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  • 特開-配布物管理システム 図1
  • 特開-配布物管理システム 図2
  • 特開-配布物管理システム 図3
  • 特開-配布物管理システム 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179284
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】配布物管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/20 20120101AFI20241219BHJP
   G06F 21/31 20130101ALI20241219BHJP
【FI】
G06Q50/20
G06F21/31
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098008
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000250502
【氏名又は名称】理想科学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(74)【代理人】
【識別番号】100170575
【弁理士】
【氏名又は名称】森 太士
(72)【発明者】
【氏名】中台 綾
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC34
5L050CC34
(57)【要約】
【課題】セキュリティを担保しつつ、必要最小限のデータ保存で欠席したユーザが欠席日の配布物をプリントする。
【解決手段】配布物の電子データを、ユーザID、所属情報、及び欠席日情報を関連付けて保存する一方、欠席日情報が存在しない電子データは、電子データに関連付けられた情報とともに消去する記憶部16と、ユーザID、パスワード、所属情報及び欠席日情報を含む認証データからユーザの認証を行うユーザ認証部11と、認証されたユーザの欠席日の電子データを印刷する印刷部13とを有する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
配布物の電子データを、ユーザID、所属情報、及び欠席日情報を関連付けて保存する一方、前記欠席日情報が存在しない電子データは、前記電子データに関連付けられた情報とともに消去するデータ保存部と、
前記ユーザID、パスワード、所属情報及び欠席日情報を含む認証データからユーザの認証を行う認証部と、
認証されたユーザの欠席日の電子データを印刷する印刷部と
を備えたことを特徴とする配布物管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、適切に配布物を管理する配布物管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
学校等では、学生に対して、プリントアウトされた資料、テスト用紙、おしらせなどの配布物が配布される。
【0003】
これらの配布物を配布する上で、学校を欠席した人へは後日配布する必要があるが、このように欠席者への配布物を管理するのは非常に手間がかかっていた。
【0004】
特許文献1では、各講義の出欠状況と各講義資料の印刷状況を有する毎に管理するシステムが提案されている。
【0005】
特許文献2では、ユーザの情報と配布物の情報を欠席情報と関連付けて記憶しておき、欠席したユーザが欠席時の配布物を印刷するシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第6365843号公報
【特許文献2】特開2016-206554号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述の特許文献1に記載のシステムでは、各講義の出欠状況と各講義資料の印刷状況を有する毎に管理するので、扱うデータ量が膨大になり、また、使われない無駄なデータが多いという課題がある。
【0008】
また、特許文献2に記載のシステムでは、ユーザの情報と配布物の情報を欠席情報と関連付けて記憶しておき、欠席したユーザが欠席時の配布物を印刷するが、特許文献1に記載のシステムと同様に、配布した配布物のデータを全て保存しておくため、扱うデータを量が膨大になるという課題があった。また、システムには欠席していないユーザもログイン可能なため、セキュリティの点でも改善の余地があった。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、セキュリティを担保しつつ、必要最小限のデータ保存で欠席したユーザが欠席日の配布物をプリントすることができる配布物管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明に係る配布物管理システムの特徴は、
配布物の電子データを、ユーザID、所属情報、及び欠席日情報を関連付けて保存する一方、前記欠席日情報が存在しない電子データは、前記電子データに関連付けられた情報とともに消去するデータ保存部と、
前記ユーザID、パスワード、所属情報及び欠席日情報を含む認証データからユーザの認証を行う認証部と、
認証されたユーザの欠席日の電子データを印刷する印刷部と
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る配布物管理システムによれば、セキュリティを担保しつつ、必要最小限のデータ保存で欠席したユーザが欠席日の配布物をプリントすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施例に係る配布物管理システムの構成を説明した図である。
