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特開2024-17932反射体、発熱ユニット、加熱調理器及び暖房器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017932
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】反射体、発熱ユニット、加熱調理器及び暖房器
(51)【国際特許分類】
   F24C 15/22 20060101AFI20240201BHJP
   A47J 37/06 20060101ALI20240201BHJP
   F24C 7/00 20060101ALI20240201BHJP
【FI】
F24C15/22 C
A47J37/06 321
F24C15/22 Z
F24C7/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120908
(22)【出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】592044499
【氏名又は名称】株式会社千石
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】大西 祐至
(72)【発明者】
【氏名】片山 幸二
【テーマコード(参考)】
3L087
4B040
【Fターム(参考)】
3L087AA03
3L087AA11
3L087AC09
3L087CB02
3L087DA11
4B040AA08
4B040AD04
4B040CA16
4B040CB17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】被加熱部の一部に熱が偏って付与されることを抑制することができる反射体、発熱ユニット、加熱調理器及び暖房器を提供する。
【解決手段】反射体10は、熱源からの熱を被加熱部に向けて反射する第一反射板11と、前記第一反射板の一部に設けられ、前記熱源における第一部分よりも発熱量の小さい第二部分からの熱を前記被加熱部に向けて反射する第二反射板12a~12dとを備える。好ましくは、前記第一反射板は前記第一部分及び前記第二部分の周囲に配置され、前記第二反射板は前記第二部分の周囲に配置される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱源からの熱を被加熱部に向けて反射する第一反射板と、
前記第一反射板の一部に設けられ、前記熱源における第一部分よりも発熱量の小さい第二部分からの熱を前記被加熱部に向けて反射する第二反射板と
を備える反射体。
【請求項2】
前記第一反射板は前記第一部分及び前記第二部分の周囲に配置され、
前記第二反射板は前記第二部分の周囲に配置される
請求項1に記載の反射体。
【請求項3】
前記第一反射板は半円筒状をなし、
前記熱源は前記第一反射板の内側にて前記第一反射板の軸方向に延び、
前記第二反射板は、前記第一反射板の径方向にて前記第二部分を挟むように、前記第一反射板から延びる
請求項1又は2に記載の反射体。
【請求項4】
前記第一部分は前記熱源の長手方向中央部分に位置し、
前記第二部分は前記熱源の長手方向端部分に位置する
請求項3に記載の反射体。
【請求項5】
前記第一反射板の他部に補強部が設けられる
請求項1又は2に記載の反射体。
【請求項6】
熱源と、
前記熱源からの熱を被加熱部に向けて反射する第一反射板と、
前記第一反射板の一部に設けられ、前記熱源における第一部分よりも発熱量の小さい第二部分からの熱を前記被加熱部に向けて反射する第二反射板と
を備える発熱ユニット。
【請求項7】
請求項1若しくは2に記載の反射体又は請求項6に記載の発熱ユニットを備える
加熱調理器。
【請求項8】
請求項1若しくは2に記載の反射体又は請求項6に記載の発熱ユニットを備える
暖房器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、熱源からの熱を反射する反射体、発熱ユニット、加熱調理器及び暖房器に関する。
【背景技術】
【0002】
熱源からの輻射熱を反射させる反射板が提案されている。反射板は、例えば加熱調理器に使用される。反射板はヒータを囲むように配置され、調理物に向けて熱を反射させる(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6-221576号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
