(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179335
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】版権料管理装置、版権料管理方法、および、版権料管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20241219BHJP
G06Q 50/18 20120101ALI20241219BHJP
【FI】
G06Q30/0601
G06Q50/18 310
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098093
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】對馬 聖介
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L030BB26
5L049BB26
5L049CC16
5L050CC16
(57)【要約】 (修正有)
【課題】購入した版権毎の仕入可能残を管理し、版権の仕入数量が仕入可能残を超えた場合、発注時に警告を出力することができる版権料管理装置、版権料管理方法及び版権料管理プログラムを提供する。
【解決手段】版権料管理装置100は、記憶部106と、制御部102と、を備える。記憶部106は、コンテンツの版権の仕入可能残数量を設定した版権料データを記憶する版権データベース106a、を備える。制御部102は、版権の仕入数量を設定した仕入データを取得する仕入取得部102bと、版権料データ及び仕入データに基づいて、仕入数量が仕入可能残数量を超える場合、警告メッセージを出力させる警告出力部102cと、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部と制御部とを備えた版権料管理装置であって、
前記記憶部は、
コンテンツの版権の仕入可能残数量を設定した版権料データを記憶する版権記憶手段、
を備え、
前記制御部は、
前記版権の仕入数量を設定した仕入データを取得する仕入取得手段と、
前記版権料データ、および、前記仕入データに基づいて、前記仕入数量が前記仕入可能残数量を超える場合、警告メッセージを出力させる警告出力手段と、
を備えたことを特徴とする版権料管理装置。
【請求項2】
前記版権料データは、
更に、前記コンテンツの版権料単価が紐付けて設定され、
前記制御部は、
前記版権料データ、および、前記仕入データに基づいて、前記版権料単価と前記仕入数量との積である仕入諸掛金額を設定した仕入諸掛データを取得する諸掛取得手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の版権料管理装置。
【請求項3】
前記版権記憶手段は、
更に、各月の前記版権の前月末在庫数量、および、当月入庫数量を紐付けて設定した在庫データを記憶し、
前記制御部は、
前記版権料データ、前記仕入データ、前記仕入諸掛データ、および、前記在庫データに基づいて、各月の前記版権の在庫評価単価を設定した在庫評価データを取得する在庫評価取得手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項2に記載の版権料管理装置。
【請求項4】
前記在庫評価取得手段は、
前記版権料データ、前記仕入データ、前記仕入諸掛データ、および、前記在庫データに基づいて、各月の当月商品原価単価および当月諸掛原価単価を算出し、当該当月商品原価単価と当該当月諸掛原価単価との和である各月の前記在庫評価単価を設定した前記在庫評価データを取得することを特徴とする請求項3に記載の版権料管理装置。
【請求項5】
前記仕入データは、
更に、仕入金額が紐付けて設定され、
前記在庫評価取得手段は、
前記版権料データ、前記仕入データ、前記仕入諸掛データ、および、前記在庫データに基づいて、各月の前月末商品原価と前記仕入金額である当月商品入庫金額との和を被除数とし、前記前月末在庫数量と前記当月入庫数量との和を除数とした場合の商を前記当月商品原価単価として算出し、各月の前月末諸掛原価と前記仕入諸掛金額である当月諸掛入庫金額との和を被除数とし、前記前月末在庫数量と前記当月入庫数量との和を除数とした場合の商を前記当月諸掛原価単価として算出し、当該当月商品原価単価と当該当月諸掛原価単価との和である各月の前記在庫評価単価を設定した前記在庫評価データを取得することを特徴とする請求項4に記載の版権料管理装置。
【請求項6】
前記仕入取得手段は、
発注入力画面にて発注項目が設定された場合、前記発注項目に基づいて、前記仕入データを取得することを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の版権料管理装置。
【請求項7】
前記制御部は、
版権料登録画面にて版権料登録項目が設定された場合、前記版権料登録項目に基づいて、仕入先、前記コンテンツ、版権料金額、仕入可能数量、版権料単価および/または仕入済数量、ならびに、前記仕入可能残数量を設定した前記版権料データを前記版権記憶手段に登録する版権登録手段、
を更に備えたことを特徴とする請求項3から5のいずれか一つに記載の版権料管理装置。
【請求項8】
記憶部と制御部とを備えた版権料管理装置に実行させるための版権料管理方法であって、
前記記憶部は、
コンテンツの版権の仕入可能残数量を設定した版権料データを記憶する版権記憶手段、
を備え、
前記制御部において実行される、
前記版権の仕入数量を設定した仕入データを取得する仕入取得ステップと、
前記版権料データ、および、前記仕入データに基づいて、前記仕入数量が前記仕入可能残数量を超える場合、警告メッセージを出力させる警告出力ステップと、
