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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179326
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 24/38 20110101AFI20241219BHJP
【FI】
H01R24/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098076
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(71)【出願人】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】山▲崎▼ 勇之介
(72)【発明者】
【氏名】浅野 泰徳
【テーマコード(参考)】
5E223
【Fターム(参考)】
5E223AA30
5E223AB17
5E223AB41
5E223AB65
5E223AC21
5E223BA12
5E223BB12
5E223CA13
5E223GA08
5E223GA22
(57)【要約】
【課題】ケースの形成材料の増加を少なく抑えつつも、圧入距離を確保して筒状導体を収容孔に安定して保持させることを可能としたコネクタを提供する。
【解決手段】コネクタ10は、収容孔15を有するケース11と、収容孔15に圧入により収容されている筒状導体としての外導体21と、を備える。ケース11の収容孔15は、収容孔15の軸方向両端部のうちの一方の端部である入口端部15aと、収容孔15の軸方向両端部のうちの他方の端部である出口端部15bと、を有する。外導体21は、入口端部15aから収容孔15に挿入されている。外導体21は、外周側に突出する圧入凸部33を有する。圧入凸部33が収容孔15の内周面に食い込むことで、外導体21が収容孔15に固定されている。収容孔15は、出口端部15bから収容孔15の軸方向の外側に延出する延出部17を有する。圧入凸部33は、延出部17に食い込んでいる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容孔を有するケースと、
前記収容孔に圧入により収容されている筒状導体と、を備えるコネクタであって、
前記収容孔は、前記収容孔の軸方向両端部のうちの一方の端部である入口端部と、前記収容孔の軸方向両端部のうちの他方の端部である出口端部と、を有し、
前記筒状導体は、前記入口端部から前記収容孔に挿入されており、
前記筒状導体は、外周側に突出する圧入凸部を有し、
前記圧入凸部が前記収容孔の内周面に食い込むことで、前記筒状導体が前記ケースに固定されており、
前記収容孔は、前記出口端部から前記収容孔の軸方向の外側に延出する延出部を有し、
前記圧入凸部は、前記延出部に食い込んでいる、
コネクタ。
【請求項2】
前記圧入凸部は、前記筒状導体に複数設けられ、
前記複数の圧入凸部は、軸方向において互いに同位置に設けられている、
請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記複数の圧入凸部は、周方向において等角度間隔に設けられている、
請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記延出部は、前記収容孔の周縁全周に沿った環状をなしている、
請求項1に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記圧入凸部は、前記筒状導体に複数設けられ、
前記延出部は、前記収容孔の周縁に沿って複数設けられ、
前記複数の延出部は、前記複数の圧入凸部のそれぞれに対応する位置に設けられている、
請求項1に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記ケースは、前記複数の延出部を個別に補強する複数の補強リブを有している、
請求項5に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記筒状導体としての外導体を含む端子ユニットを備え、
前記端子ユニットは、前記外導体の内部に固定される誘電体と、前記誘電体に支持された内導体と、を有する、
