情報の一例)を特定する(ステップS801)。
【0296】
UE10は、1つ以上の第4のS-NSSAI(s)を含むRequested NSSAIを生成する(ステップS802)。ここで、UE10は、ビジターネットワークに登録する1つ以上の第4のS-NSSAI(s)とホームネットワークの第3の各S-NSSAIとの対応関係に係る第2のマッピング情報(要求マッピング情報の一例)を生成する。
【0297】
UE10は、ビジターネットワークへの登録/再登録を実行するために、登録要求(Registration Request)メッセージをV-RAN20-2に送信する(ステップS803)。登録要求メッセージは、生成したRequested NSSAI、及び、Requested NSSAIに含まれるビジターネットワークの第4のS-NSSAI(s)とホームネットワークの第3の各S-NSSAIとの対応関係に係る第2のマッピング情報を含む。
【0298】
これにより、Requested NSSAIに含まれるビジターネットワークの第4のS-NSSAI(s)がホームネットワークのSubscribed S-NSSAI(s)に基づいて許可できるか否かがネットワーク(ホームネットワーク又はビジターネットワーク)側で確認され得る。
【0299】
なお、UE10は、Default Configured NSSAIを利用しているならば、Default Configured NSSAI Indicationを登録要求メッセージに含める。また、UE10は、登録要求メッセージにUE identityを含めて送信する。
【0300】
UE identityは、有効なEPS GUTI(Global Unique Temporary Identifier)を持つ場合、EPS GUTIからマッピングされる5G-GUTIである。ここで、EPS(Evolved Packet System)は、LTE(Long Term Evolution)に相当する4Gシステムを指す。EPSは、EUTRAN(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network)とEPC(Evolved Packet Core)とで構成される。
【0301】
EPS GUTIは、セキュリティの観点から、IMSI(International Mobile Subscriber Identity)やIMEI(International Mobile Equipment Identity)といった各UEに固有に割り当てられたIDの代わりに、EPS内でUE10を識別するために用いられるテンポラリーなIDである。
【0302】
或いは、UE identityは、利用可能であるならば、UE10が登録を試みているPLMNによって割り当てられたPLMN固有の5G-GUTIである。
【0303】
或いは、UE identityは、利用可能であるならば、UE10が登録を試みているPLMNに対して、equivalent PLMNとして扱われるPLMMによって割り当てられたPLMN固有の5G-GUTIである。
【0304】
或いは、UE identityは、利用可能であるならば、いずれかのPLMNによって割り当てられたPLMN固有の5G-GUTIである。
【0305】
さもなければ、UE10は、登録要求メッセージにSUCI(Subscription Concealed Identifier)を含める。ここで、SUCIは、各UE10に固有に割り当てられるIDであるSUPI(Subscription Permanent Identifier)を暗号化したIDである。
【0306】
V-RAN20-2は、UE10から登録要求メッセージを受信すると、AMF Selectionを実行する(ステップS804)。
【0307】
もし、登録要求メッセージに5G-S-TMSI(5G S-Temporary Mobile Subscription Identifier)、若しくは、GUAMI(Globally Unique AMF Identifier)が含まれていない場合、V-RAN20-2は、(R)AT(Radio Access Technology)、及び、利用可能ならば、Requested NSSAIに基づいてV-AMF301―2を選択する。
【0308】
或いは、もし、登録要求メッセージに含まれている5G-S-TMSI、若しくは、GUAMIが、有効なV-AMF301-2を示していない場合、V-RAN20-2は、(R)AT(Radio Access Technology)、及び、利用可能ならば、Requested NSSAIに基づいてV-AMF301-2を選択する。
【0309】
V-RAN20-2がNG-RANである場合、V-RAN20-2は、選択されたPLMN ID(例えば、ビジターネットワークに対応するVPLMN)を含めた登録要求、若しくは、ビジターネットワークとして動作するSNPN(Standalone Non-Public Network)を識別するPLMN IDとNID(Network Identifier)とのセットを含めた登録要求をV-AMF301-2に転送する(ステップS805)。
【0310】
もし、UE10がV-AMF301-2にSUCIを提供していない場合には、V-AMF301-2はIdentity Request処理を起動し、UE10にIdentity Requestメッセージを送信して、SUCIを要求する(ステップS806)。
【0311】
UE10は、ステップS806でIdentity Requestメッセージを受信した場合、SUCIを含んだIdentity Responseメッセージを送信する(ステップS807)。ここで、UE10は、HPLMNの公開鍵(Public Key)を使ってSUCIを取得し得る。
【0312】
V-AMF301-2は、SUPI、或いは、SUCIに基づいて、AUSF Selectionを実行して(ステップS808)、UE10の認証を起動する。
【0313】
H-AUSF309-1は、V-AMF301-2から認証(Authentication)の要求を受信すると、UE10の認証を実行しなくてはならない(Authentication/Security)(ステップS809)。
【0314】
H-AUSF309-1は、認証(Authentication)処理として、H-UDM307-1を選択し、H-UDM307-1から認証データを取得する(Authentication/Security)(ステップS810)。
【0315】
UE10が認証されると、H-AUSF309-1は、V-AMF301-2にセキュリティに関する情報を提供する(Authentication/Security)(ステップS811)。
【0316】
UE10の認証に成功すると、V-AMF301-2は、NGAP(NG Application Protocol)処理を起動して、V-RAN20-2にsecurity contextを提供する。V-RAN20-2は、security contextを保持して、V-AMF301-2に応答を送信する。V-RAN20-2は、以降、UE10との間で交換するメッセージを保護するために、このsecurity contextを用いる(Authentication/Security)(ステップS812)。
【0317】
V-AMF301-2は、SUPIに基づいてUDM Selectionを実行し、H-UDM307-1を選択する(ステップS813)。
【0318】
V-AMF301-2は、H-UDM307-1にNudm_UECM_Registration Requestを送信し(ステップS814)、H-UDM307-1からNudm_UECM_Registration Responseを受信する(ステップS815)。V-AMF301-2は、Nudm_UECM_Registrationサービスを使用することでH-UDM307-1に登録される。
【0319】
V-AMF301-2は、UE10の加入者データ(Subscription Data)を持っていない場合、H-UDM307-1にNudm_SDM_Get Requestを送信する(ステップS816)。V-AMF301-2は、H-UDM307-1からNudm_SDM_Get Responseを受信する(ステップS817)。
【0320】
V-AMF301-2は、Nudm_SDM_Getサービスを使って、アクセス及びモビリティ加入者データ(Access and Mobility Subscription data)、SMF選択加入者データ(SMF Selection Subscription data)等の加入者データ(Subscription Data)をH-UDM307-1から取得する。
【0321】
ここで、加入者データには、スライス選択加入者データ(Slice Selection Subscription data)が含まれる。ここで、スライス選択加入者データは、例えば、Subscribed S-NSSAIに係る情報である。
【0322】
V-AMF301-2は、Requested NSSAIに含まれる第4のS-NSSAI(s)とホームネットワークの第3の各S-NSSAIとの対応関係に係る第2のマッピングの情報、及び、スライス選択加入者データから、Requested NSSAIの第4の各S-NSSAIの利用契約を確認する。
【0323】
V-AMF301-2は、V-NSSF304-2にRequested NSSAIの第4の各S-NSSAIを含むNssf_NSSelection_Get requestメッセージを送信する(ステップS818)。ここで、Nssf_NSSelection_Get requestメッセージには、利用契約を有するホームネットワークの第3の各S-NSSAIに対応する第4のS-NSSAI(s)が含まれる。
【0324】
V-NSSF304-2は、UE10を登録するエリア(Registration Area)においてRequested NSSAIの第4の各S-NSSAIをサポートすることが可能であるかを確認する。V-NSSF304-2は、第4のS-NSSAI(s)の中からサポート可能である第5のS-NSSAI(s)を含むAllowed NSSAI(許可スライスに関する許可スライス情報の一例)を生成する(ステップS819)。すなわち、V-NSSF304-2は、ビジターネットワークに在圏するUE10に対して使用を許可する第5のS-NSSAI(s)を選択し、第5のS-NSSAI(s)を含むAllowed NSSAIを生成する。
