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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179314
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】燃料電池システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20160101AFI20241219BHJP
   H01M 8/00 20160101ALI20241219BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20241219BHJP
   H01M 8/10 20160101ALN20241219BHJP
【FI】
H01M8/04 Z
H01M8/00 Z
B60K1/04 Z
H01M8/10 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098060
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】頭川 天洋
【テーマコード(参考)】
3D235
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
3D235AA18
3D235BB23
3D235CC22
5H126BB06
5H127AA06
5H127AB04
5H127AC04
5H127BA02
5H127BA22
5H127BA28
5H127BA33
5H127BA39
5H127BA57
5H127BA59
5H127BB02
5H127BB12
5H127BB26
5H127BB37
5H127CC07
5H127EE02
5H127EE03
5H127EE29
(57)【要約】
【課題】コンプレッサーの振動の伝搬を抑制しつつ、コンプレッサーをより安定した状態で支持する。
【解決手段】燃料電池システムは、燃料電池スタックと、燃料電池スタックに空気を供給するコンプレッサー(エアコンプレッサー14)と、燃料電池スタック、及びコンプレッサー(エアコンプレッサー14)が取り付けられるフレーム40と、を備える。コンプレッサー(エアコンプレッサー14)は、マスブロック56を介してフレーム40に取り付けられており、コンプレッサー(エアコンプレッサー14)の振動の伝搬はマスブロック56により抑制される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池スタックと、
前記燃料電池スタックに空気を供給するコンプレッサーと、
前記燃料電池スタック、及び前記コンプレッサーが取り付けられるフレームと、を備える燃料電池システムであって、
前記コンプレッサーは、マスブロックを介して前記フレームに取り付けられており、
前記コンプレッサーの振動の伝搬は前記マスブロックにより抑制されることを特徴とする燃料電池システム。
【請求項2】
前記マスブロックは、金属製であり、
前記マスブロックの厚さは、前記フレームの厚さよりも厚い請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記コンプレッサーが前記フレームに取り付けられた状態において、
前記マスブロックは、前記コンプレッサーよりも鉛直方向の下方に位置する請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記コンプレッサーは、軸心が水平方向に延びており、
前記軸心を含んで鉛直方向に延びる仮想平面を想定すると、
前記コンプレッサーは、前記仮想平面を挟んで対向する両側に、前記マスブロックに取り付けられる取付部を有する請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項5】
フォークリフトに適用される請求項1~4のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
【請求項6】
前記コンプレッサーは、前記マスブロックに取り付けられる取付部を有し、
前記取付部は、第1取付部材を備え、前記第1取付部材は、前記コンプレッサーと前記マスブロックの間に配置されて前記コンプレッサーを鉛直方向の下方から支持し、
前記コンプレッサーはさらに、前記コンプレッサーを前記フレームに取り付ける第2取付部材を備え、前記第2取付部材は、前記コンプレッサーの水平方向の端部に取り付けられて、前記コンプレッサーを水平方向から支持する、請求項3に記載の燃料電池システム。
【請求項7】
前記フレームは、鉛直方向に延びる第1柱部と、鉛直方向に延びる第1仕切壁と、前記第1柱部及び前記第1仕切壁に接続されて水平方向に延びる中段壁とを有し、前記燃料電池スタック及び前記マスブロックは、前記中段壁上に配置される、請求項1記載の燃料電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、燃料電池と、振動発生部品と、燃料電池と振動発生部品とを接続する接続手段と、を備える燃料電池システムが記載されている。
