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特開2024-179358ナット検出装置、プログラム及びナット検出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179358
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】ナット検出装置、プログラム及びナット検出方法
(51)【国際特許分類】
   G06T 7/60 20170101AFI20241219BHJP
   G06T 7/13 20170101ALI20241219BHJP
   G06T 7/564 20170101ALI20241219BHJP
   G06V 10/26 20220101ALI20241219BHJP
【FI】
G06T7/60 200D
G06T7/13
G06T7/564
G06V10/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098136
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】390014395
【氏名又は名称】株式会社三協リール
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 優貴
(72)【発明者】
【氏名】加藤 禎恭
(72)【発明者】
【氏名】太田 祐介
(72)【発明者】
【氏名】太田 正悟
(72)【発明者】
【氏名】高見 俊介
(72)【発明者】
【氏名】上田 隆一
(72)【発明者】
【氏名】藤原 充季
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096BA20
5L096FA03
5L096FA06
5L096FA10
5L096FA18
5L096FA67
5L096MA07
(57)【要約】
【課題】ナットの検出が可能なナット検出装置、プログラム及びナット検出方法を提供すること。
【解決手段】実施形態のナット検出装置は、ナットの前記多角形の部分を検出する検出部を備える。検出部は、断面が多角形である部分を含むナットが映っている複数の画像それぞれから輪郭を抽出する。検出部は、輪郭から直線部分を抽出する。直線の端点を複数のクラスターにクラスタリングする。検出部は、複数の前記クラスターそれぞれについて、その前記クラスターに含まれる前記端点の平均座標を算出する。検出部は、複数の、2つの前記平均座標を結ぶ直線の中から、2つの前記直線のなす角度が前記多角形の1つの内角の角度に最も近い2つの前記直線を選ぶ。検出部は、前記2つの直線を用いて多角形の位置を推定する。
【選択図】図16
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面が多角形である部分を含むナットが映っている複数の画像それぞれから輪郭を抽出し、
前記輪郭から直線部分を抽出し、
前記直線の端点を複数のクラスターにクラスタリングし、
複数の前記クラスターそれぞれについて、その前記クラスターに含まれる前記端点の平均座標を算出し、
複数の、2つの前記平均座標を結ぶ直線の中から、2つの前記直線のなす角度が前記多角形の1つの内角の角度に最も近い2つの前記直線を選び、
前記2つの直線を用いて多角形の位置を推定することで、
前記ナットの前記多角形の部分を検出する検出部、を備えるナット検出装置。
【請求項2】
前記検出部は、前記2つの直線の少なくともいずれかを前記多角形の少なくとも1辺として、前記多角形の位置を推定する、請求項1に記載のナット検出装置。
【請求項3】
前記検出部は、前記2つの直線の交点を前記多角形の1点として、前記多角形の位置を推定する、請求項1に記載のナット検出装置。
【請求項4】
ナット検出装置が備えるプロセッサーを、
断面が多角形である部分を含むナットが映っている複数の画像それぞれから輪郭を抽出し、
前記輪郭から直線部分を抽出し、
前記直線の端点を複数のクラスターにクラスタリングし、
複数の前記クラスターそれぞれについて、その前記クラスターに含まれる前記端点の平均座標を算出し、
複数の、2つの前記平均座標を結ぶ直線の中から、2つの前記直線のなす角度が前記多角形の1つの内角の角度に最も近い2つの前記直線を選び、
前記2つの直線を用いて多角形の位置を推定することで、
前記ナットの前記多角形の部分を検出する検出部として機能させるプログラム。
【請求項5】
断面が多角形である部分を含むナットが映っている複数の画像それぞれから輪郭を抽出し、
前記輪郭から直線部分を抽出し、
前記直線の端点を複数のクラスターにクラスタリングし、
複数の前記クラスターそれぞれについて、その前記クラスターに含まれる前記端点の平均座標を算出し、
複数の、2つの前記平均座標を結ぶ直線の中から、2つの前記直線のなす角度が前記多角形の1つの内角の角度に最も近い2つの前記直線を選び、
前記2つの直線を用いて多角形の位置を推定することで、
前記ナットの前記多角形の部分を検出するナット検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナット検出装置、プログラム及びナット検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車の整備作業において、ホイールの脱着作業は、負担が特に大きい。したがって、ホイールの脱着を自動化することができれば、作業員の人的負担及び整備現場の労働力不足を解消することができる。ホイールの脱着を自動化するためには、ナットの検出が必要である。また、様々な装置及び装置における部品の取り付け及び取り外しにおいても自動化のためにはナットの検出が必要となる場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平05-188157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、ナットの検出が可能なナット検出装置、プログラム及びナット検出方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態のナット検出装置は、ナットの前記多角形の部分を検出する検出部を備える。検出部は、断面が多角形である部分を含むナットが映っている複数の画像それぞれから輪郭を抽出する。検出部は、輪郭から直線部分を抽出する。直線の端点を複数のクラスターにクラスタリングする。検出部は、複数の前記クラスターそれぞれについて、その前記クラスターに含まれる前記端点の平均座標を算出する。検出部は、複数の、2つの前記平均座標を結ぶ直線の中から、2つの前記直線のなす角度が前記多角形の1つの内角の角度に最も近い2つの前記直線を選ぶ。検出部は、前記2つの直線を用いて多角形の位置を推定する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態に係る脱着システムの要部構成の一例を示すブロック図。
図2図1中の脱着装置の一例を示す斜視図。
図3】脱着装置の設置場所について説明するための図。
図4図1中のプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャート。
図5図1中のプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャート。
図6図2中の中央カメラが出力する画像の一例を示す図。
図7図2中の中央カメラが出力する画像の一例を示す図。
図8】二値化後の中央画像の一例を示す図。
図9】輪郭が抽出された中央画像の一例を示す図。
図10】直線が抽出された中央画像の一例を示す図。
図11】始点をクラスタリングしたものをグラフ化した図。
図12】終点をクラスタリングしたものをグラフ化した図。
図13】始点及び始点をクラスタリングしたクラスターの平均座標を示す点をプロットしたグラフ。
図14】終点及び終点をクラスタリングしたクラスターの平均座標を示す点をプロットしたグラフ。
図15】直線をグラフ上にプロットした図。
図16】ホイールナットの位置を示す多角形の一例を示す図。
図17図1中の下部カメラが出力する画像の一例を示す図。
図18】ステレオカメラの2つのカメラで撮影された画像に共通して映っている部分を2次元で示すグラフ。
