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特開2024-179320車両用シート構成部材及び車両用シート
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179320
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】車両用シート構成部材及び車両用シート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/90 20180101AFI20241219BHJP
   B60N 2/80 20180101ALI20241219BHJP
   B68G 7/05 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
B60N2/90
B60N2/80
B68G7/05 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098067
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】米持 光恭
(72)【発明者】
【氏名】荒井 巧
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087DC05
3B087DE03
3B087DE10
(57)【要約】
【課題】分解が容易な車両用シート構成部材を得る。
【解決手段】ヘッドレスト16は、フレームであるステー18と、ステー18に対して着脱可能に取り付けられた内部構造物20と、内部構造物20の背部を露出させた状態で内部構造物20に被せられたパッド28と、内部構造物20の背部を露出させた状態でパッド28に被せられた表皮30と、表皮30の端末部に係合した状態で内部構造物20の背部を覆った樹脂カバー65と、内部構造物20に対して着脱可能に取り付けられ、樹脂カバー65を着脱可能に内部構造物20に係止したロック部材67と、を備えている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレームと、
前記フレームに対して着脱可能に取り付けられた内部構造物と、
前記内部構造物の一部を露出させた状態で前記内部構造物に被せられたパッドと、
前記一部を露出させた状態で前記パッドに被せられた表皮と、
前記表皮の端末部に係合した状態で前記一部を覆った外装部材と、
前記内部構造物に対して着脱可能に取り付けられ、前記外装部材を着脱可能に前記内部構造物に係止したロック部材と、
を備えた車両用シート構成部材。
【請求項2】
前記ロック部材は、前記内部構造物に対して着脱可能なアンロック位置と前記内部構造物に対して着脱不能なロック位置との間で回転される請求項1に記載の車両用シート構成部材。
【請求項3】
前記ロック部材が前記アンロック位置から前記ロック位置へ回転されることにより、前記外装部材及び前記表皮の端末部が前記内部構造物側へ押し込まれる請求項2に記載の車両用シート構成部材。
【請求項4】
前記ロック部材の表面には、異形形状の凹部が形成されている請求項2又は請求項3に記載の車両用シート構成部材。
【請求項5】
前記内部構造物は、前記フレームが挿入された挿入部を有し、
前記ロック部材は、前記挿入部からの前記フレームの抜け出しを規制する請求項1又は請求項2に記載の車両用シート構成部材。
【請求項6】
前記内部構造物の前記挿入部に対する前記フレームの挿抜方向は、前記パッドにおいて乗員を支持する支持面に入力される荷重方向に対して交差している請求項5に記載の車両用シート構成部材。
【請求項7】
前記内部構造物に取り付けられ、少なくとも一部が前記内部構造物に対して着脱可能とされた紐係止部材を備え、
前記表皮は、
前記パッドに被せられた表皮本体と、
前記表皮本体から延出され、前記少なくとも一部に係止された少なくとも1本の係止紐と、
を有する請求項1又は請求項2に記載の車両用シート構成部材。
【請求項8】
前記少なくとも一部は、前記内部構造物に対して一方向に回転可能とされており、
前記複数の係止紐は、前記少なくとも一部に巻き取られている請求項7に記載の車両用シート構成部材。
【請求項9】
前記内部構造物は、前記複数の係止紐が巻き掛けられた複数の巻掛部を有する請求項8に記載の車両用シート構成部材。
【請求項10】
ヘッドレストである請求項1又は請求項2に記載の車両用シート構成部材。
【請求項11】
アームレストである請求項1又は請求項2に記載の車両用シート構成部材。
【請求項12】
乗員が着座するシートクッションと、
乗員の背部を支持するシートバックと、
前記シートバックの上端部に前記フレームが連結され、乗員の頭部を支持する請求項10に記載のヘッドレストと、
を備えた車両用シート。
【請求項13】
乗員が着座するシートクッションと、
乗員の背部を支持するシートバックと、