図7に示すように、上記燃料電池システム70において、振動発生部品である酸化ガス系のコンプレッサー(図示省略)には、燃料電池71に酸化ガスを供給する供給用配管72が接続されている。燃料電池システム70は、供給用配管72と燃料電池71の間に接続手段としてのボールジョイント73と弾性体74とを備えている。ボールジョイント73によって供給用配管72の変位を可能にするとともに、弾性体74によって供給用配管72の振動を減衰させることによって、コンプレッサーから燃料電池71に伝搬する振動を緩和している。また、接続手段を備えることによって、コンプレッサーを車体に固定するための支持構造を不要にすることができるため、コンプレッサーの設置スペースを節減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-147137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の燃料電池システム70では、コンプレッサーは車体に直接取り付けられておらず、接続手段を用いて燃料電池71に取り付けられている。そのため、コンプレッサーの支持に関して安定性の向上に課題を有している。コンプレッサーの振動の伝搬を抑制しつつも、コンプレッサーをより安定した状態で支持することが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する燃料電池システムは、燃料電池スタックと、前記燃料電池スタックに空気を供給するコンプレッサーと、前記燃料電池スタック、及び前記コンプレッサーが取り付けられるフレームと、を備える燃料電池システムであって、前記コンプレッサーは、マスブロックを介して前記フレームに取り付けられており、前記コンプレッサーの振動の伝搬は前記マスブロックにより抑制される。
【0006】
これによれば、燃料電池スタック、及びコンプレッサーはフレームに取り付けられているため、コンプレッサーをより安定した状態で支持することができる。また、コンプレッサーは、マスブロックを介してフレームに取り付けられていることによって、コンプレッサーの振動の伝搬をマスブロックにより抑制することができる。
【0007】
上記の燃料電池システムにおいて、前記マスブロックは、金属製であり、前記マスブロックの厚さは、前記フレームの厚さよりも厚いとよい。
これによれば、マスブロックにおいてコンプレッサーの振動を減衰させやすくなるため、コンプレッサーの振動の伝搬を好適に抑制することができる。
【0008】
上記の燃料電池システムにおいて、前記コンプレッサーが前記フレームに取り付けられた状態において、前記マスブロックは、前記コンプレッサーよりも鉛直方向の下方に位置するとよい。
【0009】
これによれば、コンプレッサーをより安定した状態で支持することができる。
上記の燃料電池システムにおいて、前記コンプレッサーは、軸心が水平方向に延びており、前記軸心を含んで鉛直方向に延びる仮想平面を想定すると、前記コンプレッサーは、前記仮想平面を挟んで対向する両側に、前記マスブロックに取り付けられる取付部を有するとよい。
【0010】
これによれば、コンプレッサーをより安定した状態で支持することができる。
上記の燃料電池システムはフォークリフトに適用されるとよい。
これによれば、マスブロックをフォークリフトのカウンタウェイトとして利用することができる。
【0011】
上記の燃料電池システムにおいて、前記コンプレッサーは、前記マスブロックに取り付けられる取付部を有し、前記取付部は、第1取付部材を備え、前記第1取付部材は、前記コンプレッサーと前記マスブロックの間に配置されて前記コンプレッサーを鉛直方向の下方から支持し、前記コンプレッサーはさらに、前記コンプレッサーを前記フレームに取り付ける第2取付部材を備え、前記第2取付部材は、前記コンプレッサーの水平方向の端部に取り付けられて、前記コンプレッサーを水平方向から支持するとよい。
【0012】
これによれば、鉛直方向の振動に対しても水平方向の振動に対しても、コンプレッサーをより安定して支持しやすくなる。
上記の燃料電池システムにおいて、前記フレームは、鉛直方向に延びる第1柱部と、鉛直方向に延びる第1仕切壁と、前記第1柱部及び前記第1仕切壁に接続されて水平方向に延びる中段壁とを有し、前記燃料電池スタック及び前記マスブロックは、前記中段壁上に配置されるとよい。
【0013】
これによれば、燃料電池スタックを配置する中段壁上の空いたスペースを利用して、マスブロックを配置することができる。そのため、フレームを有効に利用してマスブロックを配置することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の燃料電池システムによれば、コンプレッサーの振動の伝搬を抑制しつつ、コンプレッサーをより安定した状態で支持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】燃料電池システムの斜視図である。
図2】燃料電池システムの構成図である。
図3】コンプレッサーが取り付けられたフレームの斜視図である。
図4】コンプレッサーが取り付けられたフレームの別角度の斜視図である。
図5】コンプレッサーの分解斜視図である。
図6】コンプレッサーの正面図である。
図7】従来技術の燃料電池システムの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、燃料電池システムを具体化した一実施形態を図1図6にしたがって説明する。
