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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179297
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】情報処理装置および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0601 20230101AFI20241219BHJP
【FI】
G06Q30/0601
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098037
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】谷▲崎▼ 大介
(72)【発明者】
【氏名】岩月 晃一
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB58
5L049BB58
(57)【要約】
【課題】商品を注文するユーザの待ち時間を短縮する。
【解決手段】移動中のユーザに情報を提供する情報処理装置100であって、ユーザの目的地までの経路上に存在する第1の店舗200のモバイルオーダーシステムにおいて、ユーザが注文する商品の選定を開始してから、商品の注文操作を完了するまでに要する時間である第1の時間長と、第1の店舗200が注文を受理してから商品の準備に要する時間である第2の時間長とを少なくとも含む第3の時間長を算出することと、第1の店舗200へのユーザの到着予定時刻から第3の時間長だけ遡った時刻までに、ユーザに、第1の店舗200に対するモバイルオーダーシステムによる注文の開始を提案することとを、実行する制御部110を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動中のユーザに情報を提供する情報処理装置であって、
前記ユーザの目的地までの経路上に存在する第1の店舗のモバイルオーダーシステムにおいて、前記ユーザが注文する商品の選定を開始してから、前記商品の注文操作を完了するまでに要する時間である第1の時間長と、前記第1の店舗が注文を受理してから前記商品の準備に要する時間である第2の時間長とを少なくとも含む第3の時間長を算出することと、
前記第1の店舗への前記ユーザの到着予定時刻から前記第3の時間長だけ遡った時刻までに、前記ユーザに、前記第1の店舗に対する前記モバイルオーダーシステムによる注文の開始を提案することと、
を実行する制御部を有する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記ユーザが乗車中の車両の乗員の数、前記ユーザが前記注文を行う時間帯、および、前記注文に用いられるクーポンの有無の少なくとも1つに基づいて、前記第1の時間長を決定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記ユーザが前記注文操作を完了した後の時刻であって、前記第1の店舗への前記ユーザの到着予定時刻より前記第2の時間長だけ遡った時刻が到来した場合に、選定された前記商品の前記注文を前記第1の店舗に送信する、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
移動中のユーザに情報を提供する情報処理方法であって、
前記ユーザの目的地までの経路上に存在する第1の店舗のモバイルオーダーシステムにおいて、前記ユーザが注文する商品の選定を開始してから、前記商品の注文操作を完了するまでに要する時間である第1の時間長と、前記第1の店舗が注文を受理してから前記商品の準備に要する時間である第2の時間長とを少なくとも含む第3の時間長を算出することと、
前記第1の店舗への前記ユーザの到着予定時刻から前記第3の時間長だけ遡った時刻までに、前記ユーザに、前記第1の店舗に対する前記モバイルオーダーシステムによる注文の開始を提案することと、
を含む、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ユーザへの情報提供に関する。
【背景技術】
【0002】
移動中のユーザに情報を提供する技術が数多く知られている。これに関して、例えば、特許文献1には、ユーザの目的地に向かう経路上に存在するサービス提供者から受けるサービス内容を設定し、ユーザの現在位置と当該サービス内容に基づいてサービス提供者の店舗を選択し、選択された店舗に対して当該サービス内容を送信するサービス提供指示制御装置等が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-201208号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、商品を注文するユーザの待ち時間を短縮することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の実施形態の一態様は、
