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特開2024-179307転倒検知システム及びそのためのプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179307
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】転倒検知システム及びそのためのプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 21/02 20060101AFI20241219BHJP
   A61B 5/11 20060101ALI20241219BHJP
   A61B 5/107 20060101ALI20241219BHJP
   G01S 13/56 20060101ALI20241219BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
G08B21/02
A61B5/11 110
A61B5/107 300
G01S13/56
G08B25/04 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098049
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】593036051
【氏名又は名称】ジーコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000752
【氏名又は名称】弁理士法人朝日特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂上 幹雄
(72)【発明者】
【氏名】新井 俊宏
【テーマコード(参考)】
4C038
5C086
5C087
5J070
【Fターム(参考)】
4C038VA04
4C038VA18
4C038VB01
4C038VC02
4C038VC14
4C038VC20
5C086AA22
5C086AA49
5C086BA07
5C086CA06
5C086CA23
5C086CB27
5C086DA08
5C086FA18
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA10
5C087AA19
5C087BB74
5C087DD03
5C087DD29
5C087DD30
5C087EE18
5C087FF01
5C087FF02
5C087FF04
5C087GG08
5C087GG09
5C087GG66
5C087GG70
5C087GG83
5J070AC02
5J070AE09
5J070AH04
(57)【要約】
【課題】レーダを用いた被見守人の転倒検知における誤検知を低減する手段を提供する。
【解決手段】転倒検知システム1は、空間Rに配置されたレーダユニット12と、アクセスポイント14を介してレーダユニット12との間でデータ通信を行うPC15を備える。レーダユニット12はレーダと振動測定装置を備え、レーダにより空間R内の被見守人Xの3次元位置を継続的に測定するとともに、振動測定装置により空間Rで発生した振動(音等)を継続的に測定する。レーダユニット12は、レーダにより測定した被見守人Xの3次元位置の高さ方向の成分が所定の条件を満たし、かつ、その変化の時期と近い時期に振動測定装置により測定した振動が所定の条件を満たす場合、被見守人Xが転倒したと判定し、転倒検知信号をPC15に送信する。PC15は転倒検知信号を受信すると、見守人Yに通知を行う。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーダの測定結果に基づき空間内における被見守人の高さ方向における位置が位置に関する所定の条件を満たす変化を示したと判定した時期と、振動測定装置の測定結果に基づき前記空間内において振動に関する所定の条件を満たす振動が発生したと判定した時期との時間差が時間差に関する所定の条件を満たす場合、前記被見守人の転倒を通知する
転倒検知システム。
【請求項2】
前記振動に関する所定の条件が満たされ、前記時間差に関する所定の条件が満たされる時期に前記位置に関する所定の条件が満たされない場合、又は、前記位置に関する所定の条件が満たされ、前記時間差に関する所定の条件が満たされる時期に前記振動に関する所定の条件が満たされない場合、前記通知とは異なる態様で通知を行う
請求項1に記載の転倒検知システム。
【請求項3】
前記空間に対する人間の入室及び退室を検知する入退室検知装置の検知結果に基づき前記空間内の人数が前記被見守人の人数より多いと判定した場合、前記被見守人の転倒を検知しない
請求項1に記載の転倒検知システム。
【請求項4】
ユーザの設定に応じて、前記位置に関する所定の条件、前記振動に関する所定の条件、前記時間差に関する所定の条件、及び、前記通知の態様の少なくとも1つを変更する
請求項1に記載の転倒検知システム。
【請求項5】
