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特開2024-179270泡状の毛髪又は頭飾製品用繊維処理剤組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179270
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】泡状の毛髪又は頭飾製品用繊維処理剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/02 20060101AFI20241219BHJP
   A61K 8/31 20060101ALI20241219BHJP
   A61K 8/89 20060101ALI20241219BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
A61K8/02
A61K8/31
A61K8/89
A61Q5/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097983
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000000918
【氏名又は名称】花王株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002620
【氏名又は名称】弁理士法人大谷特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀江 優
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA122
4C083AC012
4C083AC302
4C083AC352
4C083AC422
4C083AD021
4C083AD022
4C083AD151
4C083AD152
4C083AD161
4C083AD162
4C083BB13
4C083BB14
4C083CC31
4C083CC32
4C083DD08
4C083DD23
4C083DD28
4C083DD30
4C083EE03
4C083EE05
4C083EE28
(57)【要約】
【課題】手で毛髪又は繊維に塗布した後の手残り感のなさ、絡んだ毛髪又は繊維の指通りのよさ、並びに、乱れた毛髪又は繊維のまとまりのよさを発現し得る、泡状の毛髪又は頭飾製品用繊維処理剤組成物を提供する。
【解決手段】(A)揮発性炭化水素、及び(B)非架橋型シリコーンを含有する液状処理剤組成物を泡状に吐出したものであり、前記液状処理剤組成物の吐出形式が、ノンエアゾール形式、又は、液化ガスを含む噴射剤を用いたエアゾール形式である、泡状の毛髪又は頭飾製品用繊維処理剤組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
泡状の毛髪又は頭飾製品用繊維処理剤組成物であって、
前記泡状処理剤組成物は、(A)揮発性炭化水素、及び(B)非架橋型シリコーンを含有する液状処理剤組成物を泡状に吐出したものであり、
前記液状処理剤組成物の吐出形式が、ノンエアゾール形式、又は、液化ガスを含む噴射剤を用いたエアゾール形式である、泡状処理剤組成物。
【請求項2】
前記液状処理剤組成物中の前記成分(A)の含有量が30質量%以上である、請求項1に記載の泡状処理剤組成物。
【請求項3】
前記液状処理剤組成物中の水の含有量が15質量%以下である、請求項1又は2に記載の泡状処理剤組成物。
【請求項4】
前記成分(A)が直鎖状炭化水素及び分岐鎖状炭化水素からなる群から選ばれる1種以上を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の泡状処理剤組成物。
【請求項5】
前記成分(B)がポリジメチルシロキサン、ジメチコノール、ポリエーテル変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、フルオロアルキル変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、フェニル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン、ポリシロキサンベタイン、及びポリ(N-アシルアルキレンイミン)変性オルガノポリシロキサンからなる群から選ばれる1種以上を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の泡状処理剤組成物。
【請求項6】
前記液状処理剤組成物がさらに(C)前記成分(B)以外の不揮発性油を含有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の泡状処理剤組成物。
【請求項7】
前記成分(C)が25℃で液状である、請求項6に記載の泡状処理剤組成物。
【請求項8】
前記液状処理剤組成物の30℃における粘度が30mPa・s以下である、請求項1~7のいずれか1項に記載の泡状処理剤組成物。
【請求項9】
泡吐出型の毛髪又は頭飾製品用繊維処理剤であって、
前記泡吐出型処理剤は、(A)揮発性炭化水素、及び(B)非架橋型シリコーンを含有する液状処理剤組成物を泡吐出容器に収容してなり、
前記泡吐出容器が、ノンエアゾール形式の泡吐出容器、又は、液化ガスを含む噴射剤を用いたエアゾール形式の泡吐出容器である、泡吐出型処理剤。
【請求項10】
前記泡吐出容器が、ノンエアゾール形式の泡吐出容器である、請求項9に記載の泡吐出型処理剤。
【請求項11】
前記ノンエアゾール形式の泡吐出容器が、ポンプフォーマー容器、スクイズフォーマー容器又はトリガースプレー容器である、請求項10に記載の泡吐出型処理剤。
【請求項12】
請求項1~8のいずれか1項に記載の泡状処理剤組成物を毛髪又は頭飾製品用繊維に適用した後、該組成物を洗い流さずに乾燥させる工程を含む、毛髪又は頭飾製品用繊維の処理方法。
【請求項13】
多剤式の毛髪又は頭飾製品用繊維処理剤であって、
前記多剤式処理剤は、1種の液状組成物を1つの泡吐出容器に収容してなる構成を2以上備えるか、又は、2種以上の液状組成物を、内部に2以上の区画を備えた1つの泡吐出容器の該区画に各々収容してなるものであり、
前記多剤式処理剤の使用時に、すべての前記液状組成物を、泡状に吐出する前、泡状に吐出すると同時、又は泡状に吐出した後に混合して、泡状の毛髪又は頭飾製品用繊維処理剤組成物を調製して用いるものであり、
前記泡状の処理剤組成物は、(A)揮発性炭化水素、及び(B)非架橋型シリコーンを含有し、
前記泡吐出容器は、ノンエアゾール形式、又は、液化ガスを含む噴射剤を用いたエアゾール形式の泡吐出容器である、多剤式処理剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、泡状の毛髪又は頭飾製品用繊維処理剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ヘアオイル等の非水系毛髪化粧料は、毛髪に光沢や滑らかな感触を付与し、スタイリング性も向上させることができる。
低粘度のヘアオイルは毛髪適用時に均一に広がりやすい反面、使用時に垂れやすいという欠点がある。一方でヘアオイルを高粘度化すると、使用時の垂れやすさは改善されるが、毛髪への適用時に均一に広がり難くなり、毛髪への広がりやすさと垂れにくさとの両立が困難であった。
【0003】
そこで、泡吐出容器に収容し、泡状に吐出して用いる各種化粧料組成物が検討されている。泡状の毛髪化粧料組成物によれば、毛髪への広がりやすさと垂れにくさとを両立できると考えられる。
【0004】
泡状に吐出して用いられる非水系の化粧料組成物(泡状オイル)に関して、例えば特許文献1には、空気と混合することによって発泡でき、噴射剤を含まない発泡性透明組成物であって、水非混和性溶媒及びシロキサン樹脂発泡安定剤を含む組成物が、化粧品用途に使用できることが記載されている。
特許文献2には、所定の要件を満たす揮発性油剤、20℃で液状のシリコーン油、及び所定の2種のエステル化合物をそれぞれ所定量含む毛髪化粧料が、毛髪へなめらかさ、しっとり感、ツヤといったヘアトリートメント効果を付与するだけでなく、手に付着した際も乾燥が速く、手のべたつきが少ないことが開示されている。
特許文献3には、非水系組成物と、充填された前記非水系組成物を泡状に吐出する容器と、を有することを特徴とする毛髪用製品が、非水系組成物の感触を毛髪に付与でき、吐出される非水系組成物を泡状にするから、毛髪のねじり剛性率が低く抑えられ、毛髪の柔らかな感触を期待できる旨記載されている。
【0005】
また非特許文献1には、トリメチルシロキシケイ酸、イソドデカン等を含む泡状オイルが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2009/003946号
【特許文献2】特開2020-176079号公報
【特許文献3】特開2022-112142号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Dow“Foaming Oil Formulation 01914”、[online]、[2023年3月9日検索]、インターネット<URL:https://www.dow.com/documents/en-us/formulation/27/27-17/27-1799-01-air-oil-1914.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら上記文献に開示された技術では、毛髪又は頭飾製品用繊維(以下、頭飾製品用繊維を単に「繊維」ともいう)への適用時に広がりやすく、使用時に垂れにくく、手で毛髪又は繊維に塗布した後に手残り感がないことに加えて、毛髪又は繊維に適用した後には、毛髪又は繊維が絡んでも良好な指通りが得られ、さらに、毛髪又は繊維が乱れてもまとまりやすいという特性をすべて満たす泡状処理剤組成物は達成されていない。
本発明は、手で毛髪又は繊維に塗布した後の手残り感のなさ、絡んだ毛髪又は繊維の指通りのよさ、並びに、乱れた毛髪又は繊維のまとまりのよさを発現し得る、泡状の毛髪又は頭飾製品用繊維処理剤組成物に関する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者は、揮発性炭化水素、及び非架橋型シリコーンを含有する液状処理剤組成物を所定の形式で泡状に吐出した泡状処理剤組成物が、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち本発明は、下記に関する。