前記シートバックに前記フレームが連結され、乗員の腕部を支持する請求項11に記載のアームレストと、
を備えた車両用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に開示されたヘッドレストでは、ステー(フレーム)と表皮がパッドと一体発泡成形されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2023-30907号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の先行技術では、ステーと表皮とパッドを分解することが困難であるため、リサイクル性を高める観点で改善の余地がある。
【0005】
本発明は上記事実を考慮し、分解が容易な車両用シート構成部材及び車両用シートを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様の車両用シート構成部材は、フレームと、前記フレームに対して着脱可能に取り付けられた内部構造物と、前記内部構造物の一部を露出させた状態で前記内部構造物に被せられたパッドと、前記一部を露出させた状態で前記パッドに被せられた表皮と、前記表皮の端末部に係合した状態で前記一部を覆った外装部材と、前記内部構造物に対して着脱可能に取り付けられ、前記外装部材を着脱可能に前記内部構造物に係止したロック部材と、を備えている。
【0007】
第1の態様の車両用シート構成部材では、フレームに対して着脱可能に取り付けられた内部構造物にパッドが被せられており、当該パッドに表皮が被せられている。内部構造物の一部はパッド及び表皮から露出しており、外装部材によって覆われている。外装部材は、表皮の端末部に係合しており、内部構造物に対して着脱可能に取り付けられたロック部材によって内部構造物に対して着脱可能に係止されている。この車両用シート構成部材を分解する際には、内部構造物からロック部材を取り外すことにより、外装部材、表皮、パッド、内部構造物及びフレームに分解することができるため、分解が容易である。
【0008】
第2の態様の車両用シート構成部材は、第1の態様において、前記ロック部材は、前記内部構造物に対して着脱可能なアンロック位置と前記内部構造物に対して着脱不能なロック位置との間で回転される。
【0009】
第2の態様の車両用シート構成部材では、ロック部材をロック位置からアンロック位置へ回転させることにより、前記内部構造物からのロック部材の取り外しが可能となるので、ロック部材の取り外しの操作が容易である。
【0010】
第3の態様の車両用シート構成部材は、第3の態様において、前記ロック部材が前記アンロック位置から前記ロック位置へ回転されることにより、前記外装部材及び前記表皮の端末部が前記内部構造物側へ押し込まれる。
【0011】
第3の態様の車両用シート構成部材では、ロック部材がアンロック位置からロック位置へ回転されることにより、外装部材及び外装部材と係合する表皮の端末部が内部構造物側へ押し込まれる。これにより、外装部材と表皮端末部の浮きによる外観悪化を防止し易くなる。
【0012】
第4の態様の車両用シート構成部材は、第2の態様又は第3の態様において、前記ロック部材の表面には、異形形状の凹部が形成されている。
【0013】
第4の態様の車両用シート構成部材では、例えばロック部材の表面に形成された異形形状の凹部に嵌合可能な異形形状の凸部を有する特殊工具を用いてロック部材が回転される。これにより、車両の乗員によってロック部材が不用意にアンロック位置へ回転されることを防止できる。
【0014】
第5の態様の車両用シート構成部材は、第1の態様~第4の態様の何れか1つの態様において、前記内部構造物は、前記フレームが挿入された挿入部を有し、前記ロック部材は、前記挿入部からの前記フレームの抜け出しを規制する。
【0015】
第5の態様の車両用シート構成部材では、内部構造物が有する挿入部にフレームが挿入され、内部構造物に対して外装部材を係止するためのロック部材によって挿入部からのフレームの抜け出しが規制される。これにより、挿入部からのフレームの抜け出しを規制するための専用の部材が不要になる。
【0016】
第6の態様の車両用シート構成部材は、第5の態様において、前記内部構造物の前記挿入部に対する前記フレームの挿抜方向は、前記パッドにおいて乗員を支持する支持面に入力される荷重方向に対して交差している。
【0017】
第6の態様の車両用シート構成部材では、上記のように構成されているので、乗員からパッドの支持面に入力される荷重によって、内部構造物の挿入部からフレームが不用意に抜け出すことを防止し易くなる。
【0018】
第7の態様の車両用シート構成部材は、第1の態様又は第2の態様において、前記内部構造物に取り付けられ、少なくとも一部が前記内部構造物に対して着脱可能とされた紐係止部材を備え、前記表皮は、前記パッドに被せられた表皮本体と、前記表皮本体から延出され、前記少なくとも一部に係止された少なくとも1本の係止紐と、を有している。
【0019】