燃料電池システム10は、図示しない産業車両に搭載される。
<燃料電池システムの全体構成>
図1~4に示すように、燃料電池システム10は、筐体11、燃料電池スタック12、水素タンク13、燃料電池スタック12に空気を供給するコンプレッサー(以下、エアコンプレッサ14ともいう。)、気液分離器15a、希釈器15b、及び排水タンク16を備える。また、燃料電池システム10は、燃料電池スタック12の出力電圧を変換する電圧変換装置としてのDC/DCコンバータ(以下、コンバータ30ともいう。)、蓄電装置としてのキャパシタ20、熱交換器としてのインタークーラー23、フレーム40、及び制御部を備える。制御部には、ECU24(electronic control unit)、モータドライバ25、コンタクタパネル26等が含まれる。
【0017】
また、燃料電池システム10は、燃料電池スタック12の図示しないアノードと水素タンク13を接続する水素供給路17と、燃料電池スタック12の図示しないカソードとエアコンプレッサ14を接続するエア供給路18と、を備える。エア供給路18にインタークーラー23が取り付けられている。燃料電池システム10は、燃料電池スタック12と気液分離器15aを接続する排出路19a1と、燃料電池スタック12と希釈器15bを接続する排出路19a2と、希釈器15bと排水タンク16を接続する排水路19bと、を備える。
【0018】
また、燃料電池システム10は、外気と熱交換媒体との間で熱交換を行うラジエータともいう熱交換器21と、熱交換器21に向けて送風するラジエータ冷却ファンともいうファン21aと、を備える。さらに、熱交換媒体を燃料電池スタック12と熱交換器21との間で循環させる循環流路22を備える。熱交換媒体としては冷却水が用いられるが、その他の媒体を用いてもよい。
【0019】
<筐体>
図1に示すように、筐体11は、矩形状の底板11aと、矩形状の天板11bと、底板11aの周縁と天板11bの周縁とを繋ぐ筒状の周壁11cと、を有する。底板11aや周壁11cは、少なくとも一部がカウンタウェイトで構成されていてもよい。すなわち、底板11aや周壁11cの少なくとも一部がカウンタウェイトで代用されていてもよい。
【0020】
燃料電池システム10が水平面上に置かれているものとして重力の方向をZ軸で示し、水平面に沿う方向をX軸とY軸で示す。X軸、Y軸、及びZ軸は、互いに直交する。以下の説明では、Z軸と平行な方向を鉛直方向Zともいい、X軸と平行な方向を水平方向Xともいう。また、Y軸と平行な方向を奥行方向Yともいう。したがって、奥行方向Yは、水平方向X及び鉛直方向Zの両方に直交する方向である。なお、奥行方向Yは、水平方向Xと直交する水平方向であると言い換えることができる。
【0021】
また、図1において、紙面に対して鉛直方向Zの上側を上方とし、その反対側を下方とする。紙面に対して水平方向Xの手前側を左方とし、その反対側を右方とする。紙面に対して奥行方向Yの左側を前方とし、その反対側を後方とする。
【0022】
筐体11において、底板11aと天板11bとは鉛直方向Zに対向する。周壁11cは、水平方向Xに対向する一対の側壁である第1側壁11d及び第2側壁11eと、奥行方向Yに対向する一対の側壁である第3側壁11f及び第4側壁11gと、を有する。筐体11の第1側壁11dは、外気を筐体11内に取り込む吸気部としての貫通孔(図示省略)を有する。この貫通孔にフィルター27が配置されている。筐体11の第2側壁11eは、筐体11内の空気を外部に排出する排気部としての貫通孔(図示省略)を有する。この貫通孔に熱交換器21が配置されている。
【0023】
筐体11に、燃料電池スタック12、水素タンク13、エアコンプレッサ14の他、後述する排水タンク16(図3)、コンバータ30(図4)、キャパシタ20、インタークーラー23(図3)、フレーム40、熱交換器21、及びファン21aが収容されている。図1に図示しないが、筐体11に、気液分離器15a、希釈器15b、水素供給路17、エア供給路18、排出路19a1、排出路19a2、排水路19b、水素循環ポンプ28、及び排気排水弁29も収容されている。
【0024】
<フレーム>
図1に示すように、燃料電池システム10は、フレーム40としての第1フレーム41と第2フレーム42とを有する。第1フレーム41と第2フレーム42は、奥行方向Yに並列している。第1フレーム41が奥行方向Yの前方側に位置し、第2フレーム42が奥行方向Yの後方側に位置している。筐体11の内部において、第1フレーム41に、燃料電池スタック12、エアコンプレッサ14、排水タンク16、コンバータ30、インタークーラー23、熱交換器21、及びファン21aが取り付けられている。
【0025】
図4に示すように、コンバータ30は、後述するブラケット60を介して第1フレーム41に取り付けられている。コンバータ30は、スイッチング素子を有するスイッチング部31と、複数のリアクトル32と、放熱部33とを有する。
【0026】
第2フレーム42に、水素タンク13、及びキャパシタ20が取り付けられている。第1フレーム41、及び第2フレーム42は金属製である。第1フレーム41の詳細については後述する。
【0027】
<燃料電池システムの構成部品>