[1]泡状の毛髪又は頭飾製品用繊維処理剤組成物であって、
前記泡状処理剤組成物は、(A)揮発性炭化水素、及び(B)非架橋型シリコーンを含有する液状処理剤組成物を泡状に吐出したものであり、
前記液状処理剤組成物の吐出形式が、ノンエアゾール形式、又は、液化ガスを含む噴射剤を用いたエアゾール形式である、泡状処理剤組成物。
[2]泡吐出型の毛髪又は頭飾製品用繊維処理剤であって、
前記泡吐出型処理剤は、(A)揮発性炭化水素、及び(B)非架橋型シリコーンを含有する液状処理剤組成物を泡吐出容器に収容してなり、
前記泡吐出容器が、ノンエアゾール形式の泡吐出容器、又は、液化ガスを含む噴射剤を用いたエアゾール形式の泡吐出容器である、泡吐出型処理剤。
[3]上記[1]の泡状処理剤組成物を毛髪又は頭飾製品用繊維に適用した後、該組成物を洗い流さずに乾燥させる工程を含む、毛髪又は頭飾製品用繊維の処理方法。
[4]多剤式の毛髪又は頭飾製品用繊維処理剤であって、
前記多剤式処理剤は、1種の液状組成物を1つの泡吐出容器に収容してなる構成を2以上備えるか、又は、2種以上の液状組成物を、内部に2以上の区画を備えた1つの泡吐出容器の該区画に各々収容してなるものであり、
前記多剤式処理剤の使用時に、すべての前記液状組成物を、泡状に吐出する前、泡状に吐出すると同時、又は泡状に吐出した後に混合して、泡状の毛髪又は頭飾製品用繊維処理剤組成物を調製して用いるものであり、
前記泡状の処理剤組成物は、(A)揮発性炭化水素、及び(B)非架橋型シリコーンを含有し、
前記泡吐出容器は、ノンエアゾール形式、又は、液化ガスを含む噴射剤を用いたエアゾール形式の泡吐出容器である、多剤式処理剤。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、手で毛髪又は繊維に塗布した後の手残り感のなさ、絡んだ毛髪又は繊維の指通りのよさ、並びに、乱れた毛髪又は繊維のまとまりのよさを発現し得る、泡状の毛髪又は頭飾製品用繊維処理剤組成物を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[定義]
本明細書において「泡状の毛髪又は頭飾製品用繊維処理剤組成物」とは、液状の毛髪処理剤組成物を泡状に吐出して得られる泡状の毛髪処理剤組成物、又は、液状の頭飾製品用繊維処理剤組成物を泡状に吐出して得られる泡状の頭飾製品用繊維処理剤組成物を意味する。ここでいう「泡状」とは、好ましくは、実施例に記載の方法で評価される発泡倍率が2倍を超えるものをいう。
本明細書において、泡状の毛髪処理剤組成物と泡状の頭飾製品用繊維処理剤組成物とをまとめて「泡状処理剤組成物」ということがある。また、液状の毛髪処理剤組成物と液状の頭飾製品用繊維処理剤組成物とをまとめて「液状処理剤組成物」ということがある。
本明細書において、「毛髪」とは、主としてヒトの頭髪を意味するが、ヒトの頭部から切り離された毛髪も包含する。
本明細書において、「頭飾製品」とは、例えば、ヘアーウィッグ、かつら、ウィービング、ヘアーエクステンション、ブレードヘアー、ヘアーアクセサリー、ドールヘアー等を意味する。
本明細書において、「頭飾製品用繊維」とは、前記頭飾製品に用いられる繊維を意味する。
本明細書において「液状」とは、25℃において流動性を有することをいう。
本明細書において、液状処理剤組成物中の各成分の含有量は、泡状処理剤組成物中の各成分の含有量と同じであるとみなす。
また本明細書において「成分Xを含む」又は「成分Xを含有する」とは、「成分Xを配合してなる」ことをも意味する。
【0012】
[泡状の毛髪又は頭飾製品用繊維処理剤組成物(泡状処理剤組成物)]
本発明の泡状処理剤組成物は、(A)揮発性炭化水素、及び(B)非架橋型シリコーンを含有する液状処理剤組成物を泡状に吐出したものであり、前記液状処理剤組成物の吐出形式が、ノンエアゾール形式、又は、液化ガスを含む噴射剤を用いたエアゾール形式である。
本発明の泡状処理剤組成物は上記構成であることにより、毛髪又は繊維への広がりやすさ、使用時の垂れにくさに加え、手で毛髪又は繊維に塗布した後の手残り感のなさ、絡んだ毛髪又は繊維の指通りのよさ、並びに、乱れた毛髪又は繊維のまとまりのよさを発現し得る。
【0013】
本発明の泡状処理剤組成物が上記効果を奏する理由については定かではないが、以下のように推察される。
本発明の泡状処理剤組成物は、液状処理剤組成物を所定の吐出形式で泡状に吐出されたものである。これにより、該組成物は使用時には高い泡粘度を有するため垂れにくく、毛髪又は繊維への適用時には低粘度化して広がりやすくなり、さらに、手で毛髪又は繊維に塗布した後の手残り感も低減できると考えられる。
液状処理剤組成物は(A)揮発性炭化水素、及び(B)非架橋型シリコーンを含有する。成分(A)及び成分(B)は低表面張力成分であり、高い起泡性を発現する。よって液状処理剤組成物が成分(A)及び成分(B)を含有することで、泡状に吐出した際の発泡倍率が高くなり、毛髪又は繊維への広がりやすさ、使用時の垂れにくさが向上する。
成分(A)である炭化水素が揮発性であることで、手で毛髪又は繊維に塗布した後の手残り感も低減されると考えられる。なお本発明の泡状処理剤組成物において、不揮発性油に替えて成分(A)のような揮発性の油剤成分を配合した場合、通常は処理後の毛髪又は繊維の指通り、まとまりのよさが低下する傾向がある。しかしながら、本発明に用いる成分(B)であるシリコーンが非架橋型であると潤滑性が向上するので、毛髪又は繊維に適用した後に毛髪又は繊維が絡んだ際でも良好な指通りが得られ、並びに、乱れた毛髪又は繊維のまとまりのよさも発現できると考えられる。
なお、本発明の作用メカニズムは上記に限定されるものではない。
【0014】
〔毛髪又は頭飾製品用繊維〕
本発明の処理剤の適用対象は、毛髪又は頭飾製品用繊維である。これらの中でも、毛髪がより好ましい。
頭飾製品用繊維としては、天然由来繊維、合成繊維のいずれでもよいが、天然由来繊維が好ましい。天然由来繊維とは、天然の動植物から採取した繊維(人毛を除く)、又は蛋白質、多糖類等を原料として人工的に製造された繊維をいう。これらのうち、獣毛、又はケラチン、コラーゲン、カゼインのほか、大豆、落花生、トウモロコシ、絹等に由来する蛋白質などの蛋白質若しくは多糖類等を原料として人工的に製造された繊維が好ましく、ケラチン、コラーゲン、カゼイン、大豆蛋白質、落花生蛋白質、トウモロコシ蛋白質、絹蛋白質(例えば絹フィブロイン)等を原料とする再生蛋白質繊維がより好ましく、コラーゲンを原料とする再生コラーゲン繊維、絹フィブロインを原料とする再生絹繊維等の再生蛋白質繊維がより好ましく、再生コラーゲン繊維が更に好ましい。
再生コラーゲン繊維は、公知の技術で製造することができる。再生コラーゲン繊維の組成はコラーゲン100%である必要はなく、品質改良のための天然ポリマー、合成ポリマー、添加剤等が含まれていてもよい。更には、再生コラーゲン繊維は後加工又は後処理されたものであってもよい。再生コラーゲン繊維の形態としてはフィラメントが好ましい。フィラメントは一般にボビン巻きしたものや箱詰めした状態から取り出される。また、再生コラーゲン繊維の製造工程で乾燥工程から出てきたフィラメントを直接利用することもできる。
【0015】
合成繊維としては、合成樹脂を主成分として含む繊維が挙げられる。合成繊維の製造容易性の観点、及び、頭髪に近い風合いを得る観点から、該合成樹脂は、好ましくは熱可塑性樹脂であり、より好ましくはポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、及びモダアクリル樹脂(アクリロニトリルと塩化ビニルの共重合体)からなる群から選ばれる1種以上である。ここでいう「主成分」とは、合成繊維中の含有量が、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、よりさらに好ましくは80質量%以上、よりさらに好ましくは90質量%以上であって、100質量%以下の成分を意味する。
合成繊維は、上記合成樹脂以外に、本発明の効果を阻害しない範囲で、更に難燃剤、難燃助剤、光又は熱安定剤、蛍光剤、酸化防止剤、静電防止剤、紫外線吸収剤等の各種成分を含有することができる。
【0016】
<成分(A):揮発性炭化水素>
液状処理剤組成物及び泡状処理剤組成物(以下、これらを纏めて単に「処理剤組成物」ともいう)は、成分(A)として揮発性炭化水素を含有する。本明細書において揮発性炭化水素とは、25℃で液状であって、常圧(1013.25hPa)における沸点が260℃以下であり、25℃における蒸気圧が1.0×10-1Pa以上の炭化水素をいう。
【0017】
成分(A)の具体例としては、n-デカン、n-ウンデカン、n-ドデカン、n-トリデカン、n-テトラデカン等の直鎖状炭化水素;イソデカン、イソドデカン、イソヘキサデカン、水添ポリイソブテン等の分岐鎖状炭化水素;シクロデカン、シクロドデカン等の環状炭化水素が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。
上記の中でも、発泡倍率、泡粘度、毛髪又は繊維への広がりやすさ、使用時の垂れにくさ、手で毛髪又は繊維に塗布した後の手残り感のなさの向上の観点から、成分(A)は、好ましくは直鎖状炭化水素及び分岐鎖状炭化水素からなる群から選ばれる1種以上を含む。直鎖状炭化水素においては具体的にはn-ウンデカン、n-ドデカン、n-トリデカン、及びn-テトラデカンからなる群から選ばれる1種以上を含むことが好ましく、分岐鎖状炭化水素においては具体的にはイソドデカン、イソヘキサデカン、及び水添ポリイソブテンからなる群から選ばれる1種以上を含むことが好ましい。コスト低減の観点からは、成分(A)はより好ましくは分岐鎖状炭化水素を含み、さらに好ましくはイソドデカン、イソヘキサデカン、及び水添ポリイソブテンからなる群から選ばれる1種以上を含み、よりさらに好ましくは水添ポリイソブテンを含む。成分(A)中の分岐鎖状炭化水素、好ましくはイソドデカン、イソヘキサデカン、及び水添ポリイソブテンからなる群から選ばれる1種以上、より好ましくは水添ポリイソブテンの含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、よりさらに好ましくは80質量%以上、よりさらに好ましくは90質量%以上であって、100質量%以下である。
【0018】