請求項1に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、収容孔を有するケースと、収容孔に圧入により収容されている筒状導体とを備えるコネクタが開示されている。ケースの収容孔は、収容孔の軸方向両端部のうちの一方の端部である入口端部と、収容孔の軸方向両端部のうちの他方の端部である出口端部とを有する。筒状導体は、入口端部から収容孔に挿入される。筒状導体は、外周側に突出する圧入凸部を有する。圧入凸部が収容孔の内周面に食い込むことで、筒状導体が収容孔に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-174639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなコネクタにおいて、本発明者らは、収容孔の入口端部から圧入凸部の位置までの軸方向の距離(以下、圧入距離と称する)が長いほど、筒状導体を収容孔に安定して保持させることができることを発見した。さらに、本発明者らは、筒状導体を収容孔に安定して保持させつつも、ケースの形成材料の増加を如何に少なく抑えるかを検討していた。
【0005】
本開示の目的は、ケースの形成材料の増加を少なく抑えつつも、圧入距離を確保して筒状導体を収容孔に安定して保持させることを可能としたコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のコネクタは、収容孔を有するケースと、前記収容孔に圧入により収容されている筒状導体と、を備えるコネクタであって、前記収容孔は、前記収容孔の軸方向両端部のうちの一方の端部である入口端部と、前記収容孔の軸方向両端部のうちの他方の端部である出口端部と、を有し、前記筒状導体は、前記入口端部から前記収容孔に挿入されており、前記筒状導体は、外周側に突出する圧入凸部を有し、前記圧入凸部が前記収容孔の内周面に食い込むことで、前記筒状導体が前記ケースに固定されており、前記収容孔は、前記出口端部から前記収容孔の軸方向の外側に延出する延出部を有し、前記圧入凸部は、前記延出部に食い込んでいる。
【発明の効果】
【0007】
本開示のコネクタによれば、ケースの形成材料の増加を少なく抑えつつも、圧入距離を確保して筒状導体を収容孔に安定して保持させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態のコネクタの分解斜視図である。
図2図2は、同形態におけるコネクタの断面図である。
図3図3は、同形態における端子ユニットの斜視図である。
図4図4は、同形態におけるコネクタの平面図である。
図5図5は、変更例におけるコネクタの平面図である。
図6図6は、同変更例におけるコネクタの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示のコネクタは、
[1]収容孔を有するケースと、前記収容孔に圧入により収容されている筒状導体と、を備えるコネクタであって、前記収容孔は、前記収容孔の軸方向両端部のうちの一方の端部である入口端部と、前記収容孔の軸方向両端部のうちの他方の端部である出口端部と、を有し、前記筒状導体は、前記入口端部から前記収容孔に挿入されており、前記筒状導体は、外周側に突出する圧入凸部を有し、前記圧入凸部が前記収容孔の内周面に食い込むことで、前記筒状導体が前記ケースに固定されており、前記収容孔は、前記出口端部から前記収容孔の軸方向の外側に延出する延出部を有し、前記圧入凸部は、前記延出部に食い込んでいる。
【0010】
この構成によれば、筒状導体の圧入凸部が収容孔の出口端部から延出する延出部に食い込むことにより、収容孔の入口端部から圧入凸部の位置までの圧入距離を大きく確保することが可能となる。また、収容孔に延出部を設けることで、ケースの体積の増加を極力抑えつつ、圧入距離を確保することが可能となる。したがって、ケースの形成材料の増加を少なく抑えつつも、圧入距離を確保して筒状導体を収容孔に安定して保持させることが可能となる。また、圧入距離を大きく確保できることで、圧入凸部の個数を増やす必要性が小さくなる。したがって、圧入凸部の個数を少なく抑えることが可能となり、その結果、筒状導体における所望の通信性能を得ることが可能となる。
【0011】
[2]上記[1]において、前記圧入凸部は、前記筒状導体に複数設けられ、前記複数の圧入凸部は、軸方向において互いに同位置に設けられていてもよい。
この構成によれば、複数の圧入凸部によって、筒状導体を収容孔により安定して保持させることが可能となる。
【0012】
[3]上記[2]において、前記複数の圧入凸部は、周方向において等角度間隔に設けられていてもよい。
この構成によれば、周方向において等角度間隔に設けられた複数の圧入凸部によって、周方向においてバランスよく筒状導体を収容孔に保持させることが可能となる。
【0013】
[4]上記[1]から[3]のいずれかにおいて、前記延出部は、前記収容孔の周縁全周に沿った環状をなしていてもよい。
