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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179299
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】メモリデバイス
(51)【国際特許分類】
   H10B 43/27 20230101AFI20241219BHJP
   G11C 16/08 20060101ALI20241219BHJP
   G11C 16/04 20060101ALI20241219BHJP
   G11C 5/04 20060101ALI20241219BHJP
   G11C 8/12 20060101ALI20241219BHJP
   H10B 43/50 20230101ALI20241219BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20241219BHJP
   H01L 21/02 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
H10B43/27
G11C16/08 110
G11C16/04 170
G11C5/04 210
G11C8/12
H10B43/50
H01L29/78 371
H01L21/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098039
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】前嶋 洋
【テーマコード(参考)】
5B225
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5B225CA06
5B225EA05
5B225EC06
5B225FA02
5F083EP18
5F083EP22
5F083EP32
5F083EP76
5F083ER21
5F083GA10
5F083GA27
5F083JA04
5F083JA19
5F083JA37
5F083JA39
5F083MA06
5F083MA16
5F083MA19
5F083ZA01
5F101BA46
5F101BB02
5F101BD16
5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
5F101BE07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】回路面積の増加を抑制するメモリデバイスを提供する。
【解決手段】メモリデバイスにおいて、ロウデコーダモジュール15は、複数のロウデコーダRD0、RD1、…を含む。ロウデコーダの個数は、ブロックBLKの個数に対応する。複数のロウデコーダの各々は、同等の構成を有する。ロウデコーダRD0は、ブロックデコーダBD_C、BD_U、及びBD_L、並びに転送スイッチWLSW_C、WLSW_U、及びWLSW_Lを含む。転送スイッチWLSW_Cは、トランジスタTR0~TR7を含む。トランジスタの各々の第1端は、それぞれワード線を介してブロックBLK0に接続される。トランジスタの各々の第2端は、それぞれ配線CG0~CG7を介してドライバモジュール14に接続される。トランジスタの各々のゲートは、配線BLKSEL_Cを介してブロックデコーダBD_Cに接続される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1メモリセルアレイを含む第1チップと、
第2メモリセルアレイを含み、前記第1チップと接する第2チップと、
制御回路を含み、前記第2チップと接する第3チップと、
を備え、
前記第1メモリセルアレイは、直列接続された第1トランジスタ及び第2トランジスタを含み、
前記第2メモリセルアレイは、直列接続された第3トランジスタ及び第4トランジスタを含み、
前記制御回路は、
前記第1トランジスタのゲートと電気的に接続された第1端を有する第5トランジスタと、
前記第3トランジスタのゲートと電気的に接続された第1端を有する第6トランジスタと、
前記第2トランジスタのゲート及び前記第4トランジスタのゲートと電気的に接続された第1端を有する第7トランジスタと、
前記第5トランジスタの状態を切り替えるように構成された第1デコーダと、
前記第6トランジスタの状態を、前記第5トランジスタの状態と独立に切り替えるように構成された第2デコーダと、
を含む、
メモリデバイス。
【請求項2】
前記制御回路は、第3デコーダを更に含み、
前記第3デコーダは、
前記第5トランジスタの状態がオン状態になる場合、又は前記第6トランジスタの状態がオン状態になる場合に、前記第7トランジスタの状態をオン状態にし、
前記第5トランジスタの状態がオフ状態になり、かつ前記第6トランジスタの状態がオフ状態になる場合に、前記第7トランジスタの状態をオフ状態にする
ように構成された、
請求項1記載のメモリデバイス。
【請求項3】
前記第1デコーダは、第1情報に基づき、前記第5トランジスタのゲートに第1信号を供給するように構成され、
前記第2デコーダは、第2情報に基づき、前記第6トランジスタのゲートに第2信号を供給するように構成され、
前記第3デコーダは、前記第1情報及び前記第2情報に基づき、前記第7トランジスタのゲートに第3信号を供給するように構成された、
請求項2記載のメモリデバイス。
【請求項4】
前記第1デコーダは、前記第1情報を記憶する第1ラッチを含み、
前記第2デコーダは、前記第2情報を記憶する第2ラッチを含む、
請求項3記載のメモリデバイス。
【請求項5】
前記第1情報は、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタの良否を示し、
前記第2情報は、前記第3トランジスタ及び前記第4トランジスタの良否を示す、
請求項3記載のメモリデバイス。
【請求項6】
前記第1デコーダは、第1配線を介して前記第5トランジスタのゲートに接続され、
前記第2デコーダは、第2配線を介して前記第6トランジスタのゲートに接続され、
前記第3デコーダは、第3配線を介して前記第7トランジスタのゲートに接続される、
請求項2記載のメモリデバイス。
【請求項7】
前記第1メモリセルアレイは、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタとは直列接続されることなく、直列接続された第8トランジスタ及び第9トランジスタを更に含み、
前記第2メモリセルアレイは、前記第3トランジスタ及び前記第4トランジスタとは直列接続されることなく、直列接続された第10トランジスタ及び第11トランジスタを更に含み、
前記制御回路は、
前記第8トランジスタのゲートと電気的に接続された第1端を有する第12トランジスタと、
前記第10トランジスタのゲートと電気的に接続された第1端を有する第13トランジスタと、
前記第9トランジスタのゲート及び前記第11トランジスタのゲートと電気的に接続された第1端を有する第14トランジスタと、
を更に含み、
前記第1デコーダは、前記第5トランジスタの状態、及び前記第12トランジスタの状態を切り替えるように構成され、
前記第2デコーダは、前記第6トランジスタの状態、及び前記第13トランジスタの状態を、前記第5トランジスタの状態、及び前記第12トランジスタの状態と独立に切り替えるように構成された、
請求項2記載のメモリデバイス。
【請求項8】
前記第1デコーダは、
第1情報に基づき、前記第5トランジスタのゲート及び前記第12トランジスタのゲートに第1信号を供給し、
第3情報に基づき、前記第5トランジスタのゲート及び前記第12トランジスタのゲートに第4信号を供給する
ように構成され、
前記第2デコーダは、
第2情報に基づき、前記第6トランジスタのゲート及び前記第13トランジスタのゲートに第2信号を供給し、
第4情報に基づき、前記第6トランジスタのゲート及び前記第13トランジスタのゲートに第5信号を供給する
ように構成され、
前記第3デコーダは、
前記第1情報及び前記第2情報に基づき、前記第7トランジスタのゲート及び前記第14トランジスタのゲートに第3信号を供給し、
前記第3情報及び前記第4情報に基づき、前記第7トランジスタのゲート及び前記第14トランジスタに第6信号を供給する
ように構成された、
請求項7記載のメモリデバイス。
【請求項9】
前記第1デコーダは、
前記第1情報を記憶する第1ラッチと、
前記第3情報を記憶する第3ラッチと、
を含み、
前記第2デコーダは、
前記第2情報を記憶する第2ラッチと、
前記第4情報を記憶する第4ラッチと、
を含む、
請求項8記載のメモリデバイス。
【請求項10】
前記第1情報は、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタの良否を示し、
前記第2情報は、前記第3トランジスタ及び前記第4トランジスタの良否を示し、
前記第3情報は、前記第8トランジスタ及び前記第9トランジスタの良否を示し、
前記第4情報は、前記第10トランジスタ及び前記第11トランジスタの良否を示す、
請求項8記載のメモリデバイス。
【請求項11】
前記第1トランジスタは、選択トランジスタであり、
前記第2トランジスタは、メモリセルトランジスタである、
請求項1記載のメモリデバイス。
【請求項12】
前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタは、メモリセルトランジスタである、
請求項1記載のメモリデバイス。
【請求項13】
前記第1チップ、前記第2チップ、及び前記第3チップは、第1方向に並び、
前記第1メモリセルアレイは、
各々が前記第1方向と交差する面内に広がり、前記第1方向に互いに離れて設けられる第1導電体層及び第2導電体層と、
前記第1方向に延び、前記第1導電体層と交差する第1部分が前記第1トランジスタとして機能し、前記第2導電体層と交差する第2部分が前記第2トランジスタとして機能する第1部材と、
を含み、
前記第1部分は、前記第1方向において、前記第2部分よりも前記第1部材の端部に位置する、
請求項11又は請求項12記載のメモリデバイス。
【請求項14】
前記第1チップ、前記第2チップ、及び前記第3チップは、第1方向に並び、
前記第1メモリセルアレイは、
各々が前記第1方向と交差する面内に広がり、前記第1方向に互いに離れて設けられる第1導電体層及び第2導電体層と、
前記第1方向に延び、前記第1導電体層と交差する第1部分が前記第1トランジスタとして機能し、前記第2導電体層と交差する第2部分が前記第2トランジスタとして機能する第1部材と、
を含み、
前記第1部材は、
前記第1部分を含む第1サブ部材と、
前記第1方向に前記第1サブ部材に接する第2サブ部材と、
を含み、
前記第1サブ部材の側面は、前記第2サブ部材の側面の延長とずれており、
前記第1部分は、前記第1方向において、前記第2部分よりも前記第1サブ部材の端部に位置する、
請求項11又は請求項12記載のメモリデバイス。
【請求項15】
第1メモリセルアレイを含む第1チップと、
第2メモリセルアレイを含み、前記第1チップと接する第2チップと、
制御回路を含み、前記第2チップと接する第3チップと、
を備え、
前記第1メモリセルアレイは、直列接続された第1トランジスタ及び第2トランジスタを含み、
前記第2メモリセルアレイは、直列接続された第3トランジスタ及び第4トランジスタを含み、
前記制御回路は、
前記第1トランジスタのゲートと電気的に接続された第1端を有する第5トランジスタと、
前記第3トランジスタのゲートと電気的に接続された第1端を有する第6トランジスタと、
前記第2トランジスタのゲート及び前記第4トランジスタのゲートと電気的に接続された第1端を有する第7トランジスタと、
前記第5トランジスタの状態、及び前記第6トランジスタの状態を独立に切り替えるように構成されたデコーダと、
を含む、
メモリデバイス。
【請求項16】
前記第1メモリセルアレイ及び前記第2メモリセルアレイの各々は、複数の部分ブロックを含み、
前記第1メモリセルアレイに含まれる前記複数の部分ブロックのうち第1部分ブロックは、前記第1トランジスタ及び前記第2トランジスタを含み、
前記第2メモリセルアレイに含まれる前記複数の部分ブロックのうち第2部分ブロックは、前記第3トランジスタ及び前記第4トランジスタを含み、
前記第1部分ブロック及び前記第2部分ブロックの組は、データの消去単位であり、
前記デコーダは、前記第1部分ブロック及び前記第2部分ブロックの組に対応する、
請求項15記載のメモリデバイス。
【請求項17】
前記デコーダは、
前記第1部分ブロックに対応し、前記第5トランジスタの状態を切り替えるように構成された第1デコーダと、
前記第2部分ブロックに対応し、前記第6トランジスタの状態を、前記第5トランジスタの状態と独立に切り替えるように構成された第2デコーダと、
を含む、
請求項16記載のメモリデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施形態は、メモリデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
データを不揮発に記憶することが可能なメモリデバイスとして、NANDフラッシュメモリが知られている。NANDフラッシュメモリのようなメモリデバイスにおいては、高集積化、大容量化のために3次元のメモリ構造が採用される。3次元のメモリ構造と、メモリ構造を制御するためのCMOS回路とは、別々のチップに設けられる場合がある。この場合、メモリデバイスは、3次元のメモリ構造が設けられたメモリチップと、CMOS回路が設けられた回路チップとが貼合されることによって形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第11189335号明細書
【特許文献2】米国特許第10811393号明細書
【特許文献3】米国特許第11170855号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
回路面積の増加を抑制する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のメモリデバイスは、第1メモリセルアレイを含む第1チップと、第2メモリセルアレイを含み、上記第1チップと接する第2チップと、制御回路を含み、上記第2チップと接する第3チップと、を備える。上記第1メモリセルアレイは、直列接続された第1トランジスタ及び第2トランジスタを含む。上記第2メモリセルアレイは、直列接続された第3トランジスタ及び第4トランジスタを含む。上記制御回路は、上記第1トランジスタのゲートと電気的に接続された第1端を有する第5トランジスタと、上記第3トランジスタのゲートと電気的に接続された第1端を有する第6トランジスタと、上記第2トランジスタのゲート及び上記第4トランジスタのゲートと電気的に接続された第1端を有する第7トランジスタと、上記第5トランジスタの状態を切り替えるように構成された第1デコーダと、上記第6トランジスタの状態を、上記第5トランジスタの状態と独立に切り替えるように構成された第2デコーダと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1実施形態に係るメモリデバイスを含むメモリシステムの構成を示すブロック図。
図2】第1実施形態に係るメモリセルアレイの構成の一例を示す回路図。
図3】第1実施形態に係るメモリセルアレイ、ロウデコーダモジュール、及びドライバモジュール間の接続の一例を示す回路図。
図4】第1実施形態に係るブロックデコーダの第1部分の構成の一例を示す回路図。
図5】第1実施形態に係るブロックデコーダの第2部分の構成の一例を示す回路図。
図6】第1実施形態に係るブロックデコーダの第3部分の構成の一例を示す回路図。
図7】第1実施形態に係るメモリデバイスの貼合構造の一例を示す斜視図。
図8】第1実施形態に係るメモリデバイスの断面構造の一例を示す断面図。
図9】第1実施形態に係るメモリピラーの断面構造の一例を示す、図8の領域IXの断面図。
図10】第1実施形態に係るメモリセルトランジスタの断面構造の一例を示す、図9のX-X線に沿った断面図。
図11】第1実施形態に係るメモリデバイスにおける部分バッドブロック情報のセット動作の一例を示すタイミングチャート。
図12】第1実施形態に係るメモリデバイスにおけるブロック選択動作の一例を示すタイミングチャート。
図13】第2実施形態に係るメモリデバイスのメモリセルアレイの構成の一例を示す回路図。
図14】第2実施形態に係るメモリセルアレイ、ロウデコーダモジュール、及びドライバモジュール間の接続の一例を示す回路図。
図15】第2実施形態に係るメモリデバイスの断面構造の一例を示す断面図。
図16】第3実施形態に係るメモリセルアレイの構成の一例を示すブロック図。
図17】第3実施形態に係るメモリセルアレイ、ロウデコーダモジュール、及びドライバモジュール間の接続の一例を示す回路図。
図18】第3実施形態に係るブロックデコーダの第1部分の構成の一例を示す回路図。
図19】第3実施形態に係るブロックデコーダの第2部分の構成の一例を示す回路図。
図20】第4実施形態に係るブロックデコーダの第1部分の構成の一例を示す回路図。
図21】第4実施形態に係るブロックデコーダの第2部分の構成の一例を示す回路図。
図22】第4実施形態に係るバッドブロック情報記憶回路の第1部分の構成の第1例を示す回路図。
図23】第4実施形態に係るバッドブロック情報記憶回路の第2部分の構成の第1例を示す回路図。
図24】第4実施形態に係るバッドブロック情報記憶回路の第1部分の構成の第2例を示す回路図。
図25】第4実施形態に係るバッドブロック情報記憶回路の第2部分の構成の第2例を示す回路図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に、実施形態について図面を参照して説明する。図面の寸法及び比率は、必ずしも現実のものと同一とは限らない。
【0008】
なお、以下の説明において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一符号を付す。同様の構成を有する要素同士を特に区別する場合、同一符号の末尾に、互いに異なる文字又は数字を付加する場合がある。
【0009】
また、本明細書において、符号Xの末尾に“n”が付される符号Xnがある場合、当該符号Xnに対応する構成には、符号Xに対応する構成に印加される電圧レベルと異なる電圧レベルが印加されるものとする。
【0010】
また、本明細書において、「ノード」は、「配線」と読み替えてもよい。「ノードの論理レベル」は、「配線に供給される信号の論理レベル」と読み替えてもよい。
【0011】
1. 第1実施形態
第1実施形態について説明する。
【0012】
1.1 構成
第1実施形態に係る構成について説明する。
【0013】
1.1.1 メモリシステム
図1は、第1実施形態に係るメモリデバイスを含むメモリシステムの構成の一例を示すブロック図である。メモリシステム1は、外部のホスト(図示せず)に接続されるように構成された記憶装置である。メモリシステム1は、例えば、SDTMカードのようなメモリカード、UFS(universal flash storage)、SSD(solid state drive)である。メモリシステム1は、メモリコントローラ2及びメモリデバイス3を含む。
【0014】
メモリコントローラ2は、例えば、SoC(system-on-a-chip)のような集積回路で構成される。メモリコントローラ2は、ホストからの要求に基づいて、メモリデバイス3を制御する。具体的には、例えば、メモリコントローラ2は、ホストから書込みを要求されたデータをメモリデバイス3に書き込む。また、メモリコントローラ2は、ホストから読出しを要求されたデータをメモリデバイス3から読み出してホストに送信する。