を含むことを特徴とする版権料管理方法。
【請求項9】
記憶部と制御部とを備えた版権料管理装置に実行させるための版権料管理プログラムであって、
前記記憶部は、
コンテンツの版権の仕入可能残数量を設定した版権料データを記憶する版権記憶手段、
を備え、
前記制御部において、
前記版権の仕入数量を設定した仕入データを取得する仕入取得ステップと、
前記版権料データ、および、前記仕入データに基づいて、前記仕入数量が前記仕入可能残数量を超える場合、警告メッセージを出力させる警告出力ステップと、
を実行させるための版権料管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、版権料管理装置、版権料管理方法、および、版権料管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、出版権料データを店舗等から収集し、出版権料データをユーザと紐付けて記録することでユーザが閲覧したコンテンツに対する出版権の支払を管理する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1記載の発明においては、購入した版権毎の仕入可能残を管理することができないという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、購入した版権毎の仕入可能残を管理し、版権の仕入数量が仕入可能残を超えた場合、発注時に警告を出力することができる版権料管理装置、版権料管理方法、および、版権料管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る版権料管理装置は、記憶部と制御部とを備えた版権料管理装置であって、前記記憶部は、コンテンツの版権の仕入可能残数量を設定した版権料データを記憶する版権記憶手段、を備え、前記制御部は、前記版権の仕入数量を設定した仕入データを取得する仕入取得手段と、前記版権料データ、および、前記仕入データに基づいて、前記仕入数量が前記仕入可能残数量を超える場合、警告メッセージを出力させる警告出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る版権料管理装置において、前記版権料データは、更に、前記コンテンツの版権料単価が紐付けて設定され、前記制御部は、前記版権料データ、および、前記仕入データに基づいて、前記版権料単価と前記仕入数量との積である仕入諸掛金額を設定した仕入諸掛データを取得する諸掛取得手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明に係る版権料管理装置において、前記版権記憶手段は、更に、各月の前記版権の前月末在庫数量、および、当月入庫数量を紐付けて設定した在庫データを記憶し、前記制御部は、前記版権料データ、前記仕入データ、前記仕入諸掛データ、および、前記在庫データに基づいて、各月の前記版権の在庫評価単価を設定した在庫評価データを取得する在庫評価取得手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る版権料管理装置において、前記在庫評価取得手段は、前記版権料データ、前記仕入データ、前記仕入諸掛データ、および、前記在庫データに基づいて、各月の当月商品原価単価および当月諸掛原価単価を算出し、当該当月商品原価単価と当該当月諸掛原価単価との和である各月の前記在庫評価単価を設定した前記在庫評価データを取得することを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る版権料管理装置において、前記仕入データは、更に、仕入金額が紐付けて設定され、前記在庫評価取得手段は、前記版権料データ、前記仕入データ、前記仕入諸掛データ、および、前記在庫データに基づいて、各月の前月末商品原価と前記仕入金額である当月商品入庫金額との和を被除数とし、前記前月末在庫数量と前記当月入庫数量との和を除数とした場合の商を前記当月商品原価単価として算出し、各月の前月末諸掛原価と前記仕入諸掛金額である当月諸掛入庫金額との和を被除数とし、前記前月末在庫数量と前記当月入庫数量との和を除数とした場合の商を前記当月諸掛原価単価として算出し、当該当月商品原価単価と当該当月諸掛原価単価との和である各月の前記在庫評価単価を設定した前記在庫評価データを取得することを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る版権料管理装置において、前記仕入取得手段は、発注入力画面にて発注項目が設定された場合、前記発注項目に基づいて、前記仕入データを取得することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る版権料管理装置において、前記制御部は、版権料登録画面にて版権料登録項目が設定された場合、前記版権料登録項目に基づいて、仕入先、前記コンテンツ、版権料金額、仕入可能数量、版権料単価および/または仕入済数量、ならびに、前記仕入可能残数量を設定した前記版権料データを前記版権記憶手段に登録する版権登録手段、を更に備えたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る版権料管理方法は、記憶部と制御部とを備えた版権料管理装置に実行させるための版権料管理方法であって、前記記憶部は、コンテンツの版権の仕入可能残数量を設定した版権料データを記憶する版権記憶手段、を備え、前記制御部において実行される、前記版権の仕入数量を設定した仕入データを取得する仕入取得ステップと、前記版権料データ、および、前記仕入データに基づいて、前記仕入数量が前記仕入可能残数量を超える場合、警告メッセージを出力させる警告出力ステップと、を含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る版権料管理プログラムは、記憶部と制御部とを備えた版権料管理装置に実行させるための版権料管理プログラムであって、前記記憶部は、コンテンツの版権の仕入可能残数量を設定した版権料データを記憶する版権記憶手段、を備え、前記制御部において、前記版権の仕入数量を設定した仕入データを取得する仕入取得ステップと、前記版権料データ、および、前記仕入データに基づいて、前記仕入数量が前記仕入可能残数量を超える場合、警告メッセージを出力させる警告出力ステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、版権ごとの仕入残高管理と発注時の警告、仕入時の版権料との引当、在庫評価計算を行うことができるという効果を奏する。