(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024017935
(43)【公開日】2024-02-08
(54)【発明の名称】接続台座及び測定装置
(51)【国際特許分類】
G01R 1/04 20060101AFI20240201BHJP
【FI】
G01R1/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022120912
(22)【出願日】2022-07-28
(71)【出願人】
【識別番号】000227180
【氏名又は名称】日置電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武藤 誠
(57)【要約】
【課題】接続台座とプローブとを簡便に、かつ確実に接続する。
【解決手段】突部23を有するプローブ20が留め置かれる接続台座40であって、プローブ20が挿入された際に円柱部21が通過する開口部43及び開口部43の一部の縁に形成され、突部23が通過する切欠部44が形成された台座本体部42を有し、台座本体部42は、開口部43の切欠部44がない縁の一部に設けられ、プローブ20が挿入されて回転された際に突部23が当接する第一止め部45と、プローブ20が回転された際における突部23の軌跡よりも径方向内側に台座本体部42から突出して設けられ、かつ、プローブ20が回転された際に当接する突部23によって押し退けられてプローブ20が回転できるような可撓性を有する第二止め部48と、を備え、突部23が第一止め部45と第二止め部48との間隔Sに納まって留置される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端側に円柱状の円柱部を有しかつ前記円柱部の径方向に突出する突部を有するプローブが留め置かれる接続台座であって、
前記プローブが一端側から柱長方向に挿入された際に前記円柱部が通過する開口部及び前記開口部の一部の縁に形成され、前記突部が通過する切欠部が形成された台座本体部を有し、
前記台座本体部は、
前記開口部において前記切欠部がない縁の一部に設けられ、前記プローブが一端側から前記柱長方向に挿入された後に前記円柱部の軸を中心に回転された際に前記突部が当接する第一止め部と、
前記円柱部の軸を中心に前記プローブが回転された際における前記プローブの前記突部の軌跡よりも径方向内側に前記台座本体部から突出して設けられ、かつ、前記円柱部の軸を中心に前記プローブが回転された際に当接する前記突部によって押し退けられて前記プローブが回転できるような可撓性を有する第二止め部と、を備え、
前記第一止め部と前記第二止め部とが前記突部が納まる間隔を有して配置された、
接続台座。
【請求項2】
請求項1に記載の接続台座であって、
前記台座本体部に対して前記第二止め部を固定する基底部を有し、
前記第二止め部は、前記基底部に対して前記開口部の径方向に可動自在とされた、
接続台座。
【請求項3】
請求項2に記載の接続台座であって、
前記基底部は、前記台座本体部と一体成形された、
接続台座。
【請求項4】
請求項1に記載の接続台座であって、
前記台座本体部は、一対の前記切欠部が前記開口部における対称となる位置に形成されており、一対の前記第二止め部が対称となる位置に設けられた、
接続台座。
【請求項5】
請求項1に記載の接続台座であって、
前記台座本体部は、
前記開口部に、前記プローブを抜き差し方向に案内するプローブガイド部が設けられた、
接続台座。
【請求項6】
請求項5に記載の接続台座であって、
前記台座本体部において、一対の前記プローブガイド部が対称となる位置に設けられた、
接続台座。
【請求項7】
請求項6に記載の接続台座であって、
一方の前記プローブガイド部と、一方の前記第一止め部とが一体的に構成された、
接続台座。
【請求項8】
請求項5に記載の接続台座であって、
前記第一止め部、前記プローブガイド部及び前記第二止め部が前記台座本体部と一体成形された、
接続台座。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の接続台座を備えた、
測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接続台座及び当該接続台座を備えた測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
測定装置として、たとえば、非特許文献1に示すものがある。非特許文献1の耐電圧/絶縁抵抗試験器は、低電圧側テストリードと、高電圧側テストリードと、前面パネルに設けられている低電圧側出力端子、高電圧側出力端子およびケーブルロックと、を備えるものである。
【0003】