ユーザの設定に応じて、前記位置に関する所定の条件が満たされるか否かの判定、前記振動に関する所定の条件が満たされるか否かの判定、及び、前記時間差に関する所定の条件が満たされるか否かの判定の順序を変更する
請求項1に記載の転倒検知システム。
【請求項6】
前記振動測定装置は、前記空間内の異なる位置の各々における振動を測定し、
前記振動測定装置の測定結果に基づき特定される前記空間内における振動発生源の位置と、前記レーダの測定結果に基づき特定される前記空間内における前記被見守人の位置が一致しない場合、前記被見守人の転倒を検知しない
請求項1に記載の転倒検知システム。
【請求項7】
説明変数にレーダの測定結果の経時変化を示すデータ又は当該データを用いて生成されたデータと、振動測定装置の測定結果の経時変化を示すデータ又は当該データを用いて生成されたデータとを含み、目的変数に転倒の有無を示すデータを含む機械学習モデルを用いて、前記被見守人が転倒したと判定する
請求項1に記載の転倒検知システム。
【請求項8】
前記説明変数に、前記空間内の異なる位置の各々における振動を測定する前記振動測定装置の測定結果に基づき特定される前記空間内における振動発生源の位置を示すデータを含む
請求項7に記載の転倒検知システム。
【請求項9】
コンピュータに、
レーダの測定結果に基づき空間内における被見守人の高さ方向における位置が位置に関する所定の条件を満たす変化を示したと判定した時期と、振動測定装置の測定結果に基づき前記空間内において振動に関する所定の条件を満たす振動が発生したと判定した時期との時間差が時間差に関する所定の条件を満たす場合、前記被見守人が転倒したと判定する処理
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人の転倒を検知する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
高齢者等の見守りが必要な人(以下、「被見守人」という)を見守るための仕組みの一つとして、被見守人の空間内における位置をレーダにより継続的に測定し、その測定結果に基づき被見守人の転倒を検知し、被見守人の転倒を検知した場合、被見守人を見守る人(以下、「見守人」という)に通知を行う仕組みが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、反射体までの水平距離と掃引角を連続回転測定できるレーダスキャナを床上に設置し、レーダスキャナにより測定された掃引角の距離が最大距離より短くなった場合は反射物を人体と判定し、その距離にtanθを乗じた値の合計値が閾値より大きい場合に、その人体が転倒している、と判断する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第7186327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
音波又は電磁波を用いたレーダを用いて、被見守人の空間内における3次元位置を継続的に測定し、その3次元位置の変化に基づき被見守人の転倒を検知する場合、例えば下方にあるものを操作しようとしてしゃがむ場合など、人の日常の多様な所作によって多くの誤検知が発生しやすい。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑み、レーダを用いた被見守人の転倒検知における誤検知を低減する手段を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、レーダの測定結果に基づき空間内における被見守人の高さ方向における位置が位置に関する所定の条件を満たす変化を示したと判定した時期と、振動測定装置の測定結果に基づき前記空間内において振動に関する所定の条件を満たす振動が発生したと判定した時期との時間差が時間差に関する所定の条件を満たす場合、前記被見守人の転倒を通知する転倒検知システム、及び、当該転倒検知システムのためのプログラムを提案する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、レーダを用いた被見守人の転倒検知における誤検知が低減される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る転倒検知システムの構成を示した図。
図2】本発明の一実施形態に係るレーダユニットが備えるレーダの測定範囲を例示した図。
図3】本発明の一実施形態に係る空間を構成する部屋の間取りと、その部屋におけるナースコールユニット及びレーダユニットの位置を例示した図。
図4】本発明の一実施形態に係るレーダユニットが行う被見守人の転倒を検知する処理を説明するためのグラフ。
図5】本発明の一実施形態に係るPCが、被見守人の転倒が検知されたことを見守人に通知している状態を示した図。
図6】本発明の一実施形態に係るPCが、いずれかの見守人が検知された転倒に対する対応を引き受けたことを見守人に通知している状態を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態]