また、本発明によれば、流通小売業において、販売促進を目的として認知度の高いブランド・キャラクターとコラボレーションを行なうケースが多々あり、それに紐付く版権管理を可能とするという効果を奏する。また、本発明によれば、仕入時に、計上済みの版権料と引き当て、仕入量に応じた版権料を在庫評価に振り替えることができるという効果を奏する。また、本発明によれば、版権料の仕入可能残の管理および発注時の警告出力することで、版権料仕入可能残管理にかかる業務負荷コストを低減することができるという効果を奏する。また、本発明によれば、商品の諸掛原価として、商品毎に原価を落とし込むことで、本当に儲かる商品になっているかどうかを確認することができるという効果を奏する。本発明によれば、版権管理および原価管理の高度化を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本実施形態における版権料管理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、本実施形態における版権料管理装置の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図3】
図3は、本実施形態における版権料管理処理の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本実施形態における版権料管理処理の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本実施形態における警告出力処理の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本実施形態における警告出力処理の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、本実施形態における警告出力処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0018】
[1.概要]
まず、本発明の概要を説明する。
【0019】
従来から、版権を利用する商品(コンテンツ)の仕入については、事前に版権料を支払い、支払済の版権料金額に応じた数量まで仕入可能となる。
【0020】
従来は、発生した版権料について販管費として処理し、厳密に商品毎のコストとしては認識することができなかった。そのため、従来は、正確な粗利を把握できず、売価設定が適切なのかの判断ができなかった。また、従来は、残高の管理を別途システム外で管理する必要があり、発注時に残高の確認を実施する際の業務負荷が非常に大きかった。
【0021】
そこで、本実施形態においては、購入済みの版権に対する仕入可能残を管理し、発注時に版権料をオーバーする場合、警告メッセージを表示する仕組みを提供している。また、本実施形態においては、一覧表にて、仕入可能残一覧を確認可能としている。また、本実施形態においては、商品の諸掛原価として、商品毎に原価を落とし込むことで、本当に儲かる商品になっているかどうかを確認できるよう、仕入の都度、仕入量に応じて版権料を在庫評価に落とし込むことを可能としている。
【0022】
[2.構成]
本実施形態に係る版権料管理装置100の構成の一例について、
図1を参照して説明する。
図1は、本実施形態における版権料管理装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0023】
図1に示すように、版権料管理装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、版権料管理装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0024】
版権料管理装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。版権料管理装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0025】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、版権料管理装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、版権料管理装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0026】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114またはプリンタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0027】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブル、およびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。記憶部106は、版権データベース106aを備えている。