燃料電池スタック12は、図示しない産業車両としてのフォークリフトに搭載される負荷に供給する電力を発電する。燃料電池スタック12は、複数の燃料電池セルをスタック化したものである。燃料電池セルは、固体分子型燃料電池である。燃料電池スタック12は、水素タンク13から水素供給路17を経由して供給される水素と、エアコンプレッサ14からエア供給路18を経由して供給される空気中の酸素とを反応させて直流の電気エネルギーを発生する。燃料電池スタック12では、水素を燃料ガス、空気中の酸素を酸化剤ガスとして発電が行われる。
【0028】
燃料電池システム10は、制御部において、燃料電池スタック12に供給する燃料ガスと酸化剤ガスの量を調整する。燃料電池スタック12において発電された電力は、キャパシタ20に蓄えられる。キャパシタ20の具体例としては、例えばリチウムイオンキャパシタ等が挙げられる。また、燃料電池スタック12は発電に伴って水が生成される。
【0029】
図2に示すように、燃料電池スタック12から排出された余剰水素を含む排気であるアノードオフガスは、排出路19a1を通過した後、気液分離器15aで余剰水素と生成水に分離される。余剰水素は、水素循環ポンプ28により再循環される。燃料電池スタック12から排出された酸素と、燃料電池スタック12の発電に伴って生成された水を含む排気であるカソードオフガスは、排出路19a2を通過して希釈器15bへ排出される。
【0030】
気液分離器15aによって分離された生成水は、一時的に気液分離器15a内に貯留された後、排気排水弁29を開くことにより希釈器15bに排出される。気液分離器15aからの生成水に混じって排出される水素は、燃料電池スタック12からのカソードオフガスで希釈されて燃料電池システム10の外部に排出される。希釈器15b内の生成水は、排水路19bを介して排水タンク16に排出される。排水タンク16は、金属製である。なお、排水タンク16は、鉛直方向Zにおいて、燃料電池スタック12の下方に配置されている(図1図3参照)。
【0031】
循環流路22は、燃料電池スタック12と熱交換器21との間で冷却水を循環させる。循環流路22は、往路22aと、復路22bと、図示しないポンプと、燃料電池スタック12内及び熱交換器21内に取り回された図示しない熱交換流路と、を有する。往路22aは、熱交換器21から燃料電池スタック12に向けて冷却水を流すための流路である。復路22bは、燃料電池スタック12から熱交換器21に向けて冷却水を流すための流路である。図示しないポンプは、循環流路22で冷却水を循環させる。
【0032】
循環流路22を循環しつつ往路22aを通って燃料電池スタック12内の熱交換流路に流れ込んだ冷却水は、燃料電池スタック12で発生した熱を吸収して燃料電池スタック12を冷却する。復路22bを通って熱交換器21内の熱交換流路に流れ込んだ冷却水は、吸気部で取り込まれた外気である空気と熱交換されて冷却される。
【0033】
図1に示すように、熱交換器21は、筐体11の第2側壁11eに配置されている。燃料電池スタック12と熱交換器21は、水平方向Xに並んで配置されている。ファン21aは、水平方向Xにおいて熱交換器21よりも燃料電池スタック12側に配置されている。熱交換器21及びファン21aと、吸気部とは水平方向Xに対向している。
【0034】
燃料電池スタック12の発電時、ファン21aが駆動されることにより、筐体11の外部から吸気部を介して筐体11の内部に外気が取り込まれる。筐体11の内部には、吸気部からファン21aに向かう気流が発生する。筐体11の内部において、吸気部からファン21aに向かう気流が流れる方向を、気流の流れ方向Fとする。熱交換器21及びファン21aと、吸気部とは、水平方向Xに対向しているため、気流の流れ方向Fは、水平方向Xと一致する。筐体11の内部に取り込まれた空気は、熱交換器21を通過して、排気部から筐体11の外部に排出される。その際、燃料電池スタック12から熱交換器21内に流れ込んだ冷却水と、ファン21aから送風された空気との間で熱交換が行われて、冷却水は冷却される。
【0035】
<第1フレーム>
以下では、第1フレーム41が筐体11の内部に収容された状態を基準にして、第1フレーム41を図3図4を示しつつ説明する。
【0036】
(底壁)
図3及び図4に示すように、第1フレーム41は、底壁43を有する。
(第1柱部)
第1フレーム41は、底壁43の左方側の端部で、且つ前方側の端部に、鉛直方向上方延びる第1柱部44を有する。
【0037】
(第1仕切壁)
第1フレーム41は、底壁43の左方側の端部で、且つ奥行方向Yの略中央部に、上方に延びる第1仕切壁45を有する。第1仕切壁45の壁面は、水平方向Xに沿っている。第1仕切壁45の左方側の端部は、第1柱部44の左方側の端部よりも若干右方側に位置する。
【0038】
(第2仕切壁)
第1フレーム41は、底壁43の左方側の端部で、且つ後方側の端部に、上方に延びる第2仕切壁46を有する。第2仕切壁46の壁面は、奥行方向Yに沿っている。第2仕切壁46の左方側の端部は、第1仕切壁45の左方側の端部よりも若干右方側に位置する。第2仕切壁46の前方側の端部は、第1仕切壁45に接続されている。また、第2仕切壁46は、前方側の端部における鉛直方向Zの中央部から、後方側に延びる切欠き46aを有する。第2仕切壁46は、後方側の端部から上方に延びる突出部46bを有する。また、第2仕切壁46は、突出部46bの上方の端部に、水平方向Xに延びる水平部46c(図4参照)を有する。水平部46c上にエアコンプレッサ14の後方側の端部が取り付けられている。
【0039】