いずれの部分においても、熱が同様に反射されるように反射板は設計されている。一方、熱源は、発する熱量が多い部分と、発する熱量が少ない部分とを備えることがある。そのため、調理物の一部には多量の熱が付与され、調理物の他部には少量の熱が付与されるおそれがある。
【0005】
本開示は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、被加熱部の一部に熱が偏って付与されることを抑制することができる反射体、発熱ユニット、加熱調理器及び暖房器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る反射体は、熱源からの熱を被加熱部に向けて反射する第一反射板と、前記第一反射板の一部に設けられ、前記熱源における第一部分よりも発熱量の小さい第二部分からの熱を前記被加熱部に向けて反射する第二反射板とを備える。
【0007】
本開示の一実施形態にあっては、第二反射板は第一反射板の一部に設けられる。熱源の第二部分、即ち発熱量の小さい部分からの熱は、第一反射板及び第二反射板によって、被加熱部に向けて反射される。熱源における第一部分、即ち発熱量の大きい部分からの熱は第一反射板のみによって、被加熱部に向けて反射される。
【0008】
本開示の一実施形態に係る反射体は、前記第一反射板は前記第一部分及び前記第二部分の周囲に配置され、前記第二反射板は前記第二部分の周囲に配置される。
【0009】
本開示の一実施形態にあっては、第一部分、即ち発熱量の大きい部分からの熱は第一反射板のみによって、被加熱部に向けて反射され、第二部分、即ち発熱量の小さい部分からの熱は、第一反射板及び第二反射板によって、被加熱部に向けて反射される。
【0010】
本開示の一実施形態に係る反射体は、前記第一反射板は半円筒状をなし、前記熱源は前記第一反射板の内側にて前記第一反射板の軸方向に延び、前記第二反射板は、前記第一反射板の径方向にて前記第二部分を挟むように、前記第一反射板から延びる。
【0011】
本開示の一実施形態にあっては、半円筒状をなす第一反射板の内周面によって、第一部分からの熱は反射される。また第一反射板の内周面と、第二反射板とによって、第二部分からの熱は反射される。
【0012】
本開示の一実施形態に係る反射体は、前記第一部分は前記熱源の長手方向中央部分に位置し、前記第二部分は前記熱源の長手方向端部分に位置する。
【0013】
本開示の一実施形態にあっては、熱源の中央部分からの熱は第一反射板によって反射され、熱源の端部分からの熱は第一反射板及び第二反射板によって反射される。端部分の発熱量は中央部分の発熱量よりも小さいので、端部分からの熱が中央部分からの熱よりも多く反射されることによって、被加熱部の一部に熱が偏ることを抑制する。
【0014】
本開示の一実施形態に係る反射体は、前記第一反射板の他部に補強部が設けられる。
【0015】
本開示の一実施形態にあっては、第一反射板の他部、即ち第二反射板が設けられていない部分に補強部を設け、反射体の強度を向上させる。
【0016】
本開示の一実施形態に係る発熱ユニットは、熱源と、前記熱源からの熱を被加熱部に向けて反射する第一反射板と、前記第一反射板の一部に設けられ、前記熱源における第一部分よりも発熱量の小さい第二部分からの熱を前記被加熱部に向けて反射する第二反射板とを備える。
【0017】
本開示の一実施形態にあっては、第二反射板は第一反射板の一部に設けられる。熱源の第二部分、即ち発熱量の小さい部分からの熱は、第一反射板及び第二反射板によって、被加熱部に向けて反射される。熱源における第一部分、即ち発熱量の大きい部分からの熱は第一反射板のみによって、被加熱部に向けて反射される。
【0018】
本開示の一実施形態に係る加熱調理器は、前述の反射体又は発熱ユニットを備える。
【0019】
本開示の一実施形態にあっては、第二反射板は第一反射板の一部に設けられる。熱源の第二部分、即ち発熱量の小さい部分からの熱は、第一反射板及び第二反射板によって、被加熱部に向けて反射される。熱源における第一部分、即ち発熱量の大きい部分からの熱は第一反射板のみによって、被加熱部に向けて反射される。
【0020】
本開示の一実施形態に係る暖房器は、前述の反射体又は発熱ユニットを備える。
【0021】
