(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024179371
(43)【公開日】2024-12-26
(54)【発明の名称】画像読取装置、画像形成装置、画像読取方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G03G 15/00 20060101AFI20241219BHJP
B41J 29/393 20060101ALI20241219BHJP
B41J 2/525 20060101ALI20241219BHJP
H04N 1/04 20060101ALI20241219BHJP
B65H 9/14 20060101ALI20241219BHJP
【FI】
G03G15/00 303
B41J29/393 103
B41J2/525
H04N1/04 106A
B65H9/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023098167
(22)【出願日】2023-06-15
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】平田 大樹
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
3F102
5C072
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ06
2C061AR01
2C061AR03
2C061AS02
2C061KK25
2C061KK28
2H270LA19
2H270LC10
2H270LD03
2H270LD16
2H270LD17
2H270MA07
2H270MB27
2H270MC59
2H270MC63
2H270MD08
2H270MD12
2H270ZC03
2H270ZC04
3F102AA14
3F102BA02
3F102BB02
3F102DA08
3F102EA03
5C072AA01
5C072BA02
5C072DA25
5C072EA07
5C072NA01
5C072RA04
(57)【要約】
【課題】端部マークを利用せずにパッチを精度良く読み取る。
【解決手段】
画像読取装置30であって、記録媒体Sが搬送される搬送路37,38と、搬送路37,38を搬送される記録媒体Sに記録された測色対象画像Pを読み取る測色部34と、記録媒体Sの搬送方向に交差する方向における記録媒体Sの位置を検知する検知部33と、検知部33による検知結果に基づいて、測色対象画像Pを読み取るように測色部34を制御する測色制御部31とを備えている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体が搬送される搬送路と、
前記搬送路を搬送される前記記録媒体に記録された測色対象画像を読み取る測色部と、
前記記録媒体の搬送方向に交差する方向における前記記録媒体の位置を検知する検知部と、
前記検知部による検知結果に基づいて、前記測色対象画像を読み取るように前記測色部を制御する測色制御部と、
を備える画像読取装置。
【請求項2】
前記測色制御部は、前記検知部による前記検知結果に基づいて、前記測色部による読取位置を制御する請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記測色部は、前記搬送方向に交差する方向に沿って移動可能である請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記測色制御部は、前記検知部による前記検知結果に基づいて、前記測色部による読取位置を前記搬送方向に交差する方向に調整する請求項3に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記記録媒体に、前記測色対象画像が前記搬送方向に交差する方向に沿って複数記録されており、
前記測色部が前記搬送方向に交差する方向に移動して前記測色対象画像の各々を読み取る請求項3に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記測色制御部は、前記検知部による前記検知結果に基づいて、前記測色部が前記測色対象画像の読み取りを開始する位置を制御する請求項5に記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記測色制御部は、前記検知部による前記検知結果に基づいて、前記測色部が前記測色対象画像の読み取りを開始する前に、前記測色部の位置を前記搬送方向に交差する方向に調整する請求項5に記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記検知部が、前記測色部よりも前記搬送方向上流側に位置する請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項9】
前記測色制御部は、前記測色部により前記測色対象画像を読み取る測色モードと、前記測色対象画像を読み取らない非測色モードとを実施可能である請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項10】
前記測色部よりも前記搬送方向上流側に位置し、前記搬送路を搬送される前記記録媒体の傾きを補正する補正部を備える請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項11】
前記検知部が、前記補正部よりも前記搬送方向下流側に位置する請求項10に記載の画像読取装置。
【請求項12】
前記検知部は、前記補正部により傾きが補正された後に、前記記録媒体の位置を検知する請求項11に記載の画像読取装置。
【請求項13】
前記測色制御部は、
前記測色部により前記測色対象画像を読み取る測色モードと、前記測色対象画像を読み取らない非測色モードとを実施可能であり、
前記測色モードでは前記補正部による補正および前記検知部による検知を実施し、前記非測色モードでは前記補正部による補正および前記検知部による検知の少なくとも何れか一方を実施しない請求項10に記載の画像読取装置。
【請求項14】
前記測色モード時は前記非測色モード時より、少なくとも前記測色部を通過する際の前記記録媒体の搬送速度を低速とする搬送制御部を備える請求項13に記載の画像読取装置。
【請求項15】
前記測色制御部は、
前記補正部による補正後、前記記録媒体の搬送停止状態で前記検知部によって得られた検知結果と、
その後、前記測色部による読み取りの際に前記記録媒体の搬送停止状態で前記検知部によって得られた検知結果と、
に基づいて算出された前記記録媒体の傾きに基づいて前記測色部による読取位置を制御する請求項10に記載の画像読取装置。
【請求項16】
前記測色部が分光測色計を有する請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項17】
記録媒体に画像を記録する画像形成部と、
前記記録媒体が搬送される搬送路と、
前記搬送路を搬送される前記記録媒体に前記画像形成部により記録された測色対象画像を読み取る測色部と、
前記記録媒体の搬送方向に交差する方向における前記記録媒体の位置を検知する検知部と、
前記検知部による検知結果に基づいて、前記測色対象画像を読み取るように前記測色部を制御する測色制御部と、
を備える画像形成装置。
【請求項18】