(第3仕切壁)
第1フレーム41は、底壁43の水平方向Xにおいて第1仕切壁45と間隔をおいた位置に、上方に延びる第3仕切壁47を有する。第3仕切壁47の壁面は、奥行方向Yに沿っている。
【0040】
(第4仕切壁)
図3図4に示すように、第1フレーム41は、第3仕切壁47の後方側の端部に接する位置に鉛直方向Zの上方に延びる第4仕切壁48を有する。第4仕切壁48の壁面は、水平方向Xに沿っており、第4仕切壁48の左方側の端部が、第3仕切壁47の後方側の端部に接続されている。また、第4仕切壁48は、第1仕切壁45よりも、後方側に位置しており、底壁43の奥行方向Yにおける略中央部に位置している。
【0041】
図3図4に示すように、第4仕切壁48における前方側に面する壁面に、ブラケット60を用いてコンバータ30が取り付けられており、第4仕切壁48における前方側に面する壁面は、コンバータ30が取り付けられる取付面として機能する。取付面は、水平方向Xに沿って延びている、すなわち、排気部を有する第2側壁11eと吸気部を有する第1側壁11dが対向する方向に沿って延びている。
【0042】
(第2柱部)
第1フレーム41は、底壁43の右方側の端部で、且つ前方側の端部に、上方に延びる第2柱部49を有する。
【0043】
(第3柱部)
第1フレーム41は、底壁43の右方側の端部で、且つ後方側の端部に、上方に延びる第3柱部50を有する。
【0044】
(連結壁)
第1フレーム41は、第2柱部49と第3柱部50の上方の端部同士を連結する連結壁51を有する。
【0045】
(中段壁)
第1柱部44、第1仕切壁45、第2仕切壁46(突出部を除く)、第3仕切壁47、及び第4仕切壁48は、上方の端部が同じ高さになっている。第1フレーム41は、これらの上方の端部に接続された中段壁52を有する。中段壁52の壁面は、水平方向Xと奥行方向Yの両方に延びている。中段壁52は、筐体11を上下に区画する。
【0046】
図3及び図4に示すように、中段壁52上にマスブロック56が取り付けられている。また、マスブロック56上に、エアコンプレッサ14の前方側の端部が取り付けられている。
【0047】
(第4柱部)
第1フレーム41は、中段壁52の左方側の端部で、且つ前方側の端部に、上方に延びる第4柱部53を有する。
【0048】
(第5仕切壁)
第1フレーム41は、中段壁52の左方側の端部に、上方に延びる第5仕切壁54を有する。第5仕切壁54の壁面は、奥行方向Yに沿っている。第5仕切壁54の前方の端部は、第4柱部53に接続されている。また、第5仕切壁54は、中段壁52よりも奥行方向Yの後方側に突出しており、この中段壁52よりも後方側に突出した箇所に、上方に延びる切欠き54aを有する。第5仕切壁54の後方の端部は、第2仕切壁46の水平部46c上に接続されている。
【0049】
(第6仕切壁)
第1フレーム41は、第5仕切壁54の後方の端部に、右方に延びる第6仕切壁55を有する。第6仕切壁55の下方の端部は、第2仕切壁46の水平部46cに接続されている。
【0050】
以上の第1フレーム41の各構成要素において、第1仕切壁45~第4仕切壁48、中段壁52、及び連結壁51は、略同じ厚さであることが好ましい。
また、第1フレーム41を構成する底壁43、第1仕切壁45~第4仕切壁48、第1柱部44~第4柱部53、中段壁52、及び連結壁51を組み付ける方法は特に制限されない。例えば溶接によって組み付けられていてもよいし、ネジを用いて締結されていてもよい。接着剤を用いて接合されていてもよい。
【0051】
図3~5に示すように、マスブロック56は金属製であり、直方体の形状を有している。マスブロック56は、所定の質量を有し、振動対象であるエアコンプレッサ14に固設されて振動を抑制するマスダンパとして機能する制振部材である。マスブロック56は中実であり、上面にネジ孔56aを有している。ネジ孔56aは、水平方向Xに沿って一対設けられている。鉛直方向Zに沿うマスブロック56の厚さは、第1フレーム41の厚さ、すなわち中段壁52の厚さよりも厚い。マスブロック56は、中段壁52の上方側の壁面に溶接によって取り付けられている。
【0052】
<第1フレームに対する各構成部品の取り付け態様>
図1に示すように、第1仕切壁45の前方側の壁面に、モータドライバ25が取り付けられている。
【0053】
第2仕切壁46の左方側の壁面に、コンタクタパネル26が取り付けられている。
第5仕切壁54の左方側の壁面に、ECU24が取り付けられている。
図3及び図4に示すように、第4仕切壁48の前方側の壁面に、ブラケット60を介してコンバータ30が取り付けられている。第4仕切壁48の後方側の壁面に、インタークーラー23が取り付けられている。また、底壁43における第4仕切壁48よりも後方側で、第4仕切壁48とは間隔をおいた位置に排水タンク16が取り付けられている。
【0054】
図3及び図4に示すように、中段壁52の上方側の壁面に、マスブロック56と燃料電池スタック12が取り付けられている。また、マスブロック56上にエアコンプレッサ14が取り付けられている。
【0055】
図1に示すように、第2柱部49、第3柱部50、及び連結壁51の右方側に、熱交換器21が取り付けられている。
第1フレーム41に上記の各構成部品を取り付ける方向は特に制限されず、ネジを用いて固定してもよいし、公知の接着剤や溶接によって接合してもよい。
【0056】