以下、非特許文献1の耐電圧/絶縁抵抗試験器における試験操作(試験手順)について説明する。まず、低電圧側出力端子のケーブルロックを上げ、低電圧側テストリードを低電圧側出力端子に接続する。つぎに、ケーブルロックを下げて、低電圧側テストリードが低電圧側出力端子から抜けるのを防ぐ。つづいて、低電圧側テストリードを被試験物に接続する。この後、高電圧側テストリードも同様にして被試験物に接続する。
【0004】
試験が完了した後は、上述の手順とは逆に、ケーブルロックを上げてテストリードを出力端子から外した後、出力端子のケーブルロックを下げる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「菊水電子工業株式会社KIKUSUI PART NO.IB025223 Jul.2016ユーザーズマニュアル耐電圧/絶縁抵抗試験器TOS5300TOS5301TOS5302 26ページ、27ページ」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
非特許文献1のロック機構では、リードに設けられたプローブを接続台座の端子に接続したり外したりする操作と、プローブの抜け止めとしてのケーブルロックを上げたり下げたりする操作と、が必要であり、使用者にとっては煩雑であった。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、接続台座とプローブとを簡便に、かつ確実に接続することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様としての接続台座は、一端側に円柱状の円柱部を有しかつ前記円柱部の径方向に突出する突部を有するプローブが留め置かれる接続台座であって、前記プローブが一端側から柱長方向に挿入された際に前記円柱部が通過する開口部及び前記開口部の一部の縁に形成され、前記突部が通過する切欠部が形成された台座本体部を有し、前記台座本体部は、前記開口部において前記切欠部がない縁の一部に設けられ、前記プローブが一端側から柱長方向に挿入された後に前記円柱部の軸を中心に回転された際に前記突部が当接する第一止め部と、前記円柱部の軸を中心に前記プローブが回転された際における前記プローブの前記突部の軌跡よりも径方向内側に前記台座本体部から突出して設けられ、かつ、前記円柱部の軸を中心に前記プローブが回転された際に当接する前記突部によって押し退けられて前記プローブが回転できるような可撓性を有する第二止め部と、を備え、前記第一止め部と前記第二止め部とが前記突部が納まる間隔を有して配置されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様としての接続台座によれば、プローブの突部が切欠部に合致されて、プローブの円柱部が開口部から柱長方向に挿入された後、円柱部の軸を中心にプローブが回転されると、突部は、切欠部を通過することを阻止されて、円柱部は、開口部から柱長方向に抜け出ることができなくなる。また、プローブの回転により、突部が第一止め部と第二止め部との間隔に納まることにより、接続台座にプローブが留置かれる。
【0010】
したがって、本態様としての接続台座によれば、接続台座とプローブとが接続された状態において、接続台座とプローブとを簡便に、かつ確実に接続することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、第一実施形態に係る測定装置の外観を説明する平面図である。
【
図2】
図2は、測定装置に適用されるプローブの外観を説明する平面図である。
【
図3】
図3は、測定装置の接続ユニットにおける接続部を説明する拡大図である。
【
図4】
図4は、測定装置の接続ユニットにプローブが挿入された状態を説明する斜視図である。
【
図5】
図5は、第一実施形態に係る接続台座にプローブが挿入されて留置かれた状態を説明する平面図である。
【
図6】
図6は、第二実施形態に係るプローブの外観を説明する平面図である。
【
図7】
図7は、第二実施形態に係る接続ユニットの一部を説明する平面図である。
【
図8】
図8は、第二実施形態に係る接続台座を説明する平面図である。
【
図9】
図9は、第二実施形態に係る接続台座にプローブが挿入された状態を説明する平面図である。
【
図10】
図10は、第二実施形態に係る接続台座に挿入されたプローブが回転される際の動きを説明する平面図である。
【
図11】
図11は、第二実施形態に係る接続台座にプローブが留置かれた状態を説明する平面図である。
【
図12】
図12は、接続台座の変形例を説明する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態に係る測定装置1について、
図1を用いて説明する。
図1は、測定装置1の外観を説明する平面図である。また、
図2は、測定装置1に適用されるプローブ20の外観を説明する平面図である。
【0013】
