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特開2024-179273搬送用具回転装置、段バラシ装置、段積み装置、および洗浄装置
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  • 特開-搬送用具回転装置、段バラシ装置、段積み装置、および洗浄装置 図1
  • 特開-搬送用具回転装置、段バラシ装置、段積み装置、および洗浄装置 図2
  • 特開-搬送用具回転装置、段バラシ装置、段積み装置、および洗浄装置 図3
  • 特開-搬送用具回転装置、段バラシ装置、段積み装置、および洗浄装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179273
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】搬送用具回転装置、段バラシ装置、段積み装置、および洗浄装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/14 20060101AFI20241219BHJP
   B65G 59/02 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
B65G47/14 V
B65G59/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023097986
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003643
【氏名又は名称】株式会社ダイフク
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】福井 健太
(72)【発明者】
【氏名】山本 橘花
【テーマコード(参考)】
3F030
3F080
【Fターム(参考)】
3F030AA04
3F030BA02
3F080AA23
3F080BA05
3F080BE06
3F080BF24
3F080CE03
3F080CG02
(57)【要約】
【課題】種々の搬送用具の回転操作における安定性を向上させる。
【解決手段】搬送用具回転装置(1)は、互いの間隔を変更可能な第1挟持部(31)および第2挟持部(32)により番重(2)の側面を挟持可能なチャックユニット(3)と、チャックユニットを水平な回転軸(42)の周りで回転させることで、第1挟持部および第2挟持部を開始位置から終了位置まで移動させる回転ユニット(4)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送用具を、前記搬送用具の底面に平行な仮想軸を軸として回転させる搬送用具回転装置であって、
互いの間隔を変更可能な第1挟持部および第2挟持部を備え、前記第1挟持部および前記第2挟持部により前記搬送用具の側面を挟持可能なチャックユニットと、
前記チャックユニットを水平な回転軸の周りで回転させることで、前記回転軸を中心とする同心円に沿って前記第1挟持部および前記第2挟持部を開始位置から終了位置まで移動させる回転ユニットと、を備える、搬送用具回転装置。
【請求項2】
請求項1に記載の搬送用具回転装置と、
段積みされた前記搬送用具が載置される、昇降動作可能な第1支持台とを備え、
前記第1支持台は、載置された前記搬送用具のうちで、最上段に位置する前記搬送用具を、前記開始位置において前記チャックユニットにより挟持される高さに移動させる、段バラシ装置。
【請求項3】
前記第1支持台は、載置された前記搬送用具のうちで、最上段に位置する前記搬送用具を前記チャックユニットが挟持した状態で、他の前記搬送用具を下降させ、
前記回転ユニットは、前記他の前記搬送用具を前記第1支持台が下降させた状態で、前記第1挟持部および前記第2挟持部を移動させる、請求項2に記載の段バラシ装置。
【請求項4】
請求項1に記載の搬送用具回転装置と、
前記搬送用具回転装置によって移動した前記搬送用具が載置される、昇降動作可能な第2支持台とを備え、
前記第2支持台は、載置された前記搬送用具のうちで、最上段に位置する前記搬送用具を、前記終了位置における前記第1挟持部および前記第2挟持部の高さよりも低くなるよう移動させ、
前記搬送用具回転装置は、前記終了位置において前記チャックユニットによる前記搬送用具の挟持を解除する、段積み装置。
【請求項5】
前記開始位置における前記第1挟持部および前記第2挟持部の高さは、前記回転軸の高さよりも低く、
前記終了位置における前記第1挟持部および前記第2挟持部の高さは、前記回転軸の高さよりも高い、請求項4に記載の段積み装置。
【請求項6】
請求項2または3に記載の段バラシ装置を備える、洗浄装置。