図1は、本発明の一実施形態に係る転倒検知システム1の構成を示した図である。転倒検知システム1は、n個(nは任意の自然数)の空間である空間R1、空間R2、・・・、空間Rnの各々において、当該空間内における被見守人の転倒を検知し、被見守人の転倒を検知した場合、見守人に通知を行うシステムである。
【0011】
空間R1~空間Rnの各々を区別しない場合、それらを空間Rと総称する。以下の説明においては、例として、空間Rの各々には、1人の被見守人がいるものとする。空間Ri(ただし、iは1~nのいずれかの自然数)にいる被見守人を被見守人Xiとする。被見守人X1~被見守人Xnの各々を区別しない場合、それらを被見守人Xと総称する。
【0012】
空間Riにはレーダユニット12-iが配置されている。レーダユニット12-1~レーダユニット12-nの各々を区別しない場合、それらをレーダユニット12と総称する。
【0013】
レーダユニット12は、測定用の音波又は電磁波を送波し、送波した音波又は電磁波が物体で反射した反射波を受波して、送波した波と反射波から得られる情報に基づき当該物体の3次元位置を測定する装置であるレーダと、振動を測定する装置である振動測定装置と、レーダ及び振動測定装置の測定結果を用いたデータ処理を行うコンピュータと、通知音を発音するためのブザーを備えるユニットである。
【0014】
本実施形態において、レーダユニット12が備えるレーダは、例としてミリ波レーダであるものとするが、それに限られない。例えば、レーダユニット12が備えるレーダが、超音波レーダ等の音波を用いる方式のレーダや、LiDAR(Light Detection And Ranging)等のミリ波以外の電磁波を用いる方式のレーダであってもよい。
【0015】
本実施形態において、レーダユニット12が備える振動測定装置は、例として空気の振動、すなわち音を測定する拾音装置(いわゆるマイク)であるものとするが、それに限られない。例えば、レーダユニット12が備える振動測定装置が、床、壁、天井等の構造物の振動を測定してもよい。
【0016】
レーダユニット12が備えるコンピュータは、プログラムを含む各種データを記憶するメモリと、プログラムに従い各種データ処理を行うプロセッサと、アクセスポイント14(後述)を介してPC15(後述)とデータ通信を行う通信インタフェースを備える。レーダユニット12が備えるコンピュータが行うデータ処理は、後述する転倒検知システム1の動作の説明において併せて説明する。
【0017】
転倒検知システム1は、上述した空間Rの各々に配置されたレーダユニット12に加え、レーダユニット12の各々とPC15との間のデータ通信を中継するアクセスポイント14と、レーダユニット12から送信されてくるデータを管理するとともに当該データに基づき見守人Yに通知等を行うパーソナルコンピュータであるPC15を備える。なお、見守人Yの人数は複数であってもよい。
【0018】
図1において、アクセスポイント14は1つのみ示されているが、転倒検知システム1が備えるアクセスポイント14の数は2以上であってもよい。
【0019】
アクセスポイント14は、レーダユニット12の各々、及び、PC15と、無線によりデータ通信を行う。ただし、アクセスポイント14が、レーダユニット12の各々、及び、PC15の少なくとも一部と、有線によりデータ通信を行ってもよい。
【0020】
PC15は、プログラムを含む各種データを記憶するメモリと、プログラムに従い各種データ処理を行うプロセッサと、アクセスポイント14を介してレーダユニット12とデータ通信を行う通信インタフェースを備える。PC15が行うデータ処理は、後述する転倒検知システム1の動作の説明において併せて説明する。
【0021】
図2は、レーダユニット12が備えるレーダの測定範囲を例示した図である。図2における上下は、実空間における上下を示す。本実施形態においては、例として、レーダユニット12が備えるレーダは、回転軸Bと母線Cの角度が60~70度程度の円錐形状の領域内(すなわち、120~140度程度の範囲内)の物体の3次元位置を測定する。また、本実施形態においては、例として、レーダユニット12は空間Rを構成する部屋の天井の下面に、測定範囲が下側となるように配置されている。なお、レーダユニット12の設置位置、設置方向等の形態はこれに限るものではなく、例えば壁面に取り付けても構わない。
【0022】
図3は、空間Rを構成する部屋の間取りと、その部屋におけるレーダユニット12の位置を例示した図である。なお、図3においては、例として、空間R1~空間R3が示されており、空間R1と空間R3の間取りが同じであり、空間R2の間取りが空間R1(又は空間R3)の間取りと左右対称であるが、これらの間取りは様々に変更されてよく、個々の空間の間取りが互いに異なっていてもよい。
【0023】
図3に示されるように、レーダユニット12は天井の概ね中央に配置されている。図3に破線で示される領域A1~領域A3は、レーダユニット12-1~レーダユニット12-3の測定範囲である。レーダユニット12の測定範囲は、測定対象の空間Rの外側まで及ぶ。そのため、レーダユニット12は、測定対象の空間Rを構成する部屋の間取りを示す地図データを記憶している。
【0024】