【0325】
また、V-NSSF304-2は、第4のS-NSSAI(s)の内、UE10を登録するエリアにおいてサポートできない、換言すると、使用を許可できない第6の各S-NSSAIをRejected S-NSSAI(拒否スライスに関するスライス情報の一例)に設定する。
【0326】
なお、V-NSSF304-2は、Allowed NSSAI及びRejected S-NSSAIを、トラッキングエリア(Tracking Area)等のモビリティ管理エリアの単位で判定するようにしてもよい。
【0327】
この場合、登録エリアは1つ以上のトラッキングエリアで構成される。Allowed NSSAIの各S-NSSAIは、登録エリア内の全てのトラッキングエリアで利用可能なネットワークスライスとして扱われる。一方、登録エリア内の少なくとも1つのトラッキングエリアでサポートされていないネットワークスライスは、Rejected S-NSSAIとして扱われる。
【0328】
V-NSSF304-2は、Nssf_NSSelection_Get requestメッセージへの応答として、Allowed NSSAI、及び、拒否された第6のS-NSSAI(s)があればRejected S-NSSAI(s)を含むNssf_NSSelection_Get responseメッセージをV-AMF301-2に返信する(ステップS820)。
【0329】
上述したように、V-AMF301-2は、自身、又はV-NSSF304―2と協調して、Target NSSAIを決定するようにしてもよい。Target NSSAIには、ホームネットワークの第3のS-NSSAIが含まれるようにしてもよい。これにより、UE10は、ホームネットワークの第3のS-NSSAIをサポートする他の周波数帯のセル、トラッキングエリア、及び他のトラッキングエリアにリダイレクトすることができるようになる。
【0330】
また、V-NSSF304-2は、Allowed NSSAIの第5の各S-NSSAIに対して使用するDNN(Data Network Name)に係る情報をUE10に提供するために、第5の各S-NSSAIに対応するDNNに係る情報をNssf_NSSelection_Get responseメッセージに含めるようにしてもよい。すなわち、V-NSSF304-2は、Allowed NSSAIの第5の各S-NSSAIに対して使用するDNNを割り当てる。
【0331】
ここで、DNNは、4G以前のシステムで使用されているAPN(Access Point Name)に相当するものである。DNN/APNによってゲートウェイとなる装置であるDN(Data Network)/AP(Access Point)が特定される。
【0332】
V-AMF301-2は、登録要求メッセージへの応答として、Allowed NSSAIを含む登録許可(Registration Accept)メッセージをUE10に返信する(ステップS821)。
【0333】
UE10は、Requested NSSAIに含まれていて、Allowed NSSAIに含まれていない第4の各S-NSSAIをRejected S-NSSAIとして扱う。つまり、V-AMF301-2は、拒否された第6のS-NSSAIの情報を明示的にUE10に提供する必要はない。
【0334】
また、部分的なネットワークスライス(Partial Network Slice)をサポートするUE10に対しては、登録許可メッセージに、Partially Allowed NSSAI、又は登録エリア内で部分的に拒否されるS-NSSAIを含めてもよい。Partially Allowed NSSAIのそれぞれのS-NSSAIに対しては、そのS-NSSAIがサポートされるトラッキングエリアのリストが提供される。部分的に拒否されるS-NSSAI(s)のそれぞれのS-NSSAIに対しては、そのS-NSSAIがサポートされる、又は、サポートされないトラッキングエリアのリストが提供される。
【0335】
ビジターネットワークの登録エリアにホームネットワークの第3のS-NSSAI(s)のAoS(Area of Service)が含まれていれば、V-AMF301-2は、部分的なネットワークスライスとして、Partially Allowed NSSAIにホームネットワークの第3のS-NSSAI(s)を含める。又は、V-AMF301-2は、登録エリア内で部分的に拒否されるS-NSSAIとしてホームネットワークの第3のS-NSSAI(s)を提供するようにしてもよい。ここで、第3のS-NSSAI(s)のAoSの境界がトラッキングエリアの境界と一致しない場合には、トラッキングエリアのリストの代わりに、ネットワークスライス利用可能位置情報がUE10に提供される。
【0336】
UE10は、登録許可メッセージを受信すると、その応答として登録完了(Registration Complete)メッセージをV-AMF301-2に返信して登録処理は完了する(ステップS822)。
【0337】
以上の処理によって、UE10は、ビジターネットワークの登録エリア内において、Allowed NSSAIに含まれる1つ以上の第5のS-NSSAI(s)と、この第5の各S-NSSAIに対応するDNNと、に対してPDUセッションの確立を要求することができる。UE10は、第5のS-NSSAI、及び、DNNに関するDNN情報を含むPDUセッション確立要求をビジターネットワークの基地局20に送信することができる。
【0338】
ここで、ホームネットワークの1つの第3のS-NSSAIをサポートするためにビジターネットワークの複数の第5のS-NSSAIsを使用する場合、UE10は、第5の各S-NSSAIとDNNのセット毎にPDUセッションを確立する。
【0339】
例えば、2つの第5のS-NSSAIsに対してそれぞれ異なるDNNが割り当てられている場合、UE10は、第1のセッション及び第2のセッションの確立を要求する。第1のセッションは、2つの第5のS-NSSAIsのうち一方の第5のS-NSSAIと、この第5のS-NSSAIに割り当てられたDNNによるセッションである。第2のセッションは、2つの第5のS-NSSAIsのうち他方の第5のS-NSSAIと、この第5のS-NSSAIに割り当てられたDNNによるセッションである。
【0340】
また、同一のDNNで2つ以上の第5のS-NSSAIsをサポートできる場合には、UE10は、同一のDNNでサポートできる2つ以上の第5のS-NSSAIsを同一のセッション内で処理する指示をセッションの確立要求に含めることがでる。SMF306は、その指示に従ってその2つ以上の第5のS-NSSAIsに対して1つのPDUセッションを確立する。
【0341】
なお、図15では、ビジターネットワークに登録する例を示したが、5QIを使ってホームネットワークとビジターネットワークのネットワークスライスの対応関係を設定する本技術はこの例に限定されない。
【0342】
例えば、本技術は、ホームネットワークにUE10を登録する際に、ホームネットワークの第3のS-NSSAIに対応するビジターネットワークの第4のS-NSSAIを部分的なネットワークスライスとして提供する場合にも適用することができる。
【0343】
例えば、H-AMF301-1は、Partially Allowed NSSAIにビジターネットワークの第4のS-NSSAI(s)を含め得る。H-AMF301-1は、ホームネットワークの第3のS-NSSAIと、Partially Allowed NSSAIに含まれるビジターネットワークの第4のS-NSSAI(s)と、のマッピング情報を生成するために図11から図13の処理を実行し得る。このマッピング情報は、Partially Allowed NSSAIと合わせてUE10に提供される。
【0344】
同様に、H-AMF301-1は、登録エリア内で部分的に拒否されるS-NSSAIとしてビジターネットワークの第4のS-NSSAI(s)を設定し得る。H-AMF301-1は、UE10に提供されるホームネットワークの第3のS-NSSAIと、部分的に拒否されるS-NSSAIであるビジターネットワークの第4のS-NSSAI(s)と、のマッピング情報を生成するために図11から図13の処理をし得る。
【0345】
また、H-AMF301-1は、Target NSSAIにビジターネットワークの第4のS-NSSAI(s)を含め得る。H-AMF301-1は、ホームネットワークの第3のS-NSSAIと、Target NSSAIに含まれるビジターネットワークの第4のS-NSSAI(s)と、のマッピング情報を生成するために図11から図13の処理を適用し得る。このマッピング情報は、Target NSSAIと合わせてUE10に提供される。
【0346】
さらに、H-AMF301-1は、Target NSSAIに含まれるビジターネットワークの第4のS-NSSAI(s)に対するRFSPインデックス(RAT/Frequency Selection Priority Index)を取得して、H-RAN20-1に送信する。RFSPインデックスは、第4のS-NSSAI(s)に対する周波数選択のための優先度に関する優先度情報の一例である。
【0347】
H-RAN20-1は、取得したビジターネットワークの第4のS-NSSAI(s)に対するRFSPインデックスに従って、セル再選択に係るパラメータをUE10に設定する。このセル再選択に係るパラメータは、第4のS-NSSAI(s)を提供するセルにUE10をリダイレクトするためのパラメータである。
【0348】
第1実施形態によれば、ダイナミックにローミングをサポートするビジターネットワークにおいて、ビジターネットワークのNFは、ネットワークスライスがサポートする5QIの種類に係る情報を取得することができる。これにより、UE10は、ホームネットワークで使用されている標準化されていないネットワークスライスをビジターネットワークでも利用することができるようになる。
【0349】
<<5.第2実施形態>>
例えば、XRのように複数の種類のデータを扱うマルチモーダルアプリケーションをサポートするために、ホームネットワークが提供するネットワークスライスが複数のQoSフローをサポートする場合がある。しかしながら、複数のQoSフローをサポートするネットワークスライスに対して、QoSが満たせない場合が想定される。この場合、ネットワークスライス全体の利用が制限されることになる。