前記画像形成部により前記記録媒体に記録された画像を読み取る読取部と、
前記読取部による前記画像の読み取り結果に基づいて前記画像形成部による画像形成を補正する画像制御部と、
を備える請求項17に記載の画像形成装置。
【請求項19】
前記画像制御部は、前記測色部による前記測色対象画像の読み取り結果と前記読取部による前記画像の読み取り結果とに基づいて、前記画像形成部による画像形成を補正して行う請求項18に記載の画像形成装置。
【請求項20】
前記測色部よりも前記搬送方向上流側に位置し、前記搬送路を搬送される前記記録媒体の傾きを補正する補正部を備える、請求項17に記載の画像形成装置。
【請求項21】
前記画像形成部により前記記録媒体に記録された画像を読み取る読取部と、
前記読取部による前記画像の読み取り結果に基づいて前記画像形成部による画像形成を補正する画像制御部と、
を備え、
前記読取部が、前記補正部および前記検知部よりも前記搬送方向の上流側に位置する請求項20に記載の画像形成装置。
【請求項22】
前記画像形成部により前記記録媒体に記録された画像を読み取る読取部と、
前記読取部による前記画像の読み取り結果に基づいて前記画像形成部による画像形成を補正する画像制御部と、
を備え、
前記読取部が、前記測色部より前記搬送方向の下流側に位置する、請求項17に記載の画像形成装置。
【請求項23】
前記測色部が分光測色計を含む請求項17に記載の画像形成装置。
【請求項24】
記録媒体が搬送される搬送路と、前記搬送路を搬送される前記記録媒体に記録された測色対象画像を読み取る測色部と、前記記録媒体の搬送方向に交差する方向における前記記録媒体の位置を検知する検知部と、を備える画像読取装置の画像読み取り方法であって、
前記検知部による検知結果に基づいて、前記測色部が前記測色対象画像を読み取る画像読取装置の画像読取方法。
【請求項25】
記録媒体が搬送される搬送路と、前記搬送路を搬送される前記記録媒体に記録された測色対象画像を読み取る測色部と、前記記録媒体の搬送方向に交差する方向における前記記録媒体の位置を検知する検知部と、を備える画像読取装置のコンピューターに、
前記検知部による検知結果に基づいて、前記測色部が前記測色対象画像を読み取る機能を実現させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置、画像形成装置、画像読取方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置は、測色用のチャートを読み取ってカラープロファイルの作成を行っている。測色用のチャートは、測色用のパッチが用紙搬送方向に直交する走査方向に並んだパッチ列を用紙搬送方向に複数列並べた画像からなる。画像形成装置は、上記の測色用のチャートを用紙に形成し、当該用紙の読取を行っていた。
そして、従来の画像形成装置は、パッチ列の両端部に所定の端部マークを形成し、パッチ列の読み込みの開始位置の検出に利用していた(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の画像形成装置は、測色の開始位置を検知するための端部マークが必須であった。このため、記録媒体に端部マークを形成する領域を確保する必要があり、ユーザーが使用できる画像領域が狭められていた。また、端部マークは、各パッチ列の両端部に形成されるため、インクやトナーの消費量が増加するという問題が生じていた。
【0005】
本発明は、端部マークを利用せずにパッチを精度良く読み取ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の画像読取装置は、
記録媒体が搬送される搬送路と、
前記搬送路を搬送される前記記録媒体に記録された測色対象画像を読み取る測色部と、
前記記録媒体の搬送方向に交差する方向における前記記録媒体の位置を検知する検知部と、
前記検知部による検知結果に基づいて、前記測色対象画像を読み取るように前記測色部を制御する測色制御部と、
を備える。
【0007】
また、上記課題を解決するため、本発明の画像形成装置は、
記録媒体に画像を記録する画像形成部と、
前記記録媒体が搬送される搬送路と、
前記搬送路を搬送される前記記録媒体に前記画像形成部により記録された測色対象画像を読み取る測色部と、
前記記録媒体の搬送方向に交差する方向における前記記録媒体の位置を検知する検知部と、
前記検知部による検知結果に基づいて、前記測色対象画像を読み取るように前記測色部を制御する測色制御部と、
を備える。
【0008】
また、上記課題を解決するため、本発明の画像読取装置の画像読み取り方法は、
記録媒体が搬送される搬送路と、前記搬送路を搬送される前記記録媒体に記録された測色対象画像を読み取る測色部と、前記記録媒体の搬送方向に交差する方向における前記記録媒体の位置を検知する検知部と、を備える画像読取装置の画像読み取り方法であって、
前記検知部による検知結果に基づいて、前記測色部が前記測色対象画像を読み取る。
【0009】
また、上記課題を解決するため、本発明のプログラムは、
記録媒体が搬送される搬送路と、前記搬送路を搬送される前記記録媒体に記録された測色対象画像を読み取る測色部と、前記記録媒体の搬送方向に交差する方向における前記記録媒体の位置を検知する検知部と、を備える画像読取装置のコンピューターに、
前記検知部による検知結果に基づいて、前記測色部が前記測色対象画像を読み取る機能を実現させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、端部マークを利用せずにパッチを精度良く読み取ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】第1実施形態に係る画像形成装置の概略構成を示す正面図である。
【
図2】第1実施形態に係る画像形成装置の制御構造を示す機能ブロック図である。
【
図3】第二搬送路に配置された画像読取装置の構成を示す概略図である。
【
図4】補正部による用紙の傾き補正動作を示す概念図である。
【
図6】チャート画像の読み取り処理の内容を示すフローチャートである。
【
図7】画像形成制御の内容を示すフローチャートである。
【
図8】第2実施形態に係る画像読取装置の一部の構成を示す概略図である。
【
図9】
図8の状態よりも用紙が前方に搬送された状態の画像読取装置の一部の構成を示す概略図である。
【
図10】チャート画像の読み取り処理の内容を示すフローチャートである。
【
図11】読取部の配置を変更した画像読取装置の概略構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
[第1実施形態]
第1実施形態に係る画像形成装置1は、
図1及び
図2に示すように、給紙装置10と、本体部20と、画像読取装置30とを有する。
画像形成装置1は、記録媒体としての用紙S(
図3参照)の搬送方向下流側に向かって順番に配置された、給紙装置10、本体部20、画像読取装置30を有する。給紙装置10、本体部20及び画像読取装置30は、各々の用紙の搬送路が連結されている。従って、用紙Sは、給紙装置10から本体部20を介して画像読取装置30まで連続的に搬送される。
【0014】
[給紙装置]
給紙装置10は、制御部11と、搬送部12と、給紙部13等を備える。
【0015】
制御部11は、CPU、ROM、RAMを備える。CPUは、Central Processing Unitの略称である。ROMは、Read Only Memoryの略称である。RAMは、Random Access Memoryの略称である。