第7の態様の車両用シート構成部材では、内部構造物に取り付けられた紐係止部材の少なくとも一部が内部構造物に対して着脱可能とされており、パッドに被せられた表皮本体から延出された少なくとも1本の係止紐が上記少なくとも一部に係止されている。これにより、少なくとも1本の係止紐が紐係止部材を介して内部構造物に係止されている。このシート構成部材を分解する際には、内部構造物から上記少なくとも一部を取り外すことで、内部構造物に対する少なくとも1本の係止紐の係止状態を解除することができる。
【0020】
第8の態様の車両用シート構成部材は、第7の態様において、前記少なくとも一部は、前記内部構造物に対して一方向に回転可能とされており、前記複数の係止紐は、前記少なくとも一部に巻き取られている。
【0021】
第8の態様の車両用シート構成部材では、内部構造物に対して一方向に回転可能とされた紐係止部材の少なくとも一部に複数の係止紐が巻き取られるので、表皮本体のカバーリングのテンションを調整することができる。
【0022】
第9の態様の車両用シート構成部材は、第8の態様において、前記内部構造物は、前記複数の係止紐が巻き掛けられた複数の巻掛部を有する。
【0023】
第9の態様の車両用シート構成部材では、表皮が有する複数の係止紐は、内部構造物に設けられた複数の巻掛部に巻き掛けられると共に、内部構造物に取り付けられた紐係止部材に巻き取られている。上記の巻き掛けにより、複数の係止紐を介した表皮本体の引っ張り方向を最適な方向に設定し易くなる。
【0024】
第10の態様の車両用シート構成部材は、第1の態様~第9の態様の何れか1つの態様において、ヘッドレストである。
【0025】
第10の態様の車両用シート構成部材は、ヘッドレストであるため、ヘッドレストの分解が容易になる。
【0026】
第11の態様の車両用シート構成部材は、第1の態様~第9の態様の何れか1つの態様において、アームレストである。
【0027】
第11の態様の車両用シート構成部材は、アームレストであるため、アームレストの分解が容易になる。
【0028】
第12の態様の車両用シートは、乗員が着座するシートクッションと、乗員の背部を支持するシートバックと、前記シートバックの上端部に前記フレームが連結され、乗員の頭部を支持する第10の態様のヘッドレストと、を備えている。
【0029】
第12の態様の車両用シートでは、シートクッションに着座する乗員の背部がシートバックによって支持され、該乗員の頭部がヘッドレストによって支持される。このヘッドレストは、第10の態様のものであるため、前述した効果が得られる。
【0030】
第13の態様の車両用シートは、乗員が着座するシートクッションと、乗員の背部を支持するシートバックと、前記シートバックに前記フレームが連結され、乗員の腕部を支持する第11の態様のアームレストと、を備えている。
【0031】
第13の態様の車両用シートでは、シートクッションに着座する乗員の背部がシートバックによって支持され、該乗員の腕部がアームレストによって支持される。このアームレストは、第11の態様のものであるため、前述した効果が得られる。
【発明の効果】
【0032】
以上説明したように、本発明に係る車両用シート構成部材及び車両用シートによれば、分解が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】第1実施形態に係る車両用シートを示す斜視図である。
図2】第1実施形態に係るヘッドレストを示す分解斜視図である。
図3】ヘッドレストが備える内部構造物を示す斜視図である。
図4】ヘッドレストが備えるパッドを示す斜視図である。
図5】ヘッドレストが備える表皮を示す斜視図である。
図6】ヘッドレストが備える樹脂カバーを示す斜視図である。
図7】ヘッドレストが備えるロック部材のロック本体を示す斜視図である。
図8】ヘッドレストが備えるロック部材の蓋体を示す斜視図である。
図9】ステー及び内部構造物を示す斜視図である。
図10】ステー及び内部構造物を示す斜視図である。
図11】ロック部材による樹脂カバーの係止について説明するための斜視図である。
図12】ロック部材が内部構造物に対してアンロック位置に位置する状態を示す斜視図である。
図13】ロック部材が内部構造物に対してロック位置に位置する状態を示す斜視図である。
図14】樹脂カバーに設けられた押込部について説明するための斜視図である。
図15】ロック部材に設けられた押込部について説明するための斜視図である。
図16】上記各押込部による樹脂カバーの押込みについて説明するための第1の断面図である。
図17】上記各押込部による樹脂カバーの押込みについて説明するための第2の断面図である。
図18】ロック部材の蓋体に形成された凹部について説明するための斜視図である。
図19】ロック部材の蓋体に形成された凹部の変形例について説明するための斜視図である。
図20】表皮が有する複数の係止紐が、内部構造物に設けられた複数の巻掛部に巻き掛けられた状態を示す背面図である。