【0350】
このような場合に、例えば、ビジターネットワークのネットワークスライスで補完することで、少なくとも1つのQoSフローが満たせないネットワークスライスを利用することができる。
【0351】
そこで、第2実施形態では、ホームネットワークの、QoSが満たせないネットワークスライスを、ビジターネットワークのネットワークスライスで補完する。これにより、UE10は、より多くのネットワークスライスを利用することができるようになる。
【0352】
より具体的に、第2実施形態に係る情報処理装置300は、要求スライス情報、マッピング情報、及び、補完要求を含む登録要求を端末装置10から受信する制御部33を備える。
【0353】
要求スライス情報は、ホームネットワークが提供する第1のネットワークスライスのうち端末装置10が使用を要求する要求スライスに関する情報である。マッピング情報は、要求スライス、及び、ビジターネットワークが提供する第2のネットワークスライスのうち、要求スライスがサポートし得る1以上の第1の通信品質に対応する第2の通信品質をサポートするサポートスライスの対応関係に関する情報である。補完要求は、要求スライスをサポートスライスで補完することを要求する指示(indication)である。
【0354】
制御部33は、登録要求を受信すると、第1のネットワークスライスのうち端末装置10が使用を要求可能な要求可能スライスに関する要求可能スライス情報を、ホームネットワークから取得する。
【0355】
制御部33は、要求スライスがサポートしない第1の通信品質に対応する第3の通信品質をサポートスライスがサポートできる場合に、要求スライスを条件付き許可スライスに設定する。
【0356】
これにより、情報処理装置300は、要求スライスがサポートしない第1の通信品質をサポートスライスによって補完することができる。
【0357】
<5-1.第1例>
まず、UE10からの要求に従って、ネットワークスライスを補完する場合について説明する。
【0358】
UE10は、ホームネットワーク向けのConfigured NSSAIに基づいてホームネットワークに登録処理を実行する。UE10は、Configured NSSAIの中から1つ以上の第1のS-NSSAI(s)を含むRequested NSSAIを生成する。UE10は、Requested NSSAIを含む登録要求メッセージをホームネットワークのH-AMF301-1に送信する。
【0359】
UE10は、登録要求メッセージへの応答として、Allowed NSSAIをH-AMF301-1から取得する。Allowed NSSAIは、ホームネットワークのUE10に対して、登録エリア内で利用が許可される1つ以上の第3のS-NSSAI(s)を含む。第3のS-NSSAI(s)は、Requested NSSAIの中のS-NSSAI(s)である。
【0360】
これにより、UE10は、ホームネットワークに登録される。
【0361】
Allowed NSSAI(第1のAllowed NSSAI)に含まれる1つの第3のS-NSSAIが、例えば、2つ以上の5QIをサポートするネットワークスライスを識別する情報であるとする。また、例えば、登録エリア内でのアクセス制御を理由として、ホームネットワークが1つの5QIの利用を制限する場合がある。この場合、ホームネットワークは、新たなAllowed NSSAI(第2のAllowed NSSAI)でAllowed NSSAI(第1のAllowed NSSAI)を更新する。第2のAllowed NSSAIは、利用が制限される1つの5QIをサポートする第3のS-NSSAIを第1のAllowed NSSAIから削除したAllowed NSSAIである。
【0362】
UE10は、この削除された第3のS-NSSAIをRejected S-NSSAIとして扱う。
【0363】
UE10は、第1のAllowed NSSAIから削除された1つの第3のS-NSSAIを利用したい場合に、図15の処理に従って、ビジターネットワーク向けのConfigured NSSAIを使って1つの第3のS-NSSAIに対応する第4のS-NSSAIの登録をビジターネットワークに要求することができる。
【0364】
或いは、UE10は、利用を制限されていない5QIをホームネットワークがサポートし、利用を制限されている1つの5QIをビジターネットワークがサポートできるように1つの第3のS-NSSAIの登録をホームネットワークに要求するようにしてもよい。これらの5QIは、1つの第3のS-NSSAIをサポートする2つ以上の5QIである。
【0365】
つまり、第2実施形態に係る通信システムは、ホームネットワークの第3のS-NSSAIをビジターネットワークの第4のS-NSSAIで補完する。
【0366】
図16は、ホームネットワークのS-NSSAIをビジターネットワークで補完するための登録処理の一例を示すシーケンス図である。
【0367】
UE10は、ビジターネットワーク向けのConfigured NSSAIを使って、ホームネットワークの第3のS-NSSAIを補完するためのビジターネットワークの第4のS-NSSAIを特定する(ステップS901)。
【0368】
UE10は、第3のS-NSSAIを含むRequested NSSAIと、第3のS-NSSAIと1つ以上の第4のS-NSSAI(s)(サポートスライスを識別する識別情報)との対応関係に係る第3のマッピングの情報(補完マッピング情報の一例)と、補完指示とを含む登録要求(Registration Request)メッセージをH-RAN20-1に送信する(ステップS902)。補完指示は、ホームネットワークの第3のS-NSSAIを補完するよう指示する。
【0369】
H-RAN20-1は、UE10から登録要求メッセージを受信すると、AMF Selectionを実行する(ステップS903)。H-RAN20-1は、受信した登録要求を選択されたH-AMF301-1に転送する(ステップS904)。
【0370】
H-AMF301-1は、SUPI、或いは、SUCIに基づいて、AUSF Selectionを実行して(ステップS905)、UE10の認証を起動する。
【0371】
H-AUSF309-1は、H-AMF301-1から認証(Authentication)の要求を受信すると、UE10の認証を実行しなくてはならない(Authentication/Security)(ステップS906)。
【0372】
H-AUSF309-1は、認証(Authentication)処理として、H-UDM307-1を選択し、H-UDM307-1から認証データを取得する(Authentication/Security)(ステップS907)。
【0373】
UE10が認証されると、H-AUSF309-1は、H-AMF301-1にセキュリティに関する情報を提供する(Authentication/Security)(ステップS908)。
【0374】
UE10の認証に成功すると、H-AMF301-1は、NGAP(NG Application Protocol)処理を起動して、H-RAN20-1にsecurity contextを提供する。
【0375】
H-RAN20-1は、security contextを保持して、H-AMF301-1に応答を送信する。H-RAN20-1は、以降、UE10との間で交換するメッセージを保護するために、このsecurity contextを用いる(Authentication/Security)(ステップS909)。
【0376】
H-AMF301-1は、SUPIに基づいてUDM Selectionを実行し(ステップS910)、H-UDM307-1を選択する。
【0377】
H-AMF301-1は、H-UDM307-1にNudm_UECM_Registration Requestを送信し(ステップS911)、H-UDM307-1からNudm_UECM_Registration Responseを受信する(ステップS912)。H-AMF301-1は、Nudm_UECM_Registrationサービス(Nudm_UECM_Registration Request/Response)を使うことで、H-UDM307-1に登録される。
【0378】
H-AMF301-1は、UE10の加入者データ(Subscription Data)を持っていない場合、Nudm_SDM_Get Requestを送信し(ステップS913)、H-UDM307-1からNudm_SDM_Get Responseを受信する(ステップS914)。H-AMF301-1は、Nudm_SDM_Getサービス(Nudm_SDM_Get/Nudm_SDM_Get Response)を使って、アクセス及びモビリティ加入者データ(Access and Mobility Subscription data)、SMF選択加入者データ(SMF Selection Subscription data)等の加入者データ(Subscription Data)をH-UDM307-1から取得する。
【0379】
ここで、加入者データには、スライス選択加入者データ(Slice Selection Subscription data)が含まれる。ここで、スライス選択加入者データは、例えば、Subscribed S-NSSAIに係る情報である。
【0380】
H-AMF301-1は、Requested NSSAIに含まれる第3のS-NSSAI、及び、スライス選択加入者データから、Requested NSSAIの第3のS-NSSAIの利用契約を確認する。H-AMF301-1は、第3のS-NSSAIが、UE10が使用を要求可能なSubscribed S-NSSAIであるか否かを確認する。例えば、H-AMF301-1は、Subscribed S-NSSAIに関する情報をホームネットワークから取得することで、第3のS-NSSAIの利用契約を確認する。
【0381】
H-AMF301-1は、H-NSSF304-1にNssf_NSSelection_Get requestメッセージを送信する(ステップS915)。Nssf_NSSelection_Get requestメッセージは、第3のS-NSSAIを含むRequested NSSAI、第3のS-NSSAIと1つ以上の第4のS-NSSAI(s)との対応関係に係る第3のマッピングの情報、及び、ビジターネットワークで第3のS-NSSAIを補完する補完指示と、を含む。