制御部11のCPUは、ROMに記憶されているプログラムを読み出してRAMに展開する。CPUは、展開したプログラムに従って給紙装置10の各部を統括制御する。
例えば、制御部11は、ジョブに応じて、いずれかの給紙部13の給紙トレイ131~133から用紙Sを本体部20に搬送する。
【0016】
搬送部12は、給紙部13から本体部20までを接続する搬送路121と用紙Sを搬送する図示しない搬送ローラーとを備えている。
給紙部13は、予め定められた紙種やサイズごとに用紙Sを収納する給紙トレイ131~133を有する。
【0017】
給紙装置10と本体部20との間には、用紙Sの物性を検知する検知装置を設けてもよい。
【0018】
[本体部]
本体部20は、給紙装置10の用紙搬送方向下流側且つ画像読取装置30の用紙搬送方向上流側に位置する。
本体部20は、原稿から画像を読み取って得られた画像データや図示しない外部装置から受信した画像データを取得する。そして、本体部20は、これらの画像データに基づいて電子写真方式によりカラー画像を形成する。さらに、本体部20は、画像形成済みの用紙Sを画像読取装置30に搬送する。
本体部20は、
図1及び
図2に示すように、以下の構成を備える。本体部20は、操作部21と表示部22と原稿読取ユニット23と画像形成部24と制御部26と記憶部27と通信部28と画像処理部29とを備える。
【0019】
操作部21は、表示部22の表示画面上を覆うように形成されたタッチパネルや、数字ボタン、スタートボタン等の各種操作ボタンを備える。
操作部21は、ユーザーの操作に基づく操作信号を制御部26に出力する。
【0020】
表示部22は、LCD(Liquid Crystal Display)等を備える。
表示部22は、制御部26から入力される表示信号の指示に従って各種画面を表示する。
【0021】
原稿読取ユニット23は、自動原稿給紙装置(ADF:Auto Document Feeder)、スキャナー等を備える。
原稿読取ユニット23は、原稿の画像を読み取って得られた画像データを制御部26に出力する。
【0022】
画像形成部24は、画像データに基づいて、給紙装置10から搬送された用紙S上に、中間転写方式により画像を形成する。本実施形態において当該用紙Sは枚葉紙である。
画像形成部24は、感光体ドラム、中間転写ベルト242、2次転写ローラー243、定着部244、反転経路245、レジスト部246等を備える。感光体ドラムは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、特色(S)の各色に個別に対応するものを含む。本実施形態では、特色は白を例示する。即ち、感光体ドラムは、感光体ドラム241Y,241M,241C,241K,241Sを有する構成である。
【0023】
画像形成部24は、感光体ドラム241Yを一様に帯電した後、イエロー色の画像データに基づいてレーザービームにより走査露光し、静電潜像を形成する。次に、画像形成部24は、感光体ドラム241Y上の静電潜像にイエロー色のトナーを付着させ、現像を行う。
感光体ドラム241M,241C,241K,241Sについても、扱う色が異なることを除いて、感光体ドラム241Yと同様であるため、説明を省略する。
【0024】
画像形成部24は、感光体ドラム241Y,241M,241C,241K,241S上に形成した各色のトナー像を中間転写ベルト242上に転写する。この中間転写ベルト242に対する転写は、1次転写である。すなわち、画像形成部24は、中間転写ベルト242上に、5色のトナー像を重ね合わせたカラートナー像を形成する。
画像形成部24は、中間転写ベルト242上のカラートナー像を、2次転写ローラー243により、用紙S上に一括して転写する。この用紙Sに対する転写は、2次転写である。中間転写ベルト242及び2次転写ローラー243により形成されるニップ部が転写部である。
【0025】
定着部244は、カラートナー像が転写された用紙Sを加熱する加熱ローラー、当該用紙Sを加圧する加圧ローラーを備える。
定着部244は、加熱・加圧によりカラートナー像を用紙Sに定着させる。
【0026】
本体部20において用紙Sの片面に画像を形成する片面印刷の場合、制御部26は、用紙Sを定着部244から画像読取装置30に搬送する。
一方、用紙Sの両面に画像を形成する両面印刷の場合、制御部26は、用紙Sを定着部244から反転経路245に搬送して、用紙面を反転する。次に、制御部26は、用紙Sを用紙搬送方向においてレジスト部246より上流側に再度給紙する。
【0027】
レジスト部246は、レジストローラーを備え、転写部に用紙Sを搬送する。
レジスト部246は、給紙装置10から搬送された用紙Sの傾きを補正するとともに、用紙Sの搬送タイミングを調整する。
【0028】
制御部26は、CPU、RAM、ROM等を備える。
制御部26のCPUは、ROMに記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAMに展開する。制御部26は、RAMに展開した各種プログラムとの協働により、本体部20の動作を統括的に制御する。
【0029】
記憶部27は、プログラムや画像データ等の各種データを記憶するHDD、半導体メモリー等の不揮発性の記憶装置である。HDDは、Hard Disk Driveの略称である。
記憶部27は、プログラムデータや各種設定データ等のデータを制御部26から読み書き可能に記憶する。
また、記憶部27は、給紙トレイ131~133と、そこに収納されている用紙Sの坪量、サイズ、紙種等の情報とを対応付けてそれぞれ記憶している。
【0030】
通信部28は、例えばLANカード等の通信制御カードを備える。
通信部28は、LAN、WAN等の通信ネットワークに接続された外部装置(例えばパーソナルコンピューター)との間で各種データの送受信を行う。LANは、Local Area Networkの略称である。WANは、Wide Area Networkの略称である。
【0031】
画像処理部29は、画像形成前の画像データに必要な画像処理を行う。画像データには、記憶部27に記憶されたもの、原稿読取ユニット23により原稿を読み取って得られたもの、外部装置から入力されたものが含まれる。
次に、画像処理部29は、画像処理後の画像データを画像形成部24に送信する。
当該画像処理は、階調処理、中間調処理、色変換処理等を含む。階調処理は、画像データの各画素の階調値を、用紙S上に形成された画像の濃度特性が目標の濃度特性と一致するように補正された階調値に変換する処理である。中間調処理は、誤差拡散処理、組織的ディザ法を用いたスクリーン処理等である。色変換処理は、RGBの各階調値をCMYKの各階調値に変換する処理である。
上記の画像処理部29は、制御部26のCPUが実行するプログラムによって実現する機能的な構成であってもよい。
【0032】
[画像読取装置]
画像読取装置30は、本体部20の用紙搬送方向下流側に配置されている。
画像読取装置30は、本体部20から搬送された用紙Sを読み取り、得られた読取画像のデータを制御部31に出力する。
画像読取装置30は、制御部31と、読取部32と、搬送部36と、検知部33と、測色部34とを備える。さらに、画像読取装置30は、補正部35と、排紙トレイ39とを備える。
【0033】