移動中のユーザに情報を提供する情報処理装置であって、
前記ユーザの目的地までの経路上に存在する第1の店舗のモバイルオーダーシステムにおいて、前記ユーザが注文する商品の選定を開始してから、前記商品の注文操作を完了するまでに要する時間である第1の時間長と、前記第1の店舗が前記注文を受理してから前記商品の準備に要する時間である第2の時間長とを少なくとも含む第3の時間長を算出し、前記第1の店舗への前記ユーザの到着予定時刻から前記第3の時間長だけ遡った時刻までに、前記ユーザに、前記第1の店舗に対する前記モバイルオーダーシステムによる注文の開始を提案することを、実行する制御部を有する情報処理装置である。
【0006】
また、他の態様として、上記の装置が実行する方法、当該方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、または、該プログラムを非一時的に記憶したコンピュータ可読記憶媒体が挙げられる。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、商品を注文するユーザの待ち時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】情報処理装置が実行する処理の概念図。
図2】実施形態に係る情報処理装置を含むシステムが有する構成要素を説明する図。
図3】実施形態に係る情報処理装置の制御部が実行する処理のフローチャート。
図4】実施形態に係る情報処理装置の制御部が実行する注文の送信の処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
ユーザの移動経路上に存在する店舗に対して、ユーザからの注文を送信するシステムが知られている。
【0010】
例えば、走行中の車両に乗車中のユーザが、移動経路上の飲食店に注文を行う場合を考える。この場合、システムが、ユーザに、移動経路上に存在する飲食店のメニューから商品を選択させ、当該飲食店に対して商品の注文を送信することが想定される。
【0011】
しかし、ユーザが、注文を送信した店舗に到着した時に、注文した商品の準備が完了していない場合が起こりうる。つまり、ユーザが当該店舗に到着しているにもかかわらず、注文した商品をユーザがすぐに受け取ることができない場合がある。例えば、注文を開始するタイミングが遅かった場合や、ユーザが注文する商品を選定することに時間を要した場合、ユーザが当該店舗に到着するまでの時間内に、当該店舗が、商品を準備することが難しくなることがある。
このような事態を回避するためには、ユーザが注文を行うのに要する時間と、店舗が商品を準備するのに要する時間の双方を考慮したタイミングにおいて、モバイルオーダーによる注文を開始することが好ましい。
【0012】
本開示に係る情報処理装置は、ユーザが移動経路上にある店舗に向かっているケースにおいて、当該店舗に当該ユーザが到着する予定時刻から、モバイルオーダーによる注文に要する時間長と、当該店舗が注文を受理してから商品の準備に要する時間長とを含む時間長分だけ遡った時刻を決定する。また、情報処理装置が、当該時刻までに、当該ユーザに対して、モバイルオーダーを利用した注文を提案することで、この問題を解決する。
【0013】
本開示の一態様に係る情報処理装置は、移動中のユーザに情報を提供する情報処理装置であって、前記ユーザの目的地までの経路上に存在する第1の店舗のモバイルオーダーシステムにおいて、前記ユーザが注文する商品の選定を開始してから、前記商品の注文操作を完了するまでに要する時間である第1の時間長と、前記第1の店舗が前記注文を受理してから前記商品の準備に要する時間である第2の時間長とを少なくとも含む第3の時間長を算出し、前記第1の店舗への前記ユーザの到着予定時刻から前記第3の時間長だけ遡った時刻までに、前記ユーザに、前記第1の店舗に対する前記モバイルオーダーシステムによる注文の開始を提案することを、実行する制御部を有する。
【0014】
第1の時間長とは、ユーザが、当該ユーザに関連付けられた端末等を用いて、第1の店舗に対して注文する商品の選定を開始してから、注文操作を完了するまでの時間である。
【0015】
第2の時間長とは、第1の店舗が、ユーザからの注文を受理してから、注文された商品の準備が完了するまでの時間である。
【0016】