本開示の一実施形態にあっては、第二反射板は第一反射板の一部に設けられる。熱源の第二部分、即ち発熱量の小さい部分からの熱は、第一反射板及び第二反射板によって、被加熱部に向けて反射される。熱源における第一部分、即ち発熱量の大きい部分からの熱は第一反射板のみによって、被加熱部に向けて反射される。
【発明の効果】
【0022】
本開示の一実施形態に係る反射体、発熱ユニット、加熱調理器又は暖房器にあっては、第二反射板は第一反射板の一部に設けられる。熱源の第二部分、即ち発熱量の小さい部分からの熱は、第一反射板及び第二反射板によって、被加熱部に向けて反射される。熱源における第一部分、即ち発熱量の大きい部分からの熱は第一反射板のみによって、被加熱部に向けて反射される。そのため、被加熱部の一部に熱が偏って付与されることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】加熱調理器の略示斜視図である。
図2】加熱調理器の略示正面図である。
図3】加熱調理器の略示左側面図である。
図4】反射体の略示斜視図である。
図5】反射体の略示正面図である。
図6図5のVI-VI線を切断線とした略示右側面断面図である。
図7図5のVII-VII線を切断線とした略示右側面断面図である。
図8】熱源、コネクタ及び反射体の略示平面図である。
図9】熱源の第二部分から発せられた熱が第一反射板及び第二反射板によって反射される状態を説明する熱源及び反射体の略示右側面説明断面図である。
図10】熱源の第一部分から発せられた熱が第一反射板によって反射される状態を説明する熱源及び反射体の略示右側面説明断面図である。
図11】暖房器の略示斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下本発明を実施の形態に係る加熱調理器1を示す図面に基づいて説明する。以下の説明では、図に示す上下前後左右を適宜使用する。図に示す上下前後左右は理解容易化のためのものであり、方向はこれに限定されない。図1は、加熱調理器1の略示斜視図、図2は、加熱調理器1の略示正面図、図3は、加熱調理器1の略示左側面図である。
【0025】
加熱調理器1は筐体2と、焼き板7とを備える。筐体2は、左右に延びた直方体状をなす。筐体2の上面略全体が開口する。焼き板7は平面視矩形をなし、左右に延びる。筐体2の上面開口に、焼き板7が設けられている。焼き板7は浅いトレイ状をなす。焼き板7の前後方向中央部分は、上側に隆起した隆起部7aを構成する。隆起部7aは、焼き板7の左右幅略全体に亘って形成されている。
【0026】
焼き板7における隆起部7aよりも前側の窪んだ部分に、上下に貫通した複数の貫通孔7bが形成されている。複数の貫通孔7bは左右方向に並ぶ。同様に、焼き板7における隆起部7aよりも後側の窪んだ部分に、上下に貫通した複数の貫通孔7bが形成されている。複数の貫通孔7bは左右方向に並ぶ。各貫通孔7bは、前後に延びたスリット状をなす。
【0027】
筐体2の前面部にダイヤル式の操作部3が設けられている。ユーザは操作部3を操作し、加熱調理器1をオン又はオフにし、また加熱の為の熱量を設定する。筐体2の右面部の下部分に、電源ケーブル(図示略)が接続されるコネクタ4が設けられている。
【0028】
図3に示すように、筐体2の左面部に、水トレイ5を挿脱する為の挿脱口1aが形成されている。挿脱口1aは左側面視にて略等脚台形をなす。挿脱口1aの上底は下底よりも長い。挿脱口1aに水トレイ5が挿入される。水トレイ5は、上面全体が開口した左右に延びた直方体状をなす。水トレイ5の側面断面形状は、挿脱口1aに倣った略台形状をなす。水トレイ5の右面部における上縁の前後方向中央部は、後述する反射体10との干渉を避けるために、窪んでいる(図4参照)。
【0029】
図2及び図3に示すように、水トレイ5の左面部に指掛部6が形成されている。指掛部6は、右向きに窪んだ凹部6aと、該凹部6aの上側に形成され、左方向に突出した凸部6bとを備える。凹部6aは、左側面視にて左右に細長い略等脚台形をなす。凹部6aの上底は下底よりも長い。凸部6bの内側は空洞であり、凹部6aの内部空間に連なる。ユーザは凹部6aの内側に指を入れ、凸部6bの内面に引っ掛けて、水トレイ5を左側に引き出すことができる。ユーザは、引き出した空の水トレイ5に注水し、挿脱口1aから筐体2に収納させることができる。
【0030】