【請求項7】
請求項4または5に記載の段積み装置を備える、洗浄装置。
【請求項8】
請求項2または3に記載の段バラシ装置、および請求項4または5に記載の段積み装置を備える、洗浄装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、搬送用具回転装置、段バラシ装置、段積み装置、および洗浄装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、通い箱を洗浄する洗浄装置が開示されている。このような洗浄装置では、洗浄前、洗浄中、および洗浄後において通い箱の姿勢が変化するため、通い箱を回転させる機構を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-57634号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、洗浄後の通い箱を回転させる機構としての移載装置が開示されている。しかしながら、当該移載装置は、停止部に当接して停止した通い箱を回動させて下方に落下させるものである。このような回転機構は、回転時の安定性が低く、洗浄対象の形状によっては、回転操作に失敗する可能性がある。
【0005】
本発明の一態様は、通い箱などの容器を含む、種々の搬送用具の回転操作における安定性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る搬送用具回転装置は、搬送用具を、前記搬送用具の底面に平行な仮想軸を軸として回転させる搬送用具回転装置であって、互いの間隔を変更可能な第1挟持部および第2挟持部を備え、前記第1挟持部および前記第2挟持部により前記搬送用具の側面を挟持可能なチャックユニットと、前記チャックユニットを水平な回転軸の周りで回転させることで、前記回転軸を中心とする同心円に沿って前記第1挟持部および前記第2挟持部を開始位置から終了位置まで移動させる回転ユニットと、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、通い箱などの容器を含む、種々の搬送用具の回転操作における安定性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態1に係る洗浄装置の構成を示す図である。
図2図1に示す洗浄装置が備える段バラシ装置の動作を示す図である。
図3図1に示す洗浄装置が備える段積み装置の動作を示す図である。
図4】本発明の実施形態2に係る洗浄装置の、要部の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、図1図3を参照して詳細に説明する。図面において、地面(設置面)に直交する方向をZ軸方向とし、洗浄装置100における搬送用具の進行方向をX軸方向とする。Y軸方向は、Z軸およびX軸と直交する方向である。
【0010】
(洗浄装置)
図1は、本実施形態に係る洗浄装置100の構成を示す図である。図1に示すように、洗浄装置100は、洗浄機構200、コンベア9、段バラシ装置6、および段積み装置8を備える。
【0011】
洗浄装置100は、番重2(搬送用具)を洗浄する装置である。本実施形態では、番重2の構成は、当該番重2を段積みした状態において、段積みされた番重2同士が互いに嵌合するものを想定している。ただし、本開示に係る搬送用具は、番重2に限定されず、段積み可能な搬送用具であればよく、例えばパレット、またはいわゆる買い物かごなどであってよい。
【0012】
コンベア9は、番重2を搬送するものである。洗浄機構200は、コンベア9により搬送されている番重2に対して洗浄液を噴射するためのものである。これにより、番重2は、コンベア9により搬送される過程で洗浄される。
【0013】
コンベア9は、地面から0.9m~1mに配置されてよい。この場合、コンベア9のメンテナンス性を向上させることができる。ただしコンベア9の高さはこれに限られない。
【0014】
(段バラシ装置)
段バラシ装置6は、開口を上にして段積みされた番重2を分離させる装置である。段バラシ装置6は、搬送用具回転装置1と、第1支持台5とを備える。
【0015】
搬送用具回転装置1は、番重2を当該番重2の底面に平行な仮想軸41(図2の符号201参照)を軸として回転させる。仮想軸41は、後述する回転ユニット4が有する回転軸42の中心を通り、回転軸42に沿う仮想的なものである。搬送用具回転装置1は、チャックユニット3と、回転ユニット4と、を備える。
【0016】