制御部は、ユーザが第1の店舗に到着するまでの間に、第1の時間長と第2の時間長が確保できるようなタイミングにおいて、モバイルオーダーを利用した注文の提案をユーザに対して行う。かかる構成によると、ユーザが第1の店舗に到着するまでの間に、注文された商品を店舗側で準備することが可能になるため、商品受け取り時のユーザの待ち時間を短縮することができる。
【0017】
制御部は、ユーザが乗車中の車両の乗員の数、ユーザが注文を行う時間帯、および、注文に用いられるクーポンの有無の少なくとも1つに基づいて、第1の時間長を決定してもよい。
【0018】
これにより、本開示の一態様に係る情報処理装置は、より正確に第1の時間長を決定することができる。
【0019】
また、制御部は、ユーザが商品を選定した後であって、第1の店舗へのユーザの到着予
定時刻より第2の時間長だけ遡った時刻が到来した場合に、選定された商品の注文を第1の店舗に送信してもよい。
【0020】
例えば、注文が想定よりも早く完了した場合、ユーザが到着するよりも遥かに前に商品の準備が完了してしまい、できたての商品が提供できなくなる場合がある。これを防ぐため、情報処理装置は、注文の送信タイミングを、第2の時間長に基づいて調整してもよい。
【0021】
本開示の一態様に係る情報処理方法は、移動中のユーザに情報を提供する情報処理方法であって、前記ユーザの目的地までの経路上に存在する第1の店舗のモバイルオーダーシステムにおいて、前記ユーザが注文する商品の選定を開始してから、前記商品の注文操作を完了するまでに要する時間である第1の時間長と、前記第1の店舗が前記注文を受理してから前記商品の準備に要する時間である第2の時間長とを少なくとも含む第3の時間長を算出し、前記第1の店舗への前記ユーザの到着予定時刻から前記第3の時間長だけ遡った時刻までに、前記ユーザに、前記第1の店舗に対する前記モバイルオーダーシステムによる注文の開始を提案することを含む。
【0022】
以下、本開示の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。各実施形態に記載されているハードウェア構成、モジュール構成、機能構成等は、特に記載がない限りは開示の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0023】
(実施形態)
実施形態に係る情報処理装置が行う処理の概要について、図1を参照しながら説明する。図1は、情報処理装置100が実行する処理の概念図である。本実施形態において、情報処理装置100は、車載端末12を介してユーザに情報を提供するとともに、第1の店舗200に設置された第1店舗サーバ300と、無線による通信を行う。
【0024】
本実施形態では、車両10は、情報処理装置100を搭載している。情報処理装置100は、車両10が走行を開始するときに、車両10のユーザの目的地と、目的地までの経路とを取得する。そして、情報処理装置100は、ユーザの移動経路上に存在するモバイルオーダーに対応した各種サービスを提供する第1の店舗200(例えば、飲食店等)を特定する。なお、ここで特定する第1の店舗200は複数であってもよい。この場合、情報処理装置100は、特定した複数の店舗の中から、ユーザが利用すると想定される店舗(対象店舗)を絞り込んでもよい。
【0025】
そして、情報処理装置100は、車両10のユーザがモバイルオーダーの注文に要する時間長である第1の時間長と、第1の店舗200がモバイルオーダーの注文を受理してから商品の準備に要する時間長である第2の時間長とを算出する。また、情報処理装置100は、特定した第1の店舗200への車両10の到着予定時刻を算出する。
【0026】
そして、情報処理装置100は、第1の店舗200への到着予定時刻より、第1の時間長と第2の時間長とを少なくとも含む第3の時間長だけ遡った時刻までに、車両10のユーザに対して、第1の店舗200へのモバイルオーダーの提案を行う。具体的には、情報処理装置100は、車両10の車載端末12に、ユーザに対して、モバイルオーダーシステムを利用して第1の店舗200に注文をすることを提案する情報を出力してもよい。
【0027】
次に、車両10のユーザがモバイルオーダーによる注文を完了すると、情報処理装置100は、注文内容を第1店舗サーバ300に送信する。第1店舗サーバ300は、受信した注文に関する情報を、第1の店舗200のスタッフに提示する。これにより、車両10のユーザが第1の店舗200に向かっている間に、注文された商品の準備が開始される。
そして、第1の店舗200が、車両10のユーザの第1の店舗200への到着予定時刻までに、注文された商品の準備を完了する。これにより、車両10のユーザは、第1の店舗200への到着時に、第1の店舗200にて注文した商品を受け取ることができる。
【0028】
このように、情報処理装置100は、ユーザが注文を行うのに要する時間と、店舗が商品を準備するのに要する時間の双方を考慮したタイミングにおいて、モバイルオーダーによる注文をユーザに提案する。