【0382】
H-NSSF304-1は、サービスベースドインターフェースのNudrを介してUE10のビジターネットワークのV-UDR(図示せず)にNudr_DM_Query requestメッセージを送信する(ステップS916)。Nudr_DM_Query requestメッセージは、第3のS-NSSAIに対応する1つ以上の第4のS-NSSAI(s)がサポートする5QIに係る情報を取得するためのメッセージである。
【0383】
H-NSSF304-1は、Nudr_DM_Query requestメッセージの応答として第4の各S-NSSAIがサポートする5QIに係る情報を含むNudr_DM_Query responseメッセージをV-UDRから受信する(ステップS917)。
【0384】
ここで、VーPCF305ー2がビジターネットワークの第4のS-NSSAIがサポートする5QIに係る情報を管理している場合には、H-NSSF304-1は、VーPCF305ー2にビジターネットワークの第4のS-NSSAIがサポートする5QIに係る情報を要求するようにしてもよい。H-NSSF304-1は、例えば、Npcf_SMPolicyControlサービスを使ってVーPCF305ー2に要求する。
【0385】
H-NSSF304-1は、ホームネットワークの第3のS-NSSAIがサポートする2つ以上の5QIの内、利用を制限されている1つの5QIをビジターネットワークの第4のS-NSSAIがサポートできるかを判定する(ステップS918)。H-NSSF304-1は、この判定を、補完指示に従い、取得した第4の各S-NSSAIがサポートする5QIに係る情報に基づいて行う。
【0386】
この判定に応じて、H-NSSF304-1は、第3のS-NSSAIを条件付きAllowed S-NSSAI、又はRejected S-NSSAIに設定する(ステップS919)。
【0387】
ホームネットワークの第3のS-NSSAIをビジターネットワークの第4のS-NSSAIで補完できると判定した場合、H-NSSF304-1は、第3のS-NSSAIを条件付きのAllowed S-NSSAIに設定する。
【0388】
ここで、条件は、UE10がビジターネットワークの第4のS-NSSAIのAoS(Area of Service)内に在圏して、第3のS-NSSAIをビジターネットワークの第4のS-NSSAIで補完することである。つまり、条件付きのAllowed S-NSSAIは、第4のS-NSSAIのAoS内での利用を許可されるS-NSSAIとして扱われる。
【0389】
又は、H-NSSF304-1は、ホームネットワークの第3のS-NSSAIをビジターネットワークの第4のS-NSSAIで補完できないと判定した場合、第3のS-NSSAIをRejected S-NSSAIに設定する。
【0390】
ここで、AoSは、ビジターネットワークの1つ以上のトラッキングエリアで構成されてもよい。ビジターネットワークのトラッキングエリアは、ホームネットワークのトラッキングエリアとは独立して管理されてもよい。
【0391】
或いは、AoSは、トラッキングエリアよりも細かな粒度で定義される領域であってもよい。この場合、AoSは、例えば、緯度、経度等の座標系で定義された領域、セルID、セルIDのセット、基地局ID、或いは基地局IDのセット等である。
【0392】
AoSに関する情報は、ネットワークスライス利用可能位置情報(S-NSSAI location availability information)としてUE10に提供される。
【0393】
H-NSSF304-1は、Nssf_NSSelection_Get requestメッセージへの応答として、Nssf_NSSelection_Get responseメッセージを返信する(ステップS920)。Nssf_NSSelection_Get responseメッセージは、条件付きのAllowed S-NSSAI、又はRejected S-NSSAIを含む。
【0394】
H-AMF301-1は、登録要求メッセージへの応答として、登録許可(Registration Accept)メッセージ、又は登録拒否(Registration Reject)メッセージをUE10に返信する(ステップS921)。登録許可メッセージは条件付きAllowed NSSAIを含む。登録拒否メッセージはRejected S-NSSAIを含んでもよく、Rejected S-NSSAIを含まない場合には、UE10はRequested NSSAIに含まれる第3のS-NSSAIをRejected S-NSSAIとして扱う。
【0395】
登録許可メッセージを受信した場合、UE10は、その応答として登録完了(Registration Complete)メッセージをH-AMF301-1に返信して(ステップS922)、登録処理は完了する。
【0396】
図17は、第2実施形態に係る通信システムのアーキテクチャの一例を示す図である。第2実施形態に係る通信システムは、ホームネットワークの第3のS-NSSAIをビジターネットワークで補完する。
【0397】
UE10は、図16に示した処理に従って条件付きのAllowed S-NSSAIに対するホームネットワークへの登録処理を完了すると、条件を満たした際に、条件付きのAllowed S-NSSAIに対するセッションの確立をホームネットワークに要求することができる。
【0398】
ここで、条件付きのAllowed S-NSSAIは、第4のS-NSSAIのAoS(Area of Service)内での利用を許可されるS-NSSAIとして扱われる。
【0399】
例えば、UE10は、ビジターネットワークの第4のS-NSSAIのAoS内に在圏して、デュアルコネクティビティ(Dual Connectivity)を介したビジターネットワークを含むホームネットワークとのセッションの確立を要求する。このデュアルコネクティビティは、H-RAN20-1との間の第1の接続、及び、V-RAN20-2との間の第2の接続を含む。
【0400】
ここで、AoSは、ビジターネットワークの1つ以上のトラッキングエリアで構成されてもよい。ビジターネットワークのトラッキングエリアは、ホームネットワークのトラッキングエリアとは独立して管理されてもよい。
【0401】
或いは、AoSは、トラッキングエリアよりも細かな粒度で定義される領域であってもよい。この場合、AoSは、例えば、緯度、経度等の座標系で定義された領域、セルID、セルIDのセット、基地局ID、或いは基地局IDのセット等である。AoSに関する情報は、ネットワークスライス利用可能位置情報としてUE10に提供される。
【0402】
UE10は、ホームネットワークの第3のS-NSSAIと、H-DN340-1と、に対応するDNNに属するセッションとして、H-DN340-1との間にH-RAN20-1、及びH-UPF330-1を介した第1のPDUセッションを確立する。
【0403】
さらに、H-5GC30-1は、補完指示に従って、UE10、又はV-RAN20-2にセッション更新を指示する。セッション更新の指示は、UE10とH-UPF330-1との間にデュアルコネクティビティによるV-RAN20-2、及びV-UPF330-2を介したホームネットワーク経由(Home Routed)の接続を第1のPDUセッションに追加する指示である。
【0404】
その際、H-RAN20-1は、確立された第1のPDUセッションを識別する情報をUE10に通知する。或いは、H-5GC30-1のH-AMF301-1は、確立された第1のPDUセッションを識別する情報をV-RAN20-2に通知する。
【0405】
このセッション管理において、H-UPF330-1は第1のPDUセッションに対するPSA(PDU Session Anchor) UPFとして動作する。H-UPF330-1は、ホームネットワークの第3のS-NSSAIがサポートする5QI(第1の通信品質の一例)のQoSフロー(第1のQoSフローの一例)を、H-RAN20-1経由でUE10に送信、又はUE10から受信するように制御する。H-UPF330-1は、第3のS-NSSAIを補完する第4のS-NSSAIであって、ビジターネットワークの第4のS-NSSAIがサポートする5QI(第3の通信品質の一例)のQoSフロー(第2のQoSフローの一例)をV-RAN20-2経由でUE10に送信、又はUE10から受信するように制御する。
【0406】
ここで、H-5GC30-1のコントロールプレーン32-1とV-5GC30-2のコントロールプレーン32-2は、図5に示したように、SEPP(Security Edge Protection Proxy)(図17では図示省略)を介して接続される。
【0407】
H-5GC30-1のコントロールプレーン32-1のhSEPP(home SEPP)31-1とV-5GC30-2のコントロールプレーン32-2のvSEPP(visitor SEPP)32-2はリファレンスポイントN32を介して接続される。
【0408】
なお、図16では、ステップS919において条件付きのAllowed S-NSSAIを設定する例を示したが、本技術はこの例に限定されない。
【0409】
例えば、H-AMF301-1は、ホームネットワークの登録エリア内のPartially Allowed NSSAIにビジターネットワークの第4のS-NSSAIを含めてもよい。H-AMF301-1は、Partially Allowed NSSAIの支援/補足情報として、第4のS-NSSAIのAoSと、補完情報と、をUE10に提供するようにしてもよい。補完指示は、ホームネットワークの第3のS-NSSAIをビジターネットワークの第4のS-NSSAIで補完するよう指示する。
【0410】
ここでのPartially Allowed NSSAIは、ホームネットワークの第3のS-NSSAIが部分的なネットワークスライスであり、その部分的なネットワークスライスがビジターネットワークの第4のS-NSSAIで補完されることであるという、条件付きのAllowed S-NSSAIに相当する。
【0411】