【0015】
メモリデバイス3は、不揮発性メモリである。メモリデバイス3は、例えば、NANDフラッシュメモリである。メモリデバイス3は、不揮発にデータを記憶する。
【0016】
メモリコントローラ2とメモリデバイス3との通信は、例えば、SDR(single data rate)インタフェース、トグルDDR(double data rate)インタフェース、又はONFI(Open NAND flash interface)に準拠する。
【0017】
1.1.2 メモリデバイス
引き続き、図1に示すブロック図を参照して、第1実施形態に係るメモリデバイスの内部構成について説明する。メモリデバイス3は、例えば、メモリセルアレイ10、コマンドレジスタ11、アドレスレジスタ12、シーケンサ13、ドライバモジュール14、ロウデコーダモジュール15、及びセンスアンプモジュール16を備える。
【0018】
メモリセルアレイ10は、複数のブロックBLK0~BLK(n-1)(nは2以上の整数)を含む。メモリセルアレイ10に含まれるブロックBLKの数は、1個でもよい。ブロックBLKは、複数のメモリセルの集合体である。ブロックBLKは、例えばデータの消去単位として使用される。また、メモリセルアレイ10には、複数のビット線及び複数のワード線が設けられる。各メモリセルは、例えば1本のビット線と1本のワード線とに関連付けられる。メモリセルアレイ10の詳細な構成については後述する。
【0019】
コマンドレジスタ11は、メモリデバイス3がメモリコントローラ2から受信したコマンドCMDを記憶する。コマンドCMDは、例えばシーケンサ13に読出し動作、書込み動作、消去動作等を含む各種動作を実行させる命令を含む。
【0020】
アドレスレジスタ12は、メモリデバイス3がメモリコントローラ2から受信したアドレス情報ADDを記憶する。アドレス情報ADDは、例えばブロックアドレスBAd、ページアドレスPAd、及びカラムアドレスCAdを含む。例えば、ブロックアドレスBAd、ページアドレスPAd、及びカラムアドレスCAdは、それぞれブロックBLK、ワード線、及びビット線の選択に使用される。
【0021】
シーケンサ13は、メモリデバイス3全体の動作を制御する。例えば、シーケンサ13は、コマンドレジスタ11に記憶されたコマンドCMDに基づいてドライバモジュール14、ロウデコーダモジュール15、及びセンスアンプモジュール16等を制御して、読出し動作、書込み動作、消去動作等を実行する。
【0022】
ドライバモジュール14は、読出し動作、書込み動作、消去動作等で使用される電圧を生成する。そして、ドライバモジュール14は、例えばアドレスレジスタ12に記憶されたページアドレスPAdに基づいて、選択されたワード線に対応する信号線に生成した電圧を印加する。
【0023】
ロウデコーダモジュール15は、アドレスレジスタ12に記憶されたブロックアドレスBAdに基づいて、対応するメモリセルアレイ10内の1つのブロックBLKを選択する。そして、ロウデコーダモジュール15は、例えば選択されたワード線に対応する信号線に印加された電圧を、選択されたブロックBLK内の選択されたワード線に転送する。
【0024】
センスアンプモジュール16は、書込み動作において、メモリコントローラ2から受信した書込みデータDATに応じて、各ビット線に所望の電圧を印加する。また、センスアンプモジュール16は、読出し動作において、ビット線の電圧に基づいてメモリセルに記憶されたデータを判定し、判定結果を読出しデータDATとしてメモリコントローラ2に転送する。
【0025】
1.1.3 メモリセルアレイ
次に、第1実施形態に係るメモリセルアレイの構成について説明する。
【0026】
図2は、第1実施形態に係るメモリセルアレイの回路構成の一例を示す回路図である。図2では、メモリセルアレイ10に含まれる複数のブロックBLKのうちの1つのブロックBLKが示される。図2に示すように、ブロックBLKは、例えば、2個の部分ブロック(partial block)PBLK_U及びPBLK_Lを含む。部分ブロックPBLK_Uは、例えば、2個のストリングユニットSU0及びSU1を含む。部分ブロックPBLK_Lは、例えば、2個のストリングユニットSU2及びSU3を含む。すなわち、ブロックBLKは、例えば、4個のストリングユニットSU0~SU3を含む。
【0027】
ストリングユニットSU0~SU3の各々は、ビット線BL0~BL(m-1)(mは2以上の整数)にそれぞれ関連付けられた複数のNANDストリングNSを含む。ビット線BLの数は、1本でもよい。各NANDストリングNSは、例えばメモリセルトランジスタMT0~MT7、並びに選択トランジスタST1及びST2を含む。各メモリセルトランジスタMTは、制御ゲート及び電荷蓄積膜を含み、データを不揮発に記憶する。選択トランジスタST1及びST2のそれぞれは、各種動作時におけるストリングユニットSUの選択に使用される。
【0028】
各NANDストリングNSにおいて、メモリセルトランジスタMT0~MT7は、直列接続される。選択トランジスタST1のドレインは、関連付けられたビット線BLに接続される。選択トランジスタST1のソースは、直列接続されたメモリセルトランジスタMT0~MT7の一端に接続される。選択トランジスタST2のドレインは、直列接続されたメモリセルトランジスタMT0~MT7の他端に接続される。選択トランジスタST2のソースは、ソース線SLに接続される。
【0029】
同一のブロックBLKにおいて、メモリセルトランジスタMT0~MT7の制御ゲートは、それぞれワード線WL0~WL7に接続される。ストリングユニットSU0~SU3内の選択トランジスタST1のゲートは、それぞれ選択ゲート線SGD0~SGD3に接続される。ストリングユニットSU0及びSU1内の選択トランジスタST2のゲートは、選択ゲート線SGS0に接続される。ストリングユニットSU2及びSU3内の選択トランジスタST2のゲートは、選択ゲート線SGS1に接続される。
【0030】
ビット線BL0~BL(m-1)には、それぞれ異なるカラムアドレスが割り当てられる。各ビット線BLは、複数のブロックBLK間で同一のカラムアドレスが割り当てられたNANDストリングNSによって共有される。ワード線WL0~WL7のそれぞれは、ブロックBLK毎に設けられる。ソース線SLは、例えば複数のブロックBLK間で共有される。
【0031】
1個のストリングユニットSU内で共通のワード線WLに接続された複数のメモリセルトランジスタMTの集合体は、例えばセルユニットCUと呼ばれる。例えば、それぞれが1ビットデータを記憶するメモリセルトランジスタMTを含むセルユニットCUの記憶容量が、「1ページデータ」として定義される。セルユニットCUは、メモリセルトランジスタMTが記憶するデータのビット数に応じて、2ページデータ以上の記憶容量を有し得る。
【0032】
なお、第1実施形態に係るメモリデバイス3が備えるメモリセルアレイ10の回路構成は、以上で説明した構成に限定されない。例えば、各ブロックBLKが含むストリングユニットSUの個数は、任意の個数に設計され得る。各NANDストリングNSが含むメモリセルトランジスタMT並びに選択トランジスタST1及びST2の個数は、それぞれ任意の個数に設計され得る。
【0033】
1.1.4 ロウデコーダモジュール
図3は、第1実施形態に係るメモリセルアレイ、ロウデコーダモジュール、及びドライバモジュール間の接続の一例を示す回路図である。図3に示されるように、ロウデコーダモジュール15は、複数のロウデコーダRD(RD0、RD1、…)を含む。ロウデコーダRDの個数は、ブロックBLKの個数に対応する。複数のロウデコーダRDの各々は、同等の構成を有する。図3の例では、ブロックBLK0に対応するロウデコーダRD0の構成が示される。ロウデコーダRD0は、ブロックデコーダBD_C、BD_U、及びBD_L、並びに転送スイッチWLSW_C、WLSW_U、及びWLSW_Lを含む。なお、ブロックデコーダBD_C、BD_U、及びBD_Lは、1個のブロックデコーダ又は1個のデコーダともみなし得る。
【0034】
1.1.4.1 転送スイッチ
まず、図3を参照して転送スイッチWLSW_C、WLSW_U、及びWLSW_Lの構成について説明する。
【0035】
転送スイッチWLSW_Cは、トランジスタTR0、TR1、…、TR6、及びTR7を含む。トランジスタTR0~TR7の各々は、例えば、N型トランジスタである。トランジスタTR0~TR7の各々の第1端は、それぞれワード線WL0~WL7を介してブロックBLK0に接続される。トランジスタTR0~TR7の各々の第2端は、それぞれ配線CG0~CG7を介してドライバモジュール14に接続される。トランジスタTR0~TR7の各々のゲートは、配線BLKSEL_Cを介してブロックデコーダBD_Cに接続される。
【0036】
例えば、書込み動作において、トランジスタTR0~TR7は、それぞれワード線WL0~WL7に、書込み電圧を転送し得る。書込み電圧は、メモリセルトランジスタMTの閾値電圧を上昇させ得る程度の高電圧である。このため、トランジスタTR0~TR7は、書込み電圧を転送できる程度に高い耐電圧を有する。以下では、書込み電圧を転送できる程度に高い耐電圧を有するトランジスタは、「高耐圧トランジスタ」とも呼ぶ。高耐圧のトランジスタは、例えば、30Vまで動作できるトランジスタの場合、ゲート酸化膜の膜厚が40nm程度となるように設計される。また、高耐圧のトランジスタに対して低い耐電圧を有するトランジスタは、「低耐圧トランジスタ」又は単に「トランジスタ」とも呼ぶ。
【0037】
転送スイッチWLSW_Uは、トランジスタTR8、TR9、TR10、TR11、TR12、及びTR13を含む。トランジスタTR8~TR10の各々は、例えば、高耐圧のN型トランジスタである。トランジスタTR11~TR13の各々は、例えば、低耐圧のN型トランジスタである。
【0038】
トランジスタTR8、TR9、及びTR10の各々の第1端は、それぞれ選択ゲート線SGS0、SGD0、及びSGD1を介してブロックBLK0に接続される。トランジスタTR8、TR9、及びTR10の各々の第2端は、それぞれ配線SGSD0、SGDD0、及びSGDD1を介してドライバモジュール14に接続される。トランジスタTR8、TR9、及びTR10の各々のゲートは、ノードBLKSEL_Uを介してブロックデコーダBD_Uに接続される。
【0039】
トランジスタTR11、TR12、及びTR13の各々の第1端は、それぞれ選択ゲート線SGS0、SGD0、及びSGD1を介してブロックBLK0に接続される。トランジスタTR11の第2端は、配線USGSを介してドライバモジュール14に接続される。トランジスタTR12及びTR13の各々の第2端は、配線USGDを介してドライバモジュール14に接続される。トランジスタTR11、TR12、及びTR13の各々のゲートは、ノードBLKSEL_Unを介してブロックデコーダBD_Uに接続される。
【0040】
転送スイッチWLSW_Lは、トランジスタTR14、TR15、TR16、TR17、TR18、及びTR19を含む。トランジスタTR14~TR16の各々は、例えば、高耐圧のN型トランジスタである。トランジスタTR17~TR19の各々は、例えば、低耐圧のN型トランジスタである。
【0041】
トランジスタTR14、TR15、及びTR16の各々の第1端は、それぞれ選択ゲート線SGS1、SGD2、及びSGD3を介してブロックBLK0に接続される。トランジスタTR14、TR15、及びTR16の各々の第2端は、それぞれ配線SGSD1、SGDD2、及びSGDD3を介してドライバモジュール14に接続される。トランジスタTR14、TR15、及びTR16の各々のゲートは、ノードBLKSEL_Lを介してブロックデコーダBD_Lに接続される。
【0042】
トランジスタTR17、TR18、及びTR19の各々の第1端は、それぞれ選択ゲート線SGS1、SGD2、及びSGD3を介してブロックBLK0に接続される。トランジスタTR17の第2端は、配線USGSを介してドライバモジュール14に接続される。トランジスタTR18及びTR19の各々の第2端は、配線USGDを介してドライバモジュール14に接続される。トランジスタTR17、TR18、及びTR19の各々のゲートは、配線BLKSEL_Lnを介してブロックデコーダBD_Lに接続される。
【0043】
1.1.4.2 ブロックデコーダ
次に、ブロックデコーダBD_C、BD_U、及びBD_Lの構成について説明する。
【0044】
図4は、第1実施形態に係るブロックデコーダの第1部分の構成の一例を示す回路図である。ブロックデコーダの第1部分は、ブロックデコーダBD_Lに対応する。図4に示されるように、ブロックデコーダBD_Lは、デコーダLVDEC_L、レベルシフタLSTP_L、及び部分バッドブロックラッチ(partial bad block latch)PBBL_Lを含む。
【0045】
デコーダLVDEC_Lは、トランジスタTR20、TR21、TR22、TR23、TR24、TR25、TR26、TR27、及びTR28、インバータINV1及びINV2、並びに論理回路NAND1を含む。トランジスタTR20及びTR21は、例えば、P型トランジスタである。トランジスタTR22~TR28は、例えば、N型トランジスタである。
【0046】
トランジスタTR20は、電圧VRDが供給される第1端と、ノードRDEC_SEL_Lnに接続される第2端と、ノードRDECに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR21は、電圧VRDが供給される第1端と、ノードRDEC_SEL_Lnに接続される第2端と、ノードRDEC_SEL_Lに接続されるゲートと、を有する。電圧VRDは、例えば、ブロックデコーダBD_L及びBD_U内における“H”レベルの論理レベルに対応する。
【0047】
トランジスタTR22は、ノードRDEC_SEL_Lnに接続される第1端と、ノードAROWAに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR23は、トランジスタTR22の第2端に接続される第1端と、ノードAROWBに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR24は、トランジスタTR23の第2端に接続される第1端と、ノードAROWCに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR25は、トランジスタTR24の第2端に接続される第1端と、ノードAROWDに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR26は、トランジスタTR25の第2端に接続される第1端と、ノードAROWE_Lに接続されるゲートと、を有する。
【0048】
トランジスタTR27は、トランジスタTR26の第2端に接続される第1端と、ノードN_L1に接続される第2端と、ノードRDECに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR28は、ノードN_L1に接続される第1端と、接地される第2端と、ノードROMBAENに接続されるゲートと、を有する。
【0049】
インバータINV1は、ノードRDEC_SEL_Lnに接続される入力端と、ノードRDEC_SEL_Lに接続される出力端と、を有する。すなわち、インバータINV1は、ノードRDEC_SEL_Lnの論理レベルを反転してノードRDEC_SEL_Lに出力する。
【0050】
論理回路NAND1は、ノードRDEC_SEL_Lに接続される第1入力端と、ノードBB_SR_ENBnに接続される第2入力端と、ノードBLKSEL_Lnに接続される出力端と、を有する。すなわち、論理回路NAND1は、ノードRDEC_SEL_Lの論理レベル及びノードBB_SR_ENBnの論理レベルの否定論理積演算を実行し、実行結果をノードBLKSEL_Lnに出力する。
【0051】
インバータINV2は、ノードBLKSEL_Lnに接続される入力端と、ノードRDECAD_Lに接続される出力端と、を有する。すなわち、インバータINV2は、ノードBLKSEL_Lnの論理レベルを反転してノードRDECAD_Lに出力する。
【0052】
レベルシフタLSTP_Lは、トランジスタTR29、TR30、及びTR31を含む。トランジスタTR29及びTR31は、例えば、高耐圧のN型トランジスタである。トランジスタTR30は、例えば、高耐圧のP型トランジスタである。
【0053】
トランジスタTR29は、ノードRDECAD_Lに接続される第1端と、ノードBLKSEL_Lに接続される第2端と、ノードBSTONに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR30は、ノードBLKSEL_Lに接続される第1端と、ノードBLKSEL_Lnに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR31は、トランジスタTR30の第2端に接続される第1端と、電圧VRDECが供給される第2端と、ノードBLKSEL_Lに接続されるゲートと、を有する。電圧VRDECは、書込み電圧等の高電圧をメモリセルアレイ10に転送する際に、転送スイッチWLSW_C、WLSW_L、及びWLSW_U内の高耐圧のトランジスタをオン状態にできる高さの電圧である。
【0054】
部分バッドブロックラッチPBBL_Lは、トランジスタTR32、TR33、TR34、TR35、及びTR36、並びにインバータINV3及びINV4を含む。トランジスタTR32~TR36は、例えば、N型トランジスタである。
【0055】
トランジスタTR32は、ノードN_L1に接続される第1端と、接地される第2端と、ノードGOOD_Lに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR33は、ノードGOOD_Lに接続される第1端と、ノードN_L2に接続される第2端と、ノードRFSETに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR34は、ノードBAD_Lに接続される第1端と、ノードN_L2に接続される第2端と、ノードRFRSTに接続されるゲートと、を有する。
【0056】
トランジスタTR35は、ノードN_L2に接続される第1端と、ノードPBUSBSに接続される第2端と、ノードRDEC_SEL_Lに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR36は、ノードPBUSBSに接続される第1端と、接地される第2端と、ノードBB_SR_ENBに接続されるゲートと、を有する。
【0057】
インバータINV3は、ノードGOOD_Lに接続される入力端と、ノードBAD_Lに接続される出力端と、を有する。すなわち、インバータINV3は、ノードGOOD_Lの論理レベルを反転してノードBAD_Lに出力する。インバータINV4は、ノードBAD_Lに接続される入力端と、ノードGOOD_Lに接続される出力端と、を有する。すなわち、インバータINV4は、ノードBAD_Lの論理レベルを反転してノードGOOD_Lに出力する。
【0058】
対応する部分ブロックPBLK_Lがグッド状態の場合、部分バッドブロックラッチPBBL_LのノードGOOD_Lの論理レベル及びノードBAD_Lの論理レベルはそれぞれ、“H”及び“L”となる。対応する部分ブロックPBLK_Lがバッド状態の場合、部分バッドブロックラッチPBBL_LのノードGOOD_Lの論理レベル及びノードBAD_Lの論理レベルはそれぞれ、“L”及び“H”となる。