<成分(B):非架橋型シリコーン>
処理剤組成物は、成分(B)として非架橋型シリコーンを含有する。本明細書において非架橋型シリコーンとは、SiO4/2で表されるQ単位を実質的に含まないシリコーンであり、「Q単位を実質的に含まないシリコーン」とは、シリコーン中のQ単位の含有量が1質量%以下、好ましくは0.1質量%以下であるシリコーンを意味する。非架橋型シリコーンに含まれないシリコーンとしては、トリメチルシロキシケイ酸及びその変性体が挙げられる。
【0019】
成分(B)の具体例としては、ポリジメチルシロキサン、ジメチコノール、ポリヒドロメチルシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、フルオロアルキル変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、フェニル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン、ポリシロキサンベタイン及びポリ(N-アシルアルキレンイミン)変性オルガノポリシロキサンが挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を用いることができる。
【0020】
成分(B)として用いられるポリジメチルシロキサンは、未変性のポリジメチルシロキサンを意味し、直鎖状ジメチルポリシロキサン及び環状ジメチルポリシロキサンからなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。これらの中でも、発泡倍率、泡粘度、毛髪又は繊維への広がりやすさ、使用時の垂れにくさ、絡んだ毛髪又は繊維の指通りのよさ、並びに、乱れた毛髪又は繊維のまとまりのよさの向上の観点から、成分(B)として用いられるポリジメチルシロキサンは、好ましくは直鎖状ジメチルポリシロキサンを含む。成分(B)中の直鎖状ジメチルポリシロキサンの含有量は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、よりさらに好ましくは80質量%以上、よりさらに好ましくは90質量%以上であって、100質量%以下である。
【0021】
成分(B)として用いられるポリジメチルシロキサンの粘度は、発泡倍率、泡粘度、毛髪又は繊維への広がりやすさ、使用時の垂れにくさ、手で毛髪又は繊維に塗布した後の手残り感のなさ、絡んだ毛髪又は繊維の指通りのよさ、並びに、乱れた毛髪又は繊維のまとまりのよさの向上の観点から、好ましくは5mm/s以上、より好ましくは6mm/s以上、さらに好ましくは10mm/s以上、さらに好ましくは20mm/s以上、さらに好ましくは30mm/s以上、さらに好ましくは50mm/s以上、さらに好ましくは100mm/s以上、よりさらに好ましくは500mm/s以上、よりさらに好ましくは1,000mm/s以上、よりさらに好ましくは1万mm/s以上、よりさらに好ましくは10万mm/s以上である。また、配合容易性の観点から、好ましくは5,000万mm/s以下、より好ましくは4,000万mm/s以下、さらに好ましくは3,000万mm/s以下、よりさらに好ましくは2,000万mm/s以下である。
上記粘度は、JIS Z8803:2011「液体の粘度測定方法」に基づき、25℃において測定した値である。例えば、細管粘度計、落球式粘度計、回転式粘度計、振動式粘度計から適切なものを選択して測定することができる。また、粘度計の常用測定範囲を超える場合には、下記の方法により、ポリジメチルシロキサンの希釈溶液から求めることができる。
1g/100mL濃度のポリジメチルシロキサンのトルエン溶液を調製し、下記数式(1)により比粘度ηsp(25℃)を求める。次に下記数式(2)に示すHugginsの関係式に代入し、固有粘度〔η〕を求める。さらに〔η〕を下記数式(3)に示すA.Kolorlovの式に代入し、分子量Mを求める。最後に、Mを下記数式(4)に示すA.J.Barryの式に代入し、ポリジメチルシロキサンの粘度ηを求めることができる(例えば、信越化学工業(株)、シリコーンオイルKF-96性能試験結果4.2参照)。
ηsp=(η/η0)-1 (1)
(但し、η0:トルエンの粘度、η:溶液の粘度)
ηsp=〔η〕+K’〔η〕2 (2)
(但し、K’:Huggins定数は、中牟田、日化、77588[1956]に記載のものを用いる。)
〔η〕=0.215×10-40.65 (3)
logη=1.00+0.0123M0.5(4)
【0022】
またジメチコノールは、ジメチルポリシロキサンの側鎖及び/末端にヒドロキシ基を導入した変性シリコーン(但し、カルビノール変性シリコーンを除く)である。なお、成分(B)として、ジメチルポリシロキサンとジメチコノールとの混合物を用いてもよい。
【0023】
ポリジメチルシロキサンの市販品としては、例えば、信越化学工業(株)製のKF-96シリーズ、KHSシリーズ、ダウ・東レ(株)製のSH200Cシリーズ、2-1184 Fluid、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製のSilsoft DML、Element14シリーズ(PDMS 5-JC、PDMS 10-JC、PDMS 20-JC)等が挙げられる。
ジメチコノールの市販品としては、例えば、信越化学工業(株)製のX-21-5847、X-21-5849等が挙げられる。
ジメチルポリシロキサン-ジメチコノール混合物の市販品としては、例えば、信越化学工業(株)製のシリコーン X-21-5613等が挙げられる。
【0024】
ポリヒドロメチルシロキサンは、ポリジメチルシロキサンの側鎖のメチル基の一部が水素原子に変換されたシリコーンであり、その市販品としては、例えば、信越化学工業(株)製のKF-99、KF-9901等が挙げられる。
【0025】
ポリエーテル変性シリコーンは、シリコーンの側鎖及び/又は末端にポリエーテル基を導入した変性シリコーンである。該ポリエーテル基としては、好ましくは、ポリエチレンオキシ基、ポリプロピレンオキシ基、及び、エチレンオキシ基(EO)とプロピレンオキシ基(PO)がブロック状又はランダムに付加したポリアルキレンオキシ基からなる群から選ばれる1種以上を含み、より好ましくはポリエチレンオキシ基を含み、さらに好ましくはポリエチレンオキシ基である。
ポリエーテル変性シリコーンとしては、シリコーン主鎖にポリエーテル基がグラフトした化合物、シリコーンとポリエーテル基がブロック状に結合した化合物等も用いることができる。
【0026】
ポリエーテル変性シリコーンの具体例としては、PEG-3ジメチコン、PEG-9ジメチコン、PEG-9メチルエーテルジメチコン、PEG-10ジメチコン、PEG-11メチルエーテルジメチコン、PEG-12ジメチコン、PEG/PPG-20/22ブチルエーテルジメチコン、PEG-32メチルエーテルジメチコン、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、セチルPEG/PPG-10/1ジメチコン、PEG/PPG-30/10ジメチコン、ジメチルシリコーンユニットとポリエーテルユニットが交互に共重合した直鎖状のポリエーテル変性シリコーン等が挙げられる。
ポリエーテル変性シリコーンの市販品としては、例えば、信越化学工業(株)製のKFシリーズ(KF-6004、KF-6011、KF-6012、KF-6013、KF-6015、KF-6016、KF-6017、KF-6028、KF-6038、KF-6043、KF-6048)、ダウ・東レ(株)製のDOWSILシリーズ(BY25-339、SH3775M、FZ-2203)等が挙げられる。
【0027】
カルボキシ変性シリコーンは、シリコーンの側鎖及び/又は末端にカルボキシ基を導入した変性シリコーンであり、好ましくはビス(カルボキシデシル)ジメチコンを含む。
カルボキシ変性シリコーンの市販品としては、ダウ・東レ(株)製のDOWSIL BY 16-880 Fluid、信越化学工業(株)製のX-22-162C、X-22-3701E、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製のSilForm INX フルイド(ビス(カルボキシデシル)ジメチコン)等が挙げられる。
【0028】
アミノ変性シリコーンは、シリコーンの側鎖及び/又は末端にアミノ基含有基を導入した変性シリコーンである。アミノ基含有基の種類としては、アミノプロピル基、N-(β-アミノエチル)イミノプロピル基等が挙げられる。
アミノ変性シリコーンの具体例としては、アミノエチルアミノプロピルシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体(アモジメチコン)、アミノプロピルジメチコン、ビス(アミノプロピル)ジメチコン、及びビス(セテアリル)アモジメチコンからなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。これらの中でも、アミノ変性シリコーンは、好ましくはアモジメチコン及びビス(セテアリル)アモジメチコンからなる群から選ばれる1種以上を含み、より好ましくはビス(セテアリル)アモジメチコンを含む。
【0029】
アミノ変性シリコーンの市販品としては、ダウ・東レ(株)製のDOWSILシリーズ(BY 16-275、BY 16-213、BY 16-849 Fluid、BY 16-853 U、BY 16-871、BY 16-879 B、BY 16-892、FZ-3705、FZ-3710 Fluid、FZ-3760、FZ-3785、SF 8417 Fluid)、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製のSILICONE XF42-C4570等が挙げられる。
【0030】
アルキル変性シリコーンは、シリコーンの側鎖及び/又は末端に、アルキル基又はアラルキル基を導入した変性シリコーンである。なお本明細書におけるアルキル変性シリコーンは、ポリエーテル基及びアミノ基を有さないシリコーンである。
上記アルキル基は、好ましくは炭素数12以上、より好ましくは炭素数18以上、さらに好ましくは炭素数22以上であって、36以下の長鎖アルキル基を含む。また、上記アラルキル基としては、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基等が挙げられる。
アルキル変性シリコーンの具体例としては、メチルフェニルシリコーン、アルキル(C26-28)ジメチコン等が挙げられる。