測定装置1は、図示しない被試験器等の電気的特性を測定する装置である。本実施形態において、電気的特性とは、例えば、電圧値、電流値及び抵抗値等の各種電気的パラメータである。
【0014】
測定装置1は、装置内部の構成を覆うハウジング10と、装置前面を構成するフロントパネル11とを備える。フロントパネル11には、電源スイッチ12、モニタ13、操作部14等が備えられている。また、プローブ20(
図2参照)が挿入される接続部15が備えられている。
【0015】
図2に示すように、プローブ20は、一端側に円柱状に形成されたプローブ円柱部21を備える。また、プローブ20は、プローブ円柱部21の径方向外側に突出する突部23を備える。また、プローブ20は、接続台座40(
図4参照)へのプローブ円柱部21における柱長方向への差し込みを規制するフランジ部22を備える。なお、本実施形態において、「柱長方向」は、「抜き差し方向」と表す場合がある。
【0016】
プローブ円柱部21は、測定装置1の内部に設けられた回路と接続される接続端子24と、接続端子24に連結されるテストリード25とを覆っている。
【0017】
フランジ部22は、プローブ円柱部21に設けられており、プローブ円柱部21の径方向外側に拡径されている。フランジ部22は、プローブ円柱部21が接続部15(
図3参照)から所定量以上挿入されることを規制する規制部を構成している。
【0018】
突部23は、プローブ20の接続部15への抜き差し方向(
図2の矢印A方向及び矢印B方向)において、フランジ部22よりも差し込み方向(
図2の矢印B方向)側の位置に、プローブ円柱部21の径方向外側に向けて突出して設けられている。本実施形態において、突部23は、プローブ円柱部21に一つ設けられている。
【0019】
また、突部23は、フランジ部22よりも差し込み方向側に、接続台座40の厚みに相当する間隔を隔てた位置に設けられている。
【0020】
図3は、測定装置1のフロントパネル11を外して現れる接続ユニット30における接続部15を説明する拡大図である。また、
図4は、接続ユニット30にプローブ20が挿入された状態を説明する斜視図である。
【0021】
接続ユニット30は、フロントパネル11の内側に設けられており、プローブ20の接続端子24を測定装置1に電気的に接続する機能と、プローブ20を測定装置1に物理的に接続する機能とを有する。
【0022】
接続ユニット30は、ユニット本体部31を備える。ユニット本体部31には、
図2に示すプローブ20が挿入可能なように、プローブ20のプローブ円柱部21が一端側から柱長方向に挿入可能な円形状の開口部43と、突部23が通過可能な切欠部44とが形成された接続台座40(
図4参照)が備えられている。開口部43及び切欠部44は、
図1に示すフロントパネル11を介して、測定装置1の外側に露呈されている。接続ユニット30において、測定装置1の外側に露呈した部分は、上述の接続部15を構成する。
【0023】
図4に示すように、接続ユニット30は、ユニット本体部31の測定装置1における内側に、挿入されたプローブ20を保護する保護部材32と、プローブ20を留置く接続台座40とを備える。
【0024】
本実施形態において、「留置く」とは、部材同士が組み合わされた後でも、互いに外れない程度の遊びを有して合わさっている状態を含む。
【0025】
本実施形態において、プローブ20と接続台座40とは、プローブ20と測定装置1とを電気的及び物理的に接続するためのロック機構100を構成している。
【0026】
保護部材32は、プローブ挿入部33を備え、接続部15から挿入されたプローブ20が抜き差し方向の交差方向にずれないように支持するとともに、プローブ20を保護している。保護部材32は、接続台座40を覆うようにして、保護部材取付部34によって、ユニット本体部31に取り付けられている。
【0027】
保護部材32は、高電圧がかかるテストリード25から発生する電磁ノイズから、測定装置1の内部にある他の回路等を保護する機能も有している。
【0028】
接続台座40は、台座取付部41によってユニット本体部31に取り付けられている。接続台座40は、保護部材32によって覆われているため、
図4では、台座取付部41の一部のみが示されている。
【0029】
上記構成により、接続部15から挿入されたプローブ20は、接続台座40によって測定装置1に留置かれるとともに、保護部材32に設けられたプローブ挿入部33によって支持される。
【0030】
図5は、本実施形態に係る接続台座40にプローブ20が挿入されて留置かれた状態を説明する平面図である。
【0031】
接続台座40は、台座本体部42を備える。台座本体部42の両端部には、ユニット本体部31に取り付けるための台座取付部41が設けられている。台座本体部42には、プローブ20が一端側から柱長方向に挿入された際に、プローブ円柱部21が通過する開口部43が形成されている。また、開口部43の一部の縁には、突部23が通過する切欠部44が形成されている。開口部43は、プローブ円柱部21が挿入されるための開口であり、プローブ円柱部21に対応する円形状に形成されている。