図3に示すように、筐体2の内側に熱源9が収納される。熱源9は、筐体2上部における前後方向中央部に支持されている。熱源9は、隆起部7aの下側であって、水トレイ5の上側に配置される。即ち、上下方向にて、隆起部7aと水トレイ5との間に熱源9は配置される。熱源9は、筒体9aと、該筒体9aに収納されるヒータ9bとを備える。筒体9aは、例えば石英ガラスによって構成された透明な円筒である。ヒータ9bは、例えば細長いグラファイトヒータである。筒体9a及び筒体9aに収納されたヒータ9b、即ち熱源9は左右方向に延び、隆起部7a全体に対向するように、隆起部7a全体の下側に配置される。
【0031】
図3に示すように、筐体2の内側に反射体10が収納される。反射体10は、上下方向において、熱源9と水トレイ5との間に配置される。熱源9及び反射体10は発熱ユニットに含まれる。反射体10は熱源9から発せられた熱を反射する。反射された熱は上側に向かう。上下方向にて、各貫通孔7bと水トレイ5の上面開口との間には物体がない。即ち、各貫通孔7bから落下した物体は、落下を阻止されることなく、水トレイ5の内側に到達する。
【0032】
熱源9から発せられた熱又は反射された熱は、隆起部7aに付与され、更に焼き板7の他の部分に伝導し、焼き板7全体が熱せられる。食品(被加熱部)、例えば肉が焼き板7に置かれた場合、特に貫通孔7bの上側に置かれた場合、肉の脂は貫通孔7bを通過し、水トレイ5に貯留された水に落ちる。脂が落ちるので、ユーザは適度に脂を除去した肉を食べることができる。調理終了後、ユーザは水トレイ5を引き出して、脂を含む水を捨て、水トレイ5を洗浄し、挿脱口1aから筐体2に再度収納させることができる。なお肉は食品の一例であり、ユーザは魚、野菜、果物等の他の食品を調理することができる。魚及び野菜から出た油も同様に、貫通孔7bから水トレイ5に落下する。
【0033】
図4は、反射体10の略示斜視図、図5は、反射体10の略示正面図、図6は、図5のVI-VI線を切断線とした略示右側面断面図、図7は、図5のVII-VII線を切断線とした略示右側面断面図である。反射体10は第一反射板11と、第二反射板12a、12b、12c、12dと、補強板14a、14bとを備える。
【0034】
第一反射板11は、両端部がそれぞれ所定長さの円弧を形成する半円筒状をなす。図7に示すように、第一反射板11の端部の円弧の両端をそれぞれP1、P2とし、前記円弧の曲率中心をKとした場合、∠P1KP2、即ちθは例えば100~150度であり、好ましくは110~140度であり、より好ましくは120~130度である。なおθは100~150度以外の角度でもよい。なお曲率中心Kに代えて、熱源9の中心(後述する筒体9aの中心)を使用した場合、θは例えば、90~140度であり、好ましくは100~130度であり、より好ましくは110~120度である。第一反射板11は軸方向に延びる。本実施の形態において、軸方向が左右方向に対応し、前記円弧の頂点が下側を向くように、第一反射板11は配置される。P1は前記円弧の後端を示し、P2は前記円弧の前端を示す。換言すれば、反射体10におけるP1とP2との間の部分(図6にて矢印が示す範囲)が第一反射板11を構成する。
【0035】
軸方向における第一反射板11の中途部に、径方向に貫通した複数の貫通孔11aが形成される。複数の貫通孔11aは軸方向に並ぶ。各貫通孔11aは前記円弧の頂点付近、即ち第一反射板11の下端部に形成される。各貫通孔11aは上下方向に貫通する。焼き板7の貫通孔7bに付着した脂又は油が加熱中に弾けるか又は使用後に焼き板7を取り除く場合に脂、油又は水分等が落ちること等により、反射体10の内面に脂等が付着することがある。貫通孔11aを設けることによって、反射体10の内面に付着した脂又は油を排出することができる。
軸方向における第一反射板11の両端部それぞれに突部11bが形成される。突部11bは第一反射板11の内周面から径方向に突出する。各突部11bは前記円弧の頂点付近、即ち第一反射板11の下端部から上側に向けて突出する。
【0036】
軸方向における第一反射板11の両端部それぞれに、即ち第一反射板11の左端部及び右端部それぞれに第二反射板12a、12b、12c、12dが形成される。反射体10の左端部は、第一反射板11の左端部と、二つの第二反射板12a、12bを有する。反射体10の右端部は、第一反射板11の右端部と、二つの第二反射板12c、12dを有する。反射体10の左右方向中途部は第一反射板11の左右方向中途部を有し、第二反射板を有さない。
【0037】