搬送部36は、本体部20から排紙トレイ39までを接続する搬送路と用紙Sを搬送する図示しない搬送ローラーとを有する。
上記搬送路は、本体部20から排紙トレイ39をほぼ直線的に連結する第一搬送路37を有する。さらに、搬送路は、第一搬送路37の途中から分岐して下方に迂回してから再び第一搬送路37に合流する第二搬送路38を有する。
【0034】
第二搬送路38は、第一搬送路37から分岐すると、下方に向かって大きく迂回し、その後、上方に進路を向けて第一搬送路37に合流している。
第二搬送路38を迂回して搬送される用紙Sは、第一搬送路37のみを搬送される用紙Sに比べて搬送距離が長くなっている。
【0035】
第一搬送路37と第二搬送路38とは、いずれも、用紙Sを搬送路に沿わせるためのガイドや壁部で構成してもよい。また、第一搬送路37と第二搬送路38とは、各々の経路に沿って並んで配置された複数のガイドローラで構成してもよい。
【0036】
第一搬送路37から第二搬送路38への分岐位置には、用紙Sの進路を変更可能な図示しない分岐ガイドが配置されている。分岐ガイドは、制御部31によって制御されるアクチュエータにより向きを変更可能である。この仕分け部材の向きの変更により、用紙Sが第一搬送路37の進行を維持する搬送と用紙Sが第二搬送路38に進入する搬送とに切り替えることができる。
【0037】
第一搬送路37における第二搬送路38との分岐位置よりも用紙搬送方向上流側には、読取部32が配置されている。
読取部32は、画像形成部24により用紙Sに形成された画像を読み取って読取画像データを取得して画像処理部29に出力する。読取部32は、例えば、カラースキャナー等により構成される。読取部32は、画像形成部24の用紙搬送方向下流側に配置されているので、用紙搬送中に画像を読み取ることができる。
また、読取部32は、第一搬送路37を搬送される用紙Sを挟んで両側に個別に検出素子を有する。一方の検出素子は、用紙Sの一方の面、例えば、上面の画像を読み取る。他方の検出素子は、用紙Sの他方の面、例えば、下面の画像を読み取る。
【0038】
読取部32により読み取られた読取画像は、画像処理部29によって解析される。画像処理部29は、画像形成前の画像データに対する画像処理だけでなく、読取部32の読取画像の解析も行う。この場合、画像処理部29は、用紙Sの表面と裏面のそれぞれに形成された画像の用紙Sに対する位置ずれ量、位置ずれの調整値、画像の色の調整値等を算出する。また、画像処理部29は、形成画像の欠陥の検出を行う。画像処理部29は、解析結果を本体部20の制御部26に出力する。
また、制御部31は、読取部32により読み取られた読取画像に基づいて各種のキャリブレーションを実施する。
【0039】
図3は第二搬送路38に配置された画像読取装置30の構成を示す概略図である。
図3に示すX軸方向は用紙搬送方向を示し、Y軸方向は用紙搬送方向に直交する方向を示す。
なお、「用紙搬送方向に直交する方向」とは、搬送される用紙の平面に平行であって、用紙搬送方向に直交する方向を示す。以下、「用紙搬送方向に直交する方向」を「搬送直交方向」という。
また、
図3における下側が用紙搬送方向の上流側を示し、
図3における上側が用紙搬送方向の下流側を示す。
第二搬送路38には、用紙搬送方向下流側に向かって順番に、補正部35、検知部33、測色部34が配置されている。
【0040】
補正部35は、第二搬送路38に沿って搬送される用紙Sの傾きの補正を行う。矩形の用紙Sは、その側端部slが用紙搬送方向に平行な状態で搬送されることが理想的な状態である。
なお、用紙Sの側端部とは、矩形の用紙Sにおける短辺又は長辺に沿った端部を示す。以下の説明では、用紙Sの長辺に沿った端部が搬送方向に平行になるように搬送する場合を例示する。
【0041】
補正部35は、用紙Sの側端部slを搬送方向に平行な状態に近付けるように用紙Sの向きの補正を行う。
補正部35は、ループローラー351とレジストローラー352とを有する。ループローラー351とレジストローラー352は、いずれも用紙搬送方向に直交する方向に沿った軸回りに回転するローラー対を有する。ローラー対を構成する二つのローラーは互いに逆回転を行い、ローラー対のニップ部で用紙Sを搬送方向に送り出すことができる。
【0042】
ループローラー351は、レジストローラー352よりも搬送方向上流側に配置されている。また、ループローラー351とレジストローラー352の用紙搬送方向の間隔は、所定距離よりも短い。この場合の所定距離は、搬送対象となる最小の用紙Sの搬送方向に沿った長さを示す。
また、ループローラー351からレジストローラー352までの間には、用紙Sに生じるループ(弛み)を許容するスペースが確保されている。このスペースは、第二搬送路38を挟んで、搬送される用紙Sの平面に垂直な方向の両側に形成される空間である。
【0043】
また、ループローラー351とレジストローラー352は、各々が駆動源となるモーターを備える。制御部31は、各モーターの駆動と停止を個別に制御することができる。即ち、補正部35は、制御部31との協働によって、用紙Sの傾き補正を行う。
【0044】
図4は補正部35による用紙Sの傾き補正動作を示す概念図である。
補正部35による補正動作の開始時には、レジストローラー352のモーターの駆動が停止される。このとき、レジストローラー352の各ローラーの回転が制止されるようにモーターが制御される。
一方、ループローラー351は、レジストローラー352側に向かって用紙Sの搬送を行う。
その結果、用紙Sの用紙搬送方向下流側の先端部がレジストローラー352のニップ部に押し付けられる。レジストローラー352のニップ部は、搬送直交方向に平行である。
【0045】
図4の実線に示すように、用紙Sが用紙搬送方向に対して傾斜を生じる場合がある。この場合、二点鎖線で示すように、用紙Sの先端部は、突き当てによりレジストローラー352のニップ部に倣って搬送直交方向に沿うように向きが矯正される。また、用紙Sの側端部は、弛んでループを生じる場合がある。
この状態で、レジストローラー352の用紙搬送方向への回転駆動を行うことで、用紙Sの側端部が用紙搬送方向に沿った状態で送り出すことができる。
【0046】
検知部33は、搬送直交方向における用紙Sの位置を検知する。より具体的には、検知部33は、用紙Sの搬送直交方向の片側の側端部slの搬送直交方向における位置を検知することができる。
検知部33は、例えば、ラインセンサで構成される。検知部33は、
図3に示すように、ライン状の検出範囲が搬送直交方向に平行となるように配置され、搬送される用紙S側に向けられている。
検知部33は、用紙Sに照射する光源を有してもよい。検知部33は、反射光の輝度の違いにより、用紙Sの側端部slの搬送直交方向における位置を検出することができる。
【0047】
検知部33の検知範囲は、第二搬送路38を搬送される用紙Sの搬送直交方向の少なくとも片側の側端部slが通過する位置を含むように配置される。なお、用紙Sは、第二搬送路38において、搬送直交方向のいずれの方向にも位置ズレを生じる場合がある。検知部33は、用紙Sの搬送直交方向に生じ得る位置ズレに十分に対応可能な検知範囲とすることが好ましい。
【0048】
測色部34は、第二搬送路38を搬送される用紙Sに記録されたチャート画像Oの読み取りを行う。
【0049】
ここで、用紙Sに記録されたチャート画像Oについて説明する。チャート画像Oは、あらかじめ階調値の組み合わせが定められた複数の測色対象画像としてのパッチPからなるキャリブレーションチャートである。
