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  • 特開-リレーモジュール 図1
  • 特開-リレーモジュール 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179294
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】リレーモジュール
(51)【国際特許分類】
   F02D 29/02 20060101AFI20241219BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
F02D29/02 321A
B60R16/02 645D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098032
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】513270763
【氏名又は名称】株式会社エンラージ商事
(74)【代理人】
【識別番号】110002295
【氏名又は名称】弁理士法人M&Partners
(74)【代理人】
【識別番号】100119091
【弁理士】
【氏名又は名称】豊山 おぎ
(72)【発明者】
【氏名】奥山 夕偉
(72)【発明者】
【氏名】盧 慶宝
【テーマコード(参考)】
3G093
【Fターム(参考)】
3G093AA01
3G093BA22
3G093DB06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】省燃費運転モードを維持した状態でアイドリングストップ機能のみを停止する。
【解決手段】リレーモジュール102は、ボンネット開閉信号を出力するボンネット開閉信号線に接続される第1の端子と、前記リレーモジュールの出力線に接続される第2の端子と、前記第1の端子と前記第2の端子とを導通状態にする第1の動作状態と、前記第1の端子と前記第2の端子とを非導通状態にする第2の動作状態と、を切り替えるための制御信号を受け取る第3の端子とを備え、前記制御信号により前記車両のエンジン始動時から所定時間は、前記第2の動作状態を維持すると共に前記第2の端子に前記ボンネット開閉信号が「開状態」である場合に対応する信号と同等の信号が供給される状態とし、前記所定時間経過後は直ちに前記第2の動作状態から前記第1の動作状態に切り替わるように前記第3の端子に前記制御信号が与えられる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アイドリングストップの動作を制御する電子制御ユニットによりエンジン始動時にボンネット開閉信号が開状態を表す信号である場合にはアイドリングストップの動作を解除する車両に適用されるリレーモジュールであって、
前記リレーモジュールは、
ボンネット開閉信号を出力するボンネット開閉信号線に接続される第1の端子と、
前記リレーモジュールの出力線に接続される第2の端子と、
前記第1の端子と前記第2の端子とを導通状態にする第1の動作状態と、
前記第1の端子と前記第2の端子とを非導通状態にする第2の動作状態と、
を切り替えるための制御信号を受け取る第3の端子とを備え、
前記制御信号により前記車両のエンジン始動時から所定時間は、前記第2の動作状態を維持すると共に前記第2の端子に前記ボンネット開閉信号が「開状態」である場合に対応する信号と同等の信号が供給される状態とし、
前記所定時間経過後は直ちに前記第2の動作状態から前記第1の動作状態に切り替わるように前記第3の端子に前記制御信号が与えられる、リレーモジュール。
【請求項2】
前記リレーモジュールに電力を供給するか否かを切り替えるためのセルフロックスイッチを更に含み、
前記リレーモジュールを動作させるための電力が供給されているか否かに応じて、前記第1の動作状態と前記第2の動作状態とが切り替わる、請求項1記載のリレーモジュール。
【請求項3】
前記セルフロックスイッチがオン状態で前記リレーモジュールに前記電力が供給されている場合には、前記車両のエンジン始動時から前記所定時間だけ前記第2の動作状態に切り替え、
前記セルフロックスイッチがオフ状態で前記リレーモジュールに前記電力が供給されていない場合には、前記第1の動作状態が維持されるように、前記制御信号が前記リレーモジュールを制御することを特徴とする、請求項2記載のリレーモジュール。
【請求項4】
前記電力は、前記車両のエンジンが停止しているときは、前記リレーモジュールに供給されず、前記エンジンが始動している時は前記リレーモジュールに前記電力が供給されることを特徴とする、請求項3記載のリレーモジュール。
【請求項5】
前記所定時間は、2~10秒である請求項1記載のリレーモジュール。
【請求項6】
前記ボンネット開閉信号は、直流12Vの電圧信号であることを特徴とする請求項1記載のリレーモジュール。