【0032】
切欠部44は、開口部43の縁から径方向外側に向けて拡径して形成されており、プローブ20に設けられた突部23が通過可能な矩形状に形成されている。切欠部44を突部23が通過した後、開口部43は、プローブ20がプローブ円柱部21の軸を中心に回転された際に、突部23の通過を阻止する。
【0033】
これにより、プローブ20が回転されることで、プローブ20が接続台座40から抜け出ることを防ぐことができる。したがって、プローブ20が抜けて測定装置1とプローブ20が非接続状態になるという事態を回避することができる。
【0034】
接続台座40は、第一止め部45と、第二止め部48とを有する。
【0035】
第一止め部45は、開口部43において、切欠部44がない縁の一部に設けられ、プローブ円柱部21が一端側から柱長方向に挿入された後に、プローブ円柱部21の軸を中心に回転された際、突部23が当接する。第一止め部45は、開口部43の周方向において、切欠部44から所定角度回転した位置に設けられている。本実施形態においては、90度回転した位置に設けられている。
【0036】
これにより、プローブ20は、突部23が切欠部44に対応する位置から突部23が第一止め部45に当接する位置まで、一の方向への回転が許容される。
【0037】
第二止め部48は、開口部43に沿った形状を有するアーム部46によって、台座本体部42に固定された基底部47と連結されている。アーム部46は、可撓性を有し、所定の弾性力を有する。
【0038】
第二止め部48は、プローブ円柱部21の軸を中心にプローブ20が回転された際におけるプローブ20の突部23の軌跡(円弧状)よりも径方向内側に向けて、台座本体部42から突出して設けられている。また、第二止め部48は、プローブ円柱部21の軸を中心にプローブ20が回転された際に当接する突部23によって押し退けられて、プローブ20が回転できるような可撓性を有している。第二止め部48は、台座本体部42に形成された空隙Eによって、台座本体部42及び基底部47に対して開口部43の径方向に可動自在とされている。
【0039】
第一止め部45と第二止め部48とは、接続台座40において、突部23が納まる間隔Sを有するように設けられている。
【0040】
本実施形態において、接続台座40は、汎用のエンジニアリングプラスチックのモールド成形によって一体成形することができる。例えば、モールドに空隙Eを形成するための金属片を嵌め込み、成形後に金属片を抜き取ることによって、空隙Eを形成することができる。これにより、台座本体部42に一体化された基底部47と、アーム部46によって基底部47に連結されるとともに、空隙Eにおいて基底部47に対して可動自在となる第二止め部48とを形成することができる。
【0041】
続いて、本実施形態に係るロック機構100における接続台座40の作用効果について説明する。
【0042】
本実施形態における接続台座40には、一端側に円柱状のプローブ円柱部21を有しかつプローブ円柱部21の径方向に突出する突部23を有するプローブ20が留め置かれる。接続台座40は、プローブ円柱部21がプローブ20の一端側から柱長方向に挿入される開口部43が形成されるとともに、突部23が通過する切欠部44が形成された台座本体部42を備える。開口部43は、プローブ20がプローブ円柱部21の軸を中心に回転された際に、突部23の通過を阻止する。
【0043】
そして、台座本体部42は、開口部43において切欠部44がない縁の一部に設けられ、プローブ20がプローブ円柱部21の軸を中心に回転された際に突部23が当接する第一止め部45と、可撓性を有し、プローブ20がプローブ円柱部21の軸を中心に回転された際におけるプローブ20の突部23の軌跡よりも径方向内側に突出する第二止め部48と、を備える。そして、第一止め部45と第二止め部48とが突部23が納まる間隔を有して配置されている。
【0044】
本実施形態に係る接続台座40によれば、プローブ20の突部23が切欠部44に合致されて、プローブ円柱部21が開口部43にプローブ20の柱長方向に挿入された後、プローブ円柱部21の軸を中心に回転されると、プローブ20の突部23が第一止め部45と第二止め部48との間隔Sに納まって留置かれる。
【0045】
これにより、プローブ20の一の方向(矢印R方向)への回転は、第一止め部45によって規制され、他の方向(矢印Rの反対方向)への回転は、第二止め部48によって規制される。したがって、本態様としての接続台座40によれば、接続台座40とプローブ20とが接続された状態において、プローブ20の不要な回転を抑えることができる。
【0046】