本実施形態において、レーダユニット12は空間R内で検知した物体のうち移動する物体(以下、動体)を人間とみなす。
【0025】
また、レーダユニット12は、空間Rに居住等している被見守人Xの人数を記憶しており、地図データに基づき、検知した動体(人間)の空間Rに対する入退室を検知し、空間Rに現在いる人間の数が被見守人Xの人数を超える人数(この場合、2人以上)であるか否かの判定を行う。すなわち、レーダユニット12は、空間R内に被見守人Xの人数の人間を検知している状態で、地図データが示すドアの位置を空間Rの外側から内側へ移動する動体を検知した場合、空間Rに現在いる人間の数が被見守人Xの人数を超えたと判定する。
【0026】
空間R内において見守人Yが被見守人Xの身の回りの世話や掃除をするときには、空間R内における人の動きが激しく、多くの転倒誤検知が発生する可能性が高いため、レーダユニット12は、空間Rに現在いる人間の数が被見守人Xの人数を超えている期間中は、いずれかの見守人Yが空間R内にいるものとみなし、被見守人Xの転倒を検知する処理(後述)を行わない。
【0027】
また、レーダユニット12は、空間Rにいずれの人間も検知しない期間中は、被見守人Xが空間R内にいないので、被見守人Xの転倒を検知する処理(後述)を行わない。
【0028】
このように、空間Rで検知される人間の数及び空間Rに対する人間の入退室の検知結果に基づき、被見守人Xの転倒を検知する処理(後述)の要否を決定することにより、例えば、常時、被見守人Xの転倒を検知する処理(後述)を行う場合と比較し、被見守人Xの転倒の誤検知が低減されている。
【0029】
また、レーダユニット12は、空間R内で検知した動体の水平方向における位置と地図データに基づき、被見守人Xの空間R内における居場所(例えば、トイレ等)を特定する。
【0030】
レーダユニット12は、上述した空間R内の人数の特定処理、及び、空間R内における動体の居場所の特定処理の結果に基づき、被見守人Xの現在のステイタスを継続的に判別している。本実施形態において、レーダユニット12は、被見守人Xのステイタスを、例えば以下のいずれかと判別する。
【0031】
「外出」:空間R内の人数が0人である状態。
「介護中」:空間R内の人数がその空間Rに居住等している被見守人Xの人数より多い状態。
「ベッド」:空間R内における被見守人Xの居場所がベッド中である状態。
「トイレ」:空間R内における被見守人Xの居場所がトイレである状態。
「在室(ベッド、トイレ以外)」:空間R内における被見守人Xの居場所がベッド、トイレ以外である状態。
【0032】
既述のように、被見守人Xのステイタスが「外出」又は「介護中」である期間中は、レーダユニット12は被見守人Xの転倒を検知する処理(後述)を行わない。
【0033】
続いて、レーダユニット12が、被見守人Xの転倒を検知する処理を説明する。図4は、被見守人Xの転倒を検知する処理を説明するためのグラフである。
【0034】
図4の上側のグラフは、空間Rで発生した振動(この場合は音)の大きさの経時変化を例示したグラフである。より具体的には、図4の上側のグラフは、レーダユニット12がマイク(振動測定装置の一例)によって測定した音の振幅を縦軸とし、時間を横軸としたグラフである。
【0035】
図4の下側のグラフは、空間R内にいる被見守人Xの位置の高さの経時変化を例示したグラフである。より具体的には、図4の下側のグラフは、レーダユニット12がレーダによって測定した動体の3次元位置(例えば、物体の表面上の複数の点の各々の3次元位置の平均値で示される物体の重心位置)の高さ方向の成分を縦軸とし、時間を横軸としたグラフである。
【0036】
なお、図4の上側のグラフと下側のグラフの横軸は同じ時間を示す。
【0037】
レーダユニット12は、マイクで拾音した音が以下の条件(以下、「振動条件」という。振動に関する所定の条件の一例。)を満たす時期を振動発生期間Tとして特定する。
(振動条件)振動の振幅が所定の閾値(例えば、-32dB)以上、かつ、全可聴域の振幅に対する所定の周波数帯域(例えば、300Hz以下の周波数帯域)の成分の振幅の比率が所定の閾値(例えば、50%)以上。
【0038】
レーダユニット12は、振動発生期間Tを特定した場合、振動発生期間Tの開始タイミングtから所定時間長(例えば、1秒間)だけ前のタイミングから所定時間長(例えば、3~4秒間)だけ継続する期間Wにおいて、被見守人Xの3次元位置が以下の条件(以下、「位置条件」という。位置に関する所定の条件の一例。)を満たす変化を示すか否かを判定する。
(位置条件)期間Wにおいて、高位置から低位置へと変化(落下)しており、高位置と低位置の落差が所定の閾値(例えば、50cm)以上であり、低位置が床(基準面)から50cm以下であり、かつ、その落差(例えば、50cm)を落下するのに要する時間が所定の閾値(例えば、4秒)以内。
【0039】
そして、レーダユニット12は、上記の位置条件が満たされたと判定した場合、被見守人Xが転倒したと判定(すなわち、被見守人Xの転倒を検知)する。以上が、レーダユニット12が行う、被見守人Xの転倒を検知する処理である。
【0040】