【0059】
図5は、第1実施形態に係るブロックデコーダの第2部分の構成の一例を示す回路図である。ブロックデコーダの第2部分は、ブロックデコーダBD_Uに対応する。図5に示されるように、ブロックデコーダBD_Uは、デコーダLVDEC_U、レベルシフタLSTP_U、及び部分バッドブロックラッチPBBL_Uを含む。
【0060】
デコーダLVDEC_Uは、トランジスタTR40、TR41、TR42、TR43、TR44、TR45、TR46、TR47、及びTR48、インバータINV5及びINV6、並びに論理回路NAND2を含む。トランジスタTR40及びTR41は、例えば、P型トランジスタである。トランジスタTR42~TR48は、例えば、N型トランジスタである。
【0061】
トランジスタTR40は、電圧VRDが供給される第1端と、ノードRDEC_SEL_Unに接続される第2端と、ノードRDECに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR41は、電圧VRDが供給される第1端と、ノードRDEC_SEL_Unに接続される第2端と、ノードRDEC_SEL_Uに接続されるゲートと、を有する。
【0062】
トランジスタTR42は、ノードRDEC_SEL_Unに接続される第1端と、ノードAROWAに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR43は、トランジスタTR42の第2端に接続される第1端と、ノードAROWBに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR44は、トランジスタTR43の第2端に接続される第1端と、ノードAROWCに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR45は、トランジスタTR44の第2端に接続される第1端と、ノードAROWDに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR46は、トランジスタTR45の第2端に接続される第1端と、ノードAROWE_Uに接続されるゲートと、を有する。
【0063】
トランジスタTR47は、トランジスタTR46の第2端に接続される第1端と、ノードN_U1に接続される第2端と、ノードRDECに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR48は、ノードN_U1に接続される第1端と、接地される第2端と、ノードROMBAENに接続されるゲートと、を有する。
【0064】
インバータINV5は、ノードRDEC_SEL_Unに接続される入力端と、ノードRDEC_SEL_Uに接続される出力端と、を有する。すなわち、インバータINV5は、ノードRDEC_SEL_Unの論理レベルを反転してノードRDEC_SEL_Uに出力する。
【0065】
論理回路NAND2は、ノードRDEC_SEL_Uに接続される第1入力端と、ノードBB_SR_ENBnに接続される第2入力端と、ノードBLKSEL_Unに接続される出力端と、を有する。すなわち、論理回路NAND2は、ノードRDEC_SEL_Uの論理レベル及びノードBB_SR_ENBnの論理レベルの否定論理積演算を実行し、実行結果をノードBLKSEL_Unに出力する。
【0066】
インバータINV6は、ノードBLKSEL_Unに接続される入力端と、ノードRDECAD_Uに接続される出力端と、を有する。すなわち、インバータINV6は、ノードBLKSEL_Unの論理レベルを反転してノードRDECAD_Uに出力する。
【0067】
レベルシフタLSTP_Uは、トランジスタTR49、TR50、及びTR51を含む。トランジスタTR49及びTR51は、例えば、高耐圧のN型トランジスタである。トランジスタTR50は、例えば、高耐圧のP型トランジスタである。
【0068】
トランジスタTR49は、ノードRDECAD_Uに接続される第1端と、ノードBLKSEL_Uに接続される第2端と、ノードBSTONに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR50は、ノードBLKSEL_Uに接続される第1端と、ノードBLKSEL_Unに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR51は、トランジスタTR50の第2端に接続される第1端と、電圧VRDECが供給される第2端と、ノードBLKSEL_Uに接続されるゲートと、を有する。
【0069】
部分バッドブロックラッチPBBL_Uは、トランジスタTR52、TR53、TR54、TR55、及びTR56、並びにインバータINV7及びINV8を含む。トランジスタTR52~TR56は、例えば、N型トランジスタである。
【0070】
トランジスタTR52は、ノードN_U1に接続される第1端と、接地される第2端と、ノードGOOD_Uに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR53は、ノードGOOD_Uに接続される第1端と、ノードN_U2に接続される第2端と、ノードRFSETに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR54は、ノードBAD_Uに接続される第1端と、ノードN_U2に接続される第2端と、ノードRFRSTに接続されるゲートと、を有する。
【0071】
トランジスタTR55は、ノードN_U2に接続される第1端と、ノードPBUSBSに接続される第2端と、ノードRDEC_SEL_Uに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR56は、ノードPBUSBSに接続される第1端と、接地される第2端と、ノードBB_SR_ENBに接続されるゲートと、を有する。
【0072】
インバータINV7は、ノードGOOD_Uに接続される入力端と、ノードBAD_Uに接続される出力端と、を有する。すなわち、インバータINV7は、ノードGOOD_Uの論理レベルを反転してノードBAD_Uに出力する。インバータINV8は、ノードBAD_Uに接続される入力端と、ノードGOOD_Uに接続される出力端と、を有する。すなわち、インバータINV8は、ノードBAD_Uの論理レベルを反転してノードGOOD_Uに出力する。
【0073】
図6は、第1実施形態に係るブロックデコーダの第3部分の構成の一例を示す回路図である。ブロックデコーダの第3部分は、ブロックデコーダBD_Cに対応する。図6に示されるように、ブロックデコーダBD_Cは、デコーダLVDEC_C、及びレベルシフタLSTP_Cを含む。
【0074】
デコーダLVDEC_Cは、論理回路OR1及びNAND3、並びにインバータINV9を含む。
【0075】
論理回路OR1は、ノードRDEC_SEL_Lに接続される第1入力端と、ノードRDEC_SEL_Uに接続される第2入力端と、ノードRDEC_SEL_Cに接続される出力端と、を有する。すなわち、論理回路OR1は、ノードRDEC_SEL_Lの論理レベル、及びノードRDEC_SEL_Uの論理レベルの論理和演算を実行し、実行結果をノードRDEC_SEL_Cに出力する。
【0076】
論理回路NAND3は、ノードRDEC_SEL_Cに接続される第1入力端と、ノードBB_SR_ENBnに接続される第2入力端と、ノードBLKSEL_Cnに接続される出力端と、を有する。すなわち、論理回路NAND3は、ノードRDEC_SEL_Cの論理レベル、及びノードBBR_SR_ENBnの論理レベルの否定論理積演算を実行し、実行結果をノードBLKSEL_Cnに出力する。
【0077】
インバータINV9は、ノードBLKSEL_Cnに接続される入力端と、ノードRDECAD_Cに接続される出力端と、を有する。すなわち、インバータINV9は、ノードBLKSEL_Cnの論理レベルを反転してノードRDECAD_Cに出力する。
【0078】
レベルシフタLSTP_Cは、トランジスタTR60、TR61、及びTR62を含む。トランジスタTR60及びTR62は、例えば、高耐圧のN型トランジスタである。トランジスタTR61は、例えば、高耐圧のP型トランジスタである。
【0079】
トランジスタTR60は、ノードRDECAD_Cに接続される第1端と、ノードBLKSEL_Cに接続される第2端と、ノードBSTONに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR61は、ノードBLKSEL_Cに接続される第1端と、ノードBLKSEL_Cnに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR62は、トランジスタTR61の第2端に接続される第1端と、電圧VRDECが供給される第2端と、ノードBLKSEL_Cに接続されるゲートと、を有する。
【0080】
1.1.5 メモリデバイスの構造
次に、第1実施形態に係るメモリデバイスの構造の一例について説明する。
【0081】
1.1.5.1 貼合構造
図7は、第1実施形態に係るメモリデバイスの貼合構造の一例を示す斜視図である。図7に示されるように、メモリデバイス3は、メモリチップMC_U、メモリチップMC_L、及び回路チップCCを備える。メモリデバイス3は、メモリチップMC_Lを挟むように、メモリチップMC_U及び回路チップCCがメモリチップMC_Lに貼り合わされて形成される。メモリチップMC_UとメモリチップMC_Lとの間、及びメモリチップMC_Lと回路チップCCとの間は、複数の貼合パッドBPによって貼り合わされる。
【0082】
メモリチップMC_U及びメモリチップMC_Lは、メモリセルアレイ10に対応する構造を含む。回路チップCCは、例えば、コマンドレジスタ11、アドレスレジスタ12、シーケンサ13、ドライバモジュール14、ロウデコーダモジュール15、及びセンスアンプモジュール16に対応する構造を含む。
【0083】
以下では、回路チップCC及びメモリチップMC_Lが貼り合わされる面をXY面とする。メモリチップMC_U及びメモリチップMC_Lが貼り合わされる面は、XY面に略平行であるものとする。XY面において互いに交差する方向をX方向及びY方向とする。また、回路チップCCからメモリチップMC_Lに向かう方向をZ1方向又は上方向とする。これに対して、メモリチップMC_Lから回路チップCCに向かう方向をZ2方向又は下方向とする。Z1方向であるかZ2方向であるかを区別しない場合には、単にZ方向と言う。
【0084】
メモリチップMC_Uの領域は、例えば、メモリ領域MRa、引出領域HR1a及びHR2a、並びにパッド領域PRaに分けられる。メモリ領域MRaは、メモリセルアレイ10の一部が形成される領域に対応する。引出領域HR1a及びHR2aは、メモリ領域MRaに形成されたメモリセルアレイ10の一部に接続されるワード線WL等の各種配線が引き出される領域である。パッド領域PRaは、メモリチップMC_Uに電源電圧等を供給するための電源パッドが形成される領域である。引出領域HR1a及びHR2aは、例えば、メモリ領域MRaをX方向に挟む。パッド領域PRaは、メモリ領域MRa並びに引出領域HR1a及びHR2aとY方向に並ぶ。
【0085】
メモリチップMC_Lの領域は、例えば、メモリ領域MRb、引出領域HR1b及びHR2b、並びにパッド領域PRbに分けられる。メモリ領域MRbは、メモリセルアレイ10の一部が形成される領域に対応する。引出領域HR1b及びHR2bは、メモリ領域MRbに形成されたメモリセルアレイ10の一部に接続されるワード線WL等の各種配線が引き出される領域である。パッド領域PRbは、メモリチップMC_Lに電源電圧等を供給するための電源パッドが形成される領域である。メモリ領域MRbは、Z方向に見て、メモリ領域MRaと重なるように配置される。引出領域HR1b及びHR2bは、例えば、メモリ領域MRbをX方向に挟む。引出領域HR1b及びHR2bはそれぞれ、Z方向に見て、引出領域HR1a及びHR2aと重なるように配置される。パッド領域PRbは、メモリ領域MRb並びに引出領域HR1b及びHR2bとY方向に並ぶ。パッド領域PRbは、Z方向に見て、パッド領域PRaと重なるように配置される。
【0086】
回路チップCCの領域は、例えば、周辺回路領域PERI、転送領域XR1及びXR2、並びにパッド領域PRcに分けられる。周辺回路領域PERIには、コマンドレジスタ11、アドレスレジスタ12、シーケンサ13、及びセンスアンプモジュール16等が配置される。周辺回路領域PERIは、Z方向に見て、メモリ領域MRa及びMRbと重なるように配置される。転送領域XR1及びXR2には、ドライバモジュール14及びロウデコーダモジュール15等が配置される。転送領域XR1及びXR2は、周辺回路領域PERIをX方向に挟む。転送領域XR1及びXR2はそれぞれ、Z方向に見て、引出領域HR1a及びHR1b、並びにHR2a及びHR2bと重なるように配置される。パッド領域PRcには、メモリデバイス3の入出力回路等が配置される。パッド領域PRcは、Z方向に見て、パッド領域PRa及びPRbと重なるように配置される。
【0087】
メモリチップMC_U及びメモリチップMC_L間で対向する2つの貼合パッドBPの組、並びにメモリチップMC_L及び回路チップCC間で対向する2つの貼合パッドBPの組は、貼り合わされている(図7における“貼合”)。これにより、メモリチップMC_U内の回路、メモリチップMC_L内の回路、及び回路チップCC内の回路が、電気的に接続される。
【0088】
以下の説明では、メモリ領域MRa及びMRbを特に区別しない場合、メモリ領域MRと記載する場合がある。引出領域HR1a及びHR1bを特に区別しない場合、引出領域HR1と記載する場合がある。引出領域HR2a及びHR2bを特に区別しない場合、引出領域HR2と記載する場合がある。引出領域HR1a及びHR2aを特に区別しない場合、引出領域HRaと記載する場合がある。引出領域HR1b及びHR2bを特に区別しない場合、引出領域HRbと記載する場合がある。
【0089】
なお、第1実施形態に係るメモリデバイス3は、以上で説明した構造に限定されない。例えば、メモリチップMC_U及びメモリチップMC_Lの各々に設けられる引出領域HRの数は、同数であればよく、2個に限られない。メモリチップMC_U及びメモリチップMC_Lの各々は、メモリ領域MR及び引出領域HRの組を複数備えていても良い。この場合、周辺回路領域PERI、及び転送領域XRの組は、メモリ領域MR及び引出領域HRの配置に対応して適宜設けられる。
【0090】
1.1.5.2 断面構造
図8は、第1実施形態に係るメモリデバイスの断面構造の一例を示す断面図である。図8では、メモリデバイス3のメモリ領域MR及び周辺回路領域PERIを含む断面、並びに引出領域HR及び転送領域XRを含む断面の一例が示される。図8に示されるメモリ領域MRa及びMRbはそれぞれ、同一のブロックBLKにおけるストリングユニットSU0及びSU2に対応する。
(メモリチップMC_U)
まず、メモリチップMC_Uの構成について説明する。
【0091】
絶縁体層100の下面上には、導電体層111が設けられる。導電体層111は、例えば、XY平面に沿って広がる板状に形成される。導電体層111は、ソース線SLとして使用される。導電体層111は、例えば、ポリシリコンを含む。絶縁体層100は、例えば、酸化シリコン等の絶縁体を含む。
【0092】
導電体層111の下方には、絶縁体層101を介して導電体層112が設けられる。導電体層112は、例えば、XY平面に沿って広がる板状に形成される。導電体層112は、選択ゲート線SGS0として使用される。導電体層112は、例えば、タングステンを含む。絶縁体層101は、例えば、酸化シリコン等の絶縁体を含む。
【0093】
導電体層112の下方には、絶縁体層102及び導電体層113が下方に向かってこの順に交互に積層される。導電体層113は、例えば、XY平面に沿って広がる板状に形成される。複数の導電体層113は、絶縁体層100側から順に、それぞれワード線WL0~WL3として使用される。導電体層113は、例えば、タングステンを含む。絶縁体層102は、例えば、酸化シリコン等の絶縁体を含む。
【0094】
最下層の導電体層113の下方には、絶縁体層103及び導電体層114が下方に向かってこの順に交互に積層される。最下層の導電体層113と最上層の導電体層114との間に設けられる絶縁体層103は、例えば、他の絶縁体層103よりも厚い膜厚を有する。導電体層114は、例えば、XY平面に沿って広がる板状に形成される。複数の導電体層114は、絶縁体層100側から順に、それぞれワード線WL4~WL7として使用される。導電体層114は、例えば、タングステンを含む。絶縁体層103は、例えば、酸化シリコン等の絶縁体を含む。
【0095】
最下層の導電体層114の下方には、絶縁体層104を介して導電体層115が設けられる。導電体層115は、例えば、XY平面に沿って広がる板状に形成される。導電体層115は、選択ゲート線SGD0として使用される。導電体層115は、例えば、タングステンを含む。絶縁体層104は、例えば、酸化シリコン等の絶縁体を含む。
【0096】
以上のような導電体層112、113、114、及び115は、メモリチップMC_Uの積層配線構造を形成する。
【0097】
メモリ領域MRaにおいて、メモリピラーMP_Uが、メモリチップMC_Uの積層配線構造を貫通するように設けられる。メモリピラーMP_Uは、Z方向に延びる。メモリピラーMP_Uの上端は、導電体層111に接する。メモリピラーMP_Uの下端は、導電体層115より下方に位置する。
【0098】
メモリピラーMP_Uは、コア膜130、半導体膜131、及び積層膜132を含む部材である。
【0099】
コア膜130は、Z方向に延びる。コア膜130の上端は、例えば、導電体層112よりも上方に位置する。コア膜130の下端は、導電体層115よりも下方に位置する。コア膜130は、例えば、酸化シリコン等の絶縁体を含む。
【0100】
半導体膜131は、コア膜130の周囲を覆う。メモリピラーMP_Uの上部において、半導体膜131は、導電体層111に接する。半導体膜131は、例えば、シリコンを含む。
【0101】
積層膜132は、半導体膜131と導電体層111とが接触する部分を除いて、半導体膜131の側面及び上面を覆う。
【0102】
メモリピラーMP_Uと導電体層112とが交差した部分が、選択トランジスタST2として機能する。メモリピラーMP_Uと複数の導電体層113とが交差した部分が、それぞれメモリセルトランジスタMT0~MT3として機能する。メモリピラーMP_Uと複数の導電体層114とが交差した部分が、それぞれメモリセルトランジスタMT4~MT7として機能する。メモリピラーMP_Uと導電体層115とが交差した部分が、選択トランジスタST1として機能する。
【0103】
図9は、第1実施形態に係るメモリデバイスのメモリピラーの断面構造の一例を示す、図8の領域IXに対応する断面図である。図9では、メモリピラーMP_Uのうち最下層の導電体層113と最上層の導電体層114との間の構造が主に示される。
【0104】
図9に示されるように、メモリピラーMP_Uは、最下層の導電体層113と最上層の導電体層114との間を境界として、上部TIER1及び下部TIER2の2個のサブ部材に分類され得る。メモリピラーMP_Uの径は、上部TIER1と下部TIER2との境界で不連続に変化し得る。具体的には、上部TIER1の下端における径は、下部TIER2の上端における径よりも大きい。上部TIER1の側面S1と、下部TIER2の側面S2の延長とは、互いにずれており、一致しない。このような上部TIER1の側面S1と、下部TIER2の側面S2の延長との間のずれは、図9に示した断面内に限らず、Z方向を含む任意の断面において生じる。