また、プローブ円柱部21が開口部43にプローブ20の柱長方向に挿入された後、プローブ円柱部21の軸を中心に回転されると、プローブ20の突部23は、開口部43から通過することを阻止されるため、プローブ円柱部21が抜き差し方向に抜け出ることができなくなる。
【0047】
さらに、第二止め部48は、基底部47とアーム部46によって連結されており、開口部43の径方向に可動自在とされている。
【0048】
このため、プローブ20のフランジ部22が接続部15に当接するまでプローブ円柱部21が開口部43に挿入された後、プローブ円柱部21が一の方向(
図5の矢印R方向)に回転されると、プローブ20の突部23が第二止め部48に当接する。プローブ円柱部21がさらに回転されると、アーム部46が撓んで、プローブ20の突部23が第二止め部48の表面を摺動しながら第二止め部48を径方向外側(
図5の矢印C方向)に押し退ける。これにより、プローブ20の突部23が第二止め部48を乗り越える。
【0049】
プローブ20の突部23が第一止め部45に当接すると、アーム部46が元の位置に戻ることにより、第二止め部48は、突部23が当接する前の位置に戻る。これにより、プローブ20の突部23は、第一止め部45と第二止め部48との間隔Sに納まることができ、第一止め部45と第二止め部48とによって留置かれる。
【0050】
したがって、接続台座40によれば、接続端子24がプローブ円柱部21によって覆われ、表側に露呈していない形態のプローブ20において、プローブ円柱部21が開口部43に挿入されて、プローブ円柱部21が一の方向に回転されるだけで、接続台座40にプローブ20が留置かれるため、接続台座40とプローブ20とを簡便に、かつ確実に接続することができる。
【0051】
この状態においては、プローブ円柱部21の一の方向への回転は、第一止め部45によって規制されている。また、逆方向への回転には、アーム部46を撓ませて突部23が第二止め部48を乗り越えられるだけの付勢力が必要となる。
【0052】
これにより、接続台座40によれば、当該接続台座40に対するプローブ20の不要な回転を抑えることができる。したがって、接続台座40とプローブ20とを確実に接続することができる。
【0053】
なお、アーム部46の強度や第二止め部48が撓む際に必要となる付勢力は、エンジニアリングプラスチックの種類や、アーム部46における各部の寸法を調整することによって、実現可能である。
【0054】
また、プローブ20が接続部15に挿入され、フランジ部22が接続部15に当接された後、プローブ20の突部23が第一止め部45に当接するまでプローブ円柱部21が回転された状態では、プローブ20の突部23とフランジ部22との間隔に接続台座40が納まる。これにより、プローブ20の抜き差し方向における不要な動きも抑えることができる。
【0055】
このため、接続台座40によれば、プローブ20と接続台座40との接続を簡便にしながら、プローブ20が接続台座40から簡単に抜けてしまうことを回避することができる。
【0056】
[第二実施形態]
続いて、第二実施形態に係る接続台座40Aと、当該接続台座40Aによるロック機構200について、
図6から
図11を用いて説明する。ロック機構200は、第一実施形態において説明した測定装置1とプローブ20との接続に適用することができる。
【0057】
第二実施形態では、プローブ20の形状とプローブ20に対応する接続台座40の形状とが第一実施形態のものとは相異する。第一実施形態と同様の機能を有する構成については、同一の番号を付して詳細な説明は省略する。
【0058】
図6は、第二実施形態に適用されるプローブ20Aの外観を説明する平面図である。
図7は、第二実施形態に適用される接続ユニット30Aを説明する平面図である。
【0059】
図6に示すように、プローブ20Aは、プローブ円柱部21と、フランジ部22と、一対の突部223a及び突部223bとを備える。一対の突部223a,223bは、プローブ円柱部21の表面において、対称となる位置に設けられている。
【0060】
また、突部223a,223bは、フランジ部22よりも差し込み方向(
図6の矢印B方向)側に、接続台座40A(
図8参照)の厚みに相当する間隔を隔てた位置に設けられている。
【0061】
図7に示すように、接続ユニット30Aには、
図6に示すプローブ円柱部21が挿入可能な開口部43が形成されている。また、突部223aが通過可能な切欠部244aと、突部223bが通過可能な切欠部244bとが対称となる位置に形成されている。
【0062】
図8は、接続台座40Aを説明する平面図である。
図9は、プローブ20Aが接続台座40Aに挿入された状態を説明する平面図である。
【0063】
接続台座40Aは、台座本体部42を備える。台座本体部42の両端部には、ユニット本体部31に取り付けるための台座取付部41が設けられている。接続台座40Aには、一対の切欠部244a,244bが開口部43における対称となる位置に形成されている。
