(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179283
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】作画装置及び作画方法
(51)【国際特許分類】
G05B 19/05 20060101AFI20241219BHJP
G06F 3/04817 20220101ALI20241219BHJP
【FI】
G05B19/05 A
G06F3/04817
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098007
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】317014747
【氏名又は名称】シュナイダーエレクトリックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】天谷 嘉孝
(72)【発明者】
【氏名】永野 人士
(72)【発明者】
【氏名】岡部 善之
【テーマコード(参考)】
5E555
5H220
【Fターム(参考)】
5E555AA79
5E555BA36
5E555BB36
5E555BC04
5E555CB08
5E555CB33
5E555CB34
5E555CC08
5E555DB18
5E555DB20
5E555DB41
5E555DC29
5E555EA14
5E555FA00
5H220BB12
5H220GG02
5H220GG14
5H220JJ12
5H220JJ13
5H220JJ14
5H220JJ22
5H220JJ26
5H220JJ27
5H220JJ51
5H220JJ53
5H220KK04
(57)【要約】
【課題】オブジェクトを流用して画面ファイルを作成する場合において、作業効率を向上する。
【解決手段】PC(1)の入力部(11)は、第1画面ファイルの作成において、第2画面ファイルに含まれる第1オブジェクト及び第2オブジェクトを流用する流用操作と、第1オブジェクト及び第2オブジェクトを融合させる融合操作と、を受け付け可能に構成され、PC(1)の制御部(14)は、入力部(11)が融合操作を受け付けた場合、第1オブジェクトと第2オブジェクトとが融合した第3オブジェクトの第3属性情報を作成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1仕様に基づく第1画面ファイルを作成可能な作画装置であって、
ユーザの入力を受け付ける入力部と、
前記入力部が受け付けたユーザの入力に従って、前記第1画面ファイルを作成する制御部と、を備え、
前記入力部は、前記第1画面ファイルの作成において、
前記第1仕様とは異なる第2仕様に基づいて作成された第2画面ファイルに含まれる第1オブジェクト及び第2オブジェクトを流用する流用操作と、
前記流用操作によって流用される前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトを融合させる融合操作と、を受け付け可能に構成され、
前記制御部は、
前記入力部が前記融合操作を受け付けた場合、前記第1オブジェクトの第1属性情報と、前記第2オブジェクトの第2属性情報と、に基づいて、前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとが融合したオブジェクトである第3オブジェクトの第3属性情報を作成する、作画装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記入力部が前記融合操作を受け付けた場合、描画を示す前記第1属性情報と、描画を示す前記第2属性情報とを、機能を示すとともに予め設定された属性情報に設定することにより、描画及び機能を示す前記第3属性情報を作成する、請求項1に記載の作画装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記入力部が前記融合操作を受け付けた場合、前記第1属性情報と、前記第1属性情報に合わせて変更された前記第2属性情報と、を含む前記第3属性情報を作成する、請求項1または2に記載の作画装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記入力部が前記融合操作を受け付けた場合、機能を示す前記第1属性情報と、描画を示す前記第2属性情報と、を含む前記第3属性情報を作成する、請求項1または2に記載の作画装置。
【請求項5】
前記第1属性情報は、互いに種類が異なる第1要素及び第2要素を含み、
前記第2属性情報は、前記第1要素の種類と同じ種類の要素である第3要素と、前記第2要素の種類と同じ種類の要素である第4要素と、を含み、
前記制御部は、
前記入力部が前記融合操作を受け付けた場合、前記第1要素と前記第3要素とを融合させるとともに、前記第2要素と前記第4要素とを融合させる、請求項1または2に記載の作画装置。
【請求項6】
前記第1オブジェクトの種類と、前記第2オブジェクトの種類と、の第1対応関係を示す第1テーブルを記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、
前記入力部が前記融合操作を受け付けた場合、前記記憶部に記憶されている前記第1テーブルが示す前記第1対応関係を参照することにより、前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとの融合が可能であるか否かを判定する、請求項1または2に記載の作画装置。
【請求項7】
前記第1属性情報及び前記第2属性情報はそれぞれ、互いに種類が異なる複数の要素を含み、
前記記憶部は、
前記第1対応関係に対応する第2対応関係であって、前記要素の種類と、前記要素の融合可否と、の第2対応関係を示す第2テーブルを記憶し、
前記制御部は、
前記入力部が前記融合操作を受け付けた場合、前記記憶部に記憶されている前記第2テーブルが示す前記第2対応関係を参照することにより、前記要素の種類毎に、前記第1属性情報が含む前記要素と、前記第2属性情報が含む前記要素と、の融合が可能であるか否かを判定する、請求項6に記載の作画装置。
【請求項8】
第1仕様に基づく第1画面ファイルを作成する作画方法であって、
ユーザの入力を受け付ける入力ステップと、
前記入力ステップにより受け付けたユーザの入力に従って、前記第1画面ファイルを作成する作成ステップと、を含み、
前記入力ステップは、前記第1画面ファイルの作成において、
前記第1仕様とは異なる第2仕様に基づいて作成された第2画面ファイルに含まれる第1オブジェクト及び第2オブジェクトを流用する流用操作を受け付ける流用受付ステップと、
前記流用操作によって流用される前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトを融合させる融合操作を受け付ける融合受付ステップと、を含み、
前記作成ステップは、
前記融合受付ステップにおいて前記融合操作を受け付けた場合、前記第1オブジェクトの第1属性情報と、前記第2オブジェクトの第2属性情報と、に基づいて、前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとが融合したオブジェクトである第3オブジェクトの第3属性情報を作成する情報作成ステップを含む、作画方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作画装置及び作画方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プログラマブル表示器に表示される表示画面を作画するための作画画面において、表示画面に画像として含まれる部品の属性情報を効率的に設定することが可能な作画装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プログラマブル表示器に画面を表示させるための画面ファイルは、作画装置を用いて作成される。画面ファイルの作成において、過去に作成された画面ファイルに含まれているオブジェクトを流用する場合がある。この場合、現在使用されている作画装置の仕様と、過去に画面ファイルを作成した作画装置の仕様と、が異なっていることがある。
【0005】
特許文献1に開示の作画装置では、現在使用されている作画装置の仕様とは異なる仕様の作画装置を用いて作成された画面ファイルに含まれるオブジェクトを流用することは想定されていない。本発明の一態様は、オブジェクトを流用して画面ファイルを作成する場合において、作業効率を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る作画装置は、第1仕様に基づく第1画面ファイルを作成可能な作画装置であって、ユーザの入力を受け付ける入力部と、前記入力部が受け付けたユーザの入力に従って、前記第1画面ファイルを作成する制御部と、を備え、前記入力部は、前記第1画面ファイルの作成において、前記第1仕様とは異なる第2仕様に基づいて作成された第2画面ファイルに含まれる第1オブジェクト及び第2オブジェクトを流用する流用操作と、前記流用操作によって流用される前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトを融合させる融合操作と、を受け付け可能に構成され、前記制御部は、前記入力部が前記融合操作を受け付けた場合、前記第1オブジェクトの第1属性情報と、前記第2オブジェクトの第2属性情報と、に基づいて、前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとが融合したオブジェクトである第3オブジェクトの第3属性情報を作成する。