同様に、H-AMF301-1は、登録エリア内で部分的に拒否されるS-NSSAIとしてホームネットワークの第3のS-NSSAIを設定する。H-AMF301-1は、部分的に拒否されるS-NSSAI(ホームネットワークの第3のS-NSSAI)の支援/補足情報として、補完情報と、第4のS-NSSAIのAoSと、をUE10に提供するようにしてもよい。補完指示は、ホームネットワークの第3のS-NSSAIをビジターネットワークの第4のS-NSSAIで補完するよう指示する。
【0412】
また、上記では、登録エリア内でのアクセス制御により、ホームネットワークが1つの5QIの利用を制限する場合に、その1つの5QIをサポートする第3のS-NSSAIを第1のAllowed NSSAIから削除した新たなAllowed NSSAIで更新する例を示した。しかしながら、本技術はこの例に限定されない。
【0413】
例えば、ホームネットワークが、新たなAllowed NSSAIで更新する代わりに、Alternative S-NSSAI、及びその支援/補足情報を使用するようにしてもよい。ホームネットワークは、第3のS-NSSAIを補完するビジターネットワークの1つ以上の第4のS-NSSAI(s)と、補完指示と、をUE10に提供するようにしてもよい。補完指示は、ホームネットワークの第3のS-NSSAIをビジターネットワークの第4のS-NSSAIで補完するよう指示する。
【0414】
<5-2.第2例>
図18は、第2実施形態に係る通信システムのアーキテクチャの他の例を示す図である。図18に示す通信システムは、ホームネットワークのS-NSSAIをビジターネットワークで補完する。
【0415】
UE10は、図16に示した処理に従って条件付きのAllowed S-NSSAI、Partially Allowed NSSAI、又は登録エリア内で部分的に拒否されるS-NSSAIに対するホームネットワークへの登録処理実行する。UE10は、登録処理を完了した後、ビジターネットワークの第4のS-NSSAIのAoS(Area of Service)内に在圏して、図18に示したデュアルコネクティビティ(Dual Connectivity)を介したビジターネットワークを含むホームネットワークとのセッションを確立する。
【0416】
ここで、AoSは、ビジターネットワークの1つ以上のトラッキングエリアで構成されてもよい。ビジターネットワークのトラッキングエリアは、ホームネットワークのトラッキングエリアとは独立して管理されてもよい。
【0417】
或いは、AoSは、トラッキングエリアよりも細かな粒度で定義される領域であってもよい。この場合、AoSは、例えば、緯度、経度等の座標系で定義された領域、セルID、セルIDのセット、基地局ID、或いは基地局IDのセット等である。AoSに関する情報は、ネットワークスライス利用可能位置情報としてUE10に提供される。
【0418】
ビジターネットワークの第4のS-NSSAIがサポートする5QIが、例えば、リソースタイプがDelay-critical GBRであるTSC QoSフローであるとする。この場合、ビジターネットワークは、セッションブレイクアウトによるエッジアプリケーションサーバ(EAS:Edge Application Server)との接続を選択する。
【0419】
ビジターネットワークは、V-UPF330-2としてUL CL(Uplink CLassifier)/BP(Branching Point)の機能をサポートするV-UPF330-3を選択する。若しくは、ビジターネットワークは、UL CL/BPの機能を追加してV-UPF330-3として動作させる。
【0420】
V-UPF330-3は、エッジアプリケーションサーバと接続させるために、ローカルブレイクアウトの手法を利用してLocal DN40-2とV-UPF330-4を介して接続される。V-UPF330-4は、ビジターネットワークにおけるPSA(PDU Session Anchor) UPFとなる。
【0421】
ここで、ローカルブレイクアウトは、UE10に対して、エッジアプリケーションサーバとの経路、又は遅延が極力最小になるように、H-DN340-1に対する1つの経路(例えば、PDUセッション)の途中で分岐させる方法である。
【0422】
H-UPF330-1との間の1つのPDUセッションに、UL CL、若しくはBPをサポートするV-UPF330-3を介することによってローカルブレイクアウトを実現することができる。
【0423】
このローカルブレイクアウトを適用することにより、アップリンクのデータの転送先をアプリケーションサーバ40と、Local DN40-2に接続されたエッジアプリケーションサーバと、に振り分ける機能がPDUセッションに追加される。この振り分けは、V-UPF330-3がアップリンクのデータの種別を判別することにより行うことができる。このアップリンクのデータの判別方法は、H-SMF306-1によりV-SMF306-2を介して設定される。
【0424】
エッジアプリケーションサーバは、Local DN340-2と論理的に接続される。エッジアプリケーションサーバは、物理的にはLocal DN340-2として動作する同じ装置内に実装されていてもよい。
【0425】
1つのPDUセッションに対して、1つのS-NSSAIとDNNとが対応付けられる。そのため、Local DN340-2は、H-DN340-1と同一のDNNによって管理される。つまり、H-DN340-1はDNNのCentral Partとして管理される。Local DN40-2は、DNNのLocal Partとして管理される。
【0426】
例えば、第1のデータネットワークアクセス識別子(DNAI:Data Network Access Identifier)と対応付けられた1つのPDUセッション(上述の第1のPDUセッション)に、さらにLocal DN340-2との接続を識別する第2のデータネットワークアクセス識別子が対応付けられる。第1のデータネットワークアクセス識別子は、DNNに対応するH-DN340-1との接続を識別する識別子である。
【0427】
例えば、1つのPDUセッションに対してデータネットワークアクセス識別子のリストが管理される。データネットワークアクセス識別子のリストは、H-DN340-1に対する第1のデータネットワークアクセス識別子と、Local DN340-2に対する第2のデータネットワークアクセス識別子と、を含む。
【0428】
<5-3.第3例>
上述した第1例では、UE10がビジターネットワークのネットワークスライスによる補完を指示するが、ここでは、ホームネットワークのNFがビジターネットワークによる補完を決定する。
【0429】
図19は、第2実施形態に係るホームネットワークのS-NSSAIをビジターネットワークで補完するための処理の一例を示す図である。
【0430】
UE10は、Allowed NSSAI(第1のAllowed NSSAI)に含まれる1つの第3のS-NSSAIを利用するためにホームネットワーク内にセッションを確立する。ここで、第3のS-NSSAIは、2つ以上の5QIをサポートするネットワークスライスを識別する情報である。
【0431】
ホームネットワークのH-SMF306-1は、H-UPF330-1からQoSモニタリング結果を受信する(ステップS1001)。H-SMF306-1は、第3のS-NSSAIをサポートする2つ以上の5QIの中で、サポートできない第1の5QIを特定する(ステップS1002)。ここで、サポートできない第1の5QIは、アクセス制御によって利用が制限された5QIである。
【0432】
ホームネットワークのH-SMF306-1は、コネクテッドモード(Connected Mode)のUE10との間に確立されているセッションを介したサービスを継続するために、ホームネットワークの第3のS-NSSAIをビジターネットワークで補完することを決定する(ステップS1003)。
【0433】
H-SMF306-1は、第1の5QIを指定して第3のS-NSSAIをビジターネットワークで補完することをH-NSSF304-1に要求する(ステップS1004)。
【0434】
要求を受信したH-NSSF304-1は、ビジターネットワーク向けのConfigured NSSAIに含まれる第2のS-NSSAIの中から、指定された第1の5QIをサポートする第4のS-NSSAIを特定する(ステップS1005)。
【0435】
ここで、H-NSSF304-1は、UE10に対して複数のビジターネットワークの候補が存在する場合には、さらに、UE10の位置とビジターネットワークのAoSに基づいて、ビジターネットワークの候補を絞り込むようにしてもよい。H-NSSF304-1は、H-LMF311-1に問い合わせてUE10の位置に係る情報を取得することができる。
【0436】
H-SMF306-1は、問い合わせに対する応答として、H-NSSF304-1から特定したビジターネットワークの第4のS-NSSAIに係る情報を取得する。H-SMF306-1は、ビジターネットワークの第4のS-NSSAIをサポートするセル測定のための設定をH-RAN20-1に指示する(ステップS1006)。
【0437】
例えば、このH-RAN20-1への指示は、補完するビジターネットワークのネットワークスライス(第4のS-NSSAI)に対応するRFSP(RAT/Frequency Selection Priority)インデックスを介して行われ得る。
【0438】
ここで、補完するビジターネットワークのネットワークスライスに対応するRFSPは、ビジターネットワークのネットワークスライスをサポートするキャリア周波数の候補をデュアルコネクティビティのSN(Secondary Node)として選択することが考慮されている。
【0439】
H-AMF301-1は、H-SMF306-1からの指示に従って、第1のRFSPインデックス、及び、第2のRFSPインデックスを取得するようにしてもよい。
【0440】
第1のRFSPインデックスは、ホームネットワークのネットワークスライス(第3のS-NSSAI)をサポートするキャリア周波数の候補をデュアルコネクティビティのMN(Master Node)として選択するためのインデックスである。
【0441】
第2のRFSPインデックスは、ビジターネットワークのネットワークスライスをサポートするキャリア周波数の候補をデュアルコネクティビティのSNとして選択するためのインデックスである。
【0442】