【請求項7】
アイドリングストップの動作を制御する電子制御ユニットと、請求項1乃至6のいずれか1項記載のリレーモジュールとを含む、リレーモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイドリングストップ車に対してアイドリングストップ機能を解除するためのリレーモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
アイドリングストップ車は、車両が信号待ちなどで一時停止するとエンジンを自動停止し、ブレーキを離して車両が再び走行可能状態になると、速やかにエンジンが再始動する機能を搭載する車両である。これにより燃費が向上し、二酸化炭素をはじめとする温暖化ガスの排出抑制にもつながる。但し、状況によっては、アイドリングストップ機能を動作させない方がよい場合もある。例えば、水溜まりの上を走行した際、アイドリングストップ機能が作動してエンジンが繰り返し停止と始動を繰り返すとエンジンに損傷を与えることが知られている。また、渋滞した道路で停止と発進を繰り返すと、頻繁なアイドリングストップがエンジンの寿命に悪影響を与えるだけでなく、燃費向上という所期の目的も達成できない。さらに、不完全燃焼による有害ガスの排出にもつながり、却って環境に悪影響を及ぼすとともに、運転体験の快適さをも阻害する。更には、頻繁なエンジンの始動により、モーター機能付発電機(ISG機能)を搭載した車両では、バッテリーの蓄電電圧が低下し、これによりバッテリーから電力を受ける電子機器が正常に動作しなくなる可能性があるほか、バッテリーの寿命短縮につながる可能性もある。
【0003】
アイドリングストップ車は、通常、アイドリングストップ機能を手動で解除する押しボタン式のスイッチ(アイドリングストップ解除スイッチ)を備えているため、運転者がエンジン始動後に手動で解除することはできる。しかし、その解除スイッチにラッチ機能は無く、エンジンを停止して再始動すると、運転者が再び解除ボタンを手動で操作する必要がある。
【0004】
また、このアイドリングストップ解除スイッチの配線から信号を取り出し、常時導通状態にすることで、エンジン始動の通電時にアイドリングストップスイッチを擬似的に常時押し込んだ状態にして、運転者の代わりに自動でアイドリングストップボタンを押す装置も販売されている(非特許文献1~2)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】http://www.beatsonic.co.jp/accessories/isc2.php
【非特許文献2】https://www.datasystem.co.jp/products/isc434/index.html
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、アイドリングストップ機能を手動で解除するスイッチは、車種によっては、省燃費運転モード(エコモードなどとも呼ばれる)と共用されているため、アイドリングストップ機能を無効化すると、省燃費運転モードも同時に解除されてしまう。
【0007】
そこで、本発明では、上記課題を解決し、省燃費運転モードを維持した状態でアイドリングストップ機能のみを解除する手段を提供することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本件発明者は、ボンネット開閉信号が「開状態」にあるときには、アイドリングストップ機能が解除されることに着目し、本件発明に至った。
本発明の一実施形態では、アイドリングストップの動作を制御する電子制御ユニットによりエンジン始動時にボンネット開閉信号が開状態を表す信号である場合にはアイドリングストップの動作を解除する車両に適用されるリレーモジュールであって、
前記リレーモジュールは、
ボンネット開閉信号を出力するボンネット開閉信号線に接続される第1の端子と、
前記リレーモジュールの出力線に接続される第2の端子と、
前記第1の端子と前記第2の端子とを導通状態にする第1の動作状態と、
前記第1の端子と前記第2の端子とを非導通状態にする第2の動作状態と、
を切り替えるための制御信号を受け取る第3の端子とを備え、
前記制御信号により前記車両のエンジン始動時から所定時間は、前記第2の動作状態を維持すると共に前記第2の端子に前記ボンネット開閉信号が「開状態」である場合に対応する信号と同等の信号が供給される状態とし、
前記所定時間経過後は直ちに前記第2の動作状態から前記第1の動作状態に切り替わるように前記第3の端子に前記制御信号が与えられることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態によるアイドリングストップ解除装置100のブロック構成図である。
図2】第2の実施形態によるアイドリングストップ解除装置200のブロック構成図である。