図6及び図7に示すように、第一反射板11の左端部において、第一反射板11の前縁部から第二反射板12aが斜め前上方向に突出する。第二反射板12aは左右に長い矩形状をなす。第二反射板12aの一方の長手縁部、即ち第二反射板12aの下縁部が第一反射板11の左端部の前縁部に一体的に連なる。第二反射板12aの他方の長手縁部は第二反射板12aの上縁部を構成する。軸方向外側に配置され、前記長手縁部に略直角な第二反射板12aの縁部、即ち第二反射板12aの左縁部から舌片13aが軸方向外向き、即ち左向きに突出する。軸方向内側に配置され、前記長手縁部に略直角な第二反射板12aの縁部は第二反射板12aの右縁部を構成する。図6に示すように、右側面視又は左側面視において、前記第二反射板12aは前記円弧の前端P2から突出する。
【0038】
図6及び図7に示すように、第一反射板11の左端部において、第一反射板11の後縁部から第二反射板12bが斜め後上方向に突出する。第二反射板12bは左右に長い矩形状をなす。第二反射板12bの一方の長手縁部、即ち第二反射板12bの下縁部が第一反射板11の左端部の後縁部に一体的に連なる。第二反射板12bの他方の長手縁部は第二反射板12bの上縁部を構成する。軸方向外側に配置され、前記長手縁部に略直角な第二反射板12bの縁部、即ち第二反射板12bの左縁部から舌片13bが軸方向外向き、即ち左向きに突出する。舌片13a、13bが、反射体10を支持する支持部材(図示略)に取り付けられ、反射体10は筐体2内に支持される。軸方向内側に配置され、前記長手縁部に略直角な第二反射板12bの縁部は第二反射板12bの右縁部を構成する。図6に示すように、右側面視又は左側面視において、前記第二反射板12bは前記円弧の前端P1から突出する。
【0039】
第一反射板11の右端部において、第一反射板11の前縁部から第二反射板12cが斜め前上方向に突出する。第二反射板12cは左右に長い矩形状をなす。第二反射板12cの一方の長手縁部、即ち第二反射板12cの下縁部が第一反射板11の右端部の前縁部に一体的に連なる。第二反射板12cの他方の長手縁部は第二反射板12cの上縁部を構成する。軸方向外側に配置され、前記長手縁部に略直角な第二反射板12cの縁部、即ち第二反射板12cの右縁部から舌片13cが軸方向外向き、即ち右向きに突出する。軸方向内側に配置され、前記長手縁部に略直角な第二反射板12cの縁部は第二反射板12cの左縁部を構成する。右側面視又は左側面視において、前記第二反射板12cは前記円弧の前端P2から突出する。
【0040】
第一反射板11の右端部において、第一反射板11の後縁部から第二反射板12dが斜め後上方向に突出する。第二反射板12dは左右に長い矩形状をなす。第二反射板12dの一方の長手縁部、即ち第二反射板12dの下縁部が第一反射板11の右端部の後縁部に一体的に連なる。二反射板の他方の長手縁部は第二反射板12dの上縁部を構成する。軸方向外側に配置され、前記長手縁部に略直角な第二反射板12dの縁部、即ち第二反射板12dの右縁部から舌片13dが軸方向外向き、即ち右向きに突出する。軸方向内側に配置され、前記長手縁部に略直角な第二反射板12dの縁部は第二反射板12dの左縁部を構成する。右側面視又は左側面視において、前記第二反射板12dは前記円弧の前端P1から突出する。
【0041】
左右の二つの第二反射板12a、12cの間、及び、左右の二つの第二反射板12b、12dの間には、それぞれ空間が設けられている。換言すれば、第一反射板11の左右方向中途部の前縁部と、左側の第二反射板12aの右縁部と、右側の第二反射板12cの左縁部とによって、正面視又は背面視にて、切欠状の空間が形成される。また第一反射板11の左右方向中途部の後縁部と、左側の第二反射板12bの右縁部と、右側の第二反射板12dの左縁部とによって、正面視又は背面視にて、切欠状の空間が形成される。
【0042】
第一反射板11の前縁部から斜め後下方向に補強板14aが突出する。補強板14aは帯状をなし、左右に延びる。補強板14aの一方の長手縁部、即ち補強板14aの上縁部は第一反射板11の前縁部に一体的に連なる。補強板14aの他方の長手縁部は補強板14aの下縁部を構成する。補強板14aの長手縁部に略直角な縁部、即ち補強板14aの右縁部又は左縁部の寸法は、第二反射板12a~12dの右縁部又は左縁部の寸法と略同じか若干短い。
【0043】
第一反射板11の後縁部から斜め前下方向に補強板14bが突出する。補強板14bは帯状をなし、左右に延びる。補強板14bの一方の長手縁部、即ち補強板14bの上縁部は第一反射板11の前縁部に一体的に連なる。補強板14bの他方の長手縁部は補強板14bの下縁部を構成する。補強板14bの長手縁部に略直角な縁部、即ち補強板14bの右縁部又は左縁部の寸法は、第二反射板12a~12dの右縁部又は左縁部の寸法と略同じか若干短い。補強板14a、14bは補強部の一例であり、補強の形状は板状に限定されない。例えばブロック状の補強部を第一反射板11に設けてもよい。