図19】ステレオカメラの2つのカメラで撮影された画像に共通して映っている部分を1次元で示すグラフ。
図20図19のグラフの各点をクラスターごとに色分けしたグラフ。
図21図18のグラフの各点をクラスターごとに色分けしたグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態に係る脱着システムについて図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、各部の縮尺を適宜変更している場合がある。また、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、説明のため、構成を省略して示している場合がある。また、各図面及び本明細書中において、同一の符号は同様の要素を示す。
図1及び図2を用いて脱着システム1について説明する。図1は、実施形態に係る脱着システム1の要部構成の一例を示すブロック図である。また、図2は、脱着システム1に含まれる脱着装置100の一例を示す斜視図である。
【0008】
脱着システム1は、車両からホイールを取り外すシステムである。また、脱着システム1は、当該車両に当該ホイールを取り付けるシステムである。脱着システム1は、一例として、脱着装置100及び制御装置200を含む。なお、脱着システム1は、このうちの一部を含むものであっても良い。
【0009】
脱着装置100は、車両からホイールを取り外すロボットである。また、脱着装置100は、当該車両に当該ホイールを取り付けるロボットである。脱着装置100は、例えば、図3に示すように、リフトLIの側方に設置される。脱着装置100は、リフトLIが複数並んでいる場合には、例えば、図3に示すように、リフトLIとリフトLIの間に設置される。図3は、脱着装置100の設置場所について説明するための図である。また、図3は、上方から見た平面図である。リフトLIは、車両1000を上に載せることができる。リフトLIは、当該車両1000を持ち上げる装置である。リフトLIは、例えば、自動車整備工場などに設置される。脱着装置100は、例えば、リフトLIによって持ち上げられた車両1000のタイヤ付きホイール1100を脱着する。車両1000は、例えば、自動車である。脱着装置100は、一例として、脱着部110、切り替え部120、姿勢制御部130、移動部140、下部カメラ150、上部カメラ160及び制御インターフェース170を含む。
【0010】
脱着部110は、車両1000からタイヤ付きホイール1100を取り外す装置である。また、脱着部110は、当該車両1000に当該タイヤ付きホイール1100を取り付ける装置である。脱着装置100は、1又は複数の脱着部110を備える。脱着装置100は、一例として、図2に示すように脱着部110A及び脱着部110Bの2つの脱着部110を備える。脱着部110Aと脱着部110Bは、背面と背面とが互いに対向した配置である。なお、脱着部110は、脱着対象のタイヤ付きホイール1100と対向する側が正面であり、正面の逆側が背面である。
【0011】
脱着部110は、一例として、把持部111、回転部112、ナット脱着部113、中央カメラ114及び伸縮部115を含む。
【0012】
把持部111は、タイヤ付きホイール1100を把持する装置である。把持部111は、例えば、複数の腕を備える。把持部111は、例えば、図2に示すように3本の腕を備える。各腕は、例えば、先端に、タイヤ付きホイール1100を把持するためのグリップを備える。把持部111は、複数の腕を閉じることによりタイヤ付きホイール1100を把持する。
【0013】
回転部112は、把持部111が把持しているタイヤ付きホイール1100を、回転させる装置である。この回転の方向は、時計回り及び反時計回りの少なくともいずれかである。把持部111の各腕の先端のグリップは、図2に示すように回転部112であっても良い。図2に示すような回転部112は、グリップを回転させることで、グリップに把持されたタイヤ付きホイール1100を回転させる。回転部112は、把持部111を回転させることによってタイヤ付きホイール1100を回転させるものであっても良い。
【0014】
ナット脱着部113は、ホイールナットを電動で回転させる装置である。ナット脱着部113は、例えば、電動レンチ又はナットランナーなどである。ナット脱着部113は、ナットを回転させることで、ハブボルトにはまったホイールナットを緩める。これにより、ナット脱着部113は、ホイールナットをハブボルトから取り外す。また、ナット脱着部113は、ホイールナットを、緩める場合と逆方向に回転させることでハブボルトに締める。脱着部110は、例えば、複数のナット脱着部113を備える。これにより、脱着部110は、タイヤ付きホイール1100を固定している複数のホイールナットを取り外し及び取り付けができる。なお、ナット脱着部113は、ホイールをハブに取り付けているナットを取り外すナット取り外し部の一例である。
【0015】
なお、ホイールナットの数は、タイヤ付きホイール1100ごとに異なる。このため、ナット脱着部113は、様々な数のホイールナットに対応可能な構造となっている。
【0016】
ナット脱着部113は、例えば、交換式である。この場合、様々な数のホイールナットに対応した複数種類のナット脱着部113がある。担当者は、タイヤ付きホイール1100の取り外しの前に、脱着対象のタイヤ付きホイール1100のホイールナットの数に対応したナット脱着部113に手動で交換する。なお、脱着部110は、自動でナット脱着部113を交換する機能を備えていても良い。
【0017】
ナット脱着部113は、例えば、可動式である。可動式のナット脱着部113は、ナットの位置に応じてナット脱着部113の位置を移動可能である。可動式のナット脱着部113は、ナット脱着部113の位置を移動させることにより、様々な数のホイールナットに対応可能である。脱着部110は、一例として、図2に示すように可動式のナット脱着部113を6つ備える。これにより、図2に示す脱着部110は、1つのタイヤ付きホイール1100を固定するホイールナットの数が6個以下である場合に当該タイヤ付きホイール1100の脱着が可能である。
【0018】
脱着部110は、様々な数に対応したナット脱着部113を備えていても良い。例えば、脱着部110は、例えば、4個用のナット脱着部113、5個用のナット脱着部113及び6個用のナット脱着部113を備える。脱着部110は、例えば、タイヤ付きホイール1100を回転させることにより、当該タイヤ付きホイール1100のホイールナットの数に対応したナット脱着部113の位置と、当該ホイールナットの位置とを合わせる。
【0019】
中央カメラ114は、画像を撮影する。また、中央カメラ114は、撮影した画像データを出力する。なお、動画像は、画像の一種である。中央カメラ114は、ステレオカメラである。したがって、中央カメラ114が出力する画像は、深度情報を含む。中央カメラ114は、脱着部110の中央部分に設置されることが好ましい。これにより、タイヤ付きホイール1100を正面から撮影可能である。正面から撮影することにより、画像処理の精度が向上する。なお、中央カメラ114は、ハブに取り付けられているホイールを撮影する第1のカメラの一例である。
【0020】
伸縮部115は、伸縮するなどして、脱着部110を車両1000に近づけたり車両1000から遠ざけたりする装置である。
【0021】
切り替え部120は、複数の脱着部110のうち、使用するものを切り替える装置である。例えば、切り替え部120は、使用する脱着部110を使用位置に移動する。使用位置は、例えば、車両1000の側面に、切り替え部120の正面が向く位置である。切り替え部120は、例えば、図2に示すように、脱着部110A及び脱着部110Bを回転させることで、位置を入れ替えることが可能である。これにより、切り替え部120は、脱着部110Aが使用位置にある場合、180度回転させることで、脱着部110Aと脱着部110Bの位置を入れ替える。この入れ替えにより、脱着部110Bの位置は、使用位置となる。脱着装置100が複数の脱着部110を備える場合、複数の脱着部110は、例えば、切り替え部120の回転中心を中心にして、正面を外側に放射状に配置される。例えば、3台の脱着部110が120度間隔で放射状に配置されている場合には、切り替え部120は、120度又は240度回転することで、使用する切り替え部120を他の切り替え部120に切り替え可能である。
【0022】
姿勢制御部130は、脱着部110、切り替え部120、下部カメラ150及び上部カメラ160の姿勢を制御する装置である。姿勢制御部130は、例えば、複数の油圧シリンダーを備える。姿勢制御部130は、複数の油圧シリンダーを伸縮させることにより、脱着部110、切り替え部120、下部カメラ150及び上部カメラ160の姿勢を制御する。姿勢制御部130は、姿勢制御により、脱着部110、切り替え部120、下部カメラ150及び上部カメラ160を傾けることが可能である。
【0023】
移動部140は、脱着部110、切り替え部120、姿勢制御部130、下部カメラ150及び上部カメラ160を移動させる装置である。移動部140は、レール141上を、車輪などを用いて移動する。図3に示すようにレール141は、リフトLIの側面及び車両1000の側面に並行に配置される。移動部140は、レール141上を移動するものとは限らず、その他の移動方法により移動するものであっても良い。
【0024】
下部カメラ150は、画像を撮影する。また、下部カメラ150は、撮影した画像データを出力する。下部カメラ150は、ステレオカメラである。下部カメラ150は、把持部111がタイヤ付きホイール1100を把持している状態でも隠れないように把持部111の下方に設置される。なお、下部カメラ150の設置位置は、把持部111の真下が好ましい。しかしながら、下部カメラ150の設置位置は、把持部111の真下ではなく斜め下方であっても良い。なお、下部カメラ150は、ホイールの取り外し後のハブを撮影する第2のカメラの一例である。
【0025】
上部カメラ160は、画像を撮影する。また、上部カメラ160は、撮影した画像データを出力する。上部カメラ160は、ステレオカメラであっても、ステレオカメラではない通常のカメラであっても良い。上部カメラ160は、把持部111がタイヤ付きホイール1100を把持している状態でも隠れないように把持部111の上方に設置される。なお、上部カメラ160の設置位置は、把持部111の真上が好ましい。しかしながら、上部カメラ160の設置位置は、把持部111の真上ではなく斜め上方であっても良い。なお、上部カメラ160は、ハブを備えた車両のボディを撮影する第3のカメラの一例である。
【0026】
制御インターフェース170は、脱着装置100が制御装置200と通信するためのインターフェースである。脱着装置100は、制御インターフェース170を介して制御装置200による制御を受ける。
【0027】
制御装置200は、脱着システム1の制御を行う装置である。制御装置200は、例えば、PC(personal computer)、サーバー、タブレット端末又はスマートホンなどの汎用の装置である。制御装置200は、脱着システム1専用の装置であっても良い。制御装置200は、一例として、プロセッサー201、ROM(read-only memory)202、RAM(random-access memory)203、補助記憶装置204及び制御インターフェース205、入力デバイス206及び表示デバイス207を含む。そして、バス208などが、これら各部を接続する。なお、制御装置200は、ナット検出装置の一例である。
【0028】
プロセッサー201は、脱着システム1の動作に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピューターの中枢部分であり、各種演算及び処理などを行う。プロセッサー201は、例えば、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、SoC(system on a chip)、DSP(digital signal processor)、GPU(graphics processing unit)、ASIC(application specific integrated circuit)、PLD(programmable logic device)又はFPGA(field-programmable gate array)などである。あるいは、プロセッサー201は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。また、プロセッサー201は、これらにハードウェアアクセラレーターなどを組み合わせたものであっても良い。プロセッサー201は、ROM202又は補助記憶装置204などに記憶されたファームウェア、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムに基づいて、制御装置200の各種の機能を実現するべく各部を制御する。また、プロセッサー201は、当該プログラムに基づいて後述する処理を実行する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサー201の回路内に組み込まれていても良い。なお、プロセッサー201は、脱着装置を制御する制御部の一例である。また、プロセッサー201を中枢とするコンピューターは、制御部の一例である。また、制御装置200は、制御部の一例である。
【0029】
ROM202及びRAM203は、プロセッサー201を中枢としたコンピューターの主記憶装置である。ROM202は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM202は、上記のプログラムのうち、例えばファームウェアなどを記憶する。また、ROM202は、プロセッサー201が各種の処理を行う上で使用するデータなども記憶する。
【0030】
RAM203は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM203は、プロセッサー201が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶するワークエリアなどとして利用される。RAM203は、典型的には揮発性メモリである。
【0031】
補助記憶装置204は、プロセッサー201を中枢としたコンピューターの補助記憶装置である。補助記憶装置204は、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disk drive)又はフラッシュメモリなどである。補助記憶装置204は、上記のプログラムのうち、例えば、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどを記憶する。また、補助記憶装置204は、プロセッサー201が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサー201での処理によって生成されたデータ及び各種の設定値などを記憶する。
【0032】
補助記憶装置204が記憶するアプリケーションソフトウェアは、脱着装置100を制御するためのソフトウェアを含む。
【0033】
制御インターフェース205は、制御装置200が脱着装置100と通信するためのインターフェースである。制御装置200は、制御インターフェース205を介して脱着装置100を制御する。
【0034】
入力デバイス206は、脱着システム1の操作者による操作を受け付ける。入力デバイス206は、例えば、ボタン、キーボード、キーパッド、タッチパッド、マウス又はコントローラーなどである。また、入力デバイス206は、音声入力用のデバイスであっても良い。
【0035】
表示デバイス207は、脱着システム1の操作者などに各種情報を通知するための画面を表示する。表示デバイス207は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機EL(electro-luminescence)ディスプレイなどのディスプレイである。また、入力デバイス206及び表示デバイス207としては、タッチパネルを用いることもできる。すなわち、タッチパネルが備える表示パネルを表示デバイス207として、タッチパネルが備える、タッチ入力によるポインティングデバイスを入力デバイス206として用いることができる。
【0036】
バス208は、コントロールバス、アドレスバス及びデータバスなどを含み、制御装置200の各部で授受される信号を伝送する。
【0037】
以下、実施形態に係る脱着システム1の動作を図4及び図5などに基づいて説明する。なお、以下の動作説明における処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。図4及び図5は、制御装置200のプロセッサー201による処理の一例を示すフローチャートである。プロセッサー201は、例えば、ROM202又は補助記憶装置204などに記憶されたプログラムに基づいて図4及び図5の処理を実行する。プロセッサー201は、例えば、脱着装置100を制御するためのソフトウェアの起動にともない図4及び図5に示す処理を開始する。
【0038】
図4のステップST11において制御装置200のプロセッサー201は、タイヤ付きホイール1100の取り外しを開始するか否かを判定する。
【0039】
脱着システム1の操作者は、脱着システム1にタイヤ付きホイール1100の取り外しを開始させたい場合、入力デバイス206を操作して、タイヤ付きホイール1100の取り外しを開始するように指示する入力を行う。プロセッサー201は、例えば当該入力に応じてタイヤ付きホイール1100の取り外しを開始すると判定する。
【0040】
プロセッサー201は、タイヤ付きホイール1100の取り外しを開始すると判定しないならば、ステップST11においてNoと判定してステップST11の処理を繰り返す。プロセッサー201は、タイヤ付きホイール1100の取り外しを開始すると判定するならば、ステップST11においてYesと判定してステップST12へと進む。
【0041】
ステップST12においてプロセッサー201は、移動部140を制御して、タイヤ付きホイール1100前に脱着装置100を移動させる。このために、プロセッサー201は、使用位置にある脱着部110の中央カメラ114が出力する画像(以下「中央画像」という。)を取得する。そして、プロセッサー201は、中央画像を画像処理することで、中央画像から、ホイール1110を検出する。これにより、プロセッサー201は、ホイール1110の位置を計測する。プロセッサー201は、中央画像の取得とホイール1110の検出を繰り返す行うことが好ましい。これにより、プロセッサー201は、脱着部110に対するホイール1110の相対位置の最新の値が分かる。
【0042】
ホイール1110の検出について図6を用いて説明する。図6は、中央画像IM1の一例を示す図である。なお、図6に示す中央画像IM1は、画像の一部であっても良い。図6に示す中央画像IM1には、タイヤ付きホイール1100、ホイールナット1200及びフェンダー1300が映っている。タイヤ付きホイール1100は、ホイール1110にタイヤ1120が付いているものである。また、ホイール1110には複数のボルト穴1111が開いている。また、ボルト穴1111それぞれの中には、ホイールナット1200がある。
【0043】
プロセッサー201は、例えば、以下の(A1)~(A3)の手順により中央画像IM1からホイールを検出する。ただし、プロセッサー201は、他の方法によりホイールを検出しても良い。
【0044】
(A1)プロセッサー201は、中央画像を二値化する。プロセッサー201は、例えばガウシアンフィルタを用いて二値化する。
【0045】
(A2)プロセッサー201は、二値化した画像から楕円を検出する。図6には、検出された楕円の例として楕円E1~楕円E3を示している。
【0046】
(A3)プロセッサー201は、検出した楕円の中から、最もホイール1110の輪郭である可能性が高いものを選ぶ。プロセッサー201は、例えば、長軸と短軸の比が所定の閾値TH1以下であり、且つ長軸及び短軸の長さが所定の範囲内である楕円を、ホイール1110の輪郭を示す楕円であるとみなす。当該所定の範囲は、例えば、所定の閾値TH2以上且つ所定の閾値TH3以下の範囲である。図6の例では、プロセッサー201は、楕円E1~楕円E3の中から、ホイール1110の輪郭である可能性が最も高いものとして楕円E1を選ぶ。
【0047】
プロセッサー201は、中央画像からホイール1110を検出できなかった場合には、移動部140を制御して、中央画像からホイール1110を検出できるようになるまで脱着装置100を移動させる。
【0048】
プロセッサー201は、中央画像からホイール1110を検出できた場合には、移動部140を制御して、使用位置にある脱着部110とタイヤ付きホイール110とが最も近くなるような位置に脱着装置100を移動させる。このために、プロセッサー201は、例えば、中央画像の左右中央にホイール1110が位置するように脱着装置100を移動させる。
【0049】
ステップST13においてプロセッサー201は、中央画像を取得する。そして、プロセッサー201は、中央画像を画像処理することで、ホイール1110の姿勢を計測する。プロセッサー201は、例えば、以下の(B1)~(B3)の手順によりホイール1110の姿勢を計測する。
【0050】
(B1)プロセッサー201は、中央画像からホイール1110の表面の三次元点群データを生成する。
(B2)プロセッサー201は、生成した三次元点群データからホイール1110の表面を示すホイール面を抽出する。
(B3)プロセッサー201は、抽出したホイール面の法線を算出する。
【0051】
(B3)で算出された法線は、ホイール1110の傾きを示すものである。すなわち、当該法線は、ホイール1110の姿勢を示す。
【0052】
プロセッサー201は、(B1)~(B3)の手順に代えて、以下の(C1)~(C4)の手順によりホイール1110の姿勢を計測しても良い。
【0053】
(C1)プロセッサー201は、中央画像から複数のボルト穴1111を検出する。また、プロセッサー201は、中央画像から複数のボルト穴1111の位置を計測する。プロセッサー201は、例えば、Haar-Like特徴を学習させたカスケード分類器を使用してボルト穴1111を検出する。この際、プロセッサー201は、ステレオカメラの2つのカメラで撮影された画像を用いてアンドをとることにより、誤認識を除去することが好ましい。また、プロセッサー201は、楕円あてはめによってボルト穴1111を検出しても良い。
【0054】
(C2)プロセッサー201は、法線の算出に用いる3つのボルト穴1111を決定する。当該3つのボルト穴1111は、隣接する3つのボルト穴1111であることが好ましい。なお、ボルト穴1111は、一般的に円周上に等間隔に並んでいる。隣接する3つのボルト穴1111とは、当該円周上に並ぶボルト穴1111を並んでいる順に3つ選んだものである。
【0055】
(C3)プロセッサー201は、3つのボルト穴1111の中から1つのボルト穴1111を選択する。(C2)で決定されたボルト穴1111が隣接する3つのボルト穴1111である場合、プロセッサー201は、3つのボルト穴1111のうちの中央を選択することが好ましい。ここで選択されたボルト穴1111を示す点を以下「点P1」という。また、選択されなかったボルト穴1111を示す点をそれぞれいか「点P2」及び「点P3」という。
【0056】
(C4)プロセッサー201は、点P1を通り、ベクトルP1P2及びベクトルP1P3のいずれとも垂直である直線を求める。当該直線は、ホイール面の法線である。
【0057】
なお、プロセッサー201は、ホイール1110の姿勢の計測結果をRAM203又は補助記憶装置204などに記憶しておく。
【0058】
ステップST14においてプロセッサー201は、姿勢制御部130を制御して、脱着部110の正面が、ホイール面の法線と垂直となるように脱着部110、切り替え部120、下部カメラ150及び上部カメラ160の姿勢を変更する。これにより、プロセッサー201は、脱着部110の姿勢をホイール1110の姿勢と合わせる。
【0059】
ステップST15においてプロセッサー201は、中央画像を取得する。そして、プロセッサー201は、中央画像を画像処理することにより、使用位置にある脱着部110からホイール1110までの距離D1を計測する。プロセッサー201は、例えば、中央画像の深度情報を用いて距離D1を計測する。プロセッサー201は、距離D1として、例えば、脱着部110からホイール面までの距離を計測する。プロセッサー201は、例えば、(B1)及び(B2)の方法を用いてホイール面を検出する。あるいは、プロセッサー201は、(C1)の方法によりボルト穴1111を検出する。そして、プロセッサー201は、脱着部110からボルト穴1111の縁までの平均距離を計測する。プロセッサー201は、当該平均距離を、距離D1とする。プロセッサー201は、当該平均距離を計測するために、例えば、楕円あてはめにより検出したボルト穴1111の縁を示す点群を生成する。そして、プロセッサー201は、脱着部110から、当該点群それぞれまでの距離の平均を求める。当該平均は、脱着部110からボルト穴1111の縁までの平均距離である。
【0060】
なお、プロセッサー201は、距離D1の計測結果をRAM203又は補助記憶装置204などに記憶しておく。
【0061】
ステップST16においてプロセッサー201は、中央画像を取得する。そして、プロセッサー201は、中央画像を画像処理することにより、各ボルト穴1111内のホイールナット1200を検出する。また、プロセッサー201は、中央画像を画像処理することにより、検出した各ホイールナット1200の位置を計測する。図7は、中央画像IM2の一例を示す図である。なお、図7に示す中央画像IM2は、画像の一部であっても良い。中央画像IM2には、ホイールナット1200が映っている。ホイールナット1200は、多角形部分1210を有する。多角形部分1210は、レンチなどを用いてホイールナット1200の取り付け及び取り外しを行うための、断面が正多角形などの多角形である部分である。当該多角形は、一例として、図7に示すように正6角形である。また、ホイールナット1200は、断面が多角形の部分だけでなく断面が円形の部分など、その他の断面形状を有する部分があっても良い。なお、ここで断面とは、ホイールナット1200の挿入方向と垂直な面である。また、中央画像IM2は、ホイールナット1200を真正面からではなく、斜め下から映したものとなっている。ここでは、ホイールナット1200を斜め下から映した中央画像IM2を説明に用いるが、他の角度からホイールナット1200を映した画像からホイールナット1200を検出することも可能である。
【0062】
プロセッサー201は、例えば、以下の(α1)~(α9)の手順によりホイールナット1200を検出する。なお、当該手順は、ホイールナット1200以外の、断面が多角形の部分を有するナットの検出も可能である。
【0063】
(α1)プロセッサー201は、ホイールナット1200の輪郭を強調させる。このために、プロセッサー201は、例えば、中央画像IM2を鮮鋭化する。プロセッサー201は、例えば、鮮鋭化フィルターを使って中央画像IM2を鮮鋭化する。
【0064】
(α2)プロセッサー201は、(α1)の処理を施した中央画像IM2を二値化する。なお、プロセッサー201は、中央画像IM2をグレースケール化してから二値化しても良い。また、プロセッサー201は、二値化の前にノイズを除去しても良い。プロセッサー201は、例えば、ノンローカルミーンフィルターを用いて、二値化の前にノイズを除去する。また、プロセッサー201は、二値化の後にノイズを除去しても良い。プロセッサー201は、例えば、メディアンフィルターを用いて、二値化の後にノイズを除去する。(α2)の処理後の中央画像IM2の一例を図8に示す。図8は、二値化後の中央画像IM2の一例を示す図である。
【0065】
(α3)プロセッサー201は、(α2)の処理を施した中央画像IM2から輪郭を抽出する。プロセッサー201は、例えば、凸包を用いて輪郭をつなぐ。凸性の欠陥を補正して輪郭をつなぐことができる。(α3)の処理後の中央画像IM2の一例を図9に示す。図9は、輪郭IM21が抽出された中央画像IM2の一例を示す図である。
【0066】
(α4)プロセッサー201は、(α3)の処理により得られた輪郭から直線部分を抽出する。プロセッサー201は、例えば、ハフ変換を用いて、輪郭から直線部分を抽出する。プロセッサー201は、ハフ変換を用いることで、輪郭から抽出される複数の直線(線分)それぞれの端点の座標を得ることができる。端点は、始点及び終点である。抽出された直線IM22の一例を図10に示す。図10は、直線IM22が抽出された中央画像IM2の一例を示す図である。なお、図10では、見やすくするために、ホイールナット1200を破線で示し、直線IM22を太い実線で示している。
【0067】
(α5)プロセッサー201は、ホイールナット1200を撮影した複数の中央画像IM2を取得する。このために、プロセッサー201は、例えば、中央カメラ114によって所定の期間撮影した動画から抜き出した複数のフレームを取得する。当該所定の期間は、例えば、数秒である。あるいは、プロセッサー201は、中央カメラ114に所定の時間間隔で連続して撮影させることで、複数の中央画像IM2を取得しても良い。プロセッサー201は、取得した複数の中央画像IM2それぞれに対して、(α1)~(α4)の処理を行う。そして、プロセッサー201は、(α1)~(α4)の処理後の複数の中央画像IM2から抽出された直線の端点の座標について、クラスタリングを行う。プロセッサー201は、例えば、始点と終点それぞれについてクラスタリングを行う。クラスタリングは、特徴ごとに種類分けされた複数のクラスターに分類するものである。クラスタリングには、一例として、GMM(Gaussian mixture model)を用いることができる。なお、クラスターの数は、予め多角形部1210の辺の数と同一に設定することが好ましい。6角形であれば、クラスターの数は6である。あるいは、プロセッサー201は、クラスターの数を自動で決定しても良い。クラスタリングの結果の一例を図11及び図12に示す。図11は、始点をクラスタリングしたものをグラフ化した図である。図12は、終点をクラスタリングしたものをグラフ化した図である。なお、図11及び図12は、座標を示すグラフである。
【0068】
(α6)プロセッサー201は、クラスタリングした端点について、各クラスターの平均座標を算出する。プロセッサー201は、例えば、始点と終点それぞれについて各クラスターの平均座標を算出する。平均座標をグラフ上にプロットしたものの一例を図13及び図14に示す。図13は、始点及び点PSをプロットしたグラフである。点PSは、始点をクラスタリングしたクラスターの平均座標を示す点である。図14は、終点及び点PEをプロットしたグラフである。点PEは、終点をクラスタリングしたクラスターの平均座標を示す点である。
【0069】
(α7)プロセッサー201は、点PSと点PEとを直線L1で結ぶ。プロセッサー201は、例えば、各点PSについて、2番目に近い点PEと直線L1で結ぶ。直線L1の例を図15に示す。図15は、直線L1をグラフ上にプロットした図である。図15には、直線L1a~直線L1fの6つの直線L1を示している。また、図15には、直線L1aと直線L1bの交点Pabも示している。
【0070】
(α8)プロセッサー201は、複数の直線L1の中から、直線L1と直線L1とがなす角度が多角形部分1210の1つの内角の角度に最も近い2直線を選ぶ。多角形部分1210が6角形であれば内角の角度は120度であるので、プロセッサー201は、なす角度が120度に最も近い2つの直線L1を選ぶ。図15の例であれば、プロセッサー201は、直線L1aと直線L1bを選ぶ。
【0071】
(α9)プロセッサー201は、(α8)で選んだ2直線を用いて多角形POの位置を推定する。多角形POの位置が、ホイールナット1200の位置を示す。プロセッサー201は、例えば、プロセッサー201は、例えば、(α8)で選んだ2直線のうちの1直線を選び、当該1直線を多角形POの1辺とする。この際、プロセッサー201は、当該1辺の端点の片方を、点Pabとする。また、プロセッサー201は、当該1辺のもう一方の端点を、例えば、選んだ1直線の、点Pabから遠い側の端点とする。そして、プロセッサー201は、当該1辺を基準に、多角形POを正多角形であるとみなして、多角形POを生成する。プロセッサー201は、例えば、当該1辺の端点を回転中心として当該1辺を多角形POの内角の角度だけ回転させたものを、当該1辺とは異なる、多角形POの辺とする。プロセッサー201は、同様の操作を繰り返すことで多角形POを生成する。なお、プロセッサー201は、(α8)で選んだ2直線を2辺として、当該2辺を基準に多角形POの位置を推定しても良い。図16は、ホイールナット1200の位置を示す多角形POの一例を示す図である。多角形部分1210が6角形であるので、図16に示す多角形POも6角形である。また、図16に示す多角形POは、直線L1aを多角形POの1辺としている。
【0072】
ホイールナット1200の位置特定において、多角形POの角度が重要となるため、以上の方法による位置特定により、ホイールナット1200の取り外しが可能となる。
【0073】
以上より、プロセッサー201は、ステップST16の処理を行うことで、ナットの多角形の部分を検出する検出部の一例として機能する。あるいは、プロセッサー201は、中央カメラ114と協働して、ステップST16の処理を行うことで、検出部の一例として機能する。
【0074】
ステップST17においてプロセッサー201は、上部カメラ160が出力する画像(以下「上部画像」という。)を取得する。そして、プロセッサー201は、上部画像を画像処理することにより、車両1000のボディを検出する。ここで検出されるボディは、例えば、フェンダー1300を含む。また、プロセッサー201は、検出したボディの位置を計測する。プロセッサー201は、例えば、以下の(D1)及び(D2)の手順によりボディを検出する。
【0075】
(D1)プロセッサー201は、上部画像を二値化する。
【0076】
(D2)プロセッサー201は、二値化した上部画像をセグメンテーションすることによりボディを検出する。セグメンテーションには、例えば、watershedアルゴリズムを用いる。なお、プロセッサー201は、上部画像の深度情報を用いることが好ましい。
【0077】
ステップST18においてプロセッサー201は、伸縮部115を制御して、使用位置の脱着部110をタイヤ付きホイール1100に距離D2近づける。プロセッサー201は、距離D1を用いて、距離D2を決定する。距離D2は、例えば、距離D1から所定の長さを引いた距離である。当該所定の長さは正数であっても負数であっても良い。なお、距離D1と距離D2は等しくても良い。
【0078】
プロセッサー201は、脱着部110をタイヤ付きホイール1100に近づける際、ステップST17で検出されたボディに接触しないようにすることが好ましい。このために、プロセッサー201は、脱着部110をタイヤ付きホイール1100に距離D2近づけた場合に脱着部110が当該ボディに接触するか否かを判定する。プロセッサー201は、脱着部110が当該ボディに接触しないと判定した場合、脱着部110をタイヤ付きホイール1100に距離D2近づける。対して、プロセッサー201は、脱着部110が当該ボディに接触すると判定した場合、距離D3を算出する。距離D3は、距離D2未満である。距離D3は、脱着部110がボディに接触しない範囲の距離である。そして、プロセッサー201は、脱着部110を距離D2に代えて距離D3近づける。
【0079】
あるいは、プロセッサー201は、上部画像を連続して取得及び画像処理することにより、脱着部110が車両1000のボディに接触しないように監視しても良い。プロセッサー201は、当該画像処理により脱着部110が車両1000のボディに接触しそうであると判定した場合、脱着部110をタイヤ付きホイール1100に近づける動作を中止する。
【0080】
ステップST19においてプロセッサー201は、把持部111を制御して、把持部111によってタイヤ付きホイール1100を把持する。
【0081】
ステップST20においてプロセッサー201は、ステップST16で計測したホイールナット1200の位置を用いて、ホイールナット1200の位置とナット脱着部113の位置を合わせる。なお、ここで、位置を合わせるとは、ナット脱着部113とホイールナット1200が同軸となるような位置にすることである。ナット脱着部113が自動交換式である場合には、プロセッサー201は、ボルト穴1111の数に応じたナット脱着部113に交換する。プロセッサー201は、回転部112を用いて把持しているタイヤ付きホイール110を回転させること、及びナット脱着部113を移動させることの少なくともいずれかを行うことにより、ホイールナット1200とナット脱着部113の位置を合わせる。
【0082】
ステップST21においてプロセッサー201は、ナット脱着部113を制御して、ホイールナット1200を取り外す。なお、各ナット脱着部113は、取り外したホイールナット1200を保持しておく。
【0083】
ステップST22においてプロセッサー201は、伸縮部115を制御して、使用位置の脱着部110を車両1000から遠ざけることで、タイヤ付きホイール1100をハブから引き抜く。脱着システム1は、以上のように、ステップST12~ステップST22の処理により、タイヤ付きホイール1100を車両1000から取り外す。
【0084】
ステップST23においてプロセッサー201は、次のタイヤ付きホイール1100の取り外しを行うか否かを判定する。プロセッサー201は、例えば、取り外したタイヤ付きホイール1100の数が、車両1000の片面のタイヤ付きホイール1100の数より小さい場合に、次のタイヤ付きホイール1100の取り外しを行うと判定する。なお、ここで、車両1000の片面のタイヤ付きホイール1100の数は、取り外しを行う前の数である。車両1000の片面のタイヤ付きホイール1100の数は、例えば、入力デバイス206を用いて、脱着システム1の操作者が予め入力しておく。あるいは、プロセッサー201は、車両1000の片面のタイヤ付きホイール1100の数を2であるとみなしても良い。また、プロセッサー201は、例えば、取り外したタイヤ付きホイール1100の数が、脱着装置100が備える脱着部110の数より少ない場合に、次のタイヤ付きホイール1100の取り外しを行うと判定しても良い。プロセッサー201は、次のタイヤ付きホイール1100の取り外しを行うと判定するならば、ステップST23においてYesと判定してステップST24へと進む。
【0085】
ステップST24においてプロセッサー201は、切り替え部120を制御して、使用位置にある脱着部110を、別の脱着部110に切り替える。なお、脱着装置100が備える脱着部110の数が3以上である場合、プロセッサー201は、タイヤ付きホイール1100を把持していない脱着部110に切り替える。プロセッサー201は、ステップST24の処理の後、ステップST12へと戻る。
【0086】
プロセッサー201は、ステップST12~ステップST22の処理を再度行うことにより、取り外し済みのものとは別のタイヤ付きホイール1100前に移動して、車両1000から取り外すことができる。プロセッサー201は、ステップST12~ステップST24の処理を繰り返せば、脱着装置100が備える脱着部110の数を上限として、車両1000からタイヤ付きホイール1100を取り外すことができる。
【0087】
プロセッサー201は、次のタイヤ付きホイール1100の取り外しを行わないと判定するならば、ステップST23においてNoと判定して図5のステップST25へと進む。なお、プロセッサー201は、脱着部110の数が1つである場合、図4のステップST22の処理の後、ステップST23の処理をスキップして図5のステップST25の処理へと進んでも良い。
【0088】
ステップST25においてプロセッサー201は、移動部140を制御して、脱着装置100を、車両整備などの作業の邪魔にならない位置に移動させる。
【0089】
ステップST26において制御装置200のプロセッサー201は、タイヤ付きホイール1100の取り付けを開始するか否かを判定する。
【0090】
脱着システム1の操作者は、脱着システム1にタイヤ付きホイール1100の取り付けを開始させたい場合、入力デバイス206を操作して、タイヤ付きホイール1100の取り付けを開始するように指示する入力を行う。
【0091】
プロセッサー201は、タイヤ付きホイール1100の取り付けを開始すると判定しないならば、ステップST26においてNoと判定してステップST26の処理を繰り返す。プロセッサー201は、タイヤ付きホイール1100の取り付けを開始すると判定するならば、ステップST26においてYesと判定してステップST27へと進む。
【0092】
ステップST27においてプロセッサー201は、移動部140を制御して、使用位置の脱着部110が把持しているタイヤ付きホイール1100が取り付けられていたハブの前に脱着装置100を移動させる。プロセッサー201は、例えば、ステップST12において脱着装置100を移動させた位置と同じ位置に脱着装置100を移動させる。ハブの位置が、当該ハブからタイヤ付きホイール1100が取り外されたときの当該ハブの位置と同じであれば、ステップST12と同じ位置に移動した脱着装置100は、当該ハブの前に位置することとなる。
【0093】
なお、プロセッサー201は、下部カメラ150が出力する画像(以下「下部画像」という。)を画像処理することによってハブを検出しても良い。そして、プロセッサー201は、検出された当該ハブの前に脱着装置100を移動させても良い。
【0094】
ステップST28においてプロセッサー201は、下部画像を取得する。そして、プロセッサー201は、下部画像を画像処理することにより、ハブの姿勢を計測する。ハブの姿勢は、ハブの回転位置を含む。ハブの姿勢計測について、図17を用いて説明する。
【0095】
図17は、下部画像IM3の一例を示す図である。なお、図17に示す下部画像IM3は、画像の一部であっても良い。下部画像IM3には、ハブ1400が映っている。下部画像IM3は、ハブ1400を、下方から見上げた視点の画像である。これは、下部画像IM3が、脱着部110の下方に設置された下部カメラ150で撮影した画像であるためである。
【0096】
プロセッサー201は、例えば、以下の(E1)~(E3)の手順でハブ1400の姿勢を計測する。
【0097】
(E1)プロセッサー201は、ハブボルト1410の先端の皿状の部分である先端面1411を検出する。プロセッサー201は、例えば、以下の(E1-1)~(E1-4)の手順で先端面1411を検出する。
【0098】
(E1-1)プロセッサー201は、ステレオカメラの2つのカメラで撮影された画像それぞれについて、ハブボルト1410を示す点群を生成する。なお、生成される点群は、ハブボルト1410でない部分の点が含まれていても良い。
【0099】
(E1-2)プロセッサー201は、ステレオカメラの2つのカメラで撮影された画像それぞれについて、両方の画像に共通して映っている部分を抽出する。プロセッサー201は、例えば、(E1-1)で抽出した点群のうちの両方の画像に共通している点を抽出することで、両方の画像に共通して映っている部分を抽出する。抽出された点をグラフにプロットすると図18に示すようになる。図18は、ステレオカメラの2つのカメラで撮影された画像に共通して映っている部分を2次元で示すグラフである。図18図21に示すグラフの縦軸は高さである。図18図21に示すグラフの横軸は奥行き(深度)である。
【0100】
(E1-3)プロセッサー201は、(E1-2)で抽出した共通の点に対してクラスタリングを行う。クラスタリングは、特徴ごとに種類分けされた複数のクラスターに分類するものである。プロセッサー201は、例えば、変分推論によってクラスタリングを行う。プロセッサー201は、例えば、クラスタリングには、各点の奥行きのみを用いる。(E1-2)で抽出された点を、奥行き以外の座標値を0とみなしてグラフにプロットすると図19のようになる。図19は、ステレオカメラの2つのカメラで撮影された画像に共通して映っている部分を1次元で示すグラフである。奥行き以外の座標値を0とみなすことで、1次元状のグラフとなる。また、クラスタリングされた点をグラフにプロットすると図20及び図21のようになる。図20は、図19のグラフの各点をクラスターごとに色分けしたグラフである。図21は、図18のグラフの各点をクラスターごとに色分けしたグラフである。
【0101】
(E1-4)プロセッサー201は、クラスタリングによって分類された複数のクラスターの中から、先端面1411を示すクラスターを特定する。プロセッサー201は、予め定められた特徴に最も合致するクラスターを、先端面1411を示すクラスターであるとみなす。
【0102】
プロセッサー201は、例えば、同様の手順で複数の先端面1411を検出する。
【0103】
(E2)プロセッサー201は、各先端面1411の中心の座標を算出する。
【0104】
(E3)プロセッサー201は、各先端面1411の中心の座標を用いて、ハブ1400の姿勢を算出する。
【0105】
また、プロセッサー201は、計測したハブ1400の姿勢を用いて、ハブ1400が、タイヤ付きホイール1100の取り外し時からどれぐらい回転しているかを算出する。ただし、プロセッサー201は、複数のハブボルト1410を区別しなくて良い。このため、この回転の角度は0度以上(360/N)度未満、又は(-360/2N)度超(360/2N)度未満となる。なお、Nは、1つのハブ1400が備えるハブボルト1410の数である。また、プロセッサー201は、タイヤ付きホイール1100の取り外し時のハブボルト1410の位置として、ステップST16で検出されたホイールナット1200の位置を用いる。ステップST16で検出されたホイールナット1200は、タイヤ付きホイール1100の取り外し時のハブボルト1410と同軸であり、軸方向の位置のみ異なるため、タイヤ付きホイール1100の取り外し時のハブボルト1410の位置として用いることができる。
【0106】
ステップST29においてプロセッサー201は、回転部112を制御して、使用位置の脱着部110が把持しているタイヤ付きホイール1100を、ステップST28で算出した角度だけ回転させる。これにより、プロセッサー201は、ホイールナット1200とハブボルト1410とがそれぞれ同軸となるようにする。
【0107】
ステップST30においてプロセッサー201は、図4のステップST17と同様にして車両1000のボディの検出及び位置計測を行う。
【0108】
ステップST31においてプロセッサー201は、伸縮部115を制御して、使用位置の脱着部110を車両1000に近づける。これにより、プロセッサー201は、タイヤ付きホイール1100をハブ1400に嵌める。タイヤ付きホイール1100がハブ1400に嵌まった状態は、ハブボルト1410がボルト穴1111に嵌まった状態である。
【0109】
ステップST32においてプロセッサー201は、ナット脱着部113を制御して、ホイールナット1200を取り付ける。なお、ホイールナット1200の位置とナット脱着部113の位置は、ステップST20の処理によって合っている状態である。
【0110】
ナット脱着部113は、ホイールナット1200を定められたトルクで取り付ける。あるいは、ナット脱着部113は、ホイールナット1200を仮締めする。仮締めの場合、後で担当者などがホイールナット1200を本締めする。脱着システム1は、以上のように、ステップST27~ステップST32の処理により、タイヤ付きホイール1100を車両1000に取り付ける。
【0111】
ステップST33においてプロセッサー201は、次のタイヤ付きホイール1100の取り付けを行うか否かを判定する。プロセッサー201は、例えば、取り外したタイヤ付きホイール1100の数が、取り付けたタイヤ付きホイール1100の数より多い場合に次のタイヤ付きホイール1100の取り付けを行うと判定する。プロセッサー201は、次のタイヤ付きホイール1100の取り付けを行うと判定するならば、ステップST33においてYesと判定してステップST34へと進む。
【0112】
ステップST34においてプロセッサー201は、切り替え部120を制御して、使用位置にある脱着部110を、別の脱着部110に切り替える。なお、プロセッサー201は、タイヤ付きホイール1100を把持している脱着部110に切り替える。プロセッサー201は、ステップST34の処理の後、ステップST27へと戻る。
【0113】
プロセッサー201は、ステップST27~ステップST32の処理を再度行うことにより、タイヤ付きホイール1100が取り付けられていないハブ1400の前に移動して、タイヤ付きホイール1100を取り付けることができる。プロセッサー201は、ステップST27~ステップST34の処理を繰り返せば、車両1000から取り外したタイヤ付きホイール1100を全て取り付けることができる。
【0114】
プロセッサー201は、次のタイヤ付きホイール1100の取り付けを行わないと判定するならば、ステップST33においてNoと判定してステップST35へと進む。
【0115】
ステップST35においてプロセッサー201は、移動部140を制御して、脱着装置100を、車両整備などの作業の邪魔にならない位置に移動させる。プロセッサー201は、ステップST35の処理の後、図4のステップST11へと戻る。
【0116】
実施形態の脱着システム1は、中央カメラ114及び下部カメラ150の2つのステレオカメラを備える。これにより、実施形態の脱着システム1は、取り外したタイヤ付きホイール1100によって中央カメラ114が隠れた場合でも、下部カメラ150によってハブ1400の撮影が可能となる。これにより、実施形態の脱着装置100は、取り外しだけでなく取り付けも自動で行うことができる。
【0117】
また、実施形態の脱着システム1は、中央画像を画像処理することによってホイール1110を検出する。そして、実施形態の脱着システム1は、ホイール1110の検出結果を用いて脱着装置100を制御する。これにより、脱着システム1は、タイヤ付きホイール1100の取り外しを、中央画像を用いない場合よりも高精度で行うことができる。
【0118】
また、実施形態の脱着システム1は、中央画像を画像処理することでホイール1110の姿勢を計測する。そして、実施形態の脱着システム1は、脱着部110の姿勢とホイール1110の姿勢を合わせる。これにより、脱着部110とホイール1110とは、正面と正面とが平行となるように相対する。また、これにより、実施形態の脱着システム1は、中央画像を用いない場合よりも高精度でタイヤ付きホイール1100を把持することができる。また、実施形態の脱着システム1は、中央画像を用いない場合よりも高精度でタイヤ付きホイール1100を引き抜くことができる。
【0119】
また、実施形態の脱着システム1は、中央画像を画像処理することによってホイールナット1200を検出する。そして、実施形態の脱着システム1は、ホイールナット1200の検出結果を用いて、ナット脱着部113とホイールナット1200の位置を合わせる。これにより、実施形態の脱着システム1は、中央画像を用いない場合よりも高精度でのホイールナット1200の取り外しが可能となる。
【0120】
また、実施形態の脱着システム1は、把持しているタイヤ付きホイール1100を回転させる回転部112を備える。これにより、実施形態の脱着システム1は、タイヤ付きホイール1100の姿勢をハブ1400の姿勢に合わせることができる。
【0121】
また、実施形態の脱着システム1は、下部画像を画像処理することによってハブ1400の姿勢を計測する。これにより、実施形態の脱着システム1は、下部画像を用いない場合よりも高精度でタイヤ付きホイール1100の姿勢をハブ1400の姿勢に合わせることができる。
【0122】
また、実施形態の脱着システム1は、ハブボルト1410の先端の座標を用いてハブ1400の姿勢を算出する。これにより、実施形態の脱着システム1は、下部画像を用いたハブ1400の姿勢の計測が可能となる。
【0123】
また、実施形態の脱着システム1は、複数の脱着部110を備える。これにより、実施形態の脱着システム1は、複数のタイヤ付きホイール1100の脱着が可能となる。
【0124】
また、実施形態の制御装置200は、ナットが映っている複数の画像それぞれから輪郭を抽出する。そして、実施形態の制御装置200は、輪郭から直線IM22を抽出する。そして、実施形態の制御装置200は、直線IM22の端点を複数のクラスターにクラスタリングする。そして、実施形態の制御装置200は、複数のクラスターそれぞれについて、そのクラスターに含まれる端点の平均座標を算出する。そして、実施形態の制御装置200は、2つの前記平均座標を結ぶ複数の直線L1の中から、2つの直線L1のなす角度がナットの多角形部分の1つの内角の角度に最も近い2つの直線L1を選ぶ。そして、実施形態の制御装置200は、選んだ2つの直線L1を用いて多角形の位置を推定する。このようにして、実施形態の制御装置200は、ナットの多角形の部分を検出する。これにより、実施形態の制御装置200は、画像を用いてホイールナット1200などのナットを検出することができる。
【0125】
また、実施形態の制御装置200は、選んだ2つの直線L1を多角形の2辺として、多角形の位置を推定する。これにより、実施形態の制御装置200は、高精度にナットを検出することができる。
【0126】
また、実施形態の制御装置200は、選んだ2つの直線L1の交点を多角形の1点として、多角形の位置を推定する。これにより、実施形態の制御装置200は、高精度にナットを検出することができる。
【0127】
上記の実施形態は、以下のような変形も可能である。
プロセッサー201は、ステップST26の処理の後に、使用位置にある脱着部110を、別の脱着部110に切り替えても良い。
【0128】
上記の実施形態では、把持部111は、タイヤ付きホイール1100を把持することでタイヤ付きホイール1100を把持部111に固定する。しかしながら、実施形態の把持部は、把持以外の方法でタイヤ付きホイール1100を把持部に固定する装置であっても良い。
【0129】
上記の実施形態では、ステレオカメラが出力する画像は、深度情報を含む。しかしながら、ステレオカメラは、深度情報を出力しなくても良い。この場合、プロセッサー201などが、ステレオカメラが出力する画像から深度情報を算出する。
【0130】
脱着部110は、複数のホイールナットを取り外す際に、同じナット脱着部113を複数回使用しても良い。この場合のナット脱着部113は、取り外したホイールナットを所定の位置に置く機能を備える。これにより、ナット脱着部113は、他のホイールナットを取り外すことができる。また、脱着部110は、複数のホイールナットを取り付ける際に、同じナット脱着部113を複数回使用しても良い。この場合のナット脱着部113は、所定の位置に置かれたホイールナットを取得する機能を有する。そして、ナット脱着部113は、取得したホイールナットをハブボルト取り付ける。
【0131】
上記の実施形態では、脱着装置100は、車両1000の片面のタイヤ付きホイール1100を取り外す。しかしながら、脱着装置100は、車両1000の両面からタイヤ付きホイール1100を取り外すことできても良い。この場合、リフトLIが車両1000を転回させる機能を有する。あるいは、脱着装置100の移動部140は、車両1000の反対面側に移動する機能を有する。
【0132】
上記の実施形態では、脱着システム1は、タイヤ付きホイール1100を脱着する。しかしながら、脱着システム1は、タイヤが付いていないホイールを脱着することができても良い。
【0133】
脱着装置100は、制御装置200を内蔵していても良い。脱着装置100と制御装置200は、一体であっても良い。
【0134】
プロセッサー201は、上記実施形態においてプログラムによって実現する処理の一部又は全部を、回路のハードウェア構成によって実現するものであっても良い。
【0135】
実施形態の処理を実現するプログラムは、例えば装置内の非一時的なコンピューター可読記憶媒体に記憶された状態で譲渡される。しかしながら、当該装置は、当該プログラムが記憶されない状態で譲渡されても良い。そして、当該プログラムが別途に譲渡され、当該装置へと書き込まれても良い。このときのプログラムの譲渡は、例えば、リムーバブルで非一時的なコンピューター可読記憶媒体に記録して、あるいはインターネット又はLAN(local area network)などのネットワークを介したダウンロードによって実現できる。
【0136】
以上、本発明の実施形態を説明したが、例として示したものであり、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の実施形態は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施可能である。
【符号の説明】
【0137】
1 脱着システム
100 脱着装置
110 脱着部
111,111A,111B 把持部
112 回転部
113 ナット脱着部
114 中央カメラ
115 伸縮部
120 切り替え部
130 姿勢制御部
140 移動部
141 レール
150 下部カメラ
160 上部カメラ
170,205 制御インターフェース
200 制御装置
201 プロセッサー
202 ROM
203 RAM
204 補助記憶装置
206 入力デバイス
207 表示デバイス
208 バス
1000 車両
1100 タイヤ付きホイール
1110 ホイール
1111 ボルト穴
1120 タイヤ
1200 ホイールナット
1210 多角形部分
1300 フェンダー
1300,1400 ハブ
1410 ハブボルト
1411 先端面
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