【0007】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る作画方法は、第1仕様に基づく第1画面ファイルを作成する作画方法であって、ユーザの入力を受け付ける入力ステップと、前記入力ステップにより受け付けたユーザの入力に従って、前記第1画面ファイルを作成する作成ステップと、を含み、前記入力ステップは、前記第1画面ファイルの作成において、前記第1仕様とは異なる第2仕様に基づいて作成された第2画面ファイルに含まれる第1オブジェクト及び第2オブジェクトを流用する流用操作を受け付ける流用受付ステップと、前記流用操作によって流用される前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトを融合させる融合操作を受け付ける融合受付ステップと、を含み、前記作成ステップは、前記融合受付ステップにおいて前記融合操作を受け付けた場合、前記第1オブジェクトの第1属性情報と、前記第2オブジェクトの第2属性情報と、に基づいて、前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとが融合したオブジェクトである第3オブジェクトの第3属性情報を作成する情報作成ステップを含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、オブジェクトを流用して画面ファイルを作成する場合において、作業効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係るPCと、プログラマブル表示器と、PLCと、デバイスと、の構成を示すブロック図である。
【
図2】
図1に示すPCの入力部を用いて行われる融合操作であって、表示部に表示される画面上で行われる融合操作の一例を示す図である。
【
図3】
図2に示す融合操作によって、オブジェクトの属性情報が融合される様子の一例を示す図である。
【
図4】入力部を用いて行われる融合操作であって、表示部に表示される画面に含まれる表示領域及び作業領域での融合操作の一例を示す図である。
【
図5】入力部を用いて融合操作が行われる場合、スイッチオブジェクトに合わせて、別のスイッチオブジェクトが融合される様子と、アラームオブジェクトにテキストオブジェクトが融合される様子と、を示す図である。
【
図6】入力部を用いて融合操作が行われる場合、制御部がテキスト群オブジェクト及び表オブジェクトを融合して、アラームオブジェクトを作成する様子を示す図である。
【
図7】融合操作が行われる場合、制御部が機能オブジェクトに部品群オブジェクトを融合して、部品オブジェクトを作成する様子を示す図である。
【
図8】融合操作が行われる場合、制御部がスイッチオブジェクトにスイッチオブジェクトを融合して、スイッチオブジェクトを作成する様子を示す図である。
【
図9】
図1に示すPCの制御部が実行する、第1オブジェクトに第2オブジェクトを融合させる処理を示すフローチャートである。
【
図10】
図1に示すPCの記憶部に記憶される第1テーブル及び第2テーブルを示す図である。
【
図11】
図1に示すPCの制御部が実行する、アラームオブジェクトにスイッチオブジェクトを融合させる処理を示すフローチャートである。
【
図12】融合操作が行われる場合、制御部がアラームオブジェクトにスイッチオブジェクトを融合する様子を示す図である。
【
図13】
図1に示す制御部がスイッチオブジェクトとテキストオブジェクトとを融合させる場合において、各オブジェクトのデータ構造を示す図である。
【
図14】
図1に示す制御部が実行するプロジェクトへのインポート処理を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明の実施形態に係るPC(パーソナルコンピュータ)1と、プログラマブル表示器2と、PLC(プログラマブルロジックコントローラ)3と、デバイス4と、の構成を示すブロック図である。
【0011】
(PC1)
図1に示すように、PC1は、表示部10と、入力部11と、記憶部12と、インタフェース部13と、制御部14と、を備える。PC1は、プログラマブル表示器2と通信可能に接続される。PC1は、プログラマブル表示器2の表示に用いられる画面ファイルを作成可能な作画装置の一例である。画面ファイルは、オブジェクトを少なくとも1つ含む画面を複数含んだ、プロジェクトというファイル形式のファイルである。
【0012】
表示部10は、PC1での処理内容を表示するモニタである。入力部11は、ユーザの入力を受け付けるものであり、例えば、ユーザがデータの入力を行うためのキーボード、及び、ユーザが操作を行うためのマウスである。記憶部12は、制御部14によって作成された画面ファイルを記憶する。インタフェース部13は、PC1がプログラマブル表示器2と通信を行うための通信部である。制御部14は、PC1の各部を制御するとともに、画面ファイルを作成する。
【0013】
(プログラマブル表示器2)
プログラマブル表示器2は、表示パネル20と、タッチパネル21と、ユーザメモリ22と、インタフェース部23と、制御部24と、を備える。プログラマブル表示器2は、PLC3と接続されている。プログラマブル表示器2は、通信ケーブルを介してPLC3と接続されることにより、PLC3との間で通信を行う。プログラマブル表示器2は、操作及び表示のための画面を表示することにより、プログラマブル表示器特有の操作機能及び表示機能を実現する専用コンピュータであり、HMI(Human Machine Interface)機器として使用される。
【0014】
表示パネル20は、ユーザによって作成された画面、または、デバイス4の状態を表示する。タッチパネル21は、ユーザによるタッチ操作を受け付けるものであり、表示パネル20に重なるように設けられている。ユーザメモリ22は、PC1によって作成された画面ファイルを記憶する。画面ファイルは、PC1の制御部14によって作成されて、制御部24によってPC1からダウンロードされる。
【0015】
インタフェース部23は、プログラマブル表示器2がPC1及びPLC3と通信を行うための通信部である。制御部24は、PLC3と接続されたデバイス4の状態を表示する動作と、タッチパネル21への操作に応じてデバイス4の状態を制御する動作と、を実行する。
【0016】
PLC3は、ユーザによって作成されたシーケンスプログラムに従って、予め定められたスキャンタイム毎に、デバイス4の状態を読み出したり、デバイス4に制御指示を与えたりする制御装置である。デバイス4は、例えば、センサまたはスイッチのような入力機器、及び、アクチュエータ、リレー、電磁弁または表示器のような出力機器等を含み得る。
【0017】
(オブジェクトの流用操作)
PC1は、第1仕様に基づく第1画面ファイルを作成可能な装置であり、第1仕様とは異なる第2仕様に基づいて作成された画面ファイルを第2画面ファイルとする。第1仕様は、PC1の記憶部12に記憶された、第1画面ファイルを編集するための第1画面編集ソフトウェアの仕様である。第1画面編集ソフトウェアは、記憶部12に記憶されている。第2仕様は、第2画面ファイルを編集するための第2画面編集ソフトウェアの仕様である。
【0018】
一例として、第1仕様は、第2仕様よりも新しい仕様である。第2仕様の一例としては、複数のオブジェクトのそれぞれについて、オブジェクトの属性情報の設定を互いに別の設定画面で設定可能にする仕様がある。第1仕様の一例としては、第2仕様では個別に属性情報の設定が必要であった複数のオブジェクトを、1つのオブジェクトとして、属性情報の設定を1つの設定画面で設定可能にする仕様がある。第1仕様の他の一例としては、オブジェクトの描画または機能を、予め設定された複数のオブジェクトの描画または機能から選択する仕様を、さらに含んでもよい。また、第2仕様の他の一例としては、オブジェクトを描画する仕様を、さらに含んでもよい。
【0019】
制御部14は、入力部11が受け付けたユーザの入力に従って、第1画面ファイルを作成する。入力部11は、第1画面ファイルの作成において、第2画面ファイルに含まれる第1オブジェクト及び第2オブジェクトを流用する流用操作を受け付け可能に構成されている。具体的に以下に説明する。
【0020】
