(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179363
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】レシート発行装置
(51)【国際特許分類】
G07G 1/12 20060101AFI20241219BHJP
G07G 1/06 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
G07G1/12 331H
G07G1/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098152
(22)【出願日】2023-06-14
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】船津 訓
【テーマコード(参考)】
3E142
【Fターム(参考)】
3E142BA11
3E142EA04
3E142KA05
(57)【要約】
【課題】インボイス制度が導入された後に、商品の決済処理が行われた後の返品についての店側の管理を容易にすること。
【解決手段】一実施形態に係るレシート発行装置1は、制御部11と、商品の取引に関する情報を記憶する記憶部12と、商品の取引に関する情報を印字したレシートを発行する印字部13とを備え、制御部11は、商品の決済処理が行われた場合、印字部13に、決済処理に関する情報を印字した第1レシートを発行させ、記憶部12に、決済処理に関する情報を記憶させ、決済処理後に返品が生じた場合、印字部13に、第1レシートと同じ内容のレシートを発行させ、記憶部12に、決済処理に関する情報から返品対象となった商品に関する情報を削除させる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レシート発行装置であって、
制御部と、
商品の取引に関する情報を記憶する記憶部と、
前記商品の取引に関する情報を印字したレシートを発行する印字部と、を備え、
前記制御部は、
前記商品の決済処理が行われた場合、前記印字部に、前記決済処理に関する情報を印字した第1レシートを発行させ、前記記憶部に、前記決済処理に関する情報を記憶させ、
前記決済処理後に返品が生じた場合、前記印字部に、前記第1レシートと同じ内容のレシートを発行させ、前記記憶部に、前記決済処理に関する情報から返品対象となった商品に関する情報を削除させる、レシート発行装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記決済処理後に返品が生じた場合、前記印字部に、前記決済処理に関する情報から前記返品対象となった商品に関する情報を削除した情報を印字した第2レシートを発行させ、
前記印字部は、前記第1レシート及び前記第2レシートに、同一のレシート識別情報を印字する、請求項1に記載のレシート発行装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レシート発行装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インボイス制度が導入される以前は、商品の決済処理が行われた後に返品が生じた場合、かかる決済処理の際に発行したレシート(元レシート)については店側で回収し、返品対象となった商品を除いたレシート(清書レシート)及び返金金額を客に返却していた。
【0003】
その後、店側では、元レシート及び清書レシートのコピーを帳簿に張り付けて管理するという運用がなされていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、インボイス制度が導入された後は、商品の決済処理が行われた後に返品が生じた場合には、元レシートについて客に返却する必要する必要があり、今までの運用を行うことができなくなるという問題点があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、インボイス制度が導入された後に、商品の決済処理が行われた後の返品についての店側の管理を容易にすることができるレシート発行装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に係るレシート発行装置は、制御部と、商品の取引に関する情報を記憶する記憶部と、前記商品の取引に関する情報を印字したレシートを発行する印字部と、を備え、前記制御部は、前記商品の決済処理が行われた場合、前記印字部に、前記決済処理に関する情報を印字した第1レシートを発行させ、前記記憶部に、前記決済処理に関する情報を記憶させ、前記決済処理後に返品が生じた場合、前記印字部に、前記第1レシートと同じ内容のレシートを発行させ、前記記憶部に、前記決済処理に関する情報から返品対象となった商品に関する情報を削除させることを要旨とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、インボイス制度が導入された後に、商品の決済処理が行われた後の返品についての店側の管理を容易にすることができるレシート発行装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係るレシート発行装置1の機能ブロックの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係るレシート発行装置1の表示部14によって表示される画面の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係るレシート発行装置1の表示部14によって表示される画面の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係るレシート発行装置1の表示部14によって表示される画面の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係るレシート発行装置1の表示部14によって表示される画面の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係るレシート発行装置1の表示部14によって表示される画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係るレシート発行装置1の表示部14によって表示される画面の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態に係るレシート発行装置1の表示部14によって表示される画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、第1実施形態に係るレシート発行装置1の表示部14によって表示される画面の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、第1実施形態に係るレシート発行装置1の印字部13によって発行されるレシートの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0011】
(第1実施形態)
以下、
図1~
図10を参照して、本発明の第1実施形態に係るレシート発行装置1について説明する。
図1は、本実施形態に係るレシート発行装置1の機能ブロックの一例を示す図であり、
図2~
図9は、本実施形態に係るレシート発行装置1の表示部14によって表示される画面の一例を示す図であり、
図10は、本実施形態に係るレシート発行装置1の印字部13によって印字されるレシートの一例を示す図である。
【0012】
図1に示すように、本実施形態に係るレシート発行装置1は、制御部11と、記憶部12と、印字部13と、表示部14と、操作部15とを有している。例えば、レシート発行装置1は、対面ハカリに組み込まれたものでもよいし、POSレジ等によって構成されていてもよい。
【0013】
記憶部12は、商品の取引に関する情報を記憶するように構成されている。例えば、記憶部12は、後述の操作部15に対するユーザの操作に応じて、上述の元レシート(第1レシート)や清書レシート(第2レシート)に印字される情報を記憶するように構成されている。ここで、記憶部12は、ハードディスクやメモリ等によって構成されていてもよい。
【0014】
印字部13は、後述の操作部15に対するユーザの操作に応じて、記憶部12に記憶されている商品の取引に関する情報を印字したレシートを発行するように構成されている。
【0015】
例えば、印字部13は、
図10(a)に示すように、元レシート控え(電子ジャーナルとして画面を通して閲覧可能となった場合も含まれる)を発行し、
図10(b)に示すように、一括返済レシートを発行し、
図10(c)に示すように、清書レシートを発行するように構成されていてもよい。
【0016】
表示部14は、ユーザがレシートを発行するための操作を行うための画面を表示するように構成されている。例えば、表示部14は、
図2~
図9に示す画面を表示する。ここで、表示部14は、タッチパネル式のディスプレイによって構成されていてもよいし、タッチパネル式ではない通常のディスプレイによって構成されていてもよい。
【0017】
操作部15は、レシートを発行するためのユーザの操作を受け付け、かかる操作に応じた処理を行うように構成されている。ここで、操作部15は、テンキー等の物理的なキーに加えて、ディスプレイのタッチパネル機能によって構成されていてもよい。また、操作部15は、レシートのバーコードを読み込むためのスキャナを含んでいてもよい。
【0018】
制御部11は、記憶部12、印字部13、表示部14及び操作部15を制御するように構成されている。
【0019】
ここで、制御部11は、商品の決済処理が行われた場合、印字部13に、かかる決済処理に関する情報を印字した元レシート(第1レシート)を発行させ、記憶部12に、かかる決済処理に関する情報(例えば、元レシートに印字するされる情報)を記憶させるように構成されている。
【0020】
また、制御部11は、商品の決済処理後に返品が生じた場合、印字部13に、元レシートと同じ内容のレシート(
図10(a)に示す元レシート控え(電子ジャーナル))を発行させ、記憶部12に、かかる決済処理に関する情報から返品対象となった商品に関する情報を削除させるように構成されている。
【0021】
かかる構成によれば、商品の決済処理後に返品が生じた場合であっても、元レシート控えを発行することができるので、店側では、元レシートについて客に返却したとしても、元レシート控え及び清書レシートのコピーを帳簿に張り付けて管理するという運用を行うことができる。
【0022】
ここで、制御部11は、商品の決済処理後に返品が生じた場合、印字部13に、かかる決済処理に関する情報から返品対象となった商品に関する情報を削除した情報を印字した清書レシート(
図10(c)参照)を発行させるように構成されていてもよい。
【0023】
印字部13は、元レシート及び清書レシートに、同一のレシート識別情報を印字するように構成されていてもよい。
【0024】
例えば、印字部13は、
図10(a)に示すように、元レシート控えの領域X1にレシートNo(=8414)を印字し、
図10(c)に示すように、清書レシートの領域X2にレシートNo(=8414)を印字するように構成されていてもよい。
【0025】
かかる構成によれば、レシートNoに基づいて、元レシート控えと清書レシートとを関連付けることができる。
【0026】
以下、
図2~
図10を参照して、本実施形態に係るレシート発行装置1における商品の決済処理後に返品が生じた場合の操作方法の一例について説明する。
【0027】
第1に、ユーザが、表示部14によって
図2に示す画面が表示されている状態で、レシート発行装置1の返品キー(図示せず)を押下すると、表示部14は、
図3に示す画面を表示する。
【0028】
第2に、ユーザは、
図3に示す画面において、返品理由コードを選択することで返品理由を入力してOKを押下すると、表示部14は、
図4(a)に示す画面を表示する。
【0029】
第3に、ユーザは、
図4(a)に示す画面において、操作部15を構成するスキャナを用いて、客から提示された元レシートのバーコード部分(
図4(b)参照)を読み込むことで、元レシートのレジ番号、レシートNo及び取引合計金額を入力し、OKを押下すると、表示部14は、
図5に示す画面を表示する。
【0030】
ここで、ユーザは、
図4(a)に示す画面において、上述の元レシートのレジ番号、レシートNo及び取引合計金額を手入力してもよい。
【0031】
第4に、
図5に示す画面は、商品の決済処理に係る情報を示すため、ユーザは、
図5に示す画面をタッチして、かかる商品の決済処理に係る情報から返品対象となった商品(
図5の例では、商品名「非課税」)に関する情報を選択すると、表示部14は、
図6に示す画面を表示する。
【0032】
第5に、ユーザは、
図6に示す画面をタッチして、選択した商品を返品するのか、点数を変更するのか、売価を変更するのか、割引率を変更するのか、値引き額を変更するのかを選択する。ここで、ユーザは、
図6に示す画面をタッチして、選択した商品を返品することを選択すると、記憶部12は、商品の決済処理に関する情報から返品対象となった商品に関する情報を削除し、表示部14は、
図7に示す画面を表示する。
【0033】
ここで、
図7に示す画面は、商品の決済処理に関する情報から返品対象となった商品に関する情報を削除した情報を表示する。
【0034】
第6に、ユーザが、表示部14によって
図7に示す画面が表示されている状態で、レシート発行装置1の小計キー(図示せず)を押下すると、表示部14は、
図8に示す画面を表示する。
【0035】
第7に、ユーザが、表示部14によって
図8に示す画面が表示されている状態で、レシート発行装置1の合計キー(図示せず)を押下すると、表示部14は、
図9に示す画面を表示する。
【0036】
第8に、ユーザが、表示部14によって
図8に示す画面が表示されている状態で、レシート発行装置1の合計キー(図示せず)を押下すると、表示部14は、
図9に示す画面を表示し、印字部13は、
図10(a)に示す元レシート控え(電子ジャーナル)、
図10(b)に示す一括返済レシート及び
図10(c)に示す清書レシートを発行する。
【0037】
本実施形態によれば、インボイス制度が導入された後に、商品の決済処理が行われた後の返品についての店側の管理を容易にすることができる。
【0038】
上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施できる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0039】
1…レシート発行装置
11…制御部
12…記憶部
13…印字部
14…表示部
15…操作部