なお、上述した、位置条件が満たされる時期が、振動発生期間Tの開始タイミングtの1秒前から6秒間の期間W内である、という条件は、振動条件が満たされた時期と位置条件が満たされた時期との時間差に関する条件(以下、「時間差条件」という)である。すなわち、レーダユニット12は、所定の振動条件、位置条件、及び、時間差条件が満たされた場合、被見守人Xが転倒したと判定する。
【0041】
転倒検知システム1は、いずれかのレーダユニット12が被見守人Xの転倒を検知した場合、見守人Yに対しその転倒の検知を通知する。以下に、レーダユニット12-4により被見守人X4の転倒が検知された場合を例に、転倒検知システム1が転倒の検知を通知するために行う処理を説明する。
【0042】
まず、レーダユニット12-4は、被見守人X4の転倒を検知すると、転倒検知信号をアクセスポイント13経由でPC15に送信する。この転倒検知信号には、送信元のレーダユニット12-4の識別情報が伴っている。
【0043】
また、レーダユニット12-4は、被見守人X4の転倒を検知すると、ブザーによる通知音の発音を開始する。この通知音は、空間R4の近辺の見守人Yに、被見守人X4の転倒の検知を通知する役割を果たす。
【0044】
PC15は、レーダユニット12-4からの転倒検知信号を受信すると、空間R4において被見守人X4の転倒が検知されたことを見守人Yに通知する。図5は、PC15が、空間R4において被見守人X4の転倒が検知されたことを見守人Yに通知している状態を示した図である。図5に示されるように、PC15は、例えば、画面において空間R4における転倒の検知を表示するとともに、通知音の発音を開始する。
【0045】
PC15の通知に応じて、いずれかの見守人Yが空間R4に向かうと決断した場合、その見守人YはPC15の画面に表示されている「対応する」ボタンに対しタッチ操作等を行う。そのタッチ操作に応じて、PC15は、PC15は図6のような画面を表示するとともに、通知音の発音を停止する。また、PC15は、対応信号をレーダユニット12-4に転送する。レーダユニット12-4は、PC15から対応信号を受信すると、ブザーによる通知音の発音を停止する。
【0046】
なお、PC15には、被見守人X4の転倒が検知されたことと、その転倒の検知に対し見守人Yが対応したことが、それらの時刻とともに、履歴情報として記録される。その後、対応した見守人Yは、対応時に確認した被見守人X4の状態(本当に転倒していたか否か等)、その状態に応じて行った介護の内容等をPC15に入力する。そのように入力された情報は、先に記録された履歴情報に追加される。
【0047】
以上が、被見守人Xの転倒が検知された場合の転倒検知システム1の処理である。
【0048】
上述した転倒検知システム1によれば、レーダにより測定される被見守人Xの3次元位置に加え、マイク等の振動測定装置により測定される空間R内で発生した音等の振動に基づき、被見守人Xが転倒したか否かの判定が行われるため、例えば、レーダにより測定される被見守人Xの3次元位置のみに基づき被見守人Xが転倒したか否かの判定を行う場合や、マイクにより拾音される空間Rで発生した音のみに基づき被見守人Xが転倒したか否かの判定を行う場合と比較し、転倒の誤検知が低減される。
【0049】
[変形例]
上述した転倒検知システム1は本発明の一実施形態であって、技術的思想の範囲内で様々に変形されてよい。以下にそれらの変形の例を示す。
【0050】
(1)上述した実施形態において説明した転倒検知のための条件である振動条件、位置条件、及び、時間差条件は、あくまで一例であって、様々に変更されてよい。
【0051】
例えば、振動測定装置が測定した振動の波形とリファレンスの波形との類似度が所定の閾値以上である、という条件が、振動条件として採用されてもよい。また、上述の振動発生期間Tの長さが所定の範囲内の時間長である、といった条件が、振動条件に加えられてもよい。
【0052】
また、例えば、レーダが測定した被見守人Xの高さ方向における位置の経時変化を示すグラフの形状とリファレンスのグラフの形状との類似度が所定の閾値以上である、という条件が、位置条件として採用されてもよい。
【0053】
また、例えば、位置条件が満たされた時期の中間のタイミングと、振動条件が満たされた時期の中間のタイミングとの時間差が1~3秒の範囲内である、という条件が、時間差条件として採用されてもよい。
【0054】
また、例えば、振幅が振幅に関する所定の閾値を超えた後、最大値から半分の値に達するまでの時間が時間に関する所定の閾値以下又は所定の閾値未満である、という振動条件が採用されてもよい。その場合、振幅に関する所定の閾値として、振動測定装置の平常時の測定結果に基づき特定される振幅の所定数倍の値が用いられてもよい。
【0055】
例えば、レーダユニット12は、マイクにより過去の所定時間長の期間内の平常時に拾音した音の最大振幅を特定する。ここで、平常時とは、数十秒程度の所定の時間長の期間内において、振幅の変化量が所定の閾値以内(又は所定の閾値未満)である時期を意味する。例えば、空間R内で会話が行われている間や、テレビ等が音声を再生している間は、数十秒程度より長い期間、音の振幅がある程度の範囲内で変動する状態が継続する。そのような生活音が発生している期間は、ここでいう平常時である。