これにより、第1の店舗200は、時間的な余裕を持って注文を受けることが可能になり、ユーザの到着時までに商品の準備を完了させることができるようになる。よって、情報処理装置100は、商品を注文するユーザの待ち時間を短縮することができる。
【0029】
次に、システムを構成する各要素について詳しく説明する。図2は、実施形態に係る情報処理装置100を含むシステムが有する構成要素を説明する図である。
【0030】
本実施形態に係る情報処理装置100は、制御部110と、記憶部120と、通信部130と、を備える。情報処理装置100は、車両10に搭載される。
【0031】
制御部110は、CPU(Central Processing Unit)、または、GPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサとメモリとで実現される。制御部110は、機能モジュールとして、経路取得部111、算出部112、提案部113、および、注文部114を備える。これらの機能モジュールは、プログラムを制御部110によって実行することで実現されてもよい。
【0032】
経路取得部111は、車載端末12を介したユーザからの入力等に基づいて、ユーザの目的地に関する情報と当該目的地までの経路情報等を取得する。経路取得部111は、外部のサーバと通信部130を介して通信し、当該目的地までの経路情報を取得してもよい。また、経路取得部111は、ユーザに関連付けられた端末(例えば、スマートフォン等)と通信し、ユーザに関連付けられた端末からユーザの目的地に関する情報を取得してもよい。
【0033】
算出部112は、ユーザが商品の選定を開始してから商品の注文操作を完了するまでの間の時間である第1の時間長と、第1店舗サーバ300が注文を受理してから商品の準備に要する時間である第2の時間長とを含む第3の時間長を算出する。つまり、算出部112は、ユーザがモバイルオーダーシステムを用いて商品を注文するのにかかる時間長と、店舗がモバイルオーダーシステムを通じて注文を受けてから商品を準備するまでにかかる時間長とを算出し、両者を含む時間長である第3の時間長を算出する。
【0034】
提案部113は、第1の店舗200へのユーザの到着予定時刻から第3の時間長だけ遡った時刻までに、ユーザに、第1の店舗200に対するモバイルオーダーシステムによる注文の実施を提案する。つまり、提案部113は、ユーザがモバイルオーダーシステムを用いた注文を行うのにかかる時間長と、第1の店舗200が注文を受けた商品を準備するのにかかる時間長だけ、ユーザが第1の店舗200に到着する予定の時刻から遡った時刻に、ユーザにモバイルオーダーシステムを用いた注文を行うことを提案する内容の情報を出力する。
【0035】
注文部114は、ユーザがモバイルオーダーシステムを用いた注文を行って、注文する商品を選定した場合、第1の店舗200へのユーザの到着予定時刻より第2の時間長だけ遡った時刻が到来した場合に、選定された商品の注文を第1の店舗200に送信する。つまり、注文部114は、第1の店舗200が注文された商品を準備する時間長だけ、第1の店舗200へのユーザの到着予定時刻より前の時刻になった場合、ユーザが選定した商
品の注文を、第1の店舗200に送信する。
【0036】
記憶部120は、RAMまたはROM等の主記憶装置、EPROM、ハードディスクドライブ、および、リムーバブルメディア等の補助記憶装置である。補助記憶装置には、オペレーティングシステム(OS)、各種プログラム、各種テーブル等が格納され、そこに格納されたプログラムを実行することによって、制御部110の各部の所定の目的に合致した各機能を実現することができる。ただし、一部または全部の機能はASICやFPGAのようなハードウェア回路によって実現されてもよい。
【0037】
記憶部120は、制御部110が行う処理で使用または生成されるデータ等を記憶する。また、記憶部120は、地図情報、および、モバイルオーダーに対応した店舗の情報等を記憶してもよい。
【0038】
通信部130は、無線通信を行う通信回路で構成される。通信部130は、例えば、4G(4th Generation)を用いた無線通信を行う通信回路であってもよいし、5G(5th Generation)を用いた無線通信を行う通信回路であってもよい。また、通信部130は、LTE(Long Term Evolution)を用いた無線通信を行う通信回路であってもよいし、LPWA(Low Power Wide
Area)による通信を行う通信回路であってもよい。また、通信部130は、Wi-Fi(登録商標)を用いた、無線通信を行う通信回路でもよい。
【0039】
次に、情報処理装置100以外の装置について説明する。