【0105】
図10は、第1実施形態に係るメモリデバイスにおけるメモリセルトランジスタの断面構造の一例を示す、図9のX-X線に沿った断面図である。より具体的には、図10は、導電体層113を含む層におけるメモリピラーMP_Uの断面構造を示す。図10に示されるように、積層膜132は、トンネル絶縁膜133、電荷蓄積膜134、及びブロック絶縁膜135を含む。
【0106】
導電体層113を含む断面において、コア膜130は、例えばメモリピラーMP_Uの中央部に設けられる。半導体膜131は、コア膜130の側面を囲む。トンネル絶縁膜133は、半導体膜131の側面を囲む。電荷蓄積膜134は、トンネル絶縁膜133の側面を囲む。ブロック絶縁膜135は、電荷蓄積膜134の側面を囲む。導電体層113は、ブロック絶縁膜135の側面を囲む。
【0107】
トンネル絶縁膜133及びブロック絶縁膜135は、例えば、酸化シリコンを含む。電荷蓄積膜134は、例えば、窒化シリコンを含む。
【0108】
再び図8を参照して、メモリチップMC_Uの構成について説明する。
【0109】
メモリピラーMP_U内の半導体膜131の下面は、Z方向に延びる導電体116及び117を介して、1個の導電体層118に接続される。導電体116及び117は、例えば、コンタクトとして使用される。導電体層118は、例えば、Y方向に延びるライン状に形成され、ビット線BLとして使用される。つまり、図示せぬ領域において、導電体層118が、X方向に複数列並ぶ。導電体層118は、例えば、銅を含む。
【0110】
引出領域HRaにおいて、メモリチップMC_Uの積層配線構造の端部は、X方向に階段状に設けられる。以下では、階段状に設けられた積層配線構造の端部のうち、Z方向に見て下層の導電体層と重複しない部分をテラス部分とも呼ぶ。図8の例では、導電体層112~115のそれぞれのテラス部分がX方向に並ぶ場合が示される。
【0111】
複数の導電体119は、メモリチップMC_Uの積層配線構造を構成する導電体層112~115のそれぞれのテラス部分の下面上に設けられる。複数の導電体119の各々は、Z方向に延びるコンタクトとして使用される。
【0112】
複数の導電体119の下面上にはそれぞれ、複数の導電体層120が設けられる。複数の導電体層120は、例えば、Z方向において複数の導電体層118と略等しい位置に設けられる。
【0113】
複数の導電体層120の下面上にはそれぞれ、複数の導電体121が設けられる。複数の導電体121の各々は、Z方向に延びるコンタクトとして使用される。
【0114】
複数の導電体121の下面上にはそれぞれ、複数の導電体層122が設けられる。
【0115】
複数の導電体層122の下面上にはそれぞれ、複数の導電体123が設けられる。複数の導電体123の各々は、Z方向に延びるコンタクトとして使用される。
【0116】
複数の導電体123の下面上にはそれぞれ、複数の電極124が設けられる。複数の電極124は、メモリチップMC_Uの貼合パッドBPとして使用される。複数の電極124は、例えば、銅を含む。
【0117】
絶縁体層105は、メモリチップMC_Uの積層配線構造、導電体116、117、119、121、及び123、並びに導電体層118、120、及び122の側面を覆う。絶縁体層105の下面は、例えば、複数の導電体123の下面と揃う。
【0118】
絶縁体層105の下面上には、絶縁体層106が設けられる。絶縁体層106は、複数の電極124の側面を覆う。絶縁体層106の下面は、例えば、複数の電極124の下面と揃う。
(メモリチップMC_L)
次に、メモリチップMC_Lの構成について説明する。
【0119】
絶縁体層106の下面上、及び複数の電極124の下面上にはそれぞれ、絶縁体層200及び複数の電極210が設けられる。複数の電極210は、メモリチップMC_LのメモリチップMC_U側の貼合パッドBPとして使用される。複数の電極210の下面は、例えば、絶縁体層200の下面と揃う。複数の電極210は、例えば、銅を含む。
【0120】
絶縁体層200の下方には、絶縁体層201を介して導電体層211が設けられる。導電体層211は、例えば、XY平面に沿って広がる板状に開口部を有する形状に形成される。導電体層211は、ソース線SLとして使用される。導電体層211は、例えば、ポリシリコンを含む。絶縁体層201は、例えば、酸化シリコン等の絶縁体を含む。
【0121】
導電体層211の下方には、絶縁体層202を介して導電体層212が設けられる。導電体層212は、例えば、XY平面に沿って広がる板状に形成される。導電体層212は、選択ゲート線SGS1として使用される。導電体層212は、例えば、タングステンを含む。絶縁体層202は、例えば、酸化シリコン等の絶縁体を含む。
【0122】
導電体層212の下方には、絶縁体層203及び導電体層213が下方に向かってこの順に交互に積層される。導電体層213は、例えば、XY平面に沿って広がる板状に形成される。複数の導電体層213は、絶縁体層200側から順に、それぞれワード線WL0~WL3として使用される。導電体層213は、例えば、タングステンを含む。絶縁体層203は、例えば、酸化シリコン等の絶縁体を含む。
【0123】
最下層の導電体層213の下方には、絶縁体層204及び導電体層214が下方に向かってこの順に交互に積層される。最下層の導電体層213と最上層の導電体層214との間に設けられる絶縁体層204は、例えば、他の絶縁体層204よりも厚い膜厚を有する。導電体層214は、例えば、XY平面に沿って広がる板状に形成される。複数の導電体層214は、絶縁体層200側から順に、それぞれワード線WL4~WL7として使用される。導電体層214は、例えば、タングステンを含む。絶縁体層204は、例えば、酸化シリコン等の絶縁体を含む。
【0124】
最下層の導電体層214の下方には、絶縁体層205を介して導電体層215が設けられる。導電体層215は、例えば、XY平面に沿って広がる板状に形成される。導電体層215は、選択ゲート線SGD2として使用される。導電体層215は、例えば、タングステンを含む。絶縁体層205は、例えば、酸化シリコン等の絶縁体を含む。
【0125】
以上のような導電体層212、213、214、及び215は、メモリチップMC_Lの積層配線構造を形成する。
【0126】
メモリ領域MRbにおいて、メモリピラーMP_Lが、メモリチップMC_Lの積層配線構造を貫通するように設けられる。メモリピラーMP_Lは、コア膜230、半導体膜231、及び積層膜232を含み、Z方向に延びる。メモリピラーMP_Lの上端は、導電体層211に接する。メモリピラーMP_Lの下端は、導電体層215より下方に位置する。なお、メモリピラーMP_Lの構成は、メモリピラーMP_Uの構成と同等であるため、説明を省略する。
【0127】
メモリピラーMP_Lと導電体層212とが交差した部分が、選択トランジスタST2として機能する。メモリピラーMP_Lと複数の導電体層213とが交差した部分が、それぞれメモリセルトランジスタMT0~MT3として機能する。メモリピラーMP_Lと複数の導電体層214とが交差した部分が、それぞれメモリセルトランジスタMT4~MT7として機能する。メモリピラーMP_Lと導電体層215とが交差した部分が、選択トランジスタST1として機能する。
【0128】
メモリピラーMP_L内の半導体膜231の下面は、Z方向に延びる導電体216及び217を介して、1個の導電体層218に接続される。導電体216及び217は、例えば、コンタクトとして使用される。導電体層218は、例えば、Y方向に延びるライン状に形成され、ビット線BLとして使用される。つまり、図示せぬ領域において、導電体層218が、X方向に複数列並ぶ。導電体層218は、例えば、銅を含む。
【0129】
引出領域HRbにおいて、メモリチップMC_Lの積層配線構造の端部は、X方向に階段状に設けられる。
【0130】
複数の導電体219は、メモリチップMC_Lの積層配線構造を構成する導電体層212~215のそれぞれのテラス部分の下面上に設けられる。複数の導電体219の各々は、Z方向に延びるコンタクトとして使用される。
【0131】
また、引出領域HRbにおいて、複数の電極210の下面上にはそれぞれ、複数の導電体220が設けられる。複数の導電体220は、導電体層211、及びメモリチップMC_Lの積層配線構造を貫通するようにZ方向に延びる。複数の導電体220の下面は、例えば、複数の導電体219の下面と揃う。
【0132】
複数の導電体220の各々と、導電体層211及びメモリチップMC_Lの積層配線構造との間には、絶縁体206が設けられる。これにより、複数の導電体220の各々と、導電体層211及びメモリチップMC_Lの積層配線構造とは、電気的に絶縁される。
【0133】
引出領域HRbにおいて、複数の導電体層221が、Z方向において複数の導電体層218と略等しい位置に設けられる。複数の導電体層221はそれぞれ、選択ゲート線SGS0及びSGS1、ワード線WL0~WL7、並びに選択ゲート線SGD0~SGD3に対応して設けられる。すなわち、複数の導電体層221の数は、14個である。これに対して、複数の導電体219の数は、選択ゲート線SGS1、メモリチップMC_Lに設けられたワード線WL0~WL7、並びに選択ゲート線SGD2及びSGD3に対応する11個である。また、複数の導電体220の数は、選択ゲート線SGS0、メモリチップMC_Uに設けられたワード線WL0~WL7、並びに選択ゲート線SGD0及びSGD1に対応する11個である。なお、図8の例では、選択ゲート線SGD1に対応する導電体220及び導電体層221、並びに選択ゲート線SGD3に対応する導電体219及び導電体層221の図示が省略されている。
【0134】
第1実施形態では、ワード線WL0~WL7の各々について、同一のワード線WLに対応する導電体219と導電体220とは、1個の導電体層221に接続される。選択ゲート線SGS1、SGD2、及びSGD3に対応する3個の導電体219、並びに選択ゲート線SGS0、SGD0、及びSGD1に対応する3個の導電体220はそれぞれ、互いに異なる6個の導電体層221に接続される。そして、これら14個の導電体層221は、互いに電気的に絶縁される。
【0135】
複数の導電体層221の下面上にはそれぞれ、複数の導電体222が設けられる。複数の導電体222の各々は、Z方向に延びるコンタクトとして使用される。
【0136】
複数の導電体222の下面上にはそれぞれ、複数の導電体層223が設けられる。
【0137】
複数の導電体層223の下面上にはそれぞれ、複数の導電体224が設けられる。複数の導電体224の各々は、Z方向に延びるコンタクトとして使用される。
【0138】
複数の導電体224の下面上にはそれぞれ、複数の電極225が設けられる。複数の電極225は、メモリチップMC_Lの回路チップCC側の貼合パッドBPとして使用される。複数の電極225は、例えば、銅を含む。
【0139】
絶縁体層207は、メモリチップMC_Lの積層配線構造、導電体216、217、219、220、222、及び224、並びに導電体層218、221、及び223の側面を覆う。絶縁体層207の下面は、例えば、複数の導電体224の下面と揃う。
【0140】
絶縁体層207の下面上には、絶縁体層208が設けられる。絶縁体層208は、複数の電極225の側面を覆う。絶縁体層208の下面は、例えば、複数の電極225の下面と揃う。
(回路チップCC)
次に、回路チップCCの構成について説明する。
【0141】
絶縁体層208の下面上、及び複数の電極225の下面上にはそれぞれ、絶縁体層300及び複数の電極310が設けられる。複数の電極310は、回路チップCCの貼合パッドBPとして使用される。複数の電極310の下面は、例えば、絶縁体層300の下面と揃う。複数の電極310は、例えば、銅を含む。
【0142】
絶縁体層300の下面上には、絶縁体層301を介して半導体基板302が設けられる。絶縁体層300及び301は、例えば、酸化シリコン等の絶縁体を含む。半導体基板302は、例えば、P型不純物を含むポリシリコンである。半導体基板302は、例えば、トランジスタTRが形成される。転送領域XRに設けられるトランジスタTRは、例えば、ロウデコーダモジュール15内の素子として使用される。
【0143】
引出領域HRbにおいて、複数の電極310の各々は、例えば、導電体311、導電体層312、導電体313、導電体層314、及び導電体315を介して、半導体基板302上のトランジスタTRと接続される。
【0144】
以上のような構成により、メモリチップMC_Uに形成された選択ゲート線SGS0、ワード線WL0~WL7、並びに選択ゲート線SGD0及びSGD1と、メモリチップMC_Lに形成された選択ゲート線SGS1、ワード線WL0~WL7、並びに選択ゲート線SGD2及びSGD3とが、回路チップCCに形成されたロウデコーダモジュール15に引き出される。
【0145】
1.2 動作
次に、第1実施形態に係るメモリデバイスの動作について説明する。
【0146】
1.2.1 部分バッドブロック情報のセット動作
図11は、第1実施形態に係るメモリデバイスにおける部分バッドブロック情報のセット動作の一例を示すタイミングチャートである。部分バッドブロック情報のセット動作では、或るブロックBLKの部分ブロックPBLKが使用不可能であることを示す部分バッドブロック情報が、対応する部分バッドブロックラッチPBBLに記憶される。以下では、部分バッドブロック情報のセット動作に先立ち、メモリデバイス3は、使用不可能(バッド状態)である部分ブロックPBLKのブロックアドレスBAdを把握しているものとする。
【0147】
時刻T10において、メモリデバイス3は、バッド状態であることが判明している部分ブロックPBLKのブロックアドレスBAdに基づき、部分バッドブロック情報をセットするブロックデコーダBDを選択する。言い換えると、メモリデバイス3は、ブロックアドレスBAdがヒットしたブロックBLKに対応するブロックデコーダBDを、部分バッドブロック情報をセットするブロックデコーダBDとして選択する。
【0148】
具体的には、メモリデバイス3は、バッド状態であることが判明している部分ブロックPBLKのブロックアドレスBAdにヒットしたブロックBLKに対応するブロックデコーダBD_U及びBD_LのノードAROWA、AROWB、AROWC、及びAROWDの論理レベルを、いずれも“H”レベルとする。一方、メモリデバイス3は、当該ブロックアドレスBAdにヒットしなかったブロックBLKに対応するブロックデコーダBD_U及びBD_LのノードAROWA、AROWB、AROWC、及びAROWDのうちの少なくとも1個のノードの論理レベルを、“L”レベルとする。
【0149】
また、メモリデバイス3は、部分ブロックPBLK_Uがバッド状態である場合、ブロックアドレスBAdにヒットしたブロックBLKに対応するブロックデコーダBD_UのノードAROWE_Uの論理レベルを、“H”レベルとする。メモリデバイス3は、部分ブロックPBLK_Uが使用可能(グッド状態)である場合、ブロックアドレスBAdにヒットしたブロックBLKに対応するブロックデコーダBD_UのノードAROWE_Uの論理レベルを、“L”レベルとする。
【0150】
同様に、メモリデバイス3は、部分ブロックPBLK_Lがバッド状態である場合、ブロックアドレスBAdにヒットしたブロックBLKに対応するブロックデコーダBD_LのノードAROWE_Lの論理レベルを、“H”レベルとする。メモリデバイス3は、部分ブロックPBLK_Lがグッド状態である場合、ブロックアドレスBAdにヒットしたブロックBLKに対応するブロックデコーダBD_LのノードAROWE_Lの論理レベルを、“L”レベルとする。
【0151】
また、メモリデバイス3は、ノードROMBAENの論理レベルを“L”レベルから“H”レベルにする。これにより、部分バッドブロックラッチPBBL_L及びPBBL_Uに部分バッドブロック情報がセットされているか否かに関わらず、ノードN_L1及びN_U1の論理レベルは“L”レベルとなる。なお、ノードN_L1及びN_U1の初期設定値(すなわち、時刻T10より前における論理レベル)は、“H”レベルである。
【0152】
時刻T11において、メモリデバイス3は、ノードRDECの論理レベルを“L”レベルから“H”レベルにする。これにより、ブロックアドレスBAdがヒットしたブロックBLKに対応するブロックデコーダBD_UのノードRDEC_SEL_Un、及びブロックアドレスBAdがヒットしたブロックBLKに対応するブロックデコーダBD_LのノードRDEC_SEL_Lnの論理レベルが“H”レベルから“L”レベルとなる。
【0153】
また、メモリデバイス3は、ノードBB_SR_ENBの論理レベルを“L”レベルから“H”レベルにする。これにより、ノードBLKSEL_U、BLKSEL_L、及びBLKSEL_Cの論理レベルは、ブロックアドレスBAdがヒットしたか否かに関わらず“L”レベルに維持される。このため、全てのブロックBLKは、非選択状態となる。すなわち、全てのブロックBLKの選択ゲート線SGS及びSGDはそれぞれ、配線USGD及びUSGSに接続される。また、全てのブロックBLKのワード線WL0~WL7は、フローティング状態となる。
【0154】
また、メモリデバイス3は、ノードRFSETの論理レベルを“L”レベルから“H”レベルにする。これにより、ブロックアドレスBAdがヒットし、かつバッド状態の部分ブロックPBLK_Uに対応するブロックデコーダBD_U内のノードGOOD_U、及びブロックアドレスBAdがヒットし、かつバッド状態の部分ブロックPBLK_Lに対応するブロックデコーダBD_L内のノードGOOD_Lは、“L”レベルとなる。なお、ブロックアドレスBAdがヒットしない、又はグッド状態の部分ブロックPBLK_Uに対応するブロックデコーダBD_U内のノードGOOD_U、及びブロックアドレスBAdがヒットしない、又はグッド状態の部分ブロックPBLK_Lに対応するブロックデコーダBD_L内のノードGOOD_Lは、“H”レベルとなる。
【0155】
時刻T12において、メモリデバイス3は、ノードRDEC、BB_SR_ENB、及びRFSETの論理レベルを“H”レベルから“L”レベルにする。これにより、ブロックデコーダBD_U及びBD_Lの選択状態は解除されるが、ノードGOOD_U及びGOOD_Lの論理レベルは、維持される。このため、部分ブロックPBLK毎に、対応する部分バッドブロックラッチPBBL内に部分バッドブロック情報を記憶することができる。
【0156】
時刻T13において、メモリデバイス3は、ノードAROWA、AORWB、AROWC、AROWD、AROWE_U、AROWE_L、及びROMBAENの論理レベルを“H”レベルから“L”レベルにする。以上により、部分バッドブロック情報のセット動作は、終了となる。これにより、グッド状態の部分ブロックPBLK_U及びPBLK_Lに対応するノードGOOD_U及びGOOD_Lの論理レベルは“H”レベルとなり、バッド状態の部分ブロックPBLK_U及びPBLK_Lに対応するノードGOOD_U及びGOOD_Lの論理レベルは“L”レベルとなる。
【0157】
1.2.2 ブロック選択動作
図12は、第1実施形態に係るメモリデバイスにおけるブロック選択動作の一例を示すタイミングチャートである。
【0158】
時刻T20において、メモリデバイス3は、選択対象のブロックBLKに対応するブロックデコーダBDを選択する。言い換えると、メモリデバイス3は、ブロックアドレスBAdがヒットした部分ブロックPBLKを選択する。
【0159】