図5はチャート画像Oの一例を示す図である。
この
図5に関しては、チャート画像Oが形成された用紙Sが適正な向きで搬送路に配置されていることを前提として、その説明を行う。
【0050】
チャート画像Oは、搬送直交方向に沿って一列に並んだ複数のパッチPからなるパッチ列が、用紙搬送方向に複数並列されて構成された画像である。
図5の例では、パッチPが正方形である場合を例示しているが、矩形等の他の形状であってもよい。各パッチPの形状と寸法は、いずれも等しい。また、各パッチP又は各パッチ列は、隙間なく形成してもよいし、隙間を設けてもよい。
パッチPの色相を示す階調値の組み合わせは、パッチPごとに全てが異なることが好ましい。
【0051】
チャート画像Oは、本体部20の画像形成部24によって用紙Sの片面に形成される。測色部34は、画像形成部24によって形成されたチャート画像Oの各パッチPの読み取りを行う。
測色部34は、分光測色計により構成されている。測色部34は、カラースキャナーで構成された読取部32よりも高精度の測色が可能である。
測色部34は、チャート画像Oの全てのパッチPに対して個別に測定を行い、その結果を制御部31に出力する。制御部31は、チャート画像Oの画像データに定められた各パッチPの階調値と測色部34によって測定された階調値とを対比する。そして、制御部31は、これらの対比によって、いわゆるカラープロファイルを作成する。
カラープロファイルは、本体部20に送られる。カラープロファイルは、画像形成部24による画像形成時に制御部26によって参照され、色相の補正に反映される。
【0052】
上記のように、測色部34は、搬送直交方向に規則的に並んだ複数のパッチPの測定を個別に行う。このため、測色部34は、図示しないキャリッジ型の搬送機構に支持されている。この搬送機構は、制御部31の制御によって、測色部34を、搬送直交方向に沿って搬送し、任意に位置決めすることができる。
【0053】
図5に示すチャート画像OのパッチP1は、測色部34による測定開始位置となるパッチを示す。即ち、このパッチP1は、用紙搬送方向の最も下流側のパッチ列に属するパッチである。さらに、このパッチP1は、パッチ列における搬送直交方向の一端部(例えば、検知部33側)に位置するパッチである。このように、チャート画像Oの測定開始位置は、用紙搬送方向の下流側端部における角部に位置するパッチPの位置とすることが好ましい。
用紙S上の搬送直交方向における全てのパッチの位置は、チャート画像Oの画像データから取得できる、従って、全てのパッチの位置は、既知であるといえる。なお、ここでいう「パッチの位置」とは、パッチの角部の位置やパッチの中心位置である場合を含む。
【0054】
図3における一点鎖線は、パッチP1の位置を通過する用紙搬送方向に沿った直線である。前述したように、用紙Sの平面内のパッチP1の位置は取得可能である。このため、用紙Sの側端部slからパッチP1の位置までの搬送直交方向の距離Dyも取得可能である。
検知部33によって、用紙Sの側端部slの搬送直交方向の位置は、検知可能である。これにより、制御部31は、搬送直交方向におけるパッチP1の位置、即ち、搬送直交方向における測定開始位置を取得することができる。
例えば、検知部33によって、予め設定された搬送直交方向における基準位置Bから用紙Sの側端部slまでの搬送直交方向の距離Dsが検出されたとする。なお、基準位置Bは、適正に搬送された用紙Sの側端部slが通過すべき目標位置である。
その場合、制御部31は、搬送直交方向におけるパッチP1の位置をDs+Dyによって算出する。
これにより、制御部31は、チャート画像Oの読み取り開始時に、読み取り開始位置がDs+Dyとなるように測色部34の搬送機構を制御する。
【0055】
なお、チャート画像Oの読み取りには、用紙Sと測色部34との用紙搬送方向の相対的な位置決めも行う必要がある。
この用紙搬送方向の位置決めは、前述したレジストローラー352の回転量の制御によって行われる。
用紙搬送方向におけるレジストローラー352から測色部34までの距離Fは、設計値から取得可能である。また、チャート画像Oの画像データから用紙S上の用紙搬送方向におけるパッチP1の位置も取得可能である。このため、用紙Sの用紙搬送方向の下流側の端部からパッチP1の位置までの用紙搬送方向の距離Dxも取得可能である。
従って、制御部31は、前述した補正部35による傾き補正時のレジストローラー352の駆動開始から距離F+Dxの送りが行われるようにモーターを制御する。
これにより、制御部31は、用紙搬送方向について、測色部34が読み取り開始位置となるように位置決めを行うことができる。
【0056】
なお、用紙Sの用紙搬送方向の送り量をより精度良く検出するために、レジストローラー352の回転数を検出するエンコーダ等のセンサーを設けてもよい。
【0057】
[画像読取装置によるチャート画像の読み取り]
画像形成装置1は、測色モードと非測色モードとを選択的に実行することができる。測色モードでは、画像形成装置1は、チャート画像Oの形成から読み取りまでを行う。非測色モードでは、画像形成装置1は、任意の画像データに基づいて画像形成を行う。
これらのモード選択は、本体部20の操作部21からの作業者の入力によって行われる。
【0058】
測色モードが選択されると、本体部20の制御部26は、記憶部27に用意されているチャート画像Oの画像データの読み込みを行う。また、制御部26は、測色モードの実施を画像読取装置30の制御部31に送信する。
そして、制御部26は、給紙装置10に対して、チャート画像Oを形成するための既定の用紙Sの搬送を要求する。
そして、制御部26は、画像形成部24を制御して、給紙装置10から供給された用紙Sに対して、画像データに基づいてチャート画像Oを形成する。
そして、制御部26は、チャート画像Oが形成された用紙Sを画像読取装置30に搬送する。
【0059】
次に、画像読取装置30の制御部31が行うチャート画像の読み取り処理について説明する。
このチャート画像の読み取り処理は、制御部31のCPUが本体部20の記憶部27に用意されたプログラムを読み込むことで実行される。
図6はチャート画像の読み取り処理の内容を示すフローチャートである。
図3~
図6を参照してチャート画像の読み取り処理の内容を説明する。
【0060】
制御部31は、本体部20からの測色モードの実施の指令を受けて、搬送部36の分岐ガイドを制御する。これにより、用紙Sを第二搬送路38へ搬送することが可能な状態となる(S1)。
次いで、制御部31は、搬送部36を制御して、用紙Sの搬送を開始する(S3)。
この場合、用紙Sの搬送速度は、非測色モードに比べて低速としてもよいし、非測色モードと等しくしてもよい。
【0061】
そして、本体部20からチャート画像Oが形成された用紙Sが供給されると、当該用紙Sは、第二搬送路38に案内される。
補正部35は、用紙Sが到達すると、傾き補正を実施する(S5)。なお、補正部35には、用紙Sの到達を検出するセンサーを設けてもよい。当該センサーは、用紙Sの用紙搬送方向の下流側端部を検出するものでもよい。当該センサーは、ループローラー351又はレジストローラー352のニップ部周辺又はその手前に配置してもよい。
【0062】
制御部31は、
図4に示すように、停止状態のレジストローラー352に対してループローラー351を駆動させる。これにより、用紙Sの用紙搬送方向の下流側端部が搬送直交方向に略平行となるように傾き補正が行われる。