図21】第1実施形態に係るヘッドレストが備えるブッシュを示す斜視図である。
図22】ブッシュを示す側面図である。
図23】ブッシュを示す背面図である。
図24】ブッシュが備えるキャップを示す側面図である。
図25】ブッシュが備えるカバーを示す側面図である。
図26】ブッシュが備えるベースを示す側面図である。
図27】同ベースを示す正面図である。
図28】内部構造物におけるブッシュの取付箇所を示す斜視図である。
図29】ステーの変形例を示す斜視図である。
図30】樹脂カバーの変形例を示す斜視図である。
図31】第2実施形態に係る車両用シートを示す斜視図である。
図32】第2実施形態に係るアームレストを示す分解斜視図である。
図33】内部構造物に対する表皮の係止方法の変形例について説明するための図20に対応した背面図である。
図34図33のA-A線に沿った切断面を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
<第1の実施形態>
以下、図1図28を参照して本発明の第1実施形態に係る車両用シート10について説明する。なお、各図中においては、図面を見易くする関係から一部の符号を省略している場合がある。また、各図中に適宜記載された矢印FR、LH及びUPは、車両用シート10の前方、左方及び上方をそれぞれ示している。
【0035】
図1に示されるように、本実施形態に係る車両用シート10は、乗員が着座するシートクッション12と、乗員の背部を支持するシートバック14と、乗員の頭部を支持するヘッドレスト16とを備えている。この車両用シート10は、例えば車両のフロントシートである。ヘッドレスト16は、本発明における「車両用シート構成部材」に相当する。このヘッドレスト16の前後左右上下の方向は、車両用シート10の前後左右上下の方向と一致している。以下、単に前後左右上下の方向を用いて説明する場合、ヘッドレスト16に対する方向を示すものとする。
【0036】
図2に示されるように、ヘッドレスト16は、フレーム(骨格部材)であるステー18と、ステー18に対して着脱可能に取り付けられた内部構造物20と、内部構造物20の一部である背部21を露出させた状態で内部構造物20に被せられたパッド28と、背部21を露出させた状態でパッド28に表皮本体32が被せられた表皮30と、表皮30が有する複数の係止紐34(図20参照)が係止されたブッシュ36と、表皮本体32の端末部32A(図20参照)に係合した状態で背部21を覆った樹脂カバー65と、内部構造物20に対して着脱可能に取り付けられ、樹脂カバー65を着脱可能に内部構造物20に係止したロック部材67と、を備えている。ブッシュ36は、本発明における「紐係止部材」に相当し、樹脂カバー65は、本発明における「外装部材」に相当する。なお、図20ではブッシュ36を概略的に図示している。
【0037】
ステー18は、例えば金属製のパイプ材が曲げ加工されて製造されたものであり、前後方向視で略逆U字状をなしている。図2及び図3に示されるように、内部構造物20は、例えば樹脂の射出成形によって製造されたものであり、前後方向視で略台形状をなし且つ後方側に開口した略皿状をなしている。この内部構造物20には、ステー18の上部が下方側から挿入される挿入部22が形成されている。この挿入部22は、内部構造物20の下壁部20Lに形成され、ステー18が下方側から挿入される挿入孔24と、内部構造物20の上下方向中間部に形成され、内部構造物20の縦壁部20Vとの間でステー18を挟持する複数の挟持片26とによって構成されている。
【0038】
図2及び図4に示されるように、パッド28は、例えばウレタンフォーム等の発泡体によって構成されており、前後方向視で略台形状をなし且つ後方側に開口した略皿状をなしている。このパッド28は、内部構造物20に対して前方側から被せられており、パッド28の内側に内部構造物20が嵌合している。内部構造物20の背部21は、パッド28から後方側へ露出している。このパッド28の前面は、乗員の頭部を支持する支持面である。このパッド28の前面に入力される荷重方向は略前後方向であり、内部構造物20の挿入部22に対するステー18の挿抜方向(ここでは略上下方向)に対して交差している。
【0039】
図2及び図5に示されるように、表皮30は、表皮本体32と複数の係止紐34(図21以外では図示省略)とによって構成されている。表皮本体32は、例えば布材、皮革、合成皮革等からなる複数枚の表皮片が縫製されて製造されたものであり、後方側に開口した袋状に形成されている。この表皮本体32は、パッド28に対して前方側から被せられている。内部構造物20の背部21は、表皮本体32から後方側へ露出している。図20に示されるように、複数(ここでは2本)の係止紐34は、表皮本体32の開口の端末部32Aから延出されている。
【0040】
