(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017929
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】清掃機構、送風機
(51)【国際特許分類】
F04D 29/70 20060101AFI20240201BHJP
F04D 29/28 20060101ALI20240201BHJP
F04D 29/046 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
F04D29/70 G
F04D29/28 L
F04D29/046 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120899
(22)【出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】弁理士法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】菅原 崇弘
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 紘和
(72)【発明者】
【氏名】尾崎 圭史
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB26
3H130AB45
3H130AB52
3H130AC19
3H130BA45A
3H130BA45C
3H130CB07
3H130CB12
3H130DB08X
3H130DJ03X
3H130EA01A
3H130EA01C
3H130EA01E
3H130EA01Z
3H130EA04A
3H130EA04C
3H130EA04E
3H130EA04Z
3H130EA07A
3H130EA07C
3H130EA07E
3H130EA07Z
3H130EC06E
(57)【要約】 (修正有)
【課題】冷却性能の低下を抑制しつつメンテナンス性の低下を抑えることのできる清掃機構、電動送風機を提供すること。
【解決手段】本発明の実施形態に係る清掃機構は、送風機の入気口を覆うように配設された金網131を清掃する。この清掃機構は、入気口へ向かう気流を受ける羽根10を有する風車部と、金網と対向し該金網から離間させた位置に風車部を回転可能に保持する支柱部30と、風車部の表面上における金網と対向する位置に、金網上を摺動可能に配設されたブラシ40と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送風機の入気口を覆うように配設された金網を清掃する清掃機構であって、
前記入気口へ向かう気流を受ける羽根を有する風車部と、
前記金網と対向し該金網から離間させた位置に前記風車部を回転可能に保持する支柱部と、
前記風車部の表面上における前記金網と対向する位置に、前記金網上を摺動可能に配設されたブラシと、
を備えた清掃機構。
【請求項2】
前記ブラシは、前記風車部から着脱可能に構成されたことを特徴とする請求項1記載の清掃機構。
【請求項3】
前記支柱部は、前記風車部を前記入気口の外側に保持することを特徴とする請求項1記載の清掃機構。
【請求項4】
前記支柱部は、前記風車部を前記入気口の内側に保持することを特徴とする請求項1記載の清掃機構。
【請求項5】
前記支柱部の一方の端部が前記風車部を前記金網に対して略並行に固定し、前記支柱部の他方の端部が前記金網の略中央位置に前記風車部の回転方向に回転可能に係止されたことを特徴とする請求項1記載の清掃機構。
【請求項6】
前記支柱部の他方の端部は、前記金網の略中央位置にブッシュ部材を介して係止されたことを特徴とする請求項5記載の清掃機構。
【請求項7】
前記支柱部の一方の端部が前記金網の中央部分に固定され、前記支柱部の他方の端部が前記風車部を回転可能に保持することを特徴とする請求項1記載の清掃機構。
【請求項8】
前記風車部は、ドライブッシュを介して前記支柱部に保持されることを特徴とする請求項7記載の清掃機構。
【請求項9】
前記風車部は、シール軸受を介して前記支柱部に保持されることを特徴とする請求項7記載の清掃機構。
【請求項10】
前記支柱部の一方の端部は、インロー構造を有することを特徴とする請求項5記載の清掃機構。
【請求項11】