【0028】
版権データベース106aは、商品(コンテンツ)の版権データを記憶する。ここで、版権データベース106aは、コンテンツの版権の仕入可能残数量を設定した版権料データを記憶していてもよい。ここで、版権料データは、コンテンツの版権料単価が紐付けて設定されていてもよい。また、版権データベース106aは、各月の版権の前月末在庫数量、および、当月入庫数量を紐付けて設定した在庫データを記憶していてもよい。また、版権料データは、仕入先、コンテンツ、版権料金額、仕入可能数量、版権料単価、仕入済数量、および、仕入可能残数量が設定されていてもよい。また、版権データベース106aは、仕入データ、仕入諸掛データ、および、在庫評価データを記憶していてもよい。
【0029】
制御部102は、版権料管理装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。制御部102は、機能概念的に、版権登録部102aと仕入取得部102bと警告出力部102cと諸掛取得部102dと在庫評価取得部102eとを備えている。
【0030】
版権登録部102aは、版権料データを版権データベース106aに登録する。ここで、版権登録部102aは、版権料登録画面にて版権料登録項目が設定された場合、版権料登録項目に基づいて、仕入先、コンテンツ、版権料金額、仕入可能数量、版権料単価および/または仕入済数量、ならびに、仕入可能残数量を設定した版権料データを版権データベース106aに登録してもよい。
【0031】
仕入取得部102bは、版権の仕入データを取得する。ここで、仕入取得部102bは、版権の仕入数量を設定した仕入データを取得してもよい。ここで、仕入データは、仕入金額が紐付けて設定されていてもよい。また、仕入取得部102bは、発注入力画面にて発注項目が設定された場合、発注項目に基づいて、仕入データを取得してもよい。
【0032】
警告出力部102cは、警告メッセージを出力させる。ここで、警告出力部102cは、版権料データ、および、仕入データに基づいて、仕入数量が仕入可能残数量を超える場合、警告メッセージを出力させてもよい。
【0033】
諸掛取得部102dは、仕入諸掛金額を設定した仕入諸掛データを取得する。ここで、諸掛取得部102dは、版権料データ、および、仕入データに基づいて、版権料単価と仕入数量との積である仕入諸掛金額を設定した仕入諸掛データを取得してもよい。
【0034】
在庫評価取得部102eは、版権の在庫評価単価を設定した在庫評価データを取得する。ここで、在庫評価取得部102eは、版権料データ、仕入データ、仕入諸掛データ、および、在庫データに基づいて、各月の版権の在庫評価単価を設定した在庫評価データを取得してもよい。また、在庫評価取得部102eは、版権料データ、仕入データ、仕入諸掛データ、および、在庫データに基づいて、各月の当月商品原価単価および当月諸掛原価単価を算出し、当該当月商品原価単価と当該当月諸掛原価単価との和である各月の在庫評価単価を設定した在庫評価データを取得してもよい。また、在庫評価取得部102eは、版権料データ、仕入データ、仕入諸掛データ、および、在庫データに基づいて、各月の前月末商品原価と仕入金額である当月商品入庫金額との和を被除数とし、前月末在庫数量と当月入庫数量との和を除数とした場合の商を当月商品原価単価として算出し、各月の前月末諸掛原価と仕入諸掛金額である当月諸掛入庫金額との和を被除数とし、前月末在庫数量と当月入庫数量との和を除数とした場合の商を当月諸掛原価単価として算出し、当該当月商品原価単価と当該当月諸掛原価単価との和である各月の在庫評価単価を設定した在庫評価データを取得してもよい。
【0035】
[3.具体例]
本実施形態の具体例について、
図2から
図7を参照して説明する。
【0036】
[版権料管理処理]
ここで、
図2を参照して、本実施形態における版権料管理処理の一例について説明する。
図2は、本実施形態における版権料管理装置100の処理の一例を示すフローチャートである。
【0037】
図2に示すように、版権登録部102aは、ユーザにより入力装置112を介して版権料登録画面にて版権料登録項目が設定された場合、版権料登録項目に基づいて、仕入先、コンテンツ、版権料金額、仕入可能数量、版権料単価、仕入済数量、および、仕入可能残数量を設定した版権料データを版権データベース106aに登録する(ステップSA-1)。
【0038】
そして、仕入取得部102bは、ユーザにより入力装置112を介して発注入力画面にて発注項目が設定された場合、発注項目に基づいて、版権の仕入数量、および、仕入金額を紐付けて設定した仕入データを取得する(ステップSA-2)。
【0039】
そして、警告出力部102cは、版権データベース106aに記憶された版権料データ、および、仕入データに基づいて、仕入数量が仕入可能残数量を超えるか否かを判定する(ステップSA-3)。
【0040】
そして、警告出力部102cは、仕入数量が仕入可能残数量を超えると判定した場合(ステップSA-3:Yes)、処理をステップSA-4に移行させる。
【0041】
そして、警告出力部102cは、警告メッセージを出力装置114に表示させ(ステップSA-4)、処理をステップSA-2に移行させる。
【0042】
一方、警告出力部102cは、仕入数量が仕入可能残数量を超えないと判定した場合(ステップSA-3:No)、処理をステップSA-5に移行させる。
【0043】
そして、諸掛取得部102dは、版権データベース106aに記憶された版権料データ、および、仕入データに基づいて、版権料単価と仕入数量との積である仕入諸掛金額を設定した仕入諸掛データを取得する(ステップSA-5)。