図2に示されるように、ブッシュ36は、例えば樹脂の射出成形によって製造されたものであり、円柱状をなしている。このブッシュ36は、内部構造物20の背部21に取り付けられている。このブッシュ36には、表皮30が有する複数の係止紐34の先端部が係止されている。このブッシュ36については後で詳述する。
【0041】
図2及び図6に示されるように、樹脂カバー65は、例えば樹脂の射出成形によって製造されたものであり、前後方向視で略台形状をなし且つ前後方向を板厚方向とする略板状をなしている。この樹脂カバー65は、表皮30及びパッド28の開口を塞ぐ状態で配置されており、ヘッドレスト16の背面(意匠面)を形成している。この樹脂カバー65によって内部構造物20の背部21が後方側から覆われている。この樹脂カバー65の外周部は、表皮本体32の開口の端末部32Aに係合(後方側から接触)している。
【0042】
図2図7及び図8に示されるように、ロック部材67は、ロック本体68と、蓋体70とによって構成されている。ロック本体68及び蓋体70は、例えば樹脂の射出成形によって製造されたものである。ロック本体68は、段付き円柱状の軸部68Aと、軸部68Aの軸線方向一端部に設けられたフランジ状のフランジ部68Bと、軸部68Aの軸線方向他端部から軸部68Aの径方向両側へ突出した一対の凸部68Cとを有している。蓋体70は、円板状に形成されており、爪嵌合等の手段でフランジ部68Bに固定されている。蓋体70の表面(ロック本体68とは反対側の面)には、異形形状の凹部72が形成されている。この凹部72は、一例として日本語の片仮名の形状をなしている。
【0043】
図3及び図6に示されるように、ロック部材67に対応して内部構造物20の縦壁部20V及び樹脂カバー65には、それぞれ鍵穴状の係止孔23、66が形成されている。各係止孔23、66を各係止孔23、66の軸線方向から見た形状は、ロック本体68の軸部68A及び一対の凸部68Cを軸部68Aの軸線方向から見た形状と同様に設定されており、各係止孔23、66には、軸部68A及び一対の凸部68Cを挿入可能とされている。
【0044】
上記構成のヘッドレスト16が製造される際には、先ず図9及び図10に示されるように、内部構造物20の挿入部22に下方側からステー18が挿入され、内部構造物20がステー18に取り付けられる(図2の矢印P1参照)。次いで、内部構造物20に対して前方側からパッド28が被せられる(図2の矢印P2参照)。次いで、パッド28に対して表皮30が前方側から被せられる(図2の矢印P3参照)。次いで、内部構造物20にブッシュ36が取り付けられ、表皮30の複数の係止紐34がブッシュ36に係止される(図2の矢印P4参照)。次いで、樹脂カバー65が、表皮30及びパッド28の開口を塞ぐ状態で配置される(図2の矢印P5及び図11参照)。次いで、ロック部材67のロック本体68が樹脂カバー65及び内部構造物20の係止孔23、66に挿入される(図2及び図11の矢印P6参照)。
【0045】
上記の挿入により、ロック本体68の一対の凸部68Cは、内部構造物20の縦壁部20Vよりも前方側に配置される。その状態でロック本体68が図12に示されるアンロック位置からロック位置へと回転されると、内部構造物20の係止孔23からのロック本体68の抜け出しが規制され、ロック本体68が内部構造物20に対して着脱不能となる。次いで、ロック本体68に蓋体70が取り付けられる(図2の矢印P7参照)。これにより、ヘッドレスト16が完成する。上記のロック本体68がアンロック位置に位置する状態では、一方の凸部68Cがステー18の上端部に対して下方側から係合(接触又は近接して対向)することにより、内部構造物20の挿入部22からのステー18の抜け出しが規制される。このロック本体68が上記のロック位置からアンロック位置へと回転されると、ロック本体68が内部構造物20に対して着脱可能となる。
【0046】
図14に示されるように、樹脂カバー65の係止孔66の縁部には、一対の傾斜面66A及び一対の回止溝66Bが形成されている。図15に示されるように、ロック本体68のフランジ部68Bには、一対の傾斜面68B1及び一対の回止突条68B2が形成されている。図16に矢印Rで示されるように、ロック本体68がアンロック位置からロック位置側へ回転されると、一対の傾斜面68B1が一対の傾斜面66Aと摺接する。これにより、図17に矢印Cで示されるように、樹脂カバー65が前方側すなわち内部構造物20側へ押し込まれる。これにより、樹脂カバー65の外周部が係合した表皮30の端末部32Aが内部構造物20側へ押し込まれる。そして、ロック本体68がロック位置まで回転されると、一対の回止突条68B2が一対の回止溝66Bに嵌合し、ロック本体68がロック位置に保持される。
【0047】
図18に示されるように、ロック本体68に取り付けられる蓋体70の表面は、ヘッドレスト16の背面に配置される。この蓋体70の表面に形成された異形形状の凹部72は、前述したように日本語の片仮名の形状をなしている。ヘッドレスト16が分解(解体)される際には、特殊工具に形成された上記同様の異形形状の凸部が上記の凹部72に嵌合され、当該特殊工具を用いてロック部材67がロック位置からアンロック位置へと回転される。なお、蓋体70に形成される凹部72の形状は、適宜変更することができる。例えば図19に示されるように、凹部72をアルファベットの形状にしてもよい。