或いは、H-AMF301-1は、ビジターネットワークとのデュアルコネクティビティを考慮した1つのRFSPインデックスを取得するようにしてもよい。
【0443】
H-RAN20-1は、ビジターネットワークの第4のS-NSSAIをサポートするセル測定をUE10に設定する(ステップS1007)。例えば、H-RAN20-1は、RRCReconfigurationメッセージを使って、ビジターネットワークの第4のS-NSSAIをサポートするセルをデュアルコネクティビティのSNとして特定するための測定と測定結果の報告に必要な設定を行う。
【0444】
ここで、複数のビジターネットワークの候補が存在する場合、H-RAN20-1は、ビジターネットワークの相対的な優先度をUE10に設定するようにしてもよい。さらに、第4のS-NSSAIに対して複数のキャリア周波数の候補が存在する場合、H-RAN20-1は、キャリア周波数の相対的な優先度をUE10に設定するようにしてもよい。
【0445】
UE10は、より優先度の高いビジターネットワークから測定を開始する。また、UE10は、各ビジターネットワークに対してより優先度の高いキャリア周波数から順次測定を行う。そして、測定結果の報告の条件を満たした場合に、UE10は測定結果をH-RAN20-1に送信する。
【0446】
H-RAN20-1は、UE10から受信したビジターネットワークのセルの測定結果に基づいて第4のS-NSSAIをサポートするセルとしてV-RAN20ー2を特定し、特定したセル(V-RAN20-2)をSNとして追加することを決定する(ステップS1008)。
【0447】
H-RAN20-1は、SNとして追加するセルを指定して、RRCConnectionReconfigurationメッセージを使って、デュアルコネクティビティのセルの追加の処理の実行をUE10に指示する(ステップS1009)。
【0448】
UE10は、RRCConnectionReconfigurationメッセージを受信する。UE10は、デュアルコネクティビティのセルの追加の指示に従って、指定されたセル(V-RAN20ー2)に対してRandom Access procedureを実行する(ステップS1010)。UE10は、H-RAN20-1をMN、V-RAN20-2をSNとするデュアルコネクティビティによる接続を確立して処理を終了する。
【0449】
通信システムは、以上の処理に従ってセッションを更新して、図17、又は図18に示したアーキテクチャに基づいたセッションを確立することができる。
【0450】
UE10は、MNであるH-RAN20-1を介して、第3のS-NSSAIがサポートする5QI(第1の5QI以外の5QI)が割り当てられたQoSフローを送信、又は受信する。UE10は、SNであるV-RAN20-2を介して、第1の5QIが割り当てられたQoSフローを送信、又は受信する。
【0451】
上記では、ステップS1004において、H-SMF306-1が第1の5QIを指定して第3のS-NSSAIをビジターネットワークで補完することをH-NSSF304-1に要求する例を示したが、本技術はこの例に限定されない。
【0452】
例えば、ステップS1002において、H-SMF306-1が、第3のS-NSSAIをサポートする2つ以上の5QIの中でサポートできない第1の5QIを特定すると、第3のS-NSSAIをサポートできないことをH-NSSF304-1に通知するようにしてもよい。
【0453】
この場合、H-NSSF304-1は補完するビジターネットワークの第4のS-NSSAIを特定する。Nnssf_NSSAIAvailability_UpdateサービスにH-AMF301-1が登録(Subscribe)されていれば、H-NSSF304-1は、特定したビジターネットワークの第4のS-NSSAIに係る情報をH-AMF301-1に提供する。特定したビジターネットワークの第4のS-NSSAIに係る情報は、Alternative S-NSSAI、及びその支援/補足情報として提供される。
【0454】
なお、Nnssf_NSSAIAvailability_Updateサービスは、H-NSSF304-1が提供するサービスである。H-NSSF304-1は、Nnssf_NSSAIAvailability_Updateサービスの通知(Notify)を利用して特定したビジターネットワークの第4のS-NSSAIに係る情報をH-AMF301-1に提供する。
【0455】
つまり、H-NSSF304-1は、ホームネットワークの第3のS-NSSAIをビジターネットワークの第4のS-NSSAIで補完するために必要な情報、及び通知をH-AMF301-1に送信する。
【0456】
また、上述の実施例で示した5QIは、異なる特徴のQoSフローを識別するための指標の一例であり、第5世代移動通信システムに限定されるわけではない。つまり、第4世代移動通信システム以前、又は第6世代移動通信システム以降の同等の指標に適用し得る。
【0457】
<<6.その他の実施形態>>
上述の実施形態は一例を示したものであり、種々の変更および応用が可能である。
【0458】
各実施形態の端末装置10、基地局20、または、情報処理装置300を制御する制御装置は、専用のコンピュータシステムにより実現してもよいし、汎用のコンピュータシステムによって実現してもよい。
【0459】
例えば、上述の動作を実行するための通信プログラムを、光ディスク、半導体メモリ、磁気テープ、フレキシブルディスク等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布する。そして、例えば、該プログラムをコンピュータにインストールし、上述の処理を実行することによって制御装置を構成する。このとき、制御装置は、端末装置10、基地局20、または、情報処理装置300の外部の装置(例えば、パーソナルコンピュータ)であってもよい。また、制御装置は、端末装置10、基地局20、または、情報処理装置300の内部の装置(例えば、制御部15、制御部24、または、制御部33)であってもよい。
【0460】
また、上記通信プログラムをインターネット等のネットワーク上のサーバ装置が備えるディスク装置に格納しておき、コンピュータにダウンロード等できるようにしてもよい。また、上述の機能を、OS(Operating System)とアプリケーションソフトとの協働により実現してもよい。この場合には、OS以外の部分を媒体に格納して配布してもよいし、OS以外の部分をサーバ装置に格納しておき、コンピュータにダウンロード等できるようにしてもよい。
【0461】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0462】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。なお、この分散・統合による構成は動的に行われてもよい。
【0463】
また、上述の実施形態は、処理内容を矛盾させない領域で適宜組み合わせることが可能である。また、上述の実施形態のシーケンス図等に示された各ステップは、適宜順序を変更することが可能である。
【0464】
また、例えば、本実施形態は、装置またはシステムを構成するあらゆる構成、例えば、システムLSI(Large Scale Integration)等としてのプロセッサ、複数のプロセッサ等を用いるモジュール、複数のモジュール等を用いるユニット、ユニットにさらにその他の機能を付加したセット等(すなわち、装置の一部の構成)として実施することもできる。
【0465】
なお、本実施形態において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、全ての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。従って、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、および、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
【0466】
また、例えば、本実施形態は、1つの機能を、ネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
【0467】
<<7.むすび>>
以上、本開示の各実施形態について説明したが、本開示の技術的範囲は、上述の各実施形態そのままに限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。また、異なる実施形態および変形例にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0468】
また、本明細書に記載された各実施形態における効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、他の効果があってもよい。
【0469】
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
ホームネットワークが提供する第1のネットワークスライスのうち端末装置が使用を要求可能な要求可能スライスがサポートする1以上の第1の通信品質に関する第1の品質情報を、前記ホームネットワークから取得し、
ビジターネットワークが提供する第2のネットワークスライスのうち、前記第1の通信品質に対応する第2の通信品質をサポートするサポートスライスを選択し、
前記ビジターネットワークが設定する設定スライスであって、選択した前記サポートスライスを含む前記設定スライスと、前記要求可能スライスと、の対応関係に関するマッピング情報を生成し、
前記設定スライスに関する設定スライス情報と、前記マッピング情報と、を前記端末装置に通知する、制御部、
を備える情報処理装置。
(2)
前記制御部は、前記端末装置からの要求に応じて前記設定スライス情報及び前記マッピング情報を通知する、(1)に記載の情報処理装置。
(3)
前記制御部は、
2以上の前記第1の通信品質をサポートするために、2以上の前記サポートスライスを選択し、
2以上の前記サポートスライスのセットと、前記要求可能スライスと、の対応関係に係る前記マッピング情報を生成する、
(1)又は(2)に記載の情報処理装置。
(4)
前記制御部は、
前記設定スライスに関する設定スライス情報に従って、前記ビジターネットワークへの登録処理、又は、再登録処理を実行するよう、前記端末装置に指示する、(1)~(3)のいずれか1つに記載の情報処理装置。