<エアコンプレッサの取付機構>
図5に示すように、エアコンプレッサ14は、取付部材(以下、第1取付部材57ともいう。)を用いて、マスブロック56上に取り付けられている。また、エアコンプレッサ14は、取付部材(以下、第2取付部材58ともいう。)を用いて、第2仕切壁46の水平部46c上に取り付けられている。
【0057】
エアコンプレッサ14は、柱状に構成されており、軸方向における前方側の端部に下方に突出した筒状の突出壁14aを有する。突出壁14aは、水平方向Xに沿って一対設けられている。突出壁14aは、内部にネジ孔(図示省略)を有している。
【0058】
図5に示すように、エアコンプレッサ14は、軸方向における後方側の端部に、軸方向に沿って前方側に延びる一対のネジ孔14bを有する。
第1取付部材57は、水平方向に延びる(具体的には、水平方向Xと奥行方向Yの両方向に平行に延びる)矩形板状の本体部57aを有する。本体部57aは、4つの角部にネジ孔57bを有している。また、第1取付部材57は、本体部57aから鉛直方向Zの上方に突出するとともに、本体部57aの一辺に沿うようにネジ孔57bの間を奥行方向Yに延びるリブ57cを有する。リブ57cの内部は、空洞になっている。また、第1取付部材57は、本体部57aのネジ孔57bに取り付けられる一対のネジ57dと、一対のゴムブシュ59と、ゴムブシュ59のネジ部59bに取り付けられるナット59cとを有する。第1取付部材57は、エアコンプレッサ14をマスブロック56に取り付けるために使用される。
【0059】
第2取付部材58は、鉛直方向Zに延びる矩形板状の本体部58aと、本体部58aの下端部から屈曲して後方側に延びるフランジ部58bとを有する。第2取付部材58は、本体部58aに一対のネジ孔58a1を有する。また、第2取付部材58は、フランジ部58bにネジ孔(図示省略)を1つ有する。第2取付部材58は、フランジ部58bのネジ孔に取り付けられる一対のゴムブシュ59と、ゴムブシュ59のネジ部59bに取り付けられるナット59cとを有する。第2取付部材58は、マスブロック56を介さずにエアコンプレッサ14を第1フレーム41(第2仕切壁46)に取り付けるために使用される。
【0060】
エアコンプレッサ14をマスブロック56上に取り付ける際には、まず、マスブロック56の上面における一対のネジ孔56aに、第1取付部材57のゴムブシュ59を取り付ける。ゴムブシュ59は、円筒状のゴム部59aと、ゴム部59aを貫通するネジ部59bとを有する。ネジ部59bの一端側(図5の下方側)がマスブロック56のネジ孔56aに螺合した状態で、ゴムブシュ59はマスブロック56に取り付けられる。また、ネジ部59bの他端側(図5の上方側)が第1取付部材57の本体部57aのネジ孔57bを挿通した状態で、ネジ部59bの他端側にナット59cを取り付けることによって、ゴムブシュ59は第1取付部材57の本体部57aに取り付けられる。これによって、マスブロック56に第1取付部材57が取り付けられる。
【0061】
さらに、第1取付部材57の本体部57aの残りのネジ孔57bにネジ57dを挿通させて、このネジ57dをエアコンプレッサ14の突出壁14aのネジ孔に螺合させることによって、エアコンプレッサ14に第1取付部材57が取り付けられる。
【0062】
これによって、エアコンプレッサ14は、マスブロック56上に取り付けられた状態になる。すなわち、エアコンプレッサ14は、マスブロック56を介して中段壁52に取り付けられた状態になる。第1取付部材57は、エアコンプレッサ14とマスブロック56の間に配置されてエアコンプレッサ14鉛直方向の下方から支持した状態になる。
【0063】
エアコンプレッサ14の一対の突出壁14a、及び、第1取付部材57が、エアコンプレッサ14におけるマスブロック56に取り付けられる取付部として機能する。すなわち、エアコンプレッサ14は、マスブロック56に取り付けられる箇所としての取付部を有しており、この取付部は、一対の突出壁14aと、第1取付部材57とを含んでいる。第1取付部材57は、ゴムブシュ59を有しているため、上記取付部は、ゴムブシュ59も含んでいる。
【0064】
第1取付部材57が、本体部57aから突出するリブ57cを有することによって、本体部57aの剛性が向上する。そのため、第1取付部材57を用いてエアコンプレッサ14をマスブロック56に取り付けると、エアコンプレッサ14をより安定した状態で支持することができる。また、リブ57cが空洞を有することによって、第1取付部材57を軽量化することができる。また、第1取付部材57がゴムブシュ59を有することによって、エアコンプレッサ14の振動をゴムブシュ59でさらに減衰させることができる。
【0065】
図5に示すように、エアコンプレッサ14を第2仕切壁46の水平部46cに取り付ける際には、まず、第2仕切壁46の水平部46cが有するネジ孔46c1に、第2取付部材58のゴムブシュ59を取り付ける。ゴムブシュ59のネジ部59bの一端側がネジ孔46c1を挿通した状態で、ネジ部59bの一端側にナット59cを取り付ける。また、ゴムブシュ59のネジ部59bの他端側が、第2取付部材58のフランジ部58bのネジ孔を挿通した状態で、ネジ部59bの他端側にナット59cを取り付けることによって、ゴムブシュ59は第2取付部材58のフランジ部58bに取り付けられる。これによって、第2仕切壁46の水平部46cに第2取付部材58が取り付けられる。