【0031】
アルキル変性シリコーンの市販品としては、ダウ・東レ(株)製のDOWSILシリーズ(580 WAX、BY 16-846 Fluid、BY 16-606、SF 8416 Fluid、SF 8419 Fluid、SF 8422 Fluid)、XIAMETERシリーズ(OFX-0203 Fluid、OFX-0230 Fluid)、旭化成ワッカーシリコーン(株)製のBELSILシリーズ(CM 7026 VP、CDM 3526 VP、SDM 5055 VP、W 3230)等が挙げられる。
【0032】
フルオロアルキル変性シリコーンは、シリコーンの側鎖及び/又は末端に、フルオロアルキル基を導入した変性シリコーンである。フルオロ変性シリコーンの市販品としては、ダウ・東レ(株)製のDOWSIL FSシリーズ(FS 1265 Fluid)等が挙げられる。
【0033】
カルビノール変性シリコーンは、シリコーンの側鎖及び/又は末端に、カルビノール基を導入した変性シリコーンである。カルビノール変性シリコーンの市販品としては、ダウ・東レ(株)製のDOWSILシリーズ(BY 16-201、FS 8427 Fluid、SF 8428 Fluid)等が挙げられる。
【0034】
フェニル変性シリコーンは、シリコーンの側鎖及び/又は末端に、Siに直結したフェニル基を導入した変性シリコーンである。フェニル変性シリコーンの市販品としては、ダウ・東レ(株)製のDOWSIL SHシリーズ(SH 510、SH 550、SH 710)等が挙げられる。
【0035】
ポリグリセリン変性シリコーンは、シリコーンの側鎖及び/又は末端にポリグリセリン鎖を導入した変性シリコーンであり、例えば、ポリグリセリル-3ジシロキサンジメチコン、ポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリルポリグリセリル-3ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ビス(ポリグリセリル-3オキシフェニルプロピル)ジメチコン等が挙げられる。
ポリグリセリン変性シリコーンの市販品としては、例えば、信越化学工業(株)製のKFシリーズ(KF-6100、KF-6104、KF-6106、KF-6105)、花王(株)製のソフケアGS-G(ビス(ポリグリセリル-3オキシフェニルプロピル)ジメチコン)等が挙げられる。
【0036】
高級脂肪酸エステル変性シリコーンは、シリコーンの側鎖及び/又は末端に、-OCOR(Rは炭素数7以上、好ましくは11以上の置換基を有していてもよい鎖状アルキル基である。)で表される基を導入した変性シリコーンである。高級脂肪酸エステル変性シリコーンの市販品としては、例えば、信越化学工業(株)製のX-22-715等が挙げられる。
【0037】
ポリシロキサンベタインは、シリコーンの側鎖及び/又は末端に、ベタイン基を導入した変性シリコーンである。ポリシロキサンベタインの市販品としては、例えば、Evonik社製のABIL B 9950等が挙げられる。
【0038】
ポリ(N-アシルアルキレンイミン)変性オルガノポリシロキサンとしては、ポリ(N-ホルミルエチレンイミン)オルガノポリシロキサン、ポリ(N-アセチルエチレンイミン)オルガノポリシロキサン、ポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)オルガノポリシロキサン等が挙げられ、好ましくは、INCI名:ポリシリコーン-9で表記されるポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)メチルシロキサンを含む。
【0039】
上記の中でも、発泡倍率、泡粘度、毛髪又は繊維への広がりやすさ、使用時の垂れにくさ、絡んだ毛髪又は繊維の指通りのよさ、並びに、乱れた毛髪又は繊維のまとまりのよさの向上の観点から、成分(B)は、好ましくはポリジメチルシロキサン、ジメチコノール、ポリエーテル変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、フルオロアルキル変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、フェニル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン、ポリシロキサンベタイン及びポリ(N-アシルアルキレンイミン)変性オルガノポリシロキサンからなる群から選ばれる1種以上を含み、より好ましくはポリジメチルシロキサン、ジメチコノール、ポリエーテル変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、フルオロアルキル変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、フェニル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン及びポリ(N-アシルアルキレンイミン)変性オルガノポリシロキサンからなる群から選ばれる1種以上を含み、さらに好ましくはポリジメチルシロキサン、ジメチコノール、ポリエーテル変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン及びポリ(N-アシルアルキレンイミン)変性オルガノポリシロキサンからなる群から選ばれる1種以上を含み、よりさらに好ましくはポリジメチルシロキサン、ジメチコノール、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ビス(カルボキシデシル)ジメチコン、ビス(セテアリル)アモジメチコン、アルキル(C26-28)ジメチコン、ビス(ポリグリセリル-3オキシフェニルプロピル)ジメチコン、及びポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)メチルシロキサン〔ポリシリコーン-9〕からなる群から選ばれる1種以上を含み、よりさらに好ましくはビス(ポリグリセリル-3オキシフェニルプロピル)ジメチコン及びポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)メチルシロキサン〔ポリシリコーン-9〕からなる群から選ばれる1種以上を含み、よりさらに好ましくはビス(ポリグリセリル-3オキシフェニルプロピル)ジメチコン及びポリ(N-プロピオニルエチレンイミン)メチルシロキサン〔ポリシリコーン-9〕からなる群から選ばれる1種以上である。
【0040】
なお、発泡倍率及び泡粘度の向上の観点から、本発明に用いる成分(A)の表面張力は、成分(B)の表面張力よりも高いことが好ましい。具体的には、成分(A)の表面張力と、成分(B)を成分(A)に溶かした溶液の表面張力との差が0mN/m超となることが好ましい。
さらに好ましくは、下記方法により算出される成分(A)の表面張力と、成分(B)を成分(A)に溶かした溶液の表面張力との差(静的表面張力の低下量)が、好ましくは0mN/m超であり、より好ましくは0.5mN/m以上、さらに好ましくは0.7mN/m以上、よりさらに好ましくは1.0mN/m以上、よりさらに好ましくは1.5mN/m以上、よりさらに好ましくは1.7mN/m以上、よりさらに好ましくは1.8mN/m以上、よりさらに好ましくは2.0mN/m以上である。
成分(B)を成分(A)に溶解させ、濃度が0.5質量%の溶液を調製する。次いで、該溶液及び成分(A)に対して、表面張力計(たとえば、KRUSS社製表面張力計「製品名:K100」)を用いて、Du Nouy法により1mm/minの速度でリングを引き上げ、25℃での静的表面張力をそれぞれ測定する。次いで、成分(A)単独の静的表面張力から該溶液の静的表面張力を差し引いた値を静的表面張力の低下量(mN/m)として算出する[(静的表面張力の低下量)=(成分(A)単独の静的表面張力)-(成分(B)の成分(A)溶液の静的表面張力)]。

上記静的表面張力の低下量の上限は特に限定されないが、例えば10.0mN/m以下であってもよく、7.0mN/m以下であってもよく、5.0mN/m以下であってもよく、3.5mN/m以下であってもよく、3.0mN/m以下であってもよい。
【0041】
<含有量>
処理剤組成物中の成分(A)の含有量は、発泡倍率、毛髪又は繊維への広がりやすさ、使用時の垂れにくさ、手で毛髪又は繊維に塗布した後の手残り感のなさの向上の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上、よりさらに好ましくは40質量%以上、よりさらに好ましくは50質量%以上、よりさらに好ましくは55質量%以上である。また、発泡倍率、毛髪又は繊維への広がりやすさ、及び使用時の垂れにくさの向上の観点から、好ましくは99.9質量%以下、より好ましくは99.5質量%以下、さらに好ましくは99質量%以下である。
【0042】
処理剤組成物中の成分(B)の含有量は、発泡倍率、毛髪又は繊維への広がりやすさ、及び使用時の垂れにくさの向上の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上である。また、発泡倍率、毛髪又は繊維への広がりやすさ、使用時の垂れにくさ、手で毛髪又は繊維に塗布した後の手残り感のなさの向上の観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下、よりさらに好ましくは20質量%以下である。
【0043】
処理剤組成物中の成分(A)及び成分(B)の合計含有量は、毛髪又は繊維への広がりやすさ、手で毛髪又は繊維に塗布した後の手残り感のなさ、絡んだ毛髪又は繊維の指通りのよさの向上の観点から、好ましくは30質量%以上、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上、よりさらに好ましくは60質量%以上であり、100質量%以下である。
【0044】
処理剤組成物中の成分(B)の含有量に対する成分(A)の含有量の質量比[(A)/(B)]は、発泡倍率、泡粘度、毛髪又は繊維への広がりやすさ、使用時の垂れにくさ、手で毛髪又は繊維に塗布した後の手残り感のなさ、絡んだ毛髪又は繊維の指通りのよさ、並びに、乱れた毛髪又は繊維のまとまりのよさの向上の観点から、好ましくは1.0以上、より好ましくは2.0以上、さらに好ましくは3.0以上、よりさらに好ましくは5.0以上、よりさらに好ましくは10以上、よりさらに好ましくは15以上、よりさらに好ましくは18以上であり、また、好ましくは100以下、より好ましくは80以下、さらに好ましくは70以下、よりさらに好ましくは60以下、よりさらに好ましくは55以下である。
【0045】
<成分(C):不揮発性油>
処理剤組成物は、発泡倍率、泡粘度、毛髪又は繊維への広がりやすさ、使用時の垂れにくさ、絡んだ毛髪又は繊維の指通りのよさ、並びに、乱れた毛髪又は繊維のまとまりのよさの向上の観点から、さらに成分(C)として、成分(B)以外の不揮発性油を含有することが好ましい。
本明細書において不揮発性油とは、常圧(1013.25hPa)における沸点が260℃超であり、25℃における蒸気圧が1.0×10-1Pa未満の油剤成分をいう。
発泡倍率、泡粘度、毛髪又は繊維への広がりやすさ、使用時の垂れにくさ、絡んだ毛髪又は繊維の指通りのよさ、乱れた毛髪又は繊維のまとまりのよさの向上の観点から、成分(C)は25℃で液状であることが好ましい。「液状」の定義は前記のとおりである。
【0046】
成分(C)としては、通常の化粧料に用いられる、不揮発性の、炭化水素油、植物油、動物油、エステル油、フッ素系油、高級アルコール、脂肪酸等が挙げられる。
【0047】
炭化水素油としては、成分(A)以外の炭化水素が挙げられ、具体的には流動パラフィン、流動イソパラフィン、ミネラルオイル、ポリブテン、ポリイソブテン、水添ポリイソブテン、水添ポリデセン、スクワラン、スクワレン、ペトロラタム、α-オレフィンオリゴマー、流動オゾケライト、プリスタン等の、直鎖又は分岐鎖状の不揮発性炭化水素が挙げられる。
【0048】
植物油としては、アボガド油、マカデミアナッツ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、小麦胚芽油、アマニ油、綿実油、大豆油、パーム油、ヤシ油、ヒマシ油、ホホバ油、ヒマワリ油、ツバキ油、トウモロコシ油、米胚芽油、米ヌカ油、マカデミア油、サフラワー油、くるみ油、けし油、ヒマワリ種子油、ブドウ種子油、あんず核油、かぼちゃ種子油、西洋すもも油、レモン油、茶実油、落花生油、アルガン油、シア脂油、カリテ油、アーモンド油、モモ核油、月見草油、ダイズ油、トウケイソウ油、ブラッククミン油、ルリジサ油、麻実油、ククイナッツ油、ローズヒップ油等が挙げられる。
動物油としては、液状ラノリン等が挙げられる。
【0049】
エステル油としては、前記植物油及び動物油以外の合成エステル油が挙げられ、具体的にはラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸イソアミル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸2-エチルヘキシル、イソステアリン酸イソプロピル、ネオペンタン酸イソデシル、2-エチルヘキサン酸セチル、2-エチルヘキサン酸ステアリル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸2-エチルヘキシル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸オレイル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、酢酸ラノリン、ヒマシ油脂肪酸メチル(リシノレイン酸メチル)、リシノレイン酸オクチルドデシル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、パルミチン酸エチルヘキシル、エチルヘキサン酸セチル、メトキシケイ皮酸オクチル、酢酸トコフェロール、炭酸プロピレン、リンゴ酸ジイソステアリル、ジカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、モノイソステアリン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸プロパンジオール、モノイソステアリン酸モノミリスチン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、ジ(カプリン酸/カプリル酸)プロパンジオール、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリエチルヘキサノイン、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、テトラエチルヘキサン酸ペンタエリスリット、テトライソステアリン酸ペンタエリスリトール、イソステアリン酸ポリグリセリル-2、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-2、トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2、テトライソステアリン酸ポリグリセリル-2、オクタカプリル酸ポリグリセリル-6、(イソステアリン酸/セバシン酸)ジトリメチロールプロパンオリゴエステル、トリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、イソステアリン酸トレハロースエステルズ、テトライソステアリン酸ジペンタエリスリチル、ペンタイソステアリン酸ジペンタエリスリチル、ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル、フィトステロール脂肪酸エステル、コレステロール脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、dl-α-トコフェロール、ニコチン酸dl-α-トコフェロール、安息香酸アルキル(アルキルの炭素数12~15)等が挙げられる。
【0050】
フッ素系油としては、フルオロポリエーテル等が挙げられる。
【0051】
高級アルコールとしては、好ましくは炭素数12以上32以下、より好ましくは炭素数18以上24以下の分岐アルコールが挙げられ、具体的にはイソステアリルアルコール、オクチルドデカノール、デシルテトラデカノール等が挙げられる。
【0052】
脂肪酸としては、好ましくは炭素数8以上32以下の、25℃で液状の脂肪酸が挙げられる。25℃で液状の脂肪酸としては、具体的には2-エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガデリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸等が挙げられる。
【0053】
成分(C)は、1種又は2種以上を用いることができる。
上記の中でも、発泡倍率、泡粘度、毛髪又は繊維への広がりやすさ、使用時の垂れにくさ、絡んだ毛髪又は繊維の指通りのよさ、並びに、乱れた毛髪又は繊維のまとまりのよさの向上の観点から、成分(C)は好ましくは炭化水素油、植物油、動物油、エステル油、高級アルコール、及び脂肪酸からなる群から選ばれる1種以上を含み、より好ましくは炭化水素油及びエステル油からなる群から選ばれる1種以上を含み、さらに好ましくはエステル油を含み、よりさらに好ましくはラウリン酸ヘキシル、ラウリン酸イソアミル、ラウリン酸イソステアリル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸デシル、ミリスチン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソセチル、ミリスチン酸イソステアリル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸2-エチルヘキシル、イソステアリン酸イソプロピル、ネオペンタン酸イソデシル、2-エチルヘキサン酸セチル、2-エチルヘキサン酸ステアリル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸2-エチルヘキシル、イソノナン酸イソデシル、イソノナン酸イソトリデシル、オレイン酸エチル、オレイン酸イソデシル、オレイン酸オレイル、リノール酸エチル、リノール酸イソプロピル、酢酸ラノリン、ヒマシ油脂肪酸メチル(リシノレイン酸メチル)、リシノレイン酸オクチルドデシル、パルミチン酸エチルヘキシル、エチルヘキサン酸セチル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、トリエチルヘキサノイン、及び安息香酸アルキル(アルキルの炭素数12~15)からなる群から選ばれる1種以上を含み、よりさらに好ましくはラウリン酸イソアミル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル、及びイソノナン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソデシル、及びトリエチルヘキサノインからなる群から選ばれる1種以上を含み、よりさらに好ましくはミリスチン酸イソプロピル、イソノナン酸イソノニル、及びトリエチルヘキサノインからなる群から選ばれる1種以上を含み、よりさらに好ましくはミリスチン酸イソプロピルを含む。
【0054】
処理剤組成物が成分(C)を含有する場合、該処理剤組成物中の成分(C)の含有量は、発泡倍率、泡粘度、毛髪又は繊維への広がりやすさ、使用時の垂れにくさ、絡んだ毛髪又は繊維の指通りのよさ、並びに、乱れた毛髪又は繊維のまとまりのよさの向上の観点から、好ましくは1質量%以上、より好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上、よりさらに好ましくは15質量%以上である。また、手で毛髪又は繊維に塗布した後の手残り感のなさの向上の観点から、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下、さらに好ましくは50質量%以下、よりさらに好ましくは40質量%以下である。
【0055】
処理剤組成物が成分(C)を含有する場合、該処理剤組成物中の成分(A)及び成分(B)の合計量に対する成分(C)の質量比[(C)/{(A)+(B)}]は、発泡倍率、泡粘度、毛髪又は繊維への広がりやすさ、使用時の垂れにくさ、絡んだ毛髪又は繊維の指通りのよさ、並びに、乱れた毛髪又は繊維のまとまりのよさの向上の観点から、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上、さらに好ましくは0.10以上、さらに好ましくは0.15以上、さらに好ましくは0.20以上である。また、乾燥後の毛髪又は繊維の指通りのよさの向上の観点から、好ましくは10以下、より好ましくは5.0以下、さらに好ましくは3.0以下、さらに好ましくは2.0以下、さらに好ましくは1.0以下である。
【0056】
<その他の成分>
処理剤組成物には、以上の成分のほか、通常毛髪化粧料に配合される成分を適宜含有させることができる。該成分としては、例えば、抗フケ剤;ビタミン剤;殺菌剤;抗炎症剤;防腐剤;キレート剤;保湿剤;染料、顔料等の着色剤;エキス類;パール化剤;香料;紫外線吸収剤;酸化防止剤;光触媒;シアバター;界面活性剤;ポリマー;有機酸等が挙げられる。
【0057】
光触媒としては、酸化チタン、酸化タングステン等の金属酸化物、8-ヒドロキシキノリン、7-シアノー2-ナフトール、8-キノリノールー1-オキシド等の芳香族ヒドロキシ化合物、その他、スルホン化ピレン化合物、オニウム塩、ジアゾメタン誘導体、ビススルホン誘導体、ジスルホノ誘導体、ニトロベンジルスルホネート誘導体、スルホン酸エステル誘導体、N-ヒドロキシイミドのスルホン酸エステル等が挙げられる。
【0058】
界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、アルキル第4級アンモニウム塩等が挙げられ、アニオン性界面活性剤としては、アルキルスルホン酸塩、アルキルカルボン酸塩、アルキルエーテルスルホン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩等が挙げられる。両性界面活性剤としては、イミダゾリン、カルボベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン、ヒドロキシスルホベタイン、アミドスルホベタイン等が挙げられる。ノニオン性界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等のエステル類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアルキルフェニルエーテル等のエーテル類等が挙げられる。
【0059】
有機酸は、毛髪処理剤組成物に用いる観点から、好ましくはジカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸、及び酸性アミノ酸からなる群から選ばれる1種以上を含み、より好ましくはヒドロキシカルボン酸を含む。ジカルボン酸は、好ましくはマレイン酸及びコハク酸からなる群から選ばれる1種以上を含み、ヒドロキシカルボン酸は、好ましくはグリコール酸、乳酸及びリンゴ酸からなる群から選ばれる1種以上を含む。酸性アミノ酸としては、好ましくはグルタミン酸を含む。
【0060】
処理剤組成物中の水の含有量は、発泡倍率、泡粘度、毛髪又は繊維への広がりやすさ、使用時の垂れにくさの向上の観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下、よりさらに好ましくは10質量%以下、よりさらに好ましくは5質量%以下、よりさらに好ましくは1質量%以下、よりさらに好ましくは0.1質量%以下、よりさらに好ましくは0.01質量%以下であり、実質的に含まないことが好ましい。本明細書において、「水を実質的に含まない」とは意図的に添加していないことを意味し、不純物として少量の水が存在することを排除するものではない。
【0061】
<粘度>
液状処理剤組成物の25℃における粘度は、発泡倍率及び泡粘度向上の観点、使用時の垂れにくさの向上の観点から、好ましくは0.1mPa・s以上、より好ましくは0.5mPa・s以上、さらに好ましくは1mPa・s以上、よりさらに好ましくは2mPa・s以上、よりさらに好ましくは3mPa・s以上である。また、発泡倍率及び泡粘度向上の観点、毛髪又は繊維への広がりやすさ、使用時の垂れにくさ、絡んだ毛髪又は繊維の指通りのよさ、並びに、乱れた毛髪又は繊維のまとまりのよさの向上の観点から、好ましくは50mPa・s以下、より好ましくは40mPa・s以下、さらに好ましくは30mPa・s以下、よりさらに好ましくは25mPa・s以下、よりさらに好ましくは20mPa・s以下、よりさらに好ましくは15mPa・s以下である。
液状処理剤組成物の粘度は、レオメーターを用いて、実施例に記載の方法で測定できる。
【0062】
<液状処理剤組成物の製造方法>
液状処理剤組成物の製造方法は特に限定されない。例えば、成分(A)及び成分(B)、並びに必要に応じて用いられるその他の成分を実施例に記載の方法で配合し、公知の撹拌装置等を用いて混合することにより製造できる。
【0063】
<吐出形式>
液状処理剤組成物の吐出形式は、ノンエアゾール形式、又は、液化ガスを含む噴射剤を用いたエアゾール形式である。これらのいずれかの吐出形式で液状処理剤組成物を泡状に吐出し、本発明の泡状処理剤組成物が得られる。
液状処理剤組成物のノンエアゾール形式による泡吐出は、ノンエアゾール形式の泡吐出容器を用いることにより、液化ガスを含む噴射剤を用いたエアゾール形式による泡吐出は、液化ガスを含む噴射剤を用いたエアゾール形式の泡吐出容器を用いることにより、それぞれ行うことができる。泡吐出容器については後述する。
【0064】
エアゾール形式において用いられる噴射剤は、発泡倍率及び泡粘度向上の観点、毛髪又は繊維への広がりやすさ、使用時の垂れにくさ、絡んだ毛髪又は繊維の指通りのよさ、並びに、乱れた毛髪又は繊維のまとまりのよさの向上の観点から、液化ガスを好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上、よりさらに好ましくは90質量%以上、100質量%以下の範囲で含有する。
【0065】
液状処理剤組成物の吐出形式がエアゾール形式である場合、液状処理剤組成物100質量部に対する噴射剤の量は、発泡倍率及び泡粘度向上の観点、毛髪又は繊維への広がりやすさ、使用時の垂れにくさ、絡んだ毛髪又は繊維の指通りのよさ、並びに、乱れた毛髪又は繊維のまとまりのよさの向上の観点から、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上、さらに好ましくは10質量部以上であり、また、好ましくは100質量部以下、より好ましくは90質量部以下、さらに好ましくは80質量部以下、よりさらに好ましくは70質量部以下、よりさらに好ましくは60質量部以下である。
【0066】
<泡粘度>
泡状処理剤組成物の25℃における泡粘度は、使用時の垂れにくさの観点から、好ましくは50mPa・s以上、より好ましくは100mPa・s以上、さらに好ましくは150mPa・s以上、よりさらに好ましくは200mPa・s以上、よりさらに好ましくは300mPa・s以上、よりさらに好ましくは500mPa・s以上である。また、毛髪又は繊維への広がりやすさの観点から、好ましくは5,000mPa・s以下、より好ましくは4,000mPa・s以下、さらに好ましくは3,000mPa・s以下、よりさらに好ましくは2,000mPa・s以下である。
泡状処理剤組成物の泡粘度は、B型粘度計を用いて、実施例に記載の方法で測定できる。
【0067】
<泡状処理剤組成物の種類(製品形態)>
泡状処理剤組成物の種類(製品形態)としては、毛髪又は頭飾製品用繊維処理用の、シャンプー、コンディショナー、トリートメント(洗い流さないタイプを含む)、パック、オイル等が挙げられる。これらの中でも、絡んだ毛髪又は繊維の指通りのよさ、並びに、乱れた毛髪又は繊維のまとまりのよさを有効に発現する観点から、泡状処理剤組成物は好ましくはコンディショナー、トリートメント、又はオイルであり、より好ましくはオイルである。
また泡状処理剤組成物は、毛髪又は繊維に適用した後、該組成物を洗い流さずに乾燥させて用いる、リーブオン型の組成物であることが好ましい。
【0068】
[泡吐出型の毛髪又は頭飾製品用繊維処理剤]
本発明の泡吐出型の毛髪又は頭飾製品用繊維処理剤(泡吐出型処理剤)は、(A)揮発性炭化水素、及び(B)非架橋型シリコーンを含有する液状処理剤組成物を泡吐出容器に収容してなり、前記泡吐出容器が、ノンエアゾール形式の泡吐出容器、又は、液化ガスを含む噴射剤を用いたエアゾール形式の泡吐出容器である。
泡吐出型処理剤に用いられる液状処理剤組成物については前記のとおりである。
【0069】
<泡吐出容器>
泡吐出容器としては、ノンエアゾール形式の泡吐出容器、又は、液化ガスを含む噴射剤を用いることが可能なエアゾール形式の泡吐出容器を用いることができる。これらの中でも、発泡倍率及び泡粘度向上の観点、毛髪又は繊維への広がりやすさ、使用時の垂れにくさ、絡んだ毛髪又は繊維の指通りのよさ、並びに、乱れた毛髪又は繊維のまとまりのよさの向上の観点、リサイクルのし易さの観点、及び噴射剤を使用しないため環境に優しいという観点から、ノンエアゾール形式の泡吐出容器が好ましい。
【0070】
ノンエアゾール形式の泡吐出容器としては、泡吐出機構を有する公知のポンプフォーマー容器、スクイズフォーマー容器、トリガースプレー容器、電動式泡立て器、蓄圧式ポンプフォーマー容器等を使用することができる。より具体的には、例えば、「食品と容器」(vol.35, No.10, p588-593(1994); vol.35, No.11, p624-627(1994); vol.36, No.3, p154-158(1995))に記載のポンプフォーマーE3タイプ、同F2タイプ(以上、大和製罐(株)製)、スクイズフォーマー(大和製罐(株)製)、電動泡立て器(パナソニック(株)製)、エアスプレーフォーマー(エアスプレーインターナショナル社製)等が挙げられる。
これらの中でも、ノンエアゾール形式の泡吐出容器としては、安価で使い勝手が良いことから、好ましくはポンプフォーマー容器、スクイズフォーマー容器又はトリガースプレー容器であり、より好ましくはポンプフォーマー容器又はスクイズフォーマー容器である。
【0071】
ポンプフォーマー容器又はスクイズフォーマー容器は、泡吐出機構として、少なくとも、液状処理剤組成物と空気とを混合する混合室と、ネット等の泡生成部材と、泡吐出口と、を有するものである。泡生成部材としては、目詰まりを起こした場合に、次回の吐出時に泡の流れによって、直ちに固化物を溶解して目詰まりを解消できるという点から薄肉のネットを有することが好ましい。該ネットのメッシュ数は、好ましくは50~300メッシュ、より好ましくは90~300メッシュである。ここでいうメッシュ数とは、1インチ当たりの目の数をいう。ネットの材質としては、ナイロン、ポリエステル等が挙げられる。