具体的には、メモリデバイス3は、ブロックアドレスBAdにヒットしたブロックBLKに対応するブロックデコーダBD_U及びBD_LのノードAROWA、AROWB、AROWC、AROWD、AROWE_U、及びAROWE_Lの論理レベルを、いずれも“H”レベルとする。一方、メモリデバイス3は、当該ブロックアドレスBAdにヒットしなかったブロックBLKに対応するブロックデコーダBD_U及びBD_LのノードAROWA、AROWB、AROWC、及びAROWD、並びにノードAROW_U及びAROWE_Lの組のうちの少なくとも1個のノードの論理レベルを、“L”レベルとする。
【0160】
また、メモリデバイス3は、ノードROMBAENの論理レベルを“L”レベルに維持する。これにより、トランジスタT28及びT48がオフ状態となる。
【0161】
時刻T21において、メモリデバイス3は、ノードRDECの論理レベルを“L”レベルから“H”レベルにする。これにより、ブロックアドレスBAdがヒットし、かつグッド状態の部分ブロックPBLK_Uに対応するノードRDEC_SEL_Un、及びブロックアドレスBAdがヒットし、かつグッド状態の部分ブロックPBLK_Lに対応するノードRDEC_SEL_Lnの論理レベルが、“H”レベルから“L”レベルとなる。一方、ブロックアドレスBAdがヒットしない、又はバッド状態の部分ブロックPBLK_Uに対応するノードRDEC_SEL_Un、及びブロックアドレスBAdがヒットしない、又はバッド状態の部分ブロックPBLK_Lに対応するノードRDEC_SEL_Lnの論理レベルは、“L”レベルとなる。なお、ノードRDEC_SEL_Ln及びRDEC_SEL_Unの初期設定値(すなわち、時刻T20より前における論理レベル)は、“H”レベルである。
【0162】
また、メモリデバイス3は、ノードBB_SR_ENBの論理レベルを“L”レベルに維持する。これにより、ブロックアドレスBAdがヒットし、かつグッド状態の部分ブロックPBLK_Uに対応するノードBLKSEL_U、及びブロックアドレスBAdがヒットし、かつグッド状態の部分ブロックPBLK_Lに対応するノードBLKSEL_Lの論理レベルが、“L”レベルから“H”レベルとなる。一方、ブロックアドレスBAdがヒットしない、又はバッド状態の部分ブロックPBLK_Uに対応するノードBLKSEL_U、及びブロックアドレスBAdがヒットしない、又はバッド状態の部分ブロックPBLK_Lに対応するノードBLKSEL_Lの論理レベルが、“L”レベルに維持される。そして、ブロックアドレスBAdがヒットし、かつ部分ブロックPBLK_U及びPBLK_Lの少なくとも一方がグッド状態の場合に、ノードBLKSEL_Cの論理レベルは、“H”レベルとなる。ブロックアドレスBAdがヒットしなかった、又は部分ブロックPBLK_U及びPBLK_Lがいずれもバッド状態の場合に、ノードBLKSEL_Cの論理レベルは、“L”レベルとなる。
【0163】
このため、選択対象のブロックBLKのうち、グッド状態の部分ブロックPBLKが選択状態となり、バッド状態の部分ブロックPBLKが非選択状態となる。すなわち、選択対象のブロックBLKのうち、グッド状態の部分ブロックPBLKに対応する選択ゲート線SGD及びSGSはそれぞれ、配線SGDD及びSGSDに接続される。選択対象のブロックBLKのうち、バッド状態の部分ブロックPBLKに対応する選択ゲート線SGD及びSGSはそれぞれ、配線USGD及びUSGSに接続される。選択対象のブロックBLKに対応するワード線WL0~WL7はそれぞれ、バッド状態であるかグッド状態であるかに関わらず、配線CG0~CG7に接続される。この際、バッド状態の部分ブロックPBLKでは、選択トランジスタST1及びST2がオフ状態であるため、メモリセルトランジスタMTはフローティング状態となる。このため、バッド状態の部分ブロックPBLKは、非選択状態となる。
【0164】
時刻T22において、メモリデバイス3は、ノードRDECの論理レベルを“H”レベルから“L”レベルにする。
【0165】
時刻T23において、メモリデバイス3は、ノードAROWA、AORWB、AROWC、AROWD、AROWE_U、及びAROWE_Lの論理レベルを“H”レベルから“L”レベルにする。以上により、ブロックBLKの選択動作は、終了となる。
【0166】
1.3 第1実施形態に係る効果
第1実施形態では、1個のブロックBLKが2個のメモリチップMC_U及びMC_Lに分かれて設けられる。この場合、メモリチップMC_U内に設けられる部分ブロックPBLK_U、及びメモリチップMC_L内に設けられる部分ブロックPBLK_Lのうちの一方はグッド状態となり、他方がバッド状態となる可能性がある。バッド状態の部分ブロックPBLKに起因して、当該バッド状態の部分ブロックPBLKと同一のブロックBLK内のグッド状態の部分ブロックPBLKまで使用不可能とすると、メモリセルアレイ10の使用効率が低下する。また、スペアとなるブロックBLKを形成することによる回路面積の増加量が大きくなる。
【0167】
第1実施形態によれば、ブロックデコーダBD_Uは、部分ブロックPBLK_Uの選択ゲート線SGD0及びSGD1、並びにSGS0に接続された転送スイッチWLSW_Uの状態を切り替える。ブロックデコーダBD_Lは、部分ブロックPBLK_Lの選択ゲート線SGD2及びSGD3、並びにSGS1に接続された転送スイッチWLSW_Lの状態を切り替える。ブロックデコーダBD_Cは、部分ブロックPBLK_U及びPBLK_Lに共通するワード線WL0~WL7に接続された転送スイッチWLSW_Cの状態を切り替える。ブロックデコーダBD_Uは、転送スイッチWLSW_U内のトランジスタTR8~TR10の各々のゲートに、ノードBLKSEL_Uを介して共通の信号を供給する。ブロックデコーダBD_Lは、転送スイッチWLSW_L内のトランジスタTR14~TR16の各々のゲートに、ノードBLKSEL_Lを介して、ノードBLKSEL_Uの信号とは異なる共通の信号を供給する。これにより、ブロックデコーダBD_U及びBD_Lはそれぞれ、転送スイッチWLSW_Uの状態及びWLSW_Lの状態を、互いに独立に切り替えることができる。このため、ロウデコーダモジュール15は、同一のブロックBLK内の部分ブロックPBLK_Uと部分ブロックPBLK_Lとを独立に制御することができる。したがって、メモリセルアレイ10の回路面積の増加を抑制し、使用効率を向上させることができる。
【0168】
また、ブロックデコーダBD_U及びBD_Lはそれぞれ、部分バッドブロックラッチPBBL_U及びPBBL_Lを含む。これにより、1個のブロックBLKに対応するロウデコーダRDに、メモリチップMCの数に応じた部分バッドブロック情報を記憶させることができる。このため、ロウデコーダRDは、グッド状態の部分ブロックPBLKを使用しつつ、バッド状態の部分ブロックPBLKを使用しないように動作することができる。
【0169】
また、グッド状態の部分ブロックPBLKを使用しつつ、バッド状態の部分ブロックPBLKを使用しないように動作する場合、バッド状態の部分ブロックPBLKのメモリセルトランジスタMTはフローティング状態となる。このため、ワード線WLの充電時間が短縮されることにより、2個の部分ブロックPBLKを同時に選択する場合よりも、書込み動作や読出し動作等、ワード線WLに所定の電圧を印加する動作に要する時間を短縮することができる。
【0170】
2. 第2実施形態
次に、第2実施形態について説明する。
【0171】
第2実施形態では、ワード線WL0~WL7のうちの一部のワード線WLがブロックデコーダBD_U又はBD_Lに接続する点において、第1実施形態と異なる。以下では、第1実施形態と異なる構成及び動作について主に説明する。第1実施形態と同等の構成及び動作については、適宜その説明を省略する。
【0172】
2.1 メモリセルアレイ
図13は、第2実施形態に係るメモリセルアレイの回路構成の一例を示す平面図である。図13は、第1実施形態における図2に対応する。
【0173】
図13に示されるように、
同一のブロックBLKにおいて、メモリセルトランジスタMT1、MT2、MT5、及びMT6の制御ゲートは、それぞれワード線WL1、WL2、WL5、及びWL6に接続される。部分ブロックPBLK_Uに属するストリングユニットSU0及びSU1内のメモリセルトランジスタMT0、MT3、MT4、及びMT7の制御ゲートは、それぞれワード線WL0_U、WL3_U、WL4_U、及びWL7_Uに接続される。部分ブロックPBLK_Lに属するストリングユニットSU2及びSU3内のメモリセルトランジスタMT0、MT3、MT4、及びMT7の制御ゲートは、それぞれワード線WL0_L、WL3_L、WL4_L、及びWL7_Lに接続される。
【0174】
ストリングユニットSU0~SU3内の選択トランジスタST1のゲートは、それぞれ選択ゲート線SGD0~SGD3に接続される。ストリングユニットSU0及びSU1内の選択トランジスタST2のゲートは、選択ゲート線SGS0に接続される。ストリングユニットSU2及びSU3内の選択トランジスタST2のゲートは、選択ゲート線SGS1に接続される。
【0175】
2.2 ロウデコーダモジュール
図14は、第2実施形態に係るメモリセルアレイ、ロウデコーダモジュール、及びドライバモジュール間の接続の一例を示す回路図である。図14は、第1実施形態における図3に対応する。
【0176】
図14に示されるように、転送スイッチWLSW_Cは、トランジスタTR1、TR2、TR5、及びTR6を含む。転送スイッチWLSW_Uは、トランジスタTR0_U、TR3_U、TR4_U、TR7_U、及びTR8~TR13を含む。転送スイッチWLSW_Lは、トランジスタTR0_L、TR3_L、TR4_L、TR7_L、及びTR14~TR19を含む。ブロックデコーダBD_C、BD_U、及びBD_Lの構成は、第1実施形態と同等である。
【0177】
なお、図14では、ワード線WL1、WL2、WL5、及びWL6が、ワード線WLXのように簡略化して示される(X=1,2,5,6)。同様に、トランジスタTR1、TR2、TR5、及びTR6、並びに配線CG1、CG2、CG5、及びCG6が、それぞれトランジスタTRX及び配線CGXのように簡略化して示される。また、図14では、ワード線WL0_U、WL3_U、WL4_U、及びWL7_Uがワード線WLY_Uのように、ワード線WL0_L、WL3_L、WL4_L、及びWL7_Lがワード線WLY_Lのように簡略化して示される(Y=0,3,4,7)。同様に、トランジスタTR0_U、TR3_U、TR4_U、及びTR7_U、並びに配線CG0_U、CG3_U、CG4_U、及びCG7_Uが、それぞれトランジスタTRY_U及び配線CGY_Uのように簡略化して示される。トランジスタTR0_L、TR3_L、TR4_L、及びTR7_L、並びに配線CG0_L、CG3_L、CG4_L、及びCG7_Lが、それぞれトランジスタTRY_L及び配線CGY_Lのように簡略化して示される。
【0178】
転送スイッチWLSW_C内のトランジスタTR1、TR2、TR5、及びTR6、転送スイッチWLSW_U内のトランジスタTR8~TR13、並びに転送スイッチWLSW_L内のトランジスタTR14~TR19の構成は、第1実施形態と同等である。
【0179】
転送スイッチWLSW_U内のトランジスタTR0_U、TR3_U、TR4_U、及びTR7_Uの各々は、例えば、高耐圧のN型トランジスタである。トランジスタTR0_U、TR3_U、TR4_U、及びTR7_Uの各々の第1端は、それぞれワード線WL0_U、WL3_U、WL4_U、及びWL7_Uを介してブロックBLK0の部分ブロックPBLK_Uに接続される。トランジスタTR0_U、TR3_U、TR4_U、及びTR7_Uの各々の第2端は、それぞれ配線CG0_U、CG3_U、CG4_U、及びCG7_Uを介してドライバモジュール14に接続される。トランジスタTR0_U、TR3_U、TR4_U、及びTR7_Uの各々のゲートは、配線BLKSEL_Uを介してブロックデコーダBD_Uに接続される。
【0180】
転送スイッチWLSW_L内のトランジスタTR0_L、TR3_L、TR4_L、及びTR7_Lの各々は、例えば、高耐圧のN型トランジスタである。トランジスタTR0_L、TR3_L、TR4_L、及びTR7_Lの各々の第1端は、それぞれワード線WL0_L、WL3_L、WL4_L、及びWL7_Lを介してブロックBLK0の部分ブロックPBLK_Lに接続される。トランジスタTR0_L、TR3_L、TR4_L、及びTR7_Lの各々の第2端は、それぞれ配線CG0_L、CG3_L、CG4_L、及びCG7_Lを介してドライバモジュール14に接続される。トランジスタTR0_L、TR3_L、TR4_L、及びTR7_Lの各々のゲートは、配線BLKSEL_Lを介してブロックデコーダBD_Lに接続される。
【0181】
2.3 メモリデバイスの断面構造
図15は、第2実施形態に係るメモリデバイスの断面構造の一例を示す断面図である。図15は、第1実施形態における図8に対応する。
【0182】
メモリチップMC_Lの引出領域HRbにおいて、複数の導電体層221はそれぞれ、選択ゲート線SGS0及びSGS1、ワード線WL0_U、WL0_L、WL3_U、WL3_L、WL4_U、WL4_L、WL7_U、WL7_L、WL1、WL2、WL5、及びWL6、並びに選択ゲート線SGD0~SGD3に対応して設けられる。すなわち、複数の導電体層221の数は、18個である。これに対して、複数の導電体219の数は、選択ゲート線SGS1、メモリチップMC_Lに設けられたワード線WL0_L、WL1、WL2、WL3_L、WL4_L、WL5、WL6、及びWL7_L、並びに選択ゲート線SGD2及びSGD3に対応する11個である。また、複数の導電体220の数は、選択ゲート線SGS0、メモリチップMC_Uに設けられたワード線WL0_U、WL1、WL2、WL3_U、WL4_U、WL5、WL6、及びWL7_U、並びに選択ゲート線SGD0及びSGD1に対応する11個である。なお、図15の例では、選択ゲート線SGD1に対応する導電体220及び導電体層221、並びに選択ゲート線SGD3に対応する導電体219及び導電体層221の図示が省略されている。
【0183】
第2実施形態では、ワード線WL1、WL2、WL5、及びWL6の各々について、同一のワード線WLに対応する導電体219と導電体220とは、1個の導電体層221に接続される。ワード線WL0_L、WL3_L、WL4_L、及びWL7_L、並びに選択ゲート線SGS1、SGD2、及びSGD3に対応する7個の導電体219と、ワード線WL0_U、WL3_U、WL4_U、及びWL7_U、並びに選択ゲート線SGS0、SGD0、及びSGD1に対応する7個の導電体220とはそれぞれ、互いに異なる14個の導電体層221に接続される。そして、これら18個の導電体層221は、互いに電気的に絶縁される。
【0184】
2.3 第2実施形態に係る効果
メモリピラーMPの端部に設けられるメモリセルトランジスタMTは、中央部に設けられるメモリセルトランジスタMTよりも、特性が劣化する場合がある。この場合、メモリピラーMPの端部に設けられるメモリセルトランジスタMTは、中央部に設けられるメモリセルトランジスタMTよりもワード線WLのショート又はオープン等の不具合が発生しやすい。一方、同一のブロックBLKにおいて、ワード線WLは、メモリチップMC_U及びMC_L間で共有される。このため、メモリチップMC_U及びMC_Lの一方のメモリチップMCのメモリピラーMPの端部におけるメモリセルトランジスタMTに発生した不具合に起因して、当該メモリピラーMPを含むブロックBLK全体が使用不可能になる場合がある。
【0185】
第2実施形態によれば、ブロックデコーダBD_Uは、部分ブロックPBLK_Uの選択ゲート線SGD0、SGD1、及びSGS0、並びにワード線WL0_U及びWL7_Uに接続された転送スイッチWLSW_Uの状態を切り替える。ブロックデコーダBD_Lは、部分ブロックPBLK_Lの選択ゲート線SGD2、SGD3、及びSGS1、並びにワード線WL0_L及びWL7_Lに接続された転送スイッチWLSW_Lの状態を切り替える。ブロックデコーダBD_Uは、転送スイッチWLSW_U内のトランジスタTR0_U、TR7_U、及びTR8~TR10の各々のゲートに、ノードBLKSEL_Uを介して共通の信号を供給する。ブロックデコーダBD_Lは、転送スイッチWLSW_L内のトランジスタTR0_L、TR7_L、及びTR14~TR16の各々のゲートに、ノードBLKSEL_Lを介して、ノードBLKSEL_Uの信号とは異なる共通の信号を供給する。これにより、ロウデコーダモジュール15は、メモリピラーMPの端部のメモリセルトランジスタMTに不具合が発生した場合でも、同一のブロックBLK内の部分ブロックPBLK_Uと部分ブロックPBLK_Lとを独立に制御することができる。したがって、メモリセルアレイ10の回路面積の増加を抑制し、使用効率を向上させることができる。
【0186】
また、メモリピラーMPは、上部TIER1及び下部TIER2を有するように構成される場合がある。この場合、上部TIER1及び下部TIER2の接合部分(すなわち、上部TIER1の両端のうち下部TIER2側の端部、及び下部TIER2の両端のうち上部TIER1側の端部)におけるメモリセルトランジスタMTも、不具合が発生しやすい。
【0187】
第2実施形態によれば、ブロックデコーダBD_Uは、部分ブロックPBLK_Uのワード線WL3_U及びWL4_Uに接続された転送スイッチWLSW_Uの状態を、更に切り替える。ブロックデコーダBD_Lは、部分ブロックPBLK_Lのワード線WL3_L及びWL4_Lに接続された転送スイッチWLSW_Lの状態を、更に切り替える。ブロックデコーダBD_Uは、転送スイッチWLSW_U内のトランジスタTR3_U及びTR4_Uの各々のゲートにも、ノードBLKSEL_Uを介して共通の信号を供給する。ブロックデコーダBD_Lは、転送スイッチWLSW_L内のトランジスタTR3_L及びTR4_Lの各々のゲートにも、ノードBLKSEL_Lを介して、ノードBLKSEL_Uの信号とは異なる共通の信号を供給する。これにより、ロウデコーダモジュール15は、メモリピラーMPの上部TIER1及び下部TIER2の接合部分のメモリセルトランジスタMTに不具合が発生した場合でも、同一のブロックBLK内の部分ブロックPBLK_Uと部分ブロックPBLK_Lとを独立に制御することができる。したがって、メモリセルアレイ10の回路面積の増加を抑制し、使用効率を向上させることができる。
【0188】
3. 第3実施形態
次に、第3実施形態について説明する。
【0189】
第3実施形態では、1個のブロックデコーダBDに対応するブロックBLKが複数個ある点において、第1実施形態及び第2実施形態と異なる。以下では、第1実施形態と異なる構成及び動作について主に説明する。第1実施形態と同等の構成及び動作については、適宜その説明を省略する。
【0190】
3.1 メモリセルアレイ
図16は、第3実施形態に係るメモリセルアレイの構成の一例を示すブロック図である。
【0191】
図16に示されるように、メモリセルアレイ10は、複数のブロックセットEOC_BLK(EOC_BLK0、EOC_BLK1、…、及びEOC_BLK(n/2-1))を含む(nは、偶数)。複数のブロックセットEOC_BLKの各々は、2個のブロックBLKを含む。
【0192】
図16の例では、ブロックセットEOC_BLK0は、ブロックBLK0及びBLK1を含む。ブロックセットEOC_BLK1は、ブロックBLK2及びBLK3を含む。ブロックセットEOC_BLK(n/2-1)は、ブロックBLK(n-2)及びBLK(n-1)を含む。
【0193】