図3】リレーモジュール102の回路構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付の図面を参照して、本発明の実施形態による技術的解決法について説明する。説明している実施形態は、本発明の実施形態の一部であり、すべての実施形態ではない。
【0011】
本発明の例示的な実施形態及びその説明は、本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するものではない。また、添付の図面及び実施形態において、同一又は類似の要素/部品は、同一又は類似の符号で示すものとする。本明細書で使用される「含む」、「備える」、「有する」、「含有する」などの表現は、すべてオープンエンドな用語であり、すなわち、これらの要素を含むがこれらに限定されるものではない。
【0012】
本明細書で使用される「及び/又は」は、言及されたもののいずれか又はすべての組み合わせを含む。本明細書で使用される「 第1」、「 第2」、...などの表現は、特に順序や順番を指し、本発明を限定するものでもなく、同じ技術用語で記述された要素や動作を区別することのみを目的とする。
【0013】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の基本原理を説明するための第1実施形態に基づくアイドリングストップ解除装置100のブロック構成図である。図1に示すように、アイドリングストップ解除装置100の主要部品は、リレーモジュール102により構成される。ここで、リレーモジュール102は、第1の端子SIG_INと、第2の端子SIG_OUTと、第3の端子SIG_CTRLとを備える。第3の端子SIG_CTRLは、制御信号を受信して前記リレーモジュール102の動作状態乃至又は動作モードを制御するための制御端子として使用する。
リレーモジュール102は、セルフロックスイッチ110(例えば、電源のセルフロックスイッチ)を介して電源104(例えば、12Vの電源)に接続される。ここで、第1の端子SIG_INは、車両のボンネット開閉回路106の出力線(ボンネット開閉信号線)に接続してボンネット開閉信号を受信するために使用される。ボンネット開閉信号は、ボンネットの開閉状態に応じて変化する信号であればよく、単純な直流電源のオン/オフ信号であってもよい。例えば、ボンネットが開いている場合には高レベル(例えば+12V)が印加され、ボンネットが閉じている場合には低レベル(例えば0V)としてもよい。但し、これに限定されるものではなく、ボンネットの開閉状態に応じて異なる信号を発出するものであればよい。
【0014】
第2の端子SIG_OUTは、リレーモジュールの出力線であり、第3の端子に印加される制御信号に応じて出力経路が選択された、前記リレーモジュールの出力信号として車両の電子制御ユニット108(Electronic Control Unit、ECU)に入力される。
【0015】
第3の端子SIG_CTRLは、第1の端子と第2の端子とを導通状態にする第1の動作状態と、第1の端子と第2の端子とを非導通状態にする第2の動作状態と、を切り替えるための制御信号を受け取る端子である。すなわち、第3の端子に印加される制御信号に応じてリレーモジュール102の動作状態が決定される。
【0016】
接続抵抗を無視すれば、第1の動作状態では、第2の端子SIG_OUTは第1の端子SIG_INと同電位となり、電子制御ユニット108がボンネット開閉信号をそのまま受け取る。一方、第2の動作状態では、ボンネット開閉信号と切り離された状態となる一方で、ボンネット開閉信号が「開状態」である場合に対応する信号と同等の信号が供給される状態とする。ボンネット開閉信号が車両の電源電圧と同じ直流電圧(例えば+12V)であれば、第2の動作状態でも、第2の端子SIG_OUTにはボンネット開閉信号が「開状態」である場合に対応する直流電圧(例えば+12V)が印加される。
【0017】
第2の動作状態は、実際のボンネット開閉信号とは無関係に、いわば擬似的にボンネットが「開状態」である場合を強制的に生成した状態となる。このため、ボンネットが実際には閉まっていても、ボンネットが開いている状態であることを示す制御信号が第2の端子SIG_OUTを通じて電子制御ユニット108に送られる。第2の端子に印加される制御信号は、車両のエンジン始動時から所定時間、第2の動作状態を維持し、その後第1の動作状態に復帰するように制御される。
【0018】
以上のような制御により、電子制御ユニット108が、エンジン始動時からの所定時間だけ、ボンネットが擬似的に「開状態」であるとの信号を受け取るため、アイドリングストップ機能を解除した状態でエンジンが始動する。所定時間経過後、電子制御ユニット108の状態は第2の動作状態から第1の状態に復帰するが、アイドリングストップ機能を解除するか否かの判断は、エンジン始動時にのみ行われるため、第1の動作状態に復帰しても、車両はアイドリングストップ機能を解除した状態が維持される。