(5)
前記制御部は、
前記端末装置から、前記第2のネットワークスライスのうち、前記端末装置が使用を要求する要求スライスに関する要求スライス情報と、前記要求スライス、及び、前記要求可能スライスの対応関係に関する要求マッピング情報と、を受信し、
前記要求スライスのうち、前記ビジターネットワークに在圏する前記端末装置に対して使用を許可する許可スライスを選択し、
前記許可スライスに関する許可スライス情報を生成する、
(1)~(4)のいずれか1つに記載の情報処理装置。
(6)
前記制御部は、前記ビジターネットワークの前記端末装置に対する登録エリア内で、前記端末装置に対して使用を許可できない前記サポートスライスを拒否スライスに設定する、(5)に記載の情報処理装置。
(7)
前記制御部は、前記許可スライスに対して、使用するDNN(Data Network Name)を割り当てる、(5)又は(6)に記載の情報処理装置。
(8)
前記制御部は、
前記第1のネットワークスライスがTSC(Time Sensitive Communication) QoSフローをサポートするネットワークスライスである場合に、前記要求可能スライスに対応するQoS制御をサポートするためのQoSパラメータに係るパラメータ情報を、前記ホームネットワークから取得し、
前記ビジターネットワークが提供する前記第2のネットワークスライスのうち、前記QoSパラメータをサポートするサポートスライスを選択する、(1)~(7)のいずれか1つに記載の情報処理装置。
(9)
情報処理装置から、自身が在圏するビジターネットワークが提供する第2のネットワークスライスであって、前記ビジターネットワークが設定する設定スライス情報及びマッピング情報を取得する制御部、
を備え、
前記設定スライス情報は、前記第2のネットワークスライスのうち、第1の品質情報に対応する第2の通信品質をサポートするサポートスライスに関する情報を含み、
前記第1の品質情報は、ホームネットワークが提供する第1のネットワークスライスのうち、前記制御部が前記ホームネットワークでの使用を要求可能な要求可能スライスがサポートする1以上の第1の通信品質に関する情報を含み、
前記マッピング情報は、前記要求可能スライスと、前記サポートスライスと、の対応関係に関する情報を含む、
端末装置。
(10)
前記制御部は、前記設定スライス情報を有していない場合に、前記ビジターネットワークへの登録要求に先立って、前記ビジターネットワークの基地局を介して、前記設定スライス情報の更新及び取得の少なくとも一方を要求する、(9)に記載の端末装置。
(11)
前記制御部は、
前記要求可能スライスから、少なくとも1つの要求スライスを選択し、
前記設定スライス情報に含まれる前記サポートスライスのうち、選択した前記要求スライスに対応する前記サポートスライスを特定し、
特定した前記サポートスライスに関する情報を含む要求スライス情報を生成し、
前記要求スライス情報に含まれる前記サポートスライスと、選択した前記要求スライスと、の対応関係に関する要求マッピング情報を生成し、
前記ビジターネットワークへの登録要求であって、前記要求スライス情報及び前記要求マッピング情報を含む前記登録要求を、前記ビジターネットワークの基地局に送信する、
(9)又は(10)に記載の端末装置。
(12)
前記制御部は、前記登録要求の応答として、前記サポートスライスのうち、前記端末装置の使用が許可された許可スライスに関する許可スライス情報、及び、前記許可スライスに割り当てられたDNNに関するDNN情報を含む登録許可を受信する、(10)に記載の端末装置。
(13)
前記制御部は、1以上の前記許可スライスを識別する許可スライス識別情報、及び、1以上の前記許可スライスに割り当てられた前記DNNを含むセッション確立要求を、前記ビジターネットワークの前記基地局に送信する、(12)に記載の端末装置。
(14)
2以上の前記許可スライスに対して、それぞれ異なる前記DNNが割り当てられている場合、前記制御部は、一方の前記許可スライス、及び、対応する前記DNNを含む第1のセッション確立要求と、他方の前記許可スライス、及び、対応する前記DNNを含む第2のセッション確立要求と、を前記基地局に送信する、(13)に記載の端末装置。
(15)
2以上の前記許可スライスに対して、1つの前記DNNが割り当てられている場合、前記制御部は、2以上の前記許可スライス、対応する1つの前記DNN、及び、1つの前記DNNで2以上の前記許可スライスを1つのセッション内で処理する指示を含む前記セッション確立要求を前記基地局に送信する、(14)に記載の端末装置。
(16)
前記制御部は、要求スライス情報、補完マッピング情報、及び、補完要求を含む登録要求をホームネットワーク側情報処理装置に送信し、
前記要求スライス情報は、ホームネットワークが提供する第1のネットワークスライスのうち前記制御部が使用を要求する要求スライスに関し、
前記補完マッピング情報は、前記要求スライス、及び、ビジターネットワークが提供する第2のネットワークスライスのうち、前記要求スライスがサポートしうる1以上の第1の通信品質に対応する第2の通信品質をサポートするサポートスライスの対応関係に関し、
前記補完要求は、前記要求スライスを前記サポートスライスで補完することを要求し、
前記ホームネットワーク側情報処理装置は、
前記登録要求を受信すると、前記第1のネットワークスライスのうち前記端末装置が使用を要求可能な要求可能スライスに関する要求可能スライス情報を、前記ホームネットワークから取得し、
前記要求スライスがサポートしない前記第1の通信品質に対応する第3の通信品質を前記サポートスライスがサポートできる場合に、前記要求スライスを条件付き許可スライスに設定する、
(9)に記載の端末装置。
(17)
ホームネットワークが提供する第1のネットワークスライスのうち端末装置が使用を要求可能な要求可能スライスがサポートする1以上の第1の通信品質に関する第1の品質情報を、前記ホームネットワークから取得することと、
ビジターネットワークが提供する第2のネットワークスライスのうち、前記第1の品質情報に対応する第2の通信品質をサポートするサポートスライスを選択することと、
前記ビジターネットワークが設定する設定スライスであって、選択した前記サポートスライスを含む前記設定スライスと、前記要求可能スライスと、の対応関係に関するマッピング情報を生成することと、
前記設定スライスに関する設定スライス情報と、前記マッピング情報と、を前記端末装置に通知することと、
を含む情報処理方法。
(18)
マッピング情報、サポートスライス情報、及び、優先度情報を端末装置から受信する制御部を備え、
前記マッピング情報は、ホームネットワークで提供される第1のネットワークスライスのうち、前記端末装置の使用が許可された許可スライスと、ビジターネットワークが提供する第2のネットワークスライスのうち、前記許可スライスがサポートする第1の通信品質に対応する第2の通信品質をサポートするサポートスライスと、の対応関係に関し、
前記サポートスライス情報は、前記サポートスライスに関し、
前記優先度情報は、前記サポートスライスに対する周波数選択のための優先度に関し、
前記制御部は、前記優先度情報に従って、前記サポートスライスを提供するセルにリダイレクトするためのセル再選択に関するパラメータを前記端末装置に設定する、
基地局。
(19)
前記制御部は、
前記マッピング情報と、前記サポートスライスを含む一部許可スライスに関する一部許可スライス情報と、を含む登録許可メッセージを情報処理装置から受信し、
前記登録許可メッセージを前記端末装置に送信する、
(18)に記載の基地局。
(20)
要求スライス情報、マッピング情報、及び、補完要求を含む登録要求を端末装置から受信する制御部を備え、
前記要求スライス情報は、ホームネットワークが提供する第1のネットワークスライスのうち端末装置が使用を要求する要求スライスに関し、
前記マッピング情報は、前記要求スライス、及び、ビジターネットワークが提供する第2のネットワークスライスのうち、前記要求スライスがサポートしうる1以上の第1の通信品質に対応する第2の通信品質をサポートするサポートスライスの対応関係に関し、
前記補完要求は、前記要求スライスを前記サポートスライスで補完することを要求し、
前記制御部は、
前記登録要求を受信すると、前記第1のネットワークスライスのうち前記端末装置が使用を要求可能な要求可能スライスに関する要求可能スライス情報を、前記ホームネットワークから取得し、
前記要求スライスがサポートしない前記第1の通信品質に対応する第3の通信品質を前記サポートスライスがサポートできる場合に、前記要求スライスを条件付き許可スライスに設定する、
情報処理装置。
(21)
前記制御部は、前記条件付き許可スライスに関する情報を含む応答を前記端末装置に返信する、(20)に記載の情報処理装置。
(22)
前記制御部は、第3の通信品質を前記サポートスライスがサポートできない場合、前記要求スライスを拒否スライスに設定する、(20)又は(21)に記載の情報処理装置。
(23)
前記制御部は、
前記要求スライスに関する要求スライス情報、前記要求スライスと前記サポートスライスとの対応関係に関する前記マッピング情報、及び、前記補完要求を含むセッション確立要求を前記端末装置から受信し、
前記端末装置が前記第3の通信品質をサポートする前記サポートスライスのサービスエリア内に在圏する場合、前記要求スライスに対する第1のセッションを確立し、
前記第1のセッションのために、前記ホームネットワークに属するホーム基地局との間の第1の接続、及び、前記ビジターネットワークに属するビジター基地局との間の第2の接続を含むデュアルコネクティビティの確立を前記端末装置に指示する、
(20)に記載の情報処理装置。
(24)
前記制御部は、
前記要求スライスがサポートする前記第1の通信品質に対応する第1のQoSフローを前記第1の接続を介して送信、又は、受信し、
前記サポートスライスがサポートする前記第3の通信品質に対応する第2のQoSフローを前記第2の接続を介して送信、又は、受信する、
(23)に記載の情報処理装置。
(25)
前記制御部は、
前記ビジターネットワークに、Uplink Classifier、又は、Branching Pointの機能をサポートするユーザープレーン機能を選択させ、