【0044】
突部11bは、補強板14aと第二反射板12a、12cとの境界、及び、補強板14bと第二反射板12b、12dとの境界に、それぞれ配置される。前記境界において、くびれが形成され、外部応力が集中しやすい。突部11bは、くびれに対する補強部として機能する。
【0045】
図8は、熱源9、コネクタ15及び反射体10の略示平面図である。熱源9は左右に延び、熱源9の左右両端部それぞれにコネクタ15が設けられる。コネクタ15は電源回路(図示略)に接続される。熱源9はコネクタ15を介して電源回路から電力の供給を受け、ヒータ9bが加熱される。ヒータ9bの両端部はヒータ9bの中途部よりも発熱量が小さい。ヒータ9bの中途部は、ヒータ9b全体からヒータ9bの両端部を除いた部分である。熱源9において、前記ヒータ9bの両端部それぞれに対応する部分は第二部分92を構成し、前記ヒータ9bの中途部に対応する部分は第一部分91を構成する。第二部分92の発熱量は第一部分91の発熱量よりも小さい。第一部分91は熱源9の長手方向中央部分に位置し、第二部分92は熱源9の長手方向端部分に位置する。
【0046】
図8に示すように、熱源9は第一反射板11全体の内側にて第一反射板11の軸方向に延びる。熱源9の第一部分91は、左右両端部(第二反射板12a~12dが連なる部分)を除いた第一反射板11の中途部内側にて左右に延びる。第一部分91の左右寸法と、前記左右両端部を除いた第一反射板11の中途部の左右寸法は略同じである。第一部分91の両端部の左右位置と、前記左右両端部を除いた第一反射板11の両端部の左右位置は略同じである。
【0047】
熱源9の左側の第二部分92は、第一反射板11の左端部及び第二反射板12a、12bの内側にて左右に延びる。前記第二部分92の左右寸法は、第二反射板12a、12bの左右寸法よりも長い。前記第二部分92の右端部の左右位置と、第二反射板12a、12bの右端部の左右位置は略同じである。第二部分92の左端部は第二反射板12a、12bの左端部よりも左側に位置し、コネクタ15に接続される。反射体10の左端部において、二つの第二反射板12a、12bは第二部分92を前後に挟むように配置される。
【0048】
熱源9の右側の第二部分92は、第一反射板11の右端部及び第二反射板12c、12dの内側にて左右に延びる。前記第二部分92の左右寸法は、第二反射板12c、12dの左右寸法よりも長い。前記第二部分92の左端部の左右位置と、第二反射板12c、12dの左端部の左右位置は略同じである。第二部分92の右端部は第二反射板12c、12dの右端部よりも右側に位置し、コネクタ15に接続される。反射体10の右端部において、二つの第二反射板12c、12dは第二部分92を前後に挟むように配置される。また第一反射板11は第一部分91及び第二部分92の周囲に配置され、第二反射板12a~12dは第二部分92の周囲に配置される。
【0049】
図9は、熱源9の第二部分92から発せられた熱が第一反射板11及び第二反射板12a~12dによって反射される状態を説明する熱源9及び反射体10の略示右側面説明断面図である。図9の切断位置は図6の切断位置と同じである。図9において、矢印は熱源9から発せられた熱の反射経路を示す。図9に示すように、熱源9及び反射体10の左端部において、熱源9の第二部分92から発せられた熱は第一反射板11の内周面及び第二反射板12a~12dによって反射され、上側に、即ち焼き板7に向かう。同様に、熱源9及び反射体10の右端部において、熱源9の第二部分92から発せられた熱は第一反射板11及び第二反射板12a~12dによって反射され、上側に、即ち焼き板7に向かう。
【0050】
図10は、熱源9の第一部分91から発せられた熱が第一反射板11によって反射される状態を説明する熱源9及び反射体10の略示右側面説明断面図である。図10の切断位置は図7の切断位置と同じである。図10において、矢印は熱源9から発せられた熱の反射経路を示す。図10に示すように、熱源9及び反射体10の左右方向中途部において、熱源9の第一部分91から発せられた熱は第一反射板11によって反射され、上側に、即ち焼き板7に向かう。一方、第一部分91から第一反射板11の上側の空間(前述した切欠状の空間)に発せられた熱は反射されない。そのため、第一部分91から発せられた熱は、第二部分92から発せられた熱に比べて、上側に向けて反射されにくい。