【0019】
この点、もし仮に、第1の状態に復帰せず、常時ボンネットが擬似的に「開状態」で運転すると、運転席のインフォメーションディスプレイにボンネットが開状態であることを示す警告表示が常時点灯すると共に、例えばエンジンの回転数に上限が設けられるなど、エンジンの状態制御が、通常の走行状態とは異なる「メンテナンス状態」として扱われる。
【0020】
その点、アイドリングストップ機能を解除した状態でエンジンが始動したあと、第2の動作状態から第1の状態に復帰すると、ボンネット開閉信号が電子制御ユニット108に与えられる。従って、ボンネットが正しく閉まっていれば上記のような警告表示することはなく、エンジンの状態制御がメンテナンス状態として扱われることもない。逆に、ボンネットが例えば半開き状態である場合は、第1の状態に復帰しても警告表示が点灯したままとなり、運転手はボンネットが閉まっていないことに気がつくことができる。
【0021】
そして、ボンネット開閉信号に基づくアイドリングストップ機能の停止は、運転者が手動で車内のアイドリングストップ機能の停止スイッチを押してアイドリングストップ機能を停止した場合とは異なり、省燃費運転モードとは独立して動作する。そのため、アイドリングストップ機能を解除した状態で、省燃費運転モードを動作させることも停止することも、どちらも可能となる。
【0022】
第2の動作状態を維持する時間は特に限定されないが、数秒(例えば、2~10秒程度、好ましくは5秒程度)であればよい。
【0023】
ところで、リレーモジュールが動作するためには、リレーモジュールに電源が供給されていることが必要であるが、リレーモジュールに給電されない状態(リレーモジュールの初期状態)は、自由に設定可能である。例えば、第1の動作状態を初期状態とし、通電時のみ第2の動作状態に切り替わるように制御されるように構成してもよい。この場合、リレーモジュールに電源が供給されていない時には、第1の動作状態となるように設定され、エンジンが始動してリレーモジュールに電源が供給されると所定時間だけ第2の動作状態に切り替わり、その後第1の動作状態に復帰するように制御される。このような制御を実現するため、リレーモジュールは、エンジンが始動状態のときのみ給電され、エンジンが停止したときには給電されないように、配線する。初期状態が他の状態であるように構成してもよい。
【0024】
また、電源のセルフロックスイッチ110を介して、アイドリングストップ解除装置100に電力を供給するかどうかを切り替わるように構成してもよい。セルフロックスイッチ110をオフにすると、エンジンの始動・停止状態にかかわらず、リレーモジュールに給電されないことになり、その場合、本実施形態のリレーモジュールが電気的に接続されていない状態、すなわちアイドリングストップ機能が常時オン状態である車両購入時の状態となる。逆に、セルフロックスイッチ110をオンにすると、エンジンの始動・停止状態に応じて、リレーモジュールに給電されるため、エンジンの始動と同時にアイドリングストップ機能が自動的に解除されることになる。
【0025】
図1に示す電源のセルフロックスイッチ110の位置は必要に応じていずれの場所に配置することもできる。例えば、リレーモジュールの付近にスイッチを設けてもよいし、車内の既存のスイッチを流用してもよい。
【0026】
(第2の実施形態)
図2に示すアイドリングストップ解除装置200は、図1に示すリレーモジュール102と、リレーモジュール102の第3の端子SIG_CTRLに印加される制御信号を生成するための構成、及び、リレーモジュール102の電源のセルフロックスイッチ204(図1におけるセルフロックスイッチ104)に関する構成が、より具体的に例示されている。
【0027】
具体的には、アイドリングストップ解除装置200は、リレーモジュール102のほか、電源のセルフロックスイッチ204と、ストレージモジュール206と、マイクロコントローラユニット(MCU)処理モジュール208と、電源モジュール210とを備える。
【0028】
リレーモジュール102の第1の端子SIG_INは、車両のボンネット開閉回路106に接続され、第2の端子SIG_OUTは、車両の電子制御ユニット108に接続される。第3の端子SIG_CTRLはMCU処理モジュール208を介して電源(例えば、12Vの電源モジュール210)に接続される。セルフロックスイッチ204による電源モジュール210の制御を介して、動作モードを切り替えることで、リレーモジュール102に電力を供給するかどうかを決定できる。
【0029】