この構成によれば、延出部が収容孔の周縁全周に沿った環状をなすため、延出部の剛性を向上させることが可能となる。これにより、圧入凸部が延出部に食い込むことによる筒状導体の保持をより安定させることが可能となる。
【0014】
[5]上記[1]から[3]のいずれかにおいて、前記圧入凸部は、前記筒状導体に複数設けられ、前記延出部は、前記収容孔の周縁に沿って複数設けられ、前記複数の延出部は、前記複数の圧入凸部のそれぞれに対応する位置に設けられていてもよい。
【0015】
この構成によれば、複数の延出部にそれぞれ食い込む複数の圧入凸部によって、筒状導体を収容孔により安定して保持させることが可能となる。
[6]上記[5]において、前記ケースは、前記複数の延出部を個別に補強する複数の補強リブを有していてもよい。
【0016】
この構成によれば、各補強リブによって、各延出部の剛性を向上させることが可能となる。これにより、各圧入凸部が各延出部に食い込むことによる筒状導体の保持をより安定させることが可能となる。
【0017】
[7]上記[1]から[6]のいずれかにおいて、前記コネクタは、前記筒状導体としての外導体を含む端子ユニットを備え、前記端子ユニットは、前記外導体の内部に固定される誘電体と、前記誘電体に支持された内導体と、を有していてもよい。
【0018】
この構成によれば、端子ユニットを構成する外導体を収容孔に安定して保持させることが可能となる。
[本開示の実施形態の詳細]
本開示のコネクタの具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張または簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については各図面で異なる場合がある。なお、本明細書の説明で使用される「筒状」は、周方向全周にわたって連続して周壁が形成されたものだけではなく、複数の部品を組み合わせて筒状をなすものや、C字状のように周方向の一部に切り欠きなどを有するものも含む。また、「筒状」の形状には、円形、楕円形、及び、尖ったまたは丸い角を有する多角形が含まれる。
【0019】
図1に示す本実施形態のコネクタ10は、例えば、車両に搭載される図示しない電気機器に接続される。コネクタ10が接続される電気機器としては、車載カメラ等が挙げられる。
【0020】
図1および図2に示すように、コネクタ10は、ケース11と、ケース11に収容される端子ユニット12とを備える。
(ケース11)
ケース11は、基部13と、嵌合筒部14と、収容孔15とを有する。嵌合筒部14は、基部13からコネクタ10の軸線CLに沿って延びている。嵌合筒部14は、例えば、コネクタ10の軸線CLを中心とする円筒状をなしている。なお、以下の説明では、軸線CLに沿った方向について、単に「軸方向」と称する場合がある。嵌合筒部14は、前記電気機器のコネクタ部に嵌合される。
【0021】
図2に示すように、嵌合筒部14は、例えば、端子ユニット12を保持する保持部16を、嵌合筒部14の内周側に有する。保持部16は、嵌合筒部14の内周面から内周側に延びている。保持部16は、自身の軸方向の両端面である第1端面16aと第2端面16bを有している。
【0022】
(収容孔15)
収容孔15は、保持部16を軸方向に沿って貫通するように形成されている。収容孔15は、嵌合筒部14の内側と基部13の内部とを繋ぐ貫通孔である。収容孔15は、例えば、軸線CLを中心とする円形をなす。収容孔15は、収容孔15の軸方向両端部のうちの一方の端部である入口端部15aと、収容孔15の軸方向両端部のうちの他方の端部である出口端部15bと、を有する。収容孔15の入口端部15aは、保持部16の第1端面16a側に設けられる。収容孔15の出口端部15bは、保持部16の第2端面16b側に設けられる。出口端部15bは、例えば、保持部16の第2端面16bに対し、軸線CLと直交する同一平面上に設定される。
【0023】
収容孔15は、出口端部15bから収容孔15の軸方向の外側に延出する延出部17を有する。延出部17は、収容孔15の周縁に対応する位置において、保持部16の第2端面16bから軸方向に延出している。延出部17は、例えば、収容孔15の周縁全周に沿った連続する環状をなしている。延出部17が周方向において連続するように形成されることで、延出部17の剛性が向上されている。なお、延出部17の外周面と嵌合筒部14の内周面との間には、例えば空間が設定されている。
【0024】
(端子ユニット12)
端子ユニット12は、入口端部15aから軸線CLに沿って収容孔15に挿入されている。嵌合筒部14が前記電気機器のコネクタ部に嵌合された状態において、端子ユニット12は、当該電気機器の図示しない端子に接続される。