【0048】
図3及び図20に示されるように、内部構造物20は、表皮30の2本の係止紐34が巻き掛けられる複数(ここでは4つ)の巻掛部25を有している。4つの巻掛部25は、前後方向を軸線方向とする円柱状をなしており、内部構造物20の縦壁部20Vから後方側へ突出している。4つの巻掛部25は、内部構造物20の左上側、左下側、右上側及び右下側に配置されている。
【0049】
図20に示されるように、表皮30の左側に設けられた一方の係止紐34は、表皮本体32の上端末部32A1、左端末部32A3及び下端末部32A2に取り付けられており、上端末部32A1と左端末部32A3との間に位置する部位が、左上側の巻掛部25に対して右側から巻き掛けられており、左端末部32A3と下端末部32A2との間に位置する部位が、左下側の巻掛部25に対して右側から巻き掛けられている。また、表皮30の右側に設けられた他方の係止紐34は、表皮本体32の上端末部32A1、右端末部32A4及び下端末部32A2に取り付けられており、上端末部32A1と右端末部32A4との間に位置する部位が、右上側の巻掛部25に対して左側から巻き掛けられており、右端末部32A4と下端末部32A2との間に位置する部位が、右下側の巻掛部25に対して左側から巻き掛けられている。そして、各係止紐34の先端部がブッシュ36に係止されている。
【0050】
図21図23に示されるように、ブッシュ36は、一例として、キャップ38とカバー40とベース42とが組み合わされて構成されている。キャップ38、カバー40及びベース42は、例えば樹脂の射出成形によって製造されたものである。
【0051】
図24に示されるように、キャップ38は、複数段の段付きの略円柱状をなしている。図25に示されるように、カバー40は、二段の段付きの略円筒状をなしている。キャップ38は、カバー40の軸線方向一端側からカバー40の内側に同軸的に挿入されている。そして、カバー40に設けられた複数の弾性変形可能な係止爪44が、キャップ38に形成された複数の係止孔46に挿入されて各係止孔46の縁部に引っ掛かっている。これにより、キャップ38がカバー40に係止されている。カバー40には、複数の係止紐34の先端部が挿入される複数の係止溝48が形成されている。各係止溝48に挿入された各係止紐34の先端部は、キャップ38とカバー40との間に挟まれることで、キャップ38及びカバー40に係止される。
【0052】
図26及び図27に示されるように、ベース42は、略円板状をなしており、キャップ38の軸線方向他端側からカバー40の内側に同軸的に挿入されている。そして、ベース42に設けられた複数の弾性変形可能な係止爪50が、カバー40に形成された複数の係止孔(図示省略)に挿入されて各係止孔の縁部に引っ掛かっている。これにより、カバー40がベース42に係止されている。
【0053】
ベース42は、カバー40とは反対側へ突出した複数の弾性変形可能な係止爪52及び複数の回止突起54を有している。複数の係止爪52は、内部構造物20に形成された係止孔56(図28参照)に挿入されて係止孔56の縁部に引っ掛かっている。複数の係止爪52の間には、キャップ38の先端部38Aが配置され、各係止爪52の弾性変形が規制される。これにより、ベース42が内部構造物20に係止されている。複数の回止突起54は、内部構造物20に形成された複数の回止孔58に挿入されている。これにより、ベース42が内部構造物20に対して回り止めされている。
【0054】
カバー40の外周部には、弾性変形可能なラチェット爪62が形成されており、ベース42の外周部には、ラチェット爪62に係合するラチェット歯64が形成されている。これらのラチェット爪62及びラチェット歯64によってラチェット機構60が構成されている。このラチェット機構60では、ベース42回りの一方向へのカバー40及びキャップ38の回転が許容されるが、ベース42回りの他方向へのカバー40及びキャップ38の回転が規制されるように構成されている。そして、ベース42回りの一方向へのカバー40及びキャップ38の回転により、複数の係止紐34がカバー40の外周部に巻き取られるように構成されている。
【0055】
このように、本実施形態では、ブッシュ36の一部であるキャップ38及びカバー40と、ブッシュ36の別の一部であるベース42とがブッシュ36の回転軸線方向に組み合わされてブッシュ36が構成されている。そして、キャップ38及びカバー40が内部構造物20に対して一方向に回転可能とされており、複数の係止紐34がカバー40に巻き取られる構成になっている。ヘッドレスト16が解体される際には、カバー40に対するキャップ38の係止が解除され、カバー40からキャップ38が取り外される。これにより、カバー40及びキャップ38に対する複数の係止紐34の係止が解除される。