チャックユニット3は、番重2を挟持する。具体的には、チャックユニット3は、互いの間隔を変更可能な第1挟持部31および第2挟持部32を備える。チャックユニット3は、第1挟持部31および第2挟持部32により番重2の側面を挟持可能なものである。本実施形態では、第1挟持部31および第2挟持部32は、板状であるため、番重2の側面を挟持しやすくすることができるが、番重2の側面を挟持可能であれば板状に限られない。また、図1に示す例では、第1挟持部31および第2挟持部32は、YZ平面に平行な番重2の側面を挟持している。しかし、第1挟持部31および第2挟持部32が挟持する番重2の側面は特に限定されず、例えばXZ平面に平行な番重2の側面であってもよい。
【0017】
チャックユニット3は、第1挟持部31および第2挟持部32が配される第1部材33、および、後述する回転軸42に接続される第2部材34を備える。本実施形態では、第1挟持部31および第2挟持部32は、互いに一体かつ略L字形状に形成されているが、これに限られない。
【0018】
本実施形態では、第1挟持部31は第1部材33に対して固定されており、第2挟持部32は第1部材33に対して移動可能である。チャックユニット3は、第1挟持部31に対して第2挟持部32が移動することにより、第1挟持部31および第2挟持部32の間隔を変更可能なように構成されている。これにより、第1挟持部31を移動させるための移動機構が不要となるため、チャックユニット3の機構を簡略化することができる。ただし、チャックユニット3は、第1挟持部31および第2挟持部32の両方が第1部材33に対して移動可能に構成されていてもよい。また、第2挟持部32が第1部材33に対して固定され、第1挟持部31が第1部材33に対して移動可能であってもよい。
【0019】
回転ユニット4は、チャックユニット3を回転軸42の周りで回転させることで、回転軸42を中心とする同心円に沿って第1挟持部31および第2挟持部32を開始位置から終了位置まで移動させる。ここで、回転軸42とは、回転ユニット4からY軸方向(紙面手前側)に延びている実在する軸を意味する。本実施形態において、回転軸42は水平である。回転ユニット4は、例えばサーボモータ、ステッピングモータにより回転軸42を回転させる。開始位置は、第1挟持部31および第2挟持部32が番重2の側面を挟持し、回転ユニット4が回転動作を行う前の番重2の位置を意味する。終了位置は、回転ユニット4が回転動作を行った後、第1挟持部31および第2挟持部32が番重2の側面を挟持している状態を開放する番重2の位置を意味する。
【0020】
第1支持台5は、段積みされた番重2が載置される台である。第1支持台5は、昇降動作可能である。第1支持台5は、載置された複数の番重2のうちで、最上段に位置する番重2を、開始位置においてチャックユニット3により挟持される高さに移動させる。これにより、搬送用具回転装置1をZ軸方向に昇降させずに、チャックユニット3により最上段に位置する番重2を挟持することができる。
【0021】
搬送用具回転装置1は、番重2が第1支持台5に載置された状態において、回転軸42が番重2の底面に平行となるように配置されている。本実施形態では、搬送用具回転装置1は、回転軸42がZ軸方向においてコンベア9と略同じ高さとなるように配置されている。これにより、回転軸42の周りでチャックユニット3を180度回転させることにより、番重2が開口を下にしてコンベア9に載置されるように番重2を移動させることができる。ただし、搬送用具回転装置1の配置はこれに限られない。
【0022】
第1支持台5は、載置された複数の番重2のうちで、最上段に位置する番重2をチャックユニット3が挟持した状態で、他の番重2を下降させる。これにより、複数の番重2同士が深く重なり合うように嵌合している場合であっても、最上段に位置する番重2の、他の番重2に対する嵌合状態を解除することができる。
【0023】
回転ユニット4は、他の番重2を第1支持台5が下降させた状態で、第1挟持部31および第2挟持部32を開始位置から終了位置まで移動させる。これにより、段積みされている番重2の嵌合状態を解いて、最上段に位置する番重2を安定して移動させることができる。
【0024】
なお、搬送用具の形状によっては、搬送用具が段積みされた状態において、複数の搬送用具同士の嵌合が、搬送用具回転装置1による搬送用具の回転を妨げない程度に浅い、または嵌合しない場合も考えられる。この場合には、第1支持台5は、最上段の搬送用具をチャックユニット3が挟持した状態で、他の搬送用具を下降させなくてもよい。
【0025】
(段積み装置)
段積み装置8は、コンベア9に載置された番重2を第2支持台7に段積みする装置である。段積み装置8は、搬送用具回転装置1と、第2支持台7とを備える。搬送用具回転装置1の構成は、前述の段バラシ装置6が備える搬送用具回転装置1の構成と同じである。
【0026】
第2支持台7は、搬送用具回転装置1によってコンベア9上を移動した番重2が載置される台である。第2支持台7は、昇降動作可能である。第2支持台7は、載置された番重2のうちで、最上段に位置する番重2を、第1挟持部31および第2挟持部32の、終了位置における高さよりも低くなるよう下降させる。搬送用具回転装置1は、第1挟持部31および第2挟持部32の移動の終了位置において、チャックユニット3による番重2の挟持を解除する。これにより、段積み装置8は、第2支持台7に番重2を段積みすることができる。本実施形態では、最上段に位置する番重2の開口を有する上面が、終了位置における番重2の底面よりも下側に位置するように、第2支持台7が昇降動作する。これにより、段積み装置8は、第2支持台7に番重2を安定的に段積みすることができる。
【0027】
(段バラシ装置の動作)
図2は、段バラシ装置6の動作を示す図である。図2の符号201は、第1支持台5をZ軸方向(紙面上側)に昇降させている状態を示す図である。図2の符号202は、開始位置において、第1支持台5をZ軸方向(紙面下側)に昇降させている状態を示す図である。図2の符号203は、チャックユニット3により挟持された番重2を回転させている状態を示す図である。図2の符号204は、番重2の終了位置を示す図である。
【0028】
図2の符号201に示すように、第1支持台5は、最上段に位置する番重2を、開始位置においてチャックユニット3により挟持される高さに移動させる。このとき、番重2は、X軸方向において第1挟持部31および第2挟持部32の間に位置しており、番重2の側面が第1挟持部31および第2挟持部32により挟持されていない。次に、第2挟持部32を第1挟持部31に対して相対移動させることにより、最上段に位置する番重2が挟持される。
【0029】
図2の符号202に示すように、第1支持台5は、チャックユニット3により挟持されている番重2以外の、他の番重2を下降させる。これにより、最上段に位置する番重2の、他の番重2に対する嵌合状態を解除することができる。そして、図2の符号203に示すように、回転ユニット4は、チャックユニット3により挟持されている番重2を、仮想軸41の周りで回転させる。そして、図2の符号204に示すように、番重2が仮想軸41の周りで180度回転されると、番重2の開口を有する上面がコンベア9に当接する。このとき、チャックユニット3が番重2の挟持を解除すれば、番重2をコンベア9に安定的に移動させることができる。
【0030】
以上のように、搬送用具回転装置1は、番重2の側面を挟持した状態の第1挟持部31および第2挟持部32を、回転ユニット4が開始位置から終了位置まで移動させる。第1挟持部31および第2挟持部32が終了位置に到達した時点で、番重2の回転は終了している。すなわち、番重2の回転操作の間、番重2が挟持された状態が維持される。このため、番重2の回転操作における安定性を向上させることができる。
【0031】
(段積み装置の動作)
図3は、段積み装置8の動作を示す図である。図3の符号301は、開始位置において番重2が第1挟持部31および第2挟持部32に挟持されている状態を示す図である。図3の符号302は、チャックユニット3により挟持された番重2を回転させている状態を示す図である。図3の符号303は、番重2の終了位置を示す図である。
【0032】
段積み装置8の動作の開始時には、チャックユニット3を、コンベア9により搬送される番重2と干渉しない位置まで移動させる。この状態で、番重2を、チャックユニット3の開始位置において挟持される位置まで、コンベア9により搬送し、チャックユニット3を開始位置へ移動させる。この状態で、第2挟持部32を第1挟持部31に対して相対移動させることにより、図3の符号301に示すように、コンベア9に載置された番重2が第1挟持部31および第2挟持部32により挟持される。図3の符号302に示すように、搬送用具回転装置1は、挟持した番重2を、仮想軸41の周りで180度回転させることにより、当該番重2を回転させる。
【0033】
図3の符号303に示すように、第2支持台7は、最上段に位置する番重2を、挟持した番重2の開口を有する上面の高さおよびコンベア9の高さが同じとなるように、終了位置における第1挟持部31および第2挟持部32の高さよりも低くなるよう移動させておく。これにより、図3の符号303に示すように、回転後の番重2が、第2支持台7上で最上段に位置していた番重2の上に段積みされる。そして、搬送用具回転装置1はチャックユニット3による番重2の挟持を解除する。これにより、挟持した番重2を、第2支持台7の最上段に位置する番重2に安定的に段積みすることができる。
【0034】
(洗浄装置の効果)
上述の通り、洗浄装置100は、段バラシ装置6を備える。これにより、番重2の回転操作における安定性を向上させつつ、第1支持台5に段積みされている番重2を、反転させつつ安定的にコンベア9に載置して洗浄機構200により洗浄することができる。