そして、制御部31は、レジストローラー352とループローラー351とを駆動して搬送を再開する(S7)。
この場合、用紙Sの搬送速度は、非測色モードに比べて低速とする。これにより、制御部31は、「搬送制御部」として機能する。
【0063】
搬送される用紙Sに対して、検知部33が側端部slの搬送直交方向の位置を検出する(S9)。
制御部31は、検出された側端部slの搬送直交方向の位置から、チャート画像OのパッチP1の搬送直交方向の位置を算出する。そして、制御部31は、搬送機構を制御して、パッチP1の搬送直交方向の位置を読み取り開始位置として、測色部34の位置決めを行う(S11)。
制御部31は、測色部34の上記位置決めを行う制御を実施することにより、「測色制御部」として機能する。
【0064】
制御部31は、レジストローラー352とループローラー351の各モーターを制御して、用紙搬送方向について用紙SのパッチP1の位置決めを行う(S13)。この場合、用紙SのパッチP1の位置が用紙搬送方向について測色部34の読み取り位置と一致するように位置決めが行われる。この位置決めにより、レジストローラー352とループローラー351の各モーターの駆動は一時的に停止される。
なお、制御部31は、S11とS13の処理の順番を入れ替えて実行してもよい。また、制御部31は、S11とS13の処理を並行して行ってもよい。
【0065】
S11とS13の処理によって、用紙S上のパッチP1の位置と測色部34の読み取り位置とが平面視で略一致した状態となる。
制御部31は、この状態から測色部34による各パッチPの読み取りを順番に実行する(S15)。
まず、制御部31は、測色部34を搬送直交方向に沿ってパッチ列のパッチP1とは逆側の端部まで搬送しながら、各パッチPの測色を実行する。なお、以下では、上記測色部34によるパッチ列一列分の読取動作を走査と記載する。
さらに、制御部31は、レジストローラー352とループローラー351の各モーターを制御して、前述した低速状態で用紙Sの搬送を行う。
これ以降、制御部31は、測色部34の走査をパッチ列ごとに実行する。
なお、測色部34の走査は、パッチ列ごとに搬送直交方向における読取開始位置に測色部34を戻して、毎回同じ方向に向かう移動による走査を行ってもよい。
或いは、測色部34の走査は、搬送直交方向に沿った一方向への移動による走査と他方向への移動による走査とを交互に行ってもよい。
【0066】
制御部31は、チャート画像Oの読み取りを完了すると、読取データとチャート画像Oの画像データとを対比して、画像形成部24のカラープロファイルを作成する(S17)。このカラープロファイルは、本体部20の制御部26に送信する。
そして、制御部31は、搬送部36の制御によって用紙Sを排紙トレイ39に排紙して、測色モードにおける読み取り処理を終了する。
【0067】
なお、制御部31は、S17におけるカラープロファイルの作成は行わず、チャート画像Oの読取データを本体部20の制御部26に送信してもよい。この場合、読取データを受信した本体部20の制御部26がカラープロファイルを作成する。
【0068】
[本体部による画像形成]
カラープロファイルを取得した後の本体部20における画像形成制御について説明する。画像形成制御は、制御部26のCPUが記憶部27に用意されたプログラムを読み込むことで実行される。
【0069】
なお、この画像形成処理は、非測色モードが選択されていることを前提とする。
従って、制御部26は、非測色モードの実施を画像読取装置30の制御部31に送信する。これにより、画像読取装置30の制御部31は、搬送部36の分岐ガイドを制御して、用紙Sが第一搬送路37のみを搬送可能な状態で待機する。
【0070】
図7は画像形成制御の内容を示すフローチャートである。
図7を参照して画像形成制御の内容を説明する。
【0071】
制御部26は、画像データを取得する(S21)。画像データは、原稿読取ユニット23から取得したものでもよいし、図示しない外部装置から受信した画像データでもよい。
そして、制御部26は、給紙装置10に対して、用紙Sの搬送を要求する(S23)。
【0072】
取得された画像データは、画像処理部29によって階調処理、中間調処理、色変換処理等の画像処理が行われる。さらに、制御部26又は画像処理部29は、画像読取装置30から取得したカラープロファイルを参照して画像データの階調値の補正を行う。
そして、制御部26は、画像形成部24を制御して、搬送される用紙Sに対して、補正された画像データに基づいて画像形成を行う(S25)。
【0073】
そして、制御部26は、画像が形成された用紙Sを画像読取装置30に搬送する。
画像読取装置30の第一搬送路37における用紙搬送方向上流側には、読取部32が配置されている。従って、制御部26は、用紙Sの画像読取装置30への搬送により、制御部31を通じて、速やかに読取部32による用紙Sの読取画像データを取得することができる。
【0074】
画像処理部29は、読取部32による読取画像データの解析を行う。画像処理部29は、形成された画像の用紙Sに対する位置ずれ量、形成画像の欠陥の検出を行う。
制御部26は、画像処理部29の検出結果に基づいて形成画像の良否判定を行う(S29)。
そして、制御部26は、形成画像の品質が適正と判定した場合には、制御部31を通じて、用紙Sをそのまま排紙トレイ39に排出させる。そして、制御部26は、画像形成制御を終了する。
【0075】
一方、制御部26は、形成画像の品質が不適正と判定した場合には、表示部22に画像形成エラーを表示させて報知を行う(S33)。
さらに、制御部26は、画像処理部29による画像解析によって得られた位置ずれの調整値、画像の色の調整値等によって画像データの補正を行う(S35)。これにより、制御部26及び画像処理部29は、協働により、「画像制御部」として機能する。
そして、制御部26は、S23に処理を戻して、新たに供給された用紙Sに対して再度の画像形成を実施する。
【0076】
[第1実施形態の技術的効果]
画像形成装置1の画像読取装置30は、制御部31が検知部33による検知結果に基づいて、パッチPを読み取るように測色部34を制御している。
これにより、第二搬送路38において用紙Sが搬送直交方向について位置ずれを生じる場合でも、測色部34がパッチPを適正に読み取ることが可能である。また、第二搬送路38において用紙Sの搬送直交方向の位置が変動する場合でも、測色部34がパッチPを適正に読み取ることが可能である。
従って、画像形成装置1は、より精度のよいカラープロファイルを取得することができ、良質な画像形成を行うことが可能となる。
【0077】
そして、パッチ列の端部に従来のような端部マークを付することが不要となる。このため、画像形成装置1は、用紙Sに端部マークを形成する領域を確保する必要がなくなり、ユーザーが使用できる画像領域が拡大する。また、端部マークが不要なので、画像形成装置1は、トナーの消費量を低減することが可能となる。
【0078】
また、制御部31は、検知部33による検知結果に基づいて、測色部34による読取位置を制御している。このため、測色部34は、搬送直交方向について各パッチPを適正な位置で読み取ることができる。従って、画像形成装置1は、チャート画像Oについて精度の良い読取結果を得ることが可能となる。
【0079】
また、画像形成装置1の画像読取装置30は、測色部34が搬送直交方向に沿って移動可能である。
このため、画像読取装置30は、用紙Sの全幅に及ぶ長大なセンサーを不要とし、小型の検出素子等を利用することが可能となる。