【0064】
一対の切欠部244a,244bのそれぞれは、開口部43において対称となる位置の縁から径方向外側に向けて拡径して形成されており、プローブ20Aに設けられた突部223a,223bに対応する矩形状に形成されている。
【0065】
図8に示すように、接続台座40Aは、突部ガイド部245a,245bを開口部43の開口中心に対して対称となる位置に備える。また、第一止め部246a,246bを開口部43の開口中心に対して対称となる位置に備える。また、アーム部247a,247bを開口部43の開口中心に対して対称となる位置に備える。
【0066】
突部ガイド部245aは、切欠部244aの縁の一部であって、プローブ円柱部21が一の方向とは反対方向へ回転することを規制する位置に設けられている。突部ガイド部245aは、台座本体部42の厚みよりも抜き差し方向に突出しており、突部223aを抜き差し方向に案内する機能を有する。
【0067】
突部ガイド部245bは、切欠部244bの縁の一部であって、プローブ円柱部21が一の方向とは反対方向へ回転することを規制する位置に設けられている。突部ガイド部245bは、台座本体部42の厚みよりも抜き差し方向に突出しており、突部223bを抜き差し方向に案内する機能を有する。
【0068】
第一止め部246aは、開口部43において、切欠部244a,244bが形成されていない縁の一部であって、一の方向への回転を規制する位置に設けられている。本実施形態においては、第一止め部246aは、開口部43の周方向において、突部ガイド部245aから90度回転した位置に設けられている。
【0069】
第一止め部246bは、開口部43において、切欠部244a,244bが形成されていない縁の一部であって、一の方向への回転を規制する位置に設けられている。本実施形態においては、第一止め部246bは、開口部43の周方向において、突部ガイド部245bから90度回転した位置に設けられている。
【0070】
第二止め部249aは、開口部43に沿った形状を有するアーム部247aによって、台座本体部42に固定された基底部248aと連結されている。アーム部247aは、可撓性を有し、所定の弾性力を有する。
【0071】
第二止め部249aは、プローブ20Aのプローブ円柱部21がプローブ円柱部21の軸を中心として回転された際における突部223aの軌跡(円弧状)よりも径方向内側に突出するように設けられている。第二止め部249aは、台座本体部42に形成された空隙Eによって、台座本体部42及び基底部248aに対して開口部43の径方向に可動自在とされている。
【0072】
アーム部247bもアーム部247aと同様に、基底部248bと第二止め部249bとを連結している。
【0073】
第一止め部246aと第二止め部249aとは、接続台座40Aにおいて、突部223aが納まる間隔S1を有するように設けられている。また、第一止め部246bと第二止め部249bとは、接続台座40Aにおいて、突部223bが納まる間隔S2を有するように設けられている(
図11参照)。
【0074】
また、接続台座40Aには、突部ガイド部245aを補強するための補強リブ261,262が設けられている。また、第一止め部246bを補強するための補強リブ263が設けられている。
【0075】
同様に、接続台座40Aには、突部ガイド部245bを補強するための補強リブ264,265が設けられている。また、第一止め部246bを補強するための補強リブ266が設けられている。
【0076】
さらに、接続台座40Aには、開口部43の縁に沿ってプローブ円柱部21をガイドするためのプローブガイド部271,272が設けられている。プローブガイド部271、272は、プローブ20Aが抜き差し方向のみに移動できるように案内する。このため、接続台座40Aにプローブ20Aを抜き差ししやすくなる。
【0077】
本実施形態においては、突部ガイド部245a、補強リブ261、補強リブ262、プローブガイド部271、第一止め部246b及び補強リブ263は、一体的に構成されている。また、突部ガイド部245b、補強リブ264、補強リブ265、プローブガイド部272、第一止め部246a及び補強リブ266は、一体的に構成されている。
【0078】
本実施形態において、接続台座40Aを構成する各部は、汎用のエンジニアリングプラスチックを用いたモールド成形によって一体成形されている。
【0079】
続いて、本実施形態に係るロック機構200における接続台座40Aの作用効果について、
図10及び
図11を用いて説明する。
【0080】
図10は、接続台座40Aに挿入されたプローブ20Aが回転される際の動きを説明する平面図である。また、
図11は、接続台座40Aにプローブ20Aが留置された状態を説明する平面図である。