車両10は、乗用車またはトラック等である。車両10は、車両10のユーザに情報を提供するための車載端末12を備える。車両10は、所定の周期で、車両10の位置情報、または、車両10の速度情報等を外部のサーバ等に送信する。または、情報処理装置100は、車両10の位置情報、または、車両10の速度情報等を、車両10の備えるECU等から所定の周期で取得してもよい。また、車両10は、速度センサ、および、GPS(Global Positioning System)装置等を備えていてもよい。
【0040】
車載端末12は、車両10のユーザに向けて、モバイルオーダーによる注文を促す情報、経路案内または車両10の状態に関する情報等の各種情報を出力する機能を有する端末である。車載端末12は、カーナビゲーション装置等であってもよい。また、車載端末12は、ユーザからの入力を受け付ける機能を有する。
【0041】
第1店舗サーバ300は、第1の店舗200に設置された、モバイルオーダーによる注文を受け付けるためのサーバ装置である。第1店舗サーバ300は、外部の端末からモバイルオーダーによる注文を受信し、第1の店舗200のスタッフに提供する。
【0042】
次に、情報処理装置100が行う処理の具体的な内容について説明する。図3は、実施形態に係る情報処理装置100の制御部110が実行する処理のフローチャートである。
【0043】
図3に示した処理が実行される前に、情報処理装置100を搭載する車両10が走行を開始しているものとする。情報処理装置100は、車両10の走行中に以下の処理を行う。なお、車両10が走行している状態とは、車両10がユーザの目的地までのトリップの間で、一次的に停止している状態も含む。
【0044】
まず、ステップS10で、経路取得部111は、ユーザの目的地までの経路を取得する。経路取得部111は、ユーザが車載端末12またはユーザに関連付けられた端末に入力した目的地を取得し、外部のサーバ等に問い合わせて、当該目的地までの経路情報を取得する。車載端末12がナビゲーション機能を有している場合、経路取得部111は、車載
端末12から経路情報を取得してもよい。
【0045】
次に、ステップS11で、算出部112は、店舗に商品を注文することをユーザに提案するか否かを判定する。例えば、算出部112は、現在時刻が飲食店の混雑時間帯である場合に、ユーザに飲食物を注文するニーズがあると判断して、ユーザに店舗に商品を注文することを提案してもよい。飲食店の混雑時間帯とは、例えば、昼食の時間帯または夕食の時間帯等である。本ステップは、算出部112が、ユーザに店舗に商品を注文することを提案すると判定した場合、肯定判定となる。
【0046】
本ステップで肯定判定となった場合、処理は、ステップS12へ遷移する。
【0047】
本ステップで否定判定となった場合、処理は、終了する。
【0048】
次に、ステップS12で、算出部112は、経路取得部111が取得した経路沿いに、モバイルオーダーに対応する店舗が存在するか否かを判定する。当該判定を行うため、算出部112は、店舗に関する情報が記憶されたデータベース(店舗データベース)を参照してもよい。店舗データベースは、情報処理装置100に記憶されていてもよいし、外部装置によって提供されてもよい。本ステップでは、算出部112が、経路取得部111が取得した経路沿いに、モバイルオーダーに対応する店舗が存在すると判定した場合に、肯定判定となる。算出部112は、経路取得部111が取得した経路沿いにあたる緯度および経度と、店舗データベースから取得したモバイルオーダーに対応する店舗の緯度および経度が略一致した場合に、経路取得部111が取得した経路沿いに、モバイルオーダーに対応する店舗が存在すると判定してもよい。
【0049】
本ステップで肯定判定となった場合、処理は、ステップS13へ遷移する。
【0050】
本ステップで否定判定となった場合、処理は、終了する。
【0051】
次に、ステップS13で、算出部112は、第1の時間長と第2の時間長とを少なくとも含む第3の時間長を算出する。算出部112は、ユーザがモバイルオーダーシステムを用いて商品の注文操作を完了するまでの時間と、第1の店舗200が注文された商品を準備するのにかかる時間とを含む時間長を算出する。ここで、ユーザがモバイルオーダーシステムを用いて商品の注文操作を完了するとは、ユーザが注文する商品のモバイルオーダーシステムにおける選択を完了し、注文のための操作を行う(例えば、注文確定ボタンを押下する)ことを指す。
【0052】
次に、ステップS14で、提案部113は、第1の店舗200へのユーザの到着予定時刻から第3の時間長だけ遡った時刻までに、ユーザにモバイルオーダーを利用した商品の注文を提案する。具体的には、提案部113は、第1の店舗200へのユーザの到着予定時刻から第3の時間長だけ遡った時刻までに、車載端末12またはユーザに関連付けられた端末に、ユーザに対してモバイルオーダーを利用した商品の注文を提案する情報を出力する。例えば、提案部113は、車載端末12の表示部に、第1の店舗200へのモバイルオーダーを受け付けるウェブページを表すQRコード(登録商標)を表示してもよい。