【0056】
上記構成の車両用シート10では、シートクッション12に着座する乗員の背部がシートバック14によって支持され、該乗員の頭部がヘッドレスト16によって支持される。このヘッドレスト16では、ステー18に対して着脱可能に取り付けられた内部構造物20にパッド28が被せられており、当該パッド28に表皮30が被せられている。内部構造物20の背部21はパッド28及び表皮30から露出しており、樹脂カバー65によって覆われている。樹脂カバー65は、表皮30の端末部32Aに係合しており、内部構造物20に対して着脱可能に取り付けられたロック部材67によって内部構造物20に対して着脱可能に係止されている。このヘッドレスト16を解体する際には、内部構造物20からロック部材67を取り外すことにより、樹脂カバー65、表皮30、パッド28、内部構造物20及びステー18に分解することができるため、分解が容易である。
【0057】
また、上記のロック部材67は、内部構造物20に対して着脱可能なアンロック位置と、内部構造物20に対して着脱不能なロック位置との間で回転される。ヘッドレスト16を解体する際には、ロック部材67をロック位置からアンロック位置へ回転させることにより、内部構造物20からのロック部材67の取り外しが可能となるので、ロック部材67の取り外しの操作が容易である。
【0058】
また、このヘッドレスト16では、ロック部材67がアンロック位置からロック位置へ回転されることにより、樹脂カバー65及び樹脂カバー65と係合する表皮30の端末部32Aが内部構造物20側へ押し込まれる。これにより、樹脂カバー65と表皮端末部32Aの浮きによる外観悪化を防止し易くなる。
【0059】
また、このヘッドレスト16では、ロック部材67の蓋体70の表面には、異形形状の凹部72が形成されており、ロック部材67が回転される際には、凹部72に嵌合可能な異形形状の凸部を有する特殊工具が用いられる。これにより、車両の乗員によってロック部材67が不用意にアンロック位置へと回転されることを防止できる。つまり、蓋体70の表面に凸部が形成されている場合、車両の乗員が凸部に指をかけてロック部材70を回転することで、ヘッドレスト16が解体されてしまう虞があるが、本実施形態ではこれを防止できる。
【0060】
また、このヘッドレスト16では、内部構造物20が有する挿入部22にステー18が挿入され、内部構造物20に対して樹脂カバー65を係止するためのロック部材67によって挿入部22からのステー18の抜け出しが規制される。これにより、挿入部22からのステー18の抜け出しを規制するための専用の部材が不要になる。
【0061】
また、このヘッドレスト16では、内部構造物20の挿入部22に対するステー18の挿抜方向は、パッド28において乗員を支持する前面(支持面)に入力される荷重方向に対して交差している。これにより、乗員からパッド28の前面に加わる荷重によって、ステー18が挿入部22から不用意に抜け出すことを防止し易くなる。
【0062】
また、このヘッドレスト16では、内部構造物20に取り付けられたブッシュ36のキャップ38が内部構造物20に対して着脱可能とされており、パッド28に被せられた表皮本体32から延出された複数の係止紐34がブッシュ36のキャップ38及びカバー40に係止されている。これにより、複数の係止紐34がブッシュ36を介して内部構造物20に係止されている。このヘッドレスト16を解体する際には、カバー40からキャップ38を取り外すことで、内部構造物20に対する複数の係止紐34の係止状態を同時に解除することができる。
【0063】
また、このヘッドレスト16では、ブッシュ36のキャップ38及びカバー40は、内部構造物20に対して一方向に回転可能とされており、複数の係止紐34は、カバー40の外周部に巻き取られる。この巻き取りによって、表皮本体32のカバーリングのテンションを調整することができる。
【0064】
また、このヘッドレスト16では、表皮30が有する複数の係止紐34は、内部構造物20に設けられた複数の巻掛部25に巻き掛けられると共に、内部構造物20に取り付けられたブッシュ36に巻き取られている。上記の巻き掛けにより、複数の係止紐34を介した表皮本体32の引っ張り方向を最適な方向に設定し易くなる。
【0065】
なお、上記第1実施形態では、ロック部材67及びブッシュ36がヘッドレスト16の背面側に設けられた構成にしたが、これに限るものではない。例えばロック部材67及びブッシュ36がヘッドレスト16の下面側に設けられた構成にしてもよい。その場合、例えばステー18には、内部構造物20の挿入部22からの抜け防止のためのブラケット74(図29参照)を設定する。このブラケット74の代わりにワイヤ等を設定してもよい。また、例えばロック部材67をヘッドレスト16の下面側に設ける一方、ブッシュ36をヘッドレスト16の背面側に設けてもよい。その場合、例えば図30に示されるように、樹脂カバー65を側面視でL字形状に構成してもよい。