【0081】
接続台座40Aが
図8を用いて説明した構成を備えることにより、プローブ20Aは、
図9に示すように、プローブ20Aの突部223aが切欠部244aに対応し、プローブ20Aの突部223bが切欠部244bに対応するようにして接続台座40Aに挿入された状態から、プローブ20Aの突部223aが第一止め部246aに当接するとともに、突部223bが第一止め部246bに当接する位置まで、一の方向への回転が許容される。
【0082】
プローブ20Aのフランジ部22が接続部15に当接するまでプローブ円柱部21が開口部43に挿入された後、プローブ円柱部21が一の方向(
図10の矢印R方向)に回転されると、プローブ20Aの突部223aが第二止め部249aに当接する。プローブ円柱部21がさらに回転されると、アーム部247aが撓んで、プローブ20Aの突部223aが第二止め部249aの表面を摺動しながら第二止め部249aを径方向外側(
図10の矢印D1方向)に押し退ける。これにより、プローブ20Aの突部223aが第二止め部249aを乗り越える。
【0083】
このとき、アーム部247bにおいても同様に、アーム部247bが撓んで、プローブ20Aの突部223bが第二止め部249bの表面を摺動しながら第二止め部249bを径方向外側に押し退け、プローブ20Aの突部223bが第二止め部249bを乗り越える。
【0084】
図11に示すように、プローブ20Aの突部223aが第一止め部246aに当接すると、アーム部247aが元の位置に戻ることにより、第二止め部249aは、プローブ20Aの突部223aが当接する前の位置に戻る(
図11の矢印D2方向)。また、プローブ20Aの突部223aが第一止め部246aに当接するまで回転されると、プローブ20Aの突部223bが第一止め部246bに当接する。このとき、アーム部247bが元の位置に戻ることにより、第二止め部249bは、プローブ20Aの突部223bが当接する前の位置に戻る。
【0085】
これにより、プローブ20Aの突部223aが第一止め部246aと第二止め部249aとの間隔S1に納まるとともに、プローブ20Aの突部223bが第一止め部246bと第二止め部249bとの間隔S2に納まって、プローブ20Aが接続台座40Aに留置される。
【0086】
図11に示す状態では、プローブ20Aのプローブ円柱部21の一の方向への回転は、第一止め部246a及び246bによって規制されている。また、逆方向へ回転するためには、アーム部247a及び247bを撓ませて突部223a及び223bが第二止め部249a及び249bを乗り越えられるだけの付勢力が必要となる。
【0087】
したがって、第二実施形態によれば、測定装置1に設けられた接続台座40Aに対するプローブ20Aの不要な回転を抑えることができる。
【0088】
図11に示す状態では、プローブ20Aの突部223a,223bとフランジ部22との間隔に接続台座40Aが納まっている。このため、プローブ20Aの抜き差し方向における不要な動きも抑えることができる。
【0089】
ロック機構200では、補強リブ261~266が設けられていることにより、突部ガイド部245a,245b、第一止め部246a,246b、及びプローブガイド部271,271の強度が高められる。
【0090】
さらに、突部ガイド部245a、補強リブ261、補強リブ262、プローブガイド部271、第一止め部246b及び補強リブ263は一体的に構成されている。また、突部ガイド部245b、補強リブ264、補強リブ265、プローブガイド部272、第一止め部246a及び補強リブ266も一体的に構成されている。このため、接続台座40Aの各部の強度が、より一層高められる。
【0091】
また、第二実施形態では、突部ガイド部245a,245b、第一止め部246a,246b及びアーム部247a,247bが、それぞれ一対ずつ設けられているため、一方の部材が破損した場合であっても、プローブ20Aと接続台座40Aとを留置する機能を損なうことがない。
【0092】
また、突部ガイド部245a,245b、第一止め部246a,246b及びアーム部247a,247bのそれぞれを対称となる位置に設けたことにより、接続台座40Aは、平面視において製品としての方向性がなくなる。このため、製造段階において、作業者に混同を生じさせることがなく、組付け作業性が向上する。
【0093】
なお、
図8から
図11を用いた説明では、説明の便宜上、プローブ20Aの突部223aを切欠部244aに合わせ、プローブ20Aの突部223bを切欠部244bに合わせてプローブ20Aが接続台座40Aに挿入されると説明した。しかし、プローブ20Aの突部223a及びプローブ20Aの突部223bは、プローブ円柱部21において対称となる位置に設けられているため、両者は区別されない。プローブ20Aの突部223aを切欠部244bに合わせ、プローブ20Aの突部223bを切欠部244aに合わせてプローブ20Aが接続台座40Aに挿入されてもよい。