【0053】
このように、情報処理装置100は、ユーザが第1の店舗200に到着するまでに、第1の店舗200がユーザに注文された商品を準備することが可能なタイミングで、ユーザにモバイルオーダーによる商品の注文を提案することができる。
【0054】
次に、制御部110が、ステップS13において、第1の時間長を決定する処理の詳細について説明する。本実施形態では、制御部110は、車両10の乗員の数、時間帯、お
よび、クーポンの有無の少なくとも1つに基づいて、第1の時間長を決定する。
【0055】
前述したように、情報処理装置100の制御部110は、第1の時間長と第2の時間長とを少なくとも含む第3の時間長を算出し、第1の店舗200へのユーザの到着予定時刻から第3の時間長だけ遡った時刻までに、ユーザにモバイルオーダーを利用した商品の注文を提案する。このとき、制御部110は、第1の時間長を以下のように決定してもよい。
【0056】
算出部112は、ユーザが乗車中の車両10の乗員の数、ユーザが注文を行う時間帯、および、注文に用いられるクーポンの有無の少なくとも1つに基づいて、第1の時間長を決定することができる。
【0057】
例えば、算出部112は、ユーザが乗車中の車両10の乗員の数が多くなるほど、第1の時間長を長く設定してもよい。これは、ユーザが乗車中の車両10の乗員の数が多くなるほど、モバイルオーダーで注文される商品の数が多くなり、注文により時間を要すると考えられるためである。なお、算出部112は、ユーザが乗車中の車両10の乗員の数を、車両10のシートベルトに設けられたセンサで検知してもよい。または、算出部112は、ユーザが乗車中の車両10の乗員の数を、車両10が搭載する車載カメラまたは重量センサで検知してもよい。
【0058】
また、例えば、算出部112は、ユーザがランチの時間帯に注文するときよりも、ユーザがディナーの時間帯に注文するときに、第1の時間長を長く設定してもよい。これは、ディナーの時間帯の方が、ランチの時間帯よりも、モバイルオーダーで注文される商品の数が多くなり、注文により時間を要すると考えられるためである。なお、算出部112は、ユーザが注文する時間帯を、情報処理装置100に内蔵される計時機能によって算出してもよい。
【0059】
また、例えば、算出部112は、ユーザがモバイルオーダーに用いることができるクーポンを保有している場合、ユーザがモバイルオーダーに用いることができるクーポンを保有していない場合よりも、第1の時間長を長く設定してもよい。これは、ユーザがモバイルオーダーに用いることができるクーポンを保有している場合、ユーザが注文の際に迷いを生じやすく、注文により時間を要すると考えられるためである。なお、算出部112は、ユーザがモバイルオーダーに用いることができるクーポンを保有しているか否かを、ユーザに関連付けられた端末に記録された情報を参照することで、取得してもよい。
【0060】
このように、情報処理装置100は、車両10の乗員の数、時間帯、および、クーポンの有無の少なくとも1つに基づいて、ユーザが注文を行うときに想定される状況に応じて、第1の時間長を決定することができる。
【0061】
次に、制御部110が、選定された商品の注文を第1の店舗200に送信する処理について説明する。図4は、実施形態に係る情報処理装置100の制御部110が実行する注文の送信の処理のフローチャートである。図4に示した処理は、図3に示した処理の後に実行される。情報処理装置100は、ユーザがモバイルオーダーシステムを用いて注文を行う際に、注文を第1の店舗200に実際に送信する処理を担うことができる。
【0062】
まず、ステップS21で、注文部114は、ユーザが注文する商品を全て選定したか否かを判定する。ユーザが注文する商品を全て選定するとは、ユーザがモバイルオーダーシステムを用いて、注文対象である商品の選択を全て完了することである。本ステップは、注文部114が、ユーザが注文する商品を全て選定したと判定した場合、肯定判定となる。
【0063】
本ステップで肯定判定となった場合、処理は、ステップS22へ遷移する。
【0064】
本ステップで否定判定となった場合、処理は再び、ステップS21へ遷移する。
【0065】
処理がステップS22へ遷移した場合、注文部114は、第1の店舗200において、注文された商品の受け取り時間の指定が可能か否かを判定する。本ステップは、注文部114が、第1の店舗200において、注文された商品の受け取り時間を指定が可能であると判定した場合、肯定判定となる。
【0066】