【0066】
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と基本的に同様の構成及び作用については、第1実施形態と同符号を付与しその説明を省略する。
【0067】
図31には、第2実施形態に係る車両用シート80が斜視図にて示されており、図32には、第2実施形態に係るアームレスト88が分解斜視図にて示されている。この車両用シート80は、3人掛けのリヤシートであり、乗員が着座するシートクッション82と、乗員の背部を支持するシートバック84と、乗員の頭部を支持する3つのヘッドレスト86と、乗員の腕部を支持するアームレスト88とを備えている。アームレスト88は、本発明における「車両用シート構成部材」に相当する。
【0068】
このアームレスト88は、シートバック84に形成された凹部84A内に格納される格納位置と、シートバック84から前方側へ突出する使用位置との間で回転可能にシートバック84に連結されている。このアームレスト88は、図32に示されるように、骨格部材であるフレーム90と、フレーム90に対して着脱可能に取り付けられた内部構造物92と、内部構造物92の上面92Aの一部を露出させた状態で内部構造物92に被せられたパッド94と、上面92Aの一部を露出させた状態でパッド94に表皮本体98が被せられた表皮96と、表皮本体98から延出されたる複数の係止紐(図示省略)が係止されたブッシュ36と、表皮本体98の端末部98Aに係合した状態で上面92Aの一部を覆った樹脂カバー100と、内部構造物92に対して着脱可能に取り付けられ、樹脂カバー100を内部構造物92に係止したロック部材67と、を備えている。樹脂カバー100は、本発明における「外装部材」に相当するものであり、2つのカップホルダ100Aを有している。
【0069】
このアームレスト88が製造される際には、先ず内部構造物92の図示しない挿入部に後方側からフレーム90が挿入され、内部構造物92がフレーム90に取り付けられる(図32の矢印P1参照)。次いで、パッド94に対して内部構造物92が後方側から差し込まれ、内部構造物92にパッド94が被せられる(図32の矢印P2参照)。次いで、パッド94に対して表皮96の表皮本体98が被せられる(図32の矢印P3参照)。次いで、内部構造物92にブッシュ36が取り付けられ、表皮96の複数の係止紐がブッシュ36に係止される(図32の矢印P4参照)。次いで、樹脂カバー100が、表皮本体32及びパッド94の開口を塞ぐ状態で配置される(図32の矢印P5参照)。次いで、ロック部材67のロック本体68が樹脂カバー100及び内部構造物92の係止孔101、93に挿入され、アンロック位置からロック位置へ回転される(図32の矢印P6参照)。次いで、ロック本体68に蓋体70が取り付けられる(図32の矢印P7参照)。
【0070】
このアームレスト88を分解(解体)する際には、内部構造物92からロック部材67を取り外すことにより、樹脂カバー100、表皮96、パッド94、内部構造物92及びフレーム90に分解することができるため、分解が容易である。この実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0071】
なお、上記各実施形態では、紐係止部材であるブッシュ36がキャップ38、カバー40及びベース42によって構成された場合について説明したが、これに限らず、紐係止部材は一つの部品によって構成されたものでもよい。
【0072】
また、上記各実施形態は、紐係止部材であるブッシュ36を備えた構成にしたが、これに限るものではない。例えば図33及び図34に示される変形例のように、内部構造物20に設けられた複数の爪23を、表皮本体32の端末部32Aに形成された複数の孔33に挿入して各孔33の孔縁に引っ掛けることで、表皮本体32を内部構造物20に係止する構成にしてもよい。
【0073】
その他、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲が上記各実施形態に限定されないことは勿論である。
【符号の説明】
【0074】
10 車両用シート
12 シートクッション
14 シートバック
16 ヘッドレスト(車両用シート構成部材)
18 ステー
20 内部構造物
21 背部(内部構造物の一部)
25 巻掛部
28 パッド
30 表皮
32 表皮本体
32A 端末部
34 係止紐
36 ブッシュ(紐係止部材)
38 キャップ(ブッシュの一部)
40 カバー(ブッシュの一部)
65 樹脂カバー(外装部材)
67 ロック部材
72 凹部
80 車両用シート
82 シートクッション
84 シートバック
88 アームレスト(車両用シート構成部材)
90 フレーム
92 内部構造物
94 パッド
96 表皮
98 表皮本体
98A 端末部
100 樹脂カバー(外装部材)
図1
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