以下では、複数のブロックセットEOC_BLKの各々に含まれるブロックBLKのうち、末尾の数字が偶数のブロックBLK0、BLK2、…、BLK(n-2)を総称して、ブロックBLK_eとも呼ぶ。複数のブロックセットEOC_BLKの各々に含まれるブロックBLKのうち、末尾の数字が奇数のブロックBLK1、BLK3、…、BLK(n-1)を総称して、ブロックBLK_oとも呼ぶ。また、ブロックBLK_e及びBLK_oに対応する構成を示す符号の末尾に、それぞれ“_e”及び“_o”を付す場合がある。
【0194】
3.2 ロウデコーダモジュール
図17は、第3実施形態に係るメモリセルアレイ、ロウデコーダモジュール、及びドライバモジュール間の接続の一例を示す回路図である。図17は、第1実施形態における図3に対応する。図17に示されるように、ロウデコーダモジュール15は、複数のロウデコーダセットEOC_RD(EOC_RD0、EOC_RD1、…)を含む。ロウデコーダセットEOC_RDの個数は、ブロックセットEOC_BLKの個数に対応する。複数のロウデコーダセットEOC_RDの各々は、同等の構成を有する。図17の例では、ブロックセットEOC_BLK0に対応するロウデコーダセットEOC_RD0の構成が示される。ロウデコーダセットEOC_RD0は、ブロックデコーダBD_C、ブロックデコーダセットEOC_BD_U及びEOC_BD_L、並びに転送スイッチセットEOC_WLSW_C、EOC_WLSW_U、及びEOC_WLSW_Lを含む。
【0195】
3.2.1 転送スイッチ
まず、図17を参照して転送スイッチセットEOC_WLSW_C、EOC_WLSW_U、及びEOC_WLSW_Lの構成について説明する。
【0196】
転送スイッチセットEOC_WLSW_Cは、転送スイッチWLSW_C_e及びWLSW_C_oを含む。転送スイッチWLSW_C_e及びWLSW_C_oの構成は、共通のノードBLKSEL_Cを介してブロックデコーダBD_Cに接続される点を除き、第1実施形態における転送スイッチWLSW_Cの構成と同等である。すなわち、図17では図示が省略されているが、転送スイッチWLSW_C_e内のトランジスタTR0~TR7はそれぞれ、ワード線WL0_e~WL7_eを介してブロックBLK_eに接続される第1端と、配線CG0_e~CG7_eを介してドライバモジュール14に接続される第2端と、ノードBLKSEL_Cを介してブロックデコーダBD_Cに接続されるゲートと、を有する。転送スイッチWLSW_C_o内のトランジスタTR0~TR7はそれぞれ、ワード線WL0_o~WL7_oを介してブロックBLK_oに接続される第1端と、配線CG0_o~CG7_oを介してドライバモジュール14に接続される第2端と、ノードBLKSEL_Cを介してブロックデコーダBD_Cに接続されるゲートと、を有する。
【0197】
転送スイッチセットEOC_WLSW_Uは、転送スイッチWLSW_U_e及びWLSW_U_oを含む。転送スイッチWLSW_U_e及びWLSW_U_oの構成は、共通のノードBLKSEL_U及びBLKSEL_Unを介してブロックデコーダセットEOC_BD_Uに接続される点を除き、第1実施形態における転送スイッチWLSW_Uの構成と同等である。すなわち、図17では図示が省略されているが、転送スイッチWLSW_U_e内のトランジスタTR8~TR10はそれぞれ、選択ゲート線SGS0_e、SGD0_e、及びSGD1_eを介してブロックBLK_eに接続される第1端と、配線SGSD0_e、SGDD0_e、及びSGDD1_eを介してドライバモジュール14に接続される第2端と、ノードBLKSEL_Uを介してブロックデコーダセットEOC_BD_Uに接続されるゲートと、を有する。転送スイッチWLSW_U_e内のトランジスタTR11~TR13はそれぞれ、選択ゲート線SGS0_e、SGD0_e、及びSGD1_eを介してブロックBLK_eに接続される第1端と、配線USGS、USGD、及びUSGDを介してドライバモジュール14に接続される第2端と、ノードBLKSEL_Unを介してブロックデコーダセットEOC_BD_Uに接続されるゲートと、を有する。転送スイッチWLSW_U_o内のトランジスタTR8~TR10はそれぞれ、選択ゲート線SGS0_o、SGD0_o、及びSGD1_oを介してブロックBLK_oに接続される第1端と、配線SGSD0_o、SGDD0_o、及びSGDD1_oを介してドライバモジュール14に接続される第2端と、ノードBLKSEL_Uを介してブロックデコーダセットEOC_BD_Uに接続されるゲートと、を有する。転送スイッチWLSW_U_o内のトランジスタTR11~TR13はそれぞれ、選択ゲート線SGS0_o、SGD0_o、及びSGD1_oを介してブロックBLK_oに接続される第1端と、配線USGS、USGD、及びUSGDを介してドライバモジュール14に接続される第2端と、ノードBLKSEL_Unを介してブロックデコーダセットEOC_BD_Uに接続されるゲートと、を有する。
【0198】
転送スイッチセットEOC_WLSW_Lは、転送スイッチWLSW_L_e及びWLSW_L_oを含む。転送スイッチWLSW_L_e及びWLSW_L_oの構成は、共通のノードBLKSEL_L及びBLKSEL_Lnを介してブロックデコーダセットEOC_BD_Lに接続される点を除き、第1実施形態における転送スイッチWLSW_Lの構成と同等である。すなわち、図17では図示が省略されているが、転送スイッチWLSW_L_e内のトランジスタTR14~TR16はそれぞれ、選択ゲート線SGS1_e、SGD2_e、及びSGD3_eを介してブロックBLK_eに接続される第1端と、配線SGSD1_e、SGDD2_e、及びSGDD3_eを介してドライバモジュール14に接続される第2端と、ノードBLKSEL_Lを介してブロックデコーダセットEOC_BD_Lに接続されるゲートと、を有する。転送スイッチWLSW_L_e内のトランジスタTR17~TR19はそれぞれ、選択ゲート線SGS1_e、SGD2_e、及びSGD3_eを介してブロックBLK_eに接続される第1端と、配線USGS、USGD、及びUSGDを介してドライバモジュール14に接続される第2端と、ノードBLKSEL_Lnを介してブロックデコーダセットEOC_BD_Lに接続されるゲートと、を有する。転送スイッチWLSW_L_o内のトランジスタTR14~TR16はそれぞれ、選択ゲート線SGS1_o、SGD2_o、及びSGD3_oを介してブロックBLK_oに接続される第1端と、配線SGSD1_o、SGDD2_o、及びSGDD3_oを介してドライバモジュール14に接続される第2端と、ノードBLKSEL_Lを介してブロックデコーダセットEOC_BD_Lに接続されるゲートと、を有する。転送スイッチWLSW_L_o内のトランジスタTR17~TR19はそれぞれ、選択ゲート線SGS1_o、SGD2_o、及びSGD3_oを介してブロックBLK_oに接続される第1端と、配線USGS、USGD、及びUSGDを介してドライバモジュール14に接続される第2端と、ノードBLKSEL_Lnを介してブロックデコーダセットEOC_BD_Lに接続されるゲートと、を有する。
【0199】
3.2.2 ブロックデコーダ
次に、ブロックデコーダセットEOC_BD_U及びEOC_BD_Lの構成について説明する。
【0200】
図18は、第3実施形態に係るブロックデコーダセットの第1部分の構成の一例を示す回路図である。ブロックデコーダセットの第1部分は、ブロックデコーダセットEOC_BD_Lに対応する。図18に示されるように、ブロックデコーダセットEOC_BD_Lは、デコーダLVDEC_L、レベルシフタLSTP_L、並びに部分バッドブロックラッチPBBL_L_e及びPBBL_L_oを含む。
【0201】
デコーダLVDEC_L及びレベルシフタLSTP_Lの構成は、第1実施形態におけるデコーダLVDEC_L及びレベルシフタLSTP_Lの構成と同等である。
【0202】
部分バッドブロックラッチPBBL_L_e及びPBBL_L_oは、同等の構成を有し、ノードN_L1に対して並列に接続される。
【0203】
具体的には、部分バッドブロックラッチPBBL_L_eは、トランジスタTR32_e、TR33_e、TR34_e、TR35_e、TR36_e、及びTR37_e、並びにインバータINV3_e及びINV4_eを含む。トランジスタTR32_e~TR37_eは、例えば、N型トランジスタである。
【0204】
トランジスタTR32_eは、ノードN_L1に接続される第1端と、ノードGOOD_L_eに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR33_eは、ノードGOOD_L_eに接続される第1端と、ノードN_L2_eに接続される第2端と、ノードRFSETに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR34_eは、ノードBAD_L_eに接続される第1端と、ノードN_L2_eに接続される第2端と、ノードRFRSTに接続されるゲートと、を有する。
【0205】
トランジスタTR35_eは、ノードN_L2_eに接続される第1端と、ノードPBUSBSに接続される第2端と、ノードRDEC_SEL_Lに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR36_eは、ノードPBUSBSに接続される第1端と、接地される第2端と、ノードBB_SR_ENBに接続されるゲートと、を有する。
【0206】
トランジスタTR37_eは、トランジスタTR32_eの第2端に接続される第1端と、接地される第2端と、ノードSEL_eに接続されるゲートと、を有する。
【0207】
インバータINV3_eは、ノードGOOD_L_eに接続される入力端と、ノードBAD_L_eに接続される出力端と、を有する。すなわち、インバータINV3_eは、ノードGOOD_L_eの論理レベルを反転してノードBAD_L_eに出力する。インバータINV4_eは、ノードBAD_L_eに接続される入力端と、ノードGOOD_L_eに接続される出力端と、を有する。すなわち、インバータINV4_eは、ノードBAD_L_eの論理レベルを反転してノードGOOD_L_eに出力する。
【0208】
同様に、部分バッドブロックラッチPBBL_L_oは、トランジスタTR32_o、TR33_o、TR34_o、TR35_o、TR36_o、及びTR37_o、並びにインバータINV3_o及びINV4_oを含む。トランジスタTR32_o~TR37_oは、例えば、N型トランジスタである。
【0209】
トランジスタTR32_oは、ノードN_L1に接続される第1端と、ノードGOOD_L_oに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR33_oは、ノードGOOD_L_oに接続される第1端と、ノードN_L2_oに接続される第2端と、ノードRFSETに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR34_oは、ノードBAD_L_oに接続される第1端と、ノードN_L2_oに接続される第2端と、ノードRFRSTに接続されるゲートと、を有する。
【0210】
トランジスタTR35_oは、ノードN_L2_oに接続される第1端と、ノードPBUSBSに接続される第2端と、ノードRDEC_SEL_Lに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR36_oは、ノードPBUSBSに接続される第1端と、接地される第2端と、ノードBB_SR_ENBに接続されるゲートと、を有する。
【0211】
トランジスタTR37_oは、トランジスタTR32_oの第2端に接続される第1端と、接地される第2端と、ノードSEL_oに接続されるゲートと、を有する。
【0212】
インバータINV3_oは、ノードGOOD_L_oに接続される入力端と、ノードBAD_L_oに接続される出力端と、を有する。すなわち、インバータINV3_oは、ノードGOOD_L_oの論理レベルを反転してノードBAD_L_oに出力する。インバータINV4_oは、ノードBAD_L_oに接続される入力端と、ノードGOOD_L_oに接続される出力端と、を有する。すなわち、インバータINV4_oは、ノードBAD_L_oの論理レベルを反転してノードGOOD_L_oに出力する。
【0213】
図19は、第3実施形態に係るブロックデコーダセットの第2部分の構成の一例を示す回路図である。ブロックデコーダセットの第2部分は、ブロックデコーダセットEOC_BD_Uに対応する。図19に示されるように、ブロックデコーダセットEOC_BD_Uは、デコーダLVDEC_U、レベルシフタLSTP_U、並びに部分バッドブロックラッチPBBL_U_e及びPBBL_U_oを含む。
【0214】
デコーダLVDEC_U及びレベルシフタLSTP_Uの構成は、第1実施形態におけるデコーダLVDEC_U及びレベルシフタLSTP_Uの構成と同等である。
【0215】
部分バッドブロックラッチPBBL_U_e及びPBBL_U_oは、同等の構成を有し、ノードN_U1に対して並列に接続される。
【0216】
具体的には、部分バッドブロックラッチPBBL_U_eは、トランジスタTR52_e、TR53_e、TR54_e、TR55_e、TR56_e、及びTR57_e、並びにインバータINV7_e及びINV8_eを含む。トランジスタTR52_e~TR57_eは、例えば、N型トランジスタである。
【0217】
トランジスタTR52_eは、ノードN_U1に接続される第1端と、ノードGOOD_U_eに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR53_eは、ノードGOOD_U_eに接続される第1端と、ノードN_U2_eに接続される第2端と、ノードRFSETに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR54_eは、ノードBAD_U_eに接続される第1端と、ノードN_U2_eに接続される第2端と、ノードRFRSTに接続されるゲートと、を有する。
【0218】
トランジスタTR55_eは、ノードN_U2_eに接続される第1端と、ノードPBUSBSに接続される第2端と、ノードRDEC_SEL_Uに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR56_eは、ノードPBUSBSに接続される第1端と、接地される第2端と、ノードBB_SR_ENBに接続されるゲートと、を有する。
【0219】
トランジスタTR57_eは、トランジスタTR52_eの第2端に接続される第1端と、接地される第2端と、ノードSEL_eに接続されるゲートと、を有する。
【0220】
インバータINV7_eは、ノードGOOD_U_eに接続される入力端と、ノードBAD_U_eに接続される出力端と、を有する。すなわち、インバータINV7_eは、ノードGOOD_U_eの論理レベルを反転してノードBAD_U_eに出力する。インバータINV8_eは、ノードBAD_U_eに接続される入力端と、ノードGOOD_U_eに接続される出力端と、を有する。すなわち、インバータINV8_eは、ノードBAD_U_eの論理レベルを反転してノードGOOD_U_eに出力する。
【0221】
同様に、部分バッドブロックラッチPBBL_U_oは、トランジスタTR52_o、TR53_o、TR54_o、TR55_o、TR56_o、及びTR57_o、並びにインバータINV7_o及びINV8_oを含む。トランジスタTR52_o~TR57_oは、例えば、N型トランジスタである。
【0222】
トランジスタTR52_oは、ノードN_U1に接続される第1端と、ノードGOOD_U_oに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR53_oは、ノードGOOD_U_oに接続される第1端と、ノードN_U2_oに接続される第2端と、ノードRFSETに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR54_oは、ノードBAD_U_oに接続される第1端と、ノードN_U2_oに接続される第2端と、ノードRFRSTに接続されるゲートと、を有する。
【0223】
トランジスタTR55_oは、ノードN_U2_oに接続される第1端と、ノードPBUSBSに接続される第2端と、ノードRDEC_SEL_Uに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR56_oは、ノードPBUSBSに接続される第1端と、接地される第2端と、ノードBB_SR_ENBに接続されるゲートと、を有する。
【0224】
トランジスタTR57_oは、トランジスタTR52_oの第2端に接続される第1端と、接地される第2端と、ノードSEL_oに接続されるゲートと、を有する。
【0225】
インバータINV7_oは、ノードGOOD_U_oに接続される入力端と、ノードBAD_U_oに接続される出力端と、を有する。すなわち、インバータINV7_oは、ノードGOOD_U_oの論理レベルを反転してノードBAD_U_oに出力する。インバータINV8_oは、ノードBAD_U_oに接続される入力端と、ノードGOOD_U_oに接続される出力端と、を有する。すなわち、インバータINV8_oは、ノードBAD_U_oの論理レベルを反転してノードGOOD_U_oに出力する。
【0226】
3.3 第3実施形態に係る効果
第3実施形態によれば、ブロックデコーダセットEOC_BD_Uは、ブロックBLK_e内の部分ブロックPBLK_Uの選択ゲート線SGD0_e及びSGD1_e、並びにSGS0_eに接続された転送スイッチWLSW_U_eの状態を切り替えると共に、ブロックBLK_o内の部分ブロックPBLK_Uの選択ゲート線SGD0_o及びSGD1_o、並びにSGS0_oに接続された転送スイッチWLSW_U_oの状態を切り替える。ブロックデコーダセットEOC_BD_Lは、ブロックBLK_e内の部分ブロックPBLK_Lの選択ゲート線SGD2_e及びSGD3_e、並びにSGS1_eに接続された転送スイッチWLSW_Lの状態を切り替えると共に、ブロックBLK_o内の部分ブロックPBLK_Lの選択ゲート線SGD2_o及びSGD3_o、並びにSGS1_oに接続された転送スイッチWLSW_L_oの状態を切り替える。ブロックデコーダBD_Cは、ブロックBLK_e内の部分ブロックPBLK_U及びPBLK_Lに共通するワード線WL0_e~WL7_eに接続された転送スイッチWLSW_C_eの状態を切り替えると共に、ブロックBLK_o内の部分ブロックPBLK_U及びPBLK_Lに共通するワード線WL0_o~WL7_oに接続された転送スイッチWLSW_C_oの状態を切り替える。これにより、ロウデコーダセットEOC_RDは、2個のブロックBLK_e及びBLK_oを制御することができる。
【0227】
また、ブロックデコーダセットEOC_BD_Uは、部分バッドブロックラッチPBBL_U_e及びPBBL_U_oを含む。ブロックデコーダセットEOC_BD_Lは、部分バッドブロックラッチPBBL_L_e及びPBBL_L_oを含む。これにより、1個のブロックBLKに対応するロウデコーダRDに、メモリチップMCの数に応じた部分バッドブロック情報を記憶させることができる。このため、ロウデコーダセットEOC_RDは、ブロックBLK_e及びBLK_oの各々について、グッド状態の部分ブロックPBLKを使用しつつ、バッド状態の部分ブロックPBLKを使用しないように動作することができる。
【0228】
4. 第4実施形態
次に、第4実施形態について説明する。
【0229】
第4実施形態では、部分バッドブロック情報を記憶する構成がロウデコーダモジュール15とは異なる場所に設けられる点において、第1実施形態、第2実施形態、及び第3実施形態と異なる。以下では、第1実施形態と異なる構成及び動作について主に説明する。第1実施形態と同等の構成及び動作については、適宜その説明を省略する。