ノンエアゾール形式の泡吐出容器は、泡の安定性、経済性等の観点から、上記メッシュを好ましくは1枚以上、より好ましくは2枚以上配設されたものである。
【0072】
エアゾール形式の泡吐出容器としては、液状処理剤組成物を内部に収容し、且つ液化ガスを含む噴射剤を用いることが可能なエアゾール容器であれば特に制限されない。該エアゾール容器としては、金属製、プラスチック製等の公知の耐圧容器、並びに、耐圧容器の内部に内袋が収容された二重構造容器が挙げられる。二重構造容器においては、内袋に液状処理剤組成物を充填し、耐圧容器と内袋との間に噴射剤を充填することが好ましい。
【0073】
本発明の泡吐出型処理剤は、前記液状処理剤組成物を前記泡吐出容器に収容して得られる。エアゾール形式の泡吐出型処理剤は、例えば、エアゾール容器に液状処理剤組成物を収容してバルブを取り付け、次いでバルブ部分から噴射剤を充填することにより調製できる。
【0074】
本発明の泡吐出型処理剤から液状処理剤組成物を泡状に吐出することで、泡状処理剤組成物を得ることができる。
泡状処理剤組成物は、毛髪又は繊維に適用後、洗い流す方法で使用しても、洗い流さずに乾燥させる方法で使用してもよいが、毛髪又は繊維に適用後、洗い流さずに乾燥させる方法で使用することが、本発明の効果をより発揮するうえで好ましい。
【0075】
[毛髪又は頭飾製品用繊維の処理方法]
本発明は、前記泡状処理剤組成物を毛髪又は頭飾製品用繊維に適用した後、該組成物を洗い流さずに乾燥させる工程を含む、毛髪又は頭飾製品用繊維の処理方法を提供する。
泡状処理剤組成物を適用する毛髪又は繊維は、乾燥状態、湿潤状態のいずれでもよいが、アウトバスで使用する観点からは、乾燥状態の毛髪又は繊維であることが好ましい。乾燥状態の毛髪又は繊維とは、泡状処理剤組成物を適用する前に湯水で濡らす操作を行わなかった毛髪又は繊維を意味する。
泡状処理剤組成物がコンディショナー、トリートメント、又はオイルである場合は、好ましくは乾燥状態の毛髪又は繊維に対し、泡吐出容器から吐出された泡状処理剤組成物を塗布して馴染ませた後、該組成物を洗い流さずに乾燥させる方法が挙げられる。組成物の乾燥方法は、自然乾燥、又は、ドライヤー等を用いた強制乾燥によって乾燥させる。これらの乾燥方法は組み合わせてもよい。
【0076】
毛髪又は繊維に適用する泡状処理剤組成物の量は、毛髪又は繊維の質量に対する質量比(泡状処理剤組成物の質量/毛髪又は繊維の質量)で、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.02以上、さらに好ましくは0.03以上、よりさらに好ましくは0.05以上であり、そして、好ましくは0.6以下、より好ましくは0.5以下である。適用対象となる毛髪は、頭髪の少なくとも一部であればよい。また、適用対象となる頭飾製品用繊維は、頭飾製品中の繊維の少なくとも一部であればよい。
【0077】
[多剤式の毛髪又は頭飾製品用繊維処理剤(多剤式処理剤)]
本発明は、多剤式の毛髪又は頭飾製品用繊維処理剤であって、1種の液状組成物を1つの泡吐出容器に収容してなる構成を2以上備えるか、又は、2種以上の液状組成物を、内部に2以上の区画を備えた1つの泡吐出容器の該区画に各々収容してなるものであり、前記多剤式処理剤の使用時に、すべての前記液状組成物を、泡状に吐出する前、泡状に吐出すると同時、又は泡状に吐出した後に混合して、泡状の毛髪又は頭飾製品用繊維処理剤組成物を調製して用いるものであり、前記泡状の処理剤組成物は、(A)揮発性炭化水素、及び(B)非架橋型シリコーンを含有し、前記泡吐出容器は、ノンエアゾール形式、又は、液化ガスを含む噴射剤を用いたエアゾール形式の泡吐出容器である、多剤式処理剤を提供する。
多剤式処理剤における前記「液状組成物」は、多剤式処理剤に含まれるすべての液状組成物を仮想的に混合すると前記液状処理剤組成物となる組成物である。
泡状処理剤組成物及び泡吐出容器については、前記のとおりである。
【0078】
本発明の多剤式処理剤は、1種の液状組成物を1つの泡吐出容器に収容してなる構成を2以上備えるか、又は、2種以上の液状組成物を、内部に2以上の区画を備えた1つの泡吐出容器の該区画に各々収容してなる。多剤式処理剤の使用時には、該多剤式処理剤を構成するすべての液状組成物を、泡状に吐出する前、泡状に吐出すると同時、又は泡状に吐出した後に混合して、泡状処理剤組成物を調製する。多剤式処理剤に含まれるいずれかの液状組成物には(A)揮発性炭化水素、及び(B)非架橋型シリコーンが含有されており、得られる泡状処理剤組成物は、(A)揮発性炭化水素、及び(B)非架橋型シリコーンを含有する。
泡状処理剤組成物中の成分(A)、(B)の含有量及びその好適態様は、前記と同じである。
【0079】
泡状処理剤組成物は、前記液状組成物を泡状に吐出する前、又は泡状に吐出すると同時に混合して調製してもよく、前記液状組成物を泡状に吐出した後に混合して調製してもよい。
【実施例0080】
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。以下の実施例及び比較例において、「部」及び「%」は特記しない限り「質量部」及び「質量%」である。
なお、本実施例における各種測定及び評価は以下の方法により行った。
【0081】
<液状毛髪処理剤組成物の粘度>
レオメーターを用いて、下記条件にて液状毛髪処理剤組成物のせん断粘度(mPa・s)を測定した。
機器:MCR-301(Anton Paar社製)
治具:CP50-1(Diameter:50mm)
温度:25℃
せん断速度:500s-1
【0082】
<発泡倍率>
各例の泡吐出型毛髪処理剤から組成物を泡状に吐出して、得られた泡について下記方法で評価を行った。発泡倍率が高いほど、泡吐出性が高いことを意味する。なお、比較例2については液状毛髪処理剤組成物をそのまま評価に用いたため、発泡倍率は1.0倍とした。
(発泡倍率評価)
容量20mLの半球状プラスチック容器に、吐出した泡状毛髪処理剤組成物をすり切りまで入れ、泡の質量を計測し、以下の式より発泡倍率を算出した。
発泡倍率=20mL/泡の質量(g)×液状毛髪処理剤組成物の比重(g/mL)
【0083】
<泡粘度>
各例の泡吐出型毛髪処理剤(比較例2を除く)から泡状の組成物をビーカーに50mL吐出し、吐出20秒後にB型粘度計(東機産業(株)製、M2ローター使用)にセットして、25℃、回転数:6rpmにて泡粘度(mPa・s)を測定した。
【0084】
<評価用毛束の調製>
長さ20cm、根元の毛束幅30mm、総質量3.0gのコーカシアン毛の毛束を準備した。該毛束を、下記組成のプレーンシャンプーで洗浄した後、下記組成のプレーンリンスで処理した。ドライヤー(Panasonic製「EH NE23」、ターボ設定、温風)を用いて完全に乾燥させ、評価用毛束を得た。該評価用毛束を以下の評価に用いた。
【0085】
〔プレーンシャンプー組成〕*配合量は有効成分量である。
(質量%)
ポリオキシエチレン(2.0)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム
(*1) : 47.2
ラウリン酸ジエタノールアミド(*2) : 2.5
安息香酸ナトリウム : 1.1
塩化ナトリウム : 1.2
イオン交換水 : 86.6
合計 :100.0
(*1)花王(株)製「エマール227」(有効成分量 27質量%)として47.2質量%
(*2)アミノーンC-11S(花王(株)製)、有効成分量 100質量%
【0086】
〔プレーンリンス組成〕*配合量は有効成分量である。
(質量%)
ステアロキシプロピルトリモニウムクロリド(*3)
: 2.22
セタノール(*4) : 1.78
プロピレングリコール : 1.00
フェノキシエタノール : 0.30
イオン交換水 : 94.70
合計 :100.00
(*3)花王(株)製「コータミンE-80K」、有効成分量 45質量%
(*4)花王(株)製「カルコール6870」、有効成分量 100質量%
【0087】
<毛髪への広がりやすさ>
各例の泡吐出型毛髪処理剤から組成物0.15gを泡状に吐出し、手で前記評価用毛束に塗布した後、手ぐしを10回通して毛束全体に塗り広げた。この操作を行った際の、組成物の毛髪への広がりやすさを5名の専門パネリストによって下記5段階基準で評価し、合計点を10点満点に換算して表に示した。比較例2に関しては、液状毛髪処理剤組成物をそのまま評価に用いた。
(評価基準)
5:とても広がりやすい
4:広がりやすい
3:どちらともいえない
2:広がりにくい
1:とても広がりにくい
【0088】
<使用時の垂れにくさ>
各例の泡吐出型毛髪処理剤から組成物0.15gを泡状に吐出し、手で前記評価用毛束に塗布した後、手ぐしを10回通して毛束全体に塗り広げた。この操作を行った際の、組成物の手からの垂れにくさを5名の専門パネリストによって下記5段階基準で評価し、合計点を10点満点に換算して表に示した。比較例2に関しては、液状毛髪処理剤組成物をそのまま評価に用いた。
(評価基準)
5:とても垂れにくい
4:垂れにくい
3:どちらともいえない
2:垂れやすい
1:とても垂れやすい
【0089】
<塗布後の手残り感のなさ>
各例の泡吐出型毛髪処理剤から組成物0.15gを泡状に吐出し、手で前記評価用毛束に塗布した後、手ぐしを10回通して毛束全体に塗り広げた。この操作を行った際の、塗布後の手残り感のなさを5名の専門パネリストによって下記5段階基準で評価し、合計点を10点満点に換算して表に示した。比較例2に関しては、液状毛髪処理剤組成物をそのまま評価に用いた。
(評価基準)
5:手残り感がない
4:手残り感があまりない
3:どちらともいえない
2:手残り感が少しある
1:手残り感がとてもある
【0090】
<絡んだ髪の指通りのよさ>
各例の泡吐出型毛髪処理剤から組成物0.15gを泡状に吐出し、手で前記評価用毛束に塗布した後、手ぐしを10回通して毛束全体に塗り広げた。この毛束に、下方20cmの距離から上方に向けてドライヤー(Panasonic製「EH NE23」、ターボ設定、温風)で2分間送風し、毛髪を絡ませた。この状態の評価用毛束に手ぐしを10回通した時の指通りを5名の専門パネリストによって下記5段階基準で評価し、合計点を10点満点に換算して表に示した。比較例2に関しては、液状毛髪処理剤組成物をそのまま評価に用いた。
(評価基準)
5:指通りがとてもよい
4:指通りがよい
3:どちらともいえない
2:指通りが悪い
1:指通りがとても悪い
【0091】
<乱れた髪のまとまりのよさ>