アイドリングストップ解除装置200が電源モジュール210から電力供給を受けていない場合、リレーモジュール102は第1の動作状態にあり、このとき、第1の端子SIG_INは第2の端子SIG_OUTに接続され、両者が同電位となる。即ち、第1の動作状態では、ボンネット開閉回路106のボンネット開閉信号は電子制御ユニット108に直接接続される。アイドリングストップ解除装置200が電源モジュール210から電力供給を受けている場合、リレーモジュール102は第2の動作状態に切り替わり、このとき、第1の端子SIG_INは第2の端子SIG_OUTから切断されると共に第2の端子SIG_OUTにボンネット開閉信号が「開状態」である場合に対応する信号と同等の信号が供給される状態(例えば、直流12Vの信号)が供給される。
【0030】
電子制御ユニット108は、ボンネットが開いていると判断し、車両のアイドリングストップ機能を解除する。所定時間(例えば、5秒)の経過後、MCU処理モジュール208がリレーモジュール102を第1の動作状態に復帰するように制御し、第1の端子SIG_INが第2の端子SIG_OUTに再接続されて導通し、このとき、電子制御ユニット108はリレーモジュール102を介してボンネット開閉信号を取得し、ボンネットの実際の状態を検出及び判断することができる。上記所定時間は5秒に設定してもよいが、他の値に設定することもできる。設定値はストレージモジュール206に保存することができる。
【0031】
電源モジュール210を、車両のエンジンの始動によって起動するように設定し、第2の動作状態を所定時間だけ維持するように構成すれば、エンジンの始動と共に電源のセルフロックスイッチ204によりリレーモジュール102に電力が供給され、第3の端子SIG_CTRLの制御信号に応答して、リレーモジュール102が第2の動作状態に切り替わり、第2の動作状態を所定時間(例えば、5秒)維持した後、リレーモジュール102が第1の動作状態に復帰して、第1の端子SIG_INが第2の端子SIG_OUTに接続される。第1の動作状態に復帰した後は、ボンネット開閉回路106のボンネット開閉信号はリレーモジュール102を介して電子制御ユニット108に直接接続されているため、電子制御ユニット108はボンネット開閉信号を取得することができ、ボンネットの実際の状態を検出及び判断することができる。
【0032】
図3はリレーモジュール102の回路構成図である。リレーモジュールはICモジュールを利用してもよい。この例では、リレーモジュール102の第1ピンは例えば12V直流電圧に接続され、第2ピンは第1の端子SIG_INに接続され、第3ピンは第2の端子SIG_OUTに接続され、第4ピンは例えば1kΩの抵抗器R71を介して12V直流電圧に接続される。第1ピンはダイオードD12を介して第8ピンに接続され、第8ピンはトランジスタQ22と抵抗器R72を介して第3の端子SIG_CTRLに接続される。また、第5、第6、第7ピンは接続されない。
【0033】
この実施形態では、ボンネット開閉回路106のボンネット開閉信号が第2ピン(第1の端子SIG_IN)に接続され、電子制御ユニット108の出力信号が第3ピン(第2の端子SIG_OUT)に出力され、リレーモジュール102に入力される制御信号が抵抗及びトランジスタ増幅回路を介して第8ピン(第3の端子SIG_CTRL)に入力される。リレーモジュール102の第1ピンに電力が供給されると所定の時間(例えば5秒間)は第3の端子SIG_CTRLの制御信号に応答して、リレーモジュール102が第2の動作状態に切り替わり、第1の端子SIG_INが第2の端子SIG_INから切断される。その間、第2の端子SIG_OUTに12V電圧が供給される。
【0034】
例えば、第3ピンと第4ピンが内部で接続されると、実際のボンネットの開閉とは無関係に、ボンネットが開いていると判断される。すると、車両のアイドリングストップ条件が満たされていないことが検出されるので、アイドリングストップ機能は作動しない。次回車両のエンジンを停止して再始動しようとする際に、ボンネットがアイドリングストップ条件を満たすかどうかの検出が新たに実行される。要するに、電子制御ユニット108は車両のアイドリングストップ機能を非動作状態になるように制御し、すなわちアイドリングストップ機能を無効化/解除する。所定時間(例えば、5秒)の経過後、リレーモジュール102が第1の動作状態に復帰し、第1の端子SIG_INが第2の端子SIG_OUTに接続され、このとき、電子制御ユニット108はリレーモジュール102を介してボンネット開閉信号を取得し、ボンネットの実際の状態を検出及び判断することができるようになる。
【符号の説明】
【0035】
100、200 アイドリングストップ解除装置
102 リレーモジュール
104 電源
106 ボンネット開閉回路
108 電子制御ユニット(ECU)
110、204 セルフロックスイッチ
206 ストレージモジュール
208 MCU処理モジュール
210 電源モジュール
第1の端子(SIG_IN)
第2の端子(SIG_OUT)
第3の端子(SIG_CTRL)
図1
図2
図3