【0230】
4.1 ブロックデコーダ
図20は、第4実施形態に係るブロックデコーダの第1部分の構成の一例を示す回路図である。図20は、第1実施形態における図4に対応する。
【0231】
図20に示されるように、ブロックデコーダBD_Lは、デコーダLVDEC_L内のトランジスタTR28、及び部分バッドブロックラッチPBBL_Lを含んでいなくてもよい。この場合、トランジスタTR20及びTR27のゲートは、ノードRDEC2_Lに接続される。ノードRDEC2_Lの論理レベルは、対応する部分ブロックPBLK_Lがバッド状態であるか否かを示す。
【0232】
図21は、第4実施形態に係るブロックデコーダの第2部分の構成の一例を示す回路図である。図21は、第1実施形態における図5に対応する。
【0233】
図21に示されるように、ブロックデコーダBD_Uは、デコーダLVDEC_U内のトランジスタTR48、及び部分バッドブロックラッチPBBL_Uを含んでいなくてもよい。この場合、トランジスタTR40及びTR48のゲートは、ノードRDEC2_Uに接続される。ノードRDEC2_Uの論理レベルは、対応する部分ブロックPBLK_Uがバッド状態であるか否かを示す。
【0234】
上述の通り、ブロックデコーダBD_L及びBD_Uは、転送領域XRに設けられる。ブロックデコーダBD_L及びBD_Uがそれぞれ部分バッドブロックラッチPBBL_L及びPBBL_Uを含まない場合、部分バッドブロックラッチPBBL_L及びPBBL_Uに対応する構成は、転送領域XRに設けられなくてもよい。例えば、部分バッドブロックラッチPBBL_L及びPBBL_Uに対応する構成は、周辺回路領域PERIに設けられてもよい。
【0235】
以下では、説明の便宜上、部分バッドブロックラッチPBBL_L及びPBBL_Uに対応する構成は、バッドブロック情報記憶回路と呼ぶ。
【0236】
4.2 バッドブロック情報記憶回路
次に、第4実施形態に係るバッドブロック情報記憶回路の構成について説明する。バッドブロック情報記憶回路は、種々の構成により実現され得る。以下では、バッドブロック情報記憶回路BBの構成の第1例及び第2例について説明する。
【0237】
4.2.1 第1例
図22は、第4実施形態に係るバッドブロック情報記憶回路の第1部分の構成の第1例を示す回路図である。図23は、第4実施形態に係るバッドブロック情報記憶回路の第2部分の構成の第1例を示す回路図である。バッドブロック情報記憶回路の第1部分BB_Lは、ノードRDEC2_Lを介してブロックデコーダBD_Lと接続される構成である。バッドブロック情報記憶回路の第2部分BB_Uは、ノードRDEC2_Uを介してブロックデコーダBD_Uと接続される構成である。
【0238】
まず、バッドブロック情報記憶回路の第1部分BB_Lについて説明する。
【0239】
図22に示されるように、バッドブロック情報記憶回路の第1部分BB_Lは、部分バッドブロックラッチを含む構成であってもよい。具体的には、バッドブロック情報記憶回路の第1部分BB_Lは、デコーダPBD_L、及び複数の部分バッドブロック情報記憶回路PBB_L(PBB_L0、…、及びPBB_L(n-1))を含む。
【0240】
複数の部分バッドブロック情報記憶回路PBB_Lの各々は、ノードGOODari_Lnに対して並列に接続される。複数の部分バッドブロック情報記憶回路PBB_L0~PBB_L(n-1)はそれぞれ、部分ブロックPBLK0_L~PBLK(n-1)_Lがバッド状態であるか否かを示す情報を記憶する。複数の部分バッドブロック情報記憶回路PBB_Lの各々は、同等の構成を有する。以下では、一例として、部分バッドブロック情報記憶回路PBB_L0の構成について説明する。
【0241】
部分バッドブロック情報記憶回路PBB_L0は、トランジスタTR70、TR71、TR72、TR73、TR74、TR75、TR76、TR77、TR78、TR79、TR80、TR81、TR82、TR83、及びTR84、並びにインバータINV10、INV11、及びINV12を含む。トランジスタTR70及びTR71は、例えば、P型トランジスタである。トランジスタTR72~TR84は、例えば、N型トランジスタである。
【0242】
トランジスタTR70は、電圧VDDが供給される第1端と、ノードN_L3nに接続される第2端と、ノードRDEC1に接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR71は、電圧VDDが供給される第1端と、ノードN_L3nに接続される第2端と、ノードN_L3に接続されるゲートと、を有する。電圧VDDは、例えば、バッドブロック情報記憶回路の第1部分BB_L及び第2部分BB_U内における“H”レベルの論理レベルに対応する。
【0243】
インバータINV10は、ノードN_L3nに接続される入力端と、ノードN_L3に接続される出力端と、を有する。すなわち、インバータINV10は、ノードN_L3nの論理レベルを反転してノードN_L3に出力する。
【0244】
トランジスタTR72は、ノードN_L3nに接続される第1端と、ノードAROWAに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR73は、トランジスタTR72の第2端に接続される第1端と、ノードAROWBに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR74は、トランジスタTR73の第2端に接続される第1端と、ノードAROWCに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR75は、トランジスタTR74の第2端に接続される第1端と、ノードAROWDに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR76は、トランジスタTR75の第2端に接続される第1端と、ノードAROWEに接続されるゲートと、を有する。部分バッドブロック情報記憶回路PBB_Lに接続されるノードAROWA~AROWEの論理レベルは、対応する部分ブロックPBLK_Lが選択対象の場合に、いずれも“H”レベルとなる。ノードAROWA~AROWEの論理レベルのうち、少なくとも1個の論理レベルは、対応する部分ブロックPBLK_Lが選択対象でない場合に、“L”レベルとなる。
【0245】
トランジスタTR77は、トランジスタTR76の第2端に接続される第1端と、ノードN_L1に接続される第2端と、ノードRDEC1に接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR78は、ノードN_L1に接続される第1端と、接地される第2端と、ノードROMBAENに接続されるゲートと、を有する。
【0246】
トランジスタTR79は、ノードN_L1に接続される第1端と、接地される第2端と、ノードGOOD_Lに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR80は、ノードGOOD_Lに接続される第1端と、ノードN_L2に接続される第2端と、ノードRFSETに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR81は、ノードBAD_Lに接続される第1端と、ノードN_L2に接続される第2端と、ノードRFRSTに接続されるゲートと、を有する。
【0247】
トランジスタTR82は、ノードN_L2に接続される第1端と、ノードPBUSBSに接続される第2端と、ノードN_L3に接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR83は、ノードPBUSBSに接続される第1端と、接地される第2端と、ノードBB_SR_ENBに接続されるゲートと、を有する。
【0248】
インバータINV11は、ノードGOOD_Lに接続される入力端と、ノードBAD_Lに接続される出力端と、を有する。すなわち、インバータINV11は、ノードGOOD_Lの論理レベルを反転してノードBAD_Lに出力する。インバータINV12は、ノードBAD_Lに接続される入力端と、ノードGOOD_Lに接続される出力端と、を有する。すなわち、インバータINV12は、ノードBAD_Lの論理レベルを反転してノードGOOD_Lに出力する。
【0249】
トランジスタTR84は、ノードGOODari_Lnに接続される第1端と、接地される第2端と、ノードN_L3に接続されるゲートと、を有する。
【0250】
デコーダPBD_Lは、トランジスタTR90及びTR91、インバータINV13、並びに論理回路AND1を含む。トランジスタTR90及びTR91は、例えば、P型トランジスタである。
【0251】
トランジスタTR90は、電圧VDDが供給される第1端と、ノードGOODari_Lnに接続される第2端と、ノードRDEC0に接続されるゲートと、を含む。トランジスタTR91は、電圧VDDが供給される第1端と、ノードGOODari_Lnに接続される第2端と、ノードGOODari_Lに接続されるゲートと、を有する。
【0252】
インバータINV13は、ノードGOODari_Lnに接続される入力端と、ノードGOODari_Lに接続される出力端と、を有する。すなわち、インバータINV13は、ノードGOODari_Lnの論理レベルを反転してノードGOODari_Lに出力する。
【0253】
論理回路AND1は、ノードGOODari_Lに接続される第1入力端と、ノードRDECに接続される第2入力端と、ノードRDEC2_Lに接続される出力端と、を有する。すなわち、論理回路AND1は、ノードGOODari_Lの論理レベル及びノードRDECの論理レベルの論理積演算を実行し、実行結果をノードRDEC2_Lに出力する。
【0254】
以上のような構成により、n個の部分バッドブロック情報記憶回路PBB_L0~PBB_L(n-1)にはそれぞれ、部分ブロックPBLK_L0~PBLK_L(n-1)がそれぞれバッド状態であるか、グッド状態であるかが記憶される。選択対象のブロックBLK内の部分ブロックPBLK_Lがバッド状態である場合、ノードRDEC2_Lの論理レベルは、“L”レベルとなる。選択対象のブロックBLK内の部分ブロックPBLK_Lがグッド状態である場合、ノードRDEC2_Lの論理レベルは、“H”レベルとなる。
【0255】
次に、バッドブロック情報記憶回路の第2部分BB_Uについて説明する。
【0256】
図23に示されるように、バッドブロック情報記憶回路の第2部分BB_Uは、第1部分BB_Lと同様に、部分バッドブロックラッチを含む構成であってもよい。具体的には、バッドブロック情報記憶回路の第2部分BB_Uは、デコーダPBD_U、及び複数の部分バッドブロック情報記憶回路PBB_U(PBB_U0、…、及びPBB_U(n-1))を含む。
【0257】
複数の部分バッドブロック情報記憶回路PBB_Uの各々は、ノードGOODari_Unに対して並列に接続される。複数の部分バッドブロック情報記憶回路PBB_U0~PBB_U(n-1)はそれぞれ、部分ブロックPBLK0_U~PBLK(n-1)_Uがバッド状態であるか否かを示す情報を記憶する。複数の部分バッドブロック情報記憶回路PBB_Uの各々は、同等の構成を有する。以下では、一例として、部分バッドブロック情報記憶回路PBB_U0の構成について説明する。
【0258】
部分バッドブロック情報記憶回路PBB_U0は、トランジスタTR100、TR101、TR102、TR103、TR104、TR105、TR106、TR107、TR108、TR109、TR110、TR111、TR112、TR113、及びTR114、並びにインバータINV14、INV15、及びINV16を含む。トランジスタTR100及びTR101は、例えば、P型トランジスタである。トランジスタTR102~TR114は、例えば、N型トランジスタである。
【0259】
トランジスタTR100は、電圧VDDが供給される第1端と、ノードN_U3nに接続される第2端と、ノードRDEC1に接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR101は、電圧VDDが供給される第1端と、ノードN_U3nに接続される第2端と、ノードN_U3に接続されるゲートと、を有する。
【0260】
インバータINV14は、ノードN_U3nに接続される入力端と、ノードN_U3に接続される出力端と、を有する。すなわち、インバータINV14は、ノードN_U3nの論理レベルを反転してノードN_U3に出力する。
【0261】
トランジスタTR102は、ノードN_U3nに接続される第1端と、ノードAROWAに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR103は、トランジスタTR102の第2端に接続される第1端と、ノードAROWBに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR104は、トランジスタTR103の第2端に接続される第1端と、ノードAROWCに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR105は、トランジスタTR104の第2端に接続される第1端と、ノードAROWDに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR106は、トランジスタTR105の第2端に接続される第1端と、ノードAROWEに接続されるゲートと、を有する。部分バッドブロック情報記憶回路PBB_Uに接続されるノードAROWA~AROWEの論理レベルは、対応する部分ブロックPBLK_Uが選択対象の場合に、いずれも“H”レベルとなる。ノードAROWA~AROWEの論理レベルのうち、少なくとも1個の論理レベルは、対応する部分ブロックPBLK_Uが選択対象でない場合に、“L”レベルとなる。
【0262】
トランジスタTR107は、トランジスタTR106の第2端に接続される第1端と、ノードN_U1に接続される第2端と、ノードRDEC1に接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR108は、ノードN_U1に接続される第1端と、接地される第2端と、ノードROMBAENに接続されるゲートと、を有する。
【0263】
トランジスタTR109は、ノードN_U1に接続される第1端と、接地される第2端と、ノードGOOD_Uに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR110は、ノードGOOD_Uに接続される第1端と、ノードN_U2に接続される第2端と、ノードRFSETに接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR111は、ノードBAD_Uに接続される第1端と、ノードN_U2に接続される第2端と、ノードRFRSTに接続されるゲートと、を有する。
【0264】
トランジスタTR112は、ノードN_U2に接続される第1端と、ノードPBUSBSに接続される第2端と、ノードN_U3に接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR113は、ノードPBUSBSに接続される第1端と、接地される第2端と、ノードBB_SR_ENBに接続されるゲートと、を有する。
【0265】
インバータINV15は、ノードGOOD_Uに接続される入力端と、ノードBAD_Uに接続される出力端と、を有する。すなわち、インバータINV15は、ノードGOOD_Uの論理レベルを反転してノードBAD_Uに出力する。インバータINV16は、ノードBAD_Uに接続される入力端と、ノードGOOD_Uに接続される出力端と、を有する。すなわち、インバータINV16は、ノードBAD_Uの論理レベルを反転してノードGOOD_Uに出力する。
【0266】
トランジスタTR114は、ノードGOODari_Unに接続される第1端と、接地される第2端と、ノードN_U3に接続されるゲートと、を有する。
【0267】
デコーダPBD_Uは、トランジスタTR120及びTR121、インバータINV17、並びに論理回路AND2を含む。トランジスタTR120及びTR121は、例えば、P型トランジスタである。
【0268】
トランジスタTR120は、電圧VDDが供給される第1端と、ノードGOODari_Unに接続される第2端と、ノードRDEC0に接続されるゲートと、を含む。トランジスタTR121は、電圧VDDが供給される第1端と、ノードGOODari_Unに接続される第2端と、ノードGOODari_Uに接続されるゲートと、を有する。
【0269】
インバータINV17は、ノードGOODari_Unに接続される入力端と、ノードGOODari_Uに接続される出力端と、を有する。すなわち、インバータINV17は、ノードGOODari_Unの論理レベルを反転してノードGOODari_Uに出力する。
【0270】
論理回路AND2は、ノードGOODari_Uに接続される第1入力端と、ノードRDECに接続される第2入力端と、ノードRDEC2_Uに接続される出力端と、を有する。すなわち、論理回路AND2は、ノードGOODari_Uの論理レベル及びノードRDECの論理レベルの論理積演算を実行し、実行結果をノードRDEC2_Uに出力する。
【0271】
以上のような構成により、n個の部分バッドブロック情報記憶回路PBB_U0~PBB_U(n-1)にはそれぞれ、部分ブロックPBLK_U0~PBLK_U(n-1)がそれぞれバッド状態であるか、グッド状態であるかが記憶される。選択対象のブロックBLK内の部分ブロックPBLK_Uがバッド状態である場合、ノードRDEC2_Uの論理レベルは、“L”レベルとなる。選択対象のブロックBLK内の部分ブロックPBLK_Uがグッド状態である場合、ノードRDEC2_Uの論理レベルは、“H”レベルとなる。
【0272】
4.2.2 第2例
図24は、第4実施形態に係るバッドブロック情報記憶回路の第1部分の構成の第2例を示す回路図である。図25は、第4実施形態に係るバッドブロック情報記憶回路の第2部分の構成の第1例を示す回路図である。
【0273】
まず、バッドブロック情報記憶回路の第1部分BB_Lについて説明する。
【0274】
図24に示されるように、バッドブロック情報記憶回路の第1部分BB_Lは、連想メモリ(CAM:content addressable memory)を含む構成であってもよい。具体的には、バッドブロック情報記憶回路の第1部分BB_Lは、デコーダPBD_L、及び複数の部分バッドブロック情報記憶回路PBB_L(PBB_L0、…、及びPBB_L(k-1))を含む。kは、n以下の整数であり、メモリデバイス3においてバッド状態であることを管理できる部分ブロックPBLKの数の最大値である。kは、例えば、メモリデバイス3に含まれる部分ブロックPBLKの総数の30%程度である。
【0275】
複数の部分バッドブロック情報記憶回路PBB_Lの各々は、ノードGOODari_Lnに対して並列に接続される。複数の部分バッドブロック情報記憶回路PBB_L0~PBB_L(k-1)はそれぞれ、バッド状態の部分ブロックPBLK_LのブロックアドレスBAdを示す情報を記憶する。複数の部分バッドブロック情報記憶回路PBB_Lの各々は、同等の構成を有する。以下では、一例として、部分バッドブロック情報記憶回路PBB_L0の構成について説明する。
【0276】