第2画面ファイルが、PC1とは別のPCによって作成され、当該別のPCの記憶部に記憶されていたものであり、かつ、上記別のPCからPC1の記憶部12に第2画面ファイルが記憶された場合を考える。この場合、ユーザは、入力部11を用いて、第2画面ファイルに含まれる第1オブジェクト及び第2オブジェクトを第1画面ファイルに流用する流用操作を行うことができる。このとき、入力部11は上記流用操作を受け付ける。また、制御部14は、第1画面編集ソフトウェアにより、第2画面ファイルに含まれる第1オブジェクト及び第2オブジェクトを、第1画面編集ソフトウェアで使用可能なように第1画面ファイルにコンバートする。
【0021】
(オブジェクトの種類)
オブジェクトの種類としては、描画オブジェクト、機能オブジェクト及び描画機能オブジェクトがある。描画オブジェクトは、描画を示す属性情報を有するオブジェクトである。描画オブジェクトとしては、例えば、図、表またはテキスト等を示す属性情報を有するオブジェクトが挙げられる。描画オブジェクトの属性情報は、機能を示す情報を含まない。
【0022】
機能オブジェクトは、機能を示す属性情報を有するオブジェクトである。機能オブジェクトとしては、例えば、スイッチ、アラームまたはランプ等の機能を示す属性情報を有するオブジェクトが挙げられる。また、機能オブジェクトとしては、例えば、複数のスイッチの機能を示す属性情報を有するオブジェクト、または、スイッチ及びアラームの機能を示す属性情報を有するオブジェクトのように、複数の機能を示す属性情報を有するオブジェクトが挙げられる。機能オブジェクトの属性情報は、描画を示す情報を含まない。
【0023】
描画機能オブジェクトは、描画及び機能を示す属性情報を有するオブジェクトである。描画機能オブジェクトとしては、例えば、描画とスイッチの機能とを示す属性情報を有するオブジェクト、または、描画とアラームの機能とを示す属性情報を有するオブジェクトが挙げられる。
【0024】
(オブジェクトの融合操作)
図2は、
図1に示すPC1の入力部11を用いて行われる融合操作であって、表示部10に表示される画面上で行われる融合操作の一例を示す図である。ここで、表示部10に表示される画面は、第1画面ファイルに含まれる画面である。入力部11は、第1画面ファイルの作成において、上記流用操作によって流用される第1オブジェクト及び第2オブジェクトを融合させる融合操作を受け付け可能に構成されている。具体的に以下に説明する。
【0025】
図2において、第2画面ファイルから流用された第1オブジェクトが、スイッチを示すスイッチオブジェクトSW1であり、第2画面ファイルから流用された第2オブジェクトが、テキストを示すテキストオブジェクトTX1であるものとする。スイッチオブジェクトSW1は描画機能オブジェクトであり、テキストオブジェクトTX1は描画オブジェクトである。
図2の符号201に示すように、ユーザは、入力部11を用いたドラッグアンドドロップの操作DDにより、テキストオブジェクトTX1をスイッチオブジェクトSW1に融合させる融合操作を行う。このとき、入力部11は上記融合操作を受け付ける。
【0026】
制御部14は、入力部11が上記融合操作を受け付けた場合、
図2の符号202に示すように、スイッチオブジェクトSW1とテキストオブジェクトTX1とが融合したオブジェクトであるスイッチオブジェクトSW2を作成する。つまり、制御部14は、第1オブジェクトと第2オブジェクトとが融合した1つのオブジェクトである第3オブジェクトを作成する。これにより、テキストオブジェクトTX1は、スイッチオブジェクトSW2の一部となる。スイッチオブジェクトSW2は、描画機能オブジェクトであり、銘板付きスイッチオブジェクトである。
【0027】
なお、上記融合操作としては、ドラッグアンドドロップの操作DDによるものの他に、以下の操作も可能である。具体的には、ユーザが入力部11を用いた操作により、スイッチオブジェクトSW1及びテキストオブジェクトTX1を選択する選択操作を行う。また、ユーザが、選択されたスイッチオブジェクトSW1またはテキストオブジェクトTX1にカーソルが重なっている状態で、マウスで右クリックを行う。これにより、制御部14は、後述する
図6の符号601に示すボックスB1を表示部10に表示させる。
【0028】
ユーザは、入力部11を用いてボックスB1に含まれる所定の項目を選択する。当該所定の項目は、選択されたオブジェクトを融合させる処理を実行するための項目である。上記所定の項目が選択されると、制御部14は、テキストオブジェクトTX1をスイッチオブジェクトSW1に融合させる。上述の選択操作と、マウスで右クリックを行う操作と、上記所定の項目を選択する操作と、の一連の操作が融合操作となる。
【0029】
また、制御部14は、入力部11が上記融合操作に加えて、上記融合操作とは別の所定操作を受け付けた場合を考える。この場合、制御部14は、
図2の符号203,204に示すように、テキストオブジェクトTX1からテキストオブジェクトTX2を複製する。また、制御部14は、複製したテキストオブジェクトTX2とスイッチオブジェクトSW1とが融合したオブジェクトであるスイッチオブジェクトSW2を作成する。上記所定操作は、例えば、操作DDが完了するまでの間、キーボードのCtrlキーまたはShiftキーの入力を維持する操作である。
【0030】
制御部14がテキストオブジェクトTX1からテキストオブジェクトTX2を複製することにより、ユーザは、同じ内容を2回設定する必要が無くなる。また、同じものの作画を繰り返す必要も無い。元のオブジェクトを残すことができるため、既に設定された属性情報を、他のオブジェクトに流用することができる。
【0031】
(属性情報の作成)
図3は、
図2に示す融合操作によって、オブジェクトの属性情報が融合される様子の一例を示す図である。
図3の符号301は、スイッチオブジェクトSW1の属性情報を示す設定画面30を示し、
図3の符号302は、テキストオブジェクトTX1の属性情報を示す設定画面50を示す。
図3の符号303は、スイッチオブジェクトSW2の属性情報を示す設定画面60を示す。制御部14は、設定画面30,50,60を表示部10に表示させることができる。
【0032】
制御部14は、
図2に示すように、スイッチオブジェクトSW2を作成する場合、スイッチオブジェクトSW1の属性情報と、テキストオブジェクトTX1の属性情報と、に基づいて、スイッチオブジェクトSW2の属性情報を作成する。具体的に以下に説明する。
【0033】
(設定画面30)
図3の符号301に示すように、設定画面30は、識別情報31と、描画ボックス32と、形状選択ボタン33と、チェックボックス34と、スイッチ機能タブ35等の複数のタブと、OKボタン40と、キャンセルボタン41と、を含む。
【0034】
識別情報31は、オブジェクトを識別するための情報であり、例えば部品IDである。描画ボックス32は、スイッチオブジェクトSW1がどのように描画されるかを示すものである。形状選択ボタン33は、押された場合にスイッチオブジェクトSW1の形状の候補を複数表示し、形状を選択可能にするものである。
【0035】
チェックボックス34は、スイッチオブジェクトSW1について形状の有無を指定可能なチェックボックスである。スイッチ機能タブ35は、スイッチオブジェクトSW1の機能を設定するためのものである。OKボタン40は、スイッチオブジェクトSW1の属性情報の変更を完了するためのものである。キャンセルボタン41は、スイッチオブジェクトSW1の属性情報の変更をキャンセルするためのものである。
【0036】
また、スイッチ機能タブ35は、チェックボックス36と、マルチファンクションリスト37と、複数の機能選択ボタン38と、アドレスボックス39と、を含む。チェックボックス36は、スイッチオブジェクトSW1の機能の有無を指定可能なチェックボックスである。
【0037】
マルチファンクションリスト37は、スイッチオブジェクトSW1について、複数の機能選択ボタン38のうちの選択された機能を表示するものである。複数の機能選択ボタン38は、押された場合にスイッチオブジェクトSW1に機能を追加するためのものである。アドレスボックス39は、スイッチオブジェクトSW1のビッドアドレスを設定可能なものである。
【0038】
(設定画面50)
図3の符号302に示すように、設定画面50は、描画ボックス51と、フォントボックス52と、選択ボックス53と、カラーボックス54と、背景ボックス55と、テキスト入力領域56と、を含む。描画ボックス51は、テキストオブジェクトTX1がどのように描画されるかを示すものである。フォントボックス52は、テキストオブジェクトTX1のフォントタイプを設定可能なものである。
【0039】
選択ボックス53は、テキストオブジェクトTX1のフォントを設定可能なものである。カラーボックス54は、テキストオブジェクトTX1のカラーを設定可能なものである。背景ボックス55は、テキストオブジェクトTX1の背景カラーを設定可能なものである。テキスト入力領域56は、テキストオブジェクトTX1が示すテキストを入力可能な領域である。
【0040】
(設定画面60)
図3の符号303に示すように、設定画面60は銘板タブ61を含む。銘板タブ61は、スイッチオブジェクトSW2に描画されるテキストに関する設定を行うためのものである。また、銘板タブ61は、フォントボックス52と、カラーボックス54と、背景ボックス55と、テキスト入力領域56と、状態選択ボックス62と、サイズ指定ボックス63と、言語ボックス64と、チェックボックス65と、を含む。
【0041】
制御部14は、スイッチオブジェクトSW1の属性情報と、テキストオブジェクトTX1の属性情報と、を融合することにより、スイッチオブジェクトSW2の属性情報を作成する。具体的には、制御部14は、設定画面50が示す属性情報の少なくとも一部を含む銘板タブ61を設定画面30に追加することにより、1つの設定画面60を作成する。これにより、設定画面60は、設定画面50に含まれていたフォントボックス52と、カラーボックス54と、背景ボックス55と、テキスト入力領域56と、を含む。また、テキストオブジェクトTX1のテキストは、スイッチオブジェクトSW2の銘板となる。
【0042】
制御部14は、設定画面60が、状態選択ボックス62と、サイズ指定ボックス63と、言語ボックス64と、チェックボックス65と、を含むように、設定画面60を作成してもよい。状態選択ボックス62は、スイッチオブジェクトSW2の状態を設定可能なものである。サイズ指定ボックス63は、スイッチオブジェクトSW2のサイズを設定可能なものである。
【0043】
言語ボックス64は、スイッチオブジェクトSW2が示すテキストの表示言語を設定可能なものである。チェックボックス65は、スイッチオブジェクトSW2において、スイッチ部分に対するテキストの相対位置を固定するか否かを指定可能なチェックボックスである。当該相対位置は、例えば、スイッチ部分の中央位置である。
【0044】
以上により、制御部14は、入力部11が上記融合操作を受け付けた場合、第1オブジェクトの第1属性情報と、第2オブジェクトの第2属性情報と、に基づいて、第3オブジェクトの第3属性情報を作成する。スイッチオブジェクトSW1の属性情報は第1属性情報の一例であり、テキストオブジェクトTX1の属性情報は第2属性情報の一例であり、スイッチオブジェクトSW2の属性情報は第3属性情報の一例である。
【0045】
第1仕様とは異なる第2仕様に基づいて作成された第2画面ファイルに含まれる第1オブジェクト及び第2オブジェクトが流用された場合を考える。この場合において、制御部14は、第1オブジェクトと第2オブジェクトとが融合したオブジェクトである第3オブジェクトの第3属性情報を作成する。
【0046】
これにより、ユーザは、第1画面ファイルとは仕様が異なる第2画面ファイルから第1オブジェクト及び第2オブジェクトを流用しつつ、第1画面ファイルの作成において、融合操作によって所望の第3属性情報を容易に得ることができる。したがって、ユーザは、第3属性情報を新たに作成するための操作を行うことなく、第1オブジェクト及び第2オブジェクトを流用して制御部14により作成された第3属性情報を得ることができるため、作業効率を向上することができる。
【0047】
また、制御部14は、第1オブジェクト及び第2オブジェクトを融合して第3オブジェクトを作成することにより、オブジェクトの数を減らすことができる。よって、オブジェクトの配置の調整が容易になり、作画効率を向上することができる。制御部14が、入力部11が受け付けた操作に基づき、第3オブジェクトの拡大または縮小を実行する場合、第3オブジェクトが単一のオブジェクトであるので、スイッチまたはテキスト等の複数の要素をまとめて拡大または縮小することができる。
【0048】
オブジェクトの数が減るため、画面内にオブジェクトが占める面積を小さくすることができ、また属性情報の重複を低減できるため、画面ファイルのデータサイズを小さくできる。さらに、第1画面編集ソフトウェアでの画面編集の効率が向上し、将来的な画面編集ソフトウェアへのコンバートが容易になる。また、あるオブジェクトの配置位置の周囲のオブジェクトの配置位置の変更が容易になる。
【0049】
その上、制御部14は、設定画面30が示す属性情報と、設定画面50が示す属性情報と、を融合させることにより、1つの設定画面60を作成する。このため、ユーザは、設定画面30,50のそれぞれで設定を行う必要が無く、1つの設定画面60で、スイッチ機能と、テキストに関する設定と、を行うことができる。よって、ユーザは容易に画面編集を行うことができる。
【0050】
また従来、第2仕様においては、第1オブジェクト及び第2オブジェクトがグループ化されたオブジェクトが構成されている場合がある。例えば、スイッチオブジェクトSW1にテキストオブジェクトTX1を重ね合わせてグループ化することで、オブジェクトを構成している場合がある。
【0051】
このグループ化されたオブジェクトを第1仕様の作画装置で流用しようとすると、オブジェクトに対して、サイズの変更または位置調整等の編集を行う場合、一旦、オブジェクトのグループ化を解除する必要がある。このとき、グループ化されたオブジェクトが、第1オブジェクト及び第2オブジェクトに分けられる。
【0052】
よって、ユーザは、第1オブジェクト及び第2オブジェクトを編集した後、第1オブジェクト及び第2オブジェクトを再度グループ化するための操作を行う必要がある。また、グループ化されたオブジェクトを第1仕様の作画装置で流用できない場合には、ユーザは、オブジェクトを新たに作成するための操作を行う必要がある。このとき、ユーザは、入力及び設定、デザイン及び形状の編集、並びに、位置調整等を再度行う必要がある。
【0053】
従って、ユーザは、例えばアラーム部品を配置し、設定画面にて矩形の設定を行い、テキストの入力を行うと、作画工程が多くなる。また、ユーザは直感的なレイアウトを作画し難い。第2画面ファイルからコンバートされたデータに透明のスイッチが多用されている場合、ユーザは、部品図を再度設定する操作を行う必要がある。そこで、制御部14が第1オブジェクト及び第2オブジェクトを融合して第3オブジェクトを作成することにより、このような問題を解決できる。
【0054】
なお、上述したグループ化されたオブジェクトは、当該グループ化されたオブジェクトの属性情報の設定を1つの設定画面で設定可能なものではない。グループ化されたオブジェクトは、当該グループ化されたオブジェクトに含まれる複数のオブジェクトのそれぞれについて、オブジェクトの属性情報の設定を互いに別の設定画面で設定可能なものである。
【0055】
(作業領域71)
図4は、入力部11を用いて行われる融合操作であって、表示部10に表示される画面に含まれる表示領域70及び作業領域71での融合操作の一例を示す図である。
図4の符号401は、表示領域70の一部及び作業領域71を示し、
図4の符号402は、融合操作により作成された、アラーム部品を示すアラームオブジェクトAL1を示す。表示領域70は、第1画面ファイルに含まれる画面を表示し、作業領域71は、融合操作によりオブジェクトを作成するための領域である。
【0056】
図4の符号401に示すように、ユーザは、入力部11を用いた操作DDにより、表オブジェクトCH1、テキストオブジェクトTX3及びスイッチオブジェクトBU1を、作業領域71内の領域R1に移動させる。これにより、制御部14は、表オブジェクトCH1、テキストオブジェクトTX3及びスイッチオブジェクトBU1を融合させ、アラームオブジェクトAL1を作成する。制御部14によって作成されたアラームオブジェクトAL1は、領域R1に保留される。表オブジェクトCH1及びテキストオブジェクトTX3は描画オブジェクトである。スイッチオブジェクトBU1は、描画機能オブジェクトであり、銘板付きスイッチオブジェクトである。
【0057】
ユーザは、入力部11を用いて、領域R1に保留されているアラームオブジェクトAL1を複製させる複製操作を行うことにより、制御部14は、第1画面ファイルに含まれる画面にアラームオブジェクトAL1を複製することができる。また、制御部14は、ユーザによる入力部11の操作により、作業領域71に複数の領域R1を作成することができる。ユーザが、操作DDにより複数の領域R1のそれぞれにオブジェクトを配置することにより、制御部14は、複数の領域R1のそれぞれで複数のオブジェクトを融合させることができる。
【0058】
また、
図4の符号402に示すように、アラームオブジェクトAL1は、表オブジェクトCH1、テキストオブジェクトTX3及びスイッチオブジェクトBU1が融合したものとなっている。また、制御部14がアラームオブジェクトAL1を作成する場合、アラームオブジェクトAL1にテキストを示す行RW1を含めてもよい。
【0059】
(属性情報の統一)
図5は、入力部11を用いて融合操作が行われる場合、スイッチオブジェクトBU2に合わせて、別のスイッチオブジェクトBU3が融合される様子と、アラームオブジェクトAL2にテキストオブジェクトTX4が融合される様子と、を示す図である。
図5において、第1オブジェクトがアラームオブジェクトAL2であり、第2オブジェクトがスイッチオブジェクトBU3であり、第3オブジェクトがアラームオブジェクトAL3であるものとする。アラームオブジェクトAL2及びアラームオブジェクトAL3は、描画機能オブジェクトである。スイッチオブジェクトBU2,BU3は、描画機能オブジェクトであり、銘板付きスイッチオブジェクトである。
【0060】
ここで、オブジェクトの属性情報のデータ構造は、オブジェクトの種類を示す種類情報を含んでいてもよい。制御部14は、オブジェクトの属性情報のデータ構造に含まれる種類情報を参照することにより、オブジェクトの種類を判別する。オブジェクトの種類としては、上述した通り、描画オブジェクト、機能オブジェクト及び描画機能オブジェクトのいずれかに区別される種類であってもよい。また、より詳細に、オブジェクトの種類としては、表、テキスト、スイッチ、アラームまたはランプ等のいずれかに区別される種類であってもよい。
【0061】
図5の符号501に示すように、ユーザが、入力部11を用いた操作DDにより、スイッチオブジェクトBU3をアラームオブジェクトAL2に融合させる融合操作を行う場合を考える。この場合、制御部14は、スイッチオブジェクトBU3及びアラームオブジェクトAL2について、属性情報のデータ構造に含まれる種類情報を参照することにより、スイッチオブジェクトBU3及びアラームオブジェクトAL2の種類を判別する。
【0062】
制御部14は、第1画面編集ソフトウェアで予め設定された複数種類のオブジェクトの属性情報のうち、判別したスイッチオブジェクトBU3及びアラームオブジェクトAL2の種類の組み合わせに対応するアラームオブジェクトの属性情報を選択する。制御部14は、選択したアラームオブジェクトの属性情報に、スイッチオブジェクトBU3の属性情報と、アラームオブジェクトAL2の属性情報と、を設定する。
【0063】
これにより、制御部14は、スイッチオブジェクトBU3の属性情報と、アラームオブジェクトAL2の属性情報と、を含むアラームオブジェクトAL3の属性情報を作成する。制御部14がアラームオブジェクトAL2及びスイッチオブジェクトBU3を融合させることにより、スイッチオブジェクトBU3は、アラームオブジェクトAL3の一部となる。
【0064】
制御部14は、アラームオブジェクトAL3の属性情報を作成するとき、アラームオブジェクトAL2の属性情報に合わせて、スイッチオブジェクトBU3の属性情報を変更する。このとき、制御部14は、スイッチオブジェクトBU3の属性情報の一部を変更する。その結果、
図5の符号502に示すように、アラームオブジェクトAL2に含まれるスイッチオブジェクトBU2の形状及びデザインに合わせて、スイッチオブジェクトBU3の形状及びデザインが変更される。具体的には、スイッチオブジェクトBU3の形状及びデザインが、スイッチオブジェクトBU2の形状及びデザインと同じものになる。
【0065】
以上により、制御部14は、入力部11が上記融合操作を受け付けた場合、第1オブジェクトの第1属性情報と、第1属性情報に合わせて変更された第2オブジェクトの第2属性情報と、を含む第3オブジェクトの第3属性情報を作成する。
【0066】
制御部14は、第1属性情報と、第1属性情報に合わせて変更された第2属性情報と、を含む第3属性情報を作成するため、第1属性情報と第2属性情報とが統一された第3属性情報を作成することができる。よって、ユーザは、第3属性情報を作成するための操作を行う際、第1属性情報に合わせて第2属性情報を変更する操作を行う必要が無い。
【0067】
なお、制御部14は、入力部11が上記融合操作を受け付けた場合、スイッチオブジェクトBU2の配置に合わせて、スイッチオブジェクトBU3の配置を自動的に調整してもよい。換言すると、制御部14は、スイッチオブジェクトBU2の配置を基準として、スイッチオブジェクトBU3の配置を自動的に調整してもよい。
【0068】
また、
図5の符号501において、アラームオブジェクトAL2がスイッチオブジェクトを含んでいない状態で、ユーザが操作DDによりスイッチオブジェクトBU2をアラームオブジェクトAL2に融合させる融合操作を行う場合を考える。この場合、制御部14は、アラームオブジェクトAL2の属性情報に合わせて、スイッチオブジェクトBU2の形状及びデザインを変更する。このとき、アラームオブジェクトAL2には、スイッチオブジェクトの形状及びデザインが予め設定されている。
【0069】
図5の符号503に示すように、ユーザが操作DDにより、テキストオブジェクトTX4を含む複数のテキストオブジェクトをアラームオブジェクトAL2に融合させる融合操作を行う場合を考える。この場合、
図5の符号504に示すように、制御部14は、アラームオブジェクトAL2に複数のテキストオブジェクトが融合したオブジェクトであるアラームオブジェクトAL4を作成する。これにより、複数のテキストオブジェクトは、アラームオブジェクトAL4の一部となる。
【0070】
(描画及び機能を示すオブジェクトへの変化)
図6は、入力部11を用いて融合操作が行われる場合、制御部14がテキスト群オブジェクトTXG1及び表オブジェクトCH2を融合して、アラームオブジェクトAL5を作成する様子を示す図である。ここで、テキスト群オブジェクトTXG1は、複数のテキストオブジェクトがグループ化されたオブジェクトである。また、テキスト群オブジェクトTXG1及び表オブジェクトCH2は、描画オブジェクトであり、アラームオブジェクトAL5は、描画機能オブジェクトである。
【0071】
図6の符号601に示すように、ユーザが入力部11を用いた操作により、テキスト群オブジェクトTXG1及び表オブジェクトCH2を選択する選択操作を行う。このとき、制御部14は、上記選択操作で選択されたテキスト群オブジェクトTXG1及び表オブジェクトCH2について、属性情報のデータ構造に含まれる種類情報を参照する。これにより、制御部14は、テキスト群オブジェクトTXG1及び表オブジェクトCH2の種類を判別する。
【0072】
制御部14は、第1画面編集ソフトウェアで予め設定された複数種類のオブジェクトの属性情報のうち、判別したテキスト群オブジェクトTXG1及び表オブジェクトCH2の種類の組み合わせに対応するアラームオブジェクトの属性情報を選択する。ここで制御部14が選択した当該属性情報は、機能を示すとともに予め設定された情報である。
【0073】
そして、ユーザが、上記選択操作で選択されたテキスト群オブジェクトTXG1または表オブジェクトCH2にカーソルが重なっている状態で、マウスで右クリックを行う。これにより、制御部14は、表示部10にボックスB1を表示させる。ボックスB1には、所定処理が行われるための複数の項目が含まれる。
【0074】
また、制御部14は、上記選択操作で選択されたオブジェクトを、判別したオブジェクトの種類に対応するアラームオブジェクトに変換する処理を実行するための項目CV1をボックスB1に含める。ユーザは、入力部11を用いてボックスB1に含まれる項目CV1を選択すると、制御部14は、アラームオブジェクトの属性情報に、テキスト群オブジェクトTXG1の属性情報と、表オブジェクトCH2の属性情報と、を設定する。
【0075】
これにより、
図6の符号602に示すように、制御部14は、アラームオブジェクトAL5を作成するとともに、描画及び機能を示すアラームオブジェクトAL5の属性情報を作成する。よって、テキスト群オブジェクトTXG1及び表オブジェクトCH2は、アラームオブジェクトAL5に変換される。
【0076】
なお、テキスト群オブジェクトTXG1及び表オブジェクトCH2が選択された状態で、ユーザが入力部11を用いて、ボックスB1に含まれる、項目CV1とは別の項目を選択する場合を考える。この場合、制御部14は、第1画面編集ソフトウェアで予め設定された、互いに種類が異なる複数の機能オブジェクトを表示部10に表示してもよい。
【0077】
ユーザが入力部11を用いて、表示部10に表示された複数の機能オブジェクトのうち1つの機能オブジェクトを選択する選択操作を行う。これにより、制御部14は、テキスト群オブジェクトTXG1の属性情報と、表オブジェクトCH2の属性情報と、を選択された機能オブジェクトの属性情報に設定する。そして、制御部14は、描画及び機能を示すオブジェクトの属性情報を作成する。
【0078】
表示部10に表示される複数の機能オブジェクトの一例としては、アラームオブジェクト以外にも以下のものが挙げられる。例えば、スイッチオブジェクト、数値表示オブジェクト、キーボードオブジェクトまたはロギング表示オブジェクトが挙げられる。
【0079】
スイッチオブジェクトは、外枠の四角形と、その四角形の中に配置された文字列と、を含むものである。数値表示オブジェクトは、外枠の四角形と、その四角形中に配置された複数桁の数字と、を含むものである。キーボードオブジェクトは、四角形及び1文字の英数字を1セットとして、複数のセットを含むものである。ロギング表示オブジェクトは、例えば、ロギングデータ(サンプリングデータ)を表形式で一覧表示するようなものである。
【0080】
以上により、制御部14は、入力部11が上記融合操作を受け付けた場合、描画を示す第1属性情報と、描画を示す第2属性情報とを、機能を示すとともに予め設定された属性情報に設定することにより、描画及び機能を示す第3属性情報を作成する。
【0081】