【0056】
例えば、レーダユニット12は、平常時に拾音した音の最大振幅の2倍を振幅に関する閾値とし、その閾値を超えた後、振幅が最大値から半分の値に達するまでの時間が0.5秒以内であれば、振動条件が満たされた、と判定してもよい。
【0057】
(2)上述した実施形態において、転倒検知システム1は、空間R内に現在いる人間の数を、レーダの測定結果に基づき特定する。転倒検知システム1が、レーダ以外の入退室検知装置によって空間Rに対する人間の入退室を検知し、その検知結果に基づき空間R内の人数を特定してもよい。
【0058】
レーダ以外の入退室検知装置としては、例えば、ドア付近に設置された光学カメラと、光学カメラが撮影した画像から人間を認識する画像認識装置と、画像認識装置が継続的に認識する人間の移動方向を判定する判定装置を備えるシステムが採用されてもよい。
【0059】
また、ドア付近に動線に沿って配置された複数の人感センサと、それらの人感センサの感知結果に基づき人間の移動方向を判定する判定装置を備えるシステムが、レーダ以外の入退室検知装置として採用されてもよい。また、ドアの鍵や錠にセンサを設け、そのセンサの検知結果に基づき、空間Rに対する人間の入退室が検知されてもよい。その場合、鍵や錠に設けられたセンサが入退室検知装置の役割を果たす。
【0060】
(3)上述した実施形態において、レーダユニット12が行うものとした処理の一部が、レーダユニット12以外の装置により行われてもよい。例えば、空間R内における被見守人Xの転倒の検知のための処理が、PC15、又は、PC15との間で通信ネットワークを介してデータ通信可能なサーバ装置により行われてもよい。
【0061】
また、上述した実施形態において、PC15が行うものとした処理の一部が、PC15以外の装置により行われてもよい。例えば、転倒検知システム1がPC15を備えず、いずれかのレーダユニット12が親機としてPC15の役割を果たしてもよい。また、PC15との間で通信ネットワークを介してデータ通信可能なサーバ装置が、例えば移動体通信網を介して、端末装置16に対する呼出信号、転倒検知信号等の送信や、それらに応じた端末装置16からの対応信号の受信を行ってもよい。
【0062】
(4)転倒が検知された場合に転倒検知システム1が行う通知の態様は、上述した実施形態において例示した態様に限られず、様々に変形されてよい。例えば、PC15が転倒検知信号を受信した場合に、PC15の画面による表示やPC15が備えるスピーカによる発音に加えて、もしくはそれらに代えて、PC15と通信可能な他の端末装置(例えば、見守人Yが携帯するスマートホン等)の表示、発音等によって、見守人Yに対する通知を行ってもよい。また、転倒を検知したレーダユニット12がブザーによる通知音を発音しなくてもよい。
【0063】
また、転倒が検知された場合以外に、転倒検知システム1が被見守人Xの異常を検知し、その異常を見守人Yに通知してもよい。例えば、振動条件が満たされたが、時間差条件を満たす期間内に位置条件が満たされなかった場合に、PC15等が見守人Yに通知を行ってもよい。また、位置条件が満たされたが、時間差条件を満たす期間内に振動条件が満たされなかった場合に、PC15等が見守人Yに通知を行ってもよい。その場合、振動条件と位置条件の両方が満たされ転倒が検知された場合、振動条件のみが満たされた場合、位置条件のみが満たされた場合、の各々に関し、通知の態様が異なることが望ましい。例えば、振動条件と位置条件の両方が満たされた場合には「転倒が検知されました。」という通知が行われ、振動条件のみが満たされた場合には「転倒音が検知されました。」という通知が行われ、位置条件のみが満たされた場合には「転倒動作が検知されました。」という通知が行われることで、見守人Yはそれらの通知に応じた適切な対応を行うことができる。
【0064】
(5)上述した実施形態においては、1つの空間Rに配置されるレーダユニット12は1つであるものとしたが、空間Rが広い場合等において、1つの空間Rに複数のレーダユニット12が配置されてもよい。その場合、転倒の検知等の処理はPC15により行われてもよいし、それら複数のレーダユニット12のうち親機の役割を果たすいずれかのレーダユニット12により行われてもよい。
【0065】
また、1つの空間Rに、複数のレーダと、それらのレーダから測定結果を収集し転倒の検知等の処理を行うコントロールユニットを備えるシステムが、レーダユニット12として配置されてもよい。
【0066】
(6)複数の空間Rの各々に関し、振動条件、位置条件、時間差条件、及び、被見守人Xの転倒を検知した場合の見守人Yに対する通知の態様の少なくとも1つが異なってもよい。
【0067】