特に、測色部34が移動可能である場合、パッチ列に沿って並んだ各パッチPに対する読み取りを良好に行うことができる。従って、画像読取装置30は、検知部33による検知結果に基づく読取位置の制御に好適に適応する。
これによって、画像形成装置1は、チャート画像Oについて精度の良い読取結果を得ることが可能となる。
【0080】
また、用紙Sのチャート画像Oには複数のパッチPが搬送直交方向に沿って記録されている。このため、測色部34が搬送直交方向に沿って移動可能である場合、各パッチPに対する読み取りを特に良好に行うことができる。
これによって、画像形成装置1は、チャート画像Oについて精度の良い読取結果を得ることが可能となる。
【0081】
そして、制御部31は、検知部33による検知結果に基づいて、測色部34が読取開始位置を定める制御を行っている。チャート画像Oのパッチ列を構成するパッチPの並び方向と測色部34の移動方向はいずれも搬送直交方向である。このため、測色部34の読取開始位置が定まれば、パッチ列全体に対して適正な読み取りが可能となる。従って、画像読取装置30は、簡易な制御で各パッチPに対する読み取りを良好に行うことが可能となる。
【0082】
また、制御部31は、測色部34がパッチPの読み取りを開始する前に、測色部34の位置を搬送直交方向に調整している。
これにより、画像読取装置30は、パッチPの読み取り開始と共に精度良く測色を行うことが可能となる。
【0083】
また、画像読取装置30は、検知部33が、測色部34よりも用紙搬送方向上流側に配置されている。
このため、用紙SのいずれにパッチPが形成されている場合であっても、検知部33の検知結果を利用して測色部34がパッチPの読み取りを行うことが可能となる。このため、用紙Sの平面に対するパッチPの形成範囲を拡大することができる。従って、チャート画像OにおいてパッチPを高密度で形成することも可能となる。
【0084】
測色制御部31は、測色モードと非測色モードとを選択的に実施可能である。このため、画像読取装置30は、測色部34による測色が不要な場合に、これを回避することができる。その場合、測色部34の動作や検出の頻度を低減し、駆動部や測色部34の動作負担及び検出データの処理負担を低減することが可能となる。
【0085】
また、画像読取装置30は、測色部34よりも搬送方向上流側に、補正部35を備えている。このため、用紙Sの傾きを低減し、測色部34による各パッチPの読み取りをより精度良く行うことが可能となる。
また、検知部33は、補正部35よりも用紙搬送方向下流側に配置されている。従って、補正部35は、検知部33の検知よりも先に用紙Sの傾きを補正することが可能となる。
そして、これに伴い、検知部33は、用紙Sの傾きが補正された状態で用紙Sの位置を検知するのでより適正な検知を行うことができる。このため、測色部34は、各パッチPの読み取りをさらに精度良く行うことが可能である。
【0086】
また、制御部31は、測色モードにおいて非測色モードより測色部34を通過する際の用紙Sの搬送速度を低速とする制御を行っている。
これにより、画像読取装置30は、測色部34によるパッチPの読み取りをより精度良く行うことが可能となる。
【0087】
また、画像読取装置30は、測色部34が分光測色計を有する構成である。このため、カラースキャナー等に比べて、パッチPの読み取りをより高精度に行うことが可能となる。
【0088】
また、画像形成装置1は、画像形成部24により用紙Sに記録された画像を読み取る読取部32を備えている。そして、画像の読み取り結果に基づいて画像処理部29が画像データを補正している。さらに、制御部26は、画像形成部24を制御して補正された画像データによって画像形成を行っている。
これにより、画像形成装置1は、高画質の画像形成を行うことが可能となる。
【0089】
また、画像形成装置1では、測色部34によるチャート画像Oの読み取り結果に基づいてカラープロファイルを作成している。さらに、上述した画像データの補正の際に、カラープロファイルが参照され、これに基づく画像データの補正も行われている。
従って、画像形成装置1は、さらなる高画質の画像形成を行うことが可能となる。
【0090】
さらに、画像形成装置1では、画像読取装置30において、読取部32が補正部35および検知部33よりも用紙搬送方向上流側に配置されている。
これにより、読取部32の画像の読み取り結果をより早い段階で取得することが可能となる。読取部32の画像の読み取り結果を利用して実行する処理や制御をより早い段階で実行することが可能となる。
【0091】
[第2実施形態]
第2実施形態について図面を参照しながら説明する。
第2実施形態は、画像読取装置30において、検知部33と補正部35の配置を変更した例を示している。
図8は第二搬送路38に配置された画像読取装置30の構成を示す概略図である。
【0092】
前述した第1実施形態の構成では、補正部35が検知部33よりも用紙搬送方向上流側に配置されていた。より詳細には、補正部35の用紙搬送方向下流側端部(レジストローラー352)が検知部33よりも用紙搬送方向上流側に配置されていた。
【0093】
これに対して、第2の実施形態の構成では、補正部35と検知部33の配置は、
図8に示す通りである。
即ち、補正部35が検知部33よりも用紙搬送方向下流側まで配置されている。
より詳細には、補正部35の用紙搬送方向下流側端部(レジストローラー352)が検知部33よりも用紙搬送方向下流側に配置されている。一方、補正部35の用紙搬送方向上流側端部(ループローラー351)は、検知部33よりも用紙搬送方向上流側に配置されている。
【0094】
つまり、
図8及び
図9に示す配置の場合、レジストローラー352とループローラー351の間に検知部33が配置される。
このため、用紙搬送方向について補正部35及び検知部33を集約的に配置することができる。これにより、これらを配置する第二搬送路38を縮小化することができ、画像読取装置30の小型化を図ることが可能となる。
【0095】
しかしながら、上記配置は、検知部33が用紙搬送方向について測色部34から離隔することになる。一方、補正部35による傾き補正後に搬送スキューによって再び用紙Sに傾斜が生じる場合がある。
その場合、検知部33と測色部34が離隔していることにより、用紙Sの傾斜の影響を顕著に受けやすいという問題がある。
【0096】
図9は補正部35による傾き補正後、パッチP1の位置である読取開始位置まで用紙Sが搬送された状態を示している。
図10は上記問題の解決のために、制御部31が実行するチャート画像Oの読み取り処理を示すフローチャートである。
このチャート画像Oの読み取り処理は、制御部31のCPUが本体部20の記憶部27に用意されたプログラムを読み込むことで実行される。
【0097】
この読み取り処理の場合も、測色モードが選択されることを前提とする。
制御部31は、用紙Sを第二搬送路38への搬送が可能な状態とする(S41)。
次いで、制御部31は、チャート画像Oが形成された用紙Sの搬送を開始する(S43)。
補正部35は、用紙Sが到達すると、傾き補正を実施する(S45)。
【0098】
そして、傾き補正直後の用紙Sに対して、検知部33による側端部slの搬送直交方向の位置の1回目の検出が行われる(S47:
図8参照)。
これにより、制御部31は、用紙Sの側端部slの搬送直交方向の位置Ds1を取得する。