【0044】
そして、在庫評価取得部102eは、版権データベース106aに記憶された版権料データ、仕入データ、仕入諸掛データ、および、版権データベース106aに記憶された在庫データに基づいて、各月の前月末商品原価と仕入金額である当月商品入庫金額との和を被除数とし、前月末在庫数量と当月入庫数量との和を除数とした場合の商を当月商品原価単価として算出し、各月の前月末諸掛原価と仕入諸掛金額である当月諸掛入庫金額との和を被除数とし、前月末在庫数量と当月入庫数量との和を除数とした場合の商を当月諸掛原価単価として算出し、当該当月商品原価単価と当該当月諸掛原価単価との和である各月の在庫評価単価を設定した在庫評価データを取得し(ステップSA-6)、処理を終了する。
【0045】
ここで、
図3および
図4を参照して、本実施形態における版権料管理処理の一例について説明する。
図3および
図4は、本実施形態における版権料管理処理の一例を示す図である。
【0046】
図3に示すように、本実施形態においては、版権料計上処理として、版権料の計上があった際に、版権料金額を設定した経費支払予定データが取得され、仕入可能残登録処理として、ユーザにより版権料登録画面にて計上日、仕入先、商品、版権料金額、仕入可能数量、版権料単価、仕入済数量、および、仕入可能残数量が設定された場合、版権料データが版権データベース106aに登録される。ここで、本実施形態における版権料データにおいては、版権番号が登録時に付番されてもよい。
【0047】
そして、
図4に示すように、本実施形態においては、版権料消化・配賦処理として、版権の仕入先、商品、仕入数量および仕入金額を紐付けて設定した仕入データが取得され、仕入データの仕入先および商品から計上日が最小の明細が自動で引き当てられ、版権料データに設定された仕入済数量が更新される。そして、
図4に示すように、本実施形態においては、「版権料単価×仕入数量」の値が仕入諸掛金額として計上され、仕入金額および仕入諸掛金額を用いて、商品原価単価および諸掛原価単価が算出され、在庫評価単価を設定した在庫評価データが月末に取得される。
【0048】
ここで、
図5から
図7を参照して、本実施形態における警告出力処理の一例について説明する。
図5から
図7は、本実施形態における警告出力処理の一例を示す図である。
【0049】
本実施形態においては、
図5に示すように、版権データベース106aに商品:SHO001の版権料データが登録されている際に、
図6に示すように、ユーザにより発注入力画面にて仕入数量として2,000が登録された場合、残数量(=1,998+2,000)を超えない発注であるため、エラーなしとして警告メッセージ表示はされないが、
図7に示すように、ユーザにより発注入力画面にて仕入数量として4,000が登録された場合、残数量(=1,998+2,000)を超える発注であるため、警告メッセージ表示がされる。
【0050】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0051】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0052】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0053】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0054】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0055】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0056】
また、版権料管理装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0057】
例えば、版権料管理装置100が備える処理機能、特に制御部102にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて版権料管理装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0058】
また、このコンピュータプログラムは、版権料管理装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0059】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0060】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0061】
記憶部106に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0062】
また、版権料管理装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、版権料管理装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0063】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、雑貨業界・アパレル業界等の物販を伴う流通小売業界等の業界において有用である。
【符号の説明】
【0065】
100 版権料管理装置
102 制御部
102a 版権登録部
102b 仕入取得部
102c 警告出力部
102d 諸掛取得部
102e 在庫評価取得部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 版権データベース
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク