(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179354
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】布団類の減圧パック包装機
(51)【国際特許分類】
B65B 31/02 20060101AFI20241219BHJP
【FI】
B65B31/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098129
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】517164556
【氏名又は名称】株式会社TOSEI
(74)【代理人】
【識別番号】100107928
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正則
(74)【代理人】
【識別番号】110003362
【氏名又は名称】弁理士法人i.PARTNERS特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅賀 琢磨
(72)【発明者】
【氏名】古瀬 義昭
(72)【発明者】
【氏名】椙山 秀昭
(72)【発明者】
【氏名】石渡 敏夫
【テーマコード(参考)】
3E053
【Fターム(参考)】
3E053AA06
3E053BA09
3E053CA01
3E053CB04
3E053FA01
3E053GA12
3E053JA10
(57)【要約】
【課題】筐体の横幅をスリムにすると共に、スリム化に伴う問題点を克服した布団類の減圧パック包装機を提供する。
【解決手段】実施形態の布団類の減圧パック包装機は、チャンバーを有する箱型の筐体と、前記筐体の前記チャンバーに引き出し可能に取り付けられ、布団類を収容した包装袋が収められる引出し部と、前記チャンバーに前記引出し部を収納した状態で前記チャンバー内を減圧することにより、前記布団類を収容した包装袋内を脱気する減圧手段と、脱気した前記包装袋の開口部をシールするシール機構と、前記シール機構の下シールブロックと前記引出し部の引出し扉との間に設けられるプレートと、を有し、前記プレートには、前記包装袋の開口部を押える開口部押え機構が1つ又は複数設けられていることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンバーを有する箱型の筐体と、
前記筐体の前記チャンバーに引き出し可能に取り付けられ、布団類を収容した包装袋が収められる引出し部と、
前記チャンバーに前記引出し部を収納した状態で前記チャンバー内を減圧することにより、前記布団類を収容した包装袋内を脱気する減圧手段と、
脱気した前記包装袋の開口部をシールするシール機構と、
前記シール機構の下シールブロックと前記引出し部の引出し扉との間に設けられるプレートと、
を有し、
前記プレートには、前記包装袋の開口部を押える開口部押え機構が1つ又は複数設けられていることを特徴とする布団類の減圧パック包装機。
【請求項2】
前記開口部押え機構には、前記包装袋の開口部を前記プレートに押し当てて動きを抑止するための複数の磁石、又は複数の押圧機構が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の布団類の減圧パック包装機。
【請求項3】
チャンバーを有する箱型の筐体と、
前記筐体の前記チャンバーに引き出し可能に取り付けられ、布団類を収容した包装袋が収められる引出し部と、
前記チャンバーに前記引出し部を収納した状態で前記チャンバー内を減圧することにより、前記布団類を収容した包装袋内を脱気する減圧手段と、
脱気した前記包装袋の開口部をシールするシール機構と、
を有し、
前記シール機構の下シールブロックと前記引出し部の引出し扉との間には、前記下シールブロックとほぼ同じ高さを有し、且つ前記包装袋の開口部を折り畳む領域を有するプレートが設けられていることを特徴とする布団類の減圧パック包装機。
【請求項4】
前記チャンバーに設けられる前記シール機構の下シールブロックは、前記チャンバーの深さの30%~40%の高さであることを特徴とする請求項1又は3に記載の布団類の減圧パック包装機。
【請求項5】
袋押え部を有し、減圧工程時に前記包装袋を押圧する袋押え機構と、
前記引出し部の引出し扉の近傍に設けられる電磁ロック機構と、
が更に設けられ、
前記電磁ロック機構は、前記シール機構によるシールが完了して、前記袋押え部が所定の停止位置に上昇するまで前記引出し扉が開かないようにロックすることを特徴とする請求項1又は3に記載の布団類の減圧パック包装機。
【請求項6】
前記筐体の横幅は、布団の長手方向を3つ折りした状態で収納する幅であることを特徴とする請求項1又は3に記載の布団類の減圧パック包装機。
【請求項7】
前記プレートには、前記包装袋の開口部の上辺の折り畳線が貼付又は描画されていることを特徴とする請求項1又は3に記載の布団類の減圧パック包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばコインランドリー店舗、病院、介護施設等の各種施設に設置される布団類の減圧パック包装機に関する。
【背景技術】
【0002】
出願人は、2022年12月8日、9日にパシフィコ横浜で開催された「第7回国際コインランドリーEXPO 2022」において、布団類を減圧パックする減圧パック包装機を出展し、公開した。
【0003】
「第7回国際コインランドリーEXPO 2022」に出展した布団類の減圧パック包装機では、布団類の長手方向を2つ折りにして保存用の収納袋(ビニール袋)に入れ、その収納袋をチャンバーにセットし、チャンバー内を減圧して収納袋を脱気し、その開口部をシールする仕様であった。このため、減圧パック包装機の筐体は、布団類の長手方向を2つ折りして収める幅を要するので、横幅が大きい筐体であった。コインランドリー店舗等に据え付けるためには、小さい設置面積とする要望や、重量を軽減する要望等が寄せられた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-179933号公報
【特許文献2】特開2001-167342号公報
【特許文献3】特開2019-59545号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、筐体の横幅をスリムにすると共に、スリム化に伴う問題点を克服した布団類の減圧パック包装機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の布団類の減圧パック包装機は、チャンバーを有する箱型の筐体と、前記筐体の前記チャンバーに引き出し可能に取り付けられ、布団類を収容した包装袋が収められる引出し部と、前記チャンバーに前記引出し部を収納した状態で前記チャンバー内を減圧することにより、前記布団類を収容した包装袋内を脱気する減圧手段と、脱気した前記包装袋の開口部をシールするシール機構と、前記シール機構の下シールブロックと前記引出し部の引出し扉との間に設けられるプレートと、を有し、前記プレートには、前記包装袋の開口部を押える開口部押え機構が1つ又は複数設けられていることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施形態に係る布団類の減圧パック包装機の正面から見た図である。
【
図2】実施形態に係る布団類の減圧パック包装機の側面から見た一部の断面図を示すと共に、引出し扉の近傍に設けた電磁ロック機構の構成を示す図である。
【
図3】布団類の減圧パック包装機および電磁ロック機構の動作(袋押え部による押圧)を説明する図である。
【
図4】布団類の減圧パック包装機および電磁ロック機構の動作(袋押え部が上昇した所定位置に戻る)を説明する図である。
【
図5】実施形態に係る布団類の減圧パック包装機の開口部押え機構の袋セットパターン1を示す図である。
【
図6】袋セットパターン1の開口部押え機構を拡大した図である。
【
図7】袋セットパターン1の開口部押え機構の動作を説明する図である。
【
図8】袋セットパターン1の開口部押え機構の包装袋の折り畳み動作を説明する図である。
【
図9】袋セットパターン1の開口部押え機構の包装袋の折り畳み後の動作を説明する図である。
【
図10】袋セットパターン1の開口部押え機構の横から見た断面図である。
【
図11】袋セットパターン1の開口部押え機構に包装袋をセットした状態を示す図である。
【
図12】実施形態に係る布団類の減圧パック包装機の開口部押え機構の袋セットパターン2を示す図である。
【
図13】実施形態に係る布団類の減圧パック包装機の開口部押え機構の袋セットパターン3を示す図である。
【
図14】開口部押え機構の袋セットパターン3に包装袋をセットした状態を示す図である。
【
図15】実施形態に係る布団類の減圧パック包装機の開口部押え機構の袋セットパターン4を示す図である。
【
図16】実施形態に係る布団類の減圧パック包装機の開口部押え機構の袋セットパターン5を示す図である。
【
図17】(a)乃至(c)は、開口部押え機構の袋セットパターン5の動作状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、実施形態に係る布団類の減圧パック包装機の正面から見た図を示している。
図2は、布団類の減圧パック包装機の側面から見た断面形状を示すと共に、引出し扉の近傍に設けた電磁ロック機構の構成を示している。
図3および
図4は、布団類の減圧パック包装機および電磁ロック機構の動作を説明する図を示している。
【0009】
図1に示すように、例えばコインランドリー店舗に設置される布団類の減圧パック包装機(以下、単に減圧パック包装機と称する)100は、縦長の長方体(箱型)の筐体105で構成される。その筐体105の形状は、布団類(敷布団、掛布団、毛布、こたつ布団、タオルケット、座布団、衣類(特に厚手の衣類を複数同時に)、カーテン等)を減圧包装することが出来る大きさである。その筐体は、例えば、幅が約800mm、高さが約1830mm、奥行きが約1350mmである。減圧パック包装機100は、上から順に操作パネル部110、メンテナンスアクセス部120、引出し部130を収容するチャンバー140、基台部150の4つの層を有している。
【0010】
筐体105の横幅を小さくしているので、チャンバー140に収める布団類は、横長の状態で3つ折りにして減圧用の包装袋(ビニール袋)に収納して、チャンバー140にセットする形態となる。これにより、軽量でスリムな筐体105とした減圧パック包装機100を提供することができる。布団類を入れる包装袋(ビニール袋)は、マチ有の袋、およびマチ無の袋が使用できる。
【0011】
操作パネル部110には、減圧パック包装機100の制御を司る制御装置(不図示)や表示タッチパネル110aが設けられる。メンテナンスアクセス部120には、コイン投入機構(決済手段)120aが設けられる。利用者が減圧パック包装機100を利用する場合には、コイン投入機構120aに予め定められた利用料金のコインを入金(例えば、300円)する。そして、表示タッチパネル110aの操作によって減圧パック包装機100を稼働することが出来る。なお、コイン投入機構120aとは別に、紙幣、カード決済処理部、又はスマートフォン決済処理機能を設けても良い。
【0012】
図2に示すように、メンテナンスアクセス部120の内部には、上シールブロック130aを上下に移動する上シールブロック駆動機構120b、チャンバー140内を減圧した時に布団類が入った収納袋を上から押える袋押え駆動機構120c、チャンバー140内を減圧する真空ポンプ(減圧手段)120d、等が設けられている。メンテナンスアクセス部120の扉は、上シールブロック駆動機構120bや袋押え駆動機構120c等のメインテナンス時に開閉可能である。上シールブロック駆動機構120bや袋押え駆動機構120cは、それぞれ電磁弁を介して真空ポンプ120dと接続されるが、その配線は省略している。
なお、筐体105は、真空ポンプ120dを用いてチャンバー140内を減圧するための強度を有する骨組みで形成されている。
【0013】
チャンバー140には、不図示の引出し機構により引出し部130がチャンバー140の前方(
図2では、左側)に引出し可能に取り付けられる。チャンバー140には、シール用の上シールブロック130aと、それに対峙する下シールブロック130bが引出し扉130cの近くに設けられる。上シールブロック130aは、上シールブロック駆動機構120bによりシール工程では下方に駆動され、シール後は上方に駆動される。下シールブロック130bは、固定ブロックである。上シールブロック130aおよび下シールブロック130bの表面のほぼ全長には、包装袋160(
図3を参照)の開口部をシールするためのヒータ線が設けられている。
【0014】
実施形態の減圧パック包装機100では、下シールブロック130bが低くい位置に設定されている。チャンバー140の深さ全長は、例えば約345mm、チャンバー40の上面と下シールブロック130bの上面との間は、例えば約230mmである。したがって、下シールブロック130bの底面からの高さは、例えば115mmである。つまり、チャンバー140の下側に設けられる下シールブロック130bは、チャンバー140の深さ方向の30%~40%の高さである。これにより、布団の長手方向を3つ折りにして包装袋160に収納し、チャンバー140にセットする形態でも、チャンバー140内の深さを十分確保できている。
【0015】
また、下シールブロック130bのチャンバー140の底面からの高さを低く設定(30%~40%の高さ)することによって、チャンバー内の減圧により脱気された時の包装袋160の高さとの段差が小さいので(同程度の高さとなる)、そのシール工程においては包装袋の開口部を完全に、且つ綺麗にシールすることができる。
【0016】
更に、
図2に示すように、減圧パック包装機100の引出し部130の引出し扉130cの下側の基台部150には、電磁ロック機構150aが設けられている。制御装置の指令により電磁ロック機構150aは、減圧パック包装機100の起動と同時に電磁石150a1を作動してロック棒150a2を持ち上げて、引出し扉130cが開かないようにロックする。ロック解除する場合、電磁石150a1を作動してロック棒150a2を引出し扉130cから押し下げてロックを解除する。
【0017】
図3は、電磁ロック機構150aによる引出し扉130cのロック状態における袋押え部130dの形状を示している。即ち、真空ポンプ120dによりチャンバー140内の減圧が開始すると、袋押え駆動機構120cにより袋押え部130dが下降して、布団類を収納する収納袋160を上から押えることで脱気作用を促進する。チャンバー140内の減圧と袋押え部130dの作用により、収納袋160内の空気が脱気されると、シール工程が開始される。
【0018】
シール工程では、上シールブロック130aが下降して、上シールブロック130aと下シールブロック130bとの間に収納袋160の開口部を挟んだ状態で、両シールブロック130a、130bのヒータ線に通電する。ヒータ線の発熱より、収納袋(ビニール袋)160の開口部が溶解してシールが施される。
この時、下シールブロック130bのチャンバー140の底面からの高さを低く設定しているので、減圧した時の包装袋160の高さとの段差が小さいので(ほぼ同程度のレベル)、収納袋160の開口部におけるシワの発生を防ぎ、完全に且つ綺麗にシールすることが出来る。
【0019】
次に、
図4に示すように、収納袋160の開口部のシールが完了して、袋押え部130dが上方の所定設定位置(例えば、最上位)に到達すると、電磁ロック機構150aはロック棒150a2による引出し扉130cのロックを解除する。これにより、引出し部130を前方(
図4では左方向)に引き出しすることが可能となり、減圧&シールした包装袋160を減圧パックとして取り出すことが出来る。もしも、袋押え部130dが上方の所定位置に到達する前にロック棒150a2によるロックを解除するような構成であると、誤って引出し部130を前方に引き出した場合、袋押え部130dに引っかかって包装袋160や、収納した布団類を破損する事態が発生する。しかしながら、袋押え部130dが上方の所定位置に到達までロック棒150a2によるロックが継続する構成とすることで、そのような事態の発生を防ぐことが出来る。
【0020】
次に、
図5乃至
図17を参照して、包装袋160の開口部の押え機構について説明する。
上述したように、減圧パック包装機100の筐体横幅をスリムにしたことにより、包装袋160の幅が筐体105の横幅より広い大きさを有することになった。このため、包装袋160の開口部を完全に且つ綺麗にシールするためには、包装袋160の開口部を綺麗に折り畳み、且つその動きを抑制した状態でシールする必要がある。以下に、それを実現する開口部押え機構の袋セットパターン1乃至5について説明する。
【0021】
(袋セットパターン1)
図5乃至
図10は、開口部押え機構の袋セットパターン1を示している。
図5乃至
図6に示すように、下シールブロック130bと引出し扉130cとの間には、開口部押え機構200を配置する平らなプレート210が設けられる。プレート210は、包装袋160の開口部を折り畳む領域となり、下シールブロック130bとほぼ同じ高さを有している。
【0022】
図6に示すように、開口部押え機構200は、第1辺乃至第6辺を有する6角形の形状を有している。第1辺220は、プレート210の引出し扉130c側の辺に位置し、両側にヒンジ部230が設けられている。このヒンジ部230によって、開口部押え機構200がプレート210から回動可能に取り付けられる。
【0023】
第2辺222および第3辺223は、第1辺220に垂直な辺であり、開口部押え機構200の両端を形成する。第4辺225および第5辺226は、第1辺220と対向する第6辺228の両端部と第2辺222の端部および第3辺223の端部とを接続する傾斜辺である。第4辺225および第5辺226の傾斜は、後述する包装袋の開口部の折り目線215に沿った位置である。
【0024】
開口部押え機構200は、更に第4辺225および第5辺226の傾斜に沿って、凸形状の断面を有する拡張部225a、226aが設けられている。
図5の円で例示すように、拡張部225a、226aは、第4辺225および第5辺226のL字片に取付片と底部を有する部品がネジ止め結合して、凸形状を形成する構造である。
第4辺225および第5辺226に、それぞれ拡張部225a、226aが設けられているので、第4辺225および第5辺226の面積(重量)が増えることになる。これにより、チャンバー内の減圧を行って包装袋が膨張したとき、その開口部がチャンバー方向に引っ張られることを防止する作用を有する。
【0025】
そして、
図6に示すように、拡張部225a、226aの中央には、第4辺225および第5辺226の傾斜に沿って、磁石225b、226bが取り付けられる。また、第6辺228の中央には、ツマビ部228aが設けられている。
【0026】
減圧パック包装機100の使用に際し、引出し部130をチャンバー140から引き出した場合、
図5に示す形状である。つまり、開口部押え機構200の拡張部225a、226aに設けた磁石225b、226bにより、開口部押え機構200はプレート210に磁気で接着している。
引出し部130に布団類を入れた包装袋160に収納し、その開口部をプレート210上にセットしたい時、
図7に示すように、ツマビ部228aを持ち上げて両側のヒンジ部230の作用にて開口部押え機構200を回動させる。すると、開口部押え機構200は引出し扉130c側に倒れた位置に設定できる。
図7に示した開口部押え機構200を開けた状態にして、包装袋160の開口部をプレート210上で折り畳んでセットする。
【0027】
図6に示すように、プレート210には、包装袋160の開口部の折り目線215を有する三角のガイドが貼付又は描画(印刷を含む)されている。即ち、包装袋160の開口部の上辺をヘッド線218に合わせて配置し、開口部の角部を持って、左右の角部毎に折り目線215に沿って折り曲げて包装袋160をセットする。
図8は、折り目線215に沿って、筐体105の横幅からはみ出した包装袋160の開口部170の両側を綺麗に折り畳んだ状態を示している。
図8に示すように、包装袋160の開口部(最上位)170が綺麗に折り曲げた状態とすることで、包装袋160を綺麗に配置できシールの失敗を防ぐことが出来る。
【0028】
図9は、開口部押え機構200の動きを示した図である。開口部押え機構200を
図8のセット状態Aから、元の位置状態Bに戻すことによって、包装袋160の開口部のプレート210へのセットを完了する。
図10は、開口部押え機構200によって押えられている包装袋160の状態を示す断面図である。チャンバー140内の減圧により包装袋160の空気を脱気する時に、脱気された空気がチャンバー140にスムーズに排出する必要がある。これを実現するため、包装袋160の開口部は、磁石225b、226bによる磁気で押さえられている。即ち、開口部押え機構200により包装部160の開口部を強く押さえつけるものではない。これにより、包装袋の真空動作を妨げることなく、包装袋160の開口部170をプレート210に押し当てて動きを抑止する状態(膨張したとき、その開口部がチャンバー方向に引っ張られることを防止)を形成することが出来る。
【0029】
図11は、引出し部130に布団類を入れた包装袋160をセットした状態を示す図である。
図8で説明したように、開口部押え機構200を開放した状態で、布団類を入れた包装袋160を引出し部130にセットする。
図11では、包装袋160の開口部を折り畳む形状を示している。そして、
図9で説明したように、開口部押え機構200を元の位置Bに戻すことで包装袋160のセットが完了する。
【0030】
(袋セットパターン2)
図12は、開口部押え機構の袋セットパターン2を示している。
図12に示すように、袋セットパターン2の開口部押え機構300は、左右対称な2つの開口部押え機構310、320により構成される。開口部押え機構310,320は、それぞれプレート210の両側にヒンジ部340(開口部押え機構310側は不図示)によって回動可能に取り付けられている。また、開口部押え機構310、320の下シールブロック130b側の側面には、プレート210に向けて磁石330が設けられている。
【0031】
また
図12(a)は、引出し部130をチャンバー140から引き出した状態を示している。2つの開口部押え機構310、320は、磁石330によりプレート210に磁気で接着した状態(閉じられた状態)となっている。
図12(b)は、引出し部130に布団類を入れた包装袋160をセットする場合を示している。2つの開口部押え機構310、320は、ヒンジ部340の作用により外側に向けて開放した状態に設定される。そして、
図8で示したように包装袋160の開口部を折り畳んでセットを完了したら、2つの開口部押え機構310、320を
図12(a)の状態に戻す。これにより、2つの開口部押え機構310、320の設けた磁石330によって、包装袋160の開口部の動きを抑止する。つまり、包装袋160の開口部をプレート210に押し当てて動きを抑止する状態を形成する。
【0032】
(袋セットパターン3)
図13および
図14は、開口部押え機構の袋セットパターン3を示している。
この袋セットパターン3は、袋セットパターン1と袋セットパターン2とを組み合わせた形状である。つまり、開口部押え機構300、310、320を有する構成である。各開口部押え機構300、310、320の機構は、
図5乃至
図12で説明した通りであるので重複した説明は省略する。
【0033】
図14は、袋セットパターン3において、引出し部130に布団類を入れた包装袋160をセットした状態を示す図である。
図14に示すように、包装袋160の開口部が3つの開口部押え機構300、310、320に設けられる磁石(
図6の磁石225b、226b、
図12の磁石330)によりプレート210に押し当てて、その動きを抑止する状態を形成する。
【0034】
(袋セットパターン4)
図15(a),(b)は、開口部押え機構の袋セットパターン4を示している。
図15に示すように、袋セットパターン4の開口部押え機構400は、プレート210の引出し扉130c側にヒンジ部430を介して2つの開口部押え機構410、420が取り付けられている。開口部押え機構410、420は、長方形の厚板(例えば、鉄板)で構成されており、その内側(プレート210側)の先端部には磁石440が設けられている。
【0035】
上述した袋セットパターン1乃至3と同様に、引出し部130に包装袋160を入れて、プレート210上に包装袋160の開口部を折り曲げセットする時、ヒンジ部430によって開口部押え機構410、420を引出し扉130c側に倒して作業する。折り曲げセットが完了すると、開口部押え機構410、420をプレート210に接着する位置に戻す。これにより、包装袋160の開口部が押え機構410、420に設けられる磁石440によりプレート210に押し当てて、その動きを抑止する状態を形成する。
【0036】
(袋セットパターン5)
図16および
図17は、開口部押え機構の袋セットパターン5を示している。
図16(a)に示すように、袋セットパターン5の開口部押え機構500は、プレート210の両側に2つの開口部押え機構510、520が取り付けられている。開口部押え機構510、520は、
図16(b)に示す押圧機構を有している。
図16(b)に示すように、開口部押え機構510、520の押圧機構は、内部に板バネ530が設けられている。板バネ530の一方端は、ねじ540、550で固定され、他方端は開放ている。板バネ530の水平部530aには、押し当てレバー560の先端部560aが当接している。先端部560aは、円弧部と水平部の2の形状を有し、軸530b(
図17を参照)によって回動する。
【0037】
図17(a)~(c)は、袋セットパターン5の開口部押え機構500の動作状態を示している。
図17(a)示すように、押し当てレバー560の先端部560aの水平部が板バネ530の水平部530aに当接している時、板バネ530はプレート210との間に隙間hを有する状態となっている。
【0038】
次に、
図17(b)に示すように、引出し部130に包装袋160を入れて、隙間hに包装袋160の開口部170を折り曲げセットする。そして、軸530bを回動軸として、押し当てレバー560を押圧方向(
図17(b)の左方向)に回動する。
すると、
図17(c)に示すように、押し当てレバー560の先端部560aの円弧部袋がプレート210と当接して、板バネ530を下降に押し付ける。これにより、包装袋160の開口部が押え機構510、520の押し当てレバー560の操作によってプレート210に押し当てられ、その動きが抑止される。
【0039】
開口部押え機構の袋セットパターン1乃至5を纏めると、以下の特徴を有している。
特徴1:プレート210には、包装袋160の開口部を押える開口部押え機構が1つ(200)又は複数(310と320、又は300~320、又は410と420、又は510と520)取り付けられている。
【0040】
特徴2:開口部押え機構には、包装袋160の開口部をプレート210に押し当てて動きを抑止するための複数の磁石(225bと226b、又は300、又は440)、又は複数の押圧機構(510、520)が設けられている。
【0041】
特徴3:開口部押え機構は、プレート210の引出し扉130c側に1つ(200)又は複数(410と420)設けられている。
【0042】
特徴4:開口部押え機構は、プレート210の両側にそれぞれ1つ(310、320)設けられている。
【0043】
特徴5:開口部押え機構は、プレート210の引出し扉130c側に1つ(200)、およびプレート(310、320)の両側にそれぞれ1つ設けられている。
【0044】
以上説明したように、実施形態の布団類の減圧パック包装機によれば、その筐体の横幅をスリムにすることで、設置面積を小さく、且つ重量を軽くすることが出来る。また、下シールブロックの位置を低くすることで、脱気した時の包装袋の高さとの段差が小さく(同程度のレベル)することが出来る。その結果、シール工程においては包装袋の開口部を完全に、且つ綺麗にシールすることが出来る。更に、引出し部の引出し扉の近傍には電磁ロック機構が設けられているので、シール機構によるシールが完了して、袋押え部が所定の停止位置に上昇するまで引出し扉が開かないようにロックすることが出来る。その結果、シールを終えた包装袋(減圧パック)を破損することなく取り出すことが出来る。
【0045】
実施形態の布団類の減圧パック包装機は、チャンバー140を有する箱型の筐体105と、筐体105のチャンバー140に引き出し可能に取り付けられ、布団類を収容した包装袋160が収められる引出し部130と、チャンバー140に引出し部140を収納した状態でチャンバー140内を減圧することにより、布団類を収容した包装袋160内を脱気する減圧手段120dと、脱気した包装袋160の開口部をシールするシール機構130a、130bと、シール機構の下シールブロック130bと引出し部130の引出し扉130cとの間に設けられるプレート210と、を有し、プレート210には、包装袋160の開口部を押える開口部押え機構(200、又は300、又は400、又は500)が1つ又は複数設けられる構成である。これにより、筐体の横幅をスリムにすることで、設置面積を小さく、且つ重量を軽くすることが出来る。また、綺麗に折り畳んだ包装袋の開口部を開口部押え機構により押さえることで、シール工程においては包装袋の開口部を完全に、且つ綺麗にシールすることが出来る。
【0046】
実施形態の布団類の減圧パック包装機の開口部押え機構(200、又は300、又は400、又は500)には、包装袋160の開口部をプレート210に押し当てて動きを抑止するための複数の磁石(225a、225b、又は330、又は400)、又は複数の押圧機構(510、520)が設けられる構成である。これにより、綺麗に折り畳んだ包装袋の開口部を開口部押え機構の磁石又は押圧機構により押さえることで、シール工程においては包装袋の開口部を完全に、且つ綺麗にシールすることが出来る。
【0047】
実施形態の布団類の減圧パック包装機は、チャンバー140を有する箱型の筐体105と、筐体105のチャンバー140に引き出し可能に取り付けられ、布団類を収容した包装袋160が収められる引出し部130と、チャンバー140に引出し部140を収納した状態でチャンバー140内を減圧することにより、布団類を収容した包装袋160内を脱気する減圧手段120dと、脱気した包装袋160の開口部をシールするシール機構130a、130bと、を有し、シール機構の下シールブロック130bと引出し部130の引出し扉130cとの間には、下シールブロック130bとほぼ同じ高さを有し、且つ包装袋160の開口部を折り畳む領域を有するプレート210が設けられる構成である。これにより、筐体の横幅をスリムにすることで、設置面積を小さく、且つ重量を軽くすることが出来る。また、包装袋の開口部を綺麗に折り畳むことができ、シール工程においては包装袋の開口部を完全に、且つ綺麗にシールすることが出来る。
【0048】
また実施形態の布団類の減圧パック包装機は、チャンバー140に設けられるシール機構の下シールブロック130bは、チャンバー140の深さの30%~40%の高さとする構成である。これにより、下シールブロックの位置を低くすることで、脱気した時の包装袋の高さとの段差が小さく(同程度のレベル)することが出来る。その結果、シール工程においては包装袋の開口部を完全に、且つ綺麗にシールすることが出来る。
【0049】
また実施形態の布団類の減圧パック包装機は、袋押え部130dを有し、減圧工程時に包装袋160を押圧する袋押え機構120cと、引出し部130の引出し扉130cの近傍に設けられる電磁ロック機構150aと、が更に設けられ、電磁ロック機構150aは、シール機構130a、130bによるシールが完了して、袋押え部130dが所定の停止位置に上昇するまで引出し扉130cが開かないようにロックする構成である。これにより、シール機構によるシールが完了して、袋押え部が所定の停止位置に上昇するまで引出し扉が開かないようにロックすることができるので、シールを終えた包装袋(減圧パック)を破損することなく取り出すことが出来る。
【0050】
また実施形態の布団類の減圧パック包装機の筐体105の横幅は、布団の長手方向を3つ折りした状態で収納する幅である。これにより、筐体の横幅をスリムにすることで、設置面積を小さく、且つ重量を軽くすることが出来る。
【0051】
また実施形態の布団類の減圧パック包装機のプレート210には、包装袋160の開口部170の上辺の折り畳線215が貼付又は描画される構成である。これにより、折り畳線に沿って包装袋の開口部を綺麗に折り畳むことができ、シール工程においては包装袋の開口部を完全に、且つ綺麗にシールすることが出来る。
【0052】
本発明の実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0053】
100…布団類の減圧パック包装機、 105…筐体、 110…操作パネル部
110a…表示タッチパネル、 120…メンテナンスアクセス部
120a…コイン投入機構、 120b…上シールブロック駆動機構
120c…袋押え駆動機構、 120d…真空ポンプ(減圧手段)
130…引出し部、 130a…上シールブロック、 130b…下シールブロック
130c…引出し扉、 140…チャンバー、 150…基台部
150a…電磁ロック機構、 150a1…電磁石、 150a2…ロック棒
160…包装袋、 170…開口部
200、300、310、320、400、410、420、500、510、520…開口部押え機構
210…プレート、 225a、226a…拡張部、 228…ツマビ部
225b、226b、330、440…磁石
230、340、430…ヒンジ部