本ステップで肯定判定となった場合、処理は、ステップS23へ遷移する。
【0067】
本ステップで否定判定となった場合、処理は、ステップS24へ遷移する。
【0068】
処理がステップS23へ遷移した場合、注文部114は、ユーザの乗車する車両10の現在位置から第1の店舗200までの所要時間を考慮した受け取り時刻を指定して、選定された商品の注文を第1店舗サーバ300に送信する。具体的には、注文部114は、現在時刻より、車両10の現在位置から第1の店舗200までの所要時間分だけ後の時刻を受け取り可能時刻としてユーザに提示し、ユーザから時刻の指定を取得してもよい。
【0069】
処理がステップS24へ遷移した場合、注文部114は、第1の店舗200へのユーザの到着予定時刻より第2の時間長だけ遡った時刻が到来したか否かを判定する。つまり、注文部114は、第1の店舗200へのユーザの到着予定時刻より、第1の店舗200が注文された商品を準備するのに要する時間長だけ前の時刻になったか否かを判定する。本ステップは、注文部114が、第1の店舗200へのユーザの到着予定時刻より第2の時間長だけ遡った時刻が到来したと判定した場合に、肯定判定となる。
【0070】
本ステップで肯定判定となった場合、処理は、ステップS25へ遷移する。
【0071】
本ステップが否定判定となった場合、処理は、再び、ステップS24へ遷移する。
【0072】
処理がステップS25へ遷移した場合、注文部114は、選定された商品の注文を第1店舗サーバ300に送信する。つまり、注文部114は、適切な時刻までプールしていたユーザからの商品の注文を、実際に、第1店舗サーバ300に送信する。
【0073】
前述したように、本実施形態では、情報処理装置100が、モバイルオーダーシステムにおいて注文を行うのに要する時間と、第1の店舗200が商品を準備するのに要する時間の双方を考慮したタイミングにおいて、ユーザに注文を開始させる。これにより、ユーザが第1の店舗200に到着しているにもかかわらず、注文した商品の受け取りまでにユーザの待ち時間が発生することを防止することができる。また、情報処理装置100は、第1の店舗200が商品を準備するのに要する時間の双方を考慮したタイミングにおいて、店舗への注文送信を行う。これにより、ユーザが到着するよりも遥かに前に商品の準備が完了してしまい、できたての商品が提供できなくなることを防止することができる。
【0074】
(変形例)
上記の実施形態はあくまでも一例であって、本開示はその要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施しうる。
【0075】
例えば、本開示において説明した処理や手段は、技術的な矛盾が生じない限りにおいて、自由に組み合わせて実施することができる。
実施形態では、直接注文を送信したが、モバイルオーダーによる注文を受け付けるサーバ装置が介在していてもよい。
【0076】
また、1つの装置が行うものとして説明した処理が、複数の装置によって分担して実行されてもよい。あるいは、異なる装置が行うものとして説明した処理が、1つの装置によって実行されても構わない。コンピュータシステムにおいて、各機能をどのようなハードウェア構成(サーバ構成)によって実現するかは柔軟に変更可能である。
【0077】
本開示は、上記の実施形態で説明した機能を実装したコンピュータプログラムをコンピュータに供給し、当該コンピュータが有する1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行することによっても実現可能である。このようなコンピュータプログラムは、コンピュータのシステムバスに接続可能な非一時的なコンピュータ可読記憶媒体によってコンピュータに提供されてもよいし、ネットワークを介してコンピュータに提供されてもよい。非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、例えば、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスクドライブ(HDD)等)、光ディスク(CD-ROM、DVDディスク・ブルーレイディスク等)など任意のタイプのディスク、読み込み専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、EPROM、EEPROM、磁気カード、フラッシュメモリ、光学式カード、電子的命令を格納するために適した任意のタイプの媒体を含む。
【符号の説明】
【0078】
10・・・車両
12・・・車載端末
100・・・情報処理装置
110・・・制御部
111・・・経路取得部
112・・・算出部
113・・・提案部
114・・・注文部
120・・・記憶部
130・・・通信部
図1
図2
図3
図4