【0066】
さらに、第2取付部材58の本体部58aのネジ孔58a1にネジ58dを挿通させて、このネジ58dをエアコンプレッサ14の後方側の端部のネジ孔14bに螺合させることによって、エアコンプレッサ14に第2取付部材58が取り付けられる。これによって、エアコンプレッサ14は、第2仕切壁46の水平部46cに取り付けられた状態になる。第2取付部材58は、エアコンプレッサ14を水平方向から支持した状態になる。エアコンプレッサ14の後方側のネジ孔14b、及び、第2取付部材58が、エアコンプレッサ14における第2仕切壁46の水平部46cに取り付けられた取付部として機能する。すなわち、エアコンプレッサ14は、第2仕切壁46の水平部46cに取り付けられる箇所としての取付部を有しており、この取付部は、ネジ孔14bと、第2取付部材58とを含んでいる。第2取付部材58は、ゴムブシュ59を有しているため、上記取付部は、ゴムブシュ59も含んでいる。第2取付部材58がゴムブシュ59を有することによって、エアコンプレッサ14の振動をゴムブシュ59で減衰させることができる。
【0067】
<実施形態の作用>
図4に示すように、エアコンプレッサ14は、マスブロック56を介して中段壁52に取り付けられている。そのため、エアコンプレッサ14の振動をマスブロック56で減衰させることができる。また、エアコンプレッサ14がマスブロック56を介して中段壁52に取り付けられた状態において、マスブロック56は、エアコンプレッサ14よりも鉛直方向Zの下方に位置する。重量が大きいマスブロック56を、エアコンプレッサ14よりも鉛直方向Zの下方に位置させることによって、マスブロック56の重心位置を低くすることができるため、エアコンプレッサ14をより安定した状態で支持することができる。
【0068】
図6に示すように、エアコンプレッサ14は、軸心Cが奥行方向Yに沿う水平方向に延びており、軸心Cを含んで鉛直方向Zに延びる仮想平面Pを想定する。エアコンプレッサ14は、仮想平面Pを挟んで対向する両側に、取付部としての一対の突出壁14aを有する。一対の突出壁14aは、仮想平面Pから等距離に位置する。一対の突出壁14aにおいて、エアコンプレッサ14をバランス良く支持することができるため、エアコンプレッサ14をより安定した状態で支持することができる。
【0069】
図5に示すように、第1取付部材57は、エアコンプレッサ14を鉛直方向の下方から支持しており、第2取付部材58は、エアコンプレッサ14を水平方向から支持している。そのため、鉛直方向の振動に対しても水平方向の振動に対しても、より安定して支持しやすくなる。
【0070】
本実施形態の燃料電池システム10が搭載される産業車両は、特に制限されないが、フォークリフトであることが好ましい。産業車両がフォークリフトであると、フォークリフトのカウンタウェイトの一部をマスブロック56に置き換えることが可能になる。すなわち、マスブロック56をフォークリフトのカウンタウェイトとして利用することができる。
【0071】
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)燃料電池システム10は、燃料電池スタック12と、エアコンプレッサ14と、燃料電池スタック12、及びエアコンプレッサ14が取り付けられる中段壁52と、を備える。エアコンプレッサ14は、マスブロック56を介して中段壁52に取り付けられており、エアコンプレッサ14の振動の伝搬はマスブロック56により抑制される。
【0072】
マスブロック56を介して、エアコンプレッサ14を中段壁52に取り付けることができるため、エアコンプレッサ14をより安定した状態で支持することができる。また、エアコンプレッサ14の振動をマスブロック56で減衰させることができるため、エアコンプレッサ14の振動の伝搬を抑制することができる。エアコンプレッサ14の振動の伝搬を抑制することによって騒音を低減することもできる。
【0073】
(2)マスブロック56は、金属製であり、マスブロック56の厚さは、中段壁52の厚さよりも厚い。
したがって、マスブロック56においてエアコンプレッサ14の振動を減衰させやすくなるため、エアコンプレッサ14の振動の伝搬を好適に抑制することができる。
【0074】
(3)エアコンプレッサ14が中段壁52に取り付けられた状態において、マスブロック56は、エアコンプレッサ14よりも鉛直方向の下方に位置する。
したがって、エアコンプレッサ14をより安定した状態で支持することができる。
【0075】
(4)エアコンプレッサ14は、軸心Cが奥行方向Yに沿う水平方向に延びており、軸心Cを含んで鉛直方向Zに延びる仮想平面Pを想定すると、エアコンプレッサ14は、仮想平面Pを挟んで対向する両側に、取付部としての突出壁14aを有する。
【0076】
したがって、エアコンプレッサ14をより安定した状態で支持することができる。
(5)燃料電池システム10はフォークリフトに搭載されうる。
したがって、マスブロック56をフォークリフトのカウンタウェイトとして利用することができる。
【0077】
(6)第1取付部材57は、エアコンプレッサ14とマスブロック56の間に配置されてエアコンプレッサ14を鉛直方向の下方から支持する。エアコンプレッサ14はさらに、エアコンプレッサ14をマスブロック56を介さずに第1フレーム41の第2仕切壁46の水平部46cに取り付ける第2取付部材58を備える。第2取付部材58は、エアコンプレッサ14の水平方向の端部に取り付けられて、エアコンプレッサ14を水平方向から支持する。