【0035】
また、洗浄装置100は、段積み装置8を備える。これにより、洗浄機構200により洗浄された番重2を、反転させつつ、安定的に第2支持台7に段積みすることができる。
【0036】
上述の通り、洗浄装置100は、段バラシ装置6と段積み装置8との両方を備える。これにより、番重2の回転操作における安定性を向上させつつ、第1支持台5に段積みされた番重2を洗浄機構により洗浄して、第2支持台7に段積みすることができる。さらに、段バラシ装置6と段積み装置8とを互いに同じ構成とすることができるため、これらを互いに異なる構成とする場合と比較して装置のコストを削減できる。
【0037】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0038】
図4は、実施形態2に係る洗浄装置100Aの、要部の構成を示す図である。洗浄装置100Aは、段積み装置8の代わりに段積み装置8Aを備える点で洗浄装置100と相違する。段積み装置8Aは、搬送用具回転装置1の代わりに搬送用具回転装置1Aを備える点で段積み装置8Aと相違する。図4の符号401は、第1挟持部31および第2挟持部32が開始位置に存在する状態における搬送用具回転装置1Aを示す側面図である。図4の符号402は、第1挟持部31および第2挟持部32が終了位置に存在する状態における搬送用具回転装置1Aを示す側面図である。図4の符号403は、第1挟持部31および第2挟持部32が開始位置と終了位置との中間に存在する状態における搬送用具回転装置1Aを示す正面図である。
【0039】
図4に示すように、搬送用具回転装置1Aは、チャックユニット3の代わりにチャックユニット3Aを備える。チャックユニット3Aは、第1部材33の代わりに第3部材35を備える点で、チャックユニット3と相違する。第3部材35は、第1部材33および第2部材34のそれぞれを支持する棒状の部材である。第3部材35は、第1挟持部31および第2挟持部32の移動の開始位置および終了位置において、回転軸42(図1参照)に対する第1挟持部31および第2挟持部32の高さを異ならせる。また、チャックユニット3においては、第1挟持部31および第2挟持部32の一方または両方が、第3部材35とともに第2部材34に対して移動することで、番重2を挟持する。
【0040】
第1挟持部31および第2挟持部32が移動の開始位置に存在する状態では、第3部材35は、Z軸方向において、回転軸42の下方に延在している。このため、開始位置における第1挟持部31および第2挟持部32の高さは、回転軸42の高さよりも低い。
【0041】
第1挟持部31および第2挟持部32が移動の終了位置に存在する状態では、第3部材35は、Z軸方向において、回転軸42の上方に延在している。このため、終了位置における第1挟持部31および第2挟持部32の高さは、回転軸42の高さよりも高い。
【0042】
このような搬送用具回転装置1Aによれば、回転ユニット4により番重2を180度回転させたときに、挟持された番重2の底面を第2支持台7に載置された番重2の上面に対向させつつ、回転軸42よりも高い位置に番重2を段積みすることができる。搬送用具回転装置1Aは、例えば、コンベア9上の番重2を、コンベア9よりも高い位置に段積みする段積み装置に適用可能である。
【0043】
また、第3部材35は、第1挟持部31および第2挟持部32が移動の開始位置および終了位置に存在する状態において、第1挟持部31および第2挟持部32の位置が回転軸42から離隔した位置になるように、Z軸方向に対して傾斜している。このため、番重2を回転させる前後での、XY平面における番重2の位置の変化が、第3部材35がZ軸方向に平行である場合と比較して大きくなる。したがって、搬送用具回転装置1Aによれば、番重2の回転と搬送とを同時に行うことができる。
【0044】
また、洗浄装置100Aは、搬送用具回転装置1を備える段バラシ装置6の代わりに、搬送用具回転装置1Aを備える段バラシ装置を備えていてもよい。この場合、当該段バラシ装置は、コンベア9よりも低い位置で段積みされた状態の番重2を、コンベア9上に段バラシできる。また、段バラシ装置の構成を段積み装置8Aと同じとすることで、装置のコストを削減できる。
【0045】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0046】
1、1A 搬送用具回転装置
2 番重(搬送用具)
3、3A チャックユニット
4 回転ユニット
5 第1支持台
6 段バラシ装置
7 第2支持台
8,8A 段積み装置
9 コンベア
31 第1挟持部
32 第2挟持部
41 回転軸
42 仮想軸
100,100A 洗浄装置
図1
図2
図3
図4