例えば、ちょっとした転倒でも大きな怪我を負う危険性が高い被見守人Xと、多少の転倒があっても怪我を負う危険性が低い被見守人Xとでは、転倒に関する警戒度を異ならせることが望ましい。すなわち、前者の被見守人Xに関しては、転倒の誤検知を減らすよりも転倒の非検知(実際は転倒しているが、その転倒を検知し損ねること)を減らすこと、また、転倒が検知された際に見守人Yに最優先で対応を促すように通知することが重要である。一方、後者の被見守人Xに関しては、転倒の非検知を減らすよりも転倒の誤検知を減らすことが重要である。従って、例えば、前者の被見守人Xに関しては、振動条件、位置条件、時間差条件の1以上を、転倒の検知の感度を上げる方向に調整する一方、後者の被見守人Xに関しては、振動条件、位置条件、時間差条件の1以上を、転倒の検知の感度を下げる方向に調整してもよい。また、前者の被見守人Xに関しては、転倒が検知された場合、端末装置16が見守人Yに対し大きな音や振動、「警告!至急対応して下さい。」といった表示で通知する一方、後者の被見守人Xに関しては、小さな音や振動、「注意!対応して下さい。」といった表示で通知してもよい。
【0068】
上述した空間R毎に異なる振動条件、位置条件、時間差条件、又は、通知の態様は、例えば、転倒検知システム1のユーザによりPC15対し設定される。
【0069】
(7)上述した実施形態において、レーダユニット12は、振動条件が満たされたか否かの判定を継続的に行い、振動条件が満たされたと判定した場合に、時間差条件が満たされる期間内に位置条件が満たされたか否かの判定を行うものとしたが、振動条件、位置条件、時間差条件の判定の順序は様々に変更されてよい。例えば、レーダユニット12が、位置条件が満たされたか否かの判定を継続的に行い、位置条件が満たされたと判定した場合に、時間差条件が満たされる期間内に振動条件が満たされたか否かの判定を行ってもよい。
【0070】
また、レーダユニット12が、振動条件が満たされるか否かの判定と、位置条件が満たされるか否かの判定の両方を継続的に行い、振動条件が満たされた時期と、位置条件が満たされた時期のうち、時間差条件を満たす組合せの有無を継続的に行うことで、それら3つの条件が満たされたか否かの判定を行ってもよい。
【0071】
また、振動条件、位置条件、時間差条件の判定の順序が、被見守人Xの属性に応じて変更されてもよい。また、振動条件、位置条件、時間差条件の判定の順序に応じて、それらの条件において用いる閾値等が変更されてもよい。
【0072】
例えば、身体能力が比較的高い被見守人Xは、短時間(1、2秒程度)で大きな音を立てて転倒することが多い。そのような属性の被見守人Xが居住等している空間Rにおいては、レーダユニット12は、振動条件が満たされたか否かの判定を継続的に行い、振動条件が満たされたと判定した場合に、時間差条件が満たされる期間内に位置条件が満たされたか否かの判定を行うことによって、高い精度で転倒を検知できる。また、その場合、振動条件に用いる閾値は比較的大きくてよい。
【0073】
一方、身体能力が比較的低い被見守人Xは、周りのものを手に掴んだりしながら、比較的長い時間(3~10秒程度)をかけて転倒することが多い。そのような場合、あまり大きな音は発生しない。そのような属性の被見守人Xが居住等している空間Rにおいては、レーダユニット12は、位置条件が満たされたか否かの判定を継続的に行い、位置条件が満たされたと判定した場合に、時間差条件が満たされる期間内に振動条件が満たされたか否かの判定を行うことによって、高い精度で転倒を検知できる。また、その場合、振動条件に用いる閾値は比較的小さい方がよい。
【0074】
上述した空間R毎に異なる振動条件、位置条件、時間差条件の判定の順序は、例えば、転倒検知システム1のユーザによりPC15対し設定される。
【0075】
(8)上述した実施形態において、転倒検知システム1は、被見守人Xの状態を「外出」、「介護中」、「ベッド」、「トイレ」、「在室(ベッド、トイレ以外)」のいずれかに判別するものとしたが、これらの状態は例示であって、様々に変更されてよい。
【0076】
(9)転倒検知システム1が備える振動測定装置が、空間R内の異なる位置の各々における振動を測定し、転倒検知システム1が、振動測定装置の測定結果に基づき空間R内における振動発生源の位置を特定し、レーダの測定結果に基づき特定される空間R内における被見守人Xの位置と、振動測定装置の測定結果に基づき特定される空間R内における被見守人Xの位置が一致しない場合、被見守人Xの転倒を検知しない、という構成が採用されてもよい。
【0077】
例えば、レーダユニット12が筐体の異なる位置に配置された2つのマイク(例えば、マイクアレイ)を備え、それらのマイクが音を拾音した場合、それらの音の振幅比や位相差等に基づき、音の発生源の位置を特定する。そして、レーダユニット12は、音が拾音された時期にレーダにより測定した動体の位置と、音の発生源の位置が一致するか否かを判定する。それらの位置が一致しないと判定した場合、レーダユニット12は被見守人Xの転倒の検知を行わない。なお、ここで2つの位置の一致とは、完全な一致に限られず、2つの位置の距離が所定の閾値以下(又は所定の閾値未満)であることを意味する。
【0078】
(10)転倒検知システム1が、機械学習モデルを用いて、被見守人Xの転倒の検知を行ってもよい。その場合、予め、説明変数に、レーダの測定結果の経時変化を示すデータ又は当該データを用いて生成されたデータと、振動測定装置の測定結果の経時変化を示すデータ又は当該データを用いて生成されたデータとを含み、目的変数に、転倒の有無を示すデータを含む教師データを用いて、機械学習モデルが構築される。