前記ユーザープレーン機能を介したエッジアプリケーションサーバとの第3の接続に、前記第2の接続を接続させる、
(23)又は(24)に記載の情報処理装置。
(26)
前記第1のセッションは、1つのDNNと対応付けられ、
前記ホームネットワークは、1つの前記DNNに対して、前記第3の接続を識別するデータネットワークアクセス識別子を含む1以上のデータネットワークアクセス識別子を管理する、
(25)に記載の情報処理装置。
(27)
要求スライス情報、マッピング情報、及び、補完要求を含む登録要求を情報処理装置に送信する制御部を備え、
前記要求スライス情報は、ホームネットワークが提供する第1のネットワークスライスのうち前記制御部が使用を要求する要求スライスに関し、
前記マッピング情報は、前記要求スライス、及び、ビジターネットワークが提供する第2のネットワークスライスのうち、前記要求スライスがサポートしうる1以上の第1の通信品質に対応する第2の通信品質をサポートするサポートスライスの対応関係に関し、
前記補完要求は、前記要求スライスを前記サポートスライスで補完することを要求し、
前記情報処理装置は、
前記登録要求を受信すると、前記第1のネットワークスライスのうち前記制御部が使用を要求可能な要求可能スライスに関する要求可能スライス情報を、前記ホームネットワークから取得し、
前記要求スライスがサポートしない前記第1の通信品質に対応する第3の通信品質を前記サポートスライスがサポートできる場合に、前記要求スライスを条件付き許可スライスに設定する、
端末装置。
(28)
前記制御部は、前記情報処理装置から、前記条件付き許可スライスに関する情報、及び、前記条件付き許可スライスの条件に関する情報を取得する、(27)に記載の端末装置。
(29)
制御部は、前記条件が、前記第3の通信品質をサポートする前記サポートスライスのサービスエリア内で、前記要求スライスを、前記第3の通信品質をサポートする前記サポートスライスで補完することである場合であって、自身が前記サービスエリア内である場合、前記要求スライスに関する要求スライス情報、前記要求スライスと前記第3の通信品質をサポートする前記サポートスライスとの対応関係に関する前記マッピング情報、及び、前記補完要求を含むセッション確立要求を前記ホームネットワークに属するホーム基地局に送信する、(28)に記載の端末装置。
(30)
前記制御部は、
前記第3の通信品質をサポートする前記サポートスライスのサービスエリア内に在圏する場合、前記要求スライスに対する第1のセッションを確立し、
前記第1のセッションのために、前記ホームネットワークに属するホーム基地局との間の第1の接続、及び、前記ビジターネットワークに属するビジター基地局との間の第2の接続を含むデュアルコネクティビティを確立する、
(27)~(29)のいずれか1つに記載の端末装置。
(31)
前記制御部は、
前記要求スライスがサポートする前記第1の通信品質に対応する第1のQoSフローを前記第1の接続を介して送信、又は、受信し、
前記サポートスライスがサポートする前記第3の通信品質に対応する第2のQoSフローを前記第2の接続を介して送信、又は、受信する、
(30)に記載の端末装置。
(32)
要求スライス情報、マッピング情報、及び、補完要求を含む登録要求を端末装置から受信することを含み、
前記要求スライス情報は、ホームネットワークが提供する第1のネットワークスライスのうち端末装置が使用を要求する要求スライスに関し、
前記マッピング情報は、前記要求スライス、及び、ビジターネットワークが提供する第2のネットワークスライスのうち、前記要求スライスがサポートしうる1以上の第1の通信品質に対応する第2の通信品質をサポートするサポートスライスの対応関係に関し、
前記補完要求は、前記要求スライスを前記サポートスライスで補完することを要求し、
前記登録要求を受信すると、前記第1のネットワークスライスのうち前記端末装置が使用を要求可能な要求可能スライスに関する要求可能スライス情報を、前記ホームネットワークから取得し、
前記要求スライスがサポートしない前記第1の通信品質に対応する第3の通信品質を前記サポートスライスがサポートできる場合に、前記要求スライスを条件付き許可スライスに設定することを含む、
情報処理方法。
(33)
要求スライス情報、マッピング情報、及び、補完要求を含むセッション確立要求を端末装置から受信する制御部を備え、
前記要求スライス情報は、ホームネットワークが提供する第1のネットワークスライスのうち前記端末装置が使用を要求する要求スライスに関し、
前記マッピング情報は、前記要求スライス、及び、ビジターネットワークが提供する第2のネットワークスライスのうち、前記要求スライスがサポートしない第1の通信品質に対応する第2の通信品質をサポートするサポートスライスの対応関係に関し、
前記補完要求は、前記要求スライスを前記サポートスライスで補完することを要求し、
前記制御部は、
前記端末装置が前記第2の通信品質をサポートする前記サポートスライスのサービスエリア内に在圏する場合に確立した第1のセッションのために、前記ホームネットワークに属するホーム基地局との間の第1の接続を確立し、
前記ビジターネットワークに属するビジター基地局との間の第2の接続を確立するよう前記端末装置に要求する、
基地局。
(34)
前記制御部は、前記第1のセッションを識別する識別子と、前記第2の接続を含む前記ビジターネットワークを介したセッションを前記第1のセッションに追加する前記第1のセッションの更新要求と、を前記端末装置に通知する、(33)に記載の基地局。
(35)
ビジターネットワークに属するビジター基地局であって、
ホームネットワークに属するホーム基地局との間で第1の接続を確立した端末装置から第2の接続を確立する確立要求を受信する、制御部を備え、
前記端末装置は、要求スライス情報、マッピング情報、及び、補完要求を含むセッション確立要求を前記ホーム基地局に送信し、
前記要求スライス情報は、ホームネットワークが提供する第1のネットワークスライスのうち前記端末装置が使用を要求する要求スライスに関し、
前記マッピング情報は、前記要求スライス、及び、ビジターネットワークが提供する第2のネットワークスライスのうち、前記要求スライスがサポートしない第1の通信品質に対応する第2の通信品質をサポートするサポートスライスの対応関係に関し、
前記補完要求は、前記要求スライスを前記サポートスライスで補完することを要求し、
前記端末装置は、
前記端末装置が前記第2の通信品質をサポートする前記サポートスライスのサービスエリア内に在圏する場合に確立した第1のセッションのために、前記ホームネットワークに属するホーム基地局との間で前記第1の接続を確立する、
基地局。
(36)
前記制御部は、前記ホームネットワークのホーム情報処理装置から前記第2の接続を含む前記ビジターネットワークを介したセッションを追加する、前記第1のセッションの更新指示を受信する、(35)に記載の基地局。
(37)
前記第1のセッションの前記更新指示は、前記第1のセッションを識別する識別子を含む、(36)に記載の基地局。
(38)
前記制御部は、
前記第2の接続を介して送信又は受信されるQoSフローのリソースタイプがDelay-critical GBRである場合、前記ビジターネットワークのビジター情報処理装置からエッジアプリケーションサーバとの接続を識別するデータネットワークアクセス識別子を取得し、
前記第2の接続と、前記データネットワークアクセス識別子に対応する第3の接続と、をマッピングする、
(36)又は(37)に記載の基地局。
(39)
要求スライス情報は、ホームネットワークが提供する第1のネットワークスライスのうち端末装置が使用を要求する要求スライスに関する要求スライス情報を含むセッション確立要求を前記端末装置から受信し、
前記要求スライスに対する第1のセッションを前記端末装置との間に確立し、
前記第1のセッションにおいて、前記要求スライスで要求される2以上のQoSフローのうち、サポートできない第1のQoSフローと特定し、
ビジターネットワークが提供する第2のネットワークスライスであって、設定可能な設定可能スライスの中から、前記第1のQoSフローに対応する第2のQoSフローをサポートするサポートスライスを特定し、
前記第1のセッションを前記サポートスライスで補完することを決定する、制御部、
を備える情報処理装置。
(40)
前記制御部は、前記端末装置が接続する基地局に対して、前記サポートスライスをサポートするセル測定のための設定を指示する、(39)に記載の情報処理装置。
(41)
要求スライス情報は、ホームネットワークが提供する第1のネットワークスライスのうち端末装置が使用を要求する要求スライスに関する要求スライス情報を含むセッション確立要求を前記端末装置から受信し、
前記要求スライスに対する第1のセッションに属する前記端末装置との間の無線ベアラを確立し、
ビジターネットワークが提供する第2のネットワークスライスであって、前記要求スライスで要求される2以上のQoSフローのうち、サポートできない第1のQoSフローに対応する第2のQoSフローをサポートするサポートスライスをサポートするセル測定を、前記端末装置に設定する、制御部
を備える基地局。
(42)
前記制御部は、前記端末装置から前記セル測定の結果を取得する、(41)に記載の基地局。
(43)
前記制御部は、前記セル測定の結果に従い、デュアルコネクティビティのために接続設定を変更するよう前記端末装置に指示する、(41)又は(42)に記載の基地局。
(44)
前記制御部は、前記要求スライスで要求される2以上のQoSフローのうち、前記第1のQoSフロー以外のQoSフローに関する情報を、前記端末装置から受信、又は、前記端末装置に送信する、(41)~(43)のいずれか1つに記載の基地局。
【符号の説明】
【0470】
10 端末装置
11,21,31 通信部
12,22,32 記憶部
13,23 ネットワーク通信部
14 入出力部
15,24,33 制御部
20 基地局
111,211 受信処理部
112,212 送信処理部
113,213,214 アンテナ
211a 無線受信部
211b 多重分離部
211c 復調部
211d 復号部
212a 符号化部
212b 変調部
212c 多重部
212d 無線送信部
300 情報処理装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19