機能を示す属性情報が予め設定されているため、ユーザは、融合操作により、描画及び機能を有する第3オブジェクトの第3属性情報を容易に得ることができる。よって、第1オブジェクト及び第2オブジェクトに機能が無い場合でも、ユーザは、描画及び機能を有する第3オブジェクトの第3属性情報を容易に得ることができる。
【0082】
(機能オブジェクトF1に部品群オブジェクトFG1を融合)
図7は、
図1に示すPC1を用いて融合操作が行われる場合、制御部14が機能オブジェクトF1に部品群オブジェクトFG1を融合して、部品オブジェクトF2を作成する様子を示す図である。ここで、部品群オブジェクトFG1は描画オブジェクトである。
【0083】
図7の符号701に示すように、ユーザが操作DDにより、機能オブジェクトF1に部品群オブジェクトFG1を融合させる融合操作を行う場合を考える。この場合、
図7の符号702に示すように、制御部14は、機能オブジェクトF1及び部品群オブジェクトFG1が融合したオブジェクトである部品オブジェクトF2を作成する。
【0084】
このとき、制御部14は、機能オブジェクトF1の属性情報と、部品群オブジェクトFG1の属性情報と、を含む部品オブジェクトF2の属性情報を作成する。つまり、制御部14は、入力部11が上記融合操作を受け付けた場合、機能を示す第1属性情報と、描画を示す第2属性情報と、を含む第3属性情報を作成する。これにより、第1オブジェクトに描画が無い場合でも、ユーザは、描画及び機能を有する第3オブジェクトの第3属性情報を容易に得ることができる。
【0085】
(スイッチオブジェクトBU4にスイッチオブジェクトBU5を融合)
図8は、
図1に示すPC1を用いて融合操作が行われる場合、制御部14がスイッチオブジェクトBU4にスイッチオブジェクトBU5を融合して、スイッチオブジェクトBU6を作成する様子を示す図である。スイッチオブジェクトBU4,BU5,BU6は、描画機能オブジェクトであり、銘板付きスイッチオブジェクトである。
【0086】
図8の符号801に示すように、ユーザが操作DDにより、スイッチオブジェクトBU4にスイッチオブジェクトBU5を融合させる融合操作を行う場合を考える。この場合、
図8の符号802に示すように、制御部14は、スイッチオブジェクトBU4及びスイッチオブジェクトBU5が融合したオブジェクトであるスイッチオブジェクトBU6を作成する。
【0087】
このとき、制御部14は、スイッチオブジェクトBU4の属性情報に、スイッチオブジェクトBU5の属性情報を追加することにより、スイッチオブジェクトBU6の属性情報を作成する。よって、スイッチオブジェクトBU6の属性情報は、スイッチオブジェクトBU4の機能を示す情報と、スイッチオブジェクトBU5の機能を示す情報と、を含むものとなる。
【0088】
つまり、スイッチオブジェクトBU6は、複数の機能を有するものとなる。また、スイッチオブジェクトBU6の設定画面のマルチファンクションリストには、スイッチオブジェクトBU4の機能を示す情報と、スイッチオブジェクトBU5の機能を示す情報と、が含まれる。プログラマブル表示器2に第1画面ファイルがダウンロードされ、第1画面ファイルに含まれる画面上のスイッチオブジェクトBU6が、タッチパネル21によるタッチ操作により押された場合、複数の機能が実行される。
【0089】
(第1オブジェクトに第2オブジェクトを融合させる処理)
図9は、
図1に示すPC1の制御部14が実行する、第1オブジェクトに第2オブジェクトを融合させる処理を示すフローチャートである。
図9に示すステップは、第1画面ファイルを作成する作画方法に含まれ、当該作画方法は、ユーザの入力を受け付ける入力ステップと、第1画面ファイルを作成する作成ステップと、を含む。
【0090】
まず、入力部11は、ユーザによる上述した流用操作を受け付ける(流用受付ステップ)。次に、
図9に示すように、制御部14は、入力部11が第1オブジェクト及び第2オブジェクトを融合させる融合操作を受け付けたかを判定する(S1)。制御部14は、入力部11が上記融合操作を受け付けていないと判定した場合(S1でNO)、処理を終了する。
【0091】
一方、制御部14は、入力部11が上記融合操作を受け付けたと判定した場合(S1でYES:融合受付ステップ)、第1オブジェクトと第2オブジェクトとの組み合わせが、
図10に示す第1テーブルT1に存在するかを判定する(S2)。具体的に以下に説明する。上記流用受付ステップ及び上記融合受付ステップは、上記入力ステップに含まれる。なお、上記流用受付ステップと上記融合受付ステップとは、同一のソフトウェアの実行時のステップではない場合もある。
【0092】
図10は、
図1に示すPC1の記憶部12に記憶される第1テーブルT1及び第2テーブルTAを示す図である。記憶部12は、第1テーブルT1及び第2テーブルTAを含む第1画面編集ソフトウェアを記憶している。また、第1画面編集ソフトウェアは、第2テーブルTAに加えて、第2テーブルTB~TEを含む。
【0093】
第1テーブルT1は、第1オブジェクトの種類と、第2オブジェクトの種類と、の第1対応関係を示す。より具体的には、第1テーブルT1は、第1オブジェクトの種類と、第2オブジェクトの種類と、第3オブジェクトの種類と、第2テーブルの種類と、の対応関係を示す。
【0094】
第1オブジェクトの種類としては、例えば、スイッチ、アラーム部品または表がある。第2オブジェクトの種類としては、例えば、テキストまたはスイッチがある。第3オブジェクトの種類としては、例えば、銘板付きスイッチ、マルチファンクションスイッチ、項目名付きアラーム部品、スイッチ付きアラーム部品またはアラーム部品がある。第2テーブルの種類としては、第2テーブルTA~TEがある。
【0095】
制御部14は、記憶部12に記憶されている第1テーブルT1が示す上記第1対応関係を参照することにより、第1オブジェクトと第2オブジェクトとの融合が可能であるか否かを判定する。具体的には、制御部14は、ステップS1で入力部11が受け付けた上記融合操作の対象となる第1オブジェクト及び第2オブジェクトの組み合わせが、第1テーブルT1に存在するか否かを判定する。
【0096】
制御部14は、第1オブジェクト及び第2オブジェクトの組み合わせが、第1テーブルT1に存在すると判定した場合、第1オブジェクトと第2オブジェクトとの融合が可能であると判定する。一方、制御部14は、第1オブジェクト及び第2オブジェクトの組み合わせが、第1テーブルT1に存在しないと判定した場合、第1オブジェクトと第2オブジェクトとの融合が不可能であると判定する。
【0097】
上述のように、制御部14は、第1テーブルT1が示す第1対応関係を参照することにより、第1オブジェクトと第2オブジェクトとの融合が可能であるか否かを判定する。このため、制御部14は、予め想定された第3オブジェクトの第3属性情報を作成することができ、第3オブジェクトを正常に機能させることができる。
【0098】
制御部14は、第1オブジェクトと第2オブジェクトとの組み合わせが第1テーブルT1に存在すると判定した場合(S2でYES)、第1テーブルT1で定義されているオブジェクトを第2テーブルに従って融合させる(S3)。具体的には、制御部14は、第1テーブルT1で存在すると判定した、第1オブジェクト及び第2オブジェクトの組み合わせに対応する第2テーブルを参照する。
【0099】
例えば、制御部14は、第1オブジェクト及び第2オブジェクトの組み合わせとして、スイッチ及びテキストの組み合わせが第1テーブルT1に存在すると判定した場合を考える。この場合、制御部14は、スイッチ及びテキストの組み合わせに対応する第2テーブルTAを参照することにより、文字列、フォント、色、座標、角度及び位置固定のそれぞれについて、融合が可能であるか否かを判定する。
【0100】
制御部14は、融合が可能であると判定した要素について、第1属性情報が含む要素と、第2属性情報が含む要素と、を融合する。そして、制御部14は、第1オブジェクトと第2オブジェクトとが融合したオブジェクトである第3オブジェクトの第3属性情報を作成する(情報作成ステップ)。当該情報作成ステップは上記作成ステップに含まれる。
【0101】
一方、制御部14は、第1オブジェクトと第2オブジェクトとの組み合わせが第1テーブルT1に存在しないと判定した場合(S2でNO)、第1オブジェクトに第2オブジェクトが移動させることのみを実行する(S4)。つまり、制御部14は、第1オブジェクト及び第2オブジェクトを融合する処理を実行しない。
【0102】
第2テーブルTAについて、「○」は、第1オブジェクト及び第2オブジェクトが融合可能であることを示し、「△」は、第1オブジェクト及び第2オブジェクトが融合可能であるが、第1属性情報または第2属性情報の一部が変更されることを示す。「×」は、第1オブジェクト及び第2オブジェクトが融合不可であることを示す。
【0103】
第2テーブルTAの座標について、制御部14が第1オブジェクトに第2オブジェクトを融合する場合、第1オブジェクトの座標に合わせて、第2オブジェクトの座標を変換する。また、第2テーブルTAの角度について、制御部14が第1オブジェクトに第2オブジェクトを融合する場合、第1属性情報及び第2属性情報の少なくとも一方が角度の情報を含むとき、角度の情報を無効化する。
【0104】
さらに、第2テーブルTAの位置固定について、制御部14が第1オブジェクトに第2オブジェクトを融合する場合、位置固定の設定を有効化する。位置固定の設定は、
図3に示すチェックボックス65で指定可能な設定である。
【0105】
以上により、第1属性情報及び第2属性情報はそれぞれ、互いに種類が異なる複数の要素を含む。第2テーブルTA~TEは、第1テーブルT1が示す第1対応関係に対応する第2対応関係であって、要素の種類と、要素の融合可否と、の第2対応関係を示す。
【0106】
制御部14は、入力部11が融合操作を受け付けた場合、ステップS3において、記憶部12に記憶されている第2テーブルTA~TEのうち1つの第2テーブルが示す第2対応関係を参照する。これにより、制御部14は、要素の種類毎に、第1属性情報が含む要素と、第2属性情報が含む要素と、の融合が可能であるか否かを判定する。このため、制御部14は、融合されることが予め想定された要素同士を融合させることができ、第3オブジェクトが含む複数の要素を正常に機能させることができる。
【0107】
また、第1属性情報は、互いに種類が異なる第1要素及び第2要素を含み、第2属性情報は、第1要素の種類と同じ種類の要素である第3要素と、第2要素の種類と同じ種類の要素である第4要素と、を含むものとする。この場合、制御部14は、ステップS3において、入力部11が融合操作を受け付けた場合、第1要素と第3要素とを融合させるとともに、第2要素と第4要素とを融合させる。換言すると、制御部14は、種類が同じ要素同士を融合させる。
【0108】
よって、第1オブジェクト及び第2オブジェクトが融合される際、互いに種類が同じ要素同士が融合される。このため、ユーザは、第3オブジェクトの第3属性情報を作成するための操作を行う際、種類が同じ要素を選択する操作を行う必要が無く、作業効率を向上することができる。
【0109】
(アラームオブジェクトにスイッチオブジェクトを融合させる処理)
図11は、
図1に示すPC1の制御部14が実行する、アラームオブジェクトにスイッチオブジェクトを融合させる処理を示すフローチャートである。
図12は、
図1に示すPC1を用いて融合操作が行われる場合、制御部14がアラームオブジェクトAL6にスイッチオブジェクトSW3を融合する様子を示す図である。アラームオブジェクトAL6は描画機能オブジェクトである。スイッチオブジェクトSW3は、描画機能オブジェクトであり、銘板付きスイッチオブジェクトである。
【0110】
図11及び
図12に示すように、制御部14は、入力部11がアラームオブジェクトAL6にスイッチオブジェクトSW3を融合させる融合操作を受け付けたと判定した場合(S11)を考える。この場合、制御部14は、スイッチオブジェクトSW3の要素を判定する(S12)。
【0111】
具体的には、制御部14は、スイッチオブジェクトSW3の属性情報を参照することにより、スイッチオブジェクトSW3の属性情報に含まれる要素を判定する。また、制御部14は、ステップS12において、上記融合操作で融合されたアラームオブジェクトAL6及びスイッチオブジェクトSW3について、属性情報のデータ構造に含まれる種類情報を参照してもよい。これにより、制御部14は、アラームオブジェクトAL6及びスイッチオブジェクトSW3の種類を判別する。
【0112】
制御部14は、スイッチオブジェクトSW3の要素を判定した後、アラームオブジェクトAL6に、スイッチオブジェクトSW3の要素と融合が可能な要素があるかを判定する(S13)。具体的に以下に説明する。ここでは、アラームオブジェクトとスイッチオブジェクトとの組み合わせが第1テーブルT1に存在していることを前提とする。
【0113】
制御部14は、
図10に示す第2テーブルTDが示す第2対応関係を参照することにより、アラームオブジェクトAL6に、スイッチオブジェクトSW3の要素と融合が可能な要素があるかを判定する。
【0114】
制御部14は、アラームオブジェクトAL6に、スイッチオブジェクトSW3の要素と融合が可能な要素が無いと判定した場合(S13でNO)、アラームオブジェクトAL6にスイッチオブジェクトSW3を移動させることのみを実行する(S17)。つまり、制御部14は、アラームオブジェクトAL6及びスイッチオブジェクトSW3を融合する処理を実行しない。
【0115】
制御部14は、アラームオブジェクトAL6に、スイッチオブジェクトSW3の要素と融合が可能な要素があると判定した場合(S13でYES)、スイッチオブジェクトSW3の要素から取込可能な情報を取得する(S14)。制御部14は、取込可能な情報を取得した後、
図12に示すリストLI1を表示部10に表示させ、アラームオブジェクトAL6の要素に融合させるスイッチオブジェクトSW3の要素の選択を受け付ける(S15)。
【0116】
制御部14は、ユーザの入力部11の操作によりスイッチオブジェクトSW3の要素の選択を受け付けた後、受け付けたスイッチオブジェクトSW3の要素を、アラームオブジェクトAL6の属性情報に設定する(S16)。
【0117】
なお、ステップS16において、制御部14は、アラームオブジェクトAL6の座標を優先するため、スイッチオブジェクトSW3の要素のうち文字列の座標については、アラームオブジェクトAL6の属性情報に設定しなくてもよい。また、制御部14は、アラームオブジェクトAL6の設定を優先するため、スイッチオブジェクトSW3の要素のうち文字列のアニメーションについては、アラームオブジェクトAL6の属性情報に設定しなくてもよい。
【0118】
さらに、アラームオブジェクトAL6が、スイッチオブジェクトへの複数機能の搭載に対応していない場合を考える。この場合、制御部14は、スイッチオブジェクトSW3の要素のうちスイッチオブジェクトへの複数機能の設定については、アラームオブジェクトAL6の属性情報に設定しなくてもよい。その上、制御部14は、アラームオブジェクトAL6の設定を優先するため、スイッチオブジェクトSW3の要素のうちスイッチのアニメーションについては、アラームオブジェクトAL6の属性情報に設定しなくてもよい。
【0119】
つまり、制御部14は、スイッチオブジェクトSW3の要素のうち、アラームオブジェクトAL6で未対応の要素については、アラームオブジェクトAL6の属性情報に設定しなくてもよい。
【0120】
(オブジェクトのデータ構造)
図13は、
図1に示す制御部14がスイッチオブジェクトとテキストオブジェクトとを融合させる場合において、各オブジェクトのデータ構造を示す図である。
図13に示すように、スイッチオブジェクトとテキストオブジェクトとは、異なる種類のオブジェクトであり、データ構造も異なる。
【0121】
制御部14は、テキストオブジェクトの属性情報から、文字列及びフォント等の必要な要素を取得する。このとき、制御部14は、スイッチオブジェクトのデータ構造に合わせて、テキストオブジェクトの属性情報から取得した要素をデータ変換する場合がある。また、制御部14は、テキストオブジェクトの属性情報から取得した要素のうち、スイッチオブジェクトに不要な要素(角度等)を無効化する。さらに、制御部14は、スイッチオブジェクト特有の要素(位置固定等)を有効化する。
【0122】
制御部14は、スイッチオブジェクトにテキストオブジェクトを融合することにより、銘板付きスイッチオブジェクトを作成する。制御部14は、銘板付きスイッチオブジェクトを作成する場合、スイッチオブジェクト及びテキストオブジェクトのデータ構造を、銘板付きスイッチオブジェクトのデータ構造内に定義する。
【0123】
これにより、銘板付きスイッチオブジェクトのデータ構造は、PP1に示す部分にスイッチオブジェクトのデータ構造を含み、PP2に示す部分にテキストオブジェクトのデータ構造を含む。また、制御部14は、テキストオブジェクトの要素のうちの座標については、スイッチオブジェクトの座標のデータからの相対座標または相対データにする。
【0124】
(プロジェクトへのインポート処理)
図14は、
図1に示す制御部14が実行するプロジェクトへのインポート処理を説明するための図である。
図14に示すように、プロジェクトPR1,PR2は、互いに同じデータ構造のプロジェクトとなっている。つまり、プロジェクトPR1,PR2は、互いに同じ種類のデータを含むとともに、プロジェクト内で同じ種類のデータ同士が隣接するものとなっている。
【0125】
制御部14は、ユーザによる入力部11の操作に基づき、プロジェクトPR1,PR2を融合させることにより、プロジェクトPR3を作成する場合を考える。この場合、制御部14は、プロジェクトPR2の画面P3及びアラームメッセージM2のデータについては、データ変換せずに同じデータ構造を維持して、プロジェクトPR3に設定する。これにより、制御部14は、プロジェクト内で同じ種類のデータ同士が隣接するプロジェクトPR3を作成する。
【0126】
〔ソフトウェアによる実現例〕
PC1及びプログラマブル表示器2(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、当該装置の制御ブロック(特に制御部14,24)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0127】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記実施形態で説明した各機能が実現される。
【0128】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0129】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0130】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る作画装置は、第1仕様に基づく第1画面ファイルを作成可能な作画装置であって、ユーザの入力を受け付ける入力部と、前記入力部が受け付けたユーザの入力に従って、前記第1画面ファイルを作成する制御部と、を備え、前記入力部は、前記第1画面ファイルの作成において、前記第1仕様とは異なる第2仕様に基づいて作成された第2画面ファイルに含まれる第1オブジェクト及び第2オブジェクトを流用する流用操作と、前記流用操作によって流用される前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトを融合させる融合操作と、を受け付け可能に構成され、前記制御部は、前記入力部が前記融合操作を受け付けた場合、前記第1オブジェクトの第1属性情報と、前記第2オブジェクトの第2属性情報と、に基づいて、前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとが融合したオブジェクトである第3オブジェクトの第3属性情報を作成する。
【0131】
第1仕様とは異なる第2仕様に基づいて作成された第2画面ファイルに含まれる第1オブジェクト及び第2オブジェクトが流用された場合を考える。この場合において、制御部は、第1オブジェクトと第2オブジェクトとが融合したオブジェクトである第3オブジェクトの第3属性情報を作成する。
【0132】
これにより、ユーザは、第1画面ファイルとは仕様が異なる第2画面ファイルから第1オブジェクト及び第2オブジェクトを流用しつつ、第1画面ファイルの作成において、融合操作によって所望の第3属性情報を容易に得ることができる。したがって、ユーザは、第3属性情報を新たに作成するための操作を行うことなく、第1オブジェクト及び第2オブジェクトを流用して制御部により作成された第3属性情報を得ることができるため、作業効率を向上することができる。
【0133】
本発明の態様2に係る作画装置では、上記態様1において、前記制御部は、前記入力部が前記融合操作を受け付けた場合、描画を示す前記第1属性情報と、描画を示す前記第2属性情報とを、機能を示すとともに予め設定された属性情報に設定することにより、描画及び機能を示す前記第3属性情報を作成してもよい。
【0134】
機能を示す属性情報が予め設定されているため、ユーザは、融合操作により、描画及び機能を有する第3オブジェクトの第3属性情報を容易に得ることができる。よって、第1オブジェクト及び第2オブジェクトに機能が無い場合でも、ユーザは、描画及び機能を有する第3オブジェクトの第3属性情報を容易に得ることができる。
【0135】
本発明の態様3に係る作画装置では、上記態様1または2において、前記制御部は、前記入力部が前記融合操作を受け付けた場合、前記第1属性情報と、前記第1属性情報に合わせて変更された前記第2属性情報と、を含む前記第3属性情報を作成してもよい。
【0136】
制御部は、第1属性情報と、第1属性情報に合わせて変更された第2属性情報と、を含む第3属性情報を作成するため、第1属性情報と第2属性情報とが統一された第3属性情報を作成することができる。よって、ユーザは、第3属性情報を作成するための操作を行う際、第1属性情報に合わせて第2属性情報を変更する操作を行う必要が無い。
【0137】
本発明の態様4に係る作画装置では、上記態様1から3のいずれかにおいて、前記制御部は、前記入力部が前記融合操作を受け付けた場合、機能を示す前記第1属性情報と、描画を示す前記第2属性情報と、を含む前記第3属性情報を作成してもよい。
【0138】
制御部は、機能を示す第1属性情報と、描画を示す第2属性情報と、を含む第3属性情報を作成する。これにより、第1オブジェクトに描画が無い場合でも、ユーザは、描画及び機能を有する第3オブジェクトの第3属性情報を容易に得ることができる。
【0139】
本発明の態様5に係る作画装置では、上記態様1から4のいずれかにおいて、前記第1属性情報は、互いに種類が異なる第1要素及び第2要素を含み、前記第2属性情報は、前記第1要素の種類と同じ種類の要素である第3要素と、前記第2要素の種類と同じ種類の要素である第4要素と、を含み、前記制御部は、前記入力部が前記融合操作を受け付けた場合、前記第1要素と前記第3要素とを融合させるとともに、前記第2要素と前記第4要素とを融合させてもよい。
【0140】
第1オブジェクト及び第2オブジェクトが融合される際、互いに種類が同じ要素同士が融合される。このため、ユーザは、第3オブジェクトの第3属性情報を作成するための操作を行う際、種類が同じ要素を選択する操作を行う必要が無く、作業効率を向上することができる。
【0141】
本発明の態様6に係る作画装置は、上記態様1から5のいずれかにおいて、前記第1オブジェクトの種類と、前記第2オブジェクトの種類と、の第1対応関係を示す第1テーブルを記憶する記憶部を備え、前記制御部は、前記入力部が前記融合操作を受け付けた場合、前記記憶部に記憶されている前記第1テーブルが示す前記第1対応関係を参照することにより、前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとの融合が可能であるか否かを判定してもよい。
【0142】
制御部は、第1テーブルが示す第1対応関係を参照することにより、第1オブジェクトと第2オブジェクトとの融合が可能であるか否かを判定する。このため、制御部は、予め想定された第3オブジェクトの第3属性情報を作成することができ、第3オブジェクトを正常に機能させることができる。
【0143】
本発明の態様7に係る作画装置では、上記態様6において、前記第1属性情報及び前記第2属性情報はそれぞれ、互いに種類が異なる複数の要素を含み、前記記憶部は、前記第1対応関係に対応する第2対応関係であって、前記要素の種類と、前記要素の融合可否と、の第2対応関係を示す第2テーブルを記憶し、前記制御部は、前記入力部が前記融合操作を受け付けた場合、前記記憶部に記憶されている前記第2テーブルが示す前記第2対応関係を参照することにより、前記要素の種類毎に、前記第1属性情報が含む前記要素と、前記第2属性情報が含む前記要素と、の融合が可能であるか否かを判定してもよい。
【0144】
制御部は、第2テーブルが示す第2対応関係を参照することにより、要素の種類毎に、第1属性情報が含む要素と、第2属性情報が含む要素と、の融合が可能であるか否かを判定する。このため、制御部は、融合されることが予め想定された要素同士を融合させることができ、第3オブジェクトが含む複数の要素を正常に機能させることができる。
【0145】
本発明の態様8に係る作画方法は、第1仕様に基づく第1画面ファイルを作成する作画方法であって、ユーザの入力を受け付ける入力ステップと、前記入力ステップにより受け付けたユーザの入力に従って、前記第1画面ファイルを作成する作成ステップと、を含み、前記入力ステップは、前記第1画面ファイルの作成において、前記第1仕様とは異なる第2仕様に基づいて作成された第2画面ファイルに含まれる第1オブジェクト及び第2オブジェクトを流用する流用操作を受け付ける流用受付ステップと、前記流用操作によって流用される前記第1オブジェクト及び前記第2オブジェクトを融合させる融合操作を受け付ける融合受付ステップと、を含み、前記作成ステップは、前記融合受付ステップにおいて前記融合操作を受け付けた場合、前記第1オブジェクトの第1属性情報と、前記第2オブジェクトの第2属性情報と、に基づいて、前記第1オブジェクトと前記第2オブジェクトとが融合したオブジェクトである第3オブジェクトの第3属性情報を作成する情報作成ステップを含む。
【0146】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態にそれぞれ開示された複数の技術的手段を適宜組み合わせて得られる構成についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0147】
1 PC
10 表示部
11 入力部
12 記憶部
14 制御部
AL1~AL6 アラームオブジェクト
BU1~BU6、SW1~SW3 スイッチオブジェクト
CH1、CH2 表オブジェクト
F1 機能オブジェクト
F2 部品オブジェクト
FG1 部品群オブジェクト
TX1~TX4 テキストオブジェクト
TXG1 テキスト群オブジェクト
T1 第1テーブル
TA~TE 第2テーブル