【0079】
ここで、レーダの測定結果の経時変化を示すデータを用いて生成されたデータとは、例えば、レーダの測定結果を平均化した値の経時変化を示すデータや、レーダの測定結果の経時変化を平滑化した値を示すデータ等である。また、振動測定装置の測定結果の経時変化を示すデータを用いて生成されたデータとは、例えば、空間R内で発生した振動の周波数特性の経時変化を示すデータや、その振幅の経時変化を平滑化したものを示すデータ等である。
【0080】
そして、レーダユニット12(又はPC15)は、上記のように構築された機械学習モデルを記憶しておき、運用時に、レーダの測定結果の経時変化を示すデータ又は当該データを用いて生成されたデータと、振動測定装置の測定結果の経時変化を示すデータ又は当該データを用いて生成されたデータとを、説明変数として機械学習モデルに入力し、機械学習モデルから出力される目的変数により、被見守人Xの転倒の有無を判定する。
【0081】
なお、説明変数として、レーダの測定結果のうち、例えば、高さ方向の成分のみが用いられてもよいし、3次元位置、すなわち、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向の全ての成分が用いられてもよい。高さ方向の成分に加え、水平方向における成分の経時変化が説明変数として用いられることによって、機械学習モデルが出力する転倒の有無の判定結果(目的変数が示す値)の精度向上が期待される。
【0082】
また、レーダの測定結果の経時変化を示すデータ又は当該データを用いて生成されたデータと、振動測定装置の測定結果の経時変化を示すデータ又は当該データを用いて生成されたデータに加え、変形例(9)で述べた、振動測定装置の測定結果に基づき特定される空間R内における振動発生源の位置を示すデータが、説明変数に含まれてもよい。
【0083】
この変形例において、転倒検知システム1が、運用に伴い蓄積される履歴情報から教師データを生成し、生成した教師データを用いて機械学習モデルの更新を行ってもよい。
【0084】
例えば、PC15は、転倒検知信号の発生タイミングと、その転倒検知信号の発生の要因となったレーダの測定結果及び振動測定装置の測定結果(及び、振動測定装置の測定結果に基づき特定された空間R内における振動発生源の位置)を示すデータと、その転倒検知信号に応じた通知に従い対応した見守人Yにより確認された実際の転倒の有無を示すデータとを、履歴情報として記憶する。そのような履歴情報が所定数以上、記憶されると、PC15は、それらの履歴情報を用いて、転倒検知信号の発生タイミングの時間帯と、その転倒検知信号の発生の要因となったレーダの測定結果及び振動測定装置の測定結果(及び、振動測定装置の測定結果に基づき特定された空間R内における振動発生源の位置)を示すデータとを説明変数とし、その転倒検知信号に応じた通知に従い対応した見守人Yにより確認された実際の転倒の有無を示すデータを目的変数とする教師データを生成する。そして、生成した教師データを用いて、機械学習モデルの更新を行う。
【0085】
なお、PC15との間で通信ネットワークを介してデータ通信可能なサーバ装置が、複数の転倒検知システム1から履歴情報を収集し、それらの履歴情報から生成した教師データを用いて機械学習モデルを更新し、更新した機械学習モデルを複数の転倒検知システム1の各々のPC15に送信してもよい。その場合、個別の転倒検知システム1において機械学習モデルの更新を行う場合と比較し、多くの教師データにより機械学習モデルの更新が行われるので、転倒検知の精度が速やかに向上する。
【0086】
(11)上述した実施形態の説明において示した具体的な数、位置、範囲、装置の構成等は例示であって、様々に変更されてよい。
【0087】
例えば、各空間Rに居住等している被見守人Xの人数は1人に限られず、2人以上のいずれの人数であってもよい。
【0088】
また、空間Rにおけるレーダユニット12の位置は、上述した位置に限られない。例えば、レーダユニット12が壁面上に配置されてもよい。
【0089】
また、レーダユニット12が備えるレーダの測定範囲は、上述した測定範囲に限られない。例えば、レーダの測定範囲は両側128度に限られず、例えば、両側160度等であってもよい。
【0090】
また、PC15が見守人Yに対し表示する画面は、図5図6に例示したものに限られない。例えば、見守人Yが、複数の空間Rの各々における被見守人Xの現在のステイタスを一覧できる画面をPC15が表示してもよい。
【0091】
(12)本発明は、転倒検知システム1に例示される転倒検知システムに加え、転倒検知システム1を構成するレーダユニット12が備えるコンピュータ又はPC15に対し、それらの装置が実行すべきデータ処理を指示するプログラムを提供する。
【符号の説明】
【0092】
1…転倒検知システム、12…レーダユニット、14…アクセスポイント、15…PC、16…端末装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6