【0094】
[その他の実施形態]
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0095】
本実施形態では、プローブ円柱部21の全周に亘って径方向外側に突出しているフランジ部22が規制部を構成すると説明した。規制部は、フランジ部22のほか、プローブ円柱部21が接続部15から所定量以上挿入されることを規制するものであればよく、例えば、プローブ円柱部21の一部が径方向外側に突出してなる突部であってもよい。また、差し込み方向に進むにつれて開口径が拡大するような中空錐形の部材であってもよい。
【0096】
本実施形態において、第一止め部45と第二止め部48との間隔Sを、留置く状態において、第一止め部45と第二止め部48とが突部23に密着する間隔に設定した場合、留置く状態において、第二止め部48には、常に押圧負荷がかかる状態となる。この場合には、アーム部46に負荷が蓄積されることによって、アーム部46の耐久性の低下に繋がる。このため、プローブ20の不要な回転を抑えることのできる範囲内において、第一止め部45と第二止め部48と突部23との間には、隙間があってもよい。
【0097】
本実施形態において、第一止め部45は、開口部43の周方向において、切欠部44から90度回転した位置に設けられているとした。しかし、90度に限定されない。第一止め部246a,246bと突部ガイド部245a,245bとの関係も同様、90度に限定されない。
【0098】
図12は、接続台座40の変形例を説明する平面図である。
【0099】
図12に示す接続台座40Bは、一対の突部ガイド部345a,345bと、一対の止め部346a,346bと、一対のプローブガイド部371,372とを備える。接続台座40Bでは、接続台座40Aとは異なり、突部ガイド部345a、プローブガイド部371及び止め部346bは、別体として構成されている。また、突部ガイド部345b、プローブガイド部372及び止め部346aも別体として構成されている。
【0100】
また、接続台座40Aに設けられた、突部ガイド部245aを補強するための補強リブ261,262と、第一止め部246bを補強するための補強リブ263は、接続台座40Bにおいては、備えられていなくてもよい。同様に、接続台座40Bは、補強リブ264,265及び266を備えなくてもよい。
【0101】
また、補強リブ261,262,263,264,265,266の位置は、
図8から
図12に示す位置に限定されない。
【0102】
図12に示す接続台座40Bとは対照的に、
図5に示す接続台座40に、第一止め部45を補強するための補強リブが設けられていてもよい。また、
図5に示す接続台座40に、プローブ円柱部21を案内するためのプローブガイド部が設けられていてもよい。この場合には、第一止め部45、補強リブ及びプローブガイド部は、台座本体部42と一体成形することができる。
【0103】
図5において、開口部43における切欠部44の位置、第一止め部45の位置、アーム部46の位置は、それぞれの機能が損なわれない範囲において、図示されるものに限定されない。また、プローブ20の留置くための回転方向も、
図5に示される方向とは反対方向であってもよい。例えば、接続台座40の各構成は、
図5とは鏡像対称の関係に構成されていてもよい。
図8及び
図12においても同様である。
【0104】
接続台座には、切欠部が2つ以上形成されていてもよい。この場合には、接続台座には、複数の切欠部に対応する位置に、止め部が設けられる。また、これに伴って、プローブは、切欠部の数に対応する数の突部を切欠部に対応する位置に備える。
【符号の説明】
【0105】
1 測定装置
10 ハウジング
11 フロントパネル
12 電源スイッチ
13 モニタ
14 操作部
15 接続部
20,20A プローブ
21 プローブ円柱部
22 フランジ部
23 突部
24 接続端子
25 テストリード
30 接続ユニット
31 ユニット本体部
32 保護部材
33 プローブ挿入部
34 保護部材取付部
40,40A,40B 接続台座
41 台座取付部
42 台座本体部
43 開口部
44 切欠部
45 第一止め部
46 アーム部
47 基底部
48 第二止め部
100,200 ロック機構
223a,223b 突部
244a,244b 切欠部
245a,245b 突部ガイド部
246a,246b 第一止め部
247a,247b アーム部
248a,248b 基底部
249a,249b 第二止め部
261、262,263,264,265,266 補強リブ
271,272 プローブガイド部
345a,345b 突部ガイド部
346a,346b 第一止め部
371,372 プローブガイド部
S,S1,S2 間隔
E 空隙