請求項1ないし10のいずれか1項に記載の清掃機構を備えた送風機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷却用送風機の入気口に設けられる清掃機構及び送風機に関する。
【背景技術】
【0002】
冷却用電動送風機は、主電動機、発電機、変換装置などの電気機器を冷却するために用いられる。これらの機器を冷却する冷却構造として、送風機から外気を送り込んで強制的に冷却する強制風冷型の機器が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-5075
【特許文献2】特開平7-110
【特許文献3】特開2008-69691
【特許文献4】特開2015-1279
【特許文献5】実開平3-57342
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
各種電気機器を冷却する電動送風機は、一般に、羽根車およびそれを駆動する電動機を有している。電動機が羽根車を回転させて電動送風機の入気口から外気を取り入れ、排気口から冷却対象機器へ向けて通風する。電動送風機の入気口には、外部からの異物の侵入を防止するため、例えば金網のような防護機構が設けられている。
【0005】
電動送風機を稼働させると、塵埃が入気口の金網に付着し堆積していく。塵埃の堆積は電動送風機の冷却性能を低下させる原因となるから、定期的に金網を清掃する必要がある。
【0006】
ここで、金網の目を粗くすれば、塵埃の付着や堆積による金網の詰まりを低減し、電動送風機の冷却性能低下を免れ、入気口の金網清掃周期を延長することができる。しかし、電動送風機の排気口から塵埃をそのまま送り出すことになるから、排気口に設けられた金網に塵埃が堆積して冷却対象機器への供給風量が低下し、狙った冷却効果が得られないことになる。また電動送風機の内部や冷却対象機器が汚損されメンテナンス性が低下することが考えられる。
【0007】
本発明の実施形態は、かかる課題を解決するためになされたもので、送風機の入気口の詰まりを防止し、送風機内への大きな塵埃の侵入を防ぎ、冷却性能の低下を抑制しつつ、メンテナンス性の低下を抑えることのできる清掃機構、電動送風機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態に係る清掃機構は、送風機の入気口を覆うように配設された金網を清掃する。この清掃機構は、入気口へ向かう気流を受ける羽根を有する風車部と、金網と対向し該金網から離間させた位置に風車部を回転可能に保持する支柱部と、風車部の表面上における金網と対向する位置に、金網上を摺動可能に配設されたブラシと、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る電動送風機の構成を示す概要図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る清掃機構の断面を示す断面図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る清掃機構の正面構成を示す正面図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る清掃機構の風車部の構造を示す平面図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係る羽根部の詳細を示す平面図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態に係る羽根部の詳細を風車部の円周側から見た断面図である。
【
図7】本発明の第2の実施形態に係る清掃機構の断面を示す断面図である。
【
図8】本発明の第3の実施形態に係る清掃機構の断面を示す断面図である。
【
図9】本発明の第4の実施形態に係る清掃機構の断面を示す断面図である。
【
図10】本発明の第5の実施形態に係る清掃機構の断面を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施形態)
実施形態の清掃機構は、電動送風機の入気口の金網部にブラシを配置し、ブラシを金網部に接触させて摺動させることで、金網に付着した塵埃を除去する。ブラシは、風車部の羽根支持部材に沿って配設され、風車部は、入気口の金網部を覆うように配設される。そして、風車部は、電動送風機の動作に応じて発生する入気口への気流によって回転し、風車部の回転の結果、風車部に配設されたブラシが金網の表面上を摺動する。このような動作により、電動送風機を作動させることでブラシが金網部の表面を継続的に清掃可能となる。
【0011】
すなわち、実施形態の送風機清掃機構は、電動送風機が生み出す気流によって入気口の金網部上をブラシが移動して塵埃を除去する。これにより、特段のメンテナンスを要することなく金網部の清掃を継続することができる。また、送風による冷却機能の低下を抑えることができる。
【0012】
(第1の実施形態の構成)
以下、
図1ないし
図3を参照して、第1の実施形態に係る清掃機構について詳細に説明する。
図1に示す例では、清掃機構1は電動送風機100の入気口130を清掃する形態を示している。
【0013】
図1に示すように、電動送風機100は、電動機110と、電動機により駆動される送風機構(図示せず)を収容するケーシング120と、送風機構に空気を取り込む入気口130と、送風機構により生成された気流を排出する排気口140を有している。
図1に示す例は、ケーシング120に収容されたシロッコファンを電動機110が回転させ、入気口130から入気した空気を排気口130に排出するタイプのシロッコ型電動送風機である。しかし、この実施形態の清掃機構1を適用する電動送風機は、シロッコ型電動送風機に限定されない。例えば軸流型電動送風機に適用することもできる。すなわち、入気口から空気を取り込み排気口から空気を排出する形態の送風機であれば、諸々の形態の電動送風機に適用することができる。電動送風機100は、入気口130から空気を取り入れて排出口140から空気を排出する。そのため、実施形態の清掃機構1は、入気口130の空気取り入れ面に配設された金網部を覆うように配設される。
【0014】
図2に示すように、第1の実施形態の電動送風機100では、入気口130の空気取り入れ面が金網部131で覆われている。金網部131は、電動送風機100の中に塵埃が取り込まれないよう入気口130を防護する。実施形態の清掃機構1は、風車部1aと、入気口130に配設された金網部131の外面から所定の距離離間させた位置に風車部1aを保持する支柱部30とを有している。
【0015】
図3に示すように、風車部1aは、複数の羽根部10を有しており、金網部131全体を覆う大きさに形成されている。風車部1aは、その中心に位置する支柱部30から放射状に形成された複数の支持部20を有している。支持部20は、例えば軽量で棒状の部材により実現できる。支持部20の先端から中間までの領域には、羽根部10が配設されている。すなわち、風車部1aは、支柱部30を中心とする円周上に複数の羽根部10を有している。
【0016】
風車部1aの中央側における支持部20の端部は、円筒状に形成された円筒部材21に接続されている。すなわち、複数の支持部20は、円筒部材21を中心に放射状に形成される。円筒部材21は、支柱部30に嵌合可能な内径を有している。支柱部30は、その周面に段差部30aおよびフランジ30bを有している。円筒部材21は、段差部30aおよびワッシャ32に挟まれ、ボルト31により支柱部30の一方の端部に支柱部30と同軸的に固定される。すなわち、風車部1aは、支柱部30に図中X点において固定されている。
【0017】
金網部131は、略中心位置に開口部132を有している。支柱部30の他方の端部は、開口部132を貫通し、フランジ30bと金網部131の外表面とが当接している。支柱部30の他方の端部にはナット33が締結され、フランジ30bおよびナット33が金網部131を挟みこんで固定する。すなわち、支柱部30は、金網部131に回転可能に保持される。
【0018】
ナット33および金網部131の間、支柱部30および金網部131の開口部132の縁部の間、フランジ30bおよび金網部131の間には、ブッシュ部材34が配設されている。ブッシュ部材34は、それぞれの間の摩擦を低減する。これにより、支柱部30は、金網部131に対して滑らかに回転可能に構成される。
【0019】
このように、支柱部30は、風車部1aを図中X点において固定する一方、図中Y点において金網部131に対して回転可能に保持する。
【0020】
この実施形態では、支柱部30は、風車部1aを金網部131の外面側(入気口130の外側)に保持する。
図2に示すように、支持部20は、金網部131の外面に対向する側にブラシ40を備えている。一つの支持部20は、複数のブラシ40を備えてもよい。ブラシ40は、風車部1aが金網部131に対して回転すると、金網部131の外表面上を摺動する。すなわち、ブラシ40は、風車部1aの回転に応じて金網部131の外表面に付着または堆積した塵埃を除去する機能を有する。
【0021】
風車部1aは、ナット33により金網部131から外れないように保持される。また、風車部1aは、フランジ30bにより金網部131との間の距離が一定に保持される。
【0022】
ここで、
図4ないし
図6を参照して、風車部1aに配設されたブラシ40について詳細に説明する。
【0023】
図4は、風車部1aを金網部131側(ブラシ40配置側)から見た構成を示している。
図4に示すように、実施形態の風車部1aは、支持部20に沿って複数のブラシ40が配設されている。
図4に示す例では、羽根部10に対応する位置と、羽根部10および円筒部材21の間の位置にブラシ40が配設されている。
【0024】
図5に示すように、ブラシ40は、中心から複数の異なる方向に向けて伸びた線状の清掃部材41を固定した構成を有している。ブラシ40をなす清掃部材41は、金網部131に付着した塵埃を除去できる程度に柔軟性をもった材料により形成されることが望ましい。
【0025】
図6に示すように、羽根部10は、金網部131に対して所定の角度αの傾斜角をもって支持部20に固定されている。言い換えれば、羽根部10は、風車部1aの周方向に対して傾きを持って支持部20に固定されている。
図4ないし
図6に示す羽根部10は板状部材により形成されているが、これには限定されない。空力的な観点から曲面により構成されてもよい。
【0026】
図5および
図6に示すように、ブラシ40は、ブラシ支持部材42により支持部20に固定されている。ブラシ支持部材42は、支持部20上に一定間隔で支持部20から金網部131に向けて配設される。
図6に示すように、ブラシ支持部材42は、その端部においてブラシ40を保持し、ブラシ40を適切な強度で金網部131の表面に押し付ける。
図6に示すように、羽根部10が矢印Fの方向の気流を受けると、風車部1aは支柱部30を中心に回転する。その結果、ブラシ40は矢印Mの方向に金網部131の表面上を摺動する。すなわち、入気口130に対する通風によって風車部1aが回転し、ブラシ40は金網部131の表面上を摺動する。
【0027】
なお、ブラシ40は、支持部20から取り外し可能な構造を有してもよい。これにより、送風機清掃機構1のメンテナンスを簡便にすることができる。
【0028】
図1ないし
図6に示す実施形態において電動送風機100を稼働させると、入気口130から入気し排気口140から排気する気流が発生する。清掃機構1の風車部1aは、この気流により回転する。風車部1aが回転すると、支持部20に固定されたブラシ40が金網部131の外表面を摺動して擦り、金網部131の外表面上の塵埃を清掃する。この動作によって、微小な塵埃が金網部131の目に詰まることを防ぐことができる。
【0029】
また、ブラシ40は、中心から複数の異なる方向に向けて伸びた線状の清掃部材41を備えるので、鳥の羽のような比較的大きな塵埃が金網部131の外表面に付着した場合、ブラシ40の清掃部材41によりからめとることができる。この実施形態の電動送風機100によれば、運転中は常時通風が存在するので、常時風車部1aが回転し、金網部131の清掃を継続することができる。これは、金網部131の清掃に要する作業時間の削減と電動送風機100の冷却性能の低下抑制の両立を図ることを可能にする。
【0030】
(第2の実施形態の構成)
続いて、
図7を参照して、第2の実施形態に係る清掃機構について詳細に説明する。
図7に示す例では、清掃機構2は、電動送風機100における入気口の金網部131の内面側を清掃する形態を示している。以下の説明において、第1の実施形態と共通する構成については共通する符号を付して示し、共通する説明を省略する。
【0031】
図7に示すように、第2の実施形態の電動送風機100においても、入気口130の吸気面が金網部131で覆われている。実施形態の清掃機構2は、風車部2aと、入気口130に配設された金網部131の内面から所定の距離離間させた位置に風車部2aを保持する支柱部30とを有している。
【0032】
図2に示す第1の実施形態では、入気口130における金網部131の外面側に風車部1aが保持されているが、第2の実施形態では、入気口130における金網部131の内面側に風車部2aが保持されている。
図7に示すように、風車部2aおよび支柱部30の構成は、第1の実施形態の風車部1aおよび支柱部30と共通する。
【0033】
図7に示すように、金網部131は、略中心位置に開口部132を有している。支柱部30の他方の端部は、開口部132を貫通し、フランジ30bと金網部131の外表面とが当接している。支柱部30の他方の端部にはナット33が締結され、フランジ30bおよびナット33が金網部131を挟みこんで固定する。すなわち、支柱部30は、金網部131に回転可能に保持される。
【0034】
ナット33および金網部131の間、支柱部30および金網部131の開口部132の縁部の間、フランジ30bおよび金網部131の間には、ブッシュ部材34が配設されている。ブッシュ部材34は、それぞれの間の摩擦を低減する。これにより、支柱部30は、金網部131に対して滑らかに回転可能に構成される。
【0035】
この実施形態では、支柱部30は、風車部2aを金網部131の内面側(入気口130の内側)に保持する。
図7に示すように、支持部20は、金網部131の内面に対向する側にブラシ40を備えている。一つの支持部20は、複数のブラシ40を備えてもよい。ブラシ40は、風車部2aが金網部131に対して回転すると、金網部131の内表面上を摺動する。すなわち、ブラシ40は、風車部1aの回転に応じて金網部131の内表面に付着または堆積した塵埃を除去する機能を有する。
【0036】
風車部2aは、ナット33により金網部131から外れないように保持される。また、風車部2aは、フランジ30bにより金網部131との間の距離が一定に保持される。
【0037】
この実施形態の清掃機構2によれば、風車部2aが電動送風機100における入気口130の金網部131の内側に配設されるので、パトロール員等が風車部2aに接触することがなく、安全性を高くすることができる。
【0038】
(第3の実施形態の構成)
続いて、
図8を参照して、第3の実施形態に係る清掃機構について詳細に説明する。第3の実施形態に係る清掃機構は、風車部を保持する方法が第1の実施形態と相違している。以下の説明において、第1の実施形態と共通する構成については共通する符号を付して示し、共通する説明を省略する。
【0039】
図8に示すように、第3の実施形態の電動送風機100においても、入気口130の吸気面が金網部131で覆われている。実施形態の清掃機構3は、風車部3aと、入気口130に配設された金網部131の外面から所定の距離離間させた位置に風車部3aを保持する支柱部30とを有している。
【0040】
風車部3aの中央側における支持部20の端部は、円筒状に形成された円筒部材21に接続されている。すなわち、複数の支持部20は、円筒部材21を中心に放射状に形成される。
図8に示すように、円筒部材21は、支柱部30の外径よりも大きい内径を有している。支柱部30は、その周面に段差部30aを有している。円筒部材21は、ドライブッシュ35を介して支柱部30の外周に配設される。ドライブッシュ35は、段差部30aおよびワッシャ32に挟まれ、ボルト31により支柱部30の一方の端部に支柱部30と同軸的に固定される。すなわち、風車部1aは、図中Xa点においてドライブッシュ35を介して支柱部30を軸に回転可能に固定されている。
【0041】
支柱部30の他方の端部は、外径が大きいフランジ30cが形成されている。フランジ30cは、金網部131の略中心位置(図中Ya点)においてボルト31aにより固定される。
【0042】
第1の実施形態では、支柱部30は、風車部1aを図中X点において固定する一方、図中Y点において金網部131に対して回転可能に保持している。第3の実施形態では、支柱部30は、図中Ya点において金網部131に固定する一方、図中Xa点において風車部3aが金網部131に対して回転可能となるように保持している。
【0043】
なお、
図8に示す支柱部30は、フランジ30cにおいてボルト31aにより金網部131に固定されているが、これには限定されない。例えば溶接などにより固定されてもよい。
【0044】
この実施形態の清掃機構3によれば、清掃機能を果たす風車部3aのみが回転するので、回転部分の軽量化により軸受部分の負担を軽減することができ、メンテナンスの低減を図ることができる。
【0045】
(第4の実施形態の構成)
続いて、
図9を参照して、第4の実施形態に係る清掃機構について詳細に説明する。第4の実施形態に係る清掃機構は、第3の実施形態における風車部の保持方法を変更したものである。以下の説明において、第3の実施形態と共通する構成については共通する符号を付して示し、共通する説明を省略する。
【0046】
図9に示すように、第4の実施形態の電動送風機100においても、入気口130の吸気面が金網部131で覆われている。実施形態の清掃機構4は、風車部4aと、入気口130に配設された金網部131の外面から所定の距離離間させた位置に風車部4aを保持する支柱部30とを有している。
【0047】
風車部4aの中央側における支持部20の端部は、円筒状に形成された円筒部材21に接続されている。すなわち、複数の支持部20は、円筒部材21を中心に放射状に形成される。
図9に示すように、円筒部材21は、支柱部30の外径よりも大きい内径を有している。支柱部30は、その周面に段差部30aを有している。円筒部材21は、シール軸受35bを介して支柱部30の外周に配設される。
【0048】
シール軸受35bは、内部に複数のボールを有しシールされたボールベアリングである。シール軸受35bは、段差部30aおよびワッシャ32に挟まれ、ボルト31により支柱部30の一方の端部に支柱部30と同軸的に固定される。すなわち、風車部1aは、図中Xb点においてシール軸受35bを介して支柱部30を軸に回転可能に固定されている。
【0049】
支柱部30の他方の端部は、外径が大きいフランジ30cが形成されている。フランジ30cは、金網部131の略中心位置(図中Ya点)においてボルト31aにより固定される。
【0050】
この実施形態の清掃機構4によれば、シール軸受35bを介して風車部4aを保持するので、風車部4aの回転損失を低減することができる。これにより、風車部4aを回転させるために必要な風量を抑えることができるため、風車部4aを軽量化することが可能となる。
【0051】
(第5の実施形態の構成)
続いて、
図10を参照して、第5の実施形態に係る清掃機構について詳細に説明する。第5の実施形態に係る清掃機構は、第1の実施形態における風車部の固定方法を変更したものである。以下の説明において、第1の実施形態と共通する構成については共通する符号を付して示し、共通する説明を省略する。
【0052】
図10に示すように、風車部5aは、複数の羽根部10を有しており、金網部131全体を覆う大きさに形成されている。風車部5aは、その中心に位置する支柱部30から放射状に形成された複数の支持部20を有している。支持部20は、例えば軽量で棒状の部材により実現できる。支持部20は、風車部5aの中央側の端部において、ボルト31cにより支柱部30に固定されている。
【0053】
すなわち、風車部5aを保持する支柱部30の一方の端部は、支持部20を嵌合させる溝が形成されたインロー構造を有している。支持部20の端部は、支柱部30の端部に設けられた溝に嵌合され、ボルト31cにより支柱部30に固定される。
【0054】
このように、この実施形態の清掃機構5においては、風車部5aの中央側における支持部20の端部は、直接支柱部30に固定されている。すなわち、複数の支持部20は、ボルト31cを中心に放射状に形成される。風車部5aは、支柱部30に図中Xc点において固定されている。なお、支柱部30が金網部131に固定される構成は、第1の実施形態と同様である。
【0055】
この実施形態の清掃機構5によれば、風車部5aを支柱部30に固定する構成を簡素化することができる。これにより、風車部5aを軽量化することができる。
【0056】
以上、説明した実施形態によれば、送風機の入気口の詰まりを防止し、送風機内への大きな塵埃の侵入を防ぎ、冷却性能の低下を抑制しつつ、メンテナンス性の低下を抑えることのできる清掃機構、電動送風機を提供することが可能となる。
【0057】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。例えば、羽根部10の枚数やブラシ40の個数は、電動送風機100における入気口130の入気を妨げず、十分なレベルの風量を確保するために適宜調整してもよい。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0058】
1…清掃機構、10…羽根部、20…支持部、21…円筒部材、30…支柱部、31…ボルト、32…ワッシャ、33…ナット、34…ブッシュ部材、40…ブラシ、100…電動送風機、110…電動機、120…ケーシング、130…入気口、131…金網部、140…排気口。