各例の泡吐出型毛髪処理剤から組成物0.15gを泡状に吐出し、手で前記評価用毛束に塗布した後、手ぐしを10回通して毛束全体に塗り広げた。この毛束に、下方20cmの距離から上方に向けてドライヤー(Panasonic製「EH NE23」、ターボ設定、温風)で2分間送風し、毛髪の流れを乱れさせた。この状態の評価用毛束に手ぐしを3回通した時のまとまりのよさを5名の専門パネリストによって下記5段階基準で評価し、合計点を10点満点に換算して表に示した。比較例2に関しては、液状毛髪処理剤組成物をそのまま評価に用いた。
(評価基準)
5:まとまりがとてもよい
4:まとまりがよい
3:どちらともいえない
2:まとまりが悪い
1:まとまりがとても悪い
【0092】
実施例1~22、比較例1~3
(液状毛髪処理剤組成物の調製)
撹拌子を入れた200mLビーカーに、表中の各成分を所定量計量した。スリムスターラー(アズワン社製)を用いて、300rpmにて均一になるまで12時間以上撹拌混合し、液状毛髪処理剤組成物を得た。
(泡吐出型毛髪処理剤の作製)
比較例2以外の液状毛髪処理剤組成物100mLをノンエアゾール型の泡吐出容器(容量200mL、株式会社吉野工業所製、泡吐出機構を有するポンプフォーマーを具備する容器であり、泡形成部材として、メッシュ数90のネットを2枚備える。)に充填して、泡吐出型毛髪処理剤を作製した。
得られた液状毛髪処理剤組成物及び泡吐出型毛髪処理剤を用いて、前記評価を行った。結果を下表に示す。
【0093】
【表1】
【0094】
【表2】
【0095】
【表3】
【0096】
【表4】
【0097】
表中に記載の成分は下記である。なお表中に記載の配合量(質量%)は、各成分の有効成分量である。
*1:マルカゾールR(丸善石油化学(株)製)
*2:パールリーム3(日油(株)製)
*3:パールリーム4(日油(株)製)
*4:Permethyl 101A(Presperse Corporation製)
*5:テトラデカン(富士フイルム和光純薬(株)製)
*6:N-プロピオニルポリエチレンイミン・メチルポリシロキサン共重合体(特許第5743902号に記載の合成例12に記載の方法で製造したN-プロピオニルエチレンイミン・ジメチルシロキサン共重合体)
*7:ソフケアGS-G(花王(株)製、ビス(ポリグリセリル-3オキシフェニルプロピル)ジメチコン:99.7質量%)
*8:SilForm INX フルイド(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)
*9:SILICONE XF42-C4570(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)
*10:シリコーン KF-6028(信越化学工業(株)製)
*11:BELSIL CDM 3526 VP(旭化成ワッカーシリコーン(株)製)
*12:シリコーン X-21-5613(信越化学工業(株)製、ジメチコノール:20質量%)
*13:シリコーン X-21-5613由来のジメチコン
*14:シリコーン KHS-3(信越化学工業(株)製、ジメチコン)
*15:シリコーン KF-96A-50CS(信越化学工業(株)製)
*16:BELSIL TMS 803(旭化成ワッカーシリコーン(株)製)
*17:エキセパールIPM(花王(株)製)
*18:ソフケアGS-G由来の乳酸
【0098】
表より、本実施例の泡状毛髪処理剤組成物によれば、毛髪への広がりやすさ、使用時の垂れにくさが良好であることに加えて、手で毛髪に塗布した後の手残り感のなさ、毛髪に適用した後に毛髪が絡んだ際の指通りのよさ、並びに、乱れた毛髪のまとまりのよさを得ることができる。
【0099】
処方例1(洗い流さない泡状ヘアオイル)
下記組成の液状ヘアオイルを前記泡吐出容器から吐出し、泡状ヘアオイルを得た。配合量は有効成分量である。
(質量%)
(A)水添ポリイソブテン(*1) : 残 部
(B)ポリシリコーン-9(*2) : 1.5
(B)ジメチコン(*3) : 2.0
(C)イソノナン酸イソノニル(*4) : 20.0
合 計 :100.0
(*1)パールリーム3(日油(株)製)
(*2)N-プロピオニルポリエチレンイミン・メチルポリシロキサン共重合体(花王(株)製)
(*3)シリコーン KHS-3(信越化学工業(株)製、ジメチコン)
(*4)サラコス99(日清オイリオグループ(株)製)
【0100】
処方例2(洗い流さない泡状ヘアオイル)
下記組成の液状ヘアオイルを前記泡吐出容器から吐出し、泡状ヘアオイルを得た。配合量は有効成分量である。
(質量%)
(A)水添ポリイソブテン(*1) : 残 部
(A)イソドデカン(*2) : 1.6
(B)ポリシリコーン-9(*3) : 1.5
(B)ジメチコン(*4) : 0.4
(C)トリエチルヘキサノイン(*5) : 20.0
合 計 :100.0
(*1)パールリーム4(日油(株)製)
(*2)Silsoft B3020(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)由来のイソドデカン
(*3)N-プロピオニルポリエチレンイミン・メチルポリシロキサン共重合体(花王(株)製)
(*4)Silsoft B3020(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)由来のジメチコン
(*5)エキセパール TGO(花王(株)製)
【0101】
処方例3(洗い流さない泡状ヘアオイル)
下記組成の液状ヘアオイルを前記泡吐出容器から吐出し、泡状ヘアオイルを得た。配合量は有効成分量である。
(質量%)
(A)テトラデカン(*1) : 残 部
(B)ポリシリコーン-9(*2) : 3.0
合 計 :100.0
(*1)テトラデカン(富士フイルム和光純薬(株)製)
(*2)N-プロピオニルポリエチレンイミン・メチルポリシロキサン共重合体(花王(株)製)
【0102】
処方例4(洗い流さない泡状ヘアオイル)
下記組成の液状ヘアオイルを前記泡吐出容器から吐出し、泡状ヘアオイルを得た。配合量は有効成分量である。
(質量%)
(A)テトラデカン(*1) : 残 部
(B)ジメチコン(*2) : 2.0
合 計 :100.0
(*1)テトラデカン(富士フイルム和光純薬(株)製)
(*2)シリコーン KHS-3(信越化学工業(株)製、ジメチコン)
【0103】
処方例5(洗い流さない泡状ヘアオイル)
下記組成の液状ヘアオイルを前記泡吐出容器から吐出し、泡状ヘアオイルを得た。配合量は有効成分量である。
(質量%)
(A)テトラデカン(*1) : 残 部
(B)ビス(カルボキシデシル)ジメチコン(*2): 10.0
合 計 :100.0
(*1)テトラデカン(富士フイルム和光純薬(株)製)
(*2)SilForm INX フルイド(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)
【0104】
処方例6(洗い流さない泡状ヘアオイル)
下記組成の液状ヘアオイルを前記泡吐出容器から吐出し、泡状ヘアオイルを得た。配合量は有効成分量である。
(質量%)
(A)テトラデカン(*1) : 残 部
(B)ビス(セテアリル)アモジメチコン(*2) : 10.0
合 計 :100.0
(*1)テトラデカン(富士フイルム和光純薬(株)製)
(*2)SILICONE XF42-C4570(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)
【0105】
処方例7(洗い流さない泡状ヘアオイル)
下記組成の液状ヘアオイルを前記泡吐出容器から吐出し、泡状ヘアオイルを得た。配合量は有効成分量である。
(質量%)
(A)テトラデカン(*1) : 残 部
(B)PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン(*2)
: 10.0
合 計 :100.0
(*1)テトラデカン(富士フイルム和光純薬(株)製)
(*2)シリコーン KF-6028(信越化学工業(株)製)
【0106】
処方例8(洗い流さない泡状ヘアオイル)
下記組成の液状ヘアオイルを前記泡吐出容器から吐出し、泡状ヘアオイルを得た。配合量は有効成分量である。
(質量%)
(A)水添ポリイソブテン(*1) : 残 部
(A)イソドデカン(*2) : 1.6
(B)ポリシリコーン-9(*3) : 1.5
(B)ジメチコン(*4) : 0.4
(C)ミネラルオイル(*5) : 20.0
合 計 :100.0
(*1)パールリーム4(日油(株)製)
(*2)Silsoft B3020(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)由来のイソドデカン
(*3)N-プロピオニルポリエチレンイミン・メチルポリシロキサン共重合体(花王(株)製)
(*4)Silsoft B3020(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)由来のジメチコン
(*5)ハイコールK-230(カネダ(株)製)
【0107】
処方例9(洗い流さない泡状ヘアオイル)
下記組成の液状ヘアオイルを前記泡吐出容器から吐出し、泡状ヘアオイルを得た。配合量は有効成分量である。
(質量%)
(A)水添ポリイソブテン(*1) : 残 部
(A)イソドデカン(*2) : 1.6
(B)ポリシリコーン-9(*3) : 1.5
(B)ジメチコン(*4) : 0.4
(C)オリーブ果実油(*5) : 1.0
(C)ホホバ種子油(*6) : 1.0
合 計 :100.0
(*1)パールリーム4(日油(株)製)
(*2)Silsoft B3020(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)由来のイソドデカン
(*3)N-プロピオニルポリエチレンイミン・メチルポリシロキサン共重合体(花王(株)製)
(*4)Silsoft B3020(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)由来のジメチコン
(*5)クロピュア OL-LQ-(JP)(クローダジャパン(株)製)
(*6)クロピュア ホホバ(クローダジャパン(株)製)
【産業上の利用可能性】
【0108】
本発明によれば、手で毛髪又は繊維に塗布した後の手残り感のなさ、絡んだ毛髪又は繊維の指通りのよさ、並びに、乱れた毛髪又は繊維のまとまりのよさを発現し得る、泡状の毛髪又は頭飾製品用繊維処理剤組成物を提供できる。