【0051】
前述したように、第二部分92の発熱量は第一部分91の発熱量よりも小さい。そのため、第一部分91から発せられた熱によって加熱された焼き板7の一部、例えば隆起部7aの左右方向中途部の温度と、第二部分92から発せられた熱によって加熱された焼き板7の他部、例えば隆起部7aの左右端部の温度との差分は大きくなりにくい。即ち、被加熱部の一部に熱が偏って付与されることを抑制することができる。
【0052】
実施の形態に係る反射体10、発熱ユニット及び加熱調理器1にあっては、第二反射板12a~12dは第一反射板11の一部に設けられる。熱源9の第二部分92、即ち発熱量の小さい部分からの熱は、第一反射板11及び第二反射板12a~12dによって、被加熱部に向けて反射される。熱源9における第一部分91、即ち発熱量の大きい部分からの熱は第一反射板11のみによって、被加熱部に向けて反射される。そのため、被加熱部の一部に熱が偏って付与されることを抑制することができる。
【0053】
また半円筒状をなす第一反射板11の内周面によって、第一部分91からの熱は反射される。また第一反射板11の内周面と、第二反射板12a~12dとによって、第二部分92からの熱は反射される。そのため、被加熱部の一部に熱が偏って付与されることを抑制することができる。
【0054】
また熱源9の中央部分からの熱は第一反射板11によって反射され、熱源9の端部分からの熱は第一反射板11及び第二反射板12a~12dによって反射される。端部分の発熱量は中央部分の発熱量よりも小さいので、端部分からの熱が中央部分からの熱よりも多く反射されることによって、被加熱部の一部に熱が偏ることを抑制する。
【0055】
また第一反射板11の中途部、即ち第二反射板12a~12dが設けられていない部分に補強板14a,14bを設け、反射体10の強度を向上させることができる。
【0056】
なお実施の形態においては、加熱調理器1に、反射体10及び熱源9を含む発熱ユニットを搭載しているが、暖房器その他の発熱機器に発熱ユニットを搭載してもよい。図11は、暖房器20の略示斜視図である。暖房器20は、左右方向に延び、前側が開口した筐体21を備える。開口には安全柵(図示略)が設けられる。筐体21に反射体10及び熱源9を含む発熱ユニットが収納されている。熱源9及び反射体10は左右方向に延びる。熱源9からの熱は反射体10によって前側に向けて反射される。熱源9の中央部分からの熱は第一反射板11によって反射され、熱源9の端部分からの熱は第一反射板11及び第二反射板12a~12dによって反射される。端部分の発熱量は中央部分の発熱量よりも小さいので、端部分からの熱が中央部分からの熱よりも多く反射されることによって、被加熱部の一部に熱が偏ることを抑制する。筐体21及び開口の寸法は適宜変更可能である。反射体10及び熱源9は上下方向に延びてもよく、発熱ユニットの長手方向は任意に設定できる。また筐体21の開口の向きも任意に設定でき、反射体10によって反射された熱の向きを開口の向きに対応させることができる。暖房器に発熱ユニットを搭載する場合、被加熱部は、例えば人体又は室内空間である。
【0057】
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、特許請求の範囲内での全ての変更及び特許請求の範囲と均等の範囲が含まれることが意図される。各実施形態に記載した事項は相互に組み合わせることが可能である。また、特許請求の範囲に記載した独立請求項及び従属請求項は、引用形式に関わらず全てのあらゆる組み合わせにおいて、相互に組み合わせることが可能である。さらに、特許請求の範囲には他の2以上のクレームを引用するクレームを記載する形式(マルチクレーム形式)を用いているが、これに限るものではない。マルチクレームを少なくとも一つ引用するマルチクレーム(マルチマルチクレーム)を記載する形式を用いて記載してもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 加熱調理器
9 熱源
9a 筒体
9b ヒータ
91 第一部分
92 第二部分
10 反射体
11 第一反射板
12a~12d 第二反射板
14a、14b 補強板(補強部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11