図2】(a)は、本発明の実施例に係る配布物管理システムが有する記憶部に記憶されたユーザ情報の一例を示した図である。(b),(c)は、2つのテーブルに分割した場合における、記憶部に記憶されたユーザ情報の一例を示した図である。
図3】本発明の実施例に係る配布物管理システムが有する記憶部に記憶されたジョブ情報の一例を示した図である。
図4】本発明の実施例に係る配布物管理システムの処理内容を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。各図面を通じて同一もしくは同等の部位や構成要素には、同一もしくは同等の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なることに留意すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
【0014】
また、以下に示す実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置等を例示するものであって、この発明の技術的思想は、各構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0015】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る配布物管理システムの実施形態を詳細に説明する。
【0016】
<配布物管理システムの全体構成>
図1は、本発明の実施例に係る配布物管理システム100の構成を説明した図である。
【0017】
図1に示すように、配布物管理システム100は、コンピュータ2と、コンピュータ2とネットワーク3を介して接続された印刷装置1とを備える。
【0018】
コンピュータ2は、アプリケーションを実行することにより、配布物の電子データを生成する。また、コンピュータ2は、生成された配布物の電子データ(ジョブデータ)と、ユーザID、所属情報、及び欠席日情報などをジョブ情報とを、ネットワーク3を介して接続された印刷装置1へ送信する。
【0019】
印刷装置1は、ユーザ認証部11と、制御部12と、印刷部13と、情報入力部14と、スキャナー部15と、記憶部16とを有する。
【0020】
ユーザ認証部11は、後述する情報入力部14から、ユーザID、パスワード、所属情報及び欠席日情報を含む認証データがユーザ入力された場合、後述する記憶部16に記憶されたユーザ情報に基づいて認証する。
【0021】
制御部12は、印刷装置1の全体制御を行う。具体的には、印刷部13やスキャナー部15を動作させる。特に、制御部12は、印刷部13に対して、ユーザ認証部11により認証されたユーザの欠席日の電子データを印刷させる。
【0022】
印刷部13は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)のインクに対応するインクジェットヘッド(図示しない)を備えており、環状の搬送ベルト(図示しない)によって印刷条件により定められる速度で搬送されながら、インクジェットヘッドから吐出されたインクによりライン単位で印刷される。
【0023】
情報入力部14は、例えば、タッチパネルと、このタッチパネルの裏面に配置され、各種表示画面を表示する液晶表示パネル(いずれも図示せず)とを有している。液晶表示パネルから、ユーザがユーザID、パスワード、所属情報及び欠席日情報を含む認証データを入力すると、入力された認証データをユーザ認証部11へ供給する。
【0024】
スキャナー部15は、光源から原稿台に載置された配布物に光を照射し、その露光面の反射光をCCDで読み取ることにより、配布物の電子データを取得し、ジョブデータを生成する。
【0025】
記憶部16は、例えば、ハードディスクドライブなどで構成され、ユーザ情報161と、ジョブ情報162と、ジョブデータ163を記憶する。
【0026】
ユーザ情報161は、生徒や学生のユーザ名と、ユーザIDや出席番号などユーザを識別可能な識別情報と、学年やクラスなどの所属を示す所属情報と、欠席日情報とが関連付けられた情報である。
【0027】
図2(a)は、記憶部16に記憶されたユーザ情報161の一例を示した図である。
【0028】
図2(a)に示すように、ユーザ情報161は、ユーザ名D101と、所属情報D102と、識別情報D103と、欠席日情報D104とが関連付けられて記憶されている。なお、ここでは図示しないが、認証に用いられるパスワードも記憶されている。
【0029】
例えば、図2(a)に示すユーザ2は、1年1クラスに所属しており、10/1,10/2,10/3に欠席していることが記憶されている。
【0030】
また、図2(a)では、1つのテーブルに、ユーザ名D101と、所属情報D102と、識別情報D103と、欠席日情報D104とが関連付けて記憶したが、2つのテーブルに分割してユーザ情報161を記憶するようにしてもよい。
【0031】
図2(b),(c)は、2つのテーブルに分割した場合における、記憶部16に記憶されたユーザ情報161の一例を示した図である。
【0032】
図2(b)に示すように、ユーザ情報161として、ユーザ名D201と、所属情報D202と、識別情報D203とが関連付けられて記憶されている。
【0033】
また、図2(c)に示すように、ユーザ情報161として、欠席日情報D204と、この欠席日情報D204に欠席したユーザのユーザ名D206とが関連付けられて記憶されている。
【0034】
図2(a)に示すように、1つのテーブルに、ユーザ名D101と、所属情報D102と、識別情報D103と、欠席日情報D104とが関連付けて記憶するようにしてもよいし、2つのテーブルに分割してユーザ情報161を記憶するようにしてもよい。
【0035】
ジョブ情報162は、ジョブ名と、ユーザIDや出席番号などユーザを識別可能な識別情報と、配布日情報などのジョブデータに関する情報である。
【0036】
図3は、記憶部16に記憶されたジョブ情報162の一例を示した図である。
【0037】
図3に示すように、ジョブ情報162は、ジョブ名D401と、所属情報D402と、識別情報D403と、配布日情報D404とが関連付けられて記憶されている。
【0038】
ジョブデータ163は、配布物の電子データである。
【0039】
記憶部16は、配布物の電子データを、ユーザID、所属情報、及び欠席日情報を関連付けて保存する一方、欠席日情報が存在しない電子データは、電子データに関連付けられた情報とともに消去する。
【0040】
具体的には、記憶部16は、ユーザ情報161と、ジョブ情報162と、ジョブデータ163とを関連付けて記憶する。その一方で、記憶部16は、欠席日情報のない配布物の電子データをジョブデータ163から消去すると共に、欠席日情報のない配布物の電子データに関連付けたユーザID、所属情報、及び欠席日情報をジョブ情報162から消去する。
【0041】
<配布物管理システムの処理内容>
図4は、本発明の実施例に係る配布物管理システム100の処理内容を示したフローチャートである。
【0042】
図4に示すように、ステップS101において、情報入力部14の液晶表示パネルから、ユーザがユーザID、パスワード、所属情報及び欠席日情報を含む認証データを入力する。なお、コンピュータ2が、ユーザID、パスワード、所属情報及び欠席日情報を含む認証データを、ネットワーク3を介して接続された印刷装置1へ送信するようにしてもよい。
【0043】
ステップS103において、ユーザ認証部11は、ユーザID、パスワード、所属情報及び欠席日情報を含む認証データが入力された場合、記憶部16に記憶されたユーザ情報と比較する。
【0044】
記憶部16に記憶されたユーザ情報と一致しないと判定された場合(ステップS103;一致しない)、ステップS105において、制御部12は、情報入力部14の液晶表示パネル上に、情報が一致しないことを示すメッセージを表示すると共に、印刷装置1の操作を不可する。
【0045】
一方、記憶部16に記憶されたユーザ情報と一致すると判定された場合(ステップS103;一致する)、ステップS107において、制御部12は、印刷装置1の操作を可能にする。
【0046】
ステップS109において、記憶部16は、ユーザ情報161と、ジョブ情報162とに基づいて、欠席日(欠席日情報)と、学年、クラス(所属情報)と、出席番号(ユーザID)とが合致するジョブをジョブデータ163から抽出する。
【0047】
ステップS111において、情報入力部14は、液晶表示パネルに、抽出したジョブを表示させる。
【0048】
ステップS113において、制御部12は、抽出したジョブに基づいて印刷部13に印刷指示する。
【0049】
ステップS109において、印刷部13は、抽出したジョブに基づいて印刷する。
【0050】
以上のように、本発明の実施例に係る配布物管理システム100によれば、配布物の電子データを、ユーザID、所属情報、及び欠席日情報を関連付けて保存する一方、欠席日情報が存在しない電子データは、電子データに関連付けられた情報とともに消去する記憶部16と、ユーザID、パスワード、所属情報及び欠席日情報を含む認証データからユーザの認証を行うユーザ認証部11と、認証されたユーザの欠席日の電子データを印刷する印刷部13とを有するので、必要最小限のデータ保存で欠席したユーザが欠席日の配布物をプリントすることができ、ユーザの認証には欠席したユーザが知っている欠席日情報が使われるため、セキュリティを向上させることができる。
【0051】
なお、記憶部16は、配布物の電子データに保存有効期間の情報を関連付けて保存し、保存有効期間が過ぎた配布物は、欠席日情報があったとしても、電子データを関連付けた情報とともに消去するようにしてもよい。
【0052】
また、本発明の実施例では、インクジェット式の印刷装置を例に挙げて説明したが、これに限らず、印刷装置は孔版印刷装置や電子写真装置など印刷装置であればどのような印刷方式の印刷装置でも適用することができる。
【0053】
(付記)
本出願は、以下の発明を開示する。
【0054】
(付記1)
配布物の電子データを、ユーザID、所属情報、及び欠席日情報を関連付けて保存する一方、前記欠席日情報が存在しない電子データは、前記電子データに関連付けられた情報とともに消去するデータ保存部と、
前記ユーザID、パスワード、所属情報及び欠席日情報を含む認証データからユーザの認証を行う認証部と、
認証されたユーザの欠席日の電子データを印刷する印刷部と
を備えたことを特徴とする配布物管理システム。
【0055】
これにより、必要最小限のデータ保存で欠席したユーザが欠席日の配布物をプリントすることができ、ユーザの認証には欠席したユーザが知っている欠席日情報が使われるため、セキュリティが向上する。
【符号の説明】
【0056】
1 印刷装置
2 コンピュータ
3 ネットワーク
11 ユーザ認証部
12 制御部
13 印刷部
14 情報入力部
15 スキャナー部
16 記憶部
100 配布物管理システム
161 ユーザ情報
162 ジョブ情報
163 ジョブデータ
図1
図2
図3
図4