【0025】
端子ユニット12は、筒状導体としての外導体21と、誘電体22と、内導体23とを有する。外導体21は、軸線CLに沿って延びる筒状をなしている。外導体21は、例えば金属にて形成されている。誘電体22は、外導体21の内側に固定されている。誘電体22は、合成樹脂等の絶縁体にて形成されている。内導体23は、例えば柱状をなしている。内導体23は、例えば金属にて形成されている。内導体23は、誘電体22の中心を軸方向に貫通する態様で誘電体22に固定されている。外導体21は、例えば、内導体23を電磁シールドするように構成されている。
【0026】
(外導体21)
図2および図3に示すように、外導体21は、軸線CLに沿って延びる筒状の本体部31と、本体部31に設けられたフランジ部32とを有する。本体部31は、例えば、軸線CLを中心とする円筒状をなしている。本体部31は、軸方向における先端部31aを有する。フランジ部32は、例えば、本体部31における先端部31aとは反対側の軸方向基端部から外周側に延びている。フランジ部32は、例えば、保持部16の第1端面16aに対して軸方向に対向している。
【0027】
(圧入凸部33)
図3および図4に示すように、外導体21は、本体部31から外周側に突出する圧入凸部33を有する。なお、図4では、端子ユニット12において、各圧入凸部33を含む本体部31の外形のみを2点鎖線で図示している。圧入凸部33は、例えば、外導体21に複数設けられている。本実施形態では、例えば6つの圧入凸部33が外導体21の本体部31に設けられている。複数の各圧入凸部33は、例えば、互いに同一形状をなしている。複数の圧入凸部33は、例えば、周方向において等角度間隔に設けられている。また、複数の圧入凸部33は、例えば、軸方向において互いに同位置に設けられている。各圧入凸部33は、例えば、本体部31を形成する周壁の一部をプレス加工にて外周側に突出させることにより形成されている。
【0028】
図2および図4に示すように、外導体21は、収容孔15に対し圧入により収容されている。外導体21は、入口端部15aから軸線CLに沿って収容孔15に挿入されている。外導体21が収容孔15に圧入された状態において、各圧入凸部33は、収容孔15における延出部17の内周面に食い込んでいる。これにより、外導体21を含む端子ユニット12が収容孔15に固定されている。
【0029】
本実施形態の作用について説明する。
上記のコネクタ10では、圧入凸部33が収容孔15における延出部17に食い込むことにより、外導体21が収容孔15に固定されている。したがって、収容孔15の入口端部15aから圧入凸部33の位置までの軸方向の距離である圧入距離D1を大きく確保することが可能となり、その結果、外導体21を収容孔15に安定して保持させることが可能となる。また、延出部17は、保持部16における収容孔15の周縁に対応する位置のみに形成される。したがって、保持部16全体の軸方向厚さを厚くする構成に比べて、ケース11の体積の増加、すなわち、ケース11の形成材料の増加が抑えられている。
【0030】
また、本実施形態のように圧入距離D1が確保されることにより、例えば、圧入凸部33の個数を増やすことで、外導体21を保持する保持力を向上させる必要がなくなる。すなわち、本実施形態によれば、圧入凸部33の個数を少なく抑えることが可能となる。したがって、外導体21における所望の通信性能を得ることが可能となる。
【0031】
本実施形態の効果について説明する。
(1)ケース11の収容孔15は、出口端部15bから収容孔15の軸方向の外側に延出する延出部17を有する。筒状導体としての外導体21の圧入凸部33は、延出部17に食い込んでいる。この構成によれば、外導体21の圧入凸部33が収容孔15の出口端部15bから延出する延出部17に食い込むことにより、収容孔15の入口端部15aから圧入凸部33の位置までの圧入距離D1を大きく確保することが可能となる。また、収容孔15に延出部17を設けることで、ケース11の体積の増加を極力抑えつつ、圧入距離D1を確保することが可能となる。したがって、ケース11の形成材料の増加を少なく抑えつつも、圧入距離D1を確保して外導体21を収容孔15に安定して保持させることが可能となる。また、圧入距離D1を大きく確保することで、圧入凸部33の個数を増やす必要性が小さくなる。したがって、圧入凸部33の個数を少なく抑えることが可能となり、その結果、外導体21を含む端子ユニット12における所望の通信性能を得ることが可能となる。
【0032】
(2)圧入凸部33は、外導体21に複数設けられている。複数の圧入凸部33は、軸方向において互いに同位置に設けられている。この構成によれば、複数の圧入凸部33によって、外導体21を収容孔15により安定して保持させることが可能となる。
【0033】
(3)複数の圧入凸部33は、周方向において等角度間隔に設けられている。この構成によれば、周方向において等角度間隔に設けられた複数の圧入凸部33によって、周方向においてバランスよく外導体21を収容孔15に保持させることが可能となる。
【0034】
(4)延出部17は、収容孔15の周縁全周に沿った環状をなしているため、延出部17の剛性を向上させることが可能となる。これにより、圧入凸部33が延出部17に食い込むことによる外導体21の保持をより安定させることが可能となる。
【0035】
(5)コネクタ10は、筒状導体としての外導体21を含む端子ユニット12を備える。端子ユニット12は、外導体21の内部に固定される誘電体22と、誘電体22に支持された内導体23と、を有する。この構成によれば、端子ユニット12を構成する外導体21を収容孔15に安定して保持させることが可能となる。
【0036】
(変更例)
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0037】
・延出部17の形状等の構成は、上記実施形態に限定されるものではなく、コネクタ10の構成に応じて適宜変更してもよい。例えば、上記実施形態の延出部17を、図5および図6に示すような延出部41に変更してもよい。
【0038】
図5に示すように、延出部41は、収容孔15の周縁に沿って複数設けられている。延出部41は、例えば、圧入凸部33と同数(一例として6つ)設けられている。各延出部41は、互いに同一形状をなしている。複数の延出部41は、例えば、周方向において等角度間隔に設けられている。すなわち、複数の延出部41は、複数の圧入凸部33のそれぞれに対応する位置に設けられている。周方向において、各延出部41は互いに間隔を空けて設けられている。すなわち、各延出部41は、上記実施形態の延出部17のような周方向に連続する環形状を有していない。
【0039】
図6に示すように、各延出部41は、収容孔15の出口端部15bから収容孔15の軸方向の外側に延出している。換言すると、各延出部41は、収容孔15の周縁に対応する位置において、保持部16の第2端面16bから軸方向に延出している。
【0040】
ケース11は、例えば、複数の延出部41をそれぞれ個別に補強する複数の補強リブ42を有している。各補強リブ42は、各延出部41の外周側において、各延出部41と一体に設けられている。各補強リブ42は、保持部16の第2端面16bと繋がっている。各補強リブ42によって、各延出部41の剛性が向上されている。また、各補強リブ42の表面には、傾斜面43が形成されている。傾斜面43は、外周側に向かって補強リブ42の軸方向に厚さが小さくなるように傾斜している。補強リブ42に傾斜面43が形成されることにより、ケース11の体積の増加を抑えつつ、補強リブ42の剛性を向上させることが可能となる。
【0041】
上記のような変更例によれば、複数の延出部41にそれぞれ食い込む複数の圧入凸部33によって、外導体21を収容孔15により安定して保持させることが可能となる。また、上記のような変更例によれば、各補強リブ42によって、各延出部41の剛性を向上させることが可能となる。これにより、各圧入凸部33が各延出部41に食い込むことによる外導体21の保持をより安定させることが可能となる。
【0042】
・複数の圧入凸部33は、周方向において不等間隔に設けられていてもよい。
・外導体21に設けられる圧入凸部33の個数は、上記実施形態に限定されるものではなく、5つ以下または7つ以上であってもよい。
【0043】
・コネクタ10が接続される電気機器は、車載カメラ以外の車載機器であってもよい。
・今回開示された実施形態及び変更例はすべての点で例示であって、本発明はこれらの例示に限定されるものではない。すなわち、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0044】
10 コネクタ
11 ケース
12 端子ユニット
13 基部
14 嵌合筒部
15 収容孔
15a 入口端部
15b 出口端部
16 保持部
16a 第1端面
16b 第2端面
17 延出部
21 外導体(筒状導体)
22 誘電体
23 内導体
31 本体部
31a 先端部
32 フランジ部
33 圧入凸部
41 延出部
42 補強リブ
43 傾斜面
CL コネクタの軸線
D1 圧入距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6