そして、制御部31は、レジストローラー352とループローラー351とを駆動して低速で搬送を再開する(S49)。
【0099】
制御部31は、測色部34に対して、用紙搬送方向について用紙SのパッチP1の位置決めを行い、搬送を停止する(S51:
図9参照)。パッチP1は、傾き補正直後の用紙Sの位置から用紙搬送方向について距離F+Dxの搬送を行うことにより測色部34に位置決めすることができる。
前述したように、距離Fは用紙搬送方向におけるレジストローラー352から測色部34までの距離である。また、距離Dxは、用紙Sの用紙搬送方向の下流側の端部からパッチP1の位置までの用紙搬送方向の距離である。
【0100】
そして、パッチP1の位置決めが行われた用紙Sに対して、検知部33による側端部slの搬送直交方向の位置の2回目の検出を行う(S53:
図9参照)。
これにより、制御部31は、用紙Sの側端部slの搬送直交方向の位置Ds2を取得する。
【0101】
次いで、制御部31は、用紙Sの側端部slの搬送直交方向の位置Ds1,Ds2とその間の用紙Sの搬送距離F+Dxによって用紙Sの傾きを算出する(S55)。
即ち、用紙Sは、用紙搬送方向に距離F+Dxだけ移動する間に搬送直交方向にDs2-Ds1の移動が生じている。
このため、制御部31は、傾きを次式(1)により算出する。
傾き=(Ds2-Ds1)/(F+Dx) …(1)
【0102】
制御部31は、用紙Sの傾き補正を行った時点からの用紙搬送方向の搬送距離に上式(1)の傾きを乗じてもよい。これにより、制御部31は、用紙Sの傾き補正を行った時点からの用紙搬送方向の用紙Sの搬送距離に応じて変化する用紙Sの搬送直交方向の補正量を算出することができる。
なお、紙種によっては、上記補正では補正しきれない場合がある。この場合には、紙種ごとの補正テーブルを記憶手段に用意しておき、これを参照して補正を行ってもよい。紙種はユーザーが事前に入力してもよいし、紙種を検出可能な検出手段を画像読取装置30又は上流側の装置に設け、検出してもよい。
【0103】
制御部31は、用紙Sの傾きに応じてパッチP1の位置を補正する。そして、補正後のパッチP1の搬送直交方向の位置に測色部34の位置決めを行う(S57)。
その後も、用紙Sは、用紙搬送方向の搬送に応じて傾きが変化する。制御部31は、逐次、傾きを算出し、各パッチPの位置を補正しつつ測色部34による読み取りを行う(S59)。
【0104】
ついで、制御部31は、チャート画像Oの読み取りを完了すると、読取データとチャート画像Oの画像データとを対比して、画像形成部24のカラープロファイルを作成する(S61)。制御部31は、カラープロファイルを本体部20の制御部26に送信する。
そして、制御部31は、用紙Sを排紙して、読み取り処理を終了する。
【0105】
上記画像読取装置30では、制御部31が、補正部35による傾き補正後と、測色部34によるパッチP1の読み取り時とに、検知部33の検知を行っている。そして、制御部31は、二つの検知結果に基づいて用紙Sの傾きを求め、測色部34による読取位置の補正を行っている。
従って、傾き補正後に、搬送スキュー等の原因により用紙Sの傾きが生じても、測色部34による各パッチPの読み取りを精度よく行うことが可能となる。
特に、
図8のように、測色部34が用紙Sの傾きの影響を受けやすい構成の場合にも、測色部34の読み取りを精度よく行うことが可能となる。
【0106】
なお、用紙Sの傾きによる補正を伴う上記の読み取り処理は、
図1の構成の画像読取装置30にも適用してもよい。
図1の画像読取装置30の場合には、用紙Sの傾きの影響は少ない。しかし、この画像読取装置30の場合にも、用紙Sの傾きの影響をさら低減してチャート画像Oの読み取りを行うことが可能となる。
【0107】
[その他]
なお、画像形成装置又は画像読取装置は、上述の構成に限定されない。
例えば、
図11の画像読取装置30のように、読取部32を測色部34より用紙搬送方向の下流側に配置してもよい。この場合、画像形成後、すぐに読取部32による読み取りは行われない。また、この配置の場合、読取部32による読み取り前に、補正部35によって用紙Sの傾き補正を行うことができる。これらの点以外については、
図11の画像読取装置30は、
図1又は
図8の画像読取装置30と同様の技術的効果を得ることが可能である。
【0108】
また、検知部33を測色部34よりも用紙搬送方向の下流側に配置してもよい。例えば、用紙Sの用紙搬送方向下流側の端部から離隔して各パッチPが形成されている場合がある。そのような場合には、検知部33の検知結果に基づいて測色部34による読み取りを精度良く行うことが可能である。
【0109】
また、測色部34は、搬送直交方向に移動可能に支持される構成に限定されない。
例えば、画像読取装置は、搬送され得る用紙Sの搬送直交方向の全幅を読み取り可能な長尺な測色部を使用してもよい。この場合、測色部34を搬送により位置決めする必要がなくなる。例えば、測色部は、長尺な検出面の搬送直交方向の各位置における検出結果がいずれのパッチPに対応するかを特定しながら、チャート画像の読み取りを行う。
【0110】
また、補正部35は、
図4の構成に限定されず、用紙Sの傾きを補正可能な他の構成を選択してもよい。例えば、補正部を、搬送直交方向に並んだ二組のローラー対と、各ローラー対に個別に設けられた速度制御可能なモーターとを備える構成としてもよい。この場合、用紙Sに対して、搬送直交方向の一方と他方とで速度差を設けて各ローラー対が送りを行うことで用紙Sの傾きを修正することができる。
なお、上記構成の場合には、用紙Sの用紙搬送方向に対する傾きを検出することが好ましい。例えば、検知部33と同じ構成の検知部を用紙搬送方向について異なる位置に二つ設けてもよい。二つの検知部における用紙Sの側端部slの各位置から用紙Sの用紙搬送方向に対する傾きを求めることが可能である。
【0111】
また、各実施形態では、測色モードと非測色モードとで第二搬送路38の搬送と第一搬送路37のみの搬送とを切り替える制御を例示した。しかし、画像読取装置30は、この制御に限定されない。例えば、測色モードと非測色モードのいずれの場合も、第二搬送路38の搬送を行ってもよい。さらに、その場合、画像読取装置30の搬送経路は、第二搬送路38を通過する搬送経路のみで構成してもよい。その場合、二系統の搬送経路を一系統に減らすことができ、装置構成の簡略化を図ることが可能となる。また、搬送経路を切り替える装置やその制御も不要となる。
【0112】
また、非測色モードの場合にも、補正部35による用紙の傾き補正を行ってもよい。この場合、非測色モードでも、用紙Sの搬送の向きの適正化を図ることが可能となる。
また、非測色モードの場合にも、検知部33による用紙検知を行ってもよい。この場合、非測色モードでも、用紙Sの搬送状態の情報を得ることが可能となる。
【0113】
その他、画像形成装置1を構成する各装置の細部構成及び各装置の細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0114】
1 画像形成装置
10 給紙装置
20 本体部
24 画像形成部
26 制御部
27 記憶部
29 画像処理部
30 画像読取装置
31 制御部(測色制御部)
32 読取部
33 検知部
34 測色部
35 補正部
36 搬送部
37 第一搬送路
38 第二搬送路
351 ループローラー
352 レジストローラー
O チャート画像
P,P1 パッチ(測色対象画像)
S 用紙
sl 側端部