部分バッドブロック情報記憶回路PBB_L0は、複数のトランジスタTR130、TR131、TR132、TR133、TR134、及びTR135、複数のインバータINV18及びINV19、並びにトランジスタTR136を含む。複数のトランジスタTR130~TR135は、例えば、ノードAROWA、…、AROWEにそれぞれ対応するトランジスタTR130a~TR135aの組、…、TR130e~TR135eの組を含む。複数のトランジスタTR130~TR135は、例えば、N型トランジスタである。トランジスタTR136は、例えば、P型トランジスタである。
【0277】
トランジスタTR130a~TR135aの組、…、及びTR130e~TR135eの組は、接続されるノードがそれぞれAROWA~AROWEである点を除いて、同等の構成を有する。以下では、一例として、トランジスタTR130a~TR135aの組、及びトランジスタTR130e~TR135eの組について説明する。
【0278】
トランジスタTR130aは、ノードAROWAに接続される第1端と、ノードNa_Lに接続される第2端と、ノードN_XLに接続されるゲートと、を有する。トランジスタ131aは、ノードAROWAに接続される第1端と、ノードS_ENB0に接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR132aは、トランジスタTR131aの第2端に接続される第1端と、ノードMATCH_L0に接続される第2端と、ノードNa_Lに接続されるゲートと、を有する。
【0279】
トランジスタTR133aは、ノードAROWAnに接続される第1端と、ノードNa_Lnに接続される第2端と、ノードN_XLに接続されるゲートと、を有する。トランジスタ134aは、ノードAROWAnに接続される第1端と、ノードS_ENB0に接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR135aは、トランジスタTR134aの第2端に接続される第1端と、ノードMATCH_L0に接続される第2端と、ノードNa_Lnに接続されるゲートと、を有する。
【0280】
インバータINV18aは、ノードNa_Lに接続される入力端と、ノードNa_Lnに接続される出力端と、を有する。すなわち、インバータINV18aは、ノードNa_Lの論理レベルを反転してノードNa_Lnに出力する。インバータINV19aは、ノードNa_Lnに接続される入力端と、ノードNa_Lに接続される出力端と、を有する。すなわち、インバータINV19aは、ノードNa_Lnの論理レベルを反転してノードNa_Lに出力する。
【0281】
トランジスタTR130eは、ノードAROWEに接続される第1端と、ノードNe_Lに接続される第2端と、ノードN_XLに接続されるゲートと、を有する。トランジスタ131eは、ノードAROWEに接続される第1端と、ノードS_ENB0に接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR132eは、トランジスタTR131eの第2端に接続される第1端と、ノードMATCH_L0に接続される第2端と、ノードNe_Lに接続されるゲートと、を有する。
【0282】
トランジスタTR133eは、ノードAROWEnに接続される第1端と、ノードNe_Lnに接続される第2端と、ノードN_XLに接続されるゲートと、を有する。トランジスタ134eは、ノードAROWEnに接続される第1端と、ノードS_ENB0に接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR135eは、トランジスタTR134eの第2端に接続される第1端と、ノードMATCH_L0に接続される第2端と、ノードNe_Lnに接続されるゲートと、を有する。
【0283】
インバータINV18eは、ノードNe_Lに接続される入力端と、ノードNe_Lnに接続される出力端と、を有する。すなわち、インバータINV18eは、ノードNe_Lの論理レベルを反転してノードNe_Lnに出力する。インバータINV19eは、ノードNe_Lnに接続される入力端と、ノードNe_Lに接続される出力端と、を有する。すなわち、インバータINV19eは、ノードNe_Lnの論理レベルを反転してノードNe_Lに出力する。
【0284】
トランジスタTR136は、電圧VDDが供給される第1端と、ノードMATCH_L0に接続される第2端と、ノードRDEC0に接続されるゲートと、を有する。
【0285】
以上のような構成を有するk個の部分バッドブロック情報記憶回路PBB_L0~PBB_L(k-1)はそれぞれ、ノードMATCH_L0~MATCH_L(k-1)を介してデコーダPBD_Lに接続される。
【0286】
デコーダPBD_Lは、インバータINV20、並びに論理回路OR1及びAND3を含む。
【0287】
論理回路OR1は、ノードMATCH_L0~MATCH_L(k-1)にそれぞれ接続される第1入力端~第k入力端と、ノードGOODari_Lnに接続される出力端と、を有する。すなわち、論理回路OR1は、ノードMATCH_L0~MATCH_L(k-1)のうちのいずれか1個のノードの論理レベルが“H”レベルの場合、ノードGOODari_Lnの論理レベルを“H”レベルにする。論理回路OR1は、ノードMATCH_L0~MATCH_L(k-1)のいずれのノードの論理レベルも“L”レベルの場合、ノードGOODari_Lnの論理レベルを“L”レベルにする。すなわち、選択対象の部分ブロックPBLK_Lのアドレスと、部分バッドブロック情報記憶回路PBB_Lxに記憶されるアドレスとが一致した場合、ノードMATCH_Lxの論理レベルは“H”レベルとなる(0≦x≦n)。
【0288】
インバータINV20は、ノードGOODari_Lnに接続される入力端と、ノードGOODari_Lに接続される出力端と、を有する。すなわち、インバータINV20は、ノードGOODari_Lnの論理レベルを反転してノードGOODari_Lに出力する。
【0289】
論理回路AND3は、ノードGOODari_Lに接続される第1入力端と、ノードRDECに接続される第2入力端と、ノードRDEC2_Lに接続される出力端と、を有する。すなわち、論理回路AND3は、ノードGOODari_Lの論理レベル及びノードRDECの論理レベルの論理積演算を実行し、実行結果をノードRDEC2_Lに出力する。
【0290】
以上のような構成により、k個の部分バッドブロック情報記憶回路PBB_L0~PBB_L(k-1)にはそれぞれ、バッド状態の部分ブロックPBLK_Lに対応するブロックアドレスBAdを示す情報が記憶される。選択対象のブロックBLK内の部分ブロックPBLK_Lがバッド状態である場合、ノードRDEC2_Lの論理レベルは、“L”レベルとなる。選択対象のブロックBLK内の部分ブロックPBLK_Lがグッド状態である場合、ノードRDEC2_Lの論理レベルは、“H”レベルとなる。
【0291】
次に、バッドブロック情報記憶回路の第2部分BB_Uについて説明する。
【0292】
図25に示されるように、バッドブロック情報記憶回路の第2部分BB_Uは、第1部分BB_Lと同様に、連想メモリを含む構成であってもよい。具体的には、バッドブロック情報記憶回路の第2部分BB_Uは、デコーダPBD_U、及び複数の部分バッドブロック情報記憶回路PBB_U(PBB_U0、…、及びPBB_U(k-1))を含む。
【0293】
複数の部分バッドブロック情報記憶回路PBB_Uの各々は、ノードGOODari_Unに対して並列に接続される。複数の部分バッドブロック情報記憶回路PBB_U0~PBB_U(k-1)はそれぞれ、バッド状態の部分ブロックPBLK_UのブロックアドレスBAdを示す情報を記憶する。複数の部分バッドブロック情報記憶回路PBB_Uの各々は、同等の構成を有する。以下では、一例として、部分バッドブロック情報記憶回路PBB_U0の構成について説明する。
【0294】
部分バッドブロック情報記憶回路PBB_U0は、複数のトランジスタTR140、TR141、TR142、TR143、TR144、及びTR145、複数のインバータINV21及びINV22、並びにトランジスタTR146を含む。複数のトランジスタTR140~145は、例えば、ノードAROWA、…、AROWEにそれぞれ対応するトランジスタTR140a~TR145aの組、…、TR140e~TR145eの組を含む。複数のトランジスタTR140~145は、例えば、N型トランジスタである。トランジスタTR146は、例えば、P型トランジスタである。
【0295】
トランジスタTR140a~TR145aの組、…、及びTR140e~TR145eの組は、接続されるノードがそれぞれAROWA~AROWEである点を除いて、同等の構成を有する。以下では、一例として、トランジスタTR140a~TR145aの組、及びトランジスタTR140e~TR145eの組について説明する。
【0296】
トランジスタTR140aは、ノードAROWAに接続される第1端と、ノードNa_Uに接続される第2端と、ノードN_XUに接続されるゲートと、を有する。トランジスタ141aは、ノードAROWAに接続される第1端と、ノードS_ENB0に接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR142aは、トランジスタTR141aの第2端に接続される第1端と、ノードMATCH_U0に接続される第2端と、ノードNa_Uに接続されるゲートと、を有する。
【0297】
トランジスタTR143aは、ノードAROWAnに接続される第1端と、ノードNa_Unに接続される第2端と、ノードN_XUに接続されるゲートと、を有する。トランジスタ144aは、ノードAROWAnに接続される第1端と、ノードS_ENB0に接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR145aは、トランジスタTR144aの第2端に接続される第1端と、ノードMATCH_U0に接続される第2端と、ノードNa_Unに接続されるゲートと、を有する。
【0298】
インバータINV21aは、ノードNa_Uに接続される入力端と、ノードNa_Unに接続される出力端と、を有する。すなわち、インバータINV21aは、ノードNa_Uの論理レベルを反転してノードNa_Unに出力する。インバータINV21aは、ノードNa_Unに接続される入力端と、ノードNa_Uに接続される出力端と、を有する。すなわち、インバータINV21aは、ノードNa_Unの論理レベルを反転してノードNa_Uに出力する。
【0299】
トランジスタTR140eは、ノードAROWEに接続される第1端と、ノードNe_Uに接続される第2端と、ノードN_XUに接続されるゲートと、を有する。トランジスタ141eは、ノードAROWEに接続される第1端と、ノードS_ENB0に接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR142eは、トランジスタTR141eの第2端に接続される第1端と、ノードMATCH_U0に接続される第2端と、ノードNe_Uに接続されるゲートと、を有する。
【0300】
トランジスタTR143eは、ノードAROWEnに接続される第1端と、ノードNe_Unに接続される第2端と、ノードN_XUに接続されるゲートと、を有する。トランジスタ144eは、ノードAROWEnに接続される第1端と、ノードS_ENB0に接続されるゲートと、を有する。トランジスタTR145eは、トランジスタTR144eの第2端に接続される第1端と、ノードMATCH_U0に接続される第2端と、ノードNe_Unに接続されるゲートと、を有する。
【0301】
インバータINV21eは、ノードNe_Uに接続される入力端と、ノードNe_Unに接続される出力端と、を有する。すなわち、インバータINV21eは、ノードNe_Uの論理レベルを反転してノードNe_Unに出力する。インバータINV22eは、ノードNe_Unに接続される入力端と、ノードNe_Uに接続される出力端と、を有する。すなわち、インバータINV22eは、ノードNe_Unの論理レベルを反転してノードNe_Uに出力する。
【0302】
トランジスタTR146は、電圧VDDが供給される第1端と、ノードMATCH_U0に接続される第2端と、ノードRDEC0に接続されるゲートと、を有する。
【0303】
以上のような構成を有するk個の部分バッドブロック情報記憶回路PBB_U0~PBB_U(k-1)はそれぞれ、ノードMATCH_U0~MATCH_U(k-1)を介してデコーダPBD_Uに接続される。
【0304】
デコーダPBD_Uは、インバータINV23、並びに論理回路OR2及びAND4を含む。
【0305】
論理回路OR2は、ノードMATCH_U0~MATCH_U(k-1)にそれぞれ接続される第1入力端~第k入力端と、ノードGOODari_Unに接続される出力端と、を有する。すなわち、論理回路OR2は、ノードMATCH_U0~MATCH_U(k-1)のうちのいずれか1個のノードの論理レベルが“H”レベルの場合、ノードGOODari_Unの論理レベルを“H”レベルにする。論理回路OR2は、ノードMATCH_U0~MATCH_U(k-1)のいずれのノードの論理レベルも“L”レベルの場合、ノードGOODari_Unの論理レベルを“L”レベルにする。すなわち、選択対象の部分ブロックPBLK_Uのアドレスと、部分バッドブロック情報記憶回路PBB_Uxに記憶されるアドレスとが一致した場合、ノードMATCH_Uxの論理レベルは“H”レベルとなる(0≦x≦n)。
【0306】
インバータINV23は、ノードGOODari_Unに接続される入力端と、ノードGOODari_Uに接続される出力端と、を有する。すなわち、インバータINV23は、ノードGOODari_Unの論理レベルを反転してノードGOODari_Uに出力する。
【0307】
論理回路AND4は、ノードGOODari_Uに接続される第1入力端と、ノードRDECに接続される第2入力端と、ノードRDEC2_Uに接続される出力端と、を有する。すなわち、論理回路AND4は、ノードGOODari_Uの論理レベル及びノードRDECの論理レベルの論理積演算を実行し、実行結果をノードRDEC2_Uに出力する。
【0308】
以上のような構成により、k個の部分バッドブロック情報記憶回路PBB_U0~PBB_U(k-1)にはそれぞれ、バッド状態の部分ブロックPBLK_Uに対応するブロックアドレスBAdを示す情報が記憶される。選択対象のブロックBLK内の部分ブロックPBLK_Uがバッド状態である場合、ノードRDEC2_Uの論理レベルは、“L”レベルとなる。選択対象のブロックBLK内の部分ブロックPBLK_Uがグッド状態である場合、ノードRDEC2_Uの論理レベルは、“H”レベルとなる。
【0309】
4.2 第4実施形態に係る効果
第4実施形態によれば、ブロックデコーダBD_U及びBD_Lはそれぞれ、部分バッドブロックラッチPBBL_U及びPBBL_Lを含まない。メモリデバイス3は、部分バッドブロックラッチPBBL_U及びPBBL_Lに代えて、バッドブロック情報記憶回路の第1部分BB_L及び第2部分BB_Uを備える。バッドブロック情報記憶回路の第1部分BB_L及び第2部分BB_Uは、転送領域XRではなく、周辺回路領域PERIに設けられる。この場合においても、ロウデコーダモジュール15は、同一のブロックBLK内の部分ブロックPBLK_Uと部分ブロックPBLK_Lとを独立に制御することができる。したがって、メモリセルアレイ10の回路面積の増加を抑制し、使用効率を向上させることができる。
【0310】
5. 変形例等
なお、第1実施形態乃至第4実施形態は、上述の例に限らず、種々の変形を適用可能である。
【0311】
上述した第1実施形態乃至第4実施形態では、グッド状態の部分ブロックPBLK及びバッド状態の部分ブロックPBLKを含むブロックBLKがある場合、書込み動作や読出し動作等、ワード線WLに所定の電圧を印加する動作において、当該ブロックBLKのグッド状態の部分ブロックPBLKが選択される場合について説明したが、これに限られない。例えば、グッド状態の部分ブロックPBLK及びバッド状態の部分ブロックPBLKを含むブロックBLKが2個以上ある場合、メモリデバイス3は、異なる2個のブロックBLKの各々のグッド状態の部分ブロックPBLK同士を、1個のブロックBLKとして選択してもよい。これにより、メモリコントローラ2による部分ブロックPBLKの管理負荷を低減することができる。
【0312】
また、上述した第2実施形態では、部分ブロックPBLK_U及びPBLK_Lを独立に制御できるワード線WLの本数及び種類は、全てのブロックBLKで共通している場合について説明したが、これに限られない。例えば、部分ブロックPBLK_U及びPBLK_Lを独立に制御できるワード線WLの本数及び種類は、ブロックBLK毎に異なっていてもよい。より具体的には、例えば、メモリセルアレイ10のうち端部に位置するブロックBLKでは、部分ブロックPBLK_U及びPBLK_Lを独立に制御できるワード線WLの本数が多く設定されてもよい。これにより、製造上の特性ばらつき等に起因して故障が発生しやすいブロックBLKに対しては、より多くのワード線WLを独立に制御することができる。また、比較的故障が発生しにくいブロックBLKに対しては、独立に制御するワード線WLの本数を少なくすることにより、回路の複雑化を抑制することができる。
【0313】
また、上述した第3実施形態では、ロウデコーダセットEOC_RDが2個のブロックBLK_e及びBLK_oを制御するように構成される場合について説明したが、これに限られない。ロウデコーダセットEOC_RDは、3個以上のブロックBLKを制御するように構成されてもよい。この場合、ブロックデコーダセットEOC_BD_U及びEOC_BD_Lの各々は、制御対象となるブロックBLKの数に応じた部分バッドブロックラッチPBBLを含む。すなわち、ロウデコーダセットEOC_RDは、ブロックBLK毎に2個の部分バッドブロックラッチPBBL_U及びPBBL_Lを含む。これにより、各ブロックBLKについて、部分ブロックPBLK_U及びPBLK_Lを独立に制御することができる。
【0314】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことが出来る。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0315】
1…メモリシステム
2…メモリコントローラ
3…メモリデバイス
10…メモリセルアレイ
11…コマンドレジスタ
12…アドレスレジスタ
13…シーケンサ
14…ドライバモジュール
15…ロウデコーダモジュール
16…センスアンプモジュール
100,101,102,103,104,105,106,200,201,202,203,204,205,207,208,300,301…絶縁体層
111,112,113,114,115,118,120,122,211,212,213,214,215,218,221,223,312,314…導電体層
116,117,119,121,123,216,217,219,220,222,224,311,313,315…導電体
206…絶縁体
124,210,225,310…電極
130…コア膜
131…半導体膜
132…積層膜
133…トンネル絶縁膜
134…電荷蓄積膜
135…ブロック絶縁膜
302…半導体基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
図11
図12
図13
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図15
図16
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図20
図21
図22
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図24
図25