【0078】
したがって、鉛直方向の振動に対しても水平方向の振動に対しても、エアコンプレッサ14をより安定して支持しやすくなる。
(7)第1フレーム41は、鉛直方向に延びる第1柱部44と、鉛直方向に延びる第1仕切壁45と、第1柱部44及び第1仕切壁45に接続されて水平方向に延びる中段壁52とを有し、燃料電池スタック12及びマスブロック56は、中段壁52上に配置される。燃料電池スタック12を配置する中段壁52上の空いたスペースを利用して、マスブロック56を配置することができる。したがって、第1フレーム41を有効に利用してマスブロック56を配置することができる。
【0079】
<変更例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0080】
○本実施形態において、マスブロック56は、中段壁52に直接取り付けられていたが、この態様に限定されない。例えば、中段壁52とマスブロック56の間に金属製の板材が配置されていてもよいし、ゴム板等の弾性体が配置されていてもよい。
【0081】
○マスブロック56は、第1フレーム41における中段壁52以外に取り付けられていてもよい。
○エアコンプレッサ14が中段壁52に取り付けられた状態において、マスブロック56は、鉛直方向においてエアコンプレッサ14に重なる位置であってもよい。すなわち、マスブロック56は、エアコンプレッサ14よりも鉛直方向の下方に取り付けられていなくてもよい。例えば、マスブロック56が中段壁52の下面側に取り付けられており、このマスブロック56の下面側にエアコンプレッサ14が取り付けられていてもよい。この変更例では、マスブロック56は、エアコンプレッサ14よりも鉛直方向の上方に取り付けられた態様になる。
【0082】
○マスブロック56の形状は直方体に限定されない。マスブロック56の形状は立方体であってもよいし、直方体や立方体の角部が面取りされた形状を有してもよい。水平方向の断面が円形状や楕円形状である柱状体であってもよい。
【0083】
○本実施形態において、マスブロック56の厚さは中段壁52の厚さよりも厚く構成されていたが、この態様に限定されない。マスブロック56の厚さは中段壁52の厚さと等しくてもよいし、中段壁52の厚さより薄くてもよい。マスブロック56の厚さが中段壁52の厚さと等しい、もしくは中段壁52の厚さより薄くても、マスブロック56として機能する程度の重量を有する形状であればよい。
【0084】
○本実施形態において、エアコンプレッサ14は、仮想平面Pを挟んで対向する両側の等距離に取付部としての突出壁14aを有していたが、この態様に限定されない。突出壁14aは、仮想平面Pを挟んで対向する両側の異なる距離に位置していてもよい。また、突出壁14aは、1つのみであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0085】
○本実施形態では、エアコンプレッサ14は、第1取付部材57と第2取付部材58を用いてマスブロック56と第2仕切壁46の水平部46cに取付けられていたが、この態様に限定されない。第1取付部材57と第2取付部材58の少なくとも一方が省略されていてもよい。すなわち、エアコンプレッサ14は、直接、マスブロック56に取り付けられていてもよい。同様にエアコンプレッサ14は、直接、第2仕切壁46の水平部46cに取り付けられていてもよい。
【0086】
○エアコンプレッサ14は、マスブロック56のみに取り付けられていてもよい。すなわち、第2取付部材58が省略されており、エアコンプレッサ14が、第1取付部材57を介してマスブロック56のみに取り付けられていてもよい。また、第2仕切壁46の水平部46cにもマスブロック56が配置されており、第1取付部材57と第2取付部材58の両方がマスブロック56に取り付けられていてもよい。さらに、第2仕切壁46の水平部46cにマスブロック56とは別のマスブロックが配置されており、第1取付部材57と第2取付部材58とが、マスブロック56と別のマスブロックとに取り付けられていてもよい。これらの態様においても、エアコンプレッサ14は、第1取付部材57と第2取付部材58を介してマスブロックのみに取り付けられた状態になる。すなわち、エアコンプレッサ14は、マスブロックのみに取り付けられた状態になる。エアコンプレッサ14がマスブロックのみに取り付けられていることによって、より好適に振動の伝搬を抑制することができる。
【0087】
○燃料電池システム10は、熱交換器21が省略されていてもよい。例えば、燃料電池システム10が、産業車両の走行に伴って発生する走行風を筐体11の内部に導入して気流を発生させるものであってもよい。
【0088】
○燃料電池システム10の向きは、本実施形態の向きに限定されない。すなわち、本実施形態の鉛直方向Z、水平方向X、及び奥行方向Yが適宜変更されていてもよい。
【符号の説明】
【0089】
10…燃料電池システム、12…燃料電池スタック、14…コンプレッサー(エアコンプレッサ)、30…コンバータ、33…放熱部、40…フレーム、56…マスブロック。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7